経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会評価小委員会(第33回)-議事要旨

日時:平成22年7月21日(水)9:30~13:00
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

平澤委員長、太田委員、菊池委員、小林委員、鈴木委員、冨田委員、中小路委員、森委員、吉本委員
(経産省出席者)
西本大臣官房審議官(産業技術・環境担当)
石川産業技術政策課長
土井研究開発課長
早田資源エネルギー庁総合政策課長補佐
事務局:長濱技術評価室長、森田補佐 他

議事概要

1. 平成23年度新規研究開発事業に係る事前評価について(審議)

(1)個別審議案件

担当課室から事業の概要及び事前評価報告書(案)の内容について説明の後、審議が行われた。
各事業に対する主な意見は以下のとおり。

  • (1)「組込みシステム基盤開発事業」
    • 国際競争力を高めるためには、デファクトスタンダードや国際標準などの国際的なイニシアティブをどのようにとっていくかが重要。
    • 国際標準化は、日本の標準にとらわれず、もっとグローバルに、欧州や中国など世界各地域での取り組みを考慮する必要がある。
    • 実用化までを踏まえたプロジェクトの参加者の見極めが必要。
  • (2)「鉄道直流き電に活用できる超電導直流送電システムの実証事業」
    • 鉄道の送電より、大電流の送電にメリットがあると思われる。鉄道会社が入ってくることが肝要であり、安全性の面も踏まえる必要がある。
    • この課題は鉄道として利用される経済性まではまだ検討する段階ではなく、超電導ケーブルとしてのテクノロジーにまだ問題が残っている。そこに資源を集中すべき。
  • (3)「次世代型双方向通信出力制御実証事業」
    • ロードマップを見ると展開がゆっくりしているので世界的な動向も見極めつつもっと早く進めるべき。
    • コスト面を考えると、太陽電池のような小規模発電は蓄電システムで置き換えた方が有利かもしれず、別の提案(新エネルギー系統対策蓄電システム技術開発)との連携もあり得る。
  • (4)「太陽光発電出力予測技術開発実証事業」
    • 様々な通信インフラをエネルギー制御に活用するという提案しているが、通信インフラの活用が弱いレベルにとどまっている印象。
    • 太陽光パネルがもっと情報を発信する側に回るような視野が必要。
  • (5)「新エネルギー系統対策蓄電システム技術開発」
    • 系統対策蓄電システムは、技術として大事。
    • 電力貯蔵については世界的な潮流を踏まえつつ、電池の性能も見極めた上でどうするかを検討すべき。
    • 電池の開発は相当進んでおり、どこまでを国でやって、どこから民間に任せるかといいう官民の棲み分け、線引きが必要。
  • (6)「海洋エネルギー技術研究開発事業」
    • 日本は海洋エネルギーを全発電量の中でどの程度の見通しをもっていくか、検討すべき。
    • 風力、太陽光発電と比較してメンテナンス費用だけを考えても相当コスト高となり、どこにどのように使えるかを精査すべき。
    • 日本はどの様な条件であれば向いているのか、どこに絞ればインパクトがあるかなど、十分に調査・検討すべき。
  • (7)「重質油等高度精製技術開発」及び (8)「重質油等高度精製技術開発委託事業」
    • かつて、石油産業活性化センター(PEC)においてバイオ法を用いた重質油の分解、不純物元素の選択的分離等を実施した。バイオの活用も検討すべき。
    • 過去の例で原油が安くなったらオイルサンドの減産を余儀なくされたことがあり、こうしたことも踏まえ長期的な視野も必要。
    • 重質油は多様な構造の混合物であるため、化学的構造解析は困難。まずは科学的事実関係を良く把握してプロジェクトを検討すべき。
    • プロセスのエネルギー収支の評価が必要。
  • (9)「高効率水素製造等技術開発」
    • 水素分離膜は、現在NEDOで研究しており、高価なパラジウムの膜を使うか、高分子系の安い膜があるかどうかの知識はある程度メーカが持っているのではないか。
    • 自動車等の移動体における燃料電池の実用化や、社会インフラとしての水素ステーションの必要性について議論し、問題点を把握した上でプロジェクトを検討すべき。

2. その他

「前回(第32回)評価小委員会における個別審議案件に係る委員コメント」について報告を行った。
また、平成23年度新規研究開発事業に係るすべての事前評価報告書に対し、評価小委員会としてコメントを追記することが了承された。
2回にわたって実施した事前評価を踏まえ、更に有用性の高いものにするため、どのような対応をしたら良いか議論をし、各委員より以下のようなコメントが出された。

  • 国際市場である程度競争力のあるような技術、社会システムにお金をかけるべき。
  • 例えばエネルギー分野については、総合的に見て、事業の優先度について検討する場があれば良い。
  • ある程度ハイリスク・ハイリターンで、どうしても民間が実施するには非常に難しいものは国がやるべき。ただし、純粋なサイエンスで、何時できるか分からないものについては、別枠でやるべき。
  • 昨今、省庁の壁を越え連携していくべきと言われているが、事業の提案が課毎にされており、もう無理があるのではないか。
  • ロジックツリーの作成は一つの進歩。今後ロジックツリーの項目に重みをつけていく作業が必要。
  • 経済産業省主導で作成した技術開発ロードマップを参照し、プロジェクトの位置付けを評価することが重要。
  • 真の目的がどこにあるか、階層を上げてもっと大きな目的にし、それをプログラムとして取り組むことが必要。その際、幾つかの課や他省庁にまたがる課題であれば、関係者の連携とプログラム化が重要。
  • 折角の事前評価のための評価小委員会なので、レビューや相談ができるような体制をつくり、複数の案からどれが良いかという相談をする使い方をしても良いのではないか。

最後に、委員から、研究開発プロジェクトの評価ポイントとして、以下の点が重要であることが示された。

  • (1)課題のタイプによる特性を考慮しているか。
    • 3つのタイプ→先端型、競争型、基盤型
    • これらのタイプにより採用すべき戦略に違いがある。
  • (2)困難な課題は何か。
    • 困難な課題は、科学、技術、経済、社会のどのフェーズにあるか。
    • 目的との関係において、隠れた課題は無いか、有るとすれば何を解決するフェーズにあるか。
  • (3)目的が所在するフェーズによる特性を踏まえているか。
    • 実現したい真の目的はどのフェーズにあるか。
    • フェーズへのアプローチ・仕掛け・仕組みの違いを踏まえているか。
  • (4)技術領域による特性を考慮しているか。
    • 実用化までのリスクの所在(技術領域によりリスクが所在するフェーズやポイントが異なる)を把握する。
  • (5)要素技術とシステム技術
    • 独立または他の技術との調和の中で意味を持つか。
  • (6)実用化(市場競争への参入)を目指す。
    • コストパフォーマンスの数量目標を立てる、原価企画を行う。
    • マネジメント・コアの重要性(目標の妥当性、戦略計画・取組みの体制・途上の運用・見直しと意思決定等)
  • (7)社会実装(社会への普及)を目指す。
    • 社会理念との整合性を図る。
    • 実装のプロセスをウオッチしつつ、情報共有を行う。
    • 実装の体制(社会的機能の分掌と担い手)を整える。
    • コスト・アナリシスを行う。

お問い合わせ先

産業技術環境局産業技術政策課技術評価室
TEL:03-3501-0681

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最終更新日:2010年10月20日
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