経済産業省
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審議会・研究会

独立行政法人評価委員会資源分科会水資源機構分科会等合同会議(第6回)  議事録

平成17年3月15日(火)

【前川水資源政策課長】
それでは、時間がまいりましたので、ただいまから第6回独立行政法人評価委員会水資源機構分科会等合同会議を開催致します。
栩木先生は、到着が遅れるとの御連絡を受けておりますので、ただいまから始めさせていただきます。私は、本日、司会を務めさせていただきます国土交通省水資源部水資源政策課長の前川でございます。よろしくお願い致します。
最初に、農水省の評価委員会の委員に御異動がございましたので、御紹介申し上げます。
小林委員に替わりまして、東京大学大学院農学生命科学研究科助教授の中嶋委員が新任されました。
【中嶋専門委員】
中嶋でございます。
【前川水資源政策課長】
また、小林委員の異動に伴いまして、プロジェクトチーム長は渡邉委員が就任されました。
【渡邉委員】
渡邉でございます。よろしくお願いします。
【前川水資源政策課長】
本日の会議は公開とさせていただいております。前回の合同会議につきましては、業務実績の評価に関する案件であったために、合同会議運営方針第3条の規定により非公開でございましたが、本日は公開ということでございます。
それから、本日は、運営方針第2条の規定に基づき、あらかじめ登録された方の傍聴、また審議に入りますまでのカメラの撮影、録音等を認めております。
会議に入ります前に、まずマイクの使い方を御説明させていただきます。御発言をされます際には、お手元にございますマイクのボタンを押していただきまして、また、御発言が終わりましたら、再度ボタンを押していただきますようお願い致します。
本日の議題は、「独立行政法人水資源機構業務方法書及び中期計画の一部改正」の1件でございます。
審議の後に2件、報告事項がございます。まず、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会の平成15年度における所管独立行政法人の業務実績評価に関する意見が1件目でございます。
また、2つ目は、平成16年度事業実績状況について(徳山ダムの11筆の土地に関する監査結果、水資源機構の事業所の点検結果に関する報告)の2件について報告がございます。
それでは、審議に入りたいと思います。傍聴の方は、ただいまからの撮影、録音等は合同会議運営方針により認められておりませんので、よろしくお願い致します。
以降、議事の進行につきましては、松尾合同会議議長にお願いしたいと思います。よろしくお願い致します。
【松尾合同会議議長】
松尾でございます。お忙しいところをお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。
1週間前の打ち合わせのシナリオでいきますと、ここで私が、中嶋委員と渡邉委員の就任を御紹介するところでございますが、もう終わりましたので、どうぞよろしくお願い致します。
それでは、審議に入ります前に、水資源機構の青山理事長から、審議に当たり委員の皆様に御挨拶がございます。どうぞよろしく。
【青山理事長】
理事長の青山でございます。どうもありがとうございます。年度末の大変御多忙の中にもかかわりませず御出席を賜りまして、心から感謝申し上げたいと思います。
また、皆様方には、日頃から機構の経営面を始め、事業の実施とその実績の評価に貴重な御意見を賜っているところでありまして、重ねて感謝申し上げたいと思います。
議事が始まります前に、少しばかり時間を頂きまして、機構の今後の仕事の考え方や進め方につきまして、昨年8月の評価委員会のときに4本柱として申し上げましたことの取り組み状況と併せて、簡単に御紹介させて頂きたいと思います。
まず初めに、機構の将来像としてどのような組織になるべきかという目標について触れてみたいと思います。独立行政法人に移行いたしまして、業務運営に関わることについては、特殊法人時代にない、自律的・自主的運営を進めることが可能となったわけでございます。その具体的なものといたしまして、機構が保有する積立金等の自己資金を事業執行に有効活用する仕組みとして、本日御審議賜ります特定事業先行調整費制度の創設につながりました。
また、今後の業務が管理中心となる中で、受託業務や海外貢献の道も開かれました。例えば昨年来よりアジア地域の水資源管理を支援するNARBOの活動を積極的に展開してきているところでございます。これに40年にわたる実績を基盤にして、現場に根差し、水に関する調査・研究、設計・積算、施工管理・施設管理等のマネジメントを行っていくことによりまして、水に関して総合的に考え、行動の出来る、世界に冠たるというとちょっと言い過ぎになるかもしれませんが、世界に冠たる実務型のシンクタンクを目指していこうと考えているところでございます。これを実現するためには、数多くの課題を一つ一つ着実にクリアしていかなければならないと思っております。そういう意味から致しますと、昨年の評価委員会でお話ししました4点につきましては重要な事柄であると思っておりまして、どうしても前に進めなければならないと考えているところでございます。具体的には、機構経営を適切な運営体制と内容で行うという視点から考えますと、給与水準、職員等の管理についてどうしていくかということでございます。
その1点目は給与水準の適正化でございまして、昨年6月にラスパイレス指数を公表いたしまして以来、一層の抑制措置を講じなければならないものと考えておりまして、昨年7月以降、種々の検討を行ってまいりました。給与水準の抑制措置につきましては、平成15年10月の機構移行時の措置に加えまして、平成17年度から平成19年度の間、本給のカットを実施したいと考えています。
2点目は、今後の機構の業務は管理が重要なウエートを占めるということから、地方の実情を熟知した職員が地方において勤務する、いわゆる勤務形態を反映した効率的な業務執行のための人事配置と、新たな給与体系の導入を行うことと致しました。平成17年度は50歳以上の職員を対象にいたしまして約70名、機構全体で1,650名弱いるわけでございますが、約70名を地域勤務型の勤務へ移行することを考えているところでございます。
また、業務の進め方についてでございますが、最も重点を置かなければならない事業プロセスの透明化の強化という点につきましては、昨年度の徳山ダムの事業費増額のことでより一層の事業費管理の徹底や情報の開示を行い、透明性の確保・向上に努めていこうと考えていたところでございます。しかしながら、後ほど報告事項として御説明させていただきますが、まだまだ改革は道半ばといったところでございます。本社・支社・局・現場の風通しをよくして業務内容を十分に吟味して、機構全体でもって加速して取り組まなければならないと認識しているところでございます。
4点目は、業務の効率化と技術力向上による徹底したコスト縮減でございます。これにつきましては、今後の新規事業の減少、年度事業費の削減を背景といたしまして、また、貴重な技術を蓄積した経験者が高齢化する中で、その技術を継承し、技術力の向上を図るために業務の徹底した簡素化と、業務の直営化の推進を担う体制づくりを進めようということで、この4月より現在の技術研究研修センターを改組いたしまして、本社に総合技術推進室を設置しまして、新たな経営管理システムを構築しようと考えているところでございます。
以上、簡単にお話ししましたが、いずれの課題もこれから取り組みが本格化してまいる課題でございまして、試行錯誤が許されない、待ったなしの状況であることを十分踏まえつつ、これらの取り組みを通じて、世界に冠たる水の実務型シンクタンクを目指そうと考えているところでございます。本日はどうぞよろしくお願い致します。ありがとうございました。
【松尾合同会議議長】
ありがとうございました。水資源機構の将来像的なもの、併せて具体的にどういうことをやるかということを、4本柱ということで決意を理事長が述べられたと承りました。
それでは、本日の配付資料につきまして、事務局より確認をお願い致します。
【事務局(今村)】
国土交通省水資源政策課長補佐の今村でございます。よろしくお願い致します。
配付資料は右肩に資料番号を付してありますが、議事次第の順番にまとめ、それぞれ枝番号をつけてあります。資料1-1から1-4までは、審議事項の水資源機構業務方法書及び中期計画の一部改正についての資料でございます。1-1は特定事業先行調整費制度の創設についての説明資料でございます。1-2はカラーのものですけれども、制度の概要につきまして説明図をまとめたものでございます。1-3と1-4は、水資源機構から提出されました業務方法書と中期計画の一部改正の認可申請書でございます。代表いたしまして、国土交通大臣に提出された写しを配付させていただきましたが、農林水産、厚生労働及び経済産業の各大臣へも同様の認可申請書が提出されております。
続きまして、2-1から2-3までは報告事項の総務省政策評価・独立行政法人評価委員会の業務実績評価に対する意見の資料でございます。2-1は業務実績評価に係るスキーム図でございます。2-2は総務省政策評価・独立行政法人評価委員会から国土交通省の評価委員会に対して出された意見でございます。2-3はその意見に関わります水資源機構からの状況報告の資料でございます。3-1と3-2は、最後の報告事項の平成16年度事業実施状況についての説明資料でございます。3-1は徳山ダム建設事業に係る土地の取得等に関する資料、3-2は水資源機構の事業所の点検結果に関する報告でございます。
最後に参考資料といたしまして、当合同会議の運営方針、委員の名簿、それから、独立行政法人通則法の関係条文、抜粋でございますけれども、配付させていただきました。以上でございます。
【松尾合同会議議長】
ありがとうございました。
それでは議事に入りたいと存じますが、議事次第にありますように、審議事項は議題、独立行政法人水資源機構業務方法書及び中期計画の一部改正について審議を致します。この議題につきまして、まず事務局から説明を願いします。
【事務局(今村)】
御説明致します。独立行政法人通則法の規定によりまして、独立行政法人は、法人の業務方法書、中期計画を変更する際は主務大臣の認可を受けなければならず、主務大臣は認可をしようするときは、あらかじめ評価委員会の意見を聞くこととされております。
本件につきましては、資料1-3及び1-4のとおり、水資源機構理事長から、平成17年3月1日付で主務4大臣に認可申請のありました特定事業先行調整費制度の創設に伴う業務方法書と中期計画の一部改正につきまして、評価委員会に御意見をお伺いするものでございます。以上でございます。
【松尾合同会議議長】
それでは、国土交通大臣に対して提出されました認可申請の内容について水資源機構から説明を伺って、それからまた御意見をお伺い致しますが、とりあえずは機構から説明をお願いします。
【福田理事】
理事の福田でございます。それでは、特定事業先行調整費制度の創設につきまして説明させていただきます。
お手元に資料1-1と1-2がございます。1-2のカラー刷りの資料に基づきまして、特定事業先行調整費制度が必要となった背景について御説明申し上げます。
この資料の中央にグラフがございますが、私どもが担当しておりますダムや調整池等の大規模事業の工事は長年月かかる、時間が非常にかかるというのが特徴でございます。そういうことから、特にダム等におきましては本体工事といいますか、ダムそのものを実施する際には非常に大規模なプラントと大型の機械等を投入致しますので、その稼働率をいかに経済的に使用するかというのが大きな課題になってまいります。したがいまして、どうしても事業費の中に大きな山が出来る。経済的に安く仕上げるためには、たくさんの施工量を確保することが必要になりまして、ダム事業ではこの本体工事が入りますと、その中期以降に大きな山が出来るのが通常でございます。
しかしながら、昨今、下のグラフの左側を見ていただきますと、我が国財政事情の緊迫化によりまして、予算的制約が加わってまいります。そういうことになりますと、この山を潰すことになるわけです。潰れてきますと工期が遅れる。同時に工期が遅れることによりまして、工事現場に存置しておりますプラント、大型機械の使用料等の費用が加算されるという結果になりまして、工事コストの増大につながるものでございます。加えて、工期が遅れることによって、その機能の効用の発現が遅れるということになります。
こういうことに鑑みまして、私どもは独立行政法人水資源機構に移行して以降、もう少し自主的・自律的な運営は出来ないかということを検討してまいりました。それを考えましたのが右下の図でございます。通常、山が出来たところの予算的制約をいかにクリアするかということで、自己が持つ資金を使って工期の進捗を図る。同時に、そうすることによって事業費を守り、工期を守るという課題に対して答えを出すという選択をしようということを機構内で議論を重ね、関係機関と調整し、今回、特定事業先行調整費制度の創設につながったわけであります。
右下の図で見られますように、濃い緑の部分に自己資金を投入いたしまして、それを後年度回収する。そうすることによって、工事自身は当初計画していた時点の工期を守る、事業費を守る、そういう制度をつくろうということに至ったわけであります。
次に、資料の1-2の2ページを見ていただきたいと思います。水資源機構の現在までの国費の縮減率、事業費がどのように推移しているかを見たのがこのグラフでございます。右肩下がりで2つの折れ線グラフがございます。赤いものと青いものでございますが、赤いものが、政府が閣議決定を致しました『改革と展望』に基づきます投資的経費の投入推移でございます。このように右肩下がりで、政府はこういう方針で投資的経費を抑制しているということでございます。それに比して、青い折れ線グラフ、これは現実に水資源機構に配分される予算の推移でございまして、13年度以降、14年度、15年度、16年度と、国が定めた『改革と展望』の水準以下の水準で現在推移しております。
この青い線のままでいきますと、現在計画しております徳山ダムの19年度完成が危うくなるわけでございまして、私どもとしては、17年度予算を何とか破線のように上にはね上がらして、白い丸の点まで確保したいという背景があるわけでございます。
その次のページを見ていただきたいと思います。しからばその山を崩すために、機構全体で考えてはどうかという疑問が出てまいります。徳山ダム等現在着手している大きなダムを計画どおり終えるためには、機構内で努力をしていけば、こういう疑問が出てまいります。機構全体の予算を見たのが水色と赤色の棒グラフでございまして、徳山ダムに必要となる経費が赤いもの、その他の建設事業、管理業務、水路建設事業に投入している額が水色の棒グラフでございます。このように13年度以降、徳山ダムを除く各事業は抑制せざる得ない、現実に抑制をして次の段階にはなかなか推移出来ない、必要最少限度の維持的な予算にとどまることを余儀なくされているわけであります。これを経なければ徳山ダムも出来ませんし、他の建設事業、水路事業、管理事業に非常に支障を来すという問題に、機構自身当面しているわけであります。
その次の4ページを見ていただきますと、我々としては、このへこむものをどうして確保するかということで、17年度、現在考えております赤いピンク色のところが治水交付金の国負担分、下側が治水交付金の地方負担分となっておりますが、現在我々が確保し得るのは、この薄いピンクと薄いブルーでございます。これに対して、自己資金を赤いピンクと濃い水色の部分に投入いたしまして計画どおり事業を執行し、括弧の投入した資金を事業費の山が少し緩みます19年度、20年度に回収しようというのが本制度の大まかな背景でございます。
こういう制度につきまして、業務方法書等をどのように定めたかにつきまして、資料1-1で説明申し上げます。資料をめくっていただきまして、1ページは制度の概要で、ただいま御説明申し上げましたとおりのことが文書化されております。2ページが業務方法書の一部改正でございます。我々水資源機構の業務方法書は、現在、16条で構成されておりますが、今回、1条をつけ加えました。そこに、機構の自己資金の活用により、業務の実施に要する費用を支弁出来ること、支弁した資金は後年度に回収すること、その他制度の運営に係る必要な事項は、別に定めることをこの業務方法書で規定するものでございます。
3ページをご覧になっていただきたいと思います。3ページは、この制度の要綱が添付されております。この制度を運用するための詳細は、この要綱に基づいて実施されることになります。要綱の主な点について御説明申し上げます
まず、3条の制度適用の判定要件でございますが、これは、制度が使えるか否かの基本条件を付したものでございます。まず1つは、制度で活用する現金を資金計画において確保出来ていること、いわば機構自身が現金化出来る資金をきっちり持っているかどうかでございます。
2つ目は、機構予算は原則、国からの交付金・補助金などで確保することが前提になっております。したがいまして、調整費として活用出来る自己資金があったとしても、通常の予算の確保がまず先だという仕組みにしております。通常の予算が十分確保されないまま、こういう現金化した自己資金を投入するものではないと。国から投入されるものは確保しつつ、不足する分を自己資金で賄うという仕組みにしてございます。
次に、対象事業の適用要件でございますが、4条をご覧いただきたいと思います。3つの要件をすべて満たすということになっております。1つは、中期計画において完成工期やダム本体工事等を実施中の事業であること、現に工事がやられていて、完成工期が明記されているものにまず適用されるということでございます。
2つ目は、機構の事業は国の施策に基づいて行われていくことから、事業費財源である国の治水交付金又は利水に係る補助金の確保が困難であること、要は一生懸命取ったけれども、まだ少し足らないというような事業に適用するということでございます。
3つ目は、制度を適用することにより、国及び地方の負担について調和を保った平準化が効果的に図られることを条件にするものであります。これは山を崩すわけですから、その負担について平準化が図られる、それについて国また利水者の方々の合意が得られるということが条件になってございます。
次に、調整費で支弁する財源につきましては、交付金、補助金及び利水者負担金といった機構の事業費財源を構成するすべてのものを対象としていることでございます。
それから、7条では回収方法が規定してございます。資金の回収方法につきましては、均等回収といたしまして、この回収期間の上限を、現在、機構が発行している水資源債の償還期間である10年に準拠しております。また、機構の財務内容や、それ以降の事業計画、回収資金を交付する者又は負担する者の財政状況を勘案して柔軟に対応出来るよう、この7条で規定してございます。
なお、この調達につきまして、自己資金の金利につきましては、調達コストを伴わない資金であることなどから、付さないことと致しております。
また、この資金の使用に当たりましては、制度の適用要件、調整限度額、回収方法などを審議するために、機構内に役員をメンバーとした判定会議を設けることと致しました。これをもちまして関係者への説明責任を確保することと致しております。また、当委員会におきます審議、監査法人による確認、主務大臣の認可といった手続を経て、対外的な透明性を確保しようと考えております。
次に、5ページをごらんになっていただきたいと思います。中期計画の一部改正に関わるところでございます。中期計画では、適用対象事業として新たに挿入する(4)の本文にありますとおり、徳山ダム建設事業といたしまして、対象の財源は国からの治水交付金の一部と定めております。また、17年度に当該制度により支弁する資金の限度額は69億9,300万円、この資金の回収年限につきましては平成20年度と致しております。
最後に、今回、徳山ダム建設事業にこの制度を適用することによりまして、治水交付金の国費及び地方費の平準化に伴う水機構予算措置の円滑化が図られるとともに、計画的な事業実施による事業工期内の完成と、工期遅延による1年当たりおよそ50億円と見込んでおりますが、コスト増を回避出来るといった効果が期待されるものでございます。以上をもちまして説明とさせていただきます。
【松尾合同会議議長】
ありがとうございました。
それでは、ただいまの業務方法書と、それから、最後に説明がありましたが、それに基づいた中期計画の一部改正につきまして、委員の方々から御質問あるいは御意見等がありましたらお伺い致します。いかがでしょうか。(一定の時間)特にはございませんか。
それでは、この件につきましては特に意見がないということでよろしゅうございますか。
(「はい」の声あり)
【松尾合同会議議長】
では、そのようにさせていただきます。なお、座長が感想めいたことを申し上げるのはどうかと思います。しかしこれは別にシナリオにあるわけでは決してないんですけれども、法人になったがゆえの自主性とか自律性、あるいは裁量といいますか、そういった利点を理に適ったやり方で活用するというような方法になっていると私は感じました。これはなかなか苦心されたなと思いますが、ほかの法人にとりましても、大学法人なんかは、こううまくはいかないかもしれませんが、非常に参考になると思いました。
ただし、もちろんのことですけれども、事前の意見にあったと思いますが、こういう問題に関しては、非常に厳しい倫理観とか、経営の理念とか、それから手腕とか、そういったものに加えて、本委員会のような評価委員会とか、あるいはその監査、そういったものをきちんとやって進めていかれることが非常に大切ではないかと、このように思いました。それで、蛇足ですけれども、こんなことはシナリオには絶対書かれておりませんが、ひとつよろしくお願い致します。
それでは、次に報告事項が2点あります。委員の先生方は御承知のように、すべての独立行政法人は、業務実績評価というのを独立行政法人の評価委員会が作って、提出することになっております。それをまた総務省が一段上のところにありまして、総務省の評価委員会で各独法から出てきた評価について意見を述べるという、そういう法律の仕組みになっていることは御承知かと思います。前置きが長くなりましたけれども、そういうことで、ここで報告頂く最初のものは、総務省の方に政策評価・独立行政法人評価委員会というのがあります。これが平成15年度における独立行政法人の業務実績評価に対して意見を述べることが出来ることになっておりますので、これにつきまして、水資源機構に対しても当然この意見が来ておりますので、事務局から、まずこの報告を受けたいと思います。
【事務局(今村)】
わかりました。資料2-1を御参照下さい。水資源機構の平成15年度の業務実績評価につきましては、イメージ図の真ん中のところですけれども、小さく日付がございますが、昨年の8月3日に評価委員会合同会議を開催致しまして、評価を決定致しました。その後、右の矢印の方に行きますけれども、9月3日に評価の結果を総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会の方に通知致しました。その結果、その隣の矢印でございますが、昨年12月10日に総務省の評価委員会から評価についての意見が出されたところでございます。
資料を1枚めくっていただきまして、資料2-2をご覧下さい。資料2-2は、総務省の評価委員会から国土交通省の評価委員会に対して出されたその意見でございます。資料2-2を1枚めくっていただきまして、ページは振ってございませんが、2ページ目でございます。2ページの中ほどに、「今後、貴委員会におかれては」という段落がございます。その段落の最後のところでございますけれども、ちょっと読ませていただきますと「中期目標期間終了時の見直しを視野に入れた評価が行われることを要望します」と、これが総務省の評価委員会からの意見の趣旨でございます。
続きまして、別紙を御参照下さい。具体の意見が記載されております。ページでいうと3ページ目になります。水資源機構に対します個別意見は2つございます。1点目は、水資源機構と関連公益法人との契約につきまして、所要の分析を行い、評価を行うべきとのものでございます。この件につきましては後ほど水資源機構の方から状況の報告がございます。
2点目につきましては、昨年の8月の合同会議でも御意見をいただきましたけれども、「利水者ニーズを反映した業務の遂行の具現化に、評価の視点を大きくする必要がある」という意見につきまして、総務省の評価委員会も、推奨するとの意見が寄せられております。
最後のページをご覧下さい。これは所管法人共通の意見でございます。
1点目は、平成17年度末で中期目標期間を終了する法人についての意見でございますので、水資源機構は対象ではございません。
2点目は、財務内容の評価につきまして、計画と実績の対比が行われていない法人が見受けられるということでございますが、水資源機構につきましては、評価委員会に提出致しました業務実績報告書の中で、計画と実績の差額について要因を分析しておりますので、問題はございません。
3点目は、特殊法人等から移行した独立行政法人の給与水準についての適正化についての意見でございます。この件につきましては、会議の冒頭、水資源機構青山理事長の御挨拶の中に、その取り組みについて御報告がありました。以上でございます。
【松尾合同会議議長】
ありがとうございました。
それでは、今の説明にあったとおりなんですが、政策評価・独立行政法人評価委員会から木村委員長宛に来ている文書、今説明いただいたとおりですが、これは、要するに国土交通省所管の独立行政法人というのは、この水資源機構だけではなくて、幾つもございます。それが、我々水資源機構に関するこの評価委員会でつくったもの等を全部、国土交通省の評価委員会の方でまとめているわけですが、それに対して、個別につきまして色々な意見が総務省の方から来ていると、こういう類の問題ですが、総務省の評価委員会の意見につきまして、水資源機構からその状況報告をお願い出来ますか。
【柳原理事】
水資源機構理事の柳原でございます。総務省の評価委員会の御意見並びにそれに対します私どもの取り組みについて御説明をさせていただきたいと思います。
資料2-3をご覧いただきたいと思います。御指摘をいただいておりますのは、最初の枠組みのところにございますように、本法人と関連公益法人との間で、調査研究業務に関して約24億円の委託契約が行われておりまして、当該経費が関連公益法人における事業収入の大部分を占めている状況を踏まえ、契約の必要性が明確か、契約方式及び当該契約方式を採用した理由は妥当か、それから、契約金額が過大になっていないかどうかについて所要の分析を行い、評価を行うべきであると、こういう御意見をいただいております。
ただいま御指摘がございましたように、平成15年度の関連法人への発注状況は、水資源協会へ18億5,000万円、愛知・豊川用水振興協会へ5億4,000万円の発注がございました。これらにつきまして、御意見にある契約の必要性、契約方式の妥当性等について、当機構の取り組み状況について御説明させていただきたいと思います。
資料2-3の3ページをご覧いただきたいと思います。機構の業務方法書では、業務の発注に当たっては、競争契約を原則とすることとされておりますが、同第13条で「契約の性質又は目的が競争を許さない場合及び競争に付することが不利と認められる場合においては、随意契約によるものとする」と定められております。
今回御意見をいただきました業務は、委託契約等の方式によりまして随契で発注した関係から、それらの業務の内容がこの理念に合致しているかどうかを確認したわけでございます。確認の結果を申し上げますと、まず、業務内容を2ページの3でお示ししておりますが、いずれの業務におきましても専門性が高く、対応出来る経験、人材を擁していること、公共性、公平性、客観性を確保する条件を満足していた業務のほか、データの連続性を確保する必要性から、前年度に引き続き業務を行うこととしており、そういう形で随意契約を行ったものであると考えております。
しかしながら、今回このような御意見をいただいた状況を踏まえまして、随意契約の発注に当たっては、業務方法書に定められた条件を引き続き厳守する必要があることを職員に改めて認識させ、国民の皆様から誤解を受けることのないよう、機構といたしましては次のことに取り組むことと致しました。
1つは、機構に設置されております入札監視委員会におきまして、調査業務等の随意契約を毎回審議の対象として、その活用を図ることと致しております。2番目に、随意契約の妥当性の確認についてでございますが、民間事業者に発注出来る業務は民間に発注するとの考え方のもとに、内容を精査することと致しました。
2番目に、調査業務等の随意契約の必要性を精査し、業務の実施に必要な技術、人材、ノウハウ等を有する相手方が適切に選定されるよう、本社において全事業所分の内容ついて確認することと致しました。さらに、委託契約におきます、いわゆる主たる部分の再委託を禁止すると、こういう点につきまして、その内容を契約書に明示するというような対応方法を実施致したところでございます。
以上が現在の取り組み状況でございますが、最後に、平成16年度の業務実績報告におきましては、公益法人の業務発注状況等につきまして整理するとともに、併せて平成17年度の入札監視委員会等を含めた取り組み状況につきまして御報告させていただき、評価をお受け致したいと考えておりますので、よろしくお願い致します。以上でございます。
【松尾合同会議議長】
ありがとうございました。
さて、この報告は審議事項ではございません。しかし、今後の私どもの年度業務実績評価というのを、いずれまたすぐやっていかなければなりませんね。そういうものにつなげていきたい、活かしていきたいと、こういうように考えますので、ただいまの総務省の評価委員会の意見に対して、水資源機構の取り組み状況を今、柳原理事から説明があったわけですが、こういうことに関しまして、当委員会の先生方の御意見をお伺いしたいと思います。そうしますと、そういう意見を今年の私たち委員会の次の評価に生かしていくことが出来るのではないかと、このように考えますので、どうぞ御意見がございましたら御遠慮なく御発言ください。
【後委員】
総務省の評価委員会の指摘に対する水資源機構の取り組みということで、資料2-3の5のところに、「入札監視委員会における調査業務等の随意契約の審議結果を含めて」というふうに書いてございまして、今、柳原理事から口頭で、連続して請け負わないというようなお話があったんですが、そこのところがきちんとわからなかったので、その御説明をいただきたいのが1点目です。
それから、水資源機構の入札監視委員会によってきちんと吟味するから大丈夫だということですが、この委員会の仕事量にもよるかと思います。その客観性をどういうふうに担保なさるのかという点について2点目に質問したいんですけれども、お願い致します。
【松尾合同会議議長】
ありがとうございました。それでは、柳原理事、どうぞよろしく。
【柳原理事】
入札監視委員会の方は、年に4回開催しております。そういう中で、毎回の審議会の中に、調査委託契約等の随意契約の分を含めて御審議をいただきたいと、こういう形で実効性を確保してまいりたいと、こういうふうに考えております。
最初の御質問については、私の御説明の仕方が不鮮明だったと思いますが、最初の説明のところで申し上げましたのは、データの連続性を確保する必要性から、前年度に引き続いて業務を行うこととして、「行うこととして」ということで、連続して行わないということではない。そういうことで、データの連続性から連続して行う必要があるものについては随意契約で行っていると、こういう趣旨でございます。ちょっと発言の方が不鮮明で誤解を招いたかと思いますが、申しわけございません。
【松尾合同会議議長】
よろしいですか。どうぞ。
【後委員】
随意契約とするための根拠として、例えばデータの連続性ということでございますけれども、データなど必要な情報の引き継ぎは当然なされるべきですし、連続性の必要な情報を持っている限り、随意契約の正当性の根拠となるのであれば、大方の仕事がそういうことになろうかと思います。そういう意味では、マニュアルはきちんとするとか、それを含めて次に引き継ぐのは当然のことだと解しております。それから、専門性ということにつきましても、前もって御自身で、こういう理由があって競争には適さないというふうにおっしゃることには納得がいかないわけです。委員である私が納得いかないということは、外側から見るともっと不透明な感じがするんじゃないかと思います。基本的には競争に付して、そのことで当然問題は起きるでしょうから、そういうことを随時補っていくという基本姿勢をきちんと示されることが、この不透明さを払拭する最も根本的な対処の方法ではないかと思います。今お伺いした限りの理由で随意契約のままでオーケーですと私は責任を持って言えないというふうに感じております。以上でございます。
【松尾合同会議議長】
おっしゃることは非常にごもっともなことで、先般、私もよく似たことをかなり厳しく申し上げたんですが、それは後で申し上げるとして、今のことにまだ何か御発言がありますか。
【柳原理事】
今御指摘いただいておりますように、専門性なり、あるいはデータの連続性なりについては、個別にその必要性というものを私どもは毎回チェックしていくべきものだと考えておりますので、そういうような取り組み状況も踏まえまして、次回の委員会でもまた御報告させていただきたいと思っております。
【青山理事長】
補足させていただきますが、入札監視委員会での審議は、今までは調査業務については随意契約という格好で取り上げてはやっていただいてなかったわけです。工事の場合の随意契約はあるわけですけれども、調査の場合はなかったんですが、今後は、随意契約理由を、それも無作為の抽出で審議していただこうと思っておりまして、無作為抽出ということでございますので、どれが当たるかわからない。当たったものについての随意契約理由がきちっと説明出来るかどうかという判断を入札監視委員会の場でしていただくというような仕組みを取りたいと思っております。いずれにしましても、私どもが幾らこれは専門性があってどうだと言っても、第三者的な立場の方が見て、なるほどそうだなと思っていただかないことには、世の中、納得していただけないという面もございますので、そういった方法をとっていきたいと思っております。
【松尾合同会議議長】
私も意見がありますが、最後にします。どうぞ。
【栩木臨時委員】
ここに、中心的な役割を果たし云々ということが書いてありますけれども、実際この協会、例えば水資源協会、あるいは愛知・豊川用水振興協会というのはどういう組織形態なのか、どういう研究体制あるいは業務体制にあるのかという客観的な資料がないと、いかんとも判断しがたいところがあると思うんです。
【松尾合同会議議長】
お答え下さい。
【柳原理事】
まず水資源協会でございますが、概要について申し上げますと、昭和63年に国土交通省の認可を受けて設立されておりまして、基本財産は7,500万円ということでございます。業務の内容でございますが、水資源開発の重要性等について国民の関心とか理解を得るための啓発業務、それから、水資源の開発・保全又は利用に関する調査研究等を行っております。それから、愛知・豊川用水振興協会は、昭和63年に愛知県の認可を受けて設立されておりまして、業務内容は愛知用水及び豊川用水の啓発活動、それから、愛知用水、豊川の施設の環境整備、あるいは管理業務、こういうものを行っております。
【栩木臨時委員】
研究体制を含めて人数の問題をお願いします。
【柳原理事】
人数で申し上げますと、水資源協会の方は、役員数は11名、職員数は28名となっております。それから、豊川用水振興協会の方は、役員数は15名、職員数は31名、こういう状況になっております。水資源協会の役員のうち常勤は2人、豊川用水振興協会の方は常勤の役員は1人、こういう状況でございます。
【栩木臨時委員】
実際に研究業務に携わっている人はどのくらいいらっしゃるんですか。
【柳原理事】
協会の具体的な内容になりますので、現時点で人数を把握しておりませんので、後ほど調査して御報告させていただきたいと思います。
【松尾合同会議議長】
一応よろしいでしょうか。やはりこういうところは非常に透明性を要求されるところですので、きちんとしたデータが出せるようにお願い致します。
そのほかいかがでしょうか。
私から1つ。今、栩木委員のおっしゃること、そしてこの背景にあることは言葉には出されませんでしたけれども、やはり他省庁関係でも色々問題になっているところですね。それから、後委員から出ておりました、連続性ということとか専門性ということも、透明感を持って、すぐにはストンと気持ちの中に入ってこない。普通の技術の問題等でいきますと、北海道の端から九州の端まで、専門性と言えば同等の専門性を持っているところは多いはずですね。しかし、河川というのは、例えば橋梁なら橋梁の橋桁を工場で生産するというものとはちょっと違うんですね。ですから、私は水資源の応援をするわけではないけれども、河川というのは非常にその地域性と密着している特性があるんですね。ですから、トラディショナルにどういうことが起こっているかというようなことは非常に重要なポイントになってくると思うわけです。
しかしながら、もう終わってしまっていますから申し上げてもいいと思いますけれども、私は、ある公団の入札監視員を大分長いことやりました。随意契約というのは非常に厳しくやるのが普通ですからね。申し上げたいのは、水という川の流れ、河川というものがその自然の中で実際にうまく存在していくためには、そこの特性というものがある。だから、そういうデータの蓄積というのは非常に重要だとは思うんですよ。
しかしながら、一方で、我々国民は出来るだけ随意契約ではなくて、競争を入れて透明にしてもらいたいというのは、これは偽りのない気持ちですね。ですから、何か演説しているみたいなんですけれども、これからはひとつ、従来こういうようにやってきたからということではなくて、今までずっと蓄積されているデータというのは、これは特許のようなもので、すぐには出せないという議論はあるかもしれない。しかし、公共性の高いことだから、それは違うところにも提供出来るような仕組みとか理解者を増やして、そして健全な競争が起こっていくような、一挙には難しいとは思いますけれども、そういうことをひとつ考えていただきたいと思うんですが、理事長、どうですか。
【青山理事長】
今御指摘の点、また諸先生の御意見等を踏まえまして、私どもとしても出来るだけ適切にやっていきたいと思っておりますので、よろしくお願い致します。
【松尾合同会議議長】
ありがとうございます。ちょっと勝手な演説をしておりまして、申しわけございません。しかし、色々なところで同種の問題を皆さん感じておられるところですから、一言で専門性あるいは連続性というようなことだけでない、特徴は特徴としてきちっと出しながら、かつ新しいところも育てていくという気持ちでやっていただければありがたいと思っております。
それでは、次の報告に移らせていただきますが、よろしいでしょうか。
それでは、水資源機構から「平成16年度の事業実施状況について」という報告をしていただきたいと思います。これは、内容的には徳山ダム等の問題、その他の事業所の総点検の結果というように伺っております。それでは、これをまず機構の方からお願い致します。
【青山理事長】
それでは、私の方から、徳山ダム建設に係る、まず土地の取得等に関する件について御説明させていただきたいと思います。
資料ナンバー3-1でございます。理事長コメント、監事監査結果、位置図、記者会見における質問、職員の懲戒処分について、それから、水資源機構職員の不適切な行為に係る措置についてという資料がついているところでございます。
まず、理事長コメントにもございますように、私どもの監事による監査結果によりまして、2つの事実がわかったわけでございます。1つは、徳山ダム建設所の前所長及び前副所長が、事業に必要な土地の取得に際し、既に補償が行わている事案において、地元の徳山区共有財産管理会からの1,500万円の支払いに関する提案を受け入れたということが1点でございます。2点目が、その後、前所長は、徳山ダム堤体建設工事共同企業体に地元の協力を得るための金銭面での対応を依頼し、同共同企業体から1,500万円の協力金を受け取り、それを同管理会に手渡した。この2点の事実でございます。これら一連の行為につきましては、公共事業に携わる者として不適切な行為であると認識しております。
1つは、発注者の立場にある者が、受注者に対して、地元の協力を得るための金銭面の対応を依頼したということであります。2つ目は、機構からの支出ではなかったわけでありますが、外形的に機構からの支出と見られるような形で管理会の提案を受け入れ、管理会に協力金を手渡したことでございます。
本件に関しましては、関係の方々を初め、国民の皆様に深くお詫び申し上げるところでございます。また私としても、監督が不十分だったことを深く反省している次第でございます。
なぜこのようなことが起こったかということでございますが、私は、2点原因があろうかと思っております。
1点目は、この徳山ダム特有の難しい用地取得の経緯があったということでございます。お手元の資料の(2)監査結果、そのうちの資-1と書いてあるページでございますが、本件土地に係る主要な経緯等というページと、それから、(3)に図面がございますが、この図面併せてご覧いただければと思います。
まず問題になりました土地は、(3)の図面で赤く印をつけているところでございます。これが11筆あるわけでございます。この資料の1ページ、先程の文章の部分でございますが、ここをご覧いただきますと、この土地に主要な経緯を書いてございます。まず明治22年7月1日に7カ村、具体的にいうと、徳山、開田、山手、戸入、門入、櫨原、塚の7カ村が合併して徳山村が成立したわけでございます。本件11筆の土地約7,500平方メートルを含む部落有財産は、従前どおり旧村の所有とされました。本件11筆の土地は大字徳山に帰属しております。これからは「大字徳山帰属」というふうに申し上げたいと思います。
ここの中にはございませんが、明治42年及び43年に徳山村の議会が開かれまして、そこで部落有林野を5分林と3分林と2分林に分けるという決議がされております。明治43年7月の下に小さな字で書いてあるわけでございますが、明治40年に森林法の改正がございました。この改正によりまして森林所有関係の合理化及び町村の財政基盤の確立を目的に、この部落有林野を統一・整理して、それを村の方で財政基盤の強化に充てるという趣旨の改正があったと理解しておりますが、それが地元との間で色々なトラブルがございまして、結果的には5分林という、この図面でいう緑の部分が共有地でございますが、これは5分林と重なるわけでございます。この緑の部分につきましては、皆さんが私有して対応すると。その場合、村はそれぞれの方に土地を分けるという整理をされたわけでございます。
それから、残りの5分のうちの3分につきましては純粋に村の所有でございます。また2分林につきましては、これも村の所有とするわけでありますけれども、条件がございまして、その2分林から切った木のお金等は、村の、例えば道路を直す事業に充てるというふうな整理がなされたわけでございます。
それを受けまして、明治43年7月に大字徳山所有の部落有林野84筆、この時点でこの問題の11筆の土地を含む84筆を徳山区住民に分配するということが定められたわけでありますが、実際に分配に着手したのは昭和39年であります。昭和39年6月10日に至りまして、84筆中山林73筆を持ち分として住民に分配して、大字徳山の名義から88戸の各戸に持ち分移転登記をしているわけでございます。これは売渡証書というのがあるわけでございますが、売渡人としては、揖斐郡徳山村大字徳山管理者徳山村長ということになっておりまして、土地の管理者であります村長が、88戸の方にこの73筆を売り渡したという整理でございます。
ただ、84筆のうち11筆は現況地目は農地であったわけでありまして、農地法第3条第2項第5号の制約、要は自己耕作農地面積要件を充足しない小規模農家による農地取得の禁止条項がございました。これで持ち分移転登記することが出来なかったので、将来の分配を想定いたしました所有権保存登記、これは大字徳山名義での保存登記を行ったといういきさつがございます。地元の方も、村も、私どもも共通の認識としまして、この11筆はいずれ88戸の方に分配されるという認識ではございました。ただ、あまたの経緯もございますが、土地の管理者が村長であるというところの認識を地元に対して十分に説明してこなかったという思いがございます。
地元の方は、既に江戸時代から、この土地でなる木を実を取ったり、枝を取ったり、いわゆる入り会いの慣行もございましたから、地元の方は既に自分たちの土地だという認識を持っておられたやに推測を致しております。そのギャップが用地交渉等の経緯の中で色々あったのではなかろうかと思っております。
昭和58年11月21日に、当時の水公団と徳山ダム対策同盟会との間で、徳山ダム建設事業に伴う損失補償基準が妥結されました。59年から世帯移転が開始されまして、466世帯のうち徳山区は147世帯が対象となっております。こういった世帯移転が開始されたわけでございます。昭和62年4月1日に徳山区共有財産管理会、以下「管理会」と言わせていただきますが、これの規約が成立しております。
さらに、63年10月30日、管理会第4回臨時総会があったということでありますが、39年に分配された共有地73筆に係る借地権を消滅させるための消滅補償をどうするかという議論がございました。これを地目差補償としようではないかということが決定されました。これは、現況の地目単価から公簿の地目単価を差し引いた地目差補償としようではないかという議決があったものでございまして、これが後々また色々関連してくるわけでございます。
その後、資料の2ページにまいりますが、まず移転世帯の生活再建を優先するという観点から、家屋、宅地等の補償契約を優先させました。本来は、共有地、公のものも一緒に補償するというのが補償としての常道かと思うんですが、徳山の場合は非常に膨大な用地補償もございまして、全村移転という状況もございますし、また予算の制約等もございますので、家屋、宅地等の補償契約を優先させたわけでございます。山林、これは徳山区域特有の話だと思いますが、5割もの面積の5分林に関して、これもすべて共有地ということで表示化されているところでございますが、この共有地の問題が後々クローズアップされてくるわけでございます。(3)の図面をもう一度ご覧いただきますと、11筆の赤い土地と同時に、グリーンの色がついている部分がございますが、これが共有地でございます。徳山地区の半分が共有地になっているということでございます。この補償交渉については後回しにされたということでございます。
平成6年になりまして、公団と管理会によりまして、本件11筆の土地に係る耕作権の消滅補償に、借地権補償と同じように地目差補償を適用いたしまして、公簿地目単価を一律に山林単価としようという決定がなされたわけでございます。それから、その後の平成8年4月28日に管理会の通常総会におきまして、この11筆の土地につきまして、まず耕作権消滅補償を早急に支払うよう当時の公団に要望することが決定されました。そして、平成8年10月から平成9年9月にかけまして、11筆の土地につきまして関係人が17名いらっしゃたのですが、この方たちに耕作権消滅補償契約を締結して支払ったところでございます。補償総額は約2,000万円でございます。
これは、先程御説明しました平成6年11月22日の決定の考え方でございまして、公簿地目が田畑等になっていますが、それともとの土地、これは開墾する前の土地は森林だったわけでございますので、その森林との差額、総額2,400万円中の2,000万円がその差額であるということでございます。そのうち森林価格、これは補償基準で決まっていますから、その補償基準に基づきまして約400万円、具体的には425万円と算定した次第でございまして、その差2,000万円を補償したわけでございます。
底地所有権の補償につきましては、このとき同時にやっておけばよかったわけでありますが、39年に分配したのが88戸を対象に分配したわけでありますが、その後、その持ち分を持っている88戸の共有者が、相続だとか持ち分譲渡等によりまして39年当時より大幅に増加していた事実がございまして、補償金の分配を受ける者の範囲確定が非常に難しいという状況になったわけでございます。そこで、色々な議論がなされたようでございまして、もとの88戸に分配すべきか、それとも今の時点の所有者を確定するために大変な作業を行って、当時約200人になっていたわけでございますが、その方たちに分配すべきか、色々な議論があったようでございます。
平成11年8月以降も同じように、分配方法で色々な議論がございました。機構としては、土地売買契約は村と機構が行って、補償金は公団から管理会へ直接支払う、補償金の分配については財産管理会が責任を持つという案を提案したわけでございますが、村の方は、それだと村の経理が不透明になるといいますか、所有権が一担村から水公団に移るわけでございまして、その移るにもかかわらずお金が全然入ってこないということでは村議会での説明が難しいという意見もございまして、頓挫致しました。逆に管理会の方は、そのやり方はだめだというのであれば、それでは分配の方の責任は管理会として持てないよというふうな議論もあったと認識致しております。
平成12年1月に至りまして、資料の3ページでございますが、この11筆の土地につきましての財産管理人たる土地管理者といいますか、藤橋村長の資格で発行した登記承諾書に基づきまして、藤橋村名義への所有権移転又は保存登記が出来る旨を岐阜地方法務局から司法書士協会を通じて確認したという事実がございました。そして12年3月9日に藤橋村の議会が11筆の土地につきまして、機構と藤橋村との間で底地売買契約を締結する旨の議決をされました。それで3月21日に本件11筆の土地について、公団と藤橋村との間で底地売買契約を締結しまして、425万481円支払うという契約をしたわけでございます。これは、先程申し上げましたように、底地売買価格を、耕作権が設定されていない場合の土地の価格から耕作権価格を引くということで、言い換えれば森林の価格ということでございますが、2,430何万円から既に支払った2,011万9,678円を引いた額として425万円を支払ったというものでございます。
それで、お金は村が預かって、平成12年3月23日に藤橋村名義への所有権移転又は保存登記をした後に、公団名義に所有権移転登記をしたものでございます。そのときの共通認識といたしまして、いずれこれは、土地所有者である88戸の方ないしは持ち分から分かれた持ち分を持っている方に、いわゆる土地所有者に渡るべき金だというのはみんな共通した認識でございます。
その後、12年10月19日は管理会の役員会がございまして、補償額はそれでいいけれども、分配方法を考えてほしいというふうな議論とか、色々な議論があったようでございます。また、管理会役員会の席では、管理会が知らないうちに村と公団の間で契約を締結したというのは、村としても公団としても所有者の皆さんにお詫び申し上げると、そういうふうな議事録も残っておりますので、管理会に対して村と当時の公団が、土地の移転登記を管理会に図らないでやったというふうな経緯もあったようでございます。このあたりから、かなり用地交渉のねじれが発生したのではないかと推測しているところでございます。
その後、ここには書いてございませんが、平成13年3月に、これは山林公有地化の問題で公共補償協定の変更をしようということがございました。これも、岐阜県と藤橋村と水資源開発公団との間で、山林を効率化しようと。本来つくるべき付け替えの林道、村道を作るかわりに、山林そのものを公有地化して岐阜県の土地とすれば、この森林がサンクチュアリーとして自然豊かなままで残り、また、全村移転という前提での事業でございますので、そういったことも踏まえて公共補償協定の変更があったわけです。このときの地元の方にとってみれば、新聞記事で初めて公有地化の事実を知ったというようなことで、これも管理会の中では非常に態度を硬化させる原因だったのではないかと推測致しております。
その後14年1月20日に管理会の臨時総会がございました。このとき、耕作権消滅補償については納得出来ない、補償金を上増し経費等の負担をせよ、再度、管理会と公団と村とで契約した内容を協議して善処してもらいたいと、かなり強い意見が出されているわけでございます。それから、14年3月29日に管理会の方で、費用を分配していただけないかという話をしたわけでございますが、管理会としては425万円では額が不満であり、増額がが決まっているわけではないので、むしろ白紙に戻すという状況になっております。  その後、資料の4ページでございますが、平成14年、15年、管理会との間の話は増額の話に変わっておりまして、耕作権が半分というのは、全部で2,400万円ですから半分で1,200万円、それから、既に村から預かっている400万円を引いても800万円は土地所有者にお金を渡すべきではないかと。要は全国各地の色々な例を見ますと、耕作者と土地所有者との配分が、土地所有者の方が半分か半分以上であって、割合が高いではないか。それなのに、なぜこの11筆に関しては耕作権の方で2,000万円で、土地所有者側は400万円なんだというふうな額に対する不満が噴き出たわけでございます。
そのときは、平成6年11月22日の公簿単価の山林価格にしようという決議だとか、過去に決めた話は既に飛んでしまっていたわけでございます。15年でもそれは続いておりまして、幾ら増額するか、もしくは1,000万円増額してでも解決すべきであるかもしれないとか、増額の議論になっていったわけでございまして、16年の1月に、これはもう機構になっていたわけでございますが、水資源機構と藤橋村、管理会の3者協議がありました。それでも、管理会の方は、1,000万円の追加の補償で何とかしたいと思って、総会にて決着しようと考えていましたが、その後、話が途絶えてしまったというふうな事情もございました。機構としてのスタンスは、このときは既に水資源機構になっていたわけでございますが、登記まで済んでいる土地の補償を上乗せするわけにはいかないという純然たるスタンスがございました。そういったことで地元と本社との間で板挟みになって前の所長が悩んでいたというのが実態でございます。
それから、平成16年2月になりますが、内容証明郵便が機構の理事長宛に来たわけでございます。中身は、大字徳山名義の土地は藤橋村の財産として承継出来るものではない。機構によってなされた所有権移転登記を抹消するよう通知するというものでございます。私どもの理解としましては、土地の管理者は藤橋村長である。土地の管理者である資格は、徳山村から引き継いだ藤橋村に引き継がれているわけでございまして、そのことは登記上問題ないと認識しているわけでございますが、内容証明郵便によりますと、地元の方は、大字徳山の土地を徳山村大字徳山というのは、徳山村に合併する前の7カ村があった時代の徳山でございますが、大字徳山の土地を藤橋村が承継出来るわけがないという認識のもとでの内容証明でございます。同じような内容の内容証明郵便がもう1通来ております。それは地元の方の立場を少し変えただけの変更でございます。
それから、16年4月に至りまして、管理会の通常総会があったわけでございますが、この11筆問題がクローズアップされました。11筆問題は解決していないと。機構との話はこの11筆問題が解決するまでストップしたいと。この11筆問題が解決しないことには、機構との話は一切聞かないというふうな提案が地元からあったわけでございます。16年5月に藤橋村と機構と管理会との3者協議があったわけでありますが、この11筆問題の解決の方向を示さなければ、事業の進捗は危ぶまれるが、それでもよいのかと、村から強い叱責を受けているわけでございます。この事業の進捗といいますのは、(3)の図面をご覧いただきますと、これだけ広いグリーンの部分の面積が共有地となっているわけでありまして、この共有地といいますのは、持ち分を持たれている方1人がノーと言えば何も出来ないという、非常に制約の厳しい土地でございます。そういったことから、11筆問題も共有地の共有者に関わる問題でございます。
また一方で、藤橋村と揖斐川町との合併の議論がずっとございました。今年の1月31日に合併されたわけでありますが、その期限が迫っているというふうな事情もございました。そういった中で、藤橋村であるうちに、懸案となっている問題を解決しなければならないという思いが村の方にもあったと認識しております。私どももそのような思いがあったわけであります。
そこで、6月30日までに方針を決めていくように進めていきますという答えを事務所として言っているわけでありますが、方針を本社に言っても、これはもう登記が終わって解決済みの土地に、さらにお金を出すのか、だめだという話になるに決まっているということで、管理会の方からは、当時2,300万円の要求などもあったわけで、どんどん時間がたてば額がエスカレートするというような思いもあったのだろうと思います。16年の6月に、最終期限は9月の最後の定例議会であるが、公有地化の調査も進んでいるけれども、その前に解決を図るはずではなかったのかと、村の方からも叱責を受けているわけでございます。
また、16年7月になりますと、機構と管理会との間で「裁判」という言葉も出てきております。このとき機構の方としましては、裁判は最悪の選択肢かもしれないけれども、話し合いの一環として考えていいのではないか、むしろ裁判になってもよいのではないかという趣旨の発言も用地課のサイドからもしております。
16年7月27日になりますと、管理会の方からは、11筆問題が解決しないとすべてが前に進まない。訴訟の委任状の徴収を開始するという話がございまして、8月4日には機構の前副所長の西影の方から、徳山区の協力なしでは、広い共有地を持っておられるので建設を進められない。以前から言われている1,000万円でお願いしたいという話をしたわけでありますが、ここでも話はまとまらずに、8月25日、市町村合併までに何とか解決したいので訴訟を進めるという話も聞きまして、9月10日の役員会で機構ともう一度折衝してというのは、訴訟の前にという意味だと思いますが、耕作者と同じだけの補償金を上乗せ出来るのであれば解決すると。結局、425万円を村が預かっているわけでありますから、それに1,500万円足せば1,900万円から2,000万円の間になるわけでございまして、そういうことの折衷案の提案を役員が了承したという情報も聞いたわけでございます。
ただ、徳山ダム建設所用地課は、とてもじゃないが、既に補償が決着しているものについて上積みの金を払うことは出来ませんということも言ったりしておりまして、その用地課の職員が1,000万円の支払いに反対したために地元は混乱したというふうな指摘もまた役場からあったりしました。結果的に資料の6ページの平成16年10月22日に1,500万円を支払われれば管理会をまとめるという話があって、2時間ほど会議を中座した後に、藤田前所長と西影前副所長が相談して提案を了承したというのが経緯でございます。
私は、1点目の原因としましては、やはりこういった難しい、色々な経緯がある。また共有地という問題を抱えている中で仕事をしていかなければならない。また合併までにこれを片づけなければならない。色々な思いにとらわれて事務所がかなり思い詰めていたということが1点目だと思います。
2点目の原因は、それに対して、本社が力になってあげられなかったことだと思います。やはり現場の目線に立って、そういうふうに悩んでいるなら、何かいい知恵がないだろうかというスタンスで一緒に悩み考えるということが、本社としては欠けていたのではないか。現場一人を悩ませてしまったという思いがございます。
そういったことで、再発防止の話にも関連するわけでございますが、後ほど説明させていただきたいと思いますけれども、全理事が全事業所に入りまして、今、現場が悩んでいる問題はないかという見直しを行いました。現場だけで悩むということがないように、本社と一緒に考え悩んでいこうではないか、それも定常的にそのような体制でやっていきたいという思いが強く致しております。
また、監事の方からの記者会見がございました。記者発表したのは1月18日でございますが、1月24日に全事業所長を集めまして、私の方から、一人で悩むな、本社と必ず相談せよと。私どもも現場の目線でものを考えるという話も致しております。
それから、第三者の目でものを見て頂くことも必要ではないかと思っておりまして、そういった努力もしていきたいと思っております。
それから、この1,500万円をどうするかという問題もございます。これは非常に難しい問題でございまして、機構として出せるお金ではないがゆえに、現場は悩み、前所長、前副所長が悩み、JVに支出をお願いするということになったわけでございます。また、登記済み、補償済みの案件に上積みすることは出来ないわけでございます。ということで、機構からお金を出すということは無理なことでございまして、逆に機構からJVに1,500万円を返すというようなことは出来ないわけであります。
それから、前所長、前副所長からは、自分たちで何年かかかってだと思いますけれども、1,500万円を返したいという申し出もございました。ただ、2人がJVに頼んだのだからということでありますが、その2人が自分の懐に入れたのであれば、そういう議論もあるわけでありますが、一切懐にも入れてないわけでありまして、2人は自分自身の利得は何らないわけでありますから、その2人がJVにお金を返すというのも、ちょっと筋が違う話ではなかろうかと考えております。
また、記者会見のときには、1,500万円をどういう認識でJVは出したのかという質問がございました。それは、事前にJVから話を聞いていたわけではございませんので、その記者会見の翌日に、私どもの柳原理事がJVを訪ねまして、そこでJVの所長さんから直接お聞きした資料がついていると思います。これが(4)の資料でございます。簡単な6行の文章でございますが、監査結果の記者会見を行った際に、JVから支出された金銭の性格についての質問がございましたので、当機構からJVの吉川所長に確認致しましたところ、支出された金銭の性格については地元への協力金と認識しているとのことでございました。こういった性格のものでございます。そういったことで、私どもの方から、機構としてこの1,500万円についてJVにお返しするというようなことは考えておりません。
冒頭に申し上げましたように、不適切な点がございます。それで処分を致しました。当時の徳山ダム建設所長と技術担当の副所長につきましては、行為責任者として減給処分を致しました。また、用地担当の副所長につきましては、このような事実を知りながら有効な措置を講じなかったという、職務懈怠ということでの訓告処分を行いました。本社のダム事業部長、用地部長、中部支社長及び同副支社長につきましては、事務所の情報を的確に把握せず、そのため適切な指導監督をしなかったことによる監督責任といたしまして、本社の両部長につきましては訓告、中部支社長及び同副支社長につきましては、文書による厳重注意処分と致しました。また、私と副理事長につきましては、先程申し上げましたように、本社と事務所との間で適切な連携がとれていなかったことに対する包括的な責任があると思っております。また、私は大臣からの厳重注意処分をいただきまして、減給2カ月20%の自主返納、また副理事長は減給2カ月10%の自主返納という処分をとらせていただいております。
以上、簡単ではございますが、今までの経緯とお詫びをさせていただいたわけでございます。
それから、続いて恐縮でございますが、資料3-2で、今御説明しました事件を契機に、水資源機構の事業所の点検をしようではないかということで、点検を致しました。資料3-2をお開きいただきますと、点検に至る経過等を書いてございますが、今申し上げたようなことでございます。
また、徳山ダムの建設所につきましては、監査結果で明らかになったような事案が発生したこと、また、監査結果の発表後に、その他事案に関しても地元の方で新聞報道がなされていること等も踏まえまして、現在、徳山ダムにつきましての点検はまだ詳細に行っているところでございまして、その結果は別途取りまとめて、今月末を目途に公表することとしたいと思っております。そういった意味では、徳山以外の全事業所に関する点検でございますが、点検の対象と方法というところに書いてございますように、丸が打ってございますが、用地取得、補償をめぐり交渉が難航している案件はないか、補償制度で対応が困難な要求がなされている案件はないか、事業の実施に関連し、地元関係者との間で調整が難航している案件はないか、法令や基準を超える要求がなされている案件はないか、機構施設用地について不法占拠されているなど紛争が生じている案件はないか、機構施設の管理上支障となるような行為が行われている案件はないか等の観点から、各理事が事業所を回りまして、ヒアリングを致しました。
後ろの5ページをお開き頂きますと、別紙1というのがございますが、2月1日から28日までの1カ月間で、担当理事が各事務所、管理所、支社、局に参りまして点検を致しました。対象者は、支社では支社長、副社長、各部長、筑後川局、吉野川局という局では局長、次長、現場事務所では所長、副所長、支所長というふうな方が対象者でございます。
そのヒアリング結果は6ページにありますような、関係者との調整が難航している案件等の例がございますが、色々な話が出てまいりました。これを一言で申し上げますと、色々難しい問題はあるけれども、1ページの枠で囲ってございますように、点検結果としては、徳山ダムの監査結果にあるような不適切な事案は、他の事業所等においては現在生じていないと認められ、また現時点においてそのような事実があったことも、確認はされませんでした。
ただ、色々な課題がございます。2ページの4番で機構として適切な対応をすべき課題ということで何項目か挙げておりますが、1つは、事業の建設段階での用地取得の問題でございます。ダムや水路、非常にたくさんの方を対象にするわけでございますが、関係権利者が事業に反対だというケースもございますし、著しく損失補償基準を超えた補償要求が出されることによって交渉が難航するケースもございます。また多数の共有地についての相続が発生するとか、そういった相続人の確定に長期間を要するケースもございますが、これは粘り強く交渉を継続する。また相続人の確定に長期間を要する場合も含めて、事業工期等を見定めながら、必要な場合には土地収用制度の活用も含めて取り組んでいくというスタンスでいかなければならないと思っております。
また、不法占用もございます。例えば機構が持っております暗渠水路等の上の土地が管理用道路なんかになっているケースがあるわけでございます。またそこの土が被っている部分で耕作を行っているケースだとか、資材置き場として管理用通路の一部を使用しているケースもございます。これはその都度、きちっと口頭もしくは文書での通知、説得を行う。また、警察等の関係行政機関との連携等の措置も行っていくなど毅然とした態度で対応しなければならないと思っております。ひどいのは廃棄物の不法投棄がございます。ダムの貯水池の周辺に廃棄物を不法投棄するようなケースもございまして、これは貯水池の水質に非常に悪影響を与える可能性があるということで、この場合には訴訟して判決が確定した段階で、不法投棄した者の不動産の権原を取得して競売に付しているケースもございます。
それから、権原の取得や登記等の法的手続の進捗というのがございます。これは、例えば愛知用水などは非常に地元の期待が強くて、一刻も早く完成してほしいということで、土地の移転登記をする暇もなく、工事の着工同意だけでどんどんやってしまうというようこともございました。登記の法的手続が後回しになってきたということがございました。例えば……。
【栩木臨時委員】
すみません。時間的制約がある中で、もう少し要領よくやっていただきたいと思います。
【青山理事長】
申しわけございません。そういったことで、これは計画的に対応していくところでございます。
非常に時間をとりまして申しわけございませんが、私の方からは以上でございます。
【松尾合同会議議長】
ただいま青山理事長から報告を受けましたこの件も、先程の報告と同様、審議事項ではございません。しかし、平成16年度の業務の実績報告書へ反映をさせていかなければならない問題ではないかと、このように思っております。今、栩木委員から御注意もございましたけれども、当初、本日の会議は15時30分ということも予定していたのですが、しかし、この件に関しては各委員が非常に懸念と大きな関心をお持ちで、しかし、新聞報道等では断片的にしかわからないというような声も聞こえてまいりまして、しかるべくきちんと報告をしてもらいたいと私の方からも申しました。このような複雑な歴史的な背景があるというようなことも知らなかったのでありますけれども、ただいま報告されました。これについて、今言いましたように、実績報告書等への反映も考えていかなければなりませんので、どうぞ各委員から御発言願います。
【栩木臨時委員】
今、その背景、経緯など詳細をお話しされたわけですけれども、実際に機構の本社の方がこの事実関係をお知りになったというのは、新聞報道で初めて知ったんですか。
【青山理事長】
そうでございます。
【栩木臨時委員】
そうすると、この詳しい経緯については、報告は全然上がっていなかったということですか。
【青山理事長】
はい。正確に申し上げますと、昨年の暮れに事務所の前所長と前副所長が機構に来た。そして新聞の取材を受けているという話はございました。年明けに新聞報道が出まして、非常に詳細な記事だったものですから、これは私どもの監事の方が監査をするということで、監事が現地に行って監査を致しました。それで全貌の正確なところを把握したというのが実態でございます。
【栩木臨時委員】
そうすると、要するに決定済みのことで、補償の上積みはあり得ないという、そういう大原則があるわけですね。その極めて重要な事項について、本部にそういう報告が全然なされていないという、そういう組織体制自体が問題ではなかったんですか。
【青山理事長】
御指摘のとおりだと思います。私も、まさにそこが一番大きな問題だと思っておりまして、本社が事業所と同じ目線で一緒に悩み考えるという体質であれば、そういう話はなかったと思うんですが、こんな話は本社に相談してもノーと言われるに決まっているということで、事務所が単独で悩んでしまったというところに、非常に大きな問題があるのだろうと思っております。
【津田臨時委員】
聞いているだけでも陰々滅々たる気持ちになってくるんですけれども、これは、原因を色々挙げられたけど、日本の風土だろうと思うんですよ、この原因は。例えば関西空港のときに漁業補償に関係した話ですが、大阪湾なんて、魚はあまりとれないんですけれども、補償になると漁民がたくさん出てくるんですね。当初100億ぐらいで済むかなと思っていた話が数百億になってしまう。公共投資に関しては、そういうことがしばしばある。漁民、あるいは農民や山林については、責任者と話がついても、一部の人に居座られると工事が出来ない。そうすると、向こうは納期を人質に取って、いつまでに解決しろと迫る。結局、関空の場合も漁業補償だけでなく、土を運ぶのに自分らの船を使えといって橋を使わせない。そうなると漁業補償の金額以上のものが必要になる。、不当に高くついた空港になってしまったわけですけどね。日本の公共投資はほとんどそういう構造になっていると思うんですよ。
今お聞きした内容を見ても、相続者がどんどん増えていくというふうな場合に、全部の同意を取るということはほとんど不可能に近いと思うんです。登記済み、処理済みであっても、やっぱり追加補償をして立ち退いてもらわないと工事が出来ないケースというのが現実問題として起こってくると思うんです。現場の責任者は、どうせ本省に言ったってだめだろうと思わせているところに1つの問題がある。もし今回のケースで水機構が、一度は同意した相手に追加補償を出されても、私個人は仕方がないと思う。公共投資というのは、今やろうと思えば、そうしないと出来ない。これが悪いというなら日本の風土が悪い。日本では公と私の利害が対立すると、すべて公が悪者になるというマスコミの風潮がある。
だから、日本が貴重な国民の税金を使って公共投資をもう少し合理的にやろうとすれば、例えば8割の地権者の同意を取れば、あとの2割の同意はなくても一応出来るようにする。みなし同意というのか、マンションの建て直しなどで認めるようになった。1軒2軒が反対しても建て直し出来るようにする。社会風土をあらためないと、日本の公共投資というのは、とてつもない金額になってしまうわけです。
私は今回のケースを聞いて、所長さんに物すごく同情しましたよ。結局、JVまで行って頼まないと出来ない。工事をしようとしても工事が出来ない。工事が遅れるとますますコストが上がっていくという、そういう構造で、本社へ言ったって、話のついたものに何を言っているんだと言われると思ったのでしょうね。板ばさみになってしまった。現実問題は現状を見つめてやらないと、日本では効率の良い工事は出来ないと思います。
先程の説明では、幹部が現場へ行っておられるけど、現場へ行くだけでなく、そういう場合は超法規的な解決も考える相談に乗ってやるよということでなければ、ただ回っているにすぎないと思います。日本の公共投資というのは、苦しい財政の中でやる公共投資ですから、コストを下げるためには国民の協力も要るということをマスコミにもっと堂々と訴えないといけない。事件が起こるたびに頭を下げていては、これまでの延長になりますよ。理事長の姿を見て、あんなに頭を下げなきゃいかんとなったら、とにかく文句だけは言わせないように掴み金で大きく出すことになる。黙らすことが出来ないと工事が出来ないですからね。そういう慣例になってしまったら大変ですよ。社会資本の充実なんてとても出来っこないですからね。私は今回のことでは、懲罰される人たちが気の毒で気の毒で仕方なかったですな。以上でございます。
【松尾合同会議議長】
ありがとうございます。非常に貴重な、参考になる御意見をいただきました。私も発言がありますが、どうぞ御遠慮なく。いかがでしょうか。(一定の時間)
特にほかに発言がないようなんですが、ただいま青山理事長から経緯を説明いただきましたし、津田委員からは、構造的な問題を日本のカルチャーと関連して含んでいるという御指摘がございました。いずれにしましても突発的な問題なのか、それとも今おっしゃったような意味での構造的な問題なのか、そういったものをまずは徹底的に精査して、それから、構造的な問題であるならば、それは機構一つでは解決出来ない問題かもしれません。しかし、何とかして解決の方法を日本として図っていかないといけないと思いますし、そういう方向で少し進めていただきたいと思います。聞いておりますと、若干遅きに失したとも言えないことはないと思うんですけれども、現場との連携も深めていただいて、原因を分析して、何とか方策を探っていくことが大切なのではないかと思っております。
そのほかに、委員から御意見ございませんか。
【後委員】
約3,400億円ぐらいの事業総額の中で1,500万円の御説明を伺いまして、私も津田委員と同じような感想を持ちました。これは、かなり開示可能な根拠があるということで、これだけ長い御説明をいただきましたが、先程の件を蒸し返して恐縮ですが、1,500万円よりはるかに高額な24億円の調査の件につきましても、このぐらいきちんと御説明があれば納得出来るのではないかなと思います。と申しますのは、今、公益法人の改革が進行中で、17年度中には何らかの見通しが出そうだということを伺っております。その時点まで待って改革に手をつけたらいいとお考えなのかもしれませんが、それは、受託する側の透明性を若干高める程度だということであります。それを発注する側の改革が求められています。どういった内容の業務を発注するのかという点を非常に明確に出すという主体性が、今、コスト縮減とか、利用者のニーズに沿った業務内容にするといった趣旨にも沿うのではないかと思います。
同様のことがすでに自治体で見られます。今年度からが主ですが、指定管理者制度で競争がきちんと出来るようになりつつありますけれども、それにしても、発注者側が、「概ね良好にやってください」といったような、非常に漠然とした注文しか出せないんですね。というのは、今まで漫然と続けてきた事業だから、そのまま粛々とやっているというような業務内容が非常に多いということが、逆に今回明らかになったということでございます。ですから、利用者ニーズの観点からも、コスト縮減の観点からも、もう一度、どういった目標を設定した業務を外に出すのかといったことを再度洗い直していただいて、全体的に無駄のない、そのお金でもっと別のいい調査なり使い道があるはずだといったようなスタンスで取り組んでいただけたらと思います。以上でございます。
【松尾合同会議議長】
ありがとうございました。よく念頭に置いていただきたいと思います。
それでは、先程から何度も申しておりますが、16年度の業務実績評価におきましては、ただいま報告を受けました2件の報告を踏まえて行ってまいりたいと思います。
本日の記事はこれですべて終了でありまして、ここで進行を司会の方へお返しすることになっているんですが、一言申し上げておきたいのは、私どものこの委員会というのは、当然のことですけれども、機構の側とは、もちろん緊張感を持った姿勢で対峙して意見を申し述べていかなければなりません。しかし、その背景には信頼感というものがないと、両者が言いっぱなし、聞きっぱなしということでは委員会としての役割も果たせないと思いますので、今日、各委員から出た意見はよく念頭に置いてやっていただきたいと思います。
しかし、良い点も、それはそれで評価していかないといけないと思うんですね。ここ1年ほど、反省すべきは反省する、改善すべきは改善する、それから行動を起こすべきは行動を起こすという意思決定がかなり素早くなって、わかりやすくなってきたということは我々も評価出来るのではないかと思うんです。ただ、先程津田委員がおっしゃったように、若干ピントが外れているところがあるかもしれない。だから、そういうところは、きちっとまたこの評価委員会の意見を尊重されて、互いに協力してよいものにしていきたいと、このように思います。そんなことで、理事長一人ではなくて、職員一丸となって公共に尽くすという気概で進めていただきたいと思っております。
ちょっと余計なことを申しましたが、それではここで進行を司会にお返し致します。
【前川水資源政策課長】
ありがとうございました。
以上をもちまして、第6回独立行政法人評価委員会水資源機構分科会等合同会議を閉会致します。本日の議事録につきましては、議事要旨、それから議事録を作成の上、御出席の委員の皆様方にお諮りいたしまして公表することと致しておりますので、よろしくお願い申し上げます。
それから、合同会議では、今後の予定といたしまして、4月以降、水資源機構の平成16年度業務実績評価を行ってまいる予定になっております。昨年同様、7月下旬から8月上旬に会議を開催させて頂く予定になっておりますので、またその節はよろしくお願いしたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

以上

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