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審議会・研究会

産業構造審議会産業技術分科会(第1回)  議事録

小委員会等の設置について

【分科会長】
産業技術分科会のカバーする論点が広いため、小委員会を設置し議論を深めたい。「研究開発小委員会」、「評価小委員会」、そして「知的基盤整備特別委員会」については、書面にて小委員会等の設置を了承済である。本日は、新たに「産学連携小委員会」の設置を提案する。
【事務局】
資料3-1、3-2を用いて産業技術分科会に「産学連携推進小委員会」を設置することについて説明。小委員会の論点(案)として、(1)産学連携の意義、(2)技術移転、(3)技術人材の育成・交流、(4)産学連携の観点から、産業界及び大学に期待されることを盛り込むことを提案。日程は、4月末にスタートし7月に中間報告を取りまとめる。また委員の構成は別紙の通りの11人である。
【委員】
論点に不足がある。日本の社会における大学と産業界の関係では、大学が優れた研究をしていても産業界がそれに対し投資をして、技術をブラッシュアップし、ビジネスモデルを構築して活用しようとしないのが問題である。このような状況では、大学に研究開発資金を流しても研究成果の実用化にはつながらない。よって産業界側の問題も議論する必要がある。
【分科会長】
前述のような論点があることに同感である。しっかりと議論してほしい。
【委員】
産学連携の問題点は、大学と産業界の相互理解が不十分なことである。お互いの考え方の枠組みや価値観を理解するべく積極的に人が動くことが一番大切であり、法的な面や給与面の問題をクリアしやすい任期付任用など人事交流の仕組みの導入によって産学が連携しやすいシステムを作ることが、問題解決のためには有効だろう。
【委員】
前述の意見に大賛成である。ただ、日本では産学連携に対する個人のインセンティブ向上策に欠けることが多い。仕組みを作っても利用者がいなければうまくいかない。米国では収入がインセンティブになっているが、日本でもどうするか考える必要あり。
【委員】
一口に産業界と言っても、業界によって文化が違うので配慮する必要がある。大学と産業界との関係においては特に業界差があることをきちんと踏まえて、しっかりと議論すべきである。
【事務局】
先生方に御指摘いただいた事項には、論点(案)中に含まれていると認識しているが、個人へのインセンティブのかけ方、カルチャーの業界差等を産学連携のルールにどう反映させるか考慮しながら議論を進めていく。
【事務局】
委員御指摘のポイントは重要である。大学の方に問題があるというだけでは議論がかみあわない。産学連携小委員会では上記の論点を問題点としてしっかり踏まえて議論ができる人に委員をお願いし、当分科会で問題意識を設定して、小委員会で議論し、連携しながら議論を進めていく。
【分科会長】
小委員会の委員は論点を十分に議論できるように弾力的に追加してもよい。中間報告、最終報告についてはセットする前に当分科会に報告してもらい議論したい。
産業技術分科会に産学連携小委員会を設置することを決定。

産業技術分科会における論点(案)について

【委員】
日本の研究開発体制について話を聞いて、インプット部分の変更をしているのはわかった。しかし、現在の日本経済で弱い部分はサービス・アプリケーション・商業化の部分であり、アウトプット側つまり製品化段階なので、インプットを増やしても製品となる前にどこかで止まってしまう。一貫して技術開発システムをケアしていくトータルコーディネーターが必要であり、それが政府の役割であろう。また技術開発においては、最終ユーザーがどのようなアウトプットを求めているのかを調べることが商業化の観点から重要であり、技術そのものとアプリケーションのどちらに問題があるのかをしっかり分析しないと産業競争力の改善にはつながらない。また、技術が製品としていつ形になるのか、早めにプレイヤーを見定めて製品を購入する最終ユーザーを見ながら、新規投資分野を見つけていくべきである。もう一点としては、一つ一つの技術をバラバラに見るのではなく技術の組合せの結果としてのシステム化を考えていくことが重要である。
【委員】
前述の意見に同感である。インプット、アウトプットの議論が不足しているし、アウトプットが不明確な技術開発が多い。技術開発システムの全体を見ることが重要である。
【分科会長】
ここであげた論点はあくまでもイメージであり、委員の先生の今後の議論により柔軟に変更する。
【委員】
資料9の「はじめに」にあるような、フロンティア創造型の研究開発を実施する場合、いわば(1)探検隊の派遣、(2)地図の作製、(3)開拓団の入植、という順序を踏むことが重要である。特に探検し、地図を作る人が少ないので、その人達を大切にする必要がある。また、評価をする上で、分野毎の特性を踏まえて性格付けすることが重要である。「セキュリティ」が重要でガードを固めるタイプのエネルギー関係の課題と、テーマを探していく末広な課題を分ける必要がある。更に、情報分野では研究開発の成果をそのまま使用できるのに対して、材料分野では研究開発の成果が他の産業に波及して社会に還元されるように違いがあるので分けて考えなければならない。一方、他国に対してガードを固める保険のような技術もあれば、先手を打って陣取りをしてシェアを取りに行くものもある。以上のようにそれぞれの技術の性格付けをしっかりして評価しないと社会に受け入れられない。
【委員】
産業技術政策に対する取り組みには、国によって様々なアプローチがあり、それぞれの社会から影響を受けるのでアウトプットもずいぶん違っている。日本では従来、国を富ませるためのアプローチを取り、成果を挙げてきた。21世紀には、経済状況の改善を図るために、従来通りの方法で国を富ませるアプローチを取るか、いろんな国でやっていることをやっていくのか、バリアフリー等の国は富まないかもしれないが生活は安寧になる社会の安心・安全を重視するアプローチを取るか等を十分検討する必要があろう。また、アメリカではアプローチの仕方を実用度に応じて軍事技術、大学での研究開発、社会に必要な技術と区別してトリプルトラックで考えている。時間軸によって分類して、短期に成果を挙げる技術なのか、より長期的に育てていく技術なのかを考えることが必要である。
【委員】
前述の意見に賛成である。4点言いたいことがある。1点目は研究開発投資の重点化である。日本では重点化というと画一的に重点化されてしまうが、総体として科学技術基本計画に従えばよいのであるから、文部科学省と経済産業省では重視するポイントが当然違うので、経済産業省は産業技術力強化の観点から重点化を考えるべきであり、特に製造技術等をリストアップしてもよいのではないか。
2点目はPRTR法等の策定時のように、社会との対話により社会の不安除去、社会のニーズ把握に務めるのが望ましいということである。
3点目は、技術評価についてだが、合議制評価では評価者ごとに関心が多様なこともあり評価の個性が薄まってしまうので、面白い研究が育たない。最後に、多くの研究分野である成果が国際的なスタンダードになるかどうかで、取り入れられるかどうかが違ってくるなど、国際標準の重要性が高まっているので、標準の獲得に向け方策を考えてほしい。
【委員】
経済産業省として、また国として責任あるビジョンを打ち出さなければ科学技術基本計画で8分野を推進していく意義を問われる。最終的な到達点に立って今を見ることで、目標の実現には何が必要かを把握し制度設計がなされていないのが残念であり、実際にそのようなシステムを作るとしたらどのようなインフラが必要か、どのようにそれぞれ組み合わせればいいか考えてほしい。環境問題では循環型社会の実現に向けて何が必要か考えるならば、GDP成長率にこだわることはなくなる。同じパイの中で伸びる産業と整理される産業があるのが今後の産業構造であり、産業界には痛みが加わる。それをいかにうまく誘導するかが今後の産業政策の一番考えなければならないところである。科学技術創造立国の実現を目指すに際して、日本製品をアジアに売っていく必要があるのだから、国際戦略特に対アジア戦略も必要である。
【委員】
第1期科学技術基本計画の結果、科学技術に投じられる予算が大きく増加したが、明確な成果として国民にうまく示せていない。第2期計画では24兆円以上が投じられるので、重点分野の明確化・具体化によって研究開発の成果を国民にわかりやすく示すことが重要である。
産学連携においては、10-20年先に実社会が必要とするようになる技術ニーズを予見し先取りすることが重要であり、それに必要な技術をすべて戦略的に開発実用化し産業技術に結びつけるのが、将来のビジョンに基づいた戦略である。このような将来に対する洞察力については、大学人の方が優れている場合が多く、産学連携は必須である。最近は新技術の創出では日本は健闘しているが、その技術を国内で活かせず、海外の企業が活用してしまう例が多いので、今後は我が国から誕生した新技術を国内で活用するのを支援する仕組みの構築が必要である。今後の科学技術政策では新技術の創出支援も重要だが、日本生まれの技術を育てていく実用化・産業化を支援するのも重要である。日本が持っている資源を有効活用せねばならない。
【委員】
今後の日本は豊かにならなくてもよく、GDPが伸びなくても構わないという考え方もあるだろうが、私は深刻な見方をしている。他国は成長しているが、日本の相対的地位は低下しており、IMDの調査でも日本の国際競争力が低下している。国際的な地位が落ち込んだ日本を何とかしないとならないという問題意識があって、産業技術の強化が取り上げられているはず。第2期基本計画では24兆円以上を投ずるのだから、研究開発のミッションを明確にする必要である。アポロ計画はロシアへの対抗という意識が背景にあったが、月面着陸させたことの波及効果は大きかった。簡単に成果が出なくとも、ミッションを大事にして遂行して欲しい。また、大学と産業界が産学連携についてお互いに批判し合うのは不毛なので、いかに国家の競争力を強化するかの観点から協力して議論し、具体論を立てるべき。最後に、基本的には、21世紀末になっても、日本人のDNAが滅亡したと言われないようにしたい。
【委員】
産学連携小委員会に対して要望がある。論点(案)は、方法論に偏りすぎている。産学連携を推進するに当たっては、現状認識とその反省が必要である。産学連携のほとんどのターゲットは製造業であるが、大学の先生方は現場を忘れデータ集めに終始している。製造業は端的に言えば鉄と油であるが、この辺の研究をしている人は少ない。一方、企業側は価格競争に明け暮れ、日本で高価な技術を導入しようとせず、生産を安価な海外に移転してしまう。このような現実を認識した上で、製造業の現場に密着した、企業存続戦略といった視点も入れてほしい。
【委員】
当分科会では特に産業技術力に注目しているが、「戦略的な標準の整備」も重要である。国レベルを超えてISO等の国際認証レベルで標準を設定していく努力を行い、その中に日本で開発した優秀な各ツールをはめ込んでいけば技術のシステム化の一環になるのだが、このあたりの国際標準戦略についての議論が弱い。
【委員】
ミッション・オリエンテッド、ビジョン・オリエンテッドな研究開発を行うことが重要である。研究開発戦略では短期・中期の目標ばかりになってしまいがちだが、20年、30年先を見越した長期目標もバランスよく組み合わせることが効果的である。アメリカでは、IT技術の中核にあるインターネットは、1960年代に冷戦下で始まり、それが発展し商業化に結びついた。UNIXでも同様である。20-30年後位に成果が出ればいいのが長期の技術である。経済的還元がどれだけかはわからないが、重要だからやるということである。アメリカでは国防省が戦略的に研究開発を行っているのだから、日本でも経済産業省がそのように研究開発をやればよい。現在の産学連携で成果があまり上がらないのは、産学人事交流が実績のあるマネージャーレベルで行われており、若手レベルの交流があまりなく現場で一緒に研究することがないからである。大学院を出てから企業に就職すると大学に帰ってくることがほとんどないのが実状である。
【委員】
知的基盤という言葉では、これまでの経緯から、標準物質に特化したような偏った印象を与えてしまうので、知識基盤という言葉を使うべきである。創造的なプロダクトにつながる創発的環境のために、構造化された知識基盤を国家プロジェクトによってつくってゆくという観点が重要である。
【事務局】
国際標準戦略については工業標準調査会で既に分野別に議論を始めており、主としてそちらでの議論になると思われるが、本分科会における意見は、同調査会の議論にもつなげていきたい。
【分科会長】
次回以降もフリートーキングの時間を設けたい。また、次回は重点化や産学連携小委員会の報告を受けた議論を行う。
第2回産業技術分科会は、6月中旬に開催予定。

以上

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最終更新日:2001.06.21
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