経済産業省
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審議会・研究会

産業構造審議会産業技術分科会(第2回)  議事録

小委員会等の検討状況について

【分科会長】
「産学連携小委員会」と「研究開発小委員会」の報告について意見をお願いしたい。
【委員】
産学連携については、ただ米国に見習うべきではなく日米のやり方を検討してそれぞれのいいところを取り入れてほしい。また、議論の結論が出たら本当に産学連携に貢献するのかフィードバックして考えてほしい。
【委員】
産学連携を本気で推進しようとするのなら、大学の研究開発機能の部分まで文部科学省が単独で所管しているのは疑問。文部科学省以外のすべての省庁が大学を有効に活用できるようにシステム改革を行い、大学に直接資金を流してくれれば、より有効に研究ができる。現在の制度は大学の研究開発機能を有効活用しにくいので改善が必要である。

【分科会長】
この場では各委員から産学連携について意見を出してもらい、小野田委員に産学連携小委員会につないでもらう。
【委員】
産業構造や社会構造が変化しているのを踏まえて、今後の「大学」の役割を検討し直し、それに基づいて産学連携のあり方を考えてほしい。産学連携では、大学の長期的な視野を活かした上で、着地点も見据えて検討してほしい。
【委員】
研究開発を行うのは人なので、産学連携において人の連携がうまくいくことが最も重要である。そのためには、産業界と大学から来ている人の価値観を一つにする必要があり、お互いに別々の方向を向いていたらうまくいかない。人の交流と言うよりも移動と考えるべきであり、それを妨げている資格制度、人事制度や年金制度等を改善し、人の移動を自由にする仕組みを作ることが産学連携を進めるためには必要である。
【委員】
産業界のリサーチの活性化が必要とのことだが、それは何を意味しているのか。
大学の長期的な研究は公的資金で実施し、それ以外は産業界と緊密な人の交流に基づく共同研究をしていくことによって、大学の持つ経営資源の有効活用につながるだろう。
根本的に日本の技術力が低下しているとの話があるが、問題は技術力そのものよりも、技術力を活かしきれず生産性の向上に結びつけられない、産業界や行政にあるのではないか。
【委員】
今まで頂戴した5人の委員の意見について追加させてほしい。
大星委員の企業のリサーチ能力の問題については、リサーチ能力の低下は起きていると思う。多くの企業はバブル期に手を広げたが、最近ではビジネスの重点化を図っている。そのため、重点化の対象になった分野については相当先を見据えた研究開発を行っているが、その周辺領域では研究開発が大きく減少している。そこで、企業では行き届かない部分を学で補完するとともに、企業が重点的に取り組んでいる分野においても学の知的資源を活用していきたい。
次に常盤委員の人の問題だが、産学連携推進小委員会でも集中的に議論していくとともに、総合科学技術会議のシステム改革推進専門調査会でも、産学連携等を取り上げるよう働きかけていく。
鈴木委員のそもそもの大学の役割の点については、議論を深めていく必要があるので産学連携推進小委員会でも取り上げていく。

【委員】
これまで産学連携については色々な機会に多くの議論がなされてきたが、いつも同じ議論が繰り返されている。特に今でも経済産業省と文部科学省が別々に委員会を設けて同じ様な議論を繰り返している。このように別々の官庁が同じテーマで別個に委員会を設けているのが、産学連携が実質的に進まない一つの象徴的な理由である。小委員会でも委員がそれぞれの意見を述べているようだが、いずれも専門家としての意見というわけでなく、思い付き的な意見もある。産学連携を研究している専門家の話もきちんと聞いて、事実に基づいた議論をすべきである。産学連携を実質的に推進するためには、研究開発予算を一括配分するために「研究開発庁」を新設して、色々な省庁からの研究開発費はもとより、文部科学省の研究予算もここに移して、国研、産業界への支援と一体的に運営するなどの抜本的な改革が必要である。
【事務局】
産学連携推進小委員会には文部科学省からも担当課長をはじめとして出席してもらい、適宜発言していただいている。両省の検討をいかに統合するかを検討し始めたところであり、個人的には合同審議に行き着くことを期待している。なぜ繰り返しやっているのか、なぜ両省で検討しているのか、議論に違いがあるのか、過去の議論から発展しているのかどうか、残された課題は何か等につき両省の違いがクリアになった時点で合同審議は有意義なものになると思う。
【委員】
今の回答が、産学連携が実質的に進捗しないことを象徴的に表している。委員会を別々に設けて、委員をオーバーラップさせれば、委員の負担がそれだけかかる。別々の委員会を設け、時々合同でやるというのではなく、はじめから一本化してやれば産と学がもっと連携しやすくなる。各省庁のプロジェクトではなく、国の重要施策としてやるべきである。
【分科会長】
産学連携についての検討状況は前述の通り、両省でバラバラであり様々な認識があるが、今後できるだけ合同審議をもてるようにしていきたいので、御協力いただきたい。
【委員】
若手の人材交流に限らず、産業界の60歳過ぎの人が大学に入ることで、技術シーズをいかに応用に結びつけるかを教えるというような産学連携の機能のさせ方もあると思うが、議論されてきたのか。
【委員】
今までに議論されていないが、このテーマは現状でもさして問題なく実施できると思われるので、今後も特別に議論はしない。

【委員】
日本では技術指向のベンチャー企業がほとんど育っておらず、興味本位でアイデアがおもしろいといった、技術力の裏付けがないベンチャーが大半であり、審査も技術的側面からは実施されないことが多い。一方、アメリカのアップルやサンは、優れた技術を元に創業している。日本で技術ベンチャーを育てるためには、技術を持っている人の起業を促進するために、技術と経営資源のカップリングシステム等を構築することが必要である。また、高いレベルでの評価を行うことでベンチャー企業を育てていく視点も重要である。
【委員】
産学連携においては、何よりも人の交流が重要である。また、両省における検討の際に、経済産業省では大学側への不満を、文部科学省では産業界への不満をまとめてぶつけ合うのが産学連携の進展に効果的だが、そもそも大学と産業界の視点が違うからこそ産学連携の意義があることも忘れてはならない。産学連携の検討を進める際には、大学には人文科学系の研究者もいることを認識すべきである。
【委員】
文部科学省は学術的な成果を求め、経済産業省では大学における研究成果の社会への還元を求めるように、両省では当然求めるものが違う。
また、競争的資金での研究成果が国に帰属することが多いことが、技術移転を阻害しており、企業にほとんど研究成果が活用されていない。
ストックオプションを産学連携の対価として認めない公務員の人事制度も、産学連携の阻害要因である。

我が国研究開発投資の重点化の在り方について

【事務局】
「資料7-1」について説明。
【分科会長】
今までの議題について各委員から意見を頂戴したい。
【委員】
研究開発小委員会の検討事項についてだが、研究開発内容の重複を排除できるプログラムの考え方は面白いと思うが、国家戦略としての技術開発が単線型で良いのだろうか。材料や環境についての技術開発はどこの国でも行っているが、日本はどのような理念に基づいて、どの分野に取り組んで行こうとしているのか。米国は安全保障の理念に基づく研究開発を重視している。
また、日本も研究開発方式として米国のようにダブルトラックやトリプルトラック方式を採用していくのか、それとも国が全面的に研究開発の方針を決めていくのか検討が必要である。
【委員】
政策目標に合わせて研究開発事業を大括りするプログラム制度は望ましいと考えるが、重要なのは単年度で終わらせず、今期の科学技術基本計画の期間のみならずその後も維持していくということである。
アメリカのナノテクノロジー・イニシアティブでは、大学教授のダンカン・ムーア氏がプロジェクトリーダーとして責任を持って重点化を行い成功している。研究開発においてこの例のようなリーダーがいなければ合議制になってしまい予算が細切れになってしまう。1件当たり数億円の研究費では額が少なすぎて成果が出ないので、誰かが関係者の様々な意見を抑えて重点化を行うことが必要である。
【委員】
政府の研究成果の社会への還元を真剣に考えるのなら、TLOを含めて研究開発の初期段階に特許をきちんと調べることが必要である。目的の特許が既におさえられており、研究が無駄になってしまうこともあるからである。TLOなり他の組織が研究の初期段階に調査結果に基づいた特許戦略を提案できるようにすべきである。
また、最近の企業の研究開発では基礎研究から応用研究にすぐに結びつくので、大学における研究成果を企業に移転しようとするのではなく、企業から基礎研究のテーマを公募する研究費を拡充すると、企業のニーズを強く反映できるので好ましい。
【委員】
今までの科学技術基本計画でうまく成果が出なかった要因を分析せねばならない。第2期基本計画では24兆円を投じることになっているので、第1期基本計画の反省を踏まえて、単なる予算の拡充に終わらないようにしてほしい。
これからは技術革新の成果を国民が直接享受できるような産業構造を実現してほしいし、経済成長のための技術開発も重要だと思うが、社会性が強く高齢者等からの需要があると考えられる、自立のための介護ロボットなどの人間の暮らしをよりよくするための技術についても重点化できるといい。その結果、このような人間を重視した研究開発が経済成長の原動力にもなっていくだろうと思う。
【分科会長】
第1期科学技術基本計画時の17兆円の予算の評価は、第2期科学技術基本計画の策定時に議論したが、今後も継続して評価を行わなければならない。
【委員】
プログラム方式は、今後の研究開発制度をどうしていくかということである。単年度予算ではなく10年後くらいの産業構造や社会構造などの社会の姿を見据えてプログラムを策定してほしい。将来の着地点をきちんと見て今何をすべきかを明確に打ち出して重点化を図る体制を整備してほしい。そうでなければ、成果が出ないと思う。
また、アジアへの貢献等の国際性も考えてほしい。現在、日本の大学が海外の企業と連携しようとすると制度的な障害が多いことにも留意してほしい。
【委員】
資料の中の「即効性」が、目に見える成果をあげるということで、すぐに成果を社会に還元するということだけを意味するなら、不十分である。技術開発では、短期・中期・長期別に戦略を立てるべきである。日本では短期の戦略だけになりがちなので注意すべきであり、長期の研究開発戦略にもっと資源配分しても国民は理解してくれるだろう。
競争的資金を人件費に使えないのが不便である。企業の人や大学院生を呼んでくることが難しいので、研究費のデザインをフリーにしてほしい。アメリカでは研究機材が安価に手に入ることもあり、研究費の多くを人件費につかっている。やはり、人にお金を使うことが重要である。
【委員】
私も競争が重要だと思う。また、目的志向型研究開発を強化すべきことが述べられているが、これは国が重点分野を決めていくということか。今までにも研究開発の重点化を進めようとしたことがあったが、競争的な研究環境が整っていなかったこともあってうまくいかなかった。そこで、競争的研究環境を整備するために競争的資金を拡充するに当たっては、研究者、研究テーマ、成果の応用等についてもそれぞれ競争させるべきであり、産業界等の外部からも結果がきちんと見える競争をすること、優勝劣敗をはっきりつけることが重要である。
【委員】
現状では、各省庁から似たような研究開発事業を持ち寄ってプロジェクト研究と言っており、プロジェクトの権限や責任がどこにあるのか不明なので、成果や評価がはっきりしない。プロジェクトの出口イメージをはっきり持ってプログラムを構築して資源配分を行うとともに、それぞれに権限と責任を付与するシステムに変えなければならない。評価のあり方もあいまいであるので、改善が必要である。
【委員】
政策目標型と学術振興型の類型化はいい。研究成果の実用化や社会還元の点では、今までは政府の研究開発投資は成果があまり出ていない。実用化を妨げているのはパテントである。大学の研究者は学会でいい評価を得られると満足してしまい、パテント対策がおろそかになってしまっているが、今後は実用化をにらんで、もっとパテントを重視していくべきである。
【委員】
小泉総理はビジョンが明確で評判がいい。科学技術の分野でもリーダーがビジョンを明確に国民に打ち出していく必要がある。アカウンタビリティーが果たされないまま研究開発に失敗することは許されない。ビジョンを明確に示すことで、産学連携も加速されるのではないか。

【委員】
第2期科学技術基本計画の重点4分野において、それぞれの分野のキーパーソンが各分野の重点化を図るだけではなく、全体を見渡して各分野を統合する役割を果たすグランドデザイナーが各分野をクロスカットしながら重点化を進めていくべきである。
【委員】
提言には大筋で賛成。提案公募型研究開発の研究費の配分方針として、応募件数に応じて分野別配分額を決めているのでは、研究者が多く成熟した研究分野に手厚く資金配分されてしまい、重点化対象と資金配分の間の矛盾が拡大再生産されてしまうので、政策目標に応じて各分野に資金配分するように変えなければならない。
また、企業から研究機関への資金の流れを活性化させるために、税額控除を認めてほしい。
【委員】
まず研究成果の社会還元を阻害する要因をきちんと分析して、その要因を除去してほしい。次に、「即効性」については言い方を考えた方がいい。最後に、重点化については、現状では経済産業省や総務省などの各省が同じような研究開発を行っていることを踏まえ、いかに研究開発の重複を調整していくかも検討すべきである。
【委員】
何を日本の競争優位としていくかが不明確である。主要4分野とその他4分野くらいでは絞り込みが不十分であり、その中でさらに重点を打ち出すべきである。「日本はこれで生きていく」といった国民的なコンセンサスが得られるような目標が必要であり、その際には、アポロ計画のように目標を明確に設定するのがいい。
【委員】
「即効性」の言い振りが気になる。地方での産学官の連携には、県の公設試の研究者の裁量労働制拡大等の人事制度改革が必要である。研究開発促進には、補助金より税額控除の方が効果がある。また、エンジェル税制の導入も必要である。
【分科会長】
委員各位から頂戴した意見については、会長と事務局で調整しメッセージの原案を作成し、委員各位に相談する。
【事務局】
第3回産業技術分科会の開催は7月下旬から8月上旬に開催予定。

以上

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