経済産業省
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審議会・研究会

産業構造審議会産業技術分科会(第6回)  議事録

【委員】
時間になりましたので、ただいまから産業構造審議会第6回産業技術分科会を開催させていただきます。
まず、最初に新しい委員のご紹介を申し上げます。今回から、株式会社日本経済新聞社の日経サイエンス編集長の高木靭生様に委員としてご参加いただいておりますので、ご紹介申し上げます。
【委員】
日経サイエンスの高木と申します。よろしくお願いいたします。
【委員】
また前回の分科会にご欠席でございまして、今回、初めて議論にご参加いただく二人の委員もあわせてご紹介申し上げます。まず日本電気株式会社の佐々木元会長でございます。
【委員】
佐々木でございます。
【委員】
次が協和発酵工業株式会社の平田正会長でございます。
【委員】
平田でございます。よろしくお願いします。
【委員】
よろしくお願いいたします。それでは早速でございますが、本日の議事に入らせていただきます。まず事務局の方から配付資料の確認をお願いいたします。
【事務局】
(資料の確認)
【委員】
資料はよろしいでしょうか。
それでは議事を進めてまいります。議題の1は「平成16年度に向けた産業技術政策の進捗状況について」でございます。まず事務局から資料についてご説明をお願いいたします。
【事務局】
(資料3に沿って説明)
【委員】
ありがとうございました。
以上、資料3「平成16年度に向けた産業技術関連政策の動き」について、ご説明をいただきました。この件につきまして、ご質問等ございましたら、お願いいたします。
【委員】
ただいまのご説明の中で、平成15年10月から既にNEDOの独立行政法人化が実施されたということにつきまして、産業界としても大いに今後の発展を期待しているところでございますが、特に意欲的な目標設定と厳格な評価等々、そういう枠組みをつくっていただく中で、プロジェクトの管理・評価と方法論というのがございます。そういうもののセンター・オブ・エクセレンスになっていただく必要もあるのではないかと、産業界としては、そういった手法をつくり上げていただくことを期待しております。
今までどちらかといえば、目標というものに対してどう進捗しているかという形でのフォローアップが主体だったと理解しておりますけれども、ここにございますように、プロジェクトの原則廃止ということを取り組むことになりますと、そのプロジェクトの性格によって、スタート時期におけるリスク余地というものをどう盛り込んでおくか、特に挑戦的なプログラムの場合には、そのリスクというものを想定し、そしてそのプロジェクトの進捗の段階において、どのように意思決定をしていくのかと。そのプロジェクトの性格によるマネジメントの使い分け等々、いろいろ方法論として確立していく必要があるのではないかと思っておりますし、一定水準以下のプロジェクトの原則廃止ということでございますけれども、やはりいろいろな形態があり得ると思うわけでございます。成果を上げたプロジェクトについては、場合によったら5年の予定を4年で完結するということもございますし、そういったいろいろな多様性をもったマネジメントの仕組み、それから評価のやり方というのを是非つくり上げていただくように期待をしておりますので、よろしくお願いいたします。
【委員】
ありがとうございました。事務局でお答えされますか。
【事務局】
NEDOを担当しております技術振興課長でございます。委員のご発言、ごもっともだと思いますし、私ども、期待にこたえるように頑張ってまいりたいと思います。
一言だけ、お答えいたしたいと思います。一定水準以下のものについて廃止をする一方で、成果を上げれば、より力を入れるということでございますが、資料に必ずしも明確に書いてございませんが、既にそういう取り組みを始めております。良いプロジェクトについては加速化という考え方で、年度の途中でも財源を追加いたしまして、より一層、成果を上げるような、そういう仕組みも盛り込んで多様性のある柔軟な研究マネジメントということで取り組んでまいりたいと思っております。
【委員】
ほかにございませんでしょうか。
【委員】
今、説明がございました17年度に向けた産業技術政策の取り組みの検討の内容でございますけれども、参考のところに「本年春に向けて本戦略の策定に取り組む予定」と書いてございます。もし具体的にその内容というか、進行の姿が紹介ができればご説明いただきたいと思うのですが。
【事務局】
先ほどご説明させていただきましたけれども、現在、担当しております経済産業政策局というところでは、かなりの人間が、例えば地域に出たり、あるいは企業の方からお話を伺いながら、具体的にどういう目標を立て、またどういう政策手段でこれを実現したらいいかと、まさに今、検討中でございまして、また姿がみえてきましたら、この場でもご報告をさせていただきたいと思います。
【委員】
意見というよりはお願いといった方がいいと思うのですが、産業技術総合研究所の非公務員化のくだりです。非公務員化というのは良いことがほとんどなのですが、1つだけ物すごくまずいことがあるのです。労働基準法の対象団体になるのです。夜遅くとか土曜、日曜、祝日に仕事をやっていると、「御用だ」になってしまうのです。研究者、技術者を、この際是非、労働組合員から外すという変革をやっていかないと、特に大学などというのは人数は少ないし、お金も少ないので、とにかく休まずに長い時間やり続けるということで成果を出せるのです。それが駄目だとなったら、これはとてもではないけれども世の中の役に立てなくなってしまうと思うのです。是非とも大学並びに産総研が非公務員化ということになる時期に、企業の研究者、技術者も含めて労働組合員から外すと。研究開発をやりたい研究者、技術者に時間無制限でやれるようにしてやって欲しい。やる気のある若い人にどんどん羽ばたいてく機会を与えて欲しい。研究者、技術者が労働組合委員になっている国というのは、世界中で日本だけですから、幾ら何でもひど過ぎると思うのです。私ども、世界と同じ土俵で競争させてもらいたいものですから、これを同時にやっていただきたい。経済産業省からも強い意見として出していただけないかということです。
【委員】
事務局からお願いします。
【事務局】
産業技術総合研究所を担当しております倉田です。今、先生のご質問といいましょうか、ご意見、ある面、非常にもっともな点はあると思います。現行の産業技術総合研究所でも、まず独法化に移行しまして、特に研究職の勤務形態というのは当然のことながらフレックスタイム制を導入し、次いである一定以上の方に対しては裁量労働制をも導入しています。ただし裁量労働制を導入しようとも、深夜に関しましては、いろいろな制約があるということ、これは事実であります。また非公務員型に移行したとしても、今度労働基準法の中で労使協約を結ぶというようないろいろなことの中で、ある制約はかかってくるのではないかと思っています。
日本の労働法制全体に関してということになると、これはなかなかすぐにというわけにはいかないと思いますが、産総研の運営に関しましては、ご指摘いただいた問題点は重々承知しておりまして、組合員になるかならないかというのはある種、個人の意思という問題も当然あるわけですけれども、結果として、研究者が自らの努力でいい成果を導き出せるような環境をつくっていく、そのためには組合の加入、非加入ということもあるかもしれませんが、それ以外のいろいろなやり方というのを導入して、極力そういう環境をつくっていくということが、今、この瞬間、産総研の運営には課せられた使命ではないかと、このように思っております。
【委員】
ご指摘の問題は非常に深刻な問題でして、私どもの評価機関も4月から独立行政法人になりますが、サービス残業で問題が起きることは予想しています。非常に多くの残業をやっておりますので、評価事業そのものができなくなる可能性もあり、おっしゃった問題は深刻な問題だと考えております。
【委員】
私も質問というよりコメントでございますけれども、やはり産総研のことなのです。既に世界最大の研究所の1つになっておりますし、その担当といいますか、役割といいますか、そういうことで産業界へのこれからの影響が非常に大きいと私は思いますので、この非公務員化というのは大変大きな変化だと思います。
これは私も賛成なのですけれども、非公務員化とか、こういうのが生きるか死ぬかは、研究員の評価システムです。これがしっかりしないと両輪で機能しません。産総研で評価システムを新しく見直そうということを非常に精力的にやっていらっしゃることは私も存じておりますし、意見を申し上げる機会も与えていただきましたけれども、この評価を、非公務員化とあわせて新しい研究員の評価システムのモデルをここで作っていくぐらいの意気込みで是非進めていただきたいと思います。
【委員】
産総研のお話ばかりで恐縮ですけれども、それだけ期待が大きいということでお聞きいただければと思います。非公務員化するに当たって、産総研、あるいは産業技術の公的な研究機関が国全体のナショナル・イノベーション・システムの中でどういう役割を果たすべきかということについて検討して、こういう非公務員型ということになって自由度がふえたわけですから、非常に積極的な役割を果たしていただけるのではないかと期待しているわけです。ヨーロッパとかオーストラリアとか、そういうところの国研をみていますと、産業界と大学と一体になって行動していまして、例えばノキアの研究所の隣にはVTTという国研の研究所があって、その横に大学があって、3つがほとんど同じ敷地の中にあります。ノキアの研究を国研がかなり引き受けてやっていて、それで国研で働いている人は大学の博士課程の学生だというように、非常に産官学の連携の要の地位に国研があるような役割を果たしているわけです。それはフランホーパーでも同じですし、オランダのTNOもそうですし、オーストラリアのCSIROというのもそういう役割を果たしていると思いますので、ぜひそういう国全体のイノベーションシステムの中で、産総研の中のことだけではなくて、全体に非常に大きなインパクトを与えられる地位にあると思いますので、この非公務員型に移る機会に、ぜひとも今後の活躍を期待したいと思っております。
【委員】
ありがとうございました。
今の委員のご意見は私自身にも直接かかわってくるのです。産総研の評価の分科会長をしておりますのでご意見を重く受けとめたいと思いますが、ただ、現状では、私もあちこち、大学も含めて評価に関係しておりますけれども、産総研の評価というのはかなり先端を行っていると、私は考えております。倉田チームリーダーを初め、相当頑張ってくれておりまして、ほかにないようなファクターで非常に厳しい評価をやっておりますので、そういう点では非公務員型へ移行しましても、同じようなドライブがかかっていくのではないかと思っております。
他によろしいでしょうか。
それでは次の議題に移らせていただきます。大変大きな議題でございますが、「今後の産業技術政策の方向について」でございます。この問題につきまして、基本問題小委員会の設置をしたいと考えておりますので、まずその問題につきまして、事務局からご説明をお願いし、ご議論をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【 事務局】
(資料4に沿って説明)
【委員】
ありがとうございました。
以上、基本問題小委員会の設置の提案と、その基本問題小委員会で検討する課題についてのご説明をいただきました。少しここで時間をとりまして、検討する課題等について、ご意見をいただければと思います。
【委員】
この時期に、この基本問題小委員会を設置されるというのは、私は大変重要なことだろうと思います。社会全体が非常に不透明化しているようにみえますが、実はいろいろな意味で変化のときを迎えているわけで、そういうところでのパラダイムの変化のようなものをきちんと経済産業省の側でビジュアライズするというのでしょうか、それに対応して、一体何を考えていくのかというようなことを考えていただくことが必要だろうと思うのです。それにしましては、ここで検討されていることが、どちらかというとフォアキャスティングというか、現状の問題をどう解決するか、課題をどうやってクリアしていくかと、中・長期的とはおっしゃっていながら、その辺に視点があって、21世紀の中で一体世界全体がどう変貌していくのかというあたりに対するきちんとした仮説のようなものを、私はもっていただく必要があるのではないかと、その辺がちょっと欠けているのかなという気がいたします。
この最初のところに相変わらず「持続的な経済成長の実現」などと書いてありますが、10年前に途上国がこういう言葉を使うなら結構ですが、現状で日本がこんなことを訴えて、果たして、もちろん個々の企業が成長していただくのは結構なのですが、こういうことではなくて、今、限られたエネルギー、あるいは水、その他の資源、それから人口の、世界的には膨大な爆発が起こっている、こういうところで一体どういう将来の世界図を描くのか。そこにおいて、日本はどういう役割を果たしていくのかというような視点が、私はあってほしいと思います。そういう意味で、グランドデザインをきちんと描いていただいて、そのグランドデザインに基づいて、そこに向かうためには一体どうしていくのかというようなバックキャスティングといわれる手法をとっていただく必要があるのではないかという感じがして伺っておりました。
それから、産業界に対するいろいろなサポートはもちろん重要なことなのですが、経済産業省だけではなかなかクリアできない問題があると思うのです。例えば食料の問題であったり水などの問題もそうかもしれません。そういう問題もやはり思い切って、省庁の枠を超えて、一体アジア全体がこれからどうやってサステイナブルな地域をつくり上げていくのか。その中で日本の産業はというような、そういう視点がないと、例えば対中国であったり、東南アジアであったり、そこら辺に対しての、もちろん個々の産業がそれぞれ活躍なさる、それを束縛する必要は全くないのです。むしろそれを超えて、国がそういう活躍の場をつくっていくためにどういう仕組みづくりをしていくのか、あるいはアジアに対してどういう貢献をしていくのか、そのような話も少し検討していただいてはいかがかなと、そんなように思って伺っておりました。
【委員】
非常に重大な課題なものですから、うまく私もまとめられていないのですけれども、是非こういう委員会をつくって検討していただくときに、例えばこの間も総合科学技術会議で申し上げたのですが、1996年から2005年までの10年間で41兆円という金を科学技術分野で使わせていただいており、国民から、「では何ができたのですか」と聞かれたときに、我々は答えないといけない。だれの目にもよくわかる成果というものを絶対に出さないといけないのだろうと思うのです。大勢の国民は、最近の議論を聞いていたら、税金は増えるわ、いろいろな年金関係の負担は増えるわといことで、あるいは国の借金が700兆円を超える国の予算がその44%も借金でまかなわれているということで、気持ちは暗くなる一方ではないかと思うのです。こういう状態に明かりをともすことが今度の科学技術基本計画の目的だったのだと私は思っているのです。
まずこの議論のときに、少し具体的になり過ぎるかもしれませんが、我が国の産業競争力強化を目指した時、日本の産業界が世界と競争するときにどういう不利な点を背負っているのか。土地代の高さ、人件費の高さ、電力代の高さ、陸送費の高さです。日本の産業を強くしていくために、こういったハンディキャップを乗り越える新しい産業技術をつくらなければなりません。例えば同じものを作るのであれば、工場の面積を5分の1、10分の1にできるような技術はどういうものなのか。人件費の問題に関していえば、1人の人間がたくさんの仕事をしない限りは高い人件費というのは払えませんから、1人の人間に可能な限りたくさんの仕事をさせるための産業技術とは何なのか。同じものをつくるために必要な電力を10分の1ぐらいにできる産業技術は何か。陸送費の問題に関しては、トラック輸送などを使ったら、とてもではないけれどもコストが高くなって競争力はなくなってしまいます。そうすると、どういう産業はどういうところに立地させて、ミニマムな陸送費の負担でやるのかというようなことを新しい産業政策の課題として取り上げていただきたい。
日本の産業界が今、非常に苦しんでいる1つに、パソコンのデルモデルというのがあるのです。世界中から最も安いものをネットワークでかき集めてきて組み立てるとものができて、しかもネットワークで直販方式でやっています。これに勝てる産業モデルというのを我々は出せるのか。答えは1つしかないと思うのです。てんでんばらばらに部品を集めてきて組み立てたのではできないような高性能製品の産業を起こすのです。それは一体どういう産業技術なのか。
アジアの諸国との関連に関していうと、私ども、これからも間違いなく新しい科学技術をどんどんつくりますけれども、できた産業技術がアジア諸国にたれ流されている。ほとんど一文も日本に金が入ってこないで、産業技術がたれ流されている。現在の産業技術のレベルを考えていただくと、産業技術が非常に幼稚な段階では、もはやないのです。どんどん産業技術が高度化して、学問に基づいた本物の技術だけが勝ち残っていく時代が既に始まっている。この本物の産業技術をたれ流されてしまうと、それを超える産業技術というのは滅多なことではできない。いかにたれ流しを食いとめるのかということを、よく考えないといけないのではないか。
これからは、学問に基づいて本物の、本当に強い技術だけが勝ち残りますから、寡占化、一社独占化がそれぞれの産業分野でどんどん進んでいます。かつてのように多くの企業が横並び一線で同じことをやっている時代ではなくなっています。結果として、技術のたれ流しが今、とまり始めているのです。もちろん、これからも世界との有公関係維持のために、アジア諸国に産業技術を出していくことは非常に大事な日本の役割だと思いますけれども、十分、そのときに日本に正当な対価としての資金が入ってくるように戦略的に技術も出していくシステムの創出、そのようなことを含めてご検討いただければと思います。
私は委員のおっしゃる21世紀戦略も大賛成です。ただし、今の我々の役割は、産業競争力の低下から借金まみれになってしまった我が国のこのつらい状況をどうするのだということに答えを出すことなのだと思うのです。まず、我が国の国際的な産業競争力強化策に集中すべきだと思います。
【委員】
エネルギー・環境の視点から一言申し上げさせていただきたいと思います。
例えば日本の産業構造の基本問題をこれから云々するときに、従来型の積み上げ方式の考え方から目標設定型の問題意識へと変換させる必要があるだろうと思っています。例えばメイド・イン・ジャパンは、今までは信頼性が最も高い製品であったという観点から、エネルギー環境からすれば、メイド・イン・ジャパンは環境配慮型の世界のトップランナーであるというぐらいの位置づけをした上で、それに対して技術開発はどうあるべきか、あるいは基本問題はどう考えるべきか。出てくる製品はもちろんのことながら、それをつくり出す産業構造に対してもきちっと環境配慮型の産業構造になっているかどうか。こういう、例えば1つのキャッチフレーズをきちっとすれば、それに伴って基本的な問題点もおのずから明らかになってくるだろうし、各産業においても、そのキャッチフレーズのもとで製造工程等々を考えながら製品を製造していけば、間違いなく日本のエネルギー・環境構造が世界のモデル的な産業構造になるということがいえるのではないかと思います。ですから、どこに、幾つの目標を設定して、それに対して基本問題をどのように洗い出していくかということが非常に重要だと思っています。
特に私が今、かかわっておりますエネルギー、環境も含めての話ですが、日本で初めてエネルギー政策基本法が一昨年、国会で成立して、昨年10月7日にエネルギー基本計画、エネルギー政策のバイブルが策定されました。それで、これは今、中・長期とおっしゃっておられましたので、2030年ぐらいを目標にして、それに至る過程で産業構造がどのように変遷し、10年から30年に至る過程でどういう技術がこれから重要視されていくのか、あるいは開発されていくのかということも論じながら、これからの産業構造を考えていくのだろうと思っています。特にエネルギーの分野に関しては、基本計画の中で中・長期的な課題として分散型エネルギーシステム、あるいは水素エネルギー社会、新しいエネルギーキャリアが登場するだろうとうたっておりますので、こういう技術開発はもちろんのことながら、産業構造審議会の基本問題ですから、産業技術の基本問題といえども、個々の技術だけではなくて、そういう技術が、内需拡大といったら間違いなくやらなければいけないことだと思っていますので、国内で入りやすい形での環境整備、インフラの考え方、社会基盤はどうあるべきか、それが入りやすいようにするための制度改革、あるいは制度強化を含めての話ですから、どうあるべきか、制度まできちっと言及をした上で問題点を洗い出していただきたい。
特に大事なのは、金融がどうも日本は私は機能していないと思っていまして、ある程度マチュアーの技術で、だけれども比較的市場原理には乗りにくい、こういう技術を内需拡大、あるいは日本の国内にどうやって入れていくかというのは、これは金融そのものです。例えば顧客指向の金融モデルを考える、プロフィットファイナンス?に対して金融機関への積極的な導入を促す、それに対して国が担保の措置をとる、いろいろな手がありますが、金融と産業のいい循環が生まれない限り経済が活性化するわけありませんから、そういう意味で基本問題には経済、金融という観点も、今、ここに書いてはありましたけれども、導入しやすいような金融手法はどうあるべきなのか、明確な答申を期待したいと思います。
【委員】
先ほど、委員からご指摘があった経済成長の問題でございます。やはりEUあたりでも現在いわれているサステイナブルソサエティという、持続可能な社会をどうつくっていくかという大命題のもとに今後の展開を考えていくことが重要ではないかと思うわけでございます。
その中で、ここに書かれておりますサービス経済化の一層の進展ということに関連しまして、これは恐らく狭義のサービス・プラス・ソフト、コンテンツというところだと思うのですけれども、先ほど委員のご指摘にありました技術流出にも関連して、こういう著作物的な権利というものをどう保護していくのか、コピーをどう防止するかという点についても是非ご検討を賜れればと思うわけでございます。
それからもう1点、極めて技術的な、テクニカル話で申しわけないのですけれども、第3期の科学技術基本計画との関連をご議論いただく上で、17年度の予算をどういう考え方で作っていくのかと。17年度と18年度の間の連続性ということも念頭に置く必要がありますので、これは時間的にどの程度可能かということもありますけれども、17年度予算の位置づけということを踏まえてご議論していただくことができれば、結構なのではないかと考えております。
【委員】
今の時点で中・長期的な観点から科学技術政策を考えていくというのは非常に結構なことで、成果に期待したいと思います。基本的な問題認識も、少子高齢化の中で経済成長を維持していくということが大事だということは私も賛成で、特に少子高齢化がこれから急激に進みますから、潜在成長率はかなり低下する恐れが非常に強くて、例えば1%の成長率を維持するのでも大変だというような状況になるかもしれません。ですから技術進歩で、例えば0.5%成長率を稼ぐというようなことができれば、例えば年金の問題であっても、あるいは中国、アジアとの関係で構造を調整する上で非常にやりやすくなってくる。たった0.5%でも中・長期的で複利でふえていけば非常に大きな額になります。
これは、アメリカの新しい経済成長理論というのを提案してノーベル賞をもらったポール・ローマーという人も言っているのですけれども、技術進歩で0.5%の経済成長を稼ぐということは人間を月に送るのと同じぐらいのチャレンジングで難しいテーマだと。それを目標にしていろいろな政策体系を下に整合的にぶら下げていって、月に送るような計画を立てると同様に技術進歩で0.5%の潜在成長率を上げるという大きなプロジェクトをやっていくということを考えたらどうかというようなことをいっております。そのように、技術進歩で例えば0.5%稼げると非常に大きなことになると思いますので、そのための具体的な施策を、特に中・長期的な視点からということで検討していただきたいと思います。
例えば大学についても、ここで技術シーズの創出源としての大学への期待の高まりということが書かれておりますけれども、中・長期的な視点からみますと、大学の役割というのはむしろ優秀な人材を育成するとか、あるいは産業界の技術開発における問題解決のために非常に高度な科学的な知識を生み出していくとか、そういった点こそが中・長期的な観点から重要だと思いますので、是非ともそういう視点から検討していただければと思います。
【委員】
私ども、いわゆるライフサイエンスとかバイオテクノロジー関係の研究開発と事業をやっているわけですけれども、そういう個々の産業とは別にしまして、この場では第3期の科学技術基本計画へ向けての取り組みということですので、少し大きな観点からということなのですが、やはり国策として科学技術を考える場合に、やはり予算ファンディングに2つの視点が必要なのではないかと思うのです。
1つは、これは究極的には国家戦略的な、非常に大きな国としての重点投資ですか、そういう国家プロジェクト的な予算政策と、もう1つは本当にイノベーション、いわゆる先進的な、今では予見できない、そういうものを如何にして生み出すかという、そういう2つの視点があるのではないかと思うのです。もちろん、そういう非常にスペシファイしたテーマで投入していく中でイノベーションはもちろん生まれますけれども、後者の場合というのは、企業でも、意外に予期した研究テーマから大きなものが出てくるというのはまれでございます。むしろ比較的期待しない研究からひょこっと出てくる場合がままあるわけでございます。ですから、そういうものにどのぐらい予算を投入できるかというのは、国として、または企業としての度量みたいなものでして、そこに一定の金をつけなければいけないのではないかと。そういう意味で、もちろん成果主義で効率を重んじるということは必要ですけれども、その裏で、特定のテーマや研究者に、場合によってはバブルになるほど研究費が投じられていることもあります。やはりある程度長い目でみて評価できるような、そういう提案型のテーマにも、薄く広くというと若干語弊がありますけれども、そういうことも私は必要なのではないかと思います。
それで、もちろんマジョリティは国家戦略、例えばIT戦略とかバイオテクノロジー戦略会議、こういう大型のプロジェクトに投入するのはいいわけですけれども、例えばBT戦略会議の場合ですと、戦略ですから、国際競争に勝つ戦略でなければいけないわけで、どうみても各省がそれぞれ同じようなテーマで予算を重複して持っている。省庁間で競争しているわけではないので、国との間で競争しているわけなので、せっかく内閣府につくったわけですので、予算のファンディングの仕組みそのものが、やはり国家的に勝てる戦略でないといけないので、司令塔的なファンクションというものを、ナショナル・ファンディング・センター的なものを、ぜひこの次の科学技術基本計画では考えていただきたいと思います。
【委員】
突然気のついたことでまとまりがないと思いますけれども、私、香川からまいっているのですが、いろいろ地方で考えますと、例えば少子高齢化の問題がございます。香川県は現在、人口100万ですが、2100年には3分の1ぐらいになるだろうといわれております。そうしますと、産業そのものがどうなっていくのだろうという、非常に不安感といいますか、そういうのがあるわけです。しかも今のように大きな財政赤字のもとにそういう状況が加速すれば、果たして日本はどうなっていくのだろうかという、非常に不安感が私は国民にあると思うのです。そういうものに対して1つの方向を示していかないと、なかなか国民は元気が出ない。不安を持ちながら日常の中で四苦八苦するだけにとどまってしまうのではないか。
例えば今、大学発ベンチャーということがいわれていますけれども、それをみても、非常に目先のことで動いていまして、果たしてこの中で生き残れる事業はどれだけあるかとみますと、ほとんどないのではないかと思うわけです。そうしますと、そういうものに対して1つの希望を持ちながらやっている方々が、どんどんそこで挫折をしますと、非常に大きな不安感につながってくるということで、何といいますか、明るさといいますか、そういうものがみえない気持ちがするわけです。
そういう点で、経済産業省でいろいろやられて、試行錯誤はこのような混乱期には仕方がないといえばいえるのですけれども、それではどうも済まされないなと思いますので、今後の中・長期的な課題に対しては国民がわかりやすいような問題解決のビジョンといいますか、そういうものを各省庁間で、経済産業省だけで少子化問題に対してどうこうできるわけではないわけですから、そのようなものを是非ひとつ示していただきたいと、このように思っております。
【委員】
基本問題ということですので、基本的なことを3点申し上げます。第1は、きょうの問題提起を拝見して、幾つかご発言がございましたけれども、国際的にどう貢献していくのかという姿勢。どう守る、どう攻めるはあるのですが、どう貢献するか。その中で産業政策というか、それがどういう役割を果たすかという視点が表に出ていないのが非常に残念だと思います。
第2点は、随所に出てくるのですが、私は日本の産業界の危機は産業界のための人材確保が足りない。それで、そのことをもっと大きな柱に、これも随所に出てきますし、ただいまのご発言も幾つかありましたが、大学や少子化の問題ばかりではなくて、国際比較の問題にしても、研究者の待遇にしても、研究者の国際的に通用する評価にしても、外国籍の人を、どうやって日本へいい人を引きつけるかとか、そういった問題。それからもっと大きな問題は、文系、理系の人材のバランスの問題とか、非常にたくさんありますので、産業界のための人材確保を大きな柱で取り上げる方がいいのではないかと思います。
第3点は、知的財産ということは今、日本の国の政策としても重要な柱になっているわけですが、私はもうちょっと後ろに下がって考えますと、知的財産というのは科学技術の成果を保護、それから経済的に活用していく、そういったところが基本の考えで、ポイントは何らかの形の成果のコントロールにあるわけです。一方、科学技術の成果というのはどうやって普及をしていくか、それからどう公開をしていくか。それが私は広い意味の知的基盤だと思って考えているわけですが、基本的には、その両者をある程度バランスをとって考えないと、一方だけではその発展に限界があると思います。バランスをとってこそ、両方が健全に発展していくと思うわけです。
【委員】
今、各委員からいろいろなご意見を伺っていて、1つ指摘させていただきたいのは、少子高齢化の進展の中で海外の人材をどう位置づけていくか、恐らくこれからの日本社会を考えていったときに少子高齢化、これは現実的にどんどん迫ってくる課題なのですけれども、その中で将来の日本を支えていく、あるいは日本社会を活性化していく上でどうしても海外からの移民をどう受け入れていくのか、海外の人材をどのように日本社会の中で位置づけていくかということが非常に重要な問題になるのではないかと思います。特に産業社会を活性化させていく、あるいは科学技術を振興するという点から考えて、これは非常に重要な問題になるのではないかと思います。
確かに以前に比べると、大学や研究所などでも海外からの研究者の処遇、その他、随分改善されてきたと思うのですけれども、まだ十分とは言えません。やはりこれから20年後ぐらいのことを、今の日本国民という枠の中だけで考えると、人口構成は明らかに変わってくるわけです。そこら辺の問題をかなり大きな柱として考えていかざるを得ないのではないかというような気がいたしますので、そういう視点を是非入れていただきたいと思います。
【委員】
遅刻しまして申しわけございませんでした。今、並行して国土審議会をやっていまして、そこに出席していました関係で遅れました。
いろいろお話が出ていたのですけれども、その国土審議会でも今、話が出ていましたが、中期、あるいは長期的な展望と短期的なものというのはやはり色分けをしなければいけないのではないかと。私の理解するところでは、10年~15年の中期、それより先の30年~50年の長期というように考えたときに、どちらかというと国土計画の中では中期的なことを全体的に考えておりまして、今、委員からお話がありましたように、基本的には人口構成の推移ということをうたっているわけです。現在の人口というのは1億2,700万人ぐらいいるわけですが、これが2025年でも1億1,000万人ぐらいに、1,700万人ぐらい、どう見積もっても減ると。これが2050年になれば相当減ってくるわけですが、2100年になったら8,000万人とか、ちょうどよさそうなところになるという意見が出ております。そのときに、国の大きい計画としては二層の構造と考えていて、いわゆる20万人、あるいは50万人の都市の中で生活圏が保障されるものと、それから600万人から1,000万人ぐらいの単位で経済ブロック圏が成立する。これは今、いわれている道州制の一端かもしれません。その600万人~1,000万人を単位とした北欧国家と同様な経済的な自立圏を日本に6つとか7つ、考えていくというのが基本の骨子だろうと思います。
そういう中で私が考えておりますのは、そういう問題はあるのだけれども、とりあえず皆さんがおっしゃっていただいたように、現在、抱えている産業界の喫緊の課題というのをどうにか解決しなければいけない。これは3年ないし5年の、あるいは来年からの課題かもしれません。この中でいつも申し上げたいのは、我が国としての目標をどうするのかということだと思うのです。委員から積み上げ型から目標設定型というようにおっしゃいましたけれども、私はそのとおりだと思っておりまして、目標をどう設定するか。目標としては、まずGDPだと思うのです。このGDP、国民総生産をどのように設定するのか。人口にあわせてなのですが。これが、新聞、あるいは政府では余り報道しないのですけれども、97年に500兆円に達して、5年間、我が国は500兆円を維持し、しかし2002年度についに500兆円を割ってしまった。499兆幾らになった。2003年度、どうなるか、まだ最終統計が出ていないからわかりませんが、最後、ちょっとよくなって500兆円に戻ればいいと思いますが、無理かもしれません。その500兆円ぐらいのGDPをまず確保していくというのが一番の目標であって、その500兆円のうちの、中川大臣の新産業創造政策というのにも出ておりますが、どのように500兆円のうちの本当の富を稼いでいくかというと、これは製造とか建設とか、第二次産業が一番重要であって、第二次産業というのは大体30%ぐらいあるわけです。ですから150兆円。そのうちのいわゆる製造業、ものづくりというのは20%弱、19.9%ぐらいになっていると思います。ですから、その19.9%ぐらいの100兆円近くをいかに我が国として確保していくかということを、この短期的な目標に明確にしていただきたいというのが私の意見です。
そういうことをしないと、中川大臣の新方針もなかなか実現できないのではないかと考えているわけです。
その中で、本にも書きましたし、あちこちでも講演しておりますが、日本では土地、人件費、エネルギー、輸送という4つの高い条件があるわけです。そういう中でより付加価値の高いもの、簡単にいえば1グラム当たりの単価の高いものをどうにか製造していかなければいけないわけです。ご承知の車産業というのが一番のリーディング産業ですけれども、これはどうやってみても1グラム2円。1円の車もありますが、1グラム2円ぐらいにしかならない。1万4,000点も部品を組み合わせても1グラム2円しかならないわけですが、それはビールの値段程度のものなのです。そうではなくて、もっと付加価値の高い、最近でいうデジタル家電だとかデジタルカメラとかいうのがありますが、ああいうものというのは1グラム50円とか100円とかとなる。これはまさにオプティクスとメカトロニクスが融合したものでありますが、さらに委員がおっしゃったように、単に部品を加工して組み立てて製品をつくっていくという、その同じ技法だったら、労賃の安い中国を中心とする国に当然競い負けてしまう。そうではなくて、そういうものを新しく一体融合型の設計、製作ができるようなもの、例えばこの予算案にも出ていますが、MEMSと呼ばれているようなマイクロ・エレクトロ・メカニカル・システムズというような、そういうシリコンテクノロジーを大いに用いたようなものです。そういうものの方に少しずつシフトしていく。これこそ1グラム100円以上、1,000円というような産業になるわけですから、そういうものをどんどん育成していくということが我が国にとって一番重要なことではないかと考えているわけです。
そういう中で、別の視点から科学技術基本法、あるいは科学技術基本計画に対するいろいろな意見がありますが、予算はどうあっても、国としての集中分野というのはIBNEと私、呼んでいますが、重点4分野。Iはインフォメーション、Bはバイオ、Nはナイオ、ナノテク、Eはエンバイラメント、環境です。このIBNEという重点4分野に集中特化しているというのは避けられないことかもしれません。国の方針ですから。しかし、この分野というのは、将来、10年後、20年後には新しい産業を創出するのに非常に有用かもしれませんが、目下の喫緊な産業界の逼迫した状態を解決するのには即効性がないと、私は思っています。科学的な知見による新産業創出というのはなかなか時間がかかるしリスクも大きい。それに対して現状はどうかというと、やはり技術的な知見で基盤的な産業が我が国を支えている。特に中堅中小企業ですが。ただ、そのままだと非常に困るので、そこに何らかの大学等の知見も加えて、新しい視点を加えて、中・長期的な新産業分野と現在のものとの少しずつの入れかえをしていかなければいけないわけですけれども、その辺のところにウエイトを置いた基本政策を立案していただきたいなという希望をもっております。
【委員】
技術評価手法の確立というところです。こういう事あるごとに申し上げているのですけれども、国家予算が随分いろいろな形で使われているわけです。この技術評価をどうするか、あるいは審査をどうするかということが結構重要なのだと思うのです。一言で申し上げれば、もうちょっとオープンにいろいろやれる体制がとれないかと。今はさまざまな形で助成金や何かも、本当に多額な金額が落ちているわけですけれども、そういうものは正直いうと、非常にこじんまりした権威の産物というのですか、そういう評価が行われているのが現状だと思うのです。ですから、これをもう少しオープンにやれないかなと思うのです。
例えば、これはアカデミア、基礎的、あるいはごくプラクティカルなというもので全部にできるわけではなくて、我々がいっていることは多分、非常にプラクティカルな部分の話だと思うのです。先ほど委員もそうでしたけれども、ゲノムだとかプロテオームの世界というのは非常に大きなくくりがあって、それに対して中小企業が何かを起業しようといってもできないのです。でも、中小企業でもきらっと光る技術なり、考え方があったりします。そうすると、そういうものをどうやって出していくかということが結構重要で、なかなか権威の先生方自体で把握できないものがたくさんあるのです。
そこに少し視点を変えて考えると、例えば今、特許は、何かを出そうとするとキーワードで検索できるわけです。例えば何とか技術、何とかテクノロジー、何とかとずらっと並べると、検索技術があって、ぽんと出てくるわけでしょう。それと同じことを、まず人材にやるということです。いろいろ先生方、大学、教授、産業界、いろいろな方たちがいるでしょう。そういう人たちをキーワードで結ぶと、ある専門家が固まりますよね。その専門家が評価するというような形がとれないか。しかもそれは5人とか10人とかということではなくて、例えば100人、200人、1,000人でもいいですよね。そういう形でプロテオームの、あるいはゲノムの、非常に極端な話、僕は目の前のことしかわからないからあれですけれども、例えばスニップスの解析をしようとします。そうすると、どういうことが行われるかというと、目の前に人間のサンプルが100個あるわけです。その100個のサンプルが、例えば1つ1つ、100スニップスをみたいということが、現にこれからの命題として行われるわけです。そうすると100サンプル、100スニップス、それをどうやって解析して、どうやって答えを出すかということをコンペさせればいいわけです。
そうすると、それに関してはいろいろな考え方が、小中大、企業とか研究室であるわけですから、それをいろいろな形で起案させる。だれが評価するかということになるでしょう。今、NHKでよくロボット大会をやっているではないですか。あれはある規格基準でお金とかなんとかが決まっていて、一番合理的にやり得たところが優勝するでしょう。それと同じようなことが、何かのハードルを明確にして、要するにプラス技術で結んで、それを立案してきなさいと。要素技術を固めた形でテーマを与えるということです。そうすれば嫌でもあることをやらなければならなくなるし、それを評価する人間というのは先ほどいったように、日本は優秀な人たちがたくさんいるわけですから、5人とか10人とかではなくて、ずらっと1,000人で評価させるというようなことが、今、ITがこれだけ進んだ世の中なら、いろいろな形でできると思うのです。そうすれば、中小企業もいろいろな形で企画立案、提案もできるし、オープンな形での成果なり評価なりができるのではないかと思うのです。
中小企業は余裕がないものですから、なかなか本格的に、政府がおっしゃっているようなことを把握して、具体的な提案をしにくいというところがあるので、もっとかみ砕いた提案を明確にして、それで大量に情報を集めて、大量な人間が評価する。そうすると、そこには嫌でも技術交流が始まるし、でき上がったものはまさに人口に介したということで、成果が上がったのなら、それは歴然とするし、上がらなければ、それもまたはっきりするし、そういう要するにオープンな評価法が必要なのではないかと、そのように思います。我田引水なのかもしれませんが、そのように思います。
【委員】
言い尽くされているかもしれませんけれども、小委員会の進め方について、このようにされたらどうかなと思うのです。その1つは、これまでの政策を是非反省し、そしてその悪さかげんがどういうところにあるのかということが数値化できれば大変いいのではないかということです。そうすると、これからの進め方の中で同質のパターンになるのかどうか、いつか来た道をまた同じような形でやっていくのかということになろうかと思いますので、その辺をきちんとして、反省は反省、それから新たに加えるものは加えていくという形の進め方がいいのではないかと。そのときに、先々のことの議論がいろいろありますけれども、やはり先行するためには現在の利益、あるいはお金をどこからもってくるのだということになると思います。技術の発展はテクノロジープラットフォームがどれだけ強いかという上での新しい産業、あるいは技術という形になろうかと思いますので、産業再生という角度と、それから新産業創造というものを同時並行でいかないと、片方だけいくということはあり得ないというように、私どもは経験的に思っております。この両輪で走るように、その上で目標を定めたグランドデザインをつくっていくというようにすれば、産業競争力と技術力があいまってくるのではないかと思います。
【委員】
ありがとうございました。
それではよろしいでしょうか。多方面からご意見をいただきました。これにつきまして、事務局から何か補足説明等、ございますか。
【事務局】
ただいま先生方から大変有益なご意見をいただきました。その中には対立をする概念もあったかと思います。典型的なものはバックキャストと、それから現下の課題への取り組みとのバランスをどうするかということも含めて考えていかなければいけないわけでございます。
また、海外の人材の活用と、ある意味、技術の流出という問題につきましても大変重要な課題でありますし、そこをどうバランスさせるかということについても今後、考えていかなければいけないと考えております。そのほかにもいろいろご意見をいただきましたので、これはきちんとまとめまして、再度整理をして、新たな小委員会での検討課題というものにつきまして、分科会長ともご相談をさせていただきながら、またご相談をさせていただきたいと考えているところでございますので、よろしくご指導いただければと思っております。
【事務局】
何点か、先生方のご指摘に対して現状、どんなことを考えているか、あるいはこれから基本問題小委員会で何を期待するかという観点からコメントをさせていただきたいと思います。
まず何人かの先生方から、基本的な戦略、目標の設定が重要だというご指摘をいただきました。私どもも全くそのとおりだと考えております。これからの産業、あるいは社会というものを見据えた上で技術政策、あるいは研究開発として何をしていくかということを考えていきたいと思っています。
特に研究開発プロジェクトというものを私ども、幾つもやっているわけですけれども、その際に一体何を達成するのかということの目標を、単に技術的な数字をどうするということだけではなくて、そのことによって何を実現したいのかということを明確にするということは大事だろうと思っております。この観点からは、産業なり技術のロードマップを見据えていくとか、あるいは重要な技術分野の柱立てをどうするかというようなことが大事だと思っております。
もう1つは、日本の技術のポジショニングといいますか、比較優位ということでもいいかもしれませんが、どういう分野が今、強くて、あるいはこれから強くしていかなければいけないのかと、このあたりが大事ではないかと。この目標設定とポジショニングということをしっかり見据えながら、どういう技術政策、技術開発に取り組んでいったらいいかということを考えたいと思っております。
それから、技術が普及しやすいような制度、インフラというようなご指摘もございました。特にエネルギーなど、そういう必要性は高いと思っております。この点も、私どもは兼ねてから技術開発がやりっ放しにならないようにということで、省全体の政策と結びつけてやっていこうということでプログラム化という、きょうもご説明の中でさせていただきましたけれども、という考え方で技術開発と関連する規制ですとかインフラ面の整備とか、こういうものをパッケージとして考えていこうということをやってきております。エネルギー関係では、まだ必ずしも十分プログラム化されていないところもあるのですけれども、できるだけそれをパッケージ化してやっていこうという心づもりで今、進んでいるところでございます。
それから知的財産、あるいは技術流出という絡みでございますけれども、これは国のプロジェクトでやった場合、ともすると出た成果はできるだけ広く普及をしようということで、発表をいたずらにするというような嫌いがないわけではなかったわけでございます。この点につきましては、やはりこれは対象としている技術分野の性格にもよるかと思いますけれども、何を知的財産として管理するか、あるいは外へ出さないか、あるいは何を積極的に発表するかということをきちんと峻別しながらやっていこうと、そういう戦略性をもってやっていこうということで考えて動いているところでございます。さらにその場合に、どういう考え方でいったらいいのかというあたりは、まだまだ議論をさらに掘り下げていく必要があろうと思います。経済産業省全体としても、あるいは政府全体としても今、知的財産の議論をしておりますので、そういう議論を踏まえながら私どもとしても考えていきたいと思っています。
最後に広報、PRということについてです。これも努力をしているつもりではあるのですけれども、なかなかわかりにくいというご指摘、ご批判をいただいております。これがしっかりしていないと、多額の予算を投じていながら、一体何の成果が出ているのだというようなところがありますし、先生方のご指摘の、特に中・長期的なテーマも大事だというようなご指摘のときに、一体それがどう役に立ったのかということがいえないと、なかなか予算を投じられないというところがあります。この辺について、どのような形で伝えていったらいいかということを努力をしているところでございます。ぜひこれも、これから政策を考えていく上で議論していきながら、それを政策に反映させていきたいと思っております。
【事務局】
今、いろいろ先生方のご意見を拝聴する中で、特に人材ということについては私ども、大変強く認識はしておりましたが、改めて人材という切り口を明確に打ち出してまとめていくことが必要かなと思いました。
また国家間で競争しているのに省庁間で競争していてもしようがないというお話もございました。ともすると役人の発想というのは、まず自分の守備範囲というものを決めて、その守備範囲の中でしっかりやっていこうということになるわけですが、これはご指摘をいただくまでもなく、産業技術政策という観点から考えましても、それは究極的には国のあり方とか社会の仕組みとか、産業政策の枠も超えた、そういう全体像の中から技術の役割、そしてその技術政策として何をやったらいいかということが出てくるわけでございます。そういう意味では、金融の話とか制度の話とか、いろいろ出てまいりましたけれども、視野をみずから限定することなく、幅広い視点で考えてまいりたいと思いますし、また積み上げ型から目標設定型へというお話がありました。それはまさに新産業創造戦略、中川プランの中でも私ども、自覚しているところですけれども、こういう時代の転換点、パラダイムシフトが行われるときですから、従来型の積み上げ型では課題に対応できないという認識はもっておりますので、目標を設定して、それに向かって政策を進めていくという発想で考えたいと思います。
今日はさまざまなご指摘をいただきました。そういうものを踏まえながら、私どもとして引き続き検討を進めていきたいと考えております。
【委員】
この基本問題小委員会で検討すべき事項については様々な面からご意見をいただきましたので、今後、事務局を中心にして少し考えてみる必要があろうかと思いますが、基本問題検討小委員会の設置そのものについては反対がございませんでしたので、設置するということでよろしゅうございますか。それではそのような方向で進ませていただきます。ありがとうございました。
では、本日の議事は以上でございますが、事務局からそのほか、何かございますでしょうか。
【事務局】
次回の分科会の開催についてですけれども、具体的な日時、議題などに関しましては、後日、事務局の方から改めてご相談をさせていただければと考えております。
【委員】
なお、本日の資料及び議事録につきましては産業構造審議会運営規程に基づきまして、資料は公開、議事録は委員の皆様のご了解を得ました上で無記名での公開というようにさせていただければと存じます。よろしくお願いいたします。
それでは以上をもちまして第6回産業技術分科会を閉会させていただきます。本日は多くの貴重なご意見を賜りまして、ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。

以上

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