経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会(第12回)‐議事録

議事概要

議題1:研究開発小委員会、産学連携推進小委員会、評価小委員会の活動について事務局から資料に基づいて報告。(質疑)

研究開発小委員会について

  • 委員

    1,000ページもの技術戦略マップを紙媒体で使う方はいるのでしょうか。この点について工夫はされていますでしょうか。

  • 事務局

    産総研に協力いただき、意味構造の解析ができる検索システムを策定し、ホームページで公開しました。これは、従来キーワード一致で検索していたものを、検索したい内容を文章で入れますと、キーワードごとに関連のあるテクニカルワードがプルダウンで表示され、その中からイメージに一番近いものを選ぶと、そのワードがマップの中のどのページのどの部分にあるか表示されるものです。まずはこの検索システムできっかけをつかんでいただき、概ねの目途のページを紙媒体のマップから読み解いていただくというのが一番合理的な使い方ではないかと考えております。

産学連携推進小委員会について

  • 委員

    事務局より産学連携を円滑に進める上での制度や組織の問題について説明がありましたが、最終的には人の問題であり、企業と大学の間に連携協議会のような組織を作らないとうまく働かないことがあると考えます。

  • 委員

    大学と企業の間の双方向の人事交流が今ひとつ活性化していないと感じております。特に大学の先生が企業に来て活躍されるという例が少なく、交流は双方向であるべき思っておりますが、この点については議論されましたでしょうか。

  • 事務局

    報告書において「人材の交流・流動化の促進」として、「サバティカル制度の活用等を通じた人材流動化の促進」等について記載しております。サバティカル制度については、制度が用意されていても担当講義や研究室の学生の世話などについて代替要員がおらず、進まないのが現状であると伺っております。

    したがって、大学における代替要員の確保等の制度整備が重要ではないかと思っております。これは復帰を前提とした交流です。

    一方、長期的に身分を移す場合には、年金の継続性の問題があります。こういった検討もできるだけ早く行っていく必要があると思っております。

  • 委員

    大学の知財本部とTLOの連携、組織整備は重要だと思います。ライフサイエンス分野等では、特許としての市場価値はアーリーフェイズなものが多いため未知数で、簡単に大学の特許を買ってもらえるという訳には参りませんが、共同研究、受託研究や寄附講座への発展可能性が高いものも多々あります。そういうところにTLOの人材が入り、市場の観点から企業等に売り込むための助言ができる環境を整備することが重要だと思います。

  • 委員

    サバティカルを定着させるためには、大学での雑用と講義の義務をなくした上で、給料を半分あるいは3分の1にし、その間企業で稼ぐようなシステムとすることが重要です。これにより大学の予算削減につながり、人材の環流促進が期待されます。

    人材に関連し、経産省においてMOTの教材を作成されましたが、その結果はどのように出ていますでしょうか。

  • 事務局

    教材については8つの専門職大学をはじめとした教育機関のところで活用いただいております。現在、MOTを学んでいる方が通学講座で年間4,000人程度、また、企業の社内研修等で年間6,000人程度となっております。

    しかし、企業においてもMOTを十分理解しきれていない面もあり、MOTの成果が十分活用されていないところがあります。

    また、日本のイノベーションを支えていく上で企業における技術経営力の向上が重要との認識に基づき、今回法律改正を行いましたが、MOTを社会に根づかせるために更に産業界と大学が連携していくことが重要と考えております。

  • 委員

    産学連携の1つのキーワードとなる学協のあり方について検討はされたのでしょうか。

  • 事務局

    報告書にも記載しましたが、細分化された学会自体が異なる学問をつなぐ面もある一方で、タコツボ的な形になってしまっています。学会は企業、産業界の双方の研究者、技術者が集まるコミュニティーですので、学会自身が学会間の連合や学会でのロードマップ作成も含めて、知の融合を進める方策を考えて行動することが重要ということが議論されております。

議題2:事務局から資料に基づいて説明。

  • 委員

    冒頭の先進事例に学ぶ7つの「ツボ」と100の「コツ」については具体的事例を書いた方が、読み手は理解しやすいと思いますが、いかがでしょうか。

  • 事務局

    ご指摘のとおりであり、最終報告書に向けて事例集を付けた形で取りまとめを行いたいと思っております。

  • 委員

    エコイノベーションについては、日本の強みである環境技術を主張し、欧米に対し、アジアの中で連携を組んで、国際的にイニシアティブをとりたいという考えと捉えてよろしいでしょうか。

  • 事務局

    環境負荷物質を地球規模で低減するためには途上国への効果的な技術移転、先進国における社会制度、システムを含めた革新が必要であり、エコイノベーションに包含される生産システム、社会システム、個々の生活のあり方を国際的に発信してまいりたいと考えております。

  • 委員

    理系離れについては、理系の処遇改善も重要であり、これについて言及すべきと考えます。

  • 委員

    「エコイノベーション」については、欧米においてより大きな枠組みとして取り組まれている「サステナビリティー・サイエンス」の部分集合になるのではないかと思います。したがって、今後はグローバルな制約、自然環境の制約から社会の制約条件を探り、国際社会における日本の制約条件を認識した上で、その制約条件を回避するための戦略的な対応について検討すべきと考えます。

    また、第1章について、事例から原理を抽出し体系化するという研究は既にかなり行われているので、それらを参考とすれば良いのではないかと思います。

    さらに、4章に関し、多くのイノベーションに係る政策は社会を理解するところから始まるはずであり、そのための分析の体制を整える必要があると思います。

  • 委員

    イノベーション創出という全体の流れの中で幾つかの段階がありますが、その最初の段階のイノベーションの種の創出に対する技術政策について報告書に記載し、基盤技術開発の重要性を指摘すべきではないかと思います。

  • 委員

    報告書において民間企業や大学等への提言以外の経済産業省におけるイノベーションに向けての優先課題が分かりにくいように思いますが、今後はエコイノベーションに重心を移して、環境エネルギーを中心に産業競争力を伸ばそうということでしょうか。

  • 事務局

    新しいイノベーションの方向として、広い概念としてのエコイノベーションを考えております。また、国の取組については報告書の第2章以下の施策のところで記載しております。

    先ほどご指摘のありました知の創造部分の重要性については認識しておりますが、その部分はむしろ文科省や総合科学技術会議の検討に委ねており、その後の部分を中心に検討してきたということでございます。

    理系離れにつきましては検討し始めたばかりですので、今後産業界としてどうすべきかを中心に検討しようかと思っております。

  • 委員

    報告書の中でも大学の役割が非常に重要視されていますが、現在大学改革について経済財政諮問会議や教育再生会議等において議論されております。この議論において技術系の状況が十分踏まえられていないように思いますので、技術系の現状について十分踏まえた上で、産業界で長期的な将来ビジョンを出していただきたいと思います。また、将来ビジョンの中で、大学の定員のあり方について検討する産学連携の場を設けていただき、政府の議論へと反映させていただきたいと思います。

  • 委員

    イノベーションに先立つ資金面のあり方についてコメントしたいと思います。日本はGDPに占める研究開発投資比率においてOECDのトップレベルですが、その割にイノベーションに結びついていません。これについては公的資金、民間資金に分けて分析する必要がありますが、公的資金の場合、公的資金による成果が産業界にうまく流れないという問題があります。企業は短期的利益向上が重視される中で、長期的なリスクのある研究開発への投資に慎重となっているため、リスクをとる研究開発投資を行いやすいように会計や税制を考える必要があると思います。

    例えばベンチャーのエンジェル税制について、個人投資家だけではなく、企業もベンチャーへの投資がしやすいような税制を考えていただきたいと思います。

  • 委員

    中小企業のものづくりの現場から申し上げますと、技術戦略マップにおいて、2025年の工場とものづくりが変わるとありますが、中小企業のものづくりの企業にとっては、自分たちの現在の状況とのギャップが大きすぎます。このため、解説の追加など、このギャップを埋めるような工夫をしていただきたいと思います。

  • 委員

    企業から見ますと、イノベーションにより技術開発が進んでも、市場に結びつかなければ最後はだめだと思います。その中で国際標準化については欧米、特にアメリカを見ていますと、学会の方で標準化に対してかなり積極的な取り組みをしています。IEEE(米国電気・電子技術者協会)では形式的にせよ学会が標準をまとめているため、デジュールに近い形となっています。経済産業省でも幅広い意味での出口戦略の一つとしての標準化について、もう少し記載していただきたいと思います。

  • 委員

    国際標準化戦略目標については、戦略というより戦術レベルではないかと思います。EUでは環境規格、環境標準について大きな戦略として枠組みを設定しており、経済産業省でもエコイノベーションモデルの世界への発信をキーワードにして、大きな構想力を持った戦略を作っていただきたいと思います。

    また、イノベーションにおいて産学連携は重要ですが、民間企業と大学は基本的な原理が違い、産学連携の際に資金の処理、マネジメント、民間企業と大学の会計のマッチングを等の問題が大きいと思います。産学連携の際の現実の障害及び対策について整理、検討すべきと考えます。

  • 事務局

    国際標準化についてはご指摘のとおり、大きな構想を目指しておりますが、まず分かりやすく進めるため、戦略目標という立て方をしています。エコイノベーションで国際標準化するというのも、日本が強みを持つところから国際市場の獲得を狙うとの趣旨です。このためには学会や大学の先生の協力が重要であり、現在働きかけをしているところです。

  • 委員

    今後取り組むべき施策について記載されていますが、現状でできていない理由、現状の阻害要因についても記載していただきたいと思います。

    報告書についてはパブリックコメントにかけ、その意見も盛り込み、事例集等を追加した上で最終報告書をとりまとめること、また、とりまとめ方について分科会長に一任することで委員了承。

以上

 
 
最終更新日:2008年9月10日
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