経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会(第7回)‐議事要旨

日時:平成16年5月13日(木曜日)14時00分~16時00分
場所:経済産業省第1120共用会議室(別館11階)

出席委員

木村分科会長、生駒委員、稲葉委員、大見委員、柏木委員、郷委員、田島委員、長島委員、平田(喜)委員、平田(正)委員、古川委員、堀委員

議事次第

  1. 平成17年度産業技術政策の重点事項について(案)
  2. 基本問題小委員会の進捗状況について

事務局より、資料にもとづいて説明

各委員からの発言ポイント

  • 技術マップを作成するのは賛成であるが、詳細な技術内容まで全てオープンとするのか。我が国が何をやっているのかが、世界中に全て解ってしまうようなものでは困る(事務局から、企業の商業秘密に係るものは公開しない、世の中にコミュニケートすべきものを公開する旨回答)。
  • 産業人材の育成については、今が緊急事態だと言うことをもっと認識して頂きたい。昨今の産業技術は高度化し、広範な技術を誤作動なく迅速に制御することが必要であり、大規模なシステムが必要となるなど完全にブラックボックスとなっている。このような状況下において、どうやって人材を育成していくのかが課題であり、教育プログラムだけでは手も足も出ない。研究者が自習できるプラントの整備など、重要分野についての拠点整備を産学連携でやっていかない限り人材なんか育てられない。
  • (具体的にどうすべきかの質問に対し)東北大には、民間企業の寄附により整備したレベルの高い研究拠点がある。このゴールデンウィークには、東京エレクトロンの技術屋55人を集めて、これから全く新しい量産のためのプラントを作る際に、実際にこうすれば良いという現場での取組を教育した。座学だけではダメ。
  • 大学が秘密を守る事と、学問の公開の原則は相反さない。秘密を何年間保持した後に公開するということは、公開の原則の範囲内というのが自分の理解である。
  • 今の学生が、自分の将来進むべき分野を選ぶとした場合、医学の分野などは優れた人材が集まる一方で、産業分野は見劣りする状況。
  • 従って、今後の産業技術政策を考える際、優れた人をどうやって集め、それをどうやって育てるのかという視点から検討をして頂きたい。例えば、専門資格を重視した待遇の改善や外国籍の人材の活用など。
  • ロードマップが重要であることは言うまでもないが、とかくこれまでのロードマップは綺麗でありつつも平面になりがちであるので、地上と地下の部分に分ける等、多層的なものにして欲しい。地下部分の例としては、研究開発を支える知的基盤があり、これは研究開発に先行して整備される必要がある。
  • 本日の資料は、産業政策、産業技術政策及び科学技術政策とを一体的に進めるべきとの自分のコメントに配慮して頂いており、良く検討が進められていると思う。
  • 「擦り合わせ」が重要とのことであるが、この点については専門家による検証が必要。擦り合わせが進むと標準化に向かい、液晶なども既に標準化の領域に入っている。他方、自動車は、製造技術全てを抱え込んでいる。従って、製造業の種類によって分類を行い、擦り合わせが続くものと、標準化に向かうものとの検討を行うべき(事務局から、モジュール化後、再度擦り合わせが起きることを擦り合わせの連鎖として分析しているが、いずれにしろ、個別分野の事情があるので、きめ細やかに見たい、擦り合わせについては、プロジェクトマネジメントの観点からは、中途半端な技術の擦り合わせでは上手くいかず、究極の技術の擦り合わせが必要であることと社会や異業種との連携の中で進めて行くことに留意したい旨回答)。
  • 産学連携にあたって、大学における営業秘密管理の考え方は、大学の公開性と真っ向から対立する。大学の公開性の原則からは、NDA(Non-Disclosure Agreement:秘密保持契約)を締結するのは限定的であるべき(事務局から、大学における営業秘密の管理については、ガイドラインの中では、どれを守るべきとするかどうかの判断は大学に委ねている旨回答)。
  • GDPと雇用の統計値を産業のセグメント毎に整理した資料を提示頂きたい。過去からのトレンドを見れば、どの産業が成長分野であり雇用を担っているのかが解るのではないか。そこから日本の産業の将来像を見ることも有益。
  • 中小企業の立場からすると、現場の技能者に対する処遇改善を検討して頂きたい。
  • 国が技術者やもの作りを優遇しているというような姿勢が見えておらず、例えば技能士の資格を取得すれば、所得税の減免が受けられるなど、優れた人がこの世界に入ってくるような仕組みを検討して欲しい。
  • 本日の資料を拝見する限り、これまでと産業技術の重点の置き所が変化しているのかなと懸念している。特に今後の重点として、本当にこの3本柱(プロジェクト等の研究開発、産学連携、人材育成、)を均等に扱ってよいのか。従前は、もの作り重視に対応して、中堅・中小企業の重視があったが、今回、研究開発にシフトしていることを懸念。
  • ロードマップも重要であるが、それよりももっと緊急性のある「産業マップ・ビジネスマップ」などを検討すべき。
  • 新産業創造戦略では、情報通信がコンテンツ、ライフが健康・福祉に具体化されたと思うが、生命科学分野重視は我が国の合意であったはずであり、この点もう少しご配慮頂きたい(事務局から、新産業創造戦略は出口から整理をしており、バイオというシーズからは整理をしていない。違う切り口からの整理と理解して頂きたい旨回答)。
  • 擦り合わせについては、concurrent engineering、開発と現場の擦り合わせを同時にマッチさせる視点も必要。
  • 自分はバイオ人材の専門家を養成する大学に所属している。近年、入学時からベンチャー設立を意識して入学してくる生徒が多数いるが、2、3年で簡単に学べるものではなく、それよりも、博士ぐらいまではキチンと時間をかけて技術を学ぶことを重視して欲しいと思っている。
  • 一方、バイオ分野は、日進月歩の分野でもあるので、大学の座学でどこまでできるのか慎重な検討が必要であり、インターンシップなどの企業との連携も重要。
  • MOT人材1万人計画があげられているが、ポスドク1万人計画のようなことのないよう(養成されたポスドクも現在30才台後半となっているが、次の就職先が大変)、需要に基づいた人数設定をすべきではないか(事務局から、米国では年間1万人のMOT定員が埋まっており、GDPの比率から見ても、日本の5年でMOT1万人の絶対的ニーズはあると考えている旨回答)。
  • 本日の資料は、官・学の視点が強く盛り込まれているように思うが、企業の意見・実態をもう少し調査して盛り込むべき。
  • 市場マーケットはグローバル化しており、現在の競争相手は米・欧であるが、5年後は韓国・中国がキャッチアップし、彼らとの競争にシフトしていく。
  • 今、独との戦いで日本が有利なのは、独の方が労働規制が厳しく残業ができないということ。日本でも労働者と研究者を同じ基準で規制するのはおかしい。研究者としてのモチベーションがそがれるし、それぞれの状況に応じた施策があっても良いのでは。企業からしてみると大学が羨ましい。
  • 最近、各社の決算報告が公表されており収益性も改善している一方、新分野への投資が衰えてきている。
  • 過去、省庁連携によりバイオ戦略が立てられたが、実際の所、各省庁の足並みが揃っていない。ぜひとも「関係省庁が連携して」という書き振りを本当に実行して頂きたい。
  • 新しい技術が社会にどのように受け入れられ、どのように影響するのかをキチンと評価すべき。
  • 特に、科学に対する理解度が低下する中で、国民にいかにこれを理解させるかが重要であり、国を挙げて本件の研究を進めて欲しい。
  • 子供がITにのめり込んでいるが、今後どのような影響が生ずてくるのか心配。
  • 産学官の連携の際、製品に結びつけるための規格・スタンダードなどの仕組みは誰がどうやっていくのか。産学官の連携により、公共的な技術を生み出し、基盤技術として採用されるよう、スタンダート化を図るべき。
  • 温暖化問題の場合、欧州は、気候変動枠組み条約という仕組みを作り、それに基づいて製品開発などの取組を進めており、このように仕組みを作り、規格・スタンダードを押さえる事により出口を押さえることが重要。
  • その際には学会の使い方がポイント。
  • 先端技術が海外に流出する問題点がある一方、分野によっては、日本国内だけで技術開発できる状況にはなく、海外との競争という視点に加え、海外との融合という視点も必要であり、例えばバイオの一部など分野を限定して、知的財産を適切に守りつつ国外との連携もOKというような体制を作ることも一案。
  • 民間側の立場からすると、コアコンピタンスをどう作りあげるかが大事。
  • 大学は足の引っ張り合いをすることが多く効率が悪い。
  • 政府は大学発ベンチャー1000社と言って施策を推し進めているが、実態は、赤字だらけの会社ばかりであり、今後惨たんたる結果が予想されるが一体どうするのか。
  • 学力問題についてであるが、PISAの結果によると、子供達の成績はトップグループであるにも拘わらず、大人になるとOECD諸国でも最下位グループになってしまう。
  • 諸外国においては、科学技術ジャーナリストを育てるシステムがあり、キチンと科学技術を評価し、科学技術に関係する職業に対する理解も高い。
  • 我が国では、勉強が大切と答える人は多いが、好きという人は少ない。数学・理科に限ってはこの傾向が高く、この原因としては教える先生方の質の問題も少なからずあると思う。

*なお、本議事要旨は事務局の文責にて作成したものであり、委員各位の了解を得ていない。

 
 
最終更新日:2004年5月24日
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