経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会(第8回)‐議事要旨

日時:平成16年8月25日(水曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省第1特別会議室(本館17階)

出席委員

木村分科会長、内ヶ崎委員、小野寺委員、黒川委員、郷委員、後藤委員、佐々木委員、鈴木委員、高木委員、平田(喜)委員、平田(正)委員、堀委員、松本委員、村山委員

議事次第

  1. 今後の産業技術政策の取組みについて
    • 基本問題小委員会中間取りまとめについて
    • 研究開発小委員会での検討(技術戦略マップ)について
    • 平成17年度産業技術関連予算要求の重点について
  2. その他
    • 評価小委員会の活動状況について

事務局より、資料にもとづいて説明

1.今後の産業技術政策の取組みについて

【委員】

  • 資料4「基本問題小委員会中間取りまとめ」P.12の「産業技術に係る研究開発の戦略的推進」について、企画・立案をどのように行っていくかが非常に重要。特に、P.13に「厳格な評価」とあるように、先行するプロジェクトについて、「Plan」「Do」「See」の中でどのように運用していくかを考えていくべき。
  • 当社では修士課程採用者が増加しており、大学院の人材ニーズが増えている状況。そういう意味で、JABEEが大学学部のアクレディテーションを行っているように、大学院についてもこれに含めていくことが重要。
  • ある時点で教育を終了してしまうのではなく、教育を継続して行っていくことが重要であり、国が生涯教育として制度化することを産業界として希望する。

【委員】

  • 科学技術政策は広い視点に立って取り組むべき。特にアジア諸国との人材交流、ASEAN諸国との連携等の視点が大切であり、アジアとの関係で経済産業施策はどうあるべきか、また、アジアの中でイニシアティブをどのようにとっていくかを検討することが必要。これまでの施策の延長線できめ細やかに対応するたけでなく、東南アジアや中国を我が国の科学技術政策の枠の中にしっかりと位置づけることが必要。
  • 技術戦略マップ作成については、総花的でなくプライオリティを付けることが大切であり、また誰がそのプライオリティを付けたのか責任を明確化することも必要。また、我田引水で現状指向になってしまわないように注意し、将来指向とすべき。
  • 人材については、学生のみではなく大学教官にもフォーカスする必要がある。企業人が大学に入る例はたくさんさるが、逆に、大学教官の企業への受け入れの仕組みは少ない。これには、企業側にカルチャーの問題があるし、大学側にも問題があるが、経済産業省として、国立大学法人化の中でこうした往来が可能となる仕組みを組み込むことを積極的に提案していくべき。
  • 競争的資金については、プロポーザルの質が低いと感じる。使い勝手は改善しているが、国が何を求めどういう方向に誘導しようとしているのかPR戦略が足りない。国が技術戦略マップなどを活用して誘導していくことが必要。
  • また、競争的資金は出口を見据えた研究開発を求めるべきであり、このためには長期的視野が必要。競争的研究資金として革新的原子力技術開発が記載されていたが、エネルギー分野では今後は原子力よりも再生可能エネルギーに関する技術開発などが必要ではないか。

【委員】

  • 国の施策評価は非常に重要であり、国民にも逐次公表していくべき。
  • 基本問題小委員会中間取りまとめの中でも、例えば、海外人材の確保、国民理解の増進のところは定性的記述に留まっている。時間と数量の目標を明確にしてフォローしていくことが重要。
  • イノベーションを促進するためにもさらなる規制緩和に取り組むべき。国内で研究開発を進める場合、未だに多くの規制が残っているため、それが足かせとなりスピードアップが図れない状況。国と国との競争の場合、同じ土俵で戦うことが必要なため、規制が厳しいと国内は不利な研究開発環境となる。例えば、新薬開発などはその顕著な例。また、知財等もアメリカと比較して制度がかけ離れており運用の問題もある。もう少し、事前規制を緩めてトライする機会を多くし、事後チェックを徹底的に行う体制が望ましいのではないか。
  • ファンディングについて、権威ある一人に偏重的に投入されているということはないか。チャレンジングな若者に対して、資金を投資していく姿勢が必要。

【委員】

  • 今回の取りまとめでは、具体的な施策例も記述されており評価する。資料4基本問題小委員会中間取りまとめ」P.21の「初等中等教育における産学官の効果的な強力」部分について、「休日を利用した企業の研究者・技術者による技術教室の開催」等は大変共感する施策。小中学校の教育においても、科学技術が国策であると明確な発信ができる施策としてほしい。
  • 直接助成を行うものだけでなく、企業・大学を支援しインセンティブを与えていくような側面支援の施策も重要。例えば、中小企業の立場から言うと、小中学生の科学技術志向を高めるような取組みをしている企業等に、所得税の減税、年金面での優遇を与える等が挙げられるが、こうした施策を他省庁とも連携して進めていくことが重要。

【委員】

  • 資料6-1「平成17年度産業技術関連予算要求の重点」に「4.地域における科学技術の振興」が盛り込まれたのは、地域再生という点で大変うれしく思う。是非、具体化を期待する。その際、16年前のテクノポリス構想時の研究施設など、現在、有効に活用されずに宙に浮いている施設や人的資産が多く、このような眠っている資産を具体的に活用する方法を検討して頂きたい。

【委員】

  • 技術戦略マップ策定に当たっては、10~20年後に目指すべき社会を明確にする必要がある。具体的には、資料5「研究開発小委員会での検討(技術戦略マップ)について」P.3の「3.○○(市場ニーズ・社会ニーズ)の実現に向けた技術戦略マップのイメージ」について、この○○に何を入れるかを検討することになると思う。どういう社会を作ろうとするか、はっきりと旗を立てることが必要であり、そうすることで国民の理解や新たな議論も生まれる。
  • 少子高齢化により今後人口増から人口減へと局面が変わり、経済縮小の懸念もあるが、そのような環境下、科学技術政策に何を求められているのかをしっかりと考えていくことが重要。

【委員】

  • 技術革新と需要創出の好循環を生み出すためには、起業家が中心的な役割を果していくべき。イノベーションと企業の経営理念・哲学は強い相関関係にあるので、起業家をいかに増やすかが課題になると思う。

【委員】

  • 現在のベンチャーはナショナルチームではなく、グローバルチームでの戦いとなっている。これは、ベンチャーが人・モノ・金を世界中から集め、経営資源の最適化を図っているためである。例えば、良い人材であれば欧米などから集め、シーズも日本の大学だけでなく、シリコンバレーを中心に世界中から探し、また資金についても一番環境の良いところから調達を行っている状況。そういう意味では、日本の枠組みの中でベンチャー施策を展開するべきではない。
  • 科学技術というと、原子力やロケット等がイメージされることが多いが、コンテンツなど、もう少しソフトな側面を取り入れることが必要。今後は、科学技術と文化が融合したものこそが日本の強みとなると思う。
  • 大学発ベンチャーは自分は共感を覚えない。いくら作ってもロクな会社にならない。政府からベンチャーに直接助成を行うことや止めた方が良い。助成金の獲得自体を目的とするベンチャーが出てきており、全くモノにならない。それよりは、シーズを生み出す大学の研究に対して助成を行うべき。

【委員】

  • しかし、ベンチャーへの支援がうまく機能している例もある。例えば、米国のベンチャーの例には、10年近くNIHから支援を受けてようやく黒字に転じたベンチャーもある。大学のシーズを利用して成功しているベンチャーもある。

【委員】

  • 資料6-1「平成17年度産業技術関連予算要求の重点」の中で、ロボット分野に重点が置かれているのは良いことだと思う。ロボット分野は、外部、内部でそれぞれ様々な要素技術が詰まっている。例えば内部から捉えると動作を制御するソフトウエア、外部からは画像・音声認識技術等の技術があり、多様性のある研究開発分野であり、共通のプラットフォームを提供し得る。

【委員】

  • 長期インターンシップの施策が盛り込まれたことは良いことだと思う。但し、この取組みは大学だけでできることではなく、企業との双方向の連携が必要。施策としてその点を考慮し具体化してほしい。

【委員】

  • アメリカではインターンシップが非常に活発。60年代、高校、大学から輩出される人材が企業の求める人材に全く合わない状況となり、その危機感からインターンシップ促進法が議員立法で整備された。現在、一校におよそ7万5,000ドルもの補助金が投入されているが、インターンシップの最大の受入先は連邦政府。やはり、日本においても政府を中心に、しっかりとした取り組みを行う必要があるのではないか。
  • 初等中等教育の学力低下が指摘されているが、国際的に理系分野における日本の成績は良い。特に、理科の成績は過去と比べても下がっていない。しかし、欧米と日本で決定的に違うのは、各国の学生に対して行ったアンケートで、「理工系の職業につきたいか」という質問に対して「はい」と回答した日本の学生は10%程しかおらず、一方、アメリカの学生は70%となっている状況。
    また、「勉強は大切だと思うか」の質問に対し日本の学生は約80%の者が「はい」と答えているが、「勉強は好きか」との質問に対して「はい」と答えた日本の学生は20%しかいない状況。ほとんどの学生は勉強が大切だと思っているということにまだ日本は希望が持てると思うが、「好きか」の質問に対して「はい」の回答が20%ということを考えると、学生の問題というよりも、教育・教員の問題が大きいとも考えられる。

2.その他(評価小委員会の活動状況について)

【委員】

  • (プロジェクト評価の結果について紹介があったが)手前の評価をどうするかも極めて重要であるが、また評価手法についても検討したい。どういった場でどう検討していくか充分審議することが必要。

*なお、本議事要旨は事務局の文責にて作成したものであり、委員各位の了解を得ていない。

 
 
最終更新日:2004年8月31日
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