経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会(第9回)‐議事要旨

日時:平成17年5月18日(水曜日)15時00分~17時00分
場所:経済産業省第1特別会議室(本館17階)

出席委員

木村分科会長、生駒委員、内ヶ崎委員、大見委員、柏木委員、後藤委員、高木委員、高木委員、長島委員、原山委員、平田(正)委員、古川委員、堀委員、松本委員、村山委員、渡邉委員

議事次第

  1. 技術革新を目指す科学技術政策(基本問題小委員会より)
  2. 戦略的研究開発研究開発推進のための技術戦略マップ(研究開発小委員会より)
  3. 実効性のある技術評価に向けて(評価小委員会より)
  4. 平成18年度産業技術政策の重点事項(案)
  5. その他
    • 大学発ベンチャー1000社計画の進捗状況
    • 国立大学法人化等を踏まえた今後の技術移転体制のあり方
    • 第3期科学技術基本計画策定に向けた総合科学技術会議での検討状況
    • 平成17年度産業技術関連予算の概要

議題1~3:事務局より、資料にもとづいて説明

【委員】

  • 技術戦略マップは、今後の技術開発の方向をわかりやすくまとめており、今後、現状の問題点を認識した上で、産学官の連携や省庁間の連携を進めていくことが望まれる。
  • 中小企業の製造業の泥くさい立場から言うと、先端技術ばかりが強調されているように感じ、これらの先端技術を実現するためには、開発過程において既存の技術やローテクのモノづくりといったことも重要であり、そうしたモノづくりのインフラを維持・向上やそうした支援政策とのリンクといったところについても触れて欲しい。

→【事務局】

  • 現在、経済産業省の中でも、高度部材産業、あるいは素形材産業も含めたサポーティング・インダストリーといったものの重要性が非常に高いということで、そうした産業分野においても引き続きしっかりと施策をとっていく必要があると考えていえる。
  • また、技術戦略マップの中でも、特に部材との関係で、例えば燃料電池とか半導体において、そこで具体的に使用される材料にどういう機能が必要なのか、どういうプロセス・加工技術が必要なのかということを整理しており、まさしく中堅・中小企業の力を発揮される分野と思う。

【委員】

  • 技術戦略マップという形で政策を決めていこうという姿勢は、大賛成。ただし、例えば私の研究に近い分野で見てみても、絶対うまくいかないよということが重要な技術の中に入っている。将来の正しい技術の方向は多数決では決まらず、本当に物の見える人だけしかわからないので、そういう人の意見をきちんと聞いてブラッシュアップしていったら良い。
  • 基本問題小委員会報告書について、どこもかしこも金が要るという話ばかりが出てくるが、どこで稼ぐのかという議論がない。増税措置なしで、100兆円規模の新産業・新市場をつくるのだという提言は、みんなの気持ちを明るするもの。是非とも強く言っていただきたい。

【委員】

  • 技術戦略マップは、同種のこれまで拝見したものの中で一番良くできている。ただ、ロードマップで重要なことは、5年、10年、20年と、これに置きかわるものが浮かび上がってくる可能性をチェックすることが非常に重要。
  • 例えばロボット分野を見ると、将来、産業を揺るがす可能性があるのが兵器の問題であるが、そういう可能性や心配などが出てこない。もう少し広い見方が必要ではないか。

→【事務局】

  • 各分野ごとに、また各技術要素ごとにロードマップで線表を引いているので、必ずしもある断面においてある目的を達成するための競合技術がコンパラティブに並んでいないところがある。例えば半導体の微細化の技術で、従来型の持続的な技術の進展とナノを使った技術、いわば将来的には競合技術になる可能性のあるそういったものをそれぞれの分野で整理しており、そういう意味で戦略的には書いていないところがあるが、逆にイメージ図のところでは半導体の微細化の技術という形でナノテクと従来型の情報通信の技術を整理しているので、ある目標に向かってどういうものが必要になるかということを捉えていくと、それぞれの分野から拾い上げてくることができるようになっている。
  • ロボット分野については、基本的に我々のところでは非軍事用ということで産業用ロボット、サービスロボットなどについて、将来のニーズを想定した上で必要となる要素技術を選定している。当然のことながら、そこで考えられる要素技術については一般論で言えば当然軍事面での活用も考えられるわけあるが、そういったところの要素技術の活用という面については関係当局といろいろと意見交換しているところ。それを政策的にどうするのかといったところは、それぞれの当局の考えによるところもある。

【委員】

  • 企業においても技術戦略マップのようなものをよく書かせているのだが、持っていない技術のところは大変希薄になり掘り下げが低い。だから、これを見るだけで大体どの分野が強いのか弱いのかということがわかってくる。また、こんなことをやってもしようがないという技術も含まれているが、それらも含めてこれが一つのいわゆるロードマップになると思う。そういう意味では大変すばらしいものができ上がったと思っている。
  • 大きなプロジェクトを動かす際、全体の進行は決まったようには行かないもの。そのとき、プロジェクトリーダーが、予算の配分、研究範囲の変更、あるいは研究者の配分も含めて、時々刻々対応していくことが必要と思うが、それについてどのように考えているのか。
  • 評価小委員会の事後評価について、PDCAを回していく上で、環境や競争状態が時々刻々変わるで、そういうときにPDCAを回しながら内部の体制をその時々に合ったような形に変えていく、これもプロジェクト・リーダーの手腕であり、専門家の方と横軸を指したプロジェクトのリーダーの方、この仕組みが大変重要であるが、これについてはどのようにお考えか。

→【事務局】

  • 現在、プロジェクトについては事前評価、中間評価、事後評価を行っており、プロジェクト実施中においても中間評価ということで、例えば5年の計画であれば、3年目に中間評価を行った上で、もちろんリーダーの方、あるいはプロジェクトの内容、プロジェクトの計画についても見直しをし、必要に応じて変更するという形になっている。

【委員】

  • こういう出口志向のロードマップは非常に良いと思う。ただ、これは経済産業省の管轄内のプロジェクトということで、恐らく経産省としてのコミットの濃淡でいろいろな違いが出てきているところがあると思うが、例えば、経済産業省も医療関係に随分コミットしてきたわけだが、バイオメディカルの関係は入っていない。今までどういう金をどういうところに使ってきたかということを国民に知らせることも一つの大きな目的であるわけなので、最後の出口に至る部分、今までどういうプロジェクトがあって現在どういうことが進行しているかということはマップにしっかり入れなければいけない。特に医療関係は、経済産業省のコミットだけではなくて、文科省や厚労省など、いろいろあるわけなで、これは経済産業省の仕事ではないのかもしれないが、少なくとも総合科学技術会議ではこういうものはしっかりつくるとか、そのためにも経済産業省がしっかりとリーダーシップをとっていくべきだと思う。

→【事務局】

  • これまでのプロジェクトの成果等々については、このマップを活用しこれまでの成果をきちんと位置づけた上で、適切に広報をしていきたいと思っております。

【委員】

  • 産業化、イノベーションということでかなり大きなテーマになっており非常に良いことだと思うが、NIHでは、ケミカル・ジェノミクスのプログラムを始めており、化合物のラージ・スクリーニング・システムを、未知のもの既知のものを含めて、薬物だけではなくて、生物の機能をつかさどっているバイオ・モレキュールに対して化合物がどういうふうに作用を変えるかということで、ケミカル・プローグとか、創薬の種とか、そういうものをNIH自体がスクリーニングし、そこに製薬企業のメルクからかなり人が入って行っている。
  • また、今日会合がありシンガポールの人と話したのだが、シンガポールは全ての科学技術会議が、産業を興して雇用を確保するという非常に大きな国の命題のもとに、いわゆる経済産業省、Ministry of Trade and Industryの下にある。それと比較すると、本当の意味の社会に対するインパクトというものを科学技術の基本にするというところを、もう少ししっかり謳っていいのではないか。
  • 産業につながる科学技術であれば、産業界からプロジェクトの統括リーダーを出すべきである。最近は文科省、JSTなどでもそういうことを言い始めており、経済産業省であればプロジェクト全部について産業界からプロジェクト・リーダーを出すという方向であってもいいのではないか。アカデミアとか産総研等の実際の市場を知らない人がプロジェクト・リーダーになっているところが結構あると思うが、その辺をぜひ要望したい。

【委員】

  • 基本問題小委員会報告書について、政策提言をどうやって実行していくかというところ。どういう政策ツールを使って、どういう組織論でこういう政策を実行していくかということが重要である。一つの例は、最近ヨーロッパでは技術調達ということを非常に強く言っており、かつての政府調達は国内のチャンピオン企業を育てるということで失敗したと言われているが、そうではなく、技術的な能力を国内に育てる、そのために技術調達をするということで、いろいろなところで議論になっている。政府調達は、WTO等いろいろ難しい問題があるが、技術の育成ということで新しい切り口でいろいろやれることがあるかもしれない。
  • 評価小委員会については、アカウンタビリティということを確保するのに大変貢献していると思うが、それだけではなくて、それが政策の改善にもう少し利用されるような制度的なメカニズムを考える必要があるのではないか。

→【事務局】

  • 政策改善へつなげる評価の仕組みづくりの点について、従来も評価の結果について、関係課に対しフォローアップなどを行っていたが、今年度に関しては、関係課に対してより強くどのような対応策をとるのかということを、予算の査定の時期よりも前に問い、その回答結果を予算の査定に際しても査定課に活用してもうらうことを考えている。

【委員】

  • 資料5「評価小委員会の活動状況について」の参考資料1に幾つかの評価が出ており、大体3点台後半から4点台となっているが、この評価はメリハリが本当についているのか。選ばれたテーマに妥当性があった、かつ執行者の方も間違いなく達成に向けてよく頑張りましたという評価をほとんどに与えるのか。あるいは、これからの政策に生かすためにはもっとメリハリをつけて、評価の範囲を否と可にきちんと分けられるような評価に持っていくのか。行政の財を配分する権利を持っている立場からして、この評価結果をどう見るか。

→【事務局】

  • 評点については、参考資料4で分布が出ており、3点台が一番多く、次が4点台ということで、正直なところ、この評点のやり方は少し切れ味が鈍いのではないかというふうに認識しており、現在、評点のやり方について、より切れ味の鋭い評点となるよう、評点のあり方を検討しているところ。

【委員】

  • 第1期科学技術計画は、基礎研究ただ乗り論によるアメリカ等外国の圧力で基礎研究へのばらまき、第2期は、24兆円まで膨らませて大学を含めた独立行政法人に手当てをすることが多く、結果的には重点4分野のところでやや基礎礎的なものとなっている。今回、第3期を目指して、さらに24兆円プラスということになるが、イノベーションを目指すということで、経済産業省だけではなくて全ての科学技術計画の中で最重点を置くということで進めていくことが必要。
  • 技術戦略マップについては、こういうものは信頼性がいかにあるかということが重要となり、そういう信頼性の観点から申し上げると、科学技術庁がかつてから技術未来予測や欧米のたくさん出されている同様のマップとのすり合わせ、また、特許庁の方で特許マップを出しており、過去230冊ぐらいになると思うが、そういう知財との関係でマップはどうなるのか、といった全体の総合的なすり合わせにより技術戦略マップの信頼性が増すのではないか。
  • 「毎年ローリングされる」と書いているが、これが抜本的には何年ごとぐらいに見直しをし、ローリングはどのようにするのかということを少し明確にしていただきたい。
  • 評価について、事後評価の例で超先端加工が出ていたが、これは私が一部関与していものでもあるが、今、評価が出てこういう波及効果があったということはいいのだが、組合も解散してしまっており、この結果をどのように活用していけば良いかということについて、目下、私には考えがないので、その辺のお考えをお聞かせいただければありがたい。

→【事務局】

  • どういう技術が一番重要なのかという視点、技術戦略マップを作成するときに最初に押さえることが重要であり、そうしたときに、我々としては、特許動向であるとか、論文の動向とか、あるいは原局原課の個別企業の情報、そういったものを総合的に見ながら各技術について評価をしている。
  • ローリングのやり方として、機関ということもさることながら、手法ということで、分野によってはアップデーティングの仕方を工夫し、具体的にどういうニーズがあるのか、各分野においてどういうローリングの仕方がいいのかということを、我々としてはできるだけ早く示した上で具体的なローリング作業に入っていきたい。
  • そのときには、ロードマップなり、ベンチマーキングなり、技術未来予測ということで、これまで長年にわたる知見を持っておられるJSTとか科学技術政策研究所といったところとワークショップ等を共同開催する等により、一緒に勉強していきながらすり合わせをして、より良いものにしていきたいと思っている。

【委員】

  • 技術戦略マップについて、P.4にある分野はどのようなプロセスで決められたのか。日本の技術戦略マップであれば、さらにコンプリヘンシブなものが必要となってくる。その場合、日本のターゲットとしてどのような分野を見据えていくかということも考えなくてはいけない。その際には、他省庁のやっていることも取り込んでいった形、連携した形でマップをつくっていくことが必要であり、その初めの一歩がこれであって、ほかの省庁を巻き込んでいきながらやっていくというプロセスが必要ではないかと思う。
  • また、現時点から既にアップデートのプロセスをどのようにやっていくかという手法までも押さえておく必要があり、システマティックに継続性を持つことが重要。これは時間とともに現実化していく話であり、その現実化したことがファクトとなったときに、このマップとどういう整合性があるか。マップどおりに行っているのか、行っていなかった場合はどこに原因があったのかということをチェックするプロセスも組み込まなくてはいけない。
  • 評価小委員会に関して、追跡評価は重要であり、ここでは「社会に与えたインパクトについて明らかにするとともに、」とさらっと書いてあるが非常に難しいこと。具体的にどういう手法で行うか、その辺を伺いたい。また、追跡となると、実際に行った当事者の方たちは散り散りになってしまい、その後、追跡評価の結果をどのように役立てていくかということが見えないと活用が難しい。社会に対する説明責任という使い方も一つあるかもしれないが、もっと建設的な評価結果の活用の仕組みが重要。

→【事務局】

  • この20分野は基本的に我が省で研究開発プロジェクトをやっている分野であり、それ以外の分野についても具体的にどういう形でやるのがいいか、今後、それぞれの役所なり内閣府の方で検討していただきたいと思っているが、我々としてはこの20分野について内閣府の方に全て説明をしており、是非こういった手法を他の分野についても広げていただいたらどうでしょうかという提案を申し上げているところ。ぜひ一緒にやろうではないかということであれば、我々の方としてもそういった作業に協力していきたいと思っている。
  • 追跡評価の活用方法について、参考5のIIIで「経済産業省が今後実施する研究開発プロジェクトへの提言」があり、この中に今後プロジェクトで取り上げる研究テーマの設定、マネジメント、実施体制、終了後のフォローアップについて、今後経済産業省が実施するプロジェクトについてのアドバイス、指摘を書いている。
  • プロジェクトが終わってから10年後に追跡評価をやっているが、10年も経つと世の中も随分変わり、後継玉をつくるにしても条件が随分変わっているという問題がある。そこで、終了後それ程たたないうちに第一弾の追跡評価をやり、当該プロジェクトの後継玉についての指摘のようなことも行い、さらに数年たってから経済的効果をつかまえていく。そういうやり方を現在検討している。
  • また、社会への影響を今後どのように調べていくかについて、今回の追跡評価は、評価小委員会で今まで行った追跡評価の中でもかなり具体的に捉えられたという評価を受けており、組合はなくなったが光関係の団体が残っており、そこでどういう人が関係し、今その人がどうなっているか、企業サイドの方はどのようになっているかということが割と詳しく調べることができた。ただ、多くのプロジェクトはこういう恵まれた状況になく、そういう点についても先程申し上げたように早い段階でやる。そうすれば、人がどこにいるか、どうなっているかということがわかるので、その後さらに第2弾目の評価を行っていく、そういうことをやっていきたいと考えている。

【委員】

  • 追跡評価について、手間のかかる仕事とは思いうが、非常におもしろいことで、これは良い取り組みと思う。研究開発プロジェクトというものは、研究成果そのものの社会へのインパクトもさることながら、研究開発プロジェクトを担った人間、人材育成という側面もかなりあると思うので、その後、人材育成ということでは一体どうなったのか、その人たちがどういうところへ散らばって、彼らがここで獲得した能力がどういうふうに活かされているのかといったことも、できれば評価の視点として入れていただけると良いのではないかと思う。
  • 基本問題小委員会報告書について、資料3-1の概要のP.3、「新しい成長モデルへの挑戦」のところで四角で囲って3項目書いてあるが、この中の第2項で、「科学技術政策を、「サイエンス」ではなく、「イノベーション」の促進を軸に据えて」と書いている。これは本報告をまとめるときにも私はかなり注意深くということでお願いしたと思うが、「サイエンス」や「基礎研究」という言葉の扱い方に十分注意していただきたい。概要でこういうまとめ方をされると、「サイエンス」と「イノベーション」があたかも対立概念であるかのようなイメージが感じられるので、これがひとり歩きすると非常に危険なところがあるので、注意していただきたい。
  • 例えば、情報セキュリティの話で、これから10年後ぐらいに非常に重要な技術になってくるだろうと言われているもので、量子暗号あるいは量子情報通信みたいなものがあるが、これはアイデアそのものがサイエンスとなっている。問題は、そのサイエンスの成果をイノベーション・システムの中にどう組み込んでいくかというところが一番重要なのであって、恐らく日本の技術のシステムの中で一番欠けているのはそこの部分ではないかと思う。
  • 科学技術政策は経済産業省がまとめる産業技術戦略なので、イノベーションの促進を軸に据えるのは十分結構なのだが、科学技術政策というものはもちろん産業技術戦略が全てではない。我々がやらなければいけないのはトータルで国の力あるいは国の文化の力の様なものを高くしていくことであり、全体像を見ながら、特に科学技術政策全般について触れる場合には注意をしていただきたい。

→【事務局】

  • 人材育成ついて、終わってから長い時間がたってしまったプロジェクトについては追いかけることが難しい。私どもが今考えているのは、終了後あまり期間のたっていない時点で追跡評価を行い、例えばポスドクをプロジェクトの中で使っている、そういう人々がどういうふうになったか、そこを捉えていく。さらに何年かたってから、そういう人がどうなったかということを追いかけていく、そういう追跡評価もしていきたいと考えている。

【事務局】

  • 私の分野である抗体治療薬について、例えば戦略マップのP.51ページに、2010年、2015年で抗体治療薬、RNA等の薬ができてくるとあるが、ゲートキーパーとなるテクノロジー、例えばヒトの抗体をつくるテクノロジーはイギリスとドイツの会社が持っていて、抗体の製造をするテクノロジーはアメリカの会社が持っている。我々が抗体の薬をつくるに当たって、そういうところにどんどんロイヤリティを払っていかなければいけない。実際問題、日本で開発しても、そういう収益はなかなか日本に落ちずに海外の会社に入る。そういう現実があるので、まずはゲートキーパーとなるテクノロジーをいかに日本でつくるか、これが非常に重要なことだと思う。そこの視点をもう少し考えていただきたい。
  • 例えば、日本でも再生治療がすぐ薬になるような幻想があったが、アメリカのジェロンという会社が再生治療をやっている会社で、アメリカ、ヨーロッパでは再生治療なんかは薬にならないよと、ここの株価が暴落したのが随分前の話。ゲノム創薬についても、セレーラというゲノムを読み切った会社の株価が2000年に暴落して、その後1年たっても日本はまだゲノム創薬は行けるのではないかと、これまた幻想だった。また、RNAがここに載っているが、RNAのシラーナという会社の株価も、実は2年前に暴落している。そういう意味で、最先端のテクノロジーになっているベンチャーの株価の動向を見るとおよその近い将来の動きが見えるので、そういうマーケットにもう少し敏感になってもらいたいと思う。

→【事務局】

  • おっしゃられたとおり、マーケットにおいて具体的にその技術がどのように評価されているのかといった視点は非常に重要と思っており、そういったところの視点も含めて技術についての評価をしていきたいと思う。

【委員】

  • こういうロードマップは、我々のベンチャーから見ても参考になるが、テクノロジーというものはどんどん変わってくるので、1年とか半年周期でロードマップをどんどん改変するような、そういうことができると非常に役立てられるのではないか。また、いろいろな人がアクセスして実際にこれを改良するような、そういうものがあると非常にいいのではないか。

【委員】

  • 「イノベーション」という言葉が今後政策レベルで飛び交うと思うが、非常に広い意味を持っているため、「技術革新=イノベーション」とすることはできず、これを政策レベルでよく定義をして使用しないと大変な混乱が発生すると思う。「パルミサーノ・レポート」で非常にクリアに定義しており、その中で「イノベーションは出口の見えない基礎研究から起こっている」という文章があり、例えば「半導体産業は量子力学が元である」などがある。私はJSTの科学技術政策の企画立案をやっているが、今、既に混乱が生じている。政策レベルで使用する際には、定義を明確にしておくことが必要。
  • 技術戦略マップについては、JSTに研究開発分野のマップとの接続を指示しており、今後、一緒に進めていきたいと思っている。

議題4:事務局より、資料にもとづいて説明

【委員】

  • 全体的に我が国を支えている中小企業の課題が全然出てこない。現在、地域連携という形でコンソーシアム開発を行っているが、そういうところをもう少し重視してもよいのではないか。また、国際連携ということも出てこなく、我が国の中だけの政策ではなくて国際的な連携が必要なので、その点をぜひ切り口の中に入れていただきたい。
  • 我が国の産業政策全体を見るときに、大学TLOのレイティングを何々するというのは、これも重要ではあるけれども、全体にはもう少し大きな課題があるように感じる。

【委員】

  • 私が大学にいて感じるのは、基礎研究のところは文科省対し遠慮しているのかもしれないが、経産省ももっと大学へ直接乗り出していただきたい。
  • もう一つは、人材育成面で大学が強調されているが、資質向上とか、技術者に視点を置くことをもっと強調する必要があるのではないかと思う。
  • また、随所に「評価」という言葉が出てくるが、最近必要性ということであちらこちらで言われのは「アウトカム評価」であり、フォローアップとはまた異なるが、そうした視点をしっかり盛り込んで評価をお願いしたいと思う。

【委員】

  • 大学の人材育成に関して、大学だけに任せておくと、大学は、特に独法化したこともあり、新しい分野の育成というものが必ずしもスピード等で追い着いていない面がある。文科省も含めて、社会が必要とする分野と人材について経産省の側からも積極的に発言をしていくことは、文科省にとっても大学にとっても非常にありがたいことだと思う。

【委員】

  • 先程の基本問題小委員会報告書の科学技術政策の項目で、交付金の使途がはっきりしていないことが問題と指摘されていたが、これは税金を使ってやっているのだから、明確化することは義務。人材育成の問題や研究体制確立のために、独法化された形の上での運営費交付金ということが書いてあるわけだが、これについては使途を透明にきちんと報告することを義務づける。そのためにも最初から文科省等と十分にすり合わせた上で進めるようにしていただきたい。

【委員】

  • 我々産業界が技術開発をする際、ある程度煮詰まった技術、あるいは改善・イノベーションを多少入れると次のステップに行けるようなものは得意だが、サイエンスのところで新しい未知の領域に足を突っ込みながらモノづくりを進めていくことになると、大変弱い。その例が燃料電池であり、燃料電池のアプリケーションをすることはすぐできるが、実際にこれを大量普及させようとすると、やはり基礎サイエンスができ上がっておらず、いろいろな壁にぶつかる。例えば学問の領域で燃料電池を実用化しようと思ったときに、さまざまな大学あるいは研究所をネットワークすると、日本として一つの知が確立され良いのだが、日本は、そうしたことが弱いのではないか。そういう意味で、産学連携は、例えば産総研のような大きな研究組織がそれ自体で自律的に研究を進めることも重要だが、日本全体の知をネットワーク化するため、そういうことをコーディネートしていく、そういう機能が必要だと思う。

【委員】

  • 資料6の一番右側の「産業のニーズに対応した高等教育システムの改革」と「国際競争力のある大学の研究体制の確立」の二つの項目立てがあり、中身は同じ項目が二つ入っているが、人材供給システムの改革と大学の研究体制の確立の位置付けはどのように考えているのか。

→【事務局】

  • 大学の任務には、教育と研究と両方あり、その両方をより効率的に進めていく上でエフォート管理や資金の適正な配分が重要であるということで再掲した。両方にこういう対応が重要ではないかという意味である。

【委員】

  • 経産省が大学や基礎研究にいろいろ気を遣うことも結構だが、日本はハイテクで重要な部分の技術が消費されつつあり、産業技術そのものにもっとアテンションをかける必要がある。例えば、半導体レーザーも最高級のものは日本ではできなくアメリカへ作られている。ファイバーオプティクスのいろいろな応用も日本から減っており、このままでは、半導体技術が日本からなくなり、半導体産業がなくなる可能性もある。企業は、この失われた10年とITバブルの結果、資産の縮小をやっているため、有機ELのように最先端の技術が外国に売られてしまっている。こうしたことにもっと注意すべき。

【委員】

  • 日本の縦割り行政が問題であり、産業化には、いろいろな省の連携が一番なければならない。今回、いろいろな連携テーマとか府省連携ということがかなり出てきたが、少なくとも産業化という出口を考えた政策を考えた際、経済産業省がもっとリーダーシップをとって連携を進めていくべき。
  • 総合科学技術会議に、さらに産業化という視点を加え、ここを充実・強化する。そういうことが国の一つの大きな国家戦略として非常に重要なのではないかと思う。ただし、総合科学技術会議には予算に対する権限がほとんどなく、分配の権限もない。また、これだけ出口ということを言いながら、まだまだアカデミアの先生がほとんどとなっている。例えば、私も産業総合研究所の運営のアドバイザーをやらせていただいたことがあるが、死の谷ということがよく話題にあがる。しかし、そういうことは産業界では当たり前のことであり、技術がそのまま産業界につながるなんてことは、ほとんどあり得ない。産業化ということを考えると、市場で変化の動向、コンペィティターの動向をしっかり見ていく必要があり、産業界がもっとコミットしないと進まない。そういう意味で、総合科学技術会議は、もう少し産業化という視点を入れて、いろいろな意味の機能強化や産業界のコミットメントを増やせるようにしていただきたい。
  • また、国際貢献は、非常に重要なテーマであるが、これまで20何兆円使ってきており、産業界ならば投資採算性が厳しく問われるわけだが、そのフォローが非常に曖昧だと感じる。今までやってきたプロジェクトがどういうふうに活きるのか、少なくともどういうプロジェクトがあってそれがどういう形で残されているかしっかり見ていく必要があるのではないか。
  • 例えば、バイオサイエンス関係でも各府省がいろいろなプロジェクトを持っているが、そのデータベースが散在されており、それぞれのフォーマットで保管されている。例えば、この5月の連休にNCBIを訪ねた際、DOEや他の省のデータベースがそこで統合されており、さまざまな問題があったのだが、それを乗り越えて一つのナショナルセンターを作り統合された。こうした取り組みには標準化や、メンテナンスに非常にマンパワーが要るわけだが、日本には非常に良いデータベースがあるので、経済産業省が音頭をとり是非行って頂きたい。

【委員】

  • 人口が減少する中でいかに優秀な外国人を日本に招き入れるかということは非常に重要なテーマである。例えばアメリカのシリコンバレーのバイオベンチャーの研究所では、2分の1以上はアジア人。中国人、インド人、韓国人が働いていて、彼らがアメリカのハイテク産業を支えているという状況になっている。アジアにこだわる必要はないと思うが、その中で日本に人材が来ないか理由と考えると、これは物価が高いといったことよりも、日本語の問題が大きい。例えば私の会社も2分の1のマネジメントはアメリカ人だが、我々の会社の共通語は全部英語で、公用語は英語にしている。そのため、議事録も全部英語である。これは効率の問題もあるかもしれないが、せめて理工系のマスター以上の大学は英語で授業をするといったことを真剣に考える時期に来ているのではないかと思う。

【委員】

  • 現在の課題の一つとして、国土の充実ということがある。人口が減れば間違いなく地域は栄えない。いかに日本国土全体を使った政策をうまく打つかということが非常に重要であり、新産業創造を各地域に根づかせることで、大都市圏以外の地域にある大学を骨子にし、内なる国際化を行い、地産地消の資源等々を使った形での新産業の創出ということがこれから非常に重要な課題になってくる。そうした視点も入れて頂きたい。

*なお、本議事要旨は事務局の文責にて作成したものであり、委員各位の了解を得ていない。

 
 
最終更新日:2005年6月19日
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