経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会(第10回)‐議事要旨

日時:平成18年2月8日(水曜日)16時00分~18時00分
場所:経済産業省第1共用会議室(本館17階)

出席委員

木村分科会長、生駒委員、内ヶ崎委員、小野寺委員、柏木委員、黒川委員、後藤委員、佐々木委員、長島委員、西尾委員、平田(喜)委員、平田(正)委員、古川委員、堀委員

議事次第

(報告事項)

1. 平成18年度産業技術関連予算案の概要について

2. 第3期科学技術基本計画の検討状況について

3. 各小委員会の活動状況の報告

(審議事項)

4. 産業技術政策を巡る最近の環境変化について

5. 産学連携推進小委員会の再開について

議題1~3:事務局から資料にもとづいて報告

【委員】

  • 技術戦略マップの製造分野について、内容は製品が対象になっているが、第3期基本計画ではものづくりと生産プロセスについても対象となっていることから、戦略的に生産プロセスも将来的にはまとめていけないか。

→【事務局】

  • 例えばナノテクについては、比較的出口を絞り、分野を絞り込みしながら議論しており、昨年はIT・電子、今年は環境分野と特定し、徐々に分野を拡げていっている。また、部材部分で共通基盤技術については、特に高分子関係について相談して作成しているところ。

議題4~5:事務局から資料にもとづいて説明

【委員】

  • 電機・エレクトロニクスの全生産性要素(TFP)が高いということだが、国内投資のかなりの部分はディスプレイや半導体などの部品レベルの拡大投資が行われているため。事業全体でシステム化、ソフト化が進展しており、ソフトは自動車、家電などへのハードウェア組込型が増加している。組込型ソフトをどう効率よく開発するか、進展するかという問題があり、モジュール化によって再利用をどう促進していくか非常に重要。しかし、開発コストが高くなっている現状でどうするかが課題。
  • 海外展開については、日本がハードウェアを提供することで国際分業を活発にしていくことがあるのではないか。R&Dもシステム構築を海外で行い、逆にグローバル化していくなど、これらのことを念頭に考える必要がある。

【委員】

  • 日本ではイノベーションが実現しにくい。一つには研究開発から事業化までのマーケティングの問題、もう一つは研究環境等のインフラに関して問題がある。イノベーションを実現するに、科学技術を社会に還元するにはまだまだ規制などの隘路があり、環境の整備が必要。新しい技術の国民のアクセプタンス(受容)も影響しており、啓蒙は個別の企業で出来るものではないので行政のリーダーシップが重要。リスクゼロを行政が求めすぎていないか。国民が自ら考えて選択するという自己責任という風土を育てていく必要がある。
  • ライフサイエンスでは不確実性が高く、研究も長期にわたる。一方で四半期の利益が求められる。同様の状況の欧米でも研究開発効率が落ちてきていると聞いている。会計基準についてはイノベーションの観点から独自のものを押し通していくべき。

【委員】

  • 産学連携について、中小企業にとっては、県の公設試が身近な技術相談窓口であり、「産学公」という認識。まだまだ公設試の運用は硬直的であり、公設試を連携に取り込んでいく議論をすべき。
  • 生産性向上に対する科学技術の貢献も議論にいれていくべき。
  • 人材については、理工系教育以前に小中学校からの教育の問題がある。文科省とよく協力して長期的な教育からの対応が必要。税制等のインセンティブも考えていくべき。

【委員】

  • 研究開発のグローバル化について、日本への研究投資が少ないというのは、研究開発が世界から隔絶している心配があり、政策的に考えていくべき重要な課題。
  • ナショナルイノベーションシステムについて焦点が国内に閉じている懸念がある。イノベーションのあり方は、大学連携や、特許、人材などそれぞれに産業別に異なり、産業別のセクターイノベーションで考えればグローバルな視点も入ってくるはず。
  • 人材についてはマスの人材とブレークスルーを起こす人材の2種類。ノーベル賞の受賞者の統計から近年ブレークスルーする技術を発見する年齢幅が狭くなっている傾向がある。教育訓練の長期化や事務処理等に追われているのが原因。ブレークスルー型の研究者の生産性が落ちている。これらに対する取り組みも必要と考える。

【委員】

  • 環境問題に対して新エネやクリーン化など色々やるのはよいが、技術立国として、ポスト京都に対してどういうイニシアティブを取れる政策を展開するかが重要。
  • 日米中印韓豪のアジア・太平洋パートナーシップは重要で、緩やかな関係なので、何らかの政策手段を上手く使えば機能しうる。この6カ国でCO2排出が世界の50%を占めることを考えると、この枠組みを上手く使わないと日本は莫大なコスト負担が生じる。
  • CO2削減に対して、既存の技術移転をすればいいが、経営の中に経済性に見合ったものの展開が必要であり、政策の出口としてビジネスモデルをきちっとしておかないと国際的に認知されないので、こういう取り組みも技術単体の政策と併せて必要。

【委員】

  • 日本の研究の現状は鎖国状態。
  • 米国を見てバイオが弱いと議論しているが、国の規模が違う。むしろ仏・独と比べれば日本は優位。英国はGDP等当たりからしてみれば健闘している。戦略性を比べないと単純には言えない。
  • 学部学生を世界中から如何に集め、育てるべきか、というのが世界の動向。入学時点で国際的にオープンにして人を集めている。日本が院生で世界から優秀な人を集めようとしても世界の優秀な人は学部学生の時点で他国の大学にとられている。
  • リーディングユニバシティは、世界的な人材の草刈り場となっている。大分の立命館アジア太平洋大学に講義に行ったら、200人ぐらいの学生の7割が日本人ではなかった。大分の街でも評判がいい。大学を今の制度のままで日本人だけでやるのは無理がある。次の世代をどう育てるか、違った価値観を生み出せないと、若い人が相変わらず内向きになってしまう。

【委員】

  • ロードマップに関して、現実問題として環境問題は待てない問題であり、提案ではなく、各省庁間の壁を越えて具体的に行動に移すことに重点をおくべき。

【委員】

  • 新産業創造とがんばっているが、日本の危機感として、産業競争力においてコアな部分が毀損している。特に半導体分野は技術力が低下して、日本ではニッチ産業になってしまう。計測でも医療でも同じ。WTOとの関係もあるが、要の産業の具体的な対応が必要。米国では、一般教書においてバイオなどではない製造技術の基礎を強化すると宣言している。
  • 経済産業省と産業界が乖離しており、産業界の意見を拾えていないのではないか。
  • セクターごとのイノベーションについて経済産業省は介入すべきでない。国は大きなフレームワークを検討すべき。
  • 研究開発のグローバル化は難しい。実体験からすると、日本は外国に進出してもうまくいかず撤退するし、国内で外国と連携してもうまくいかない。

【委員】

  • 標準化は大きな問題。日本の技術が生きる仕組みが必要。通信技術分野では海外企業との力関係で負けている状態。日本では通信業者が標準化に関与しすぎ。メーカー主導で標準化について海外とあらそうべき。
  • 我が社においても研究は国内に回帰。日本の人材では国際的に活躍できない。ネットワークが構築できる人材育成が重要。産学連携にしても日本国内で閉じたネットワークではグローバルに展開していけない。

【委員】

  • 技術者教育の必要性がある。
  • 教育については、理科・数学の知識だけでなく、リスク、企業倫理や技術者倫理などの底上げについても重要であり、文科省だけに任せておいてはいけない。
  • 技術系の学生については、トップクラスの学力を持つ者が入学してこない。経済分野で世間がヒーロー視する人物が出ただけで受験地図が変わってしまうぐらいであり、技術の分野においてもヒーローが必要。

【委員】

  • 産学連携に関して、産業界に不可欠な分野との連携の見定めが必要。
  • 教育のレベルの向上をするためにはエフォート率による管理を実施するべき。

【委員】

  • 中小企業として、大学や公設試のポータルサイトがあると、産学連携に積極的に参加しやすくなる。

【委員】

  • パルミザーノレポートでは、人材、投資、イノベーションを促進するインフラの3つを掲げている。日本では、(1)BRICSの脅威への対応、(2)先端技術への投資、(3)環境や省エネと産業の調和(日本は強い)、(4)製造分野でのイノベーション(日本が優れている)が4つの課題と思う。この視点で制約も含めて政策について検討いただきたい。

産学連携推進小委員会の設置について

  • 議決をとり設置が認められた。

以上

*なお、本議事要旨は事務局の文責にて作成したものであり、委員各位の了解を得ていない。

 
 
最終更新日:2006年2月21日
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