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総合エネルギー調査会原子力安全・保安部会原子力防災小委員会事故故障対策ワーキンググループ(第51回)‐議事要旨
日時:平成23年3月7日(金曜日)10時~12時
場所:経済産業省別館11階1120共用会議室
出席者
宮主査、上坂委員、大北委員、北村委員、関村委員、辻川委員、西口委員、松本委員、飯井委員、望月委員、山口委員、渡邉委員
議題
- 原子炉施設の事故・故障等の原因と対策について
1-1 日本原子力発電(株)東海第二発電所残留熱除去系海水系の不具合に伴う原子炉手動停止
1-2 東京電力(株)福島第二原子力発電所1号機原子炉隔離時冷却系蒸気管内側隔離弁の不具合に伴う原子炉手動停止
1-3 東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所3号機定期検査中における制御棒の誤挿入
1-4 東京電力(株)福島第一原子力発電所5号機原子炉水位高警報の発生に伴う原子炉手動停止
1-5 日本原燃(株)再処理施設分離建屋高レベル廃液濃縮缶温度計保護管への漏えい
1-6 北陸電力(株)志賀原子力発電所2号機ドライウェル冷却系凝縮水流量計の指示値の低下及びドライウェル高伝導度廃液サンプ水位計の指示値の上昇率低下に伴う原子炉手動停止 - その他
議事概要
はじめに
秋本委員、石榑委員及び斉藤(孝)委員の退任並びに望月委員の新任について紹介があった。
1.原子力施設の事故・故障等の原因と対策について
1-1 日本原子力発電(株)東海第二発電所残留熱除去系海水系の不具合に伴う原子炉手動停止
委員
ライニングの材料の変更はいつ行われたのか。
事務局
タールエポキシライニングからポリエレンライニングへの変更は平成13年の第18回定期検査時に行われた。
委員
当該発電所における類似箇所はどのくらいあるのか。
事務局
東海第二発電所には類似の配管は15箇所あるが、そのうち8箇所がポリエチレンライニングに変更されている。
委員
対策として設計レビューを適切に実施とあるが、形状の不連続性等々の設計レビューや寿命も含めて行うということか。
事務局
対策の設計レビューは、原子力事業者と工事の受注メーカー、クローザージョイントのメーカー及びライニングの施工業者の間で知見の共有ができず、設計に反映されなかったという反省に基づくものであり、現行において行うことになっている品質マネジメントシステムに基づく設計レビューを適切に実施するということを記載しているもの。
委員
品質マネジメントシステムが当時実施されていれば、このような事象は発生しなかったということか。
事務局
現行であれば仕組みはあるが、当時はそもそも仕組みそのものがなかったということ。
1-2 東京電力(株)福島第二原子力発電所1号機 原子炉隔離時冷却系蒸気管内側隔離弁の不具合に伴う原子炉停止
委員
原因として微少な初期き裂が第17回定期検査時の組立時での引っ張り強さを超える応力によるというのは理解できるが、過去3回行った分解・組立における荷重の繰り返しというのはどのように導かれるのか。
事務局
過去3回の定期検査で分解・組立作業を行っており、この3回の積み重ねで起こった可能性もある。
委員
傾いた状態で取り付けられている状況からすると、組立後、自重で定常応力がかかっているということは考えられないか。
事務局
適切に取り付けられていれば、駆動部の800キロ以上の荷重がかかるというようなことはないと考えている。
委員
曲げで発生したとすると延性き裂だと考えられるが破面の特徴はどうか。
事務局
写真上、初期き裂となっている部分はビーチマーク等からの推定である。
実際の破面は弁動作が異常とわかったときに動作確認のため弁棒の上げ下ろしを数回行っているため、折損した弁棒同士が擦れ合い、明確に確認できない状態になっている。
委員
弁の分解組立を二分解作業で行っているとのことであるが、このような作業を行なわなければならないのは当該プラントだけか。
事務局
このような取り付け方法を行っている他プラントがあるとは聞いていない。
1-3 東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所3号機 定期検査中における制御棒の誤挿入
委員
1ノッチ挿入したのならばラッチにかかるのはないか。
事務局
今回ラッチにはかかっていないが、中操では1ノッチ動いたとの表示がされたことから、1ノッチ動いたと推定している。
委員
手順によりこのような事象が起こるということは機能的に不備があると考えられないか。
事務局
アキュムレータから窒素が漏れることがあっても、配管内に空気溜まりがなければ、微量の窒素の漏れ込みは起こらない。ただ、作業によっては配管内に空気が入り込む可能性があるということで、圧抜きをして管理を徹底する。
委員
アキュムレータからの窒素の微量な漏れ込みは、通常あるということか。
事務局
すべての制御棒に関して確認をしたところ3本動いたとの確認をしている。メーカーに確認をしたところ全く漏れないとは言い切れないとのこと。
委員
窒素が漏れ込んでいなければ空気自体は問題ないのか。
事務局
問題はない。
1-4 東京電力(株)福島第一原子力発電所5号機原子炉水位高警報の発生に伴う原子炉自動停止
委員
制御棒パターン調整はこれまで何度も行われているがはずだが、これまで何も見つからなかったのか。
事務局
パターン調整は、同じ運転期間中に何回も行われている。前回のパターン調整時に、今回固渋となったBの制御器について若干動きが鈍くなっているというのが確認されており、仮設モニターをつけて確認することとしていた。
委員
3要素制御系は内部に故障があった場合、このようなことが起こるというのは制御関係の分野では共有されている知識。運転員はそのような教育は受けていたのか。実際に自動での制御が効かなくなったときに、手動で水位を調整することを考えると、今回は明らかに追従失敗して、振動が拡大して、最終的に水位高に達したと見える。訓練を受けた人ならば、手動で補えたのではないか。運転員のスキルについては検討したか。
事務局
今回の事象について1系統が全く動かなかった場合でも、もう1系統が健全であれば追従できることはシミュレーションで確認されている。2系統とも動かない場合の対応がマニュアルに記載されていなかった。炉水位の変化があったときに自動から手動に制御を切り替えているが間に合わなかった。今後については、タービン駆動のポンプで制御できない場合に電動駆動のポンプで操作するような手順を加える。
委員
先の折損した弁棒は10年間放っておかれたもので、今回のグリスも10年間たっていることから10年というのが劣化の顕在化の一つの目安との印象を受ける。保安院として、あらかじめこのような事象に対応する姿勢はないのか。
事務局
このような摺動部のグリスの手入れは基本であり、弁単体の分解試験のように個別機器の点検については当然ながら保全プログラムできちんと事業者が行うべきもの。今回、個別機器についてのみならず、機械式の制御系でリンク機構になっているところの摺動部について、点検が十分でなかったということが分かったが、水平展開の重要性とともに、今回、リンク機構になっているところの摺動部についても十分注意しなければならないという知見が得られたことから、この水平展開として、きちんと各事業者が対応することが重要と考える。
委員
ニューシアが開設された後、見直しを実施するまでの期間があったとのことだが他の電力会社でも同様な例はあるのか。水平展開されるのか。
事務局
一部期間で水平展開が行われていないというような話は聞いていない。当然、他の施設から得られた知見については、法令要求として、各事業者が適切に水平展開を実施することとなっている。
委員
グリスは分析により劣化を確認して取り替えられるのか、それとも、期間を定めて交換とするのか。
事務局
定期的に交換を行うことになるものと思う。また、事業者は今後、制御器の機構を見直すこととしている。
委員
潤滑油などは分析により劣化が見えてくる。定期的な交換と並行して分析を行うと定量的な評価が行えることになるので行った方がよい。
1-5 日本原燃(株)再処理施設分離建屋高レベル廃液濃縮缶温度計保護管への漏えい
委員
この保護管の肉厚の設計思想はどのようになっているのか。
事務局
設計の時点で濃縮缶の温度及び腐食の影響を及ぼす元素による腐食の進展を踏まえた肉厚の設定をしている。
委員
ある肉厚以上確保することが目的であって、肉厚をこれ以上にしてはいけないと制限されているのでなければ、肉厚を3倍くらいにしてはどうかと考えるが。
事務局
この場所は定常的な温度管理であり、肉厚を薄くして応答性をとる必要はないが、温度計という観点からは余り厚いとよろしくない。一方、対策として現状の設備でどのように対応できるかを議論して、今回、保護管の改造ではない対応をとったもの。
もう一点、肉厚についてはトンネル腐食の想定もしていたが、減圧沸騰の設備対応とすることで腐食環境の低減を図ることから、肉盛溶接などの対策をしなかった。今後は、減圧沸騰においても十分な対応をとる。
1-6 北陸電力(株)志賀原子力発電所2号機ドライウェル冷却系凝縮水流量計の指示値の低下及びドライウェル高電導度廃液サンプ水位計の指示値の上昇低下に原子炉手動停止
委員
異物が発見されたU字管はそもそもそのような異物を堆積するためにあるのか。
事務局
U字管にしてあるのは、除湿冷却器内の気体が配管の下流側に流れるのを防ぐためと聞いている。
委員
鉄粉を取り込まないようにするためには、作業時にカバーをしておけば防止できたということか。
事務局
フィルターの除塵効率は85%程度で、完全に除去できるわけではなく、局所排風機の設置などの対策をとっていく。
2.その他
参考資料1 関西電力(株)高浜発電所4号機で確認された蒸気発生器伝熱管の傷の指示についての説明を行った。
問い合わせ先
経済産業省原子力安全・保安院原子力防災課原子力事故故障対策室
電話:03-3501-1637
FAX:03-3580-8539
