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総合エネルギー調査会原子力安全・保安部会原子力防災小委員会事故故障対策ワーキンググループ(第45回)-議事録
日時:平成20年12月17日(水)14:00~16:43
場所:経済産業省別館10階各省庁共用1028号会議室
出席者
宮主査、秋本委員、大北委員、北村委員、齋藤(孝)委員、佐納委員、関村委員、班目委員、松本委員、飯井委員、山口委員、吉澤委員、渡邉委員
議事内容
はじめに
第44回(前回)WGの議事録の確認をし、コメントがあれば事務局に連絡することとなった。
検討案件
東京電力株式会社福島第二原子力発電所3号機の定期検査中における制御棒過挿入に関する原因と対策について
事務局より配付資料(事対2045・002)の説明があった。
宮主査
異物は他にもう無いかという懸念として、今回は過挿入を確認したから異物があったと言えますが、過挿入がなければ異物はないという判断でいいのですか。最後にフィルターをフラッシングなどして綺麗にしているので、他に異物はもう無いと断定していいですか。
事務局
きちんとフラッシング、高圧で弁を動かしながら洗浄しているので、引っかかるようなものはすべて取り切れており、それらよりも小さいものは、制御棒の作動に影響はないと考えています。
秋本委員
スクラム試験は1本ずつやっていたわけですか。
事務局
1本ずつです。
秋本委員
スクラム試験で1本の制御棒ずつ試験をしていたと。それに対して、1つの制御棒の試験により他の制御棒が過挿入になったということですが、今のお話ですと、他の制御棒の121弁にも異物が入っていることがあり得たわけですので、1本だけが過挿入になるメカニズムがちょっとわからない。資料では1本対1本で繋がっているのですが、実際は、確かヘッダーで多数が横に繋がっており、1本の制御棒を挿入した時に、1本が過挿入になるだけではなく、異物が入っていた制御棒のHCUに相当する制御棒がみんな動いてもいいのではないかと思うのです。その辺はどうなっていたのでしょうか。それともアイソレートしていたのでしょうか。
事務局
今回、アイソレートは行っていません。また、1本スクラムすると、2本、3本と異物がかみ込んだ他の制御棒も一緒に動くという懸念もありますが、もともとシートリークパスができていた制御棒にスクラムをかけたことで、スクラム弁が開き、シートリークが起こり過挿入になるため、おおよそ1対1といいますか、1本のスクラム試験で、もともとシートリークが起こっていたもののみ動作したと推定してもいいと考えます。
宮主査
「50-19」と「34-03」はどういう関係にあるのですか。あるいは他のケースの「34-59」と「42-23」についても同様です。
事務局
今回の事象でポイントとなるのは、2本のCRDの中で同時に異物が噛み込んで、それによるシートパスが、ヘッダーを介して水路を形成したことです。
なぜそんなことが起きるのかを1ページ目の事象の概要にある赤線の組み合わせで説明しますと、このスクラム試験の順番が一つポイントとなります。スクラム試験は、右側のグループの一番右端の方からの順番で行っております。つまり、この94番目から始まり、「34-03」でいうと99番目です。そして、116番目に「50-19」という制御棒がありますが、この116番目の「50-19」より前には「34-03」を実施していて、ここでまず異物が噛んでいます。ここで異物が噛んでいてもスクラム試験自体は正常に終了します。1体だけですので、ここのときに他でドリフトを起こすような事象は発生しません。このまま102、101と進んでいきまして、フィルターに異物等がないので、他のCRDはスクラム試験がそのまま正常に終了します。
次に、116番目の「50-19」、問題のスクラム試験を実施した際、ここのフィルターに異物がついておりまして、この段階で、左側の「34-03」のCRDでも既に異物がついてシートパスができているため、ヘッダーを介し「50-19」のスクラム試験の実施により、「50-19」側もシートパスが形成されることによって、もともと噛んでいた「34-03」の方もドリフトしてしまった、こういうメカニズムです。
したがって、1体をスクラムさせたときに2体、3体起きるかということにつきましては、複数出ることは起き得ないと考えています。
渡邉委員
例えば今のスクラムの単体試験を逆の順番でやると、121弁を開けたときに異物が噛み込んで、逆の結果になったという理解でよろしいですね。
事務局
はい。
北村委員
これも典型的なヒューマンエラーの要素が入っている事象だと思います。なぜならば、この試験は、今回だけのパターンですよね。つまり、普段の手順の変更が行われている。変更が行われたときに、普段ならコンテナから出して入れるという非常に品質に気を使った手順が、新しい手順では、何のためにコンテナを使うかということがすっかり無視された形ですね。実際には、無視していないのかもしれないが、少々ケアレスに扱われ起こっている。何のためという所をもう少し考えて頂き、新しいやり方で行うときは、そのエッセンスの部分は絶対守るという考え方がそれぞれの作業を実施する方に浸透してさせるように、本事象は、もう一段抽象レベルを上げて、作業の変更が行われたときに安全上のマージンをつぶさないように扱うのだというレベルで解釈し、現場でも対応していただければありがたいと思っています。
宮主査
そういう意味で最後のページに再発防止対策が書いてあります。
株式会社グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパンにおける管理区域内のウランの飛散に関する原因と対策について
事務局より配付資料(事対2045・003)の説明があった。
渡邉委員
報告書の中で、7ページに、当日朝の作業前のミーティングで、現場の監督者は、作業者が過酸化水素水タンクを空にする作業をその日行う予定でいることを確認していなかったと記載があるのですが、要するに現場の監督の人は、大体その日にやる作業を全部確認しておくべきものなのですか、それとも、それ以外に、その日の作業を全部管理する人がいるのですか。
事務局
基本的には、定常作業の手順書通りであれば、すべてを確認しているということではなく、ただ、やるべきことはきちんと伝えて、今日は何をしますということを確認しています。今回は、作業者が気を利かせたというもの何ですが、早目に過酸化水素水タンクを空にしておこうと思い、通常作業の一環で、ただし、手順書の前段階の作業を抜いて進めたことが一番の原因となります。
渡邉委員
要するに、ステップを少し省略してしまったというところがあるのですか。
事務局
はい。
事務局
もともと湿式回収工程の一部に上の過酸化水素タンクから下の受けタンクの方に移送する手順がありまして、そこの一部切り出して作業員が実施しています。
松本委員
これは、やはり非定常の操作なのでしょうが、何かそれの手順書みたいなものはないのですか。
事務局
確認している中では、過去に交換した時からなかった。今回、非定常作業手順書を作っている最中で、発生時には既に作り上げていて、次週に渡そうと思っていたらしいのですが、作業者はそれより前に実施してしまったということです。
松本委員
過酸化水素というのは分解性のあるものだから、やはりそういうことに対して手順書がきちんとあるべき問題だと思うのです。それがやはりまずいのではないかと思う。
宮主査
これは、フォローアップのところで、今年中に日本原子力技術協会のピアレビューを受け、当社の改善状況について確認いただくこととすると記載があるが、これはどうなっているのですか。
事務局
現状ではまだ、ピアレビューを行ったという報告は受けておりませんので、その点につきましては、今後、保安検査とかそこら辺を通じて確認をしていきたいと思っています。
日本原燃株式会社再処理施設高レベル廃液ガラス固化建屋ガラス溶融炉Aにおけるガラスの流下停止に関する原因と対策について
事務局より配付資料(事対2045・004)の説明があった。
山口委員
添付資料-13で疲労の検討をされているのですが、54ページに「設計疲労曲線」とあり、その上に点がプロットされています。通常、設計疲労曲線というのは、実測値の最適カーブにひずみで半分、回数で20分の1の裕度を取った形で引いたものを設計疲労曲線と呼んでいるのですが、これはその曲線と考えていいのですか。
事務局
これは実験データをもとに作成している曲線であり、測定点が非常に少ないものですから、誤差も包絡するような形で線を引いて決めています。また、JAEAのかなり昔の文献にあるインコルの高温状態での試験のデータでして、それをもとに引いている直線ですので、山口委員のご指摘のような、何らかの規格に基づいて作成しているものではありません。
山口委員
だから、どういうベースで評価するのか、はっきり判断基準を示しておいていただきたいと思います。
宮主査
健全性を確認した後、どういうふうに実績が積まれたのか簡単に説明してもらえますか。
事務局
まだデータとしては、正直言いまして、流下の回数をこなしているわけではありません。
宮主査
だけど、その後、数十体のガラス固化体はできたのですよね。
事務局
はい。
森下事故故障対策室長
流下の際、ノズルの温度管理はこの報告書に示した条件に基づいて行い、異常があったということは確認されていない。また、その他のところでノズル流下が続けられなくなるようなトラブルがまた発生していますので、WGの最後に報告します。
北海道電力株式会社泊発電所1号機A充てんポンプの故障に関する原因と対策について
事務局より配付資料(事対2045・005)の説明があった。
吉澤委員
だいぶ大きな削り取りが行われているが、寸法としては、ボルトの規格はどれくらいのものなのですか。
3ページの調査結果のところで、残留物において最大の磁性体小片というものを見ますと長さ5mmのものなどもあるわけですね。そうしますと、これだけ削り取る場合ですと、ボルトを締めるときのトルクなどが相当なのではないかと思いまして、組み立てのときのトルク管理などもなされているのかをちょっと思ったものですから。
事務局
ボルトの寸法はすぐに出てきませんが、ばね座金を使いまして、緩める際にばね座金のばね力があり、4ページの上側の真ん中に(1)ボルトと書いてあるところがあります。要はここで削り取るような形になっていますので、大体長さが5mm程度、幅約1mm程度のものが削られたと。カンナで削るようなイメージであると思います。取り付けの際のトルク管理ですが、確か多少トルク管理を行っているように聞いていますが、もう一度確認させて頂きたいと思います。
ボルトの呼び径について、M10ボルトであるため、ヘッドの大きさで20mm前後ではないかと思っているとWGの中で事務局から回答あり)
宮主査
振動のメカニズムはわかっているのですか。
事務局
実証試験を実施しまして、実際に振動を起こして絶縁層が摩耗することを確認しています。
宮主査
それはメカニズムではなくて、実証試験をやってみたらということですね。
事務局
報告書の117ページに振動するメカニズムを解析しています。
宮主査
小片磁性体ですね。そして、コイルに流れる電流は交流なのでしょう。
事務局
そうです。
宮主査
だから、電磁力が逆向きになる。それが振動のメカニズムだと思うのですが、そうですか。
事務局
そのとおりです。
渡邉委員
このポンプは充てんポンプで、安全注入ポンプの機能は持っていない。また、3台ポンプがあって、1台常時運転で2台待機。そのうちの1台が今回止まった事象であるが、これはどうして法令報告なのでしょうか。
森下事故故障対策室長
3台でも1台でも、安全上重要な機器の故障した事象です。これは安全上重要な設備ですので。
渡邉委員
安全分類からするとこれはクラス2ではないですか、1ではなくて。
森下事故故障対策室長
安全上重要な設備に位置づけられているポンプです。
渡邉委員
そうなのですか。1台止まっても、LCOの関係では全然問題ないですよね。
森下事故故障対策室長
LCO逸脱にはなっていません。
渡邉委員
ならないですね。
森下事故故障対策室長
はい。
渡邉委員
そうすると、安全注入系のポンプとしての機能を持っているのであれば、それは安全上重要なポンプということで理解できるのですが、ただ単に充てん機能だけだと、どうしてそうなるのかなと疑問だったものですから。
宮主査
だけど分類としてはそうです。では、後でもし間違っていたら訂正させていただくということで、よろしいですね。
渡邉委員
はい。
秋本委員
この破損のメカニズムを伺いますと、非常にそういうこともあると感じるのですが、これは原子力固有ではなくて一般産業の世界でも起こる現象ではないかと思います。非常に起こりうる現象のように感じるのですが、一般産業ではこういう経験はされているのでしょうか。もし、原子力固有だとすると何か特別のことを考えなければいけないのかもしれないし、一般産業で経験しているのだと、それなりの対応があるのではないかという気がするのですが、その辺はいかがでしょうか。
事務局
事業者から、原子力分野では今回初めての事象だと聞いております。また、一般産業の分野でも過去にあったと聞いております。
吉澤委員
一般的にボルトの本数や、脱着の回数を考えると、かなりの確率で起きているのではないかと。今までどうして起こらなかったのかなといった観点から、トルク管理等をきちんと材質的に考えた上で行っていれば、食い込むこともないのでしょうか。
宮主査
今の件は、対策に反映した方がいいということでしょうか。どうでしょうか。
森下事故故障対策室長
今、先生から指摘あったところを確認し、必要があれば追加で事業者の方にフィードバックします。やっているとは思うのですが、適切なトルク管理かどうかというのを確認した上で。
宮主査
本件は、座金のところを改善することで解決している。
森下事故故障対策室長
根本はこの設備改善で防げると思っていますが、やはり広く共通する作業といいますか部品ということですので。
九州電力株式会社川内原子力発電所1号機1A充てん/高圧注入ポンプの損傷に関する原因と対策について
事務局より配付資料(事対2045・006)の説明があった。
(本件に関しては、特に意見等はなかった)
<PWRの1次冷却材圧力バウンダリにおける応力腐食割れ(PWSCC)関連>
関西電力株式会社大飯発電所3号機原子炉容器Aループ出口管台溶接部の損傷の原因と対策について
事務局より配付資料(事対2045・007)の説明があった。
飯井委員
5ページの対策で、次回定検では690系のニッケル基合金を用いた肉盛溶接補修をするということですが、その後にウォータージェットピーニングをするのでしょうか。
事務局
現在聞いておりますのは、補修を行うというところまでです。
飯井委員
そうですか。それについては、せっかくですから念には念を入れた方がいいと思います。
宮主査
インコネル690を使っているところについて、予防保全、ウォータージェット、そういうことは通常やられているのですか。
事務局
現在のウォータージェットにつきましては、基本的にはインコネル600に対して行っていて、インコネル690に対しては、まだそこの効果のほどは確認されていないと申しますか。
宮主査
念には念を。
事務局
はい、念には念ということではございますが、熱は発生していないのでというスタンスと伺っております。
宮主査
そういうコメントがあったということで、ちょっと検討してください。
事務局
はい。
宮主査
ちょっと初歩的なことを教えていただきたいのですが、どうしてこういう切削をやるときに、工事計画書を再提出しないといけないのですか。
事務局
今回、当該部位は最初ECTで信号が確認され、その後、UTで傷の深さの確認を行っていたのですが、UTで傷の深さが確認できなかったので、実際に切削をして傷の深さを調査するという作業が進められています。その際に、当初出されていた工事計画の板厚を割り込んで切削を行うため、一度工事計画の変更届を出して、更に切削を進めていったという状況です。
<PWRの1次冷却材圧力バウンダリにおける応力腐食割れ(PWSCC)関連>
関西電力株式会社高浜発電所4号機蒸気発生器伝熱管の損傷に関する原因と対策について
関西電力株式会社高浜発電所4号機蒸気発生器1次冷却材入口管台溶接部の損傷の原因と対策について」、「北海道電力株式会社泊発電所1号機蒸気発生器伝熱管の損傷に関する原因と対策について
事務局より配付資料(事対2045・008、事対2045・009、事対2045・010)の説明があった。
宮主査
北海道電力の件ですが、異物があって、よく見ればわずかに膨らんでいたということですが、このことについて事業者は前から気が付いていなかったのですか。今回、周方向の割れが入ったことによって気が付いたということでしょうか。
事務局
はい、そのとおりです。
宮主査
ECTをずっと前から何度もこの部分については行っているわけですね。だから、信号が違うような気がするのですが、そこのところをもう一遍チェックしてみたらいいのではないかと思います。
事務局
過去何度か行っていると思いますので、その違いなどを少し確認させて頂きます。
佐納委員
泊発電所の件で、20μ程わずかに凹んでいることをもって推定されているのですが、この型を取ったときの凹みは、3ページの写真は軸方向の状況だけですが、それはある点の周りにある領域に凹みが見られるということなのですか。
事務局
こちらにつきましては、応力の解析を行いまして、軸方向に引張応力が発生するということで。
佐納委員
要するに異物をかみ込んだまま拡管したということですので、その異物の周りがいわゆるイボ状というか、そういうような分布をしているかどうかということをお聞きしたかったのですが。
事務局
それにつきましては、現在実施しているモックアップ試験で、実際にバリをかませたときに、このような伝熱管の変形が起こるかも併せて確認する予定です。
宮主査
調査するのは変形だけではないですね。
事務局
変形と、あと応力が立つということの確認を。
宮主査
いや、応力だけでもない。要するに、周方向のPWSCCが発生するかどうかも見るのですね。
事務局
はい。
森下事故故障対策室長
再現試験をやり直してみます。
PWRの1次冷却材圧力バウンダリにおけるNi基合金使用部位に対する取り組みについて
事務局より配付資料(事対2045・011、事対2045・012)の説明があった。
飯井委員
NISA文書の2枚目、5番目のところで、「美浜発電所2号機及び敦賀発電所2号機における原因分析の結果から、600系ニッケル基合金により溶接された部位のき裂等については、表面部における長さよりも内部における長さの方が長いことが判明した」ということですが、これは常にではなくて、そういう場合もあり得るということなのかという確認と、もう一つは、こういう事象を受けて、JNESの研究計画等に何らか反映された項目はあるのでしょうかという確認です。
事務局
1点目は、傷の形状について、こういう事象もあるという一例です。
2点目は、傷等は入口が狭く中に広がっているようなもので、実際、深さが測れなかった。ECTでは見つけているので、その部分に超音波を当てますと欠陥があるというのはわかりますが、その深さの先端からの端部エコーがとらえられず深さ測定ができなかったので、こういう場合にどのように深さ測定がきちんとできるかを、やはりもう少し進めなければならないと考えております。ただ、プロジェクトは今年で終わりということで進めてきており、即こういうプロジェクトをやるというところまでは、まだ至っていないという状況です。
宮主査
検査の実情でいいです。質問としては、材質的な、材料的な問題で、こういう形状になるための理由はということではないでしょうか。
飯井委員
今は必ずなるとは言えないかもしれないので、その確認です。
宮主査
必ずはならない、特殊なケースですね。それで、どういう場合になるのかという原因究明がわかりません。
事務局
原因究明につきましては、代表プラントの傷が認められた部分について応答サンプルという形で傷を残したままで掘って採取し、それを電力関係の技術研究所でメカニズム等の評価を行っています。その成果については、検査技術評価ワーキングへ報告を受ける予定になっており、そこでメカニズム等の評価をしていくことを考えています。
宮主査
この材料と形状に対して深さが精度よく測定できなかったわけですね。それについて原因を追求してきて、だいぶ向上してきたというのが実情だと思うのです。だから、任意形状のき裂に対して深さやサイジングが精度よくできるという技術を求めて研究を進められていると思います。
山口委員
ニッケル基合金溶接部の中のSCCの欠陥の検出、サイジング技術というのは非常に難しい技術でして、その技術確証ということで検査指針までまとめ上げたJNESの地道な努力に敬意を表するわけですが、同様に溶接部の検査でBWRのPLR配管等のステンレス鋼の溶接金属部の検査技術を、UTSという国プロジェクトが十数年にわたって行われており、その結果、相当数のデータが蓄積された。そのデータをもとに検査の信頼性が評価されて、検査員の技量認定制度というものができて、一昨年、柏崎でSCCのサイジングを行い、初めて維持規格を適用して13年継続運転していいという評価が出された。ステンレス鋼の溶接金属の検査に対しては、ある程度行ってきたのですが、この異材継手についても、PD資格というものに持っていかなければいけないと思っているのです。ただ、ステンレス鋼の溶接金属の検査と違うのは、NNWというプロジェクトでいろいろなデータを出していただいたのですが、まだもう少しデータが不十分であるのではないかと。そういう制度、規格化までに向けた動きは、今後早急に進めていかなければと思っています。
そういう意味で、この資料10ページのその他のところで、「事業者において進めていく必要がある」、更には、「深さ測定精度の向上とあわせて、適時、進捗を確認していく」となっていますが、まだこれからやる課題はあるかと思いますので、事業者に投げるのではなくて、国の方でも何らかの形で研究開発を進めていただきたいと思います。
秋本委員
PWSCCは非常に難しい問題で、広くアプローチしていることがよくわかったのですが、このアプローチは自分たちがやっていることを主として整理したという形だと思うのです。PWSCCは我が国だけではなくて、グローバルにいろいろな経験をしているはずで、外国それぞれ対応していると思います。それに対し我が国の対応がどういう位置づけにあるのか。事業者に国内外の知見を収集しなさいという指示が出ているわけですが、規制側の情報も整理をした上で、説明内容に付け加えていただくと非常にいいと思います。
宮主査
全く大事なご指摘だと思いますが、お答えされますか。
事務局
実は、10ページに書きましたPINCプロジェクトというのは、事業者と国が一体となって実施しております。また、JNESも既に参加いただいており、国もこの内容がどの程度進捗しているかは承知しております。
今日は準備できなかったのですが、この辺を紹介できる材料も持っておりますので、またの機会を見つけて御紹介させていただくことを考えたいと思います。
渡邉委員
圧力容器上蓋のノズルについては、NRCは有効劣化年数(EDY)というパラメータを出して、プラントのカテゴリー分けをし、それに基づいて検査計画を立てていくというような指示を出していたはずですが、機械学会の維持規格の中にはそういうことはいまだ入っていないですよね。多分やり方として、ある程度確立されているのであれば、日本もそういう観点を少し取り入れた方が合理的な説明ができるのではないかという感じがするのですが、その辺の検討はされているのでしょうか。
宮主査
維持規格でどうなっているか。
事務局
米国でそのような指針が出ていることは承知していますので、維持規格側の取り組みについて調べます。
渡邉委員
1ページ目の「当該部位においてPWSCCの発生が報告されている」は、日本の加圧器の下部では起こっていないと記憶しています。また、アメリカも加圧器の底部も、限られた設計のプラントしか起こっていない。だから、資料ではどういうことで加圧器の底部のところを示しているのかがわからなかったもので、お伺いしたいなと思います。
宮主査
加圧器のガイドラインなど溶接部が当たるのですか。
渡邉委員
実は、アメリカの加圧器の底部は、ヒータースリーブのところでPWSCCが起こっているのですが、そこは全部CE社製のプラントなのです。どうも日本のプラントの底部はステンレスを使っていて、ニッケル基合金ではないと聞いていたもので、日本では該当しないのではないかと思います。該当するとしたら、加圧器のレベル計か何かを持っている計装管の部分だと思います。その場合、口径が小さいのではないかという感じがします。
事務局
4ページの平成15年に発生した敦賀発電所2号機の加圧器管台溶接部損傷ですか。
渡邉委員
上です。下ではなくて。
事務局
すみません、確認させていただきます。
渡邉委員
上はいいのです。
事務局
米国でウルフクリークの方で加圧器が2年ほど前に発生している中で、上と下の両方で欠陥が検出された、ウルフクリーク発電所で。世界でここに可能性があるということで。サージ管台のところは同じようにニッケル基合金が使われています。
渡邉委員
サージ管台では使われていますね。
事務局
1ページで示されているのは、このサージ管台のところを示しているものです。
渡邉委員
わかりました。
宮主査
出ていないとすれば、同じ溶接方法、溶接材料であればいずれ出るであろうと。
渡邉委員
いずれ温度の問題で出るということ。
宮主査
温度の問題ですね。
森下事故故障対策室長
JNESの方でも整理しておりますので、海外の事例を整理して、追加で報告するようにします。加圧器でニッケル基合金のひび割れが生じているというのは、今、手持ちのデータでも幾つか海外の事例がありますが、1985年のウルフクリークとか、加圧器逃しであるなどを、一度整理いたします。
宮主査
3ページの「これまで発出したPWSCCの検査要求について全体的な整理を実施中」とあり、「全体的な整理を実施中」がキーワードだと思うのですが、PWSCCの問題について保安院では、検査技術を上げたり、あるいは対策を取ったり網羅的に対応している。何かありますか。
関村委員
対策あるいは検査の要求という観点から考えますと、高浜発電所3号機の圧力容器上蓋の管台でのPWSCCの件は、NRCが評価してきたものよりも少し早くPWSCCが起こっている。これは非常に重要な点であり、国内的にはその対策をきちんと検査技術も含めて整えていくようなことは既に行われていると思うのですが、このような情報をきちんと海外にも発信して、NRCの側にも高浜発電所等の知見を有効に活用していただく、こういう観点を是非盛り込んでいただくというのが、多分並行してやるべきところで、JNES等の情報をどのように共有、発信していくかという観点から是非お願いしたいと思います。
また、ニッケル基のPWSCCの話で、PWRで起こらないと考えられてきたステンレス鋼の側のクラックの情報をどのように発信、共有し、我々としてもどう対策を取っていくか、これは非常に重要な点だと思いますし、BWRでのL材のSCCという経験を我々は持っているわけで、是非、総合的なSCC対策というところまで発展させていただければ、今回、PWSCCで全体像を見せていただいた意義が更に高まるのではないかと思っています。
宮主査
大事な指摘で、それに総括されるという感じもします。
大北委員
今の総括的な話の中で、検査技術や保全の中での補修に着目していますが、SCCが起こらないような材料を選定していくという視点も1つ必要なのではないかと。特に、このPWSCCの場合はニッケル基の溶接部だけなので、鋼材そのものを開発するというのではなくて、溶接材料という意味からすると、非常に簡単に開発できると思います。ですから、少し溶接材料を検討するという視点を追加していただければ非常にありがたく、役に立つのではないかと思います。
その他
規制当局における安全情報(規制関係情報)の収集及び活用について
原子力施設のトラブル対策に係る技術的検討と関係が深いWGについて
東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所及び東北電力株式会社女川原子力発電所における火災について 等
事務局より配付資料(事対2045・012、事対2045・013、事対2045・014、事対2045・015)の説明があった。
北村委員
当該作業に限る話ではないですが、火災の件で、初めての作業、変更後の作業、久しぶりの作業は全般的に危ない。火災防止のコンテクストだけではなく、こういう点は、ある程度強く要請していただいた方が、結果的にトラブルが少なくなるのではないかと思います。
それから、東京電力の場合には、やはり地震の後の復旧の中で、相当負担があったのかなとも想像できる。事務局で調べていただく場合には、スケジュールで過度な状況はなかったのか。また、東北電力の場合も、同様に初めの13日の火災の件の後、ほっとして28日に再度何かを行ってしまった。つまり、スケジュールマネジメントの点で、もしかしたら問題があるかもしれない。この辺りも是非視野に入れて、保安院が事業者から状況を確認するときは、いつも考えていていただきたい。
渡邉委員
事対2045・012の資料2ページの海外情報の例で(1)と(2)がありますが、この中でIRSだけは、国際的な取り決めで原則非公開になっていますので、原則非公開などの注釈をつけていただきたい。
宮主査
それでは、どうも長時間御審議くださいましてありがとうございました。これで閉会といたします。
最終更新日:2009年7月10日
