経済産業省
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審議会・研究会

第2回独立行政法人評価委員会技術基盤分科会製品評価技術基盤機構部会 議事録


 

1.日時 平成15年8月20日(水) 9:30~11:30
2.場所 経済産業省本館2階西8共用会議室
3.議題
 (1) 委員の交代について
 (2) 中期目標期間評価及び主務大臣の見直しについて
 (3) アウトカム、インパクト効果の把握・分析について
 (4) 業務見直しの際の基準の考え方について
4.配布資料
 資料1……………独立行政法人評価委員会技術基盤分科会製品評価技術基盤機構   
         部会名簿
 資料2……………中期目標期間評価及び主務大臣の見直しについて
 資料3……………NITEの事業別アウトカム等
 資料4……………独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の取組
         の方針
 資料5……………総務省行政管理局の「中期目標期間終了時における組織・業務
         全般の見直しに係る基準」(案)
5.出席者
 (部会長) 平澤 冷*  東京大学名誉教授
       注* この表記は「にすい」になっていますが、正しくは「さんず
         い」です。
       大庭 成弘 住友化学工業株式会社専務取締役(代理:岡 部長)
       冨田 房男 放送大学北海道学習センター所長
       馬場 錬成 科学ジャーナリスト
       前原 郷治 社団法人日本鉄鋼連盟標準化センター事務局長
       三村 光代  社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント
             協会監事
       宮村 鐵夫  中央大学理工学部教授
   関係者 齋藤 紘一 独立行政法人製品評価技術基盤機構 理事長
       大石 道夫 独立行政法人製品評価技術基盤機構 理事
       茂木 保一 独立行政法人製品評価技術基盤機構 理事
       荻布 真十郎 独立行政法人製品評価技術基盤機構 監事
       竹上 敦之 独立行政法人製品評価技術基盤機構 企画管理部長
       宮崎 正浩 独立行政法人製品評価技術基盤機構 バイオテクノロ
             ジー本部 本部長
       獅山 有邦 独立行政法人製品評価技術基盤機構 化学物質管理セ
             ンター所長
       中舘 毅   独立行政法人製品評価技術基盤機構 適合性評価セン
             ター所長
       所村 利男 独立行政法人製品評価技術基盤機構 生活・福祉技術
             センター所長
   事務局 徳増 有治 経済産業省産業技術環境局知的基盤課長
       澤野 弘  経済産業省産業技術環境局知的基盤課課長補佐
       天野 正喜 経済産業省産業技術環境局知的基盤課課長補佐
       野澤 泰志 経済産業省大臣官房政策評価広報課係長
       松崎 貴子 経済産業省産業技術環境局知的基盤課

[平澤委員長挨拶]
 本日は、前年度の評価が終わったところですが、次に控えている中期目標の見直
しの予備作業を開始する必要があり、お集まりいただきました。
 独法という存在は、通則法に定められている枠組みをよく検討してみると、かな
り矛盾した点があり、実際にこの場を職場としている方々はいろいろ悩んでおられ
ると思います。
 8月1日の閣議で中期目標見直しのスケジュール及び基準が了解され、これに先
立ち総務省の評価委員会が出した中期目標の見直しの方針という文書があり、これ
を見てみるとかなり厳しいことが書いてあります。私の個人的意見ですが、総務省
の評価委員会は、全省庁をにらんでいろいろと文書を作っているため、特定の独法
から見てみるとそれにそぐわない一般論が展開されているケースがあります。しか
し、今回の文書は、かなり良くできていると思います。独法は、頑張ればリターン
があるかというと、今までは頑張ってもそれに見合ったリターンは保証されていな
いと考えられます。しかし、今回の見直し方針では、絶対的なリターンは保証され
ていないけれども、想定的リターンは保証されているといえると思います。つまり、
公的資金が必須であるという事業内容で、納税者である国民にリターンが行くとい
う業務を選択し、効果的に運用していれば、問題ないということになります。すな
わち、右肩上がりの経済状況の中で想定されていたような絶対的な増加の部分は保
証されていないけれども、全体経済が縮小されていくような状況の中で相対的には
生き延びることができるということで、有効な部分を延ばすことを保証するという
仕掛けになっています。製品評価技術基盤機構(NITE)は、恐れることなく、
まともな事業をまともに展開していれば十分であると思います。
 今日は、NITEの事業を中期目標見直しに合わせて見直す際の基準について議
論をしたいと思います。今回だけで議論が詰まるとは思えませんので、今日の議論
を踏まえて改めて議論をする場を設けたいと思います。

5.議事
(1) 委員の交代について
 事務局より高橋委員(住友化学工業㈱顧問)が一身上の都合により委員を辞退し、
同じ住友化学工業㈱の大庭専務取締役が化学物質管理の専門家として後任に任命さ
れた旨報告し、本日は大庭委員の都合により出席できないため、代理として岡部長
に出席いただいている旨報告した。

(2) 中期目標期間評価及び主務大臣の見直しについて
 政策評価広報課野澤係長から資料2を基に説明した後、質疑応答を行った。
[野澤係長の説明概要]
 先ほど、平澤部会長の発言にもありましたが、8月1日に閣議決定があり、
独立行政法人制度における一つの大きな柱である中期目標期間を終了するごとに
組織の在り方を見直すタイムスケジュールが政府全体として示され、政策評価広
報課として独立行政法人評価委員会の運営上のスケジュールのイメージを資料2
にまとめました。
 資料2の1.ですが、中期目標期間評価と中期目標終了時に主務大臣が組織
全体を見直すということの関係です。主務大臣が中期目標期間ごとにその法人の
組織の在り方を含めた検討を行うことが独立行政法人制度の柱になっており、そ
の制度上の趣旨は、法人の設立の意義が果たされたかどうかを中期目標期間ごと
に業績評価を行い、チェックをしていくということになります。したがって、中
期目標期間の評価結果を受けて、本来ならばアウトカムとか政策的意義を踏まえ
て中期目標期間の終了時の検討に結び付けていく。そのために、中期目標期間終
了時の前に評価委員会の方々に意見を伺うという制度になっています。実際のと
ころ中期目標期間終了時に具体的にどのようなタイムスケジュールで行っていく
のかということが今まで示されてきませんでした。今般示された内容を基に資料
2の別紙としてまとめました。
 別紙をご覧いただくと、左側に時間軸があり、X-1年、X年、X+1年と
ありますが、このXをNITEに当てはめると平成17年度に中期目標期間が終
了するので、17を入れていただき、X-1は16、Xは17及びX+1は18
を入れていただければわかりやすいと思います。
 列が三つで構成されており、左側の列が総務省評価委員会・行革推進本部と
いう列、経済産業省評価委員会が真ん中の列、右側に経済産業省独立行政法人と
いった事務方の列になっております。実際のタイムスケジュールですが、わかり
にくくなっておりますが、白抜きの項目は中期目標期間に係わることです。まず、
16年の10月くらいから17年の頭にかけてアウトカム指標を抽出し、これを
受けて中期目標期間の評価をアウトカム指標に基づいて行っていただくというの
が17年の4月以降、これが16年度の評価と併行した形で行っていただく形に
なります。網掛けになっているのが、中期目標終了時の検討に係わることです。
組織の見直しを行う上で、まず主務大臣の側でその組織をいかなる形で経済産業
省側が変えていくかということを決定していくわけですが、その検討を16年秋
口から17年春にかけて行い、17年の8月くらいまでに当初案を決定していく
ことになります。その前には、独立行政法人評価委員会の部会にも一度お諮りし、
当初案を決定することとなります。この当初案を基に18年度の概算要求等を行
うこととなります。その後、全省的な観点から一番左側のレンジになりますが、
総務省の評価委員会においてどのような勧告がなされるのかという方向性が示さ
れています。その後でまた政府全体の行革の観点から総理をヘッドとする行革推
進本部に対して説明をして、その議を経ることによって国民に対する説明も行っ
ていくことになります。これを受けて最終的に主務大臣の検討内容を決定して、
次期の中期目標・中期計画の作成といったことにつなげていくということになり
ます。
[質疑応答]
(平澤部会長)
 中期目標見直しの時間的な流れの説明をいただきました。別紙を見ていた
だくと、1年ちょっと後にアウトカム指標の抽出を行うことになるわけですが、
アウトカムを把握するということは、それほど簡単なことではありません。思
いついたことは、すぐ拾い出せるとしても、その実態について他人を説得でき
る形でまとめることは容易ではありません。今から作業を準備し、1年ほどか
けてそれらの内容を固めていくという作業を行ったらどうかと考えております。
 その後は、経済産業省、そして総務省というようにステージが移っていく
わけです。後で説明があると思いますが、資料4に先ほど申しましたことが書
かれています。これを見ると、経済産業省の評価委員会で評価した評価内容に
は捕らわれないで、総務省が独自の判断をするとなっています。例えば、経済
産業省の評価委員会でこの事業を存続させることが適当と判断し、次期の中期
目標はこうすると決めても、それには捕らわれないで総務省が政府全体の立場
から独自に見直すというように規定されています。そのときに、どういう情報
に基づいて行うかというと、年度ごとの業績等のデータを独自の目で見直すこ
とになっています。
 したがって、次の年度には、アウトカムとしてどういうものが3年たって
出てきているかということを頭出ししたほうがよいのではと私は考えます。1
6年の5月くらいに、その前年度の評価作業が佳境に入るわけですが、そのと
きまでに今までのアウトカムがどんなものであるかということを第1段として
まとめてみると手順としてはうまくいくと思っています。
(冨田委員)
 総務省が毎年度のデータをみて決めるということと、総務省が全体の流れを
みて決めるということとの兼ね合い、つまりどういう比重でみることになるの
でしょうか。
(平澤部会長)
 我々は、NITEしかみていません。したがって、ある種の基準は決めるに
してもNITEを見る目でしかみていませんが、総務省はこの種の独立行政法
人全部を相対的にながめることになります。総務省が相対的に比べたときに、
ある委員会が優秀だと評価したとしても、そうでもないという判断をすること
が起こりえます。
(冨田委員)
 総務省の評価が我々の委員会の評価と違った場合に、評価結果の戻りはある
のでしょうか。
(平澤部会長)
 きません。ゼロベースで一方的に総務省の評価委員会が見直しますよという
ことです。したがって、我々は、データ(ファクツ)を提供しなければいけな
い、しかしファクツの価値を判断するのは総務省の委員会あるいは最終的には
閣議ということになると思います。
(野澤係長)
 補足的に制度上の説明をさせていただきます。
 独立行政法人通則法の第35条で、総務省の評価委員会と各府省の評価委員
会、及び経済産業省自体が検討する関係が書かれています。この条項を読みま
すと「主務大臣が独立行政法人の中期目標期間の終了時において、業務を継続
させる必要性、組織の在り方その他その組織及び業務全般にわたる検討を行
う。」と主語は主務大臣になっています。他方、この3項に政策評価・独立行
政法人評価委員会という総務省の評価委員会が「独立行政法人の中期目標の期
間の終了時において、当該独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関し、
主務大臣に勧告することができる。」ということになっております。したがっ
て、総務省の審議会は先ほど平澤部会長から説明のあったように政府の横並び
的なものをみながら、最終的には主務大臣に対して勧告を行って、それを受け
て主務大臣が最終的に政策的に判断をするという形になっています。
 
(3) アウトカム、インパクト効果の把握・分析について
 齋藤理事長よりバイオテクノロジー部門を強化し、本部制をとったこと、宮崎本
部長が8月1日付けで着任した旨が紹介され、宮崎本部長を紹介した後、全体説明
を竹上企画管理部長が行い、各部門の責任者が補足説明を行った後、議論を行った。
 [竹上企画管理部長の説明概要]
 資料3に基づき説明させていただきますが、我々も手探りで考えながら行って
いるところで、たたき台として提示させていただいております。
 アウトカムとは何かということについては、概念的には我々が行っている事業
のアウトプットがあり、そのアウトプットに外的な要因がからんでくるという作
用があって得られる成果と考えています。もちろん、法人の目的を達成する上で
意義のあるものというのがアウトカムになってくると思います。具体的にはどう
いうものが該当するかを我々で検討してみました。根拠法としてNITE法があ
り、その目的によると、「NITEは技術上の評価とか、情報の収集・提供を
行って、工業製品の品質の向上、安全性の確保、取引の円滑化等に対する技術的
基盤を整備していくこと。」とされています。これらが具体的に何であるかにつ
いてかみ砕いて申しますと、NITEは、研究開発、産業活動、行政的規制等を
実施していくに当たっていろいろな知的基盤としての情報を提供するということ
です。これらのいろいろな情報提供、技術上の評価を通じて、創造的な経済社会
の構築、安全性の確保、環境調和型・高齢福祉型の社会への対応にどのように貢
献したかということが視点になってくると思います。こういう観点でみますと、
バイオ部門では生物遺伝資源に関する情報の提供などが産業利用を通じて創造的
な経済社会の構築について期待され、化学部門のハザードデータベースとか、生
活福祉部門での福祉の関係が、安全性の確保とか、環境調和、高齢福祉型の社会
の構築について貢献することが期待されているわけで、こういう効果がアウトカ
ムとなると考えております。
 資料の見方ですが、一番左側に事業が書いてあり、それぞれごとに右側に関係
しているいくつかの項目をあげております。それぞれの事業ごとに、真ん中にあ
るユーザー又は対象者に対して、その右側にあるアウトプットが提供され、ユー
ザー又は対象者を通じて左から2番目に記載したアウトカムが期待されます。右
から2番目には、アウトカムを定量的に評価・説明するに当たって重要と考えら
れる指標等を示してあります。一番右側の備考欄に記載してあるA、B又はCは、
表の下の備考1に書いてあるとおり、Aは「客観的指標により調査・分析が可能
であるもの」、Bは「客観的指標により調査・分析が可能であるが評価対象とす
べきかどうかの議論を有するもの」、及びCは「客観的指標により調査・分析が
困難であるもの」というようにとりあえず分類しました。
 具体的イメージをつかんでいただくために、詳細は各部門の責任者から説明し
ていただきますが、付言させていただきます。
 1ページ目のバイオテクノロジー分野の1.生物遺伝資源の情報に係わる情報
等の提供を例にとりますと、これは遺伝資源の収集・保存、データベース整備、
分譲などの業務です。ユーザー又は対象者としてはいろいろな企業、大学等があ
り、これらユーザーに対してアウトプットとしてその右にあげているいくつかの
項目を提供していくというのが、NITEのアクティビティになります。具体的
には、生物遺伝資源の提供、データベースの整備、論文の発表(共同研究)、特
許(共同出願を含む)、菌株の寄託などがアウトプットになります。これらに対
して、この事業で期待されるアウトカムは、左から2番目に書いてあるとおり、
提供した生物遺伝資源によって得られた研究開発成果等で、フェイズはいろいろ
あると思いますが、製品及び商品の開発、又は製造技術の確立などが考えられま
す。この観点からそれぞれのアクティビティについて、NITEとして考えた定
量的に評価・説明するに当たって重要と考えられる指標等を右から2番目の欄に
記載しました。生物遺伝資源の提供ということについて具体的にみると、企業、
研究機関等ユーザー別の分譲数、NITEが提供した菌株を用いて得られた論文
の数、提供した菌株自体を標準とした規格とか試験方法が確立されたらその数も
アウトカムの指標になると考えられます。さらに、菌株を用いて開発された製品、
商品又は製造技術も重要なファクターであると思います。データベースの整備と
いう観点でみると、企業、研究機関等別アクセス件数、データベースを活用した
研究件数、情報自体の利用状況(アンケート調査が必要)などが指標として考え
られます。論文発表、特許は、発表された論文自体が引用された件数、実用化に
結びついた特許数がアウトカムを定量的に評価するために重要な指標と考えてお
ります。それぞれについて、把握の難度、評価対象とすべきかどうかについて右
側にA、B、Cの記号で示してあります。
 化学物質管理分野の化学物質総合管理情報の整備提供関係業務の例示で再度説
明させていただきます。
 この事業は、化学物質のハザードデータベースの整備、リスク管理評価手法の
情報システム化などが対象で、ユーザーとして企業、国、地方公共団体等さまざ
まな対象者を対象に提供しています。具体的なアクティビティとしては、アウト
プットとしてハザードデータベースの整備、リスク評価書及びリスク管理指針の
作成、又はリスクコミュニケーションに必要となるデータ等の整備等が考えられ
ます。これらについて、それぞれの期待されるアウトカムは、左から2番目にあ
るように「企業等による適正な化学物質管理の促進」、「企業等における化学物質
のリスク評価とリスク管理の促進」、「国民、企業等への化学物質のリスク等の情
報の理解の促進」、「行政当局における化学物質の管理支援に対する満足度」が考
えられます。これらのアウトカムをどの程度発現しているのかについては、右か
ら2番目に書いてあるアウトカムの指標等が考えられます。具体的には、データ
ベース上の情報の利用状況、データベース上の情報の国民の理解度合、行政への
反映状況が考えられます。先ほどのバイオ部門と異なりますのは、それぞれデー
タベースにアクセスをしているかということはわかりますが、具体的利用の中身
について把握しにくい面があり、アンケート調査が国、地方公共団体、企業等に
対し必要になると思います。
 適合性評価分野では、様々な法律に基づいて認定の関係の仕事を行っておりま
す。それぞれ対象となる試験事業者、校正事業者等がおり、これらの事業者に対
しNITEが認定を行っております。したがって、アウトプットとしては、認定
件数が考えられ、それぞれ期待されるアウトカムは左から2番目に書いてあると
おりで、例えば、試験の普及による試験結果の信頼性の確保、いろいろな計測の
信頼性の向上、品質保証、取引の公正性の確保などがアウトカムとして期待され
ており、これらを踏まえて定量的なアウトカムの指標等として、例えば認定を
行った事業者のロゴ付き試験成績表又は校正証明書の発行数、認定審査方法に対
する事業者の満足度のアンケート調査、試験成績表又は校正証明書が添付をされ
た製品の信頼性に関する製造事業者へのアンケート調査等が考えられます。これ
らを踏まえてアウトカムを定量的に評価することが考えられます。
 人間生活福祉分野については、例えば、人間特性計測関係業務ですが、これは
人間の動作のような特性の収集、計測手法の開発等を目的としております。福祉
用具評価は、高齢・障害者用製品の工学的評価、評価手法の開発等を行っていま
す。それぞれ製造事業者及び製造事業者の団体などをユーザーとしていろいろな
計測手法の開発、提供を行うとともに、計測データ又は評価データ自体も提供し
ています。それぞれアウトカムとしては、高齢者、人間特性に配慮した製品設
計・開発、高齢者・障害者が使いやすい用具の技術基準・規格等の策定がアウト
カムとして期待され、アウトカムの定量的な評価指標等としては、NITEが提
供した計測データの提供件数(具体的にはホームページのアクセス件数)が考え
られます。評価手法・評価データを利用した団体の規格数やTR(標準情報)、
JIS、ISO(国際標準化機構)等の公的規格への反映、利用状況等が指標等
に考えられます。
 各分野ごとに典型的なものを簡単に説明させていただきました。ユーザーごと
にアウトプットがあるわけですが、それぞれに期待されるアウトカム、アウトカ
ムを評価するに当たって重要と考えられる指標等を考えて、まとめさせていただ
きました。例えば、研究開発系のものであれば、成果を用いた論文又は製品開発
につながって行くということ、情報を提供するということについては、データ
ベースへのアクセス件数、利用状況による質的な中身の評価、規制行政に直結す
るものについては国の満足度、行政への反映状況などがアウトカムの切り口とし
て考えられます。このようなものをNITEとしてとりまとめましたが、本日の
議論の中身、ご意見等を踏まえながら今後さらに精査・検討していきたいと考え
ております。
 
 [宮崎バイオテクノロジー本部本部長の説明概要]
 1.生物遺伝資源に係る情報等の提供ですが、具体的には微生物を収集し、収
集した微生物を民間企業、大学等に分譲し、様々な研究開発を行っていただき、
その結果新しい製品、製造技術等が開発され、広く普及することによって、人の
健康の増進等に寄与する流れになると思います。実際、民間企業の方々がNIT
Eのバイオテクノロジー本部をどのように活用しているかといいますと、彼らは
それぞれの企業ごとに医薬であれば、ある生理・活性のあるものを作る微生物を
探そうと明確な目的をもっているわけですが、できればNITEがもっている生
物資源の中にあればよいのですが、実際は数が少ないため、ある程度の中から候
補となるものを分譲してもらい、実際使ってみて、とっかかりを見つけて、とっ
かかりを基に企業自ら微生物を集めてその中からスクリーニングをして目的とす
るものを探すという作業があります。NITEとしては、できる限り多くの、
様々な微生物を用意することが求められているので、アウトプットとしては生物
遺伝資源をたくさん集めて、提供する体制を作るということになっていると理解
し、目標としては5万の生物遺伝資源を集めることが数値目標になっています。
しかしながら、企業がNITEから分譲を受けたものについては、例えば特許に
ついては、特許権は企業が有すること、また企業においてどのような形で研究開
発に使われ、どのような成果がでて、発表されるかということについては特許、
論文等を詳しく見ればわかるかもしれませんが、現実的には作業が膨大なものと
なるため、難しいという事情があり、Cを付けました。NITEでも企業との共
同研究をするという制度もあり、NITEがもっている菌を基に企業と共同研究
する場合、その成果としての特許はフォローできるということになります。ただ
し、特許についても、実際に公表されるまでには時間がかかるので、Bとしてお
ります。一番上に企業、研究機関等別分譲数とありますが、企業からすれば、一
定のコストを払ってNITEから菌の分譲を受けて研究を行うわけですから、彼
等の研究開発に役立っていることは間違いないと思いますが、そこから直接的な
成果がどう出たかを客観的に調べるのは困難であると判断し、Cとしております。
 2.のゲノムデータもご説明しました微生物にかわってDNAのデータを収集
し、企業の研究開発に役立てるという意味では、考え方が生物遺伝資源と同じで
すので、同様な考え方でA、B、Cを付けています。
 
 [獅山化学物質管理センター所長の説明概要]
 化学物質管理分野ですが、業務4本柱として、化学物質総合管理情報の整備提
供関係業務(能動型)、化学物質審査規制法関係業務(受動型)、化学物質排出把
握管理促進法関連業務(受動型)、及び化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に
関する法律関係業務(受動型)の業務を行っております。いずれも、行政の技術
面の実施部隊であるといえます。業務の特性ですが、ある意味ではこれらすべて
の事業が相互に連携しており、NITEとして化学物質管理の総合管理の下で相
当広いことを行っています。いずれも直接化学物質管理政策に貢献するものであ
ると考えております。予算としては、運営費交付金と委託費(他省庁を含む国と
NEDO)があります。このように業務を能動型と受動型の二つに分けてみると、
前者が知的基盤整備、後者が法律の施行支援ということになり、知的基盤整備の
アウトプットが法律の施行支援に利用され、アウトカムに結びつくという関係に
あり、利用者は基本的に化学物質管理政策の対象である国自身が政策企画立案に
利用するほか、民間企業、地方自治体、研究者等、ひいては国民一般であると思
います。
 法律施行支援ということですが、技術的な面からの支援でありまして、法目的
の達成が直接のアウトプットであると思っています。アウトカム自身は、なかな
か難しいのですが、政策評価ということになると思います。政策目的ですが、最
終的なアウトカムから分析しますと、化学物質のリスク削減とか、安全かつ安心
な社会の実現が最終的なものと思います。しかしながら、NITE法にあるとお
り、例えば、化学物質とか製品の取引きの円滑化の技術基盤を整備しているとい
うところがアウトカムかもしれません。化学物質、化学製品がグローバルに流通
しているという視点も重要で、こういった視点から化学物資管理政策は国際ルー
ルに基づくことが基本で、科学的根拠に基づくリスク評価によってリスク管理を
行うことで信頼性を得るといった視点が必要であると思います。化学物質のリス
ク削減が主体であるということが重要であり、この分野は極めて多様ですが、民
間企業が規制で行ったり自主管理で行うとき、NITEがいかに貢献しているの
かということであると思います。ユーザーは、例えば企業であり、消費者です。
そして、ライフサイクル管理が必要となっている中で、中身が地球規模からロー
カルな問題まであり、評価の対象が広範になっていることと、表現が曖昧になっ
ていますが、むしろこういった広い議論が必要であると思っています。
 個別業務のアウトプットからアウトカムまで評価されるということですが、非
常に時間がかかるということ、サービスの中身が継続的にされることが重要であ
ると思います。さらに、政策目的については、最終的なアウトカムまで含めて検
討が必要かと思います。具体例ですが、1.化学物質総合管理情報の整備提供関
係業務と2.の法律施行事務の支援については、非常に密接に連携していて、例
えば、我々は5段階くらいのカスケード的な技術型の支援を行っています。第1
段階は手法開発で、リスク評価手法の開発を行っています。第2段階は、第1段
階のアウトプットのアウトカムになります。データを作り、リスク評価を行うと
いうことです。第3段階は、そのアウトプットのアウトカム情報を収集し、整理
し、データベースとして構築し、公表するということです。ここまでが知的基盤
整備になります。第4段階は、これらをアウトプットしているものがアウトカム
となって返ってきます。つまり、リスク評価等に基づいて政策の支援、又は政策
そのものであります。そして、第5段階はこれに基づいてリスク管理等が行われ
るといった形になっています。このアウトプットは、政策評価に基づいて、必要
に応じて更に手法開発という形でフィードバックされるといった性格のものです。
NITE自身はこういった個々のものにかかわるとともに、技術力が必要である
ということで、こういうことがある意味の基盤です。アウトカムの評価のために
留意点ですが、例えば、政策全体をみていくと、どの段階もアウトプットであり、
アウトカムになります。NITE自身がこの中の相当分が自らユーザーであると
いうことです。また、国、企業等のユーザーの方もNITEだけをみているので
はなく、例えば国際機関、環境省その他の動向を全部みて、自ら責任をもって対
応しており、このことは評価を行うために非常に重要な視点で、例えば、リスク
評価を行い規制をしなかったといった政策判断、又は対応しなくてよくなったと
いう経営判断を含めて評価することが非常に重要だと思っています。このような
ことは、継続的なアンケート又はヒアリング調査によって把握される性格のもの
かと思っていまして、現時点では非常に困っており、ご指導をお願いしたいと考
えております。
 
 [中舘適合性評価センター所長の説明概要]
 適合性評価分野は概ね受動型の業務です。したがって、大半Aで書かれていま
す。認定関係ですと、指標を分析するに当たって認定されたその次のグループ、
すなわちエンドユーザーに近い人達に対する調査が大変であると考えております。
認定の場合ですと、アウトプットは認定件数、そして認定された事業者がどのよ
うな校正サービスをするか、又は試験サービスをするかというところにあると思
います。この制度は、必ずロゴ付きの証明書を発行することになっていますので、
それをアウトカムの定量的な指標に使えると考えます。
 標準物質関係は、例えば、容量分析用標準物質の場合、試薬メーカーへの照会
でどの程度活用されているかということが調査可能と考えております。データ
ベースの関係は、各部屋のアクセス件数がわかるようになっています。そのほか
に、アクセスとしては、メール、ファックス等による問い合わせがあります。例
えば、7月に大学、個人又は外国から10件程度ありました。これらについて、
担当の職員が個々に回答しています。中には、小学生からの問い合わせもありま
した。
 5.製品安全4法で規定された認定検査機関の認定関係業務及び6.特定機器
に係る適合性評価の相互認証関係業務は、大臣認定に係る調査の関係ですので、
NITEの調査の結果の内容について、国の満足度がアウトカムの指標になるの
ではないかと考えています。
 7.工業標準化法(JNLAを除く)、家庭用品品質表示法及び計量法(JC
SSを除く)に基づく立入検査関係業務は、立入検査そのものですので、その結
果についてNITEに落ち度がないかがアウトカムの指標になるのではないかと
考えました。
 8.国際提携関係業務は、豪州向けで、GGベースで行っており、我が国の国
民には直接成果がこないということで、まだAもBも付けておりません。
 7ページ、2.情報技術(IT)セキュリティ関係業務のための認証を行って
おります。中央省庁の調達実績が調べられれば、アウトカムになるのではないか
と考えております。
 
 [所村生活・福祉技術センター所長の説明概要]
 部会長から話のありましたどういう点を悩んだかということですが、アウトカ
ムの定義について悩みながら考えました。また、アウトカムを定量的にはかる指
標とは何かという点です。特に、人間生活の分野では、究極的には国民において
生活上とか社会上にどのような価値観・効果を与えたかということをはかるには
どのようにしたらよいか、ユーザーをどのようにとらえるかということを悩みな
がら作ったということです。人間生活・福祉の分野では、法律に基づき実施すべ
き業務、例えば、立入検査、検定業務があります。これらの業務は、4ページの
4.鉱山保安法に基づく検定関係業務、3.製品安全関係業務(受動型)の立入
検査が該当し、この業務の第1次ユーザーは国となります。ここを最終的に社会
なり、産業界なり、国民にどのように影響したかを評価するとなると、国の政策
の評価に入り込んでしまうのではないかという悩みを持っておりました。
 2番目の業務として、国の行政を支援するための情報なり、データを提供して
いくという業務が、製品安全等の業務であると考えました。これらの業務の第1
次ユーザーは国でありながら、一方においてこれらのデータは冊子、ホームペー
ジ等で公表しており、産業界、国民に直接役立つものという形で提供しておりま
す。こういうものが、産業界、国民側にどのような効果があったのかということ
を評価するためにはアンケート方式の評価しかないと考えています。国に対して
は、例えば行政措置件数等が評価の指標となると考えております。
 もう一つは、行政支援でありながらも、産業界又は国民生活において必要な情
報を業界等に提供する、いわゆる基盤整備に係るデータ整理として、例えば福祉
用具とか人間関係の業務があります。ここのユーザーは、業界であり、国民であ
ります。そうすると、アンケートが中心になるということで、指標に選んでおり
ます。中には例えば、データをそのままでなく、見やすく加工して提供している
のが標準化、すなわちJISであり、国際的貢献で考えるとISOであり、これ
らの数がアウトカムの指標となると考えています。7ページの標準化の業務も同
じようにとらえております。
 7ページの3.依頼試験評価業務は、ユーザーは依頼者で、究極的には製品安
全、つまり登山家の安全を確保するための事業ですが、企業が自ら品質管理をす
るためにNITEに依頼検査をするということで、事業者がどれだけ試験結果を
活用しているかということが指標となり、Bとしました。ただし、この業務は法
律に基づくかどうかが議論あるところで、事業者からの依頼に基づいて行ってい
るので、依頼がなければ行う必要はない事業であるので、これをどう評価するか
が難しいのでBとしました。
 
[議論の内容]
(冨田委員)
 ユーザー側に立ってのアウトプットを出したということで、これはまさし
くNITEがユーザーにどう利用してもらっているかがよくわかりますが、こ
れは今議論すべきかどうか平澤部会長に確認したいのですが、能動型と受動型
の議論が以前ありました。この資料を見ると、能動型は何となくCとBが多く、
受動型にAが多い印象を受けます。このところの切り分けはどのように考えた
のでしょうか。
(平澤部会長)
 私は、ここでCと書いてあるかなりの部分は、A又はBではないかと考えて
います。我々政策分析を行っている立場からみると調べる方法はあると思いま
す。
(冨田委員)
 私もそう思いますし、まだアウトプット及びアウトカムの出すべき指標が足
りませんが、これはそれぞれの分野で議論すべきことですので後で申したいと
思います。
(前原委員)
 最近ISOでもアウトプット、インプット、プロセスという言葉を使用して
いるのですが、アウトカムはなく、言葉の意味がよくわかりません。ここでみ
ると、アウトプットをして世の中に対する効果というように書いていますが、
アウトカムの意味は何でしょうか。
 また、アウトカムは、独立行政法人で全体的に使われているのでしょうか。
閣議決定のあたりから使われているのでしょうか。
(平澤部会長)
 アウトカムという言葉は、経済産業省の評価委員会で使用しています。定義
は、しておりません。
 評価に関与している人は、一般に、次のように考えています。
 ・ 業務に係わって直接出てくるものはアウトプットで、日常的な作業の中で
   日々生み出されているものはアウトプット。
 ・ アウトプットを何らかのある価値体系の基で再編し直して、価値的な側面
   を強調した成果物に直すという作業がその後続きます。このある価値体系
   の基で再編して作り出したものがアウトカム。
 つまり、非常に幸運な業務であると、日々のアウトプットがアウトカムとし
て役に立っているということがあり得ます。公的な機関などの場合には、顧客
までの距離が長く、顧客用に日々の営為を再編し直さなくては役に立つものに
はなりません。役に立つ仕事を行ってくださいというためにアウトプットとは
いわないで、アウトカムという新たな概念を立てていると考えてよいと思いま
す。研究開発の場合、研究開発成果は化学技術の価値体系の中でそれぞれ位置
付けられるのでアウトプットです。それに対して、例えば経済的価値、社会的
意味などの成果に作り直したものはアウトカムになります。
 インパクトは、直接的に業務にたずさわっている人の手から離れて、その成
果が世の中に出て、その成果が世の中で別のアクターに使われ、何らかの成果
を更に生みだすことがあります。例えば、知識が移転され、移転された先はそ
の研究を行った人ではないが、その知識を使って何らかの経済的な成果を更に
生み出すことがあります。このようにアクターが切り離されている場合にアウ
トカムとは言わないで、インパクトと整理しています。
 これは、調査のプロセスを考えてみるとわかりますが、調査では業務にたず
さわった人から調べ、その範囲で把握できるものと、そこから離れている場合
は別の調査の枠組みを作る必要があります。先ほどの説明でもあったように、
アクセスしてきたユーザーがどのように使っているかは、ユーザーに改めてア
ンケート調査をしてみないとわかりません。そのユーザーが成果を生みだした
こととは異なる独自の使い方をして新たな分野を展開している場合は改めて調
査をしなければわかりません。
 研究者の中でも、アウトカムという概念の使い方には多少の混乱があります
が、業務成果を顧客を想定した顧客の価値体系に沿うようなものに作り替えた
ものと考えればよいと思います。
(冨田委員)
 アウトプット、アウトカム、インパクトですが、日本語に直せるものなら直
してもらわないと、今のような長い説明をどこかに脚注として付けるかという
と非常に難しいと思います。例えば、アウトカムなら「具体的成果」という言
葉で書き直してよいのではないでしょうか。これが公開されて一般の人が読む
と、今と同じ疑問がでると思います。
(平澤部会長)
 これは、どこで議論しても今のような議論がはじまります。アウトカムとい
う言葉をよく使うのはヨーロッパです。米国では、メリットを使います。例え
ば、NSFがピアレビューからメリットレビューに移行するとき、メリットは
科学技術的成果がどういう役割を経済社会の中で果たすかというその部分を見
据えて評価するという意味に使います。この意味でもアウトカムを日本語で適
切に表現する工夫は必要だろうと思います。ただ、アウトプットを直接的成果
といって、アウトカムを間接的成果といったとすると、むしろインパクトに近
くなります。具体的成果といっても、アウトプットも具体的成果です。価値的
成果といっても、科学技術の中での成果もあります。したがって、なかなか難
しいのが現状です。
 私も別の法人の評価をする場で、何度も同じ議論をしていますが、現場の研
究者に概念がわかるような用語は作られていません。
(冨田委員)
 そうだとすると、総務庁にあがったときに、それぞれの独立行政法人ごとに
この言葉の使い方の概念が変わるおそれがあります。したがって、ここでいう
アウトプットは、何を指すのかという脚注を付けないと、間違った評価を総務
庁から得たとしても、反論する機会はないので大変なことになると思います。
(平澤部会長)
 今のポイントは重要なので、アウトカムの概念の明確化について今後更に議
論をしたいと思います。
(大庭委員代理岡部長)
 この評価委員会の結論を見た上で総務省が判断するという形で進むとすると、
総務省が見た場合のわかりやすさ、及び判断基準が大きくきいてくるので、
我々が評価した結果がわかりにくいような結果を出すと総務省の判断が狂うこ
とになります。本日の資料は、この部会のメンバーに対するものと理解したの
ですが、この資料が何らかの形で総務省に出ていく中で、共通のフォーマット
とか指標に対しての考え方といったあるガイドラインがあるのではと思います。
どういうふうな判断基準で評価するかという指標が大事であると思います。
データベースなどでは、アクセス数で定量的にわかりますが、研究開発などの
定量的判断が難しいものについてどのように評価していくかを今後この委員会
で議論して決めるのか、それともNITEの方で整理するのでしょうか。評価
の合理性、効率性の面からも必要ではないでしょうか。
 もう一つ、今日の資料の中には、スケジュールについてはあまり触れられて
いないように思えます。今後、アクションプランが作成されるのでしょうか。
(平澤部会長)
 前段の部分に関しては、次の議題で選択基準についての説明があると思いま
す。その中で総務省から見たときの選択基準は何かということを明確にしてい
きたいと思います。本来ならばその内容をつかんでから議論したほうがよいと
考えます。
 私が全体的議論と仕切ったのはご懸念のようなことがあるからで、総務省の
側から見たときは今表に書いてあるようなアウトカムはほとんど興味ないと思
います。この具体的アウトカムをどのように取りまとめて、彼らが理解しやす
く、評価できるような形に作り上げるかということが重要だと思います。
 その第1の部分は、今日竹上部長の一番最初の所で触れられたわけですが、
NITE自身が担当する業務の理念的位置付け、つまり国全体から見たときこ
の組織がどういうことを担当するのかということが一言でわかるような理念的
位置付けをもう少し整理する必要があると思います。これが、あれこれ説明し
てようやくわかるということではいけません。一番理念を反映しているのは、
名称自身だと思いますが、今の名称もあまり理念を反映しているとはいえませ
ん。おそらくいろいろな歴史的経緯の中でこのようになっているということは
理解できます。第1期はやむを得ないとしても、第2期は名称を変える必要は
ないでしょうが、理念的にここを中心にやるということ、そしてこの理念は公
的資金を使わないとできないということがすぐわかるような関係にしておく必
要があると思います。
 もう一つは、次の選択基準のところで議論することになると思いますが、公
的資金を必須としているかどうか、効果的に資金が運用されているか等いくつ
かの評価項目に相当するものが指摘されています。こういう評価の視点から見
てふさわしいように個々の具体的な作業が取りまとめられていくことが必要で
あると思います。
 具体的なアクションプランに相当するものは、もう少し様子を見てから議論
してはどうかと思います。
(平澤部会長)
 資料2の右から2番目の「アウトカムを定量的に評価・説明するに当たって
重要と考えられる指標等」の欄に書かれていることは、実際の業務内容をアウ
トカムとして評価してみるとこのようになるということです。これは、評価を
する第1段階としてはこういう種類のデータが必要ですが、評価をしよと思う
と絶対的評価はほとんど不可能ですから、他と比べて見ることを行う必要があ
ります。他と比べるというときに、何と比べるかということが問題になります
が、例えば、バイオテクノロジー分野の生物遺伝資源の収集の部分で考えてみ
ると、同じようなバイオ関連のものを収集している他省庁の事業体と比べてど
うかとか、NITEは微生物が中心ですので、海外の微生物を収集していると
ころと比べてどのような実績にあたるのかをということを言わないと評価には
なってこないと思います。化学物質についてもやはり同じで、民間でやってい
るデータベースがあったとした場合、それらとどのように違って、国で行わな
ければならない必然性が内容的にどこにあるのか、又は民間ならこの程度の
サービスであるが、サービスレベルをあげるためには公的資金が必要になると
か、この種のことになっていかないと、資料5にある枠組みとは一致してこな
いと思います。
 これは、米国の場合ですが、GPRA、ジプラと称している法律で毎年予算
査定を見直す仕組みになっています。やはり行政が行う仕事の一番重要なもの
は何かというと、国民の生命を守るということです。したがって、生命に係る
安全性はトッププライオリティになります。さらに生命には直接係わらないに
しても安全性という問題は非常に重要になります。その次が利便性です。それ
から効率性で、コストについては最後になります。したがって、コストが安い
から安全性を考慮しなくても良いというような話にはなりません。
 行政の対象になるというものは、この種の価値的序列があると思います。こ
の辺は、NITEで独自に考えるというよりも、経済産業省が産業を所管して
いる省としてどのようなランクで考えるかということを議論しないといけない
と思います。この辺は、上の委員会で議論していただきたいと思います。
 効率性について言ってみると、米国の場合は法律で民間のトップの効率と同
等程度以上と規定されています。日本の場合には、効率性については何も規定
していないので、逆にどういうふうに効率が良いと表現したらよいのかが困る
わけです。米国の場合は、たしか93年にできた法律で明確に決められている
ので、単位課程に作業を落としていったときに、民間の最も効率的なところに
相当する又はそれ以上という効率性が確保されるべきとなっています。厳しい
基準が設けられているのが実態と考えてよいと思います。我々は、これを一つ
の参考にしながら今の安全性と利便性と効率性にどのように寄与しているのか
という視点から考え、他の機関や民間ではできない業務を担当しているという
ことがわかるようにしていく必要があると思います。
(冨田委員)
 部会長に質問ですが、アウトプット、アウトカムは今日で終わりということ
でしょうか。
(平澤部会長)
 今日が最初の議論ということです。
(冨田委員)
 私の担当はバイオテクノロジー分野ですので、この分野を重点的に申し上げ
ますと、このところは単に提供整備ということで、自分から集めてくる、いく
ら集めて、そのうちいくら利用できたか、新しい集め方の基盤というところの
データがまったくありません。本部長の説明では収集というところがなくて、
保存、分譲という項目しかありません。これでは、NBRCの設立趣旨からし
て合いません。この項目は足りないので、議論を終わりとしないでほしいと思
います。
(平澤部会長)
 今のようなことは、是非、一度お持ち帰りいただいて、ゆっくりご覧になっ
て、いろいろなコメントを事務局までお寄せいただきたいと思います。
(馬場委員)
 バイオテクノロジーの分野ですが、他の分野はそれなりに安全性、利便性、
効率性という点でNITEが行うことがしかるべきだと思いますが、バイオテ
クノロジーは本当にNITEがやるべきことであるかどうかが私はわからない
でいます。といいますのは、これまで、バクテリアゲノムの解読とか、インパ
クトファクターの高い学術誌への投稿とか、企業とのアライアンス等で社会的
貢献には大変評価されていいと、私個人の意見としてはそれいけどんどんと
行ってよいと考えていますが、得てして研究現場というのはどこかが成果をあ
げるとジュラシイが働いて、本来NITEがあんなことはやるべきではないの
ではと必ず言ってくるのではないかと心配しております。そのときにNITE
がバイオテクノロジー全部とは言わなくても、NITEのミッションに明確に
適合しているということを説明して、国民にも納得してもらえるかどうかとい
うことを一度聞いてみたいと思っていました。
(平澤部会長)
 その種の議論を次回、時間をとって行いたいと思います。
 私は、利便性、安全性もそうだと思いますが、何を解析するかということ、
それに見あったものを対象にしていれば、良いと思いますが。
(前原委員)
 資料5から見ると、アウトカムを仕事の価値、なぜやるのか、なぜ世の中の
ためになるのかということについて、一般の生活者のレベルまで今回リファイ
ンすべきではないかという気がします。例えば、ダイオキシンでも、これは一
定以上の能力を有した計量証明事業者を認証する等の説明ではなく、ダイオキ
シンを減らすことが必要であり、そのためには正しく測定することが一番重要
であり、その測定を保証するために行っているのだということを一般に訴える
ところから行い、仕事の意味とか価値とかをリファインし直すことではないか
と思います。
(宮村委員)
 資料5の見直し基準に沿って、独立行政法人が関与する必要性が見えるよう
なアウトカムがあると非常に助かります。併せて、ベンチマーキングというこ
とが、特に、利便性、効率性を考える場合に非常に重要になってくると思いま
す。ベンチマーキングについても少し行っていただいて、その成果をアウトカ
ムに反映させてくるとわかりやすくなると思います。
(平澤部会長)
 資料3は網羅的に書かれていますが、実際に調査・分析するのは全部を行う
必要はないと思っています。典型的な部分とか、外からは問題があると思われ
る部分というように何か課題を抱えている部分について分析をしてみることに
なると思います。業務に携わっている方にそれほど時間を使っていただくのは
かえってまずいので、アウトカムを分析するという作業は、ある種の専門性が
必要ですので、外部に委託をして、それに対して協力をしていくというタイプ
でよいと思います。資料5から見たときに、もう一度何を測れば納得してもら
えるかということを考え直していただきたいと思います。そして、それのポイ
ントに相当するところは、これと、これというように絞りだしていただければ、
多少お金がかかると思いますが、ちゃんとした比較データをそろえて提出する
ということになると思います。
 
(4) 業務見直しの際の基準の考え方について
  事務局より資料4及び資料5を基に説明を行った後、議論を行った。
  
 [事務局からの概要説明]
 先ほど、冨田委員からもご質問がありましたが、我々が行っていることと、
総務省の評価委員会がどういう関係になるのか、そこが共通的・統一的にどうい
う視点で中期目標期間終了時の見直しを行っていくのかということをご紹介しま
す。
 資料4が総務庁に設置されている政策評価・独立行政法人評価委員会におい
て決定された事項でございまして、この趣旨を反映して資料5にあります総務省
行政管理局が「中期目標期間終了時における組織・業務全般の見直しに係る基
準」を作成しました。ここでまとめられております中期目標期間終了時における
見直しに係る基準と総務省における評価委員会との関係は、次のようになってい
ます。資料4の5ページに1.基本的な考え方、(1)勧告の位置付け及び性格が
あり、ここで現在の独法の評価の体系としては、年度ごとに各事業年度の実績に
関する評価があり、また中期目標終了時には中期目標期間評価があり、この二つ
の評価が各府省の評価委員会の評価委員会で実施されます。この評価に対して総
務省における評価委員会は、各府省に設置されている評価委員会にいろいろ意見
を申していくというのが現在の流れです。この流れに加えて、中期目標期間の終
了時においては、当該独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関し、主務大
臣に対して勧告を行うということで、各事業年度及び中期目標の各府省における
評価に加えて、独立した勧告権をこの評価委員会は有しているという位置付けと
なっています。したがって、「毎年度の評価の結果について得られた情報、加え
て新たに収集した情報等を基に、当委員会が、独立行政法人の主要な事務及び事
業の改廃に関し、自ら直接判断を行う。」という勧告が用意されています。ここ
で照会しているいろいろな基準は、各府省において判断する際の基準になるとと
もに、彼等が独自に判断していく際の基準としてとりまとめたものです。
 この報告の趣旨を受けて資料5にある業務の見直しに係る基準がとりまとめ
られております。ここに具体的な視点が整理されておりまして、1.独立行政法
人の業務全般にわたる見直しの視点があり、一つ目として、事務及び事業の在り
方に関する視点があります。先ほど部会長からも話がありましたとおり、国が関
与する事務及び事業としての必要性・有効性等ということで、政策目的の達成状
況、社会経済情勢の変化の状況、国民生活及び社会経済の安定等公共上の見地と
の関係、及び利用者、顧客、受益者等のニーズ、実体上の範囲の状況があり、加
えて事務及び事業を制度的独占により行う必要性といったようなものがあげられ
ております。
 二つ目として、事務及び事業を現在担っている実施主体の適切性に関する視
点があり、現行の実施主体の設立目的、ほかの事務及び事業との関係、現行の実
施主体の財務状況、関連する事務及び事業の実施主体との分担関係、現行の実施
主体の組織形態、人事との関係というような実施主体の適切性に関するものがあ
ります。
 三つ目として、事務及び事業の効率化、質の向上等状況に関する視点があり、
効率化、質の向上等の達成状況、効率化、質の向上等に係る指標の動向、勘定区
分の機能状況、受益者負担の在り方というようなものがあります。
 四つ目として、事務及び事業の見直しの経緯の検証に関する視点があり、こ
れはどういう経緯を経て、そういう事業がなされるようになったかという経緯も
みましょうということです。
 業務全般については、今いいました四つの視点、更にはその中に具体的にあ
げられている項目の視点で、業務全般の見直しの議論を行うことになっています。
 こういう見直しを行った後、事務及び事業の改廃に係わる具体的措置として
資料に列挙されているとおり、事務及び事業の廃止、民間又は地方公共団体への
移管、事務及び事業に関する制度的独占の廃止、自主財源による事務及び事業や
受託による事務及び事業への移行、事務及び事業に係る補助金等依存度の更なる
縮減、事務及び事業の他の独立行政法人又は国への移管、事務及び事業の一部又
は全部の民間委託、民間委託の範囲の拡大、事務及び事業の戦略化・重点化又は
整理縮小、事業及び事業の運営の合理化・適正化、市場テスト(ここでいう市場
テストは、入札等によってより効率的に実施できる実施主体に委託する。)を試
行的に行うということです。検討結果を受けた具体的な措置としてこのようなこ
とを検討すべきではないかということがあります。
 独立行政法人の組織形態に関する見直しに係る具体的措置としては、資料に
記載されているとおりで、(1)業務の大部分又は主たる業務が廃止され、又は民
間その他の運営主体に移管された独立行政法人については、当該法人を廃止する
又は組織の大幅なスリム化を行うこと、(2)業務の採算性が高く、民間移転が可
能なもの、又は民間でも同様な業務の実施が行われているようなものについては
民営化、又は民営化をしないまでも大幅なスリム化を行うこと、(3)公務員型独
立行政法人については、公務員の身分を有しないものが行う場合の問題が説明で
きない場合には、一般的な非公務員型の独立行政法人とすること、というような
整理となっています。個々の事業ごと又は独立行政法人ごとの見直しに加えて、
このような横断的な視点から業務の全般に係る見直しを行っていくということで
す。したがって、我々が評価を行っていく際にもこのような視点で総務省がみて
いるということを前提として、このような判断に資するようなデータをどう出し
ていくのかということが非常に重要になっていくと思います。

 [議論の内容]
(冨田委員)
 資料5の例示を見ると、全部縮小、民間移管、改廃となっており、良くする
という具体例が一つもないというのはどういうことを意味していますか。これ
だと独立行政法人は縮小方向に行くんだという例示しかあがっていません。事
業分野によっては、当然良くなっていくものもあるべきと思いますが、あまり
にもこの例示はネガティブ指標ばかりになっています。
(平澤部会長)
 私が最初の挨拶のときに申し上げたように、全体としては独立行政法人に総
予算を年間1%づつ減らしていくことが課せられています。しかし、米国では、
年間3%減らすこととなっています。その中で目を出せるものは、出していこ
うという形です。右肩上がりでない経済の場合、こういう種類の形にならざる
を得ないと思います。したがって、相対的に生き延びるため、独立行政法人全
体の中での競争が始まっているということだと思います。
(冨田委員)
 緊縮財政は当然取らなくてはならないし、やるべきことですが、このときに
つぶす方の例示ばかりで、相対的にあげるべき指標がないというのは変だと思
います。全体としてマイナスシーリングがかかることは当然で、国の財政なり、
家庭の財政を見ても同じですが、縮小ばかりで、伸ばすところがないという表
現が変ではないでしょうかといっているのであり、最初におっしゃったことを
理解していないわけではありません。
(平澤部会長)
 ここで指摘されていないこと、ここで指摘されていることの逆のことは、伸
ばすか、そのままでよいということになると思います。そこについては、たし
かに触れてはいません。
(冨田委員)
 できれば、どこかに一つ相対的であるとしても、伸ばすところもあってよい
と思います。スクラップアンドビルドということは、常にあることです。その
場合のやり方も縮小型であるかもしれませんが、ビルドも必要で、スクラップ
アンドスクラップではどうにもならないのではないでしょうか。
(平澤部会長)
 独立行政法人としての宿命のようなものですが、国のお金は減っていくが、
自由度が与えられています。したがって、その自由度を活用して活動の場を広
げてくださいということが本来の趣旨だと思います。
(馬場委員)
 これは、旧総務庁の行政監察の一貫というように捉えればよいのでしょか。
つまり、行政監察の業務の対象を独立行政法人にした場合と受け取ればよいの
ですか。
(事務局)
 たぶんそれに近いと思いますが、もう少し強いと思います。冨田委員の発言
のとおりこれは全体が性悪説になっており、我々としても腹立たしい部分があ
ります。なぜかというと、我々は個々の業務を見ているからです。しかし、日
本全体として見てみるとマクロに今回特殊法人から独立行政法人化されたとき
の総体としてのマスをどのように管理、コントールし、抑制していくのかは、
国としての大命題としてあります。この際の基準、すなわち、これを実行する
際の基準ということであるので、どうしても削る方しかありません。しかし、
個々には当然行うべき必要なことはあります。それをどう反映していくかは、
個々の中で議論をしています。しかも、これはどこからも止められていません。
例えば、我々が来年度の予算要求を行うに際しても、政策的必要性があり、重
要なものについては、それを独立行政法人の業務として追加することはどこか
らも止められていません。必要なことは、行っていくということです。ただし、
日本全体の総体としては、このような形で全体を管理していかないと、どんど
ん膨らんでいくということとの兼ね合いの中で、総務省は総体としてみるとい
う立場ですからこういう表現になっています。したがって、個々の行政監察よ
りはもっと大きな国としてのミッションがかかっていると見た方がよいと思い
ます。したがって、こういう網にかからないように、適正にNITEの社会へ
の役割、機能を示していくということが求められています。
(馬場委員)
 政策評価・独立行政法人評価委員会となっていますが、これは総務省の管轄
の中にあるのですか。総務省管轄であるが、外部という形で存在するものです
か。わかりやすくいうと、総務省の役人が行っているのですか、それとも外部
の委員が主体となって行うのですか。
(野澤係長)
 総務省の評価委員会は、外部有識者によって構成されておりまして、事務局
は総務省行政改革推進事務局が担当しています。
(馬場委員)
 従来の行政監察とは組織的には違うわけですね。そうすると、従来の行政監
察のように見えますが、実施する母胎が違うということならばまた話は違うと
思います。私は、行政監察というのは良い制度だと思っていました。行政監察
で出たことを日本国の政府全体が実行しなかったことに問題があります。税金
垂れ流しは日常的に行われていることを、今現在も行っているわけですが、行
政監察では厳しく行政監察結果を年に何回かだしており、良いことを言ってい
ます。また、評価できることは、評価するといっており、改善すべきことは改
善せよと勧告をだしています。戦後、60年近く営々とこれらを行ってきて全
部実行されていたら、この国はすばらしい良い国になっていると思いますが、
全然ならないところに問題があるわけです。したがって、今回のこの委員会も
外部の有識者による委員会で観察をして、勧告等をすることができるように
なっているわけですから、独立行政法人そのものの評価ということにもなりま
すが、私どものような評価委員会の評価にもつながっているわけですね。こう
いうことを考えると、何のためにこんなものを作ったのかという疑問が私自身
としてはありますが、この評価委員会が機能しなければ、こういうものがあっ
てしかるべきでしょけれども、このように屋上屋を重ねるような制度ばかりを
作って、機能しないものを作ってもしょうがないのであって、これはここで論
議しても始まらない話であると思います。
 第2点は、この委員会が何を目指しているのか。この委員会が出すことがで
きることはここに書いてありますが、何のためにやるかということは、今課長
が日本全体のことを考えてやるということを言いましたが、そういうことを言
われてもにわかには納得できないので、もう一度はっきりと評価委員会という
ものが何を目指すのかを書いてほしい。このことは、前書きかなにかに書いて
ありますか。
(平澤部会長)
 それは、法律で決められています。
(事務局)
 今議論になっているのは、この委員会の話ではなく、総務省の評価委員会の
話です。この評価委員会のミッションは非常に明確でして、年度ごとの事業実
績、及び中期目標期間における実績について評価を行い、次の中期目標・中期
計画に指針を与えるということです。ただし、総務省の中期目標終了時におけ
る見直しというものが今ご紹介したような視点が重要になっていて、その際の
重要な資料の一つがこの評価委員会で毎年度実施していく評価というものであ
ります。したがって、このようなことを十分念頭において評価作業を行う必要
があるということです。
(大庭委員代理岡部長)
 今の議論は、この評価委員会の位置付けという意味で非常に大事だと私も考
えます。総務省が行う評価と我々が行う評価との関係はどうなっているので
しょうか。結果としては、非常に密接に関係している部分だと思いますが。そ
の場合に、NITEが行った成果、業務を一つのものとして、この評価委員会
を含めて、対総務省という構図で理解するのがよいのですか。私は、この評価
委員会はあくまでもニュートラルでNITEに対して中期目標・中期計画に基
づいて適切な評価をしなさいということと理解していますが。今の話でいきま
すと、その結果が総務省の方にいった場合に、評価委員会はこんな評価しかし
なかったのかとというような感じの所もあるのかなと思いましたが、このこと
について説明いただけないでしょうか。
(平澤部会長)
 この評価委員会は、大臣から評価委員が任命されています。したがって、大
臣に代わってその傘下の独立行政法人の業務を見ています。大臣は、どういう
立場で見ているかというと、省益で見ているわけでは決してありません。国民
の目から見ているという立場です。今までも、この立場で評価してきました。
ですから同じように総務省の評価委員会も国民の目から見るのだと思います。
そのときに、対象が特定されているか、又は全体にわたっているかということ
で基準に差があるでしょうから、中期目標を見直すというインターバルの中で、
改廃を含めて別の視点で見直すということは妥当といえます。これは、法律で
決められていることで、今ここで議論してもしかたがないことと思います。問
題は、この枠組みを有効に利用しながら、このNITEという組織がより国民
のために役に立つような業務に転換していくような意見を我々はアドバイスす
るという位置付けだと思います。これを行っている限り総務省は、あまり文句
は言わないだろうというのが私の期待です。ただし、資料の5にあるように、
立証責任がこちらにあります。総務省は、例えば資料5のⅢの(1)は、当該法
人を廃止した場合にどのような問題が生じるかを具体的、かつ明確に説明しな
い場合には廃止すると言っています。したがって、廃止するとこんな困難なこ
とが起こり、こんな不都合なことが起こりますよということを我々が言わない
と廃止されることになります。同じように民営化についてもそうですし、公務
員タイプについても同じことになっています。資料5のⅠの(1)にあるような
視点、その中でもとりわけ重要なのは①ではないかと思います。国が関与する
ということの必要性とそれに沿った具体的成果(これがアウトカムだと思いま
すが)をあげているかということを具体的に説明することになると思います。
(大庭委員代理岡部長)
 資料5であげているような視点と資料3は深く連動してくるということです
か。
(平澤部会長)
 そのとおりです。
 資料5の切り口をブレイクダウンして、具体的な業務のところまで落とし込
んだのが資料3です。
(宮村委員)
 評価システムの構造との関係で理解をしたいところがあります。評価の目的、
対象、評価方法、評価主体が重要な要素になりますが、この評価委員会の評価
対象は中期目標・中期計画に基づいて年度の計画及び実績に落とし込まれて、
年度評価を進めていくことになります。この評価の中にも資料2のスケジュー
ルにあるように5年後に中期目標の審議があり、これを踏まえて次の中期目標
が立案されていく、という中での評価システムの理解で進んできました。一方、
このスケジュールを見ると、総務省の評価委員会が直接独立行政法人を評価し、
それを組織の改廃に反映して勧告していくというシステムになっています。そ
うすると、今までは我々が評価主体でしたが、総務省が評価主体となって独自
の評価をするということですか。そうした中で、総務省の評価対象としてこの
評価委員会の評価が入っていくということですか。総務省の評価対象、評価目
的とこの委員会の評価対象、評価目的が錯綜してよく理解できません。
(平澤部会長)
 繰り返しになりますが、資料4の5ページを見れば、真ん中あたりにあるよ
うに、主要な事務及び事業の改廃に関し勧告するということが総務省の評価委
員会のミッションで、その3番目のパラグラフにあるように、自ら直接判断を
行うというわけです。ただし、後ろの方に書いてありますが、どういうデータ
に基づいて判断するかというと、それまでにこの評価委員会が出した実績内容
をデータとして判断しますということです。したがって、この評価委員会の評
価自体も判断材料にはなっているということです。しかし、それを鵜呑みにす
るのではないというように彼らは言っているということです。
(宮村委員)
 反論材料として、アウトカムの情報が重要となってくるという理解ですか。
(事務局)
 個別事業として、AとかAAという評価を下して、それ自身はそれで良いの
ですが、ふたを開けてみるとそもそも止めたらという評価が総務省の評価委員
会からくる可能性があるということです。資料5は、国全体としての横断的視
点ですから、これが直接そのまま個々の事業主体用の評価基準になるというこ
とではないのですが、このような横断的な視点で物事を見ていこうとしている
ので、それにどう答えられているのかという視点も我々にとって重要ではない
かということです。
(三村委員)
 この委員会でも私のような素人に近いような人間も入れていただいておりま
すが、総務省の方の委員になっている方がすべて専門の方ばかりではないと思
います。そういう方が全体的に見て、相対的に見るのだということはわかりま
したが、こちらで出した評価を基にして判断を下していく部分もあるという話
で、あちらの委員会でどこまで評価されていくのかという点について、我々よ
りもむしろNITEの職員の方のほうが気にするのではないでしょうか。
(平澤部会長)
 これは、毎年の評価結果に対して総務省からリアクションがあるわけで、そ
のリアクションの中身を見てみても実に詳細な話が返ってきています。質問又
はコメントとして。これは誰が行っているかというと、委員会自身ではなく、
事務方が行っています。ですから、委員会は事務方が作業した作業結果を大所
高所から総合的に判断するという役割をもっていると思います。
 私は、総務省の評価委員会のメンバーがどういう方か知りませんが、行政学
の中でいろいろ議論があるところですが、その種の委員会構成というのはどう
いう特性をもった人で構成されるのが良いのかということがあります。通常言
われているのは、今言いましたように大所高所から判断できるような人であっ
て、個別の専門性を持っている人はその下のレベルのワーキング等に係わるべ
きだという感じです。ただし、通常の審議会の構成を見てみると、この辺はあ
まりうまく切り分けられていないという気がします。
(三村委員)
 わかりました。もう一つ質問があります。
 先ほど、事務局からの説明の中で、ひとまず何を行うかということは、こち
らが企画を立てて行うことで、何を行っても良いという話でしたが、結果的に
は出てきた評価が出たところでその事業は無駄だったのではないかという判断
が上からくるということですか。導入するときには、その判断は総務省の方か
らはこないのですか。
(事務局)
 申しわけありません。言い方が乱暴すぎたかも知れませんが、事業の開始そ
のものについてはすべて事前評価という形で評価をして、その必然性、必要性
を確認した上で行います。その成果については、またこの評価委員会で評価さ
れます。独立行政法人の場合は、中期目標・中期計画がありますから、そこを
変更するときも評価をされますし、何重にも新しいことを行うということにつ
いて評価がかかります。加えて成果についても評価され、評価がないというこ
とではありません。ただ、我々に判断がゆだねられている部分ということでは、
そういう形になっております。
(平澤部会長)
 先ほどの馬場委員のご質問に関連し、私自身も疑問に思っているのですが、
総務省の評価委員会の委員は任命権者はだれでしょうか。総理大臣ですか。総
務大臣ですか。
  (野澤係長)
総務大臣です。
(平澤部会長)
 総務大臣が勧告する内容は、行政学的にいって所管大臣は勧告に従わなくて
もよいのですか。
  (野澤係長)
 この問題は、中央省庁改革本部という所で法制度を作った際に方針を出して
おり、その中で政策評価・独立行政法人評価委員会の勧告については尊重すべ
きとしております。それに基づいて主務大臣も尊重して決めるということにな
ります。
(平澤部会長)
 尊重という言葉はマイルドですが、法律学的には守らなくてはいけないとい
うようになっていると理解してよいと思います。
 
 
 以上

 

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最終更新日:2004.04.01
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