経済産業省
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産業構造審議会環境部会産業と環境小委員会地域循環ビジネス専門委員会(第1回)‐議事要旨

日時:平成15年10月23日(木曜日)14時00分~17時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

議題

  1. 我が国における廃棄物・リサイクル等の現状及び検討の視点
  2. 委員からの意見陳述
    • 阿部 孝夫 川崎市長
    • 河浦 正樹 太平洋セメント株式会社 専務取締役
    • 渡邉 謙一 同和鉱業株式会社取締役兼上席執行委員
    • 馬場 弘融 日野市長
    • 米村 洋一 NPO法人地域交流センター理事
    • 松田 美夜子 富士常葉大学環境防災学部助教授・生活環境評論家
  3. 今後の検討スケジュール
  4. その他

議事概要

  1. 事務局から「資料3 我が国における廃棄物・リサイクルの現状」「資料4 リサイクル等の取組に関する主な支援措置について」「資料5 エコタウン自治体担当者会議における主な意見」に基づき、我が国の廃棄物処理・リサイクル政策の現状、循環ビジネスへの取組、自治体や地域における循環型まちづくりへの取組等について説明を行った。
  2. 委員からの意見陳述

(1)阿部委員

阿部委員から、資料7-1に基づき、川崎市の「環境まちづくりへの取組み」について、説明があった。その主なポイントは以下のとおり。

  • 川崎市臨海部のエコタウンの特徴
    1. 多くの企業が立地し、企業自身がエコ化を推進している
    2. それぞれの企業が連携し、廃棄物のリサイクルとエネルギーの有効利用をセットとしたエココンビナートとなっている
    3. 環境を軸とした新たな研究を行っていて、モデル地域としてなり得る可能性がある
  • 今後は、リサイクルポートとしての活用や、各企業の鉄道・バスを物流手段として活用した新しい展開が考えられるが、まだそれらの将来の道筋が見えていない。企業や学識者と協力し、リエゾン研究会を設立して検討を図っている。今後新しい展開を考えるためには、研究開発が重要であり、それについても追加的な支援が欲しい。
  • アジア諸国から研究者を呼んで環境ビジネスを中心に学んでもらうという、国際環境特別区構想を立ち上げた。現在は抽象的な構想でしかないが、具体化する段階ではご支援を頂きたい。

(2)河浦委員

河浦委員から、資料7-2に基づき、資源循環型社会の実現に向けた太平洋セメントの取組み(セメント産業の役割)について説明があった。その主なポイントは以下のとおり。

  • セメントの塩素含有量について200ppmというJIS基準を緩和して欲しいという要望をずっと出していたが、平成15年の12月にJISが改定され350ppmになった。ヨーロッパは1,000ppm、アメリカは塩素含有量についての規制がない。
  • 焼却灰にはセメントに必要な成分が含まれている。普通の既存セメント工場での焼却灰利用を考え、灰水洗システムを開発した。
  • 中央においては処理施設が足りない。一方、地方においては、処理能力はあっても廃棄物が集まらないという問題がある。ものの問題、採算性を考えながら、廃棄物の発生場所と処理場所のアンバランスを解決していく必要がある。
(質問)
  • セメントの塩素含有率がJISで200ppmと決まっており、また諸外国でも1000ppm等で設定しているということだが、理論的にどこまで許されているのか。アメリカではどう対応しているのか。
(回答)
  • 2500ppmまでは許されるという実験データがあるが、あくまでも理論値である。
  • セメントのJISだけでなく、生コンクリートのJISもある。セメントを生コンクリート工場で使う場合に、1 m3あたり塩素含有量300gという厳しい生コンクリートのJIS基準を満たす必要がある。
(質問)
  • 建築工事が前年比マイナスになっていることを考えた場合に、将来、(廃棄物の)受け入れが拡大したとして、(セメントで)どこまで受け入れることができるのか。
(回答)
  • 1トンあたり400kg受入可能。
  • 産業廃棄物に関しては、製品リサイクル性の向上やお互いに産業が有効利用する基礎が出来てきているので、発生量も減るであろうし、発生したものについても有効利用が進むと思われる。問題は都市ごみや事業系一般廃棄物の焼却灰。セメントの焼却灰受け入れ量は1トンあたり400kgが限界。
  • セメントが減ってくるという中でどうするかは、産業全体で考えるべき。

(3)渡邉委員

渡邉委員から、資料7-3に基づき、同和鉱業(株)の取組みについて以下のとおり説明があった。その主なポイントは以下のとおり。

  • 汚染土壌の処理プロセスは鉱山・製錬業と似ているので、同和鉱業が従来から有していたインフラを活用できるということで取り組んだ。
  • 廃棄物はバージンの鉱石と同一に取り扱える。
  • 廃棄物処理において、エネルギーを投入し、処理すれば廃棄物リスクは減ることはわかっている。資源エネルギー消費と廃棄物リスクを合わせたトータルで環境インパクトを最小にしていくような形を目指している。
  • プラント先行型の事業ではビジネスとして上手く行かない。
  • 循環ビジネスには地域の理解と支援が必須。
  • バーゼル法がかなりネックになっている。バーゼル法の個別審査を処理企業ごとの包括審査へと変えて欲しい。
(質問)
  • オフサイトで汚染土壌を浄化しているとのことだが、汚染土壌の輸送はどうしているのか。物流費用がかかると思うが。海上輸送等は実施しているのか。
(回答)
  • 海上輸送をしている。汚染土壌は産業廃棄物になっていないので輸送が可能である。
(質問)
  • 鉱石から何%の資源が取れて、廃家電からは何%の資源が取れるのか。鉱石に比較して濃度は高いのか。
(回答)
  • ものによって異なるが、貴金属に限れば、ざっくりと鉱石よりも廃家電の方が効率がよい。

(4)馬場委員

馬場委員から、資料7-4に基づき、日野市の取組みについて以下のとおり説明があった。その主なポイントは以下のとおり。

  • 日野市の特徴は、行政運営を市民がリードしているという点。
  • 従来は10世帯ごとのスチール製のダストボックスを利用していたが、ごみ分別のルーズさを招いてしまった。平成14年に戸別収集・有料指定袋方式に切り替えた。
  • 戸別収集移行後の家庭ごみの削減目標は32%であったが、改革後2ヶ月の削減量は52%であった。2年目は48%であった。現在は47%と増加傾向にあるので、再度ごみ分別に関する説明会を実施する予定。
  • 日野市で成功した秘訣は、地域のオピニオンリーダーと協力した点。また、職員以外にボランティアを募集した点も大きい。
  • 生ごみの減り方が少ない。生ごみをどう減らすかが今後のポイント。
  • 日野市のごみ処理費用は30億円であり、有料化で4億円を徴収し、ごみ処理費用に充てている。残りの費用は税金で賄っている。
  • ものを作る企業は必ずものを回収するルートをつくって欲しい。企業が取り組んでもらえると、自治体の負担は大幅に減る。

(5)米村委員

米村委員から、資料7-5に基づき、「提言・実践首長会」の活動について説明があった。その主なポイントは以下のとおり。

  • 市民の協力を得るためには、市民とコミュニケーションを行い、市民ひとりひとりに理解してもらうことが重要。そのためには、現場の人に動いてもらうことが重要。
  • 新しい活動に取り組むときには、行政のトップと実際に現場を抱えている職員とが連携することが重要。
  • 活動を隣の市に広げることは難しい。隣の市でやっていると、やりたくないという自治体が存在する。その問題解決のために、全国首長会がある。
  • 広域化の問題として、どのようにものを集めるかという物流インフラの問題がある。
  • 特に小規模の都市で、技術集積の問題がある。企業や試験研究機関との連携が必要。
(質問)
  • ある町で公共関与の処分場を作るための、候補地がないかと聞いたことがあったが、自分の町にはないが、隣の町にはあるということで決まらなかったことがあった。首長会では、メンバーの温度差はないのか。
(回答)
  • 問題意識があって、リーダーシップを発揮する市町村が多いので、それらの市町村がモデルとなって先進的に取り組んで、それを普遍化していくという方法がよいのではないか。
(質問)
  • 一人あたり何kgくらいのゴミの排出量が出てくるのが望ましいのか。先進的な取り組みを行っていた自治体の経験を教えて頂きたい。
(回答)
  • 日野市がリバウンドしない理由は、(1)各戸収集を実施している、(2)有料化である。
  • 100戸くらいの団地では、まとまって生ごみのリサイクルをしている。この場合戸別収集運搬しなくて済む。
  • 東村山市ではごみをどこまで減らせるか徹底的に分析を行った。その結果、プラスチックと生ごみをきちんと分別・リサイクルすると80%まで減ることがわかった。

(6)松田委員

松田委員から、資料7-6に基づき、各エコタウン事業の評価、現状のエコタウン事業における課題、ドイツの事例、アメリカの事例について以下のとおり説明があった。その主なポイントは以下のとおり。

  • エコタウン事業を行っている方は、廃棄物が足りないというが、大量生産・大量廃棄・大量リサイクルになってはいけない。
  • 市民に受け入れられるためには、デザイナーや建築家の参加が必要である。デザインセンスがよいことが重要。
  • アメリカ政府はマーケティングやデザインセンスにたけている。
  • ドイツは自治体独自の取組みを法律が上手くサポートしている。
  • 水俣市、日野市は成長株である。海外の情報だけでなく、国内の情報を共有しながらリサイクル社会を作っていきたい。
(質問)
  • ドイツにおける「市民のバックアップによって、行政の補助金や助成金に頼らない経済システムを自らが構築」とは、具体的にはどのようなことか。
(回答)
  • 市民の環境意識が高いということが大前提。
  • 「ソーラーファブリック社」の社長は、いつまでも行政の補助金や助成金に頼っては、企業の独立性が保てないと考えている。そのため、市民と一緒に会社を作ろうと考え出資している。パネルを3枚購入する際に、30枚の株券を購入することとしている。
  • ソーラーパネルによる電力の売上利益を投資者に戻すというシステムになっているが、環境意識が高い人は受け取らないこともある。
  • 「ソーラーファブリック社」が前例となり、同じような取組みをするところがフライブルク市内で50ヶ所に増えた。これらの取組みがドイツの循環ビジネスを支えている。
  1. 全体を通じての各委員からのコメント
  • 市民の資源回収ではこれ以上ごみの総量を減らせなくなってしまった場合に、日野市や水俣市のように、事業者と一緒になって消費行動を変化させようとする取組みが全国で広がりつつある。 そのような取組みが広がれば、より発生抑制が効くと思われる。
  • 人の広がり、地域の広がり、産業の広がりが重要。人の広がりとは、担い手の人としての広がりであり、廃棄物を扱うことに対する市民の理解の広がりである。地域の広がりとは、単体の工場に限ったことではなくて、地域の生活圏に広がるということである。産業の広がりとは、静脈系の取り組みだけでなく、動脈系にも広がっているか、サービス提供事業にも広がっているかということである。このような、人の広がり、地域の広がり、産業の広がりという3つの論点は、今後の議論の上でポイントになるのではないか。
  • エコタウン事業の評価は重要。事業を総合的に評価して次のステップに進むという制度が必要。
  • 将来ごみの構造がどうなるかの議論は必要。家電リサイクル法、自動車リサイクル法の中にはEPRの考え方が含まれており、DfEも進むと思われる。その中で、新しいエコタウン制度でも今後、ごみを大量にビジネスとして処理するシステムに移行していくことが重要。
  • 環境は成長分野である。現状は厳しいが、市民社会の中でもう少し環境が重要視されれば、ビジネスチャンスが広がると思われる。
  • ごみ処理だけでなく、限りある資源を有効利用することを考えるとチャンスも広がる。
  • ごみ処理というマイナスをカバーするビジネスのイメージではなく、新たな産業を生むというようなもっと明るいイメージで誘導していくことが重要。
  • 環境コミュニティビジネスとはよい言葉であり、決して採算性はよくないが、これからの成熟社会におけるビジネスのあり方の一つとして考えることが重要。
  • 環境ビジネスは地域ぐるみで参画できるビジネスであり、ライフスタイルを変える提案になる。ごみの世界から出発すると暗くなるが、世界を支える、経済を支える成長ビジネスという視点が必要。
  • 企業サイドから見ると、量や利益を追うということになる。産官学がビジネスをどう捕らえるかは非常に難しい問題である。
  • 今まで法制度がいろいろあったが、包括的に環境ビジネスを捕らえた法整備が必要。利益をきちんと取るのが企業の基本であり、その点を踏まえた法整備をお願いしたい。
  • 環境ビジネスの原点として、消費者や事業者のライフスタイルを変換してくことが重要。市町村がそのキーワードを常に念頭に入れておくことが重要。
  • 市町村が行うべきことの基本的な視点として(1)率先、(2)支援、(3)啓発がある。
    • (1)「率先」とは、自治体が地域における1つの大きな事業者であるという企業的な視点も入れながら取組むこと。仙台市では、全職員が地域住民でありながら事業主体の一員として率先して取り組んでいる。
    • (2)「支援」については、仙台市は学校版ISO14001と言えるエコスクールや、家庭におけるリサイクル等の取組みを支援するエコチャレンジというシステムを導入している。
    • (3)「啓発」については、仙台市は「わけるくん」による分別に関する啓発活動を行っている。すべてのコンビニの分別ごみ箱にシールを貼っており、今年からはコピー機のリース会社に依頼して、コピー機にもシールを貼るようにしている。
  1. 本日の議論を踏まえた事務局からのコメント
    • 市町村や都道府県は廃棄物処理法上の権限主体であり、廃棄物に関する様々な政策がとられており、これらの政策が環境ビジネスに非常に重要な影響を与えることから、環境ビジネス振興への取組みに関心がある。例えば、自治体による産業廃棄物の流入規制などがビジネスに影響を与える点にも関心がある。
    • ごみの長期予測が必要という指摘もあった。廃棄物の最終処分量は数年間で8,000万トンから5,500万トンへと2,500万トンも減っている。ごみの減量傾向、質的変化も見ていく必要があるとの指摘は貴重な意見と考える。今後議論を深めたい。
    • エコタウン事業については、容器包装の廃プラスチックリサイクル設備への支援がもたらした状況や、エコタウンの個別プロジェクトの評価等、論点をまとめて次回以降議論したい。
  2. 事務局から資料8に基づき委員会の公開について説明、資料9に基づいて次回以降のスケジュールが伝えられた。

[文責]経済産業省 産業技術環境局 環境調和産業推進室

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最終更新日:2004年4月1日
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