経済産業省
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産業構造審議会環境部会産業と環境小委員会地域循環ビジネス専門委員会(第2回)‐議事要旨

日時:平成15年11月18日(水曜日)14時00分~17時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

議題

  1. 前回の議論のまとめ
  2. エコタウン事業の現状及び課題
  3. 委員からの意見陳述
    • 末吉 興一 北九州市長
    • 井戸 敬三 兵庫県知事
    • 藤井 黎  仙台市長
    • 小林 俊安 積水化学工業株式会社 取締役
    • 菅昌 徹朗 JFEスチール(株) 常務執行役員 総合リサイクル事業センター長
    • 中島 賢一 株式会社 リーテム 代表取締役社長
    • 長島 徳朗 帝人株式会社(※「徳」は「心」の上に「一」が入る)
  4. 意見交換
  5. その他

議事概要

  1. 事務局が「資料2 第1回地域循環ビジネス専門委員会における主な意見」、及び「資料3 我が国における廃棄物・リサイクル等の現状(その2)」に基づき説明を行った。
  2. 事務局が「資料4 エコタウン事業関連資料」に基づき、エコタウン事業の概要・現状・事業者アンケート、及びハード施設の類型分析の試案について説明を行った。
  3. 委員からの意見陳述

(1)末吉委員

末吉委員から、資料5に基づき、北九州エコタウン事業について説明があった。その主なポイントは以下のとおり。

  • エコタウン事業の遂行にあたっては、環境保全と産業振興のバランスに留意してきた。
  • エコタウンの施設は全て公開している。
  • 市民活動や市内の企業の環境活動が進展してきたことで、市民アンケートにおいても、廃棄物の適正処理に関する理解が進んできた。
  • 今後エコタウン内の相互連携が進むことで、わが国初のゼロエミッション工業団地になることが期待される。更に、エコタウン事業の広がりを、人の広がり、地域の広がり、産業の広がりの3つの方向で考えている。
  • 現在、各地域の各工場で一生懸命省エネに取り組んでいるが、それを広げることで、資源・エネルギーの消費量を極小化できると考えている。
  • 1つの施設から市民レベルへと広げ、環境首都を目指すことを公約として掲げている。
(質問)
  • どの範囲から北九州市エコタウンにモノが流れてくるのか。
(回答)
  • 車両での運送となると、北九州市一帯50~100キロ圏といったところか。
  • 運送コストが普通の製造業より2倍~3倍かかるので、鹿児島からトラックで運ばれてくるようなことはない。

(2)井戸委員(齋藤代理)

齋藤代理から、資料6に基づき、兵庫県の環境産業施策について説明があった。その主なポイントは以下のとおり。

  • リサイクル事業は、経験も少なく技術も定着していないので、長期的な見通しが立てにくく、ベンチャーや中小企業は大きなリスクを背負っている。
  • リサイクル原材料は不特定多数から発生するために、安定的な確保が困難。各種リサイクル法の整備によって循環資源の流通制度は整備されてきたが、生産設備で利用するためには原材料を環境資源として新たに許可が必要なため、インフラを有効に活用出来ていないのが現状。
  • 環境配慮型製品の利用を促進する必要がある。価格の低減、質の向上等に関して、一定レベルまで普及するまで国が支援して欲しい。
(質問)
  • デポジット制度に関して、他地域からの持ち込みや持ち出しはどのように扱っているのか。
(回答)
  • 特定の地域で試行的にやっている。料金還元ではなく、点数化して、銭湯や商店街での買物等、地域のサービスで料金割引を実施。地域の評判も高い。なお、今のところ他地域からの持ち込みは問題になっていない。

(3)藤井委員

藤井委員から、資料7に基づき、仙台市の地域循環型ビジネスモデルの形成について説明があった。その主なポイントは以下のとおり。

  • 仙台市では、新たな産業分野の創出を目指して、新産業創造プランを作成した中に、「エコ・シティ」プロジェクトがあるが、ここでは産学連携による先端的な環境産業群や新エネルギー産業の創出と、NPO等と協働してエコビジネスの振興を図ることを考えている。
  • 地域における産業、福祉、街づくりなどの課題、ニーズに住民自らがビジネスとして対応するような地域密着型のコミュニティビジネス形成支援にも取り組んでいる。
  • 環境ベンチャーやコミュニティビジネスをNPO、市民、さらには産学連携によって支える仕組みを作っていくことが重要。
  • 環境負荷の低減と経済の活性化のためには、グリーン購入の推進が効果的であると考えている。グリーン購入を導入することによって、魅力的な環境配慮製品を製造するために、各企業は技術開発をするようになり、技術イノベーションと経済の活性化につながるようになると思われる。来年10月に第1回グリーン購入世界会議を開催する予定。
  • 「せんだいグリーン文具」推奨制度を実施している。供給側の文具店には「せんだいグリーン文具」の販売と市が制定したマークの店頭・店内への掲示をお願いしている。需要側に対しては、資料を保護者に配布し、グリーン文具の購入を呼びかけたり、グリーン購入すごろくを各学校に配布したりしている。今後は他の製品にも拡大していきたい。
  • リサイクル産業の入口と出口の振興が必要である。仙台市では地域の中小企業向けマネジメントシステムの検討を行っている。
  • これからの社会は、環境と経済が良好な関係を保って、それぞれの政策が協働しあって進展することが必要。それには、市民、事業者、NPO、大学、行政等が、自立しながらも、協働して取り組んでこそ成果があげられる。
(質問)
  • 学校教育(小中学校)においてどのような啓蒙活動を実施しているのか。
(回答)
  • 環境問題は環境教育というところに行き着くと思われる。環境教育を重視しており、副読本を作って教育を行っている。
  • ごみ分別の促進等は、子供を通じて親を教育する形で進めることが有効。家庭用ISOを作っている。また、学校内での子供達による分別を実施している。

(4)小林委員

小林委員から、資料8に基づき、「地域循環ビジネス専門委員会」への提言等について説明があった。その主なポイントは以下のとおり。

  • 情報公開をきちんとした上で、地域と協力している。
  • 企業のグリーン度が客観的に評価されるようにして欲しい。
  • 新築住宅に対しての現場での廃棄物削減・リサイクル等が社会的に認知されるようになれば面白い展開ができる。
  • 企業としてトータルにどのように自治体にアプローチを出来るか、自治体の受け皿をどのように設置するかということが、上手くいっていない。まして、市民にも、企業の声が届いていない。この辺の整備が重要。
  • 廃木材の再利用については、調達の問題と、廃材という事で受け入れられないという問題がある。
(質問)
  • 再築ハイムはコスト的にはどうなっているのか。
(回答)
  • 新築住宅の6割のコストで製造できる。コストは安いが、結局立て替えする人が新築を選択するため、在庫を抱えることになる。
  • 資源循環としては良いが、売れるまで在庫を持たないといけない。
  • 自治体にPRして欲しい。
(質問)
  • 塩ビ管継手はざっくりとどの程度リサイクルしているか。
(回答)
  • 年内の発生量が40万トン強であり、10%以下すなわち年間数万トンを回収している。

(5)菅昌委員

菅昌委員から、資料9に基づき、鉄鋼業の循環ビジネスへの取組みについて説明があった。その主なポイントは以下のとおり。

  • 現在鉄鋼業は年間1億2千万トン強の鐵鋼を生産、鉄鉱石や原料炭、化石燃料を原料にしたものが2/3、一度消費されて使用済みになって回収された鉄スクラップを原料としたものが1/3である。
  • 鉄鋼業は製鉄を産業に供給し、副生ガス、スラグ等を他の産業に渡すだけでなく、都市ごみ等から製鉄資源を求めることを積極的に進めている。また、単なるエネルギーとして消費していた副生ガスから水素ガス等の有効なものを取り出すことを開発している。
  • 環境ビジネスに関して、鐵鋼のインフラを利用して廃プラスチックや廃家電を処理することや、半導体やセメント業界等の異業種と連携して循環ビジネスを組み立てる、環境調和型地域作りや環境修復への積極的な貢献である。
  • JFEは、首都圏に2つの大きな高炉を持っている。廃棄物の最大発生地に近く、地域的に廃プラスチックや廃家電、廃建材といった廃棄物を集めやすくなっている。
  • 産業界は、生産から廃棄まで、発生抑制、再使用、LCA的環境負荷を最小にする、素材をより有効に使う、廃棄物や副産物を資源循環させるといった使命を与えられているが、単一企業でやるのは限界。産業間連携が必要。
  • 廃棄物を原料として捕らえる必要がある。既存設備の積極的利用につながり、環境負荷も削減される。
(質問)
  • 廃プラスチックリサイクルの技術的な開発をしているということだが、鉄鋼メーカーは独自の技術を守って外に出さないものなのか、それとも共有していくものなのか。セメント業は技術に執着するが、鉄鋼業はどうなのか。ロイヤリティは取っているのか。
(回答)
  • 技術は各企業が持っている。クロスライセンス等が多く、ギブ・アンド・テイクの形で処理している。開発した技術に対しては、対価を払っている。

(6)中島委員

中島委員から、資料10に基づき、自然との共生、持続可能な社会への取組等について説明があった。その主なポイントは以下のとおり。

  • 徹底分別して再資源化し、熱源として使うものについてはサーマルもしくはケミカルリサイクルすることで、ゼロエミッションという理念を持って進めている。
  • 環境、福祉、雇用の三位一体による地域活性化が重要。3R対応の工場で高齢者や障害者を雇用することで、地域が活性化が期待できる。
  • 廃棄物処理における地方自治体と民間事業者との協力・協調体制の構築が重要。自治体の廃棄物処理場に集まったもので、再資源化できるものが多いので、そこに民間のノウハウを導入することで、コストダウンやリサイクル率の向上、稼働率の向上につながる。また、廃棄物を取扱う企業としてもリスクマネジメントコンプライアンスが必要。
  • 「地域発信の環境ビジネスの創造支援」が必要。NPO、環境団体と、リサイクル業者とのタイアップによって地域発信環境ビジネスが創造できるのではないか。
(質問)
  • コミュニティビジネスには、ボランティア性だけでなく、経営の視点が必要というのが最近市民の間では強く言われているが。
(回答)
  • 市民団体やNPOは環境に熱心であるが、業となっていないところが多々ある。どうつながったらよいか考えながら、とりあえずは一緒になって第一歩を進めていきたい。

(7)長島委員

長島委員から、資料11に基づき、帝人グループの環境経営について説明があった。その主なポイントは以下のとおり。

  • 21世紀の環境変化に対して求められる対応として、効率の追求、知識創造の重視、二極化市場への対応、地球環境対応といったことがある。地球環境対応を抜きにして、21世紀型ビジネスモデルは成り立たない。
  • 帝人グループは環境負荷低減を可能とする完全物質循環技術を開発し、高価値創造の商品を提供することによって持続的な発展を目指すということ。各種リサイクルシステム開発やリサイクルし易い商品を開発して、循環型社会構築へ貢献すること。また、環境保全に役立つ製品、技術・サービスを提供することを目指してきた。
  • この度、ポリエステルのリサイクルプラントを徳山に建設した。山口エコタウンのプロジェクトに参加させていただき、地域、関係先の御協力によってポリエステル繊維やペットボトルの循環体制を作り上げた。
  • 回収された繊維製品もしくはペットボトルをもとの原料まで戻しているので、現実には若干のロスが出るが、半永久的に回している。今後も市場の製品その物をリサイクルし価値を創っていく事業をすすめ、循環型社会形成に貢献したい。
  1. 全体を通じての各委員からのコメント
  • 「エコタウン」の「タウン」の意味については、環境産業集積の工業団地化と技術イノベーションによる環境ブレークスルーの形の立地と思っていたが、最近の学生のイメージは、タウン=街づくりである。工業団地から街づくりの方向へ進むことが必要。水俣エコタウンが後者の 1つの形であり、仙台市の取り組みも広義のエコタウンである。
  • 街づくりをしていく中で、サステナブル・プロダクション(持続可能な生産)だけでなく、サステナブル・コンサンプション(持続可能な消費)へと展開が移ると思われる。
  • これまで助成の仕方が個別の施策に対してであったが、ポリシーミックスによって進めなければならないことを考えると、「環境と経済」や「環境と福祉」、「環境と雇用」等というような2つの効果を挙げていくことが必要。
  • 今後の環境ビジネスは、分業化ではなく融合化になるのではないか。動脈と静脈のシームレス化をどういった施策でどのように進めていくかが重要。
  • エコタウン事業は、これまで箱物が中心であった。これをソフトに移行することが必要。リサイクルのベースの上に2R(リデュースとリユース)が育つということもあるが、2Rの活かし方を考えて努力して欲しい。
  • 安心・安全に関しては、北九州が上手くやっている。例えば、当初は、ペットボトルを持ってくるということだけで反対運動があった。全ての施設を全て公開したことによって、理解が得られるようになった。また、(安心、安全ということは)いろいろなことが起こり得るという前提で、何かあったらきちんと説明するということで進めた方がよい。
  • 最近、事故説明だけでなく、PRTRのような形での情報公開も求められるようになってきている。企業にはコミュニケーションを大切にして欲しい。
  • 排出量の将来予測を載せていただけて感謝。どのように循環型社会を作るのか、発生予測をしながら考えたい。ただし、2Rの部分で発生量がどのように減るのか、その上でリサイクルをどのように進めるのかを考えることが必要。
  • 循環ビジネスを進めていく上で大切なものは、品質である。(回収した資源の品質が低いと)リサイクルの工程でいいものが作れない。品質をどう確保するのか。市民が出す段階で、資源として認識してもらうことが重要。
  • (リサイクル施設で)働く人達の生き甲斐を保証しておかないと、システムは作っても動かない。
  1. 本日の議論を踏まえた事務局からのコメント
  • 今回、エコタウンの類型分析を行ってみたが、色々な形態がある、産業インフラを活用したものから、更地に立地したもの、インフラに依存しない地域の都市ごみを活用したものなど色々ある。個々の地域の特性を生かしたビジネスが上手く回るように、課題を1つずつ潰していくことが必要。
  • サステナビリティコンサンプションや、リデュース、リユースの取組についても、エコタウン支援の際の評価軸として重要。
  • 企業とNPOの連携に問題意識をもっており、企業とNPOの連携によるコミュニティビジネスのモデル事業を現在進めている。
  • 循環ビジネスでもコンプライアンス、経営のグリーン化は重要な意見と思料。
  • 安心や安全に関する住民の関心は、他の産業同様循環ビジネスであっても避けて通れないものとの指摘は重要。

[文責]経済産業省 産業技術環境局 環境調和産業推進室

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最終更新日:2004年4月1日
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