経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会市場監視小委員会(第4回) 議事録

平成19年11月5日

【片山電力市場整備課長】

それでは定刻でございますので、ただいまから第4回市場監視小委員会を開催させていただきます。

委員の皆様におかれましては、ご多用中のところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。

それでは、早速でございますが、配布資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元の配布資料一覧をごらんいただければと思いますが、資料1から資料4、参考資料の1、参考資料の2とお配りをさせていただいております。不足ございませんでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。

それでは、ここからの議事進行は、鶴田委員長にお願いいたします。よろしくお願いします。

【鶴田委員長】

おはようございます。

それでは、ただいまから私が議事を進行させていただきます。

委員各位におかれましては、本日はお忙しいところご参集賜りまして、ありがとうございます。今回は、電力会社の平成17年度と18年度の送配電部門の超過利潤など、実績が公表されたことを踏まえまして、託送供給約款への変更命令発動の要否について、その検討結果を事務局より報告させていただきます。その後、ご審議いただきたいと思います。

それでは、片山課長、よろしくお願いします。

【片山電力市場整備課長】

それでは、お手元の資料の3をごらんいただければと思います。

1枚おめくりいただきまして、2ページに目次が掲載されております。構成は、一般電気事業者の送配電部門収支及び超過利潤等の状況。2として、変更命令発動基準の概要。3といたしまして、変更命令発動の要否。4、結論という構成になっております。

おめくりいただきまして、4ページでございます。一般電気事業者は、電気事業法の24条の5第1項の規定に基づきまして、毎年、託送供給の業務その他、変電、送電、配電に係る業務に関する会計、我々、これを送配電部門収支計算書と呼んでおりますが、これを整理し、公認会計士または監査法人による証明を経て、同条2項の規定に基づきこれを公表する義務を負うということになっております。また、この公表されました計算書につきましては、当省におきまして監査を実施することによって、数値を確認するということをやっております。一般電気事業者は、この送配電部門収支計算書により算出された営業利益、あるいは営業損失から、事業報酬額や法人税等を控除し、当期の超過利潤、あるいは欠損の額を算出し、公表するということになっております。

5ページが平成17年度、18年度におきます超過利潤等の実績額でございます。ここにありますように、平成17年度、18年度、それぞれ公表された数値につきましては、行政監査により、大きな影響はないということで、これは億円単位で数字が出ておりますけれども、この数字に基づいて変更命令発動の要否というものを判断して差し支えないと判断しております。

おめくりいただきまして、変更命令発動基準の概要でございます。今年の7月に、この小委員会におきまして、変更発動基準について具体的に適用するとした場合の考え方についてご審議をいただきました。それをフローチャートでわかりやすくしたものが7ページでございます。一番初めにトリガー要件、変更命令発動の引き金をどういう要件が引くのか。次に、トリガーを引いても停止条件というのがついている、それは何か。最後に合理的な理由によって、超過利潤または欠損というのが解消されると説明される場合と。こういったものにつきまして、中身を整理したものでございます。

なお、トリガー要件のうち、想定総原価と費用実績との乖離につきましては、平成18年度中に各社において料金改定がなされたため、今回は対象外とするということで、前回ご審議をいただいたところでございます。

このフローチャートに基づいてご説明をいたしますと、トリガー要件としては、超過利潤または欠損が平成17年度、18年度連続で生じているのかどうかということでございます。ここで2年連続超過利潤の場合には、平成17年度、18年度の2年間で7%以上の料金の値下げ実績があるかどうかというところで判断をするということになります。このいずれにも該当しない場合、これは欠損の場合も含めてでございますが、平成18年度、19年度の2年間で7%以上の値下げとなる料金の改定を19年度中に実施する旨の意思表明がなされているかどうか、または、想定総原価と託送料金収入とが一致するような料金の改定を平成20年4月1日までに実施する旨の意思表明があるかどうか、これを停止条件とすると整理をいただいていたところでございます。

このいずれにも該当しない場合に、最後に託送料金の再推計を行わない合理的な理由があるのかどうかというところで、最後判断をするということになっております。

おめくりいただきまして、9ページ以降でございますが、今回の実績に基づいて、一つ一つ、この要件に照らして判断をしていっております。まず、この表で見ていただければわかりますように、2年連続で超過利潤を生じている一般電気事業者は7社でございます。また、2年連続で欠損を生じている一般電気事業者は1社でございます。トリガー要件に該当しなかったのは、東北電力及び東京電力でございました。この2社につきましては、今回の変更命令の対象外ということになります。

おめくりいただきまして、10ページでございます。2年連続で超過利潤を生じている7社のうち、17年度、18年度の2年間で7%以上の値下げ実施をしているのは5社でございます。中部電力及び北陸電力は、値下げ実績が7%未満にとどまったということでございます。

次に11ページでございます。今まで述べましたトリガー要件に該当し、かつ、2年7%の停止条件に該当しない3社のうち、中部電力及び北陸電力からは、平成19年度中間決算の公表にあわせて、平成20年4月1日までの料金改定の意思表明がなされております。ここの下にございますように、これは中部電力、北陸電力、それぞれホームページにおいて公表されている資料からの抜粋でございます。中部電力の場合は、平成20年度を原価算定期間とし、その想定総原価と託送供給料金収入とが一致する料金改定を、平成20年4月1日に実施すると表明がされております。また、北陸電力につきましては、原価算定期間における想定総原価と託送供給料金収入とが一致する託送供給約款の改定を、平成20年4月1日までに実施するというような表明がなされているところでございます。

なお、北海道電力につきましては、現時点において、託送供給料金の改定に係る意思表明はなされておりません。

おめくりいただきまして、12ページに載せておりますのが、中部電力、北陸電力、それぞれのホームページ上の公表資料ということでございます。細かくて恐縮ですが、赤で囲ってあるところが先ほど抜粋で述べたところでございます。

次に、13ページでございますが、北海道電力につきまして、料金の再推計を行わない合理的な理由があるのかどうかという最後の判断基準についての検討でございます。まず、北海道電力の欠損の発生要因につきまして、平成17年度のものにつきましては、主に出向者給与負担額の一部原価不算入が要因となっているということでございます。平成18年度につきましては、これに加えまして、災害復旧工事のほか、供給信頼度維持のため、優先度の高い修繕工事を重点的に実施したということで、約38億円の欠損が生じたと説明がされております。

次に14ページでございます。17年度、18年度がそういう状況であったわけでございますが、平成19年度につきましては、まず(1)として、退職給付費用の減少、(2)として、短期的な特殊要因の解消といった蓋然性の高い費用縮減要因が見込まれるため、欠損が解消することが相当程度の確度で見込まれるのではないかと考えております。

14ページの四角囲いにありますように、1つは、退職給付費用というのが63億円減少するということ。この内訳は、数理計算上の差異による退職給付費用の圧縮として43億円、期待運用収益率の見直しにより20億円となっております。また、災害復旧費用の解消として、18年度に2度の大きな災害によって、通常の額を上回る災害復旧費用が発生しているということが、災害がない限りにおいて解消するということが見込まれるということでございまして、これが約8億円ということでございます。先ほど18年度の欠損額は38億円と申し上げましたけれども、これをはるかに上回る額の費用の減少要因というのが確実に見込まれるのではないかということが言えると考えております。

このため、翌事業年度以降の費用が減少することにより、当該欠損を生じた最終事業年度、平成18年度の翌事業年度以降、つまり平成19年度以降には、この欠損が解消することが見込まれるという、前回7月にご審議いただいた基準に該当するのではないかと考えております。以上を踏まえまして、北海道電力に対する変更命令発動は不要ではないかと考えているところでございます。

15ページにつきましては、退職給付費用の減少というのが、なぜこういうふうに見込まれるのかということの詳細を書かせていただいているところでございます。

数理計算上の差異による費用圧縮として43億円と申し上げましたが、北海道電力の場合には、1つは、第2パラグラフのところでございますけれども、平成13年度に割引率の変更等により発生した数理計算上の差異の費用処理というのが平成18年度に終了するということで、平成18年度に51億円計上していたものがなくなるということ、第2に、年金資産運用好転等により平成18年に発生した超過額171億円を平成19年度以降5年間でマイナスの費用処理、費用の圧縮ということが行われるということでございまして、これで19年度に34億円の費用圧縮が見込まれると。これを両方足し合わせますと85億円になるわけでございますが、これを送配電部門のほうに配分するということを通じまして、送配電部門において43億円の費用の圧縮が見込まれるということでございます。

次に16ページでございます。もう一つ、期待運用収益率の見直しと書いてございますけれども、期待運用収益率については、過去の運用収益の実績等に基づいて算定をされるものでございます。平成19年度については過去の運用実績の向上を反映して、期待運用収益率を見直したということでございまして、送配電部門に割り振られるところで20億円程度減少するということが見込まれているということでございます。これらにつきましては、数理計算上のもの等々でございますので、確実に費用圧縮に効くということでございます。

おめくりいただきまして、18ページでございます。以上、ご説明をいたしましたように、結論といたしましては、平成17年度、18年度における超過利潤等の実績を整理したところ、10社中7社が2年連続で超過利潤、1社が2年連続で欠損となっていた。残りの2社、東北電力、東京電力については、トリガー要件に該当しないということから、これらに対し変更命令は発動しないと。超過利潤を生じてトリガー要件に該当した7社のうち5社、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力及び沖縄電力については、平成17年度、18年度の間で7%以上の託送供給料金の値下げを実施していると。したがって、停止条件に合致するため、これらに対し変更命令は発動しない。中部電力及び北陸電力については、トリガー要件に該当し、値下げ実績が2年7%に満たないものの、既にホームページ上におきまして、平成20年4月1日までの託送供給料金の本格改定を意思表明しており、停止条件に合致するため、原則として、2社に対し変更命令は発動しない。北海道電力については、トリガー要件に該当するものの、平成19年度は欠損が解消するとの説明に合理性が認められるため、託送供給料金の再推計を行わない合理的な理由があるものとして、北海道電力に対し変更命令は発動しない。

以上が、平成17年度、18年度の実績を踏まえた変更命令発動の要否についての判断と考えております。

資料3の説明は以上でございます。

【鶴田委員長】

ありがとうございました。

ただいまの事務局の説明を受けまして、ご質問等々がございましたら、お受けしたいと思います。小委員会でのルールとして、ご発言の意思表示はネームプレートを立てていただきますよう、お願い申し上げます。

それでは、どうぞ。どなたからでも結構でございます。古城委員、どうぞ。

【古城委員】

基本的なことを伺いますけれども、9ページ、超過利潤の平均単価への影響ということですが、このもとになっている送電料金は幾らですか。

【片山電力市場整備課長】

ここは、全流通需要を分母にしております、キロワットアワーで。

【古城委員】

わかりました。

それで、託送料金はどれぐらいになりますか。一番大口のキロワットアワー当たり。

【片山電力市場整備課長】

今、手元に持っておりませんけれども。

【古城委員】

大ざっぱで結構ですが。

【片山電力市場整備課長】

特別高圧でいきますと、2円数十銭というところではないかと思います。失礼、もう少し安いですね。もちろん各社ごとによって随分違いますけれども。

【古城委員】

例えば中部電力だと幾らになりますか。

【片山電力市場整備課長】

2円30銭弱だと思います。

【古城委員】

どうもありがとうございます。

【鶴田委員長】

根岸委員、どうぞ。

【根岸委員】

私も基本的なことで恐縮ですけれども、一番最初のトリガー要件のところの超過利潤、欠損とありまして、事業者の効率性というか、効率的な経営をやってコストが下がったとか、あるいはそれはしないからコストが下がらないとか、そういう問題があると思いますけれども、これはそういうことについては織り込んでいると考えてよろしいのでしょうか。

【片山電力市場整備課長】

もともと託送料金規制の仕組みとして、事前認可制ではなくて、したがって、料金をまず決める段階で、規制当局がその料金を査定するということを今やっていない仕組みになっております。事業者が自主的に届け出をしてくるということでございまして、じゃ、事後の規制を何に基づいてやるのかというところで、第2次制度改革以降、託送料金規制というものが導入されて以降、超過利潤という適正に認められた事業報酬額を上回って利潤が発生している部分に着目をして変更命令をするということになっております。したがいまして、根岸委員ご質問のように、あらかじめ規制当局と約束をした原価というものがあって、事業者が効率化努力をしてもうけた部分を特定してといったようなプロセスというのが料金規制の中に織り込まれていないものですから、ある意味、効率化努力なのか、単に想定していたよりも需要が伸びたから出ているのか、そういったことを区別せずに、超過利潤そのものに着目をして規制をするというのが、今の料金規制の体系になっております。

【鶴田委員長】

よろしいですか。

【根岸委員】

もちろん現在はそれで結構だと思いますけれども、それは何か改善というか、そういうことをやることは難しいですよね、今の仕組みとしては。

【片山電力市場整備課長】

はい。今現在の仕組みを変えて適用するというのはできないと思いますので、今の仕組みにのっとって、今回、事後規制をするしかないと思います。ただ、今、電気事業制度改革の議論をしておりまして、ここの託送料金規制のあり方についても、改革のテーブルの上に乗っかっております。これは今の議題が終わった後、どういったような電気事業制度改革の中で審議が行われているのかというのを、後ほどご紹介したいと思っております。

【鶴田委員長】

どうぞ、糸田委員。

【糸田委員】

先ほどの古城委員のご質問の続きみたいになっちゃうんですけれども、中部電力で特高の託送料金が2円30銭弱と。高圧はどうなっていますか。

【片山電力市場整備課長】

高圧につきましては、4円50銭ぐらいでございます。

【糸田委員】

わかりました。そうすると、極めて単純に言って、倍ぐらいの価格差がありますね。前回もちょっと申し上げた話で、この監視委員会の場は現行制度に基づいた議論をできるだけ中心にという話ですから、あまり申し上げちゃいけないのかもしれないんですけれども、ちょっと気になるのは、トータルの収支計算で帳尻、つじつまが合っていれば、その中での特別高圧と高圧について、任意に料金格差を設けることができるということになりますが、これは前回、片山課長から、変更命令を出すときにはその点も考慮するんだとの説明がありましたが、それ以前の問題として、変更命令を出すべきかどうかを考える場合には、例えば特別高圧と高圧との託送料金格差ということも、何か考慮したほうがいいのではないかと思います。というのは、これはまた後ほど申し上げようと思っていたんですけれども、言ってみれば、電力市場での競争にも影響のある話でもありますから、そういったあたりについて、今この場でどうこうという話では毛頭ないんですけれども、将来的な課題として考えておいたほうがいいのではないかという感想を持ちましたので、申し上げさせていただきます。

【片山電力市場整備課長】

今、糸田委員のほうから、特別高圧と高圧の託送料金、任意に設定されるというご指摘があったのですけれども、一応、料金算定規則の中で、費用をどういうふうに配付していくのかというルールは決められておりまして、そう恣意的に料金をつくるということはできないのではないかと思っております。

なお、委員ご指摘のとおり、特別高圧と高圧の託送料金の公平性がどうなのかというのは、制度改革の中でも話題になっております。これについては後ほど、今どういう議論が行われているのかということをご紹介したいと思います。

【鶴田委員長】

よろしいですか。

【糸田委員】

はい。結構でございます。

【鶴田委員長】

ほかには、どうぞ。古城委員、どうぞ。

【古城委員】

あと、10ページのところを見ますと、17年、18年、例えば中国電力だと15%、四国電力だと16%、大幅に値下げしていますが、9ページを見ますと、中国電力も四国電力も託送についての超過利潤が減ってはいません。これは、先ほど北海道電力の例にあったように、コストがものすごく減っているということなのですか。

【片山電力市場整備課長】

今回、非常に大幅に料金が下がっていると見えるところについては、1つは料金改定のタイミングもございます。それからもう一つは、前回の制度改革のときに、ネットワークコストのうち、どこまでを託送料金で回収するのかというところをめぐって、どこからどこまでが電源線なのかというところの議論がございまして、電源線と特定されたものというのは、託送料金の原価から外すということをやっております。おそらくそういうことも影響している可能性があろうかと思います。

いずれにしましても料金改定のタイミングですとか、託送料金そのものの作り方の関係とか、そういったこともいろいろ入った上で、こういったような値下げ率の差につながっているところがあろうかと思っております。

【鶴田委員長】

よろしいですか。

【古城委員】

はい。結構です。

【鶴田委員長】

ほかには、どうぞ。よろしゅうございますでしょうか。古城委員。

【古城委員】

5ページの表を見ますと、中部電力がすごく目立っています。大幅な超過利潤を出していながら、託送料金を下げていないというのは何かもっともな理由があるのでしょうか。多分ないと思いますが、電力会社は、どう説明していいますか。

【片山電力市場整備課長】

超過利潤が発生した理由ということでございますか、17年度、18年度において。

【古城委員】

ええ。超過利潤が発生しているにもかかわらず、値下げが少なかったという理由は。普通ですと、これだけ超過利潤が発生しているのだったら、値下げして修正を図るはずなんですが、図っていません。もっと端的に言いますと、9ページの表は、多分この制度をつくったときに全く想定していなかった事態で、本来、超過利潤はゼロじゃなきゃいけないわけですけれども、これは無理だろうから、電力会社に試行錯誤の機会を与えるというので前のルールができたと思うのです。ですから、例えば、ある年にたくさん超過利潤が発生したら、ちゃんとそのデータを検証して、電力会社が託送料金を修正し、翌年はもっともな数字が出てくると想定していたわけです。そうでないと、毎年毎年、超過利潤が出、送電線への公平アクセスがないということになります。これは電力会社はどう説明をしているんでしょうか。

【片山電力市場整備課長】

中部電力自体は、17年度、18年度、こういうふうに大きく出たということを受けて、先ほどご説明しましたように、10月31日に託送料金の改定を行うという意思表明をしているということで、実績を踏まえて、自主的に超過利潤が出ないように料金改定をやるということを表明しているということでございます。17年度、18年度、こういうふうに大きく出ているということ自体、もともと制度の趣旨からいって、あまり好ましくないというのはご指摘のとおりだと思いますし。ただ、しょせんいろいろ需要要因も変動すれば、費用要因も変動するというところがございますので、多少ぶれることというのはいたし方ないところはあろうかと思いますけれども、あまり大きくぶれないように、できる限り適切な料金設定ということをやっていっていただきたいということだと考えております。

【鶴田委員長】

古城委員、よろしゅうございますか。

【古城委員】

ちょっと意見を、この際ですので。

今回、原案について、現在のルールから見て適切な結論だと思って、賛成しましたけれども、今のままのルールじゃまずいなというのが私の感想です。先ほど申しましたように、託送制度というのは公平アクセスを目標としてつくったわけです。その際、規制料金として託送料金を決めるという考え方もありましたが、そうじゃないやり方をとりましょうということで、現在の仕組みをとって、電力会社が試行錯誤しながら適切に託送料金を設定するのを期待したのであって、こういう数字が出てくるというのは全く予想しなかった。法律家的に言いますと、法律の限度いっぱい一番自分に有利な行動をとるという場合は、それを想定して厳しいルールをつくらなければならないのですけれども、企業が自発的に高いレベルで行動してくれる場合には、あんまり窮屈にならないようにルールをつくる。現在の託送料金ルールは、後者の考え方でこのルールをつくったと思いますが、この結果を見ますと、ルールで一番自分に有利な行動をとるという行動をとっているように思います。

特に中部電力の数字を見ますと、特高からいいますと、2円30銭だとすると、2割も高い料金を2年も取っていますから、中部電力の地区で競争している競争事業者はたまったものではないと思います。白地で見ますと、独禁法上大きな問題になるような事態です。変更命令というのは独禁法と同じような精神でつくっているわけですから、2割も多い託送料金を2年続けて、翌年からもうちょっと減らしますというので、このルールをクリアできるというのは、少し緩過ぎます。この点は、ぜひ直していただきたいと思います。

【片山電力市場整備課長】

若干、補足説明をさせていただきますと、託送料金も二部料金制をとっております。基本料金と従量料金に分かれているものですから、今、平均単価自体は全部ならした数字で申し上げております。したがいまして、若干、費用構造と料金構造というのが完全に一致していないような部分もあるものですから、需要が伸びますと、どうしても超過利潤が出やすいような構造になっているというところもございます。したがいまして、今、申し上げた託送料金というのは、基本料金も従量料金も両方ともならしてキロワットアワー当たりで幾らといったような申し上げ方をしているようなところがございまして、そういう意味で、その数字で単純に2割高い料金設定をしているというものではないというところはお含みおきいただければと思います。

ただ、いずれにしましても、超過利潤がこういうふうに大きく出るということ自体というのは好ましくないということで、ただ、今回、このような変更命令発動基準があるということで、事業者のほうも自発的に対応しているということではないかと思います。

【鶴田委員長】

よろしいですか、古城委員。

【古城委員】

結構です。

【鶴田委員長】

松村委員、どうぞ。

【松村委員】

料金の作り方から、想定したより需要が大きくなれば超過利潤が出てしまうというのはよくわかります。もし可能なら、今後は需要想定の違いによって生じた超過利潤はどれぐらいなのかが、情報として出てくるとありがたい。

需要想定の違いは当然あり得ることなので、各年度に、想定以上に需要が出た結果として超過利潤が出るのはしようがないと思います。しかし、例えば17、18で予想以上の需要のために超過利潤が出て、料金を改定して、19、20、21、22とずっと恒常的に想定需要よりも実際の需要が大きいということになったとすれば、需要を想定する能力に疑いが出てくることになるわけです。多いときもあり、少ないときもありといのが自然な予想外だと思いますが、想定の違いが恒常的に片方のほうに寄っていないかどうかを見られるように、今後、そういうデータもつけていただけると議論しやすいと思います。以上です。

【片山電力市場整備課長】

今、制度改革の中で安定供給をどうやって担保していくのかという中でも、エリアごとの需要想定というのをどういうふうに考えていくかというのは議論になっているかと思います。昨今、一次エネルギー価格が非常に上がって、自家発からの系統電力への回帰ですとか、いろいろな要因が重なってかなり伸びているようなところもあろうかと思いますが、松村委員ご指摘のとおり、恒常的に乖離しているとすると、かなり問題というところもあろうかと思いますので、そういった点も踏まえて、今後考えていきたいと思います。

【鶴田委員長】

よろしいですか。宮崎委員、どうぞ。

【宮崎委員】

基本的には前の方々がおっしゃったことのフォローにすぎないんですけれども、この委員会は、今あるルールをどう適用するかということが使命だと理解しておりますので、今回のこのルールのもとでは、お示しいただいた結論については特に異議はなくて、問題はないのかなと思いますが、ずっと聞いていて思ったのは、皆さん幾つかご指摘もございましたけれども、結局こういう超過利潤が出る要因のようなものとか、非常に複雑な関数なんだろうと素人的には思います。けれども、さはさりながら、ここで出ている意見というのは、結局、ルール自体がどうなのかねというような意見ばかりが続いているような気もいたしまして、ということは、結局、ルールのあり方を模索するための材料に今の適用の対象となっている事実関係を分析していくということが、きっと一番やるべきことなのかなと、感想ですけれども思いました。ですから、今このルールを適用するという場面においては特段問題はないとしても、それで満足してはいけないのだなということでございます。

【鶴田委員長】

たまたま先ほど課長がおっしゃられましたように、今、ワーキンググループでこの制度を見直そうという議論はしておりまして、その見直そうという議論は、今の制度では必ずしも十分ではないだろうということが前提になっていると思います。

大日方委員、どうぞ。

【大日方委員】

3点ほど、感想というか、意見も含めてなんですが、まず、変更命令を発動するかどうか、フローチャートの下から2番目になるんでしょうか、料金改定を実施する旨の意思表明があるか否かということで、2社について公表されているので、今回はいいのではないかということになっていて、11ページ、これはホームページのやつをほぼそのまま出していると思うんですが、改定の意思を表明すれば、内容については問わないということになっているので、ですから、そこは現行制度の多少緩いところであるんですが、私は何に着目しているかというと、原価算定期間なんですけれども、現行制度をつくったときに、原価算定期間は特定しないということになっているんですが、それはどうしてかというと、設備投資をして回収するということを考えたら、あまり短いのを強制するのはどうかという意見が一方であったわけです。もう一方では、競争を促進して、どんどん値下げをしてもらうためには短いほうがいいのではないか。そのほうが結果が出て、是正行動が早く出るという両論があったんですが、結果的にはどちらとも決着がつかないので、特定しないと。ただし、そこでは競争しているんだから、普通、常識的には1年でしょうねという話ではあったわけです。

ところが、先ほど古城先生もおっしゃった点ではありますが、仮にですが、2年を超える原価算定期間をとっていると、2年連続で同じことが出てもしようがないというか、それを許容するような仕組みに現在なっていて、必ず1年で是正するということになっていないんですね。ですから、仮に1年目に予想が外れちゃっても、原価計算期間が2年あると、そのまま同じことが直さないまま繰り返されちゃうということ。当然、途中で自主的にやめるのは自由なんですけれども、そこの辺が多少気になっていて、11ページのやつを見ると、北陸電力については原価算定期間を特定していないので、この2年間の経験が将来生かされるのかどうかよくわからないという不安部分もあって、ただし、内容には立ち入らないというルールなので、これで結論は賛成なんですけれども、その点、現行制度ももちろんのこと、今後も考えていただきたいんですが、会計の収支計算を使って、事後モニターから是正行動を促していくと。ある一定水準を超えたら変更命令を出すというときに、原価計算期間を今のように任意のままでいいのかどうかなんです。

どうも各先生方のご意見を聞いていると、常識的には1年だとずっと思っていて、ところが、実態はほんとうに1年なのかわからないんですが、その辺を制度上、ある程度規制することが可能か否か。あるいは従来どおり自由にやっていって、ちょっと常識とは反するのかもしれませんが、1年ごとの改定行動を期待しない。原価計算期間が終わったら各社が自主的に改定するということを望むのかという点は、相変わらず論点として残っているという印象なんです。引き続き言ってしまったのであれなんですが、原価計算期間の問題というのは、今回もそうですし、古城先生の疑問に対する1つのお答えと、それから将来の課題という意味で、意見を述べさせていただきました。

【鶴田委員長】

おっしゃるように、確かに中部電力さんのように、17年度でかなり大きな超過利潤が出て、それから18年度でも大きな超過利潤が出ていますから、しかも、値下げ表明がことしの10月31日ですよね。常識的に考えると、18年度に大きな超過利潤が発生しそうだということは多分わっていたと思いますから、もう少し早い時期にステーツメントを発表できなかったかという気持ちは私にもあります。それは今の委員の皆様のご議論と関係があるのかもしれませんけれども、それは次期制度改革で改善されると私は期待しております。ただ、現行制度のように2年がいいのかどうか否かについては、また議論の余地があると思います。例えば景気変動で需要が伸びるのを、単年度ごとで超過利潤が出た、出ないとか、そういう議論をすることが果たして合理的かどうかという考え方が他方ではあるだろうと思います。理念的に考えますと、例えば景気循環サイクルを見ると、経済学で言うキチンサイクルが3年と一番短いんですけれども、設備投資循環だったらもう少し長くとるとか、いろいろな考え方としてはあると思います。それをどういうふうに次期制度改革で改善していくかというのが、1つのポイントになっているのだと私は思います。

ほかにご意見ございませんでしょうか。

もしご意見がないようでしたら、今までの事務局のご報告どおりの対応でよろしいかどうか、確認させていただきたいと思います。よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【鶴田委員長】

ありがとうございました。

それでは、託送供給約款の変更命令発動の要否についての検討結果につきましては、ただいまの事務局の報告どおり対応させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

それでは、引き続き、次の議題に移りたいと思います。

現在、電気事業制度改革につきましては、電気事業分科会及び制度改革ワーキンググループで審議が行われております。当小委員会は、制度改革そのものを審議する場ではございませんけれども、新たな制度が施行された後は、当小委員会で、その施行状況を監視していくことになっております。

つきましては、これまでの審議状況について、事務局よりご紹介いただきたいと思います。これはあくまでまだ分科会で正式に報告して、審議いただいたものではございませんけれども、途中経過を報告させていただきます。どうぞ。

【片山電力市場整備課長】

お手元の資料4をごらんいただければと思います。

この資料4自体は、これまで電気事業分科会のもとで制度改革ワーキンググループというのを設置いたしまして、そこで6月以降、ずっと審議をしております。その中身を事務局の責任で、今どういうふうになっているのかという状況を整理した紙でございます。

制度改革ワーキンググループの審議事項として、ここに書いてございますように、電力市場における競争環境・需要家選択肢をめぐる具体的な論点の検討、制度設定。それから電力の安定供給をめぐる具体的な論点の検討、制度設計。電力分野の環境適合をめぐる具体的な論点の検討、制度設定というのがミッションになっております。

審議状況でございますが、大きく前半と後半と2つに分かれておりまして、第1回、第2回の2回は、家庭部門も含めた小売自由化範囲の拡大に係る検討というのを行いました。第1回目では、事務局から現在の自由化範囲における需要家の選択肢の確保状況、それから、自由化範囲の拡大が電気事業者の企業行動に与える影響というものについて説明をいたしました。また、同時に、小売全面自由化に伴う費用便益分析の推計結果について、日本エネルギー経済研究所の小笠原主任研究員から報告をいただいて、定量的な分析にも基づいて、自由化範囲の拡大について議論をしたわけでございます。

第2回におきまして、自由化範囲の拡大に係る検討結果ということをワーキングとして取りまとめたわけでございますが、中身としては、自由化範囲の拡大は、現時点では見送ることについて合意ということで、自由化範囲の拡大をしたとしても、便益が費用を上回ることはないんじゃないか、その可能性が高いということが、自由化範囲の拡大を今の時点では見送るということの最大のポイントだったということでございます。

したがって、まずは今の自由化範囲における需要家選択肢を確保するため、競争環境整備に資する制度改革を検討すべきだということをワーキングとしてまとめて、分科会に報告をいたしました。

また、全面自由化について、もうやらないという選択をするのかどうかという点につきましては、今議論している制度改革の実施後、定期的に改革の効果につき検証を行うとともに、一定期間経過後には、需要家選択肢の確保状況等につき再度検証を行って、その結果を踏まえて、自由化範囲の拡大につき改めて検討を行うべきだということをワーキングとして確認しております。

この検討結果について、7月30日に開かれました電気事業分科会に報告をして、了承されているということでございます。

その後、電気事業分科会では、9月3日に安定供給、環境適合をめぐる議論をいたしまして、その後、9月の下旬から制度改革ワーキングを再開いたしまして、その後、4回ワーキングを開催しております。

まず、第3回の9月に開きましたワーキングでは、一番初めに発電・卸電力市場の競争環境整備というのを議題に取り上げております。ここでは、まず卸電力取引所の取引活性化策というのを早急に検討すべきだということで、中身としては取引メニューの充実、発電事業者の事業リスクの低減、取引量の増加のための措置の必要性ということが盛り込まれなければならないということについて、おおむね合意をしております。

また、卸電力取引所における取引に係る市場監視の徹底、卸電力取引所のガバナンスの改善ということも重要だということについても、ワーキングにおいておおむね合意がとれております。

以上を踏まえまして、引き続き以下の事項について検討を行うこととなったとしておりますが、まず初めに、卸電力取引所における具体的な活性化策の中身として、先渡取引の活性化手法、それから時間前市場創設の検討、取引ルールの改善、中身としてはインバランスの求償ルール、通告変更手続などでございます。それから、取引量増加に向けた目標設定と手段の検討、それから、市場監視の具体的なあり方、取引所のガバナンスのあり方といったようなものについて、引き続き検討を行うことになっております。

また、この回は日本卸電力取引所の菅野理事長がオブザーバーとして参加をされておりまして、取引所における取引活性化に向けた取り組み状況等について、ご報告をいただいているということでございまして、取引所における非常に実務的な取引活性化に向けた改善の検討というのは、ワーキングでもウオッチをしていきますけれども、取引所の中においても具体的に検討していってほしいといったようなことになっております。

それから、第4回、10月15日に開催をいたしましたワーキングでは、送電・系統運用部門の公平性担保のための方策ということで、同時同量・インバランスにつきまして議論を行っております。この中におきましては、インバランス料金の見直し、インバランスに係る事業リスクの低減策について、おおむね以下のような合意がなされております。

まず、インバランス料金の見直しにつきましては、運転予備力という一般電気事業者の送電部門が系統エリアの信頼度維持のために確保しなければいけない供給力がございますが、それに相当する供給力のコストを、一般電気事業者が系統エリアのインバランス管理のために要するコストととらえて、一般電気事業者とPPSとが公平に負担する形で料金設定を行うということ。それから、PPS・発電事業者にとって、参入阻害的とならない価格、あるいはPPSの同時同量達成に係るモラルハザード防止等の視点を考慮して、変動範囲外インバランス料金を変動範囲内インバランス料金のX倍と設定してはどうかと。このX倍の中身については、今後検討ということでございます。

それから、インバランスに係る事業リスクの低減策といたしましては、バランシング・グループの活用容易化、発電事業者の発電不調時の調整容易化、余剰電力の買取料金水準のあり方といったようなことについて検討していくということが、おおむね合意されております。

また、引き続き残った論点としては、具体的なインバランス料金の設定のあり方として、水準をどのように置いていくのか。その際、参入阻害とならない水準、モラルハザードの防止、それから卸電力取引所の特にスポット価格との裁定の問題といったようなことを考えながら、料金設定をしていかなきゃいけないんじゃないかということでございます。

また、一般電気事業者におけるインバランス料金に係る収支の作成というのをどういうふうにやっていくのかといったようなこと。

3番目に、時間前市場を創設する場合の市場参加者ニーズへの適切な対応、あるいは系統運用への影響、費用対効果といったような点を踏まえて、時間前市場をどういうふうに制度設計していくのかといったようなこと。

4番目に、新規参入者に対する変動範囲外インバランスの裾切り値設定のあり方といったようなことが、引き続き検討課題になっております。

この同時同量インバランスのところをこういうふうに書くと、なかなか項目がぶつ切りになっているんですけれども、改革の思想としては、今の実同時同量制度というのを前提にしながら、系統運用部門がその利用者に対して公平に、それをどういうふうに取り扱っていくのかということにイコールフッティングという観点から、料金もつくる、インバランス料金に関する収支もつくる、あるいは今の実同時同量制度が抱えている問題点というのを改善していくといったような方向性で、議論をしているということではないかと考えております。

それから、第5回、10月25日に開催されましたワーキングでは、託送料金制度の見直しというのが議論をされております。まさしく今、委員各位からいろいろご指摘をいただいたような点も含まれております。この中では、まず変更命令発動基準の見直し、超過利潤の使途の明確化、送配電部門収支計算書への当期純利益計算の導入、託送供給料金の需要種間での公平性担保の必要性といったことについて、おおむね合意がなされております。

このうち、変更命令発動基準の見直しにつきましては、超過利潤の累積額管理の導入と。この超過利潤の累積額が一定水準を超えた際に、変更命令を発動するというやり方にしてはどうかということでございます。これは、今日ご審議いただいたように、今の基準は毎年度毎年度のフローに着目をして、それが2年連続すれば、変更命令発動するという考え方になっております。大日方委員からご指摘がありましたように、今、実態上、原価算定期間が1年になっておりますので、ある意味で算定期間の後というのは非常に振れやすくなっているということでございます。このストック管理の考え方は、原価算定期間を無理やり何年と長くするということではなくて、ある意味、原価算定期間が1年であるということを前提にしながら、諸要因で動きやすい超過利潤の額というものを累積額管理していくことで、ある程度、原価算定期間を長くとったか、平均して超過利潤ないし欠損というのを見ていくといったような考え方に変えてはどうかということでございます。

それから、あわせまして、超過利潤の使途の明確化ということで、超過利潤の還元ルールの導入ということをここでうたっております。今ご説明を前段部分でしましたように、超過利潤というのがかなり発生しているわけでございますが、今のルールでありますと、超過利潤というのは効率化インセンティブということで、一般電気事業者が正当に留保をするということになっています。この超過利潤を託送制度の利用者に還元するという考え方はないわけでございます。ここにつきまして、還元ルールというのを入れてはどうかということでございまして、2つのやり方がございます。

1つは、事業報酬の算定時に、超過利潤の累積額については無利息の設備投資資金だということで、レートベースから控除をするということをしてはどうかというのが1点でございます。

もう一点は、一定の水準を超えた額について、料金の値下げにより還元をしていくということを考えてはどうかという2点を提言しているところでございます。

この点につきまして、(2)でございますが、引き続き検討ということになっておりますのが、変更命令発動基準のストック管理方式の詳細設計ということで、一定の水準をどういうふうに決めるのかということでございます。このワーキングで事務局がご提案をいたしましたのは、例えばということで、送配電部門の期末のストックに事業報酬率を掛けた額、つまり、ある意味で1年分の事業報酬額に相当するようなものでございますけれども、それを一定水準と置いてはどうかと。期末の帳簿価格ですので、毎年それは変動いたします。例えば、送配電部門が設備投資をどんどんやらなければいけないようなときというのは、期末の帳簿価格も増えていくでしょうから、一定水準というのは当然、そういう設備投資のサイクルに応じて増えていく。あるいは、送配電部門が投資をしていないときというのは、償却が進むことによって、期末の帳簿価格が下がってくるということで、一定水準も下がってくる。そういう設備投資のサイクルと一定水準を連動させることによって、投資のインセンティブ、少なくともディスインセンティブは与えないことをしてはどうかといったようなことを事務局から提案をしたところでございます。具体的にそれでいいのかどうかというのは、もう少し詳細に検討しようということで、検討課題が残っているところでございます。

2番目といたしまして、超過利潤の還元ルールの詳細設計ということでございまして、超過利潤を還元するルールというのを具体的にどういうふうに料金制度の中で位置づけていくのかというところについて、引き続き詳細な議論をする必要があるということになっております。

3番目に託送供給料金の需要種間での公平性の担保の手法というところでございまして、実はこのワーキングの中でも、その後にありますように、関西電力の川崎オブザーバーのほうから、需要種別の料金格差、これは種としてPPS側からいろいろ問題が提起されているところでございますが、それについて一般電気事業者としての考え方というもののプレゼンテーションがございました。ワーキングでもかなりいろいろなやりとりがございまして、それを受けて、具体的にどういうような公平性の担保のあり方があるのかということを引き続き議論していこうということになっております。

それから、第6回、これは先週11月1日に開催をされておりまして、安定供給と環境適合というのをテーマに議論しております。この中で、広域流通を通じた安定供給確保の観点から、連係線の整備に係る検討プロセス、中立機関ルールの中に連係線の整備プロセスというのが規定されておりますけれども、そこに広域流通を通じた安定供給確保という視点を加えたプロセスを新たに追加してはどうかということ。

それから、先ほども松村委員からご指摘がございましたけれども、全国及び供給区域ごとの需給状況を把握し、公表するということを的確に行うような整備をしていくべきだといったようなこと。

3番目に、これは環境でございますが、温暖化対策への努力を促す透明な制度的枠組みの構築を考えていくべきではないかということ。これは今、一般電気事業者も、あるいは大どころのPPSも、地球温暖化対策ということで自主行動計画をつくっております。また、個別の電気事業者ごとの平均的なCOの排出係数というものを国が公表するという仕組みもございます。こういったことを通じて、電気事業者トータルでCOの発生を抑制していこうという取り組み、あるいは各電気事業者の個別の排出係数の公表を通じて、いわば需要家のほうが、よりCOの排出係数の少ない事業者を選択する誘因を与えるような仕組みというのができ上がっておりまして、この間をつなぐものとして、透明な、各事業者がどれだけCOを出す、出さないというのが競争にも影響を与えるような状況になってきておりますので、そういう事業者間の取引というのを透明な形で行えるような仕組みをつくっていってはどうかということでございます。こういったことについて、おおむね意見が一致したということでございます。

残っている論点として、先ほど申し上げました中立機関に、広域流通を通じた安定供給に関する調整プロセスを設け、同時に調整プロセス開始の要件等を具体的にどういうふうに規定していくのか、それから、供給区域ごとの需要、PPSの自社需要に対する供給力の確保状況の具体的な把握方法、それから、中立機関における供給信頼度評価の充実方法といったようなこと。最後に、温暖化対策のための卸電力取引所における京都メカニズムクレジットの取引と、実験的な取り組みとしてのCOフリー電気の取引といったようなことについて検討していってはどうかと。これが引き続き検討を行うべき課題だとされたというところでございます。

以上、4回のワーキングでの検討結果というものを、今度、11月15日に電気事業分科会と制度改革ワーキングの合同開催ということで、全体で検討状況を報告して、ご議論をいただいて、大きな方向性が決まった後、また、制度改革ワーキンググループのほうで残された論点を詰め、12月14日の分科会でワーキングの検討結果というのを報告して、そこでご審議いただくといったような全体の流れになっているというところでございます。

以上でございます。

【鶴田委員長】

ありがとうございました。

第3回が9月27日で、第6回が11月1日ですから、ほぼ1カ月に4回やっている計算で、毎週1回ずつワーキンググループを行っています。事務局も大変だっただろうと思っておりますが、ただいまの事務局のご説明を受けまして、ご質問等々ございましたら、どうぞご自由に札を立てていただきたいと思います。糸田委員どうぞ。

【糸田委員】

ご報告どうもありがとうございました。

実は場外で、こういうご報告がこの小委員会の場であってもいいんじゃないかと申し上げたら、早速ご報告いただいて、ありがたい限りです。

ちょっと一般論的な話から申し上げて恐縮なんですけれども、この監視小委員会なんですけれども、私、第1回の会合のときに申し上げたんですが、ここで取り上げる紛争とか苦情というのが、必ずしも電気事業法マターばかりに限らない。場合によっては独占禁止法の問題とか、その他の問題があってもいいのではないかと申し上げて、何となくご賛同いただいたような気がするんです。

そういった観点から申し上げますと、この監視小委員会で具体的に結論を出して、こうすべきだ、こうあるべきだというところまで行くかどうかは、テーマによって違いますから別としましても、電力の自由化、それによる新規参入の促進、それは競争促進のためにするわけなんですけれども、そういった観点からの問題点、それが即紛争であったり、苦情であったりするんだろうと思いますけれども、それを幅広く取り上げてもいいんじゃないか。そんな感じがしてしようがないわけなんです。前回、今回はたまたま託送料についての変更命令の可否というようなことですけれども、それ以外にもいろいろあるんじゃないかという気がするんですね。

独禁法の世界では、プライス・スクイーズという問題があって、まさに電力なんていうのはそれに当てはまる可能性があるんですけれども、既存の事業者と新規参入してきた事業者とが、末端のユーザーとの取引で大いに競争する。しかし、新規に入ってきた事業者というのは、既存の事業者にいろいろ便益を受けたりしなければならん。託送というのはまさにそうなわけなんですけれども、そのときに託送料金が末端の競争に対しても非常に影響する。だから、託送料金に非常に関心を持たなければならんのだということで、きょうもこういったテーマで取り上げていると思うんですけれども、もしそうだとしたら、託送料金に限らず、さっきご説明のあったインバランス料金、これの当、不当ということも当然取り上げるべきじゃないか。場合によっては、これは対象になるかどうかわからないんですけれども、変更命令ぐらいを考えてもいいんじゃないかという問題とか、あるいは、常時バックアップの話だって、言ってみれば競争者から電力を仕入れて小売りをする。そのときに、既存の事業者と対等な立場でほんとうに競争できるのかというような観点からの問題もあるだろうと思います。そんなふうに実効性のある新規参入を促進するという観点からのいろいろな問題を、制度論はこういったところで取り上げてご検討いただいていると非常にありがたいことだと思うんですけれども、我が監視小委員会においても、自由にフリートーキングしてもいいのではないかなという気がするということが第1点なんです。

もう一点は、紛争だ、苦情だということが問題になるわけなんですけれども、事柄の性質上、言ってみれば、既存の事業者と新規参入してきた事業者との間では、企業規模から言っても何から言っても非常に格差があるわけですけれども、そういったことからすれば、なかなか苦情とか紛争というのは目に見える格好で上がってこないおそれというのが多分にあるんですね。似ていて、あるいは違うかもしれませんけれども、下請取引みたいなのはまさにそういったことなんですけれども、もしそうだとすると、こういった苦情とか紛争というのを言ってくるのを待つということだけではなくて、言ってきやすくする、あるいは言ってきにくかったら何かボーリングをして、どういったところに新規業者というのは不平不満を持っているんだろうか、こういったことを探って、その原因は何なのか、手をつけなければいかん点があるとしたら何なのかというようなことも考えていかなければいけないんじゃないかなと思いまして、余計なことをいろいろ申し上げているんですけれども、そういった意味で、この監視小委員会も自由闊達な議論というのがあってもいいんじゃないかなと思うんです。

すみません。最後と言いながら、もうちょっとだけつけ加えたいんですけれども、このワーキンググループでいろいろ検討されているというご努力をもちろん多とする、そういった上での話なんですけれども、まだもう一つ、二つ抜けていると思うのは、卸電力取引所の活性化、これはごく前のほうに第3回目か何かにちょっと書いてありますけれども、これはほんとうに真剣に考えなければいけない問題ではないかなという話とか、これは出てこないんですけれども、既存の一般電気事業者の地域外取引の促進というようなことを検討しなければいけないんじゃないかとか、あるいはもっと言えば、自由化が進んで7年かそこらたつわけですけれども、例えば独占禁止法の観点から見た自由化についての評価みたいな、そういうようなテーマもあってもいいんじゃないかなと思っています。最後に申し上げたことは勝手な感想でございます。以上です。

【鶴田委員長】

ほかの方でご議論がございましたら、どうぞおっしゃってください。一応、糸田委員のご指摘は全部議論が出たところで改めて議論したいと思いますが、いかがでございましょう。大日方委員、どうぞ。

【大日方委員】

私はワーキングにも出ているので、きょうは監視側の立場で発言させていただきたいと思うんですが、託送料金制度についての話なんですが、料金が原価と事業報酬と、結果なんですが超過利潤という3つから構成、事前には超過利潤はないんですが、事後構成されているとして、超過利潤はなくす方向でという形で、これは自由化以来、ずっと行われていて、なくす方策として今回、改正というのがあると思うんですね。ここは私は異論がないんですが、事業報酬と原価について、競争状態と同じような方向へ近づけるようなメカニズムを働かせることができるのかと。結果として生じてしまった超過利潤はないというのは競争上では近いんですけれども、残された2つについて、多少意見というか、監視の側から意見を言わせていただくと、まず事業報酬率が全社一本でいいのかどうか。送配電と発電で事業報酬率、格差があるべきや否やとかいう議論をどこまでやっていいのかわからないんですが、せっかく会計分離をしていると言いながら、同じ事業報酬率というのは趣旨が徹底されていないような気もしなくもないと。当期純利益の段階まで分別して出すということを言っていますから、事業報酬率を変えるというのも手だし、その変え方ですよね。格差のつけ方が1つ。

それから、原価削減インセンティブについては、従来は料金引き下げが自動的に原価削減インセンティブになるとか、あるいは利潤留保動機が原価引き下げインセンティブになると考えてきたわけで、今回、制度改正によって、超過利潤は還元ルールによってなくなるというところに落ちついたわけです。そうすると、原価削減インセンティブがどこに残っているかというと、若干難しい。結構薄まった感じもあるわけです。2年7%というのは外しますので、3つに分けたときに、超過利潤問題、事業報酬問題、原価といったときに、事業報酬と原価について、もう少し競争していた状態に近づけるような規制メカニズムの構想というのは、今やれというわけではないんですが、どうなのかなという感想を持っています。

【鶴田委員長】

何かいいアイデアがありますか。おっしゃることはよくわかりますが。

【大日方委員】

事業報酬率については、今は7対3ですか。借り入れ分については多分長期債、有利子の借入利率で、自己資本については、全産業のROEになっていると思うんですけれども、比較的リスクが低いものについて、全産業のROE平均のまま使うというのは、かなり問題があるんじゃないかという気がしているわけです。かつ、完全に独占しているので、多少硬直的かなというのがありまして、どうあったらいいのかわかりませんが、少なくともあまりリスクの高い産業を含めないROEで何か指標があれば、それを使うなり、あるいは極端なのは、借入利子率相当分しか見ないというのも、極端な例ですが、ほぼ事業債相当しか事業報酬を認めないというのも1つのアイデアなのかもしれません。

原価節約というのは現在、私、ノーアイデアでして、これはずっと始まって以来、どうやったら効率化インセンティブを働かせるか、特に会計を使うというのはかなり限界があるような気がしているのも事実です。

【鶴田委員長】

一応承らせていただいて、大日方委員にもその続きをお考えいただくということにして、ほかにどうぞ、ご自由にご発言いただければと思います。

もしご意見がないようでしたら、最初の糸田委員の問題提起に戻りたいと思います。第1点目が、もう少し自由な討議を小委員会でやったほうがいいよというのが1つと、一般電気事業者とPPSをめぐって、公正な競争が行われているのか否か。苦情、紛争等々が背景にある原因は何だろうかというのが2点目で、3点目は取引所の活性化について、きっちり考えたほうがいいという3点だったと思います。

一応、第3点目の取引所の活性化については、最初の2ページ目に掲載されている第3回のWGで、取引所を中心においてかなり包括的な議論をしております。どなたも取引所の活性化ということについてはやるべきだとおっしゃっていて、具体的に幾つかの提案がなされていますけれども、今度の1つの目玉が時間前市場を創設するということだと思いますし、そういうものができること、あるいは先渡取引の活性化等が行われれば、それ自身として取引所がかなり活性化する可能性はあるわけですが、そういう意味で、この3点目というのは、まさに第3回で主なテーマにしたところでございます。糸田委員の問題意識を第3回で取り上げているということだと思います。

それから、1点目と2点目、これはこの市場監視小委員会のどういうふうなものであったらいいかということに関係があるわけでございますけれども、「市場監視委員会の設置の趣旨及び運営について」というのがお手元にあると思いますけれども、それでこの小委員会の活動が縛られているところはございます。それについて、一言、片山課長からお願いします。

【片山電力市場整備課長】

参考資料1に市場監視小委員会の設置の趣旨、運営というところがございます。基本的には、電気、ガス、それぞれの制度改革の事後監視というのが市場監視小委員会の主たるミッションでございます。少なくとも第1回の市場監視小委員会でご承認をいただいた整理ということでございまして、同じ電気事業分科会都市熱部会で、ほかに制度改革を審議するような場があるものですから、どちらかといいますと、それぞれの審議会のもとにおける小委員会なりワーキングなりの役割分担というのは、ある程度しておいたほうがいいのかなと、事務局としては考えているところでございます。

以上です。

【鶴田委員長】

もう一つ、市場監視に関してですけれども、2ページの第3回目の議論の(2)の(2)のところで、市場監視の具体的なあり方で、ここでも市場監視が出てまいりますけれども、これは取引所の中に市場監視委員会がございまして、そこにおける市場監視のあり方ということです。取引所のほうは、もう少し頻繁に監視委員会が開かれて、取引所の中の取引について、公正な競争が行われているかどうかというのは常時監視しているということで、事務局側がおつくりになったペーパー等々を参考にしながらやっているんだと伺っておりますけれども、その範囲を超えてはなかなかデリケートな問題ですから、その程度にさせていただきますが、こちらの市場監視委員会のほうですと、今、片山課長からご紹介いただきました「市場監視小委員会の設置の趣旨及び運営について」というのに基づいてやることになっておりますものですから、もし糸田委員がご提案のような自由な討議というふうになりますと、インフォーマルな形でしかならないと思います。したがいまして、そういう場を設けたほうがいいのかどうかというのは、そのときのいろいろなイシューによるだろうと私は思います。

【糸田委員】

どうもありがとうございました。私、卸電力取引所について、なお検討が必要じゃないかなと思う点を3つ挙げた、そのうちの1つでありまして、特に卸電力取引所を一生懸命頑張って言っているわけではありませんが、いろいろご説明いただいてありがとうございました。

それから、市場監視小委員会なんですけれども、設置の趣旨、運営、文章の問題を取り上げるつもりは毛頭ないんですけれども、ただ、これを読めば、もうちょっと幅広く議論ができるんじゃないかなという感じがしてしようがないんです。1ページの1の(4)を見ましたら、新しい制度の実施に伴い事業者間紛争の増大が予想される中と、ターゲットはこういったことでもありますから、必ずしも電気事業法上の紛争ということばかりとは言っていないかなと思って、もちろんよくわかるのは、この小委員会で議論をして、そこで何か1つの結論が出て、それが役所を動かすんだという話ではないということも承知の上で申し上げているんですけれども、そんなことがあってもいいのではないかなと。現に私はさっきも申し上げましたけれども、第1回のときに独禁法による紛争だって、ここでやってもいいんじゃないですかという発言をして、特段ご異論がなかったような気がしたものですから、さっきの話になったわけです。どうもありがとうございました。

【鶴田委員長】

この市場監視小委員会でございますけれども、存在していること自身が事業者の行動に対して大きな影響を与えていることは事実だと思います。今まででも私が存じ上げている範囲で、この市場監視委員会の開催に合わせて、事業者がある反応、行動をとったということもございますし、監視委員会は年に1度か2度しか開かれないわけでございますけれども、また取り上げる議題も、糸田委員から見るとご不満な点があるかもしれませんけれども、こういう監視委員会が存在していることが、事業者が公正な行動に厳粛に取り組むという意味で大きな影響を与えているとお考えいただいていいと思います。

この小委員会は資源エネルギー庁の中にある電気事業分科会、都市熱部会のもとに設置されている小委員会でございますから、直接、独占禁止法を基礎とした委員会ではございません。しかし、電事法等々で差別的取引の禁止とか、内部相互補助の禁止とか等々が、法律できっちりと規定されておりますから、かなり独占禁止法の精神と近似しているところがあると私は思っております。したがいまして、独禁法の観点が全くないかというと、そうでもなくて、ただ、私たちの委員会の背景に独占禁止法という法律はございませんけれども、電気事業法のもとでの、あるいはガス事業法のもとでの小委員会でございますから、直接は電事法なりガス事業法の精神を受け継いで、ここでご審議いただくことになります。この2つの法律に差別的取引の禁止等々、独占禁止法の考え方と共有できるような世界がございますから、そういうものを背景としてこの委員会を設置され、開催されているとご認識いただけたらと思います。

念のため申し上げますけれども、ワーキンググループでは、オブザーバーでございますけれども、公正取引委員会の調整課長がご出席になって、色々ご発言いただいておりますから、むしろこのワーキンググループでの議論には、公正取引委員会のお考え方もある程度反映されているとお考えいただいたほうがいいと思います。以前は調整課長が出ていらっしゃらない時も、何年か前でございますけれども、このごろは常時ご出席いただいて、活発に議論をさせていただいているところでございます。

【糸田委員】

ありがとうございました。

【鶴田委員長】

どうぞ。

【宮崎委員】

糸田委員の今のご発言に反応したいと思いますけれども、私自身は抽象的な議論をここでするというようなことが制度そのものについてここの役割だとは全然思っていなかったわけですし、それをすることがここの役割でない以上、それは視野には入っていなかったんだろうと思っている反面、存在することに意義があるというのもそのとおりだと思います。多分、ルールができて、それに不満がある人が紛争を起こして、紛争に対する判断が示されて、その判断の中に基準が明らかになっていくような情報が入っているというのが、多分いい循環なんだろうと思うんですけれども、これは今年で3年目ですか、まだ紛争が俎の上に乗ってきたということがなくて、そこが足りない部分なのかなと。ただ、紛争を起こせというつもりは全くありませんけれども、前回の議論を思い出してみますと、確か表のようなものをお配りになって、エネ庁のほうで把握されているいわばマイナーなものはこんなものがありますよというようなものをお示しいただきましたが、多分、委員である我々のほうからすると、私に関して言えば、そういった情報が別途自然に耳に入ってくるわけでも何でもないので、ああいったものをひょっとしたら議論することというのが、それは紛争として判断を求められる紛争ではないのかもしれませんけれども、こういったところに不満があるという芽のようなものをそこで感じ取って、それに対する反応を示すことになるという意味で、ひょっとしたら意味があるのかなと思わないでもないですね。だから、今のところはまだ歴史が浅いので、紛争に至るものが少ないから、多分、糸田委員のような反応も出てくるのかなと思いますけれども、定着していって、紛争がそれなりにあれば、本来の意義が認められるのかなという気がしております。

【鶴田委員長】

おっしゃることは非常によく理解できますけれども、こちらの資源エネルギー庁のほうに寄せられた紛争の事例等々は1年に一度は整理してご議論いただくことになると思います。しかし、おっしゃったことは非常に難しいなと思いますのは、日本では、なぜか紛争事例をなかなか持ってこないケースが多くて、例えば根岸委員も関係されておりますESCJ、あそこにも紛争処理の枠組みがございまして、そのための委員会もございますけれども、何も上がってこないんです。したがって、協議会でどうしたかというと、もう少し事業者の方々が苦情を言いやすいように相談窓口をつくったんです。最初は相談窓口には結構参りましたけれども、このごろは相談窓口を開いておりますけれども、相談件数も減ってくるとか、おっしゃるようなご期待に沿うようなケースが上がってこないんですね。ある意味では日本社会の特徴なのかもしれませんけれども、おっしゃることはよくわかりますから、上がってきた事例は整理して、委員の方々にお示しするという形をとらなくてはいけないと思います。

【糸田委員】

苦情とか紛争という話は、まさに今、鶴田委員長がおっしゃられたとおり、そう積極的に持ち出すということは困難な社会風土にある感じもしなくもないし、それからさっきちょっと申し上げたとおり、取引関係からいって、弱い者が強い者についてとやかく物を言うということがしにくいところもあるものですから、したがって、じっと待っていて、紛争が来たらそれを検討するということだけではなくて、さっき申し上げたように、もっと積極的に、ほんとうに不平不満はないんだろうかというような観点で仕事を進めるということがあってもいいのではないかなという感じがしたんです。

それもこれも、今さら申し上げるまでもないんですけれども、自由化が進んで7年過ぎて、いまだに新規参入者のマーケットシェアが2%ちょっとだというところはどう考えても異常で、そのあたりについて、まさにこのワーキンググループがそれをやっていらっしゃるんだと思いますけれども、そういった観点で考えると、不平不満みたいなもの、紛争みたいなもののご用聞きではないですけれども、何かないのかというような探りを入れるということも必要かなと思って、さっきから申し上げたところです。以上です。

【鶴田委員長】

ありがとうございます。

実は、表立ってこういう紛争とかというのではありませんけれど、日々、日常的にデイリーな行政と企業の方々のコミュニケーションの中で、いろいろな問題が出てきて、また、分科会等で事業者の方々がかくあって欲しいとのご発言もございますから、これらがこういう制度改正のときに大きな論点として取り上げられているわけです。ですから、今、ご用聞きをとおっしゃいましたけれども、むしろ日常的な行政と事業者との関係の中で改善すべき論点が提起されて、そしてそれをくみ上げて制度改革に反映させているとご理解いただいた方がいいと思います。

例えば2ページ目の第3回の取引ルールの改善、インバランス求償ルールとか、通告変更手続等々、取引所をめぐる活性化の案は、今申し上げたことなどがベースになってこういうふうに論点が形成されていると考えられますし、第4回のインバランス料金の見直しも、企業の方々、事業者の方々は、3%以内の料金以外に、第3段階目の懲罰的な高い料金が設定されておりますが、これについては高過ぎるという苦情が随所にあって、それが背景にあって、新しい制度を見直すべきだという議論につながってきているわけです。託送料金制度等々、事業者からの制度改革の論点の提案は結構あります。したがって、そういうことをくみ上げて、ワーキンググループの論点になっているということはご理解いただきたいと思います。

大日方委員、どうぞ。

【大日方委員】

今、鶴田先生がおっしゃったことを繰り返すことになっちゃうのかもしれませんが、今のシステムは大きな自由化のときに転換をして、それ以前は事前介入だったのが、事後監視と是正というふうになっているので、制度設計の仕事と事後監視の仕事と両輪でセットになっていて、一環としての監視の役割で、紛争裁定機能はないとは言いませんが、大きな柱は規制のときに組み込まれている事後監視是正行動の役割がまず1つなんだろうと思うんです。だからこそ、事前の規制に対するフィードバックというのがあってしかるべきで、そこが分断されちゃうと、両輪として回っていかないんだろうと思うんです。

それが1つと、もう一つは、その点で言うと、最近ちょくちょく話に出てきながら、位置づけが非常に中途半端で、危ない論点ではあるんですが、何かというと、需要種別料金格差なんです。先ほど古城先生もちらっとおっしゃっただけで、あまりしつこくこだわらないのかもしれませんが、一般の人の感覚では、自由化の範囲が需要種別に決まって入ってきているもので、基本的に需要種別の料金格差については、何か、ほどよいかげんというか、おかしいとそれを是正するメカニズムがあるんじゃないかと思っているんですね。実は特にこれといって大きな手だてはなくて、特に需要種別収支計算はやっていませんからないんですけれども、その感覚のずれが、ここだけに限らないんですが、各所に出ていて、多少混乱を招いていると私は思うんですね。

そのときに、その都度、事務当局の方々が説明されるというのもいいんですけれども、多少、一般の制度を知らない人の直感のほうが実は正しいことがあったりすると思うんですが、需要種別の料金格差問題、あるいは会計分離というのか、需要種別原価計算の問題というのは、ずっとくすぶっているんですね。ですから、その点の感覚というか、意見をどう吸い上げるかというのは、私は分科会に出ていないもので発言権はないんですが、鶴田先生はじめ、事務当局の方に、将来に向けて一般の国民に明確に答えられるようにして、それを考えていないというんだったら、考えてないでも構わないですし、こういう方向に向くんだということがあれば説明しやすくなると思うので、これも遠い課題で恐縮なんですけれども、お願いいたします。

【鶴田委員長】

今の論点でございますけれども、私も同じようなことをこの前感じておりました。WGの場で電力さんのご説明に対して、私が異議を申し上げたのはご存じだと思いますけれども、あのやり方ですと、要するに料金水準が決まってそこから発電費を引いたら託送費だよという説明だったですよね。そうではなくて特別高圧と高圧の託送料金の算定はこういうふうになっていますよということを丁寧に説明するのが電力さんの役割だったんじゃないか。それを求められていたと思います。したがって、あそこではこういうペーパーですとミスリードとなるからペーパーはお出しにならないほうがよかったのではないかと申し上げましたけれども、実はその後にインフォーマルでございますけれども電力さんから説明を受けました。参考資料として、詳細な託送料金に到達するための計算プロセス並びに結果についてのご説明を私は承りました。でも、それをどこかの時点で、ワーキンググループで参考資料でも結構ですから出していただいて、ご理解をいただくことは、ご指摘のように非常に大事だと思っています。多分、前からこの分科会にコミットしている方々は、電力さんのご説明を承ったことがあると思うんですが、最近そういう資料が出てこないものですから、どういうプロセスを経て、例えば2円30銭になっていったのか、4円60銭になったのかということがよくわからない点があるものですから、おっしゃるように第三者から見ると不透明な点がございますから、そういう意味の情報開示は必要だなと思っています。どうぞ。

【片山電力市場整備課長】

今の点について言いますと、料金改定時にホームページである程度、どういう過程を経て料金をつくっていくのかというのは、数字入りで各社公表しているかと思います。前回、制度改革を議論しているときに、そのファクトを私は失念しておりまして、ちゃんと答えられなかったんですけれども、そこは第三者が見られるような形で料金算定が行われているということかと思っております。

【鶴田委員長】

よろしゅうございますか。

ほかに何かご意見ございませんでしょうか。

もしございませんようでしたら、時間が参りましたものですから、本日の審議を終わらせていただきたいと存じますけれども、よろしゅうございますでしょうか。

本日はご多用のところ、長時間にわたり、熱心にご審議いただきまして、ほんとうにありがとうございました。

最後に事務局より、次回以降のスケジュールについて、説明をお願いいたします。片山課長、どうぞ。

【片山電力市場整備課長】

今後の予定でございますが、定期報告というのを来年の6月から7月に行いたいと思っておりますので、その段階では必ず開催をさせていただきます。また、ご審議いただく案件が出てまいりましたら、随時、鶴田委員長とご相談しながら、開催をさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。

【鶴田委員長】

どうもありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2007年12月3日
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