経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会市場監視小委員会(第4回) 議事要旨

日時:平成19年11月5日(月)10:00~12:00

場所:経済産業省別館10階各省庁共用1028号会議室

出席者

委員

鶴田委員長、糸田委員、大日方委員、古城委員、根岸委員、松村委員、宮崎委員

事務局

後藤電力・ガス事業部政策課長、 片山電力市場整備課長、山口同課長補佐、 田中同課長補佐、須藤監査室長、箱崎電力・ガス専門官

議事概要

  • 開会
  • 片山電力市場整備課長から資料3~4について説明
  • 質疑応答
  • 閉会

資料3(送配電部門の超過利潤等実績を踏まえた託送供給約款への変更命令発動の要否について(平成17・18年度実績))について説明

質疑応答

  • 9ページの超過利潤の平均単価のもとになっているのは送電料金か。

    →この平均単価は全流通需要を分母にしている。

  • 託送料金はどれくらいか。例えば中部電力ではどうか。

    →特別高圧だと2円30銭/kwh弱というところ。

  • トリガー要件の超過利潤・欠損の前提となる料金原価について、事業者の効率化努力は折り込まれていると考えてよいか。

    →現在の託送料金規制の仕組みについては事前認可制では無く、料金を決める段階で規制当局がその料金を査定することをやっておらず、事業者が自主的に届け出るという仕組み。事後の規制については、託送料金規制が導入されて以降、超過利潤という適正に認められた事業報酬額を上回って利潤が発生しているという点に着目して変更命令するということになっている。従って、あらかじめ規制当局と約束した原価があって、それについて事業者が効率化努力をして儲けた部分を特定するというプロセスというのは料金規制に盛り込まれていない。効率化努力とか、単に想定よりも需要が伸びたから出ているのかを区別せず超過利潤そのものに着目して規制するというのが今の仕組みである。

  • 現在の仕組みについてはそれで結構。それを改正することは難しいのか。

    →現在、電気事業制度改革の議論の中で、託送料金規制のあり方についても改革のテーブルにのっており、その中で効率化インセンティブについても指摘をいただいているところ。

  • 中部電力の特別高圧の託送料金が2円30銭/kwhということだったが、高圧はいくらか。

    →4円50銭/kwhくらい。

  • 気になるのが、収支計算がトータルで帳尻あっていればその中で特別高圧と高圧で任意に料金格差を設けることができることについて、前回の小委員会では変更命令を出す際にはこの格差も考慮するという事だったが、それ以前の問題として変更命令発動の要否に係る判断の中でもこの格差を考慮事項とした方が良いのではないか。

    →特別高圧と高圧の託送料金については、料金算定規則で費用の配分方法を定めており、恣意的に決められているのではない。特別高圧と高圧の託送料金の公平性については制度改革の中で課題となっており、後ほど紹介する。

  • 10ページの表によると、中国電力と四国電力は大幅値下げを行っている一方で、9ページをみると中国電力、四国電力とも超過利潤はそれほど減っていないが、これはコストが大幅に減っているということか。

    →今回大幅に料金が下がっている要因として、一つは料金改定のタイミングがある。もう一つは前回の制度改革の時に、ネットワークコストのうちどこまでを託送料金で回収するか、どこからどこまでが電源線なのかという議論があり、電源線として特定されたものは託送料金の原価からはずすといったことをしているが、その点も影響していると思われる。いずれにしても料金改定のタイミングや託送料金そのものの作り方等色々あった上で、このような値下げ率になったと思われる。

  • 5ページの表を見ると中部電力は、大幅な超過利潤が発生しているにもかかわらず値下げが少ない。値下げが少ない理由はあるのか。本来超過利潤はゼロでなければならないが、それは無理であるから電力会社に試行錯誤の機会を与える意味でこの制度ができていると思われる。例えばある年にたくさん超過利潤が発生したら、きちんとデータを検証して修正して翌年は妥当な数字が出るという努力の跡が必ずあるわけだが、毎年超過利潤が出ているということは送電線の公平なアクセスが無いということであり、適切ではない結果だと思う。中部電力のケースは差別的な事をやっていると思う。

    →中部電力については、10月31日に託送料金の改定を自主的に意思表明している。17年度、18年度で超過利潤が大きく出ていることについては制度の趣旨からあまり好ましくないということはご指摘のとおり。多少のブレはしょうがないが、大きなブレを生じないように適切な料金設定をやって頂きたいと考えている。

  • 今回の結論については賛成。ただ今のルールのままではまずいと思う。託送制度は公平なアクセスを目的としてつくられたものであるが、こういう数字が出ることは全く予想していなかった。法律家の目から見ると、法律規制のあり方として、法律を守って一番自分に有利な行動をとるという行動様式を想定する場合、厳しいルール設定を行うことになるが、自ら進んで倫理的に行動するという行動様式を想定するとあまり窮屈なルールにならないという二通りが考えられる。今回のルールは後者の考え方に基づいていると思われるが、この結果を見ると、一般電気事業者は自分に有利な行動をとっていると思う。特に中部電力の数字を見ると、特別高圧2円30銭/kwhだとすると2割も高い料金となっており、中部地区の競争事業者への影響は小さくないはずで、独占禁止法的観点からも問題が生じうる。2割高い料金を2年続けているのは不適切。是非直してもらいたい。

    →補足説明すると、託送料金は基本料金と従量料金の二部料金制をとっている。平均単価はならした数字となっている。従って、需要が伸びると従量料金収入が増えて超過利潤が出やすくなるという構造になっている。基本料金と従量料金の両方をならして平均単価を算出しているので、単純に2割高い料金設定をしているわけではない。いずれにしても超過利潤が大きく出るということは好ましくないが、このような変更命令発動基準があるということで、事業者も自発的に対応していくことと思われる。

  • 需要想定の違いによって生じた超過利潤は大体どれくらいか。恒常的に想定需要よりも大きな数字となるのであれば需要想定能力自体に問題あると思われる。可能であればそういうデータも今後はつけてもらいたい。

    →エリア毎の需要予測は、現在の制度改革の中の安定供給をどう担保するのかという中でも議論している。昨今、一次エネルギー価格が非常に上がり、自家発から系統電力への回帰など色々な要因が重なっているところもある。恒常的な乖離は問題がある。今後考えたい。

  • 結論には異議なし。ルール自体がどうなのかという意見が多く出ているが、当小委員会のミッションとして、まずは現行のルールを前提として事実関係を分析することがやるべき事だと思う。
  • 制度改革WGで制度見直しの議論をしているところである。
  • 原価算定期間については、現行制度を作ったときに議論があり、その結論として、算定規則上特には規定しないが通常想定することになる期間としては1年になるであろうという話ではあったと記憶している。一方、仮に2年を超える原価算定期間を想定しているとすると、1年目に予想がはずれていても、2年目以降も同じ事が繰り返されるということは気になる点である。11ページの北陸電力については原価算定期間を特定していないが、この2年間の経験を活かして料金改定をして頂きたい。今回の結論については賛成だが、制度として原価算定期間を想定しないままでいいのかという点では、相変わらず論点として残っているという印象がある。
  • 中部電力のように17年度、18年度に大きな超過利潤が発生したにも関わらず、値下げ表明が今年の10月となった。常識的に考えると18年度に大きな超過利潤が発生したということはたぶんわかるはず。もう少し早い時期に意思表明すべきと思われる。現行の2年間については議論があるところでもあり、今回の制度改革等で改善されるものと理解している。
  • 変更命令発動の要否については事務局の報告どおりの対応でよろしいか。

    各委員(異議なし)

  • 託送供給約款の変更命令発動の要否については、事務局の報告通りとする。

資料4(電気事業制度改革に係る審議の状況)について説明

質疑応答

  • 市場監視小委員会でとりあげる紛争案件については、電気事業法関連に限らず独占禁止法関連も取り上げたらどうか。また、必ずしも紛争・苦情といった市場監視に係るトピックに審議事項を限定せず、電力自由化、新規参入の促進という観点からの問題点を幅広く取り上げた方がいいのではないか。例えば、託送料金に限らずインバランス料金の妥当性など、実効性のある新規参入を促進するという観点からのいろんな問題をとりあげ、フリートークにしてもいいのではないか。紛争・苦情というのは目に見えないものが多分にある。紛争・苦情を待つだけではなく、苦情・紛争を言いやすい環境をつくる、新規参入者の不満を探るといったことも考える必要があるのでは無いか。そういう意味でこの委員会で自由闊達な議論があってもいいのではないか。WGについては、卸取引所の活性化については真剣に考えるべき。一般電気事業者の地域外取引の促進を検討すべき。独占禁止法の観点から見た自由化についての評価についてもWGでテーマとしてあってもいいのではないか。
  • この意見については後ほど答える。
  • 料金は事後的にみて、原価と事業報酬と超過利潤の3つから構成されている。超過利潤をなくす方策として今回の制度改正があるが、事業報酬と原価について競争状態に近づけるようなメカニズムを働かせることはできるか。結果として超過利潤が無いということは競争状態に近いということであるが、残された2つについて監視の立場から言わせてもらうと、まず事業報酬率は全社一本でいいのか。送配電と発電で事業報酬率に格差があってもいいのではないか。せっかく会計分離をやっているといいながら同じ事業報酬率というのは、趣旨が徹底されていないという気がする。原価削減インセンティブについては、従来は、2年7%基準が原価削減行動につながっていたわけだが、今回制度改正によって、超過利潤の一部還元ルールを導入することで2年7%ルールは無くなるということで落ち着いた。そうすると原価削減インセンティブはどこに残っているかということだが、若干難しい。超過利潤問題、事業報酬問題、原価といったときに、事業報酬と原価についてもう少し競争している状態に近づけるような規制メカニズムの構想というのはどうなのか。
  • 良いアイディアがあるか。
  • 事業報酬率について、自己資本については全産業のROE平均を使っているが、比較的リスクの低い送配電部門について、全産業のROE平均を使うというのは、かなり問題があるのではないか。具体的なアイディアは浮かばないが、少なくともあまりリスクの高い産業を含めないROEといった指標があればそれを使うなりしたらどうか。原価節約についてはノーアイディア。会計を使って原価削減インセンティブを付与することは困難ではないか。
  • 最初の問題提起に答えたい。取引所の活性化については資料4の2ページにあるとおり、第3回WGでかなり議論している。具体的な提案として、時間前市場の創設、先渡取引市場の活性化などがある。それ以外の点については、「市場監視小委員会の設置の趣旨及び運営」で縛られているところがあるのではないかと思う。

    →参考資料1「市場監視小委員会の設置の趣旨及び運営」にあるとおり、基本的には電気・ガスそれぞれの制度改革後の事後監視が当小委員会のミッションである。電気事業分科会・都市熱エネルギー部会において制度改革を審議する場があり、それぞれの審議会における小委員会やWGといった役割分担はある程度は必要と考える。

  • 当小委員会は「市場監視小委員会の設置の趣旨及び運営」に基づいて行われることになっている。自由な討議だとインフォーマルになる。従ってそういう場を設けた方がいいのかどうかについてはそのときのミッションによると思われる。
  • 市場監視小委員会の設置の趣旨及び運営を読めばもう少し幅広く議論ができるのではないか。必ずしも電気事業法上の紛争ばかりではない。独占禁止法上の紛争に係る議論もあってもいいのではないか。
  • 当小委員会の存在自体が事業者の行動に大きな影響を与えているのは事実。電気事業法の差別的取扱いの禁止とか、内部相互補助の禁止というのは独占禁止法の精神に近いものがあると思う。従って、独占禁止法の観点が全くないかというとそうでも無い。念のため申し上げると、制度改革WGでは公正取引委員会もオブザーバーとして参加している。WGの議論には公正取引委員会の考え方もある程度反映されている。
  • 抽象的な議論をするのが、この小委員会の役割では無いと思う。ルールが出来て、それに不満がある人が紛争を起こして、その紛争に対する判断が示されて、その判断の中に基準が明らかになっていくのが良い循環だと思う。今のところ歴史が浅いので紛争に至るものが少ないから、定着して紛争がそれなりにあれば、本来の意味が認められるのではないか。
  • 日本人は紛争があっても持ってこないケースが多い。ESCJにも紛争処理部門があるが、何もあがってこない。苦情を言いやすくするために相談窓口を作ったものの、最近は相談件数が減ってきている状態。
  • 紛争をなかなか積極的に持ち出すのは困難。だからといって紛争が来たらそれを検討するだけではなくて、本当にPPSに不平不満が無いかという観点から積極的に仕事を進めるということがあってもいいのではないか。自由化してから7年経つが、未だにPPSのシェアが2%ちょっとしかない。その点について不平不満が無いかご用聞きをやってもいいのではないか。
  • 行政と事業者は日常的にコミュニケーションをとっており、その中で色々な問題があがっており、それが制度改革WGの論点として反映されている。例えば、取引所の活性化、インバランス料金・託送料金の見直しなどがある。このように事業者から見た制度改革の論点の提案は結構ある。
  • 制度設計と事後監視は両輪である。この小委員会の大きな柱は、事後監視・是正行動だと思う。だからこそ、事前規制に対するフィードバックはあってしかるべき。もう一つは、需要種別料金格差についてだが、一般の感覚では、自由化の範囲が需要種別の料金格差については、おかしい事になったら、これを是正するメカニズムがあると思っている。実際は需要種別の送配電収支があるわけでもなく、一般の認識とのズレが多少混乱を招いていると思う。その都度事務局が説明されるのも良いが、需要種別の料金格差問題、需要種別原価計算の問題をどう吸い上げるか、将来に向けて一般国民に答えられるように事務局にお願いしたい。
  • この点については、私も同様の考えを持っている。先日のWGでは、電力会社の説明に対して、特別高圧と高圧の託送料金の算定過程を丁寧に説明する事が電力会社の役割だと申し上げた。その後インフォーマルだが電力会社から説明を受けた。それをどこかの機会に公表し、理解頂くのは非常に大事なこと。情報開示は必要。

    →今の点については、料金改定時に各社ともどういう過程で計算しているかをHPで公表しており、第三者から見える形で料金算定を行っている。

以上

 
 
最終更新日:2007年11月7日
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