経済産業省
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産業構造審議会環境部会産業と環境小委員会、化学・バイオ部会リスク管理小委員会産業環境リスク対策合同ワーキンググループ(第4回)‐議事録

日時:平成18年5月11日(木曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省本館17階東8(第1~3共用会議室)

出席者

中西座長、池田委員、伊藤委員、指宿委員、岩崎委員、 角田委員、土屋代理(栗本委員)、篠原委員、高橋委員、 辰巳委員、田保委員、土井委員、中村委員、西村委員、 二瓶委員、御園生委員、吉田委員、安藤オブザーバー
事務局
深野(大臣官房審議官)、堀(環境指導室長)、 齋藤(化学物質リスク評価室長)、 岩松(環境指導室課長補佐)、青木(環境指導室課長補佐)

議題

  1. VOC排出抑制に係る自主行動計画について
  2. VOC排出量の推計について
  3. VOC排出抑制の促進に関する取組について
  4. その他

議事録

事務局(青木)
 おはようございます。
 本日は、朝早く、また足元の悪い中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。定刻になりましたので、これより産構審産業環境リスク対策合同ワーキング・グループ、第4回目を開催させていただきます。
 本日は、内山委員、栗本委員、小泉委員、椋田委員の4名が御欠席と伺っております。定足数の過半数を超える委員にお集まりいただいておりますので、本ワーキング・グループは有効に成立しております。
 次に、本日、特別に御出席いただいております方々を御紹介いたします。
 栗本委員の代理で石油連盟・環境部会・炭化水素ワーキング・グループの主査でいらっしゃいます新日石の土屋さんです。
 また、本日の議題の関係で、日本塗料工業会VOC対策委員でいらっしゃいます日本ペイントの安藤さん。安藤さんにはオブザーバーとして御出席をいただいております。
 以降、議事進行を中西座長、お願いいたします。
中西座長
 おはようございます。まず資料の確認からお願いいたします。
事務局(青木)
 お手元にお配りしてあります資料、一番上が座席表でございまして、2枚目に本日の議事次第を用意しております。配付資料のリストはその下側に記載しておりまして、本資料は資料1番から8番まで、参考資料は1と2がございます。
 資料1が委員名簿。資料2が前回の議事録でございます。これにつきましては、委員の御了解をいただきまして、既にホームページに掲載しておるものでございます。資料3は「自主行動計画の概要について」。資料4は、それの資料編ということで、A3横長の資料になっております。資料5は「VOC排出量の推計について」。資料6は「VOC排出抑制の手引き」。委員の方々には印刷物、本編と資料編と二つございますが、これをお配りしております。傍聴の方々には、大変恐縮ですが、部数の限りがございまして、コピーをお配りさせていただいております。こちらの方には挟み込みで正誤表を入れてございますけれども、会場の皆さん、傍聴の方々は、正誤表は別とじとして入れておりますので、御確認ください。資料7「東京都のVOC排出抑制の促進に関する取組について」。資料8「塗料・塗装からの排出VOCインベントリーの推定と抑制の取り組み」。参考資料1は、御提出いただいております自主行動計画を束ねたものでございます。参考資料2として、日本塗料工業会さんの「平成16年度塗料からのVOC排出実態推計のまとめ」をつけてございます。
 以上でございます。
中西座長
 ありがとうございました。
中西座長
 審議に入りたいと思います。議事次第を見ていただきますと、本日は主な議題が三つございます。(4)のその他を含めて四つということです。1番目はVOC排出抑制にかかる自主行動計画について、2番目はVOC排出量の推計について、3番目はVOC排出抑制の促進に関する取組についてということです。
 1番目の議題は、前回、11月に開きましたワーキング・グループ以後に提出いただいた自主行動計画を中心に取りまとめた結果を御報告いただくことにしております。
 二つ目の議題、推計の問題ですけれども、これは自主行動計画の評価に必要となります、基礎になっております平成12年度のVOCの排出量、特に当ワーキング・グループで取り扱う経済産業省所管業界におけるVOC排出量の推計に関して、事務局で資料を用意しておりますので、その御紹介をいただきたいと思っております。そして、皆さんの御意見をいただきたいと思っています。
 3番目がVOC排出抑制の促進に関する取組ということに関して、経済産業省と東京都と日本塗料工業会における、これまでの排出抑制の促進に関するさまざまな取り組み、御努力などについて御紹介いただく予定でございます。
 最初の議題の自主行動計画の取りまとめ結果について、事務局から御説明をお願いいたします。
事務局(堀)
 自主行動計画の概要についてということで、資料3をごらんいただけますでしょうか。資料3におきまして概略を御説明し、それから詳細について資料4において御説明をさせていただきます。業界で作成されました具体的な自主行動計画自体は参考資料1にとじてございますので、こちらの方も御参照いただければと思います。
 まず資料3でございます。現時点までの自主行動計画の提出状況でございます。現在のところ、25の業界団体から22件の自主行動計画、参加事業者は9242社になっております。前回、11月に御報告したときには21業界団体から1176社の参加でございましたので、業界団体数で4件、事業者数で約8000件の増加となっております。具体的に申し上げますと、一覧表の日本印刷産業連合会、ドラム缶工業会、軽金属製品協会、日本プラスチック工業連盟が今回、新しく御報告があったところでございます。
 2ページをめくっていただきます。2ページに今回のものを踏まえた総括表を載せております。現在までのところでは、平成12年度基準値で排出量43万トン、前回の11月の御報告では28万トンでしたので、約50%ふえております。22年度の排出目標が26万トンということで、削減量は17万トンになっております。昨年度の11月では削減量11万トンでしたので、今回、これも5割程度、量がふえているということになっております。削減率自体は前回も39%でしたので、今回もほとんど同一の削減率ということになります。
 それから、地域別と物質別のVOC量につきましては、なるべく計算をしていただくようにお願いをしているところですけれども、一部の既に計算を済まされたところの集計を参考までに参考1と参考2ということでお示しをしております。全体集計はまだできておりませんので、傾向値としてごらんをいただくということで見ていただければと思っております。3ページが参考2ということで、物質別のVOC排出量を、物質別の分類をされている業界団体のものを集計したところのトップテンということで集計をしております。
 次の4ページをめくっていただきますと、現在まで業界団体が作成されたものの一覧表ということでございます。12年度ベースで42万トンということでありますけれども、今回、新しく御報告する日本印刷産業連合会、ドラム缶工業会、軽金属製品協会、日本プラスチック工業連盟ということで、それぞれ12年度ベースでは11万トン、約1000トン、300トン、2万8000トンというところでの排出量の計算をされております。
 具体的に自主行動計画の内容については、資料4というA3の資料を見ていただければと思っております。こちらの方で、今まで提出いただいた業界団体も含めた形で記載をしております。今回、新しく御報告するものにつきましては、6ページをごらんいただければと思っております。今回の4団体の部分について御説明をさせていただきたいと思います。
 日本印刷産業連合会については、会員企業が、そこにございますように、約8000社ということで、こちらの方はすべての会員企業ではなくて、VOCに関係するグラビア印刷とオフセット印刷という事業所を対象に自主行動計画ということで策定されております。排出源については印刷工程ということで、印刷と乾燥の工程での排出が出るということであります。
 印刷産業については中小もたくさんあるということで、集計についてはかなり御苦労いただいてされているということでございます。地域別のものについては、まだ集計中ということですけれども、全国ベースで見ますと、11万トンを6万8000トンということで、4割ぐらい削減するという計画をおつくりになっていらっしゃいます。
 対策については、VOCの処理装置の導入、材料の代替化、管理の強化を中心に進めていくということでございまして、この三つは今まで種々いろんなところで御検討されている代表的な対策の内容ではないかと思っております。
 次にドラム缶工業会です。ドラム缶の塗装工程で出るVOCを削減対象にした計画でございます。こちらについては、対象企業が11社ということで、12年度の1万7000トンを1万4000トンに削減するという計画を策定しております。
 こちらの対策についても、塗料ということで、塗料のそもそも原単位を削減していこうということ、それから水性化ということで材料転換、それからシンナーを除去するということと、脱脂についてはVOC溶剤からアルカリを使った脱脂に転換すると、洗浄の工程でよくあるパターンですけれども、こういったものを併用して対策を取っていくということを考えているということでございます。
 軽金属製品協会については、アルミ建材の製造工程で行う塗装のVOCの削減ということでございます。これは349万トンを244万トンに削減していこうということで、対策については、塗着率ですね、むだな塗装をしないような運用面の改善をするということを当面の対策として、必要に応じて回収設備を設置していくということをあわせて検討していくということを記載されております。
 それから、日本プラスチック工業連盟です。日本プラスチック工業連盟も多くの小さな業界団体を抱えているわけですけれども、今回、御報告があったのは、日本プラスチック工業連盟の中の日本ポリエチレンラミネート製品工業会の分を報告するというふうに承知しております。今回はラミネート製品工業会の分だけが集計できたので報告をし、今後さらにいろいろ調整をしていくというふうに承知しております。
 ラミネート工業会のVOCですけれども、接着工程ということで、フィルムのラミネーション工程、印刷の工程ということのVOCを削減するということであります。2万8000トンを1万7000トン程度に削減するということで、対策としては燃焼設備、回収処理設備、それから水性化ということをあわせて講じていく予定となっております。
 これが概略でございますけれども、具体的なそれぞれの工業会が策定しました計画自体は、参考資料1というところで、それぞれ記載をされています。参考資料1の19-1が日本印刷産業連合会の自主行動計画でございます。20-1がドラム缶工業会の策定でございます。それから、21-1が軽金属製品工業会でございます。22-1がプラスチック工業連盟でございます。
 前回の御指摘でもありましたように、なるべく根拠のある、または取り組みの内容が詳しく、わかりやすいようにいろいろと記載をしていただくように、私どもからもいろいろと業界にお願いをしておるところでございます。また、こういったところにおいて、こちらの方から、よりわかりやすい行動計画を発表していただくように、引き続きお願いをしていきたいと思っております。いろいろと御意見をいただければと思っております。
 以上です。
中西座長
 どうもありがとうございました。
 資料3の後ろの方に書いてある表1というところが今回のまとめになっているわけですが、堀室長から御説明がありましたように、印刷産業連合会というところが企業の数も非常に多く、排出量も非常に多いんですが、事業所がたくさんあるために、データを集めるだけでも、実態把握だけでも相当大変だったのではないかと推察いたします。経済産業省の方も大変だったと思いますし、産業連合会の方も非常に大変だったんじゃないかと思います。
 高橋委員から何か補足するような御意見はございますか。
高橋委員
 基本的にはアンケートをベースにして集計しているということで、当初の予定より少し時間がかかりまして、昨年の第3回の会議では提出できなかったんですが、12月末に集計ができましたので、報告させていただきました。
 それから、PRTRのデータ等と確認をしたところ、そんなに推計の値が変わらないということを確認いたしました。
 それから、数字でございますけれども、41%ぐらいまで削減をしたいということで、22年度、41%削減という目標を掲げて進めているところであります。
 それから、業界の構成でございますけれども、中小が非常に多い。そうではありますが、印刷工業会の中に入っている大手の印刷事業者は、既に排出処理装置等を入れて進めているところでございます。既に16年度である程度実績が出ているということで、そういったことを踏まえて計画を組んでいるところでございます。
 以上でございます。
中西座長
 どうもありがとうございました。
 委員の皆さんから御意見とか御質問とかありましたら、よろしくお願いいたします。
角田委員
 非常に大変なデータをおまとめいただきましたこと、まず感謝申し上げたいと思います。私たちもいろんなデータを集めてまとめるときに、大変な苦労というのはよく理解しているつもりでございます。それよりも、なお一層複雑なものがたくさんあったのをおまとめいただいたこと、感謝申し上げます。この自主行動計画は、これによっていい方向に向くことを期待しております。
 ただ、ここで頑張っていただいて、お出しをいただいたデータ以外の中小の場合のことを考えましたときに、アウトサイダーの方はどのような形をお取りになるのか。データなんか、これを一つの基本といたしまして、国民向けとか、一般事業者向けに情報公開のような形で出せるものは出していただいて、末端でのアウトサイダーの人たちへの啓発も心がけていただけたら結構かと思うんですが、いかがな取り組みをされるのか、お聞きいたします。
中西座長
 どうもありがとうございました。
 幾つか御意見がありましたら、まとめて議論させていただきたいと思います。
 ほかに御意見ございますでしょうか。
辰巳委員
 私もデータに関してはすごく大変なことだったろうと思います。先ほど中西先生がおっしゃったように、私も日本印刷産業連合会からの数値が突出しているというのは非常に気になりまして、すごい努力をなさったこともわかるんですけれども、その対策のところで、もう少し具体的に何かわかるかなと思って見てみたんですけれども、余りよくわからなくて……。
 例えば材料の代替化と書かれているところの代替の方法なんかも、この中でトルエンとか、すごく数値の大きなものを具体的にどういうふうに代替していこうとなさっているのかとか、そういうのが見えなくて、具体性がないなと思ったので、もしそのあたりわかれば……。
 難しいんだと思うんですね、代替化というのが。それだからこそ、どういうふうに努力されているのかというところが知りたいなというふうに思ったもので、お願いしたいと思います。
中西座長
 ありがとうございます。
 ほかに何か御意見ございますでしょうか。
 特別ないようでしたら、今のお二人の御意見、御質問に対して、まず高橋さんから答えていただけることがあったら……。その後、堀室長からお願いします。
高橋委員
 対策の中に、並列的に処理装置導入、材料の代替化、管理強化というふうに書いてありますが、基本的には処理装置の導入、ここの寄与率が高うございます。これは燃焼がほとんど主でございます。やり方としては幾つかございますけれども、そういう方法でございます。
 材料の代替化というのは、なかなか難しい問題がございます。水性化という話もあるんですが、何年来か検討しておりますが、なかなか進まない。トルエンを酢エチにかえていくということについては、PRTRの制度が入ったときに、そういったことを少し進めて、ここに書いてあるとおり、12年、3万7000トン近くあったものが2万2000トンになっているという実績が出ているとおり、そういったことを一部やっておりますが、まだまだ水性化については難しいという実態がございます。
 それから、管理強化は意外と中小でも実行できるということで、これにつきましては、いろいろデータを集めて、手法として中小企業の事業者に案内するようなところがございます。例えばグラビア印刷機のところを少し密閉化するとかそういったことをすることによって、作業場に飛散するVOCがかなり抑えられるという実績が出ていますし、そういったことを使いながらやっているというところでございます。
 そういう意味からいいますと、対策1、2、3の書き方については、三つ並べていますけれども、具体的には比重がかなり違うという実態がございます。
 以上でございます。
中西座長
 ありがとうございます。
事務局(堀)
 まずアウトサイダー対策ですけれども、どの業界のアウトサイダーが多いかということについては、今回それぞれの業界団体のカバー率という数字が出ておりますので、それで全体の姿は想像できるのではないかと思っております。したがいまして、その比率が多いところを中心にして、いろいろなツールを使って、これの啓発や実態把握に努めていきたいと思っています。
 具体的には、現在、地方ベースで地方経産局の方で実態調査と啓発活動を行っております。昨年度は東京の関東経済局で、クリーニング屋さんですとか、特に中小が多い業界の方々にお集まりいただき、その実態及びアンケート調査を実施しております。この結果については、次回にでも御報告をさせていただきたいと思っています。今年度につきましては、さらに愛知県、関西圏ということで展開をしていきたいと思っております。
 それから、先ほど対策のメニューにつきまして御質問がございました。もちろん一番抜本的な材料の代替化ということは高橋委員の御指摘のとおりでございます。しかしながら、どちらかというと、メーカーさんの技術開発と、ユーザーさんの現在使っている機械の仕様に合致するか。材料をかえると機械そのものをかえなければいけないという場合もございまして、その品質が保持できる、消費者のリクァイアメントもかなりきついというものもございまして、それに合致する水性化というのが非常に大きな一つのネックにはなっているわけです。
 そういったいろんな要素を踏まえながら、代替化というのは長期的には検討していくということで今回、塗料工業会さんからは塗料の代替化の取り組みということを御発表いただきますので、引き続き次回以降、ほかの溶剤についても代替化の傾向はどうなのかということについては順次、御報告をさせていただくということを予定しております。
 以上です。
中西座長
 ほかになければ、2番目の議題に移りたいと思います。
中西座長
 2番目の議題について、事務局から御説明をお願いいたします。
事務局(堀)
 2番目の議題に入らせていただきます。
 資料5をごらんいただきたいと思います。資料5につきましては、VOC排出量の推計ということで用意させていただいています。こちらについては、今までのワーキング・グループの中で、全体の姿はどういうことなのかとか、産業系以外の家庭用はどのぐらいかとか、いろいろな御質問をいただいておりますので、現在、私どもとして把握しておりますいろんな数字を御紹介して、これから、そういう数字を使って、どういうふうに進めていくかということを御紹介したいということでございます。
 まず1ページです。VOCにつきましては、御承知のとおり、22年度までに3割程度削減するということを目標に、これを進めておるところでございます。全体量につきましては、平成12年度に環境省から150万トンということで数字が示されております。これについては、ある程度の誤差がありますということは、150万トンの説明のところにも記載されているわけでございます。したがいまして、環境省においても現在、VOCの排出インベントリーの作成作業を行っていこうというところでございます。これに従って150万トンという数字のリバイスも計画されていると承知しております。
 他方、現在、皆様方の御審議において、当省所管業種のVOC排出計画の自主取組を御審議いただいているわけでございますけれども、これとあわせまして、当省所管業種におけるVOCのインベントリーは並行して、これを把握していくということは当然必要なことだと認識しております。
 本日は、PRTRデータを使いまして、現在、どのぐらいのことがわかっているかということを御紹介したいと思っております。
 PRTRデータにつきましては平成13年度からのデータがございます。平成12年度のVOCの排出量を計算したときの対象物質は200物質ございますけれども、半分の93物質はPRTR対象物質でございます。それから、93物質の排出量は、150万トンの推計のときに、おおよそ半分の70万トンであったと推計がなされております。PRTRの93物質の届出量については、13年度から16年度に統計データがございますけれども、約17%、順調に排出削減が進んでおるところでございます。
 PRTRの届出量に加えて裾切り及び屋外等の届出外のところがございますので、その推計を行ってみますと、平成16年度で34万トンというふうに推計がなされております。このうち当省所管業種分は3分の2の24万トンという数字になっております。そのほかにも、塗料工業会の統計データという推計がございます。いずれにしましても、150万トンという数字がどういう数字なのかということについては、今後、環境省と連携して、さらに数字の検証をしていきたいと思っております。
 具体的な調査方法につきましては、例えばアンケート、排出係数、いろんな生産量というふうな統計データ、それから実態に基づくいわゆるパラメータを設定して、こういったものを把握していくというふうなことを考えております。こちらについては、いろいろ関係の業界あるいは先生方とも御相談をしながら、具体的に進めていきたいと思っております。
 3ページを見ていただきますと、今御説明したことを少しわかりやすくイメージしたものが記載されております。第1図ということで、VOCについてはPRTR分とPRTR分じゃない分が半々ぐらいあるかなということでございます。
 今回、御報告するのはPRTRデータの現状ということでございます。PRTRデータについては15年度と16年度に拡大推計を行っておりますので、こちらについては、先ほど申しましたように、16年度分には34万トン。その内訳を見ますと、届出分の集計をした分が23万トンで、届出外排出量の推計をした分が11万トン程度ではないかと思っております。
 4ページを見ていただきます。この図で、PRTRデータの全体のフレームワークを御説明します。そもそもPRTRデータにつきましては、届出対象は23業種ということで、裾切り要件については、そこに書いてありますような要件。ここで斜線を引いてあるところがPRTR届出対象の事業者になっております。したがいまして、それ以外の排出については、裾切り以下のところ、対象業種でないところ、家庭用、それから移動体というところが考えられるということになっております。
 次の5ページを見ていただきますと、先ほど申しましたように、届出事業者からの届出分が平成16年度で約23万トンございます。裾切り以下のところでの推計が約5万4000トンございます。こちらは推計値でございます。
 それから、その他業種と家庭用というところで細かく分かれておりますけれども、現在御議論いただいております対象VOCとしてカウントすべきところは、屋外で主に使われる塗料と接着剤のところではないかと考えております。
 したがいまして、黒塗りで囲んだ四つの部分、届出値と裾切り以下の推計値、接着剤と塗料、これだけの合計をするということで、現在御議論いただいているところのエリアに相当するところが出るのではないかと考えているところでございます。
 ちなみに、1点だけ注釈をつけさせていただきたいんですけれども、推計値につきましては、大気以外の水系とか、そのほかの排出量も含んでおります。しかしながら、届出値を見ますと、9割以上が大気でございますので、現在のところ、水や、そのほかの水系も含んでおりますけれども、そちらについてはほとんど少量であろうということで、全体が大気としても、そんなには差し支えないんじゃないかということで、推計値の方はそのまま足し上げております。届出値の方は大気だけの値をそのまま使っております。というところを1点、御留意をいただきたいと思っております。
 御参考までに、その他業種、家庭用、移動体というふうな推計値もあわせて、そこにつけておりますので、ごらんいただけたらと思っております。
 6ページを見ていただきますと、こちらはPRTRの届出だけの数字を記載しております。平成13年度の届出値から平成16年度の届出値ということで、全体としては約17%の減少傾向がございます。
 その次に7ページです。7ページは推計値を加えた分の値になっております。こちらは15年度、16年度の推計を行っておりまして、16年度については、一番右側を見ていただきますと、先ほど申し上げた全体の合計値が34万トン、経済産業省所管業種分が24万トンということでございます。それぞれの内訳については、ごらんいただいたような物質名になっております。
 以上がVOCの半分を占めるであろうPRTRを使った現在の推計値でございます。いずれにせよ、PRTR以外の部分の動向等をつかまないと全体像はわからないわけでございますので、こちらについてはPRTRの推計方法を使ったような方法を参考にしながら、今後、関係者と協議の上、どのような推計ができるか検討していきたいと思っております。
 参考までに、塗料工業会から御提供いただいた塗装関係の数字を8ページに載せております。塗料工業会さんの方では、出荷量ベースで業界ごとの使用量、排出量の推計をなさっておりますので、こういったものも参考にしながら、今後、推計の方を進めていきたいと思っております。
 以上でございます。
中西座長
 どうもありがとうございました。
 ワーキング・グループのたびに問題になっている推計値について、さらに詳しい解析をしていただいた結果を報告していただいたんですが、何か御意見とか御質問とかございますでしょうか。
 辰巳委員。
辰巳委員
 第2表に集計されているからわかりやすいかと思うんですけれども、合計値で34万トン、16年度はこのぐらいだろうという推計値なんですけれども、その中で経産省分というので24万トン。そうすると、それ以外の10万トンが経産省以外の業種になるんだろうと思うんですけど、この数値もすごく大きくて気にはなるわけですね。以前にクリーニングのお話を聞いたら、あれは厚生労働省だからというお話だったりしたものでね。この数値というのは、どういうふうな対策を取られているのかわかれば、教えていただきたいと思います。
中西座長
 まとめて議論させていただくことにします。
 ほかに御意見あるいは御質問ありますでしょうか。
 伊藤委員。
伊藤委員
 単純な質問なんですけれども、厚生省のPRTR対象物質が70万トンで、今回、推計値も含めて34万トンから35万トン。この差は何なんでしょうかということを教えてください。
中西座長
 ほかに御質問ございますでしょうか。
 なければ、とりあえず、この2点について、どなたか……。
事務局(斉藤)
 お答えさせていただきます。
 まず1点目は辰巳委員から、経済産業省以外の業種からの排出もかなりあるのではないかという御指摘がございました。この数字を見る限り、まさにそのとおりでございます。具体的に、どの業種が多いかというのは、ただいまデータを持ち合わせていませんが、類推しますに、今御指摘がありましたクリーニング関係の洗濯業とかが多いのではないかなと、これは確認できていませんが、考えております。
 それから、伊藤委員から御指摘がありました環境省の数字では70万トン、93物質についてですが、これはあくまでも平成12年度の数字でございます。16年度、PRTRの推計分を含めて34万トン、約半分ということで、かなり差が大きいということです。環境省の12年度の数字がちょっと多いのではないかなと、PRTRを担当している私としては考えております。
 私どももPRTR制度ができました13年度、14年度、同じように推計部分をやっているわけですが、正直申しまして、かなり手探り状態だったということもあって、かなり大きな数字が出ております。我々が15年度、16年度で示している数字の方が実態に近いだろうと我々は考えております。
 そういうこともございまして、やや難しい時期にやられたのではないかなと思っております。環境省におかれましても、もう一回見直すというふうにお話を聞いておる次第でございます。
中西座長
 よろしいですか。
辰巳委員
 先ほどの経産省以外の10万トンに関して、対策が何か取られているのがわかっているのかどうかが知りたかったんです。
事務局(堀)
 二つございまして、小規模の事業場への対応、それから、対象外の施設です。後で東京都さんの御発表のときに、まさにその辺は東京都さんがお悩みのところじゃないかと思うので、そちらの御説明も大変参考になるかと思います。
 まず対象外のところで屋外塗装というのが一つございます。それから、小規模事業場ではクリーニング屋ですとか、結構小さいところもございます。そういうところにつきましては、二つのアプローチがあると思っております。
 まず、1つ目のアプローチですが先ほど来、御議論いただいています溶剤自体を変えてしまうということであれば等しく削減が可能になるわけで、これはメーカーを中心に御努力いただくという中を通じて、そういう取り組みがなされていくのではないかと思っておるわけでございます。
 2つ目に小さな団体はたくさんあるんですけれども、そういうところについては、私どもも関係業界、現課を通じて、どういう取り組みができるかということはいろいろ御相談をさせていただいているところでございます。例えば地方局における啓発活動なども通じて、そういったところの取り組みもなされているというところでございます。
 現実問題として、クリーニング業界などについては、VOC問題自体をまだまだ御認識いただいていないというところも相当あるような感じを業界団体からも聞いておりますし、環境省初め関係省庁とも連携をして、さらに促進していくということをやっていきたいと思っております。
中西座長
 ほかに御意見……。
田保委員
 些細なことですが、4ページの第2図の固定発生源の下側の従業員20人以下または年間取扱量5トン以上、1トン以上と書いてあるのは、5トン以下、1トン以下ではないかと……。
 もう一つ、5ページの第3図で色のついているところで、右側のその他業種、家庭用というところで、接着剤・塗料というところが色ついているんですが、例えば農薬とか防虫剤・消臭剤のところも数字としては結構大きいんですが、これが入っていない理由は何かということです。
事務局(斉藤)
 ここで網かけで示させていただきましたのは、12年度の環境省の推計と数字を比べるためということで作業しましたので、環境省のインベントリー、12年度の数字が、この網かけの部分を対象にして計算していますので、それをお示しするということで、ここだけ色をつけたということであります。
中西座長
 よろしいでしょうか。
角田委員
 非常にいいデータも縦割りになってしまっているんじゃないか。例えば先ほど御返事をいただきました厚生省のデータなんかも、一つまとまってデータを管理するようなシステムはまだできてないんでしょうか。もうボツボツできるんでしょうか。そこのところをお尋ねしたいと思います。
事務局(堀)
 まず、PRTR自体につきましては、先ほど御説明したように、PRTRのカバレッジというのがございますので、そこでカバーしているものはわかるし、していないものは推計をしているということでございます。
 それから、全体のインベントリーについては、環境省で今年度、実施していくということでございますので、そちらについては、その流れの中で把握されていくと思っていただいていいんじゃないかと思っています。
事務局(斉藤)
 PRTRのみに関して申しますと、全体の所管は経済産業省と環境省がなっておりますが、それぞれの業の部分につきましては業所管大臣ということで、例えば農林水産大臣とか、法律の対象官庁になっておりますので、そういうレベルでの連携等は行っておりまして、この数字の確認などは行われております。ただ、個々の事業者へのアプローチという点ではやや濃淡がある点もあるかと思いますので、その辺はPRTRという観点からも、VOCという観点からも、課題としてあるのは事実かと考えております。
中西座長
 ほかに御質問、御意見ございませんか。
吉田委員
 5ページ目の表は非常に意味のある表だと理解していまして、先ほど25万トンの10万トンですか、そういう数字の紹介があったんですけれども、これを見ますと、先ほどのクリーニングとかというのは洗剤も入るのでしょうか。そういう意味では、塗料、接着、農薬、この辺が主体――むしろ塗料と農薬――というのが、今の段階のPRTR物質についての推計の結論ということでしょうか。そうすると、こういう比率でPRTRのVOCというのは大気に放散されているという理解でよろしいのですか。ここだけ確認させて下さい。
事務局(斉藤)
 クリーニング業というのは、あくまでも事業者ですので、届出の分野に入っています。規模が小さいところは推計のところに入るわけですが、規模の大きいクリーニング屋さんであれば上の方に入ってきます。
 この右側にあります洗剤というのは家庭の洗剤ですので、一般的には余り溶媒を使わない家庭での数字です。事業としてやっておられるクリーニング業は、網かけの方に入ってくるということであります。
吉田委員
 もう一回確認します。そうしますと、規模の小さいところは下の網かけの20人以下のところの5万トンという数字がそれに該当するのですね。
事務局(斉藤)
 その中に含まれます。
吉田委員
 含まれているという意味ですか。わかりました。
中西座長
 ほかに御意見ありません。
 もともとの150万トンというのは余りはっきりしない数値で、先ほど斉藤室長が言われましたように、PRTRのデータもない時代の推定から始まっているので、やや不確かな部分があって、対策を進めながら原因の方もきちっと押さえていくという。そういう現状の中で大分埋まってきたかなという感じはしているところですが、まだ完全ではありませんので、さらに努力していただくということで、この議題は、きょうはこれで終わりにしたいと思います。
中西座長
 第3番目の議題に入りたいと思います。いろいろなところで今まで対策を進めていただいているわけですが、最初は経済産業省ですか、お願いします。
事務局(青木)
 お手元にお配りしておりますパンフレット、VOC排出抑制の手引きでございますけれども、これについて御紹介をさせていただきたいと思います。
 これまで、なるべく多くの方々に参加していただきますように、我々としても支援をしていきたい、マニュアルを整備したいと御説明してまいりましたけれども、約1年かけまして、いろんな方々に御参画をいただきまして、ようやくこのような形でまとめることができました。
 タイトルですけれども、これは自主取組なものですから、マニュアルと言ってしまうと強制するようなイメージがありますので、タイトルは「手引き」とさせていただいております。
 対象とする読者、どなたをターゲットにするかということでございますが、もともと有害大気のときの取り組みをされた業界団体の方々、自主取組というやり方だということは皆さん御存じなので、ただ、これから初めて自主取組をやろうという業界団体の方、どのようなやり方をすればいいのかよくわからないという方々がいらっしゃいますので、その方々に御理解をいただくこと。
 それから、そういう業界団体の方が今度は傘下の企業の方々に説得をして、御説明をして納得いただいて取り組みに参加していただくということで、そうしますと、各企業の方々が何でVOCの排出抑制が必要なんだとか、皆さん規制の話も一番関心があると思うんですけれども、規制の外で自主的取り組みとして、さらに削減をしていただかなければいけないんだと、そのときに業界団体の方で自主行動計画を、皆さんの分をおまとめしていただいて経済省に御報告いただき、ここで集計をするといったような、そういうスキームでやっていますよといったような御紹介とかですね、そういったことを各企業に御理解いただくということで、結局、VOC排出抑制に関する入門書という形のものになってしまいましたけれども、かなり詳しい必要な資料をいっぱいつけまして、御理解いただけるような形でまとめてございます。
 ちょっとボリュームが多くなりましたので、2分冊に分けまして、本文、ざあっと目を通していただくと全体像が見えるような構成になっております。詳しいことをお知りになりたい場合には資料編を見ていただくと、エビデンスだとか関係書類がその中についていると。それから、ホームページを見ていただけるように、関係のところは全部盛り込んでいるということでございます。
 本文の1ページ目をめくっていただきますと、目次ですので、今申し上げたVOC全体のスキームの話、第2章で法規制のあらまし、第3章で自主的取組のあらまし、第4章、どういう対策があるのかといったことに対応しまして対策の考え方のあらまし、それから、コストと支援の話といったような形でまとめさせていただいております。
 めくっていただいて2ページ目なんですけれども、冒頭、御説明しましたように、本書の対象となる読者ということで、各企業さん、業界団体の方、ぜひ御参考にしていただきたいということで、本書の構成につきましても、今御説明したようなとおりでございます。
 ざあっとめくっていただいて、なるべくビジュアルにわかるようにということでつくってございます。例えば9ページ目あたりでは150万トンの話。今のところ、150トンが目標になっておりますので、この辺を御紹介しているとか、戻っていただいて6ページ目あたりで、そもそもVOCって何ですかといったようなことも御質問あろうかと思いますので、こういったコラムも設けております。こういったことで、一通り1冊目を見ていただくと、初めての方でも大体概要がつかめるというふうにしてございます。
 特に強調させていただきたいのは、こちらの参考資料の方でございます。塗料、接着剤、印刷インキの関係の方々にお集まりをいただきまして、88ページをごらんいただきたいんですけれども、皆さんに非常に汗を流していただきまして、例えば塗料の中に含まれるVOC量って、どれぐらいというのがわからないと、各ユーザーさんたちが自主行動計画をつくりにくいという側面があって、一方で、どれぐらい含有されているかというのは企業秘密に属するので、なかなか出しづらいという側面もあって難しかったんですけれども、こういった形で塗料、印刷インキ、接着剤の中に、およそこれぐらいのVOCが入っていますよという数字をようやく皆さんにお示しできる数字をまとめていただきましたので、それを掲載しております。
 これを見ていただくと、例えば89ページの左上の方ですが、建物でアルキド樹脂系の調合ペイントということで、A、B、C、D、Eと振ってありますが、右側にキシレン、エチルベンゼン、MEK、石油系炭化水素、その他と、それぞれの物質の含有率が示されております。
 ここの見方は、丸印のところがシンナーで希釈する前の塗料の原液の中での含有率で、シンナーで薄めると濃度が上がりますといったような見方をしていたということで、これをトータルしたトータル含有率というのは、右の方の欄外に数字で書いてありますように、原液だと27%がVOCですと、シンナーで薄めて使うと40%弱ぐらいになりますよといったようなまとめ方をしていただいております。これを使っていただくと、簡単に自主行動計画をつくっていただけるのではないかと考えております。ここは非常に大きな成果だったのではないかなと思っております。
 こんな形で私どもようやく資料をまとめさせていただきました。間違い、印刷ミスが結構ございましたので、それから、きょうの自主行動計画の追加分もございますので、これを入れて増刷に取りかかる予定でございます。その関係で、会場にお越しの皆さんには、済みませんが、コピーをお配りしております。
 きょうの資料は私どものホームページに電子媒体で掲載いたしますので、電子媒体が御入り用の方は、我々のホームページからダウンロードしていただくか、もしくは財団法人産業環境管理協会さんの方では既にホームページに掲載されておりますので、そちらの方に当たっていただきますと、電子媒体が手に入りますので、御活用いただきたいと思います。
 私からは以上でございます。
中西座長
 どうもありがとうございました。
 本当にすごい資料が出てきたなという感じで、経済産業省も、こんなきれいな資料をつくるようになったのかと感激します。これを作成されるのに経済産業省も事業所の方も努力されたと思うんですが、産環協の指宿さん、何か一言ございますでしょうか。
指宿委員
 ありがとうございます。
 私どもも大分頑張ったつもりでございますが、特に業界の方々が、先ほど青木さん最後の説明ありましたけれども、非常に協力していただいて、ああいうデータが出てきたというのは、これからインベントリーを調べるにもベースになると思います。
 それと、増刷の話がありましたが、たしか4000部用意したんですけれども、なくなってしまって、それを増刷するということになりました。ぜひ皆さんに御利用いただいて、特に最初にありましたけれども、アウトサイダーの問題にも寄与できたらいいなと思っております。
中西座長
 どうもありがとうございます。
 ほかに御意見とか御質問ございますでしょうか。
 皆さん、ほれぼれとしておられるような感じがありますけれども、御質問があれば、後でも結構なので、2番目の御報告に移りたいと思います。
 2番目は東京都の池田さんですか、よろしくお願いします。
池田委員
 東京都の池田でございます。私の方から、東京都の取り組みということで御紹介させていただきます。先ほど委員からちょっと御質問があったところも、私なりに東京都の取り組みとしてお答えできるところはやっていきたいと思っております。
 (パワーポイント)
 最初に、東京都のVOC発生源の特徴ということでございます。平成12年度に、私たちの計算では、蒸発系としては9万4000トン排出されている。計算方法としては環境省の方法と余り違わないということで、環境省も見直しますし、平成12年から5年たちましたので、今年度、改めて私たちも17年度の実績ということで再計算いたすつもりでございます。
 全国で150万トン出ていて、東京都では9万4000トンというと、面積の比で割り戻してみると簡単に計算できるんですけれども、単位面積あたり全国の10倍、VOCが排出されております。塗装が半分近く占めるんですけれども、東京都の場合、屋外塗装が全体の31%を占めるということで、規制対象外の屋外塗装が排出量が多いということですね。
 それから、業種別に見ると、印刷業がかなり多い。全国に比べると多いです。東京の産業構造として、出版・印刷がかなりのウェートを占めておりますので、それが多いというのが特徴ですね。それから、クリーニングも全国に比べると多いんですけれども、人口に比例してクリーニング屋さんがあるということで、多いということですね。それから、給油のガソリンスタンド。金属表面処理というのはメッキとか、塗装するときにメッキなり塗装がよく載るようにということで、業じゃないんですけれども、作業形態として金属表面を洗う作業がある。こういうことで95%までいっているということです。
 もう一つ、東京の特徴は、VOCを排出する事業所はほとんどが中小企業です。この4月から大気汚染防止法の規制がかかりまして、大規模な発生施設については規制がかかるということで届出がいよいよ出されたわけですけれども、現在、都内で20事業所ですね、会社として複数の事業所を持っているところがあるんですけれども、20事業所しか規制対象にならない。それ以外が自主的取組でやらなければいけないという意味で、たくさんある中小企業の自主的取組をいかに進めていくか、逆に言うと、いかにサポートしていくかということが東京のVOC対策の鍵となると思います。
 (パワーポイント)
 そこで、排出抑制と自主的取組を推進するんですけれども、自主的取組推進、ここでは主に工場での対策の推進をイメージしておりますが、そのほかにも、先ほど言った屋外塗装から来るVOCも減らしていかなければいけない。主に低VOCの塗料ですね、そういうものを普及・開発していく。それから、東京都だけでできませんので、いろんなところと連帯しながら対策を進めていく。そういう体制の整備ということがあろうかと思います。
 (パワーポイント)
 工場における自主的取組の支援策としては、この後、説明しますが、「VOC対策ガイド」をつくっております。これにつきましては、当然、業界の委員にも参画していただいてつくり上げたわけです。きょう御列席の中でも高橋委員とか土井委員とか西村委員、それから岩崎委員という方に参画していただいて、その他業界の専門家に委員になっていただいて作成したものです。もう一つ、アドバイザーの派遣制度がございます。
 (パワーポイント)
 VOC対策ガイドにつきましては、内容としてはでき上がって、印刷にかけております。22日の週にでき上がって公開いたします。ここに書いたホームページの方でもダウンロードできるようにいたしますので、内容については、もうちょっとお待ち願いたいと思っております。
 そこでは、対象業種として、先ほどの円グラフにありましたように、塗装と印刷、金属表面処理、クリーニングと、この4分野を対象にしてございます。そこについては、現在考えられる対策、抑制策を網羅しておりまして、ざっと数えて60項目ぐらい網羅いたしました。
 抑制策については、従前ですと、排ガス対策というと処理装置をつけるということがすぐ頭に浮ぶんですけれども、高価な処理装置をつける以前に、作業工程を見直すことによって、少しずつでもVOCの排出抑制ができる、積み上がるんじゃないかということで、工程改善について内容を充実しております。それから、原材料の転換ということで、VOC排出の含有量が少ないものに変えたりするわけです。最後に、処理装置の導入ということで、それをわかりやすく説明しております。
 今申し上げたように、中小事業者が少しでも対策を取れるように、その対策費用がなるべく安いという意味で経済的に導入可能な対策というコンセプトでまとめてございます。
 (パワーポイント)
 そのうちの一例をお示しいたします。例えば金属表面処理。メッキする前に必ず洗浄槽で洗うわけです。私も幾つか現場の工場へ行ったりしましたが、私の見た中では、ふたをやっているところはなかったんですね。洗浄作業していないときに、ふたをかぶせることによって、むだな蒸発が防げるということで、文献も探して、こういう一定条件のもとでは、ふたをすると蒸発量は半分もしくは4分の1が減りますよとかいうデータがありますので、すぐにでもできるような対策を取ったらいかがでしょうかと。この対策を取ると、工場全体としては何パーセントぐらい減りますよという目安がついております。イニシャルコストについても目安があって、ランクごとに分けております。でも、こんなのは数万円でできると思いますし、ランニングコストがこの場合、変わりません、ゼロ。
 そのような形で、事業者にとっては、こういうことをすることによってVOCの排出量が減らせますし、同時に作業環境の改善にも結びつくわけですね。そして、むだな蒸発が防げれば、洗浄剤、VOCを買い足さなければいけないというところが減ってくるわけで、事業者にとっても得になるじゃないかということです。
 (パワーポイント)
 もう一つ、工場内でのスプレー塗装の例でございます。これは東京都産業労働局の研究所の職員のデータでございます。このように8人の作業者が塗着効率、スプレーを吹きかけて、例えばこういう箱とか何とかにペンキを吹きつけて塗るわけですよね。こんなふうに霧になって塗料が吹きつけられるんですけど、簡単に言うと、外側のペンキの霧は、その箱にくっつかないで外へ行っちゃう。作業者によっては、うまい人は全体の61%のペンキがくっつく、下手な人は35%しかつかないという実績のデータがあります。平均と比べると、プラスマイナスで10%以上差があるわけで、こういうところで塗着効率を上げるような工夫をすれば、事業者にとっても得になるんじゃないか。
 そういうことが例えばソフトの対策とすれば、研修ということで、こういううまい人が教えてあげれば、平均レベルまで来れば、その作業のやり方だけでもVOC対策になるわけです。また、ハードの対策としては、さまざまなスプレーガンの新しいタイプが出ております。例えば静電塗装、静電気を霧にくっつけることによって、箱か何かに、外に飛び出しちゃうようなのがくっつくわけですね、引き寄せられて。それは一定の設備が要るんですけれども。低圧スプレーとここに書いてありますけれども、そういう新しいタイプの高塗着型のスプレーに変えれば、こんなの1基当たり数万円ということで、かなりの改善ができるのではないでしょうか。そういうふうなことをいろいろまとめておるものがVOCの対策ガイドということでございます。
 これが1ページ1項目というふうに数えて、60項目ぐらいあるということですね。1ページの中でも、さらに細かくコメントしているものもありますので、かなりなヒントになる技術が紹介されると思います。
 (パワーポイント)
 もう一つ、VOC対策のアドバイザーでございます。先ほどの対策ガイドもかなり現場の方にもわかりやすいものができたと思っておりますけれども、その書物を見るよりは、プロの方に来ていただいて、マンツーマンで教えてもらうという方がより対策も取りやすいだろうということで、VOC対策アドバイザーという制度を昨年11月に始めました。このアドバイザーは、先ほどの4業種の業界から御推薦いただいて、東京都で一定の研修、VOCの新しい制度が始まりますよとか、法制度的な研修もして選任いたしました。これらの方については、東京都のホームページに載っております。
 企業がぜひとも対策を取りたいと――取るように私たち説得するんですけれども――、そういうふうに考えていただければ、東京都のホームページから書類をダウンロードしていただいて、派遣依頼の書類を出していただくということで、私たちの方は、その対策の意欲を重視いたしまして、それでアドバイザーを派遣、決定する。
 対象事業所は中小企業と言っているんですけれども、中小企業支援法の定義に使った中小企業ということで、資本金3億円以下または従業員数が300人以下ということですから、事実上、ほとんどの会社が対象になるかと思いますが、そういう方々に対してアドバイザーを派遣します。
 そのときに、細かいですけれども、企業秘密があってとかいう話があろうかと思いますので、派遣企業とアドバイザーの間では秘密保持契約もちゃんと結んで、そこのところも手当てしております。
 (パワーポイント)
 そして、現場に携帯型のVOC測定器を持っていって、対策ガイドにも載っているんですけれども、いろんなVOC発生箇所があるわけですね、そういうものを濃度で実際にはかりながら、濃度の高いところから優先的に対策を取った方が効率的なわけなので、そのような形で、実測のデータをもとにしながら、こういう場所ではどういう対策を取った方がいいですよということを教えてあげるわけですね。
 そういうことで対策の中身と、当然、費用というものもあるわけですけれども、その中で中小企業の方で、こういう対策をやりますと、何年までにやりますというのが、成果報告に書いていただく。というのは当然、今の段階ですから、これからやりますという意味なんですが……
中西座長
 池田さん、ちょっとスピードを出していただけますか。
池田委員
 わかりました。
 そのような形で、アドバイザー制度をつくり上げております。
 (パワーポイント)
 今のような形で対策ガイドとアドバイザーによりまして、各事業所のVOC発生問題点の把握、それから対策の方法ということをまとめて示す、それで……。
 アウトサイダーのことでございますけれども、東京都の場合は条例で工場・指定作業場というものが規制対象になっておりますので、VOCはもちろん自主的取組ではあるんですけれども、この条例の枠組みを使って、事業者を呼び集めてVOC対策をやっていただこうというふうに考えております。そういうことによって、各企業が創意工夫をしながらVOC量を減らしていくということを東京都が支援していこうということでございます。
 (パワーポイント)
 低VOC製品の普及・啓発につきましては、屋外塗装編という対策ガイドをつくりました。
 (パワーポイント)
 屋外塗装をする場合は、家庭用みたいにペンキで1回塗りということではなくて、下塗りして、中塗りして、上塗りして、そのような形でセットになった塗り方をするわけです。それを塗装仕様と呼んでいまして、全体としてはVOC排出が少ない低VOC塗装仕様ですね、それも現行で十分使えますよという形でまとめました。
 そこでは、ビルの外壁だとか、橋梁だとか、そういう構造物別にも分けましたし、素地面ですね、コンクリートの面に塗るのか、鉄鋼面に塗るかということにも分けて示しました。VOCの削減率も、従来品を使ったとすれば、低VOC塗装仕様では何パーセントVOC削減しますと。それから、耐久性とかも心配されますので、そういうものはランクごとに示しています。コストについても示してございます。
 (パワーポイント)
 そこの中の一例でございますけど、例えば建築塗装で鉄鋼面に塗った場合、従来品を100と定義いたしますと、最初の仕様では80%が削減されるわけですね。2番目のものでは5%ぐらい。次の亜鉛めっき鋼面については、今の技術では、私たちが調べたものでは、VOCの排出量は減らないんですけれども、弱溶剤塗料といって光化学反応性の少ない溶剤を使うということで、これでも一歩前進ではないかと考えております。
 (パワーポイント)
 このような形で対策ガイドに載っております。具体的な姿は、今申し上げたような形でデータが載っているということでございます。
 (パワーポイント)
 もう一つ、普及・啓発の方ですね。VOCということで、いろんな対策を考えているんですけれども、マスコミの方もなかなかわかってくださらないし、同時に、中小事業者の方もそうかもしれませんね。なかなか知名度が低い。一つには、目に見えないからだというふうに思います。ディーゼル黒鉛みたいに石原知事がペットボトルを振るとかいうとわかるんですけれども、VOCは見えません。
 それから、環境に悪いですよ、光化学スモッグ原因になります、SPMにもなりますよと言っても、その原理がなかなかわかっていただけない。非常にわかりづらいというところを、シンボル事業と私たちは言っているんですけれども、このように例えば東京タワーで赤白に塗っていますよね、あそこでペンキ塗るとVOCが出るんですよとかいうことで御説明すると、マスコミの方もわかっていただける。
 (パワーポイント)
 半年くらい前から、ここに示しました5社に対して低VOCの塗装仕様を採用してくださいと協力を呼びかけました。
 各社については、もちろん自分のところで問題意識を持って取り組んできたところもございます。それをこのような形で打ち出すことによって、一般の都民の方も含めてVOC対策が必要だということの意識を啓発しようと考えたのがねらいでございます。
 (パワーポイント)
 インセンティブとしては非常に少ないと思うんですけれども、東京都のホームページで、こういう取り組みに協賛するというところについてはホームページに載せて御紹介しています。
 (パワーポイント)
 東京都自体としてもグリーン購入を行っておりまして、先ほどのVOC対策ガイドの屋外塗装編を、このときは作成途中でございましたので、その成果が反映されておりませんけれども、現状でも、VOCの少ない塗料を優先採用いたしますということになっております。これは順次改訂していって、もっと具体的な数値も示したグリーン購入制度に変えていきたいと思っております。
 (パワーポイント)
 こういう取り組みは一人東京都だけでできませんので、工場の指導に当たっては各市町村、国、そして光化学スモッグ対策ですから近県を含めた8都県市というところと連携をしながら、そういう低VOC製品が普及するようにという取り組みをこれから始めていこうと考えております。
 以上です。
中西座長
 どうもありがとうございました。
 大変具体的な取り組みの例が紹介されたわけですが、何か御意見とか御質問ございますか。
 それでは、次に安藤さんから、日本塗料工業会の取り組みについて御報告をお願いいたします。
安藤オブザーバー
 日本塗料工業会の安藤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 (パワーポイント)
 本日は、塗料・塗装からの排出VOCインベントリーの推定と抑制への取り組みということで御紹介させていただこうと思います。
 この図は塗料の出荷量の推移を示しております。縦軸が出荷量で、横軸が年数であります。縦軸のこの状態で色分けしてありますのは、塗料の種類、下が溶剤系、水系、無溶剤、その他というふうに分けてかいております。1990年をほぼピークに、あとは横ばいもしくは若干減少しているのが塗料工業会における塗料の出荷量という形になります。
 このデータですが、これは経済産業省生産動態統計調査に基づいて過去からずうっと行われてきた調査といいますか、そのデータを取り上げたものであります。ちょうどVOCにかかわります2000年から先ほどのグラフをピックアップしたものでありますが、私ども塗料工業会として、この方法に準じて、塗料の生産量でありますとか、在庫量とかいうのを各社、参画企業、塗料工業会に入っていらっしゃる企業にアンケートいたしまして、データを収集してきました。それがこちらの積み上げ方式でやったものであります。
 大体同じなんですが、上の化学統計によりますと、日本塗料工業会に参画されていない企業の数字も入っておりますので、若干の相違はあります。ですが、ほぼ日塗工のところで集計してきたものと大差ない積み上げのデータが出るものと思っております。
 塗料中の溶剤量と、塗料を希釈して使いますので、そのときの希釈溶剤量を先ほどの我々のところで積み上げたものでデータから分解したものが、こちらの図です。平成13年度には溶剤量として合計ですか、世の中に出ていったものが45万トンほどあります。これがもしエンドオブパイプの処理がされていなければ、そのまま大気に出ていったものであろうと推測できると思っております。
 (パワーポイント)
 これが全体量ですが、これを各需要分野ごとに分解したもの、大変小さくて見にくくて申しわけないんですけれども、それがこちらの図であります。この需要分野につきましても、同じく経産省の統計調査の需要分類に従って分解したものであります。
 先ほどは出荷量だったんですけれども、需要分野ごとのものについて、塗料中の溶剤量とシンナーの使用量で分けたものが、こちらの図です。需要分野毎にあるわけなんですが、これを屋外塗装用に使われたもの、屋内に使われたものについて分け直してみると、大体こういった結果になるかなと思っております。屋外と点源と両方あわせているのは、なかなかデータを分けることができなかった部分がありまして、造船でありますとか、そういったところは屋外と点源とはっきり分け切れないというところで、こんなところをつくっております。
 先ほどは塗料中の溶剤という形で考えてあったんですが、そこから実際に大気に排出されていくのはどのぐらいだろうかと、エンドオブパイプの処理機械の設置率であるとか、大気へ出る部分と、水系というんですか、排水側に出ていく部分とか、いろいろな推定値をかけあわせてつくったものが、こちらの図になります。需要分野別に、現在、低VOC塗料と言われるものの比率がどういうふうに推移していっているかというところのデータであります。
 (パワーポイント)
 路面標示の部分については90%以上のものが低VOC塗料の粉末塗料と水性塗料というところに置きかわっておりますし、建物とか建築資材のところでも既に60%強のものが低VOC塗料、これは水性塗料でありますとか、ハイソリッド塗料といったものが使われております。それから、自動車の新車の塗装をされる場合でも、水性塗料が使われておりまして、低VOCというものの転換率も50%強に行っていると思います。
 先ほどの低VOC塗料の比率が事業分野ごとに違っていた理由を私たちなりに分解しているものであります。小さな字で申しわけないんですけど、要求特性という塗料の品質といったものが需要分野ごとに違います。例えば耐久性を見ていただくと、建物については25年ぐらい持たせなければいけない、船舶では2、3年とか、路面標示というと1、2年の、耐久力といったものを持たせるようなもの、それから、こちらの方ですが、防錆錆とか耐水性、そんなものを要求されない分野もありますし、要求される分野もあるといったような形で、なかなか水性に転換しにくい要求品質が違うからであると考えております。
 塗装におけるVOCが排出していく概念ということで、塗料の工程を書いてみました。被塗物という塗装されるものに対して前処理というか、ごみとか油を取り除くということをして、それを乾かして、それから塗装する。その後、屋内塗装でありましたら、焼付乾燥炉という中にやるんですけれども、塗装ブースから乾燥炉に持っていく間のセッティングゾーンというのがあって大気放出があります。そして、製品ができると考えております。この図は屋内工場のプロセスでありますが、屋外においても同じような考え方はある程度できるだろうと思います。
 (パワーポイント)
 VOCが大気中に排出するのがこのあたりだと考えられますが、実際には、具体的にどうかというのは、化学工業会の学会誌に出ていた図ですけれども、ブルーのところがVOCというか、溶剤に相当するもので、大体の概念ってこんな比率だろうと思っていますが、水中と書いてありますところにも溶剤は融け込んでいきます。水中というのは、塗装しているときに、後ろにウォーターカーテンといいまして、水を流して噴霧した塗料がどこか変なところへ飛んでいかないように捕集させる、トラップさせるというものがありまして、そちらのところにも溶剤というのは吸収されます。この排水処理がしっかりされていれば、その部分は分離されて出ていかないんですけれども、一部は出ていくと考えられます。
 もう一つ、塗装に関して、1回塗りでいくわけではありません。自動車塗装を屋内を代表にさせていただきました。屋外になると重防食塗装、これが東京タワーでありますとか、鉄橋でありますとか、そういうときに塗る塗料ですが、一番下の被塗物の鋼板の上に下塗り、中塗り、ベースコート、クリヤーコート、それぞれ要求される機能が違うものを何度も重ね塗りしていきます。同じように、こちら屋外であっても、要求される性能が違います1次プライマー、ミストコート、下塗り、中塗り、上塗りといったように何層も重ね塗りをしていきます。
 (パワーポイント)
 一番下の部分は、さびないようにさせる必要がありますので、ここで溶剤系塗料でないものにする、例えば水性塗料を使うと、水を含んでいますから、防錆性が劣ります。そうすると、橋梁とかそういったところはさびて耐久年数がなくなってしまいます。そういうところで、そのあたりが技術的に非常に難しい部分なんですが、一番下のプライマーの部分は溶剤系のままでいかざるを得ないのかなとは思っているんです。最後の上塗りの段階までいくところにおいては、水性塗料に代替することは可能ではないかということで、全部を水性塗料とかそういったものではなくて、それぞれの機能にあわせて、ある程度組み合わせをしていければ、VOCの低減が実際的にやれるのではないかと考えております。
 そのことはどういうふうなものかということを、我々のところでモデルラインというものを考えて、排水、大気、廃棄物に行ったLCA(ライフサイクルアセスメント)を行いました。従来の溶剤系の塗装でロボット塗装をするような、例えばプラスチック素材に塗装しているものですが、こういう条件を設定して、どう分解されていくかというLCAライフサイクルアセスメントをやりまして、蒸発するVOCはこの程度であろうというものを算出しました。
 (パワーポイント)
 次いで、こちらは収納家具に出している溶剤系塗料のモデルラインなんですが、これにおいては、こんな状態がLCA的に見た数字です。それを水性塗料にかえてみて、同じように、鋼製家具なんですが、それをやらさせますと、VOCとして出ていく部分は、このように量は減ってはいる。LCAプログラムというんですが、ソフトを使いながら計算して出して、私どもの会員企業に紹介をしながら、皆さんやっていきましょうということをしております。
 (パワーポイント)
 今度は塗料製造中におけるVOCの排出量について、今までお話したのは塗装の部分ばかりですけれども、塗料の製造中はどうなのかということで、塗料の製造というのはこんなような漫画をかいてあります。こういうまぜるという作業をしております。その中から、天使の上前ではないんですけれども、漏れ出ていく部分があると思うんですが、その部分をずうっと足して集計して集めてきたものが、会員各社で、2000年度のときに、推定なんですが、4000トン弱ありました。それが2004年度のときに、もう一度調査アンケートして取ったところで、約3000トン弱、25%減はきているかなと。このままいけば、塗料製造においては何とか削減していけるのではないかなと思っているところであります。
 (パワーポイント)
 最後にVOC排出抑制対策と低VOC塗料のことについてお話します。抑制対策については、エンドオブパイプ対策とインプラント対策という大きく二つに分かれると考えておりまして、我々、塗料を製造する塗料メーカーとしては、下の矢印の部分の低VOC塗料の提供が主な責務であると考えております。私たちは低VOC塗料の課題として、こういった開発と販売とか皆さんへの啓発をさせていただこうと努力しているところであります。
 しかしながら、低VOC塗料には課題もありまして、ハイソリッド化が今の塗装機とか塗装方法とかコスト的に問題なく転換していくことには非常に有効であろうと思うんですが、削減の程度については限界がありますねという課題があります。それから、無溶剤化塗料というのがあるんですが、粉体と無溶剤の塗料があるんですが、粉体については、塗装の方法と申しますか、適用できる対象が限定されてしまう。無溶剤型塗料では、若干違う溶媒の方に代替する部分があり、PRTR対象物質の使用量が増加していくという、VOCは減るんですけれども、こちらの方が増加するという背反する現象もあります。
 それから、水性化塗料については、建物用塗料には普及し、かなり定着してきているんですが、重防食という防さび性のものであるとか、自動車補修用の塗料はまだまだ開発研究していかなければいけないし、自動車用塗料については、現在の流れをさらに拡大していきたいなと思っております。
 我々塗料メーカーがいろいろ努力をいたしましても手前みそだけになりますので、社会に役に立つために、品質とか作業性とかコストとかいったものを追求していくんですが、私どもの塗料を使っていただくユーザー様、塗装された製品を使っていただく消費者の方々とか、経済産業省でありますとか、官庁の方、行政の方々と協力し合いながら、この環境というベースをもとに進めていきたいと思っております。
 どうもありがとうございました。
中西座長
 どうもありがとうございました。
 御意見とか御質問ございますでしょうか。
 篠原委員。
篠原委員
 法律改正するときに、もう既に御議論が済んでいるのかもしれませんが、私、素人なものですから教えていただきたいんですけれども、VOCの削減というのは地域性はどこまであるのかどうか。例えばオールジャパンで3割カットするということと、高濃度地域がトン当たりで下がるのかどうか。逆に言えば、北海道、九州の削減は、東京だとか大阪の濃度を下げることにどれだけコントリビュートするのか。その辺の相関関係なりは学問的に解明されているのかどうかということなんです。
 なぜこういう質問をするかというと、東京都みたいな中小企業の取り組みをやらなければいけないんですけれども、メリ張りつけてやらないと、北海道の中小企業のおじさんたちに東京都と同じことをやる必要があるのかどうかということなんです。ちょっとお教えいただければと思います。
中西座長
 まとめて幾つか……。
 辰巳委員。
辰巳委員
 環境省が進めようとしているエコアクション21という中小企業への環境対策がありますね。ああいうところとの連携というか、例えば東京都で中小企業にエコアクション21に取り組むように力を入れていって、なおかつ、あれは発表しなければいけませんので、発表するようにというふうなことと、グリーン購入に結びつけてくださっていること、とてもいいんですけれども、そういうものによっての取り組みでの評価みたいなところも、その一つがこのVOCだと思っているんですけれど、そのあたりとのもう少しつながりを知りたかったなと思ったんです。
 それから、日塗工さんの方ですけれども、廃棄の話が全然出てきてなくて、ペンキって、私のイメージでは、つくられた分全部が使われなくて、かなり廃棄という格好で出てくるんじゃないかなと思います。メーカーさんに戻ることもあるでしょうし、現場で処理されることもあるでしょうし、そういうものからのVOCはどうなっているのかなと思ったので、わかれば教えてください。
 以上です。
中西座長
 角田委員。
角田委員
 非常に手つかずで、そして手がつけにくいところに東京都のやり方は非常にわかりやすいと思います。都のホームページでは出されているということなんですが、全国発信のような形で支援していただくような、輪を広げていただくような努力もしていただきたいと思います。
 費用も要らない、今すぐできる、そしてわかりやすいという、このメリットはすごいと思います。私たち素人でさえも、この資料を見るだけでも、「ああ」というふうに感激するわけでございます。アウトサイダーの方もビデオか何かがつくられれば、地方では非常に喜ばれると思います。むしろ先ほど篠原先生がおっしゃったように、どこの地域ではなくて、日本じゅうが同じレベルの情報を知り得るような形をぜひつくっていただけたらと思います。
中西座長
 ほかに……。御園生委員。
御園生委員
 ただいまのプレゼンテーションに関して御質問させていただきます。
 大変興味深いデータを出していただいたと思いますけれども、塗料工業全体としてのVOC関連の物質収支がどうなっているかということをお聞き致します。
 生産量が最初にありましたね、溶剤量が83万トン、VOCの水系が、きょう何回か御説明あった41万。先ほどの廃棄も若干関係あるかと思うんですけれども、マスバランスが取れているんでしたら、大づかみにどういうフローになっているのかというのを教えていただくと参考になると思います。
中西座長
 ここで答えていただいて、それから、オールジャパンの篠原委員からの質問について堀さんから答えていただきまして、辰巳さんと角田さんの御質問は東京都ですね。そういう順序でお答えをお願いいたします。
安藤オブザーバー
 マスバランスと申しますか、それと固形廃棄物であるとか、水系の廃棄物、それを含めてマスバランスという形でお答えさせていただこうと思います。
 絵の9ページでありますとか、10ページを見ていただければ、こういった一つのモデルを考えて、どこに出ていくかというところにおいては物質収支というか、マスバランスはあってはいるんですが、大きな出荷量、総出荷量、使用量、在庫量といったところで把握できる部分についていうと、生産、在庫、出荷のところまでであります。はっきり言いまして、お客さんのところで、どのように使用されたかという部分については、代表的な大きな企業とお話ができる部分についてはつかめますけれども、それ以外のところについては、正直言って、つかめない段階です。変な言い方ですけれども、塗料として使われずに、そのまま廃棄物として出ていったかどうかまでを我々のところでは、正直言って、ウオッチし切れないでおります。しかしながら、その部分は少ないのではないかなと思っております。
御園生委員
 83万トンですね、塗料の出荷量が。このうち半分くらいが溶剤とすると、VOCの排出量が41万トンだから、言ってみれば、おおむねバランスが取れてしまうと思っていいのか。
安藤オブザーバー
 おおむね取れていると思います。
中西座長
 使い勝手のところは100%排出すると仮定しちゃいけないんですか。
安藤オブザーバー
 4ページとかその辺でやっているのは、塗料原液に含有する溶剤量と塗料を使用する時の希釈液の溶剤量を出荷量から推計しました。100%全部、大気に排出されるのではなく、LCA的な分配もありますし、燃焼などの後処理対策もとられているところもあり、需要分野毎に異なるのですが、100%排出ではないことは言えると思います。
吉田委員
 ここの理解は、16年で41万トン、VOCとして、見かけ上出るはずだと、だから、このうちに燃焼で焼却されているのもあり、廃棄されているのもあり、廃棄から出てくるのもありと、こういう理解でいいんでしょうね。
安藤オブザーバー
 そうですね。
吉田委員
 そういうことですね。最初の母数ですよね。
安藤オブザーバー
 母数です。塗料として、我々出荷ベースのところで把握できる数字はこれであると。あとは、大気に出るときに燃焼で大気に出なかったものもあるかもしれませんし、それはこの数字から何パーセントか減じることが必要になるかと思っております。
御園生委員
 最初の経済省で出された、VOCの推計というのは出荷量ですか、排出量の推定値ですか。
中西座長
 そこはお願いします。
事務局(斉藤)
 推計の方法は業種や使用実態によって、やり方はいろいろ変えています。塗料の推計につきましては、今お話にありましたとおり、どう使われているかわからないところもあり、出荷量ベースがメインになっております。その年度に出荷された量は、その年度に全部使われるという仮定のもとに、それが使われた地域で、すべて出ていくという推計の仕方をしております。
安藤オブザーバー
 補足します。
 4ページの図は塗料中の含有量という考え方に基づいた数字で、母数の問題ということになります。これに関して、大気への排出率というんですか、処理されて減って出ていく部分があるだろうとか、水の方に出ていった部分があるだろうかということを加味して計算してみたものをVOC排出量としています。
事務局(斉藤)
 あと一点、補足します。
 今、出荷量がすべて使われ、大気へ排出されるものとして推計していると説明したのは、主に家庭用とか建物の屋外塗装など届出対象外の推計している部分に限った説明です。例えば自動車製造業とか23業種に属する届出対象のところで塗料の使用に伴い排出される量は、届出に基づいた排出量をもちろん集計しているということであります。
中西座長
 よろしいですか。どうもありがとうございました。
 その次、オールジャパンの話を……。
事務局(堀)
 御承知のとおり、現在のVOC削減の考え方については、日本全体で3割程度削減するのが適当ではないかということで進めております。こちらにつきましては、もちろん地域的な問題は当然考えられるわけでございますけれども、一つには、従前の有害物質と違いまして、2次生成によってオキシダントとかSPMができるということでございますので、基本的に広域的な観点として取り組んでいかなければいけないということが基本になっていると認識しております。
 例えばそこを関東圏で見るのがいいのかとか、東京で見るのがいいのかとか、そちらについては、現在行っておりますそもそものシミュレーション・メカニズムの検討なども踏まえて、今後、さらに検討していくべき事項ではないかと思っております。
 そういう観点もありまして、今回、自主行動計画におきましては、各業界団体の方でブロック別の関東とか、中部とか、大阪とか、そういうエリアでは一体どうなっているかということをあわせて集計していただいているというのは、エリアごとの寄与というのはどのぐらいオールジャパンと比較して意味があるのかということを検討していくための一つの材料としてお願いしているわけでございまして、篠原委員、御指摘の点については今後検討するべき課題と思っています。
 したがいまして、個別の自治体の取り組みについても、そこは自治体と地元企業の方々の御協力によって、それぞれ当面はやっていただくということを進めつつ、全体のフレームワークをあわせて検討していくということではないかと思っております。
中西座長
 池田委員、お願いします。
池田委員
 まず辰巳委員の環境省との連携ということでございます。当然必要と思っております。ただ、今まで東京都の方も、先ほど紹介したようないろんな指導のツールを足元固めしないと申し入れもできない状況で、それに全力を尽くしておりました。私のスライドの最後のところにも御説明したように、区市町村含めて、すべての市民の方も含めた協力が必要だと思っていますので、国とも環境省とも十分、これから調整を取って協力していきたいと思っております。
 また、角田委員の……。お褒めいただいてありがとうございます。こういうものは一つの対策技術でございますから、ホームページでも丸ごと載せますし、それについては広く全国的に活用していただけたらと思っております。
 アウトサイダー対策ということで、ここでも随分問題になっているんですけれども、東京都の取り組みは、条例上の工場という大きな枠組みで指導してまいります。具体的には、この対策ガイドが間もなくでき上がりますので、5月末から6月にかけて、都内で排出量の多い上位900社を手始めに説明会を催します。そういう形で、この取り組みを普及・支援していきたいと思いますので、ここでは、業界に入っている、入っていないアウトサイダーの方も含めて、東京都の方で区市町村と協力しながら指導してまいりたいと思っております。
 こういう取り組みは、先ほど言ったように、処理装置とかいうとお金だけ出ちゃうだけなんですけれども、塗着効率の向上とか、むだな排出を減らすということが企業にとってもメリットになりますね。同時に、現場をよく知っている岩崎委員の御指摘にもあるんですけれども、作業環境もよくなるということで、従業員にとってもメリットになるだろうということを強く説明しながら、自主的取組が進むように説得してまいりたいと思っております。
中西座長
 どうもありがとうございました。
 お待たせしました。二瓶委員、どうぞ。
二瓶委員
 今回の自主行動計画に参加されている団体が22団体で、検討中の団体が七つということで、29団体なんですが、私の記憶によると、有害大気汚染物質の自主行動計画のときには70団体ぐらいが参画されていたのではないかと思うんです。このギャップにちょっと驚いております。必ずしもオーバーラップしているということではないと思うんですけれども、もう少し行政側からの働きかけ……。自主行動計画ですから余り強制はできないのかもしれませんけれども、もう少し何か手があるような気がするんですが、いかがでしょう。
事務局(堀)
 御承知のとおり、有害大気の場合は12物質それぞれにやっておりますので、70というのは延べ的なところがカウントされておりますので、70とこれを比較するのは余り適当ではないということが第1点としてございます。
 それから、今ここに載っていませんけれども、御検討中の団体もございますし、今回、中小企業関係が非常に多いということで、実態調査とかそういうのに結構お時間がかかっているというところもございますので、大企業の方々は割と早く集計とかされているんですけれども、その辺の時間的な問題ということで、これから年々増加をしていくと期待しておりますし、私どもも関係のところにはいろいろと相談をしていきたいと思っています。
中西座長
 ほかに御意見ございますでしょうか。
 どうぞ、指宿委員。
指宿委員
 東京都の対策、非常に興味深く見させていただいて、特にアドバイザーの派遣ということ、去年12月ですか、始められていて、今まで実績がどれくらいになっているのかなというのが一つ。
 もう一つは、そういうのを受けたところが事例発表会をしていくという、これによって、どれだけのコストで、どれぐらいの効果が出るよというのを具体的にみんなに示すことができるということで非常に効果的なんじゃないかなと思っているんですが、その辺、お話しいただけたらと思います。
池田委員
 アドバイザー制度は昨年11月に発足ということで、プレス発表なんかしてPRしたんですけれども、当時、VOCって余り知名度がなくて。何件かというと、年度内に4件やっています。この結果については、東京都のホームページの中にアドバイスの風景とか含めてやっております。いずれもアドバイスを受けたところは非常に喜んでございます。
 それで、昨年度中にも申し込みはあるんですけれども、年度事業でございまして、VOCのハンディ型の測定機も年度単位でリースしておって、今年度もリース契約が間もなくできますので、そういう材料がそろって、今後どんどん広めていきたいと思っておりますので、皆様、大いにPRしていただきたいんです。
 あと、先ほどコメントしなかったんですけれども、無料でアドバイザーを派遣できますので、東京都としては、財政的な問題としても、かなり頑張った対策かと思っております。
中西座長
 ありがとうございます。ほかに……。
中西座長
 本当はもう少し御質問があるんじゃないかと思いますが、時間が来ておりますので、これで終わりにさせていただきたいと思います。その他という議題は、もう省いてしまいまして、事務局から次の御案内ということでお願いいたします。
事務局(青木)
 次回のワーキング・グループにつきましては、18年度分のVOC自主行動計画の取りまとめ結果と、PRTR等を用いた有害大気汚染物質の排出状況のフォローアップ、この二つにつきまして、11月ごろに御報告をする予定でございます。具体的な日程につきましては後日、調整をさせていただきますが、11月ごろに開催されるというふうに御記憶いただきたいと思います。
 以上です。
中西座長
 本日は、長い間、どうもありがとうございました。
-了-

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最終更新日:2006年6月16日
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