経済産業省
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産業構造審議会環境部会産業と環境小委員会、化学・バイオ部会リスク管理小委員会、産業環境リスク対策合同ワーキンググループ(第6回)‐議事録

日時:平成20年2月15日(金曜日)14時~16時

場所:経済産業省別館11階1120共用会議室

出席者

委員:中西座長、伊藤委員、指宿委員、岩崎委員、久米委員、小泉委員、篠原委員、辰巳委員、土井委員、中村委員、二瓶委員、橋本委員、藤山委員、保坂委員、御園生委員、油井委員、吉田委員

事務局:伊藤(大臣官房審議官)、中村(環境指導室長)、福島(化学物質リスク評価室長)、藤沢(化学物質管理課課長補佐)、古金谷(環境指導室課長補佐)、齋藤(環境指導室課長補佐)

議題

  1. VOC排出抑制に係る自主行動計画について
  2. VOC排出抑制の促進に関する取組について
  3. 有害大気汚染物質に関する自主管理のフォローアップについて
  4. その他
  • 齋藤課長補佐

    本日は、お集まりいただきましてありがとうございます。

    定刻になりましたので、これより産業構造審議会産業環境リスク対策合同ワーキング・グループ、第6回の開催をさせていただきます。

    まず、開会に当たりまして、事務局を代表いたしまして、伊藤大臣官房審議官より一言ごあいさつ申し上げます。

  • 伊藤審議官

    環境問題を担当しております大臣官房審議官の伊藤でございます。

    本日は、皆様お忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

    近年、地球環境問題を初めとしまして、環境問題に対する社会的関心が非常に高まってきているわけでございます。私も日々大変忙しくやっておりますのは、地球温暖化という問題でございまして、国内、それから国際交渉を含めて、今まさに本格的に進んできているところでございます。ただ、地球温暖化に限らず、まさに環境問題全般というものが、大変大きな社会的及び国民的な課題となって取り上げられてございます。

    こうした中で、本委員会でご議論いただいておりますVOCにつきましては、平成16年の大気汚染防止法の改正により、規制と自主的取組の双方の政策手法を適切に組み合わせて排出を抑制することとされまして、平成18年4月から規制が開始されたところでございます。また、産業界におかれましては、規制の対応に加えまして、VOCの排出削減に向け、業界単位で、あるいは企業単位で自主的取組を進めていただいていると承知をしております。

    詳細につきましては、後ほど担当より詳しく説明させていただきますが、平成18年度は、総じて産業活動が活発化し、それに伴いましてVOCの排出に通ずる機会も増加していたわけではございますが、産業界の努力によりまして、排出量は着実に減少し、自主行動計画に参加いただいている事業者におかれましては、平成22年度までに、平成12年度比3割削減というVOC排出削減目標を概ね達成したというふうに伺っているところでございます。

    本日は、平成18年度におきますVOC排出抑制に係る自主行動計画のフォローアップ、VOC排出抑制の促進に関する取り組み及び有害大気汚染物質に関する自主管理のフォローアップにつきまして、ご報告をさせていただくことになっております。

    委員の皆様におかれましては、VOCの排出削減に向けた取り組みに関しまして、改善すべき点等、忌憚のない意見をお寄せいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

    ありがとうございました。

  • 齋藤課長補佐

    次に、新しく委員にご就任された委員の方々をご紹介いたします。

    遅れておりますけれども、日本経済団体連合会産業第三本部長 岩間委員。社団法人日本塗料工業会専務理事 久米委員、石油連盟環境専門委員会委員長 藤山委員、社団法人日本印刷産業連合会業務推進部長 油井委員でございます。

    続きまして、委員の出欠状況をご報告いたします。

    本日は、内山委員、角田委員の2名がご欠席で、20名中18名の委員にご出席いただいておりまして、岩間委員はただいまちょっと遅れているようでございます。当ワーキングの定足数を超える委員のご出席をいただいておりまして、本ワーキングは有効に成立していることをご報告いたします。

    それでは、以降の議事進行を中西座長にお願いいたします。

  • 中西座長

    皆様、こんにちは。どうもありがとうございます。年度末のお忙しい中、お集まりいただきまして、どうも恐縮でございます。

    では、議事を進めさせていただきます。

    まず最初に、資料の確認をお願いいたします。

  • 齋藤課長補佐

    資料の確認です。お手元の議事次第を御覧いただければと思います。

    配付資料、資料1から11までと、参考資料1、2、3とございます。

    まず、参考資料2につきましては、「平成19年度VOC排出抑制に係る自主行動計画について」ということで、資料が細部にわたっているため、傍聴者の方々には未配付となっております。本資料につきましては、後日、ホームページに公開させていただきますので、そちらで御覧いただければと思います。

    また、資料2の前回議事録につきましては、委員のご確認を得て、経済産業省のホームページで公開済のものでございます。

    資料等、不足等ございましたら、事務局までお知らせいただきますようお願いいたします。

  • 中西座長

    それでは、審議に入りたいと思います。

    本日の主な議題というのは3つありまして、この議事次第を見ていただきますとわかりますように、第1番目が平成18年度の排出量の実績値を中心に、その取りまとめ結果をご報告いただくことになります。

    それから、2つ目の議題は、VOC排出抑制に関する取り組みについて。産業環境管理協会、日本産業洗浄協議会、東京都及びNEDOの技術開発の実施者の方からご紹介をいただくことになっております。

    最後に、有害大気汚染物質の自主管理のフォローアップの結果についてご紹介をいただく予定です。

    それでは、まず第1番目の議題の自主行動計画の取りまとめ結果につきまして、事務局のほうからご説明をお願いいたします。

  • 中村室長

    環境指導室長の中村でございます。

    それでは、資料3に基づきまして、「平成19年度VOC排出抑制に係る自主行動計画の概要について」、ご説明をさせていただきたいと思います。

    まず、1.業界団体等と書いてございますが、今回の対象となりましたのは、37業界団体、34件の自主行動計画の提出がございました。この37件と34件の差分でございますが、電機・電子4団体がまとめて1つの計画を提出しておりますので、34件の自主行動計画が提出されたということでございます。

    取り組みに参加している企業でございますけれども、10,217社ということで、1万社の大台を超えたということでございます。下にVOCの自主的取組の参加団体が書いてございますが、下線部を引いた団体が、今年度新たに参加した団体ということでございます。

    参加団体として5団体新たに追加されておりまして、VOCの自主取組支援団体として、2団体が追加されております。支援団体の産業環境管理協会と日本産業洗浄協議会に関しましては、後ほどプレゼンテーションをしていただく予定となっております。

    VOCの自主的取組の参加団体でございますが、5団体のうち4団体は、昨年度の委員会でご参加を表明していただいたということでございますけれども、その後に、日本自動車車体整備協同組合連合会が新たに参加を表明していただいたということでございまして、その5団体プラス、自主的取組の支援団体2団体で、7団体新たにご参加いただいたということでございます。

    一番下に書いてございますように、日本粘着テープ工業会と日本金属ハウスウェア工業組合でございますけれども、この2団体につきましては、来年度の自主行動計画に参加していただけるということでございます。特に日本粘着テープ工業会に関しては、正会員18社でございますが、ほぼ全社がご参加いただけるということでございます。また、日本金属ハウスウェア工業組合は、燕三条で洋食器をつくっている組合でございますが、数社参加をいただけるということでございます。私どもとしては、業界団体に新たに加わっていただいたり、あるいは業界団体の中でできるだけ多く参加いただくということを通じて、自主的取組の参加企業を増やしていきたいと思っています。加えて産業環境管理協会では、アウトサイダー対策として、業界に属してない企業に関しても、参加を呼びかけていただきましたが、来年度も引き続きアウトサイダー対策ということもやっていきたいと思っております。

    次のページをおめくりください。

    全国のVOCの排出量でございます。

    ご承知のとおり、平成12年度に比べまして、平成22年度を3割削減ということが目標でございます。今回、平成18年度の数字が新たに出たわけでございますが、年間排出量が35.7万トンということでございます。削減量としては15.3万トンということでございまして、削減率というのは30%ということでございます。先ほど伊藤審議官から申し上げましたとおり、22年度目標は、既に18年度で達成しているということでございます。平成22年度、今、自主行動計画に参加している企業の計画では39%の削減率ということですので、順調に推移をしているということかと思います。

    2ページの下の参考1でございますが、これは地域別に見たものでございます。関東地域と関西地域と中部地域と、3地域について削減パーセントも書いてございますが、関東地域の削減が著しく、32%の削減となっています。一方、中部地域でございますが、若干減りが少なくて、18%の削減ということでございます。これは景気が非常に上向いているという面もありまして、生産量の増加等によって、削減努力はしているのですが、結果として、削減量がそれほど大きくなかったということでございます。

    次のページ、3ページでございますが、物質別のVOCの排出量でございます。これも大量に排出している順に10物質記載させていただいておりますが、トルエン等が、他の物質に代替されるということもございまして、物質毎でも順調に減少をしているということでございます。

    3のご説明の前に、次のページの4ページをおめくりいただきたいと思います。

    まず参考3で、参加団体の変化が書いてございます。平成18年度からの参加団体では、平成18年度の報告ですと、9,341社ということでございます。平成19年度には8,942社ということとなっており、結果として399社減っておりますが、これはその業界の中で、M&Aとか、あるいは廃業等がございまして、その影響によって減少したと思われます。

    ただ、一方で19年度から新規に入った団体が7団体ございまして、その数が1275社ということでございます。結果として、876社ふえまして、昨年度は9,341社だったのですが、今年度は10,217社ということでございます。

    参考4は、前回の審議会でも話題になったのですが、環境省のインベントリ調査との比較でございますが、環境省のインベントリですと、平成12年度の排出量は146.5万トンということでございまして、12年度の排出量で比較しますと、自主行動計画が51.0万トンですので、捕捉率が34.8%ということでございます。

    環境省のインベントリ調査に関しましては、私どもの自主行動計画を基本にして計算したものと、生産量等を勘案して推計したもので構成されています。

    この中の委員の中でも、環境省のインベントリ調査の推計に協力されている業界団体の方もいらっしゃいますので、今後とも、そういう業界の実態をうまく反映した形で排出量を算定していただきたいと思います。また、産環協で昨年度計算をしたところ、129.5万トンという数値が出ておりますが、私どもとしてもさらにこの数値を精査をした上で、本当に確からしい数字というのをつくっていきたいと思っています。現段階では、環境省の146.5万トンというのを参考にしながら、パーセンテージ(捕捉率)としては34.8%ということとしています。

    一方、平成17年度の数値でございますが、排出量と削減量は出ております。自主行動計画に占める割合に関していえば、排出量に関しては、捕捉率は31.0%でございますが、削減量に関しては52.8%ということでございます。平たくいえば、自主行動計画に参加した企業が一生懸命削減をしているということだと思います。自主行動計画の効果が1つあらわれた例だと認識しております。

    参考5でございますが、先ほどの捕捉率の話ですが、仮に146.5万トンが母数としますと、昨年度報告では33.1%でございますが、今年度は34.8%ということで、1.7%の増加ということになってございます。

    最後に、3ページの3の平成19年度の自主行動計画のポイントということで記載をしてさせていただいております。

    1つは、平成12年度比削減目標30%をおおむね達成したということでございます。その下に書いてございますように、自主行動計画参加団体でございますが、排出量の捕捉率は約1.7%増加したということでございます。

    次に、大気汚染防止法によるVOC規制の対象施設、設備を多く有している業界の中には、排出抑制設備の導入を計画的に検討している業界があるということを言及しています。

    例えば、石油精製企業でございますが、8年に1回定期点検を行うことになっておりまして、それに合わせてVOC対策を計画的に行っているということです。さらに、自動車業界等では、グリーン調達をする際に、VOC排出抑制を行っている企業から優先的に調達をしている例がございます。

    また、塗料とか接着剤の業界では、表示制度をつくりまして、例えばVOCの含有量が3割以下のものに対して、その表示をするような試みがされておりますし、印刷業界におきましては、印刷に係る環境ガイドラインというものを策定いたしまして、第3者による工場認定制度を構築し、自主的な取り組みがなされております。

    今年度3割削減したわけですが、今後はできるだけ母集団を増やしていきたいと思っております。母集団をふやすためには、業界団体の参加率を高めるということ、新たに参加していただく業界団体を増やすということと、産環協を中心に、アウトサイダーを捕捉することを行いたいと思います。母集団を増やしつつ、削減目標を達成して行きたいと考えています。また、環境省が作っているのインベントリの調査結果に関しましては、私どもが精緻につくることを通じて、できるだけ正確な数値をご提示いただきたいと考えています。今後も環境省と協力しながら精緻化に努めて参りたいと考えております。

    以上でございます。

  • 中西座長

    どうもありがとうございました。

    それでは、ご意見あるいはご質問などございますでしょうか。お願いいたします。

    説明も明快で、ご質問もないということでよろしいですか。

  • 伊藤委員

    光化学オキシダントが削減しているのか、一向に進んでないのかわかりません。これに対するアウトプットといいますか、環境測定の結果とかとを比べた場合の効果とか、そういうものはどういうふうになっているわけでしょうか。

  • 中西座長

    もう一方、ご質問を一緒に受けてしまいます。

  • 土井委員

    当然、法のトータルな目標というのは、日本全体で30%程度を目標にして、排出抑制をというのが全体ですよね。

    そうすると、4ページでいくと、参考4、参考5では、トータルで見ると、平成12年の排出量の比で見て、参考5であったら、34.8%。3分の1をグリップしている。しかも、1.7%アップしているという話もありますけれど、前に進んでいることは事実だと思うんです。そうすると、その30%の取り組みの政策目標に対して、約3割をグリップしながら、今の数字が全部精査されているんですね。

    ご指摘のように、母集団をふやすという話の中で、例えばアウトサイダーはどうするのかというと、自主的取組の推進については、産環協さんの支援ボードというお話だと思うんですけれども、もう少しその支援ボードの中身、プレゼンの後のほうがよければそうしますが、中身に対して国の支援はどうするんですかとか、どういう考え方で進めるんですかというコメントをいただきたい。

  • 中西座長

    それでは、土井委員のご質問については、あるいは後半のところでというものを含めてお願いいたします。

  • 中村室長

    まず伊藤委員の質問でございますが、VOC削減と光化学オキシダントの発生の因果関係と理解をしております。VOCが削減され、その結果、光化学オキシダント濃度が減少し、光化学スモッグの発生を抑制するというのが一番の目的でございます。その因果関係につきましては、環境省において、平成18年から5年計画で、シミュレーションによる因果関係の解明を行っていると聞いておりますので、そこと連携をとりながら、VOCを削減したら、結果として、大気環境もよくなるということを確認しながら、VOC削減をやっていきたいと考えております。

    もう1つ、土井委員のご質問でございますが、現在、約3分の1の捕捉率でございますが、我々としてはできるだけ捕捉率を増したいということも考えています。国の支援ですが、例えば税・財投でございます。税でしたら特別償却制度がありますし、地方税についても減免制度がございます。それ以外にも、日本政策投資銀行、中小金融公庫等の政府金融機関が行っている低利融資制度があります。

    そういう制度を活用しながら、市場メカニズムの中でVOC削減企業を増やしていきたいと思います。後ほど、指宿委員がプレゼンテーションされると思いますが、業界団体に属していないアウトサイダー企業の参加を促す仕組みを作りました。また、地方においては、地方経済産業局や東京都を初めとした都道府県とも連携しながら、全体として削減できるような仕組みを引き続き考えていきたいと考えております。

  • 伊藤委員

    今の光化学オキシダントが下がっていくのを検証していくというお話なんですが、ご存じのとおり、大陸から光化学オキシダントが来るという話もどんどん進んでいますよね。

    そういう中で、私ども産業界で心配するのは、我々がきちんと下げたけれども、光化学オキシダントは大陸から来て、結局平成22年度も下がってないから、また下げろと。またVOCを下げろといわれてしまうというのも、私自身若干心配しているんですけれども、このVOC削減は、スタートしてもう2年か3年になりますよね。とすると、今のおっしゃるオキシダントだけではなく、直接はかれるかどうか、私よくわかりませんけれども、別の評価をすることも考えないと、我々、またどんどん下げろと、またほかのところも下げろということが繰り返し行われるようなことがあると困るので、ちょっとお聞きしたんですけれども。

  • 辰巳委員

    22年度までの目標値は出ていますが、私もおっしゃったのに関連しますが、将来的にどのくらいに、どのくらいの量というのがあるのかどうか。その可能性がどんどん下げてくださいと申し上げて、本当にどんどん下がるものなのか。

    何かにかえたら、それはそれでうまくいくものなのかとか、その辺りが私もよくわからないのですが、先ほど審議官がおっしゃったように、地球環境というのを考えたときには、5年や10年ではなくて、もっと長い将来を考えていかなければいけないわけで、捕捉できてないところも、集中的に出しやすい企業と出しにくい企業があると思うのですが、その辺りもどういうふうに峻別されているのかとか、少し疑問だなと思いました。

    だから、どの辺で到達して、それは、いつかはきっと並行にならないと不可能だろうと思うのですが、この平成22年度目標の39%の後がどうなるのか、そのあたりを教えていただきたい。

  • 中村室長

    なかなか難しい質問でございます。とりあえず私どもの当面の目標としては、平成22年度までに3割削減というのが目標でございまして、それ以降は、先ほど伊藤委員がおっしゃったように、科学的知見を充実させながら、今後どうするかを決めていきたいと思っています。

    業界によっては、代替物があって削減が可能という業種もございますし、なかなか代替物が見つからなくて、削減が難しいということもございます。また、素材メーカーが一生懸命削減をしようと思っても、エンドユーザーの方にそのような意向がなかったら、なかなかそれも進まないということもございます。私どもとしては、もちろん素材メーカー、例えば塗料を作られているメーカーだけではなくて、それを使われているメーカーにもお声かけをして、国全体として削減しなければいけないというような方向に持っていきたいと思っております。

  • 篠原委員

    全体で1万を超える事業者が参加されているというのは大変すばらしいことだと思うんですけれども、多分正確な統計はないと思いますが、この1万217社、大企業と中小企業に分ければどれぐらいの比率なのかというのと、実際に削減した実績の寄与度が、大企業と中小企業でどのぐらいの比率なのか、わかりますか。

  • 中村室長

    現在、手元に資料がございませんので、後ほど、可能かどうかも含めて精査させていただいてご報告させていただきたいと思います。

  • 篠原委員

    大ざっぱなイメージではどんな感じですか。

  • 齋藤課長補佐

    中小企業組合とか、そういう団体の方々も多数参加いただいているという状況で、数字は今、ありません。

  • 篠原委員

    はい、わかりました。

    それでは、代表的な業界の方がおられれば後で結構でございますけれども、各業界で、大企業も中小企業もメンバーにおられると思うんですが、カット率、削減率は大企業も中小企業も大体一律でやっておられるんですか。それとも、大企業と中小企業では差をつけて、業界全体で何%とされているんですか。

  • 中村室長

    参加企業が自主的に計画を立てていただいて、それをただ単に積み上げた数字でございますので、企業によって相当違っております。

  • 篠原委員

    では、それぞれ業界の中で自己申告を積み上げたということですか。

  • 中村室長

    そうでございます。

  • 篠原委員

    はい、わかりました。

  • 中西座長

    平成22年度の目標を達成した後にどうなるのかというのは、本当に私も非常に気がかりなことで、それに向けて科学的な知見をふやしながら、次のときにはできるだけきちっとした議論が進められるように、ぜひしていただきたいと思っております。

    1番目の議題はこれでおしまいにしまして、2つ目の議題に移ります。

    「VOC排出抑制の促進に関する取組について」。産業環境管理協会、それから、日本産業洗浄協議会及び東京都から説明をいただきますが、質疑につきましては、ご説明が全部終わった後に、一括してさせていただきたいと思います。

    では、まず産業環境管理協会の指宿委員のほうからお願いいたします。

  • 指宿委員

    それでは、10分以内ということですので、簡潔に説明をさせていただきます。

    (パワーポイント1、2)

    タイトルはごらんのとおりで、この支援ボードの設置は、一昨年の12月ですけれども、合同ワーキンググループで、自主行動計画に未参加の業界団体に属する業界、中小企業、いわゆるアウトサイダーの受け皿として、産業環境管理協会が貢献できるのではないかということで、その部分が記載されておりまして、それに対応して私ども協会で準備をしました。具体的には、昨年の10月1日付で支援ボードというものを設置いたしました。

    (パワーポイント3)

    支援ボードを大きく分けると、2種類の会員から構成するようになっております。

    1つがステップ1の会員ということで、こちらは自主取組をどういうふうにやったらいいか、その辺の知識からわからない。しかし、自主取組に参加したい。そういう意思のある企業を産環協が支援して、事前検討をお手伝いするという会員でございます。

    ステップ2の会員というのは、そこは何とかなるんだけれども、例えば排出削減を図っているので報告したいが、報告先がない。それから、PRTR届け出事業者で未参加の企業もある。そういうところで、排出量を報告していきたい。それを私どものほうでまとめて報告するという受け皿的な機能。そういう意味で、支援と報告という2つの機能を持つようにいたしました。

    (パワーポイント4)

    そういう意味では、支援ボードの基本ルール、例えば参加する企業にとっては、そのデータがどういうふうに秘密が守られるとか、その辺が非常に関心の高いところですので、その辺についてルールをつくりまして、それを皆さんに配布して募集をしたというところでございます。

    右側のほうに、先ほど申し上げたステップ1の会員とステップ2の会員、それについての中身を書いてございます。

    (パワーポイント5)

    主な情報提供。ボードを通じて、どういう情報を提供したかというのをここにまとめておりますが、右側のほうに書いてありますように、今まで私どもの協会が経産省から委託した事業として成果がございますが、例えば排出抑制の手引きですとか、そういったもの。それから、3番目に「簡易パンフレット」とありますが、これはボードに関する簡単な説明をしたパンフレットでございます。

    支援ボードについては具体的な内容の書類になりますが、ここの表の下に「9万5217」と書いてあるのは、このVOC関係のホームページにアクセスした総アクセス数になります。例えば、先ほどのパンフレットでいいますと、ダウンロードされた件数が8000件とか、かなり大きな数字になってございます。

    一方で、支援ボードのほうは、そういうダウンロードの件数がガクッと減っていて、冊子の配布は、今のところ90という状況。これは後ほどご説明するようにいたしますが、世間一般的に非常に関心は高くなって、情報をとりに来るという方はふえているというのが、この表からおわかりになると思います。

    (パワーポイント6)

    今年度経産省のほうから、VOCの自主的取組を普及・促進する事業を私どものほうで受託いたしました。それについて若干ご説明いたしますが、まず4地域ですけれども、地域ごとに地域連絡会というものをつくりまして、そこをベースにして、4地域で2回にわたって普及セミナーを開催いたしました。

    セミナーの内容は左の下のほうに書いてございますが、その中で支援ボードの紹介もいたしましたし、それから、先ほどちょっと出た業界が率先して取り組めるようなインセンティブの関連のお話ですとか、対策の実例の紹介ですとか、そういうことをセミナーの内容としてやっております。延べで600社近くの方が参加されていて、そういう意味で、こちらが現在企業のデータベースになっているという状況でございます。

    アンケートをとりまして、そのトータルが300社以上なんですけれども、その中の内訳を右下の表に書いてございます。

    これで、今まででいう、いわゆるアウトサイダーというのは表の一番右下、「52」という数字がございますが、こちらがそういう意味で純粋なアウトサイダーの数というふうに思っていただけるといいかと思います。

    (パワーポイント7)

    その90社にはアンケートを出して、参加をお願いしてきたところなんですけれども、ここに「効果的な啓発方法」とありますが、むしろ「効果的な普及方法」というふうに考えていただきたいと思いますが、地方連絡会をつくって、その中で、経済局ですとか自治体あるいは業界団体等に参加していただいて、いろいろな議論をいたしました。

    もう1つ大きかったのは、東京都と埼玉県のほうに、都県下のPRTR届け出事業者へ連絡するという機会に、セミナーの案内を同封していただきました。それをすることで、セミナーへの参加者が非常にふえるということがございました。大阪府についても、生活環境に関する条例があるんですが、そこの届け出事業者へのご案内をしていただいたところ、非常に多数の申し込みがございました。

    そういう意味で、ホームページから連絡するよりも、ダイレクトメールを出すのが効果的。特に地方自治体等からの周知というのが非常に効果が大きいということが、セミナーをやっている中で感じたことでございます。

    (パワーポイント8)

    自主的取組に参加できないという例、アンケートの中からどういう類例があるかをまとめてございます。

    1つには、もう対策をとってしまって、これ以上対策がとれないという方。それから、何をしたらいいかわからない。これは先ほどのステップ1の会員に相当するんですが、そういう方。それから、なかなか手が回らないということもございますし、周りの様子を見てからというような類型もございます。

    (パワーポイント9)

    具体的に自主行動計画を作成するのは、どういうふうに難しい点があるだろうかというのをまとめたのがこちらにございます。

    1つは、先ほどちょっと企業のバウンダリーが変わる話がありました。そうなると、12年度と22年度が比較できないということ。

    例2は、製品や取扱物質が毎年大きく変動する。これは小ロットの受注生産をやっているところでは、そういうことになります。

    それから、もう1つ、生産量の変動。こちらは非常に大きな問題だと思いますが、生産量が伸びてしまって、例えば、製品1個当たりのVOC排出量の原単位は下がるんだけれども、生産量の伸びがそれを超えてしまって、排出量の絶対値が下がらない。そういうケースの場合です。こちらの場合には、なかなか自主行動計画に参加しにくいということになります。

    (パワーポイント10)

    動機づけというのがインセンティブで非常に重要になりますが、VOC対策というだけではなくて、例えば化学物質の管理ですとか、作業環境の改善ですとか、悪臭問題への対応ですとか、そういった別の事柄にも役に立つんだよとか、それから、先ほどあったような財政的な支援、そういったものとの連携というのが重要かなと思っております。

    (パワーポイント11)

    こちらが1年間、実質的には3カ月から4カ月やった結果でございます。現在の時点で全部で7社で、うち6社がステップ2の会員、1社がステップ1の会員でございます。

    排出量報告が3社でございまして、その結果を表にまとめてございます。12年度の排出量が1000トンで、18年度が1500トン。伸びておりますが、これは生産量の伸びが非常に大きかったためということでございます。22年度の目標排出量は960トンで、12年度に比べると4%の減。3社という少ない枠の中で、こういう結果が出ているということでございます。

    ただ、あと1社、私どもが普及活動を通じてコンタクトした会社がございますが、こちらについては、私どもを通じてというよりは、参加団体を通じて自主取組に参加するという決定をされまして、そういう意味では、我々の支援の別のいい形の成果が、ここに1つ出ているとご理解いただきたいと思います。

    (パワーポイント12)

    支援ボードの今後の展開ですけれども、今まで得られたデータベースを使って、さらなる周知活動をする。企業データベースを拡大し、そこでは地域、他機関との連携が非常に重要になるかと思います。

    (パワーポイント13)

    それから、未参加の業界団体についても、単一の企業としては参加したい事業者ですとか、そういう方々を掘り起こすために、業界団体のご協力をお願いしたいと思います。

    (パワーポイント14)

    それから、先ほども申し上げましたが、自治体というものを通じて、小さな業者、アウトサイダーを掘り起こしていくということが非常に重要ですし、支援ボードがあるよということを地域でアピールする。そういうことへのご協力もお願いしたいと思っております。

    (パワーポイント15)

    最後に、支援ボードの発展像として、残念ながらまだ大きな数ではございませんけれども、それらを呼び水にして参加者を拡充していくという運動が必要だろうと思いますし、数が集まってきた段階では、そういう集まってきた企業が、今後自主的に発展できるような運営の方法を考えていきたいと思っています。

    以上です。

  • 中西座長

    どうもありがとうございました。

    では、引き続きまして、産洗協の取り組みについて、土井委員に。大変申しわけありません、10分という短い時間ですが、よろしくお願いいたします。

  • 土井委員

    産洗協の土井でございます。

    (パワーポイント1、2)

    産業洗浄の領域が私どものプロパーの領域なんですけれども、領域としての特殊性といいましょうか、支援活動の取り組みに当たってのキーワードという表現でいいますと、この3つなんですね。

    1つは、対象物が塩素系溶剤だということ。それから、中小企業領域が多い。3つ目が、さらに、まだアウトサイダーが多い。

    (パワーポイント3)

    実は塩素系といいますのは、平成12年の環境省のインベントリの最初のもののデータで、9%、14万1000トンなんですが、右側にそれを抜き出しますと、ジクロロメタンとトリクロロエチレンとテトラクロロエチレンで約70%ぐらいなんです。残りが炭化水素系とか等々あるので、ここの場合には、当時若干推計も入っていたという分もありますけれども、現実には、排出量の中で60~70%ぐらいの対象になるのが塩素系である。1つのキーワードです。

    (パワーポイント4)

    2つ目は、これはややこしくて申しわけないですけれども、ジクロロメタンなんかどこの領域かという部分ですね。これはクロロカーボン衛生協会さんのデータ、ちょっとデータが古くて申しわけないですが、ここの工業洗浄です。41%と出てますけれども、このウエートですね。排出量の部分で見ると、洗浄が非常に多い。この洗浄が、ジクロロメタンで見た場合にどの領域かというと、金属製品の表面処理といいましょうか、脱脂洗浄という領域がピークになっています。

    さらにいうと、結局最後はここへ入れているんですが、塩素系洗浄剤を使用している金属加工業。つまりプレスの加工とか、それからメッキもそうなんですが、切削加工とか、こういう分野が多い。

    (パワーポイント5)

    これは全鍍連さんということになりますが、メッキの製造業者の従業員数、これは企業統計から。これもちょっと古くて申しわけないんですが、ここにありますが、70%が20人までの事業所なんです。

    さらに、先ほどご紹介ありましたけれども、日本金属ハウスウェア工業組合さん、燕三条で、いわば地場産業でおやりなんですが、これを見ますと、ここで28%という形になっています。かなり小規模な事業所が塩素系というキーワード。

    (パワーポイント6)

    もう1つは、アウトサイダーが多いというキーワードがある。これは、それぞれ分母になってますが、ここに文章が書いてありますので簡単に申し上げますと、平成15年度のデータの、後で議論になります有害大気でグリップしている産業界の数字を分子にして、これは若干推計も入れているんですが、PRTRも届け出と、それで分母と分子を割り出すんです。

    いいかえると、見方としては、無理に数字を読んでいるところが若干あるかもしれませんが、業界団体がどれだけ把握しているんですか。そうすると、ジクロロメタンについては、23%しか業界団体はグリップしてないんです。

    有害大気の取り組みで出てきた数字、これは平成15年のデータです。ほかは約50%近くなんですが、それでも4割ぐらいだ。そうすると、アウトサイダーという部分が3つ目のキーワードになる。

    そこで、それに対して排出抑制の支援策をするとなると、要望、ニーズということになると、ここはもう時間は省いていますけれども、どうしたらいいかわからぬというのが一番多いんです。

    (パワーポイント7)

    やることは、これは環境省さんの支援事業といいましょうか委託事業でやらせていただいたんですが、平成17、18年度というのは、技術マニュアルをつくる。全体にVOCの取り組み、排出抑制や自主的取組を説明するというのは、先ほどご紹介があった産環協さんのマニュアルが十分大きくありましたので、それじゃ、領域としての産業洗浄における排出抑制の技術はどんなものがありますかというマニュアルをつくるという作業を、実はこれは2年間やった。

    2年もかかってあのマニュアルなんですが、ポイントは何をいいたかったかといいますと、そういう中小の事業者さんでインセンティブを与えることができる。そのためには、ここに文章として「コストダウンと作業環境改善活動でVOC排出抑制を」、これは実はページの裏のところにボーンと出ている。これはもともと日本語がおかしいんです。「VOC排出抑制でコストダウンと作業環境改善活動」という日本語にならないといかぬのですけれども、「むしろコストダウンにつながりますよ。作業環境につながりますよ。その視点で取り組んでもらったら、結果的にVOC排出抑制ができるんですよ」というインセンティブの切り口をやりたかった。

    そこで、モデル実験機をつくって、1年間かけて定量的なデータをつくったんです。これは1年間オペレーターをつけてやりましたので、かなり膨大なデータになりました。それを数字化したんです。つまり、最後はコストにした。「11万円落ちますよ」とか、そういう話にしたんです。

    ただ、マニュアルを配布するということについて、もしくはこの政策について、現場アドバイザーのときもそうなんですが、クロロカーボン衛生協会さん初め、全国鍍金工業連合会さんとか、JEMAさんとか、それから熱処理工業会さん、関連の業界団体さんに委員にも参加していただき、それから、配布活動にももちろんご協力いただいてという横の広がり、ご協力があってできることだったんですけれども。

    そこで、さらにいうと、本年度、19年度ということになっていますが、アドバイスしましょう、つまり、マニュアルをポンとお渡ししても、意味はわかるけど、うちはどうしたらええかというときに、どう取り組んだらいいの、どうしたらいいのという部分についてはなかなかハードルがありまして、「総論はわかるけど、本当のうちの各論はわからぬ。どうしようか」といわれたときに、「うーん」ということで終わっちゃう。終わるとはいいませんけれども、普及としてはもう少し展開をしたい。

    そこで、産洗協の中のOB十数名に参加をいただいて、これも環境省さんの委託事業の形をとっておりますが、15事業所で30台の洗浄機に対して、それぞれアドバイザーをかけています。現在かけている最中で、今データ集約の最中です。ただし、このアドバイザーは、アドバイスをしに行くアドバイザーではなくて、アドバイスをすることと同時に、何か1つやってもらって、その結果どうなったかをグリップして帰ってくるというアドバイザー制度にしました。

    (パワーポイント8)

    それがこういうマニュアル本の表紙です。

    (パワーポイント9)

    それから、先ほど定量的にというこういう洗浄機。これは絵ですけれども、実際の洗浄機の中に液を張ってデータをとった。

    (パワーポイント10)

    例えば、今までなかったんですが、縦に、洗浄機に入っている液量です。これが時間です。朝9時、スタートに電気のヒーターをどんと入れて、液量がどういうふうに変わっていくか。夜、ふたをして帰りました。そうするとというのが、ここのポイント。これで1日終わるんです。1日終わったら、何も洗浄しなくても、これだけロスしてますね。つまり、数字として全部定量的に評価をしたという中身です。

    (パワーポイント11)

    結局マニュアルとしては、インプラントということがいいんでしょうか。エンドオブパイプという表現が、どこの切れ目でやるかというのは我々の場合は難しいんですが、基本的に余りコストをかけずに、単純にいえばノーコストでもできる。つまり、スイッチの入れ方で、冷却水を先に回すことによって、すぐヒーターから入らずに、同時に入れずにということも含めた個別の技術にウエートを置きました。

    (パワーポイント12)

    確かにエンドオブパイプも入れています。入れていますが、これはご紹介レベルのものですので、データとしては、ここにはついておりません。

    (パワーポイント13)

    これはまだできてないんです。今年の3月、年度末に今度は事例集をつくります。

    (パワーポイント14)

    この事例集の中身は、やりました15事業所の中、30台の洗浄機の類型別に一応分けまして、それぞればらばらなんですけれども、それぞれどういう方法、これは個別の技術です。やることによってこういうことがつながって、最終的には、具体的に事例集で、どれだけの数字がコストダウンになりましたか。イニシャルどれだけかけましたか。期間的にはどういう形になりましたか。継続してやっておりますので、数字のつくり方がちょっと難しいところということがあるんですが。

    (パワーポイント15)

    1つの例が、これはメッキの前の洗浄。メッキをやる前に、入ってきたものが脱脂できてないと、メッキがちゃんと乗らない。最後、ジクロロメタンで水切りをするという工程があるんですが、脱脂の工程、これが現場です。大体こういう感じの現場が多いんですが、ここにありますけれども、ふたがない。

    ここへ「ふたを設置したらいかがですか。それから、ここで風が来て舞い上げてますね」。これは3つのアドバイスをした。その中で、ふただけはすぐやろうかという話になって、現実につけたふたがこれなんです。

    これはふたといいますが、カーテンです。カーテンロール。カーテンロールをかけることによって、ふたという発想じゃなくて、使ってないときに風の影響。暑いとき、夏でしたら、風がバーッ入ってきて、作業者の方がスポットクーラーをバーンと当てると、その影響で舞い上げて出ていっているわけです。これはロールカーテンです。

    (パワーポイント16)

    こういうので、現実に数字がどうなったかというのを事例集の中へ入れていきたいと思います。事例集は、最終的に精査しますと、こういうそれぞれの提案したもの、実施したものを数字でということが出ています。ここの場合は、今ちょっと値上げですから、金額に換算するとこの効果が高くなると思いますが、現実にこの11万。

    (パワーポイント17)

    今後どうするんですかということになると、中小、アウトサイダーの部分は、結局、アドバイザーが入らないと、なかなか現場は行かない。それでは、マニュアルを配るだけではということにもなりますので、我々はそれをもう一段ツールをブレークダウンといいましょうか、具体的にいうと「EVABAT」という、当初もご提案といいましょうか、プレゼンさせてもらったんですが、ウェブ上で使えるようなツールに変えていって、広範に使えるようにもっと広がりを持った形で技術情報の展開をやりたい。これが1つです。

    それから、もう1つは、先ほどのアウトサイダーということがキーワードになってますので、我々の関係したところ、業界団体さんでないところで関係したところについては、先ほどの支援ボードに参加していただくということで、積極的に参加の要請をかけること。現実には、中小には自主的取組の意味がよく通ってないんです。

    そういう意味では、そこの普及活動ということであり、会員企業としてここに数字を報告するというポジションにありませんので、我々は同時に産洗協の内部においても、今までなかった支援ボードができたということでありますので、それをやっていきたいと思っています。

    (パワーポイント18)

    中小企業の支援策。先ほど申し上げましたように、複数の対策の組み合わせで低コスト削減というのは可能なのはわかっておっても、マニュアルの中でも出てますが、実際どうしたらいいかという部分がなかなかわからぬ。

    (パワーポイント19)

    こういうEconomically Viable Application of Best Available Technology、「EVABAT」という表現なんです。

    (パワーポイント20)

    これをウェブ上でつくって、自社に最適な組み合わせの技術は何ですかということを提示をして、それの費用に何ぼかける。何番というのは、それぞれの技術です。

    (パワーポイント21)

    ふたを閉めるとかはこの辺だと思いますけれども、こういう技術を組み合わせしたら、コスト的には何ぼ落ち、それから、リスクの削減、つまり排出の削減は何ぼ落ちるというのを、モデルという形ではなく、個別の話にブレークダウンした形で、もう一段落とす作業を何とか組み上げたいと思っております。

    以上でございます。

  • 中西座長

    本当に頭が下がるような努力で、ありがとうございます。

    では、東京都の保坂委員にお願いいたします。

  • 保坂委員

    それでは、「東京都におけるVOC排出削減に向けた取組について」、お話しいたします。

    (パワーポイント1、2)

    VOC対策につきましては、当然ながら、改正された大気汚染防止法に基づく大規模施設への規制指導もございますが、都内における規制対象事業所は19事業所に限られることから、東京都におけるVOC対策のほとんどは、事業者さんの自主的取組を促進するものとなっています。

    これを分類いたしますと、このように工場や事業所に対します普及促進と、建築物の塗装などに代表されるような製品の使用段階における低VOC化の促進に分けられます。本日は、ここに記載しました内容順にご説明したいと存じます。

    (パワーポイント3)

    まず、工場に向けたVOC対策ガイドの発行、周知についてですが、これについてはご承知の方が多いと思います。

    対策ガイドの工場内編については、塗装、印刷など4分野を対象としまして、工程改善、原材料転換、処理装置の導入などに分けて、なるべく中小事業者が導入しやすい対策を中心に掲載しております。また、おおむねのVOC削減効果やコストなどを提示している点も、このガイドの特徴であります。

    (パワーポイント4)

    次に、VOC対策アドバイザーの無料派遣制度ですが、これは中小事業者の現場実態に応じた効果的なVOC対策が実施できるよう、業界団体さんからの推薦を受けた専門家を派遣してアドバイスするものでございます。

    これまで自主的取組の支援という観点で、事業者さんからの依頼に基づいて派遣するという流れでやってきましたが、平成17年11月から開始して、必ずしも実績が伸びていないため、都のほうから積極的に事業者さんのところへ出向いて、この制度の営業活動を行うことを、区市と連携しながら行っているところでございます。

    (パワーポイント5)

    都では、PRTR制度とは別に、条例による化学物質の適正管理制度を実施しております。この制度の特徴の1つに、事業所ごとに化学物質を適切に管理するための方法を記載した書類の作成を義務づけていることがあります。

    これは区市と連携した削減への取り組みとして行ったことですが、この化学物質管理方法書の提出義務があって、かつVOCの取り扱いがある739事業所に対しまして、平成22年度までの目標でのVOC対策の検討を求めました。このうち311事業所から、化学物質管理方法書の再提出がありまして、目標管理型に改めた取り組みの内容を都のほうで集計いたしました。

    (パワーポイント6)

    これは、その311事業所からの管理方法書の内容を集計した結果の一部ですが、まず、VOC排出抑制の今後の取り組み予定の内容を4種類に分類したところ、工程や、それに付随する設備の改善に分類される取り組みが最も多く、処理装置や回収装置の導入に分類されるものは最も少ないという結果となりました。

    (パワーポイント7)

    この図は、事業所の従業員数を4段階に分けて、各年度におけるVOC排出量の状況と目標値を示したものです。301人以上の大企業のVOC排出量を茶色で示していますが、これが全体の排出削減に大きく寄与していることがわかります。

    (パワーポイント8)

    これはちょっと衝撃的な集計結果なんですが、ここで茶色で示したVOC排出量の部分は、311事業所のうち、平成14年度における実績で、排出量が上位10位までのたった10カ所の事業所の排出量を各年度で合算したものです。つまり、紫色で示した排出量の小さいほうが、残りの301事業所の合計の排出量です。

    これを見ておわかりのように、これまでの全体の排出削減の取り組みは、どちらかというと、過去に排出量が大きかった事業所の取り組みに依存しているところが大きいという結果です。しかし、今回、目標管理型の管理方法書に改めた取り組みが行われた結果、紫色の11位以下の301事業所について、平成17年度と平成22年度を比較してみていただくとおわかりになると思いますが、その5年間において、全体ではさらに30%の排出削減をするという目標を掲げていただいております。

    (パワーポイント9)

    これらの集計結果から考えられることですが、まず、今後とも安価で省スペースであるようなVOC処理・回収装置の開発を促進することが必要であると考えられます。

    これまでの取り組みは、どちらかというと大規模事業所に依存するところが大きかったことから、今後は中小規模事業所への対策がより一層重要であると考えられます。

    また、今回、目標管理型の取り組みを誘導したところ、さらなる排出削減の目標を設定していただいたことから、この目標管理の考え方により、一層の自主的取組を引き出していくことが重要だと考えております。

    (パワーポイント10)

    以上のことから、今後中小事業者さんに対して、自主行動計画の考え方にあるような目標管理に基づく一層の取り組みを促進するため、来年度の事業として、都内10カ所程度の会場でのセミナーを、現在区市と連携しながら企画しております。

    このセミナーでは、VOC対策ガイドにあるような対策内容を具体的に解説することはもとよりですが、(3)にあるように、VOCの蒸発防止によって溶剤の購入量を削減できたなど、先ほどのようなVOC対策のメリットについて、事例を交えながら解説することを盛り込もうと考えております。

    我々の行政目的としては、大気汚染の防止ということになりますが、事業者さんのVOC対策への動機づけとしては、作業環境の改善という観点も重要であることから、労基署を取りまとめていらっしゃる東京労働局さんのご協力を得ることとしております。

    また、先ほどご発表のあった産環協さんの支援ボードの取り組みは、都としても非常に期待しているところでございまして、それが有効に働くためにも、この取り組みに事業者さんが参画していただけるよう、セミナーにおいても誘導を行いたいと考えております。

    さらに、事業者さんによってVOCの自主行動計画が作成できるようになれば、それはほかの環境負荷の要因を含めて、全社的な環境マネジメントシステムを中小事業者さんにも普及するきっかけとなると考えています。

    その中で、比較的導入しやすいシステムとして、環境省さんの「エコアクション21」という制度がありますので、これを紹介することも、都内の地域事務局のご協力を得て行いたいと思っております。

    (パワーポイント11)

    VOC対策普及啓発セミナーの平成20年度の予定はごらんのとおりでございます。

    (パワーポイント12)

    さて、もう1つの対策の枠組みであります低VOC塗料の普及促進でありますが、都独自に調査したVOC排出インベントリによると、蒸発系固定発生源の約3割が屋外塗装であることから、この対策も重要視して進めているところでございます。

    (パワーポイント13)

    冒頭お話ししたVOC対策ガイドのもう1つの種類に、屋外塗装編があります。

    このガイドでは、さまざまな用途に分けて低VOC塗装仕様を記載するとともに、それぞれについて、従来の塗装仕様と比較したVOC削減率を示し、また、おおむねのコストや耐久性なども提示しております。

    (パワーポイント14)

    低VOC塗装仕様の普及啓発については、私どもシンボル事業と称しているものを実施しております。これは身近にありながら知名度が低いなどのVOCについて、だれでも知っているシンボリックな構造物に対して、低VOC塗装による率先した取り組みを要請し、この取り組みを都がPRすることによって、広く都民や事業者に関心を持ってもらおうとするものです。

    (パワーポイント15)

    一昨年の2月には、東京タワーでの試験塗装を含めた5事業者の取り組みと、都の道路橋での取り組みを紹介いたしました。

    この中でJR東日本さんの取り組みを紹介しておりますが、JR東日本において低VOC塗装仕様が可能であれば、ほかの鉄道事業者においても可能であろうという考えのもとに、昨年度から、都内で営業している12の鉄道事業者さんに対しまして対応を求める働きかけを行ってまいりました。

    (パワーポイント16)

    JR東日本さんでは、鉄道総合技術研究所さんで発行しました鋼構造物塗装設計施工指針を基本的に採用しています。この指針の中で、中塗り、上塗りについては、水系塗料を使う仕様が示されております。

    JR東日本では、この仕様については、現在施工性や耐久性などの検討を進めている段階でありまして、全面的に採用するまでには至っていませんが、施工の実績を積むために実際の橋梁において積極的にこの仕様による塗りかえを実施されております。

    このことから、昨年2月には日本塗料工業会様にも講師の推薦でご協力いただきまして、鉄道事業者の環境関係あるいは工務関係のご担当者をお呼びしまして、低VOC塗装セミナー(鉄道編)を開催いたしました。

    その後、東京メトロさんから情報提供がありまして、本年1月から日比谷線の中目黒駅付近の高架橋で低VOC塗装仕様による塗りかえ工事が実施されることとなりました。

    (パワーポイント17)

    そういった事業者さんによる取り組みの動きが出てきましたので、改めて昨年秋に鉄道事業者さんや、これまでシンボル事業で都が要請してきました事業者さんに対しまして、低VOC塗装の施工事例をアンケート調査いたしました。

    その結果をホームページで紹介しようということで、今週の火曜日ですが、低VOC塗装の先進事例を掲載したホームページの開設という趣旨のプレス発表を行ったところでございます。

    (パワーポイント18)

    今後は、橋梁などの鋼構造物だけでなく、まだまだ排出量ベースではシェアの大きい建築物を含めて普及啓発を進めていきたいと考えております。

    この一環として、先週の月曜日に低VOC塗装セミナーの商業ビル改修工事編を開催いたしました。建設業などのユーザーさんや塗装工事業の事業者さんに対象を絞ってご案内いたしましたが、120名ぐらいの参加者を得まして、おおむね好評でございました。

    この講演内容につきましては、近々ホームページでもご案内する予定でございます。

    また、先ほどお話ししました低VOC塗装の先進事例の紹介ですが、建築物も含めて随時追加を行い、その内容の充実に努めていきたいと考えております。

    以上でございます。

  • 中西座長

    これまた非常に力のこもったご報告で、なおかつ発表がすごく上手ですよね。どうもありがとうございます。

    お三方の発表、プレゼンテーションに対して、ご質問とかご意見ありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。

  • 辰巳委員

    それぞれ皆さんとてもよくやっておられるなというのがわかりました。なかなか中小企業の人たちがどうしたらいいかわからないというお話も、どちらからも出ておりまして、非常にきめ細かなサポートをしないとうまくいかないのだということがよくわかりました。

    中小企業でつくっているもの、そのまま製品になっているものもあるとは思いますが、結構サプライチェーンで大企業にいっているものが多いのだろうと思ったときに、逆に、大企業からのサプライチェーンマネジメントというんですか、もっと指導してあげることはないのでしょうかというのが、ちょっと疑問だったのです。

  • 篠原委員

    いろいろ中小企業も努力されているというのがよくわかって勉強になりましたけれども、今、現状では中小企業がああいう取り組みをする場合にインセンティブとしてどんなインセンティブがあるんでしょうか。金融措置、税制措置あるいはマンパワー、技術提供等々、きょう発表いただいた以外に、もしわかればお願いします。

  • 中西座長

    ほかにご質問とかありますか。

    じゃ、とりあえずこの2点でお願いいたします。

  • 中村室長

    まず1点は、辰巳委員のサプライチェーンについての話でございますけれども、大企業はグリーン調達という観点からVOCを使わないような製品を積極的に導入する動きがございます。もちろん企業に対しては、グリーン購入というのは義務づけられていませんが、企業の中には、独自のグリーン調達の基準を設け、VOCを使わない装置を導入しております。先ほども少し申し上げたのですけれども、エンドユーザーがそういう意志を持つということは非常に重要だと思いますので、中小企業だけではなくて、エンドユーザーに対しても、今後、啓蒙普及を進めていきたいと思っております。

    もう1点、インセンティブという話でございます。先ほどの土井委員の話を聞いて、VOC対策はコスト削減につながるというプレゼンテーションには非常に感銘を受けました。私どもとしては、税・財投でさまざまな支援をしております。先ほども申し上げましたが、国税に関しては、中小企業に対する特別償却制度があります。具体的には、インプラントの中でVOCを発生しないような設備をつくった場合に特別償却を受けるという制度もございます。一方、エンドオブパイプでVOC対策をやる場合は、国税と地方税で減免制度があります。

    それ以外にも日本政策投資銀行や中傷企業金融公庫で、低利融資制度を設けています。これはもちろん法対象の企業も法対象以外に自主的な取り組みをした企業も対象にしています。このように金融の面からは様々な形で支援をさせていただいております。

    以上です。

  • 中西座長

    ただいまのご説明の中の辰巳委員のサプライチェーンの上流から下流への指導というのが現実にあり得るようなケースが多いのかどうかということについて、土井委員とか保坂委員のほうで実感としてどうですか。昔だったら、大企業から中小企業へ指示がされていたかと。今はそういうふうになっているんだろうか、そのあたりはどうでしょうか。

  • 土井委員

    私のほうは、メッキさんもおいでだと思いますけれども、加工業が多いというところがあって、脱脂ということになりますと、ご指摘のように、グリーン調達がプレッシャーになっていることは事実です。環境キーワードが企業活動にとっては重要である、そういうことの認識は十分あります。

    そうなんですけど、サプライチェーンの流れでいいますと、ハザードからリスクの概念がなかなか浸透しておりませんで、ハザードからやめという話が、実はグリーン調達としての流れもあるものですから、それがプレッシャーになっていることは事実ですけれども、実際、それじゃ、排出抑制につながる、もしくはほかに変える、リスク・トレードオフじゃないですけど、そういう知識もないわけです。ということになったときには、それだけがインセンティブにはならない。なかなかそうはいかない。それはやはり洗浄剤として、塩素系はコスト的にも機能的にもすぐれた洗浄剤ですので、より違う形でのインセンティブ、具体的にいうとコストダウンであったりという身近なところから攻めない限りは、上からおろしてきたという流れで全部がいくというふうに私は感覚的にはならないです。

  • 中西座長

    保坂委員、何かありますか。

  • 保坂委員

    サプライチェーンの話でもって、大企業の方で、いわゆるCSRの観点からそういったことも取り込んで、自社グループのサプライチェーンで環境配慮のことを考えているところも出てきていることは出てきていると思ってます。

    ただ、それは非常にまだ温度差が激しいなと思っていまして、そういう企業グループに入ってない中小事業者さんの声を聞きますと、やっぱりコスト、価格の安い製品を納めるためには、VOCをまだ使うようなタイプの塗料を使わなきゃいけないとか、そういうことで、かなり発注者さん側からの話がまだうまくいかないという声も聞いております。

  • 小泉委員

    企業努力について非常に感銘を覚えた次第です。ただ、基本的には、例えば欧州なんかではREACHという化学物質の管理につきまして、総合的なものでやっていこうということを導入されてきたと思います。

    例えば、VOCをやる、あるときはアスベストをやるという個別的な対応をすると、企業はその部分については非常によくやりますが、他の改善されない問題により最終的なしわ寄せが労働者に来て、産業衛生の問題としても基本的には改善されてない状態が出ることもあり得ると思います。例えばVOCを改善して、コストダウンを図る余り、労働強度が強くなりトータル損失が非常に出てくるような悪循環が出てくる可能性があると思うんです。

    ヨーロッパでは、最近REACHのように環境問題から労働者の健康問題までを含めて包括的に化学物質を管理していくような施策が動き出しています。日本の経済産業省なども、世界的な規模でのハーモナイゼーションを含めて、同じように包括的な管理を考えていただくことが非常に大事じゃないかと思うんです。

    企業は、経済産業省がいうとすぐ動いていくと思うんですね。長期的に見たときに、個別管理の手法は有効でない場合もありえるのではないでしょうか?もちろん、非常に貢献されていることは高く評価しますが、国際的な動向としては包括的な管理の流れに来ているんじゃないかという感じがするんですね。その辺どうでしょうか。

  • 中西座長

    まず、ほかにご意見を。

  • 岩崎委員

    私は、ちょっと逆の見方をしていまして、今度のVOCの抑制対策というのは、作業者にとっても比較的プラスになる可能性があるなと考えています。先ほどの土井委員と同じ視点を持つんですけれども、VOC抑制対策の目的が、もちろん光化学オキシダントを減らしていこうということでスタートしていますが、中小の事業者にオキシダント濃度を減らすためといっても、なかなか実感を伴わないところがあるわけです。

    中小事業者に減らしてもらうには、1つは、経済的な要素で、VOC抑制対策がコスト的にもメリットがあるよ、また、作業環境も非常によくなるよという2点が非常に大事だと思っています。

    今回、環境省あるいは経済産業省の支援で、各業界が対策マニュアルを一生懸命つくりました。今までにないマニュアルが出てきています。特に最近のマニュアルを見ますと、非常にいい対策がいっぱい出てきています。

    例えば、先ほどの土井委員のところでも、コストの関係が出ていますし、塗装工業会のほうで、塗着効率を上げよう、もう少し塗料の使用量を減らそうという内容が含まれています。塗着効率を上げるためのエアガンの開発、それをまたどんどんメーカーも市販している。印刷工業においても、グラビア印刷でインクパンなどにふたをする。それによって中堅のところで年間400万もコストが浮いた、作業環境もよくなった、いろんな事例がいっぱい出てきています。それをどんどんPRしていかなくてはいけないのではないかと感じています。それが普及を早めるかなと。

    コスト増になる対策もあり、必ずしもメリットがある対策だけではありませんけれども、今、溶剤コストが非常に上昇していて、回収メリットなり削減メリットが非常に大きくなっている。この経済産業省と違いますけれども、クリーニングでも最近98%回収するような回収機が非常に安いコストで出始めてきている。そういう意味での支援が、この委員会でもそうですし、環境省の委員会でも、中小に普及してくるようになってきた。それをもう少し上手にPRする必要があると感じています。

  • 中西座長

    小泉委員のご意見は相当広い範囲のご意見ですので、ほかにもそれに関してご意見がありましたら。

    役所のほうがお答えするという筋でもないかなと思っていますので。

  • 篠原委員

    いろいろ皆さんのお話を承って、1つ参考にしていただければと思います。これは中小企業庁の政策で、OB人材マッチング事業というのを4~5年ぐらい前からやっております。私ども、今年までは日本商工会議所が中心に全国の会議所と共同でやっております。来年からまたスキームは変わります。来年からは、第2現役というネーミングに変えまして、コンセプトは大企業で技術を持っている方がOBになって、社会にもっと貢献をしたい。例えば、田舎に帰って自分の技術なりノウハウを生かして、生きがいのある仕事をしたい。そういう方を大企業からリクルートしてもらって全国的に登録をいたしまして、全国の中小企業でこういう人材が欲しいというのをマッチングしまして、フィーは相対で決めるというのが今の制度です。

    ただ、きょうのお話を承って、こういうVOCの削減について、大企業で相当知識なりノウハウを持った方がOBになられて、中小企業の現場におりて、さっき土井さんのお話があったようなところ、フィールドにおりて、週に2遍でも3遍でもボランティアに毛を生やしたような形ででも活躍したいという方がおれば、中小企業庁の政策の中でマッチング事業ができます。中小企業でそういう人材が欲しい、あるいは大企業のOBでそういうことをしてもいいという人が登録していただければ、これは全国でできます。ご参考に。

  • 中西座長

    ありがとうございました。

    ほかにご意見はございますか。

    先ほどの小泉委員の意見も含めて、何か役所のほうから、いうことありますでしょうか。

  • 福島室長

    小泉委員のご意見でございますけれども、それにつきまして、先月の1月から、化学物質審査規制法という法律がございまして、辰巳委員とか吉田委員にもご参加をいただいておりますけれども、経済産業省と環境省と厚生労働省の3省の合同審議会を現在スタートさせています。あの中で環境経由で、人と生態系に影響を与える化学物質についての新しい管理体系について、まさに審議を始めているところでございますので、そちらのほうでもまさにいわれたようなことは対応していきたいと思っています。

  • 辰巳委員

    以前にドイツでクリーニング屋さんを取材したことがあります。ドイツがVOC対策に厳しくなった時期に、クリーニング屋さんが、ハッチをあけるときに溶剤が外に全部出るんですね、テトラクロロエチレンとか。それがいけないということになって、新しい機械を入れるという話になったときに、コスト的にどうにもできないからと廃業された方がいて、その人に話を聞いたのですが、何より廃業してよかったのは、非常に健康になったこととおっしゃっていた。

    だから、先ほどどなたか健康のお話をなさって、この写真を見ていても、このような場で仕事をしていらしたら大変だなと心配になります。

    今、私の家のそばの駅で工事していて、通るとすごくにおうことがあるんです。私は通るだけだからいいけれども、ここでずっと働いている人は本当に大変だろうなと思います。そういう意味では、やはり健康というのが一番大事だと思いました。どなたかおっしゃってくださいましたが。その辺をうまくアピールできるといいなと思っております。

  • 中西座長

    どうもありがとうございます。

    それでは、この議題のお3方の発表については、これで終わりまして、次に、NEDOの技術開発に関する報告で三菱総合研究所と日本ペイントの順でご説明をお願いいたします。

  • 中条(三菱総合研究所)

    それでは、ご説明させていただきます。

    VOC削減支援ツールについてご紹介させていただきますが、このプロジェクトは参考資料で配られていますNEDOが実施されている有害化学物質リスク削減基盤技術研究開発プロジェクトの1つのテーマとして取り上げていただいて、開発しているものです。技術開発プロジェクトということで、ハードの技術を想定されるかと思うんですけれども、私ども実施させていただいているのは、この中で唯一ソフトのツールの技術であります。

    (パワーポイント1)

    ここにありますような4者で共同して開発しているところであります。本日は三菱総合研究所の中条が代表してご説明させていただきます。

    (パワーポイント2)

    これの経緯なんですけれども、この技術研究開発に先立ちまして、NEDOの調査研究を実施しました。これはどういうものかというと、鉛、塩素、こういう物質を対象にマテリアルフロー解析を実施しまして、その環境排出までの流れをできるだけ詳細に可視化しようというものでございます。

    これをやった結果、マテリアルフローをよりわかりやすく、例えば階層的に表示して、その各段階でのリスク削減対策を示すということをすれば、リスク管理に使えるんじゃなかろうか。

    それから、Web上で利用可能なツールにすることで、削減対策のニーズとシーズのマッチングを支援することが可能じゃないか、こういうアイデアを得たわけです。

    (パワーポイント3)

    具体的にそのマテリアルフローってどういうものかということですが、これは見えないとは思いますけど、塩素のマテリアルフローです。塩素、C1系からC2系、これをクリックしていただくと、例えばトリクロのようなトリクロテトラというものにクローズアップされて、こういうところが対策の必要なところだというものが明示されるのではなかろうか。

    (パワーポイント4)

    これをさらにもう少し細かく、どういう用途、どういう業種に使われているのかということを階層的にどんどんブレークダウンしていくと、どこをリスク対策すればいいのか見えてくるんじゃないか、こういうアイデアを得たわけです。

    (パワーポイント5)

    それを受けまして、先ほど申し上げた技術研究開発で削減支援ツールの開発を3カ年にわたって実施させていただいたというわけでございます。

    1年度目では、物質をトリクロロトルエン、これに限りまして、我が国全体のフロー、それから先ほど申し上げたようなミクロなフロー、これを作成したということ。それから、適用可能な技術、これの検索とか適用したときの効果、この試算の基本構造、これをつくったということでございます。

    2年度目は、排出事業者、つまりツールを使う人たちが自分の条件を入れたときに適用可能な削減技術、これを抽出して、そのコストとか削減効果を提示するようなアルゴリズムをつくった、物質を塩素系の溶剤もふやしてキシレン等にも拡大したということでございます。これをWeb上で利用可能なツールとして、プロトタイプとしてつくったということでございます。

    それから、3年度目、今実施中でございますけれども、中小企業をより意識いたしまして、いわゆる業務、つまり産業分野、業種といっても自分が何業というのは産業分類上どうだということは普通考えませんので、自分がやっている業務、例えば洗浄、塗装、そういう入り口から入れるように。エンドオブパイプの対策だけではなくて、原材料の変換とか作業改善のようなインプラントの対策、これについても効果をシミュレーションできるような機能を追加いたしました。

    さらに、これをWeb上で公開いたしまして、かつ、そのセミナー、先ほど産環協さんのセミナーのご発表がありましたけれども、そこにお邪魔させていただいて、1コマいただいて、宣伝させていただいたり、このプロジェクトとしてのワークショップ、具体的にユーザーの方にパソコンを使っていただいて、体験していただく。その意見を反映して、ツール上に改善に生かしていくということを実施しております。

    当初想定いたしましたのは、いわゆるフローが見えるということで、一般市民であるとか研究者、こういう方が、VOCの排出状況がどうなっているのか、どういうところにどのくらい出ているのかということが見えることも1つあったわけですけれども、具体的にユーザーを考えていきますと、VOCの排出事業者、これが自分の状態が、例えば他の業界と比べてどうなのか、自分の事業所が同業他社と比べてどうなのか、それから、では、どういう削減対策が適用できるのかということを示せば、削減への動機づけ、削減対策の実施につながるだろう。

    それから、技術のサプライヤーにとってみると、フローを分析することで、どういうところにVOC対策の大きな穴というか対象があるのか、どういう特性を持ってVOCが排出されているのかというマーケットの情報がわかるだろう。そうすると、それの開発を促進することができるだろうということで、特に、より排出事業者と技術のサプライヤーが出会う場、これをWebを通じて支援していこうということに重点ポイントを移していったわけでございます。

    (パワーポイント6)

    本日はつなぎませんけれども、既に使用の開始をしておりまして、ここにつないでいただくと、こういう画面ができます。

    (パワーポイント7)

    先ほど申し上げたように、排出の状況、フローがどうだろうかとか、どういう技術が使えるのか、こういったところは、下の系列といいましょうか、やや詳し目な状況がわかるということでございますし、自分のやっている業務、こういう業務分野ごとにどういう対策が適用可能なのかというのが上の系列ですね。特に量的に多いスプレー塗装とか脱脂洗浄、グラビア印刷、接着、これを取り上げて対策が検討できるという入り口をつくっております。

    それから、もう少しツールの機能の紹介、意見交換の場、こういうものも設けてございます。

    (パワーポイント8)

    具体的に、エンドオプパイプのシミュレーションツールというところで入りますと、ここをクリックしていただきますと、自分の業種、それから何を使っているのか、どういう用途で使っているのか、どれくらいの規模なのかということを選択していただきますと、典型的な事業所、ここで選んだ、例えば20人以下規模で、典型的なトルエンの塗装利用に合うマテリアルバランスというものが出てくるということで、これを自分のところと比べてどうなのかという検討ができるということであります。

    さらに、自社の条件、例えば年間どのくらい稼働しているのか、どのくらい使っているのか、それから、モデル化の判断がしがたいところですけれども、大きく見てどういう使い方をしているのか。例えば、手洗浄で開放型でやっているのか、そういうものを選択していただいて、条件を入力していただくと、こういった形でどういう技術が使えるのかというものがリストアップされてまいります。

    (パワーポイント9)

    基本的に、こういうふうに拡大すると、技術を適用する前と適用後で大体どれくらいの効果があるのかということがわかる一連の対策の検索ができるということであります。

    (パワーポイント10)

    さらに、具体的に、それはどこに聞けばいいのというと、例えば冷却凝縮ということで選んでいただきますと、それを提供している会社はこういうところがあって、大体どれぐらいのコスト目安なのか、参考事例、その会社のホームページにつながるという流れになってございます。

    (パワーポイント11)

    一方、細かい、何を使っているというよりは、要するに塗装をやっているんだよ、こうしたときにどうしたらいいのということから入っていただきますと、大きく分けて物質を代替する話、作業法を改善する話、それから、今お話ししたようなエンドオブパイプ対策、こういうものがあるわけです。

    例えば、原材料の変換ですと、今使っているもの、どういうふうにしたいのかというものを入力していただきますと、現状のランニングコストと、対策した場合の対策後のコスト、イニシャルとランニング、この場合ですと、ランニングでは安くなりますよという結果が出てまいります。

    作業法の改善ですと、これは作業法の改善として考えられるチェックリストでありますけれども、この中で自分ができそうなことをチェックすると大体どれくらいの効果があって、どれくらいのコストがかかるのかということがわかるということでございます。

    (パワーポイント12)

    こういうツールを使って、先ほど申し上げたように、ワークショップ等によって紹介とかデモをしております。洗浄展に出して紹介してみたり、ワークショップ、これは東京と西方面でやっていました。それから、先ほど産環協さんがご説明されたセミナーの第1クルー、第2クルーでご紹介させていただいたということでございます。

    そのワークショップの中でいろんな意見をいただいているわけです。物質を選ぶということから本当はスタートしているんですけれども、多成分の使用とか排出を見たい。それから、あくまでVOCに焦点を当てていますけれども、例えばCO2とか他の環境負荷との関係も見てみたい。検討の流れが、どちらかというとエンドオブパイプ、インプラントという形でそれぞれになりますので、一覧した形で見たい、具体的な対策検討の支援までできないか、あるいは事業者の排出実態みたいなものの情報が欲しいというご要望をいただいておりまして、こういうものをなるべく取り入れていきたいと考えております。

    今、試験公開中でございますが、アクセスは、ワークショップをやると当然ながら帰って見ていただけるということで、日々変動はしておりますけれども、ワークショップ活動で2000ページビューぐらいには増加してきております。

    (パワーポイント13)

    それから、さらに一歩踏み込んでということで考えますと、こういう原材料の代替とか作業改善、処理技術の適用、こういう処方せんみたいなものを一覧する機能、さらにシステムでは使えないけれども、もう少し詳しい自社の状況を入力していただいて、これが候補になる、自分で見てみたい、聞いてみたいというところをセレクトしていただいて、概算見積もりとか資料の一括依頼、そういう便利機能といいましょうか、こういうものを拡張いたしまして、より利便性の高いものにしていきたいと考えてございます。

    (パワーポイント14)

    VOC削減対策のための排出事業者と技術のサプライヤーとの出会いをサイトを通じて行うものでございますが、出会いたいという人がそもそもアクセスするわけですけれども、出会いたいと思うかどうかというところがキーポイントになるわけで、ユーザー技術に対応してフロー技術、いわばコンテンツの充実ということ、Webツールとしての利便性の向上、これは先ほどお話しした概略見積もりの一括依頼、メーカーとユーザーの情報交換の場の設置、これは既に実施しておりますけれども、こういった形で、より魅力的なサイトにしていくことが必要であろうと考えておるところでございます。

    先ほどアクセス先がございましたけれども、ぜひアクセスしていただいて、掲示板にも書き込んでいただいたりするとありがたいなということでございます。

    発表は以上でございます。

  • 中西座長

    ありがとうございました。

    ちょっと時間がなくなってきていまして、焦っているんですが、日本ペイントの方の発表をお願いいたします。

  • 青木(日本ペイント)

    日本ペイントの青木です。時間もないようですので、早速始めさせていただきたいと思います。

    (パワーポイント1)

    VOCの削減ということで、塗料業界の一員として現在取り組んでおります活動についてご報告を申し上げます。テーマは「革新的水性塗料の開発」ということで、NEDOの委託を受けまして、平成17年から19年の3年間にわたって検討してきました結果でございます。

    (パワーポイント2)

    テーマの背景でございます。先ほどもどなたかの資料にあったかもわかりません。国内の固定発生源の中での塗装の占める割合が、先ほどの資料ですと55%となっておりましたが、ダブルカウント等ありまして、計算をし直して現在は32%という値になっております。その中で、屋外塗装、大企業、自動車メーカーさん等、それから中小さんというふうに大体3分の1ずつ用途が分かれるわけでございます。

    屋外塗装につきましては、既に6割から7割が水性あるいは無溶剤塗料ということで進んでおります。大企業につきましても、水性塗料は約50%。大企業ですと工場から出るときに処理設備を使うということで大気には余り出ないというアクションもとっておられます。この辺は対策が進んでおるわけでございますけれども、中小企業さんにおきましては、まだ溶剤型が主流である。今回ターゲットにいたしました中小さんは、ここに挙げました4つで金属製品、機械、家電関係、自動車補修、これらの業界はこのグラフで示しておりますように、赤いところが溶剤型でございます。まだ約8割ぐらいが溶剤型の塗料を使っているというのが現状でございます。

    (パワーポイント3、4)

    では、なぜ中小さんで溶剤型が主流で、水性にいかないかということでございますが、非常に簡単にご説明をしますと、水性塗料に変えますと乾燥性が落ちる、したがって生産性が落ちる。イメージとして洗濯物を思い浮かべていただいたらいいと思うんですが、水ですので、気温にも影響を受けます。湿度にも影響を受けます。シンナーよりも乾きにくいということがあって、どうしても遅くなってしまう、それを溶剤型と同じような生産性で塗ろうと思いますと、空調の設備が要ったり、あるいは予備乾燥の設備が新たに要るということで、また投資が必要だということにもなってまいります。これが大きなネックになっております。

    したがいまして、溶剤型の塗料と同じような、現在溶剤型を塗っているような設備あるいは生産性で水性塗料が塗装できれば中小さんでも使っていただけるのではないかという考え方でございます。

    (パワーポイント5)

    では、塗料としてどうするかということです。1つは、水性塗料の中に含まれている溶剤、水性塗料とはいえども、現在普通の水性塗料は10%から15%ぐらいの溶剤を含んでおります。これを極力減らしていこうというのが1点。それから、水性塗料中の溶媒である水の量、これをできるだけ少なくしていこう。洗濯物でいえばできるだけ絞った形の塗料にすれば、乾燥も早くなるであろうということです。

    そのときに、そのままやりますと、エマルジョンですので、粘度があって、のりみたいになってしまうということですから、粘度を上げずに、固形分の高い水性塗料にしようというのが考え方でございます。

    (パワーポイント6)

    今のことを絵であらわしますと、こういう形になります。溶剤型塗料ですと、固形分に対して、塗料中の溶剤と塗装するときに薄め液を使いますので、余分のシンナーが必要になってくるということです。既存の水性塗料ですと、固形分に対して水で希釈もできますが、溶剤も含んでいる。それから、先ほど申しましたように、予備乾燥という新たな設備が必要になってくるということでございます。

    ねらっているのは、固形分に対して、溶剤もできるだけ含まない、かつ、水も少なくしていこうということで、溶剤の少ない、こういう余分な装置も要らない塗料を目標にしております。

    (パワーポイント7)

    成果、現在の達成レベルでございます。まだ商品ができたわけではなくて、プロトタイプのレベルではございますけれども、ご紹介しますと、VOCの含有量が4wt%、固形分が、従来は50%程度のものが63%と非常に高いものが出てきたということでございます。

    社内では、仮の名前としてスーパー水性ハイソリッド塗料を略して、SWHSという形のtype-Iということで呼んでおります。

    絵でかきますと、既存の水性塗料、こういうものに対して、溶剤も減らして水も減らしたというものができた。ポイントは、水性塗料ですので、粒子間のインターラクションの粘度が決まるわけですけれども、それをできるだけ小さくして達成できたということでございます。

    (パワーポイント8)

    それで、できたものが、本当に乾燥性が溶剤型と一緒かということについて、今年いろいろ検討してまいりました。

    まずは、私はR&D(研究開発部門)ですが、社内の事業部と一緒になって、内部で塗装実験を繰り返してきたということが1点。後半では、塗料を使っていただいていますユーザーさんの実際のラインに開発した塗料を持っていって塗っていただくということで検証してまいりました。

    結果としましては、非常に乾燥性が早くて、こういう(乾燥)設備が要らなくなりそうですねという感触をいただいております。

    (パワーポイント9)

    これは9月に大手の鋼製家具、ロッカーとか机を塗装していただいているメーカーさんですが、ここに塗料を入れまして、塗装実験をいたしました。

    結果といたしましては、固形分が高いということで、従来の塗り方をした場合に膜厚が2倍弱つく、早くたくさん塗れるということですね。それから、乾き方も早いということで、特にいろんな空調とかいうのは必要なさそうですというのが1つです。

    ただ、課題としては、早く乾くということの裏腹になるんですけれども、外観がなかなか出ない。光沢、ピカピカにはなかなかならないというのが現在の課題でございます。

    (パワーポイント10)

    今のメーカーさんは中小さんといっても非常に大きなメーカーさんになるわけでございますけれども、もっと小さなところでトライをしようと。まだできてなくて今予定中ですが、これは水性塗料を使ったことがない、空調の設備もない、溶剤型だけで今まではやってきたという小さな塗装メーカーさんですが、こういう現場で今開発したものが本当に使えるかどうかというのを今後検証していきたいと考えております。

    (パワーポイント11)

    できた塗料が商品化されたときに、どのくらいVOCが削減できるかという試算をここにお示しをいたしました。今、中小さんの中の一般工業用と我々は呼んでおりますけれども、金属、機械、電気分野、この市場を全部置きかえたとして、どれだけかということですが、現在そこで使われている溶剤系塗料というのは約18.2万トンございます。これがざっくり50%のVOCということと、これを使うときに洗浄とか希釈をするときにさらに溶剤を5万トン強使います。これに対して半分が減って、これがなくなるということで約14万トンの溶剤がこの分野において全部変われば削減が期待できるということでございます。

    (パワーポイント12)

    コストですが、従来の溶剤型塗料に対して、現在の水性塗料というのは幾分高くなっております。開発したものは現在の水性塗料よりは安くしていこうと考えております。

    特に、高価な材料を使っているということではございませんので、それほど従来の溶剤型あるいは水性塗料に対して高くなるということはありません。安くなっているのは、平米当たり、面積当たりの単価ということでお示しをしておりますけれども、固形分が高いということで、少ない量でたくさん塗れるということから平米当たりは少なくなっているということでございます。

    (パワーポイント13)

    実用化のシナリオですが、現在できておりますのは、このレベル、type-Iで、まだ高い光沢は得られていません。鋼製家具は一般に高い光沢を必要としないのでこの分野から使っていこうということです。まだこれも商品になっていません。基本的な性能、お客さんのラインで使える塗装作業性を確保していこうという検討が今後必要になってまいります。

    それから、これを基軸にして、さらに光沢をよくする。あるいはこれは焼きつけといって、熱をかけて焼いているんですが、常温でも乾燥できる形に進歩していけば、建機でなどの分野が広がってくる。両方とも達成できれば自動車補修という一番難しい分野でございますけれども、そういうところまでも広がってくるのじゃないかなと考えております。

    (パワーポイント14)

    以上をロードマップの形でまとめましたけれども、今、2007年が終わって2008年ですね。これからtype-I、さらに鋼製家具のフィールドテストを重ねて、実用化に向けていくということ。光沢のいいやつ、常温で乾くというやつをあわせて検討していく。鋼製家具が一番大きいので、これが実用化された段階だけでも10万トンぐらいの削減が期待できる。さらに、ここにいけば12万トン、14万トンというふうにふえてくる。先ほどから議論がございますけれども、この塗料を使っていただくお客さんのインセンティブを今後考えていかないと導入を促進するのは難しいと考えております。

    以上でございます。

  • 中西座長

    どうもありがとうございました。

    どうしても質問をしたいという方に限らせていただきたいんですが。せっかくいい発表をしていただいたのに質問がなくてかえって張り合いがないかもしれないんですが、済みません、ご容赦ください。

    次の議題に移ります。

    3番目の議題で、有害大気汚染のこと、よろしくお願いいたします。

  • 福島室長

    それでは、「有害大気汚染物質に関する自主管理のフォローアップについて」という資料8番、9番、10番、11番の4つについて説明をさせていただきます。

    まず、有害大気汚染物質についてでございますけれども、平成8年5月の大防法改正におきまして有害大気についても取り組むということが決まったことから、経産省と環境省で、先ほどのVOCと同じですけれども、自主管理計画をつくって削減をするというのが決定されました。

    それを踏まえまして、平成9年から平成11年、それから平成13年から平成15年という形で、計2期といいますか、約6年間自主管理の計画についてフォローアップをしましたところ、所用の評価を実施し、一定の目標の削減が得られたということで、平成15年度をもって自主管理計画を終了しようということになってございます。

    それにつきましては、第8回有害大気ワーキンググループと書いてございます、そこでの結論ですけれども、自主管理によってすべての物質で削減目標が達成できたということ。それから、環境モニタリングにおきましても改善傾向にある。それから、環境基準を超える地域も一部ありましたけれども、その地点の数も大きく減少したということで、この自主管理計画が大きな成果を上げたという評価をいただいております。

    あわせて、PRTR制度、これは化学物質管理促進法という法律でやっておりますけれども、PRTR制度が法律によって導入されたということで、排出量の把握が法律により義務化されましたので、それによる自主管理が可能であろうということで、現在のフォローアップを実施しているということでございます。

    続きまして、2ページ目、裏でございます。そのフォローアップを実施しまして、昨年度この会合でフォローアップについてご紹介をさせていただきましたけれども、その結果、現状では全国的に新たな対策を講じる必要性はないということで、次年度以降もPRTRデータ、環境モニタリングの結果により、有害大気汚染物質の自主管理についてのフォローアップをするということが了承されましたので、本日その結果につきまして、ご報告をさせていただきます。

    続きまして、資料9番でございます。PRTRデータによるフォローアップということでございます。簡単にPRTRデータについてご報告しますと、13年度から化学物質排出把握管理促進法に基づきまして、届け出がされておりますけれども、平成15年度から取り扱いの対象物質が5トンから1トンに引き下げられましたので、そういった意味では、少し範囲を拡大したということになっております。したがいまして、平成15年度以降の数字との比較というのをしてございます。

    それから、もう1つ、下の表に平成14年度の数字が書いてありますけれども、この数字が書いてありますのは、平成14年度の排出量をもって、そのときにこの会合で全体的にリスクについてはないという評価をしていただきましたので、平成14年と比較するために、下の表1では、14年、15年、16年、17年の数字について記載させていただいております。全体の対象となる12物質、上のアクリロニトリルから下のホルムアルデヒドまでございますけれども、合計12物質の全体の排出量は、17年度が3万3146トンということになっておりまして、平成16年度に比較しますと約50トン、平成15年度に比較しますと約4500トンが減少しているということになります。

    全体のトレンドを見るために、次の2ページ目を見ていただきますと、棒グラフで12物質についての表がございます。ニッケル等は量が少ないため見えませんので、具体的な数字は前の表1を見ていただければと思います。全体的に平成14年から比較しまして、右肩下がりになっております。ただ、ジクロロメタンというちょっと量の多いところ、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン等は、16年度と比較しますと、若干ふえてはおりますが、平成14年からのトレンドを見ると、右肩下がりにはなっているという傾向が見られます。それ以外につきましては、毎年毎年減っているという結果になっております。

    それから、もう1つ、12物質についてやっているわけですけれども、ベンゼンにつきましては、環境基準を超えている地点が多かったものですから、地域自主管理計画ということで、5地域について自主管理計画をつくり、削減対策をしているところでございます。これについて見ますと、平成17年度の数字は93トンということでありまして、16年度と比較しますと26トン減り、15年度と比較しますと52トン減るということで、若干地域によって削減率は違いますけれども、総じて減っているということであります。

    その表が3ページ目にございます。室蘭、鹿島、京葉、水島、大牟田というそれぞれに地域につきまして、こういった形で、基本的には右肩下がりで減っているという結果になってございます。

    4ページ目以降は、ご説明はしませんけれども、5ページ目以降が、それぞれの物質につきましての大きな業種ごとの排出量、PRTRデータの届け出排出量の各年の比較でございますので、後ほどごらんいただければと思います。

    続きまして、資料10番でございます。PRTRデータにつきましては、先ほど申し上げたような形で推移をしてございます。そのPRTRデータを踏まえて、実際の大気汚染の環境濃度はどうなっているのかということで、測定は環境省及び自治体で行っておりますけれども、平成9年から大気汚染防止法の改正に基づき有害大気のモニタリングを実施しているところでございます。

    それについての結果を見ますと、字が書いてありますけれども、表を見ていただいたほうがわかりやすいので、3ページと4ページに表がございます。棒グラフが自主管理計画に基づく業界団体からの報告値、白い棒グラフ、左の4年分、平成15年度が白いのと灰色っぽいのが2つ並んでおりますけれども、灰色のほうがPRTR制度による届け出排出量ということになっておりまして、これは自主管理計画よりも、法律(PRTR制度)による義務づけのほうが対象者の幅が広くなっておりますので、それぞれカバーレッジが上がっていると見ていただければと思います。PRTRデータが下がり、全体的な環境濃度につきましても、最初にベンゼンが書いてありますが、基本的には右肩下がりになっています。

    それ以外の物質につきましては、若干でこぼこがございますけれども、平成11年からの推移を見ていただきますと、基本的な方向としては右肩下がりになっているのではないかと思ってございます。

    1ページ目に戻っていただければと思います。今のが平均の環境濃度についてでございますけれども、環境基準、環境指針値というものが定められている物質につきまして、実際に環境基準を超えている地域はどのくらいあるのかということについてご報告させていただきます。

    まず、1ページ目の一番上のベンゼンは、451地点モニタリングをしておりまして、その中で環境基準値である3マイクログラムを超える地点が、昨年度は18地点であったものが、今年度は13地点ということで5地点減っているということであります。

    ただ、ジクロロメタンにつきましては、昨年度までは超過地点は1つもなかったんですが、今回388地点のうち1地点が環境基準を超える結果になったということでございます。

    次に、2ページ目でございます。これは環境基準とは違って環境指針値ということで、これは科学的な知見等によって環境基準に該当するのか、指針に該当するのか違うわけですけれども、それについて指針値と測定データについて比較をした表でございます。

    基本的には超過している地点は0というものが多くございますけれども、クロロホルムにつきましては、363地点はかり、昨年1地点超過しておったんですが、今年度は0。ジクロロエタンにつきましては、365地点のうち、昨年が2地点、今年も2地点超過をしている。ニッケルにつきましては、317地点のうち、昨年が3地点だったものが今年度は5地点。その他2物質のほうは超過地点がないという結果になっております。

    超過している地点、これは一般環境の影響もございますし、近くに工場等の発生源がある場合もございます。そういった場合も含めて、こちらにつきましては、自治体の方、中環審でも同じような検討をしておりますけれども、自治体と事業所の方がよくご議論していただいて、幾つかの排出削減対策を講じていると聞いております。講じておりますが、まだ超えている地点が、300~400のうち数カ所は残っているというものでございます。これらの結果を踏まえまして、資料11でございます。「今後の有害大気汚染物質に関する自主管理のあり方」ということで、こういった方向性で進めてよろしいかどうか、ご意見を伺えたらと思っております。

    フォローアップ結果の概要につきましては、先ほども説明いたしましたけれども、大きくいいますと、リスクがないと評価をした平成14年度のデータと比較をしますと、排出量はすべて下がっておりますので、そういった意味でのリスクは小さいという前提は変わっていないのではないかと思っております。

    ただ、しかしながら、幾つかの物質につきまして、PRTRデータがふえていたり、これは実際には生産量の増加等によってふえているケースがございますけれども、そういったものであったり、環境モニタリングの結果を見ましても、まだ若干超えている地点がございますので、こういった点につきましては、よく見ながら環境省と協力して対策を考えていきたいと思っております。

    2番目に、今後の方向性でございますけれども、事務局といたしましては、全体的に排出量の削減傾向は続いている、これは事業者の自主管理計画というよりも化学物質管理促進法による自主管理が順調に進んでいるので、引き続き事業者の自主管理を進めていただきたいと思っております。

    環境モニタリングのデータにつきましても、長期的には低下の傾向にあり、大気汚染の改善に寄与があったのではないか。これは固定発生源以外にもいろんな発生源がありますし、空気中のいろんな物質が分解するケースもございますので、いずれにしろ、モニタリングデータは大まかにいうと減少傾向にあるのではないかと思っております。

    したがいまして、今後もこのPRTRデータと環境モニタリングの結果についてきちんと把握をしながら、有害大気汚染物質の自主管理を続けていきたいと思っているところでございます。

    説明は以上です。

  • 中西座長

    ただいまの事務局のご説明に対して何かご質問ございますでしょうか。

  • 辰巳委員

    時間がない中、申しわけございません。資料10でご紹介いただきましたいろんなPRTR物質の超過地点とかの説明なのですが、2つありまして、1つは、超過地点、例えばベンゼンなどに関して18が13に減っているという話です。これが前も超過していたところがまた超過しているのか、新たに違うところに移動しているのか、次のページの6物質も同じようなことでお聞きしたいというのが1つです。

    もう1つ、前のデータ、9のデータで、ベンゼンだけ特別にはかり、5地区全部下がってきている中で、室蘭だけが全然変化がないのです。よそがこんなに変化しているのにどうして室蘭は変化がないのか。先ほどの生産量の増加とか何かと関係するのかなとは思いますけれども、これだけ見ると努力が足りないのかなと思ったりするものですから、よろしくお願いします。

  • 福島室長

    ベンゼン等の超過した地点でございますけれども、基本的には超過している地点は同じです。ベンゼンの場合には沿道ではかっているケースもございまして、沿道の場合には自動車の排気ガス等からもベンゼンが出ておりますので、そういった交通量の多いところについては、引き続き超過をしているということでございます。

    それから、室蘭についてでございますけれども、資料9の2ページ目の数字を見ましても、今年度の削減が2.2%、15年と比較しましても横ばいということで、確かに大きな減り方はないということでございます。これはそれぞれ地域ごとの……。生産量がすべてだというつもりはないんですけれども。

  • 藤沢課長補佐

    室蘭地区につきましては、これは沿道の影響もかなり、固定発生源以外のところからのものも結構あったかと思っております。

    また、大牟田につきましても、まさにそのとおりで、発生源が必ずしも固定発生源だけではないということです。

  • 吉田委員

    ベンゼンは鉄鋼が非常に関係しているものですから、鉄鋼業界の委員としてお話ししますと、環境基準を達成しているかどうかというのが1つの目標になります。室蘭地区の場合は3μgを切っている状況になってきたということで、これは業界団体からも自主管理の取組継続を依頼していますけれども、補修などを継続して実施することで排出量がふえないように取り組みをお願いしているということです。ただ、室蘭地区の場合は、今、足元では3を超えていない2μg台ということですので、とにかく現状を継続するよう取り組んでいます。室蘭地区は現在、超過地点ではないということです。

  • 保坂委員

    あくまでも大防法の枠組みでの有害大気汚染物質に関するリスク管理のあり方というのはこういう感じかなと思います。ここの議論ではないですけれども、化管法に基づくところの自主管理のあり方としましては、まだ管理指針に基づく管理計画の策定というのも十分に進んでないようなところがありますので、その辺はきちっと進めていかなきゃいけないなと思っております。

    あと、大防法の枠組みの中でのモニタリングのあり方ですけれども、やはりまだ優先取り組み物質に限っているような部分がございますので、都も、それ以外のところも幾つか測定するようにしておりますが、やはり多成分で測定するというのは、先ほどちょっとお話ありましたように、光化学オキシダントの発生のメカニズムを解明する上にも非常に役立つということがございますので、多成分化ということについては、今後、国のほうでもご検討いただきたいなと思っております。

  • 中西座長

    ほかにご意見ございますでしょうか。

    今の保坂委員のご意見は全体に皆さんにわかっていただくということで、中環審にも関係あるしということで理解させていただきます。

    非常に皆さん努力して自主管理もやっていただいているにもかかわらず、短い時間しかなくて大変申しわけないんですが、これでこの議題を終わりにさせていただきます。

    その他という議題があるんですが、強制的で申しわけないんですが、これもスキップさせていただいていきたいと思います。どうも済みません。

    次回の開催につきまして、事務局から説明お願いいたします。

  • 斉藤課長補佐

    次回ワーキングにつきましては、またVOCの自主行動計画の取りまとめ結果と、PRTR等を用いた有害大気汚染物質の排出削減のフォローアップに関しまして、また1年程度後にご報告する予定でございます。

    具体的な日程につきましては、後日事前に調整させていただきたいと思います。

    以上です。

  • 中西座長

    私の早とちりで、資料11は、案という形でご提案させていただいております。皆さんのご了承を得て、案をとりたいと思うんですが、よろしいでしょうか。

    それでは、事務局からのお話も終わりましたので、これをもってきょうの会議は終了とさせていただきます。ご協力ありがとうございました。

――了――

 
 
最終更新日:2008年4月17日
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