経済産業省
文字サイズ変更

水力発電に関する研究会(第1回)  議事要旨

日時:平成20年1月21日(月)10:00~12:00
場所:経済産業省別館11階第1120共用会議室

出席委員

内山委員、大野委員、崎田委員、相馬委員、田生委員、月山委員、辻委員、中林委員、能見委員、橋本委員、古矢委員、松村委員、森田委員(座長)、山田委員

議題

  • 水力発電に関する研究会の設置について
  • 水力発電を巡る状況について

委員発言の概要

◇:委員発言、◆:オブザーバー及び事務局の回答


◇水力発電は、エネルギー変換効率が良く、エネルギー収支も優れている。また、COの観点からも優秀な発電であるが、初期投資が問題。

また、水力は石油代替エネルギーとして優れた技術を有しており、負荷調整も楽であるが、施設の老朽化が問題。大規模水力も含めて、色々な形で老朽化したものの再開発、設備更新を考えていかなければならない。

5,000kW以下のポテンシャルが多いことから、ここをどう開発するかが課題。規模の不経済の技術開発をどう費用化し、利点を費用化して開発者が投資しやすい環境を整えるのか。国内ではポテンシャルが少ないが、日本の水力技術がアジアの発展につながるように、技術の発展を考えてはどうか。

◇公営電気事業者は、経済成長に伴う電力需要の増加と石油代替のため、多数の地点を開発し、年間数万kW開発してきた。しかし、最近は、年間1~2件で規模も小さくなっている。国には水力開発促進のための具体的かつ効果的な施策を取りまとめて欲しい。

施設の老朽化が進んでおり、円滑な改修が課題となっているが、多額の費用が必要。改修費がかなりかかるものもあるが、改修の場合には20%以上の出力が増加しなければ、中小水力開発費補助金の対象とならないため、事業者は負担にたえられないのが現状。

◇水力と関係のある地域ではミニ水力に関心があり、地域の活性化に活かせないかという動きがある。自然環境、周辺環境への関心の高まりから、自然環境を豊かに残しながらの水力開発に取り組んで欲しい。

古くからの施設で、地域社会とのコミュニケーションを大事にすべきとされているが、地域も上手に交付金を活用しているか、事業者もコミュニケーションをしっかりやっているかという観点を含め、地域密着型の水力の開発を進めるべき。

◇資料P8にはメリットが記載されているものの、デメリットが記載されていない。根本的にデメリットはどこにあるのか。そのためにどういう技術や施策があるのかを検討すべき。

環境については、COを出さないと言う点からは優秀だが、かつての大規模開発は森林等の自然環境との問題や、地域との癒着・建設利権があったのではないか。

一方、技術開発により、自然環境の保全を行いつつ、規模の不経済にならないような技術は可能なのか。どのような技術開発があるのか。

将来の開発については、新規開発としてダムを増やしていくのか。老朽化したものを再開発することとは議論のやり方が異なってくるのではないか。

◇ダム・発電関係市町村全国協議会として、今回、水力発電に関する研究会が開催されることについて、歓迎している。現在、平成の大合併により約500の自治体が参加している。(合併前は700~800の自治体である。)

水力発電の重要性については地元として認識しており、誇りに思っている。ダムや建設に関してはできるだけ協力していこうと考えているが、所在市町村を取り巻く環境は深刻。水力発電がある地域はだんだん滅びると言われている。建設当時は地域が活性化し、地域住民は歓迎していたが、今は地域格差拡大の中で、ダムや水力発電がある地域は活性化していない。格差を是正し、地域の声を聞いていただきながら、開発を進めていただきたい。

◇水力といっても、揚水式、貯水池式、流れ込み式等、それぞれの特性により水力発電のメリットが変わってくるのではないか。揚水式であれば、負荷平準化にメリットが大きく、流れ込み式であれば、CO削減に寄与する。それぞれの特性を考えて、電源のポートフォリオという観点を持つべき。

中小水力開発費補助金の補助先一覧の資料の中で、規模が小さくてもRPS対象外があるのは何故か。

◆RPS対象設備が範囲拡大されたのは平成19年度からであったため、平成18年度については、従来の範囲(1,000kW以下水路式)であるため。

◇第1次石油ショック前は、石油火力が安かったため水力発電にはお金がつかなかったが、石油ショックで水力の価値が高くなり、老朽水力のリパワリングが進んだ。建設費の8割程度が土木関係のため、50年を経過した発電所でも土木設備が健全であれば、電気機械設備の更新でリパワリングが可能。

電力自由化の環境の中で、料金を下げなければならない中、企業内努力だけで水力の価値向上は難しい。一方、新規開発は、小規模化しており、使用水量も少ない中、新規開発は維持流量が0.6m3/s/kmで放流を課せられており経済性が厳しい。再開発にも同じことが言える。

一律同じ規制ではなく、小さいものにはそれなりの規制緩和ができれば、再開発なり新規開発は進むのではないか。

◇水力発電の電力は自家発事業者にとって事業の存続基盤。地域との共生を前提として事業を進めているが、発電所の維持・老朽化の問題に悩んでいる。更新の判断をどういうタイミングで行うか、リパワリングまで行かず、機能回復が精一杯。そのあたりの技術開発を考えて欲しい。

◇水力発電は初期投資が大きく、長期の事業継続を前提としている。初期投資については補助事業を活用するなど開発を進めてきているが、堆砂処理など、費用の面で競争環境下で苦しい状況である。多角的にメリット、デメリットも含め、全体をみながら水力の評価や事業者としての取り組みを議論できればと考えている。

◇電力会社は電源のベストミックスに取り組んでおり、水力発電は、周波数調整や需給調整に重要な役割を果たしており、発電・送電・配電の中で非常に大きな役割を担っている。水力発電は再生可能エネルギーであるが、他の新エネルギーと比較してkW価値が高く、活用しやすい発電である。

デメリットとしては、開発コストが大きく、メンテコストもかなりかかっている。この辺をどう整理していくか。

このほか、地域の中での連携、コミュニケーション等、どう理解を得ながら行っていくかについて、全力で進めているところ。

◇水力発電は長期的観点から国民生活を支えてきたところ。1200の発電所の内、6割は戦前の開発であり、既存地点の運用は重要。地元のサポートが必要。今回の研究会で、いろいろなアイデアが出てくると思うので、議論していきたい。

水車は羽根の形で効率が異なり、研究が進んでいる。例えば、東京電力の神流川発電所では水車形状を工夫して、効率向上を図った。

◇小規模水力発電の場合は、建設コストも高いが、運用コストも高い。これは、山奥での開発も要因と考えられる。全体として安くしていくためにはどうしたらよいか議論していただきたい。

これまでは水系で最大出力を出そうとするための水力開発が考えられてきたが、一方、自治体の場合は、水力発電があること自体が大事と考えているところもある。

◇水力は貴重な自給できるエネルギー源であり、日本は地域と共生しながら水力を活用していく必要がある。水力発電は初期コストが高いため、既存施設の有効利用、中小水力をまとめて規模の経済性を出すなども有効ではないか。

日本の技術をアジアの経済発展につなげるという視点も必要ではないか。

日本政策投資銀行は、今年10月から株式会社化する。民間資金を活用したファイナンススキーム等、経済性を補足するような新たな施策を検討してはどうか。

◇日本における水利用のあり方を国交省に聞いた方がよいのではないか。

◆苦労して水量の調査をした結果、その川に水があると見て発電ダムを建設したが、その後、維持用水の設定など環境に配慮するようになった結果川に水を戻すことになり、ダム経営の観点からは苦しくなったとのご意見があった。しかし、技術が進み、新しい事実が分かってきたことを受けて、後追いの制度に従い物事を進めていくことは、他の分野でもままあることで致し方ないかと思う。

維持流量を決める手法は、我々が現在手にしている技術に基づくものであるが、技術的な最終到達点ではない。技術力が上がれば、季節ごとに更に細やかな必要流量が分かる可能性もあり、知見の蓄積、向上が必要と認識している。これらは、川ごとに個別具体的に検討を進めていくしかない。

国交省としても、水力発電の重要性は十分認識しており、環境に配慮するといった技術的な観点、そして地域が望む川の姿といった社会的な観点も含めて、最適な解を見つけるよう取り組んで参りたい。解決策を総論で述べることは難しいが、個別の箇所で出来ることは色々とあると考えている。

◆次回以降については、事務局のみで整理するのではなく、老朽化・維持に関する部分や技術開発、地元からの御提言等をお願いしたい。

◇全体として、水力発電は再生可能エネルギーとして重要であるが、温暖化、洪水、渇水などの将来展望がない。そういうものを見据えて検討がいる。国交省の地球温暖化と下水道に関する委員会に参加した際、そういったデータが示されていた。

◇水力発電に関する問題は、いくつかの問題領域がある。エネルギー供給・電力供給全体に占める水力の役割、水利用のあり方全体に占める水力の役割、デメリットであるコストの問題、水力発電所の地域との共生、大きな意味での環境である地球温暖化と地域の環境。解決の糸口が技術であり、時間軸を含めてどういう風に考えていけばよいのか、次回までに問題領域を整理して欲しい。

◇総合的な水利用と防災において、水力発電はどのように位置づけられているのか。これについては、国土交通省に説明してもらってはどうか。

地域の問題について、具体的に聞いてはどうか。どういう方向で活性化して行けるのか。

水力のデメリットは何か。これを発電形式毎にまとめてはどうか。現在は開発コストが高く、維持コストも高い。堆砂や維持流量の問題は、個別に考え、対応していく問題か。

水力技術の産業基盤自体をどう考えるか。これについては、メーカーからのヒアリングをしてはどうか。

ファイナンス面ではどのような対策が考えられるのか。

◇揚水発電と一般水力を比較した場合、揚水発電は調整能力に優れており、技術的にも日本がピカイチ。需要が下がったことにより、実際作るところを作っていないため、土木の技術をいかに維持していくかが大事。

中小水力に関しては10万kWと同じ規制がいるのか。水量も少なく、落差も小さいものについて、大規模と同じ技術基準を適用することが良いのか。土木的にも同じ。

制度的な改善も必要ではないか。

◇電源開発では、自治体のミニ水力に協力した事例がある。このように、いままで水力をやってこなかった自治体が水力をやっていくためにも、維持運用が簡単にならないと普及しない。維持運用を外注すればコストが高くなる。中小とはいえ初期投資は大きい。制度面での規制緩和がなされるべき。主任技術者の確保するもの難しい。中小水力を他の水利用とあわせて有効活用すると言ったその辺のアイデアが必要。

◇時間軸について考えるべき。時間的にのっぴきならない問題なのか。地球環境の変化も時間軸かもしれない。

◇問題が分かっても、実効性がないと意味がない。目標設定に時間軸を入れるなど、場合によってはロードマップも必要ということではないか。

◇RPS、補助金等は必要と考えるが、それ以上は特段必要だとは考えていない。

◇利子補給など、補助金には様々なやり方があり、いろいろなファイナンスの仕組みを考えることが出来ると思う。

◇再生可能エネルギーの場合は、皆補助金がないと普及しない。資金面でいかにカバーしていくか。地域全体で考える必要があるのではないか。例えばバイオマス事業との関連等によるコスト削減など。他省庁の水力支援等はどうなっているのか。

◇地元として、水力の見直しは時代の変化と感じている。戦前から水力開発が活発に行われてきた。水力から始まったのは、水はタダだという発想があったからではないか。これまでは地域と一緒に開発を進めてきたが、電源開発は地域活性化につながるかというと、そうではない。改めて技術、環境、水の価値の観点から議論がされることを期待。

小水力は電力の必要性を議論する上で前面に出る話なのか。大きな電力確保の時代、プロではない自治体等が水力を作ることは本当に必要か。大きな電力の再生等の方が重要ではないか。

◇日本のエネルギー、電力需要がほぼ横ばいとなり、今後、需要も減る中で、地域の活性化、技術開発はできるのか。今後の電源開発全体の問題が根底にある。

<事務連絡>

第2回研究会:2月5日(火)開催。

以上

 
 
最終更新日:2008年1月31日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.