経済産業省
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水力発電に関する研究会(第2回)-議事要旨

日時:平成20年2月5日(火)10:00~12:00
場所:経済産業省別館11階第1120共用会議室

出席者

大野委員、崎田委員、相馬委員、田生委員、月山委員、辻委員、能見委員、橋本委員、古矢委員、松村委員、宮永委員、森田委員(座長)、山田委員

議題

  • 水力発電の現状と課題について

議事概要

資料説明

  • 「水力発電を巡る問題領域について」(事務局より資料2に基づき説明。)
     水力発電にはメリット・デメリットがある中で、電力自由化という環境下でいかに水力発電の事業リスクを低減し、事業性を向上させるためにはどのような方策が考えられるのかと言うことについて、この研究会の場で議論して頂きたい。
  • 「水力発電の維持運営について」(電気事業連合会より資料3に基づき説明。)
     燃料である水の長期的かつ安定的な確保及び水力発電の開発・更新等における多額の費用負担に対する支援について、引き続きご支援、ご協力を賜りたい。
  • 「ダム・発電関係市町村振興対策の充実・強化に関する要望」(ダム・発電関係市町村全国協議会より資料4に基づき説明。)
     ダムや発電所を誘致した時代には地元にとっては大きな期待を抱いていたが、今では決してプラスの関係で動いておらず、意思の疎通が遠くなっている。地元の要望をできるだけ聞き入れていただきながら、発電所の維持やリニューアルについても協力していきたい。
  • 「中小水力発電開発促進の課題」(水力発電事業懇話会より資料5に基づき説明。)
     中小規模の水力発電の新規開発を進めるためには、安定的な水利権の確保、新たな支援策、法令手続の明確化・簡素化、開発規模に応じた規制の緩和、技術開発支援等、特に規模の小さい水力発電に関する政策的支援策が重要。
     

委員発言

  • 日本がエネルギーを自給すると言うことは大変重要。特にCO2の排出の少ない自然エネルギーである水力発電の意義は強くなっている。発電事業者はそういう時代を担っており、もっと発展して欲しい。期間が長くなっており、地域の人が参加しているということにもっとプライドが持てるようにしていくこが重要。
     資料5の30ページにある図について、大量消費地の国民のコスト負担と理解の促進、地元への理解の促進を入れて考えていることが重要。
  • 水利権の許可期間が30年というのは、地元にとって妥当かどうかと思う。30年更新という期間は、地元にとって長い。一度水利権を更新したら、地元は30年間意見を言えない。
     水利権更新を2年前に迎えた事例では、昭和63年に発電ガイドラインが出来たが、発電所側からは維持放流は更新まで待って欲しいと言われた。この発電所は今日に至っても更新がなされていない。更新を迎えている発電所の中には、維持流量を流さなくても良いとの提案も行っており、一方的に流して欲しいと言っているわけではない。
     地元との良好関係を考えれば、30年という許可期間について、見直して欲しい。10年が妥当だとも思わないが、30年が適当だとも思えないところである。
     水力発電の開発の可能性について、大規模開発については厳しい状況にある。小さな水力発電についてはコストがかかるため、もっと国の補助金を出すべき。小水力を開発したいが、採算がとれないというのであれば、建設に対して助成を大きくしていくべきではないか。小水力を専門家でない自治体等が作るのは本流ではないと思う。地元として、大いにいい関係の中で水力発電を作ることについて協力していきたい。
  • 地元とのコミュニケーションが足りないというご指摘でしたが、発電事業者としても出来る限りのことをしているつもり。更に出来ることはないか、各社とも話をして整理していきたい。
     10年と30年を比べると長いと思われるかもしれないが、水利権については、水そのものは消費しないこと、遊休化しにくいこと、電力の安定供給上の必要性、多額の設備投資が必要となることといった4つの背景があり、これらの背景には大きな変化は生じていないのではないか。
     発電ガイドラインについて、更新時でなければ改善されないと言うところについては、すでに8割が回復済みであり、今後10年でガイドライン対象発電所のほぼ全てのところで回復が見込まれることから、あえてこの30年、10年という期間にこだわらなくても、ガイドラインの目的は達成できると考えている。
  • 再生可能エネルギーの中で、水力には長所がたくさんある。安定して発電ができること、CO2を出さないこと等、地球環境問題やエネルギー自給率がこれだけ大きく取り上げあれている中、水力発電は重要。
     山間地に単発的に建設するのではなく、水系を面的に開発するとか、あるいは必ずしも最適なものを設置するのではなくて、ある程度モジュラー化して、多品種少量生産にならない形を検討すれば、メンテナンス等も楽になり小規模水力のコストも安くなる可能性があるのではないか。
  • 水利権の更新が30年か10年かということについては、今後関係者間で話をしていくことが重要だと思うが、初期投資が大きく、投資回収に時間がかかると言うことであれば、長くあることが必要だと言うことは分かる。その間、地元が無視された気持ちになるというのが問題なのであれば、コミュニケーションが大事。明確にコミュニケーションがとれるような地元が参加できるような仕組み作りはどうか。
     都道府県に納めている流水占用料が何に使われているのか情報公開請求をするとか、自治体が設定した場で、都道府県と周辺自治体、関係市町村と事業者が一緒になって協議する場作りをしてはどうか。
     水力発電を地域最大の産業として位置づけられているとのことだが、水力発電をどのように活用するのかが大事なのではないか。
     自治体が水力発電に関与することに否定的なご発言があったが、これからは、いかにエネルギーの自給ができるような地域に作っていくか、自分たちの地域活性化をしていく方向については大事なことだと思う。うまく関連づけながら、中小水力が発展して行ければ良いと感じた。
  • 自家発というのは、水資源を活用しつつ、地元の工場で使用し、事業を継続することにより、地域雇用の安定を図っていくと言うことが最大の地域貢献と考えている。河川環境のみの観点からは、河川の水が少ないと言うことは問題かもしれないが、地域経済、雇用、農業用水の確保など、地域との共存共栄を考えている。
     CO2の観点からも、水力発電が長期的にあることを前提に工場の設備投資行っており、水力発電は企業の存立基盤。30年、10年という問題については、長期的な指標を望んでいる。
  • 公営電気事業者の場合は、他の電気事業者に比べ、河川総合開発ダム事業に参加した地点の割合が多く、多目的ダムに一定の費用負担をして参加している。未開発地点もあるが、ダム工事費の高騰により、参加が困難な状況。
     技術開発について、新技術の実証試験などをいろいろな地点で行ってきており、今後も新規技術開発に積極的に協力して、中小水力開発のコスト低減に努めていきたい。
  • エネルギー自給とか、グローバルな環境問題の観点から、水力を進めていくことは重要。このような国全体のメリットをどうやって地元にも理解してもらうかということが課題ではないか。
     経済性の問題について、金利コストを考えると、資本費が増大するため、非常に投資回収に長期を要する事業だと言うことが分かる。
     地域や自治体が自らやるべきかと言う点については、自治体が自らやらなくても民間を活用することで、地域にとって重要な事業との両立ができるのではないか。
  • 技術開発について、中小水力の技術開発については国でも取り組みが行われてきたが、維持管理については、事業者が自ら取り組んでいる状況。
     日本の場合、欧米に比して不活発。海外では技術報告や論文がたくさん出ている。海外の情報を含めて、今の技術レベルで十分なのか等をこの場で議論することも有用。
  • 地元とのコミュニケーションについては、これまでも努めているつもり。今後とも色々な意見を伺いなら進めていく。
     投資をする際、長期的なリスク評価が出来ないと開発を推進することが難しくなるため、長期的な水利権を確保することが重要である。また、事業継続の観点からも水利権は非常に重要であると考えている。

以上

 
 
最終更新日:2008年7月16日
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