経済産業省
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審議会・研究会

第2回独立行政法人評価委員会技術基盤分科会製品評価技術基盤機構部会 議事録



1.日時 平成15年12月12日(金) 9:30~11:30
2.場所 経済産業省1120共用会議室(経済産業省別館11階)
3.議題
 (1) 評価基準の改正について
 (2) 制度WGの報告
 (3) アウトカムについて
 (4) 平成14年度評価に対する総務省評価委員会からの意見について
 (5) 生物遺伝資源の収集計画について
4.配布資料
 資料1……………独立行政法人評価委員会技術基盤分科会製品評価技術基盤機構
         部会出席者名簿
 資料2-1………評価基準の改正について(案)
 資料2-2………独立行政法人製品評価技術基盤機構の業務の実績に関する評価
         基準細則(案)
 資料3-1………独立行政法人評価の改善に向けて(案)
 資料3-2………経済産業省独立行政法人評価委員会における評価の基本方針
         (素案)
 資料4……………「平成15年度アウトカム評価に関する調査」の実施計画につ
         いて
 資料5-1………平成14年度における経済産業省所管独立行政法人の業務の実
         績に関する評価の結果についての意見について
 資料5-2………平成15年度製品評価技術基盤機構(NITE)の業務実績評
         価に際してのNITEへの依頼について
 参考資料1………コストの妥当性に関する資料
 参考資料2………コストの妥当性についてNITE評価部会に提出を予定してい
         る資料の例
 参考資料3-1…NITE事業におけるアウトプット・アウトカム・インパクト
 参考資料3-2…製品安全関係業務のアウトカムイメージ
 参考資料3-3…アウトプット・アウトカム・インパクトの定義について(案)
 参考資料4-1…第1期中期計画における生物遺伝資源収集年度展開
 参考資料4-2…生物遺伝資源の収集戦略策定の進捗状況について
5.出席者
 (部会長) 平澤 冷*  東京大学名誉教授
       注* この表記は「にすい」になっていますが、正しくは「さんず
          い」です。
       大庭 成弘 住友化学工業株式会社専務取締役
       冨田 房男 放送大学北海道学習センター所長
       前原 郷治 社団法人日本鉄鋼連盟標準化センター事務局長
       三村 光代  社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント
             協会監事
       宮村  鐵夫  中央大学理工学部教授
   関係者 齋藤 紘一 独立行政法人製品評価技術基盤機構 理事長
       磯野 克己 独立行政法人製品評価技術基盤機構 理事
       茂木 保一 独立行政法人製品評価技術基盤機構 理事
       荻布 真十郎 独立行政法人製品評価技術基盤機構 監事
       竹上 敦之 独立行政法人製品評価技術基盤機構 企画管理部長
       宮崎 正浩 独立行政法人製品評価技術基盤機構 バイオテクノロ
             ジー本部 本部長
       獅山 有邦 独立行政法人製品評価技術基盤機構 化学物質管理セ
             ンター所長
       中舘  毅  独立行政法人製品評価技術基盤機構 適合性評価セン
             ター所長
       所村 利男 独立行政法人製品評価技術基盤機構 生活・福祉技術
             センター所長
   事務局 佐藤 哲哉 経済産業省大臣官房審議官(基準認証担当)
       大下 政司 経済産業省産業技術環境局基準認証政策課長
       徳増 有治 経済産業省産業技術環境局知的基盤課長
       澤野 弘  経済産業省産業技術環境局知的基盤課長補佐
       天野 正喜 経済産業省産業技術環境局知的基盤課長補佐
       野澤 泰志 経済産業省大臣官房政策評価広報課係長
5.議事
(1) 評価基準の改正について
 事務局より資料2-1及び資料2-2を基に説明を行った後、審議を行い、案の
とおり改正することが承認され、本委員会に改正を提案することとなった。
[事務局説明概要]
 資料2-1を基に説明させていただきます。
 これまでの評価をおさらいさせていただきますと、参考のところの「左側の前回
の評価チャート図」に記載してあるとおり業務実績に能動型と受動型があり、そ
れ以外にマネジメントと財務内容を評価し、加えて枠外にあるコストパフォーマ
ンスを勘案し、全体の評価を行っておりました。ただし、見ていただくとわかり
ますように、能動型(マネジメント及び財務内容を含む)のところはAAからD
の5段階で、受動型はABCという3段階、かつコストパフォーマンスのところ
は枠外で良好か否かを評価し、総合評価ではこれらの評価を総合して3段階の評
価をしておりました。業務の性格上、このような評価基準でやらざるを得なかっ
たわけですが、評価も2年目が終わり、考え方も定着してきました。加えて、前
回部会長から受動型業務についての評価の考え方を整理していただいたこともあ
り、より対外的にわかりやすく整理をしていくことが必要ではないかと考えまし
た。目指しておりますのは、参考の右側のレーダーチャートにありますように、
各項目を5段階で評価することができないか、これをトータルして総合評価に結
びつけていくという考えで評価基準を作成してみました。
 皆様ご承知のように、評価につきましては、中期目標期間全体を通じた業績評価
と各年度ごとの評価というものが存在し、基準としては別に作成しておりますが、
中身としては中期目標期間における業績評価を踏まえて各年度の評価を行ってお
ります。したがって、中期目標期間における業績評価の評価方法・評価基準を説
明させていただき、ご議論いただくということにさせていただきます。
 (1)の評価方法につきましては、業務実績、コストの妥当性及び総合評価とい
うことでございますが、全体との調整が残っており、確定はしておりませんが、
コストの妥当性をコストパフォーマンスの妥当性とさせていただいております。
 (2)の評価基準の現行は、能動型が5段階、受動型が3段階とわけていました
が、今回は一括して5段階評価という形で統一をしようということでございます。
したがいまして、能動型は従前どおりの5段階評価です。しかし、受動型業務は、
これまでの「十分達成」、「達成」及び「未達成」の3段階ですが、今回5段階の
評価を提案させていただいております。従前のA(十分達成)の上にAA(優れ
て達成)を設けさせていただくとともに、従前のBとCの間に新しくC(達成不
十分)を設け、「中期目標について、一部重要な点で未達成の部分あり。」又は
「中期目標は達成できたが、具体的対応において、一部適切性を欠く部分があっ
た。」とし、従来のC(未達成)をD(未達成)としました。
 もう1点の主要な改正点は、コストの評価に係わる部分であります。従前は、コ
ストの妥当性として、良好か否かで評価し、否かの中には「よりコスト低減をす
るべき」ということと、「資源投入を増大すべき」ということで評価をしておりま
した。しかし、これでは、総合評価をする際にどういう形で全体の評価をしたら
よいかがわかりにくいということで、一つは言葉使いとしてコストパフォーマン
スに置き換えさせていただくとともに、中の評価を5段階とさせていただいてお
ります。AAが「非常に良好」、Aが「良好」、Bが「妥当」、Cが「悪い」、Dが
「非常に悪い」ということで、Bの「業務の重要度等に応じて必要な業務コスト
が適切にかけられており、効率的に成果をあげた。」を中心に、上側に「業務コス
トが適切にかけられており、非常に効率的に成果をあげ、かつ、多くの業務で高
い評価をあげるなどして、コストパフォーマンスが良好であった。」というAと
「非常に効率的に成果をあげ、かつ、多くの業務で非常に高い評価をあげるなど
して、コストパーマンスが非常に良好であった。」というAAの二つの評価と、下
側に「中期目標の達成が不十分で、全体としてコストパフォーマンスが悪かっ
た。」というCと「非常に悪い」というDの5段階評価をしてみたらどうかという
提案でございます。
 ③の総合評価については、これまで3段階の評価でしたが、5段階に改正をして
はどうかという提案です。従来のABCに加え、AAとDを付け加え、AAにつ
いては「中期目標を大きく上回って達成し、その質的内容も非常に高い。」という
評価、それからAについては「中期目標を大きく上回って達成」又は「中期目標
を達成し、その質的内容も高い。」といずれかを満たした場合とする。Bはこれま
でどおり「中期目標をほぼ達成し、質的内容にも問題がない。」とし、Cは達成不
十分とし、「中期目標未達の部分がある、又は中期目標は達成できているけれども
一部適切性を欠く部分がある。」とし、Dについては「中期目標を達成できていな
い。」としました。
 以上が主要な改正点であります。それから、資料には7ページ以降、各事業年度
の実績評価がでてきますが、この点はただいま説明した中期目標期間の業績評価
と並びで改正を行うということで説明は省略させていただきます。
 資料2-2をご覧いただきたいと思います。今説明いたしました改正をベースに、
具体的な評価をどう行っていくかについての細則です。
 前回の評価の際に、部会長に受動型業務についての評価をどのように考えるかを
まとめていただきました。これを受けまして具体的な細則としてとりまとめてみ
たということと、総合評価に至る過程においてABCという評価をどのように点
数化し、勘案するかということを明確化してみました。
 総合評価の方法について、項目については昨年と同様で、変更はございません。
評点は、これまで明確に点数が整理されておりませんでしたが、今回5段階に統
一されますので、AAからDまでの点数及びやむを得ず中間ポイントを置く場合
の点数を明文化させていただきました。(2)のコストの妥当性の評価は、今回の
議論を踏まえ、コストパフーマンスに置き換えさせていただきます。
[議論]
(平澤部会長)
 資料2-1の最初のページにありますように、5段階評価を行った場合のAと3
段階評価を行った場合のAでは、同じAでも内容が異なります。さらに、これら
を合わせて総合評価をするとき、その換算の方法を悩まなければならないという
のが前回までの方式でした。これらの問題をすっきりさせることが今回改正の基
本的な点であります。同時に、受動型についても、当初はあまり区別ができない
のではないかと考え3段階としました。しかし、評価を重ねていくうちに、受動
型であっても際だってよく業務をこなしたというケースもあり、このような努力
に報いるような評価体系となった方がよいだろう考えました。
 もう一つのポイントは、コストパフォーマンスが従来は別項目となっていました
が、これも評価の軸の一つに入れてはどうかということです。コストとするか、
コストパフォーマンスとするかは多少議論があるかと思いますが、もし評価軸に
入れるとすると、総合評価を行う方法が従来の四つから五つに変わるということ
です。
 以上の二つが大きな点で、後は評定区分を表す表現に多少ご議論があるかと思い
ます。ご意見等をお願いいたします。
(宮村委員)
 コストは、数値としては非常に把握しやすいのですが、そのコストの妥当性をど
のようにみていくかという視点から考えると、コストをかけたことによってどの
ようなアウトプット・アウトカムがでてくるか、つまりインプット面とアウト
プット成果の両面からみないといけないということだと思います。
 また、コストがどのような形で情報として提供されるかによって、評価のあり方
が変わると思います。製品評価技術基盤機構(NITE)は、中期目標・中期計
画に基づいて業務を進められているわけですが、コストもプロジェクト等に従っ
て各部門ごとに固定費・変動費が配分され、プロジェクトごとにみえるようにな
れば、その対応関係がみれて評価が行いやすいと思います。
 もう一つのコストの情報として原単位という考え方があります。例えば、一つの
商品を作った場合、どのくらいのコストがかかっているかということです。原単
位という形でコストが示されると、絶対値ではなく、相対値となるので比較しや
すくなります。
 このように、コストの情報がどのように提供されるかによって、コストパフオー
マンスの評価が変わってくると思います。
(前原委員)
 私は、適合性評価分野を担当させていただいておりますが、受動型でここまで評
価ができますと大変よいことだと思います。今まで大変苦慮していたところがあ
りまして、この改正案であるならよく評価ができると思います。
 コストパフォーマンスでお願いしたいことがあります。コストの方は、大きなコ
スト減に顕在化してつながっています。ところがコストパフォーマンスは、規模
が少なくて、例えば創意工夫とか、まだ大きなコスト減につながっていない潜在
的なものがあります。それから、ここに是非原単位の考え方を入れるべきだと思
います。これは、鉄鋼ですと、例えば製鉄所は、加熱炉を使いますが、原料原単
位ということでトン当たりのkcalを出します。これに実際のコストは原油の費用
がかかります。これは外的な影響で原油のプライスが決まります。現場の技術そ
のものは、重油をいくら使うかによって技術が決まりますので、世の中の動きに
左右されずに評価する必要があります。いまのような原単位的なところで、トー
タルのコストにはつながらなくても、技術的とか頑張りようがあるところはしっ
かりと評価すべきであると考えます。
(大庭委員)
 コストパフォーマンスの導入は、非常に結構なことだと思います。
 コストについては、定量化できるものとできないものがあると思います。定量化
できるものは、今のお二人のご意見のとおりでよいと思いますが、定量化できな
い定性的なものについては質の評価がアウトプット・アウトカムへの貢献度を含
め課題になると思いますので、この点も配慮する必要があると思います。
(平澤部会長)
 コストなのか、コストパフーマンスなのか、あるいは広義のコストパフーマンス
に入ると考えられる“原単位”といったプライスに係わらないような単位で表現
してはどうかというようないくつかの内容が議論されました。
 成果の側が能動型・受動型ともに5段階で評価されることになり、独立した変数
ということで考えればコストになると思います。そのコストが業務ごとに測られ
ていれば、その割り算に相当するものからコストパフォーマンスが原理的には算
出できます。しかし、必ずしも成果の側も定量化できない場合もありますし、か
けたコストの側も金額は算出できるとしても、金額に換算できない部分のコスト
があることが想定できます。そうなると、割り算するとしても、きっちりした割
り算にならないことになります。質的なものを質的なもので割るという思考操作
をしなければならなくなって、コストパフォーマンスを明確に定めにくくなると
いう問題もあるかもしれません。このような点は、十分に考慮する必要があるか
もしれません。
(事務局)
 委員の皆様のご意見どおりでありますし、独立行政法人自体にとってこのような
形で正面からコストパフォーマンスを入れるということ自体が非常に挑戦的なこ
とで、これまでともすれば“そのようなことはできないよ。”で済ましていた部分
であります。しかし、中期目標期間の半分を過ぎて、周りの環境も大変厳しく
なっている状況の中で、少しでも前向きに捉えてやってみてはどうかというチャ
レンジでございます。したがいまして、このように行えばよいという確定した方
法があるわけではなく、試行錯誤でやらざるを得ない部分が多々あるということ
は十分承知をしておりますが、何らかのこのような取組みをしていかないと、今
後周りから認知していただけないおそれがあり、挑戦をしてみようとしておりま
す。大変難しいところでありますが、試行錯誤の過程として、NITEが今検
討・勉強しております内容を、皆様方のイメージと一致しているかどうかは別と
して、参考資料2にまとめてございますので、竹上部長から報告していただきた
いと思います。
(NITE竹上部長)
 参考資料2について説明させていただきます。
 ただいま、徳増課長からコメントいただいたように必ずしも確定したものではご
ざいません。委員の皆様に情報提供するに当たり、とりあえずのイメージを示し
たものです。
 また、先程来、委員の皆様にご指摘をいただいているとおりコストパフォーマン
スということなので、パフォーマンスや不測の事態があった場合にそれをどのよ
うにのりきったか、経営的努力やコスト削減努力などがなるべく一目でみられて、
コストとパフォーマンスが比較できるような資料にして提示をしたいと考えてお
ります。
 イメージをつかんでいただくために、中身をみていただきたいと思います。
 3ページに概要が書いてありますが、各分野ごとにコストパフォーマンスをみて
いきたいと思います。すなわち、バイオテクノロジー分野、化学物質管理分野、
適合性評価分野、人間生活福祉分野、講習業務分野及び一般管理分野の分野ごと
にコストとパフォーマンス、それに大きな影響を与えたいろいろな要素について
記載していきたいと考えております。
 4ページは、評価方法です。まず、新規事業・継続事業の別は、比較をする際の
ベンチマークをどこに置くかに関係してきます。次は、業務実績です。新規事業
については、当初想定した業務量、進行計画、資金計画等と比較してはどうかと
いうことです。継続的事業については、年度計画で当初想定した業務量等との比
較、又は前年度の業務量、経費等と比較してはどうかということです。行った効
率化等の措置としてどういうことを実施したかをお示しし、これらを踏まえてコ
ストパフォーマンスとしてどうであったかということを自己評価したいと考えて
おります。
 5ページ以降、記載例として現在の考え方を示しております。6ページ以降、簡
素に分野別に提示をさせていただいておりますが、最終的にはそれぞれ行った効
率化等の措置を当初計画、年度計画又は前年度と比較しながら説明をもう少し敷
延をして行いたいと考えております。コストパフォーマンスの分析としては、当
初などと比較を行って増減した理由を説明していこうと考えております。
 例えば、バイオテクノロジー分野の生物遺伝資源に係る情報等の提供事業につき
まして6ページに示してございます。これは、継続事業でありまして、前年度と
の比較で期末の保存件数とかかった費用を記載しております。この事業について
いいますと、パフォーマンスとして期末の保存件数でみております。前年度2千
2百件程度あったものが、本年度は2万8千件で、かかった費用が前年度9億3
千万円程度に対し、本年度が18億2千万円程度になったという実績を示してお
ります。この数字は、14年度のものでございます。コストパフォーマンスの分
析ですが、コストについては業務の本格稼働に伴い、集中的に資金を投入し、費
用が対前年比約2倍になっているということを事実として示しております。それ
から人件費増があります。これは、新規受託事業の獲得に伴いまして人員が40
名から44名に増加をしており、当初計画に対して4名増となっております。こ
れらに対して行った効率化等の措置ということで、外部人材の活用や受託による
外部資金の獲得によって効率化を図りました。結論ですが、当初計画に対して業
務の拡大があったものの、2億3千8百万円の経費増に抑制したことにより、コ
ストパフォーマンスの向上が図られたと自己評価をしました。
 7ページもバイオの分野で、生物遺伝資源に係る情報の高付加価値化業務です。
これも継続事業で、業務実績等は前年度17.7Mbpに対し、今年度2.8M
bpで、費用面では前年度19億円程度が今年度21億円程度となっております。
コストパフーマンスの分析の3番目の○のところに書いてございますが、ゲノム
解析実績が前年度より少ないのに費用が増えたのは、13年度からのゲノム解析
の継続中のものがあること、及びプロテオーム解析開始に伴う増によるものです。
このような状況の中で行った効率化等の措置は、共同研究の促進、自動化装置の
導入等があります。結論として、全体として当初計画に比して、4千1百万円の
経費を削減したことにより、コストパフォーマンスの向上が図られたと自己評価
しました。
 以下、8ページ以降、分野別にお示ししておりまして、このような形で継続事業
について年度計画と前年度との比較、新規事業について当初計画との比較をしつ
つ、効率化のための措置としていかなることを行ったか、これに伴って結論とし
てコストパフォーマンスの向上が図られたか否かを審議の材料として皆様方に提
供することを考えております。
 その他、資料の後ろに従来から部会に提出している分野別コストの数字、数表を
お示ししております。
(宮村委員)
 かなり具体的イメージがわかるようになりました。
 一般的に原価は、数×単価で決まります。この事例をみると、必要な数を減らす
話と外部に行わせて単価を下げるという両方の手法でコストを下げております。
このときに、一般的には、コストを下げることはよいという方向になっています
が、0にはできないわけです。したがって、どこに目標、すなわち妥当な値をど
こに置いたらよいかという難しい問題があります。例えば、7ページで、大学・
民間企業との共同研究を促進して41名でやるべきところを39名で行い、マイ
ナス2名でコストが2千万円ほど下がったとあります。コストの面だけでみると、
一つの成果と考えられますが、一方でNITEの人材を育成していく、つまりこ
のような研究活動を通して新たな人材を育成して将来に備えるというコンピテン
シーという面から考えるとマイナスになるかもしれません。このように、どうい
う形で総合的にみることができるかによって、本当のコストの低減になっている
のか、将来貢献できる人がコストの低減によって失われてマイナスになっていな
いかまで含めてみることができるようにすると的確な評価が行えると思います。
 一つの例を挙げると、中部国際空港では、コスト低減を図り1千億円を下げたと
いう話があります。ここには、顧客・市場の視点が多く入っております。具体的
例でいうと、屋根のアーチ部の形状ですが、当初計画は複雑な形状で、これを制
作するためには金型を全部換えなければならず、金型のコストがかかりました。
これをレビューし、金型の形状を一つにしました。なぜかというと、格好のよい
デザインをしても上空から見えるのはパイロットだけで、普通のお客は見えませ
ん。パイロットのために複雑な形状にしてコストをかけることはないという視点
から、一つの金型でできる形状にし、コストを下げました。このようなところま
での説明があると、意志決定の意味が本当の意味でのコスト低減であると伝わっ
てきます。このような説明が行われることを期待いたします。
(富田委員)
 我々に課せられた評価の任務は、年度評価と中期評価だと思います。年度評価・
中期評価では、どうしても数字のでやすいものを数値化してだすという傾向があ
ります。できることならば、中期目標は、長期目標、特に生物資源は日本国の政
策的な面、あるいは日本がとるべき将来的位置の中での目標で、それに達成する
ためにどのように行ってきたのかという視点を1行でもよいから書き、その中で
中期目標・年度目標が達成できたということを説明願いたい。直接、その長期目
標を評価するわけではありませんが、書き方としてはあった方が望ましいと思い
ます。
 数値目標についても、今、宮村委員の発言にありましたように、減らしたらよい
のかというと、必ずしもそうではなく、難しい要素を含んでいます。例えば、人
材は、どうしても作っておかなければならないが、効果が現れるのは何年か後に
なるわけです。この分の繰越しみたいなものをどのように評価するかは、非常に
難しいのですが、長期的視点に立った人材育成があり、この部分については多少
コストがかかっても、長期的には低減するという考え方もあり得ると思います。
(平澤部会長)
 おそらくコストパフーマンスに集約されてくるのかもしれませんが、もう一つの
軸としてマネジメントがあります。その業務の中身に係わる評価のほかに、やり
方に係る評価という側面をみたらどうかという趣旨です。単にやり方だけでなく、
どのような体制で行っているのかというマネジメントと体制を含めたような軸で
補うことが可能と考えます。最終的には総合評価で現されると思います。
 ここをコストとするか、コストパフォーマンスとするかは、多少議論の余地があ
ると思いますが、お考えの点は十分理解できます。しかし、少なくとも最終的に
はコストパフォーマンスの指標で表現されている軸があった方がわかりやすいと
いうことは事実だと思います。ここに至るプロセスは、コスト削減又は増加の意
味が十分踏まえられてコストパフォーマンスの最終的な指標が解釈されればよい
と思います。
 運用に当たっては、これまでの議論を十分踏まえながら、柔軟に、実際の業務内
容が評価によって切り捨てられることのないように配慮することとします。

(2)制度WGの報告
 政策評価広報課野澤係長から資料3-1に基づいて独立行政法人評価委員会制度
WGの審議状況について報告が行われ、次の議題と併せて質疑が行われ、制度W
Gにおいて当部会の意見の内容も踏まえた議論が行われるように、制度WG事務
局の野澤係長に要請した。
[野澤係長説明概要]
 2年間評価を行ってきたことによって評価に関する知見が蓄積されてきて、これ
に対する課題もある程度明確になってきました。これを受けまして、本委員会の
中で、評価制度に詳しい方々を中心として制度WGを開催しております。これま
で10月と11月に1回ずつ計2回開催しております。この中で独立行政法人評
価制度の改善を検討してまいりました。
 ポイントは、2点あります。1点目は、年度評価をどのように効率化していくか、
かつ、どこに重点をおいて評価していくかです。もう一つは、中期目標期間評価
をどのような枠組みにおいて行っていくべきかです。これは、来年、中期目標期
間が終了する予定の産業技術総合研究所(以下、産総研という。)と日本貿易保険
を主に念頭に置いております。
 資料3-1の1ページの1.で独立行政法人制度における評価の位置付けを改め
て整理させていただいております。独立行政法人の運営は法人の自律性を基本と
し、かつ先ほど富田委員からご指摘がありましたとおり中・長期的な観点に立っ
たものとされております。したがって、3~5年の中期期間の中における具体的
な業務運営においては、法人が自ら作成した中期計画によって自主的に行うもの
とされ、これを受けて主務大臣は中期目標期間終了時において精算をするわけで
すけれども、その成果を斟酌し、組織・業務全般の見直しを行うことになってい
ます。これを受けて、年度評価・中期期間評価を改めて位置付けております。制
度上の趣旨を受け、独立行政法人通則法においては、年度業績評価と中期目標期
間評価の2種類の評価システムを区分しております。これによって、年度業績評
価においては、中期計画の進捗状況を測って評価を付け、他方、中期目標期間評
価においては、それが法人そのものの必要性などに関する政策判断の材料となる
形で評価が行われる必要性があるという二重の評価体制が構築されているという
のが通則法上の趣旨です。
 2ページですが、年度業績評価について、こうした2段階に区分された評価を前
提として考えております。現在、年度業績評価を2年間行い、そこに出てきた問
題点としては、評価対象としてどこまで評価委員会がコミットしてよいのかが明
確になっていないということ、評価自体がどこに重点をおいたらよいかが明確で
ないということ、さらに、例えば、ピア・レビューを実施している産総研が典型
例ですが、自己評価を実施しているところについては、自分で評価を行い、それ
をまた評価委員会でダブルチェックをするということになりますが、重複してし
まっているのではないか、というところを中心に効率化を図っていくということ
を考えております。具体的に申しますと、1.では評価対象の明確化が掲げられ
ております。基本的には、法人が自立的に判断を行える事項に限定すべきとして
おり、当然といえば、当然ですが、主務大臣が一義的に判断すべき事項であると
か、受動型業務などは典型ですが、国に依頼されることによって初めて業務を実
施することになり、意志決定の一部が国の判断に依存するような形のものについ
てはある程度法人の自律性が制約されるという部分を考慮しながら評価していた
だくべきではないかということです。これは、まさにNITEでは先行的に行わ
れていると理解しておりまして、例えば、先ほどの評価基準の改正で説明があり
ましたが、能動型と受動型業務をきちんと区別して評価していただいており、反
映されていると考えております。
 3ページの2.に移ります。ここでは、自己評価の活用と評価の重点化が書かれ
ています。ポイントは、真ん中当たりの「具体的には」以下のパラグラフです。
個別指標の性質を吟味し、重要性が高く、評価委員会がチェックすべき指標につ
いては、評価委員会が重点的に評価する。他方、専門的でありすぎたり、重要性
が比較的低い事項は、自己評価に委ねていくというのもあるのではないかという
ことです。具体的には、個別事業の性質を吟味する三つの軸①~③を設定してお
ります。4ページの表にも同じことが記載してあります。まず、時間軸です。こ
れは、毎年成果が現れるものがある一方で、例えば、基礎研究に近い研究業務の
ようなものは毎事業年度に評価するよりはタイムスパンを長めにとったほうがよ
いのではないかという考え方がありますので、成果が現れるのに時間がかかる場
合には数年に1回評価すれば足りるようにするということです。次は、専門性で
す。評価に際して、特に専門的な知見が必要なものについては、法人による専門
家の方々に参加していただいている自己評価、ピア・レビューといったものを必
要に応じて活用していく必要があるのではないかということです。評価委員会と
しては、その結果がきちんと正当な手続きを踏んでいるとか、委員の任命のプロ
セスが適切かという観点からチェックを行っていただくということです。最後は、
重要性が高い・低いというメリハリを付けることによって、重要性が低いものに
ついてはそれなりの扱いをし、高いものについては重点的に評価をするというこ
とです。
 3.のところは、一般的なことではあると思いますが、評価に係る知見の蓄積と
共通的留意事項の抽出ということが書いてあります。これは、法人の数が増えて
きたということ、委員の方々に10年・20年と長期間にわたって行っていただ
くということにはなりませんので、委員の方々が替わった場合に評価の考え方が
大きく変わっても困りますから、法人間の評価のバラツキを低減して、評価の質
を継続的に維持するために共通の着眼点を抽出していこうというものです。これ
を年度業績評価終了時に定期的に蓄積していくことを考えています。
 4ページの4.に移ります。ここは、まさにNITE評価部会では先行的に行わ
れている部分であると理解しております。全体評価の際に、業務を効率的に執行
するためにいかに効率的に資源配分を行い、業務運営を行っていくかというマネ
ジメントの観点が非常に重要になってきます。他方、3段落目の「しかしなが
ら」以下ですが、独立行政法人制度においては、組織構成・人員配置においては
基本的には独立行政法人の理事長の裁量であると整理されています。基本的には
中期目標、つまり主務大臣が指示をするものとか、中期計画、主務大臣が認可す
るものといった主務大臣の関与をできるだけ制限するもので、特殊法人と同じて
つを踏まないようにするという配慮が働いておりまして、マネジメントに関する
規定を細かいところまではしないようにという配慮がなされております。このよ
うなこともありまして、中期目標・中期計画に従って評価を行いますと、マネジ
メント部分の情報が若干不足してしまうということが残念ながらございます。こ
こについては、NITE評価部会では相当ご尽力いただいていると思います。マ
ネジメントに関する情報を必要に応じて参考資料として提示していただいている
と認識しております。これを他の法人でも行っていただくべきではないかと考え
ております。6ページのこうした状況を踏まえ以下のところで、マネジメント機
能を適切に評価するために、先ほど宮村委員がコストの話をされましたが、それ
と同期する話ですが、それぞれの事務・事業ごとに配分された資金・人員を適切
に把握するとともに、戦略・組織・人材などの観点からのマネジメント、特に人
材を育成するというようなバランスのとれたマネジメントを行うということです。
このようなマネジメントの状況について、適宜、事務局から評価委員会に説明を
させていただき、それを踏まえて評価をしていただくことが重要ではないかとい
うことを検討しております。以上が、年度業績評価の中身でございます。
 次に、7ページの中期目標期間評価をどのような枠組みで行っていくかというこ
とについて検討を行っております。
 先ほど、二つに区分された評価制度と申し上げましたが、これを受けて、Ⅲ.の
柱書きのところで、評価結果は主務大臣による組織・業務全般の見直しの際の判
断材料になるということが記載されております。したがって、法人がいかに効率
的に運営され、具体的な成果をあげているか、これはアウトプットによって主に
測られるものですが、この効率性の視点ではなく、法人が実施した業務によって
いかなる効果が、顧客や国民に対して生じているかという有効性の視点に基づい
て評価を行って、最終的には主務大臣が判断する法人の必要性という視点に向け
ての判断材料を提供していくという形になると考えております。その後の1.は、
繰り返しとなりますので省略させていただきます。最後のページの2.の有効性
の視点に移ります。2段落目です。現在の中期目標・中期計画においては、アウ
トプットがメインとなっておりまして、アウトカム指標について若干割合が少な
くなっているという傾向があります。したがって、アウトカム指標を新たに抽出
していただいて、それを評価していただくことによって有効性、法人の業務がど
れだけ寄与したかということを評価していただければと思っています。具体的に
は、そのアウトカム指標をどのように抽出するかということですが、①、②のと
ころで、まずアウトカムが法人の活動によるアウトプットの結果として生み出さ
れた顧客や国民にとって本質的効果であるという考え方、例えば学校でいえば、
1週間に30時間授業を行うということがアウトプットですが、実際は学力が増
したとか、情操的にどういう効果があったということに成果として現れてきます。
この本質的な効果ということを測らなければ、法人あるいは学校教育に意味があ
るかというところを測れないのではないかという観点に基づいております。その
アウトプットから結果として生み出されるアウトカムというのを論理的に導き出
していただくということが一つでございます。その次に、②のアウトカム指標の
選択ということでございます。試行的に、論理的にアウトプットを導きだせるわ
けですが、これは法人の政策目的達成のために重要度が高いものと低いものがあ
ること、また調査が可能であるものと困難であるものがある等、玉石混合で混
じっていると思われますので、調査が可能であって、かつ、法人の政策目標達成
のために重要度が高いものを評価していただくのがよいのではと考えております。
後は、先ほど富田委員から長期の視点が必要なのではないかという話がございま
したが、どうしても独立行政法人の制度においては、3~5年という中期目標期
間を区切って評価を行わなければならないという状況がありますので、それを超
えてしまう成果についてはなかなか視野に捉えきれないということがございます。
したがって、②のなお書きで、アウトカムが中期目標期間を超える期間の経過後
でないと顕在化しないような場合においてはアウトカムに至るまでどのように
ロードマップを描いているのかを確認し、その進捗状況についてみていただくと
いうことで代替するべきではないかと考えております。
 最後に3.では、必要性の視点ということを書いております。これは、この有効
性の視点で評価していただいた中期目標期間評価の結果を踏まえて、次の中期目
標期間の組織のあり方、あるいはこの業務を改廃するとか、この業務を追加すべ
きといったことについての評価委員会としての意見を提示していただくことまで
視野に入れていただければと思います。
 以上が、前回11月の制度WGで議論された中身でございます。
(平澤部会長)
 これは、まだ議論の途中であります。目的としては、経済産業省全体であまりバ
ラバラな評価基準であるというのもおかしいのではないかということもあり、そ
の調和を図ろうとするものです。一方で、各法人が非常に異なる業務を担当して
おり、その異なる業務の特性を殺さないで評価できるようなことをしようとして
います。こういうことから、今説明いただいたようなカテゴリーに分けて、その
特性を活かしながら評価していこうということを考えたということです。
 もう一つは、より本質的な内容に関して評価を傾斜させていくべきであるという
ことからアウトカムというものについて議論し、認識を深めて、それが評価でき
るようにしていってはどうかという状況にあると思います。

(3)アウトカムについて
NITE竹上部長より資料4を基にアウトカム評価に関する調査の説明を行っ
た後、前の議題と併せて質疑を行い、本調査の進行状況を適宜当部会に報告して
もらい、必要に応じて調査の方法等について当部会の意見を述べていくこととし
た。
[NITE竹上部長の説明概要]
NITE事業におけるアウトカム等については、いろいろご議論いただきとり
あえず参考資料3-1とか参考資料3-2にまとめさせていただきました。それ
ぞれ分野別にアウトカムを定量的に評価するに当たって重要と考えられる指標な
どについてとりあえず目鼻が付いてきたという段階であります。資料4に書いて
ありますのは、具体的な指標の候補があがってきたものをどのように固めていく
か、さらに、それに基づいてどのような評価をしていくかという調査の実施計画
をまとめたものでございます。
 調査の目的は、資料の1ページの1.に書いてあります。単年度ごとの事業実
績評価、すなわちアウトプット評価に加え、アウトカム及びインパクトによる評
価の必要性を再言しておりまして、より適切なアウトカム評価を行う上で必要と
なる指標の整理、関連データの収集・整理を行っていくことを調査の目的として
おります。調査の対象としましては、「バイオテクノロジー」、「化学物質管理」、
「適合性評価」及び「人間生活福祉」の4分野を考えております。これらを対象
としまして、NITEの事業を対象としたアウトカム評価の試行を行いたいと考
えておりまして、これによってNITEにおけるより効果的なアウトカム評価を
遂行するための方策等について併せて検討するという形で行っていきたいと考え
ております。
 具体的な作業の流れとスケジュールは、2ページ目以降でお示しをしておりま
す。スケジュールは、2ページの線表に記載した形で進めることを考えておりま
す。評価手法の検討は、1月の半ばくらいまでかけて行い、評価手法を検討した
上で評価手法のデータ収集に移りたいと考えております。主にヒアリングを行い
まして、アンケートも併用するわけでありますが、ヒアリングによって勘所を押
さえた上でアンケートで裏付けをするというイメージで指標データの収集を3月
いっぱいくらいかけて行いたいと思っております。若干並行しますが、収集デー
タの分析を行いつつ、アウトカム評価のあり方の検討、報告書の作成を行い、4、
5月頃まとめたいと考えております。作業の流れ、スケジュールにつきましては、
部会長ともご相談申し上げながら、ご助言を踏まえてとりあえずの案として作成
しております。項目の多様性、アウトカムの評価の難しさが当然ございますので、
年度内というよりは年度をまたがる形で評価のタイミングをにらみながら行って
いきたいと考えております。検討委員会という形でこれらを遂行しようと考えて
おり、1月に指標の検討、3月に収集データの検討、5月の連休頃にまとめを考
えております。それぞれ、指標の検討、データ収集、分析・検討と移っていくわ
けですが、項目ごとに補足しますと、評価手法の検討は来年の1月半ばくらいま
でかけて行うわけですが、我々が作成しました評価手法につきまして改めて検討
を行います。先程来ご議論にもなっておりますが、その際、評価指標がデータと
して発現する時期、タームの問題がありまして、短期、中期、長期のいずれの時
期になるのかという検討が必要となります。仮に、中長期にわたる場合は、その
タイムラグをどのように評価するのか、先ほどロードマップという話がありまし
たが、マイルストーンとしてどのようなものを想定するのかということについて
併せて検討するということです。指標として成立させるということにつきまして
は、当然そのデータの数量が十分であるのか、データ取得の難易度が高いのか、
低いのかというようなことも念頭に置きながら整理をしていきたいと思っており
ます。さらに、評価指標がNITEの類似の事業からも影響を受けることが想定
されます。これについてもNITEの寄与度が推定できる方法を併せて検討した
いと考えております。検討に際しては、最初にNITEの事業を把握するという
観点から各担当者からのヒアリング調査から始めたいと考えております。取りま
とめた評価指標のうち、今年度にアウトカムデータを整備する計画の指標につい
て、指標測定の考え方やデータの入手方法を検討するということが最初の評価指
標の検討ということです。具体的に取得を図る評価指標については3ページに示
してあります。これは、従来ご議論していただいた中身をまとめたものでござい
ます。平澤部会長ほか委員の方のご意見を伺いながらこの辺につきましてプライ
オリティ等を検討しながら進めていきたいと考えております。
 4ページにアウトカム評価指標データ収集について記載しております。これは、
来年の3月くらいまでかけて収集をしていきたいと考えておりまして、先ほど申
し上げましたとおりヒアリング、アンケート調査を基づきまして行っていきたい
と考えております。ヒアリング調査に関しては、NITEに関する正負両面の評
価を得られる人を人選するということにも留意していきたいと思っております。
アンケート調査票につきましては、データの時系列入手・分析ということを前提
に設計したいと考えております。
 それから、アウトカムということになりますと、間接的効果というものを測定
しなければならないということで、例えばデータベースを利用した研究件数のよ
うに全体像を把握しにくい指標がでてきますが、こういうものについても既存・
潜在ユーザーに対してアンケート調査をして把握をするということを検討したい
と考えております。先ほど、寄与度云々という話がありましたが、NITEと同
様な事業を行っている類似組織との比較検討を行うため、関連機関のデータも入
手しながら万全を期していきたいと考えております。
 収集したデータについては、来年の4月くらいまでかけてアウトカム評価を試
行していきたいと考えております。アウトカムとアウトプット・インプットの関
係は、いろいろ重層関係がありまして、5ページのポンチ絵に書いてあるような
関係になると思います。インプットについては実施プロセスの妥当性、アウト
プットが出てきた場合、類似競合技術との関係、経済性、効率性の検討が必要に
なります。アウトカムを導き出す仕組みができているのかということも当然配慮
していかなければなりません。アウトカム・インパクトが具体的に出たとしても、
その創出までに長期間を要する指標がある場合の考え方、NITE成果の有効性
の検討も併せて必要になると考えます。このような形でアウトカム、アウトプッ
ト、インプットの関係を整理して、因果関係、流れについて明らかにしていきた
いと考えております。
 最後にアウトカム評価のあり方自体についてとりまとめるということになって
おります。
 それから、実施体制ですが、有識者から構成される検討委員会を組織し、検討
していきたいと考えております。委員につきましては、技術評価に関する研究者
及びNITE各分野の事業に対する精通者等から構成したいと考えております。
委員会は、3回ほど開催することを考えております。本件は、アウトカムという
難しい中身を取り扱いますので、調査の遂行に当たりましては、(株)富士総合研
究所であるとか、KPMGビジネスアシュランス(株)等の支援を得ながら行い
たいと考えております。
[質疑]
(平澤部会長)
 先ほど野澤係長から資料3-1のご紹介の中にもあったように、我々が評価す
るときに二通りあります。一つは年度ごとの評価、もう一つは中期目標を見直す
ときの評価です。今、アウトカムをしっかり把握しようというのは、中期目標を
見直すときの評価に役立てていこうというのが最終的な目的です。総務省の評価
委員会は、2面性があるような気がしております。年度ごとの評価に関しては、
評価法の評価をするというようにシフトしてきたように思います。文科省や、経
済産業省の評価結果に対するコメントをみるとそのようになっています。いかに
評価法が改善されていくかということを評価することが年度ごとの評価に係わる
視点です。一方、中期目標の見直しのときには、徹底して必要性を追求していく
ということになると思います。一応、掲げられている項目というのは、今も出て
きましたように、効率、有効性、公平性、優先性及び必要性になっております。
このような項目の立て方も重複していたりして、あまりよい立て方とは思いませ
んが、いずれにせよ必要性に関しての起請責任が事業を展開している側にあると
いうのが中期目標見直しのときのスタンスです。必要性は、非常に幅の広い概念
になると思います。単にあればよいというような必要性から必須であるといった
ような意味の必要性までかなり幅があります。それで必須であるということを言
おうとすると、今議論したようなアウトカムを分析しないと、そしてまたそれが
他と比較して有効であるということを起請していかないと論理的には言えないこ
とになります。自ら行っている業務内容だけの中身の有効性を確認しただけでは、
やった方がよいですねというだけの話しで、必須であるということにはなりませ
ん。
 このようなことから、アウトカム業務の本質を把握し、その必要性を証拠立て
ていくことのための取り組みが非常に困難な作業になります。したがって、年度
の前倒しをして行ってはどうかということを従来から考えていました。今、後段
で竹上部長からご説明いただいたように、非常に具体的な展開の仕方を考えてお
られるようで、今のような取り組みに関して委員の皆様からご意見をいただきた
いと思います。
(富田委員)
 独立行政法人評価委員会は、経済産業省の独立行政法人全体をみているのである
と、かなり難しい仕事になると思います。例えば、バイオテクノロジー分野で考
えると、NITEではバイオテクノロジー本部、産総研でいえばいくつかの部門
が該当します。私は、産総研の評価委員も行っているので、両方みるとかなり違
います。これは、両者の性格が異なるので、違うのは当たり前ですが、共通の項
もあります。したがって、共通項をくくりだして、なるべくうまくまとめあげ、
アウトカムの部分がみえるように、かつ、どちらの独立行政法人も同じような評
価が得られるような、又は同じような検討項目が得られるような抽出の仕方をし
てほしいと思います。部会長は、非常に怖いことを言われました。年度は、その
評価法の評価をすると言われ、評価委員が評価されることになります。
 先ほど、言い忘れましたが、竹上部長の説明のコストパフォーマンスのところで
もよいのですが、能動的な部分、例えば、バイオテクノロジーで微生物資源を集
めるところは、外部資金が相当入っているはずです。外部資金がいくら入って、
その資金がどのようにパフォーマンスされたかは、今回のところにはでていませ
ん。それだけよい仕事をしているのだから、たぶんほかの部分でもそうだと思い
ますが、私はたまたまNITEと産総研の両方をみているので、例えば産総研の
ある部分では運営費交付金よりも多い外部資金をとっているところがあります。
このような場合コストパフォーマンスをどのようにみるのかという問題がありま
す。当然、生物資源でも同じ問題があると思います。アウトカム評価の調査に当
たっても運営費交付金だけをみるのではなく、全体としてみる必要があると思い
ます。したがって、類似機関・部門を見比べながら、作っていただきたいと思い
ます。
(宮村委員)
 評価システムを考えたときに、いろいろな要素があると思います。例えば、ある
評価を行った結果が最終的に意志決定主体に報告されて、その評価結果がある意
志決定に反映してきます。NITEのケースにおいては、年度である場合、理事
長のウエイトが大きく、中期になってくると主務大臣となります。このように評
価結果が意志決定主体によって重みが変わってくるという理解ができます。この
ようなことを制度WGで整理してもらえると、評価のやり方そのものが、より具
体的にイメージできてくると思います。こうすると、評価の中でも評価主体の話
がでてきますので、ピア・レビューですとおそらく1人称とか2人称の評価に
なってくると思います。こういうところは、そのように行った方が評価対象の情
報を多くもっているので、よりプロセスとかアウトプットについての評価は的確
にできると考えられます。我々は、評価主体としては3人称的です。そうすると、
アウトプットよりは、顧客とか国民の立場からみることについてはよりみやすい
わけです。このような中で、情報の非対象性のバランスがとれてくると思います。
さらに、評価主体が替わることによって、いろいろぶれないようにするために評
価規範をしっかりしておくといった評価システムの構造を明らかにして、整理し
ておいていただくと全体像がより理解しやすくなると思います。
(大庭委員)
 インプットを入れて、アウトプット・アウトカムという積み上げのスタイルで
行っていくのは、それはそれでよいと思いますが、化学物質の管理をトータルで
どうするのかということもないと、積み上げていっても上がどうなるかという問
題があります。単に、化審法を改正するのかという問題ではないはずです。そう
いう意味で危機感をもっているのが、化学物質はデータベースが貧弱すぎるとい
うことです。化学物質のデータが貧弱だからいろいろな問題が起こり、さらにそ
のデータがサイエンティフィックに評価されていないのが問題なのです。方針と
してきっちりとだれがやるのか決めるのは、経済産業省全体の問題ではないかと
思います。それからリスク管理という考え方をどう発展させていくのか、その中
に我々の化学物質管理をどうするのかという問題もあります。さらに、国際貢献
も大きな課題であります。OECDの会議にいろいろな省庁から参加され、日本
として統一の取れていない発言をしているという話も聞いております。このよう
な色々な問題の解決をアウトプット・アウトカムのターゲットにしておかないと、
いくら積み上げたって日本の化学物質管理はよくならないと思います。
 最終的には、国民の健康、環境保全をどうするのかという問題です。野澤さんの
説明の中にも政策目標の達成と言うことがあったと思いますが、政策目標とのリ
ンクをどうするのかという大局的議論が必要だと思います。
(平澤部会長)
 今のことは最も重要なポイントと思います。
 政策評価全体の中で、政策体系のようなものが確認されていないと、その下で作
業をしている我々について、ものが見えてきません。残念ながら、この種の基本
的な体系とか方向性が従来はあまり見える形では提示されてきませんでした。こ
れは、評価をやる中で次第にその必要性が認識されるようになってきました。中
期目標を新たに設定するときくらいまでには、しっかりしたものを基本政策とし
て作っていただくことになるのではないかと思います。
(事務局)
 化学物質管理のところは、委員のおっしゃるとおりだと思います。
 特に、受動的業務として行政の一貫として組み込まれているところは、業務のア
ウトカムを評価するということは、とりもなおさず、政策そのものを評価してい
くということにもつながっていくことになります。
 実は、我々も経済産業省の関係原課との間では、NITEの業務をこのような形
でアウトカムを評価するということは、政策評価を別の意味で行っていることに
等しいことであるので、そこのところはよろしく協力をしていただきたいと同時
に、その結果をいかに政策に反映するかということについても配慮していただき
たいとお願いしており、こういうことに使えるよいアウトカム評価をしていきた
いというのが今の思いです。なかなか一筋縄ではいかないと思いますが、部会長
のご指導をいただきながら、そういうものに使えるようなものにしたいと考えて
おります。
(三村委員)
 最初の議題の評価基準についてですが、私は当初なぜ3段階と5段階にわける必
要があるのかよくわかりませんでした。5段階で評価させてもらった方がやりや
すかったです。今回の提案で、とてもわかりやすくなりました。
 コストパフォーマンスとか、今のアウトカムの評価の場合もそうですが、私は書
いたものだけで評価するのは、素人の立場ではすごく難しいです。それぞれの部
署に質問をしてくださいと言われますが、何を質問してよいかもよくわからない
という状況の中で評価をしていくということは、時間ばかりかかっているという
状況になります。できれば、コストの部分などは、一同に介して説明をしていた
だける時間がとれたらありがたいと思います。説明をしていただければ質問もだ
せます。単なる書面だけの評価は、目標と比べて評価することとなり、達成度し
かみられないということになるので、是非こういうことも含めて議論をお願いい
たします。
(平澤部会長)
 おそらく3月くらいに予備的な成果について報告してもらうことになります。そ
のときに、その段階でわかるコストとか、今議論していたコストパフォーマンス
の状況についてもご説明いただき、時間をかけて議論したいと思います。
(前原委員)
 ピア・レビューもアウトカムの評価も画期的なことでよいと思います。
 例えば、ゴルフを始めたとき、グリップをどうしろとか、肩を入れろとかいろい
ろありますが、振ってみて玉が飛ぶかどうかというところだと思います。
 評価委員としては、玉が最初はスライスしてもいいよということを言わなければ
ならないと思います。
(平澤部会長)
 二つの議案についてですが、前段については報告事項で、ご意見をいただいた事
項については野澤係長に十分踏まえていただければと思います。
 後段のアウトカム調査については、かなり具体的な説明がありました。詳細な部
分については、いろいろご意見がおありかと思いますが、方向性としてはご了解
いただいたと思います。具体的な面については、私も相談にあずかりながら意味
のあるものにしていきたいと思います。
 
(4)平成14年度評価に対する総務省評価委員会からの意見について
 事務局から資料5-1に基づいて説明を行うとともに、総務省評価委員会からの
意見を踏まえて、当評価委員会のこれまで議論してきた内容を整理し、平成15
年度のNITEの業務実績評価に際して、当部会からNITEに依頼する事項を
資料5-2によって提案し、審議の結果、この場で、当部会からNITEに資料
5-2の内容を依頼した。
 [事務局説明概要]
 総務省の評価委員会から経済産業省の評価委員会に対して戻ってきた意見につい
て簡単にご紹介するとともに、当該NITEに対する部分を紹介したいと思いま
す。資料5-1が今の資料で、併せて、資料5-2として、総務省からの意見も
踏まえまして、当評価委員会のこれまで議論してきた内容を整理し、NITEに
対して15年度の評価に対して依頼すべき事項をまとめてみました。すべてすで
にあるものを整理したということですので、詳細な説明は避けますが、ご覧いた
だければと思います。
 資料5-1が総務省の評価委員会から経済産業省の評価委員会に対して付された
意見でございます。
 1ページの一番下の段落を見ていただくとわかりますように、委員会として法人
の設立に照らした業務実績や実施に当たっての経営戦略の進展状況、財務内容、
コスト削減努力等について、二次的、横断的な評価を行って、意見を述べている
という位置付けでございます。
 以下、経緯等を書いておりますが、製品評価技術基盤機構に対する意見としまし
ては、5ページにあり、二つの点が指摘されております。
 一つは、工業標準化法及び計量法の認定関係業務についてです。申請から認定ま
で1年以上の期間を要したものもあるという状況、このような長期間となった場
合には、その理由等について評価書の中に明示して、結果の透明性を確保すべき
であるという指摘です。
 二つ目は、講習会に係る損失についてということで、適切な財務運営を確保する
ために引き続き厳格な評価を期待したいということです。
 それから、所管法人共通といたしまして、次の事項があります。
 一つは、節減目標の具体的な達成状況について定量的な評価を行うということで
す。
 二つ目は、6ページの一番下のなお書きの部分です。これはまだ確定しておりま
せんが、本年新しく独立行政法人が設立されているわけですが、これらの法人に
ついては中期目標期間に大幅な節減努力が課せられております。このような状況
を参考に、先行独立行政法人も次期目標期間にはこの内容を反映するように検討
してほしいという要請です。
 また、8ページ及び9ページには、所管法人共通のこととして、特にこういうポ
イントについて配慮してほしいという意見が何点かあります。
 まず、研究開発業務について、一つは評価の観点です。目的、内容、性格に応じ
て分析を具体的に明示し、評価結果の客観的・具体性を向上させるべきというこ
とです。次に、国等からの受託で行っている研究開発業務については、国等が自
ら行っている評価を踏まえるとともに、法人のマネジメントの観点を踏まえて分
析・評価を行うべきであること。法人の年度計画中に一覧できるように明示をす
べきであること。それから、これらの研究開発業務で外部委託が3分の2以上と
なっているものについては、その体制が本当に効果的であるかという観点からの
評価を行ってほしいということです。
 次に、全体の組織・人員について、その増減についての経年比較を行って、分析
評価を行う必要があるという指摘です。
 このような総務省評価委員会からの指摘及び本評価委員会でこれまで議論してき
た内容を一つにまとめたのが、資料5-2です。本日この整理した資料5-2の
内容をこの委員会からNITEへの評価に当たっての指摘として提示をさせてい
ただきました。
 依頼についてということで、平成15年度実績評価に際して、次の点に留意して
提出してくださいということで、一つは、評価委員会からの指摘について、その
対応状況を明示してほしいということ。二番目以降が総務省の指摘を踏まえた内
容でございます。業務運営の効率化について、達成状況を可能な限り定量的に把
握できる資料を付けるようということ。三番目は、運営費交付金債務の期末残高
がある場合はその説明を詳細に行うということ。四番目、研究開発業務に関連し
て、国等からの受託に係る業務についての評価の視点。五番目は、先ほど紹介し
ました3分の2以上となっているものの内容の説明。六番目は、組織、人員の増
減の経年比較ができる資料。七番目は、認定期間が長期にわたるものについての
説明です。以上について、15年度の評価に当たって留意をしてほしいというこ
とです。
 それから、これまでの実績評価全般のことについて言えますが、参考資料として
これまでの参考資料に加えて、その評価のポイントとして業務の必要性、有効性、
効率性が問われているということに鑑みて、効率化等をどのように図ってきたか
ということについての説明も客観的データに加えて、添付をしてほしいという依
頼です。
 (1)の当委員会からの指摘は、別紙として後ろのページに付けております。主
要なこととして、一つは、14年度の実績評価の際に問題となりました生物遺伝
資源の収集について、ユーザーニーズの把握であるとか、基本的な計画というも
のを早急に策定する必要があるということ。それから、標準化関係業務について
は、既に中期目標を達成したこともあり、チャレンジングな中期計画を策定する
必要があるという指摘です。
 その他、いろいろな議論の中からあったものを前びろに整理したものを、その他
指摘事項で付けております。
(平澤部会長)
 一つは総務省の評価委員会からのコメントを踏まえて、もう一つは昨年度の当委
員会の評価の指摘事項を踏まえ、これらを改善していくという視点から資料5-
2がまとめられております。
 このような具体的な評価のやり方について、何かご意見がありましたらお願いし
ます。
 -意見なし-

(5)生物遺伝資源の収集計画について
 NITE宮崎本部長から参考資料4-1及び参考資料4-2に基づいて第1期中
期計画における生物遺伝資源収集年度展開と生物遺伝資源の収集戦略策定の進捗
状況の報告が行われた。
 [NITE宮崎本部長説明概要]
 参考資料4-1は、17年度までの生物遺伝資源の収集の展開の計画を掲げてお
ります。
 一番上の段は、微生物の株数で、14年度は(財)発酵研究所から1万数千株、
15年度は民間企業から大口の寄託がありまして多くの株の収集ができておりま
す。16年度、17年度につきましては、NITEが自力又は共同で収集するこ
とを中心に、各年3,500ずつ集めるということで、17年度末にはトータル
3万株を計画として考えております。後で説明いたしますが、国内の生物遺伝資
源機関、大学等とのネットワークを作り、株の上積みをすべく努力したいと考え
ております。
 次の段は、DNAクローンで、これは、ゲノム部門で解析しました微生物のク
ローンの部分について分譲できる体制になったものを記載してありまして、両者
合わせました合計が一番下に書いてあります。平成16年度で5万弱、17年度
で5万を超える数字を想定しております。
 本年3月にご説明させていただきました事項のうち、未知微生物のプロジェクト
からの有用遺伝子については、プロジェクト自身の計画が遅れておりますので、
この部分につきましては、18年度以降に入れさせていただきます。
 参考資料4-2によって、収集戦略策定の進捗状況について説明をさせていただ
きます。
 私どもでは、特に産業界からの意見・ニーズを聞くということで、製薬、食品、
化学等の各業界の方々からご意見をいただきまして、バイオテクノロジー本部と
しまして収集戦略の骨子案を作りました。
 その後、バイオテクノロジー委員会をNITEで開催したり、国際アドバイザ
リーボードも9月に開催しました。さらに、生物資源委員会を設置し、産業界・
学術界の意見を聴いた上で、収集戦略を検討している最中です。
 今検討中の収集戦略の骨子を簡単にご説明したいと思います。
 別添1をご覧願います。産業界の皆様方の意見を聴きますと、様々なニーズがご
ざいます。端的に言ってしまえば、できる限りたくさんの、多様な微生物を幅広
く収集して、迅速に、できれば安価に提供してほしいということです。もう少し
ニーズを細分してみますと、大きくは二つに分かれてきます。それが一番上にあ
ります「NITEが収集すべき微生物に関する民間ニーズ」です。
 一つは、産業上有用なものとか、分類学上有用なもの、すなわち、様々な人が研
究論文等で発表するような微生物なり、企業が新たに自ら見つけた微生物を研究
するための基準となるものを集めてほしいということです。
 もう一つニーズは、企業が新製品開発をするためにスクリーニング材料として未
知の微生物をできる限り集めてほしいということです。具体的には、民間企業で
は収集が困難な極限の環境のもの、特殊な環境のもの、さらには生物多様性条約
によりましてアクセスが困難となっております海外の微生物を収集してほしいと
いうことが産業界の強いニーズになっております。
 そこで、これらのニーズに応じまして、私どもNITE自らが実施すること、ま
た私どもが中心となって我が国全体として供給体制を整備することをこの表の中
で整理をしております。
 国内におきましては、NITE自ら収集する部分としましては、特に重点は右側
のスクリーニング用に「極限・特殊環境」の微生物を収集していくことです。そ
れから、外部からの寄託は、微生物に関する研究論文を発表する研究者から幅広
く微生物の寄託を受けるということがあります。右側のスクリーニング源としま
しては、特に産業利用の可能性が高い分野であります放線菌、かび類をターゲッ
トとしまして外部からの寄託に努めてまいりたいと思います。その次に、我が国
全体としての供給体制をみますと、現在、国内では24の生物資源機関(BR
C)があります。機関の所管が各省に分かれており、それぞれが別々に分譲して
いるのが現状でございます。したがいまして、私どもといたしましては、まずは
ユーザーが一元的に国内のBRCにアクセスできるように、まずはバーチャルな
統合カタログを作りまして、一元的にアクセスできるようにしたいと考えており
まして、各BRCに提案をし、合意を得るようにしたいと考えております。同時
に国内のBRCの中には、研究目的が中心であまり分譲には対応できないところ
もありますので、特にそのような機関から順次、NITEから分譲できるように
するという形で微生物の譲渡を受けていきたいと思っております。具体的には来
年1月に国内のBRCを集めて、会議をもちまして、協議し、合意形成を図って
いきたいと考えております。
 次は、海外の微生物の件ですが、これは生物多様性条約に基づいて、我が国の産
業発展のための大切な資源ですので、NITEが中心となって発展途上国との関
係を作りながら進めていきたいと考えております。具体的には、生物の収集・同
定能力が十分でないインドネシア、ミャンマー、ベトナムで、相手国の協力を得
ながらNITEが収集することを考えています。インドネシアにつきましては、
すでに今年から実施をしておりまして、1千株を日本に持ち込んでおります。
ミャンマー、ベトナムについては、現在協議中でありまして、可能であれば年度
内にMOU(包括的覚書)及びプロジェクトアグリーメントを結ぶということを
希望し、それに向かって交渉中でございます。途上国から入手しましたものは、
カルチャーコレクションから提供するものもありますし、企業のスクリーニング
材料としても提供できるような仕組みを作っていきたいと思っております。
 それと、海外機関が持っているもの、つまり既存のカルチャーコレクション間の
交換も進めていきたいと考えております。また、タイ及びマレーシアは、すでに
微生物の収集・同定能力がある程度ありますので、彼らが持っている微生物をN
ITEが入手し、これをスクリーニング材料として提供していくことを進めてい
きたいと考えています。
 さらに、OECDでは、地球的規模で、世界的なBRCのネットワーク構想があ
ります。これは、ヨーロッパを中心に構想が進んでいます。理由は、アメリカの
タイプカルチャーでありますATTCが最近では他国と微生物を交換しない、ま
た、やむを得ず他国に出す場合はトレースをするという方針をとっており、大変
問題を抱えております。このためにヨーロッパはネットワークを作って、アメリ
カに対抗しようということを考えております。NITEは、世界的なネットワー
クに参加していくということに併せて、私どもは今までアジアにおいてはバイで
協力関係を作ってきましたが、これからはマルチの場で、アジアの国を対象に、
アジアの中で生物資源を共同で収集し、利用するような枠組みを作れるようにし
ていきたいと考えております。具体的には、来年の3月にアジアの専門家会合を
持ちたいと考えております。
 前の資料に戻りまして、今後の予定ですが、2ページの7.(3)にあるとおり
2月中旬にはバイオテクノロジー委員会を開催しまして、収集戦略含む業務戦略
の最終案を決定したいと思っております。
[質疑]
(富田委員)
 別紙のところで私は厳しい評価をしたように記憶しております。新たな基本計画
を策定するということで、大変よい案を今日示していただいて、これで先が十分
見えてきたと評価されると思います。生物資源については、アメリカ、ヨーロッ
パという二つの動きがあり、それに対してアジアをどうするかという中で、最後
の方で宮崎本部長がおっしゃいましたが、日本が今までのように、日本・インド
ネシア、日本・タイというようなバイラテラルではなくて、もう少し大きく組ん
でいくということでしたので、生物資源、特に微生物資源ですけれども、是非と
もそういう形で進めていただきたいと思います。俗に、東南アジアに60%から
70%の生物種があると言われておりますので、是非ともその線で進めていただ
きたいと思います。
(NITE磯野理事)
 今の宮崎本部長の説明でほぼ言い尽くされておりますが、是非皆様にご理解いた
だきたい点がございます。
 微生物は、非常に一般的に多様でして、多様であるということは何かと言います
と、それを扱って単に収集だけではなくて、保存して、分譲するという段階が個
別に個々の生物によって非常に異なります。そのために、多大なテクニックとナ
レッジをもった人が必要であるということもご理解いただきたいと思います。
 我々としましては、できるだけ多くの分類群の異なる生物を集めて、それを使わ
れる方向に供したいという熱意は持っておりますが、それには、あるものは一人
が1千株を受け持つことは比較的簡単ですが、あるものはせいぜい1~2百株が
限度ということがあるということをご理解いただきたいと思います。
 もう一点ですが、生物の中では、ある機能をもっているために、この機能という
のはあらかじめ簡単にはわからないのですが、突如として非常に大きな価値を持
つことがあるということがあります。これは、歴史的に多々あるのですが、それ
が発見されてから何年あるいは時には十何年経て初めてその価値がわかったとい
うこともございます。ですから、我々としては基本姿勢として、できるだけ幅広
いものをうまい状態で保存する、うまい状態とはニーズがあった場合にそれに対
応できるような能力とノウハウを持った人間を育成し、信頼できるような分譲の
仕方をして、長い間経っても使える状態で、世間的な評価が確立されるような方
向で分譲を進めていきたいと考えおります。
(大庭委員)
 この生物多様性条約に適合する適法なルートは非常に重要であると思いますが、
窓口はNITEが日本を代表しているのですか。同じことを他でやっていること
はないのですか。
(NITE宮崎本部長)
 多様なルートがありまして、一つは個人ベースで扱う場合もありますし、民間企
業が直接途上国に行って収集することもあります。我々は、政府ベースで相手国
とMOUを結んで行っております。今現在、政府機関として行っているのは、N
ITEだけではないかと思いますが、もちろん他の機関でもできます。
 
以上


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最終更新日:2004.04.01
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