経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会研究開発小委員会革新的温暖化対策技術フォローアップワーキンググループ(第4回)‐議事録

日時:平成16年5月19日(水曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省別館513共用会議室

出席者

西尾座長、堤副座長、赤井委員、岡崎委員、小川委員、高橋委員、前田委員、和気委員(守富委員は欠席)

窪田研究開発課長、高田研究開発調整官、安田企画調査官、松岡研究開発課長補佐、小鑓環境政策課長補佐、山西研究開発専門職

議題

革新的温暖化対策技術フォローアップWG中間報告(案)について

議事進行について

高田研究開発調整官から、資料3の「革新的温暖化対策技術フォローアップWG中間報告(案)」について説明を行った。また資料4に基づいて、今後の予定を説明した。

議事概要

議事内容は下記のとおり。

西尾座長
エネルギー貯蔵技術等の革新的エネルギー転換技術については、テーマが少なくCO2削減効果も小さいようであるが。
高田研究開発調整官
2010年以降には超電導技術などの期待できる技術が出てくると思われるが、2010年時点では厳しい。
和気委員
今回試算したCO2削減量は追加対策なしの基本ケースであるが、対策をした場合は更にこれだけの効果が得られるという検討は今後どこかでされる予定があるか。つまり、施策を反映させれば更に効果が得られることについてフォローアップする場があるか。
高田研究開発調整官
前回WGでは追加対策ケースも試算をしているが、その後の地球温暖化対策推進大綱で定められた目標値が744万トン-CO2という基本ケースの値であったので、基本ケースについてフォローアップしている。追加対策ケースについては、前回WG結果と対比することによってある程度推計できると思う。今回は試算していないが、今後技術開発の進捗にあわせてコストを含めてみながら、場合によっては達成が厳しいような状況になれば、そのような視点をいれながら検討していく必要があると思う。とりあえずは今回試算した750万トン-CO2を技術開発でいかに達成していくかが大きな課題である。マネジメントをしていく上で、検討しなければならない時期がくるかもしれない。
西尾座長
非常に重要な指摘である。前回のWGから3年近くたっており、今年度は第1ステップの終了年であり、来年からは第2ステップに入る。3年前に追加対策ケースなども評価しているので、その後3年間に追加的な対策がとられているのかも踏まえ、政策自身のフォローアップもしていくという視点も必要である。
前田委員
750万トン-CO2の達成は容易なのか、厳しいのか。導入率を設定して試算しているが、コスト等の問題もあるので、幅をもたせるべきではないのか。
高田研究開発調整官
幅をもって解釈する必要があるとは報告書でも記載しているが、今回は今進捗している技術開発を中心に抽出しており、これらが成功することを前提としている。失敗するものもあるかもしれないが、期待以上に成功するものもあるかもしれない。コストについては投資回収年数について検討を行ったところである。今後より省エネが重要ということになれば省エネ型製品が売れることになるだろうが、今回はそのようなことは想定していない。幅をもたせるということはどれだけの確率で見通せるかの問題になるが、確率を出すことは困難である。ただ幅をもって考えるべきであると理解いただけると幸いである。
窪田研究開発課長
750万トン-CO2の達成は容易なのか、厳しいのかについては、一つ一つのテーマについて現状想定している成果が得られ、想定しているコストで導入されることについて努力を積み重ねることによって達成されるのであり、ただ単に技術開発すればこのCO2削減ができるというものではない。
報告書の4ページの上から2行目において、「ただし、技術開発には開発スケジュール、目標性能、コストに対する達成度合い等の不確定要素があり、製品化・普及に際しては市場環境により影響されることから、2010年が近づいている中、当該削減量を実現するためには関係者の真剣な取り組みが必要である。」としており、また下から2行目において、「リスクの高い技術開発を成功に導くとともに、速やかに実用化・普及へと結びつけていくためには政府と民間企業等の一丸となった取り組みが重要である。」としているとおり、この目標を達成していくために努力していかなければならないと考えている。
小川委員
中間報告についての修正というよりはむしろ今後どうしておくべきかを申し上げたい。今回の検討においては各技術のポテンシャルについてはある程度評価できると思うが、一番難しいのは導入時期をいつと考え、どのように市場へ普及していくかを考え始めたときには不確実性が残っていると思う。個別技術の評価については各特性や実施側の考え方も反映させており、細かくみると思想がバラバラになっているところがある。次にやるときがあれば、ある程度共通化できる部分は共通化し、出てくるアウトプットが共通的な基準で見られている方が、より説得力があると思うので工夫していくべきではないか。
また、CO2削減効果については2010年もしくは2012年に答えが出ると思うので、今回の試算結果と比較して、もし今回予測したことと異なる結果になった場合はどうしてそうなったのか吟味し、その次のステップへ生かしていくことが必要ではないか。
高橋委員
地球温暖化対策推進本部によれば、2002年ではCO2排出量は7.6%増加しており、産業に対して民生・運輸部門の対策の遅れが甚だしい気がする。規制的手法ではなく国民的努力で達成していくべきではないか。
経団連としてもまもなく意見書を出す予定であるが。革新的技術の導入により省エネを進めていこうと会員企業へ呼びかけていく考え。民生・運輸は産業界としてはなかなか手が届きにくいが、革新的技術のうちの自動車軽量化技術、住宅・ビル空調技術、次世代ディスプレイ技術については、経団連も協力していくが、政府、経済産業省としても国民への導入に係る支援やインセンティブの付与等工夫してほしい。750万トン-CO2を上回る規模でいかないと全体としての▲6%達成は難しい。
窪田研究開発課長
ご指摘のとおり、実現にむけて工夫していくことが重要。CO2削減については革新的技術だけでなく全体としてとらえていく必要があるが、革新的技術の成果の普及についても国民に広く理解を求めていく必要がある。実際に省エネ、CO2削減にどのように役立つかわかりやすく説明していくか大きな課題である。追加的に措置については、今後の全体的な議論の中で検討されていく課題と認識している。また小川委員からのご指摘のとおり、2010年は目の前にきていることから、今回試算した数字がどうだったのかギャップを評価し、次の施策へ反映することが重要な課題である。
和気委員
革新的技術における特許や知的所有権の情報、方向性はわかっているのかどうか。2010年の▲6%達成にはCDMや排出権取引などを利用せざるを得ないが、ホスト国においてCO2削減が期待でき、知的所有権の制約がなければかなり効くと思うが、この中にそのようなシーズがあるかどうか知りたい。国際的な技術の普及見通しはあるのかどうか。
窪田研究開発課長
国で行っている研究開発について、発生した知的所有権は研究実施者へ帰属することになっている。これらの革新的技術については、研究実施機関が特許等をもっていることになる。革新的技術については実用化していくことが第1であり、技術移転についてはいわゆる省エネ・新エネ技術が検討される中で革新的技術もありうるのかどうかを次のステップとして考えていくことになると思われる。
高田研究開発調整官
一例であるが、別紙2の内訳の「焼結工程の改善によるCO2削減製鉄プロセス」については大きなCO2削減効果が期待されている。今回は研究開発実施企業における導入しか見込んでいないが、他社に導入されれば更に大きく期待できる。しかし、企業戦略とも係るのでなかなか言いにくい面もある。
西尾座長
産業分野については現状技術においても日本の技術のCO2排出原単位は相当低いと思う。経団連の自主行動計画フォローアップ委員会でもお願いしているところであるが、将来の計画を作ることも重要であるがその前提として、日本の技術の原単位が先進国の中でどの位置にあるのかという表を分野毎につけてほしい。というのはいい技術であるのにパーセントだけが一人歩きしてしまいがちだからである。
堤副座長
今後の課題についてであるが、今回の試算値はかなり精査されたものであるが、算出手法は個別テーマ毎の積み上げ方式であり、限界があると思う。例えば、座長が指摘したエネルギー貯蔵技術の効果が小さい点であるが、エネルギー貯蔵技術そのものはエネルギー生産をするわけではないのであり、その技術が入ることにより全電源構成の割合や運用形態が変化し、その結果省エネになるということであるので、広い範囲に伝播するので省エネ量を非常に計算するのが難しい。一方、今あるものがあり、別のものに置き換えると省エネになるという場合は計算しやすく、そのようなテーマが多くなっている。革新的技術というものは今回あげられてもの以外にもたくさんあり、これだけをやっていけばいいというものではない。これらは例えであり、もっと省エネになるものをどう拾い上げていくかということを次の課題として検討していく必要がある。
西尾座長
さきほど小川委員から2010年時点で評価することが必要ではとの話があったが、その前にもう一度フォローアップがあるのではないかと思われるので、その際にリマインドすることが必要。
高橋委員
さきほど西尾座長から指摘のあった原単位については、経団連としても問題意識を持っており是非やりたいと思っているが、中央環境審議会における環境省、NGOからの指摘及び産構審フォローアップ委員会で原単位の国際比較を出すように指摘されたことによる。この秋に発表される自主行動計画フォローアップで出す予定であり、日本の技術の省エネ効率が世界一であることを証明したい。
西尾座長
私が言いたかったことは技術のポテンシャルはもちろんであるが、他の国々に技術をいれるという話があったので、現状の技術をいれるだけでも相当の効果があるという意味である。
高田研究開発調整官
堤副座長から指摘頂いた点であるが、今回見直しの中でテーマの入れ替えも行っており、報告書の最後にも「今回リストアップしたテーマ以外にも有望な技術があると思われることから、新たな技術シーズを見いだし、技術開発につなげていく努力を継続していくことが必要である。」とさせていただいている。
赤井委員
報告書の文言であるが、例えばフォローアップの結果がテーマの優劣を述べているように受け取られる箇所がある。例えば、別紙1の?で「当初2010年CO2削減を想定していたが、成果の実現の見込みが厳しいテーマ」とあるが、個別テーマ毎にいろいろな事情があるので、テーマの優劣を判断しているものではないとわかる書きぶりにするべき。今回の作業の問題点は2010年という断面で切っているので、例えば2011年でみれば期待できる技術という場合もある。また、別紙1の[8]の「新エネルギー技術」という言葉については、一般的な新エネルギー技術と受け取られるので、役所用語としての新エネルギー技術であるとしたほうがいい。
評価手法についてであるが、3ページには「ライフサイクル的な評価については将来の検討課題とした」となっているが、今回のような作業にライフサイクル的な評価があうのかどうかという適否も含めて検討することが必要ではないか。堤副座長が指摘した波及効果についてはもっともであるが、やみくもにLCAを適用するのは評価結果をあやまらせることになりがちであり、要注意である。また評価手法に関する議論は前回WGでも同様な議論があったところであり、短期間でまとめるWG報告とは別に、今後しっかり検討すべきである。その際には全電源平均値を使うのか、火力平均値を使うのがいいかも検討した方がいい。
今回は参考資料を含め、試算プロセスを全てオープンにしているが、技術開発そのものに係るリスク、市場導入に係るリスク等があるので、リスクがなければ国が支援する必要もない。そのことを本報告書を読む人に理解してもらう必要があり、悪用されないようにしていただきたい。例えば数年後に目標を達成できなかったから金の無駄遣いであるというような議論がでてこないようにするべき。ほとんどが経済省の予算でやっている研究開発であるが、数年後に自然に導入されているようなものであれば国の予算ではやっていない。それなりの政策的意図があり、政策とパッケージで市場導入されるものをやっている。そのことを大前提としてやっていることを理解してもらう必要がある。
高田研究開発調整官
文言については座長と相談して修正を検討したい。また今回のとりまとめ作業は非常に大変であり、公開することから精査もしたわけであるが、今後はプロジェクト管理に重きをおいていきたい。技術開発であるからリスクがあり、絶対的なものではなく可変性をもっていることを踏まえ、本報告をとりまとめたい。
窪田研究開発課長
LCA等評価方法を確立すべきであるが、LCAについても評価にいれるのか、いれないのか、どこまでいれるのかと検討にはかなりの時間を要すると思う。できるだけ多くの人のコンセンサスを得るべくまとめたのが本報告とご理解いただけると有り難い。定常的に今後どうフォローアップしていくかまじめに検討しなければならない。今回の試算値についてはリスクはあるが、一つの指標にはなり、将来的には結果としてどうだったのかという比較の材料にもなるという面でも意味はあると思う。数字が一人歩きするのではなく、検討プロセスも含めて理解してもらうことが大事である。技術開発というのはCO2削減だけではなく、社会的課題を克服するために行っており、研究開発投資に対する理解を得るのも難しいのも実情であるが、理解を深めて頂くための広報の努力もしていきたい。
小川委員
報告書に盛り込むというよりも今後のための長期的な課題についてであるが、地球温暖化問題は究極的には危険のないCO2濃度に安定化させることを目指して50年、100年タームでやっていくことが大きな方向性であり、2010年だけでなく、15年、20年といろんな形で強めていき究極的な目標をどう実現するか考えていかなければならない。2010年の目標達成を考えたときに日本の全体像をみると、一番のネックはカードとして使えるオプションを持ち合わせていないことではないか。2020年、2030年と展開していく中で技術的に工夫してカードとして使える技術的オプションをもつことが重要な戦略になってくる。今はコスト的に難しくても2020年、2030年にはほどほどのコストで大きな効果を発揮する技術がリストアップできてくると思うので、長期的・戦略的に取り組んでいくことが必要である。
また既に指摘があったが、ここにリストアップされているテーマが全てではなく、今は知られていなくても今後効果のある技術が出てくることがあり得る。今回は2010年技術のフォローアップが第1で、その延長として2030年を考えていたが、戦略的に工夫して長期技術を考えると、いろんな人がいろんなアイデアを持っていると思うので、基礎開発、技術開発にアクセスできる土俵を設定して、その土俵の上に参入し、ある一定の競争をして評価され、有望な技術だから採用するというような仕組みが必要である。
堤副座長の指摘もあったが、コンビネーションが重要である。いろんな活動が最終消費までチェーンし、コンビネーションによりトータルな効果が出る。例えば燃料電池は最終消費としてはCO2が出ないのでアピールされていないが、水素を化石燃料で作る限りは他のシステムと比較して必ずしもドラスティックな効果が得られるわけではないという評価も出てくる。水素を作る部分が再生可能エネルギーであるか、化石エネルギーから作るとしてもCO2固定化技術とコンビネーションさせるなどが重要な要素となってくる。個別技術を研究することも大事であるが、技術をチェーンしてコンビネーションさせることも大事である。技術を開発・実用化させることは大事であるが、その技術を導入・普及させることはまた別の難しさがある。導入・普及できるから基礎研究をやるというのが本当にいいのかどうか。長期技術については導入・普及を前提とせずに幅広く検討してもいいのではないか。
高田研究開発調整官
長期的技術が重要であることも認識しているが、最終的にどのような形で使われ、どれぐらいの効果があるかも考えて取り組んでいくべき。今回は長期的な技術については地球温暖化対策推進大綱の枠組みを超えて、検討を行ったところである。コンビネーションについては、報告書の中にもインテグレーション技術やコプロダクション技術についても言及している。
西尾座長
評価手法についてはプログラム化するなど、具体的な検討をしてほしい。
岡崎委員
CO2削減量の単位については、万トン-CO2ではなく、万トン-CO2/年とした方が正確ではないか。
西尾座長
文言等の修正はあると思うが、概ね了解いただいたと思う。
窪田研究開発課長
委員の皆様には今回のフォローアップにおいて、盛りだくさんの内容についてご審議いただき、厚く御礼申し上げたい。2010年は目の前に来ているので、今回の試算値を一つの目標として、研究開発の成果を出し、実用化・普及していく役目を改めて認識している。今後、地球環境小委員会へ報告し、経済産業省としての地球環境対策としてまとめられていく予定である。評価手法等については今後どうようにして継続的に検討していけるか関係者の方々とも相談していきたい。
西尾座長
委員の皆様をはじめ、作業部会でご尽力いただいた方々にもお礼を申し上げたい。

以上

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産業技術環境局 研究開発課

 
 
最終更新日:2004年6月21日
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