経済産業省
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独立行政法人評価委員会産業技術総合研究所部会(第8回) 議事録

議題(1)独立行政法人産業技術総合研究所の中期目標期間終了時における組織・業務全般の見直しについて(案)

木村部会長:
ただいまから、独立行政法人評価委員会第8回産業技術総合研究所部会を開催させていただきます。議事に先立ち、配布資料の確認を倉田室長からお願いいたします。
倉田産総研室長:
資料確認
木村部会長:
それでは、議題の検討に入りますが、本日の議題は1つでございまして、「独立行政法人産業技術総合研究所の中期目標期間終了時における組織・業務全般の見直しについて(案)」でございます。まず、事務局からご説明をお願いいたします。
倉田産総研室長:
それでは、本日の議題に関しましてご説明をさせていただきます。見直しの内容に関しましては、本日席上配付させていただきました「委員ご参考用」という資料を用いますが、この資料の説明に入る前に、今年7月の産総研部会においてご議論いただいて、「中期目標期間終了時の見直しの当初案」というものを前部会でご承認いただいたわけでありますが、それ以降、どのような形で政府部内の作業が進んでいるかということを、まず概要としてご説明をさせていただきます。
参考資料1―1から順番に見ていただきたいと思います。参考資料1―1は独立行政法人通則法の抜粋でありまして、もともと独法制度をつくったときに、独法というのは中期目標期間を1つのタームとして、そこであるまとまった業務を行ってもらうという設計になっております。従いまして、中期目標期間を終了するときには、所要の見直しを図るということが制度の中にビルドインされています。具体的には、参考資料1―1の1ページの下に独法通則法第35条の条文を載せてございますが、主務大臣が所要の見直しを行うということで、その際には、評価委員会の意見を聞かなければならないということになっておりまして、本日がその場とお考え下さい。
一方で、総務省に設置されております独法全体をみる評価委員会がございまして、この評価委員会は、見直しのあり方に関して主務大臣に勧告をすることができるということが、制度設計になっているわけであります。
それで、参考資料1―2をご覧いただきますと、これはこれまでに何回かお示ししている図でありますが、一番右の列の経済産業省独立行政法人の作業事項が書いてあるところの7月あたりに、主務大臣の検討、これが中期目標期間終了時の見直しの検討でありますが、この当初案の作成ということであります。これを部会では今年の7月に議論をしていただき、見直しの原案をつくったということになっております。
これに対しまして、左から2つ目に総務省評価委員会行革推進本部という列がありますが、ここに総務省評価委員会勧告方向性等の指摘と書いてございます。実体的にどういうことになっているかと申しますと、この場で7月につくった当初案に対しまして、総務省、さらに言えばその評価委員会に対して、産総研の見直しについて主務大臣としてどう考えているのかという当初案を示し、それに対して、総務省、さらには総務省の評価委員会の場で議論をいただくわけであります。
当然、経済産業省はその総務省の評価委員会にも呼ばれまして、どう考えているかのヒアリングも受け、いろいろと指摘を受けながらの議論がこの秋に延々と続いたということであります。
その結果として、総務省の評価委員会から、本来的には、勧告の方向性等の指摘を受けた形で、今回、7月に決めさせていただいた当初案を修正して、もう一度この場でお諮りをするというのが当初の予定であったわけであります。
ただ、その総務省の評価委員会からの勧告の方向性等の指摘というものが、実はまだ出ておりません。どういうことかといいますと、この日程で部会をセットしたときに、総務省から言われていたことは、11月18日に総務省の評価委員会を開き、そこで決定するということになっていたわけですが、産総研以外の全省庁所管の独立行政法人もやっているものですから、恐らくなかなか決着のつかないものがあったのではないかと想像しますが、その結果として、1回流れ、次に11月29日に総務省の評価委員会の日程が設定されたわけでありますが、それも流れまして、今回見直しを行う各法人に対しての勧告の方向性等の指摘事項については、実はまだ出ていないということであります。
ただ、実体的には延々と秋口に議論をした結果が、産総研に関しては恐らくこういう形の指摘が来るであろうということはわかっているものですから、それを踏まえて今この場でとりあえず修正したものをお諮りしたい、というのが本日の位置付けになります。
したがいまして、理論的には、年内に総務省の評価委員会からの勧告の方向性等の指摘が正式に来ることになり、その後、それを受けて、本日この場でもご議論いただく修正した案を、今度は政府の行革推進本部に報告するということになっております。その場で議を経た上で、正式に主務大臣としての見直しというものが決まりまして、さらに言えば、その結果を受けまして、来年度から始まる新たな中期目標期間の中期目標、そしてそれを受けての産総研が作成する中期計画、これが決定するという流れになります。
それから、その周辺状況でありますが、参考資料1―3でございますが、これは7月にこの場でご議論をいただいてとりまとめさせていただいた当初案であります。
それから、参考資料1―4でありますが、これは資料1―2で大まかなスケジュールをお話しいたしましたけれども、これが今申しましたように、現実にどのように進んでいるかということの実態を示した資料であります。
もう1つ周辺状況としてお伝えしておきたいのは、一番上の左の経済産業省という欄の右側に第19回独立行政法人評価委員会(7月30日)とございますが、その7月30日で経済産業省としての見直し当初案を決めたわけでありますが、それに対して、参考資料1―5をみていただきますと、これは総務省から発表された、平成16年中に中期目標期間終了時の見直しの結論を得る独立行政法人ということで、もともと16年度で中期目標期間が終了する独立行政法人は極めて限られていたわけでありますが、政府全体として、少なくとも17年度末で極めて多数の独立行政法人が見直し期間の終了を迎えるものですから、少なくともその半分くらいは前倒しをして、16年中に見直しを行うということがこの夏決まっておりまして、それを具体的に総務省が各省と協議をして、これは総務省のプレス発表資料でありますが、ここに示されている独立行政法人に関しては、前倒しで見直しをするということで、16年中の見直しの法人の一覧であります。
経済産業省に関しては3つ書いてありますが、もともと日本貿易保険と産総研に関しましては16年中に見直しを迎える期間でありました。それに加えて、ここでは経済産業省の場合であれば製品評価技術基盤機構が前倒しで見直しをする法人として、今回、俎上にのっているというわけであります。
ですから、もともとは極めて少数の法人の見直しということが16年度中の予定であったわけですが、こうした多くの独法を同時に見直すということで、総務省の評価委員会は相応に審議をしていただいているということになっております。
もう1つは、参考資料1―6に示してございますが、このクレジットは、独立行政法人に関する有識者会議というものが政府の行革本部のもとに置かれております。ここでは、総務省もしくは総務省の評価委員会における中期目標期間終了時の見直しのプロセスとは半ば独立した形になっておりますが、こうした場でもきちっと議論をして、見直しに関して、この有識者会議として意見を開陳するというプロセスがもう1つ並行して走ることになりまして、ここでの議論もあり、意見が出されております。これはその発表資料であります。
ここでは前倒し法人などに関しても相応の議論がなされていますが、2ページ目に、産総研に関しては特に指摘されていることはありませんが、一般論としてみると、ここでは独法に関して原則非公務員化でありますとか、官から民へ、国から地方への流れの中で、もっと業務運営の効率化と経費節減に取り組むこと、もしくは業務の民間委託、地方移管、外部委託等を一層積極的に推進せよなど、一般論的に指摘がなされておりまして、ここに関しては、そういう意味で広く考えれば産総研もこういう指摘の範疇に入るということになります。
この夏から秋にかけて、独法をめぐる中期目標期間終了時における見直しという流れに関して、政府部内での動きというのは以上のとおりであります。
こうした中で、産総研に関しましては、総務省の評価委員会のプロセスにものり、その事務局である総務省とも相応の議論をして、今般、ほぼこういう形かなというものになっていったわけであります。
(以下、見直し内容について適宜資料1-1、資料1-2等に基づき説明)
木村部会長:
ありがとうございました。本質的に7月の案とは変わっておりません。具体的に例示を入れたというところだけが、強いていえば変わっているかと思います。
それでは、ただいまのご説明に対しましてご意見をいただきたいと思います。
山野井委員:
第3期科学技術基本計画で、日本経団連でも、先日、産業界としての要望事項を出させていただいたわけですが、経団連の中での議論を続けている中で、融合型の領域ということが非常に多く出ました。ですから、従来の単一の学問領域、あるいはそれに基づく技術領域という1つのディシプリンだけで、あるいはそれを深めるというだけで解決できる問題というのは、特に出口をみた場合は比較的少なくて、むしろ融合ということの国際競争がこれから出てきて、人材育成も含めて、どのようにうまく融合ができるかというところに勝負のポイントがあるように私どもは感じたわけです。
そういう点で、産総研は今の流れをまさに先取りされて、組織論にしても身分にしてもそうされつつあるわけですが、これだけ多くの専門分野をもっている中で、そのテーマ設定の中での融合という問題をもっと強調して選び出すということと、もう1つは、その中で人材育成ということに対してどう関わるかということ。現在、産学官連携推進部会でも、テーマの中心は研究のことではなくて、人材のことばかりです。
したがいまして、1つは、今申し上げた第3期という中で、まさに旧国研の中心的な立場にある産総研さんが、融合という中でどのように役割を果たされるか。それは研究だけではなく、人材育成についても、ぜひそれをポイントとしておいていただきたいと思います。
もう1点は、これは範囲の狭い話になりますが、4ページのライフサイエンス分野についてですが、この分野自体が相対的に欧米に対して相当遅れている分野で、水をあけられている内容の多いところだと思います。そこで、その遅れているところを、それはもちろん重要な分野がたくさんありますから、それに注力して追いつくという発想もあるのですが、私のイメージでは、非常に範囲が広くて、また、人・モノ・カネを全部ひっくるめて、欧米、特にアメリカと全面戦争的な取り組みをするのは非常によくない、無理だろうと思っております。
したがいまして、ここにおけるテーマは、我が国の強みの部分と産総研の強みの部分と、この2つをフィルターにかけたときにどんなテーマが浮かんでくるのかということが、1つの期待感としてございます。テーマ一つ一つについてどうかということはちょっとわかりませんけれど、考え方として、産総研へのこの分野の期待としてはそういうものがございます。
以上、2点でございます。
倉田産総研室長:
山野井委員からご指摘のあった点は、私どもとしても非常に認識していまして、今まさに中期目標の策定に向けて、産総研自身がどういう方向に向かい、何をすべきか、そして何を重点化すべきかということを、中期目標とそれに基づく中期計画の中できちっと議論をし、さらに言えば、産総研において今出つつあるアウトプットについて、経済省内のあらゆるステークホルダーを含めて延々と議論をしているところであります。
そこで、今、山野井委員からお話しのあった、特に人材育成に関しては強く主張がなされているところでありまして、むしろ中期目標できちっと位置づけていくべきことなのかなと考えております。バイオ関連の具体的な研究分野に関しても全く同じだと思いますが、それが現時点での状況であります。
産総研からご意見がございましたら、お願いします。
吉川理事長:
融合につきましては、組織論的な融合を図ったわけですし、また、各ユニットというのは、まさに産業のもつ価値を生み出すためにユニットを構成して、結果的には学問領域が非常に融合されているという状況がございまして、私としては、出てくるものが産業にとって意味のあるものになるということを非常に大きく期待しているわけでございます。
また、山野井委員がおっしゃるように人材はどうなのかということですが、人材育成については、多くの問題はありますが、私たちとしては、この産総研という機関は大きな人材育成機関なのだと位置付けてみないとうまくいかないだろうということです。そして、結果として人材が出てくるという話はもう既にされていたわけですが。そうすると、どういう人材をつくるのかということになって、人材育成については大学という人材育成を主目的とする存在がたくさんあるわけですが、それとはやはり違うだろうということです。
もちろん、長年、工業技術院の研究所に大学院をつくろうという話もあったのですが、私はそれはずっと否定してきたわけです。なぜなら、大学と同じものをつくっても仕方ないのではないかということです。どのように違うのかというと、学問領域ごとに教育をするという大学とは違って、まさに融合することによって、現実の産業における価値を生み出すというメカニズムを実感するような場所にしたいわけです。ですから、ユニットに若者が入ってくるということ、もう少しわかりやすくいえば、研究者養成ということでもよいという気もするわけです。そして、研究を経験することによって、伝統的な学問分野をどう融合すれば価値ができるかということを学んでいった人間が社会、産業界に出ていくことによって、日本の産業が基礎的知識をどうやって製品にもっていくかという仕組みをそこで学んでいく。そのような水準の人材育成機関にしたいと考えております。
山野井委員:
先日も産総研からお話をいただき、ポスドクの方を活用されているということでしたが、理事長がおっしゃられたように、決して学生というレベルの話ではないわけで、1つのテーマについて幾つかの専門が必要だといったときに、私の期待感は、連携ということではなく、融合というのはすごく難しいのですが、例えば、秋山センター長が研究されているバイオインフォマティクスといえば、ライフサイエンスの研究者とインフォメーションの専門家の方とが連携してやるということはスタートとしては必要なのですが、では、バイオインフォマティクスの専門家というのはどういうことになるのかと言うと、そこに初めて融合という意味があるわけです。
産総研自身がいろいろな専門家集団になっていますので、当然そういうテーマが出てくる。第3期からいっても非常に複合的なものが多いものですから、そこで連携、さらに含めて融合という形での人材育成、それは例えば学生ということではなく、そういう拠点としての期待感が、研究だけではなく、非常に強いということをぜひ申し上げたかったわけです。
吉川理事長:
私も本当にそう思っておりまして、例えば今のバイオインフォマティクスについて、これは秋山センター長に会って話してみるとわかるのですが、彼はコンピュータの専門家なのですが、バイオインフォマティクスをやるために今やバイオの専門家になってしまったわけです。それくらい、ある1つの目的を設定すると、無理に勉強するのではなくて、両方の知識を自分の頭の中に両方持たないといい仕事ができないという環境を産総研はもっているわけです。ですから、ここに来れば、電子工学が専門だった人がバイオとダブル・ディシプリンになったり、あるいは機械工学の人がまさに人工知能についての知識を身に付けたりすることになります。
そういった場所がここにはふんだんにあるわけです。それはディシプリン別の大学教育とは全く違う構造がありまして、そういう意味では我々も存在意義があると思っております。これはぜひご期待いただくようにと思います。
岡田委員:
今の山野井委員のご指摘と重なる面がありますが、部会長がおっしゃったように反対とか問題があるという意味ではなくて、結論的にいえば、産総研らしさというものをいろいろな機会にぜひ訴えていただきたいと思います。この資料1―1なども大変よくできていて、あらゆることが全部織り込まれて文句のつけようがないのですが、この中に、「技術の果たす役割は従来になく増大」とあります。民間企業はここ2~3年、物づくり回帰といいますか、実際に製品なりサービスなりを開発していくときに、そこにナレッジを結集して、結局、ナレッジ・クリエーティング・カンパニーが生き残るということに皆さんが注目をし始めていると思います。
最近、「開発経営」といった言葉が出てまいりまして、開発の重視という見方が出てきております。それで、開発していくときに重要なものは何かといいますと、企業のこだわりということです。企業のこだわりというのは、具体的な企業名は上げられませんが、「何々らしさ」といったところが一番重要になってくるのではないかなと思うわけです。
吉川理事長はずっと産総研で指導をされて、各研究者のモラルを落とさないで、かつ経営の立場から、あるいはアウトカムという視点から、そしてコミュニケーションを活性化して、この産総研を非常にうまく運営されてきているのではないかと思います。そういう「らしさ」に踏み込んだ表現をもう少し広くやっていただければ、より一層よくなるのではないかと思います。
吉川理事長:
大変貴重なご助言をありがとうございました。私どもの気持ちも今の岡田委員のご指摘に重なっていると思うのですが、研究者のモラルについて、私は2つのモラルの向上の要因があると思っております。1つは押し上げる、1つは引っ張るということです。
押し上げるというのは、私はこれを繰り返し言っているのですが、私たちは国民の期待感を担って、国民の税金を使って公的な研究をしているのだから、この公的な研究成果というのはまさに期待感である日本の繁栄、さらには人類のサスティナビリティの貢献に役立たなければだめなのだということです。これが研究者を下から押し上げるインセンティブなのだと思います。
もう1つは、受け身で、産業が欲しいからというのでこの技術を差し上げますというのではなくて、今、「開発経営」とおっしゃいましたが、私は「産業開発」という言葉を最近使っておりまして、産業もまた今までの産業ではサスティナブルな社会を実現するためには不十分だと思っています。そういう意味で、ずっと各産業が変わろうとしている。それと我々の研究成果がうまく調和したときに非常にいい結果が生まれると思っています。それを今度は、本当にそういうものになっているのかどうかということで、自分の研究成果を日々確かめながら研究してほしいと思っています。これが、使われたことによって自分の価値を発見できるというインセンティブになると思います。これはむしろ引っ張っていく方であるということです。
こういう二重のインセンティブを研究者は持たなければいけないし、これが産総研の1つの綱領というか、考え方であると思っております。
藤嶋委員:
重点領域の件ですが、産総研では、ライフサイエンス、情報通信、ナノ・材料、環境・エネルギー、これらは今政府を中心として大きな4つの領域としてやっているわけですが、プラス、社会基盤(地質)・海洋分野、社会基盤(標準)という、産総研の一番得意なというか、やらなければいけないところですのでいいと思うのですが、問題は、最初の4つの重点領域というのは、例えば、大学関係者の意見を聞いても、あるいは私はJSTの方と話しても、これはやらなければいけないというのはわかるのですが、そろそろもう1つか2つ新しいものを提案していくというのが産総研の役割ではないかなと思います。これに全部入ってしまうのかもしれませんが、新しいキーワードでやるべきだというのを出していくときに来ているのではないかなと思っていまして、何かいいものがあって産総研がリードしていっていただきたいなと思っております。
吉川理事長:
実際、それは非常にやりたい話なのですが、潜在的には幾つもあると思います。例えば、1つはエネルギーです。産総研がエネルギー技術というものを提案していこうじゃないかということで、それは結局、大きな意味でいうと日本のエネルギー政策、さらには人類のエネルギー政策に関係してくるような問題として、人類のエネルギーの持ち方というものを変えるための要因としての研究結果を産総研が出せるのではないかという意味において、研究側として政策提案ができるということなんです。ですから、単にこういうことをやったらどうかという思いつきで言うのではなくて、我々のもっている研究ポテンシャルという中からみると、これは確かに産業に好影響を与えることができるだろうということです。これは先ほどの引っ張る方のインセンティブです。
それをみていくと、今のエネルギー政策と違う方向に行ってほしいのです。我々研究者からみたときに、こう政策変更してほしいというものが幾つかあるはずなのです。エネルギーの場合には、我が国はエネルギーの資源がありませんから、エネルギーセキュリティというのは、いかにして輸入するかとか、いかにしてそれを確保するかということになります。もちろんそういう意味では大成功してきて、定常供給という意味では優等生なのですが、しかし、これが本当に我々のやっているさまざまな、再生エネルギーを含めたエネルギー源の研究、あるいはエネルギーの利用の研究がフルに生かせるエネルギー産業構造を持っているかというと、どうも持っていないのではないかという気がするのです。
我々は、既に実績のある1つの知的なアセットとしてのエネルギー研究というものを使って、人類が抱えているエネルギー問題を解決するためには、国際的な政策、我が国の政策がどのように変わっていかなければならないか、そういう議論を今行っております。そうすると、ある意味では、再生エネルギーの変換装置に関する巨大な輸出国として日本が責務を果たしていくという構想も出てくるわけです。
それは現在の産業構造の中では非常に難しい面もあるのですが、そういったことを例えば経済産業省の政策として取り上げていただければ、私たちの技術がずっと新しい形で生きるのではないかというメカニズムです。産総研は、先生がご指摘のように、政策提言も1つの製品、アウトプットにしたいと考えているわけです。それはある意味では非常に実験的なものなのですが、しかし、産総研としてではなく、一歩離れてみて考えてみても、日本としては何かそういうものが必要なのではないか。そういう形での研究というものも非常に推奨したいと思っております。
ほかに、例えば、バイオ産業というのは非常に未成熟でありますが、未成熟ということは次々に新しい産業ができて、ある意味では産業化が容易なところなのです。それは逆にいえば、道がまだないわけですから、バイオ産業というのはどうやっていくのか、産総研のバイオテクノロジーというのは一体何なのかということがあります。これは先ほどお話がありましたように、バイオにおいて全面展開でアメリカと対抗しようというのはやめて、産総研においては非常に独特な新しい産業のためのバイオ知識を生み出す研究をしたいと思っています。それはある意味では、バイオに関する産業政策というものに対する1つの提言になるかもしれません。これはまた非常に未成熟なのですが、そのような議論を行っております。
高橋委員:
私は1つだけ注文がありまして、「男女共同参画」という言葉をどこかに入れてほしいということです。これはたとえお題目にすぎなくても、ないよりましというのが1つの理由です。
もう1つは、男女共同参画というのは、男性ももっと家庭責任を負えという、男性に変化を求めている概念でもありまして、産総研が社会のニーズにこたえるというところを実現するためには、社会のニーズを知るには、自分が家庭責任を果たすということが一番の早道であるということを私は自信をもって言えますので、産総研のミッションを果たすためにもこの言葉は不可欠ではないかと思います。よろしくお願いいたします。
倉田産総研室長:
今いただいたご意見の中で、例えば産総研らしさを出していくとか、より何か新しい分野をということは、中期目標をどう書くかというところでそのような視点を踏まえて検討し、また、中期目標を審議いただく場でぜひお諮りさせていただければと思います。
それから、男女共同参画という意味の言葉というのは、8ページの管理・運営に関するところで、例えば人事制度等の記述で、主旨に合った具体的な言葉を探して反映させたいと思います。
小林(直人)理事:
特に女性の研究者あるいは職員の採用、登用、あるいは環境整備については、昨年の12月だと思いますが、アクションプランをつくっておりまして、採用、登用、環境整備という努力をしております。ただ、採用についてもなかなか進んでいるところではないのですが、現状を申し上げますと、今、産総研は2,500人くらいの研究者のうちの4.8%が女性職員です。それから、行政職員の25%くらいが女性職員になっています。
ただ、世の中の大学院の工学系の博士課程の女性研究者の割合が8.9%くらい、理学系が15%くらいなものですから、我々ももちろん努力はいたしますが、社会全体でそういう方たちが増加していくという努力が必要なのだろうと思っております。
橋本委員:
2点だけ申し上げたいと思います。
これは表現の強弱ですけれど、「技術の果たす役割が従来以上になってきた」と書いてあります。これは当然なのですが、これからの国際的な経済競争に勝つためには、資本主義の社会では絶対差別化が必要だというのは当然です。その差別というのは何か。技術と労働力のコストだと思うのですが、この7月にいろいろ議論された以降でも、労働力については、中国には絶対勝てないと思います。そうすると、技術で勝たざるを得ないといわれておりますが、特に産総研の場合は、こういう点をもう少し強く強調すべきではないか。これが一般論的に国際的技術力というのではなくて、はっきりいうと、中国の労働力を抑え込むくらいの技術でなければこれからは勝てないのではないか。そういう点をもう少し強調すべきではないかというのが1点であります。
もう1点は、地域の問題であります。私は地方から来ているので、ここに書かれていることについては何ら異存はございません。ただ、現在、産総研に限らず、各企業でも、東京が中心になっておりますので、地域の方の顔がすべて東京に向いている。いい面もあります。分社化あるいは事業部制で、東京の方にすべて顔が向いて成功している例もありますが、先ほどの基本認識で、「国から地方へ」というのは、かなり忘れられている点もあるように思います。
産総研の場合は、関西でかなり活躍されておりますが、これについて私は将来を危惧しているのは、このままで行けば、本部の方の顔色をみる、というのは表現が悪いですが、これは各企業全部あります。少なくとも産総研の場合には、地域に根づいた研究を将来ともやっていただきたい。そして、絶えず本部の方がそれを意識して評価をしていただくということが大切ではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
倉田産総研室長:
橋本委員がおっしゃった、技術力なくしてもはや競争力は成り得ないのだということは、全く同様の認識ですので、特に現状認識のところでもっとそういう強いトーンが出るように、記述を工夫させていただきたいと思います。
木村部会長:
ありがとうございました。一通りご意見をいただきました。多少の修文が必要でございますので、その辺は事務局と私にお任せいただけますでしょうか。さほど難しくはないと考えておりますので、修文をするということでこの案を適当であるとお認めいただいてよろしゅうございますか。
(異議なし)
ありがとうございました。それでは、12月3日の経済産業省独立行政法人評価委員会で議論の内容をご報告申し上げ、当部会として適当であると認めた旨を報告させていただきます。
それから、先ほども倉田室長から説明がございましたが、まだ総務省から正式な書類としては勧告の方向性が来ておりません。総務省の事務局と何回にもわたって打ち合わせをしていただいてつくっていただいた資料でございますので、ほとんど変更はないと思いますが、万が一、何か修正の指摘がございました場合には、事務局として相談して修正をしたいと思いますので、私にご一任をいただけますでしょうか。
(異議なし)
それでは、その他として、最近の産総研の取り組み状況について、吉海理事からご説明をお願いいたします。
吉海理事:
参考資料2に基づき説明
木村部会長:
ありがとうございました。
ただいまのご説明について、ご質問等はございますでしょうか。
橋本委員:
3ページの研究戦略ですが、「有限の資源で最大の成果を上げるための重点化」とありますが、これはあえて「有限」と書かれたのは何か意味があるのでしょうか。資源という中には、ナチュラルリソースと人材も入っていると思うのですが、あえて「有限」と書かれたのは、どういう意味でございますか。
吉海理事:
とり方はいろいろあるかと思いますが、ここでの「有限」という意識は、独立行政法人の設計上から来る有限性というものでございます。例えば、現在、常勤職員が3,200人でございますが、これは初期値と終わりは一定でなければならないとか、あるいは人員増加については交付金ベースで大変厳しい制約が課されております。あるいは、交付金自体が、この財政事情の中で、総合科学技術会議のご検討はいろいろいただいておりますが、大変難しい制約の中で最大成果の工夫をやらなければいけないという趣旨でございます。
山野井委員:
7ページの地域センターのところでございますが、機能強化の最初の文面で、「地域における存在感をこれまで以上に増すため」というのは、センターの存在感をこれまで以上に増すと解釈してよろしいわけですね。そのセンターの存在感をこれまで以上に増すということは、そのエリアにおける産業の振興にどう役立つかということとリンクしないと、北海道とか幾つか書いてありますが、今、これが産業振興上キーポイントになるエリア別ということをあらわしているのでしょうか。リンクしておられるのかどうかという質問です。
吉海理事:
地域の産業との連動性というのは当然その前提に置いております。ただ、その場合に2つ趣旨がございまして、1つは、現在その地域に存在している、あるいは近未来的に大変期待されている産業構造との連動性という意味合いと、もう1つは、ある種先導的にその地域の新しいポテンシャルをつくって、そこから生まれてくるであろう地域産業構造をデザインしていきたいと、そういう2つのアプローチで今考えております。
どちらかというと、前者の方がマジョリティである現状にあるわけでございます。例えば、四国を例にとりますと、四国は産業立地がなかなか厳しい中で、全国でも大変な少子高齢化を迎えているわけでございます。そうしますと、四国の経済、あるいは四国の社会生活をどうやって維持していくかという中で、産業論として経済産業局と私どもの四国センターと、そして四国の産業界の皆さんと、いろいろなコミュニケーションの機会をもっております。そこから今生まれてきたのは、健康産業という概念の中で、四国に1つの産業立地というものをこれから生み出していこうということでございます。
山野井委員:
わかりました。その存在感を増すということと、地域の産業振興との関係が、これですとちょっとわかりにくいので、もしこれが外部に出たときに、「これはどういう意味ですか」、「センターの存在感だけ高めるためにやるんですか」と誤解されるとばかばかしいので、あくまでもそこは産総研ですから、そこはどこかの文章でつなげた方がよろしいと思います。表に出されるかどうか知りませんけれど。そういう意味でございます。当然、そういうことをやっておられるとは思いますが、これだけではわかりにくかったものですから。
岡田委員:
先ほど申し上げたことと重なってしまいますが、人事制度というと、すぐ非公務員型のメリットということになって、その中身はというと、いろいろな人事交流とか独自の制度ができるということになっていくのですが、研究員のモラルとか、社会に向けた意識とか、高橋委員ご指摘の男女共同参画に向けての姿勢とか、そういうところが産総研らしさとするならば、その向かっていく方向性は、表現は難しいと思いますが、何か入れていただくといいかなという気がいたします。
木村部会長:
ありがとうございました。その辺は事務局と相談して工夫をさせていただきます。
冒頭に申し上げましたように、産総研は実にきちんとやっておられるので、余りご意見が出ずに、親委員会で報告することがあるのかどうか心配しておりましたが、大変いろいろな角度からご意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
それでは、予定の議題は以上でございますが、事務局から何か連絡していただくことはございますでしょうか。
倉田産総研室長:
きょうの本議題の関係でありますが、これに関しては、本日いただいたご意見を部会長と相談させていただいて、文章を修正させていただきたいと思います。また、今後、年明けになりますが、第2期の中期目標及び中期計画の策定に関して、またこの場でお諮りをさせていただきたいと思いますので、大変お忙しいとは思いますが、よろしくお願い申し上げます。
それから、本日の議事要旨に関しましては、従来同様、部会長にご一任いただければと思います。また、議事録に関しましては、案をとりまとめ次第、各委員に送付をさせていただきますので、それをご確認いただければと思います。
最後に1つだけ申し上げさせていただきますと、私も時々産総研の公式ホームページを見るのですが、そこで採用情報というところがありまして、その採用情報を見ますと、特に「女性の応募者に向けて」という項目がありまして、「これこれこういう配慮をしています」ということが書いてあります。ぜひご覧いただけるとありがたいなと思います。こういうカテゴリーで何人女性が入っているとか、女性が働きやすいようにこういうこともしています、といったことまで書いてございます。相応に頑張っていますというところでありまして、その点よろしくお願いいたします。
以上です。
木村部会長:
ありがとうございました。
それでは、本日準備いたしました議題は以上でございます。本日はどうもありがとうございました。またよろしくお願いいたします。

以上

 
 

最終更新日:2008年2月29日
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