経済産業省
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独立行政法人評価委員会産業技術総合研究所部会(第10回) 議事録

開会

木村部会長:
時間になりましたので、ただいまから独立行政法人評価委員会第10回産業技術総合研究所部会を開催させていただきます。

配付資料確認

木村部会長:
初めに、配付資料の確認を事務局からお願いいたします。
長野産総研室長:
お手元の資料を確認させていただきます。
まず議事次第がございます。これに議題と配付資料ということで、資料1シリーズ、資料2シリーズ、資料3シリーズ、それから、参考資料ということで概観していただけると思います。
資料1シリーズが事務局側で準備させていただいた委員会サイドの資料でございます。資料1-1、産総研部会評価のスケジュール、1枚紙。以下、1-2、1-3、1-4から1-8まで、それぞれごらんいただけると思います。1-8は予備的中期目標期間評価と、御確認いただけましたでしょうか。
資料2シリーズが産総研側で準備いただいた資料でございまして、資料2-1から2-11までございます。かなり大部な資料がありまして、これだけの資料になります。一番上に資料2シリーズの配付資料一覧ということで1枚紙がございます。一覧の下に研究ユニット視察ということで、こういった1枚紙の資料もございます。資料2-1から2-11まで御確認いただけましたでしょうか。
それから、資料3ということで、資料3シリーズが資料1シリーズの後にございます。A4のこのようなシリーズでございまして、資料3という1枚紙の下に別添で1から4まで、独立行政法人産総研給与規程及び役職退職手当規程改正のポイント以下、四つの別添資料ということでございます。
それから、参考資料でございます。これが1シリーズに準ずる参考資料1-1から1-4まで、事務局側、委員会側で用意させていただいた資料。参考資料2-1から2-4は、先ほどの大部な資料を用意させていただいた産総研側の参考資料ということでございます。参考資料2-1から参考資料2-4までございます。ちなみに、参考資料2-3、2-4が青い第2期研究戦略の概要版と詳細版となってございます。
非常に大部な資料でございますが、御確認いただけましたでしょうか。よろしゅうございますか。
どうもありがとうございました。
木村部会長:
ありがとうございました。
資料が大変大部になっておりますので、御確認はなかなか難しいかと思いますが、その都度、資料の番号を指定して御説明いただきますので、足りない向きには、そのときにもお申し出をいただければと思います。

前回議事について

木村部会長:
議事に入ります前に、2月25日に開催いたしました第9回部会の件について御報告申し上げます。前回の部会では第1期中期計画の変更、第2期中期目標及び中期計画についての議決、並びに平成16年度評価及び中期目標期間評価の進め方について御議論いただきましたが、残念ながら、定足数に1名足りないという状態でございました。
運営規程第2条第2項に基づきますと、きょう、そのことを皆様方に御報告させていただきまして、御了解をいただくということになっております。前回の議事録については事務局からお送りいたしていると思いますし、また本日の参考資料1-1としても配付させていただいております。そういう取り扱いでよろしゅうございましょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
木村部会長:
ありがとうございました。
それでは、そういうふうに取り扱いをさせていただきます。

平成16年度評価と中期目標期間評価の進め方について

木村部会長:
続きまして、早速でございますが、議事次第に従いまして議事に入らせていただきます。
本日は産総研の平成16年度評価及び中期目標期間評価にかかわる実績報告ということになっております。
事務局から評価の進め方及び留意事項について御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
長野産総研室長:
ありがとうございました。事務局の長野でございます。
先ほど御確認いただきました資料1シリーズ、それから、参考資料の1シリーズ、参考資料1-1から1-4に基づき説明申し上げます。
今回は産総研の業務実績の報告を行うということでございます。次回は1カ月後の7月8日の第11回評価部会ということになりますが、そちらの方で最終評価を行っていただく予定になっております。本日の評価については、産総研の平成16年度の評価、それに加えて中期目標期間、過去4年間の評価も行っていただきます。
その基本的な進め方、考え方については、前回の第9回産総研部会で御議論いただいた内容のとおりでございます。これは参考資料につけてございます。参考資料1-2、「平成16年度評価及び中期目標期間評価の進め方について」にございますとおりです。これは前回の本委員会において決議いたしました。
評価表については、来週13日の月曜日中に、お好みのアプリケーションのフォーマットで、エクセル、一太郎、ワード等の電子媒体を事務局から委員様あてに御送付させていただきます。もちろんペーパーでも可能でございます。資料1-3でございますけれども、これでございます。A3の横長の資料でございます。これに直接お書きいただくか、あるいは電子フォーマットを配付いたしますので、それで事務局にお願いしたいと思います。
この評価につきましては、この資料でいうと、右の方に中期目標期間の評価と、それから、これでいうと真ん中あたりでございますけれども、平成16年度の評価でございますので、13、14、15の評価は既に済みのもので、AとかBとかいうものが記入されております。それで、産総研の評価基準については、参考資料1-3でございますけれども、これに基づき各項目ごとにAAあるいはA、B、C、Dという5段階の評価をしていただくということになります。
別表1、別表2というところがございます。委員の皆様は既に十分御存じかと思いますけれども、中期目標期間に係る業務の実績に関する評価の指標というもの、AAは「優れて達成」、Aが「十分達成」、Bが「達成」、Cが「一部達成」、Dが「達成不十分」。別表2に関しまして、各事業年度に係る業務の実績に関する評価のための指標ということでございまして、AAが「中期目標の達成に向け特筆すべき業務の進捗状況にある」、Aが「適切かつ着実に業務が進められている」、Bは「概ね適切に業務が進められている」、Cは「行うべきかなりの業務改善事項がある」、Dは「重大な業務改善事項がある」等の評価をしていただくことに相成ります。
中期目標期間評価に当たりましては、平成13年度から今回の平成16年度までと、この4年間の年度評価と、昨年行った予備的中期目標期間の評価を踏まえて、アウトプット的指標による効率性の観点から総合評価をいただきまして、それに加えてアウトカム的な指標としての有効性の観点も評価対象として総合的な評価をしていただきたいと思います。先ほどのこの資料でございますけれども、コメント欄が不足するという場合は、適宜別紙に記入していただくなり、あるいは電子媒体の場合は適宜欄を増減していただければと思います。
本日、いろいろ議論をいただきまして、宿題をいただくことになった部分につきましては、そういったところがあれば後日、先生方のもとに御説明に伺うか、または資料を送付させていただくということで対応させていただきたいと思います。さらに追加質問があれば、事務局まで御連絡いただければと思います。その場合は、様式は自由で、事務局の方で対応させていただきます。
評価でございますけれども、原則として、ここにございますすべての項目について評価していただくということに相成っております。最終的には6月24日金曜日をとりあえずの締切日ということにしたいと思いますので、事務局・屋代あてに送付いただきたいと思います。送付先電子メール等は資料の中にございます。電子媒体の場合はメールでいただいても結構でございます。送付いただいた評価書は事務局で集計いたしまして、取りまとめをさせていただきたいと思います。
部会としての評価結果は、コメントを含めて、これを公表させていただきたいと思います。各委員の評価結果の内容については、情報公開法に基づく開示請求が仮になされた場合は原則として開示いたします。集計して取りまとめた評価書については、各委員の事実誤認のチェックの意味合いからも産総研に送付します。その場合は当然、委員の個人名は伏せてお送りさせていただきたいと思います。
昨年度の評価と同様でございますけれども、平成16年度の評価と中期目標期間の評価ともども、7月8日の第11回部会での評価の審議を行うための資料として、各委員のコメント部分に関しての総意を踏まえた原案を部会長とこちらの方で御相談いたしまして作成して、事前に送付させていただきたいと思います。
そのようなプロセスでようございましょうか。そのようなプロセスで評価を次回までに完成して、第11回部会での審議で評価書を再度御審議いただきまして、評価書の確定をしたいと思います。
ついでながら、今年度から中期目標期間における業績の評価は、上の会議じゃなくて、それぞれ独法の業務運営の状況を詳細に把握している部会において決議することが妥当であるということで制度が変わっておりますので、評価といったものは部会の議決事項となるということを御連絡申し上げたいと思います。
ちょっと長くなりましたけれども、プロセスについては以上でございます。
木村部会長:
ありがとうございました。
委員の先生は、ことしで4年目でございますので、十分御承知かと思います。ただいまの説明に対して何か質問ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
それから、私個人的に注文を出しておいたんですが、過去の自分のした評価にこだわることはないかもしれませんけれども、それぞれの先生方は過去、どういう評価をしたかデータがあった方がいいと思いましたので、それぞれの先生方に送ってくれということを依頼しておきましたので、多分。
これはどうしますか。一緒にメールで送っていただけますか。
長野産総研室長:
きょう準備してきておりますので、後で休息時間にでも各委員に手渡ししたいと思います。
木村部会長:
よろしゅうございますね。私個人はそういうこともあった方が安心できますので、そういうことにさせていただきます。
何か御質問ございますか。よろしゅうございますか。それでは、先へ進ませていただきます。

平成16年度評価及び中期目標期間評価について

木村部会長:
次は産総研から平成16年度実績を含めたこれまでの第1期中期目標期間における取り組み等について御報告をお願いいたしたいと存じます。
進め方といたしましては、まず吉川理事長、小玉副理事長から御報告をいただきます。この報告は16年度実績に対する年度評価を行うためのものでありますと同時に、先ほど事務局から説明がございましたとおり、中期目標期間全体に対する評価のうち、Cのアウトカム実現への寄与が想定されるアウトプット指標の評価と、Dのアウトカム実現に向けてのマネジメントの評価を行うためのものでもございます。
まず吉川先生からお願いいたします。よろしくお願いいたします。
吉川理事長:
私の方から、資料2-1に従いまして、後ほど詳しい話がありますので、概括的なお話をしようかと思います。資料2-1の目次をごらんいただきますと、3、4、5、6と目次になっておりますが、これが1枚ずつの紙になっておりますので、それに従ってやります。
まず3ページです。これはたびたびここで申し上げたんですが、産業技術総合研究所では研究のやり方を本格研究という言葉で表現できるやり方を取ったということです。これはいろんな側面があるんですが、組織論的にいうと、研究ユニットというものを伝統的な学問分野とは関係なく、研究ユニットというものに分割し、それをフラットな構造で各研究ユニットにオートノマスな一つの運営権限を与えて、そごでオートノマスな研究を行うと、こういう考え方です。
研究の内容という点から言いますと、本格研究というのは各ユニットが持たなければならない研究の内容。これは非常に基礎的で新しい開拓的な、新しい知見を生むための第1種基礎研究。それから、具体的に産業にそれを流し込んでいく製品化研究。そういうものを今度は第1種基礎研究と製品化研究を結びつける第2種基礎研究。これが大変難しいという話をたびたび申し上げたわけですが、それを全体としてまとめて各ユニットが連続的に、かつ同時的に研究を行うという定義だったんですが、結果的に言いまして、私は、こういう研究のやり方をした結果、研究者一人一人の意識が非常に変わったというふうに感じております。
本格研究って一体何なのか、あるいは研究とは一体何なのか、社会に対して何をつなげるべきなのか、行うべきなのかということについて大変共通の意識を持ったということがあり、それは公的な資金で研究を行うものの使命感というものが本格研究を通じて科学研究コミュニティと社会とを関係づけるという形の意識が非常に出てきたと思います。
それと同時に、一人一人の研究者の意識だけではなくて、研究マネジメントというものが各研究ユニットの中で非常に強く行われたわけでありますが、こういったマネジメントに関する目標観、マネジメントを何のためにやるのか、マネジメントのためのマネジメントではなくて、産総研が社会に貢献すると、産業界に貢献するという一つの目標観を非常に明快にするためのマネージということでも、ある意味では大変明快、はっきり意識ができてきたのではなかろうかと思います。
そういうことで、この本格研究というものが当初考えていたように、一方で大学と、一方で産業と、そういう協力ができるような形で、しかも伝統的には我が国の中で非常に欠けていたと言われる中間的な研究、すなわち第2種基礎研究というものを行うということで、かなりの程度、最初に立てた目標が実現されたのではなかろうと思います。
同時に、研究分野的に言うと、これは後ほど説明しますけれども、最初に六十二、三ありました研究ユニットが現在52になっておりますが、その間の関係、いろいろなユニットの改編等を通じてというか、改編のために議論した研究分野がどうあるべきかということが非常にシャープに議論されてきたわけですが、それを第1期の終わりに研究戦略という形で結実いたしました。
そういう形で産業技術総合研究所が研究戦略というものを持ちながら、先ほど申し上げた本格研究という一つのマネジメント原理による意識の高い研究所として展開していくということに、かなりの程度、実現したのではなかろうか。そういうふうに研究者たちは非常に柔軟にこの考え方に対応してきたのではなかろうかと思います。
次に4ページにまいります。これは研究ユニット、研究マネジメントと書いてありますけれども、機動的で総合力のある研究マネジメント。これは先ほど申し上げたように、研究ユニット制を取ったわけですが、52の研究ユニットがあると申し上げましたが、ここに3種類の研究ユニットがあるということ。これはたびたび申し上げたわけですが、すなわち、一番小さいのがラボで、その次が研究センター、それから研究部門。それぞれ異なる目標を持っているんですけれども、この三つは相互に関係しているということなんですね。
すなわち、研究の芽というものはラボという形でスタートする。これは非常に小規模であります。そして、それが学問的な独自性あるいは新しい分野を開拓するということ、あるいは社会への貢献というものが産総研の目標にとって非常に有用であるということがわかってきたときに、ラボというのは一人前の研究センターとして認知されまして、数年間の時限で研究を行う研究センターというものになります。
そして、研究センターは、これは今後の問題でありますが、現在、研究センターが走っているわけですが、今後の問題ですけれども、もしそこで新しい産業技術としての学問領域と言いましょうか、研究領域というものが定着したと考えられる場合には、研究部門として、やや永続的にそれを残していくという作業になっているわけです。
言いかえれば、今申し上げたようなことは、ラボからセンターへ、センターから部門へと。さらに部門は新しいラボを生み出し、またセンターを生み出す一つの母体になるということで、これはいわば一つのサイクルをつくっているわけですが、こういう動的な組織論というものを産総研は導入した。
御存じのように、これは伝統的な研究所ではなかなか難しかったこと、特に大学等では難しかったんですけれども、それを現実的に行ってみたということで、4ページの真ん中にありますように、研究ユニットの改廃をたくさんやりまして、ここに例が一つ出ておりますが、こういったように、現在の学問がどういうふうに発展しているのか、産業技術関連の学問がどのように発展しているのかということと、社会的な期待も変化する。この変動を両者統合したような形で常時新しいユニットをつくっていくと、こういう動的な組織論をやったわけですけれども、結果的には、この4年間で非常に大幅な改編を行いまして、その経験を積みながら、いわばこういった動的な組織論あるいは進化型の組織論とでも言っていいでしょうか、そういったことも大変うまくできるものだということがわかります。
そして、産総研の研究目的が動的に変化するだけではなくて、その中にいる研究者たちが、こういったユニットの再編あるいはユニット間を移動するということを通じて、狭い研究領域の周辺に、一人一人の研究者の周辺にたくさんの研究領域があるんだということを認識することで、統合的な研究を行うための人材育成というか、人の成長ということにも寄与したというのが私たちの実際の体験であります。
この研究ユニットというものは、フラットに52が横に並んでいるわけで、別の見方をすると、縦割が52できたんじゃないかということがあるんですが、今言いましたように、組織そのものがダイナミックであるということと、そういったことを見ている人たち、すなわち、それが研究コーディネーターという人たちで、これは分野ごとに置かれていますけれども、基本的には産総研全体の研究分野を俯瞰するという立場で、研究ユニットの改廃に対する情報、あるいは研究ユニット間の研究の協力に関する支援といったようなことを、研究コーディネーターたちが日常的に研究ユニットとコンタクトしながら、そういう議論をしている。あるいは人事についても相談に乗りますし、所全体の立場でユニットを見るということで、52というフラットな構造が有機的に研究コーディネーターによって統合されているという構造であります。
それから、5ページであります。これは産学官連携におけるイノベーション・ハブ機能の発揮ということが書いてあります。最近、私たちはこういうハブ機能ということを言っているんですけれども、これはネットワーク・オブ・エクセレンスと言っても同じことなのかもしれません。すなわち、今後は、研究というのはどこかにセンター・オブ・エクセレンスとして一つの山をつくれば、そこにたくさんいい研究ができるという時代は終わり、そうではなくて、さまざまな研究分野がそれぞれ個性をもって、それぞれセンター・オブ・エクセレンスをつくるんですが、それがネットワークを組むことによって、より大きな研究目的というものを達成できるという構造が必要だろうと考えるわけです。
したがって、私たちは二つのネットワークを持っていると言っていいと思うんです。一つは内部的なネットワーク・オブ・エクセレンスで、数千人を擁する研究者ですから、さまざまな研究分野もあるので、その研究分野がユニットを単位にして一つのネットワークをつくる。そういう内部的なネットワークもあります。
しかし、それよりもより大きなものとしては、最初に申し上げた本格研究をやっている研究ユニットというのは、非常に基礎的な研究をしている人と、産業向きの研究をしている人が内在しているわけですので、基礎的な研究をしている人たちは大学と研究協力を行い、産業の側にいる人は産業と協力を行う。
こういう形で、その協力の形態はさまざまありますけれども、いわば大学と産業というものが産業技術総合研究所を媒体にして一つの流れをつくっていく、研究が連続的に行われていくということで、我が国にこういうネットワーク・オブ・エクセレンスというものをつくる、そのときの一つの核、これをハブと呼んでいるわけです。そういったハブに自分たちがなろうではないかということで、我が国の中での産業技術というものの基礎研究についての一つのネットワークの拠点になろうということであります。
考えてみると、これは大学にも影響を与えたいという希望もあるわけで、大学が盛んに法人化することによってさまざまな社会への貢献というのを考えているんですけれども、単独の大学でやるというよりは、こういうネットワークの中にそれぞれが位置づけられることによって、大学の社会的貢献というものも可能になるのではないかということで、こういう一つの政策論的なものも内在したものなのかなと考えております。
それから、地域センターというのは、発足当時からあるわけですけれども、発足当時よりナショナルセンターといって、単なる地域サービスだけではなく、世界的な意味での研究拠点になろうということも考えてきたわけです。それがようやく最近、今申し上げたネットワーク・オブ・エクセレンスという考え方で、当初立てた計画がようやく実現しつつあると私は考えております。
すなわち、各研究センターはそれぞれ独特の研究分野、化学でいえばコンパクト化学とか、健康工学とか、そういう新しい一つの学問領域を掲げながら、ほかと違う研究を行うと同時に、非常に高度な研究というもので、その研究は先ほど申し上げた内部のネットワーク・オブ・エクセレンスの一つの拠点になりますので、比較的小さい地域センターの背後に全産総研を持っているということで、そういう形での地域貢献の一つの窓口になるという。
こういう二つのことが、先ほど申し上げたような管理構造の中からようやく可能になってきたということで、地域センターは大変難しかったんですけれども、ようやくその力の発揮の仕方が第2期に向けて可能になったと考えています。
そして、最後のページであります。これは五つの項目が書かれておりますので、簡単に申し上げます。第2期の課題というのは当然、第1期で実感的に経験したことを根拠として、借り物でない自分たちの新しい歩みを歩んでいこうという。定性的に言えば、そういうことであります。
4年間の反省に基づいてつくり出したのが、一つは経営戦略の確立。これはPlan、Do、Checkという非常に古い表現で書かれていますけれども、私は最近、これをある意味で三権分立と言っているわけです。我が国の経営体の一つの欠点は、伝統的に言われる三権分立というものができていないんだと、これは私個人的にも長らく考えていたんですが。
三権分立というのは立法と行政と司法ということですけれども、我々で言えば、それは企画と執行と監査ということに対応するんですが、だれが企画し、だれが執行しているのか、どうしてもあいまいになる。そういったことが経営効率も悪くいたしますし、経営の目的というものもぼかしてしまう。
そういったことで、企画と執行と監査というものを明解に分けて、その役割を明解にして、そういった構造で今度、スタートしようということで、既に第1期の終わりからこういうことを始めているわけですので、第2期というのは、そういう形での一つの経営ができるかと思います。
2番目ですけれども、先ほど申し上げました研究戦略というもの。これは大変な苦労で、全研究者の参加でできたと私はあえて申し上げたいんですけれども、これは中期計画の一つの目標になっていますが、中期計画に書かれていない、いわば戦略性、すなわち社会的な意義であるとか、研究者のポテンシャルであるとか、組織論といったようなものまで含めた研究戦略というのを私たち持っているものですから、中期計画実現ということを研究戦略の実践ということで実現していくという体制が整ったのかと思います。
それから、3番目の人材育成という問題あるいは人事交流という問題です。これは包括的な協力で、例えば大学では東京大学、北海道大学、農工大、早稲田といったような大学と協力する。あるいは、最近、企業では住友電工と協力をするというようなことで、こういうことは単に研究協力だけではなくて、その間に人事交流をすることによって研究者がいろんな体験ができるようにする。あるいは、企業からは産総研の研究経験をすることによって、企業では身につかない能力を身につけてもらう。いわば、ドクター以後の教育機関という側面をこれから我々独法研究所というか、産総研は持つべきだということで、そういう教育システムというものも、これから実施いたします。
それから、後ほど詳しく御説明するはずの評価でございます。これは私も非常に苦労が多かったんだけれども、我が国で余り先例がないことだったんですが、関係者たち、あるいは研究者全員の協力によりまして、この評価というのは、産総研型の評価というものをつくりつつあるのかなというふうに考えているわけであります。これは経営にとっても大変大きなプラスのものであります。
最後になりますけれども、諸課題についての先導的な政策提言というのがあります。私たちのアウトプットというか、アウトカムというのは、ただ単に研究成果を世の中に提供するだけではなくて、その研究を通じて一体何が我が国産業の問題なのかということがわかってまいります。そういうことで、日本としての政策というものをこれからつくっていく上で、研究者の側からの助言というか、提言というのが可能であるということ、これも実感的に明らかになってまいりましたので、第2期においては、その努力も続けていこうということでございます。
以上、簡単でございます。
小玉副理事長:
続きまして、私からは第1期中期計画における数値目標の達成状況について御紹介いたします。資料2-2をお開きいただきたいと思います。
先ほど部会長から紹介ありましたように、これはアウトカムCということで、将来実現するべきアウトカムの寄与という一つの道程としてのベンチマークという観点でごらんいただきたいと思います。その数値の変化ということを見ていただきたい、御評価いただければと思います。なお、資料2-3には、さらに詳しいデータがついておるんですが、きょうはお開きいただく時間がございませんので、ところどころでそれのページ数をお示ししながら御紹介したいと思います。
目次に従いまして、最初に第1期中期計画において数値目標として掲げました指標が、ここに書いてありますように、1番から7番までございます。2番目には、計画には目標として数値を明示しませんでしたが、先ほどのような趣旨で、ベンチマークとして評価をするのに有効と思われる指標として、ここでは1番目から4番目まで指標をお示しいたします。3番目には、平成16年度の収入概要あるいは平成13年度から4年間の収入概要の変化という点についても御紹介いたします。
ページを開いていただきまして、第1番目の数値目標として掲げた指標でございます。ここについては7項目であります。
第1番目に特許に係る指標でございます。数値目標としては、平成16年度において実施契約数350件を目標として掲げました。これは途中で上方修正いたしまして、右のところに※印で書いてございますが、当初は、16年度の特許出願件数は出願で1000件以上としたものですが、実施ということでもっとクォリティを上げるという意味で、350件という内容の目標を設定いたしました。これにつきましては、上の表にございますように、平成16年度では433件ということでございますので、数値目標は達成しているということでございます。
むしろ、その変化を見ていただきますと、平成13年度当初と比較しますと、平成16年度433件というのは、件数で2.3倍、収入額で3.2倍となっております。独法化以前は、ここには平成12年度の数字が149件と書いてございますが、それ以前の5年間でもおおよそ160件レベルで横ばいでしたことと比較しましても、最終的な16年度の実績が2.7倍に達しているということでございます。右下には、棒グラフでそれが示してあります。
このようなパフォーマンスがどのようなことで取り組まれたかということが下に書いてございます。知的財産体制等の整備であるとか、この中には、むしろ研究論文の公表よりも同等あるいはそれよりも高く、あるいは論文を書く前に特許を出願するという方針を取ってございます。技術移転促進のための方針で、そういう対策を規定し、さまざまなポリシーを規定しております。
また、その成果に対しまして、個人の評価あるいは発明者に対してはインセンティブ25%が還元されますが、それに対しても上限を撤廃している。あるいは、発明者の所属する研究ユニットに対しましても、ユニットにインセンティブを与える等の方策を取ってきた結果というふうに理解しております。別添2-3の資料では、この辺のことにつきましては126ページ以降に書いてございますが、後ほどごらんいただきたいと思います。
次に、2番目の論文の量あるいは論文の質の指標でございます。数値目標としましては、終了年における数値目標で5000件以上、あるいはインパクトファクター上位2000報に対して、終了年度において5000点以上というふうに掲げました。下の方に※印で書いてございますが、16年度の上位。これも目標を上方修正しておりまして、当初は上位1000報についてインパクトファクター合計値2500点としましたが、さらに、その以下に1000点、合計2000点を含めまして、合計値5000点以上というふうに上方修正したものでございます。
枠内の表を見ていただきますと、平成16年度では、論文の発表件数は5000件には達しておりません。4773件でございますが、インパクトファクターの数値目標の方では5539件ということになってございます。これは、先ほど申しましたように、論文の数というよりは論文のクォリティを評価しているという点では目標を達成していると御理解いただければありがたいと思います。
次の3番目です。数値目標等を掲げました地質調査に係る指標というのがございました。平成16年度末までに38図幅、内容的には5万分の1のスケールで30図幅、20万分の1のスケールで8図幅ということになっておりましたが、表の中にありますように、これは当初の計画どおり達成することができたということでございます。
具体的には、内容としては、むしろ社会的なニーズが高い地域を優先した、あるいは、それプラス2地域を改訂していると書いてございますが、具体的には東海地域の来る地震が想定されますような地域を緊急性が高いとみなしまして、豊橋地域あるいは伊良湖岬地域について改訂いたしております。また、その利用に対しても、利便性を高めるために電子媒体等で提供できるように改善されております。これにつきまして、具体的には2-3の方では146ページに書いてございます。
次に、計量標準の供給に関しましても、16年末までに、期間で、累計で200種類。これも当初158としておりましたが、200種類に上方修正しております。表にございますように、平成16年度末で新規に220点、内訳的には物理標準で111点、標準物質で109点という形で達成してございます。これにつきましても、計量標準の整備を加速するということ、あるいは戦略的な標準開発を取る、あるいは計量標準関連の人材を重点的に投入したということで達成してございます。
5番目に産学官連携による指標でございます。先ほども出てまいりましたが、目標としては、16年度において年間1400件以上という目標を達成しておりました。これも右に※印で書いてありますように、当初は1000件としていましたが、1400件以上に上方修正した目標でございます。表の中に書いてありますように、平成16年で1756件となっております。当初の平成13年度と比較しまして、伸び率で55%。
この内訳を見ますと、その内訳で企業との共同研究等がふえておりまして、そちらの方の伸び率はむしろ70%になっております。右下のグラフがそれを示しております。これらについても産学官連携体制の強化等あるいは包括的研究協力を締結する、あるいはマッチングファンドという新しい制度を導入したということがございます。これも別添の資料では107ページから詳しくデータが掲示されてございます。
6番目では、環境影響への配慮を示す指標といたしまして、期間最終年度におきましては産総研全体で3事業所において国際環境規格に対応できるようにするということでございます。最終的には、つくば東事業所と名古屋、四国におけるISO14001に対応してございます。また、平成16年度からは環境・安全マネジメントシステム、OHSAS18001、リスクアセスメントを加えましたトータルの環境安全マネジメントシステムを導入してございます。これらにつきましては、別添の資料で82ページ以降に詳しく書いてございます。
7番目が産総研事業運営全体の効率化を示す指標でございます。数値目標としては、平均前年比で1%の業務経費の効率化としておりましたが、この表にございますように、4年間で合計28.7億円。年度に直すと、平均で7.2億円にございますが、運営費交付金との割合でいきますと、約1.05%に相当するもので、目標を達成しているということになりました。それらの具体的な中身は下に書いてありますようなスパコン等の経費の削減等々、ここに書いてあるような内容になっております。
次に、中期目標には数値としては掲げませんでしたが、ベンチマークとして御判断いただくために有効な指標として、多少ダブリますが、4項目について御紹介いたします。
まず1項目は民間企業との共同研究、受託研究の指標でございます。先ほどもございましたが、民間企業から資金提供を受ける研究件数は平成16年度で412件、平成13年度の78件に比べますと5.3倍、金額にいたしますと8倍になってございます。先ほど申しましたように、いろいろな制度を導入したマッチングファンドと、共同研究へのインセンティブを上げたということでございます。もう一つの資料では、107ページ以降に詳しく掲げてございます。
2番目にベンチャーの新規創出を示す指標といたしまして、平成16年度では、単年度ですが、16社、合計で13年度から累計いたしますと51社になります。右下に小さく、ほかの大学等での単年度、あるいはほかの大学等で法人になる以前からも含まれますが、累計の数等が書いてございますので、これと比較いただければ、どのくらいの規模であるかということがわかると思います。
これもさまざまな取り組みをいたしまして、ベンチャー開発戦略研究センターを設置する等、あるいは意識の改革、あるいはさまざまな支援体制の構築、あるいは広報・成果普及というふうに書いてございます。これについては、別の資料では134ページから140ページに詳しくベンチャー企業の内訳も書いてございます。
3番目には外部人材育成の指標で、第1期においては、さまざまな仕組みで合計1万人に達する規模での外部人材を育成したということでございます。内容的にはナノテク関連人材育成、ナノプロセシング・パートナーシップ・プログラムというのがございます。別添の資料では124ページに詳しく内容が書いてございますが、そこで287名とか、あるいはバイオインフォマティクス人材育成プログラム、これはここのお台場でやっているわけですが、それについても、別添では125ページに書いてございます。そのほか企業の技術研修あるいは連携大学院等で合計9000人に及ぶ人材育成を行ったということでございます。
4番目の指標としては、国際連携への貢献に関する指標でございます。平成16年度までに合計で、独法化期間中に733件、さまざまな国際機関への委員等の派遣でございます。主に標準関係が多いのですが、国際度量衡委員会あるいは国際法定計量委員会等々ございます。
また、国際研究協力協定というのがございます。個別には、ここに書いてありますように、アジア地域で33件とか、ヨーロッパ地域で24件というのがございます。一方では、機関との包括的な協力協定を結びました。15年度、16年度にはフランスのCNRSとか、中国、タイ、ベトナムと包括協力協定を結んでおります。それらが82件に達しております。これらにつきましても、別添の資料では154ページに詳しく書いてございます。
最後に、平成16年度の収入概要について御紹介いたします。15ページです。平成16年度の収入は総額で1000億円ちょっとということになりました。この収入は、円グラフの下の方に「平成13年度(892.9億円)」からと書いてございますが、それに比べますと、107億円の増加になっております。おかげさまで、全体としての収入はそういうふうに増加しております。
内訳は運営費交付金が682億円となっております。運営費交付金は、全体としては政策的に減る傾向にありますが、おかげさまで経済産業省の御支援をいただきまして、わずかですが、トータルとしては微増する形になっております。主に自己収入284億円がここでかなりふえているということでございます。
下の図が、その自己収入。平成16年度では284.7億円となっております。下に数字が書いておりますように、平成13年度では194億円でしたが、平成16年度は284億円、約90億円が自己収入。この内訳は経産省からの受託あるいは民間からの共同協力、あるいは特殊法人等からの受託等でふえているということでございます。
以上、データについて御紹介いたしました。
木村部会長:
ありがとうございました。
以上、資料2-1と資料2-2を使って御説明いただきました。このことにつきまして御質問、御意見等ございますでしょうか。
橋本さん。
橋本委員:
ベンチャーの新規創出、12ページですか。これはよくわかったんですけれども、ベンチャー企業というのは当然、廃止というか、成功、不成功があって廃止されたのもあると思うんです。それはどこを見たらわかるんですか。
吉海理事:
ここに挙げてあります産総研発のベンチャーに関しては、まだ廃止はありません。
橋本委員:
廃止はないんですか。
吉海理事:
廃止はありません。むしろ、これから成長を大いに加速しなければいかんという状況です。
橋本委員:
それはちょっと認識不足でした。どうも済みません。
小玉副理事長:
ベンチャーにつきましては、資料2-3の139ページと140ページに具体的なデータが出てございます。
橋本委員:
2-3ですね。
小玉副理事長:
資料2-3の139ページと140ページに51社の内訳が出てございます。
橋本委員:
わかりました。どうも済みません。
木村部会長:
ほかにございますか。
山野井さん。
山野井委員:
人材の流動性について教えていただきたいんですが、産総研内部の問題と外部との交流なんですけれども、内部については第1種基礎研究から第2種、本格研究、最終的に産業化、ベンチャーという形でステップアップするわけですが、研究した方は、ステップアップに通じてずうっといろんなステージを経験するような形で進んでいくのか、第1種は第1種だと、第2種は第2種だというプロフェッショナル的な発想でやられているのかというのが1点です。これは産総研内部の流動性の問題です。
もう一点は外部との。先ほど理事長先生から言われた6ページ目、「優れた人材の供給・受け入れ」。これは、非公務員型になることの大きなメリットとして、確かにやりやすくなることは間違いないんですが、この場合は、例えば企業との間、大学との間、あるいはほかの独法があると思いますが、行きっ放しという発想なのか、行ったり帰ったりというんですか、出て、また帰ってくるかという。どういうイメージでこれをお考えになっているんですか。
この2点です。
吉川理事長:
最初の内部流動ですけど、これは完全に私の認識では2種類あります。どっちでなければいけないということは言ってないんですね。一人の人がずうっと。この4年間で過去から見てみますと、非常に基礎的なところをやって、今は応用的なことをやっているという人もいますし、現実に一つのユニットの中で別の研究者にそれを受け渡したというケースもあります。ですから、両方あり得るんですね。私は両方ともいいんじゃないかと申し上げております。
それで、外部との流動についてはデータも含めて。
小玉副理事長:
詳しくは、また紹介いたしますが、先ほどの資料2-3の59ページから61ページあたりに、数字的にはどのくらいの規模で人が異動しているかというデータございますので、後ほど見ていただきたいと思います。
現在、外部との異動で、本当は行ったり来たり帰ったりする制度が必要だと思いますが、これまでは、なかなかそれが困難だったんです。第2期は、それが非公務員化も含めて可能にするような制度をつくっているところでございます。今までは、ここに書いてありますように、転入転出という形では、このように来る方はずうっとおられ、出ていかれる方はずうっと出ていくという形になっています。
山野井委員:
一方方向だと。
小玉副理事長:
そうですね。
ちょっと補足することがありましたら。
小林(憲)理事:
非公務員型になりまして、民間企業ですね、これも双方型で考えておりまして、現に具体的な案件が、第1号ですけれども、進めつつございまして、ぜひ双方向でやってまいりたいと思っております。
小林(直)理事:
研究者の育成というところで、採用からキャリア育成、さらに送り出しということを第2期は考えております。例えばポスドクを採用するときに、ある企業と共同研究をしたテーマでポスドクを採用して、産総研で仕事をしていただいて、そのポスドクの期間が終わったら、共同研究相手先の企業に就職をすると。そういうようなスキームで、ポスドクの人も安心して研究をすると。そういう形で流動化といいますか、育成をすることがてきるようになっております。
今、小林理事が申し上げました民間企業との人事交流で、実際に企業の方が1年間なり2年間来ていただいて仕事をしていただいて、またその企業に帰っていただくというのは、もう既に始めておりますので、第2期は大分流動化を進めるスキームができるようになりました。
山野井委員:
例えば産業との間ということになった場合に、それがお戻りになるのか、一方通行かによって処遇の問題が出てくるんですね。企業として、その人の能力を最大限発揮していただくというためには。この二つの考え方はかなり違う面が出てくる可能性がありますので、大学とのあれは、私はわかりませんけれども、それでお伺いしました。
それから、最初に申し上げたのは、それぞれ御専門ということで確かに大事な点がありますけれども、例えば大学あるいは企業等との違いは、一つの研究所の中で本格研究をずうっとおやりになるということで、つまり大学なら大学、あるいは企業なら企業の研究者とは違う各ステージを経験される方がどのくらいの比率で存在するかということが将来、産総研の基礎的研究から産業へつなぐ上で人材的に重要になるし、またそういう人が実際に世の中、産総研から外へ出た場合も貴重な財産になる可能性があるので、あくまでも成果が大事なんですが、人材育成という観点から、ある比率は、それがよろしいんじゃないかということで御質問させていただきました。
吉川理事長:
大賛成というか、そういうふうに考えております。必ずしも第1種、2種、製品化と動かなくても、そういう連中と一緒にやっているわけですね。あるいは中で非常に若い時期から研究グループリーダーなんかになりますと、そういう意思の人をコントロールしなければなりません。
そういうことで、研究には基本的には3種類あって、それをどういうふうに同時的にマネージするかという、そういう研究マネジメントの能力も、このユニットの中にいることによって次第にできてくるんですね。みずから経験すれば、ますますできると思いますので、それは非常に大きな人材育成の場所なのかなというふうにも考えております。
木村部会長:
ほかにございませんでしょうか。
浅井さん。
浅井委員:
産総研にはいろんな種類の活動があると認識していますが、もちろん非常に基盤的な情報の提供、標準化だとか測量法といったものがありますし、最近はかなり先端的な分野でのベンチャー事業ということでアウトプットがあると思うんですが、そういう研究成果の出方ですね、どういうところに一番メジャーな出口を求めるのであるかということなんです。
私は長いこと企業の研究所におりましたので、企業の研究所の場合ですと、事業部というのが、現行のビジネスというものがございますので、それに対する技術的なアウトプットが何といってもベースロードになっています。そのベースロードの上に、また将来のところの探索を付託されたといいますか、そういった仕事があると思っています。これがコーポレートマネーから出てくることが多いわけですが、一方では、先ほど述べた分は事業部から直下でお金はまいります。
そういうファンドの性質と、それに対する仕事のユニットのあり方というのは、必ずしもベンチャーじゃないんじゃないかなという感じもしております。一番主なのはここなんだと、その主な部分がこうなんだというような出口の定義の仕方というのがあるのかなという感じがしていまして、その辺についてのお考えとか整理の仕方をお伺いしたい。
木村部会長:
お願いいたします。
吉川理事長:
非常に重要なポイントなんですね。私どもも、この点については、この4年間、非常に議論してまいりました。
確かに、先端技術的な、科学技術的なことの研究をやっている人たちとか、標準をつくっている人とは全然違うんですけれども、それを研究所として一つの価値体系の中に入れ込んでいこうと、社会に対する貢献。
そうすると、貢献というのは一体何なのかということになるんですけれども、これは産総研の中のアウトプットですね、いろんな形で出ていったその直後に、長い間かかってアウトカムになるということはともかくとして、とにかくそれは現実社会における価値を持っているものでなければいけない。こういうのを私たちは産総研の、言葉がいろいろ誤解を招くこともあるんですが、製品と呼んだんですね。
研究製品と呼んで、それは決して研究論文だけではない。そうではなくて、例えば標準をつくることもいいし、あるいはデータベースという他の研究者が利用できるものもいいし、企業が利用できるのもいいし、具体的に産業のある種の製品に貢献してもいいし、ベンチャービジネスをつくることもいい、我々はこれをみんな製品と呼んだんですね。
研究論文ももちろん製品なんですが、例えば研究論文は、論文では社会にはたから出しても役に立たないので、それは科学技術の応用研究をするところにおける価値なんですね。ですから、これは科学コミュニティにおける価値です。
それに対して標準とかデータベースとかベンチャーというのは、それぞれの社会のセクターにおける価値ということで、それではかろうということになったんですね。これは一つの研究所のマネジメントの問題でもありまして、すべての研究者が一定の成果、自分のやっていることの成果をどう評価してもらうかということについて、全く違う種類のものを一つ社会における価値という共通の軸で判断しようと、こういうことでやっているということなんですね。
ですから、いろんな種類の、特に第1種の基礎研究をやっている人たちは論文が出ますし、製品化研究をやっている人たちはベンチャーやったり、特許ができたり、特許はもちろん第1種でも出るんですが、そういったさまざまな特徴的なものが出るんですが、第2種基礎研究をやっている人はなかなかアウトプットが出ないということが現実に起こってくるわけですが、それでは産総研の中で第2種基礎研究の成果というのはこういうものなんだというのを位置づけて、少なくとも内部的に評価していこうと。
そういういろんな評価の仕方を導入しながら、私たちはそれをみんな製品と呼んでいるんですが、そういう形でアウトプットの多様性を何とか確保していこうというふうに考えています。
浅井委員:
そのような意味でのアウトプットの多様性はわかるんです。ただ、同じ仕事でも、例えばある仕事の一塊をやった場合に、さっき先生がおっしゃった製品ということをある角度から見たらパテントになっている、ある角度から見たら論文になっていると、ある角度から見たら技術、ノウハウ、何か一つのプロトタイプとか、そういったものになっていると。
そういうものの場合に、最後に申し上げたような、何か知らないけど製品のもとみたいな、本当の産業技術のもとみたいなものが出てくるのが産総研のあり方なんじゃないかと思うんですが、論文の方はいいんですね、論文はよくわかるし、パテントも一つわかるんですが、一番マテリアルな研究製品といいますか、プロダクトというものが、どんな性質のものであって、それがどうトラスファーされていくのか、このメカニズムをちゃんとしないと、産総研というものの根源が非常に問われちゃうんじゃないかなというように感じるんですね。
それをどうやってティーチしていくかというのは、論文の形を通じてティーチするんだと言っちゃうと、先生がおっしゃったとおり、物すごく間接的になっちゃうねと。それから、いきなりベンチャーをつくってやるんだと、手間ばっかりかかって、なかなかうまくロンチできない場合も大いにあり得るだろう。
だから、一番肝心なところのチャンネルといいますか、言ってみれば、プロダクトですから、販路というのはどうするんだと、これを考えていくのが大事なんじゃないかなということです。
小林(直)理事:
後ほど評価の方で申し上げたいと思うんですけれども、第2期の後半から、アウトカムの視点からの評価といいますか、それに向けてロードマップをどうするかというところで、浅井先生がおっしゃったように、ある研究ユニットが成果を出して、それをだれに受け渡すのか、どういう形で受け渡すのかというのを明示しましょう、いつまでに何をやるのか。
今おっしゃったように、例えばライセンスで渡すのか、ベンチャーを起こすのか、共同研究ですり合わせをしてノウハウも含めて渡すのかという形の産業への貢献があると思います。それぞれの型をどこでどうやって、いつごろ、だれに渡すのかというのをきちんとしてくださいという形で、今おっしゃったように、何を成果として渡すのかというところを意識してもらうようにしています。
具体的な例は、また出てくると思います。
木村部会長:
今の議論に関係することなんですが、資料1-7、15年度評価の書類があると思いますが、それの7分の4というところの下から二つ目のパラグラフに、直接、浅井さんの御意見ではないんですけれども、そういうことが書いてあります。
「計量標準、地質調査といった知的基盤分野は、一見地味ではあるが、非常に重要な研究分野と考えられる。これらの分野の研究成果の評価の実施に際しては、分野の特質を踏まえ適切な評価のあり方の検討が求められる。また、こうした分野では、国際的に主導的な役割を果たしているにも拘わらず社会的な認知度は必ずしも高くない。取り組みの重要性を社会に効果的に伝えていくことも強く求められる。」という、この辺。
これは私も書きましたし、もう一方、浅井さんの御意見のような線の御意見がありましたので、倉田さんがこれを取ってくれたんですが、こういうことも考えていかなければいけないということですね。
お願いします。
小玉副理事長:
我々がアウトプットだと思っていることも実際、世の中が要求しているのは何かということもありますので、実際はインパクトがあるような内容で、形式でということになるんだと思うんですね。
そういう意味ではアウトプット、要するに、出口から期待されるか、ドリブンされる研究というので、我々はそういう姿勢でやろうとしていることで、それにはさまざまな期待にこたえることができるということで、そういう典型的な例というのを本格研究の典型という形で、昨年度から理事長表彰というような形で本格研究賞というのをやっておりますが、その中にはさまざまな形のインパクトに対しての貢献がございます。
先ほどのように、例えば標準の分野というのでもございますし、災害に対する貢献に対して直接社会にデータを提供しているというインパクトというのも重要な我々にとっての製品だという理解を、ある意味でこれはモデルですということで、表彰という形で、みんなで共有していこうという仕組みを取っております。もちろん非常に新しい技術の開発、それが特許に及ぶというのもございます。
非常にいろいろバラエティに富んでおりますが、いずれもインパクトを与える相手に応じて適切なタイムリーな、適切なインパクトを与えるということをいつも心がけながらやっていくということに心がけているという形を取っております。
木村部会長:
ありがとうございました。
山野井さん。
山野井委員:
浅井委員から提起された問題は、私どもとしましても、産総研さんの成果といったときに、何を中心に置いたらいいのかという部分があるんですが、私のイメージでは、イメージで申しわけないんですが、発足以来、1種、2種、本格という吉川先生のコンセプトで進んでくる歴史の中で、我々産業の立場でいえば、例えばベンチャーですとか、産業に対してどういうインパクトを与えたかというのは大きいんですけれども、一遍にそれができるわけはないので、第1種、第2種という、学術研究とは違いますが、1種はそうかもしれませんが、そういう基礎的というか、基盤的な成果がどれだけ進んだのかという評価と、もう一つは産業に対するインパクトあるいはベンチャー創出というような、いわばプロジェクト型といったらいいんですか、普通、企業でいうとプロジェクト型ということになるんですが、そういう面での評価と、両面から見る必要があるんじゃないかと思っているんです。
それは歴史の流れの中でだんだんバランスが変わってきていいわけですけれども、今は、まだ単なる出口だけ評価するというと、なかなか厳しいし、そうかといって、中の方の面だけを強化するといっても、これも厳しいので、私は両面で。
ただ、先ほど副理事長さんがおっしゃられたように、それは一体どうつながっているのかというインパクトですね、ここのポイントだけはよく考える必要があるのかなと。しかし、評価のポイントは二つあるように、今の段階では思うんです。これは私の考えです。ただ、違うという方がおられたら、ぜひお願いしたいと思います。
小玉副理事長:
全くそのように理解できると思います。要するに、インパクトを与えるためには相当基礎的な研究からやらないとインパクトを与えられないんですね。ちまたのものを仮にアセンブルした程度ではインパクトを与えることはできない。そういう意味では、相当基礎的な、むしろアカデミーでやっていないような分野を掘り進まなければいけないという視点で、そういう意味での第1種基礎研究というのをやっているわけです。
それから、出口へ何となく応用されるという志向ではなくて、出口からドリブンされる基礎研究をやるというような考えで取り組んでいるというふうに理解しております。
木村部会長:
藤嶋先生、どうぞ。
藤嶋委員:
私、研究者の年齢構成がどうなっているかなというのが前から知りたいなと思っている点があるのと、あとはポスドク問題とか、日本全体としてもポスドク問題、あるいは外国人の研究者の問題とか何かいろいろあるんですけれども、今の産総研の場合は、普通の人口の分布のときによく見るあれで見ると、どういう形になっていて、どういうスタイルが将来、一番いいのかなというのがわかるような図というのはあるんでしょうか。
小玉副理事長:
今すぐ調べます。
藤嶋委員:
先ほどの副理事長の資料2-2の最初の中期計画の数値目標の指標の中の特許のところをずうっと見ていると、実施計画件数と実施料推移を見ていると、目標をどんどん達成していて、昨年の場合は1件の実施料が100万円だなということになるわけですね。かつては1件が20、30万で実施していたのが、443件で4億6000万円ということですから、1件100万円で実施しているというのが平均であるということなんですけれども、これだけの研究者がいらっしゃると、すばらしい特許がたくさんあって、実施料もたくさんいただいているんじゃないかなと思うのもあるんですけれども、トップナンバー3というのは、大体どういうような、幾らぐらいでこうやって。
しかも、その方に褒美として実施料の最高5倍まで研究費を追加してあげて、しかも個人にはロイヤリティのかなりの額を差し上げることができたということで、こういうすばらしい研究者は、こういうふうにすばらしい特許を出して、これだけ稼いで、自分も収入が上がってというふうな例はどういうのがあるんでしょうか。
吉海理事:
今の特許料収入の内訳は、いわゆるランニングロイヤリティベース、これは長期の使用料契約ということになるわけですけれども、それもありますし、情報開示料ですね。それから、オプション契約という、ある種権利を留保した形での情報提供なんですが、そういう幾つかのメニューがあわさった数字になっています。その中でランニングロイヤリティベースですね、これだけで幾らかということになりますと、約2億弱ぐらいのオーダーだろうと思います。
したがって、どこをどういうふうに見ていくかというのが今の御質問に対しては答えがちょっと難しいんですけれども、単一特許でロイヤリティ収入が非常に大きいものは、現在はないと言ってよろしいかと思います。過去において、一番特許収入がでかかったのはイソメラーゼというやつで、これが14億ですね、収入として上げたわけですが、むしろ今はそれが始まった段階になっているんだろうと。
もう一つ申し上げますと、この特許料収入には臨時の収入というものが額的にはかなり効いている部分があります。この臨時の収入と申し上げますのは、新たにある年数がたった後で特許契約をかわしまして、その分のさかのぼった使用料もまとめて払い込んでいただいていると、そういうものもあります。
小玉副理事長:
先ほどの前半の御質問ですが、資料2-3の最後に人事という項目が178ページから書いてございます。そこに大体の構成が。
これは採用でございますが、180ページには全体の構成が書いてございます。平均年齢では、どこかに書いてあったんですけど、研究者については、平均が約42歳になってございます。
岡田委員:
ちょっと細かいことで恐縮ですが、事業運営の効率化のところで、業務経費効率化取り組みの代表例として四つ挙げていただいているんですが、スパコンに係る経費の削減というのは、よくあるリースから購入とか、逆のケースもあるんだろうと思うんですが、それが本当の意味で経費節減になっているのかどうか。必ずしもよくわからない面もあるんじゃないかということで、もう少しお伺いしたい。
その下の液化窒素ガスも、どういう内容なのか、差し支えなければ御説明いただきたいと思います。
その右に書いてある二つの件は大変よくわかる複数年契約とか一般競争入札ということですが、そういう意味で、手法的にはよくわかるんですが、結果として品質とかそういう意味ではどうなのか、一言で結構なんですが。
小林(憲)理事:
まず液化窒素ガスの方でございます。つくば管内に多数のセンターがございまして、うろ覚えで恐縮ですが、たしか20カ所ぐらいあったわけです。この数を大幅に削減するということ及び、その機能を集中化するということで削減を達成いたしております。
スパコンの件については、私もあれでございますので、後ほどお答えいたしたいと思います。
木村部会長:
塩田先生、どうぞ。
塩田委員:
一つだけ簡単なことですが、若手育成型任期つきを採用しておられますけれども、平成13年には89名ということで、任期はたしか5年だったでしょうか。それから、14年度、59名ということですが、この人たちは行く末がどうなるのか。先ほど共同で民間とやるという話がありましたけれども、どんな状況かというのをぜひお聞きしたい。
小林(直)理事:
塩田先生おっしゃったように、平成13年度、4月に任期つき5年という契約で採用した人が最終年度に入ります。この5月に、その80名前後の方がほぼ全員パーマネント化を希望しておられましたので、もちろん途中で出た方も何人かいらっしゃると思うんですが、パーマネント審査を行いました。
公務員時代から任期つき研究員をパーマネント化するという制度がございまして、その場合には退職金もつながるという、そういう制度が動いています。それを続けるということが約束になっていまして、5月にやりまして、ほぼ9割はパーマネント化を。
これはまだコンフィデンシャルなので、ここだけにしていただきたい。というのは、まだ確定してないんです。9割ぐらいはパーマネント化できる。残り10%は、幾つかのパスがございまして、大学、企業、場合によっては、再度産総研に、今度は新しく中途採用制度というのも入れまして、中途採用制度というのはいきなりパーマネントで採用することもできますので、将来、再チャレンジをするということも考えられます。
こういう形で、任期つきではありますけれども、パーマネント化の道は今後も継続していくというふうにしております。
木村部会長:
ありがとうございました。
どうぞ。
山野井委員:
資料2-2の最後のページの収入の件なんですが、このお金、いわゆる基盤的な費用というか、それと競争的資金というんですか、これはどんな比率になっているんでしょうか。例えば運営費交付金というのは基盤的な費用だと思うんです。これはマイナス1%というマイナスシーリングですが、一方、ふやす部分とすると、競争的資金というのは一つのあれになると思うんですけど、この中でどの部分に。あるいは、今後ふやすというときに、どの部分に注力されようとされるのか、その辺をお伺いしたい。
吉海理事:
下の16年度の自己収入というのが。
山野井委員:
自己収入の中だと思うんですね。
吉海理事:
この中に、大きく分けますと、受託で受けているものと、競争的に外部からのグラント、いわゆる純然たる競争資金をかち取ってきたものと分かれます。
金額的に見ますと、受託がかなり大きいという結果になっております。ただし、これも公募方式の中で受託を取ってきているというケースもありますから、おっしゃるような意味での競争性というものをどこでどういうふうに規定するかということかと思いますけれども、基本的には、私どもがある種優位性があって、そういう意味で確保してきたというふうに理解しております。
山野井委員:
わかりました。
要するに、競争の中でエントリーして、それが産総研さん側にオーケーというということになったというのは、競争的資金だと思うんですが、この受託という中にある程度入っているのかなと思ったんですけど、比率とか、今後、運営費交付金が減っていく中で、全体をふやさなければいけないわけですから、その辺を含めてお伺いしたかったわけです。
わかりました。結構です。
木村部会長:
どうぞ。
橋本委員:
ベンチャーにこだわるわけじゃないんですが、先ほど、現在延べ51社ですか、ベンチャーができておって、廃止されたものが一つもないと。認識不足でしたというふうに申し上げましたけれども、私の認識あるいは経験からいけば、ベンチャーという名のつくものは二、三年で廃止されるものが非常に多かったわけなんです。この辺、すべて51社というか、51社が全部続いているわけじゃないと思うんですが、延べ51社生まれておると。
今までで廃止されたものがないということは、ベンチャーと言えるのかどうか。廃止が多ければ、またそれが問題だと思うんですけれども、経験からいったら考えられないなという感じ。果たして、内容がベンチャー的なものか、そこがちょっと疑問があったから御質問をしたわけなんです。あるいは、最初の御支援というか、創出するときの条件がどうなっておるのか、その辺を少しお聞きしたい。
吉海理事:
産総研発で延べ51社というふうに申し上げてありますが、この間に構造変化が生まれております。産総研発足当初の13年度から14年度あたりまでは、従前の工業技術院時代の成果をベースに、いわゆるベンチャー支援のサポーティブな中で生まれてきたというものでございます。したがって、多産多種というよりは、非常に狭い市場の中で、しかしながら、それなりの固有の持ち味をもって、売上的にはそういう水準を推移しているというものであります。
14年の秋からベンチャーセンターという文部科学省のCOE予算をいただきまして、体制を完全にそこからつくり変えました。COE予算に基づくベンチャーセンターのポリシーでは、スタートアップという概念で、要するに、急成長が期待できるようなベンチャーを育てようというふうに方針を設定したわけです。
そのために、そういうものがちゃんと判断できる、いわゆる目利きみたいな人を外部から10人ほど臨時雇用いたしまして、内部の職員として徹底的に研究の途中段階から育てるプロセスをつくってもらいました。そういうものの一部がベンチャーという形になりつつある。
これは恐らくまだ数年かかると思いますけれども、私どもの期待としては、従前のベンチャーと違うパターンをたどるのではないかと思います。
木村部会長:
岡田さん。
岡田委員:
ベンチャーの件で過去に一度、できるだけ早く見限った方がいいんじゃないかという意見を申し上げて、余り支持をされなかった記憶があるんですが、うちのグループでもハイリスク型のベンチャーをつくっているんですが、どちらかというと、余り失敗しないですね。多分、まだ半分以上残っているんじゃないかと思うんです。
海外のベンチャーキャピタルなんかの話を聞くと、平均10%ぐらいが成功率だろうと思うんです。当事者は、どうしても成功させたいということで何とか頑張るんですが、むしろどこかできちっとした方針を示してあげて、人生は一度しかないんだから、しがみつくのは必ずしも本当にその人にとって幸せにならないんだという視点も必要だということをもう一度申し上げておきたいと思います。
木村部会長:
ありがとうございました。
まだ御意見もあろうかと思いますが、14時15分から、予定によりますと、研究ユニットの見学ということで、多分先方でお待ちだろうと思いますので、一度ここで切らせていただいて、前半の部について御意見ございましたら、帰ってきた後に少し時間を取ってやりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
見学の方、よろしくお願いいたします。
吉海理事:
見学は、1枚紙でお配りしております研究ユニット視察というこれに沿ってやります。若干おくれておりますけれども、生命情報科学研究センターと生物情報解析研究センター、いずれもこの建物の中にございます。フロアがちょっと違っておりますので、恐縮でございますけれども、移動をお願いします。こちらの御案内は、お台場施設の担当理事の中島理事から申し上げます。
中島理事:
中島でございます。これから御案内させていただきます。よろしくお願いします。
〔研究ユニット視察〕
木村部会長:
残りの時間も余り残っておりませんので、再開をさせていただきたいと思います。
先ほどの続きで、何か御質問等ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
塩田さん、何か。
塩田委員:
ちょっと違う角度から。
先ほどの資料2-2の6ページに、産学官連携に係る指標という中で、中小企業という言葉が出てまいります。中小企業と産総研がかかわっていくというのは非常に大事な一面だと思っているんですが、一般的に中小企業といってもいろいろありますけれども、そのポリシーといいましょうか、どういうことを具体的にやっておるのかということを一つお聞きしたいということ。
それから、中小企業4割と書いてあって、下にはハイテク中小企業と書いてあります。中小企業とハイテク中小企業とは違うのかどうか。そういうことを含めてですね。
それから、商社との連携によるハイテク中小と、この中身について簡単に説明していただけたらありがたい。
木村部会長:
よろしくお願いします。
吉海理事:
中小企業については幾つかの施策がございます。一つは中小企業庁と連携しております。彼らから委託料をもらいながら、公募方式で玉出しをしてジョイントでリサーチをしていくというパターンが一つあります。
もう一つは、ここで言う商社との連携によるハイテク中小企業というのは、具体的に伊藤忠商事と産総研とで協定をかわしまして、伊藤忠商事が中小企業のシーズを発掘して、それをさらに高い付加価値のプロセスに乗せるというところで産総研の力を組み合わせていくと、そういうスキームで運営をしております。これは数社、軌道に乗っているのが出ております。私どもは付加価値を高めるという意味でハイテク性ということを言っているところであります。
そのほかに、各地域のコーディネーターが北海道から九州まで産学官連携の協力コーディネーターが配置されておりますから、彼らが地域ごとに中小企業のいろんな各団体とか事業集団の皆さんとコミュニケーションをもって、それから各地域の経済局ですね、経済局とタイアップをして、いろんなアクションを取っております。そのほかに、個別に相談にいらっしゃるのが年間に何千件とございますから、いろんなインターフェイスがございます。
塩田委員:
それに関連して。地域にセンターがありますね、産総研のセンターが。そういうところは自治体とか、その他と一緒になりながら、そういうところがあると、中小企業的なのが寄ってくるといいますか、周辺にできてくるわけですよね。
そういうところの例といいましょうか、先ほどもたんぱく質のところの実験でありましたように、たんぱく質をインジェクションするあたりは、本当の質量分析もさることながら、そこにどうやって入れるかというところが技術のエッセンスだというお話を。そうすると、中小企業、ハイテク中小企業、そういうのがセンターの周りに寄ってくるとか、そういう実例は出てきているかどうか。
小玉副理事長:
今のことにつきましては、2-3の資料の115ページに、産総研の地域コンソーシアムというのがございまして、例えば東北センターを中心としましてメンブレンインキュベーションコンソーシアムですとか、中部では陶・くらしのデザインコンソーシアム等々のコンソーシアムをつくっております。これは地域や公設試も含めて、その中核として産総研の研究センターが取りまとめ役をするという形で、こういうのが非常に活発につくられてございます。
それから、先ほどの伊藤忠商事との内容につきましては、ページでいいますと、同じ資料の110ページ、このあたりから、ただいま御質問いただきました中小企業との対話のチャンネル等々のデータがございますので、ごらんいただければと思います。
木村部会長:
よろしゅうございますか。
山野井さん。
山野井委員:
今の塩田先生の御質問と関連しますけれども、地域との関係というのは、経済産業省が進めておらけるクラスターとは連動している話なんですか。その中での役割というのは、ハブ的な役割になるんですか、この地域というのは。わかりました。
木村部会長:
ありがとうございました。
時間も押しておりますので、次へ進みたいと思います。
小林(憲)理事:
少々よろしゅうございますか。先ほど御質問がございました答えの積み残しがございまして、簡単にお時間を。
木村部会長:
よろしくお願いします。
小林(憲)理事:
お手元に2点ございます。藤嶋先生から御質問あった常勤職員の件ですけれども、年齢構成ということでお配りをさせていただいております。
グラフの上半分が研究職でございまして、下が行政職でございます。右の方をごらんになっていただきますと、研究職の平均年齢が44.1歳で、行政職は40.9歳ということでございます。平成3年、10年前と比べますと、研究職が42.1、行政職が38.0ということでございますので、10年間で約2年ですね、平均年齢が上がっているということでございます。
特に研究職でございますけれども、ごらんのように、30代後半のところに山がございます。定常的な採用のほかに最近、実績を重視した採用を行っておりまして、そういたしますと、ここら辺の方が非常に油が乗っているということで採用人数がふえてきているということでございます。実際、非常に優秀な方が多いということでございまして、こういう方々はどんどん大学等へ、企業も含めてですけれども、外へ出ていく、若くして外へ出ていくという傾向がございますので、この山がずうっと右の方に移っていくということではないと理解しております。
研究職全体の組織の健全性という意味では、ここの部分が多いのが非常に健全な形ではないかと私どもは考えているところでございます。先ほど御視察いただいた中でも、比較的若手が多いというふうにごらんいただいたと思いますけれども、こういう形でございます。
なお、行政職で下の方に山がありますけれども、これはつくばの移転のときに大量採用した方々でございます。
それが第1点目でございます。
二つ目は、岡田委員から御質問がございました資料2-2の8ページの効率化のところでございます。計算機がリースから購入へ変わったことについて、それでどうしてこれだけ節約が出るのかという御質問でございました。
細かくなって恐縮でございますけれども、11年度から15年度、工技院の時代から5年間のリースをやっておりまして、年間7.4億円で借りておりました。15年度でリースが満了になりましたので、その時点で購入に変えまして、ハードが2.5億円、年間維持料が0.2億円ということで、年間に直しますと、ハードが0.5億円、維持費が0.2億円ということで、0.7億円ということになりまして、それまでのリース料7.4億円引く0.7億円が6.7億円ということで、これが平成16年度の欄の約8.4億円の中に入っております。計算的にはそういうことになります。
実際、科学計算用のつくばにある計算機でございますけれども、これを変えたということで、コンピュータも価格性能比が非常に上がっておりますので、そういう意味で安いものが購入できたということがございまして、それが大きな原因というふうに理解をいたしております。
以上でございます。
木村部会長:
ありがとうございました。
岡田さん、何か。
岡田委員:
確認ですが、リース切れになったときに、新しい、よりいいものを買われたと、そのときが非常に安かったという理解ですか。
小林(憲)理事:
そういうことでございます。性能もかなり上がっておりますし、御指摘のとおりでございます。
岡田委員:
ちょっと難しいのは、効率化ということになるのか、ならないのかというのはやや難しいかなという気がします。
それから、もう一つ御質問したのは、一般競争入札にしたら下がるというのは一般的なんですが、質の維持をきちっと図らないと、値段は下がったけどということがあるのかないのか。ないんだろうとは思いますけれども、さっき質問をさせていただきました。
小林(憲)理事:
特に設備の維持管理ですとか、エレベーターといったものにつきましては、工技院の時代、各研究所ばらばらでやっていたということがございまして、これを全部まとめて、地域センターまでまとめてやるということを行いました。これが非常に効果が大きくて、節約につながったということでございます。
それから、一般競争入札ということになりましたけれども、仕様スペックについては厳しい基準がございまして、そういったものに基づいて発注をいたしておりますので、御心配の懸念はないと理解しております。
木村部会長:
ありがとうございました。
先へ進ませていただきます。
次は産総研のユニット評価に関する御説明でございます。小林理事からよろしくお願いいたします。資料2-6です。
小林(直)理事:
資料2-6で、平成16年度評価結果概要並びに第1期中期計画達成状況を御説明いたします。補足説明資料といたしまして、資料2-3の40ページから数ページにわたって幾つか共通のもの、あるいは細かく書いてあるものがございます。それから、お手元に、表紙に鳥の写真がついています平成16年度研究ユニット評価報告書、成果ヒアリングというのがございます。個別のユニットについてはそこにございますので、適宜ごらんいただければと思います。
めくっていただきまして、まず産総研の研究評価システムから、既に委員の先生方は御存じだと思いますが、復習の意味も含めて簡単に御説明いたします。
1.産総研の研究評価システム。そこに書いてあります網羅性、効率性、有効性、透明性、客観性、納得性というのを重視して進めてきております。左の方にありますように、ピンクで書いてありますように、新しくできた研究ユニットは必ずスタートアップ評価を行う。それ以降は毎年、全ユニットが成果ヒアリングを行っております。評価部が各ユニット個別に評価委員会を開催して、結果を取りまとめて理事長に御報告し、理事長が資源配分、業績給あるいは研究組織設計に反映してユニットに戻すと、そういうサイクルになっております。
外部有識者による客観的評価という、そこの表の平成16年を見ていただきますと、スタートアップ評価が14、成果ヒアリング対象ユニットが46。46のうち九つはスタートアップと両方行っております。外部の委員は290名と、ユニット数が減りましたので300名を切っておりますが、6割が大学関係者、4割が産業界・マスコミ等になっております。内部評価委員は延べで204名、お願いしています。
その下、2ページ、これは従来と同じでございます。重点課題の選定は中期計画に記載されている全研究課題、研究目標レベルは国際的な研究レベルとの比較、研究の進捗状況は研究実施計画に照らしてどれくらい進んでいるかというところです。
3ページの研究評価の流れ。これもほぼ同じでございます。研究ユニットが中期計画から具体的、定量化した目標を掲げて重点課題を設定し、体制・運営を含めてユニット評価委員会から評価をいただいて、これを理事長に御報告して、研究ユニットに資源配分等で戻すということになっております。
4ページの表の一番右、平成16年度、どういう点を改善したかというところを御説明します。体制・運営の評価の視点では従来から、ユニット長のマネジメントを中心にしておりました。平成15年度は本格研究への取り組みというのを加えましたが、平成16年は、さらに研究ユニット間の連携というのを重視して、そこも評価の視点に加えました。
それから、外部委員による評価では、平成15年度は単年度でしたけれども、平成16年度は単年度評価に加えて、4年間の第1期中期計画が終了する年度ということで、その達成度も委員にお聞きし、さらに第2期中期計画へのコメントもいただくということをいたしました。
それから、内部委員による評価では、従来、研究コーディネーターとか総括企画主幹とか、そのときにテンタティブに内部委員になっていただきました。ことしは6名の主席評価役。産総研の研究ユニット長を経験した産総研の中のいわば有識者を主席評価役として配置して6名、評価に加わってもらいました。
新ユニット設立面の評価のところで、伝統のスタートアップ評価を行っておりますが、特にアウトカムからの視点、それに至るロードマップの記述を必ずするようにというふうに方法を加えました。
5ページから、それぞれの6分野にわたって、どういう評価結果概要だったかということを御説明します。細かく書いておりますので詳細は省きますし、内容については、この後、吉海理事から成果あるいはアウトカムについての説明があると思いますので、そこは省略いたします。
情報通信は、そこに書いております35課題ですが、ごらんいただきますように、ピンクの平成15年の課題の評価点から、平成16年、確実に上がっております。概要のところに書いてありますように、MgOのトンネル障壁素子であるとか、光スイッチであるとかって書いてあります。ただ、指摘の中で注意しなければいけないものは、真ん中に書いてあります「今後、これらのシーズの産業界への技術移転にはさらなる運営上の工夫・努力が必要と指摘された」ということがございます。
6ページをごらんください。ここは高い評価を受けた重点課題例が書いてございます。この詳細は省略いたします。
7ページ、2-2-1、分野ごとの評価結果のうち、ナノテク・材料・製造分野です。ナノテク・製造分野も、そこの分布点をごらんいただければ、比較的上位の点、比較的点が悪い部分でもかなり上昇しているということで、そこに書いてありますように、強相関電子系材料あるいはナノカーボンのスーパーグロース、あるいはフラグメント分子軌道法等が評価されています。ただ、真ん中に書いてございます「今後、工業化の道筋を明らかにしていくことへの期待が指摘された」ということがあります。8ページは詳細で、これは省かせていただきます。
9ページにまいります。ライフサイエンス分野の評価結果の概要でございます。下の分布図をごらんいただきますと、特に今まで評点が余り高くなったところが確実に上昇しているというところがあります。ポストゲノム関連でラクトフェリンあるいはロドコッカス属細菌、あるいは新規培養微生物ということが書いてあります。「今後さらにプラットフォーム機能を充実することにより、世界に向けて先導的な役割を果たすことへの期待が指摘された」ということが特徴であります。
10ページの詳細は飛ばしまして、11ページ、環境・エネルギー分野です。環境・エネルギー分野も確実に上昇しておりますが、ほかの分野に比べて、それほど飛び抜けて上昇したというわけではないんです。確実に成果が上がっている。環境関連ではLCA、ライフサイクルアセスメントによるインパクト分析、あるいは化学物質大気環境濃度予測(ADMER)が高く評価されています。「今後、多様な環境課題対応を可能とする手法開発を期待するとの指摘」がございました。12ページは詳細でございますので、飛ばします。
最後に、地質の調査・計量の標準。これは、まず下の分布図をごらんいただきますと、ここも確実に上がっておりますが、去年、この委員会でも御指摘を受けました。こういう分野は、非常に確実にやっているのに、ほかの分野に比べて評点が低いのはなぜか、評価方法に問題があるのではないかという御指摘ございまして、今回はかなり事前に評価委員にその特性を御説明したり、目標のところは既に行政対応のところは目標に入れないということもして努力をいたしましたが、結果的にはそれほど大きく上昇しているわけではありません。ただし、第1期中期計画の達成度は、ほかと同じように極めて高いものですから、今後この分野をどういうふうに評価をしていくかというのは重要だろうと思います。
ただし、地質関連におきますと、中越地震の活断層のときに非常に貢献をした、あるいはスマトラ沖地震、津波の情報をいち早く解析したという非常に目立った成果もございます。計量関係では標準整備計画を確実に前進したというのがございます。
14ページは飛ばしまして、15ページ。これは各研究ユニットの総合評点の分布でございます。平成13年度の四角は、Aが5といたしまして、Aはなかったものですから、ほかの年よりも約0.6ぐらい高くなっております。これは省いていただきますと、14年、15年、16年と全体として上がってきております。これは特に15年度から16年度に非常に上がり方が目立ちますが、私どもは三つ要因があると考えております。
一つは、先ほど御説明いたしましたように、各課題全般的に評価が上がっている。それから、私どもは評価委員会に出席しておりまして、ユニット側からの研究成果に対する研究の重点化あるいはプレゼンテーションの手法等も含めて非常に上がってきている。もう一つは、評価する委員の先生方の理解度も上昇しているということがあると思います。
16ページから、六つにわたりまして、第1期中期計画の達成度の評価をお願いいたしました。これは同じ委員会で、同じ委員にお願いいたしました。16ページの一番下にありますように、「5.計画を大きく上回って達成」、「4.計画を十分に達成」、「3.計画を概ね達成」という形で評点をいただきました。
情報通信分野の場合には13項目という、一つ一つが大きいグレンサイズだったものですが、それについて評点をいただいて、92%の項目において3.5以上、特に4.5以上が38%もあるという非常に高得点のテーマが多かった。ただし、達成度評点3.5未満とされた項目においては、「情報セキュリティ技術に関して、実証フェーズまで達しているものの、技術的なデモにとどまらない」ということが指摘されたりしたものもございます。
17ページをごらんください。これはナノテク・材料・製造分野の中期計画。これは59項目ございました。分布をごらんいただきますと、非常に高いところから、残念ながら3ぐらいでとまっているものまで、非常に幅広く分布しております。ただし、全体としては、91%が3.5以上、4.5以上が12%という意味で、高いレベルで達成はしております。ただし、評点3未満とされた項目において、計画はおおむね達成しているが、計画内容がやや不明確であり、課題間の関連が認めにくいという指摘もございました。
ライフサイエンス、33項目が18ページでございます。3.5以上が94%、4.5以上が9%という、全体としてはかなり高い。幾つか評点の低い課題もございましたが、そこは、そこに書いております次世代型高次生態機能計測装置の要素技術、あるいはこの解析手法が、残念ながら定量的な情報が得られるところまではいかなかったという指摘がございました。
19ページが環境・エネルギーでございます。ここもほぼ同様に達成度は高いというところであります。ただし、超低損失電力素子のネットワークシステムの評価というあたりが、まだ努力が必要である。
それから、20ページ。これは先ほど申し上げましたように、地質の調査・計量の標準です。これは達成度から見ますと、4.5以上が15%、3.5以上が94%、ほかの分野とそんしょくない達成度をしておりますので、目標はきちんと達成しているというところがございます。
最後、21ページをごらんください。我々、4年間、こういう形で研究ユニット評価をやってまいりまして、幾つかまとめてみました。産総研として、新たに独立行政法人になりまして、こういう研究ユニット評価というのを毎年やってまいりました。全体の産総研のマネジメントを利用するというサイクルが着実に定着することができたということがあります。
それから、評価の活用で職員の意識改革を図られた。理事長が本格研究の取り組みということを唱導されておりますが、その視点をいただくことによって、研究ユニットのミッション達成に有効に作用しているのではないか。
実際に研究ユニット長からアンケートを取りまして、8割近くの研究ユニット長から評価の有益性という指摘があります。評価は研究ユニットの運営にも役立っているということが明確になりました。それから、研究ユニット評価の結果を組織の見直し等に有効に活用しました。これは先ほど理事長からも御説明があったと思います。
それから、外部への説明責任として有効に機能しているのではないか。独立行政法人の評価委員会で、この結果の御報告や、ホームページで詳細にすべて内外に公開していると思って、広く産総研の活動を知らせることができたのではないか。
もう一つ、評価委員会の大きな成果と我々が考えておりますのは、産総研の研究活動を延べ1200人以上の方に、外部委員に評価の際に御説明をするわけですね。評価委員の方も評価をいたしますから極めて真剣に聞いていただける。これは、まさにある意味の宣伝の場といいますか、アピールの場合として非常に大きな財産ではないかなと思っています。
最後、今後でございますけれども、冒頭にも申し上げましたように、アウトカムの視点からの評価ということで、これは平澤先生あるいは山野井委員にも入っていただきました産総研の評価検討委員会からの御指摘も受けまして、第2期はアウトカムの視点からの評価を実施することにしております。
以上でございます。
木村部会長:
ありがとうございました。
引き続きまして、平成16年度における主な研究成果等について、吉海理事から御説明をお願いいたします。
吉海理事:
大分時間がおくれておりますので、簡潔に申し上げます。
まず16年度の主な成果ですが、これは資料2-8と2-11が関係しております。2-11は分野ごとに代表選手みたいなものを選んだトピックスでございますので、主として2-8に沿って御紹介をいたします。
パワーポイントのページで3ページと4ページをごらんいただきたいと思います。ここに六つの分野について幾つかの事例を整理してあります。これは課題と、ここでの主要な成果の内容の説明、右側に、どのようなステージに今この技術があるのか、発展期とか萌芽期、あるいは成熟期というふうに書き分けてあります。したがって、私どもは時間軸とこの内容の成長性、両方を見ながら、成果という意味で、先ほどの評価委員会の場で高い評価を受けたものをここに収録してあります。
パワーポイントの6ページ、例えば分野の事例で申し上げますが、6ページでは情報通信分野の成果ということで、酸化マグネシウムを用いた新型のトンネル磁気抵抗素子を開発し、室温で最高性能を実現。右下のグラフを見ていただければ歴然でございますけれども、従前の発展の流れに対して、産総研のこの発明、発見によりまして非常に画期的な変化をもたらしたということで、従来素子量の3倍以上大きい抵抗比を室温で実現したというものであります。現在、次のデバイスに向けて企業との共同研究を含め、取り組んでいるものであります。
7ページはグリッドミドルウェアの開発ということであります。これもグリッド研究の国際的な展開の中で、少なからず国際的な主導の役割を担っております。
8ページが世界最高レートの量子暗号通信技術の開発ということで、これも右下のグラフでごらんいただけますように、現在までのレベルでいいますと、最高レベルの答えを出したというものであります。
その次にナノテク・材料・製造分野、10ページであります。これはスーパーグロース技術の開発ということで、炭素のカーボンナノチュープの高純度化、大量合成ということで、画期的な合成技術を開発した。その性能が下にあります。例えば効率性で従来比500倍、高純度比で2000倍といったものを実現したというものであります。
11ページは世界の最高分解能の磁気力プローブの顕微鏡開発、あるいは、その次のページでいきますと、有機ナノチャネルの内径制御技術の開発等々、ここにはございます。
それから、ライフサイエンス分野で15ページに入りますけれども、これは先ほど現場でごらんいただきました。たんぱく質の立体構造の予測システムというものであります。
16ページで、脳内の神経幹細胞から新しい神経をつくり出す新機能RNAの発見というものであります。17ページは、人工たんぱく質の分子設計の基礎となる世界最小たんぱく質を合成ということで、酵素のような産業たんの安定化技術に発展していくであろうという期待であります。
その次に、環境・エネルギー分野であります。19ページが柔軟な耐熱性ガスバリア膜の作製技術ということで、これは粘土と従来のプラスチック材料との組み合わせでありますけれども、そこに画期的な性能を実現したというものであります。これは耐熱性とあわせまして、水素の遮蔽性が格段に高いということで、国内から100社の問い合わせ、海外から7国からの問い合わせが来て、現に20社と技術評価の試験開始という段階になっております。
そのほか20ページ、リチウム電池のパワー密度を達成したもの、あるいは21ページでSiCのパワーデバイスの結晶成長技術に画期的な成果を出したというものであります。
その次に社会基盤の地質関係であります。先ほどの評価のときに御紹介ありました。23ページの活断層データベースの公開、あるいは活断層の活性化といいましょうか、活動確率をここで出してきたというものであります。
24ページ、日本全域の数値地質図データベースということで、地質凡例を統一して、全体の地質図をつなげるようなことを実現したというものであります。
それから、社会基盤の計量標準。26ページで、光コム距離計の開発ということで、フェムト秒パルスレーザーを用いた新しい周期誤差がフリーという精度のものを用意したというものであります。
以上が16年度の主要な研究成果であります。
続きまして、第1期の目標期間の主な研究成果。これは資料2-9であります。資料2-9をごらんいただきたいと思います。このパワーポイントの3ページ以降に整理してあります。これも先ほどと同じように、分野別に課題と成果の内容、そのステージを表現してあります。極めて多分野であり、かつ多様な成果の構成というのをここで御理解いただけるかと思います。
内容についての逐一の御紹介は省略をいたしますが、パワーポイントページの9ページ以降に第1期中期目標期間の主な研究成果におけるユニット間連携というものを紹介してあります。先ほど来、産総研の持ち味を生かした新しいイノベーティブな活動をどうしていくのかという議論がありました。産総研の中の多様なユニット構造を生かしたユニット間連携としての第1期の正規をここで事例的に挙げてあります。
例えば実用型ヒューマノイドの開発ということで、ロボットございます。これは情報技術研究部門の開発された音響モジュールを実装しながら研究成果を出している。あるいは、その下のナノテクのところでいきますと、スーパーグロースについては、ナノカーボン研究センターが中心でございますけれども、バイオ・IT融合化技術の開発という意味で、生物機能工学部門あるいはセルエンジニアリングの研究部門、ナノテク研究部門といったところと、産総研内部での共同研究を展開してきたものであります。
以下、セラミックス、スーパーインクジェット、いずれも非常に大きな成果を出したものについて、ユニット間連携が、ある意味で非常に有効に機能しているというところを紹介してあります。
ちなみに、第1期の中期目標期間中の成果を二、三御紹介します。13ページにありますのが分散オブジェクト技術のHORBの開発というものであります。これはネットワークの利用プログラムを効率よく開発していくということを可能にしたということで、経団連の会長賞をこの期中にいただいたものであります。日本語のコンピュータ上の表現が難しい時代に大変先駆的なこういったものを開発できたというものであります。
それから、15ページ、これはデジタルハンドの開発ということで、これも先般、テレビで紹介が出ましたけれども、手の骨格の構造を精密に決定して、動きを生成できるコンピュータモデルを開発した。これも非常に多数の企業からの問い合わせ等ございまして、研究が進められております。
その下、16ページの方は実用型ヒューマノイドで、愛知万博でも、この原型をもとにそれぞれの研究機関がいろいろな工夫を加えた成果として発展を見ております。
以下、たくさんの事例が出ております。例えばナノテク・材料の関係でいきますと、26ページですね。26ページにはスーパーインクジェットの技術開発ということで、サプフェムトリットルの超微細液滴ということで、従来の1000分の1を用いた精密インクジェット技術の成果を出しました。これをもとにいたしまして、省エネタイプの新しい回路技術、デバイス技術というものに取り組んでいるという状況であります。
それから、ライフサイエンス分野でいきますと、33ページをごらんいただきたいと思います。ここにヒト糖鎖遺伝子の網羅的クローニングと機能解析。この糖鎖技術については、先ほどの現地見学のときにちょっと説明がございましたが、日本は大変先駆的に取り組んだ成果を維持しております。右側の例えば遺伝子クローニング比率でごらんいただきますと、日本がGGプロジェクト、これは産総研が関与している部分ですね、それから、GG以外ということで、あわせますと、大体60%を占めている。その中でも産総研からのGGだけで世界全体の15%を占めるという大変な成果を出しております。
それから、環境・エネルギーでいきますと44ページ、薄膜シリコンの太陽電池開発の進展というものがあります。これは非常に高い性能を出した光安定のアルモファスシリコン太陽電池の開発とか、微結晶薄膜の高速高品質化技術、これは製膜速度を非常に高めたというものです。そういうことで、現実にこれはどんどん実社会への導入が進んでおりますので、そういったものを加速しているというあたりであります。
以下、多数の事例が出ておりますけれども、時間の制約がございますので、以上にとどめておきたいと思います。
資料2-9の後ろに1枚紙がつけてございます。この1枚紙は第1期中の技術表彰、学会表彰等の受賞を整理したものであります。ごらんいただきますように、カテゴリーを大臣表彰以下、一応便宜的に分類してありますが、大臣表彰で受賞者数が42名、学会で387、その他のつくば賞等のもので97と、私どもの全部の研究者数が正規の職員で2500、外来を含めると5、6000人でありますけれども、こういった受賞をいただいたというものであります。
こういった16年度と第1期中の成果を今後どのようにつないでいくのかという点を御紹介します。それが資料2-7であります。資料2-7に、第2期の研究戦略についてというものがついておるかと思います。
冒頭、理事長から全体の構造の御説明を申し上げましたけれども、その中で研究戦略を産総研の第2期の重要な出発点、構造の基点として用意したものであります。この1ページの下にありますような構造でやりました。
この特徴は、5ページをごらんいただきたいと思いますけれども、イノベーション・ハブを実践していくための戦略構造としてつくったわけですが、これを第2期におきまして新規内容を多く含む研究課題、あるいは第1期の成果をさらに発展させていく課題、縮小あるいは終了する課題と、そんなような視点で整理いたしました。その上で研究課題への予算配分の重点化という取り組みをして、17年度の予算配分に反映をしたわけであります。次の6ページから具体的な第1期からの発展性あるいは新規の第2期の課題、あるいは8ページにおきますような第1期で終了した課題といったものがつけてあります。
その次に、1枚紙でつけてあるのがあります。これは即戦力人材の育成というものであります。資料2-7の別添という形でつけてございます。イノベーション・ハブの中で、特に人材をどのように育成・強化していくかという点の一つのモデルを御紹介してあります。
大学から生まれ出たポスドクを産総研が採用いたしますが、その際に企業との共同研究テーマに配置するということを採用の時点で明確にします。企業と共同研究を例えば2年、3年とやりまして、その成果を踏まえた上で、そこに従事したポスドクが共同研究パートナーの企業に雇用されると、そういう流れをここではつくっているわけです。
これは現実に住友電工と5月26日に締結した協力協定の中で動き始めました。今のところ、この対象ポスドクは5人前後でありますけれども、ポスドクの社会への活用といいましょうか、実践の活用をこういった形でぜひとも私どもとしては機能的に生かしていきたいと考えております。
それから、アウトカムの状況です。資料2-10をごらんいただきたいと思います。これが、先ほど浅井委員の御指摘で、産総研がどのような成果を軸として示していくことになるのかというところの一つのお答えになる部分かと思います。アウトカムの資料はパワーポイントページで3ページから見ていただきたいと思います。幾つかのパターンに分類してあります。
製品開発型のアウトカム、それから、データベース型、コンサルティング・サービス型のアウトカムで、さらに産総研が主体になって保守管理している例と、外部機関を経由して実現している例に分けてあります。5ページのところでは、コンサルティング・サービスアウトカムということで、もう少し分類を用意してありますけれども、こういうアウトカムの事例をもとに幾つかここに用意してあります。
例えば製品開発型アウトカムということで、7ページをこらんいただきたいと思います。これは今や有名になりましたセラピー効果を持つロボット、パロというものでございます。愛知万博にも出展しておりますけれども、こういうような企業のベンチャーが現実に市場の中で動き始めているというステー、あるいは8ページのところで全焦点顕微鏡システムの製品化という例、これはいずれも製品化というアウトカムとして企業が最終的には主役になって市場に提供しているという事例であります。
それから、データベース的なものでいきますと、18ページになりますが、ここでは有機化合物のスペクトルデータベースの普及と維持ということで、産総研みずからがメンテナンスをやっている例であります。アクセス数が年間に3000万件近いということで、多分世界でもトップレベルのスペクトルデータベースだと思います。こういうアウトカムを活用して、個々の利用者がそれぞれの研究成果の中に取り込んでいるということかと思います。
それから、21ページをごらんいただきたいと思います。21ページは化学物質のリスク管理ですね。ADMERというモデル分析のソフトウェアでありますけれども、これを開発いたしまして、公開配布したということであります。これが国や自治体あるいは企業による化学物質のリスク評価に大変活用されつつあるということであります。ダウンロード件数も1200件という状況になってきております。
以下、ごらんいただければと思いますけれども、アウトカムを最初からどのように設計していくのかというのはなかなか容易ではないわけですが、こういった結果としての事例が積み重なっていく中で、研究を進めていく中で評価の視点でもありますアウトカムをどのように取り込んでいくのか、これはかなり学習効果が出始めていくのではないかと期待をしております。
以上でございます。
木村部会長:
ありがとうございました。
時間の関係で資料の説明、かなりはしょってお願いしましたが、いかがでございましょうか。ただいまのお二人の説明に対して御質問、御意見ございましたら、よろしくお願いいたします。
浅井さん。
浅井委員:
私の先ほどのセッションのときの質問に対して、随分いろんな形で工夫をしていらっしゃるんじゃないかという印象をお答えから受けたんですが、これからさらなる工夫が必要だという御認識もあって、それは大変いいことなんじゃないかなと思いました。
最初の小林理事の御説明の中に、かなり。これは資料2-6ですが、これをずうっと見ていくと、技術移転に関して、さらなる運営上の工夫努力が必要とか、今後、工業化の道筋を明らかにしていくような期待が指摘されたとか、今後、産業界への提供可能な技術の開発の充実が望まれるとコメントされたとか、一つ一つに関してそういうコメントがついているということが、それをあらわしていると思うんですね。
一方で、御説明あったようないい事例もたくさんあるようなので、まさに吉海理事の御説明があったように、最初からこれをデザインしていくかという、ユニットを最初から考えたような研究開発の着手というんでしょうか、それが結構大事なように思うんですね。
研究資金の由来というグラフが最初の資料の最後の方にありまして、依頼研究、産業界からの共同研究費用と委託費用を合わせると、全体の収入の10%近いところにきているということを私も認識しまして、このあたりをどういうふうに守っていくのかということは一つのビジョンではないかなと思うんです。これが半分もいけば物すごい産業界のための研究所だなという感じがすると思うんですね。
運営交付金が大部分だという状況だと、それの反対の極にあるということなわけで、その辺をどういうふうなところへ持っていくかということを実際にやりながら運営していただくと、産業界としても大変頼もしい研究所になっていったという証左になるんじゃないかなというふうに思いました。
小林(直)理事:
浅井委員の御指摘のとおりで、第1期の重点課題の進め方って、旧国研時代のなごりもありまして、シーズ駆動型の部分がまだまだ多かったと思います。それはあるフェーズでは必要なんですけれども、先ほど申しましたように、第2期目標期間では、どんなアウトカムを目指すのか、それをいつごろ実現したいのか、それに向かってどういうロードマップをかくのか、そのロードマップを実現するための個別のマイルストーンはいつごろ何を置くのかというきちんとしたロジックで研究計画を立ててくださいと、それが先ほど吉海理事が御説明した戦略にも反映されているはずと、それで一貫してうまくいけば、産総研モデルにもなり得るのかなというふうに思っています。
木村部会長:
ありがとうございました。
山野井さん。
山野井委員:
資料2-6の分野ごとの平成15年と16年ですね、評価が上がってきているという、この件について御質問させていただきます。
上から順番で何パーセントにどれだけ分布しているということなんですが、ユニットごとにうんと低いのがポーンと上がっていったとか、高いのがボンと落ちちゃったとか、この変動がよくわからないんですね。低いのがずうっと低いのか、全体が上がったのか、その辺の動き方というのがよくわからない。これが1点です。これは多分、改廃とかそういう問題に関係してくるかもしれませんので、それが1点です。
もう一点は、ラボ、センター、それから部門でしたっけ、これが全部同じようにバランスしているのか、上から下まで。ある部分はえらく左に寄っていて。部門というか、三つの、そういう違いがあるのかどうか。浅井委員のおっしゃったように、これは進展とか評価のポイントにかかわってくるような部分があるものですから、これはこのグラフだけでわからないものですから、それをちょっと教えていただけますか。
小林(直)理事:
各ユニットがどういうふうに変化してきたかというのは、きょうの資料の中に特にはないんですが、山野井委員おっしゃったように、再編をして変わってしまったユニットもあるんですが、既存のユニットは、特にセンターで既に4年もやっているところは毎年、徐々にですが、上がってきております。急に下がったとかいうのは、特別な事情がない限り、余りありません。
特にこの4年間見ていますと、最初悪かったんだけども、極めてよくなってきた一つの例で、ものづくり研究センターというのがあります。ものづくり先端技術研究センターかな、初年度が非常に悪かったんですが、かなりグググッと上がってきまして、今は普通といいますか。これはユニットの努力もありますし、世の中がそれだけITとものづくりの融合に注目をしてきたというところもあります。
それから、情報技術研究部門に統合されたサイバーシステム研究センターなんていうのもございまして、これはお台場にあったんです。これも3年間のあれではグッと上がってきたものです。
それから、新しくできました研究部門というのは、どうしても評価が低いです。ある意味でいろんなユニットが集まってつくったような部分がありまして、まだ重点化が進んでいないとか、ユニット長も新しい人が来て、まだマネジメントが進んでいないとかいうところがあります。時間がたってきますと、それなりにブラッシュアップされていくという印象がございます。
それが第1点ですね。
2点目は、大変あれですけれども、お手元に厚い成果ヒアリングがございまして、例えば35ページあたりをごらんいただきますと。参考資料2-2をごらんいただけますか、厚い本なんですが。それです。
それの35ページをごらんいただけますでしょうか。35ページに、6-2.ユニット群別のまとめというのがあります。6-2.ユニット群別のまとめの研究センターというのがありまして、この黒いのが三つ星、斜線の部分が二つ星、グレーのが一つ星となっております。これをごらんいただきますと、研究センターは比較的高目の評点が出ています。
一方、研究部門は一番下ですけれども、極端に悪いのはありませんが、少し平均点では下がっています。研究ラボというのは、新しいものもありますし、できたものもあるし、数が少ないですからちょっとあれですけれども、センターと部門では少し分布が違っています。
この主な違いは、去年分析したんですが、研究センターというのは人数が少ない、20人ぐらいプラス外人。一方で研究部門というのは80人とか100人とかかなり多人数ですから、研究の重点化とかブラッシュアップ度からいうと、センターの方がいい評価になっています。マネジメントも、人数が多いと難しいということがございまして、研究部門とセンターでは差があります。
ただし、ここに書いてあります三つ星、二つ星、一つ星というグループ分けをするんですが、そのときにはセンターはセンターだけで、部門は部門だけでグループ分けをするように、その特性を生かすようにしております。
山野井委員:
もちろんそうですね。
小林(直)理事:
初めは全部一緒にやったんですけれども、そこの特性は分けようということにしました。
木村部会長:
ありがとうございました。
高橋さん。
高橋委員:
質問です。
昨今、阪大の例が有名になりましたが、捏造等の問題が出ておりますけれども、この第1期期間中に、こちらではなかったのか。もしなかったとすれば、どういう予防策をとられておられるのか、お願いします。
木村部会長:
よろしくお願いします。
吉海理事:
明らかに、そういったある種事件性のケースというのは、私どもは正直言って把握しておりません。少なくとも、そういうものが顕在的に報告されている事例は現状ではないということだと思います。
予防策というのは、大きな産総研の中の研究者の憲章というのを研究者自身が案をつくって全所的に共有しております。その憲章のもとに研究倫理というものを非常に認識を深くしてきている状況にあるのではないかと思っております。
小玉副理事長:
第2期に入りましてから、さらにその体制を強化しようと進めてきているところでございます。
先ほどの憲章につきましては、鳥のついている資料の一番後ろのページに書いてございます。これは簡潔に言葉を選びましてつくったものでありますけれども、研究者だけでなく、産総研の職員みんなが社会の中にあって、社会のために行動する、最後は責任ある行動、コンプライアンスの行動を取る等、これはいろいろな規約あるいは規則の最上位にあるという理解で制定されたものでございます。
これのもとに、特に今のようなリスクあるいはコンプライアンス体制につきましては現在、第2期に入りましてから早急に構築しているところでありまして、つい先日ですが、私が委員長になりましたリスク管理委員会を最上位構造としてつくりました。そのもとにさまざまなポリシーあるいはマネージングの委員会をつくってございます。
現在は、特にその中で研究倫理の委員会をつくってございます。研究倫理の委員会というのは非常に難しい課題がございますが、委員がおっしゃいましたように、特に研究の捏造の問題であるとか、いろんなデータの盗用の問題、その他、予算執行の問題、リスクとしては、可能性としては当然あるという理解はございますので、そういうことに対して意識を共有する、あるいは対策を講じるというために、研究倫理の委員会を立ち上げている最中でございます。
高橋委員:
今あっちこっちで、これだけ起きていて、現在のところ把握されてないというぐあいに産総研ではうまくいっているのであれば、今後の予防策じゃなくて、今までなかった要因を聞かせていただけますか。
吉川理事長:
今の話にありますように、社会的状況はこういうことが起きやすい状況になっているんですね。研究費が多いとか、研究というものを通じて金がかせげるとか、ベンチャーとか、そういうさまざまな要因があって、いわばそういう誘因が多くなったと言えます。
さて、私どもは、私の信念と言ってもいいんだけど、目標観の共有ということが、そういうことを防ぐ一番いいやり方なんですね。孤立すると、そういう問題に、すぐ誘惑にかかる。色合いですからね。そういう面があります。ですから、自分が何のために研究しているのかという意識が一番、こういう問題についてのいい薬なんですね。
それと、うちは評価をきちっとやっております。評価というのは、○×つけているわけじゃなくて、きょう御理解いただいたと思うんですが、評価というのは一種のエンカレッジなんですね。中の人ですけれども、第三者が研究を見ていてくれているんだということの、共有するような組織論的な構造もあります。
一方で、産総研の目標は一つに向かっているんだということの連帯感とか、そういった問題がさまざまに効いているんだと私は思っているわけで、対外的にもそういうことを明らかにしていこうと考えています。
木村部会長:
ありがとうございました。
ほかにございませんでしょうか。
橋本さん。
橋本委員:
一つ質問ですが、地質関係で、地質部門ですね、これは非常に地味であるけれども、昨年度は非常に成果があったと思うんです。
ここで質問は、国土庁ですか、特に地震とか地質というのは国土庁関係が一般的には中心のように思われるんですが、産総研と国土庁関係の研究所との研究の違い、あるいは連携あるいは融合というんですか、どうやっておられるか、その辺をお聞きしたいんですが。
吉海理事:
私、その分野の出身なものですから、お答えさせていただきます。
国土全体に関しましても、非常に幅の広い分野のデータを総合する、逆に言えば、ですからこそ総合するということは確かにございます。ということで、どこでも一つの省庁、官庁ではカバーし切れないという状況にございます。
例えば今おっしゃいました国土庁関係で言いますと、地形図という、これは現在、国土地理院というところが発足当初、100年以上前からずうっと地形図をつくっておりますが、そこの中身は何があるかということは資源等にも関連しましたし、その他の環境の問題も関係しまして、これはどちらかといいますと、ケミストリー、地質の質という部分が入るんですが、これはまた相当幅の広い専門家が必要ですので、そういう分野の人は、例えば先ほどの国土地理院にはほとんど一人もおりません。そういう形で、専門分野は完全にシェアされております。
ただし、例えば火山の噴火でありますとか地震というのは、どちらも一つだけではカバーすることができません。そのほかにも、文科省の防災科学研究等々がそれぞれ得意のデータを持ち寄りまして、現在では、そういう生のデータを直ちに共有できるような仕組みがつくられています。例えば地震について言いますと、地震調査研究推進本部という形で全体を統合している。
そういう形で、そういう部分に我々の組織は、特に地質という部分、あるいは特に地質というのは歴史を含んでおりますが、そういう歴史的なデータについて資料を提供すると、役割分担をしているということになってございます。
先ほどの第2期の研究戦略においても、その辺の今後のことも含めまして戦略が書かれてございます。ページで言いますと、148ページあたりに。参考資料2-4、第2期研究戦略の本文の方でございます。それで言いますと、148ページの左上の第3図にかいてありますような分野ですね。
それから、149ページの上の方には、今御指摘ありましたように、各省庁の研究機関がそれぞれ書いてありまして、観測する内容あるいは観測する対象、航空宇宙まで含めまして、こういう形でシェアしているとともに、お互いのデータはすぐに持ち寄れるような仕組みができております。
橋本委員:
わかりました。
木村部会長:
よろしゅうございますか。
ほかにございませんでしょうか。
今の地質関係のことについて、先ほど申し上げたことと関係しますけれども、中期計画がきちんと達成できて、むしろ非常に高く達成できているんですけれども、依然として評価がよくならないんですよね。評価委員の先生方、プロダクト、論文だ、製品だって見ちゃうんですよね。これだけ中期計画達成状況がよければ、私、去年指摘させていただいて、ぜひお願いしますと言ったのに、余り変わってない、ちょっとがっかりしたんです。少しはよくなってますけど。
小林(直)理事:
私も、ここは随分努力したんですが、私も地質関係の評価委員会に幾つか出ましたが、地質関係の評価委員の特に大学の先生は皆さん割と厳しい目で見ておられますね。ほかの分野より若干厳し目かなというのは、正直ございます。
ただ、それをエンカレッジに持っていかなければいけない。そこら辺は、先ほど申したように、主席評価役というのを入れまして、地質関係の主席評価役はかなり細かく分析しまして、そういう内部レポートもございます。第2期には、できるだけそれも生かして、より努力をしたいと思っています。
木村部会長:
ありがとうございました。
ほかにございませんでしょうか。
大分長丁場でくたびれちゃった。よろしゅうございますか。これから我々の作業が始まるので、これからが大変ですけれども、まだ時間少しございますが、よろしゅうございましょうか。
かなりかいつまんで資料を御説明いただきました。ポイントについてはほとんど網羅していただいたと思いますので、評価はある程度効率的に行われるのではないかと思います。
時間はまだ余っておりますけれども、いかがでしょうか、説明でここは言いたかったけど、飛ばしちゃったということが吉海さん、もういいですね。
吉海理事:
できれば、個別に御紹介したいと思います。
木村部会長:
それをやっていると、また時間が30分じゃ足りないと思います。
大分長丁場になりましたので、この辺で閉じさせていただきたいと思います。

その地

木村部会長:
その他として、何か事務局から御連絡ございますでしょうか。
長野産総研室長:
一つだけ御報告した上で、もしあれば御意見ということで、こういう資料でございますけれども、資料3を見ていただきたいんですけども、役員給与規程、それから退職手当の改正がありましたので、その報告をさせていただきたいと思います。資料3、1枚紙と別添1、2、3、4とございます。よろしゅうございますか。
役員給与規程と役員退職手当の規程でございます。これは独法の通則法の52条、53条に、変更があった場合は評価委員会に報告するということになっておりますので、これを見ていただきたいと思います。
この規程自体は産総研が自律的に決定できるわけでございますが、主務大臣に報告して、評価委員会は、評価委員会に報告した上で意見を申し述べることができるというふうに規定されております。そこで、簡単に御報告させていただき、意見を求めるというプロシージャーがございます。
ただ、今回の改正は極めて簡単なもので、一言で申し上げますと、役員給与規程に関しましては、引用しております産総研の職員給与規程の単身赴任手当の箇所の条文等が本年4月の非公務員化独法の移行に従いまして、その条文の並べ方が若干改正された。そこで、その条文に引用を合致させるための改正であります。形式的なものでございまして、実質的な変更点はございません。役員給与規程については別添1が改正後の資料でございまして、その新旧対照表が別添2に示されております。
同様に、退職手当規程につきましても、準用しております国家公務員の手当法というところに改正が生じておりますので、それに合致するための形式的な改正でございます。産総研としても、そのように、それにあわせて改正したという形式的な改正でございまして、制度上、実質的な変更点が生じたわけではございません。
以上、報告させていただきます。
木村部会長:
ありがとうございました。
ただいまの御説明に関しましては何か御質問ございますでしょうか。よろしゅうございますね。
それでは、御了承いただいたということにさせていただきます。
先ほど申し上げましたように、これから私どもの評価が始まるわけですが、24日締め切りですね。評価フォームの電子媒体はいつ我々のところに届くんでしょうか。
長野産総研室長:
これは来週月曜日。
木村部会長:
月曜日に届きますので、2週間ありませんけれども、ひとつよろしくお願いいたします。
次回の予定等について何かありましたら、よろしくお願いします。
長野産総研室長:
事務局から簡単に次回の部会でございますけれども、7月8日金曜日、9時から、経済産業省の中の会議室で、産総研の平成16年度の評価と中期目標期間評価の最終評価の御審議をいただくことになっております。時間は3時間ほど予定しておりますが、詳細については別途御連絡させていただきたいと思います。
それから、きょうの内容に関して追加の御質問等がございましたら、事務局まで御連絡いただければ対応させていただきたいと思います。
もう一つ、議事要旨というものをつくっておるんですけれども、これは従来同様、部会長、事務局に御一任いただければと思います。それから、議事録については案を取りまとめますが、取りまとめ次第、各委員に御送付いたしまして、それから確認いただきたいと思います。
それから、本日の資料は大分重いものになっておりますが、大分ボリュームもありますので、御希望であれば、後日送付させていただきます。その際は、封筒がございますので、そこにお名前を書いて、そのまま机の上にお残しいただければ、登録されている住所あてに御送付したいと思いますので、よろしくお願いします。
木村部会長:
ありがとうございました。

閉会

木村部会長:
本日は、大変長時間にわたりまして御議論賜りまして、ありがとうございました。評価の方、ひとつよろしくお願いいたします。
どうもありがとうございました。

以上

 
 

最終更新日:2008年2月29日
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