経済産業省
文字サイズ変更

独立行政法人評価委員会産業技術総合研究所部会(第17回)-議事録

日時:平成20年6月4日(水)

場所:経済産業省本館2階西8会議室

議事概要

  • 木村部会長

    おはようございます。時間になりましたので、ただいまから第17回産総研部会を開催させていただきます。

    議事に先立ちまして、委員の変更並びに事務局の方々の交代がございましたので、それについて、事務局からまず御紹介をお願いいたします。

  • 都筑産総研室長

    今回の改選でございますけれども、今年の2月に、業務が繁忙ということで新日鐵の黒木委員がお辞めになりました。その後任の人事といたしまして、産業界からの代表ということで、産総研に詳しい方ということで検討いたしました結果、協和発酵工業株式会社の技術顧問であります手柴貞夫さんに、5月15日付で委員としてお願いをいたしてございます。

    あと、事務局と産総研のメンバーでございますけれども、事務局につきましては、今ちょっと遅れておりますが、徳増産業技術担当審議官が替わってございます。

    それから、奈須野技術振興課長が新たに着任をしております。

    産総研の役員につきましては、まず、脇本真也理事でございます。

    古賀茂明理事でございます。

    矢部彰理事でございます。

    今日欠席しておりますけれども、田中信義理事が替わっております。

    あと、石野秀世監事。

    以上がメンバーでございます。よろしくお願いいたします。

  • 木村部会長

    ありがとうございました。よろしくお願いいたします。

    引き続きまして、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

  • 都筑産総研室長

    資料でございますけれども、確認させていただきます。

    大部にわたっております。まず、クリップを外していただいて御確認いただければと思います。資料1-1が、経済産業省の独立行政法人の実績評価の基本方針。資料1-1の別添として評価表。資料1-2、これが産総研の評価基準でございます。資料1-2の別添(1)、(2)、(3)、(4)。資料1-3、評価スケジュール。資料1-4、業績勘案率について。資料1-4の別添(1)と(2)。参考資料1-1、1-2、1-3、1-4、1-5、1-6、1-7ということでございます。以上が、経済産業省のほうで用意をした資料1シリーズでございます。続きまして資料2でございます。これは産総研のほうで用意をした資料でございまして、赤いファイルがございます。開けていただきまして、資料1から資料8までございます。参考資料につきましては、資料2-1、2-2、2-3、2-4。2-5につきましては、こういう形で「研究戦略」が2分冊ございます。あと、資料2-9と2-10ということで、A3横長の本表と別表がございます。

    もし過不足等ありましたら、事務局までおっしゃっていただければと思います。

  • 木村部会長

    よろしゅうございましょうか。

    1シリーズ、それから、このファイルの2シリーズとそれ以外の2-9、2-10となっておりますが、過不足ございましたら、後ほど事務局にお申し出いただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。


(1)経済産業省所管独立行政法人の業務実績評価の基本方針について

  • 木村部会長

    それでは、議事次第に従い議事を進めさせていただきます。

    本日は、産総研の平成19年度評価に係る実績報告ということになっておりますが、その前に、経済産業省所管の独立行政法人の業務実績評価の方針等について、大臣官房政策評価広報課から、資料1-1に基づいて説明をお願いいたします。全体会議に出ておられる委員の方は御存じだと思いますが、政評課のほうから全体的に高ぶれをしないようにというふうな方針の説明がございましたので、その辺りの事項について、まず掛川政評課長補佐から御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

  • 掛川政策評価広報課長補佐

    大臣官房の政策評価広報課の掛川と申します。よろしくお願いいたします。

    経済産業省所管独立行政法人の業務実績評価の基本方針について少し改定をさせていただきましたので、その内容について御説明させていただきます。資料1-1をごらんいただけますでしょうか。

    昨年の独立行政法人整理合理化の中で、評価のあり方についても幾つか議論がありました。昨年の7月に、総務省にあります政策評価独立行政法人評価委員会のほうから、独立行政法人の中期目標期間終了時の見直し及び業務実績評価に関する当面の取り組み方針というものが示されまして、そちらのほうで、細かいこういった部分を見るべきであるとかという評価が出されまして、それを受けて、昨年末に整理合理化という形で決まったわけなのですけれども、その内容を踏まえまして、資料1-1にありますように改定を行わせていただきました。

    こちらの大きく変更している点としては2つポイントがございまして、まず1つ目としましては、見ていただきますと、1ページ目の一番下のところになるのですが1.(3)(ロ)、委員会として横断的に見る部分、親委員会になります政策評価の独立行政法人評価委員会のほうで横断的に見る部分といたしまして、もともと以前から、(1)の契約形態の選択が適切に行われているかという部分と、(2)の役職員の給与等の水準が適正か、これは従来からあったものですけれども、さらにチェックすべき項目として政独委から示されたものが多くなりましたので、(1)のところに、「契約に関する情報公開は適切に実施されているか。」という1行をつけ加えさせていただいています。

    また、(3)、(4)、(5)ということで、「資産は有効に活用されているか。」「欠損金、剰余金の適正化に向けた努力が行われているか。」「リスク管理債権の適正化に向けた努力が行われているか。」この部分を横断的に見る点として追加をしております。

    また、2つ目の大きな変更点といたしましては、真ん中のちょっと下のほうになりますけれども、(ニ)の部分で、今まで評価を行う際の大きな柱といたしまして、業務運営の効率化に関する事項と、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項、もう1つ、(3)ということで財務内容の改善に関する事項、(4)で、もしここがある場合には、その他の業務運営に関する事項という項目があったと思いますが、それぞれのウエイトにつきましては、昨年までは、それぞれ部会毎に法人の実態を見て決めるという形にさせていただいていたのですけれども、先ほど説明しましたように横断的に見るべき項目としまして、主に業務運営の効率化に関する部分と財務に関する部分というのが実際には細かく見てくださいという形になっておりますので、それぞれの部分を十分に見ていただくという意味で、(1)の部分と(3)の部分をそれぞれ20%というふうにさせていただきました。(2)の部分は、従来からサービスの部分が全体の一番重点を置いてほしい部分ということにさせていただきましたので、残りの50%から、その他の部分がありましたら10%までで設定をしていただきまして、その残った部分をサービスのところに充てていただく。

    また、サービスの部分も、実際には皆さんいろんな業務をやられておりますので、サービスとして一つの評価という形ではなくて、中にいろいろ3本柱ですとか4本柱というふうに業務が構成されていると思いますので、中を分けていただいて、それぞれについて評価がわかりやすくなるように分割して評価をしていただいて、最後に全体を総合評価という形で加重平均をしていただくというような形で、各法人毎のウエイトを揃えさせていただくというような2つの変更をさせていただきました。

    以上を踏まえて評価をしていただきまして、もう1つ、資料1-1別添(1)というほうが、親委員会に実際には御報告いただく評価シートになるのですけれども、こちらのほうに細かくさらに見ていただきたい観点を入れておりますので、2ページ目をごらんいただけますでしょうか。2ページ目の下半分のところに「必須」と書いてある部分がありますけれども、もともと業務・システムの最適化については、従来からチェックをしてくださいということで、昨年度からも入っているのですけれども、その下に、さらに内部統制に関する観点、さらにはその下の官民競争入札等の活用、これは一般に市場化テストとか、あと、外部のアウトソーシングなどを活用している状況を記載していただいて、その実態が適切に行われているかの評価をしていただくという形になります。

    あと、ちょっと飛びますけれども11ページ、財務内容の点につきましては、横断的に見るべき観点として3つ加えさせていただいた部分を、実際には保有資産の有効活用の部分、12ページをおめくりいただきまして、欠損金、剰余金の適正化、リスク管理債権の適正化についても評価のシートのほうに詳しく記載をしていただきたいということで、部会のほうでご議論をいただきまして、親委員会のほうに、7月になりますけれども御報告をいただきたいということでよろしくお願いいたします。

  • 木村部会長

    ありがとうございました。

    従来と違いまして、今御説明がございましたが、例えば資料1の別添のところで、「必須」というのが2ページには3つ入っております。あと、11ページのところに、また「必須」という項目が1つあります。12ページのところにも2つ「必須」というのがありますが、これは必ず書いていただくということでになっておりますので宜しくお願いします。必ずコメントしていただくということです。プロでない我々からするとコメントしにくいところもありますが、コメントせよということですから、何らかのコメントを書かなければいけないということと思います。ありがとうございました。

    ただいまの件について、何か御質問等ございますでしょうか。これは部会で少し検討して、ある程度のヒントを得て書くということになろうかと思いますが、よろしゅうございますか。

    ありがとうございました。


(2)評価基準及び評価スケジュールについて

  • 木村部会長

    それでは、次へ参ります。2番目になりますが、産総研の評価基準及び評価スケジュールについて、これは資料1-2、1-3ですが、これは都筑さんですね、よろしくお願いいたします。

  • 都筑産総研室長

    それでは、先ほどの基本方針を踏まえまして、産業総合研究所の独法評価基準の改定をいたしましたので、説明をさせていただきます。

    資料1-2ですけれども、先ほどお配りしたのが、2ページ目が逆さまになっていたということで、後から直したものをお配りしていますので、それを参照いただければと思います。説明についてですけれども、主に変更点ということで、資料1-2別添(1)にまとめましたので、それをごらんいただければと思います。A4の横長の表でございます。

    先ほど説明がありましたけれども、横断的な項目について必ず評価をするということの中で追加がございまして、契約に関する情報公開が適切に実施されているか、(3)として、資産は有効に活用されているか、余剰金の適正化に向けた努力が行われているか、これを追加しております。電子処理については、(3)を(5)という形にさせていただいております。

    リスク管理債権については、産総研については該当がないということなので、先ほどの12ページの下にありますリスク管理債権の適正化については、該当なしということで入れてございません。

    次のページでございますけれども、右側に現行ですが、「総合的な評価に当たっては、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項の評価結果を最も重視して行う。」ということですが、先ほどありましたように横断的な項目が追加されて、そちらのウエイトが出てきましたので、ここについては削除とさせていただいております。

    それから、総合評定を行う際にウエイトづけを行うということですけれども、ここは表現を評価方針の形に直させていただいております。

    それから、ウエイトでございますけれども、サービスが60%、業務内容の高度化による研究所運営の効率化については20%、財務については20%という形になってございます。あと、表現ぶりは方針に直させていただいてございます。

    次のページでございますけれども、下に6ページと書いてございますけれども、項目別業績評価における考慮事項ということで、「項目別業績評価に当たっては、標準的に達成された場合をBとすることを基本とする。」ということを追加させていただいております。

    II.3.ですけれども、ここも、サービスを最も重視するというところを削除させていただいております。

    次の7ページのところですが、そこも年度計画と同じように言いぶりを方針と合わせてございます。

    資料1-2別添(2)というA3の横長の1枚紙をごらんいただきたいと思います。基本的にはこの部分は変わっておらないのですけれども、まずウエイトづけにつきましてサービスのところ、II.のサービスの評定ウエイトを60%とさせていただいております。それに合わせまして中のものも、1.の「質の高い研究成果の創出とその活用のために講じる方策」が20%。研究開発計画のところの各項目を5%とさせていただいております。業務運営の効率化が20%、財務が20%、その他は0%となっております。

    それから、III.の業務運営の効率化ですけれども、太字で書いてありますが、5番と6番と7番、業務システムの効率化、内部統制、官民競争入札等の活用という項目。それから、その下のIV.の財務内容の評価でございますけれども、5.に剰余金の適正化というものを入れさせていただいております。

    それから、資料1-2別添(3)ですけれども、補足評価表というのをつけさせていただいております。これは業務システムの最適化、内部統制について、官民競争入札等の活用についてということで、横断的に見るべきことに対応して1枚ずつつくらせていただいております。このフォーマットに記入するに当たっては、産総研のほうで提出をされております資料2-8を見ていただいて評価をいただくという形にさせていただいております。

    資料1-2別添(4)でございますけれども、補足評価表の変わったところの一覧表をつけてございますので、御確認いただければと思います。

    以上が、評価基準及び評価フォーマットの改定の内容でございます。

    続きまして、資料1-3をごらんいただきたいと思います。今後のスケジュールです。

    本日、17回の部会を開催いたしまして、業務実績の説明と報告をいただきます。これを踏まえまして、終了後に各委員に評価表、これは電子媒体でエクセルとワードですけれども、メールをさせていただきます。もし質問等がございましたら、6月中旬までに私どものほうにいただきまして、それに対して回答をさせていただきます。回答に当たりましては、委員全員に質問と回答を送らせていただいて、情報共有を図らせていただきたいと思っています。

    それから、評価表の集計でございますけれども、提出期限は6月20日ということにさせていただきます。これを踏まえまして事務局のほうで集計をいたしまして、その結果をもって7月4日に第18回を開催いたしまして、そこで最終的な評価の御審議をいただいて決定いただくということになります。この時に、あわせて19年度の財務諸表につきましても報告をいただく予定となっております。

    以上でございます。

  • 木村部会長

    ありがとうございました。

    いろいろ資料をつけていただいておりますが、我々委員が記入する資料は、横長の資料1-2別添(2)です。そのための資料が、今御説明いただいたようにたくさんあるということと、若干書き込む資料のフォーマットが変わっておりますので、その辺、お気をつけいただきたいと存じます。例えば、御説明がございました資料1-2別添(2)の左側のほうのIV.財務内容の改善に関する事項(評価ウエイト20%)、この中の4番目に剰余金の使途というのが入っています。こういうのが幾つかありますので、お気をつけいただきたいと存じます。

    いかがでございましょうか。何人かの委員の方はなれておられるかもしれませんが、そうでない方もいらっしゃいますので、事務局にお聞き頂きたいと思います。いかがでございましょうか。

    どうぞ。

  • 谷川委員

    評価の対象には、今おっしゃった財務内容の改善に関する事項ということがありますけれども、スケジュールでは7月4日に、これは評価が終わった後ですけれども、19年度財務諸表についての説明があるということなのですが、我々が評価する前に、この19年度実績についての御報告というのはしていただけないのでしょうか。でないと、後で御説明いただいても、ちょっと後先になって余り意味がないと思うのですが。

  • 都筑産総研室長

    7月1日までに会計監査人からの意見をいただいて、そうしないとまとまらないということがございますので、最初の評価に当たりましては、今日、財務諸表が確定する前のおおむねの方向についての説明はここの中に入っておりますので、まずはそれで御評価をいただきまして、最終的に数字とかいろんなそういうところ、あと、今日監事に出席していただいていますけれども、監事のほうから適正であったかないか、そういったところの報告を、7月4日に確定したものをいただくということでございまして、できれば、まだ確定はしてないのですけれども、現在でわかる状況についての御説明をいただいた上で仮の評価をしていただき、最終的に7月4日に確認をしていただくという形でお願いをしたいと思います。

  • 木村部会長

    この点が、一番評価委員としてはよくわからないところなのですよ。大体自然科学の方がいらっしゃるのでほとんどわからないので、これまで余りきちんと見てない。これは外に出るとえらいことになるのですけれども、そういう状況でございます。ですから、この中に専門家の方がいらっしゃいますので、その方の御意見を伺いつつ、こんなものかなと。今日も御説明いただけるかと思いますけれども、判断せざるを得ないという状況になっておりますので、御理解いただきたいと思います。

    よろしゅうございましょうか。

    どうぞ、先生。

  • 松重委員

    説明があったかもしれませんけど、補足評価表の中で、資料1-2別添(4)で、昨年度は政策評価等々のものでいろんな項目があって、その中でも、例えば他の独法との連携であるとか地域振興、産学官連携等々があるのですけど、これが今年度は落ちるというのは、何か政策的な、この部分は、ある面では非常に重要なところではないかなと。といいますのは、全体的に見たら非常に内部的なところの評価という形で、こういう国の非常に大きな研究群がどう向かうのかというところで懸念するところがあるのですけど。

  • 都筑産総研室長

    昨年度は、独法横並びで全部、評価委員はどうなっているのかというのを評価したということで、特別に特記をして書いてくれということで、特別の項目として出てきております。今回は、これらの例えば研究独法の連携でありますれば、産総研の中でも当然のごとく対応しておりまして、実績評価の中にも入ってございます。評価の中では、IIの「質の高い研究成果の創出とその活用のために講じる方策」の中でも、成果の社会への発信と普及とか、そういった研究のマネジメントのところで一応実績報告はされておりまして、それも踏まえてここで評価をしていただくような形になっていまして、この視点が落ちたというか、全体を見たら特出しをしたのだけれども、引き続きその視点は非常に大事なので、通常の評価の中で埋め込まれた形で評価をしていただくという形になるということでございます。

  • 木村部会長

    どうぞ。

  • 室伏委員

    今の御質問と御意見に付け加えたいのですけれども、産総研の持っているミッションが、この新しい評価方法では埋没してしまうような気がして、心配です。横並びの評価というのは、ある意味では大事なのだろうと思いますが、それぞれの法人の持っているミッションはそれぞれ全く違うので、そこをどういうふうにして表現し、わかっていただくような形にするかということが、今年度の評価の課題ではないかなと思うのですけれど。どうしたらよろしいのでしょうね。

  • 木村部会長

    私が答えるのも変な話ですが、産総研自体はユニークなミッションをつくられており、我々はそれに対して評価をすることになっていますが、国全体としては、そういうものを一括してまとめてしまいますので、はっきり申し上げて、そこで個性が殺されてしまうということになっています。この点は、私は制度の欠陥だと思っています。室伏先生の御意見は理解できますけれども、結果としてはそうなってはいないということですね。

    将来の課題だと思います。今、総務省を中心に評価のやり方を変える方向で考えているようです。私、昨日報告を受けたのですが、私の独断と偏見で申し上げますと、評価のやり方はますます悪くなる方向に行っているように思います。今先生がおっしゃったようなことがますます消されてしまうような方向へ行くように思います。ですから、この辺は各方面で声を上げて、将来に向かって良い方向へ持って行くべきだと思います。同じ経産省の中でもいろいろな独法があって、それぞれミッションが違います。にもかかわらず、総務省がそれを扱う時は一括して扱われるという問題があります。その辺は今後の課題と申し上げてもよろしいのではないかと思います。

  • 都筑産総研室長

    評点をつけるという大きな目的というか作業があるわけですけれども、コメントの欄が設けられておりますので、ぜひ産総研への期待とか、こうしてほしいとか、建設的な意見とかというのをここにまとめて書いていただいて、それを事務局のほうで、先ほどありましたこういう形でまとめる時に、評価委員の先生のそういう思いをここになるべく酌んで、木村部会長から総務省の評価委員会のほうに発信できるように、そんな感じで取り組ませていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

  • 木村部会長

    他にございませんでしょうか。

    どうぞ、松重先生。

  • 松重委員

    関連してなのですが、今部会長が言われたように、総務省の場合は全体を眺めての評価をすべきという形の観点だと思うのですね。だけど、各独法にしろ、やっぱり個性があるし、それがあることが生き生きするところだと思いますので、総務省の評価は全体の共通評価で、6割か7割で、あとは別のものの評価を含めて全体を考えるというぐらいの二重の視点が、総務省がそういったような方向になっていれば、そういうことを考えないといけないのかなと。これはやはり全体に発信といいますか、していただいたほうがいいのではないかなと思いますけど。

  • 木村部会長

    ありがとうございました。

    よろしゅうございましょうか。

    それから、私の口からは申し上げにくいのですけれども、海外出張で22日までおりませんので、勝手を申して済みませんが少し締め切りを延長していただけませんか、ぎりぎり延ばして何日になりますか。

  • 都筑産総研室長

    事務方のほうで取りまとめますので、4日の少なくとも1週間前までかな。

  • 木村部会長

    25日までいただければ、私は大丈夫だと思います。

  • 都筑産総研室長

    では、わかりました、25日までということでお願いいたします。

  • 木村部会長

    お認めいただければというふうに思います。ありがとうございました。

    それでは、まだあとたくさん議題が控えておりますので、1-2、1-3はこの辺でよろしいのですね。

    産総研部会としては、評価基準をただいま御説明いただいた案のとおりに決めたということにさせていただきます。非常に勝手でございますが、私の個人的な事情で締め切りを6月25日とさせていただきたいと思います。


(3)平成19年度業務実績について

  • 木村部会長

    それでは、早速でございますが、本題に入りたいと存じます。

    産総研のほうから、平成19年度実績についての御報告をいただきたいと思います。進め方といたしましては、まず最初に吉川理事長から御報告をいただき、その後、議題3にかかわる報告を順次行っていただいて、最後にまとめて質疑を行うということにしたいと存じます。吉川先生、脇本理事、伊藤理事、矢部理事、中島理事、古賀理事と、そうそうたる方がずらっと並んでおられますが、まことに恐れ入りますが、時間についてはなるべく手短にお願いをしたいと存じます。よろしくお願いいたします。

    では、吉川先生お願いいたします。

  • 吉川理事長

    それでは、私が最初に、ご挨拶にかえまして簡単に申し上げますが、それぞれの項目については担当の理事から説明をいたします。

    大変難しい評価に取り組んでおられる委員の方々にまず感謝いたしまして、産総研も2001年に発足して7年たったのですけれども、7年目ということでいろいろなことがありますけれども、大きな流れとしては、出発時に立てました目標の正当性を確認しながら、さらに展開中であるということを御報告できることは大変喜ばしいことだと思っております。

    私から申し上げるのは新しいことなのですけれども、早速、資料2-1に入りますが、図の2番目は目次でございまして、3というのを開いていただきます。私のほうからは、最近やっております2つのサービス工学研究センターと新しいジャーナルということについてだけ御報告するわけですが、これもいわばこの7年間の成果の形になったあらわれだというふうに御理解いただきたいのですが、最初のサービス工学研究センターということですけれども、これは皆様御存じかどうか、私たちの世代の人間にとっては、1980年ごろにサービス産業の生産性の低さということに驚愕するのですね。日本は生産性の国だと思っていたのが、国際比較で第何十位だということがわかりまして驚愕する。しかし、その後もうまくいかなかったというような話も長い間続いているわけでありますが、そういったことで、改めて「新経済成長戦略」の中には、サービス生産性向上運動というものが入ってくるというわけであります。これも結局、サービス産業に対する基礎を提供するという研究をここでやろうということで、それは生産性向上のために役立たせようということでありますけれども、高度成長というふうに言われた1970年から85年の間に生産性が極めて大きくなった。これは労働生産性が製造業を中心に何倍かに上がっていくのですけれども、その時に、主としてITの利用ということが非常に強く行われており、サービス産業には全く行われなかったという、これが非常に国際的に遅れた理由なのですが、しかしながら我が国が上げましたポテンシャルの高さ、製造業で見せました生産性ということに関するポテンシャルの高さは、当然これはサービス業にも適用可能ということで、いわば日本が持っているポテンシャルを掘り起こすような理論と実践ということを、改めてここできちっとやろうということです。

    ごく簡単に申し上げますと、4というふうに書いてあります「サービスにおける科学的・工学的手法」ということなのですけれども、サービスということについて、科学あるいは工学というものはほとんどなかったという状態の中で、スパイラルが下に書いてありますけれども、私どもは持続的進化と言っているのですけれども、こういったいわばサービスのように人間の入っているものにつきましては、1つの理論があって、そこを適用すればよくなるということではなく、社会の中でのサステーナブル・レボリューションというような形での進展しかあり得ないという一つの確信を持っているわけで、そういったことで回転型のらせん型に上がっていく、そういう生産性向上の仕組みというのを考えているわけで、ここにございますように、まず提供者によるサービスの設計、適用、観測、分析といったようなこういう一つの流れを、サービス科学というのは、いわばサービスを提供するドナー、あるいはそれを受けるレセプターの社会的・心理的あるいは生理的な、そういった構造というものを様々な学問を動員しながら明らかにしていく。そういう中で一つの情報の循環系としてのサービス工学というのを捉えることによって、問題点を明らかにしながらサービス生産性を向上させよう、こういう計画でございます。

    そういうことで、5という図にもありますが、ここでは、こういった形で新しいサービス生産性向上のための、科学的・工学的手法の確立のための新しいセンターをつくろうと。どういうわけか私がセンター長になっておりますけれども、こういういわば全所的な体制でサービス工学というものを検討しよう。言いかえればサービス工学というのは、現在のところ、サービス工学という一つの独特のジャンルであるというよりは、すべての産業活動というものと関係を持つような構造を持っておりますので、この様々な研究グループ、これは情報系もあります、材料系もあります、人間工学もあるのですが、そういう人たちの中でサービスということに非常に意識の高い研究者たちが集まった研究グループをつくって、先ほど申し上げたような情報循環のループというものを科学的に分析し、いい素材を提供していこうということです。

    6なのですけれども、本格研究ということをこの産総研では長い間やってきた、この7年間やってきたわけですけれども、この本格研究の中で、度々申し上げましたように第2種基礎研究というのがあって、右側の図にありますように、夢の研究が現実に至るまでに非常につらい、いわば社会的にも認知されないし、従事している研究者自身も、自分がやっていることについての明快な方法論というのがないような、そういう部分を通過しないと、これを悪夢と呼んでいるのですが、実際の研究にならないということがあって、このいわば第2種基礎研究に従事した研究者というものが、社会的に遇される、あるいは自分でも研究として確認でき、それを蓄積できる、さらには社会的に第2種基礎研究の研究成果というものが継承される。

    様々な目標というのがあるわけなのですけれども、それを実現するものとして、ここにお配りしております「Synthesiology」という、発音しにくいのですが、10回ぐらい言っていただくと言えるようになるという、日本語では構成学と呼んでいますが、構成の論理というような形で、第2種基礎研究として成果を上げた者が論文を出す、こういう雑誌を発行するに至りました。これは様々な調査をして、結果的に現在持っている私たちの学会、これは世界的にも含めてですが、諸学会というものは、第2種基礎研究を受け付けてくれるところがないのですね。いわばどの学問分野にも属さないというようなことになりまして。そういうことで、この「Synthesiology」というのを発行し、現在お配りしてあるのは2号までで、日本語でありますけれども、間もなくこの英語版を出します。これを国際誌として将来は展開していこうと、こういうことであります。

    それが最後の7になりますけれども、こういった形で、いわば第2種基礎研究のプロセスと成果を記述し、発表し、議論し、問題を共有する場。すなわち学問というのは、当然社会的に継承されていくわけですので、第2種基礎研究に従事したいわば知的作業というものを、この「Synthesiology」で継承していこうということでございますので、ぜひ御愛読いただきたいと思います。

    以上で私の説明を終えますので、次に脇本理事から。

  • 脇本理事

    企画担当をしております脇本でございます。

    それでは、資料2-2に基づきまして、「産総研の研究経営の視点と成果」ということで御説明申し上げたいと思います。

    1ページにございますように、大きく2つに分けまして研究経営の現状を全体的に御説明するとともに、中期目標というのがあるわけでございますが、19年度におきます中期目標の達成状況につきまして、数字的に御説明をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。

    それでは、このパワーポイントのページ数で御説明申し上げます。2ページ、「産総研の研究経営の現状」ということでございますが、3ページを飛ばしまして4ページでございます。これは言うまでもございませんけれども、産総研のミッションとは何かということでございますが、法律上、1号業務、2号業務、3号業務というのが規定されております。1号業務は、一言で申し上げますと先端技術の開発ということでございます。地質の調査というのが2号業務でございます。3号業務が知的基盤整備ということで、計量の標準といったような事業でございます。私がここで申し上げますのは、昨年から、5号業務という新たな業務が法律で追加されております。5号業務と申し上げますのは、技術経営力の強化に寄与する人材を養成し、その資質の向上を図り、及びその活用を促進すること、ということで、法律上難しい書き方をしておるのでございますけれども、要するに人材育成をきちっとやりなさいということが昨年法律改正されまして、8月6日から5号業務として追加されておるということでございます。この関連の御説明は、後ほど申し上げたいと思います。

    5ページでございますが、そういった業務を達成するために、産総研は中期目標を決めまして、その中期目標に基づきまして、年度計画等をつくっておるということでございます。それに基づきまして、私どもの運営交付金並びに外部からいただくいろんな研究資金を合わせまして、各テーマ毎に研究を推進しておるということでございます。

    次の6ページでございますけれども、中期目標というのはもちろんあるわけでございますけれども、お手元にお配りしておりますけれども、具体的に各年度毎に私どもは「研究戦略」というものを策定して、内部の研究者の方々の一つの指針とするとともに、外に対する我々の戦略の説明資料として策定をしておるところでございます。第2期「研究戦略」、青いほうの本は全体概要でございまして、緑のほうの本が、具体的な6つの分野毎の中身の説明ということでございます。今年の青いほうの全体概要の特徴でございますけれども、もちろん全体の戦略を1つ1つ説明しておるわけでございますが、「研究戦略」の中の13ページを開けていただければと思うのでございますけれども、我々の6つの分野とは別に総合化戦略ということで、20年度において特に我々が注目すべき技術として、6つの技術を挙げさせていただいております。水素・燃料電池、省エネ技術、バイオマス利用システム、レアメタル、沿岸域地質、今理事長から御説明のありましたサービス工学ということでございまして、これはなかなか精粗まちまちだという議論もあるのでございますけれども、時代とともに今我々に必要な重要な分野はこういったことではないかということで、いろいろ議論をした結果、一つの抜き出しをさせていただいておるというのが今年度・20年度の「研究戦略」の一つの特徴になっておるわけでございます。

    7ページでございますけれども、「研究戦略」平成20年度版の特徴ということでございますけれども、この中で、総合化戦略ということで6つの重要課題を選定させていただいたということを御説明しておる次第でございます。

    続きまして資料の8ページ、9ページでございますが、私どもの全体のざくっとした収入、予算の状況でございますが、平成19年度収入額、まだ細かいところは決算中でございますけれども、942億円ということでございます。このうち、9ページにございますように、運営交付金以外の自己収入というのが270億円ございます。この270億円の内訳といたしまして、そこに書いてございますように、経済産業省からの受託が72億円、文部科学省が22億円、環境省等から6.5億円、国、民間企業以外からの受託収入110億円。国、民間企業以外というのが、いつもわかりにくいと言われるのでございますけれども、これはNEDOとかJSTとか、そういった国でも民間でもないところからのいろんな研究資金ということでございます。それから、民間からの受託収入5.2億円、民間企業からの共同研究収入22億円ということで、外部の資金を活用させていただきながら研究を進めておるということでございます。

    続きまして10ページでございますが、人員構成でございます。現時点で、これは4月1日時点ということで確定しておるわけでございますが、研究職員数が2,408名、そのうち外国の方が80名という状況でございます。事務職員が695名、合計3,103名ということでございますが、その他にいろいろポスドク、企業、大学その他法人から受け入れをしておりますので、非常に全体としては大きな規模になっておるわけでございます。分野別の比率は、その右側の円グラフにあるとおりでございます。環境・エネルギーが23.5%ということで、今、分野としては一番多くなっておるということでございます。

    次の11ページ以降は参考でございまして、我々の6つの分野、ライフサイエンス分野、情報通信・エレクトロニクス、ナノテク、環境・エネルギー、地質、標準計測ということでポイントを書かせていただいておりますが、これは、また後ほどいろいろな説明があると思いますので、時間の関係で省略させていただきたいと思います。

    17ページでございますが、我々は時代の変化とともに研究組織の不断の見直しということを行っておるわけでございまして、この点につきまして御説明を申し上げたいと思います。

    次の18ページでございますが、我々産総研は、発足当時からフラットな組織体制というのを原則にいたしておりまして、階段状に階層をつくらないということで、理事長のもとに、研究部門あるいは事務部門もフラットな組織体制としておるわけでございます。事務部門、いろいろあるわけでございますが、研究に関しましては、現在、研究センター22、研究部門22、研究ラボ6、研究コア4ということで、50研究ユニットになっておるわけでございます。

    19ページでございますけれども、これは普段からいろいろ見直しをしておりまして、御存じのとおり研究センターというのは、時限を決めて集中的に課題を解決するもの、部門というのは、中長期的な観点による継続的な研究、ラボというのは、センターの前段階のものという御理解をしていただければいいと思うのですが、19ページの下に設置数の推移というのがございます。18年度末合わせて研究ユニット57であったわけでございますがか、平成19年度56、平成20年度は廃止13、設立7ということで、50に集約をしてきておるということで、政策課題に応じまして柔軟に見直しをしておるということでございます。

    その概要のポイントだけ御説明申し上げます。20ページでございますが、20ページにございますように、生物情報解析研究センターというのは一旦終了いたしましたので、さらにバイオメディシナル情報研究センターということで、創薬という目的をより明確にした形で再発足しておりますし、次世代半導体研究センターもナノ電子デバイスということで、よりデバイス実用化寄りの形で再発足をさせていただいております。ナノカーボン研究センター、界面ナノアーキテクトニクス等のナノテク関連は、ナノチューブ応用研究センターということで新たな出直しをさせていただいておるところでございます。

    その他1つ1つ説明するとあれでございますが、次の21ページでございますれば、最近の安心・安全という世の中の関心の高まりに伴いまして、我々はライフサイクルアセスメント研究センター、化学物質リスク管理研究センター、爆発安全研究コア、こういったものを統合いたしまして、4月1日で安全科学研究部門ということで、従来のセンターではなくて、部門として中長期的にこういったものを研究していくという体制をとったところでございます。

    こういったことでございまして、次の22ページでございますが、現在、研究センター22、研究部門22、研究ラボ6、合計50ということで、こういった構成になっております。先ほど新設ユニットの説明をいたしましたが、23ページにございますのが新たなバイオメディシナル情報研究センター、嶋田センター長のもとで、臨海副都心でやっておるわけでございます。

    一言ずつコメントいたしますと、24ページがナノ電子デバイス研究センター、金山センター長のもとに、微細化限界を超える電子デバイスの研究ということで進めております。

    25ページがナノチューブ応用研究センターということで、ナノテク関係のものを集めまして、ナノチューブ材料ということで集約いたしまして、新たな発足をさせていただいたところでございます。

    26ページでございますが、エネルギー半導体エレクトロニクス研究ラボということで、従来から、産総研はシリコンカーバイドを用いますいろいろなエネルギー関係のデバイスの研究をしておったわけでございますが、センターとしては終わりましたけれども、これをさらに実用化寄りに集約いたしまして、ラボとして発足したものでございます。

    27ページ、生産計測技術研究センター、これは九州センターに設置しておるわけでございますが、九州は、御存じのとおり自動車とか半導体とかの生産工場の拠点でございますけれども、そういう生産現場の計測技術の問題解決を図るということで、新たに発足をさせていただいております。

    28ページは安全科学研究部門、先ほどの御説明のとおりでございます。

    29ページ、サービス工学研究センター、これは吉川理事長の御指導のもとに進めております。

    時間の関係がありますのではしょって、次は「環境・エネルギー問題への対応および知的基盤整備への貢献」ということで、我々は政策のほうにもいろいろと協力をさせていただいております。31ページにございますけれども、「Cool Earth-エネルギー革新技術計画」ということで、昨年の5月に総理が「美しい星50(クールアース50)」というのを発表したわけでございますけれども、そのためには技術開発が不可欠ということで、経済産業大臣のもとに昨年8月、有識者会議が設置されたわけでございますが、私どもの理事長がそこの座長を務めるということで、そのもとの具体的なエネルギー革新技術計画検討委員会には、委員長として産総研の赤井主幹研究員が出席ということで、我々はこういった政策提言の場にも、いろんな専門家が協力をさせていただいておるということでございます。

    クールアースにつきましては、32ページ、33ページにございますように、発電、運輸、産業、民生といろんな分野で協力をさせていただいているところでございます。ちょっとはしょって恐縮でございます。

    34ページまでそういったことでございますが、これとは別途、35ページにグリーンITという、一つのまた大きな動きがございます。これは情報技術そのものの省エネ化と、情報技術を利用する分野の省エネ化、こういったことを目的としてグリーンITということで、これも経済産業省が大臣のもと、音頭をとって進めておるわけでございますが、これにも我々は参画をさせていただいておるということでございます。

    36ページでございますが、IPCCのほうで気候変動に関する政府間パネルへの貢献ということで、これも産総研から多くの専門家がいろいろ貢献をさせていただいております。執筆者、査読者として10名が参加しているわけでございますが、こういったのが最終的にノーベル平和賞の受賞につながっているわけですけれども、そのノーベル賞の受賞に際しまして、産総研の貢献が大きいということで、36ページの右にございますように、山辺正顕研究員を初めとして、IPCCから貢献をしておるという写しが贈られたというようなことでございます。

    37ページは、地質の調査でも、最近の中越沖地震とか南関東ガス田のいろいろな問題がございますけれども、こういったものに貢献をさせていただいておるということでございます。

    38ページ、知的基盤に関しましても、2015年までに国際標準提案数を倍増するということで進めておるところでございます。この辺につきましても、後ほど、実績のところで御説明いたします。

    40ページでございますが、人材育成ということでございますが、先ほど、法律で我々の役目として人材育成が追加されたという御説明をいたしましたけれども、41ページにございますように、我々の内部のポスドク等の若手研究者をこういったことでいろいろと教育をしておるということはもちろんでございますが、はしょりますけれども、特に43ページでございますけれども、ナノテク製造中核人材育成の養成プログラムということで、産総研の中だけではなくて、43ページの下のほうにございますけれども、中小・中堅企業を対象に、製造現場で必要とされるナノ加工プロセスを担う人材を育成するということで、43ページの右下のほうに企業名がいろいろ入っておりますけれども、こういった企業と連携をとりつつ、中小企業等の人材育成にも努力をしておるということでございます。

    45ページでございますけれども、こういうナノテクとかだけではなくて、最近は、バイオ関係は非常に人材が足りないということが言われておりまして、バイオインフォマティクスの分野でございますけれども、生命情報科学人材育成ということで、生命情報工学研究センターが実施いたしまして、多くの社会人を公募いたしまして育成するコースをやっております。公募と同時に3倍以上の人が集まってくるということで、平成17、18、19年度、3年度で193名の人を送り出しておるというふうなことでございます。

    46ページ、企業ともいろいろと連携をしております。

    47ページはポスドク雇用の現状ということでございますし、48ページは、産総研の中に産総研のイノベーションスクールというのをつくって、産総研のポスドクの方も産総研の中で育てるということ、あるいは企業の中での活躍の場を広げるというふうなことで教育をするということも始めたいと思っているところでございます。

    はしょって恐縮ですが、50ページ、51ページでございます。他機関との連携ということでございますが、50ページは特に学会との連携ということで、土木研究所、広島大学、信州大学等ともこういうふうに連携をしております。

    51ページでございますが、産業界との包括的な連携というのも進めておりまして、東京都の産技研究所とも協定を結びましたし、それから、金融機関というのが非常に大事でございまして、最近は産学官金とよく言われておりまして、産学官だけでは足りないということで、こういった商工中金とも連携をしております。また、サービス工学の生産性協議会とも連携をするというふうなことで、連携を促進しておるところでございます。

    それから、本当に手短に急ぎます。53ページ以降、我々の産総研の研究者の方々が、総合科学技術会議を初めとしていろいろなところで委員として参加いたしまして、政策提言に協力しておるということを、53、54ページに書かせていただいているところでございます。

    55ページは、人材交流の実績ということでございます。

    56ページは、中小企業、大企業等の企業との技術相談の実績ということで、こういった5,000件近くの件数を毎年こなしておるということでございます。

    57ページは、産総研自身の運営諮問会議ということで、昨年、小宮山東大総長を議長といたしまして、こういうメンバーでアドバイスをいただいたということでございます。

    次の58ページでございますが、この運営諮問委員会の御議論、いろいろ御意見をいただいてございますけれども、総論ということで3点書いておりますけれども、最もポイントとして言われたのは、3点目に書いてございます、研究開発の見える化の必要性ということで、産総研として今でも十分発信しておるのですけれども、一般社会の方にもわかるような情報発信がさらに必要というふうな御指摘もいただいたところでございます。

    61ページ以降でございますが、「平成19年度における目標の達成状況」ということで御説明を申し上げます。ちょっとはしょりますが、これは中期目標に書いております目標の達成状況ということで、63ページでございます。まず、1つの目標でございますが、企業との共同研究で具体的な数値目標として、第1期最終年度、16年度の1.5倍以上に企業との共同研究をふやしなさいということが書かれております。第1期の最終年度は26億円の収入がございましたので、1.5倍ということは約40億円になるのでございますけれども、実は平成18年度がピークで、35億円でございました。19年度は、実は件数は745件から791件というふうに増えておるのでございますけれども、1件当たりが小規模化したということで、金額はちょっと下がっておりますけれども、これは目標達成に向けて、我々もこれからさらに努力をしてまいりたいと思っているところでございます。

    64ページ、特許に関しましては、600件以上の契約件数を目指すということでございますけれども、これはもう既に現時点で目標件数を達成している状況でございます。

    65ページ、ベンチャー企業を100社以上起業しなさいという目標があるのですけれども、これは現時点で92社まで来ておりますので、恐らく目標は達成できるのではないかと思っているところでございます。

    66ページでございますが、論文発表でございますが、これは数値目標がありまして、年間論文総数で5,000報以上、インパクトファクター総数を終了年において7,000を目指すということでございますが、19年度は18年度より若干減ってございます。しかしながら、これは我々も努力をいたしまして、目標を達成すべく努めてまいりたいと思っておるところでございます。

    67ページの工業標準化につきましては、第2期中期目標期間中に40以上のJISの達成ということでございますが、これは18年度にもう目標を達成しちゃったということで、我々内部的には、さらに60というふうに目標を上げまして努力をしておるところでございます。

    68ページ、地質調査に係る指標でございますが、目標が平成21年度までに累積48図ということでございますが、これは現時点ではまだ達成されておりませんけれども、ほぼ達成できる見込みがついておるところでございます。

    それから、計量標準の供給に係る指標、69ページでございます。これも2010年度までに500種類の標準供給体制確立ということでございますが、現在482まで来ておりますので、これもほぼ達成できると見込んでおるところでございます。

    それから、財政的な業務運営全体での効率化ということでございますが、これは数値目標で、一般管理費を前年度比3%以上の削減とか、業務経費というのは研究経費等でございますけれども、業務経費につきましても1%以上の効率化を達成ということでございますが、これは計画どおり達成をしておるところでございます。

    細かい説明は省略させていただきますが、74ページでございます。74ページにございますように、全体で一般管理費を3%削減し、業務経費、研究等を1%削減ということで、このグラフにあるように進めさせていただいております。

    また、75ページにございますように、人件費につきましても削減の目標があるわけでございますけれども、平成21年度までに4%削減するということでございますが、これも一歩ずつ着実に達成をしておるところでございます。

    細かいところは別といたしますが、一番最後の78、79ページでございますけれども、78ページは女性研究者の採用に係る指標ということで、女性の研究者の比率を、第2期の末までに、第1期実績から倍増させるということでございます。第1期の計画期間中は6.9%であったわけでございますけれども、これを倍増するということでございますけれども、14.6%まで来ておりますので、ほぼ達成できるのではないかと思っているところでございます。

    79ページでございますが、これは外部資金も入れました全体の約1,000億近い予算の使い方でございますけれども、一般管理費を非常に削減してまいりまして、その分、研究に係る業務費は少しでも増やしていくということで努力をしておるということを書かせていただいたのが79ページの表でございます。

    ちょっと長くなって申しわけございませんけれども、全体概要を御説明させていただきました

    それでは、続きまして、伊藤理事が研究の中身につきまして御説明をさせていただきたいと思います。

  • 伊藤理事

    それでは、資料2-3で御説明いたします。

    引き続きパワーポイントのページ数で説明したいと思いますが、2ページ目が目次でございます。本日御紹介するのは、大きく2つの視点で成果を御紹介したいと思っております。1つは、産総研発足以来、イノベーションという大きな目標を立て、研究の推進、プロモーションをやってまいりました。その結果、今現在どのようなことになっているのかという視点で御紹介をいたします。2つ目としましては、工業技術院の時代からも含めて、これまでの社会へのインパクトとしてどういったものを表現できるかということで、幾つか今日はピックアップして御説明いたします。

    それでは、1枚めくっていただきましてパワーポイントの4ページ目でありますけれども、産総研は、最初の説明にもありましたが、本格研究という手法で今までやってまいりました。それは、研究のシーズを市場へといかに効率的に出すか、ここには死の谷というのがあるわけでありますが、これをどのように乗り越えるかといったところに様々な工夫をしてきたということであります。

    そこに表現しておりますのが、研究は予算を効果的に使うことでプロモーションができるということでつくっております予算制度であります。一番左のハイテクものづくりから始まりまして、IPインテグレーション、知財の話、企業との共同研究、ベンチャー、それから3年前に始めた産業変革研究イニシアティブという大きなプロジェクト、こういったものを相互に関連づけながら研究を成長させているということであります。そこに件数が52件とか何件と書いておりますのは、この制度は年々充実してきておりまして、大体この形になったのが5年前ぐらいということで、おおむね5年間ぐらいのこれらの制度でプロモートした研究の件数ということでございます。

    次の紙でありますが、5ページ目。その中でも大きく我々が今活用しておりますのは、ハイテクものづくりとIPインテグレーションと産業変革イニシアティブ、この3つであります。予算的にはハイテクものづくりに2億円強、IPインテグレーションには実績として6億円ぐらい、産業変革イニシアティブは、昨年度の実績として9億円強という予算を投入しております。

    6ページを省略いたしまして、7ページへ行っていただきたいのですが、本日御紹介するイノベーションという視点での研究成果の紹介でありますが、リストをそこにつくっております。最初はライフサイエンス分野からずっと6分野続いておりますが、8ページ目の一番最後のところの「分野融合的な取り組み」ということで1件御紹介したいと思っております。

    各分野2テーマぐらいずつを本日は御紹介いたしますが、環境・エネルギーにつきましては非常に広範な研究が展開されているということで、3つほど紹介をしたいと思っております。

    次のページの9ページでありますが、これらの研究がどのような制度でプロモーションされてきたかというのを表現しておりますと同時に、中期計画の最終的な目標に照らし合わせてどういう関係があるかというものを表現した図でございます。

    それでは、それぞれを御紹介させていただきますが、1枚めくっていただきまして11ページの図であります。創薬のための安全・安心な遺伝子組み換え植物の利用ということで、今回御紹介するのは、北海道センターに世界初の完全密閉型植物工場システムを昨年度正式に完成いたしまして、稼働に移したという成果でございます。これは16年度から2年7カ月かけて、昨年の10月まで予算を投入して行った研究でありますが、これはその下に書いておりますように、遺伝子組み換え植物(GMO)を利用して医薬製剤、こういったものをつくるという工場あるいは産業を目指しております。その右の下のほうにありますが、平成19年度の成果のポイントといたしましては、世界で初めてこれが実際に稼働したということと、遺伝子を組み換えたイチゴによって、インターフェロンの製造のための条件が解明できたということであります。

    それから、ここに書いておりませんけれども、このような組み換え遺伝子の植物に関しては、カルタヘナの様々な条約がございまして、昨年、カルタヘナ法による第2種産業利用の資格を獲得したという実績がございます。これは昨年度のグッドデザイン金賞というものをいただいております。

    今後の展開でございますけれども、12ページにフローチャートで書いておりますが、今2008年の5月でございますけれども、2008年に大きく2つの産業へとこれを展開しようと考えております。1つは、まさに完全密閉型の植物工場プラントというものを世界じゅうに展開する産業、もう1つは、これによって製造される医薬品を新たな医薬品産業として育てたい、こういうふうに思っております。このプラントに関しましては、既に共同研究をした鹿島が、事業展開するということで今進んでおります。医薬品に関しましても、北里が今、これを医薬品に展開するという予定で進んでおります。

    なお、ちょっと申し遅れましたが、それぞれのページの一番下にH19年度実績No.、7けたぐらいですか、すごい番号を書いておりますが、これは一番最初に資料説明がありました資料2-10、平成19年度実績という非常に大きな横長の個別研究テーマの実績報告の表がありますけれども、そこの整理番号と対応しておりますので、後ほど評価をなされる時に突き合わせて御参考になればいいかということでつけております。

    それでは、2つ目の話でありますが、13ページ目であります。「人体に不可欠なビタミンDの画期的な活性化法の開発」、これも大変大きな成果でありまして、昨年、日経新聞の2007年度の革新的な研究開発成果のベスト10に選ばれております。ポイントを申し上げますと、実はビタミンDというのは、骨粗鬆症等にとって大変重要なビタミンだということでありますが、一方、工業的な生産は非常にコストが高い、余り生産できないという欠点がこれまでありました。これを今回、放線菌というもののある活性化酵素、チトクロム450、T405ということだそうでございますけれども、これを使って初めて活性化できるということを発見いたしまして、これを使うとコスト低減につながるということでありまして、次の14ページに書いておりますけれども、実はビタミンDの世界的な市場は今1,500億円程度あると言われております。これが、従来は非常に難しい工業的な合成法によっていたわけでありますが、今回、この放線菌、14ページにはロドコッカスと書いておりますけれども、これは放線菌の一部でございまして、こういった産総研がこれまでやってきた研究を使って、非常に効率的かつ安くできるということがわかりましたものですから、これを今実用化するということで、企業と連携して進め始めたということでございます。

    1枚めくっていただきまして、今度は情報通信のほうに移らせていただきますが、15ページであります。「安心安全な社会のために異常行動を見張るソフトウェア」の開発ということであります。最近、様々な防犯カメラ等がいろいろニュースでも取り上げられておりますけれども、一方では、異常行動だけをどのようにして検知するのかという問題が従来からあったわけであります。今回、非常に難しい数学的な手法で、CHRACと我々呼んでおりますけれども、立体高次局所自己相関特徴法という二度と覚えられないような名前でありますけれども、こういうものを使って、何か普通の状態とは違う行動をした時だけ変数が極端な分布を示すというようなことで発見できるということが今回わかりまして、これを今実用化する方向で進めております。

    その下、16ページでありますけれども、年次展開を書いておりますけれども、この件は実は産総研発ベンチャーにもいたしまして、2006年度でありますが、ベンチャーと共同しながら今進めているところでありますけれども、19年度は多数の企業にこれを情報開示し、また実施展開をしたということでございまして、いよいよ様々なところで使われるということであります。具体的には、真ん中のベンチャーの設立の下のほうにH社と書いておりますけれども、日立ビルサービスです。そこで、エレベーターの中で何か異常が起きたらどうすると、こういったところで今まさに実用化しつつあるというふうに聞いております。

    1枚めくっていただきまして、「不揮発性エレクトロニクスの研究開発」であります。これは、先ほどグリーンITという国家的な大きな取り組みが紹介されましたが、その中でも大変注目されているものでありまして、要はスピン、磁性を使ってIT機器のエネルギーを省力化しようということでありまして、実は産総研、従来からこの研究では大変高いポテンシャルを持っておりましたが、昨年、これがまさに花を開きまして、そこのページの右側に書いておりますけれども、スピン注入トルクを実用化するためにはどうしても電流を制御しなきゃいけないという、やや専門的な話ですけれども、そういうのがあったのですが、実はスピンそのものを制御することによって、さらにまたエネルギーが下がるということがわかりまして、そういった成果を上げております。これは「Nature」等にも出ております。

    そこに、やや見にくいのですけれども、四角い枠でグラフが出ておりますけれども、実はこの産総研の成果によって、横軸、西暦の2007でありますが、磁気性能比が飛躍的に上がったということが言えます。これは本年1月1日付の朝日新聞に出ておりましたが、朝日賞も受賞したりしております。

    18ページでありますが、これは基本的には大きな市場を目指しておりますけれども、下のほうに書いておりますMgO-TMRヘッド、つまり磁気ヘッドとしてまず実用化を今始めております。このために、キャノンアネルバという装置メーカーと一緒に組んで、既に富士通その他にこの技術が移転されつつありまして、富士通は今年度から製造するというふうに聞いております。TMRヘッド、磁気ヘッドに関しては年間6,000億円の全体的な市場がありますが、この中でかなり存在感が出てくるというふうに思っております。

    それから、ちょっと急ぎながらやりますが、次、1枚めくって19ページ、高品質・高付加価値なCNT(カーボンナノチューブ)の大量合成技術であります。これは今、実はサンプルを先生方のところにお持ちいたしますのでごらんいただきたいと思うのですが、従来から産総研は、カーボンナノチューブは飯島センター長のもとで進めておりましたけれども、昨年、さらにその性能が進化いたしまして、そこの右側に書いておりますけれども、3つの成果があったということであります。スーパーグロース法という従来からやってきた方法につきましては、さらに2年前の100倍のイールドが達成できたということ。それから、(2)の直噴射法ということで、実は繊維状のものがつくれるようになったということ。3つ目に、金属型と半導体型という、カーボンナノチューブはそれらが混在しているわけですけれども、それらを電気泳動法によって高精度に分離できるということも発表いたしまして、これは大変世間から注目を浴びたと。ナノテク大賞とか様々な賞を貰ったわけでございます。

    20ページに今後の展開が書かれておりますけれども、今、実はNEDOプロの中で大変高性能なキャパシタ、蓄電器のようなものを開発しておりまして、それも今ごらんに入れますけれども、そういったものへの展開。さらには、まさに究極の炭素繊維のようなもの、それから様々なデバイス、こういったものに今展開すべく、企業と事業化に関して連携を始めているところでございます。

    次、1枚めくっていただきまして21ページでありますが、これは省エネルギーの薄膜製造方法に関するものであります。エアロゾルデポジションという名前で我々呼んでおりますけれども、真空も大して要らない、加熱することも要らない、必要なのは微粒子を空気にまぜて吹きつけるだけという、大変ある意味ローテクみたいなものでありますが、原理的にはわかっていたのですけれども、昨年度の実績として、これを昨年度は、左側の下に書いておりますけれども、いよいよ実用化に向けて大面積化をすることに成功いたしまして、プラスマイナス3%という均一な膜を12インチぐらいのウエハにつくることができたということであります。これもいろいろな賞をもらっているのは、そこに書かれているとおりでございます。

    22ページは、その応用展開でございますけれども、これも様々な応用が考えられておりまして、時間スケールで見ますと、一番早いなと思っておりますのがプリント基盤等に乗せるキャパシタ、こういったものにはすぐ使われるのではないかというふうに考えておりますし、最終的には、様々なイメージングデバイスその他にも使われていくだろうというふうに思っております。

    次、1枚めくっていただきまして23ページ、ここからが環境・エネルギーの分野でありますが、最初に環境に優しい石油代替燃料の製造ということで、バイオエタノールに関する研究開発であります。バイオマス燃料に関しましては、昨今、非常にニュースでも食料とのバッティングが問題視されております。私どもは、実は昨年・平成19年度に、食料とバッティングしないいわゆる非可食性の木材、あるいは、いわゆるソフトセルロースと呼ばれる稲わらとかそういったものをマルチで処理できる新しいバイオマスエタノールの製造方法を大体確立いたしまして、昨年・19年度に、新たな大きなプロジェクトを打ち立てました。それが、そこに御紹介しているものでありますけれども、要はすりつぶして小さな粒にして、ミクロオーダーなのですけれども、それを微生物に食べさせる。そういうことで、硫酸等の化学薬品も使わず、なおかつリグニンの多い木質、こういったものを効果的に、大体40%以上の収率でエタノールに変換できるということがわかりまして、今、実証プラントの製造に移っております。

    24ページでありますが、今年の秋に、11月に、世界でも初めての一連の製造装置の第1号プラントが完成する予定でございます。これは広島にございます中部センターでやっているプロジェクトでございます。

    1枚めくっていただきまして25ページ、これは非常にクリーンな化学プロセスを実現しようということで始めているものでありまして、実は化学プロセスの中で、そこに書いておりますように約30%以上と言われておりますが、酸化のプロセスが大きなウエイトを占めていると言われております。この酸化のプロセスで従来使われておりますのが、硫酸とか様々なものがあるわけでありますが、今回、非常に身近にある、オキシドール等でおなじみの過酸化水素を使うことで、そういうややこしい化学物質を一切使わなくてもいいということを開発いたしまして、早速、実用化に取り組んでいるということであります。これのいい点は、そういう従来の酸化剤を使いますと、塩素とかそういったものがどうしても最終製品に混じってくるということがわかっておりまして、それが全くなくなるということで性能も上がるというふうにわかっております。

    26ページですけれども、今後の展開としては、まず、今皆様にお渡ししておりますのが、昭和電工と早速開発したフレキシブルプリント基盤でありまして、これは携帯電話の中に組み込まれるということになっておりまして、今、製造が実は始まっております。そのサンプルを今日、昭和電工さんからお借りして皆様にごらんに入れているということでございます。これはかなり広範な応用が期待できますので、過酸化水素という非常に簡単な、最終的には水に返る簡単な薬品を使って、様々なケミカルプロセスが、環境に優しい、また効率の高いものになるということでございます。

    2つ目、1枚めくっていただきまして27ページでありますが、これはエネルギーに関する話でありますけれども、産総研の環境・エネルギー分野の一つの戦略として実証すると。個別技術の開発はもちろんやるわけでありますが、それを汲み上げて、1つの実証モデルでその良否を社会に問うていくということがあります。まさにこの27ページは、その具体例であります。札幌市と連携して実証した例を今回御紹介いたします。

    まず、上のほうに札幌の市庁舎、これは実は築30年の古い庁舎なのでありますが、ここの空調システムの循環水、これにある特殊な界面活性剤を添加することで、循環水を回す電気動力が相当減ったということであります。さらに、その下に書いておりますように札幌市立大学、コージェネレーション技術と今の界面活性剤の話を組み合わせてさらにやったということでありまして、こういうふうな地方自治体との連携で大きな成果を上げております。

    それから、1枚めくっていただきまして29ページ、ここからが地質の分野でありますが、「音波探査装置の高性能化と沿岸域活断層調査への応用」というタイトルでございます。実は従来から、陸域の活断層の調査、完全に海域の活断層の調査というのはある程度進められていたわけでありますが、ちょうどその中間の、いわゆる海でもない陸でもない沿岸域、ここが最近、中越地震等のことで注目されております。これに関してやった成果でありますが、音波探査装置、これは実は従来からあったわけでありますが、今回、産総研が新たにマルチチャネル型という、広域の面積を一挙にはかれるというものを開発いたしまして調べた結果を、その30ページに書いております。これは、従来つながっていないと思われていた活断層が、実は1本の活断層できっちりつながっていたということを発見したということで、様々な新聞等で非常に大きく取り上げられた成果でございます。

    さて、さらに1枚めくっていただきまして31ページでありますが、これは工業標準の国際展開ということで1点御紹介いたします。これはe-traceという大きな表現で言われておりますけれども、32ページに具体例が出ておりますので、典型的に1件だけ御紹介いたしますと、最近、グローバルなビジネスの展開で、工場が至るところに設置されるということでありまして、そこでどういうふうに標準を供給するのかという問題があります。32ページの右上でありますが、電圧の例を紹介いたしますと、この例は、ジョセフソン素子という電圧を発生する素子。これは、日本から例えばタイや中国の日本の工場に持っていっていただきますが、そこに送る信号をGPSの高精度な周波数を使ってしっかりと送ってあげて、そこで電圧を発生させる。こういうやり方をいたしますと、物理的に離れていても、空間的に離れていても、産総研の一次標準と同じような性能で標準を提供できる、そういう利点がございます。それ以外にも、今このような形で展開をしているということであります。

    33ページでありますが、これは融合的な取り組みの例として紹介しております。昨今、カーボンナノチューブが生体へ有害かどうかという問題が注目されております。これについて、昨年から産総研も総力を上げて取り組んでおります。マウスを使って呼吸器系を中心に今取り組んでいるところでありまして、34ページに書いておりますとおり、計測系の分野、安全科学の分野、ナノテクの分野、この3つの分野が連携をとって、産総研ならではの総合的な取り組みをしているということでございます。

    最後に、2つ目の話題として、これはごく短時間で終わりますけれども、これまでに様々な社会的なインパクトを与えてきたということでありますが、本日、その幾つかを御紹介いたします。37ページ、これは旧工業技術院時代からずっとやってきたということで、既に社会でも取り上げられておりますが、炭素系材料の話であります。これは今、東レが産総研の技術で大きなビジネス展開をしているというのは御承知のとおりかと思います。

    1枚めくっていただきまして39ページであります。これはグルコースイソメラーゼという製品の成果でありますけれども、これも旧工業技術院時代からやってきたものが今に至るも花を開いているということで、産総研の実績の一つとして大変誇れるものではないかと思っております。

    時間がございませんので、最後に43ページをごらんいただきたいのですが、これは、まさに産総研になってから仕込んだ玉が今どうなっているかというものの一例でございます。これは「遺伝子解析用DNAチップの高性能化技術」という、ちょっとわかりにくい表現になっておりますが、要は、遺伝子解析する時にスライドガラスに遺伝子をくっつけることが必要なのでありますが、くっつける時には、その遺伝子とくっつきやすい遺伝子の断片をあらかじめスライドガラス上に配列しておく必要があるのですけれども、そこの遺伝子の断片とスライドガラスの間をつなぐのりが必要だということで、産総研は2003年からこの研究を始めて、実は1年ぐらいで大きな成果を上げて、今アメリカのシグマアルドリッチ社と契約を結んで、日本、国外で大きな展開をしております。これはマーケット的には1,000億に満たないぐらいのマーケットだと聞いておりますけれども、今現状では、産総研のこの技術がほぼ100%、この試薬のシェアを取れるのではないかと、これしかないというふうに聞いておりますので、これは今大変楽しみにしておるところであります。

    44ページは、先ほど脇本理事から御紹介があったIPCCへの貢献ということでございます。

    あと、「『健幸』価値が創り出す」というのは、これは実は産業技術アーキテクトという、職としていろいろ活動している一環として、ここに一例を示させていただいております。

    ちょっと長くなりましたが、以上でございます。

    では、矢部理事お願いいたします。

  • 矢部理事

    それでは、資料2-4に基づいて地域連携の話をさせていただきます。資料2-4をごらんください。

    1枚目のスライドにありますように、北海道から九州まで、全国8ブロックに我々は地域展開をしております。地域センターの役割は、そこにありますように2つありまして、地域の技術的特性を踏まえた分野で世界をリードする研究拠点、それから、地域イノベーションハブとして、産総研のポテンシャルを活用して、地域の産業技術経済を発展させるための産学官の連携拠点という大きな2つを持っております。技術ニーズを把握し、また企業に対するソリューションを提案してコーディネートする、さらに地域のヒューマンネットワークの中で本格研究を展開するということを実践しております。

    具体的な研究拠点の19年度の動きでございますけれども、2ページ目のスライドでございますけれども、九州センターに生産計測技術研究センターというのをつくりました。これによって、全国の8ブロックが皆ナショナルセンターとしてテーマを持ちまして、ここでは実際、ナショナルセンター化を目指して動いているという、そういう体制が全部でき上がったということが19年度のポイントでございます。

    3ページ目に行っていただきますと、連携拠点としての機能でございますけれども、連携拠点としての機能は、ワンストップサービス的な窓口としての機能、技術相談に応じる機能、そこで製品化を踏まえた社会貢献をするということでございますけれども、そこで赤字で書きましたように、右にありますように、ワンストップサービスとしてはリエゾン機能にかなり力を入れまして、特に東北地方、九州地方におきましては、中小企業と一緒になって共同でサテライトを開設して、ワンストップにより総合的に備えようとしています。

    あと、そこの下のほうにありますけれども、地方銀行との連携強化、公設研・地方大学との連携強化によりまして、より元気な中小企業との連携を深めるチャネルを増やしております。

    具体的な研究拠点の活動を4ページから御説明いたしますけれども、先ほど御説明いたしましたように、九州センターに生産計測技術研究センターをつくりました。これは特に計測という技術を生産現場へオンタイムで提供する、ここにかけております。特にマイスター制度というのを創設いたしまして、企業の方にマイスターになっていただいて、企業の生産現場に精通した技術者と一緒になって、産業界の計測ニーズに沿った研究開発をする、こういう特徴を持たせております。

    もう1つ、九州センターで水素エネルギーの研究センターを、九州大学の伊都キャンパスの中に大学内の研究所型の研究センターとして設置して動いておりますけれども、ここにNEDOのプロジェクトで実験棟が完成いたしました。まさにここで実験が本格的に稼働しているというの、19年度の大きなイベントの一つでございます。

    次の6ページに行っていただきますと、産業変革イニシアティブという形で産総研の大型プロジェクトを我々はやっておりますけれども、バイオマスエタノールの実証研究を中国センターが19年度から3年間でやると。また、北海道センターにおいて、植物工場の実証研究を今まで3年間かかってやりました。こういうことによって、産総研の大型プロジェクトの中核を地域において実際やらせていただいています。このことによって、産総研の研究ポテンシャルが高いということが地域において信頼される大きな要因になっております。

    次に、7ページに連携拠点としての強化でございますけれども、特に連携拠点機能といたしましては、つくばを含めた産総研全体で地域を応援していこうという組織プレーに19年度は主に取り組みました。3つほど例を御説明させていただきますけど、1つ目は、産業技術指導員という制度をつくりまして、今まで我々がやってきた共同研究のフォローアップをして、企業のリピーターをつくっていこうということをやりました。主に中小企業の方でございますけれども、産業技術指導員が実際回って、あの後の成果はどうでしょうかという形で聞きます。実際には、219件やりまして40件共同研究に結びついておりますので、訪問した5件に1件が、またやりましょうという形で見えております。これは企業からの信頼感を高めることに大きく貢献しているのではないかというふうに思っています。

    次の8ページは、我々は中小企業、公設研の研究者を産総研に招聘して、一緒に研究をしております。この制度を18年度試行いたしまして、19年度から実際に実施いたしまして、31件、19年度に実施いたしました。公設研の方が31名、産総研のいろいろな研究センターに来られましたけれども、これが公設研の方から非常に高い評価をいただいています。その理由は、普段いろいろな用事、忙しい時に、産総研に来て集中的に研究ができたというのが1つ。もう1つは、産総研の人を中心にした人的なネットワークを確立できた、これが後の大きな財産になるということで、これはさらに高めてほしいということを言われております。3つ目は、産業技術連携推進会議という形で産総研は122の公設研と連携を組んで、60年以上、技術開発に貢献しようというふうにやってきているわけでございますけれども、19年度は地域部会というのを設立させていただきまして、地域の産総研のセンターが中心になって、各公設研の企画担当者と一緒になって地域の問題を解決していこうという努力をしております。これは各県の工業技術センターが今独立行政法人化等で非常にダイナミックに動いておりますので、情報交換と先手を打ってどんどん前向きに行こうという形で動いております。

    こういう形で連携拠点を進めているわけですけれども、実績はどのくらいかというのが10ページに書いてございます。これは中小企業庁が「元気なモノ作り中小企業」というのをこの2年間で600社選んでくれたのですけれども、我々はそのうちの9%、51社と共同研究を今までやっております。我々としては、こういう「元気なモノ作り中小企業」、まさに一番連携して新しい技術開発をしてきたわけですけれども、まだ10%だなと思っていまして、10%はありますけど、さらに高めていきたいというふうに思っております。

    11ページは、もうちょっと大きな目で見ますと、中小企業というのは実は60万社ってたくさんありますけれども、技術開発型だけでも10万社ぐらいあります。その中でどういうふうな戦略で動いているかというと、大企業に関して今我々は、例えば東証一部の1,800社の15%、265社と共同研究をしておりますけれども、こういう大企業に関しては、かなり個別に丁寧に扱っております。中小企業は、今言ったような形で元気なところとはやっておりますし、また、来てくれるところとはやっているわけですけれども、実際、より元気なところとのパイプをつなげようということで、公設研と連携をし、また銀行と連携をし、そういうところと一緒になって進めているという状況でございます。

    おかげさまで共同研究の成果として、第2次基礎研究、製品化研究、本格研究を地域でも展開しているわけですけれども、幾つかの成功例が出てきております。今日は、そのうちの2つを御説明いたしますけれども、12ページでは東北センターの例でございますけれども、非アスベストガスケットというのを実現いたしました。粘土膜として、もともと東北地域にありました粘土資源を有効活用しようということで、今、東北粘土イノベーションという形でやっておりますけれども、そこに死の谷を越えた例を挙げております。長い間、東北地域の粘土資源は、我々も一緒に研究してきたわけですけれども、ナノコンポジット技術を使い、またガスバリアー膜として使えるのではないかという特許出願をして、急速に注目を集めました。耐熱性とガスバリアー性を両立し、それをこの4年間、市場テストをやりながら高い信頼性の技術を確立して、あるいは他の材料との界面の接着技術をやりまして、19年度は特に非アスベストガスケットの製品化を実現いたしました。これは「ものづくり日本大賞」もいただきましたし、さらにこの研究を進めて、ディスプレー用の透明膜への製品化研究もスタートいたしました。本年度は特に、20年度はガスケットだけで3億円の販売ができるということで、実に製品化までいった。これは将来、ISO化までしていきたいという形で進めております。

    下の例は中国センターの例でございますけれども、製品の検査工程の自動化がうまくいった例でございまして、左下にありますように、自動車のエンジンのシリンダーの内壁の品質検査、これが一番人手をくっているところでございますけれども、それを自動化しようという例でございます。これは光の散乱、レーザーの光散乱で実現した例でございますけれども、中小企業対策費でプロトタイプを実現してから、実は7年間かかって製品化まで持ってこれました。これは、原理はできたのですけれども、実際の自動車会社等に売り込んだ時に非常に高い性能を要求され、また信頼性を要求された。それにこたえて丁寧に開発してきて、また連携研究体という形でつくばも応援をし、やりました。19年度は、特にラインに投入するための計測時間の短縮化という、こういう大きな課題を自動車会社から与えられて、それを実現して、今、企業への納入が相次いで、これから本展開ができる、こういう形の例で、本格研究を地域でもしっかりやっているのを御説明いたしました。

    以上が地域の観点でございます。

    次に、評価を中島理事からお願いいたします。

  • 中島理事

    中島でございます。資料2-5をごらんいただきたいと思います。

    そのスライドの1ページをごらんいただきたいと思いますけれども、私どもの研究ユニット成果評価は、各研究ユニット毎に評価委員会を設けて実施しております。その評価委員会は、外部の専門家、有識者5~6名、それから内部、主として主席評価役ですけど、それが3名、それでもって構成されております。アウトカム創出のシナリオが盛られた研究のロードマップ、それに照らして研究成果等を評価するようなことでございます。この評価は隔年に行っています。先生方のところに、この「19年度研究ユニット評価報告書」をお配りしてございますけれども、これは19年度の分、つまり約30ぐらいの研究ユニットの成果でありまして、残りは昨年度やっているということでございます。

    次に、スライドの3ページをごらんいただきたいと思いますけれども、研究ユニットの成果評価に基づきまして研究の達成状況を、中期目標として将来に達成したいという目標に沿って御説明していきたいと思いますけれども、できるだけ評価委員の目で、中立的に客観的に御説明できればと思っています。

    最初は健康長寿に関するもので、3ページ。これは主にライフサイエンス分野に属する研究グループがかかわっていますけれども、本格研究の活動に加えましてライフサイエンス分野の産業界の技術水準を上げるための活動、例えば糖鎖科学の産業技術フォーラムなどがございます。それから人材育成、バイオインフォマティクスの取り組みなどが盛んでございます。アウトカムにつながる評価例として、表をそれぞれ以降も設けてございますけれども、できるだけ伊藤理事の説明と離れたものを取り上げているつもりですが、一部重複しております。バイオマーカーが臓器や器官への分化に関する遺伝子研究を、特異的な疾患のバイオマーカーの探索等に結びつける研究でございます。その下のものは、バイオインフォマティクスを活用した機能性RNAデータベース、これが創薬支援に結びつく技術として非常に評価委員からも期待されている、そういう例でございます。

    その次のスライドの4ページでございますけれども、高度情報サービスの実現に関しましては、情報通信、エレクトロニクス分野の研究ユニット群が取り組んでおりますが、産学官連携を重視した研究がハードウェア、ソフトウェア両面で推進されておりまして、波及効果の高い成果が得られていると評価を受けています。下の表の最初は、先ほどのお話にもありましたけれども、トンネル磁気抵抗素子による不揮発エレクトロニクスの研究であります。その下は、子どものリアルタイム行動情報の検出・処理技術、そういうものを開発しまして、それを使った幼児事故の予防研究等の話でございます。いずれも評価委員からも大変高く評価されています。

    次の5ページは、産業競争力や環境負荷低減を目指した研究でございますけれども、それはナノテク材料製造分野が中心になって取り組んでおります。材料に関しましては、強相関エレクトロニクス、カーボンナノチューブ、有機ナノチューブ、ダイヤモンド単結晶など、先ほどの紹介にも一部ありましたけれども、大変優れた成果を上げております。特に有機ナノチューブに関しましては、開発に成功した大量合成法が産業界に大きなはずみをつけております。製造に関しましては、2行目の例にありますように、機能性のセラミック粒子をコーティングするエアロゾルデポジション法なるものがオンデマンドマニュファクチャリングにも大変使えるということで、これも高い評価を受けております。

    6ページ、これは環境・エネルギー問題に対処する研究でございますけれども、環境・エネルギー分野の研究ユニットが中心になってやっております。環境・安全対策の最適化や低環境負荷型化学産業の促進に資する研究開発や、太陽電池、燃料電池等の分散型エネルギーの効率的なネットワーク化、バイオマスエネルギーの導入等によって、エネルギーの有効利用と安定確保を図る研究開発が着実に進展していると評価を受けております。下にある表の最初は、自治体、公的機関等のリスク管理にかかわる支援ツールとして貢献していると評価されている30種類の化学物質の評価リスク書の話。2行目は、アスベスト代替耐熱シール材として大変注目されております粘土鉱物を用いたクレースト、そういうものの開発例でございます。3番目は、先ほど伊藤理事のお話にもありましたけれども、有機溶媒を用いないクリーンな過酸化水素水の酸化プロセスの開発でございます。

    次が7ページでございますけれども、計測標準技術に関するものは標準計測分野の研究ユニット群がかかわっておりますが、産業利用を前提にした欠陥診断に関すること、生産計測プロセスに関するもの、それらの標準化、規格化が進んでいるということ。それから、その成果の発信としてコンソーシアムを設立したり、先ほどもありましたようなマイスター制度の導入などが高く評価されております。この表では、例えばシリコンウエハ上のマイクロクラックを検出する技術や、レーザーを応用した複雑形状配管の欠陥検出技術や、3番目は基礎研究段階でございますけれども、単一分子・原子の電顕による計測技術などの例でございます。

    8ページは地質の調査に関するもので、これはむろん地質分野の研究グループが関係しておりますけれども、国の地質情報基礎の構築や地質現象の予測と評価、地圏循環システムの解析などに関して、総合力を生かした取り組みが特に高く評価されているわけでございます。例として3つ挙げておりますけれども、例えば地質標本館は、地球化学標準試料の標準物質生産者としてのISOの認定を受けました。2番目は、東京都の平野部から沿岸域に至る総合的な地質環境の解明の例でございます。3番目は、宮城県域の表層土壌の評価図の作成とその出版でございます。

    9ページは計量標準に関することで、これは標準検測分野が担当しているわけでございますけれども、国の標準整備計画に従って、既に531量目の計量標準を立ち上げております。計量標準トレーサビリティ制度の普及や啓蒙活動にも力を入れ、さらに新たに医療や環境、食品分野への計量標準の拡大に取り組んでおります。こういったことが大変評価されているわけでございまして、例として2つ挙げておりますけれども、最初の1つは、原子力発電、つまり原子炉の増出力と安全性向上が期待されている原子炉回りの高精度流量測定技術の開発でございます。2番目は、ディーゼル車から排出されるナノ粒子の個数濃度の規制への貢献が大変期待されている、気中ナノ粒子数密度標準の開発例でございます。

    大体以上でございますけれども、評価委員の目を通しても、ごらんのように成果が認められている。先ほどの伊藤理事の御説明があった内容も一部入っておりますけれども、あわせてすべてが評価委員会でも大変評価されているところでございます。

    以上でございます。

  • 古賀理事

    それでは、資料2-6の「法令遵守及びリスク管理の徹底」について御説明申し上げます。担当の古賀でございます。

    1枚めくっていただきまして、まず、最近いろいろ社会をにぎわせたりしている問題が多く起きておりますが、19年度中に起きている主なものを挙げさせていただいております。安全性に関する事例としては、そこにありますような化学実験室での火災。あるいは、これは非常に大きく新聞で取り上げられましたのでよく御案内かと思いますけれども、特許生物寄託センターにおいて、本来預かるべきではない微生物を預かっていて、かつ長期にわたり問題解決が行われていなかったというような事例。あるいは、建築基準法に違反をしまして危険物を貯蔵していたというような事例、これはいずれも安全にかかわる問題でございます。

    その下の4ページにありますとおり、研究倫理の関連では、論文そのものではないのですけれども、他の大学の出版物から無断引用したような事例。あるいは、次の会計契約に関する事例としては、支払い遅延の問題と、これも最近新聞に少し報道されました不適切な会計処理。これは非常に古い慣習で、先行発注ですとか年度を越えた不適切な使用というような慣習は、ほぼなくなりつつあったのですけれども、最後のしっぽが残っていたような問題が判明したというような事例が挙げられます。それぞれにつきまして、厳正に調査を行って関係者の処分。処分の内容が一番右端にずっと出ておりますけれども、かなり厳格な処分を措置させていただいているということでございます。

    次のページの5ページに、その新聞記事などが出ておりますけれども、1つは、私どもとしてはどんどんプレスに出していこうというふうに考えております。したがいまして、ちょっと印象的には、何か最近、産総研では問題が新しくどんどん出てきているのだなという印象をちょっと与えがちなのですけど、これは過渡的な状態だと思っておりまして、今はとにかく何でも隠さずに出していこうと。出していくことによって、逆に自分たちを追い込んで、いいかげんな処理をしないと、その後のフォローアップも世間が見ているということを前提にしっかりやろうというつもりでやっておりますので、しばらくはこういう状態が続くのですけれども、これが一段落すれば、大幅に減ってくるというふうに考えております。

    こういう姿勢はプレスからもだんだん評価され始めておりまして、例えば会計の問題なども、非常に落ちついた報道ぶりになっております。他の機関であれば、もっとセンセーショナルに取り上げられ、誤解を呼ぶような報道になっていたのではないかなと思いますけれども、これも非常に丁寧に説明させていただいて、隠すという姿勢がないということで落ちついた報道につながっているのではないかなと思っておりますし、また最近、新入所員の採用面接などやっているのですけれども、若い人たちも日々ホームページを見ていまして、大学等にいる人たちから見ても、産総研のこういうことに対する取り組みというのは異常なくらい前向きであるというようなことを言ってくれる人もいます。もちろん、こういうものをなくすということが最終目標なのですけれども、その過程においては、しっかり外に対しても出していくという姿勢をとっていきたいと考えております。

    ちょっと時間がないので飛ばさせていただきまして7ページでございますけれども、この間、いろいろな問題が起きました時に外部の専門家の先生方にいろいろな知見をいただいておりますが、一番大きな問題となりました特許生物寄託センターの問題につきまして、今日御出席いただいています手柴先生も委員のお1人なのですけれども、調査委員会をつくって、そちらで検討していただいた報告書の中の抜粋でございます。非常に厳しい御指摘をいただいておりまして、統制環境というところでは、統合後、まだ十分に統合というのが、職員の気持ちの面も含めて達成できていない、一体感を欠いた風土があるのではないかとか、あるいはリスク評価についても、非常に多くのリスクというのが多種多様にあるので、十分な評価能力が備わっていないのではないかというようなこと。あるいは統制活動、情報の伝達のところでは、マイナス情報を開示していくという姿勢が弱いのではないかというような、いろいろ厳しい御指摘をいただいております。

    右側に「改善の方向性」というふうに書いてありますけれども、幾つかわかりやすいものを説明しますと、例えば幹部会というのが今まであったのですけれども、その位置づけを、もちろんすべての事項について最終決定権限は理事長にある、法律上そうなっておりますけれども、これを補佐する諮問機関という形で、必ず重要事項は幹部会で議論しようと。この幹部会も理事会という名前にしまして、職員に対してもメッセージとして、理事会というところできっちり審議しながら重要事項を進めていくのだよという体制を明確化しております。

    それから、いろいろなところに外部の専門家を招聘しようということで、各種委員会にも外部から招聘しておりますし、本格的な体制整備を今進めつつありますので、そちらにも外部の専門家に入っていただこうというようなことを考えております。

    1ページ飛ばしまして9ページ、この図はちょっとわかりにくいのですけれども、非常に様々なリスクに対して、それぞれ担当の部署というのがありまして、それぞれの規定もあります。いろんなことをやっておりましたけれども、全体を見るというところが少し弱かったのかなという反省がございまして、今、リスク管理委員会というのがございまして、そこで全体を見ているのですけれども、事務局がほとんど併任の職員だけで成っておりまして、やはり体制が少し弱かったのではないかという反省をしているところでございます。

    個別の事項に対しましての対応策として、2つ例示ですけれども、1つ目がその下の10ページで、安全問題は、いろいろな問題が19年度だけではなくてその前から続いておりますので、そういったことに対して、総合的に環境安全管理部というところで見ていこうということで体制を強化しております。次長職を1人ふやしたり、放射線の問題、これは前に起きた問題ですけれども、いろんな研究室で放射線関連の物質を扱っておりますが、これを一元的に見ていくというような仕組みをつくったり、あるいはライフ系も、微生物だけではなくて動物実験等も含めていろんな問題も起きていますので、こういったものの実験を統一的に見ていこうというような体制も整備し、また、環境安全管理部長が環境安全を見ていたのですけれども、それぞれの事業所に管理官という、労働安全衛生法上もそこの安全についての責任者になる人ですけれども、こういう立場にいる者との関係が非常に不明確であったというようなことで、それを全部併任しまして、安全管理部長のほうからの指揮命令というのが各事業所に全部行き渡るようにというような体制にしております。

    1枚めくっていただきまして11ページに行きますけれども、これは特許生物寄託センターの問題に対応する対応策でございまして、1つは、これは理事に担当させるということにして、責任を負う者を1人強化したということでございます。経営レベルで責任を負っていこうということでございます。それから、経営に外部の有識者の意見を反映していくというようなこと。それから、せっかく産総研にセンターがあるにもかかわらず、必ずしも最先端の研究の成果というものがここに活用されていなかったというような御指摘も先ほどの委員会のほうからもいただいておりまして、そういう意味での業務支援グループというものをセンターの外に置きまして、関連のユニットの様々な知見をそういうグループを通じて支援する体制をつくろうというようなことをやっております。

    こういうことをやっております時に非常に難しい問題として、12ページにございますけれども、実は今まで、どちらかというと管理の部門というのは小さければいいというふうに考えて、どんどん縮小するということをやってまいりました。職員の数で見てみましても、全体で39名ほど、13年度発足以来減っているのですけれども、管理部門のところで69名減らしている。もとが418名ですから17%ぐらい減らしちゃっているのですけれども、予算とか研究の実施部門の人員とか増えていたりして、それに伴って管理コストというのも上がっていくのが普通であり、最近も、例えば随意契約を見直していこうとか、いろんな安全関係のところも強化していこうというようなことをやっていますが、右にもあるように、いろいろな組織の強化というのをやっているのですけれども、こういうものをのみ込んで、さらにこれからもこういった内部統制、リスク管理というのを強化していくというところが非常に難しい課題になってきているということでありますけれども、今まで以上に、そこの研究の現場、研究そのものとのバランスということについてよく議論しながら、しかし大事なことですので、ここのところはしっかりやっていきたいというふうに考えております。

    13ページ、14ページが、今後の全体の内部統制メカニズムの仕組みづくりでございます。13ページに書いてありますその3つのポツの3番目にありますとおり、基本的には自立的に各ユニットで、しっかり内部統制でやっていかなければいけないというふうに考えております。そこでのPDCAサイクルを含めた自己統制というのを強化するというのは大前提になるのですけど、やはりそれだけでは問題は防げていないということがございますので、これは先ほどの特許生物の調査委員会の提言も踏まえまして、内部統制のための専門組織をやはりつくろうと。これは永久に置くかどうかわかりませんけれども、少なくともしっかりした体制ができるまでの間、そういう部局を置こうというふうに考えております。その下の図に出ておりますとおり、内部統制推進の専門部局というのを置いて、ここで統合的に各ユニットの自己規律というものを支援し、あるいは強化していくという体制にしたいというふうに考えております。

    具体的には、14ページにありますようなそれぞれの業務について、こうした役職も置いて、実員を張りつけて実質的な内部統制を働かせていきたいということでございます。

    最後、まとめのところは、これは絵にしただけですのであれですが、参考に「有効なコンプライアンス・プログラム構築のための7項目」というふうに書いてあるのですが、アメリカのセンテンシング・コミッションというところが出しているセンテンシング・ガイドラインというのがあるのですけれども、つまり行政罰を科す時に、しっかり内部統制をやっていれば軽減しますよというふうになっていまして、そのしっかり内部統制を進めているかどうかということを見る時の7つの項目というのを挙げております。訳は私がかなり意訳していますので、正確性に問題があるかもしれませんけれども、それぞれのところについて、我々もそれなりの努力はしているのですが、ここに「有効な」というふうに書いてあるところがみそでありまして、つまり形ではないと。ここに書いてあることは、実質的にどこまでできているのかということをちゃんとチェックしていくという考え方でございまして、これは我々がやっていく上でも非常に参考になるなというふうに思っております。それぞれについて、これから先ほど申し上げました新しい部局を立ち上げまして、すべての面で実質的な効果というものをはかりながら進めていきたいというふうに考えております。

    以上です。

  • 脇本理事

    済みません、ちょっと一言だけ補足をさせていただきます。

    本委員会では、毎年、横長の実績の本表と別表というのを提出させていただいておるのでございますけれども、今年、1点だけ様式を改正させていただきました。本表の一番最初の1ページを開けていただければと思うのでございますが、従来は、左側から第2期中期目標、それから中期計画、19年度計画、19年度実績で終わっておったのでございますけれども、委員の先生方がこれを全部をお読みになるのは大変ということで、今回、特筆事項ということで、我々が自己評価いたしまして、これは自分たちとしてよくやったと思われるようなところだけを抜き出しましてコメントをさせていただきましたので、お時間の関係があればこの特筆事項を見ていただければということでございます。

    その横に整理番号ということで書いておりますが、これはただいま説明させていただきました資料のページ数と対応するようにしておりますので、この辺、御参考にしていただければと思います。

    以上でございます。

  • 木村部会長

    ありがとうございました。

    大変膨大な資料の御説明をいただきましたので、果たしてうまく質問が出るかどうかわかりませんけれども、いかがございましょうか、何かお気づきになったことございませんか今御説明ございましたところは抜粋でありまして、詳しくはこの資料2-9と2-10をごらんいただく必要があろうかと思います。いかがでございましょうか。何か御質問ございますでしょうか。

    どうぞ、室伏先生。

  • 室伏委員

    今伺っていてわからないことが何点かありましたので、教えていただきたいのですが、ベンチャーを100件目標にして、現在92社までということですけれど、それらのベンチャーの現状がどうなっているのかを簡単に御説明いただきたいと思います。

    それから、実証についてですが、前に愛知万博で省エネなどに関しての展示をなさっていましたけれど、それを、愛知県のどこかに移設なさって実証実験を継続なさるということを伺っていましたけれど、それについて現在どうなっているか、もし教えていただければうれしく思います。

    また、人材育成について伺います。昨年の現地調査で、若い人たちのお話を伺って、皆さんがとても一生懸命頑張っていらっしゃる様子を拝見したのですけれども、若い研究者の方たちのその後の状況を簡単に御説明いただきたく思います。

    最後に、コンプライアンス・プログラムで新しい部局を立ち上げるというお話でしたが、人員削減を進めていらっしゃる中でどのように工夫をなさったのかをお聞かせいただきたいと思います。

  • 古賀理事

    済みません、最後のところをもう1回。

  • 室伏委員

    コンプライアンス・プログラムで新しい部局を立ち上げてというふうに御説明がありましたけど、人員削減をいろいろ進めていらっしゃる中で、どのような工夫をして新しい部局を立ち上げたかということを教えていただければと思います。

  • 木村部会長

    それでは、まとめてお願いいたします。

  • 伊藤理事

    最初の第1点、ベンチャーの件で、私、担当理事の伊藤ですけれども、御報告いたします。

    今、毎年大体10数社ぐらいできておりまして、延べ92社というのが先ほどの数字ですけれども、現状を申し上げますと、そのうち数社は、解散ないしは既存企業に吸収されるという形で今整理が始まっております。

    それから、特筆すべき点としては1社、LLPという、一昨年にできた新しい制度で有限責任組合ですけれども、エシキャット・ジャパンという会社があるのですけれども、これについては、私はその役員ではないので余り言えないのですけれども、可能性の一つとしては、ある既存企業の大きなところの一事業として継承される可能性があるというふうに聞いております。そういう形でやっておりますが、あと、例えばパロをやっておりますベンチャーは今世界展開をしておりまして、かなりこれはうまくいっていると。あと、バイオ系でいいますと、IPOを目指して今準備中のベンチャーが1社ございます。

    それから、オーバーオールに今1つだけ申し上げますと、昨年、実は文科省のプロジェクトの最終評価がございまして、そこで12月に最終的に評価されたのですけれども、Aという一番いい評価をいただきました。その理由の一つは、様々な制限の中で公的研究機関がベンチャーをつくるという一つのモデルを示したということで、大変高い評価をいただきました。

    指標の一つとしては、ベンチャーキャピタルからどの程度支援されたかという実績がございまして、経済産業省のデータで、これは大学が大体20数%だったと、私どもは40%ぐらいがベンチャーキャピタルから出資いただいたということで、そういう意味でも、プロの目から見てもそれなりのベンチャーがつくれたのではないかというふうに総括をしております。

    次の、愛知万博の省エネの話ですけれども、これは今私、明確に申し上げる材料を持っておりませんので、もしよろしければ後ほど回答させていただくということでよろしいでしょうか。

  • 木村部会長

    では、古賀理事お願いいたします。

  • 古賀理事

    人員削減とコンプライアンス強化の関係なのですけれども、これは非常に難しいのですね。実は今申し上げた専門部局というのはまだ立ち上がっておりませんで、これは近々立ち上げたいということで準備を進めているということでございます。その際に、実員を張りつけるというところですけれども、1つは、物すごくいろんな部署にコンプラ関連のことをやっている人たちがばらばらにいたのですね。そうすると何が起きるかというと、何か問題が起きた時に、その問題をたまたま担当していた部局は物すごく忙しくなるけれども、他のところはそうでもないというようなことが起きるわけですけれども、そういうものを全部集めてきました。そうすると、同じ人数であっても、何か問題が起きた時に融通をきかせて集中的に人員を実際に投入できるというような効果が期待できるので、同じ人数であっても、かなり業務量が増えても大丈夫であるという体制をつくるというのが1つでございます。

    もう1つは、それでもやっぱり数をふやさざるを得ないので、一方で管理部門というのはずっと削っていかなきゃいけないという制約もあったりするのですけれども、今そういう意味で少し、これは短期ということではないのですけれども、キャリアパスというのを職員に対して提示していまして、研究職であっても途中から管理関連部門に移っていくというようなキャリアパスもありますよというようなことを提示しまして、そういう中で、研究職でありながら管理的な仕事をすると。そうすると、その人は必ずコンプライアンスに来る必要はないので、他の管理部門に行ってもらうことによって、それで浮いてきたところをコンプラのほうに回ってもらうとかいうことを、少し中での流動化、事務職と研究職の間の流動化、それもキャリアパスというのを見据えた上でというようなことをやっていかなければいけないなと思いますが、短期的にはかなり無理をしてはがしてくるということが必要なので、立ち上がりすぐにフル装備で出られるということではなくて、少し何カ月か毎に、いろんな人事異動のタイミングがありますので、そういう毎にいろいろなところに無理をお願いしながら強化していくという、短期的な対応と長期的な対応両方でやっていきたいと考えております。

  • 木村部会長

    他にございませんでしょうか。

    どうぞ、手柴委員。

  • 手柴委員

    数値目標のほとんどが目標を達成ということでしたが、論文発表等の数値目標は、私もこういう数字が本当にいいのかというのは日ごろ疑問に思っておりますので質問しないのですが、民間との共同研究ですね、民間からの受託が大幅に減ってきている。一方で、共同研究の方は額が伸びていない。その理由の1つは、受託研究は、むしろ共同研究という形にできるだけ移行したいという元々のお考えがあったのか。それから、なかなか民間からの資金の導入、共同研究が額として増えてこないということに関しては、体制としてどうあるべきなのか、どう思っていらっしゃるかというのが1つの質問です。

    それから、今日御説明なかったかと思うのですが、資料を見ていまして、海外等からの研究者を含めた技術者といいますか、かなり積極的に、特にアジアを中心に受け入れられて、その体制もすごく整備されているということで、ガイドブックも作られたり、あんなのはいろんなところで、大学等でも利用できるのではないかと思って感心していたのですけれども、一方で外に出す部分、依然として欧米等への研究者の派遣というのはやはり魅力的ですので、受け入れから比べると、外へ出される方の数というのが何か少ないような気がしています。それにはいろんな資金的な問題もあるのかもしれませんけれども、依然として欧米へ人を出すということは非常に重要ではないかという感じがします。その辺の考え方についてお聞きしたい。

    最後に、特許生物寄託センターで調査委員会の委員を務めさせていただきましたので、いわゆる内部統制とかリスク管理等の経営上の課題というのは、先ほど古賀理事から御説明いただいたとおりです。先日、私も実際につくばに行かせていただきまして、現場のほうの視察もさせていただきました。いわゆる業務に関しても報告書のなかでかなり細かく指摘させていただいたのですが、指摘いたしました点はほとんどが確実に対応されていましたので、委員の一人としては大変心強く思いました。これは感想です。

    以上です。

  • 木村部会長

    では、お願いいたします。

  • 伊藤理事

    では、第1点目の産学間のお話で、担当の理事としてお答えいたします。

    まず、事実関係で申し上げますと、おっしゃるとおり、共同研究の企業資金も若干減っておりますと同時に、受託研究費が結構、2億円強減っております。これは事実関係から申し上げますと、実はナショプロの企業への資金の一部を再委託という形で産総研が受け取っていたという例も過去にございまして、そういったものが過去の実績の中には含まれておりましたが、最近、そういったものがだんだん少なくなって、企業とのがっぷり四つに組んだ共同研究にだんだん移行してきているという状況があります。

    もう1点、事実関係ですけれども、18年実績でかなり伸びておりますが、これも実は産総研のインセンティブ、企業資金を取ってくると産総研もマッチングファンドという形で交付金を出すという制度がございますけれども、これが毎年少しずつ変更しているということがありまして、それもあって、少し駆け込み的な制約があったのではないかというふうに分析はしております。

    それが事実関係ですけれども、今後の考え方としましては、私ども、昨年9月に知財ポリシーも一部変更して、不実施補償料等に関する取り扱いを大きく企業の御要望にこたえる形で変えたりしております。これをもとにして、今、大きな案件を企業と結んでいこうということで、数社とずっと練っているところであります。これが今後の大きな私どもの活動の方向性だろうと思っております。ですから、個別の単品の連携あるいはその共同資金をいただくということも、これはこれでやっていきますけれども、より大きな未来シナリオに向かって、産業界と産総研が中長期的な研究の筋道を一緒につくって、それで大きな産業の変革をしていく。こういうふうにこれから努力をしていきたいと思っておりまして、その成果は今、まだ発表できないものも含めて幾つか上がりつつありますので、もうすぐ出てくるというふうに思っております。

    以上でございます。

  • 木村部会長

    よろしゅうございましょうか。

    今の共同研究、受託研究については、詳しくデータを調べているのですが、どうも大学と競合が起きているようですね。殊に公立大学と私立大学が最近アグレッシブになっています。最近のデータを見るとトータルの額では問題にならないのですが、国立大学よりも、件数については私立大学、公立大学は物すごく増えていますね。その影響が出ているのではないかなという気がいたしました。

    もう1つ、我が国の受託研究、委託研究の特徴は、件数は過去10数年増えているのです。パーケースに対する金額はほとんど増えていない。むしろ頭打ちで減っています。ケースは増えているけど金額は増えてないという状況が出ていますので、その辺いろいろ考える必要があると思います。それから、依然として外国の企業へは物すごいお金が出ています。この辺も、考えなければいけないところかと思います。

    他にございませんか。

    どうぞ、松重先生。

  • 松重委員

    3点か4点お伺いしたい。全体的な観点で質問させていただきたいと思います。

    まず、組織変革をいろいろされていると思います。整理をして新しいものをつくると。こういったところの組織変革は、どういうふうな判断といいますかプロセスでされているのか。当然新しいものをつくって古いものをということなのですけど、そういったところの本当によかったかどうかというそれ自体、我々が評価するのかもしれませんけれども、内部ではどうされているかというのが1点。

    それから、研究戦略という戦略の意味ですね、これはどこまでを含めて戦略と言われているのか。いわゆる産業構造が変革している中で、科学技術とかこういったところのあり方自体も実は随分変わってきていると思います。この分野の研究をやるためには、いろんなところを集めてやるというのは細かい戦略であって、例えば環境とかエネルギーであれば、研究だけではなくて、世の中の動きというか世界の動きが反映されないと本当の戦略にならない。だから、ある物質を、キャパシタでも、今回はカーボンナノチューブなのですけど、例えばリチウムイオンのバッテリーだとすると、リチウムイオンがどこに資源があるかというと、中国にあると。そこまで考えないと、それは技術的な成果として出たのだけど、実際日本の産業がやる時には、そういう制約があるとすれば、やはりこれは戦略の間違いになってくるかもしれない。

    だから、最近は環境とかエネルギーが重要視されているのですけど、これは規制とかそういうふうな要点が非常に大きなものになっていますので、そのあたりを、例えば産総研の中には技術的な方はかなりおられると思うのですけど、もう少し社会的なものも反映できるような体制になっているのかどうかです。

    3番目は、産総研が、つくばであれ臨海、各地域にあるのですけど、それがそれぞれの拠点になっているということもあるのですけど、現在、いろんな大学も含めてなのですけど、海外との連携。それから、いろんな面では、ナノテクにしろ、同じレベルないしはそれ以上にやっているわけですけど、本当に産総研がグローバルな拠点であり得るのか。そういう形で検討がされているのかどうかということです。

    もう1つ、連携の中でいろんな海外、国内、金融を含めて、覚書というか、されていると思うのですけど、これは大学でも同じなのですけど、その数は増えていて、実質そのフォローアップといいますか、それがいかに具体的にWin-Win関係として出てきているのかどうか、そういったところを少し実例も含めて説明していただければと思います。

    あと、産学連携のほうについては、今言われたように今までの件数だけではなくて、大学はかなり死に物狂いでやっていますから、そういう国内のパイの奪い合いというか、どっちかということではなくて、やはり新しい視点で、これだけの大きなマスと質があれば、もうちょっと別の産学連携のあり方もあるのではないか。次の産業のフロントランナーというか、核になって企業がついてくる。それも単に同業者だけでなくて、一つのシステムとしてついてくるような、そういったものが組めないのか。

    例えば電気自動車があると思うのですよね。今バッテリーの研究がされている。パワーデバイスでいくと、シリコンカーバイドがされている。ただ電気自動車が普及するためには、そういう技術的なものだけではなくて、いわゆる社会インフラも必要なのですね。例えば、パワーのサプライがどこでもできれば、これは全部できる。そうすると、自治体とかそういうものも含めてこの政策をやらないと、電気自動車は普及しない。そういったのは実は海外でかなりもうやられ始めているのですけど、今日の説明では、ちょっとそういうふうな視点がまだなかったのではないかなと思います。

    以上です。

  • 木村部会長

    では、まとめてお願いをいたします。

  • 脇本理事

    企画担当の脇本でございます。

    なかなか厳しい御質問で、そのままお答えするのは難しいのですけれども、実はユニットをつくる時のきっかけというのはいろいろございます。経済産業省の本省のほうから政策的な視点で、こういう分野をつくるべきではないかということがきっかけになるというのが1つのパターンでございます。2つ目のパターンは、既存のユニットが一定の期限を終えるので、その後をどうするかということが新しいユニットをつくるきっかけになるというのが2つ目のパターン。3つ目のパターンは、まさに産総研の内部で議論をする中で自発的につくっていくというふうなパターンがあろうかと思います。

    いずれにいたしましても、企画本部の中にユニット設立審査委員会というのをつくってそれぞれ審査するわけでございますけれども、既存のユニットの改廃に関するものにつきましては、まず既存のユニットの研究成果が出ているかどうかということを評価部のほうできちっと評価をしていただきます。これは単に研究成果が出ているか、論文が出ているかどうかということだけではなくて、実用化に向けてのシナリオがきちっと書けているかどうか。産業界とのそういった打ち合わせもきちっとできているかどうかということも含めて評価部のほうで評価をしていただきまして、それを受けて、企画本部の中にユニットを設立する時の審査委員会、産業界の声も聞きながらつくっていくという道筋をやっておるところでございます。

    具体的には、ナノ電子デバイス研究センターなどというのも、従来、「MIRAI」とかいう大きな経済産業省の半導体関係のプロジェクトとも非常に関係が深かったわけでございますけれども、そういった場を、研究組合などとも連携をとりながら組織の改廃を見直しておる、やっておるということでございます。

    それから、先生の2点目の御指摘の戦略の意味というのは、これは確かに我々も非常に悩んでおります。戦略というのは、単に研究だけの戦略ということではございませんで、産総研は、理事長の御説明にもございましたように、一つの死の谷を越えるための第1種、第2種基礎研究、実用化に向けての戦略ということで、これは分野別に我々だけが独自にやるということではなくて、我々も限界があるものですから、関係業界のみならず経済産業省の関係の現課と特に情報交換を強くやりながら戦略を練っていくということで努力をさせていただいている次第でございます。ちょっと抽象的になりますけれども、そういったところでございます。

    それから、海外との関係に関しましては、国際担当の山崎理事のほうからコメントをいただければと思います。

  • 山崎理事

    国際を担当しております山崎でございます。

    最初に、手柴委員のほうから、海外からの受け入れ研究者はかなりやっているが、こちらから、派遣はどうなっているかという御質問でありますけれども、手元に細かい数字はありませんが、短期、数週間から数カ月とかというものと、長期、1年とか2年とか、期間で見ると大きく2つカテゴリーがありますけれども、短期のほうについては、学会あるいは個別の海外の研究機関、大学も含めて100以上の研究協力のプロジェクトの課題があります。ですから、それで行き来は非常に活発に行っております。

    それから、1年とかあるいは2年、こういう長期の派遣でございますけれども、産総研が組織としては6人とか7人とか、この程度を毎年派遣しております。それ以外に各研究ユニットが、独自に自分たちの予算の中で長期に出張という格好でやっております。それから、非常に少数ですがJSPSなどの制度で行く場合もあります。トータルとして少なくとも10~20の間の人間が毎年出ているといったところです。この数は、必ずしも多いとは思っておりません。かなりエンカレッジしているところなのですが、最近ちょっと気がつきますのは、若い研究者が、産総研に入る前に在外研究の経験をされた人もおりますし、私ども古い世代が感じていた長期の在外研究の魅力をそれほど感じていないという感じもありますけれども、エンカレッジしているところでございます。

    それから、松重委員からの海外の研究機関との連携、Win-Winの関係になっているかという御質問でございますが、産総研は幾つもMOUを結んでおりますが、基本的に5年という期限を設定しておりまして、両者のさらなる継続なり発展というのがあった場合にさらに発展させるということなので、結んでそのままずっと形骸が残っているというのはないようにというのは、配慮をもちろんしております。

    産総研の国際的な研究協力の基本的な考え方は、大きな柱が2つございまして、1つは、欧米の研究機関が多いのですけれども、世界の卓抜した研究機関との相互補完的な研究協力というとらえ方。もう1つは、アジアの諸国が多いのですけれども、特にエネルギーの環境の分野でイコールパートナーシップが2番目、という基本的な考えをしております。

    欧米の相互補完的なところでは、ある種ネットワーク・オブ・エクセレンスという言い方で相互補完的なもの。これは単に研究のプロジェクトそのものだけではなくて、最近もCNRSなり他のところともやっておりますが、研究所のマネジメントプラクティスについての意見交換なり切磋琢磨というようなところも入ってきております。

    それからアジアにつきましては、環境・エネルギーについては、最近、日本の国策としてもアジアとの協力を進めようということで、これについてはかなり多くの研究機関と密接な連携をしておりまして、私どもの実感としては、お互いにWin-Winの関係ということが実現されつつありますし、そういうことでいっていると思っております。

    簡単ですが。

  • 木村部会長

    どうもありがとうございました。

    他にございませんか。

    どうぞ。

  • 小野副理事長

    最後のところの御指摘にお答えしたいと思うのですけれども、技術開発だけではなくて社会インフラとともに整備していくというのでしょうか、その点でございますが、我々もその点は非常に重要だと思っておりまして、幾つかのプロジェクトにおいてそれを実行しているというつもりではございます。1つの例が、既に説明はされておりますが、資料2-3の33、34というところにございます、ナノテクの工業用ナノ粒子の特性評価のプロジェクトでございまして、これは34ページをごらんいただきますと、1つはナノテクそれ自身の技術開発がございます。もう1つはリスク評価ということがございまして、社会的にナノテクが十分受け入れられていくということが大変重要になっております。

    その過程で、インフラといたしましては計測の部分を中心にいたしまして、ナノ粒子を十分にキャラクタライズして、これを安全試験に適用していくということ。安全性試験そのものの規格化を進めていくということが、科学に基づいた安全性試験をしっかりやっていくというのが重要でございまして、そのインプットが、この33ページにもございますように、OECDとかあるいはISOの規格というところで非常にアウトプットを出しているところでございまして、こういう規格標準化といったインフラをつくりながらナノテクを育てていくという、そんな方針でやっている一例として御紹介したいと思いまして申し上げる次第でございます。

  • 伊藤理事

    私から30秒だけ時間をいただきたいのですが、松重先生の最後に、産学間連携の新しいモデルというような御発言があって、私も全く同感であります。それで、1つだけ申し上げますと、先ほどの2-3の最後のほうに「『健幸』価値が創り出すこれからの社会」というレポートをおつけしてあるのですけれども、実はこれがまさにそのための資料でありまして、こういう新しい未来を我々自身が描いて、これをベースに営業に行っていると、今はそういう状況でございます。先月も名古屋の大きな自動車会社にこれを持っていって、これで大きなプロジェクトをやりませんかと。そのためには、産総研だけが技術を提供できるわけではなくて、大学、場合によっては他の企業、こういった技術もすべて産総研が一旦束ねて、それでまとめて提供しますと。ですから、産総研が産学連携のハブとして一括受託して、それは例えば5億円とか大きな金で一括受託して、産官学の様々な技術シーズを産総研がまとめて御提供する、こういうアプローチを今しております。それがうまくいけば、新しい産総研なりのまた大きな産学間連携の道が開けるのではないか、そういうふうに期待しております。

  • 木村部会長

    ありがとうございました。

    どうぞ、谷川先生。

  • 谷川委員

    私のほうからも数点お伺いしたいと思います。まず1点は地域センターのことでございます。地域センターのことにつきましては昨年も少しコメントさせていただきましたが、東京の本部やつくばを中心とした産総研さんが大変いいお仕事をされていらっしゃるのに対して、ちょっと地域センターの活動が見えないということを申し上げたところです。いろんな取り組みをされていらっしゃいますので大変いいと思うのですが、今日の御説明の中に、公設試ほかと連携していろんな地域の問題を解決する、お手伝いするという、そういう体制についての御説明はありました。それにプラスして、大学も一つ要素として入るのだと思いますけれども、連携をして問題を解決するといった時に、具体的に産総研の地域センターはどういう役割を連携の中でとろうとしていらっしゃるのかということをもう1度、確認をしたいというのが1点でございます。

    それから、2点目は国際戦略についてです。大学も産総研さんも随分前から国際連携をしていますが、これは我々大学も悩ましいのですけれども、国からどんどん国際展開をしろ、国際産学連携をしろという要請が来て、我々も実際そういう取り組みを真剣にやっているのですが、一方外為法の問題や、技術流出、それから防衛問題、こういうことに関する国の縛り、注意といいますか留意、きちんとやれという要請は大変強くなってきています。もちろん、我々として意図してそういうことをやるわけはないのですけれども、相当それに関するコントロール、管理が厳しくなったなという感じが我々大学ではしています。産総研さんは、その外為法の問題、技術流出、防衛問題に対してどういうスタンスで取り組んでいらっしゃるのでしょうか。国際貢献とか国際連携、海外の企業、海外の機関と一緒になって、お互いのサイエンス、技術のレベルを上げていこうというのは大変重要な問題だと思いますが、今言ったような問題というのは大変悩ましいジレンマですので、どういうふうにお考えになっているのかということを、教えていただきたいというのが2点目でございます。

    それから3つめです。これも昨年少し申し上げたのですが、産総研さんは本格研究という大きな柱を立てそれが具体的な研究のプロジェクトの中に生きているのだと思いますが、より強く産総研さんの存在意義を証明しようとすれば、国としてこれが必要だというものを、骨太の研究テーマとして取り上げ、そのプロジェクトのリーダーとしてやっていくべきではないかと思います。その場合のリーダーというのは、足らないところを大学、産業界を束ね、そのリーダー役として、またハブとして振舞うべきではないかということを申し上げましたけど、具体的なそういう例があるかということを教えていただきたいと思います。この資料の中に、そういうハブとなってやっていきたいという意思表明はありましたけれども、具体的な例を教えていただければと思います。先ほど伊藤理事からおっしゃいました「健康工学戦略」ですか、これなどももしかしたらそうかもしれませんが、そういう意識があるかどうかということを教えていただきたいと思います。

    最後にもう1点、これはコメントですけれども、内部統制管理、大変よくやっていらっしゃって、何もやってない大学から比べれば大変すばらしくて、こういうことが少しでも大学でもできれば、もう少し成果が上がってくるのではないかと思っています。大学とは文化が違いますから余り言ってもしようがないのですが。ある意味ではよくやっているなと思いましたけれども、逆に、統制、統制で中の方が萎縮しないかというのがちょっと心配でして、やっぱりインセンティブというものとあわせ技でないとまずいのではないかなと思っておりますので、そういったインセンティブみたいなものがあるのかということも、もしありましたらお願いします。

    以上です。

  • 木村部会長

    それでは、お願いします。

  • 矢部理事

    最初に御質問いただいた地域のセンターの役割に関してでございますけれども、今、公設研という話が出て、公設研が今、中小企業と非常に太いパイプを持っておりますので、それを活かして、我々がそこの技術相談などの難しい部分などを引き受けるということを1つはやっております。

    それから、公設研自身が今、独立行政法人化で非常に揺れておりますので、公設研全体としてどうやって存在意義を深めて中小企業の活性化に役立つかということで、地域部会というのを我々リード役としてやらせていただいて、ボトムアップで丁寧に問題解決をしていくというのをもう1つやらせていただいております。

  • 谷川委員

    大学は、特にその中に入らないのですか。

  • 矢部理事

    今まで公設研というのは我々が中心だったのですけれども、これから地域イノベーションという形で大学の方も一緒に入っていただこうということで、各地で我々ある程度まとめ役になって、そういう連携をつくっていくと。最初はデータベースあたりから始まりますけれども、地域のニーズ把握とか、そこら辺を一緒になってやっていくということで、地域の大学も一緒になってやるという形をやらせていただいています。そういう意味で、地域のイノベーションハブというのになろうとしています。

    もう1つ、組織的に今やろうとしていますのは、ニーズを把握したら、つくばを含めて全体として技術を組織的に支援していこうということで、例えばトレーサビリティとか大分地域のニーズが出てきていますので、それを産総研の全体で応援していくというのも一つ取り組もうとして、なるべく見えるようにしていこうと思っております。これは地域でございます。

  • 伊藤理事

    国際の件の前に、骨太のプロジェクトの3点目のお話について、ちょっと話をさせていただきます。本日お配りした資料の2-3の4ページ目、パワーポイントの4ページの図ですけれども、今先生がおっしゃられたものは、産業変革研究イニシアティブという形で私どもも今取り組み始めたところであります。これは1テーマ年間3億円ぐらいドーンと入れて、まさに産総研がシナリオもつくり、企業、大学、独法を全部入れて大きくやっていくというものでありまして、具体的な例としては、先ほどお示しした11ページの組み換え植物を利用した医薬製造完全密閉型工場、これがまさにその第1号でございました。これは企業5社と産総研がお互い資金もシナリオも出し合ってやっておりまして、それぞれ先ほど申し上げましたような事業化プランを今つくっているところであります。

    もう1点は、先ほどの資料の23ページ、これは昨年・19年度に新たにこのプロジェクトで発足したものでありますけれども、バイオマスエタノールの件。これも大学でいいますと広島大学、独法は森林総研ほか幾つか、それから産総研。企業も今幾つか入っておりますが、まだ今日は名前を言えない状況ですけれども、そういう形でやっております。

    それから、これはバイオマス・アジアという形で、アジアの国々とも密接に連携して、資源が豊富な外国との連携を進めて、大きくやっていく。これは最近物すごく、この間の福田総理大臣の、結局読まれなかったそうですけれども、いわゆる食物を圧迫しない次世代のバイオマス燃料をやるべきだという、そういう流れに実はこれは沿っておりまして、そういう意味でもこれは大きくやりたいと。これは去年、4.5億円出して始めたところであります。

    もう1点、ここの資料にないのですけれども、ロボットで1件。ロボットのミドルウェアの開発というのもやっておりまして、これは実は昨年、国際標準に無事なりまして、日本発のロボットの国際標準というものを勝ち取ったりしております。全体で4件やっておりますが、そのうちの3件を今御紹介いたしました。これについては毎年1~2件、これからもつくってやっていきたいというふうに考えております。

  • 山崎理事

    国際的な産学連携の展開と、もう1つはセキュリティーということで御質問あったかと思いますが、国際的な連携ということになりますと、1つはセキュリティーという観点と、それから、産総研の成果をいかに世界的なマーケットにベネフィットしていくための連携と2つあると思います。前者のセキュリティーの観点からいきますと安全保障輸出管理ということになりますが、産総研の中に、これは国際部門の中でありますけれども、研究セキュリティー管理部という組織を設けております。総勢、部長も含めて8名で取り組んでおります。この中には、長いこと企業で安全保障輸出管理に係る仕事をされた方もおりまして、かなりよくできているのではないかなと若干は自負しております。経済産業省あたりからも、よくやっているというお言葉もいただいております。

    これは研究者個々が法律なり、マニュアルも膨大なものですから、研究者の判断は難しいと思っています。ですから、基本的に、この件どうだろうかという時には、全件コンサルティングで来てくださいということで、このぐらいの人数はどうしても要るというふうに思っております。

    それから、産総研の成果なりを、先生がおっしゃいました国際的な産学連携ということでありますけれども、産総研の最近の研究成果に対して結構ビジネス化への手がかり、とっかかりとして、外国の企業が非常にスピーディーに飛び込んでくる場合が多くあります。その時に、産総研はかなりの部分を公的な資金で研究をさせていただいておりますので、日本の産業の競争力とか、国益と言ったらいいのでしょうか、そういうものとのバッティングが生じないかどうか、安直にただ外国の企業と進めていいのかどうか、この辺は慎重に、と同時に、産総研の成果が世界展開するという観点からも、バランスであろうかと思いますけれども、その辺慎重に検討しながら、経済産業省とも御相談しながら進めております。

  • 古賀理事

    コンプラの余り統制、統制で萎縮しちゃうのではないかという御指摘で、これは非常に難しい問題だと思っております。最終目標は、もちろんいい研究をしていい成果を出していくというのが目標でして、統制というのは、統制そのものが目的ではないということをしっかり頭に置いて進める必要があるなと思っていまして、私、アリバイコンプラと言っているのですけれども、いろんな決まりをつくって、やっています、やっていますという形をつくるというところにどうしてもいきがちなので、そこをどうやって防ぐかというのが課題になると思っています。

    魂を込めろというふうに言っているのですけれども、1つは、まじめな人に対するコストをいかにして軽減してあげるかという、これはインセンティブという観点で、それを工夫していけないか。例えば査察だとか報告だとか、そういうものの回数をしっかりやっている人に対しては減らしていくだとか、そういうような工夫が必要だろうと思っていますし、もう1つは、ルールを絶えず見直していく。やっていくと、必ずいろんな不満が出てきますが、従来、それがやや放置されていた感もありますので、見直しをやっていく。これを、今度新しい部局が立ち上がりますけれども、そこでそういうことをやっていって、最終的には納得感というのを職員に持ってもらう。それによって遵法意識が高まれば、より効果的なコンプライアンスというのが達成できると思いますので、ルールの見直しというのもやっていきたいというふうに思っています。

    それから、システム化を進めて、ITを利用できる部分というのは相当あるのではないかなと思っておりまして、そういうところでもコストを削減していくということを考えていきたいと思っています。管理全体としてのイノベーションというのも新しい課題だというふうに考えております。

  • 木村部会長

    ありがとうございました。

    よろしゅうございましょうか。

    私も2つほど御質問申し上げたいのですが、私もこれでたしか5年、委員を務めさせていただいておりますが、毎回出る問題で、産総研は非常に意欲的に組織変革をおやりになっていますが、今のコンプライアンスも含めて、やはり日本のこれまでのやり方とは違うことをおやりになっているような気がしないでもありません。組織を変えた場合に、必ずしも自分の意図しない仕事をやらざるを得ないようなことになるといった場合に、ロイヤリティーの問題が起きてくると思うのですが、その辺、吉川先生、何かお考えになっていることはございますでしょうか。前にもお答えいただいたような気がしますが。

    もう1点、中島理事から、外部評価委員がこういうところはよかった、よかったというお話があったのですが、ここはまずかったということは、頂いたデータには入ってないような気がしたので、その辺のデータをいただければ全体的な判断ができるので有り難いですが。あるいは見過ごしたのかもしれませんが、その辺を御説明頂ければと思います。

    では、中島先生。

  • 中島理事

    この「研究ユニット評価報告書」、この中に、対象としたすべての研究ユニットの状況を1ページに圧縮してまとめております。また、評点化もしていまして、ロードマップの観点、マネジメント、アウトプットとか、点もつけておりますので、それが恐らく直接。ただ、隔年でやっていますので、1つ前は18年度になってしまうのですね。評価をしてない時は、モニタリング意見交換と称しているのですけれども、ユニットが主催するシンポジウムに評価委員の先生方に出ていただいて意見を述べてもらうとか、あるいはユニットが会議形式で意見交換するような場をつくる。それらを我々判断にしておりますけれども、いずれにせよ、その報告書の2年分が最も信頼できる表かなと。

  • 木村部会長

    わかりました。ありがとうございました。

    では、吉川理事長。

  • 吉川理事長

    大変重要なポイントなのですけれども、確かに組織変革を非常に頻繁にやるとか、そういうことが一体何なのかと、これは日本の文化と違うという御指摘もあるのですけれども、私自身は基本的には、いわゆる表層的な文化と言われているもの、これは一種の組織論なのだけれども、日本型の組織論というのは、本当に個人というものを十分に生かしているのかどうかということは大きな疑問を持っておりまして、むしろそういうものは壊したほうが個人の能力が発揮できるのではないかというのが、この7年間の私の実感なのですけどね。それは簡単に言えば、一言で言えばユニットの研究におけるオートノミーと、一方、当然オートノミーであるがゆえに責任を持たなければならないということで、その責任に関する、責任って、一体何に対して責任を持つのかという、その問題意識を全所で共有するということでロイヤリティーというものをつくっていく、こういうことしかないと思うのですね。

    ちょっと話が展開してしまうのをお許しいただければ、今日の評価委員の先生方の御指摘、大変私も共鳴するわけなのですよね。それはまさに何に共鳴するかというと、過去のようにどっかに政策論があって、その政策に従って研究せよという構造は全く壊れてしまった。あるいは、産業がこういう技術が欲しいからくれと言われて、それを提供するという、かつての国研的な位置づけというのは完全に世の中からなくなっていて、これは世界的な状況であって、よく俗に言われる「海図のない航海」などという状況が本当に身近に起こっているわけで、一体何をしていいかというのはどこにもないのですね。お手本はない。

    そういうことで、結局1人1人の研究者が自分で一種の動機というものを実感的につくる中で、一つの研究意欲が沸いてくるという構造に頼るしかないということになっているわけで、これが結果的には、結局政策をしているお役所というか、それと研究成果を使う産業というものと、それから我々のような研究グループというのがあって、この3者の関係というのが、いわば誰が先導してというような構造が全くなくなってきているということなのですね。こういうイコールフッティングのような形でこの3者がある。しかも、それがお互いに入り組んでいる。私は産学連携でいえば、産学連携は面の協力ではなくて立体的な協力だと言って、現実にアーキテクトというようなものをつくり、それが産業の中に入っていくという構造をつくったり、あるいは大学のキャンパスの中に産総研のユニットをつくるというようなことをやって、現実的に三次元的な構造を持たせていくことなのですが、そういう形で、政策と研究とその利用の産業というもののいわば非常に有機的な関係というものが日本にできつつある。その中の一端をかなり我々は担っているのではなかろうかということが、産総研の経営方針としてもはっきりしておりますし、それが実は研究ユニットの研究者たちの実感にもなっているという、これがいわばロイヤリティーというか一つの組織に属する者の関係だというふうに考えています。

    同じような、先ほどどなたかおっしゃったように、そういうところがコンプライアンスに関係あるのではないかと、こういうことなのですけれども、全くあるわけで、私もこの問題が統制という形で出てきた時に、これは非常に危険だというふうに感じて一部の者に言ったわけなのですが、それは何を言ったかというと、やっぱり結局は、いわゆる統制、コンプライアンスというものは研究者の非常に固有な、研究者というのは非常に独創性を求められて、社会から見れば非常に孤独な存在で、自分で非常に未知の問題を提案しながらそれを試されてしまうという、そういう中でどうやって自分を律していくのかということしか、実は本当のコンプライアンスはないのだということなのですね。それは、いわばそういういろんな問題というのをみずからなくしていくしかないのだという提案をしているわけなのですけれども、そういう形で結局は、最初に申し上げたオートノミーと責任ということをこの産総研につくってきているということが、非常に息の長い話なのだけれども、いわば今のような問題をつくりつつあるのではないかというふうに考えています。

  • 木村部会長

    ありがとうございました。

    ちょっと余計な質問をしたのは、つい一昨日ですか、英国にいまして、英国のHigher Education Funding Council for Englandに参りました。この機関は、大学を評価して、かつファンドを渡す機関が、ここが今ガタガタになりつつあります。非常に大きな機構改革をやったのですが、その結果、そこから有能な人がみんな辞めてしまった。しかも、辞めただけではなくて、そこから絶対外へ出してはいけないようなデータまで、全部出してしまって、今、英国では大騒ぎになってます。先ほど日本的と申し上げたのですが、これは日本だけではなくて英国でもこういうことが起こるのだなと思ったものですから、先程のような質問をさせていただきました。

    ありがとうございました。大分時間が過ぎてしまいましたが、もう1つ、余り愉快ではない議題がありますので、それをやらせていただきます。産総研の皆さんには御退席をただいて、評価委員だけで議論するということになっておりますので、よろしくお願いいたします。

    (産総研退席)

    少し時間が過ぎてしまいましたけれども、そう時間はかからないと思いますので、よろしくお願いをいたします。


(4)退職役員の業績勘案率について

  • 木村部会長

    私、この「業績勘案率」という言葉を聞くとぞっとします。またこれについて議論しなければいけなくなりましたので、よろしくお願いいたします。

    この業績勘案率につきましては、昨年の10月、書面をもって先生方には御審議いただいたところでありますが、政策評価特別行政法人評価委員会から、数々の不適切な案件を踏まえまして、再度、部会の審議を行うようにという指摘が参りました。そういうことで、事務局で見直しした結果等について御説明いただき、少し御意見をいただければと存じます。

    それでは、都筑さんよろしくお願いいたします。

  • 都筑産総研室長

    恐れ入ります、資料1-4をごらんいただきたいと思います。産総研の退職役員の業績勘案率につきましては、昨年の10月に御提出をさせていただいたところなのですけれども、1-4別添(2)というのがございます。寄託センター問題、先ほど一部説明がございましたけれども、昨年の10月17日に朝日新聞におきまして問題が発覚をいたしました後に、第三者委員会をつくって、最終的に3月14日に処分等その他いろいろ対策が行われたわけですけれども、10月のこの問題が発覚をしました時に総務省の行政評価局のほうから、こういう問題があるのであれば、評価委員会におきましては、不祥事案件、不適切な会計問題も含めたそういう問題があった場合には、それを評価の中で必ず考慮するというふうなことが決まっておりますので、そういった観点から見たのかということがございまして、こういう問題があるのであれば、この問題を踏まえた上でこの勘案率を検討していただきたいということでございます。

    特にこの寄託センター問題につきましては、別添(2)の裏になりますけれども、関係役職員の処分というのがございます。結果的に関係役員の給与返納、理事長につきましては10%2カ月、役員、副理事長につきましては給与の10%1カ月ということになっております。したがって、そうした時に、この退職された役員の方がもし仮にいたらどうなっていたのかと、そういったことを現行の役員とのバランスも考えるべきではないかという御指摘をいただいてございます。

    それを踏まえまして、事務的にも産総研と協議をいたしまして、資料1-4のような形にさせていただければということで、次のページ、資料1-4の2ページ目でございますけれども、2.であります。業績勘案率につきまして、1.0ということでやらせていただいたのですけれども、0.9という形でさせていただければということでございます。

    理由ですけれども、もう1枚めくっていただきまして、役員毎に理由書がございます。4.をごらんいただきたいと思うのですけれども、小玉副理事長の場合、在任期間中に発生しておりました寄託センターの不適切な微生物受託・保管の関係につきまして、副理事長就任時、13年に発覚をして、その後の対応がいろいろと問題だということになっておりますので、まさに就任の時に起こっているということでございます。その問題については、迅速な対応がされておりませず、問題解決に時間を要したということでございます。その際に指導的な立場にあった副理事長として、当時の対応が不適切だったとの指摘は免れないと。

    あと、本件に係る処分としまして、先ほど申し上げたように、現行の理事も処分をされております。したがって、仮に現在まで在職したとすれば同様の処分があるだろうと。

    ハ)に行きまして、この他にも遺伝子組み換え動物の不適切な使用、放射性物質の保管・使用等の問題も発生している。それから、今年の4月18日ですけれども、不適切な手続による会計問題、こういったことも在任期間中に起こっている。こういったことをひっくるめて考えまして、特段のマイナス要素と考えて-0.1というふうにさせていただくということでございます。

    次の吉海理事につきましても、ほぼ同じ理由でございます。こういった形で、したがって0.9ということにさせていただければと考えております。

  • 木村部会長

    余り愉快でない話なのですが、よろしゅうございましょうか。

    (「異議なし」の声あり)

    それでは、そういうことで、0.9ということでお認めいただいたということにさせていただきます。

    これはどっかへ報告するのでしたっけ。

  • 都筑産総研室長

    審議会の審議を経ました上で、最終的には評価委員長の木村先生の名前で総務省の独法評価委員会に報告します。

  • 木村部会長

    了承したというか、こういうふうにしたということを報告するのですね。

  • 都筑産総研室長

    はい。

  • 木村部会長

    ありがとうございました。


(5)その他

  • 木村部会長

    それでは、大変今日は長丁場で3時間を超えてしまいましたが、その他何かございますでしょうか。よろしゅうございますか。

    ありがとうございました。

    それでは、次回以降スケジュール等について、先ほどから何度も出ていますので改めて御紹介いただく必要もないかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

  • 都筑産総研室長

    先ほど説明したとおり、電子媒体で送りますので、それを踏まえた形で評価表を記入いただきます。先ほどの話ですと6月25日ということで締め切りをさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

    評価に当たりましては、説明はなかったのですけれども、資料2-7、2-8にも評価表のフォーマットに沿った順番でいろいろと資料が入っております。あと、資料2-9、2-10ですね。今回は、先ほどありましたように特記事項ということで、全部見ろということではなくて、年度計画のとおりのものについては特記されておりませんで、特に特記あるものがわかるようになっていますので、そこを中心に見て御評価いただければと思います。それを踏まえて、事務局のほうで評価委員会としての素案をまとめさせていただいて、7月4日、13時から本省別館の1020、10階の1020会議室で評価委員会を開催する予定としております。質問等ありましたら、事務局のほうに御連絡いただければと思います。

    それから、お配りした資料でございますけれども、非常に大部にわたりますので、そのまま置いていただいて、封筒があると思いますので、そこにお名前を書いていただければ、後日郵送させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

  • 木村部会長

    本日はどうもありがとうございました。また7月4日、よろしくお願いいたします。


以上
 
最終更新日:2008年1月14日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.