経済産業省
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独立行政法人評価委員会産業技術総合研究所部会(第19回)-議事録

日時:平成21年6月2日(火) 15:00~18:00
場所:経済産業省本館2階西8共用会議室

出席者

木村部会長、赤池委員、谷川委員、手柴委員、松重委員、室伏委員

議題

  1. 評価基準及び評価スケジュールについて
  2. 平成20年度業務実績について
  3. 独立行政法人産業技術総合研究所の中期計画の変更について
  4. 今後のスケジュールについて

議事

開会

木村部会長
それでは、時間でございますので、ただいまから第19回産総研部会を開催させていただきます。
松重委員は、御出席の御予定でございますが、16時45分ごろになるという御連絡をいただいております。

事務局及び産総研役員の御紹介

木村部会長
議事に先立ちまして、事務局並びに産総研役員の人事異動がございましたので、御紹介をさせていただきます。
まず事務局でございますが、産業技担当省審議官として西本淳哉様が御着任になっております。よろしくお願いいたします。
審議官、シナリオによりますとごあいさつすることになっておりますので。
西本審議官
御紹介いただきました、経済産業省の審議官で産業技術と環境を担当いたしております西本でございます。ごあいさつというより、もう既に着任して相当になるんですが、この評価委員会では初めてでございます。
この評価委員会の皆様には大変お世話になっています。産総研も平成13年に設立されて以来、第1期の中期目標、中期計画、それから第2期の中期目標、中期計画ということで、第2期が17年から18、19、20、21で、今年度が第2期の中期目標、中期計画の最後の年ということでございまして、委員の皆様方には大変お手数をおかけいたしますけれども、20年度の実績の評価と22年度以降の中期目標をどうするかということの審議とダブルでございますので、ことしは相当精力的にやっていかなきゃならぬということで、委員の皆様方にも大変御苦労をおかけいたしますけれども、よろしくお願いいたします。
最近の情勢でございますけれども、こういう100年に1度という大変な危機の中で、未来開拓戦略、経済危機対策ということで大変大きな補正予算を措置しておりますし、そういう中でも目玉となるのはイノベーションです。今までの中小企業対策とか公共事業関係とかいろいろあるわけですけれども、今回大きな目玉になっているのはイノベーションであるということでございます。私どもも、この国会で通ったばかりでございますけれども、50年ぶりに鉱工業技術研究組合法を大幅に改正して、キーワードはオープンイノベーションということでございます。
それから、今回の補正でいろいろ措置させていただいておりますけれども、例えば、つくば地区に300億円以上かけていろんなナノテクのセンターをつくっていくとか、パワエレとかナノエレとかいったセンターをつくっていくというようなこととか、あるいはいろんな太陽電池とか燃料電池とか蓄電池とかいったものについて拠点をつくっていくというような大きな予算を計上させていただいておりますけれども、それもオープンイノベーションということが核になっております。そのいずれも、これから産業技術総合研究所が中核的役割を果たしていくということで、大変大きな責務と世間の期待をしょっているのかなということで、これからますます産総研の活動は重要になってくるというふうに思っております。
それから、去年、特許生物寄託センターの問題で、いろいろコンプライアンスをしっかりしろというような御指摘がございました。そういった部分も含めて、今回、相当しっかりした体制をつくってやっていこうということで取り組んでいただいておりますので、その点も含めまして、私どもはしっかりとした御指導、御評価をいただけたらなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
木村部会長
ありがとうございました。
それでは、続きまして、産総研の人事異動につきまして、事務局、福田室長のほうから御紹介をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
福田産総研室長
まず、野間口有理事長が御着任されておられます。
また、上田完次理事、眞鍋隆理事、瀬戸政宏理事、内田修監事、それぞれの方が御着任されております。
以上でございます。
木村部会長
ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、事務局のほうから配付資料の確認をお願いいたします。
福田産総研室長
大部の配付資料がございます。恐縮でございます。お手元に3つの束があるかと思います。左の束、まず資料番号のない「席次表」「議事次第」がございます。続きまして、資料1-1、実績評価の基本方針、資料1-1別添、実績評価の記載例、資料1-2、産総研の業務実績の評価基準、資料1-2別添(1)、実績評価表、別添(2)の補足評価表、ここまでが資料1になります。それから、お手元の真ん中の資料、青いバインダーの中に資料2-1から2-9までございます。その下に、別刷りでA3サイズの大きな産総研の20年度実績(本表)、それが資料2-10でございます。資料2-11が産総研の20年度実績(別表1・2・3)。これは、それぞれ別刷りになっております。また左の資料の束に戻っていただきまして、先ほどの資料に続きまして資料3、産総研の中期計画の変更について、資料4、「今後のスケジュールについて」、以上が資料でございまして、その下に参考資料1から5までが印刷されております。それから、お手元の右の資料ですけれども、産総研の研究組織と概要のパンフレット、「第2期研究戦略(平成21年度版)」「産総研研究カタログ2009」という分厚いカタログがございます。その下に「平成20年度研究ユニット評価報告書」、その下に「連携千社の会」のパンフレット、最後に「Synthesiology」―構成学―、これの第4号を参考資料として配付させていただいております。
以上がきょうの配付資料一覧でございます。もし不足等ございましたら、事務局のほうにお知らせください。
以上でございます。
木村部会長
資料は大変大部になっておりますが、よろしゅうございましょうか。説明を事務局からしてもらう際に、御確認を再度お願いしたいと思います。

1.評価基準及び評価スケジュールについて

木村部会長
それでは、議事次第に従い、議事を進行させていきます。
本日は、産総研の平成20年度評価に係る実績報告ということで、議題(1)の評価基準及び評価スケジュールについて、事務局から御説明をお願いいたします。
福田産総研室長
それでは、資料1-1から1-3に沿って、評価基準及び評価スケジュールについて御説明申し上げます。
資料1-1、これは経済産業省所管の独立行政法人共通の実績評価の基本方針でございます。昨年度と同じで特段の変更はございませんが、ポイントだけかいつまんで、改めて御説明申し上げたいと思います。
1.(1)基本的考え方にございますように、独法の業務実績の全体について総合的な評定を実施するに当たりましては、ポツにございますように、国の政策の方向性との整合性、業務の質の向上並びに事務事業の効率的かつ効果的実施について留意することとされております。
また、1.(2)にございますように、親委員会と分科会と、私どもの場合は産総研部会になりますが、その役割分担でございます。(イ)にありますように、産総研部会は産総研の業務実績の全体について評価を行う。(ロ)にありますように、親委員会は法人横断的な評価を行うこととなっております。
また、1.(3)の評価方法にございますように、産総研部会では主に3つの柱、(1)の業務運営の効率化、(2)のサービスの質の向上、(3)の財務内容、これを評価の3本柱として評価いただくことになっております。
1ページおめくりいただきまして、次のページの(ハ)にございますように、各項目の評価は5段階評価となっております。皆様御案内のとおり、Bが標準的に達成した場合でございまして、すぐれたパフォーマンスを実現した場合はA、極めてすぐれたパフォーマンスを実現した場合はAA、逆に未達あるいは問題となる事象が発生した場合はC、大幅に未達、重大な問題となる事象が発生した場合はDという評価をいただくこととなっております。
また、先ほど申し上げました3本柱の評価項目それぞれに何十%とかいう重みづけをしまして、AAの場合は5点、だんだん4、3、2、1と、Dの場合1点ということで、こういう点数に評価をしていただきまして、最終的に加重平均をとって総合評価を算出する、このような評価仕組みになっているところでございます。
次に、資料1-1別添、これが最終的な実績評価書の様式、イメージとなっております。最初のページは総合評価で、次の2ページをおめくりいただきますと、評価の3本柱の1つの「業務運営の効率化」が出てまいります。
次のページをおめくりいただきますと、×で、例えば「業務・システムの最適化【必須】」「内部統制【必須】」というふうに、【必須】と書かれた項目があらわれてまいりますが、この評価書の中に7つの評価すべき必須項目が挙げられております。これにつきましては、先生の皆様方に必須項目を各個別に評価をいただくことになっております。これは資料1-2でまた御説明させていただきます。
次に、資料1-2でございますけれども、これは産総研の業務実績の評価基準でございますけど、これも昨年と同じでございます。
次の2ページ目をごらんいただきまして、産総研のウエイトづけですけれども、3本柱に対してサービスの質の向上につきましては、3.(1)(1)にありますように60%、(2)にございますように業務運営の効率化については20%、(3)の財務内容については20%のウエイトづけをさせていただいております。
また、2ページの一番下のほうにございますように、評価いただく際の考慮事項は、釈迦に説法かと存じますけれども、幾つかの留意事項が挙げられております。簡単に改めて申し上げますと、評価いただく際に、評価を出すに至った背景なりについても明示していただくようお願い申し上げます。
3ページに参りまして、先ほども申し上げましたように、標準的に達成された場合をBとするということで評価をいただければ幸いでございます。
また、次のポツにございますように、中期計画に掲げられている具体的な取り組み内容に対するもののみならず、新たな取り組みなども含めて評価材料となるものがございましたら、積極的にそういったところを勘案いただけると幸いでございます。
また、達成状況の判断に当たりましては、特に研究開発活動の特質にも御配慮いただきまして、外的要因か内的要因か、こういった実績となった背景につきましても考慮していただけると幸いでございます。
また、単なる達成の度合いのみならず、研究開発とかプロセスとか質的な側面も重点的な視点として評価いただけると幸いに存じます。
最後に、資料1-2別添(1)のA3の総括表、これが委員の先生方に実際に御記入をいただく総括表になっております。ここにII、III、IVとありますけれども、サービスの質の向上、業務運営の効率化、財務内容、これが評価の3本柱になっております。特にサービスの質の向上のところにつきましては、産総研の中期目標の柱立てに沿って細分化されております。1.の「質の高い研究成果の創出とその活用のために講じる方策」、2.の研究計画の中で、(1)の鉱工業の科学技術、(2)の地質の調査、(3)の計量の標準、3.の情報公開。この60%のウエートが、それぞれこういった細分化した項目に割り振られております。これについて御評価を御記入いただくということになります。
その後についております資料1-2別添(2)補足評価表、先ほど必須評価項目が7つあると申し上げましたが、それぞれ1つずつについてこういった補足評価表がついております。この補足評価表を御記入いただく際には、必要なファクトとかデータがあるわけですけど、それにつきましては、この青いバインダーの資料2-8に必要な情報が書かれておりますので、後ほど産総研から説明がある際に、この2-8のデータにつきましても御説明いただくことになっておりますので、それを参考にしつつ評価表に御記入いただけると幸いでございます。
説明が長くなりまして恐縮でございます。最後はスケジュール、資料1-3でございます。本日の部会終了後、直ちに委員の皆様方に、今御説明申し上げました御記入をいただく評価表をメールにて送付させていただきます。タイトなスケジュールでまことに恐縮なのでございますけれども、2週間強しかございませんが、6月18日までに評価表を事務局に提出いただくよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
その提出いただいた評価表に基づきまして、事務局が先ほど御紹介しました仕上がりの実績評価書の形に取りまとめまして、部会長と御相談し、調整をした後に各委員に送付させていただきたいと存じます。そして、7月3日が次の産総研部会になります。ここでこの実績評価を御審議いただき、7月中旬に予定されている経産省の親委員会のほうで、産総研部会から産総研の実績評価を報告し決議いただく、このような予定になっております。
以上でございます。
木村部会長
ありがとうございました。
スケジュール並びに資料の記入の仕方等について御説明をいただきましたが、何か御質問ございますでしょうか。
6月18日というのは結構きつくて、私自身も相当大変なんですが、絶対にディスカウントできないんでしょうね。
福田産総研室長
なるべくよろしくお願いいたします。
木村部会長
ということでよろしゅうございましょうか。大変御苦労でございますけれども、よろしくお願いをしたいと思います。例年に比べると短いですよね。
福田産総研室長
 例年も大体2週間強だったと聞いておりまして……
木村部会長
いや、もうちょっとあったんじゃないかというような気がしますけど。3週間前後あったような気がするんですが、よろしくお願いいたします。その辺はあうんの呼吸でやりたいと思いますので、よろしゅうございましょうか。
 (「異議なし」の声あり)
それでは、スケジュール、その他については以上とさせていただきまして、次の議題へ参ります。

2.平成20年度業務実績について

木村部会長
平成20年度業務実績について産総研から報告をお願いいたしますが、これが我々が評価するもとのデータということになりますので、よろしくお願いいたします。前回全体会議があったときに、当初、90分説明するという話でしたが、ちょっと90分は耐えられないだろうということで、事務局と相談して50分ということになっておりますが、多分50分よりは延びるんじゃないかというふうに思います。
御説明を、まず野間口理事長、次に脇本理事、伊藤理事、矢部理事、上田理事、眞鍋理事にお願いしますが、それぞれ資料2シリーズについて、野間口理事長には資料2-1、脇本理事には資料2-2、伊藤理事には資料2-3、矢部理事には資料2-4、上田理事には資料2-5について御説明いただき、眞鍋理事には資料2-6及び資料2-8について御説明いただくということになっておりますので、よろしくお願いいたします。繰り返しで恐縮ですけれども、これが我々が評価をするもとになりますので、よろしくお願いをしたいと存じます。
それでは、野間口理事長からよろしくお願いいたします。
野間口理事長
それでは、今、木村委員長のお話にありましたように、資料2-1を使いまして、産総研の活動につきまして報告させていただきます。
めくっていただきまして「産総研について」ということで、「沿革と規模」というページがございます。これは皆さん御案内のとおりでございますが、明治15年の地質調査所を初めといたしまして、日本の近代化を引っ張り、あるいは基盤を支えてきた工業技術院の時代の活動を受けまして、先導的な立場に日本の産業界がなりました。2001年4月以降、独立行政法人ということで、持続的発展可能な地球社会の実現へ向けて貢献しようということで産総研がスタートしております。
つくば地区の中央の拠点を中心といたしまして、北海道から九州までの各地域のセンターは、地域の工業技術研究所、あるいはその前は工業技術試験所として地域の産業を支えてまいりましたけれども、それも地域センターとして産総研の中に統合いたしまして、日本で最大級の一大公的研究機関が誕生したということでございます。
規模について左下に説明しておりますが、約1,000億ほどの資金を使わせていただいてやっております。その内訳は運営費交付金660億、施設整備等補助金93億弱というふうになっておりますが、自己収入というのは、NEDOからの委託、経済産業省からの直接委託、知財とか共同研究、あるいは講習会等で入ってきます収入、これが30億強ございます。それから、民間の共同研究の民間側の負担金などを入れまして、265億という規模でございます。
常勤の職員数は3,000名強でございますが、常時、大学からの研究者あるいは企業からのビジティングの研究者等おりまして、この産総研の中で研究している人材は6,000名以上と私どもは認識しております。
それから、産総研の研究ユニット47というふうに書いておりますが、真ん中にあります研究部門というのが22ユニットありまして、これは日本産業が必要とします技術といったものをしっかりと、少々の変化がありましても、どしんと構えてやっていこうという研究部門でございます。そういった部門での研究の成果を踏まえて、産業への出口が具体的に見えて、数年かけてチャレンジしてみたいというものを研究センターという形で設定しておりまして、これがほぼ同じ数ございます。
それから、研究ラボというものは、研究センターへのフィージビリティースタディーといいますか、可能性を探るというようなことをやるのが2ユニットございまして、合計47というような構成になっております。産業への貢献ということで出口を強く意識しながらも、長期的に日本としてしっかり取り組むべき課題は逃がさないぞという形でこの研究ユニットは設定されているというふうに私は見ております。
めくっていただきまして次のページでございますが、2ページが産総研の業務の全貌でございまして、1つが「鉱工業研究開発の推進と研究成果の普及促進」ということで、先導的な研究をやりまして、それをできるだけ効率よく産業につなげていくというようなものでございます。これが一番世間でも認識されているものと思っておりますが、ますます持続的発展可能な地球社会を実現するための成果を、世界の最先端の国々に負けないようにやっていくという使命があると思っております。
それから、産業を推進する上での知的基盤の整備という国の施策に従ってやっておりますのが地質調査、計量標準でございまして、ここに書いておりますように、全国の計画に従って、地質地図を計画どおり整備していると思っております。
それから計量標準のところも、日本が近代的な産業国家として、それを支える一番基本になるところは計量技術でございます、これをしっかりと押さえていこうということで、これも計画を立てまして、その計量標準、物質標準等の提供をやっております。
それから、「産業技術政策の地域展開」ということは、先ほど申しましたように地域センターを核にしまして、その地域センターはそれぞれ世界水準の研究テーマを持っておりますが、その地域における産総研の窓口という機能も持っておりまして、地域経済をサポートしているという役割でございます。
それから「人材育成」というところでは、高度専門技術者を育成して産業界に提供する。あるいは「イノベーションスクール」という表現をしていますが、産総研は、ポスドク等のイノベートな人材を企業戦士として役立つように鍛えて提供しようという新たなチャレンジもしておりますので、そういった取り組みを書いております。
これが業務の全体像でございますが、最近の現下の情勢を踏まえた話題を少し話させていただきたいと思います。2ページの下の3ページでございますが、これはつい最近、アメリカの国立研究機関と密接に協力して、世界をリードするような成果を発信していこうということで、6つの研究所とMOUを結んだ話でございます。DOE傘下の5つの研究所とは、省エネルギーあるいはスマートグリッド等に代表されますように、自然エネルギーをエネルギーインフラに導入した場合の標準的な技術開発、世界で標準的に使われるような技術開発を力を合わせてやりましょうというようなテーマ。
それから、右のほうにあります国立標準技術研究所は、長年、産総研は計量分野で協力関係にありまして、この米国の研究所からも大変高く評価されて頼りにされていたようでございますけれども、新しくナノ材料とかエネルギーの先ほど申しましたようなスマートグリッド等のエネルギーマネジメント、そういったところでも連携を広げていこうという提案を受けまして、一緒にやっていこうということでございます。日本側から結構人材も派遣しまして、世界的な協調と競争をやっていきたいと思っております。
右のほうを見ていただきまして先進的研究開発拠点、これは先ほど審議官の話にもありましたけれども、産総研をもっとオープンイノベーションのハブとして位置づけて活用していこうということで、つくば地区にナノテクの研究開発拠点をこれまで以上に拡充しようという取り組みでございます。
それから蓄電池、これは日本がこれからの省エネルギーの時代に持っております重要な強い技術でございますけれども、これを関西地区の産総研の拠点を中心にしまして拡充して、産業界、大学も含めて日本のレベルアップを推進していこうというものでございます。
もう1つは太陽電池でございます。これは、つくば地区で長寿命化あるいは高性能化をやりまして、評価の国際標準などにも耐え得るような成果を出していこうということでございます。
それから生活支援のロボット、これも企業に任せておりますとなかなか実現が進みませんので、介護者支援とか移動支援、そういった視点を入れまして、安全につながる技術開発をやっていこうと、そういう拠点を整備しようということでございます。
もう1つ重要なことは、産総研は大企業だけではなくて全国の中小企業を支援しておりますが、毎年4,000件あります技術相談、そのうちの半数は中小企業からでございまして、これも地域の底力発揮のために産総研が協力しようと。地域センターで受けますけれども、地域センターで全部カバーできないところは、ネットワークでつながります全産総研が後ろでサポートしてやっていこうということで、現在の経済状況を打破するために活動しているところでございます。
それから、産業基盤の強化という観点でいきますと、先ほども2ページのところで申しましたけれども、5ページのところで私の印象も加えて話させていただきますと、計量標準はWTOのTBT協定というのが発効しまして、世界貿易を推進するためには標準の計量技術が必要だということで、その計量標準をいかに国として提案できるかというのが競争力の1つの尺度になっている面がございます。そういったものをしっかりと支えていくということで、目標以上の達成を目指してこれからも取り組んでいかなきゃいかぬと思っております。
それから地質調査、これも活断層とか地質地図としては非常にこれまでも役立ってまいりましたけれども、例えば大陸棚を延伸するとか、日本の地質も、よくよく調べてみますとメタンハイドレードなどの資源があるなど、非常に今日的な問題に対して貢献もできるようになりまして、こういったこともしっかりやっていこうということでございます。
3番目、「物質等のリスク評価」というのがございますけれども、これは、先ほどナノ材料とか申しましたけれども、取り扱います材料の種類は非常にふえております。これの活用する上でのリスク情報を、基本になるデータを含めてしっかりととっていこうというわけでございまして、ロース規制初め環境規制等が非常に厳しくなっていく中で、日本の産業界が間違いのない発展をするように貢献できるのではないかと思っております。
一番最後のページでございますが、今後の方向につきまして、私どもは今、先ほど審議官のほうから話がございましたけれども、第2期の最後の年を迎えておりまして、第3期を受けてビジョン検討会というのをやっております。そこで、今後の産総研をさらに社会の中の産総研ということで活用してもらおうということでいろいろ意見を戦わせておりまして、3つほど紹介させていただきますが、1つは、産総研の成果を大いに活用していただきたいというような姿勢から、産総研そのものが新しいイノベーションへ向けて取り組むイノベーションハブ。オープンイノベーションの中心として、産学官連携を引っ張っていくような形で存在しようと、そういう形の産総研になっていこうと、そのためにはどういうふうにあるべきかということを議論しております。
2番目、最も重要な何をやるかというところでは、産総研は先ほど51研究ユニットがあると申しましたけれども、そのユニット長は世界にも通用するようなユニット長でありますけれども、そこで考えます研究戦略に加えまして、社会として、産業界として何が期待されているか、そういう視点も入れた、もっとトップダウン的な課題設定も加えまして、これまでのよさと、本当に戦略的に日本産業を支える、その結果として世界に貢献する産総研というものはどうあるべきかということで研究戦略を今考えております。
3つ目でございますが、「産総研の見える化等」とありますが、私が産総研に来るまでと来てからでは、やっていることは相当認識が違いまして、うまく使えば、もっともっと産総研は役に立つねと。俗っぽい表現をすると、宝の山だというような印象を持ちましたけれども、産総研が外の人からももっともっとよく見える形にしていきたいと。オープンラボとかなんとかいろいろやっておりますが、こういったところにも来られないような中小企業などを含めて、気軽に来てもらっていろいろ活用してもらえるにはどうあるべきかということを考えて、産業界ではよく「見える化」と言いますけれども、産総研の「見える化」というのを工夫してみようということでやっておりまして、こういった議論を生かして第3期につなげていきたいと思っているところでございます。
それでは、先ほど先生の御指示のありましたように、次は脇本理事から。
脇本理事
それでは、資料2-2に基づきまして、「研究経営の視点と成果」ということで御説明をさせていただきたいと思います。90ページありますけれども、10分間ということでございますので、ポイントだけをはしょって御説明申し上げたいと思います。
まず、何ページかめくっていただきまして6ページでございますが、産総研の組織でございます。「研究ユニットの見直し」ということでございまして、7ページでございますけれども、理事長からの御説明にございましたように、永続的な研究部門と期限をつけた研究センター、それから研究センターの卵としての研究ラボという3つがあるわけでございますが、7ページにございますように、毎年、その時代時代の必要性を見直しておりまして、こういったことでユニットの見直し、数が変化しておるということでございます。
8ページでございますが、具体的に平成20年度にどういう変化があったかというのを示したものでございます。そこに書いてございますように、生物情報解析研究センターの期限が来ましたので、中身を見直してバイオメディシナル情報研究センターに変えたとか、次世代半導体研究センターをナノ電子デバイス研究センターに変えたとか、あるいはナノテク関係の研究センターを集約いたしましてナノチューブ応用研究センターとエネルギー半導体エレクトロニクス研究ラボにしたというふうな変化がございます。
こういったものとは別途、産総研は理工系の研究所であるわけでございますけれども、サービスというものに対しても科学的な視点から研究をしてみたらどうかという本省の商務情報政策局の政策的な要請もございまして、また産総研内部からの発案もございまして、新たにサービス工学研究センターというものも設置しておるところでございます。
9ページでございますが、同じようにライフサイクルアセスメント研究センター、化学物質リスク管理研究センター等を合わせまして安全科学研究部門ということでくくりまして、大きく安全科学全般につきまして、中西部門長のもとで研究をする体制をつくらせていただいたということでございます。
それから、おくれまして半年後の10月に設立した組織ということで、それまで超高速光信号デバイス研究ラボということで小さく研究をしておったわけでございますが、JST等の予算も本格的に取れたということで、ネットワークフォトニクス研究センターということで、富士通からお越しいただきました石川センター長のもとに本格的な研究を始めておるということでございます。
10ページでございますが、21年3月に終了した組織ということで、これは研究センター等一定の期限が来ましたので、期限とともに終了し、そこにおりました研究員の方はもともとの出身の各研究部門に戻っていただいたというものが、そこに挙げております3つぐらいございます。
それから、平成21年度、本年度になりまして4月に設置したものが2つございます。1つは、活断層研究センターと地質情報研究部門の地震のところを一緒にいたしまして活断層地震研究センターということで、発電所等の安全対策にも資するということで発足をさせていただいております。
それから、最近の環境エネルギー問題に対応するために、特にメタンハイドレードの研究を本格化させるということで、ラボをセンターに格上げして本格化させておるところでございます。
次の11ページでございますが、これは研究そのものではなくて、研究を支援する部門の見直しということでございますが、最近のポイントを3つ申し上げます。1つは、私は企画本部ということで研究所の運営全般を担当しておるわけでございますが、その中で特に18年12月、ちょっと古うございますけれども、イノベーション推進室というのを分けまして、これはつくばにあるわけでございますが、研究の総括をする、研究の推進の企画をするという部門を立ち上げてございます。
それから、冒頭の審議官のごあいさつにもございましたけれども、昨年、特許生物寄託センターの問題であるとか、あるいは会計上の処理の問題等いろいろ出ました。それに対応するために、平成20年7月、昨年の7月にいろんな部署を統合いたしまして、コンプライアンス推進本部というものを設置いたしておるところでございます。この本部長には副理事長に御就任いただいて、コンプライアンスの推進に努めておるということでございます。
一番下に「特許生物寄託センター」というのがございますが、これはセンターそのものの組織は変わらないわけでございますけれども、平成20年4月に理事長直属センター化ということで、理事長が直接に見るということとするとともに、センター長そのものに担当理事を着任させまして、後ろにおります湯元が担当理事でございますが、担当理事の責任のもとにきちっとした運営をするということとともに、外部委員会も設置いたしまして、安全面の対策をとるというような変化をさせていただいているところでございます。
12ページ、13ページにつきましては、研究関連・管理部門の棚卸しということで、常にみずからの体制を見直しておるということで紹介させていただいたものでございますが、詳細は省略させていただきます。
次、めくっていただきまして平成20年度の収入等の概要でございますが、理事長からの御説明にもございましたように、平成20年度は1,027億円の収入でございまして、そのうち運営費交付金が660億円ということで、これは毎年減額を受けておりますけれども、平成20年度はこの額でございます。
自己収入が265億円ということでございますが、次の16ページにございますように、265億円の内数は、経済産業省から運営交付金とは別途特別の事業を受託するというようなものが50億円強、文部科学省、環境省等からも受託しておりますし、NEDO等からも、そこに「国、民間企業以外」と書いておりますが、NEDOとかJST等を含めまして126億円ということでございます。
それから、民間企業からの受託研究が4.9億円、研究収入が24億円ということで、約30億円の収入を民間企業から得ておるということでございます。詳細は省略させていただきます。
17ページ、18ページでございますが、理事長の御説明にもございましたように、常勤職員約3,000名ございます。この3,000名とは別途、ポスドクということで約500名の方が在籍しておりますし、また産官学のいろいろな連携制度等によりまして、企業から約1,110名、大学から2,000名、その他法人から850名ということで来ておるわけでございますが、こういった方々は常勤ということではなくて、月に何日かとか週に3日とかいろんなパターンがございますので、常に常勤ということではございませんけれども、理事長がお話ししましたように、定員の倍ぐらいの人が常に研究所にいるということになっております。
19ページでございますが、ここはポスドクの人数をグラフにしたものでございまして、毎年変化はございますけれども、こういったポスドクの方々は何年か産総研に在籍していただいた後、19ページの右側にございますように、大学、産業界、国研、独法等に就職をしていただいております。ただ現状では、大学が最も多いというのが実態でございます。
次の20ページでございますが、こういったこともございまして、産総研は人材育成にも力を入れるということで、先ほど理事長のお話にもございましたように、産総研イノベーションスクールというのを昨年度から立ち上げてございます。ポスドクの方々は、大学に就職していただくことも結構なんですけれども、もっと産業界にも出ていただきたいということで、もっと産総研の中で幅広い体験をしていただくということで、特に講義だけではなくて、短ければ2カ月、長ければ半年間、実際に企業の研究所に派遣いたしまして実体験をしていただく。そこでうまくいけば企業にも就職していただくという可能性も広がるのではないかということで、昨年は10名ということでございましたけれども、本年度は公募いたしまして、イノベーションスクールに67名採用させていただいております。これも倍率は4~5倍ぐらいの応募がございました。さらに現在、追加募集をしておるところでございます。
このイノベーションスクールとは別途、産総研では専門技術者の育成事業ということで、研究開発に必要ないろんな測定の専門家等を育てるための事業も平成17年度からやっておるところでございます。
次の21ページでございますが、産総研全体として取り組んでおります専門技術者育成事業とは別途、各ユニットが専門技術者を育成しておるというのもございまして、バイオインフォマティクスセンターでは生命情報科学技術者養成コースということで、文科省からお金をいただきまして、こういった割と規模の大きい養成事業を行っておるところでございます。
次の22ページでございますが、バイオだけではなくて、特にものづくり系でもMEMS関係の人材育成ということで、同じく経産省のほうから助成をいただきまして、こういった事業もやっております。
23ページは、文部科学省からの助成によりましてキャリアパスの多様化促進事業ということで、ポスドクの方々のいろんな人材の創出モデル事業を推進するということを進めさせていただいております。
それから、研究戦略でございますが、24ページ、25ページでございます。これは出口を意識した研究を進めるということで、今お手元にもお配りいたしておりますけれども、こういう「研究戦略」というのを期ごとにつくっております。その期の中で、毎年度ごとに年度版の「研究戦略」というものをつくりまして、その中の階層構造で、大きな研究分野の中で戦略目標、戦略課題、重点課題ということで、それぞれの研究者の方に研究をお願いしておるということでございます。
26ページ、27ページでございますが、ここには、各研究分野ごとに具体的にどういう重点課題があるのかという例示を、27ページ以降、6分野ございますので、各分野別に御紹介をさせていただいておりますが、時間の関係で省略をさせていただければと思っております。
33ページ以降でございますが、これは冒頭御説明いたしました、新しく設立しました各研究センター、研究部門等につきまして、中身を簡単に、1センター1ページということで紹介をさせていただいたものでございますが、これもたくさん数がございますので、省略させていただければと思います。
何ページかめくっていただきまして42ページ以降でございますが、産総研の研究者の方々は、いろいろ研究活動をする中でいろんなところで評価をされて、表彰を受けております。この表彰の具体的な例を書かせていただいたものでございまして、43ページ以降は学会ということで、外部の学会でいろんな賞、大賞であるとか奨励賞とかいろいろもらっておりますので、20年度分をリストにさせていただいたものを掲げております。
49ページに参りまして、これは学会の表彰ではなくて外部表彰ということで、文部科学大臣賞であるとか、内閣総理大臣賞であるとか、こういった受けたものをここに紹介をさせていただいておるところでございます。
50ページでございますけれども、一番上に「産官学連携功労者表彰」ということで、昨年、内閣総理大臣賞を受けている部門も、湯浅さんという方ですけれども、いらっしゃるということでございます。
51ページでございますが、外部だけではなくて内部的にも理事長賞というのをつくりまして、研究者の方々、あるいはこれは研究者だけではなくて管理・関連部門、支援をする方々の表彰もやらせていただいておるということでございます。
52ページでございますが、国あるいは国際的な貢献ということでございます。
53ページ以降でございますが、産総研は標準化とか規格の運営に取り組んでおりまして、ISO等によりましても、産総研の研究者がチェアパーソンあるいはコンビーナー等を務めております。こういった具体的な例を紹介させていただいてございます。国際標準化委員会ということで、57ページまで御紹介をさせていただいております。
58ページでございますが、それとは別途、総合科学技術会議等にも研究者の方が派遣されて支援をしておるということでございますし、59ページは、国等のいろんな審議会等の委員に研究者の方がなっておる人数等を紹介させていただいたものでございます。
60ページ、61ページでございますが、これはあくまで内部的な作業でございますが、第3期の目標、計画をつくる前提といたしまして、産総研の内部で70名の若手研究者が集まりまして1年間議論をいたしまして、ちょっとまだお配りできる段階にはなってないんですが、「産総研ビジョン」というこういったものをつくらせていただいております。その中身を書かせていただいたものが61ページでございます。
62ページ、63ページでございますが、産総研が始まりまして8年目にして初めて、プロの研究者を対象としたオープンラボを昨年10月に開催させていただきました。延べ3,000名以上の方がお越しになったということでございまして、民間企業の研究者の方が中心でございますが、これを本年度も続ける予定にしております。もちろん、社会人一般の方を対象にいたしました一般公開は毎年開催しておったわけでございますが、プロの研究者向けということでは今回が初めてでございます。
64ページは、中小企業等、あるいは大企業も含めてございますが、技術相談の件数。
65ページ以降は、アメリカのDOEあるいはNIST等の研究所と調印をしたということでございますが、その紹介でございます。
66ページ以降は、アメリカだけではなくてドイツ・ヘルムホルツ協会、フランス・CNRS、67ページはアジアの各国、68ページもそうでございますけれども、こういった御紹介をさせていただいております。
69ページでございますが、平成19年12月に独立行政法人整理合理化計画というのが閣議決定されておりまして、そのフォローアップの委員会、行政減量・効率化有識者会議というのが開かれておりまして、そこで経済産業省が御説明した資料を69ページ以降に書かせていただいております。詳細は、今のお話と重複する部分が多うございますので省略させていただきます。
73ページでございますけれども、この会議のほうから、平成19年に支部・事業所等の見直しということで、私ども産総研の秋葉原のサイトにつきまして、平成21年度末までに事業の見直しを行うというふうに指摘されておりまして、これに対しまして経済産業省のほうから、整理合理化計画に従いまして秋葉原サイトの見直しを進めるということで、お答えをしておるということを御紹介させていただければと思います。
74ページ、75ページは、細かい点でございますので省略させていただきます。
76ページ、77ページでございますが、産総研の第2期の中期目標にいろんな具体的な数値目標が出ておるのでございますが、これの達成状況を紹介させていただいております。一部だけ御紹介いたしますと、78ページでございますが、「共同研究に係る指標」ということで、第2期中期計画目標終了までに、第1期の最終年度の1.5倍以上に民間企業からの受け入れのお金をふやしなさいと言われておりまして、1.5倍というのは具体的に約40億円になるわけでございますが、昨年度で30億円まで来ておりまして、もうひと頑張りということでございます。
79ページ「特許に係る指標」は、既に目標を達成しておりますので、右上に「目標達成済」と書かせていただいておるところでございます。
そういったことで、ほとんど努力させていただいているわけでございますが、81ページにございます「論文発表に係る指標」につきましては、まだこれからさらに努力が必要かと思っておるところでございます。
82ページ、工業標準化、地質、計量標準等、あるいは業務全体のスリム化ということに関しましては、目標を達成しているものもございますし、目標を現時点では達成していないものも大方達成できる見通しであるということでございますので、細かい説明は省略させていただければと思います。
10分を超えてしまいましたけれども、申しわけございませんが以上でございます。
木村部会長
ありがとうございました。
それでは、次へ参ります。次は伊藤理事、資料2-3、よろしくお願いいたします。
伊藤理事
それでは、資料2-3で御説明をいたします。2ページに書いておりますように、私のプレゼンは大きく2つの柱から成っております。1つは「イノベーション施策と成果事例」ということであります、もう1つが「社会へのインパクト事例」ということで、この2つを御紹介いたします。
まず、1枚めくっていただきまして3ページ、イノベーション施策の件について御説明いたします。4ページにございますように、先ほど来、産総研の強みに関しましては幾つか御紹介ありましたけど、もう1度ここにまとめてみますと、やはり産総研というのは非常にスペクトルの広い研究をやっている、つまり総合的な研究開発の組織だということ。それから、大規模な施設・設備を持てる、拠点性にすぐれた組織だということ。それから研究マネジメントは、企業ほどではないかもわかりませんけれども、基礎研究セクターの中ではかなり整っているという特徴がございます。こういう3つの強みを生かして、いわゆるイノベーションプロセスの中で言われている死の谷を効果的に乗り越えて、迅速に成果を社会へ出していく、こういう役割を担おうとしております。
また、キーワードとしては「フロー&ストック」ということで、イノベーションというのはひとり産総研だけでできるものではなくて、さまざまなプレイヤーの間で成果その他をフローさせながらバリューアップをしていかなきゃいけないということで、先ほど来出ておりますイノベーションのネットワークの結節点、ハブになろうということで今進めているところであります。
5ページ目ですけれども、それを行う上で、具体的にどういう制度の仕組みを持っているかということをざっと表現したものでありますが、要は多様なイノベーションにかかわるリソース、例えば人・物・金、こういったものをオールジャパン、あるいはグローバルにフローさせて、それを受け取れるような機能を持たなければいけないということで、多様な産学官連携制度を今構築しております。
一番左側を見ていただきますと「人材」、手段としては連携であります。これはつい今年度ですけれども、人材を企業から産総研に移籍させて、産総研のアンダーワンルーフで、同じガバナンスできっちりと研究をやろうという制度も新たに発足をさせております。これは昨今の企業における研究開発の極端な冷え込みの中で大変企業から今注目されている制度でございまして、今年度は第2期の最終年度ですけれども、こういった新しい制度で企業との大きな連携が相当数構築できるのではないかというふうに考えております。
真ん中ですけれども、物を媒体とした連携ということで、設備も企業によっては提供できると。特に装置メーカーですけれども、今までは、1年前まではできなかったんですが、ことしの3月から、設備も私どもに提供していただければ、それを簿価でキャッシュに換算して、そこにマッチングファンドを提供して大きな研究をやれると、そういう制度を新たにつくっております。
その他貸付制度、さまざま企業が産総研を使う上で、かなり柔軟なものを今現在は用意できているのではないかというふうに思っております。
こういう制度を使いまして、同じ5ページの下のほうに「産業変革研究イニシアティブ」。その他、大きなプロジェクトを産総研がやれる土壌が今できてきたと思っております。
6ページですが、その一例として御紹介いたしますのが、北海道センターでやったプロジェクトであります。平成17年から3年間、遺伝子組み換え植物を使った医薬品の製造工場というものをつくりましたが、この例でございます。これは、北里研究所が今年度から治験を3年間やって、3年後からはいよいよ事業化をするということで着々と進んでいるものであります。
1枚めくっていただきまして7ページ、拠点の御紹介ですけど、これは先ほど来出ておりますので簡単にいたしますが、例えば九州大学のキャンパスの中に設置いたしました水素センター、これも産総研らしいアウトバウンド型の拠点の典型ではないかというふうに思っております。
さて、政策の話は以上にいたしまして、具体的な研究成果の御紹介に移りたいと思います。9ページ、10ページ、この両ページに、研究自体は本日お配りの年度計画の表に従って着々と成果を上げておりますが、中でもイノベーションという視点から特に経済価値をイメージしやすい研究テーマを幾つか抜粋しております。各分野2~3つ抜粋しておりまして、全体14件、資料を作成しておりますが、きょうはお時間もございませんので、各分野1件ぐらいずつ、はしょりながら御紹介したいと思います。
総じて今年度は、この資料をつくりながら私が思いましたのは、第2期の最終年度にもなり、相当研究成果の質が上がって、また語れる成果になってきているなという印象は持っております。
1枚めくっていただきまして12ページであります。これはライフサイエンスの分野の1つの研究成果の事例でありますが、生きた細胞をそのまま観察できる高性能電子顕微鏡の開発というもので、一見、大したことないじゃないかという印象があるかもわかりませんが、これはまさに生ものを扱うライフ系では待ち望まれていた観測手段でございます。従来、電子顕微鏡というのは、いわゆる固体物理系の観察手段でありましたが、これが初めてこのような生もので使えるものになったということであります。大気中で試料は用意できますので、試薬を入れながら生きた細胞そのものを高分解能でリアルタイムに見られるというものであります。これは日本電子さんという企業と共同開発をいたしまして、日本電子は、もう製品にして今年度、そこに300億円と書いておりますが、これは多分難しいと思いますが、既にマーケットに出すということになっております。これは特記事項に書いておりますように、2009年度の日経産業新聞の技術トレンドでも上位に入ったものであります。
2つ目の御紹介でありますが14ページ、これは情報通信エレクトロニクス分野の成果例でありますが、ヒューマノイド型のロボットの研究であります。つい3月にプレス発表いたしまして、いろいろテレビ等でも紹介されましたけれども、世界で初めて女性の体型、日本人の平均的な体型に極めて忠実なヒューマノイド型のロボットを完成することができまして、そこの写真にございますように、ある意味大変きゃしゃなロボットが今回できました。
これの目的は、1つは、こういうロボット産業のすそ野を広げるために、ここで使われた技術、性能をできるだけオープンにして、規格標準化につなげていく。それによって、今までロボットと無縁だったさまざまな産業の異業種がここに入れるようにしていこうと、そういう目的があります。
もう1つは、人間のパートナーとしてヒューマノイドはやはり大事だと私は思っておりまして、例えば、これからだんだん高齢化社会を迎えるわけでありますが、特に1人でお住まいになっている高齢者の方のエスコートをする非常にやさしいロボット。私は、こういったものは大きな可能性があると思っております。そういう意味で、ちょっと飛躍ですけれども、これがトヨタのカローラぐらいのお値段でできれば、1家に1台行き渡るのではないか。そうすると、今の自動車産業と同じぐらいの規模の産業が生まれる可能性があるのではないか、そういうふうに期待もしているところであります。
1枚めくっていただきまして16ページ、これはナノテクノロジー、材料製造分野の成果の事例でありますけれども、カーボンナノチューブの件でございます。これは昨年、この場でスーパーグロースという製膜のプロセスに関する成果ということで御紹介いたしましたが、従来ですと基板に垂直にカーボンナノチューブが入るわけでありますが、それを今度は横に寝かせて、非常に配向性のいい、シリコンで言えば単結晶基板をつくったようなものでありまして、これをつくりますと、従来の半導体の微細加工技術がすべてここに適用できて、さまざまなデバイスがオールカーボンナノチューブでできるというものであります。これは今、特にこの瞬間、何かに利用ということではないんですけれども、カーボンナノチューブというもののデバイス応用の1つの基盤を今回提示できたのではないかということであります。これも日経産業新聞の2008年度技術トレンドで上位に入ったものであります。
1枚めくっていただきまして20ページでありますが、環境エネルギー分野から1件御紹介したいと思いますが、「VOCフリーの革新的塗装技術の開発」。これは、私は大変おもしろいと思っておりまして、1つは、従来、塗装といいますと、シンナーとかそういう溶剤、溶媒を大量に使っておりまして、いわゆるVOCの問題があったわけであります。これは東北センターでありますけれども、従来から、東北センターでは超臨界技術というのをやっておりました。今回、この技術を使いまして、いわゆる50~60気圧のCO2で塗料を希釈するという技術を開発いたしまして、東北にある加美電子工業という専門の会社とやってみたところ、従来のVOC型の塗装と全く遜色ない、そればかりかもっときれいにできると。CO2が瞬時蒸発しますからブツブツができないということで、非常に好評を得ております。
これは宮城県の宮城グランプリとかいう賞をもらったわけでありますが、地域おこしの中でも重要であるとともに、このVOC関連の塗料というのは大体4,000億の国内マーケットがございますけれども、これの代替。それ以外にも、今さまざまなこういうCO2の技術というのが使えるのではないかと期待されているところでありまして、きょう御紹介いたします。
めくっていただきまして21ページ目であります。これは地質分野の事例でございますが、大陸棚の件であります。これは大変地味な貢献でございまして、なかなかマスメディアが騒ぐというものではありませんけれども、御承知のとおり、海洋における国と国との権益のある種競争になっておりまして、その中で四面を海洋で囲まれている日本としては、特に大陸棚というのが重要な国益の問題になっております。実は大陸棚というのは、200海里のあたりまでは無条件に大陸棚と認められますけれども、それ以上に延ばそうといたしますと、地形及び地質が連続性を持っていないといけないという極めて難しい条件になってまいります。産総研は特に地質を、日本の必要なところすべてのボーリングのサンプルを分析いたしまして、学術的なデータをすべてそろえて、今回めでたく2008年11月12日、去年の11月12日ですが、我が国政府が国連に大陸棚限界延長申請書というものの提出にこぎ着けたというわけであります。ここの作業部会の7~8人の中に産総研が3名出しておりまして、そういう意味でも産総研の貢献は極めて大きいということで、きょう御紹介をさせていただきます。
22ページですが、これは計量標準の成果事例でありますが、最近、安全・安心あるいは健康という問題でマーケットもまた大変大きくなりつつあり、国民の関心も高まっておりますが、皆さん御経験だと思いますが、病院に行きますと必ず検査をされます。しかも、検査値が病院によって違うということがよく言われております。それは、健康にかかわる標準物質の供給がちゃんとできてないということに原因しているわけでありまして、今回は、それに対してC反応性たんぱく、ちょっと難しいんですけれども、標準物質というものをSI準拠で世界で初めて開発して、供給を開始したというものであります。このC反応性たんぱくというのは、肺炎のC多糖体というものに反応するものであるからC反応性と呼んでおりますが、要は人体の炎症症状に幅広く反応して出てくるたんぱくでありますから、これを調べますと、人間の体内で起きている炎症を非常に高精度に観察できるという汎用性の高いものであります。今回これを出すことによって、非常に大きな社会的な便益を提供できるのではないかと期待しております。
最後に、25ページで、いわゆる総合的な取り組みを行っている事例を1つ御紹介いたします。これは「中小規模雑食性バイオマスエタノール燃料製造プラントの開発実証」というものでありますが、メカニカルな技術、バイオ技術、ケミナルな技術と多数の分野から研究者が集まってやっている研究であります。昨今、バイオマス問題は食料の問題と関係して世界的に大変問題になっておりますが、ここでやっておりますのは食べられないバイオマス資源ということで、特に木質系をエタノール化しようというものであります。従来は、硫酸という強いケミカルを使っておるのがドイツの技術で一般的なんですが、今回は硫酸を一切使わない水とメカニカルな粉砕、これだけでやるというもので、世界で初めて一貫処理プラントをつくりまして、この2月に、初めてこれを稼働させたというものであります。今回つくったのは、200キロの木質に対して60リットルのエタノールができるというものでありますが、これを徐々に改善して実用化につなげたいと思っております。
以上で平成20年度の年度の成果の御紹介を終わりといたしまして、あと、ちょっと御参考までにということで、26ページから、社会的に見てインパクトがあるなと思われる事例を少しまとめてみたということであります。昨年度は工業技術院時代の社会インパクトの事例を10個ほど御紹介いたしましたが、今回は産総研発足後の事例をまとめております。
27ページ、これだけで御説明は終わりますけれども、最初の4つは技術の社会への移転ということで、アスベスト代替ガスケットあるいは調湿材料、エコカラットです。それから難燃性マグネシウム、これは新幹線に搭載されて何万台と売れているものであります。それからDNAチップ、これも今実用化されて、マーケット的には300億円ぐらいのマーケットですけれども、世界シェアでナンバー1になろうとしているというものであります。
下の4つは、産総研がこれまでつくってきましたベンチャーのトピックスでありまして、サイトパスファインダーというのは、先日、新聞に出ましたけれども、武田薬品と複数年度、数億円の移転契約を結んだ。その他エシキャット・ジャパン、これは昭和電工さんに買い取られて新規事業の立ち上げに貢献した等々でございます。
個別の御説明は本日割愛させていただきますけれども、私からの御紹介は以上でございます。
木村部会長
ありがとうございました。
それでは、引き続きまして資料2-4につきまして、矢部理事、よろしくお願いいたします。
矢部理事
資料2-4に基づきまして、地域展開の進捗について御報告させていただきます。
2ページにありますように、全国に8センターがございますけれども、分散配置いたしました8つのセンターで2つのことを目指しております。1つは、地域の技術的特性を踏まえた分野で世界のトップになるという研究拠点になること。また、もう1つは、産総研のポテンシャルを活用して地域に貢献するという、連携拠点としての役割でございます。まず、研究拠点としての成果の進捗について御報告いたします。
次の3ページをごらんいただきますと、これは中国センターの例でございますけれども、中国地域に豊富な木質系バイオマスを生かして、バイオマスの液体燃料化をしております。ここで、今、死の谷を越えるようなところに来ているというふうに考えておりますけれども、これは産総研が開発いたしました非硫酸セルロースの方法を、その右下の図にありますような一貫プラントを実現して、今実証しております。これによって、まさに前の部分の影響が後ろにないということで一貫プラントとして実証できるのではないかということで、実証の段階に来たと思っております。
その下は北海道センターの例でございますけれども、これも死の谷を越える段階に来たというふうに思っております。特に赤い矢印が上に来ておりますけれども、我々がつくったものが製品としてできてきたわけですけれども、今回、事業者に対する植物工場の利用貸付制度を新設するという成果の普及の一環が実現できまして、これによって、まさに事業化の実証のところまで来られたんじゃないかというふうに思っております。
次の5ページに行っていただきますと、このように産総研の本格研究の展開によりまして、我々は、死の谷を越えるために必要な克服すべき技術的課題をかなり明らかにすることができたと思っております。これを我々は「社会技術」と呼ばせていただきまして、これをすごく大事であるというふうに考えております。
こういう段階で非常に地域に対してわかりますのは、「社会技術」のすぐ上に書いてありますけれども、地域の強い人的なネットワークが多くの課題解決に非常に有効なサポートになっている。地域は、こういう面で非常に技術開発がうまく進んでいるというふうに考えております。
こういう社会技術の1つの例を6で御紹介させていただきますけれども、これは九州センターの水素の安全に関するものでございます。水素の特に脆性というのは非常に大きな問題ですけど、その脆性のメカニズムを解明するとともに、水素の高圧ボンベの健全性の評価の報告書という形で社会に発信しておりまして、こういうことで産業界に貢献できているというふうに思っております。
次に、連携拠点としての活動でございますけど、7ページ、平成20年度から地域イノベーション創出共同体事業というのを始めました。これは全国6つの地区で我々が主導的にやらせていただいているものでございますけれども、1つは、公設研または地域の大学の中小企業に活用していただけるような機器のデータベースをつくらせていただきました。これを全国の産学官コーディネーターが使って、紹介ができるような形をシステムとしてつくり上げております。
また、その下にありますけれども、東北センターの例でございますけれども、地域が必要としている、ここでは、例えば輸送機械の分野あるいは電気電子の分野におきまして、県の境を越えたような技術支援のネットワークを我々が中心になってつくり上げまして、まさに技術開発を進めさせていただいております。
次の9ページは関東地域の例でございますけれども、今、中小企業が輸出のときに一番大事になっていますのがいろんな制度の証明、トレーサビリティでございまして、そのトレーサビリティを産総研が中心になって、皆さん確立していこうじゃないかということで、産総研のつくばにあります計測標準の分野が、標準をつくるのと同じように、こういうトレーサビリティの確立に重点を置いて活動をしてくれております。
ここでは、三次元の長さをはかるもの、電波暗室の精度、あるいは六価クロムの定量という形でお示ししてありますけれども、こういう分野で動いております。
この計測標準の例に見られますように、10ページにありますように、今、産総研として地域を展開するに当たって、つくば等からの組織プレーが非常に重要であるというふうに考えておりまして、それに重点を置いて、この1年間活動させていただきました。
1つは、ものづくりの強みを生かす汎用プラットフォームソフトによって、これはつくばのデジタルものづくり研究センターがつくっておりますけれども、これによって全国で10社以上の成功例を挙げておりまして、ものづくりの競争力強化に役立っていると思っております。
また、トレーサビリティということで計測標準が全国を展開してくれるようになっております。
また、組み込みソフトの人材育成ということで、関西センターが「組み込み適塾」という形で人材育成をしております。これについては次の11ページにも具体的な例がございますけれども、関西の経済連と一緒になりまして、産業界が必要としている組み込みソフトの人材を育てるということをやっております。
このような形で、実は中小企業庁が選定をしております「元気なモノ作り中小企業」というのは今900社ございますけれども、そのうちの約10%と我々共同研究ができているという状況でありまして、中小企業と一緒になって、よりいい技術開発をしていきたいというふうに思っております。
また、13ページに「全国イノベーション推進機関ネットワーク」というのがありますけれども、産業クラスターが各地域にございます。これの全国ネットワークをぜひ我々も一緒になってつくろうということで、幹事機関として結成に加わり、今、全国ネットワークの中心的な課題は、産総研が地域のニーズに対応するようなシーズをたくさん持っておるわけですけれども、それを中小企業にわかりやすい形で提供しながら提案していこうというのを、この全国推進ネットワークの中心的な活動に据えて、我々はやらせていただいています。
14ページになりますけれども、こういう意味で第2期の地域センターは、世界をリードする研究拠点と、地域の活性化のための連携拠点というのが本格研究の実践で実現しつつあると、ほぼ実現できつつあるというふうに考えております。これから第3期に至るに当たりまして、地域の戦略というのを我々がある程度一緒になって、中心になってつくりながら、地域のイノベーションを創出していく拠点、ハブの拠点となること。特に地域の活性化を牽引するプレイヤーになっていきたいというふうに考えて邁進しております。
以上が地域展開の御説明でございます。
木村部会長
ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、上田理事に資料2-5について御説明をいただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
上田理事
資料2-5をご覧ください。よろしくお願いします。
今までは研究成果についての御報告がございましたけれども、それは活動している主体側の成果の主張であるわけですけれども、資料2-5で紹介しておりますのは研究ユニット評価の結果の概要でございます。その目次をまず見ていただきますと、以下、「アウトカムの視点からの評価システム」という説明がございますけれども、次のページを見ていただきまして、これが評価システムの概要であります。詳しいことは省略いたしますけれども、各研究ユニットで成果を出しているわけですが、研究をする主体側だけではなくて、それを評価する側から見る。その評価をするのは産総研内部の委員だけではなくて、むしろ外部委員に意見を求めて評価をするというものであります。
特に今回御紹介するのはアウトカムの視点からの評価でありまして、その評価した結果を産総研で行っている本格研究の一番最後のところで、つまり基礎研究をやって、それをアウトプットで出すところだけではなくて、その外側から見てどうかということに視点を置いた評価についての御紹介をいたします。
この成果の評価につきましては、コメント及び評点による評価を5段階評価でいただきまして、それを評価部で取りまとめ、理事長に報告することによって、産総研の研究に関する改善に関して反映をさせるということと、報告書をまとめまして、それを広く世の中に出すということでございます。最初の資料配付のところでも御紹介がありましたように、研究ユニットの評価報告書というのが、右側に積まれている資料の中の1つにあります。
なお、評価部といたしましては、研究ユニットそのものだけではなくて、いわゆる間接部門の評価もしておりますけれども、それは今回の中には含まれておりません。
2ページでございますが、まず産総研が掲げている中期目標というのが1から7までございました。一方、産総研で大きく分けている研究分野が、ライフサイエンス分野から標準・計測分野まで6つあるわけですけれども、その研究分野と中期目標との間の関係を示しているのがこの図であります。実際にその研究を担っているのは、いわゆる研究ユニットであるわけです。
その次のページでありますけれども、3ページでございまして、これは中期目標の項目ごとの評価結果の概要で、これはいわば私どもが今回御説明しているもののまとめになるものでありますけれども、本格研究の推進に関しましては、着実にその本格研究というものが産総研においては定着しているというところで成果も出てきているわけであります。一方、研究課題の選択と集中ということについては、さらなる努力をやらなければいけないということがございます。
それから、ロードマップの作成によって研究を推進しているということも、研究者、ユニットにおいても強く意識することによって、研究開発の意義ということ、あるいは連携ということが明確になったということがございますが、これも十分であるかと言えば、さらに広く、例えば、社会においてそれがどれだけの協力があるかといったような、あるいは市場というものを考えたときにはどういうような規模があるかということの関連で、より客観的にとらえる必要があるということがございます。
それから、顕著なアウトプットに関しましては、産業・学術的にすぐれた成果が得られているわけでありますけれども、後に時間が許す限りエグザンプルを紹介いたしますけれども、それ以外に、国の政策に貢献する顕著な成果がございます。先ほどの御説明にもありましたけれども、大陸棚のことなどはその1つでありますけれども、それに対しても成果を出している。このことは、1つは、学術的にすぐれた研究を出すということは当然のことですが、それを産業に反映させる、一方では社会的な価値というものも考えなきゃいけないということでは、長期的な課題への着実な取り組みというものも重要であるという点が指摘されています。
それから「イノベーションハブとしての取り組み」も、産総研は、広く日本全体を見たときにも1つのハブとなるべきであるということでありまして、それについてもかなり努力をしているわけです。しかしながら、さらに経済的な価値を社会において生み出すということから見れば、さらなる展開を期待したいという指摘があります。
人材育成についても、幾つかの試みが具体的にされているということは高く評価されているわけですけれども、これにも産業界から期待される多様な人材像に対応した育成システムというのも重要であるという指摘があります。
あと、幾つかのエグザンプルを御紹介いたします。既に先立つお2人の理事のほうからの説明がありましたので重なるところもありますが、評価の側から見て、評価委員の評価点もかなり大きいものを中心として紹介するわけですけれども、例えば3-1の健康長寿に関連するテーマの1つでありますけれども、バイオマーカーの開発関連研究であります。マーカーの抗体を検出するというアイデアに基づいて、検出システムを実際に企業との共同研究で開発しているということで、これは社会的な効果も大変高いものと期待されています。
次の5ページでありますけれども、「知的で安全・安心な生活を実現するための高度情報サービスの創出」というテーマでございますけれども、この中で、上のヒューマノイドロボットに関しては先ほども御紹介ありましたけれども、これは評価委員の側からも高い評点を得ています。
その下の新しい超高密度HDDのための高性能素子の開発でありますけれども、これも高い社会的な賞を得た、アイデアを中心にしたもので展開されているものでして、代表的な本格研究の1つであるとみなされるものであります。
続きまして、その下の6ページでありますけれども、産業競争力向上に関するものであります。ナノカーボンにつきまして先ほど御紹介がありましたが、その下に、さらにオンデマンド製造システム。これは小さな加工機械というか、そういうものを乗せたプラットフォームの中で製造システムを実現するものでありますけれども、これは先進製造プロセス研究部門でありまして、この展開というのは非常に期待が大きいということで、評価委員からも高い点数を得ているものであります。
さらに7ページでありますけれども、環境エネルギー関係であります。これは非常に社会的な要請も高く、国際的にも重要なこと、もちろん我が国としても重要でありますけれども、要請されているものであります。この3つのテーマ、繰り返して読むことを省略いたしますけれども、先ほども申されました真ん中のテーマですが、水素脆性に関しての疲労亀裂進展速度に関する大型研究システムというのをつくりまして、着実な成果を出しているということでございます。
その次の8ページでありますけれども、「高度産業基盤を構築する横断技術としての計測評価技術の創出」であります。これにつきましても2つの例を出しているわけでありますけれども、下のほうの例で申し上げますと、これは応力発光というような原理ですが、応力がかかると発光するという原理であるわけですけれども、例えばそれを用いることによって、マイクロなクラックの検出ということができる。実際の生産の現場においても、それの利用可能性を追求しているというものでございます。
その次の9ページでありますけれども、「地球の理解に基づいた知的基盤整備(地質の調査)」でありますが、1つは先ほどもございました大陸棚に関して、それの延伸といいますか、それに対して非常に基礎的な確かな信頼性のあるデータを出しているということで、これは経済的効果には直接ではなくても、社会的な効果としては非常に大きいものであるということになります。その下のレアメタルに関しましても、これは各国が非常に競っているところでありますけれども、この例としては、インジウムなどのレアメタルに関しての調査をやっているということであります。これも評価委員から高い評価を得ています。
最後に10ページでありますけれども、これは「知的基盤整備への対応(計量の標準)」でありますが、これには2つの例を出しております。上のほうの例だけを申し上げますが、これは社会の安全・安心を支える物理標準の開発の中のテーマでありますけれども、計量標準研究部門がやっているものであります。乳がんの発見率が高いエックス線診断がございますけれども、そのときに被爆量の標準がきっちりされておらず、その技術が医療技術としては一般に広まっていない面があると言われております。それに対してこの部門では、マンモグラフィのエックス線の量の標準を開発して、医療機関への校正サービスを開始して、今後、年間20万人に及ぶと思われる受診者に対して、安心して受診してもらえるという基盤が整備されたということで、これは社会的な効果、影響度の大変高いものであるとして高く評価されているものであります。
以上です。
木村部会長
ありがとうございました。
それでは、最後になりますが、眞鍋理事のほうから資料2-6と資料2-8、よろしくお願いいたします。
眞鍋理事
それでは、資料2-6を見ていただけますでしょうか。「コンプライアンス及びリスク管理等に係る取り組みについて」ということでございます。この説明では、コンプライアンス推進本部の概要と、それから、1年弱にわたって活動してまいりましたけれども、その主要な活動、3つの側面に分かれると思っておりますけれども、その辺について御紹介をいたしたいというふうに思っております。
1枚めくっていただきまして、資料2-6の3ページでありますけれども、昨年の7月でございますけれども、このコンプライアンス推進本部ができるに至った前の段階ということでございますが、2つのプレス等にも出された不祥事、不適切な事象というものがあったわけでございます。これについて大変御心配、御迷惑をおかけしたわけでございますけれども、1つは特許生物寄託センターの問題でございます。
これにつきましては、ここにおられます手柴委員にも御参画いただきましたけれども、第三者から成る調査委員会を設置いたしまして、この事件の内容について徹底的な調査を行った。その調査の結果、これからの産総研のコンプライアンス活動についての大変貴重な重要な提言をいただいたわけでございまして、そこに「調査委員会からの提言」ということで1から3、あるいは3の(1)から(6)とございますけれども、この提言に基づきまして、その後のいろいろな産総研の中の体制整備を進めている、あるいは活動を行っているということでございます。大きなその根っこにある柱の1つが、コンプライアンス推進本部の設立であったということでございます。
また、4ページのほうでございますけれども、これは会計の先行発注をするといったような手続面での齟齬でございましたけれども、こういったことも若干行われているものがございまして、これについても内部において徹底的な調査を行いました。その結果、こういった手続面での違反が起きることのないように、左下のほうでございますけれども、「具体的再発防止策」というふうに書いておりますけれども、少額の研究消耗品のようなものの購入につきましても、第三者がきちっと検収をするといったような制度を、今年の2月から既に実施いたしているところでございます。
それ以外にも、この会計関係のルールを職員に徹底させることでありますとか、あるいはこの先行発注の関係では、業者のほうもその辺のことを知りながらやっていたといったようなところもございましたので、業者、4,100社でございますけれども、そういったところにもこういったことが起きないようにというようなことで、徹底するような依頼を行ったところでございます。こういったことも含めて、コンプライアンス推進本部を設置して、きちっとやっていこうということで活動をやってまいったところでございます。
5ページのほうでございますけれども、組織図における位置づけでございますけれども、やや独立した形になっておりますが、コンプライアンス推進本部を設置いたしました。
6ページであります。冒頭の紹介でもありましたけれども、いわゆるコンプライアンスに関係するような部署、法務でありますとか情報公開でありますとか、あるいはリスク管理、危機対策の関係、監査の関係でありますけれども、これが従来は理事長直属ということで、バラバラになって独立に存在していたわけでございますけれども、こういった部局を集めまして、右にありますような組織。副理事長を本部長にいたしまして、私は副本部長として担当理事となっておりますけれども、また、新たな組織としては危機管理室といったようなものを設けまして、これは、名前は「危機」と言いながら、リスク管理の全般なんかも見ておりますけれども、こういった組織をつくったということでございます。
次、めくっていただきますと、7ページはそれを詳しく書いただけでありますが、これからの説明に入ります前に、用語といいましょうか、釈迦に説法で恐縮でございますけれども、私どもは「コンプライアンス推進本部」というふうに言っておりますけれども、やや教科書的に言いますと、コンプライアンスというのは広い意味でのリスク管理という中の一部にすぎないというようなことがございます。大きなリスクがあって、その中で顕在化したものが危機であり、また法令あるいは社会規範の遵守といったようなものに係るものがコンプライアンスということでございますけれども、あえて、これから我々は何を具体的にやっていくかということを考えましたときに、職員のコンプライアンス意識というものが重要ではないかというようなことで、本部の名前は「コンプライアンス推進本部」というふうにつけておりますけれども、リスク管理全般についても取り組んでいこうというようなことで取り組んできたところでございます。
9ページでございますけれども、ここ半年あるいは1年弱の活動でありますが、大きく分けて、9ページにありますように3つの側面から取り組んできた、あるいは最終的に取り組もうとしているということでございます。1つは、「リスク管理方針策定に向けた重点対応リスクの抽出」というふうにありますけれども、これは過去のもろもろの産総研の中の多くの事例を取り出しまして、その中にどういったリスクが背景としてあったのだろうか、あるいはその教科書のようなものも引っ張ってまいりまして、リスク全体の分類といったようなものを行って、産総研におけるリスクのテンプレートの作成といったものをやったという、まずは風呂敷を広げて全体のリスクを見てみようというのが1点であります。
それから、2-2でありますけれども、「参加型によるコンプライアンスの周知徹底」とありますが、いわば草の根的といいましょうか、個々の職員の方に働きかけて、コンプライアンスの意識あるいはコンプライアンスの徹底を図ろうという地道な活動を力を入れてやってきたというのが2-2であります。
そういった活動も行いながら、最後でございますけれども、コンプライアンス推進本部ができましたけれども、そのコンプライアンス推進本部を中心としたさらなるリスク管理体制について、さらに再構築をしていきたいというようなことで、現在、最終的な組織の詰めをやっているところという、この3つの点がこれまでの大きな活動ではなかったかというふうに思っております。
その3つのうちの最初の点でございますけれども、10ページのほうに書いてありますが、小さなものもたくさんあるんですけれども、産総研におきますこれまでのいろいろなリスクの事例というのを1,000ぐらい引っ張ってきまして、その背景にあるリスクといったようなものを分類・整理して、その分類・整理したものについて関係の部署の人などにもヒアリングをやって、それぞれの部署でのリスクというのはどういったものがあるんだろうかといったようなものを産総研全体で考えて、リスクのテンプレートという大変なリスクの分類表をつくったということでございます。その中から重点リスクといったようなものを選び出したりしながら、最終的にはリスク管理方針といいましょうか、産総研におけるリスクを管理していくときの基本的な精神規程といいましょうか、そういったものを今策定しようとしているところでございます。
11ページでありますけれども、3つあると申し上げました側面のうちの大きな2点目でございますけれども、「参加型によるコンプライアンス推進の周知徹底」ということでございます。コンプライアンス推進本部ができたわけですけれども、いわばコンプライアンス推進本部が上のほうから、職員にコンプライアンスを徹底しろといったような形になってしまいますと、なかなか目的といいましょうかコンプライアンスの最終的な徹底というのがなされないのではないかというところを非常に我々は意識をいたしておりまして、そういう中で、職員の方々に自発的にコンプライアンスに取り組んでいただける風土づくり、そんなことを目指しながら参加型のコンプライアンス推進施策というものを展開いたしております。
1つには研修の実施というようなことでございますけれども、この辺は、従来の研修をもっとブラッシュアップして、実際に職員の方に意識を持ってもらうよう、内容に注意しながら実施しておりますし、また、コンプライアンスを達成していくときのためのハンドブック。多くの企業において、こういったものは既につくられておりますけれども、産総研においては、これまでまだ存在しておりませんでしたが、非常に見やすい形で、ビジュアルで、かつ皆さんが自分のものとして取り組んでいけるようなものを工夫しながら、「コンプライアンスの道標」といったような題名にいたしておりますけれども、20~30ページの小冊子でございますけれども、これを現在、事実上作成し終わったところでございます。既にイントラでは公開して、全職員に見ていただいておりますけれども、今後印刷をして、それを手元に実際に持っておくことによって、コンプライアンスの徹底を図っていきたいというふうに思っております。
また、「セルフチェックリスト」というふうにございますけれども、コンプライアンスを達成するときに必要な項目、これは30項目ぐらいずらっと羅列いたしました1枚のシートでございますけれども、これを全部の職員にチェックをしていただくといったような活動も、これは昨年の秋でございますけれども、初めてそのような全職員によるチェックといったようなものも達成したところでございます。
また、こういったことを実施するときに留意いたしておりますのは、単に上から言われてからチェックをするということではなくて、このセルフチェックリストに対して何か意見がありますでしょうか、といったようなことで多くの職員から意見をいただきながら、それをまたコンプライアンス推進本部、セルフチェックリスト、そういったものの改定に結びつけていっている。そんなところに気をつけながら実施をいたしているところであります。
また、13ページ、14ページは、そういったセルフチェックリストでありますとか、こういった研修を実施するときに職員のほうからいろんな意見を聞くといったようなことをやっておりまして、その意見に対しては個別に回答したり、必ずコンプライアンス推進本部の中で検討をして、これからの活動に生かしていきたいというふうに考えているものでございます。
例えば、14ページの上の3.というところでございますけれども、「行動者目線での原因究明」というふうになっておりますけれども、これは1つの事例であります。
次、15ページを見ていただきますと「飲酒運転の撲滅」ということでございますが、15ページの右下のほうに3件ほど産総研職員の事例が載っておりますけれども、最初の事故が起きたときに、飲酒運転をしてはいけませんよといったような指示を徹底して出したわけでございますけれども、実はそれから数カ月で、また2件目の飲酒運転が起きたということでございます。ただ、そのときにはっと気づきましたのは、どちらの飲酒運転事故も、お酒を飲んだ後、数時間睡眠はとっていたと。睡眠をとっていたにもかかわらず、それが残っていてまた飲酒運転につながったというようなことがございまして、これは単に酒を飲んだから運転するなとだけ言っていても、こういった飲酒運転事故の撲滅にはならないのではないかというようなことで、お酒を飲んで、その後寝たとしても、アルコールはまだ残っていますよという、そういう実際の行動者の目線に立った注意喚起をしないと、現実のコンプライアンスというのは達成されない。こんな気づきを持たせながら、これは研修資料の一部でありますけれども、職員に徹底を図っているところでございます。
また、最後、3つの大きな領域のうちの3番目でございますけれども、「リスク管理体制等の再構築」ということでございます。これにつきましては、現在の体制でありますけれども、コンプライアンス推進本部を中心に、副理事長を委員長といたしますリスク管理のための委員会というものが組織されております。ただし、この委員会の中では、リスク管理の問題、ある意味では常日ごろ、あるいは中長期的なリスク管理の問題と、個別に何か起きたというときの危機対策が一緒に扱われることになっておりました。
この17ページ、18ページのほうでございますけれども、今後、これを分けてやっていったほうがはるかに適切、効率的ではないかというようなことで、そこにございますように、リスク管理体制のほうにつきましては、右上のほうに「リスク管理委員会」とございますが、こちらのほうは、そもそもリスク管理体制をどう整えておくかということでございますので、外部の委員の方にも入っていただいて、御意見をいただきながらやっていく。それから常日ごろも、下のピラミッド組織といいましょうか、各事業所の管理監なども通じた徹底する体制をつくっていくというようなことを留意してやっていこうというふうにしております。
また、危機対策のほうにつきましては、何か事が生じたといったようなときに危機対策チーム、あるいは右にあります「タスクフォース」といったようなもので機動的に対応できる、そういった体制をつくりたいというようなことで、リスク管理と危機対策を峻別してやっていきたいというようなことでございまして、現在、ここにありますような図式に基づいて実施するべく、最終的な組織規程の詳細をセットしようとしているところでございます。
以上、簡単でございますけれども、コンプライアンス推進本部のこの1年間の活動でございます。
次、2-8のほうに移ってよろしゅうございましょうか。
木村部会長
どうぞ。
眞鍋理事
資料2-8でありますけれども、「平成20年度実績評価補足評価表に関する事項について」ということでございまして、これは冒頭に福田産総研室長のほうからも御紹介がございましたけれども、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会のほうから指定されております、各独法の業務運営に係る評価の共通事項になるということでございます。それにつきまして、私どもがどのような対応をしているか説明を申し上げたいと思います。2ページでございますけれども、IからVIIまでの共通項目がございまして、またVIIIは、特に政策評価・独立行政法人評価委員会のほうから意見が出た項目についての件でございます。
めくっていただきまして3ページでございますけれども、「業務・システム最適化計画の策定、進捗状況」というようなことでございますけれども、まずネットワークシステムの関係でございますが、これにつきましては最適化計画を19年度につくっておりまして、その後も、それに基づきまして改善を進めているところでございます。平成20年度におきましては、特にネットワーク機器の保守契約の見直しといったようなことで、具体的には2,000万円もの保守費用の軽減にもつなげることができたといったようなことがございます。
また、イントラネットシステムにつきましても、さらなる改善を目指して、21年度中には稼働できるように、現在、最終的なテストを実施しているところでございます。
また、そのイントラネットシステムにつきましては、包括フレームワークといったような、これは産総研独自で開発したものでございますけれども、そういったものを使いながら、より効率的な業務運営ができるように、そんな工夫をしながら実施をいたしているところでございます。
また、次、5ページ以降に移らせていただきますけれども、これは「内部統制に関する事項」というようなことでございまして、これは、今し方申し上げました私どものコンプライアンス推進本部の活動と重複いたしますので、割愛させていただきます。
この内部統制に関する事項が5ページから14ページまででございますけれども、さっき言ったような形で、この辺のところを徹底しているということでございます。
15ページ、3番目の項目でございますけれども、「官民競争入札等の活用に関する事項」ということでございますけれども、業務効率推進化のためにアウトソーシング化、これは従来も旅費の支払い業務でありますとか給与計算業務の一部でありますとか実施してきているところでございますけれども、特に20年度におきましては、施設の維持管理業務に関しての修繕業務といったようなものについて検討を行いまして、21年度から請負契約に移行して、より効率的にやっていこうといったようなものを検討しているところでございます。
また、16ページのほう、4番目の項目でございますけれども、「入札・契約の適正化に関する事項」ということでございますけれども、これは随意契約を減らして競争契約のほうに変えていこうじゃないかということでございます。これにつきましては独立行政法人整理合理化計画による随意契約の見直し計画というものがございまして、それに基づいて産総研におきましては、右下に棒グラフがございますけれども、18年度の実績では、競争性のない随意契約等でございますけれども、金額ベースでいきますと契約が64.5%あったわけでございますが、見直し計画におきまして、これを金額ベースで18.9%まで減らしていこうという計画を作りましたが、20年度におきまして、結果として14.5%というところまで来ているわけでございまして、この契約における競争性というものは十分に達成されてきたのではないかというふうに理解をいたしているところでございます。
また、17ページでありますけれども、これは、そういった契約の競争化のための細かな規程でございますけれども、実施した契約等について公表するとか、あるいは随意契約による限度額といったものを、従来、国の基準より少し高目だったところ、そういったものを下げていくとか、そういった競争性の向上に向けた細かな改革をしながら実施をしているところでございます。
また、1ページ飛ばしていただきまして19ページでございますけれども、先ほど申し上げました、平成20年度に随意契約の金額の割合が14.5%まで下がったということでございますけれども、上の表の20年度の一番下のところ、随意契約の割合14.5%ということでございますが、この数字でございます。
その内訳としましては、そこにあるものでございまして、これは19年度との比較になっていて恐縮ですけれども、随意契約が19年度3,700件あったものが、20年度においては108件まで減ってきている、こういった改革を実施したところでございます。
また、20ページでありますけれども、こちらのほうは、さらに20年度の中で、入札あるいは公募をした者のうち1者だけが入札に応じたのか、あるいは2者以上が応じたのかということの詳しい表でございます。ここで1点だけ説明させていただきたいのは、この20ページの上の表の左のところでございますけれども、一般競争入札の一番下に「一者の割合」というのがございます。これが57.4%から20年度68.5%に上がっております。1者の割合がふえているというのは、競争性が少し減ってきているのではないかという御指摘を受けるかもしれないんですけれども、これは今し方申し述べました、従来であれば、事情を聞いて随意契約にしていたものを一般競争入札のほうに追い込んだ。ただ、その結果、入札にはかけてみたものの、結果としては1者しか出てこなかったといったような事例が、当然のことながら、従来随意契約をしたものをそっちに持ってきますと増えてしまうわけでございまして、その結果、やむを得ず結果としてパーセンテージが増えたものであるということを御理解いただきたいと思います。全体としての競争性というものは向上しているというふうに理解をいたしております。
また、21ページでございますけれども、これは応札をよりしやすくするようないろいろな条件の改革にも取り組んでいるということ。
22ページでございますけれども、これは随意契約によったものの内訳でございます。真にやむを得ない随意契約といったようなものでできる場合を、かなり明確に限定列挙いたしておりますけれども、そういったものがほとんどであって、若干個別事情で段階的に移さざるを得ないようなものもございますけれども、そういったものをそこに記載させていただいております。
23ページでありますけれども、これは総務省の委員会から指定された4番目に含まれます。産総研からの収入が当該法人の収入の3分の1以上になるところを関係法人とするということになっておりますけれども、そことの契約の状況というようなことでございます。随意契約が1件ございますけれども、これは前の22ページの一番下にあった事業でございまして、これについては段階的に競争のほうに移しているところでございます。
次、24ページ以降でございますが、Vの項目、「役職員の給与等の水準の適正化に関する事項」というようなことでございまして、人件費の削減について取り組んでいるところで、これは従来から御説明申し上げているところでございます。
また、25ページでありますけれども、「役職員の給与等の水準の適正化に関する事項」というようなことで、基本的には、これまでのいろいろな人件費に関する全体の動きも踏まえて削減がなされているところでございますけれども、20年度におきましては特に法人の理事長、法人の理事の報酬について削減がなされたところでございます。
26ページ、これは退職手当の支給状況等でございまして、規程に基づいて当然退職手当の支給基準等も下げてきているところでございますけれども、それに基づいて実施しているところでございます。
27ページでございます。これは職員の給与水準でありますけれども、いわゆるラスパイレス指数であります。ラスパイレス指数につきましては、行政職、研究職等は104.7あるいは104.6というようなことで、国家公務員と比べますとやや高目になっておりますけれども、るる申し述べた産総研における高度な研究開発活動を実施していくというようなものに対して、必要なものではないかというふうに考えているところでございます。28ページの上の(1)のところでございますけれども、例えば研究職員でございますが、産総研の場合、博士号取得者の割合というのが、国家公務員の研究職に比べまして非常に高い水準にあるといったようなことを御理解いただきたいと思っております。
次、飛ばしていただいて30ページになりますけれども、VIの項目、「保有資産の有効活用に関する事項」ですが、まず、字だけで書いておりますけれども中国センター、これは平成20年度に売却を終わったところでございます。また、関西センターの扇町サイトと九州センターの直方サイトにつきましても手続を進めているところでございます。九州センターの直方サイトにつきましては、20年度売却する予定でございましたけれども、入札したところ、こういった経済事情ということもあるんだと思いますが、不調であったというようなこともあって、再度、宣伝をしながら7月にもまた入札手続を実施したいというふうに考えているところでございます。
次、31ページのほうに移りますけれども、VIIの項目、「欠損金、剰余金の適正化に関する事項」ということでございますが、まず欠損金、当期総損失はないというようなことで、その意味において、最低限の健全性は持っているというふうに理解をいたしております。また、剰余金、当期総利益ということでございまして、利益剰余金はそこにございます190億円ということでございますけれども、これにつきましては法令あるいは関係の部署とも調整をした上で、そこにありますように適切に積み立てを行っているということで御理解をいただきたいというふうに思います。
最後、33ページ、34ページのほうでございますけれども、これは政策評価・独法評価委員会からの意見を踏まえた評価ということで、既に出てきた項目と重なっております。直方サイト等の売却ということで、これをなるべく早く売るようにということでございますけれども、20年度実施いたしましたけれども、さっき言ったように応札者がなかったというようなことで、現在さらに進めているところでございます。
また、35ページ、36ページですが、給与水準、ラスパイレス指数の関係は、先ほど申し上げたとおりです。
長くなってしまいましたけれども、私からは以上でございます。
木村部会長
ありがとうございました。
 

質疑応答

木村部会長
以上、野間口理事長以下5人の理事の方からの実績等についての御報告を受けました。大変大きな研究所でございますので、アクティビティーも非常に広範にわたっているということで、1時間ちょっとの説明ではなかなかわかりにくい点もあろうかと思いますが、何かお気づき、御質問の点がございましたら御質問いただきたいと思います。何かございますか。
従来、毎年これまで伺っておりましたのは、産総研の中の組織改編といいますか、そういうことについてかなり御説明があったんですが、きょうはほとんどございませんでした。それは前理事長の時代で、我々もそれを評価しておりましたけれども、ほぼ定着したというふうに考えてよろしゅうございますか。
野間口理事長
産総研発足後8年たっておりますけれども、16の機関が1つにまとまりまして、こういう時代の国家社会に貢献するという姿勢、出口意識をはっきり持ちながら基礎から応用までカバーするという形でやってきているということで、私は非常に評価しておりまして、今後とも、よいところは大いに伸ばしていきたいなと思っておりますので、今、先生御指摘のように、定着してきていると考えていただいてよろしいと思います。
木村部会長
ありがとうございました。
どうぞ、谷川先生。
谷川委員
2点お伺いしたいと思っております。
まず1つは、人材育成というのが産総研さんの事業の柱の1つになっていて、評価でも大変高い評価を得ていて、どんどんやるべしというふうになっています。人材育成というのを国の研究所がやるというのは珍しいということはないんでしょうが、いいことではありますけれども、大学というところは研究機関でありながら教育機関であるという位置づけがある中で、産総研さんのような国の研究機関がやるというのは、ある意味ではおもしろいし、私はいいことだと思うんですが、では一体どういうところに特色と強みがあって伸ばそうとされているのかというのをお伺いしたいと思っています。
なぜそう思うかというと、きょう、ポスドクの教育ということにフォーカスして御説明がありましたので余計そう思うんですが、大学というのはポスドクを出しているところですので、大学自体もポスドクをどういうふうに、訓練と言うとおかしいんですけれども、社会で受け入れられるようにするかということについて大変心を砕いて、国からもお金をいただき、いろんなトレーニングをしております。企業にインターンで出すということをしておりますが、産総研さんがポスドクを受け入れて研究するというのは、企業でもないし大学でもないところがどういう特色を出しながら、どういう強みを発揮しておやりになっているのかというのがちょっとよく見えないので、その点を教えていただきたいのが1点でございます。
もう1つはコンプライアンスのところです。近年、不祥事といいますか、こういった問題に対して大変真摯に取り組まれているというのは評価できると思うんですが、私が思うに、今日挙げられた問題の2つ目の不適切な手続の支出等、この点なんですけれども、この事案を見ますと、ある意味では私自身、ちょっと産総研さんに対して同情的といいますか、こういうことを言われた方に同情的でして、いいことだと思いませんけど、恐らく民間企業であれば、そんなに大きな問題にならなかったのではないかというような点について問題にされたと。確かに手続というか規程があるから、それを守らなきゃいけないというのはそのとおりなんですけれども、私も、民間といいますかビジネス界から大学に来て、信じられないほど規程がいっぱいあって、ほとんど意味のないような規程もいっぱいあるんですが、それを守らないといけないということで、大変辟易して、かえって効率が悪くなって、大学のミッションに反するんじゃないかということがいっぱいあるという経験をしているんです。
ちょっと脱線いたしましたけど、そういう意味で、ここでおやりになっている対策というのは、ある意味では正しいんですけれども、そもそも守らなきゃいけないと言っている手続とか規程自身が本当に産総研さんのミッションに照らして意味のあるものなのかということについての検証をして、規程とか手続自身を変えていくとか簡略化するというような御努力をされるのも重要じゃないかと思っているんですけど、その点についてどういうふうにお考えでしょうか。これが2つ目でございます。
木村部会長
お願いいたします。
野間口理事長
最初は産総研のポスドク、AISTスクールと私どもは言っておりますが、その件とコンプライアンスの問題でございまして、これは両方とも副理事長が中心になってやっておりますので……
小野副理事長
では、最初のほうのイノベーションスクールのほうでございますけれども、大学院で学生が研究者の卵として育ち、それがポスドクとなって、さらに磨きをかけるということでございまして、私ども産総研だけでこれが片づくとは思っていませんで、大学院教育とポスドクの問題は、恐らく根は一緒だろうなと思っているところでございます。
ポスドクは産業界にもっと受け入れられていいと思っているんですけれども、その1つの原因として、やはり専門を余りに狭く考え過ぎていて、専門が深くて──もちろん深くないと研究が進まないという面がございますけれども、視野とか関心はより広く持ってもらいたいという点がございます。
その点で、私どもの産総研にポスドクとして来ていただいた方には、そういう視野を広げる大変いい機会かなと思っているのが1つでございまして、そこが大学院とややステップが、次のステップの段階というふうに思っているところがございます。ただ産業界も、お聞きしますと、ポスドクあるいはドクター卒の学生を採ってきている。実態としては、実績は結構上がっているというふうにも伺っておりまして、決して産業界だけがアレルギーを持っているというわけではなくて、むしろ学生のほうの問題もあろうかという、そういう問題意識でございます。
より広く視野を持つというところにおいて、視野を広げるというだけでなくて、私どもとしてはもう1つ期待をしておりまして、新たな産学官連携を担う主体であるというふうに積極的に考えていきたいと思っております。産学官連携は、御承知のように叫ばれて大変久しいわけでございますけれども、世界じゅうどこでもそうだと思うんですけれども、イノベーション推進においてなかなか基礎研究と産業界とがうまく結びついていかないというのは、どこの国の課題でもあるわけでございます。
そこで、企業OJT、企業の研究所に派遣いたしまして、数カ月体験する。そこで企業のスピード感とか価値観、やはり行ってみないとわからないという点がございますので、そこが私どもが最も強く期待しているところでございまして、私どもは本格研究と言っておりますけど、産総研でのOJT、企業におけるOJT、そして座学と、この3本柱で新たな産学官連携を担う。新しい人種と言うんでしょうか、ちょっと期待し過ぎかもしれませんけど、そういう一群の人たちを生み出したいということでやっておるところでございます。
谷川委員
企業と一緒にやるということですけれども、企業でインターンをするというのと、産総研さんが独自におやりになるものと両方あるとすると、産総研さんがおやりになる部分の特色とか、産総研さんだからできるという教育というのはどういうところにあるかというのがお聞きしたかったところなんですけど。
小野副理事長
産総研自体のOJTの特色ということでございましょうか。
谷川委員
はい。
野間口理事長
私、企業からかわったばっかりですから。実は4月の中旬にことしの発足式をやりまして、そのときにカリキュラムまで、年間の計画を校長先生が説明してやったんですが、産総研の中で知財とか関連する技術とか、そういうもののテクノロジーインテグレーションみたいな、その辺の座学みたいのをやるんですよ。大学から企業に行きましたら、例えば知財なんかは大学のほうでやりましても、表現は悪いんですけれども、ろくな教育はできません。産総研は毎年1,000件ぐらいの知財を生み出しながら、生み出した知財を活用した経験がありますので、非常に実践的な鍛え方ができるなと思っております。
それから、大学からのインターンシップ的なものは、日本の産業界から見ますと非常に期間が短い。お客さんで帰ってしまうぐらいの期間しかおやりにならないというのが頭の中にこびりついております。産総研の場合は最低3カ月だと。相手との話では6カ月を超えてもいいということで、仕事本位で決めようということになっているように私は思いましたので、そういう意味では、これは大いに前進だなというふうに思っております。
木村部会長
どうぞ。
伊藤理事
副スクール長をやっております伊藤ですけれども、1点だけ補足をさせていただきます。産総研の特徴ですけれども、お手元に「Synthesiology」というジャーナルが配付されているかと思いますけれども、実は産総研は、今、理事長からお話しありました、テクノロジーをインテグレートして産業につなげていくという過去のみずからの実践事例が幾つもあります。先ほど私の御説明の中にも、産総研発足後に社会にインパクトを与えつつある事例というのを8つほどお示しいたしましたけど、まさにみずからの実践事例を自分たちで持っているということで、この「Synthesiology」を必ず輪読させるということをやっております。
これは過去の事例もあるし、今現在進んでいる事例もあって、1つ1つの技術がそれで終わるのではなくて、それらが産業につながっていくプロセスがきっちり書かれているジャーナルなんですね。これを受講生にすべて読ませて、自分が一番感動した論文を1件ずつ紹介させて、なぜそれに自分は感動したかとか、そういったことをやらせるカリキュラムがあります。これは、いわゆるMOT的な過去の死体解剖的な事例ではなくて、オンゴーイングの生々しい事例ということで、受講生にはかなりインパクトがあるというふうに思っておりまして、この辺は、産総研みずからの過去の実績を教育に生かしている特徴ではないかというふうに思います。1点だけちょっと補足させていただきました。
眞鍋理事
それでは、コンプライアンスの関係で、ルールが過剰過ぎるといいましょうか、そういった御指摘ではなかったかと思いますが。
谷川委員
そういうものもあるかどうか検証をしてはどうかということ。
眞鍋理事
大変重要な御指摘ではないかというように思っております。我々が一番怖いのは、各職員が納得できないまま、おれは納得できないから、ちょっとくらい守らなくていいやという意識が一番怖いわけでございます。一応私が今考えるところを3点ほど簡単にコメントさせていただきますと、まず具体的には不適切な支出の関係でございますけれども、これは資料2-6の4ページに資料がございますが、これについて第三者検収制度というのを設けさせていただきました。私も最初にこの内容を聞いたときに、先ほどおっしゃられた民間企業であれば、これはちょっとオフレコにしていただく──むしろ効率的な部分もないわけではなかったとは思うんですけれども、そこのところはぎりぎり国民の税金をいただいてやっているというところで考えていかなくてはいけないなと。ただし、この第三者検収制度を実施するに当たっても、まず研究者の大きな負担にならないように留意しながら実施いたしております。
それからコスト面でも、無用にコストをかけることのないように、例えばシニアスタッフの方、60歳過ぎて再雇用みたいな形で手伝っていただくといったようなこと。鋭意工夫をしながら、極力コストをかけないで、しかし目的はきちっと達成できるといったやり方に留意しながらやっているというのが1点でございます。
それから、資料2-6の13ページを見ていただければと思いますけれども、「参加型によるコンプライアンス推進の周知徹底」というようなことで、今まさに委員に御指摘いただいたような声が職員のほうからも、左の緑色っぽいところですけれども、2-1というところで「ルールに対する疑問を常に持つべき。」といったような声が上がっているところでございまして、我々コンプライアンス推進本部といたしましても、1つの活動は、今あるルールをきちっと守ってほしいというのが活動でありますけれども、他方で、そのルールが過剰なものでないか、余りにも性悪説に立ち過ぎたルールになっていないか。そこのところを、むしろ職員からくすぶらせないできちっと声を出してもらって判断していくという、そういった逆の面でのリスクも背負いながら業務をやっていく必要があるのではないかなというふうに思っているところであります。
以上です。
木村部会長
よろしいですか。
ほかに何か。
どうぞ、松重先生。
松重委員
遅れて来ましたので、ちょっと最初、理解してないかもしれませんけど、2点の点でお伺いしたいと思います。
まず、研究推進のあり方なんですけど、昨今、非常に経済的なものもあるんですけど、一種のパラダイムシフトが起こっていると。例えば半導体にしろ、今、日本の半導体事業というのは非常に厳しい状況にあるんですけど、産総研としては、個々の研究とともに国の産業政策にも反映するという形で言うと、こういうふうな国として非常に大きな中で半導体関係の研究をどうやっていくかというところの指針が、ある時期にある程度検討されないといけないのかなと。個々の研究の進捗というのはもちろんですけど、単に1つの素子の開発だけじゃなくて、もっと大きな流れの中で、産総研という非常に大きな研究体をどう持っていくかというところがあると思います。
そういった面からすると、半導体だけではなくてほかのところもあるかと思います。例えば、持続性の社会という形で環境エネルギー関係。産総研は、そういった面ではトップデータを出されているんですけど、例えば太陽電池にしろ、太陽電池そのものの開発だけではなかなかだめで、例えば資源の問題も関係しますし、太陽電池をいかに活用していくか。例えばマイクログリッドとかスマートグリッドとの兼ね合いとなると、あとインバーターとか、そういうものもトータルに考えないと、1つの単体の開発ではなかなか社会に受け入れられない。そういう体制がとれるのかどうか。
2点目は連携の話です。グローバル連携、地域連携という形で、これはどこでもそうかもしれませんけど、いわゆる協定とかそういったのを結ばれるんですけど、それの実質的なフォローアップといいますか、幾つか本当に具体的な連携の成果を出していく努力をやっていかないと。契約書はたくさんいろんなところと結んでいる、だけど、なかなかそれが見えてこないというのがあるかと思います。このレジュメの中でも、日米のエネルギー関係であると思います。これも非常に大きなものですけど、やはりアジアとか中国との連携も重要だと思います。そういうふうなグローバル戦略、そういったところをどう考えられるのか。
それから、連携でも産学官といいますか、連携についてもかなりなじみになってきたんですけど、それをいかにプロモートしていくか。実は企業のほうも非常に厳しい状況ですので、共同研究の件数はそんなには減ってないと思うんですけど、額はかなり減ってきている可能性があります。
そういった面からすると、企業も苦労されているという中で言うと、やはりこういうふうな公的な研究機関の重要性がさらに重要視されると思いますので、そういったところは今までのやり方を少し工夫されるのがいいのかなと思います。
あと、もう1点、いろんな成果で我々のところへも、要は新聞報道とかマスコミ報道が非常にたくさん来ます。数年前マスコミ報道があったんだけど、これも1度、これはどうつながっているのか、件数だけじゃなくて、これがどうなっているかというのを少しレビューというか報告していただくと、こういうふうな投機的なものが実際につながっているという実感が持てるかなと思います。
以上です。
木村部会長
ありがとうございました。
では、お願いいたします。
野間口理事長
研究推進に関して、最初に半導体の例を挙げられましたけど、私もこれは大変頭の痛い問題だなと思っております。といいますのは、これからどうするということを考える前に、ここ十数年の我が国の半導体の開発事業展開を考えて、それで今後を予測してみますと、先生御指摘のように大変厳しい状況にあります。産総研を中心に取り組ました研究成果をどういうふうに生かしていくんだというところで、例えば10年前でしたら、バラ色の夢を持ちながらやれたと思うんですが、これから取り組むのは、非常にそこは厳しく見ながらやっていかなきゃいかぬなというふうに思います。これからのエネルギー環境あるいはブロードバンドの時代へ向けて、日本としても、知財も含めて資産に残るようなテーマに集中していく必要があるだろうということで、私どもは、省エネルギーにつながるような新しい素材の半導体とかパワーデバイスでございます。
それから、その先のカーボンなんかを使ったもう一段先のものとか、そういうのにチャレンジしておりますけれども、これは、もしここで手を抜きますと、全く日本にチャンスがなくなるということで、これを何とか仕上げて、少なくとも次の世代ぐらいまで日本は頑張ってもらおうと。その次の世代、20年後ぐらいは、その辺はちょっと予測できないんですけれども、まず、今頑張らなければどうにもならぬということで、先生が来られる前に説明したんですが、経済産業省もつくば地区のナノテク拠点を増強しようと言っておりますので、それを基盤にして、今まで以上に産業界も入って来やすいようにして、一体になって取り組んでいくというのが必要かなと思っております。
これはアメリカも同じ事情なんですね。ヨーロッパも同じ事情なんです。どこも、こういうふうにやっていけば必ず間違いないんだというのは、先進国の中でなくなりました。中国とか韓国とか台湾、インドも含めて競争の時代になりましたので、その時代のグローバルなコンペティションの本質をよく考えながらやっていく必要があろうかと思っております。
そういうこともありますので、先生が御指摘になりましたスマートグリッドとかそういうものにつながるような技術開発も含めて、アメリカのエネルギー省関係の国立研究所と連携しようと。情報交換をしながら、あるいはリサーチャーの交換もやろうと。出ました成果は、一緒にスタンダードに提案しようと。先進性を主張しながら技術の囲い込みもやっていこうと、そういう取り組みでやっていかなきゃいかぬのじゃないかなと。
囲い込みという点では、つくば地区で先進的なことをやりますと、そこで出てきた知的財産、今までは余りコントロールせずに世界に発信しておりましたけれども、これも産学官よく相談して、日本としての戦略をよく考えながらやっていかなきゃならない。これはこれからですけれども、やっと産業界も含めてチームを編成しつつありますので、それができましたら、ここのところはしっかりやっていかぬと、また同じブーメラン現象が起こってしまう。ブーメラン現象を起こさなければ相当いい戦いができるんじゃないかなと、甘いかもしれませんけれども、私は思っております。今までの日本がやられましたのは、技術的成果のマネジメントが余りにもお人よし過ぎたというのもありますので、そこはしっかりやっていきたいと思います。
それから、グローバル地域戦略ということでございますけれども、特にアジアは標準化の面でもそうですし、バイオマスなんかの今日的な課題も、アジアのいろんな国の研究機関、大学等と連携したようなコンソーシアム、そういうのを幾つかつくっておりまして、そういうので取り組んでいくということになろうかと思います。私も不勉強でしたけれども、日本のバイオマスをグランドデザインしますと、ガソリンの何割かカバーできるぐらいのポテンシャルを持っているらしいんですが、産総研は、バイオマスから石油をつくるための酵素の技術、それを制御する技術、いろいろ基本技術がございますので、そういうコアになる技術を核にして連携を広めていけるんじゃないかと思っております。
それからマスコミ報道ですけれども、これは私、企業の研究所にいるときもそうでしたけれども、研究所の成果をマスコミに報道する。報道に耐える得る成果を出すというのは、研究者のインセンティブという点でも非常に重要なことだなと評価しておりますが、その段階での技術成果をオープンにして、いろいろまたコンペティターが、なにをと思ってやってきます、あるいは一緒に連携しようという声をかけてきますので、そういう効力も評価しながらやっていくかなと思っておりますが、産総研は、そういう意味でマスコミへの公開というのは推奨しているわけでございます。
木村部会長
手柴委員どうぞ。
手柴委員
先ほども連携分野や研究センターの評価についてお聞かせいただきました。私も幾つかの部門の評価委員をさせていただきましたので、その仕組みが非常によくできているということはわかっているつもりです。特に内部評価と外部評価の両方から見ていくということで、これは非常にすばらしいシステムだというふうに思っています。
特に外部評価のアウトカムを中心にということで、先ほど、それぞれの分野でアウトカムとして見たときに非常にすばらしい成果を上げたという事例を報告いただきました。多分ここに、細かく見れば評価書があるんでしょうけれども、一方で、なかなかアウトカムのほうから高く評価できない、あるいは成果がちょっと期待したように出ていないという事例も散見された。何か意地悪いんですけれども、そういうのも少し紹介していただいて……。
私の発言の意図は、その後に、それが多分部門とかセンターの長等にフィードバックされたというふうに思うんですけれども、フィードバックされて、その後どういうふうなアクションをとられたのか。あるいは部門、センターだけの問題じゃなくて、本部として、アドミニストレーション側として、例えば次の第3期の中期計画に反映させるとか、そういうことは当然なきゃいけないわけですし、場合によっては、大きなものは中期計画の修正ということにもなるかと思います。どうやって産総研全体で評価された結果を共有していくのかというのは非常に重要だというふうに考えていますので、きょうでなくても結構なんですけど、どういうふうなフィードバックをして、それに対してそれぞれの部門がどう取り組みをしたか、あるいは本部がどういうふうなかかわり合いをしたかというようなことを教えていただければと思っています。
野間口理事長
大変重要なポイントでございます、上田理事から。
上田理事
どうもありがとうございます。先ほど私のほうから御説明させていただきました3ページでございますけれども、全体の概評というのがございまして、そこで、まず最初に本格研究の推進ということに対しましては、私ども産総研で申し上げている考えでありますけれども、第1種基礎研究から製品化研究までの総合的な本格研究ですが、それが定着してきまして、成果が出てきているというふうに申し上げたわけですけれども、一方では、その下に課題として書いているところは、まだ研究の目標の絞り込みは選択と集中というところに問題が残っているという表現をさせていただいております。これについて、今ここで具体的に、どういうユニットがどうであるかということまで申し上げる用意はしておりませんけれども、ここに書いているように、そういう課題もあるということは認識しております。
それ以下、ロードマップの作成に関しても同様のことが言えまして、ロードマップを作成するということを研究者自身がやることによって、その意義を明確にするということが評価されているわけですけれども、それがさらに客観的にアウトカムの視点から見たときに、経済的、社会的な価値の中でどのように組織、例えば他機関との比較というようなことをまだ十分やれていないのではないかというような御指摘もいただいておりまして、そういったことについては、必ずしも全部うまくいったということではないわけで、御指摘のようにございます。ただ、これを見ますと、全体としては結構いいことも出てきているけれども、不十分なことについてはきちんとやれよということとして受けとめるべきであると思っています。
それから、産総研の中でそれを次にどういうふうに反映させているかということについてですけれども、それは先ほども御説明させていただいたことでもありますけれども、こういう評価について副理事長が委員長になっている全体の委員会がございまして、その中に私どもが委員長になっている分科会があります。それが先ほどの取りまとめをやっているわけですけれども、それをさらに評価部だけの活動にとどまらず、産総研全体として、評価部のやったことを理事長を通して実際に改善に役立てようという仕組みはできているわけでありますけれども、今回産総研内部のほうでも、いわゆる評価部の提言的な機能をもう少し積極的にやるべきでないかということも理事長のほうから指示されているところでありまして、第3期に向けては、そういうことについてももう少し明示的な形でやれるように努めていきたいということで、今進めているところであります。
脇本理事
かつては、評価につきましても企画本部が相当絡んでやっておったんですけど、役割の明確化ということで、評価部は評価部としてきちっと評価をしていただきまして、その結果を企画本部の私のほうにフィードバックしていただきまして、私のほうで、次の組織のあり方であるとか予算配分とかに、あるいはセンターとかを改廃してどういうふうにするかというところに反映するようにさせていただいております。具体的にどういう例でどういうふうに反映したかとか、今後どうするかということは、また後ほど、資料でもって御説明させていただければと思っているところでございます。
木村部会長
どうぞ。
手柴委員
追加であれですが、ある意味で提案にもなるのかもしれませんけれども、結局、評価部から部門長あるいはセンター長、それで、センター長や部門長を通じてそれぞれの部署で働く方にフィードバック。指摘事項に対して、何らかの対策なり改良を考えていく。それがまた外部評価委員会にフィードバックされて、そこともう少しやりとり、ピンポンがあっても僕はいいんじゃないかなと。実は私の経験から申しまして、フィードバックしましたというようなこと、対応しましたというのも評価委員長等には教えていただけるんですけれども、そこをもう少し頻繁にやりとりすることによって、それぞれの評価がきちっとしたものになるんじゃないかなという気がします。私どもは、産総研部会で全般見せていただくんですけれども、細かなところはとても。それぞれの部門、センターが産総研の評価制度に従ってきちっとなされているかというのは、そこが基本ですので、その結果を見るということしかありませんので、もう少しやりとりがあってもいいのかなというようなことを前から、私の経験からも感じていました。
木村部会長
どうぞ、室伏先生。
室伏委員
先日、私、産総研をいろいろ見せていただいて、そのときいろいろお話を申し上げて、質問などもさせていただいたので、少し重なる部分があるかと思うんですけれども、ちょっと申し上げたいことがあります。
1つは人材のことなんですけれども、先ほど伊藤理事から御説明がありましたように、産総研が今持っているいろいろな実績、事例、そういうものに基づいて産総研イノベーションスクールですとか、あるいは専門的な技術者の育成事業の中で教育をしているというお話で、確かに産総研でなければ持っていない事例ですとか実績というものがたくさんあると思いますので、普通の大学の中では養成ができないような人材の育成をすることのできる、とても貴重な機関なんだろうというふうに思います。
先日伺ったときにもちょっと申し上げたんですが、産総研だけでやっているのはもったいないので、ぜひほかの研究独法ないしは可能性のあるような機関に呼びかけて、もっと大々的になさったらどうなのかなという気がします。ほかと連携してやっていくのはなかなか難しいかもしれないんですが、できそうな機関、大学も巻き込んで、本当に今、日本の社会あるいは産業、行政、そういうところでも必要な人材というのが、恐らくこの産総研の持っていらっしゃる実績や事例の中から育てられるのではないかという気がしますので、その辺についても、もう少しさらに発展させていただけるといいのではないかなと思います。
それと、地域のことなんですけれども、これもこの間、産総研に伺ってお話を伺って、とてもこれはよい試みだというふうに思いましたが、今回も伺っていて思いましたのが、地域イノベーション創出拠点へということで、今までは地域振興のサポーターだった。それが、これからは「地域活性化を牽引するプレイヤー」にという、これは大変力強い決意といいますか、産総研がこれからやっていく仕事の中の根幹の1つになることかなというふうに思います。
今、本当に地域の力がどんどん落ちていて、地域での産業力なども大変低下しておりまして、これが進むと日本はガタガタになるだろうなという心配があります。その中で、やはり「地域活性化を牽引するプレイヤー」へという、こういうすばらしい決意表明というか、これはぜひ具体化していただいて、本当に日本が地域からもっと元気になっていくようないろいろな方策を今後どんどん打ち出していただきたいというふうに思っています。
以上です。
野間口理事長
スクールのあれは、非常に私ども心強く感じました。大変ありがとうございました。大学等との連携というお話が少しありましたので、今の現状をちょっと。
小野副理事長
大変重要な御指摘をしていただきまして、本当にありがとうございます。ポスドクの問題は、産総研だけの問題でなくて日本の問題だと思っておりまして、特に先ほど申し上げませんでしたけど、最近、研究者になるときにはポスドクを必ず経るというふうにもなってきているわけでございまして、そういう時代にポスドクの人気というんでしょうか、ポスドクが不安定な職であるということが定着いたしますと、将来の研究者に非常に大きな影響を与えるだろうと思っておりまして、そういう意味では日本全体の問題であると思っております。
ほかの機関と連携してということでございますが、1つは、つくばの中でそういう動きも若干ございますので、そういうポスドクを対象にした講習会を、筑波大あるいは物材機構とも連携してございますので、そういうものを核にして、もう少し今のような実体のある研修をどうやっていくかということは、ぜひ検討させていただきたいと思っています。つくばだけでなく、全国的にもいろいろな方と御相談させていただきながらやっていきたいと思っています。大変ありがとうございます。
野間口理事長
先生のコメントは大変ありがたいんですが、私どもも大学とかほかの独法まで命令権がございませんので。先生は学術会議の委員であられますので、産総研はいいことをやっているから、もっと見習え、と言っていただいたらありがたいんでございますけれども。
室伏委員
きのう、科学技術学術審議会の人材委員会がございまして、その中で、産総研のこのイノベーションスクールとか人材育成はすばらしいと申し上げたんですね。きっと皆様、記憶にとどめてくださっていると思います。
木村部会長
赤池委員、よろしゅうございますか。
それでは、ありがとうございました。
冒頭の谷川先生から出た件ですが、私、ずっとこのまとめ役をやらされていて、資料1-2の別添(1)というのをごらんいただきますと、これが、我々がまずリアップしなきゃいけないんですが、当初はこれだけでよかったんですね。ところが、最近はこれに補足評価というのが入ってきまして、むしろ書かなければいけない量はそっちのほうが多いんですね。それから、この資料1-2別添(1)をごらんいただきますと、非常に大きなパーセンテージが、産総研の場合、評価のウエートとして「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」ということで、いわば具体的にR&Dで何をやっているかということが主力になっているにもかかわらず、我々が書かなければいけない量は、そうじゃなくて補足的評価のほうが圧倒的に多いと、そういう状況になってきちゃったんですね。
私も谷川先生がおっしゃったように、コンプライアンスに関してはちょっと行き過ぎているんじゃないかなと思うんですが、これもオフレコで申し上げますと、政評委員会としてはそのぐらいのところしかコメントしようがないということじゃないかなと思っております。それで、どんどんそこのところが先鋭化して、それを受けなければいけないから、内部ではそこに──冒頭、私は御説明したんですけど、いつもですと、そのシステムをどう変えていったかという御質問なんですが、きょうはその件に関しては、コンプライアンスのことはほとんどという御説明でしたから、これは評価の1つの問題点ですね。ティアに分かれていて、政評委員会があって、我々のこの委員会があって、もう1つ経産省の親委員会がありますけれども、この構造がちょっと問題で、そういう意味でいうと、今計画されておりますように、一元化したほうがいいのかなという気はいたします。一元化するとその辺は──政評委員会も結局疑心暗鬼なんですよね。ちゃんとやっているのかと思っているので、だんだんそういうところだけが強調されてくるということではないかというふうに思います。
ただ、法律が流れるようでして、いつそれが実現するのかわからないので、ひょっとすると、我々はもっと仕事をやらなきゃいけないということになるかもしれませんが、私自身はことしで終わると思って楽しみにしていたんですが、どうもそれもそういうふうにはならないようで、なるかもしれませんが、選挙の結果次第ということなんでしょうけれども、そういうふうな感じがいたします。そういう意味で、また繰り返しになりますけど、評価の仕方も随分変わってきたなというふうに思います。
それでは、御説明いただきました。当初は、とてもこれだけの時間では終わりませんで、膨大な時間を使って御説明いただき、膨大な資料をいただいて、それで評価していたんですが、たしか初年度は、私どもは狭い書斎なんですが、いただいた書類で足元がいっぱいになる。段ボールで3杯ぐらい来ていましたけれども、その当時に比べると随分楽になって、きょうの御説明を伺いますと、楽にと言っちゃいけませんけれども、かなり我々としては評価がしやすいのではないかなと。殊に研究ユニットの評価、これをいただいておりますので、これと勘案して。先ほど手柴委員がおっしゃいましたように、御説明いただきましたのはうまくいったところだけということでありますけれども、これを見ますと、そうでないところも全部読み取れるようでございますので、よろしくお願いをいたします。いずれにしても6月18日は厳しいなと思いますが、頑張ってやっていただければと思います。

3.独立行政法人産業技術総合研究所の中期計画の変更について

木村部会長
それでは、次、あともう1件だけ残っておりますので、そちらへ、議題(3)に参ります。
産総研の中期計画の変更についてでございます。再び福田室長のほうから、資料3でございますが、御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
福田産総研室長
それでは、資料3に沿って、中期計画の変更について御説明申し上げます。
冒頭、審議官の西本のほうからのあいさつの中にもありましたけれども、平成21年度の補正予算、ついさっき成立したわけですけれども、この中で産総研の交付金に追加的に交付される予定の事業が2つございまして、人材育成、それと産総研と企業との共同研究に対する助成、この2つの事業に追加的に交付金がつきます。交付金というのは、使途の内容を特定せず、産総研の経営判断で使えるわけですけれども、特に補正の場合はこういった特別の事業につけるということで、当初の目的どおり活用されるということを確認するため、中期計画を変更するという趣旨でございます。
手続的なことを申し上げますと、既に産総研から中期計画の変更について経済産業大臣の認可の申請が出ております。大臣が認可をしようとする際には、あらかじめ本部会の意見を聴取するというルールになっておりますので、そういった意味で本日、産総研から申請のあった中期計画の変更案について、経済産業省事務局のほうから御説明させていただくという位置づけでございます。
1ページおめくりいただきまして、2つの事業のうちの1つ、人材育成でございますけれども、予算の規模は21億円。右下の事業イメージのところにございますように、産総研でポスドク等の若手研究者、あるいは学士レベル以上の研究支援人材を雇用して、企業におけるOJTも含めて育成をして、最終的には企業、公的機関への就業につなげるという事業でございます。
もう1つが、もう1ページおめくりいただきまして、産総研共同研究助成事業でございますけれども、予算額が20億円 。右上の「事業の内容」にございますように、企業におけるイノベーションを促進するために、産総研との共同研究開発に対して補助率3分の2で助成をするという事業。つまり企業が3分の1、産総研が3分の2を出し合って共同研究をするための事業でございます。
具体的な中期計画の変更案でございますけど、また1ページおめくりいただきまして、資料3別添(3)でございます。左半分に中期計画の変更後の案が出ておりまして、一番下のほうの下線を引かれた部分、ここにはっきりと、「平成21年度補正予算(第1号)により追加的に措置された交付金については……」人材の正規就業事業及び共同研究助成の取り組みのために活用するということで、明確に目的のために使うことを記す内容となっております。
また、もう1ページおめくりいただきまして、これは資金計画でございますけれども、今回の補正がきちっと事業経費として使われることを確保するために、左半分の変更後で傍線が引かれているところに、右と比較していただきますと41億円、正確に言うと40.87億円を加算しております。これを加算することによって、この事業経費として使うということが確保されるという仕組みになっております。
別表5、別表6、次の次のページも同様の趣旨で、同様の額を加算している案になっております。
経済産業省としては、これは妥当な案かと考えておりますが、委員の皆様に御意見を伺いたく御説明した次第でございます。
以上でございます。
木村部会長
ありがとうございました。
計画の変更ということで、これはこの委員会の承認を得る必要がございますが、よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
それでは、お認めいただいたということで処理をさせていただきます。

4.今後のスケジュールについて

木村部会長
今後のスケジュール、よろしくお願いします。
福田産総研室長
それでは、資料4に基づきまして、今後のスケジュールについて御説明申し上げます。
一番上にあります本日6月2日の産総研部会におきまして、産総研からの業務実績の報告を受けていただきました。6月18日ではちょっと短いのではないかという御批判もある中でございますけれども、なるべくお願い申し上げまして、次回の7月3日の産総研部会では、各委員の先生方からの個別の評価表を取りまとめた業務実績評価書を御審議いただきます。また、冒頭からいろいろ話がありましたように、今年度は産総研の第2期中期目標期間の最後の年ということで、今年度は第3期、次期中期目標をつくっていくという年でございますので、次回の7月3日の産総研部会で、経済産業省としまして産総研の組織、業務全般の見直し当初案というものをつくって、御提示して御説明させていただきたいと存じます。
その後、7月中旬ごろに経済産業省の独法評価委員会、いわゆる親委員会が開かれまして、そこで20年度の実績評価をしていただきます。産総研部会から御報告するということになります。
8月上旬に、また経済産業省の独法評価委員会が開かれまして、そこで見直し当初案というものを御説明して御意見をいただきます。その後、見直し当初案というものを改定しまして、最終案というのをおつくりして、今度は11月下旬の産総研部会にて見直し最終案というものを御審議いただきます。続けて、12月上旬には経産省全体の独法評価委員会、親委員会で見直し最終案を御審議いただき、それを踏まえまして、経済産業省として次期中期計画を中期目標を踏まえて産総研におつくりいただき、2月中旬に再び産総研部会を開いて、中期目標、中期計画の案について御審議いただきます。2月下旬に経済産業省の親委員会におきまして、中期目標、中期計画について御審議いただき、その後、中期目標を大臣が定めます。中期計画につきましては、産総研が最終案をつくって、大臣の認可を申請して、年度末までには大臣の認可を受ける、こういった段取りで、ことし1年間、次期中期目標期間に向けて産総研部会、経済産業省独法評価委員会、こういったところで御審議いただいて、進めてまいりたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
木村部会長
ありがとうございました。
よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
それでは、大変暑い中、長時間ありがとうございました。6月18日ということになっておりますので、よろしくお願いをいたします。
資料については、ちょっと重いので郵送していただけるようですが、これがないと評価できませんので、なるべく早く郵送をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
本日はどうもありがとうございました。またよろしくお願いいたします。
 
 
最終更新日:2009年8月4日
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