経済産業省
文字サイズ変更

審議会・研究会

総合資源エネルギー調査会鉱業分科会レアメタル対策部会(第1回)  議事録

平成16年4月23日(金)

【深海部会長】
それでは定刻になりましたので、ただいまから総合資源エネルギー調査会鉱業分科会第1回レアメタル対策部会を開催いたしたいと思います。
それで、今週の火曜日、4月20日に開催されました総合資源エネルギー調査会鉱業分科会におきまして、この鉱業分科会にレアメタル対策部会を設置するということが決定されるとともに、秋元鉱業分科会長から、本日、お手元に配付しております議事次第からですと3枚目にございますように、レアメタル対策部会の委員の御指名があったわけでございまして、皆様にこの委員をお願いいたしているわけでございます。
また、私、深海でございますけれども、本日の議事進行を部会長として務めさせていただくことになりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。皆様の御助力、御支援をいただきまして、あるいは御協力をいただきまして、本部会がスムーズに進行し、そして実りあるものになるようにしたいと思っておりますので、よろしく、改めて申し上げます。
それでは、この審議に先立ちまして、私のお隣においでの塚本大臣官房審議官から、一言ごあいさつをお願いいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【塚本審議官】
今、深海先生のほうから御紹介賜りました塚本でございます。よろしくお願いいたします。本日は御多用中のところ、深海部会長を始め、レアメタル対策部会の委員の各皆様方におかれましては、御出席を賜り、心よりお礼申し上げたいと思います。
審議に先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。御案内のように、レアメタルは大変重要な資源でございます。IT産業、それから鉄鋼用途を中心に、我が国の重要な産業におきまして必要不可欠の資源でありますけれども、そのほとんどを輸入に依存していると。その際に、レアメタルは資源の偏在性が著しいということで、政情不安定な国を含む特定の少数国への依存度が高いというようなことで、また様々な理由で供給障害が発生するなど、レアメタルの供給構造というのは大変脆弱ではないかというふうな認識をしております。
そういうことで、経済産業省資源エネルギー庁といたしましては、レアメタルの安定的な供給を確保するため、御案内のように、昭和58年からニッケル等7鉱種のレアメタルにつきましては備蓄を実施しているというところでございます。
それから、特に最近でございますけれども、平成16年2月29日に、国家備蓄の実施主体、これは特殊法人でありました金属鉱業事業団から、石油公団と統合されました独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構に移行したということを受けまして、レアメタルの備蓄制度をより効率的に運用していくということとしている状況でございます。
御案内のように、現在、中国の経済発展に伴います急激な需要の拡大ということで、世界的な原料資源の需要増ということで、レアメタルを含みます幅広い原材料価格の高騰が見られるわけでございます。こうした状況におきまして、省内には原材料の連絡会議というのを立ち上げております。これは製造産業局、資源エネルギー庁等を中心に、情報収集、中小企業等への配慮ということで原材料等連絡会議を設置いたしております。
それから、産業界の皆様方の参画も得まして、省外に原料資源安定供給研究会というものも立ち上げまして、現在、種々の情報収集、それから実態把握ということに努めていると。それから、民間の本件に対応します具体的な要望とか安定供給のためのいろんなアイデア、こういうものを伺いながら、国際的な資源の安定供給の方策等につきまして、中長期的な観点から検討を行うということになっております。
最近のこういう原材料の高騰を受けまして、本年2月以降、モリブデン、バナジウム及びマンガンの放出を順次実施している状況でございます。
先ほど深海部会長のほうからも御案内がございましたけれども、当部会で数回にわたり御審議いただきますレアメタルの中間見直しにつきましては、平成12年に開催されました第61回の鉱業審議会鉱山部会の結論に沿いまして、今回行うものでございます。前回見直し以降のレアメタルをめぐる需給構造が変化しつつある中、レアメタル備蓄制度についての御審議をいただくということは、大変重要な意味を持っているのではないかというふうに認識しております。
各委員の皆様におかれましては、忌憚のない御意見を賜りまして、御審議をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
【深海部会長】
塚本審議官、どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、このレアメタル対策部会の審議に参加していただきます、先ほど名簿は3枚目と申し上げたのですが、委員の方々の紹介を事務局からお願いいたします。どうぞ。
【沖嶌補佐】
鉱物資源課の沖嶌でございます。
それでは、レアメタル対策部会の委員として御参加いただきます方々の御紹介を申し上げます。
まず部会長であられます、慶應大学名誉教授、深海博明委員です。
【深海部会長】
どうぞよろしくお願いいたします。
【沖嶌補佐】
上智大学外国語学部教授、今井圭子委員。
【今井委員】
どうぞよろしくお願いします。
【沖嶌補佐】
社団法人特殊金属備蓄協会副会長の北川三雄委員。
【北川委員】
北川でございます。よろしくお願いします。
【沖嶌補佐】
社団法人新金属協会副会長、竹林義彦委員の本日は代理といたしまして、同協会専務理事の飛騨一彦様です。
【飛騨代理】
よろしくお願いいたします。
【沖嶌補佐】
住友金属鉱山株式会社取締役専務執行役員金属事業本部長、千原宏典委員。
【千原委員】
よろしくお願いします。
【沖嶌補佐】
国立大学法人東北大学多元物質科学研究所教授、中村崇委員。
【中村委員】
中村です。よろしくお願いいたします。
【沖嶌補佐】
国立大学法人東京大学大学院工学系研究科地球システム工学専攻教授、縄田和満委員。
【縄田委員】
よろしくお願いいたします。
【沖嶌補佐】
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構理事、増田聰博委員。
【増田委員】
増田でございます。よろしくお願いします。
【沖嶌補佐】
社団法人日本自動車工業会調達委員会委員長、箕浦輝幸委員。本日は代理といたしまして、同工業会調達委員会材料部会委員の寺町泰晃様。
【寺町代理】
どうぞよろしくお願いします。
【沖嶌補佐】
社団法人日本電子材料工業会常務理事、柳生光弥委員の本日は代理といたしまして、同工業会事務局次長、靍間満生様。
【靍間代理】
よろしくお願いします。
【沖嶌補佐】
タングステン・モリブデン工業会理事長、山口守衛委員。
【山口委員】
よろしくお願いいたします。
【沖嶌補佐】
慶應義塾大学商学部教授、和気洋子委員。
【和気委員】
よろしくお願いします。
【沖嶌補佐】
以上でございます。よろしくお願いいたします。
【深海部会長】
皆様方、委員の方々に、再度よろしくお願い申し上げます。
それでは、これから審議に入らせていただくわけでございますが、その前に、事務局から資料の確認をお願いいたしますとともに、昨日ほど暑くはございませんが、やはり室内は蒸しますので、よろしければここからはくつろいで、上着を取っていただいて、審議に入らせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、資料の確認をお願いいたします。
【沖嶌補佐】
分かりました。お配りいたしております配付資料一覧というのがあるかと思います。まず、順番にいきまして、議事次第が初めにございます。そして、レアメタル対策部会委員名簿。そして、座席表。以下、右上のほうに資料番号を付しておりますが、資料1、資料2、資料3、資料4、資料5-1と資料5-2、そして最後に参考資料がございます。
また、本日、議事とは直接関係ございませんが、先日、4月20日に開催されました総合資源エネルギー調査会鉱業分科会で配付された資料のうち、「鉱物資源施策をめぐる最近の動きについて」という資料を参考までに配付させていただいております。御確認ください。審議中でも、仮に資料の不足等、又はページの欠落等がございましたら、御遠慮なく申し出てください。よろしゅうございますか。
【深海部会長】
それでは、この議事次第に従いまして、審議に入らせていただきたいと思います。
議事次第を御覧いただきますと、実際に審議に入ります前に、通常こういう部会がスタートするときにいつもお諮りするわけでございますが、まずその前に、皆様のお手元に、鉱業分科会長からレアメタル対策部会に対して諮問、「昨今の鉱物資源を取り巻く各種情勢の変化を踏まえ今後のレアメタル備蓄制度はいかにあるべきか」について付託がございましたことを、これは資料1でございますけれども、報告させていただきたい。
これは前大臣から総合資源エネルギー調査会へ、それから、調査会長の茅さんからのこの鉱業分科会への付託、それから最後に私ども、これから3枚目を御覧いただきますと、鉱業分科会レアメタル対策部会への先ほど読ませていただきました再付託がされたわけでございまして、これに基づいて「記」と書いてございます、先ほど読ませていただいたんですが、もう一回読ませていただきますと、「昨今の鉱物資源を取り巻く各種情勢の変化を踏まえ今後のレアメタル備蓄制度はいかにあるべきか」、この検討をこれから行うということでございます。
それでは初めに、この部会の公開につきまして御審議いただきたいと思います。お手元に資料が配られておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
【沖嶌補佐】
資料2でございます。総合資源エネルギー調査会鉱業分科会レアメタル対策部会の公開について。読み上げさせていただきます。
1.議事要旨については、原則として会議の翌々日までに作成し、公開する。
2.議事録については、原則として会議終了後1カ月後以内に作成し、公開する。
3.配付資料については、原則として公開する。
4.傍聴については、部会の運営に支障を来さない範囲において、原則として認める。
5.部会開催日程については、事前に周知するものとする。
6.個別の事情に応じて、会議又は資料を非公開にするかどうかについての判断は、部会長に一任するものとする。というような形でございまして、本部会におきまして、原則公開にさせていただきたいと考えているところでございます。
【深海部会長】
これは、資料2に書かれておりますことは、こういった審議会、各部会等々で通常こういうふうに決められているものでございまして、特に変わった点はございません。もし、御異存が無ければ、今、お読みいただいた「部会の公開について」ということについて了解していただいたということにしたいと思うのでございますが、よろしゅうございましょうか。
【深海部会長】
それでは、この公開については、これをもって御承認いただいたものとさせていただきます。
それでは、皆様のお手元に配られております議事次第に従いまして、(4)議題の(2)でございます、レアメタル備蓄制度の中間見直しについてという件につきまして、それではまた事務局から御説明をお願いいたします。
【沖嶌補佐】
資料3でございます。本委員会、部会の設置についても若干触れてございますので、御説明させていただきます。
表紙をめくっていただきまして1ページでございます。レアメタル備蓄制度につきましては、昭和58年以来、国家備蓄を開始してございまして、四、五年ごとに基準消費量の見直し、又は備蓄目標の延長等について審議をし、またそれに基づきまして実施してきました。
前回の鉱業審議会鉱山部会のレアメタル対策分科会報告書において、ここに書かれていますとおり、目標につきましては平成13年度から17年度とする。ただし、IT関連産業の需要等、新たな分野での動向の変化が激しいと考えられることから、中間的な見直しを行うこととされております。
また、平成13年12月の特殊法人整理合理化計画において、レアメタル備蓄事業について、費用対効果の分析・公表を行うこととされております。
以上を踏まえまして、4月20日に開催されました総合資源エネルギー調査会鉱業分科会において、レアメタル対策部会が設置され、そして先ほど深海部会長のお話にもありましたとおり、付託がなされたわけでございます。具体的にはここに書かれております(1)から(3)の議論を行うこととしております。
まず、(1)現在、備蓄しております7鉱種、それと前回の報告書で、注視・検討を継続していく鉱種として指定された9鉱種がございます。これら鉱種については下のほうに書いてありますが、これらについて需給分析を実施した上で現状の備蓄制度の見直しを行うこと。
(2)備蓄事業について、費用対効果の分析を行うこと。
(3)先ほど塚本審議官のごあいさつの中にもありましたとおり、金属鉱業事業団が、平成16年2月29日に独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構として移行いたしました。そのため、より柔軟な業務運営が可能となったことにより、この国家備蓄につきましても機動性のある備蓄放出ということも可能ではないかと考え、その在り方についても議論を行っていただきたいと考えているところでございます。
具体的運び方、スケジュールにつきましてですが、これは3ページの別紙にございます。まず本日、第1回を開催いたしまして、後、予定ではございますが、第2回を5月11日、そして第3回、第4回の審議を経まして、6月下旬、7月にはパブリックコメントを実施したいと。その内容いかんによりましては、第5回のレアメタル対策部会の開催を判断し、開催する場合には8月ごろに実施したいと考えているところでございます。
なお、現在の備蓄目標につきましては、平成17年度で終焉する形になります。平成18年度以降の新たな備蓄の在り方というものについて、当該審議を深めて、来年度継続審議という形になると考えております。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
【深海部会長】
どうもありがとうございました。
それでは、今、事務局から説明がありました内容につきまして、資料3を御覧いただきますと、付託内容、それから、具体的にここで今回検討する内容が(1)、(2)、(3)という形でございまして、3枚目に、一応4回の部会を開催して審議を行い、パブリックコメントのありようによってはもう1回追加するかもしれないという、審議のスケジュールという具体的な進め方について説明されたわけでございまして、これが、我々の今日の部会のスタートに当たって大変重要な骨格をなすものでございますので、各委員、何か御意見、御質問等々がございましたら、しばらくの時間お受けいたしたいと思うのでございますが、いかがでございましょうか。どなたか御意見ございませんでしょうか。
どうぞ、和気委員。
【和気委員】
確認だけさせていただきたいのですが、4.の(1)の需給分析を実施した上でということですので、この需給分析はどの程度までこの部会でなされるのか。つまり現状分析なのか、あるいは、見通しまで含めたシミュレーションのようなところまでを視野に入れたものなのかということ。
それからもう一つ、(2)の費用対効果の分析、これはなかなか難しいと思うんですが、どの程度までを視野に入れての、今の段階でもしアイデアがあったら、ちょっと御教示いただきたいというふうに思います。
【深海部会長】
その点につきましては、事務局のほうから説明させていただきます。
【沖嶌補佐】
7鉱種、9鉱種の分析でございますが、基本的に今回の審議が中間見直しということを踏まえまして、事務局としては現状分析という形を考えてございます。
後、費用対効果の分析につきましてですが、これは前回、産業連関表の基本表を使いまして実施しました。それと同じような形、前回の審議におきましては、1995年(平成7年)のものを用いて試算したと思いますので、3月に新しい平成12年の基本表が出ておりますので、それに基づいて、まず同様の分析をするということが1点。
そして2点目に、レアメタルを使用する代表的な産業として自動車産業があるわけですが、仮に障害が発生し、備蓄物質をすべて放出するというような状態になった場合、どれぐらいの効果があるのか。いわゆるある特定の産業に特化した分析を行いたいと考えているところでございます。
【深海部会長】
よろしいでしょうか、何か。
【和気委員】
ありがとうございます。
【深海部会長】
ほかにはいかがでございましょうか。もし、何か。どうぞ、寺町代理。
【寺町代理】
今の質問の回答に関連するんですけれども、費用対効果の中で、私もやはりそこが難しいなと思っていたんですけれども、今、たまたま自動車において、そういう事態になったときの効果を算出するという、効果というのは言わば損害の裏返しだと思うんですけれども、この損害の範囲というのはどういう範囲までを想定されているのか、今、分かりましたら教えていただきたいんです。
要はラインが止まることによる損害から、販売できなくなる損害、これは自動車産業だけではなくて、部品メーカーさんですとか、材料メーカーさんまでいろいろな影響があると思うんですけど、どの程度の範囲まで想定して算出されようとしているのか、それが分かりましたらちょっと教えていただきたいんですけど。
【沖嶌補佐】
基本的な考え方ですけれども、自動車に使われているレアメタルの原単位を用いまして、もし障害があった場合、今、備蓄している量分だけのレアメタルが供給障害が生じたとした場合に、車がどの程度生産できなくなるかというのをまず考えます。それから、自動車関連企業、販売まではいきませんが、例えば部品業といいましょうか、関連業に対してインパクトを計算したいと思っています。
ここまででございまして、その後は簡易連関を用いまして、産業全体のインパクトを一応試算するというような構想を今、考えてございます。
【深海部会長】
ですから、基本的には総括的にすべてをやるわけにはいきませんので、非常にある種単純化な仮定を置いて、それで一番基本的な部分だけを中心に検討するというようなことではないかと思っております。
何かそういう点についても御意見がございますればお聞きいたしますが、いかがでございますか。あるいはほかのポイントについて。
これは具体的にあるシンクタンクに委託して調査をしてもらって、その結果をここに報告してもらって、そこで討議をすると、こんな形を。先ほどのスケジュールを御覧いただきましても、限られた時間、限られた回数でございますので、そのようなことを一応計画して実施に移そうとしているということだと思います。それでよろしいんですか。
【沖嶌補佐】
はい、そういうことです。委員の縄田先生にもいろいろ御協力いただきまして、自動車に関する分析につきましては、御意見とかをいただいてございます。
【深海部会長】
何か縄田先生、振るわけではないけど、難しい問題ですからね。それでちょっと、すみません。
【縄田委員】
なかなか難しい問題ですから、いろいろ試みておりますので、後は結果を見ていただいて、御意見をいただければと。
【深海部会長】
そうですね。抽象的な議論よりはそのほうがいいと思います。すみません、振ってしまって。
ほかの点はどうでございましょうか。
これもまたこれから、実際に成果や計算結果、その他を出して、具体的に討議、ここで皆さんに御検討いただくという形になっておりますが、特にほかに御意見が無いようでございましたら、一応資料3の進め方に従いまして、それから、扱うテーマその他につきましては別紙のような形で、部会としては4回で検討していただくということにしたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
それでは、どうもありがとうございました。
次に、ここの議事次第で言いますと、(3)レアメタル備蓄制度の現状についてという、これをまた事務局から、資料も既に配られておりますので、資料4に基づきまして御説明いただきたいと思います。
【沖嶌補佐】
資料4でございます。レアメタル備蓄制度の現状について。
めくっていただきまして1ページ目でございます。備蓄制度の概要といたしまして、創設経緯ですが、まず(1)本備蓄制度は、昭和57年4月、産業構造審議会の総合部会経済安全保障問題特別小委員会におきまして、レアメタルについて、民間における備蓄の拡充努力と合わせて国家備蓄の実施を図ることが必要という報告を受けまして、国家備蓄が実現いたしました。昭和58年4月、金属鉱業事業団法が改正されまして、金属鉱業事業団が国家備蓄の主体者として、現在に至るまで備蓄事業を実施しているわけでございます。
(2)昭和61年8月ですが、鉱業政策懇談会、これは鉱業審議会の下に置かれました臨時の会議でございますが、この中で制度の簡素化ということがうたわれまして見直しを行ったところ、国家備蓄を42日分、民間備蓄を18日分とするような形で変更されました。以前は、(1)の下に書いてありますが、国家備蓄が25日、共同備蓄が25日、そして民間備蓄が10日、計60日。この60日を国家備蓄と民間備蓄にセパレートしたというのが61年8月でございます。
以降、この基本的な概念にのっとりまして、国家備蓄についてどうあるべきかということを昭和62年、また平成元年から2年度にかけて、平成3年度、平成6年、そして前回の平成12年度に審議をいただいたところでございます。内容はこの表になっておりますが、ポイントといたしましては、平成3年度の高騰時売却制度の導入というものと、平成12年度に、売却量の拡充として高騰時売却の上限を緩和したということと、平常時売却制度の導入がなされたというところがポイントかと思います。この売却制度につきましては、また追って後で御説明させていただきます。
2ページでございます。平成9年12月「特殊法人の整理合理化計画に関する閣議決定」というものに基づきまして、実は新規の備蓄積み増しが停止されました。現在も停止されている状態でございます。
(5)、平成16年、今年2月29日に金属鉱業事業団が独立行政法人化するわけでございますが、独法化するに当たっての根拠となる平成14年7月の「独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法」が制定され、この中に、資源機構の目的として、事業団から引き続き金属鉱産物の備蓄に必要な業務ということが明記され、その事業を独立行政法人においても実施するという形になり、事業主体が独法になったというところでございます。
(2)備蓄鉱種及び目標でございますが、レアメタル31鉱種の中で、我が国の国民経済の中で現に重要な位置を占め、供給障害により多大な影響を受けることが予想されるレアメタルという形の中で、更に供給構造が脆弱で供給障害が起こる可能性が高いレアメタルは一体何であるかということが検討され、その結果、7鉱種が選定されております。
その7鉱種というのは、下に書いてあります備蓄鉱種、ニッケル、クロム、タングステン、コバルト、モリブデン、マンガン、バナジウム、この7つでございまして、先ほど御説明いたしましたように、備蓄目標は我が国の基準消費量の60日分とするという形になっております。これは官民一体となった事業を実施してございまして、国家備蓄が7割、いわゆる60日の7割分、42日分、そして民間備蓄が3割、18日分を実施するということになっております。
実施主体、実施者ですが、国家備蓄は、先ほど申しましたように独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構でございます。民間備蓄に関しましては、社団法人特殊金属備蓄協会が取りまとめ、その実際の実施に当たりましては協会加盟の参加の各企業において実施されております。
国家備蓄のスキームが下でございます。独立行政法人が下にあって、実際の備蓄事業を実施しているわけですが、国といたしましては、利子補給金、管理運営費の補助を実施する、又は、独立行政法人が市中金融機関から借り入れを行う場合の政府保証を行うというような形の中で、国が積極的に事業を実施しているということでございます。
3ページでございます。先ほど、過去の審議の中でポイントといたしまして、高騰時売却、平常時売却について御説明しました。高騰時売却は平成3年、平常時売却は前回の平成12年度に定められたわけでございますが、制度の創設当初から緊急時売却制度というものが存在しているわけでございます。まさにこの備蓄制度の根幹をなすもので、万が一の障害が発生し、我が国の経済に大きな影響を及ぼす場合に、それを可及的速やかに放出するということによって、経済を救うというところでございました。それが唯一創設当初からあったわけでございますが、平成3年度に、先ほど申しました高騰時売却を導入すると。これは下のほうに書いてありますが、価格が相当に高騰した場合、まず備蓄制度の円滑化を実施するとともに、その高騰した価格を安定化させるために、一定量備蓄量を放出するという制度でございます。
それとともに、前回の審議の中に出ました平常時売却につきまして、これは7鉱種のうち、ある程度低減が可能と判断されるものにつきまして、ニッケル、クロム、モリブデン、マンガン、この4鉱種でございますが、これにつきましては、平常時においても事業の効率的観点より売却が可能ということにしている次第でございます。
これにつきましての詳細が、これから4枚をめくっていただいたところの横の表で、参考2、希少金属鉱産物国家備蓄売却要件比較一覧表というものの中で、3売却についての基本的な考え方、又は売却基準というものを記載させていただいています。緊急時売却は先ほどのような制度でございますので、一見でお分かりかと思いますが、高騰時売却の高騰時案件につきましては、売却基準のところに書いてありますが、直近5年間の各月の月平均市場価格に基づき算定された移動平均価格のおおむね2倍。これは各月の平均を出しまして、それを5年間移動平均としてとらえ、その2倍の価格を、スポット価格というか現状の価格が超えた場合に、それは高騰時だと見なして放出できるという形でございます。
なお、売却量につきまして、高騰時も平常時も同様でございますが、一定の制限を設けてございます。これは万が一、後で起こるべき緊急時ということを考えた場合、ある一定では当然備蓄しておくべきだということで、高騰時におきましては、現存する備蓄量は、売却を行ったとしても、残る保有量というのは当該基準の7割を下回らない範囲、今ある売却後を、売却量の3割以内を制限とする、かつ、売却後にその保有量が備蓄目標の半分、5割を下回ってはならないという条件にしてございます。平常時売却においても、売却したとしても、残った保有量が5割を下回らない範囲という形の中で放出できるということにしております。
この備蓄の方針につきましては、次回の審議で御審議いただくことにしております。また改めまして、その折に御説明したいと思います。
4ページに戻っていただきます。現状の備蓄量でございますが、目標は、先ほど申しましたとおり、平成17年度を終期として60日分の備蓄を行う。ただし現実的には、閣議決定を受けまして、平成9年度より新規積み増しを停止したのが実態でございます。
現在の各備蓄量につきましては、この表のとおり、15年度末の備蓄量といたしましては、国家備蓄が目標の42日に対して31.1日分、達成率が74%、民間備蓄につきましては、18日分の目標に対して15年度末が10.4日、57.8%、トータルで69.2%の達成率になっているというのが現状でございます。後、現状の備蓄量等につきましては下の表に書いてございます。ニッケルから7鉱種につきまして、量と達成率はこのとおりでございます。
5ページでございますが、放出の実態をここに書いてございます。最初の放出を実施したのは平成10年4月、バナジウムの高騰時売却でございます。まず、約97トンの売却予定量に対して全量の売却を実施してございます。以降、平成15年に入りまして6月、前回の審議をいただいたところで出てきました平常時売却というものを、初めてモリブデンで実施しております。予定量と売却量はこのようになってございます。
近時、価格高騰を受けまして、かなりの量の売却を一応実施してございます。書いてありますとおり、モリブデンをまず2月27日に入札を実施した。次に、コバルトを3月に実施しました。コバルトにつきましては、売却量は「×」で書いてあるのは、価格の合意を得られずに実態的売却が無かったということでございます。バナジウムにつきましては3月、高騰時売却を実施。そして、この4月に入りましてマンガンの平常時売却。そして4月20日でございますが、モリブデンの高騰時売却を実施した。現状の価格高騰を踏まえて、独立行政法人のほうとしては適切な判断の下に売却を実施しているという現状でございます。
後、参考資料のほうですが、参考1は制度の主たる変革を書いてございます。量とかは先ほどご説明したとおりでございます。参考2は制度の詳細を記したものでございます。
参考3には、高騰時売却の価格変化とそのアクションを日にちで記載してございます。例えば8ページの平成10年度のバナジウムにおきましては、売却決定が平成10年4月14日というところでなされまして、まず、現在、民間備蓄を実施している方に対して指名競争入札を実施したのがこの指名入札日で、10年4月27日ということでございまして、後、残量につきまして、製造者であるとか、扱う者、フェロバナジウムを使って製造事業を行っている企業さんとかに一般公開によりまして公示をし、その入札日が平成10年6月8日であったということで、この期間、おおむね2カ月は掛かっております。
下のほうが今般の売却でございまして、各日にちが書いておりますが、売却決定日が今年3月9日、そして最終的な一般競争入札日が3月29日と、いわゆる二十日ばかりでここまで来ております。前回の2カ月と比較して、かなりの努力でもってその期間を短目に設定し、取り組んでいるということでございます。
以上でございます。
【深海部会長】
どうもありがとうございました。
それでは、今の資料4につきまして、レアメタルの備蓄制度の現状について御説明いただいたわけでございますが、何か御意見、御質問等々ございましたらお願いいたしたいと思うのですが、いかがでございましょうか。どうぞ、靍間さん。
【靍間代理】
コバルトは売らなかった、売れなかった、そこのところがちょっとよく分からなかったんですけれども。
【沖嶌補佐】
売れなかったでございます。
【靍間代理】
高過ぎたとか。
【沖嶌補佐】
価格で折り合いがつかなかったということでございます。
【靍間代理】
ありがとうございます。
【深海部会長】
ほかにはいかがでございましょうか。どうぞ。
【千原委員】
そこのところをもうちょっと教えていただきたいんですけれども。価格の折り合いがつかなかったというのは、ここに書いてある2倍を超えて云々といったときに、どこが譲れる最低線だったのか。そこら辺りのメカニズム、入札価格が低過ぎてということであれば、何回ほどやってギブアップするのかというところまでルールがあるんでしょうか。
【沖嶌補佐】
価格の設定につきましては、これはちょっと申し上げることはできません。ただ、コバルトは高騰時で売却を実施していますので、5カ年の移動平均価格の2倍を超えた場合にこれを発動しております、一つの目安かも分かりませんが。
入札における回数ですが、一応2回。例えば最初の指名競争入札を実施する場合、1回目が不調であれば2回目も実施するという形で聞いております。同じようなことを最初に国家備蓄を実施している企業さんに対しまして指名競争入札を実施し、その売れなかった残量と、また一定の基準がございまして、まず指名競争する量でございますが、国内の総消費量、それと備蓄を実施されている会社における消費量、つまりこの割合を先に指名競争でもって売ります。この割合の備蓄量を、放出する予定量全体の中のその割合分だけを指名競争する。そして、その残り分と指名競争入札で売れなかった分を足し合わせたものを一般入札にかけるわけですが、この場合の入札回数も同じように2回実施しております。ということです。
【千原委員】
後の議題に取り上げられているということは、そこら辺りのメカニズム、今のやり方がいいのかどうかということで含めて、この会で後日やられるという理解でよろしいですね。
【沖嶌補佐】
価格の決定につきまして、どうのこうのという議論につきましては、これはここではできない議論でございます。次回にやろうとしておりますのは、要請があった場合にいかに早く売るか、売却をするのかというようなところを中心に議論していただければと考えているところですが。
【深海部会長】
よろしいですか。どうぞ、和気委員。
【和気委員】
ちょっと皮肉っぽい言い方で大変恐縮なんですけれども、平成9年から新規積み増しが停止されております。しかも、コバルトなどは含めて備蓄の達成率が非常に低い状況が一方でありまして、したがって高騰時に緊急放出という場合でも、備蓄率がかなり低い場合には放出しにくいという環境があって、もう一つは、やっぱりこの言い方は大変皮肉っぽいんですけれども、値段が高いときに売ったほうがこの法人はある種もうかるという、非常に矛盾に満ちた、つまり高騰になる直前に売ることが実は安定化でありまして、高くなってから売ったのではマーケットが混乱するという意味において、この辺を備蓄政策としてどういうふうに考えるのかなと思いつつ、答えがあるわけではないんですけれども、コバルトの今の話もその辺があるのかなと思いまして、多分今後の検討課題になるかもしれないというようなニュアンスを含めて、ちょっとコメントさせていただきました。
【沖嶌補佐】
ありがとうございました。
【深海部会長】
ほかはいかがでございましょうか。もし何かございましたら。和気委員の御指摘は正に根幹にかかわる、それからもう一つは、事務局から説明があったように、実際の価格は公開できないということですね。
【苗村補佐】
今、和気先生のほうからお話があった2つ目の点ですけれども、資源機構の評価にかかわる部分だと思います。確かに資源機構、利益状況というものというのは一つの評価の基準なわけですけれども、質というものも合わせて評価をするということですから、単に高く売ったほうが評価が高いということではなくて、利益が上がった分は機動的な業務を効率化して達成されたものなのか、たまたまそのレアメタルが高く売れたのかというもので、同じ利益が上がっても評価というのは違ってくると思います。必ずしも高く売ったから評価が高くなるというものではないというふうに思っております。むしろ機会を逃さずに迅速に出せたかどうかという点も含めて、全体評価がなされるんじゃないかというふうに考えております。
【深海部会長】
どうもありがとうございました。
部会長があまり発言しないほうがいいんですけれども、資料4の説明を聞いておりますと、いわゆる備蓄の売却というのはどういうときに行われるのかというので、最初、ここにスタートしたときは緊急時売却ですから、いわゆるストックパイルですね、今言ったようなあれで。それで、だんだん価格高騰時とか平常時ということになると、いわゆるストックパイルから、高騰時であるとするとバッファーストックに変化してきたと。それで、更にそれに付け加わって、安売りをするというのではなくて、いわゆる購入価格を上回る場合だと効率的に運用するという形で平常時でもやるということですよね。
だからそうなると、やっぱり最初の緊急時売却だと、先ほどの産業連関表を使って、生産やその他のボトルネックが一体どれだけ解消されるかというようなことだと、単純に価格問題よりも、例えば産業の、あるいは企業の生産額が本来なら減るんだけれども、これを使って減らなくなったというような評価もできると。だから目的によって、今、苗村さんもそういう意見だと思うんですが、変わってくるんじゃないんですかね。だから、正に本当の意味でのバッファーストックとか、そういう形で上下になって売って、そこの機構がもうけるというものだけではないんじゃないかというふうに感じたんですが。私は実務は知らないのでよくわからないんですけれども、どんなものでしょうか。
あるいは、御担当といってはいけない、増田さん、何かございますか。
【増田委員】
高価で売っても、私どもの収入、財政を潤すというものではなくて、基本的には国家に入るわけですから、そういう意味では私どもの財政バランスという観点はあまり関係ないと思うんです。要は、我々は備蓄の本質を考えなければいけない、考えるときに念頭に置いておかなければいけないことというのは、備蓄を積んでいった過程というのは非常に円がまだ安いときで、そういう意味で相対的に金属価格が非常に円評価をすると高くなっていると。今、たまたま非常に金属価格が急騰しておりますけれども、基本的に簿価が相当高いものであるということがあって、相場の話は先行き分かりませんけれども、少し日本経済のことと合わせて簿価を下げるということも必要なんじゃないか、それは私どもの財政のためではなくて、この備蓄の制度の運用として、そういうことがいいのではないかという点もあろうかと思うんです。
そういう理解の上で、平常時売却という考え方も出ているわけでしょうから、売ってまた戻すということでしょうし、あるいは、恐らくこれは今後の議論として、7鉱種以外にほかの鉱種のほうがより緊急性が高いとか、そういう議論も出てくるでしょうから、そういう余地も残しておかなきゃいかんということも考えると、総合的な観点でちょっと判断をする必要があるんじゃないかというふうに思っております。
【深海部会長】
これは審議の過程であれなので、今、現状で御質問をいただいているようなところでございますから、正に問題を提起していただいて審議するという形を取りたいと、今日ここで結論を得るという形じゃないと思うんですが。
どうぞ、縄田さん。
【縄田委員】
付け加えますと、いろいろやっぱり鉱種を調べてみると、緊急性がかなり変わっているんです。国際的な需給関係とかその及ぼす関係とか、そうすると、ある程度そういうシステムをもって鉱種の入れかえ、必要なものは増す、必要性の落ちたものは減らしていくというような方策は必要じゃないかと思います。
【深海部会長】
どうもありがとうございます。
ほかの委員の方々はいかがでございましょうか。どうぞ、今井先生。
【今井委員】
参考資料3、8ページを見てみますと、フェロバナジウムの価格の推移が売却決定から一般入札まで約2カ月掛かっていまして、これはうまくいって、売却決定日と一般入札日と差があまり無いんですけれども、この下を見てみると、売却決定から一般入札までわずか二十日くらいですけれども、10%くらいの差になっていますので、だからそういうことを考えた場合に、指名入札、一般入札、2段階方式を取るから2カ月ぐらいも時間が掛かっちゃうんでしょうけど、これをもうちょっと短縮するとか、1本にするというのは非常に難しいものなんでしょうかという、1つはそれなんです。
それから、前回のときもあれしたんですけれども、こういう高騰時に売却するというのは、ほかの外国でもやっているのであるかどうかということと、それから、このやり方です、こういう2段階方式を使っているのかどうかというのをちょっとお伺いできたらと思うんです。
【沖嶌補佐】
2段階方式につきましては、この制度を創設するときに、今の財務省との協議がありまして、2つの観点が必要だろうということになっています。まずは、その緊急性というのと、それと平等性という2つでございます。1つは、緊急性のためには、民間備蓄を実施していただいている方々に対して機動的に発動すると。しかし、それはその方々ではなくて、その鉱種を使用している製造者の方とかに平等に、その平等性も確保しなくてはならないということで、先ほど申しましたように、日本国内のある鉱種の使用量全体に対する備蓄をされている人の使用量、この比率でもって指名競争入札を実施、これが緊急性の概念で指名競争を実施し、その残量を、今度は一般のその鉱種を使われておられる方々に広く公示し売却するという制度でございまして、それにつきましては一本化というのは検討の余地はあるかと思いますが、現状ではそういう形の中でやっていると。
海外の売却の事例につきましては、近時で韓国が実施したというのは承知しております。それについては、詳細にまずは可能な範囲で調べまして、次回また、放出の在り方というところを議論いただくときに、御回答できる範疇で御返答したいと思います。
【深海部会長】
ほかはいかがでございましょうか。どうぞ、中村委員。
【中村委員】
実は初めてでよく分からないものですから、要するに達成率が各元素で違うというのは、何か本質的な問題なんでしょうか、それとも偶然そういうことなんでしょうか、それとも何かコントロールするようなプロセスが別にあるんでしょうか。
【沖嶌補佐】
結論からいけば、偶然このような形になっているということでございます。過去、物資を購入するときの数量、目標に合わせて、その段階で何を優先するかというのはその当時にあったと思いますが、その目標に向けた購入を実施したというところでのものという形です。よろしいですか。
【中村委員】
わかりました。
【深海部会長】
ほかはいかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
今回は現状を理解していただくということが中心でございまして、今、いろいろ指摘された問題につきましては、具体的に先ほどの審議の進め方で御説明しましたように、そういう問題を取り上げるところで、更にフォローアップしていくという、こんなことになるのではないか。
それで、私が一つ感じたことは、やっぱりレアメタルの備蓄制度というのが、一つの目標、いわゆる緊急時にどうするかというんじゃなくて、いろいろな多元的な目標が付け加わってきて、だからどうするかということの判断もなかなか一元的にはいかないんじゃないかという感じがしますけれども、この点も是非、また後で議論させていただきたいと思います。
よろしゅうございましょうか。そうであるとしますと、次に、今度は各資料5-1、2に入るわけでございますが、今現在、対象としております7鉱種の需給の現状につきまして、総括的な表と、それから個別的に詳細に分析されているわけでございまして、今の備蓄制度の全体から、今度はそれぞれ鉱種別の議論に移るというふうに考えられるわけでございます。
それでは、しばらく時間が掛かると思いますけれども、資料5に基づきまして、事務局から説明をいただきたいと思います。
【沖嶌補佐】
資料5-1と5-2でございます。恐縮でございますが、資料5-1を右のほうに開いていただきつつ、資料5-2のほうで御説明したいと思います。
まず、資料5-1をめくっていただきました1ページ目でございますが、7鉱種を個別に簡単にポイントを記載しています。まず左側に鉱種名、そしてその下、ニッケルとありまして、その下に備蓄している物資、ニッケル地金とフェロニッケル、酸化ニッケルという形で備蓄してございます。その次、上段は現在の備蓄日数、現状あるものの備蓄日数でございます。それを量にするとどれだけになるかというものでございます。備蓄日数が25.6日分でございまして、純分量としましては19.5千トンを持っていると。備蓄目標、国家備蓄ですが、これは42日分を持っているということでございます。ニッケルにつきましては、この下に、21日を下回らない範囲で平常時売却可能という形になってございます。
今、その次の右の欄は国内総消費量でございます。過去の推移を記載しております。これはニッケルの総消費量でございます。
そして次の欄、生産国集中度というのは、これは前回の審議でも議論していただいたところでございますが、例えばニッケルの鉱石の世界生産量に占める上位5カ国のシェアという形になります。99年は、上位5カ国では世界の生産量の71%になりますということです。2002年におきましては、それは70.4%になると、0.6%ダウンをしたということです。
後、対日輸出国集中度というのは日本の輸入量、日本におきましてはその輸入量の概念になります。輸入の上位5カ国のシェアということでございます。ニッケルにおいては、2002年が82.0%になっているということでございます。
そして右のほうには、最終的に、現状及び今後どうあるべきかというのをまとめとして記載してございます。
この横表、A3の表を御覧いただきつつ、私のほうは個別の資料5-2に基づきまして説明させていただきたいと思います。
まず1ページ、ニッケルでございますが、特性及び用途、これは高硬度及び超弾性という性質がございますので、主にステンレス鋼等の特殊鋼に使用されてございます。代替可能性につきましては、ステンレスに関しましては、これらに代わる元素が無いという状況になっております。ただし、二次電池、いわゆる電池の世界にもニッケルが使われてございまして、価格と機能の問題というのはあるわけですが、コバルト、マンガンでは代替は可能です。ただし、この場合は製品レベルの代替という形になりますので、現状あるニッケル電池がコバルト電池にかわると、製品そのものが変わってしまうという形にもなります。
次に、世界と日本の需給状況です。世界の状況はこの表に示してございますとおり、2001年は世界的なITバブルの影響を受けまして、前年より減少しております。その後は回復基調という形になってございます。近時、2003年が、供給と需要のバランスにおいてはマイナス26という、マイナスのほうに転じていると。2004年の予測でも同じような形になっているというところがポイントとして挙げられると思います。(2)日本の需給。これは世界と同じように、ITバブルの2001年には減少して、そしてその後、2003年は回復という形でございます。
後、次の2ページでございますが、日本の現在量の輸入状況が図に示してございます。左側からいきまして、1982年というのは昭和57年でございまして、備蓄制度の出発前という状況です。そして、1999年は平成11年でございまして、前回審議に使われたデータ時と御解釈ください。そして、現状ですが、一応2002年を取ってございます。このような推移で動いていると、量が増え、また相手国というのは基本的には変わりなく推移しているというところです。
下のほう、供給の偏在性と供給障害事例という項ですが、供給偏在性というのは、生産国に関しましては上位5カ国の集中度が、先ほどのA3の表にもありますとおり、現在では70.4%になっている。現在の主要生産国というのは、ロシア、豪州、カナダ、インド、ニューカレドニアという順番になってございます。後、主要対日輸出国、日本にとっての輸入国ですが、上位5カ国の集中度は82%になってございます。
3ページでございますが、このニッケルにつきましては、供給障害として数々見られます。1967年、ニューカレドニアで豪雨・洪水というものがありまして、採掘及び出荷活動に支障が生じたということによりまして、価格が3倍に高騰するとともに、鉱石ベースにおいての年間生産量、これは世界ベースですが、7%の供給減になったのではないかと推計されております。その下、1969年ですが、カナダのINCO社とFalcombridge社でほぼ同時にストが行われています。この場合、価格が2倍に高騰する、そして生産量も15%ばかり減になったのではないかと推計されてございます。その他、例えばインドネシアの事故であるとか、カナダに関しましては度々鉱山及び製錬所でのストが起こり、それに基づいて価格が上昇するという現象が見られるというところでございます。
次、日本の主要用途別需給状況ですが、ニッケルに関しましては、下の表にありますように、おおむねステンレス鋼分野とIT関連分野に分かれます。2002年におきましては、ステンレス分野が純分換算で11万トン、IT分野が6万1,000トンという形で、比率にいたしましてはステンレスが60%、IT関連が33%というところで、これは他の鉱種と比してIT関連分野が多い鉱種となっております。
次に4ページでございます。日本におけるステンレス鋼分野のニッケル消費量の推移ですが、2000年、2001年、2002年におきましては基本的に右肩上がりに成長していると。一方、下のIT関連分野でございますが、先ほど申しましたように、2001年のITバブルの崩壊というものを受けまして急激にダウンすると。前年と比して、おおむね3万6,000トンのダウンが2001年にあるわけですが、これはおおむね日本のニッケルの総消費量に匹敵するもの、つまり2001年はITバブルの影響を受けまして、鉄鋼は横ばいで来たけれど、ITの影響を受けて、総じてニッケル全体の消費量が落ち込んだということが言えるかと思います。
その下のほうに、これは推測値でございますが、2002年のIT産業に使われているニッケル量6万1,000トンにつきましては、ここに書いていますように、ブラウン管のシャドーマスクであるとか、半導体用のリードフレーム、又は通信機器部品であるとともに、次の5ページで、電池産業等に使用されてございます。
日本の電池産業というのは、比較的原単位が分かります。電池の中に何ぼのニッケルが入っているのか、そして製造量から換算すれば、どれだけの消費量があるのかということは非常に推測しやすい分野でございますので、ここではその分析を実施してございます。この表ですが、日本のニッケル含有二次電池の生産量推移ということで、まず、ニカド電池の生産量、1999年から右肩下がりといいましょうか、減少傾向にございます。それに伴って含有ニッケルも当然減少している。ニッケル水素電池も同様の位置付けになってございます。これは、一つにはニッケルを使った2つの二次電池が、下の表にありますが、リチウムイオン電池というのが右肩上がりで非常に伸びてきています。いわゆるニッケル型からリチウムイオン電池に変わっていっているかと推測されます。
中国の動向と日本の影響でございまして、6ページの表を御覧ください。1999年から2003年、2003は見込み値でございますが、地金生産量というのが右肩上がり、また消費量も右肩上がりでございます。地金の消費量というのは急ピッチで上がってございます。そのため、地金ベースで見た場合、地金生産と消費量というのは、1999年はほぼゼロに近い数字であったものが、2003年ではおおむね6万トンばかり、いわゆる供給不安といいましょうか、供給不足というところが見られるということでございます。
後、輸入と輸出の関係でございますが、地金、アンダーラインを引いてございますが、ここを御注目いただければ、中国の地金の輸入量が増大してございます。この4年間、当初4万トンであったのが、2002年には30万トンに上がると。それを比して、今度は輸出量に関しては減少傾向にあると。つまり中国においては、ニッケルを輸入するポジションに変わっていっているということが言えるかと思います。
それを裏付ける資料としまして、中国のステンレス需要というのがございまして、下の表でございます。生産に関しましては上のほうで、ステンレスの粗鋼生産というのは徐々に上がってございます。消費量というものに関しましては、急激に上がっているというのが実態でございます。
7ページに参りまして、電池産業の動きでございますが、中国の二次電池産業というのはこの表にありますとおり、これまた急激に上昇していると。これは、一つには海外のメーカーが中国に生産拠点を求めて、そこで生産を積極化しているのではないかなということも考えられます。
これらの日本への影響としまして、中国においては2008年オリンピック等を控えております。今後ますます経済発展が予想されるというところでございまして、現在、ステンレス鋼に関しても、生産能力の増強計画が多数計画されてございます。2007年までに、具体的な計画だけでもプラス200万トン、現状60から70万トンなんですが、それを更にプラス200万として、260万トン前後まで増強する計画というのがあります。このように非常に盛んな経済活動を実施しているということでございます。ですから、原材料の消費量も当然大幅に急増するだろうという形を予想してございます。
一方、中国のニッケルの生産に関しましては、Jinchuan(金川)Nickel社というのが唯一、95%を生産する社でございますが、ここでの鉱山サイドにおける生産というのは、現状、年6万トンでございます。これを現在、10万トンにするという拡張計画があるわけですが、それをもってしても、中国の消費を支えられるような状況ではないということで、非常に中国としては今後、海外からの輸入をしなくてはならないんじゃないかという状況があるというところです。
その中で、次、価格でございます。現状の価格。そのようなものを背景に、8ページの表を見ていただければいいかと思いますが、価格表がありますが、急激に近時に増加しているという形でございます。
総括としましては、やはりニッケルに関しましては、非常に地域的偏在性が高いということと、中国の経済発展による世界の消費量というのが大幅にアップしている。そして、2000年からは中国はニッケルの輸入ポジションとなって、輸入依存度が更に急増しているということ等を踏まえまして、注視していくべき事象ではないかと考えるところでございます。
そして、9ページとしまして、まとめのところでございますが、依存度、供給障害の発生の懸念というのは否定できないという中において、また、IT産業向けのニッケル電池というのは全体に減少している傾向にあるけれども、ステンレスというのはまだ堅調に推移しているということを踏まえれば、ニッケルの消費量というのは、日本においてはまだある程度のものがあるだろうということで、備蓄目標については、今の時点では現状維持というのが適当ではないか。そして、ただし今後、ニッケルに関しましては、中国の動向というのは非常に注目されるところでございますので、それらについては注視していくべきではないかと、事務局としては考えるところでございます。
以上がニッケルでございます。
後、同じような内容につきまして、クロム以降、簡単に現状だけを説明していきたいと思います。
10ページでございます。クロムは主にステンレス鋼に使用されるものと考えられます。
世界の需給でございますが、この表のとおり、グロス量でございますが、おおむね300万から400万トンで推移していると。需給のバランスとしては、2001年以降、世界的に見れば需要が供給を上回るという状況になっている。日本の状況についても、おおむね世界の大体20%が日本でございますが、同じ傾向にあるということです。
そして、11ページ目の輸入推移を見ていただきますと、南アフリカの比率が過去よりも非常に高い。上位、南アフリカとカザフスタンでおおむね70%を占めるに至っている。下の表でございますが、そのようなものを背景にしまして、上位生産国の集中度というものが今現時点では94.4%になっており、輸入の集中度というのが95%になっているという状況です。
後、供給障害の事例につきましては、この表に書いてありますように、自然災害等もあります。特記すべきものは、1997年から始まったカザフスタンの製錬企業の内紛による出荷停止というものも見られるというところです。
4.日本の主要用途別需給動向ですが、これはステンレス鋼等の特殊鋼に使用されるのが主でございます。一部電子材料として振り分けられる量として約5,000トン等が考えられるわけですが、それは全体から見れば微々たるものだ、少量だと考えるところです。
中国の動向ですが、ステンレス粗鋼の生産が中国では急ピッチに伸びていくために、これも同様に輸入依存が高まるだろうと。そして、日本等の影響ですが、他の海外諸国においても鉱山開発の計画がなく、当面世界的に需給がタイトになる、タイト感が継続すると考えるところです。
13ページの価格表でございますが、このような形で流れてございます。近時は南アフリカのランド高による影響を受けて、フェロクロムの価格高騰というのがございます。
以上の状況の中、まとめといたしましては、クロムにつきましても、やはり中国の生産という中で価格が高騰しているということを踏まえ、現状の備蓄量をとりあえず維持するということの中で、中国の動向を注視していけばどうか考えるところです。
次、タングステンでございます。タングステンの特性等はこちらのほうに書いてありますが、高速度、張力の特性がございまして、要は高速度工具鋼とかによく使われるものでございます。
世界の需給は、この下の表のとおりでございまして、おおむね4万トン、年3万トンというところで推移してございます。日本の需給についてはデータに限りがございますが、タングステンの需給としては15ページの上の表、2002年においては5,000トン程度、これは過去2000年からは減少傾向にある。これはITバブルの崩壊と想定されます。
日本の輸入状況につきましては、この表のとおりでございまして、中国からの依存度が現時点でも74%と非常に高い。中国とロシアを含めると9割を占めるに至るという形でございます。16ページですが、生産国の集中度は、ここに書いてありますとおり97%、又は、輸入の上位5カ国というのは94%になっている。
供給障害事例につきましては、輸入国が中国でございますので、中国のこのような国内混乱にも影響を受けるという状況でございます。
17ページに参りまして中国の動向でございますが、景気を反映いたしまして、基本的には供給が需要を上回る状況になっているというところです。そして、日本への影響といたしましては、世界供給の75%が中国でございますので、この動向というのは無視できないと考えるところでございます。
価格動向につきましては18ページの表でございます。過去、中国の要因等によりまして若干の上昇を見ておりますが、現時点では安定しております。
総括、まとめといたしまして、18ページ下でございますが、これも同様、また、ましてこれは輸入という概念でとらえますと、中国、ロシアというのが、日本にとりましては輸入の9割を占めておりますので、現状の維持を行うというのが適切かと考えます。
後、コバルトにつきまして、特性等は、耐腐食性であるとか導電性がいいというところでもちまして、二次電池の電極として使用されております。代替性につきましては、電池に関しましてはニッケルと同じような状況ですが、高速度鋼に使えるコバルトというのは代替性が無いというところです。
世界の需給に関しましては、この表のとおりでございまして、4万トンベースで現在、推移している。2004年につきましては、おそらく供給と需給のバランスは需要のほうが上回り、供給不足という状態をも考えられるかもわからないという状況になっています。日本の状況は下のような形でございまして、現在、2002年では、供給が12万強、そして需要が10万強という状況でございます。
20ページで、輸入の推移でございますが、これは色を見ていただければわかりますとおり、いわゆる非常に20%前後、又は10%台の国が均等の割り振っているという形でございます。
後、供給偏在性としましては、下の表でございますが、5カ国の集中度というのは現時点は76.2%となっております。これは99年と比較しますと、ある程度の減少をしております。主要輸出国につきましては、日本にとっての輸入国というのは80.5%、99年よりは微増してございます。
供給障害の発生事例につきまして、ここの表で述べていますように、象徴的なザイールにおけるシャバ紛争における供給障害というのが1977年から78年にかけて起こっているというところです。後、カナダの製造サイドにおけるストという影響もかなり受けてございます。
22ページの表でございますが、日本におけるコバルトの分野別消費量という推測を書いてございます。おおむね二次電池に使用されるのが2002年では5,050トン、56%。これは表の横を、2003年(推計)では63%となり、上昇傾向にあると考えられます。下の文章の中でございますが、リチウムイオン電池というのは、他のニカド電池系と比べましてコバルトの含有量が多くなってございます。その分、消費の伸びと相まって、含有量が多いものですから消費量というのも総じて多くなるという、相乗効果があるということでございます。
後、中国の動向でございますが、中国の生産量というのがこの表のとおりでございます。中国の生産も徐々に右肩上がりでございます。
次のページにいきまして、需要量、世界の中に占める比率も右肩上がりとなっているというところでございます。中国におきましては2社の工場がございます。けれども、先ほど言ったニッケルと同様、Jinchuan(金川)Nickel社が多くのウエートを占めてございます。このJinchuan(金川)Nickel社は、2003年コバルト生産量は大体1,500トン前後と考えられておりまして、中国のコバルト生産の大部分を生産しているという状況で、今後、この自社の鉱山からの供給だけでは足りなくて、海外からの輸入に依存する傾向にあるものだと考えられます。
日本等への影響でございますが、次、24ページのほうに行っていただきまして、もちろん現時点で、このような中国自体からの鉱山で供給するというのは限度がございますので、当然コバルトの輸入依存というのが高まるという傾向にはなるかと予想されます。
後、価格につきましては24ページの表のとおりでございます。時々の状況に応じて非常に急騰するという傾向がございます。
以上のような状況を踏まえて、25ページ、まとめのところでございますが、2003年のコバルト需給というのは世界的に需要が供給を上回っていた。2004年には世界的な供給不足が予想される。また、日本においても、IT分野というものに関しまして消費量の増加も予想されるということでございまして、IT産業の動向を踏まえつつ、今後とも事務局としては、現状備蓄目標を維持しつつ、中国の動向を見守りたいと考えるところです。
次、モリブデンに参ります。モリブデンに関しまして、世界の需給はこの表にあるとおりでございます。純分で現在、消費・生産とも12万トン台でございまして、2002年、2003年は需給のバランスが崩れまして、供給不足の傾向になると考えられます。日本はおおむね世界の20%弱の需要でございます。
次、日本の輸入の状況ですが、27ページの表でございます。集中度に関しまして、27ページの下でございますが、現在、世界の鉱石上位5カ国というのは88%、また、対日輸出国上位5カ国というのは89%、これは99年と比して微減してございます。
28ページでございますが、供給障害事例というのは、このような形で、ストライキによるとか事故によるものが認められているところでございます。
日本におきまして、モリブデンというのは97%が鉄鋼用でございます。それが28ページの表の中で示してございます。
中国の動向は29ページですが、現在、中国はモリブデンの消費量、2003年ですが1万4,000トン程度だと考えられております。今後、ステンレス鋼の生産とかがかなりの増が見込まれるために、モリブデン消費量も当然多くなるだろうと予想されます。一つの考え方、社団法人特殊金属備蓄協会(特備協)の報告書によれば、2007年には2万2,000トンまでになるのではないかという推測もあります。更に、中国は生産者でございますが、モリブデン鉱石というのがいいところを先に採掘していますので、今後品位が下がってくるということで、鉱石輸入も考えられるというところでございます。
後、日本の影響等については、今まで説明した鉱種とおおむね一緒でございます。
価格に移らせていただいて、30ページでございます。モリブデンにつきましては現在も高騰傾向にあります。近時、4月に入りましてかなり急騰してございます。
以上を踏まえまして、総括の(4)まとめでございますが、これも同様、銅又はニッケルのバイプロで生産されるというところの特殊性がございます。モリブデンに関しましては、いわゆる銅の生産が好調であればモリブデンも好調であるが、銅が落ちるとモリブデンもどうしてもそれに引っ張られてしまうというとこら辺を注視すべき点でございます。
次、マンガンにいきます。31ページです。マンガンは、鉄鋼の製錬時に脱酸、脱硫という作業で必要不可欠なものでございまして、製鉄産業には無くてはならないものでございます。
世界の動向というのが31ページの表でございます。日本における、これはフェロマンガンですが、需給動向が32ページで記載しております。
次に33ページに輸入の推移でございますが、おおむね1982年と変わらない形の中で推移してございます。そして、供給偏在性はこの下の表でございまして、現時点では上位5カ国というのは73%、そして輸入に関しての上位5カ国というのは97%程度だと考えられております。
次に34ページに参りまして、供給障害事例というのは、ここに書かれているようなものが見られるというところでございます。
35ページに参りまして、粗鋼に関しまして、下のグラフを見ていただければいいと思いますが、今現在、粗鋼に関しましては、2002年というのは9億トンをアップするという史上最高の値になりました。この影響というのは中国の伸びを見ていただければいいと思うんですが、2000年から急激に上げてございます。日本等が横ばいで推移する中、中国が堅調に推移するために、世界も上がっているという状況でございます。このような中国の粗鋼生産が上がるということと、またニッケルのほうで説明しました特殊鋼の伸びも期待できるというところで、中国がマンガンに関しても消費量を当然ながら伸ばしていくということが考えられると思います。
36ページ、価格につきまして、現在、急騰している状況にございます。
総括としまして、鉄の製造につきましては必要不可欠な物質でございますので、中国の生産の伸びという中で、マンガンは当然ながら急に伸ばすということで、今の中国の鉄の製造の上昇率を考えれば、将来において供給不安というものの懸念は存在するものだと考えるところです。そのために、現状の目標を維持するということがいいのではないかと考えるところです。
38ページ、最後にバナジウムですが、世界の動向というのはこの表のとおりになってございます。バナジウムは、日本の場合90%が製鉄用でございます。2001年に供給サイドでアップで、需要サイドでダウン、これはITの関係をもちょっと受けているものだと推測されます。
次、39ページが日本の動向です。後、日本の輸入推移はこの39の図のようになってございます。依然、南アフリカ及び中国というウエートが非常に高いというところです。
40ページに行きまして、生産の集中度というのは、これは3カ国しかございません。鉱石を生産できているところというのは、中国、南アフリカ、ロシアということで、非常に寡占化というか、集中しているというところです。輸入に関しましては、5カ国で約96%というところです。供給障害事例はこの表のとおりでございます。
後、中国の動向ですが、フェロバナジウムの原材料となる五酸化バナジウムの生産及び消費量の推移というのが41ページで示しております。
そして、42ページに価格を示してございます。現在も急騰している状況にございます。
以上を踏まえまして、バナジウムについても中国の動向というのは無視できないと考えるところでございます。これらを注視する必要があるのではないかと、事務局としては考えるところでございます。
以上です。すみません、非常に説明が下手でございまして、ちょっと多量の内容のものをうまく説明できず、恐縮です。
【深海部会長】
どうもご苦労さまでした。最初、非常に詳細でございましたが、後は同じような構成ということで、7鉱種の現状分析をしてもらったわけでございます。
それで、私が補足することは無いのですが、5-1の3枚のところで、現状と今後の考え方(中間見直し)というところで、備蓄に関してはというのは、すべてに関して「現状備蓄目標を維持することが適当」だというのが結論のように、これすべて最後の、5-1の右のところの下のほうを見ていただくと、そういう形で報告が。ですから、事務局の作業の結果によれば、この7鉱種について、大幅な変更あるいはそういうことは当面必要が無いのではないかと、こういうふうに理解すべきだと思うのですが。
それでは、ちょっと詳細かつ個別的な問題もございますけれども、今、ご説明いただきました内容につきまして、委員の方々から御意見、御質問、あるいはコメント等々をいただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。どうぞよろしくお願いいたします。
【寺町代理】
最初につまらない質問で申し訳ないですけれども、現状の備蓄日数というのは、分母と分子はどの時点の何を見ていると思っていいですか。
【沖嶌補佐】
現状の備蓄目標。
【寺町代理】
いや、現状の備蓄日数です。
【沖嶌補佐】
備蓄日数につきましては、基準消費量というのをまず設定いたします。備蓄日数というのは、備蓄目標の策定の仕方はこうです。12年に策定をした折に、平成5年から、すみません、過去5年間の平均使用量というのを算出いたします。そして平均消費量というのを算出し、失礼しました、日数ですので、日数につきましては、平成12年に審議したときにおいて、年間平均消費量に対して、どれぐらいの量を確保するのが適当かという判断をしているというか、その平成12年度時点における消費量を踏まえたところでの日数換算という形です。
【寺町代理】
ということは、A3の資料には、国内消費量は2003年までデータを書いていただいていますけれども、最新の状態は踏まえられていないというふうに理解してよろしいですか。
【沖嶌補佐】
現状は踏まえていません。
【寺町代理】
この日数は単純な日数ですか、例えば日曜日は除いているとか。
【沖嶌補佐】
単純な日数です。365分の。
【寺町代理】
分かりました。
【苗村補佐】
正確に申し上げますと、基準消費量を設定した前回の答申に書いてございますように、すみません、ちょっとサマリーには入っていないようなんですけれども、平成8年から平成11年まで、見直しの直近の4年間の平均消費量を基準消費量としてやってきておりまして、また次回、本格見直しをするときには、同じような考え方でいくのか、もう少し違ったことをするのかは分かりませんけど、また基準消費量を見直していくというようなことになるかと思います。
【深海部会長】
部会長が発言して恐縮ですが、今日配られました資料では、資料4のレアメタル備蓄制度の現状についてというところの参考1を見ていただきますと、基準消費量がどのような形で変わってきたのかということでございまして、私もこの審議に参加していたのですが。ですから、この時点、平成12年度でやったと、参考1を見ていただきますと、そこに書かれておりますように、平成8年から11年の平均消費量。ですから変えることによって、括弧に書いてございますが、消費量が増えていれば基準消費量も増大しているというふうな形です。ですから、今の御質問に答えるとすれば、その後改定はしていないので、ここのものだということだと思います。
【寺町代理】
ですから、計算上は何もしなくても、日数だけ変わる可能性もあるということですね。
【深海部会長】
そうです。
【寺町代理】
わかりました。ありがとうございました。
【深海部会長】
ほかにはいかがでございましょうか。どうぞ、北川委員、お願いします。
【北川委員】
御説明ありがとうございました。
ニッケル以下の7鉱種について、基本的にさっきのお話のとおり、現状維持の必要性があるという、これがまとめなんですね。そのバックグラウンドになっている基本的な考え方というのが、これまたかなり全般的に共通していて、要するに中国の高度な経済成長に伴って、爆発的な需要の増加が背景にあって、世界的に需要がタイトになっており、したがって大変なんだと、こういう論調ですね。
従来のレアメタル備蓄制度の根幹というのは、どちらかというと供給サイドの供給障害によって、さっきの我が国の必要備蓄日数などという前提に立つと、どうしてもこれは確保する必要があると、こういう論点だったと思うんです。
したがって、今回の備蓄制度の在り方の根幹になる考え方というものに対して、供給サイドの要因というものも踏まえながらも、どちらかというと需要サイドに必要性というものの根拠を考え方として移していると、こういう理解でしょうか。
【沖嶌補佐】
そうではなくて、今回の宿題は、IT産業等の動向を踏まえるということでございます。ちょっと説明をはしょりましたので、実は日本のITの需要とITの分野の伸びというのをここで比較しておりますが、基本的にコバルトを除いて、全体の元素の中で占めるITというのを見た場合、今から3年前の1999年に比して、あまり変化は無いということでございます。そして、それを踏まえれば現状を維持すべきではないかという考えが1点。
ただ、今の異常なまでの中国の影響というのがございますので、それをも踏まえれば、あえて今の備蓄量を増加させるまでには至らないのではないかという考えでございます。
【深海部会長】
よろしゅうございますか。
それでは、ほかの委員の方々、いかがでございましょうか。縄田さん。
【縄田委員】
価格動向を見てみますと、タングステンだけ何か違うようで、ほかは全部高騰しているんですが、この辺の違いについてちょっと御説明いただければ。
【沖嶌補佐】
タングステンにつきましては、確かにほかが急騰しているのに全く動きがございません。これは17ページでございますが、中国が主要なタングステンの産出国なんですが、いわゆる中国の供給と需要を見た場合においても供給のほうが圧倒的に大きいという状況で、いわゆる中国の中でも供給過多といいましょうか、そういう状況になっているというところで、値が中国の経済云々を反映していない、反映せずに済むというところではないかと考えているところですが。
【深海部会長】
どうぞ、山口委員。
【山口委員】
このグラフはあまり上がっていないようなグラフになっているんですが、実は直近、急激にタングステンは上がっておりまして、ほかの鉱種とほぼ同じような状況にはなっているということだと思います。それが最新の情報です。
【沖嶌補佐】
1週間ぐらいですか。
【山口委員】
そうですね、3月から4月にかけて相当上がっている。
【深海部会長】
何か、縄田先生いいですか、今の。
【縄田委員】
1点お伺いしたいというか、タングステンの場合、どのように価格が決まるのか。どうもこの辺の鉱種は複雑でして。
【山口委員】
これだというお答えはいろいろ説がございまして、なかなか難しいところはあるんですが、ほとんど産出国は中国が多いということで、中国の政策も踏まえた格好で価格がどうも決まっているような気がしております。
特に最近上がっていますというのは、中国の鉱山の事情があるようでございまして、鉱山の閉鎖をこの4月から幾つか行っているようでございまして、そういう面では供給がタイトになってきている、かつ需要は実は今、伸びているというところもありまして、そういう関係で価格は非常に上がっているというのが状況じゃないかなと。そういうふうなことで、恐らく価格決定は需要と供給のバランス、主に中国内での大きなバランスが作用しているんじゃないかなというふうな気がいたしております。
【深海部会長】
そうすると、これは18ページのところに書かれている、要するに中国の価格、世界の需給動向で、中国の需給バランスが非常に重要だと。そうすると、この説明そのものは正しいわけですね。ですから、事実がちょっと最近時点までずれているということですね。どうもありがとうございました。
よろしいでしょうか。ほかはいかがでございましょうか。もし何かございましたら、後一、二問。今井先生、どうぞ。
【今井委員】
前回の部会では劣化の問題が出されていまして、その一つの対策として、価格が高騰したときに放出しようというのも出たかと思うんですけど、資料4の5ページのところを見てみますと売却予定量と売却量というのが、かなり売却予定量を下回っているというところがあるんですけれども、バナジウムは大体売却されているんですけど、そのほかはちょっとかなり下回っているという。
これからずっと備蓄を続けていく場合に、例えば高騰時とか緊急時は、古いのから排出していらっしゃるんですよね。これだけ予定されているのは、そういう劣化の問題も考えて、このぐらい予定されて、だけど実際にはこんなに売れなかったということなんでしょうか。資料4の5ページのところです、売却予定量。例えばモリブデンなんかは414.9トン売却を予定して、売却量が34.0トンということなんですけれども、劣化の問題も考えて、このぐらい出されるということだったんですか。
【沖嶌補佐】
いや、それは劣化の問題は全然考えておりません。これは先ほどと同じような状況でございまして、415トンばかり売れる数量になっていると。当方というか、法人としては放したいけど、価格の関係において、最終的な結論は34でしかなかったと。物の製品が変化して云々という形ではないのですが。
【今井委員】
そうしますと、現状では、劣化の問題というのはあまり問題にしなくてもいい状況にあるという。
【沖嶌補佐】
はい、過去に例えば屋根が無かったところであるとかは、そういうものを設置し、又は管理をも過去よりは強化しておりますので、現時点では大きく劣化の問題を議論するところには至らないとは思います。ただ、可能性としてはあるわけですから、それは一応定期的に、独立行政法人のほうではサンプル調査というのは実施してございます。
【北川委員】
売却が可能な数量は全部予定量で計上しているということなんでしょう、制度的には。
【沖嶌補佐】
そうでございます。
【北川委員】
それで売れなかったということだから。
【深海部会長】
売れないのはさっき、ちょっと明確じゃないけど、価格とあれの関係ですね。
【塚本審議官】
そこは、売却の予定数量というのを一応想定して放出を、売却入札をかけたんだけど、結果的には価格が折り合わなくて、この程度売れましたということですので、そこは今後の放出、売却価格の、予定価格の設定の仕方等をよく考えながら処理をしていくということであろうかと思います。
そういう意味では、今井先生がおっしゃった劣化のことも全く念頭に無いわけではなくて、そういうことも本来は念頭に置きながら対応しているつもりなんですけれども、その辺の放出価格の予定のところの価格の付け方が、結果的にはこの程度しか売れていなかったということですから、いろんな意味での考慮の余地があるのかなということではないかと思います。
【深海部会長】
先ほどちょっと申し上げた、正確というか、細かくは書いていないのですが、資料4の参考2というところを見ていただきますと、売却量のどの程度かというのが上から4番目に書いてあるわけで、これは平常時の売却ですよね。だから、そうするとここにあるように、売却後の残存保有量が備蓄目標の5割を下回らない範囲というような、こういう基準だと思います。
どうぞ。
【北川委員】
次回の討議の対象になっているんじゃないかと思いますけれども、備蓄放出のあり方ということに関して、今、一つだけちょっと事前にお伺いしたいと思っておりますが、鉱業分科会のほうから諮問されている中に、機動的な備蓄放出の在り方というのがあると思います。それで、今日冒頭の御説明の中で、金属鉱業事業団から独立行政法人に移られたということで、柔軟な業務運営ができることから機動的な備蓄の放出を考えたいという論脈がございますけれども、柔軟な業務運営というのは具体的にどういうことを指しておられるのか、金属鉱業事業団だと、どこが柔軟性に欠けているのか、次回の議論のために御教示いただきたい。
今、それで放出の議論がさっきから出ているわけですけれども、価格設定の仕方についても、それは制度を変えるということでやらないと実現しないのか、あるいは柔軟な業務運営の中でそれが可能になってくるのかどうか、それをちょっと御教示いただきたいと思っております。
【苗村補佐】
一例を申し上げますと、特殊法人時代は、備蓄を放出するというときに備蓄の売却の計画みたいなものを作って、事前にこちらのほうに出していただいて処理をするとか、後、いろいろ予算の関係であるとか、いろんな制限がございました。
それで、次回どういうことを議論するかというお尋ねの点については、まだまだ我々のほうも申し上げられないんですけれども、まず、そういうような制度的な部分というのは既に2月末で無くなっておりますので、そういうのは当然やっていくと。
後、運用のところでも、過去の答申でいただいたものというのが、特殊法人の制度を前提にして、いろいろ要件でありますとか、そんなものが決まっている部分がございますので、例えば価格設定自体の絶対的水準とかというのは、なかなかこの場で議論できないかもしれませんけれども、例えば先ほど委員の方からも御指摘ありました、とにかく簿価をどうするかというところ、簿価を変えるというのは、簿価は簿価ですからあれなんですけれども、例えば備蓄制度全体で見て、損失が出ないような運営みたいなものは何かできないかとか、そういうようなことも含めて、いろいろ御議論をいただきたいというふうに考えております。
また次回以降、具体的に御相談させていただきたいと思います。
【深海部会長】
どうもありがとうございました。
最後もう時間が尽きようとしているのですが、今日の資料、あるいは説明だけではなくて、今後の検討の在り方とか内容について、もし御意見とか御要望があれば聞かせていただければと思います。何かそういう点で御発言いただける方がおいででしたら、お願いいたします。よろしゅうございましょうか。
それでは、大変熱心に御議論いただきましたし、また、次回以降のこの部会での審議に関しても、いろいろ有益なサジェスチョンをいただきまして、どうもありがとうございました。ちょうど時間が今、尽きておりますので、今日は以上で、総合資源エネルギー調査会鉱業分科会の第1回レアメタル対策部会を終わらせていただきたいと思います。
次回は5月11日を予定しているわけでございまして、今、北川委員からも話がございましたように、レアメタルの需給の現状、7品目ではなくて、要注視すべき9鉱種、これはまた1鉱種付け加えたほうがいいんじゃないかというようなサジェスチョンも分科会であったわけでございますし、それから、レアメタル備蓄放出の在り方について御議論いただくわけでございまして、本日提起された問題に関して、次回議論することができるのではないかというふうに思います。
本日はお忙しいところをお集まりいただきまして、どうもありがとうございました。かつ有意義な議論をいただいて、その点もお礼を申します。何か事務局から連絡ございませんか、よろしいですか。
それでは、これで終わらせていただきますので、どうもありがとうございました。

以上

▲ 審議会全体トップ
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.