経済産業省
文字サイズ変更

審議会・研究会

総合資源エネルギー調査会鉱業分科会レアメタル対策部会(第2回)  議事録

平成16年5月11日(火)

【深海部会長】
それでは、定刻よりもちょっと早いのですが、各委員の方々にお集まりいただいておりますので、今から総合資源エネルギー調査会鉱業分科会、第2回レアメタル対策部会を開催したいと思います。
今日はお暑うございますというわけで、皆さん方、ほとんどの方が背広を取っていらっしゃいますが、どうぞ上着を脱いでいただいてリラックスした形で。本資源エネルギー庁は、省エネの推進者であるわけでございます。なかなか冷房が入らないということで、御迷惑をお掛けいたしますが、よろしくお願いいたします。
早速ですけれども、審議を始めたいと思います。本日の議題は、皆様のお手元にございますように、これに従って審議を進めていきたいと思っております。委員の皆様方、よろしくお願いいたします。
それでは、議事に入らせていただくということになるわけですが、その前に、かなりの資料がございますので、事務局から資料の確認をお願いいたします。
【沖嶌補佐】
では資料の確認をいたします。
まず配付資料一覧及び座席表があります。そして本日の議事次第、委員名簿、あと、右上のほうに資料番号を付しておりますが、資料1、資料2、資料3―1、資料3―2、そして資料4でございます。御確認ください。仮に審議中でも、もし不足等がございましたら、遠慮なく申し出ていただければ、こちらのほうで対処いたします。よろしくお願いいたします。
【深海部会長】
それでは、早速審議に入らせていただきたいんですが、まず初めに、前回の4月23日に開催されました第1回の対策部会の議事要旨を、資料1としてお手元に配付しております。まずこれにつきまして、また事務局から説明をお願いいたします。
【沖嶌補佐】
第1回レアメタル対策部会の議事要旨を、事務局といたしましては、テープ起こしをしまして、取りまとめております。本日の議事の関係もございますので、後日お読みいただきまして、仮に修正や御意見等がございましたら、5月13日木曜日までに、事務局、鉱物資源課まで御連絡いただければと考えております。よろしくお願いいたします。
【深海部会長】
今、お願いをさせていただいたわけでございますが、もし、特に御異存がなければ、第1回レアメタル対策部会の議事要旨につきましては、御意見等々がございましたら、先ほど話に出ました5月13日木曜までに、事務局に御連絡いただきたいと思います。
それでは、引き続きまして議事に入るわけでございますが、まず最初に、前回の部会で質問があった件について、事務局から回答をお願いいたします。資料2に入るわけでございますが、資料2を御参照いただきながら、事務局からの説明をお聞きいただきたいと思います。それではどうぞ。
【沖嶌補佐】
資料2でございます。前回のレアメタル対策部会の議論にかかる補足説明事項といたしまして、前回、今井委員のほうから、備蓄鉱種の劣化の問題について御指摘を受けました。これにつきまして、ページをめくっていただきまして、1ページでございますが、このお話は、前回の報告書の中で、次のように指摘されております。
4としまして、「レアメタル備蓄の見直し」の項目の中におきまして、「備蓄物種の形態、長期保管物資の更新」についてというところで、現在備蓄している鉱資の中には、生産技術の進歩・改善、労働環境の変化、環境規制等により、使用原材料の使用形態が変化してきている。特にタングステンにつきましては、アンモニアの排出基準強化によりまして、現在、使用形態が鉱石から中間製品、パラタングステン酸アンモニウム塩、APTと略称しておりますが、これに転換しております。また、その他の物資についても、大型のサイズから小型化が進んでいるという現状でございます。今もそのような現状に変わりはございません。
これまで備蓄している物資の小型化については、溶錬等、実施可能であるんですが、加工費や運賃、その他必要コスト、又は加工時における歩留まりを考慮した場合、備蓄物資を売却する段階で、各社が必要に応じて加工するということが適当だと判断した次第ですが、タングステン鉱石に関しましては、中間製品化については、加工コストや、加工時における歩留まり、中間製品の経年変化についての技術的知見が不足していることにより、現状では入れ替え困難であり、これらの検討を継続していくことが重要という指摘を受けております。
この指摘に基づきまして、現在、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構、過去の金属鉱業事業団でございますが、平成13年度より、APTの金属用と、超硬用のドラム缶、それぞれ20キロずつを購入いたしまして、高萩にあります備蓄倉庫に保管し、経年変化の試験を、今、実施しているところでございます。
現在、試験開始より2カ年が経過したところでございますが、金属用の吸湿による水分量の上昇が若干見られるのみで、ほとんど変化が無い状態となっております。この試験は5カ年間継続実施する予定でございまして、平成18年度で所与の結果を出すということにしております。その結果を踏まえまして、再度検討するということにしている次第でございます。
なお、今、備蓄は、鉱石で備蓄しているわけでございますが、備蓄当時は、中間製品であるフェロタングステンであるとか、APT、タングステン粉末等への汎用性を考慮しまして、原材料であるタングステン鉱石を備蓄することが適当だという判断に立っていた次第でございます。
次のページに、独立行政法人資源機構から提示していただいている試験結果を添付しております。真ん中のほうに、(2)として試験の内容、肉眼観察であるとか粒度測定等を実施しております。結果といたしましては、3.APTの超硬用に関しては、特段の変化が無い。変化が有るとしても、それは測定誤差範囲での変化ということでございまして、3ページ目に、APTの金属用に関しましては、水分量で、若干の吸湿が認められるというところでございます。
それと、資料にはございませんが、前回、海外の備蓄放出の事例についての御質問を受けました。調査したところ、近時、韓国と米国において、国家備蓄物質を放出してございます。
韓国は、日本と同じように経済安全保障備蓄として、1967年より備蓄を実施しているわけですが、今年2月、ニッケル、電気銅、アルミニウムなど3万600トンを放出することを公表しています。この結果については、公表はございません。
米国につきましては、戦略備蓄制度として、1953年より国防総省において実施しております。22種類20品種の金属鉱物を備蓄しております。近時の実績といたしましては、平成4年2月に、高炭素フェロマンガンを1万8,000トン、そしてベースメタルであります鉛を3,400トン、金属タンタルを約1.4トン、3月に入りまして、タングステン鉱石及び青鋼を約1,800トン、高炭素フェロマンガンを7,400トン、コバルトを150トン、そして高炭素フェロクロムですが、これを1万トン、またベースメタルであります亜鉛を3,000トン強、鉛を2,000トン強売却しているという事実を掴んでございます。
以上でございます。
【深海部会長】
どうもありがとうございました。
今の説明に関しまして、何か質問等々があろうかと思うのですが、この議事次第を見ていただきますと、(4)でございますが、「レアメタル備蓄放出のあり方について」ということを議論いたしますので、その場でまとめて御意見等々をいただくということでございまして、質問あるいは意見を聞かないというわけではございませんが、そのように取り計らいたいと思いますので、よろしくお願いいたします。今井先生、それでよろしいでしょうか。
それでは、今度は今日の主要議題の点でございますけれども、前回は7鉱種をやったわけでございますが、レアメタルで7鉱種以外に注視すべき9鉱種類等々が指摘されていたわけでございまして、これは前回も、皆様にその鉱種についての説明はさせていただいたわけです。その9プラス幾つかということになろうかと思うわけでございますが、それらについての需給状況の現状につきまして、事務局から説明をお願いいたします。次の資料、資料3を主としてお使いいただくと思います。それでは、またどうぞよろしくお願いいたします。
【沖嶌補佐】
では、資料3-1及び資料3-2でございます。資料3-1は、この9鉱種につきましての総論を書いた資料でございます。資料3-2は、9鉱種の各論を書いております。A4サイズは非常に見にくいかなと思いまして、今、A3サイズの資料も、委員の皆様にはお配りしております。
今回は、資料3-1の総論でもちまして、総体的に御説明していきたいと思います。
まず1ページでございます。「要注視鉱種選定の考え方」。前回の報告書において、レアメタル31鉱種のうち、注視し検討を継続していく鉱種として9鉱種が挙げられました。まず第1点に、相対的に総合カントリーリスク値、生産国集中度及び対日輸出集中度が高い鉱種として7鉱種、これはパラジウム、プラチナ、ニオブ、アンチモン、ジルコニウム、ストロンチウム、希土類。そして総合カントリーリスク値は、相対的に高くないものの、IT関連産業の需要が急増しているもの、これがタンタルでございます。また、及び世界的な需給動向が把握できないため、総合カントリーリスク値の算出が困難である、しかしIT産業向けには不可欠なものとして、ガリウムが注視されるということで、このタンタル、ガリウムと、上の7鉱種を加えた9鉱種が挙げられてございます。
また9鉱種及び備蓄の7鉱種を除く、その他のレアメタル10鉱種ですが、今回、これについても分析しておりまして、国内の総需要量が大きな増加を示しており、かつ今回の中間見直しの重点的視点が、国内のIT関連産業、これには環境関連も含むわけですが、これに関して、総需要に占める比率、この資料では今後IT関連比率と記載しておりますけれども、その増加が高いものとして、インジウムについても、今回、検討する必要があるのではないかと判断した次第でございます。
これにつきましては、一番末の別添で、A3の資料を添付してございます。「レアメタル要注視9鉱種と、備蓄7鉱種を除くその他15鉱種のレアメタル国内需要と供給偏在性について」。これは99年と02年の比較表でございます。
まず、上のほうの1番のパラジウムからガリウムまで、これが、前回の報告において、要注視9鉱種とされた鉱種でございます。例えば1番のパラジウムでいきますと、国内需要量の推移を、99年と02年を比較してございまして、増減としましてはマイナス46%であると。次に国内のIT需要量の推移を書き、そして直近のIT比率を記載しております。また輸入依存度も調査してございます。そして、いわゆるカントリーリスクというか、生産国と対日輸出国の上位5カ国のシェア、及び、第1位生産国、第1位対日輸出国、日本の第1位輸入国のシェアも記載してございます。
これを見ていただいて、例えば、今、説明いたしましたインジウムにつきまして、10番で記載しておりますが、国内需要量の推移が、99年と比較しまして、2002年は23%の伸びになっている。同様に、国内のIT需要量につきましても、24.8%の増加になっている。そして、他の鉱種、10以下の鉱種と比較して、直近のIT比率が極端に高く、90.7%になっているというところでございます。これらを踏まえまして、今回、9鉱種にインジウムを加えた10鉱種について、検討を行っていく次第でございます。
次に、おのおのの検討内容について、2ページ以降から御説明させていただきます。
供給の安定性につきまして議論しております。まず供給の偏在性、世界生産及び対日輸出上位5カ国のシェアの推移を、ここで分析してございます。
下の図になるわけですが、例えば左のほうにあります、今回の対象となっているインジウムは、このように右肩上がりになっている。同じような右肩上がりを示しているのが、アンチモンでございます。Sbのところです。あと、タンタルにつきましては、生産国の上位5カ国のシェアは減少しているものの、対日輸出国の5カ国シェアというものが、ある程度伸びているということで、顕著な事例がタンタルと。それからガリウムにつきましては、実は世界生産量のデータがございません。箱の中に書いてありますが、対日輸出国のデータのみで見た場合、78から96.4%、プラス18.4%の増加になっているというところでございます。
これらを踏まえまして、上位5カ国というものをとった場合、生産国及び対日輸出国のシェアとも集中度が上がったものとして、アンチモン及びインジウム、そして、生産国のシェアは減少しているが、対日輸出国のシェアが比較的大きく上昇したものとして、タンタル、ガリウムということを分析してあります。
これら4鉱種のうち、対日輸出上位5カ国の中で、先進国、OECD加盟国ですが、そのシェアの変化を見ますと、ガリウムにつきましては、99年が73.8%、02年には81.1%に上昇しているということで、確かに輸出5カ国のシェアは上昇しているが、先進国のシェアが伸びているということで、不安定性が増しているとは言えないのではないかと考えている次第でございます。その他3鉱種、アンチモン、インジウム、タンタルにつきましては、先進国のシェアは減少してございます。
以上を踏まえまして、世界生産及び対日輸出国上位5カ国の、99年と02年のシェア変化を見た場合は、アンチモン、インジウム、タンタルが偏在性の高い鉱種と判断するものだと考えている次第でございます。
次に3ページでございます。3ページの「供給偏在性」は、直近の第1位世界生産及び対日輸出国の状況について分析いたしました。
これが下の図になるわけです。丸で書いておりますが、プラチナ、ニオブ、アンチモン、希土類の4鉱種については、極めて偏在性が高いと考えられる。その他につきましては左下のほうに来るわけですが、偏在性が低い6鉱種について分析いたしますと、このうちジルコニウムにつきましては、豪州からの輸入になっている。ストロンチウムについてはメキシコ、タンタルについては米国、そしてガリウムについても同様、米国となっておりまして、99年との比較を矢印で示しております。これらの状況から、この4種類につきましては、第1供給国に関する集中度がおおむね低下していると判断し、供給安定性が高い鉱種ではないかと考える次第でございます。
以上を踏まえまして、次のページでございますが、特に供給偏在性が高い鉱種としましては、プラチナ、ニオブ、アンチモン、希土類を選定する。そして供給偏在性が比較的低く、かつ輸入相手国から見て供給安定性が比較的高いと考えられる鉱種については、ジルコニウム、ストロンチウム、タンタル、ガリウム、そして中間的な位置づけにあるのがパラジウム、インジウムということで分類、分析をいたしました。
参考といたしまして、4ページの真ん中に、2002年における上位5カ国のシェアを書いてございます。
あと、4ページ下、日本の輸入依存度につきましては、5ページの表で示しております。ニオブ、ジルコニウム、ストロンチウム、希土類につきましては、2002年の数字、1999年も変わりないんですが、100%を輸入に依存している形になっております。
その他、ガリウム、インジウム等につきましては、他の鉱種に比べれば比較的低いと考えられる次第でございます。ガリウムがおおむね50%、インジウムが71.9ということですので、国内生産は、逆にいたしますと、ガリウムは大体半分、これはリサイクルを含むわけですが、50%ぐらいある。そしてインジウムについては30%ぐらいが国内生産をされていると。他の8鉱種につきましては、国内生産は10%以下で、輸入に依存しているということがございます。
以上、供給安定性につきまして、3つの視点でもちまして分析をしたわけでございます。供給偏在性の上位5カ国の増減から分析したもの、供給偏在性の上位1カ国の現状で分析したもの、そして輸入依存度と、この3つの視点で分析して、今回、これらの変化を踏まえまして、まず供給偏在性の上位5カ国のシェアについて、99年と02年を比較検討し、その伸びが、どちらか一方が顕著に上昇しているものを×といたしました。そして両方のシェアが顕著に減少しているものを○とし、その他を△としたと。
供給偏在性の上位1カ国につきましては、それぞれの生産国及び輸入国のシェアが両方共極めて偏在しているものにつきましては×、それ以外であって、第1位輸入国が先進国で、供給安定性が相対的に高いと判断されるものについては○、その他につきましては△という評価をしたと。
輸入依存度につきましては、日本の02年の原材料の輸入依存度に関しまして、75%以上のものを×、50%以下のものを○、それらの中間にあるものを△といたしまして、6ページの表に記載いたしました。
○は安定方向、×は不安定方向という形になります。その結果、パラジウムにおきましては供給偏在性、これは先ほど述べたやつで、5カ国に関しては△、1カ国に関しては△、そして輸入依存度につきましては×と評価されると。
それらを総合評価するに当たりまして、○を2点、△を1点、×をゼロ点とし、満点を6点にセットし、総合総価値といいますか、供給安定性の評価としてのトータル評価ですが、これが、ゼロから2点のものを×、3及び4点のものを△、5及び6点のものを○と評価した次第で、○になったのは、唯一ガリウムでございます。あと、ジルコニウム、ストロンチウムについては△で、他の7鉱種につきましては、供給安定性の評価という意味においては、×の不安定方向にあると評価した次第でございます。
以上が供給安定性につきましての、当方での分析でございます。
次、7ページでございます。「国内需要の動き」といたしまして、国内需要とIT関連の需要動向を分析してございます。8ページの図を御覧ください。「レアメタル10鉱種に係る国内需要・IT需要比推移分布図」でございます。横軸に国内需要量の伸び率、縦軸には国内IT需要量の伸び率を取ってございます。
この表から、左のほうに来ておりますアンチモンとパラジウムにつきましは、国内需要が減少しているということがうかがえます。あと、右のほうに行きまして、ジルコニウムは、国内需要につきましては伸びているものの、IT需要については減少している。第一象限右上のほうのところでございますが、プラチナ、ストロンチウム、インジウム、ガリウム、レアアース、ニオブにつきましては、双方とも増加していると。
この中ですが、これらの数字につきましては、その下の表に書いてあるわけですけれども、このうち国内需要及びIT需要とも増加している6鉱種の中で、ストロンチウムにつきましては、国内のIT需要比率が5.4%と低い値になっています。またニオブにつきましても、ほとんど特殊鋼需要に使われるものですから、2.3%と非常に低い値になっていると。
ということを、現状ですが、国内需要、IT需要の伸び及び状況から判断しまして、そのグラフの中にあるプラチナ、インジウム、ガリウム、レアアースについては、比較的検討すべきものではないかと判断したところでございます。
続きまして、これら10鉱種の今後の動向につきまして、8ページの表の右のほうに記載してございます。
パラジウムにつきましては、コンデンサー向けがニッケルに代替していくという顕著な傾向がありまして、数字からも分かりますように、IT需要関連であるとか、需要関係が減少していっていると。
プラチナにつきましては、ここでの評価におきましては、装飾関係のものはすべて除いて評価してございます。一般的に産業用と言われるものですが、これらにつきまして議論したところ、4分の3を占める自動車触媒が増加している。
ニオブにつきましては、特殊鋼需要の動向に依存している状況にある。
アンチモンにつきましては、難燃助剤として使われるような対象でございまして、プラスチック製向けになるわけですが、これら家電メーカーの海外移転等の影響を受け、国内では減少傾向になるのではないかと推察しております。
ジルコニウムにつきましては、耐火物が、そのほとんどの使用でございますが、今後、電子材料、触媒の伸長には注視が必要ではないかと。
ストロンチウムにつきましては、この需要の80%は管球ガラス産業に向けられます。いわゆるテレビのブラウン管でございますが、これらにつきましても、メーカー側の海外移転等があるということと、テレビ自体が液晶テレビにシフト化しておりますので、その影響があるということで、減少傾向ではないかと考えているところでございます。
希土類につきましては、家電、磁石、各種需要産業の海外移転の影響を受けると考えますが、ただ、今後、電気自動車のニッケル水素電池の伸長等には注視する必要があるという、プラスとマイナスの2つの要素を持っていると考えている次第です。
タンタルにつきましては、コンデンサー向けの需要で特徴付けられる鉱種でございますが、同産業の海外移転、また、コンデンサーでの原単位、1個当たりのタンタルの使用量が低下する動きにございます。これらについて注視をする必要がある。
ガリウムにつきましては、発光ダイオード用の需要の増加が見込まれる。
インジウムにつきましては、先ほどのストロンチウムとは逆でございまして、液晶テレビ、ディスプレー用の需要増加が見込まれる。
ということで、一応、プラチナ、ガリウム、インジウムにつきましては、今後とも需要の増加が見込まれる。そしてパラジウム、アンチモン、ストロンチウムについては、需要産業であるところの海外移転等によりまして、あまり大きな期待はできないのではないかと。他のニオブ、ジルコニウム、希土類、タンタルについては、需要産業の海外移転、代替品の競合、技術開発の動向というものを踏まえて、今後とも注視している必要があると判断した次第でございます。
9ページ、これらを踏まえまして、国内需要、IT需要に関する評価を実施いたしました。先ほどの供給偏在性と同様、○、×、△の評価でございます。
まず1点目に、現状の需要動向、国内総需要とIT需要動向ですが、国内の総需要が、99年から比較して02年が減少しているもの、安定方向にあるものは○、国内需要が増加し、需要量のうちIT関連需要の比率が50%以上あり、かつIT関連需要比率が、99年から比較して02年が増加しているものを×、それ以外のものを△として評価します。
そして今後の需要傾向ですが、増加が予想されるものを×、減少が予想されるもの、または大きな伸びが期待できないものは○、それ以外のものは△といたしまして、同様の点数方式で評価をしたところ、10ページの表でございます。
パラジウムにつきましては、現状の需要動向が減少の方向にある。今後の需要動向についても減少の方向にあるということで、○・○の評価で、トータルも○。プラチナにつきましては、需要が伸びていく。そして、今後もその伸びは期待されるということで×・×、トータルにおいても×の評価ということで、ここに記載しているとおりでございまして、トータル評価といたしましては、需要の動向も、過去及び今後を踏まえた場合、大きく伸びない、又は減少していく可能性があるということを踏まえて、パラジウム、アンチモンにつきましては○、プラチナ、希土類、ガリウム、インジウムにつきましては、過去からも需要及びIT需要は伸びておりますし、今後も需要が期待できるというか、増加の方向にあるということで×の評価になってございます。あと中間としては、ニオブ、ジルコニウム、ストロンチウム、タンタルという4鉱種が挙げられると。
以上が需要面からの分析でございます。
あと11ページでございますが、10鉱種の代替の可能性につきまして、現状を踏まえた分析を行っております。
白金属につきましては、基本的に自動車用触媒では、化学反応性に代わるものは考えられない。その他の触媒の分野においては、ニッケル、モリブデン、バナジウム、レアアースが代替できると。この場合、10鉱種はパラジウムとプラチナでございますので、パラジウムについては、現在、電子部品が減少している。これはニッケルへの代替が進行しているためでございます。そして歯科用の分野では、金・銀・パラジウム合金が、プラチナを添加したものに代替されつつある。その他チタン、セラミックスを使用したものも利用されているという現状にあると。
ここでの右の「評価」でございますが、前回は、白金属を総合的に見まして、代替が不可能、(×)を記載しておりますが、という評価を受けております。今回、個別に分析したところ、パラジウムについては代替の可能性があるという評価で○、プラチナにつきましては、まだその状況にはないという形で×にしております。前回の評価と二分したというところでございます。
ニオブにつきましては、ほとんど鉄鋼または鉄合金分野で使用されるわけですが、価格と特性という問題を含むわけですけれども、低合金高張力鋼ではモリブデン及びバナジウム、ステンレス鋼にはタンタル及びチタン、高温耐熱材にはセラミックス、モリブデン、タンタル、タングステンが、それぞれ代替可能となっております。前回、今回とも、代替は可能で○という評価をしております。
アンチモンにつきましては、日本の需要は、ほとんどプラスチック等の難燃助剤に向けられるわけですが、これらにつきましては、有機化合物及び水酸化アルミニウムの代替が可能。また鉛の硬化用途につきましてはカルシウムが使用されています。なおアンチモンにつきましては、現在、環境基本法に基づく水質汚濁に係る環境基準の要監視項目に指定されています。今後、公共用水域の水質汚濁に関しまして、環境基準の設定、又は水質汚濁に係る環境基準項目への移行が検討されております。そのため、この観点より、今後、代替が図られる可能性もあると考えているところでございます。以上を踏まえまして、アンチモンは、前回同様、代替は可能と評価いたしました。
次、ジルコニウムですが、耐火物用途には価格の問題があるんですが、クロム鉄鋼であるとか、かんらん石が代替できる。原子力用途ですが、ニオブ、タンタル、ステンレス鋼が代替できる。化学工場用途には、チタン、合成物質が代替できる。光ファイバーのコネクターには、熱硬化性樹脂が代替可能となっております。以上を踏まえまして、前回同様、代替可能といたしました。
ストロンチウムにつきましては、カラーテレビ用のブラウン管に使用されるわけですが、その電圧調整というテクニカルな問題があるんですけれども、これは一応バリウムに代替が可能です。ストロンチウム・フェライト磁石についても、温度特性には劣りますが、バリウム・フェライト磁石として代替が可能となっております。今回、そのテクニカルの問題を含めたところでのブラウン管用途では、若干、性能云々等を考慮すれば、前回は△でございますので、今回も同じような位置付けにあると評価した次第です。
次に、12ページでございますが、希土類につきましては、性能が劣るが、基本的には代替品が存在しているという状況になります。ガラス研磨には、鉄、アルミニウム、ジルコニウム酸化物が代替され得る。鉄鋼及び鉄鋼の合金等に使われるミッシュメタル、混合希土類ですが、これにはマグネシウム、カルシウム合金が代替可能、石油精製用触媒には、パラジウム、ゼオライトにより代替が可能ということでございます。将来ですが、燃料電池等に用いられます水素吸蔵合金について、他の代替物質と併せて、今後、その使用が検討されているということを踏まえ、希土類につきましても、前回と同様、△の位置付けに変わりはないと。
タンタルにつきまして、コンデンサー向けでありますが、コンデンサーの炭化タンタルは、炭化ニオブ、又は炭化ニオブ・ハフニウム合金により代替が可能です。又、耐食性の分野では、ガラス、チタン、ジルコニウム、ニオブ及び白金、耐熱性の分野では、ニオブ、ハフニウム、モリブデン、タングステン、白金及びレニウムというものに代替が可能でございます。これは前回と同様に○という位置付けにしております。
ガリウムにつきましては、ガリウム砒素のレーザーダイオードにつきましては、燐火インジウムによって代替されます。発光ダイオードにつきましては、その他の物質で代替できるのかは不明です。おそらくできないと考えているところです。多くの半導体分野に関しまして、珪素、ゲルマニウムと競合しております。ガリウム砒素の化合物半導体は、シリコン及びゲルマニウム半導体に比べると電子移動速度が速いため、ほかに代替しても、性能面で劣るというところがあります。しかし、ガリウムの価格が高騰すると、その代替というものの可能性があるということで、△評価にしております。
インジウムにつきましては、近年、急増しております透明電極向けですが、これにつきましては、銀、亜鉛酸化物及び錫酸化物の代替の可能性はある。今、可能になっているわけではないが、技術の進捗において可能性があると。あと半導体素子につきましては、ガリウム砒素の化合物との性能の問題があるが、これも可能性があるということで、前回は○にしておりますが、現実的に代替が可能性のベースで止まっていると判断した次第で、これについては△という評価、ダウンさせております。
以上が代替性についての評価でございます。
次、13ページでございます。以上、今まで3つの視点で評価をしてまいりました。一つは供給偏在性という評価、もう一つは国内需要及びIT需要の動向という評価、最後に代替可能性という評価を実施したわけです。これらの評価を、こちらの表に転記いたしました。
その結果がこのようになりまして、総合評価におきまして、これらをまず得点分析し、先ほどと同様ですが、○を2点、△を1点、×を0点の満点6点として、ゼロから2点の間を×、3点及び4点を△、5点及び6点を○といたしまして総合評価をすると、このような形で、まず○の方向のものは基本的には無いんですが、△として、パラジウム、ニオブ、アンチモン、ジルコニウム、ストロンチウム、タンタル、ガリウム。この中でパラジウム、アンチモン、ジルコニウムは、点数的には4点になっている。あと評価としては、比較的安定していない、重要度が増していると考えるところについては、プラチナ、希土類及びインジウムの3種になっております。
以上を踏まえまして、総合評価といたしまして、総体的に備蓄に係る検討の重要性が高いと認められるものとして、プラチナ、希土類、インジウムと判断できる。一方、これら3鉱種、プラチナ、インジウム及び一部の希土類については、現在、価格が高騰しており、具体的な調達方法や市況への影響が問題となり、現時点では、直ちに備蓄を実施する環境にはないと考えられます。また、希土類やインジウムについては、経年変化に関する技術的知見が不十分であること等、保管の問題というのも留意すべき点でございます。
したがって、この重要性が増したプラチナ、希土類、インジウムにつきましては、平成17年度に予定しております平成18年度以降の次期備蓄計画の策定に向けて、より詳細な需要動向及び保管に関する技術的問題等につきまして、十分な把握が必要だと考えるに至った次第です。
逆に、先ほど△の中で4点となりましたパラジウム、アンチモン、ジルコニウムにつきましては、代替が可能であります。相対的に重要度は低いと考えられますので、いったん「注視し検討を継続する鉱種」から除外してはどうかと。
また、その他の鉱種、ニオブ、ストロンチウム、タンタル、ガリウムにつきましては、引き続き「注視し検討を要する鉱種」として、需要動向、供給偏在性等について追跡を実施するという考えに、事務局としては至ったわけでございます。
これらについて、御審議をいただきたいと思います。
以上、説明は終わります。ありがとうございました。
【深海部会長】
どうもありがとうございました。
今日の2つの主要な議事の一つ、需給の現状について、皆さんお聞きいただいたように、今、3つの点から3段階で評価をして、それを総合した結果が13ページの総括でございまして、さらに、それの全体的な評価が、一番後ろのA3の表にまとめられているということでございます。
それでは、30分ぐらいの時間を取りまして、今、事務局から説明がありました内容につきまして、各委員の方々から御意見、御質問等々、あるいは、もし追加情報等々があれば、またお願いをいたしたいと思うんですが、いかがでございましょうか。委員の中で、まず御発言いただける方がいたらお願いいたします。
【縄田委員】
結果を見ますと、プラチナが、供給障害を起こす可能性が一番高いということなんですが、用途を見ますと、プラチナは、ほぼ半分以上が装飾用になっているわけですね。装飾用ということは、消えてなくなっているわけではなくて、いわば民間の潜在在庫があると考えることができるので、おそらく皆さんの家にもプラチナ製の何かがあるのではないかと思います。いわば潜在在庫は十分、それこそ何百トンの単位であるはずですので、緊急時には、それを何らかの形で放出できるようなシステムを考えれば、国がわざわざ備蓄をやらなくても、潜在的な民間備蓄を活用できるのではないかと思います。
【沖嶌補佐】
先生のおっしゃるとおり、確かにプラチナにつきましては、資料3―2を委員の皆さんに見ていただければわかるんですが、資料3-2の2ページです。上をめくっていきまして、パラジウム、その次がプラチナでございます。この中で、国内需要につきまして、右下のほう、「(5)日本の需給動向」の「日本の需要」というところで、例えば2003年の予測ですが、産業用は21.4、装飾用は24.5となっております。おっしゃるとおり、装飾のほうが増えているというところでございまして、確かに国の中では、これらのものが装飾として備蓄されていることは事実でございます。今後、そういう点を踏まえて検討していく必要はあるかと思います。
ただ、具体的に投資等で購入されている方もありますので、そういうものを、そういう放出ではないにしても、いざという場合、強制力でもって放出してもらうというのは、制度的にはなかなか難しいのではないかと考えますので、それを踏まえて、次回の委員会のときには検討していきたいと思います。
【深海部会長】
よろしゅうございますか。
フォローアップの意見がありました。ほかはいかがでございましょうか。
【中村委員】
希土類が需要的にも供給的にも厳しいというのはよく分かるんですけれども、希土類というのは、御存じのようにいろいろなものがありますので、それをまとめて希土類と言うのは乱暴な議論かなと思います。具体的には何だということは、資料を見れば分かるんですか。
【沖嶌補佐】
希土類につきまして、今、先生から御指摘いただいたんですが、資料3-2の7ページで個表をつけてございます。分かりやすくといいますか、日本の需給でも、需要の表を見ていただいても分かりますように、多種多様に使われてございます。
価格の推移などを見ても、例えばいろいろな鉱種があることがうかがえると。現在、それらにつきましては、価格のところで若干補足的に説明させていただきますと、2003年の秋口から、軽希土と言われるネオジムであるとかが、若干価格が上昇しております。これは磁石用に使われるやつでございまして、そういう磁石用に使われるもので若干の価格の上昇を見せているものもあれば、そうでないものもあるという複雑なところでございますので、個々の分析は当然必要になると考えます。
それらにつきましても、次回の審議会、来年度に予定されるところで、可能な限り、これらを個別分析していって、注視するもののポイントをつかみ、議論していきたいと考えております。
【中村委員】
あと技術的にも、レアアースをメタルでキープするのは結構大変な技術になりますので、もし、そういう形態まで含めて検討されるなら、個別で検討されたほうがいいかなという気がいたします。
【沖嶌補佐】
はい、ありがとうございました。
【深海部会長】
総括の13ページのところを見ますと、まずプラチナと希土類とインジウムが大事なものとされています。総括的な評価はしているけれども、これは、後でもうちょっと細かくやる必要性は、先生の御指摘のとおりだと思います。これから注目しようというものでございます。
ほかはいかがでございましょうか。
【北川委員】
今、御説明いただきました鉱種の中で、特に御指摘のプラチナ、インジウム、希土類が、備蓄に係る検討の重要性が高いという御指摘で、同時に、平成18年度以降の次期備蓄計画の策定に向けて検討していくという御指摘だと思います。技術的な問題、あるいは需給的な問題についての十分な把握が必要であるという前提だと思いますけれども、制度的な枠組みをお考えになるときに、これは、基本的には国家備蓄という観点で策定の前提として御検討になられるのか、その財源的な面も含めて、どういうふうにお考えになっておられるのかというところについて、御高見をお伺いしたいと思っております。
【野口課長】
まず、その前提ですけれども、備蓄をやりますというふうに言っているわけではなくて、備蓄をするかどうか検討するに当たって重要性の高いものという位置付けであります。
例えばプラチナで見ますと、先ほどの装飾用の問題もございますし、そもそも値段が非常に高く、金の倍ぐらいするようなものでございますから、これをどこに保管するのか。簡単に盗まれちゃうようなところに置けるわけではございません。あと供給サイドで言うと、南アが圧倒的に力が強いわけでございますが、これが、鉱業法が変わって、いろいろな影響が出てくる。こういったところの変化ですとか、それから需要サイドで言いますと、燃料電池の行方は、今後どうなっていくのか。これは、本格的に導入されると、爆発的に需要が増えてくるということでございますので、そういったことを総合的に、より詳細に詰めていかなきゃいけないということで、これから検討していくわけでございます。
備蓄をするということになれば、国家備蓄としてやっていくということだと思います。民間備蓄との関係につきましては、その他の、今やっている7鉱種も含めて、次回の時点で検討するということになると思いますので、この点につきましては、形態という意味では、ほかの備蓄鉱種と併せて検討していくということになると思います。
【深海部会長】
よろしゅうございますか。
ほかはいかがでございましょうか。
【和気委員】
備蓄を考える、特に資源の備蓄と言ったら変ですけれども、そのときに、LCOまでいかないにしても、資源のフローを考えると、どうしてもリサイクルの現状がどうなっているかを、ある程度把握しておいたほうが当然いいに決まっているわけですね。把握されているものと把握されていないものと、金属鉱種によって随分違っているという印象がありますし、事実、難しいところもあるかと思うんですが、非常に効率よく備蓄制度を運用していく上でも、リサイクルの実態を、どんな形にせよ、今後、きちんと把握していくという、もう一つの施策のターゲットが一方であったほうがいいのではないかと思いますので、その辺を考慮しながらやっていってほしいと思います。
【沖嶌補佐】
ありがとうございました。御指摘のとおりだと思います。できている鉱種と、入手が非常に難しいところもあります。可能な限り、それらを調査しまして、それらを踏まえた上での検討をやっていきたいと思います。
【竹林委員】
今の御意見と同じなんですけれども、インジウムは、多分、今、実際には30%ぐらい捨てられちゃっているんじゃないかと思います。そのプロセスから出てくる捨てられるインジウムとか、それから、これは亜鉛精錬の副産物としてしか出てきませんので、今後この辺の回収率がどうなっていくかとか、あるいは、その亜鉛精錬というのは、これから多分縮小の傾向にいくと思うので、そういう面からも、インジウムの国内産出は減ってくると思うんですね。
今後出てくるのは、いろいろな供給の安定性という面だけから考えると、インジウムのインゴットがどれだけ供給されるかというだけではなくて、亜鉛精錬だとか、そのスクラップだとか、あるいは液晶の画面についているやつをどれだけ回収できるかという、いろいろな部分が出てくると思いますので、その辺も視野に入れたところで供給安定性というやつを考えていただきたいと思います。
【沖嶌補佐】
ありがとうございました。
【中村委員】
そういう意味では、今、ここに書いてあるものは、リサイクルして経済的にペイしているのは、プラチナとパラジウムの一部ぐらいであって、現状では、技術はある程度ありますけれども、リサイクルでは、今の経済ベースでもほとんどペイしないという状況です。ですから、戦略的に考えるんでしたら、そういうリサイクル品というのは、いろいろなスクラップから出てきて、そういうものを、ある種、非常に安い形でキープしておくということも考えられる。将来的に価格が高騰すれば、それを処理して供給できるということも可能なわけですから、そういうことも一緒にお考えになられるといいのではないかと思います。
【深海部会長】
どうもありがとうございました。
【縄田委員】
あと代替性について、特にIT関連のものだと技術進歩が速いので、例えば、今回、問題になっているインジウムを例に取りますと、これは、ただ単に技術の進歩が追いつかずに、もっと安い亜鉛とか銀とかで代替できないのか、それとも、そういったもので代替すると性能が落ちてしまうとかいう本質的な技術的な問題があるのか。せっかく備蓄したのに、備蓄したときに役に立たなくなっちゃったということになりかねませんので、その辺の御検討も、よろしくお願いいたします。
【深海部会長】
どうもありがとうございました。
ほかの委員の方々はいかがでございましょうか。
よろしゅうございますか。もし意見が出尽くしているのであれば、次の第2の重要な議題に移りたいと思うんですが、よろしいですか。特にございませんね。
それでは次の議題に入らせていただきたいと思うのですが、今の議論を聞いていて私が感じましたのは、総合評価なので、この3つの、○・×・△というのでやるわけですけれども、例えばさっき出た話で言えば、生産形態でバイプロダクトのものなのか、それ自体が、いわば単体で生産されるかとか、今、縄田先生から話がございました技術の変化をどういうふうに踏まえるのかとか、もう一つは、自分が経済学をやっているから、そういう話になるんですけれども、技術的にリサイクルが可能であっても、経済性があるかどうかという側面とか、今回はこれで十分だと思うのですが、実際に次の検討をするという段階になりますと、かなりきめ細かな、それから、そういう最新情報を入れ込んだ検討がどうしても必要になるのではないかと思うんです。事務局で、野口課長、あるいは沖嶌さん、全体として何かございますか。(3)のテーマですね、鉱種の需給状態について。
【野口課長】
御指摘賜りました点につきましては、実は私どもも大変気になっている点でございました。ところが、何といってもデータが不足していると把握しにくいというところがございまして、客観データがなかなか集まらなかったものですから、そういった点につきまして、必ずしも十分な分析ができなかったということがございます。これから来年にかけまして、若干時間がございますので、まずデータをどうやってとるのかというところから始めて、基礎を固めてから、その辺、できる限りの分析をしたいと思っております。
【深海部会長】
どうもありがとうございました。
それでは、次のもう一つの重要な議題でございます、「レアメタル備蓄放出のあり方について」に進ませていただきたいと思います。これも、資料4に基づきまして、事務局から説明をお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
【沖嶌補佐】
資料4でございます。「レアメタル備蓄放出のあり方について」。現在、備蓄制度は、緊急時放出、高騰時放出、平常時放出、放出は売却に替えてもいいわけですが、この3種類がございます。この3種類につきまして、おのおのどういう視点で考えればいいのかというのを記載してございます。事務局の考えを述べております。
まず、1ページは緊急時放出でございます。緊急時放出の制度の概要、基本的な考え方としまして、現状、「緊急時放出は、備蓄鉱種の供給障害時の深刻化・長期化による経済混乱を回避することを目的として実施するもの」となっております。国家備蓄の放出は、民間備蓄物資の取り崩しが開始された後の状況において、最後の手段として国家備蓄を放出していくという役割を担っております。
放出基準ですが、我が国に対する主要供給国における戦争、内乱等により、海外からのレアメタル供給が大幅に不足する場合であって、当該鉱産物の不足により、国民経済または産業活動に重大な支障が生じると認めた場合に、この放出をいたします。
放出先ですが、海外からの金属鉱産物又はその原料の供給に障害が生じることにより、正常な生産活動を行うことが困難であると認められる事業者に対して放出を実施するものとなっております。
今の緊急時放出体制の現状でございます。前回のレアメタル対策分科会の審議におきまして、緊急時放出に関しまして、民間備蓄物資の障害発生時に適時適切に取り崩しができるよう、その前提となるミニマム在庫を、現状の供給先、運搬サイクル等の実態に即して設定すべきである。このため、民間備蓄の緊急時における取り崩しの具体的な手順を含めて規程化することが重要であるという指摘を受けております。
この件に関しまして、民間備蓄の実施主体であります社団法人特殊金属備蓄協会におきましては、細則を平成13年6月に策定しておりまして、緊急時の量的基準となるミニマム在庫量の設定を含む手続面に関する制度を整備してございます。一方、国家備蓄に関しましては、主体でありました金属鉱業事業団、これは現在、独立行政法人に移行しておりますが、そのことに伴いまして、独自の金属鉱産物備蓄細則を整備しております。現在、この2つの放出スキームによる緊急時放出の手続が整備されているところでございます。
今、どのようなシステムになっているのかというのが、2ページの図でございます。左側を見ていただきまして、供給障害又はそのおそれが発生すると。そして民間企業で設定しておりますミニマム在庫を割るというときになりまして、民間備蓄実施企業から特殊金属備蓄協会に対しまして、民間備蓄の取り崩し申請がなされます。そして特殊金属備蓄協会において審議をしまして、その結果、決定をいたしますと、その申請者に対しまして決定通知を行う。この段階で、民間備蓄の放出、いわゆる取り崩しが可能になると。
この間ですが、国家備蓄に対しまして、仮に国家備蓄の放出が必要であると判断した場合は、独立行政法人である資源機構に対しまして放出要請の検討がなされ、放出要請が出されます。基本的には、民間備蓄が実施された後という形になっております。そして、資源機構におきましては、それらを独自で調査し、放出の検討を行い、決定した場合は、速やかに放出を実施するという形になっております。
この「国家備蓄」の箱の中で、左側に「経済産業大臣」がありますが、これは、機構法に基づきまして、大臣が資源機構に対して放出要請を行えるという規定がございます。その手続を書いております。一般的には民備及び独法であります資源機構においての処理が先行するものだと考えます。
以上、このようなスキームの中で、問題といいますか、少々考えなくてはならない、考慮すべき事項といたしまして、点線で囲んでおります。まず1点目には、供給障害の発生のおそれを、いかに迅速にかつ的確に情報を把握して、収集して予見するかというところ。そして民間備蓄サイドにおける申請及び決定に係る事務手続、それと国家備蓄サイドの資源機構における同様の意志決定及び事務手続について、迅速かつ的確な判断を実施しなければならない。緊急時でございますので、それはタイムリーにやらなくてはならないという問題が含まれていると。
そしてあと1点、いざ国家備蓄を放出するという場合、これは高萩の国家備蓄倉庫に保管してあり、そこから放出先に運搬等をしていくわけですが、それに関しまして、搬送であるとか、そういう物理的な問題が生じるだろうと。それらについて解決する必要があるのではないかと考えるところでございます。
今、御説明いたしましたところを、2ページの下のほう、3.で記載してございます。まず(1)供給障害発生の迅速かつ的確な把握。供給障害の発生又はそのおそれをいかに的確に把握するかが最も肝要である。そのためには、民間備蓄実施者、特備協、資源機構等の関係者間で情報の共有化を図ることができるシステムを確立すべきである。
具体的には、資源機構は、備蓄放出の判断の迅速化に資するため、供給障害、又はそのおそれが発生し、民間備蓄実施者の在庫量がミニマム在庫量を下回る懸念が想定されるときにおいて、いわゆる取り崩しの前の、直前の段階において、レアメタル国内在庫量、入荷予定量を、迅速かつ的確に把握できる情報収集体制の整備が必要と考えると。
次に3ページ目でございます。事務処理の迅速化。特備協の事務処理として、特備協においては、民間備蓄実施企業から取り崩し申請を受けて、備蓄取り崩しの時期、数量等を決定し、民間備蓄企業に通知することになっております。特備協は、この間の事務処理を可能な限り短期間に処理することが肝要ではないかと考えます。
また資源機構における事務処理に関しましても、国家備蓄は、基本的に民間備蓄の放出が開始された後に放出することになっている。民間備蓄放出が開始された後、必要な場合には速やかに国家備蓄放出ができるよう、資源機構は、迅速にその手続に着手することが肝要である。
資源機構は、緊急時であることにかんがみ、予想される供給不足量を放出することとなる。売却方法は、指名競争入札を一般競争入札より先行させた二段階放出とするが、迅速に備蓄物質を放出するためには、指名競争入札の終了を待つことなく、公告等、一般入札の実施に必要な手続を進めるべきであると。
つまり、手続においては、緊急時であるので時間との勝負になりますので、現在、高騰時売却も二段階方式ですが、指名競争入札を終えてから一般競争入札の事務手続に入ります。そうではなくて、緊急時であることにより、指名競争入札と一般競争入札を並行して、同時に手続に着手すると。もちろん指名競争入札のほうが先行するわけですが、ということが必要ではないかと考える次第です。
あと、物理的問題の解決。売却決定から放出可能となるまでの日数を短縮することに加えて、落札者が決定した後、国家備蓄倉庫からの備蓄物資の搬出を迅速に実施することも肝要である。備蓄物資の搬出は、落札者の責任によって実施することとなっているが、実際の搬出に当たっては、消費場所までの輸送手段、インフラの確保等に関して問題が生じる可能性がある。関係者において、これらについて可能な限り事前調査しておくなど、可能な限り時間を短縮できるように、現時点から、問題点の抽出と、その対応策を検討しておくことが肝要ではないかと。
以上を総括いたしまして、現在、緊急時売却、放出というのは、もちろん実績がございません。それらを踏まえまして総括を記載しておりますが、前回のレアメタル対策分科会報告書で指摘を受けた点については、資源機構及び特備協において、手続にかかる細則等の整備を行ってきた。しかしながら、備蓄制度発足以降、緊急時放出については発動実績が無い。一方、備蓄物資の生産国や対日輸出国の偏在性により、大規模な供給障害の発生の懸念は依然として存在しており、日ごろから、この発生に対応する万全の備えを構築していくことが肝要である。
緊急時の、より機動的な放出に当たっては、上述いたしました(1)から(3)の問題のほか、これまで発動実績が無いため、机上では想定できなかった問題点が発生する可能性がある。
以上を踏まえ、資源機構は、特備協、民間備蓄実施者等の協力を得て、備蓄放出のシミュレーションを行い、新たな問題点抽出及びその解決策について検討を行い、その結果をマニュアルとして整備し、関係者間で共有する必要があると考えられる。
緊急時に関しましては、所要の問題点の解決は今までなされてきていますが、過去に実績が無いところでは、まだ読めないところがあるのではないかと。一度、この機にシミュレーションを行って、それを基にマニュアルを整備すべきではないかという考え方を提示しております。
次、5ページでございます。高騰時放出。高騰時放出の制度の概要、基本的な考え方。高騰時放出は、金属鉱産物の価格が著しく高騰した場合、金属鉱産物の備蓄の円滑な実施を図り、かつ金属鉱産物の価格の安定化を図ることを目的として実施するもの。
放出基準に関しましては、金属鉱産物の直近の市場価格が、当該鉱産物における最近5カ年の各月の月平均市場価格に基づき算出される移動平均価格、これのおおむね2倍を超える状態がおおむね1カ月続いている場合、かつ売却を予定する金属鉱産物の売却予定価格が、当該鉱産物の取得原価を上回る場合に放出できる。放出及び放出量の決定は、需要動向、在庫状況等を総合的に判断し、市場に悪影響を与えないように考慮した上で実施をする。
放出先等につきまして、放出先は、金属鉱産物又はその原料の供給を受けて生産活動を行っていると認められる事業者。放出量につきましては、放出を予定する金属鉱産物の国家備蓄量を基準とし、放出後の残存保有量が当該基準量の7割を下回らない範囲内とする。ただし、放出量は、放出後の残存保有量が備蓄目標量の5割を下回ってはならないということで、基本的には、今、民間備蓄と国家備蓄を併せまして60日、国家備蓄は42日の目標になっておりますが、その5割を下回らないということで、21日分は下回らないというのが最低限の状況になっております。
高騰時の放出体制の現状につきまして、6ページでございます。6ページの図についてですが、「高騰時と見なされる価格の上昇」、先ほど申しましたように、直近の市場価格が5カ年の移動平均価格のおおむね2倍を超えた状態が、おおむね1カ月継続した、このような状態におきまして、特殊金属備蓄協会におきましては、民間備蓄実施者等へのアンケート調査を実施します。これは、高騰時にあることにかんがみ、国家備蓄の放出を要望するか否かのアンケートでございまして、それを特殊金属備蓄協会において決定いたします。その決定を踏まえ、要望書が資源機構に提出されます。資源機構は、そこでもちまして放出に関する意志決定を実施し、放出を決定したならば、経済産業省に計画の報告を提出します。そして事務手続に入り、現実的に放出するという形になっております。
これらにつきまして、緊急時と同じような考えですが、特殊金属備蓄協会内での意志決定及び事務手続の迅速化、及び金属鉱業事業団においては、2つの視点、一つは、決定する前までの意志決定の迅速化、そして決定後の事務手続の迅速化というものが考えられるのではないかと。
以上、3.ですが、今、申し上げましたことを整理し、記載しております。(1)事務処理等の迅速化、特備協における事務処理。特備協においては、現在、高騰時放出の要件である直近の市場価格が5カ年の移動平均価格のおおむね2倍を超えた状態が、おおむね1カ月続いている場合に、民間備蓄実施者等関係会社に対して、高騰時放出の要請を行うか否かのアンケート調査を実施している。このアンケート回収には1週間程度を要しており、特備協は、この結果を踏まえ、業務委員会を開催した後、会長に報告し、特備協としての意志決定を行うというシステムになっています。このため、現状では、資源機構への要望書提出が、高騰時の売却要件を満たしたときから約2週間程度掛かっているという状況になっています。
しかし、今回、マンガンのような事例が見られるわけですが、市場価格が急騰した場合、より迅速に対応することも想定される。そのため、高騰時売却要件を満たす前にアンケート調査等の事務手続を先に開始しておいて、要件を満たした場合に速やかにアンケートを回収する等によって、時間の短縮を図れるのではないかと考える次第で、これについて、特備協における検討が望まれると考えるところでございます。
次、7ページです。資源機構における事務処理です。現在、資源機構においては、4回の高騰時放出を実施しております。放出要請から一般競争入札までの日数ですが、過去4回の事例を記載しております。これは前回お話ししましたように、最初のバナジウムに関しましては、左端、平成10年ですが、最終の入札実施まで55日の期間が掛かっている。順番でいくと、バナジウムの平成16年が20日、コバルトが31日、モリブデンが15日となっております。
この場合、注意といたしまして、バナジウムに関しまして、放出要請日というのを記載していません。これは、事務手続が一部未整備であったということですので、放出決定日からを記載してございます。
あとコバルトですが、放出決定日に関しまして、要請から9日も要してございます。これは、実は、たまたま2月29日に独立行政法人に移行するわけですが、これをまたぐ事務手続という特別な事情があったということで、この日数を取らざるを得なかったという特殊事情でございます。
もう一つ、モリブデンは、更に20日を切って15日で放出してございます。これは※3でございますが、国が行う一般競争入札に当たっては、「予算決算及び会計令」で、入札期日の前日から起算して、少なくとも10日前には公告するようになっており、急を要する場合において、期間を5日まで短縮できることと定められております。現在、資源機構は、備蓄放出のための一般競争入札について、これに準じた対応を行っております。今回、平成16年のモリブデンの放出の場合は、この4月に実施した例ですが、価格急騰への迅速な対応を図るという観点により、この短縮規程を適用させております。
以上のように、平成10年のバナジウムの高騰時放出は初めての放出であったことにより、放出決定から最終入札まで2カ月弱の期間を要したが、現在は20日と短縮されている。この短縮は、資源機構として公示手続を迅速に実施したことなどの対応により可能となった。資源機構においては、これらの手続の、より迅速な実施に向けた取り組みが今後も望まれる。
(2)として、物理的問題の解決につきまして、高騰時放出における物理的問題は、緊急時放出の際の物理的問題と同様であり、緊急時放出のシミュレーションの成果を生かし、迅速に備蓄物資の搬出を行える体制を整備していくことが肝要であると考える次第です。
以上が高騰時放出でございまして、次、8ページ、平常時放出でございます。平常時放出の制度の概要、基本的な考え方。平常時放出は、備蓄制度のより効果的な運用を図ることを目的として、相対的に供給安定性が高いと判断された4鉱種、ニッケル、クロム、モリブデン、マンガンについて、備蓄量の低減を図るものとされています。
放出基準は、放出を予定する金属鉱産物の売却予定価格が、当該鉱産物の取得原価を上回る場合に放出ができる。放出及び放出量の決定は、放出時における市場動向を注視しつつ、市況に影響を与えない配慮をした上で実施することとなっております。
放出先等ですが、放出先は、金属鉱産物又は原料の供給を受けて生産活動を行っていると認められる事業者。放出量につきましては、当該鉱産物の放出後の残存保有量が、備蓄目標の5割を下回らない範囲内とするというふうに、現状はなってございます。
平常時放出体制の現状ですが、この図のようになっております。市場価格が取得価格を超えた場合、資源機構の判断でもちまして放出の検討を行い、決定をし、放出をする。途中で決定を行った場合、経済産業大臣への報告書の提出というのがあります。
現状の体制からいきますと、資源機構においての判断ということで、資源機構の中での事務処理の迅速化があろうかと思いますが、もっと、その根本的検討課題として考慮すべき事項として、我々としては次の2点があるのではないかと考えるところです。
まず(1)ですが、売却損が生じる平常時売却の実施について。現在、平常時放出につきましては、供給の安定性が相対的に高い4鉱種の金属鉱産物について、備蓄在庫量の調整を行うために放出をいたします。その場合、条件は、市場価格が取得価格原価を上回る場合に発動可能という状態になっております。
しかし、仮に市場価格が取得原価を下回るものの、その差が小さいような場合には、その差でもって少額の補てん財源を用意することにより、もし仮に売却が達成できれば、その少額な資金でもって、備蓄物質の保有に関する費用、備蓄物質を購入した際に要した借入金の利息等ですが、削減することになります。独立行政法人通則法においては、資源機構は、年度内に売却益がある場合で、同じ勘定における損失があった場合、同一の勘定において総費用を上回る総収益があれば、この差金を充てることが、制度上、可能になっていると。
以上の観点より、備蓄売却による利益が生じた場合、この売却益を備蓄物資売却による損失に充てることにより、取得原価を下回っても平常時売却が実施できるような手法の是非を検討するのも有効ではないかと考えるところです。
あと、大きなポイントの2つ目として、放出先の拡大。現在の平常時放出の入札に当たっては、入札資格者は、「金属鉱産物又はその原料の供給を受けて生産活動を行っていると認められる事業者」に限定されております。しかし、平常時放出の趣旨は、備蓄量の低減を図ることにあるため、より円滑に売却を進める観点から、商社、その他流通に携わる者に拡大しても問題はないのではないかと。そのため、関係者は、所要の制度見直しに向けた取り組みを実施すべきではないかと考えるところでございます。
また、一般競争入札に準じた透明性のある売却制度も検討すべきとし、例えば、透明性のあるLME市場での取引を通じた売却などについて、今後、幅広く検討していくことも望まれると考える次第です。
その他については、平常時売却ですので、緊急性云々という状況にはありませんが、市場価格の動向を踏まえつつ実施していくものであるということで、簡単に述べさせていただいております。
以上でございます。
【深海部会長】
どうもありがとうございました。
我々の検討すべきメーンのテーマである備蓄放出の在り方について、今、資料の御説明をいただいたわけでございまして、各委員の方々から、このテーマ、あるいはこの報告に関して、御意見、御質問等々をいただきたいと思っております。
それから、もう一つ付け加えさせていただければ、先ほどの議事で、前回の議論に関する事務局からの説明があったわけでございまして、先ほどの今井先生からの御指摘であったわけですが、それに関しても、ここで併せて議論をさせていただきたいと思います。
それでは、いかがでございましょうか。
【箕浦委員】
ケースなんですが、実際に車とか電気製品というのは、今、どんどんグローバル化して、海外に工場をたくさん持っています。そういったときに、こういうものは、多分グローバルな形での調達活動をしているでしょう。そうすると、非常にピンチになってきましたといったときに、多分海外もピンチになります。そうしたときに、この備蓄というのは、例えば海外の工場に持っていけるのかどうか、その辺のところはどうなんですか。
【沖嶌補佐】
基本的に、売却者を国内に限定しております。日本で生産活動を行う者と限定しておりますので、基本的に海外というのは想定していない。日本国経済が危機的状態になる前に打つ手だてという位置付けの備蓄制度でございますので。
【箕浦委員】
ということは、逆に、海外の資本で日本の国内で生産しているところは、この対象にちゃんとなりますということですね。
【深海部会長】
よろしゅうございましょうか。ほかの方々は、いかがでございましょうか。
【北川委員】
放出のパターンで、制度的には全部で3つ定められておりまして、緊急時放出、高騰時、平常時と。御説明のとおり、緊急時放出につきましては、実績として、今まで例が無いということでございまして、したがって、国備・民備ともに備蓄があるという前提で考えた場合に、高騰時というのは、現実的には起こるわけでありますので、そのときに、柔軟に対応していただいているというのが今の実態だと思います。
そういう中で、今の規程の中で、移動平均がおおむね2倍を超える、おおむね1カ月という、「おおむね」という文言は冠として付いているわけでございますけれども、実際に、日常、こういう生産活動に携わっている立場からしますと、「おおむね」という範囲でも構わないんですけれども、もう少し弾力的にならないのかなということでございます。
おおむね2倍、おおむね1カ月という、その2倍という意味が、厳密の意味ではないと思いますけれども、例えば、もう一つ、取得原価を超えることという制限が付いているわけで、前回も御指摘がありましたけれども、これは為替が介在されているわけですから、USドルベースでかなり高騰しても、取得原価、円ベースでなかなか超えないという実態だと思います。したがって、もう少し、例えば2倍と言わずに、運用上1.5倍とか、これは例えばの話で申し上げているので、数字そのものに厳密な意味はないんですけれども、そういう内規的に運用の基準を設けていただくとか。
あるいは「おおむね1カ月」でございますけれども、これは4週間という意味だと思うんですが、例えば3週間とか、あるいは2週間を超えるようなケースとか。高騰の仕方によっては、いろいろなケースがあるわけですね。非常に暴騰するケース、じわじわ上がっていくケース、あるいは、上がるけれども、その原因において、かなり急ピッチに収束するのではないかと見込まれるケースとか、あるいは長期に継続されるのではないかというケースとか、いろいろなケースがあると思いますので、あまり厳密に4週間という規程を運用上も念頭に置かずに、もう少し短い週の中で、弾力的な運用を、是非制度的にも考えていただきたいと、まず思っております。
【沖嶌補佐】
ありがとうございました。今の規程では、高騰時におきましては移動平均の2倍という形になっております。御指摘の点、理解できます。高騰時要件を、どのような判断をするかということだと思います。それらについても、高騰時要件というのをどう考えるかということで議論していかなければいけないと考えます。
あと、「おおむね1カ月」ですが、おっしゃるとおりでございまして、ニッケル等、LMEで日々価格が出ているものについては、1カ月のうちで数回はダウンしても、この要件を満たさなくてもいいよとなっておりますが、1週間に1回しか価格が公表されていないものにつきましては、1回でも下回ると、いわゆる要件を満たさないという形に現状はなっております。それらについては、その程度の問題があると思いますが、御指摘の点につきましては、今後、検討すべき価値はあると私は考えます。
【北川委員】
今、コメントをいただきましたように、さらなる弾力的な運用について御検討をお願い申し上げたいと改めて申し上げますけれども、もう一つ、事務処理等の迅速化ということで考慮すべき事項の中で、特備協における事務処理についてお触れいただいております。実際問題、生産活動に携わっている立場からしますと、こういう非常事態につきましては、時間をかけて検討しているということは実態としてはありませんで、可及的速やかな会員各社での意思統一の策定を図っているというのが実態でありますので、そんなに時間を掛けてやっているという意識はございません。
かつ、基準を超える前に、あらかじめ検討しておけというきめの細かい御指摘をいただいているわけでございますけれども、おそらく運用上で、民間各社としては、そんなに時間をかけて検討すべき事項ではありませんので、資格要件を満たすとき、あるいは必要な場合には、事前の検討も含めて、運用上、最短距離で走っていくという大原則で、今、やっておりますので、そこは是非御理解をいただきたいと思いますし、御指摘いただく場合には、「さらなる期間の短縮について努力するように」というような形での御指摘をいただいたほうが受けとめられやすいなと思っています。
これは資源機構も同じことだと思うんですね。資源機構のほうだけ日数が短縮してある例が書いてあって、同じように努力をするというふうに、是非御理解を賜りたいと思っております。
それから、先ほどマンガンが、高騰時のとき、かなり早目に済んだということがあったと思いますけれども、マンガンというのは、平常時の売却の整理で行われたんじゃないかと理解しておりますが、それはそれでよろしいですか。
【沖嶌補佐】
マンガンの場合は平常時にしました。けれども、例えばマンガンの例で取るときに、あの当時、マンガンはいきなり急騰しております。実は、これはマンガンの例をとらえたわけですが、そのとき、例えば2週間目で、資源機構として、平常時の判断をするかどうかがわからない場合もあります。資源機構としての判断によります。その前に民間サイドからの、例えば2週間出て、まだまだいきそうだというような場合において、先ほど運用で実施されているということですが、そういう場合を想定した場合の、早目ということです。実体的には、今回のマンガンは、平常時売却を実施しました。
【山口委員】
特にモリブデンの件でお話をさせていただきたいですが、モリブデンについて、本年4月の高騰時で、価格の問題が当然つきまとってきているのではないかと思うんです。平常時のところの資料に、損金が出ても、それを別のもので充当できればという話が書かれてあるんですが、その辺のところを、柔軟な制度化をしないと、おそらく、今あるものが、為替の影響だとは思いますけれども、なかなか価格がつかないということになり得るんじゃないかなという気がしております。その辺のところを、先ほど北川委員のほうからも話がありましたけれども、是非柔軟な検討をしていただければと思っております。
【増田委員】
今の山口委員の件に関してなんですが、平常時放出の議論なんですけれども、今回の提案は、少額であれば損切りも可とするという方針なんですが、そもそも平常時放出というのは何なのかというところが、私もまだよく分からない。8ページの平常時放出制度の「基本的考え方」という中に、備蓄制度の効率的な運用を図ることを目的として、備蓄量の低減を図るとなっていますね。さらに9ページに至って、ちょうど中ほどの「放出先の拡大等について」という中で、これは今の資源エネルギー庁さんの解釈だろうと思いますけれども、平常時放出の趣旨というのは、言ってみれば備蓄量の低減を図ることであると書いてある。
そうすると、一つの鉱種について損切りをするわけですが、他方、その放出について言えば、備蓄量の目標というのは相変わらずあって、60日備蓄の目標を持ちながら損切りをしていくと。そうすると、従来の平常時放出の基本方針というのは、損はしない、つまり取得原価を上回った形で売って、やがては価格が沈静化したときに、再びこれを目標に向かって積み増せるんじゃないかという希望の下で、ある意味では取得原価を上回る状況において売却するということだったと思うんですけれども、仮に損切りをするということになると、この鉱種について、21日までは持たなくていいんだと。この金は、別途、ほかの鉱種とか、あるいは別のところで使うんだということになるわけですね。そういう解釈をしないと、この行為というのはなかなか理解できない。
だから、損切りをするということについて、あるいはもっと言えば、平常時放出というのは、どういうことなんだということをもう少し明示されないと、これは損をしても売るのか売らないのかという判断がなかなか難しいのではないかという気が、正直するんですけれども。
【野口課長】
平常時売却の位置付けは、前回、議論されたところで、私もその報告書を読むしかあれなんですけれども、何と書かれているかというと、まず、備蓄量は半分まででいいですよと。ただ目標というのは元のままで、潜在的というんですか、目標値はキープしますよというような趣旨で書かれていまして、分かりにくいところがあるんですけれども、私の理解は、非常にシンプルに考えれば、目標は半分でいいんだと。けれども当面の数字は21日であって、また供給の安定性等々、必要性があれば、高めていくこともあり得ると、こういう解釈が素直なのではないかなと僕は思っております。
したがいまして、そういうふうに解釈すると、21日までは備蓄量を下げていいと。その下げるに当たって浮いた資金なりは、ほかの重要物質の積み増しですとか、あるいは備蓄の費用の低減のために使うということでいいのではないかと私は考えております。
【増田委員】
もしそうだとすれば、まず、過去、そうやって積み増しをしてきて、備蓄ということでやってきたと。これを、結果的に、金利なんかを別にしても、実際に取得原価との関係においても損をしたということについて、その損と、従来果たしてきた、言ってみれば備蓄を持っていたことによる効果というのを分析しておかないといけないし、あるいは効果がなくても、為替の議論をして、これはやむを得なかったという論理が必要であるし、それから併せて、そうやって売却をした資金が、こういう形で生きるんですと。生きるというのは、損をした鉱種で持っているよりも、こちらのほうが、より効果が高いんですという議論をきちんとしておかないと、この説明はなかなか難しいのかなと。そこまで論理構築をきちっとした上でないと、損をしても売るんだというところまでは踏み込めないのではないかという気がします。
【野口課長】
考え方としては、非常に広く書いてあるんですけれども、一番考えやすいのは、例えば、今、30日持っています、それを21日まで下げますというときに、金利コストは、その分減るわけでございますね。その減った分と、若干取得価格を下回って売ることによる損、これの比較検討で、どっちが得かというのは、財政事情を考えた場合、あると思うんですね。それはごく一部の話であります。
それから、もう一つ言われた為替の問題ですね。為替によって取得価格がどうしても高くなっている。そこはドルベースで考えてもいいんじゃないか。その部分については、損が出ても、ほかの益があるなら埋められるんじゃないかと。これが2つ目のパターンだと思います。
そういったことを併せまして、幾つかのパターンがあると思いますので、是非そういったことも検討すべきではないかと。ただし価格については、当然のことながら、財政資金、国の税金を使っているわけでございますので、むやみに低くしていいというものではないことは明らかでございます。そういった意味で、財政当局ですとか、会計検査とか、そういった視点で、許される範囲はどこら辺までなのかということは、関係当局もございまして、調整が必要でございますので、そういった点も踏まえて検討していきたいということでございます。
【縄田委員】
制度の根本である緊急時放出なんですが、ちょっとわからない点は、実際、緊急時放出というのは、例えば国内在庫が減った時点で放出するわけですか。例えば、現在、需給が非常にタイトですから、どこかで事故が起こると、これはまさに緊急時に該当すると思うんですが、国内在庫が減るまで緊急時放出を行わないのか、それとも将来的に、例えば実際に物の影響というのは3カ月後とかに出てくるわけですね。それを見越して緊急時放出を行うのか、その辺は、当然価格は高騰するでしょうが、高騰時売却で売却できる分というのはかなり限られていますので、先を見越して制度運用、要するに緊急時をどういうふうにとらえるか、その辺について、お伺いできればと。
【沖嶌補佐】
緊急時につきましては、結論から申しますと、在庫でウオッチしております。これはミニマム在庫という概念でございますが、基本的に何かの障害事例が発生したというときには、もちろん在庫量が減っていくわけで、それが生産活動に影響を与えるというベースの量、ミニマム在庫というものですが、それを下回った場合です。それは各社ごとにお持ちになられています。
それを踏まえて、今度は各社が要請を出され、トータル的に民備を実施されている会社間の中で現状を把握されて、国内のトータルとしてどのような備蓄現状になっているかというのを踏まえ、そして要請を決定する、または民備を放出していくと。
将来どうのこうのというのは、ある予想はできるでしょうけれども、現実の事象としてどうなるのか、ほんとうに起こるのかどうかというのがわからないところもあると思いますので、今の基準としては、一定の量という概念で物差しにしている、判断をしているというところです。
【縄田委員】
制度はできるだけシンプルなほうがいいと思うんですが。そうなると、制度として、ほんとうの緊急時売却と、将来的に、例えば洪水が3カ月後に来るとわかっていれば、心理的効果等を含めまして、早目に対応できるような柔軟な制度設計が、より効果的な備蓄制度の運用には望ましいんじゃないかと思いますが。
【沖嶌補佐】
おっしゃることも理解できます。今の制度はそのような形になっていますが、それをどのようにウオッチするか、また技術的にどのように対処していくかという問題もありますので、それにつきましては、また今後、民備の協会、特備協さん等、もちろん独法も入れて、いろいろ議論をしていきたいと考えます。
【野口委員】
1点追加しますと、当然生産者の皆様方は、供給障害の可能性が高いという場合に、自らスポットですとか、あるいはコントラクトの中のオプションの行使ですとか、そういう形で供給量をほかから調達するという努力をされているわけでございまして、それと、そういうものをいろいろな対応をした上で、どうしても調達できないというときに、この備蓄というのがあると思うんですね。
そういったときに、供給障害を予測できても、ほかの手段で調達されている場合には、備蓄までたどり着かないということがありますので、結果として、何で見ざるを得ないかというと在庫量ではないかと、今のところ我々は考えているわけでございます。
【竹林委員】
購入・売却の場合の市場価格というのは、どういう価格なのかということなんですけれども、例えばLMEの価格があるときには、ちゃんとLME価格ということで問題ないと思うんですが、例えばインジウムだとか、タンタルとか、そういうのが無いやつは、同じ価格というと、ローの価格と、ハイの価格と、ミニの価格と、それからほんとに手に入らないときはスポット価格になってくるわけですね。
ですから、本当に放出をして値段を冷やすというときには、必ずしも中間の価格ではなくて、スポット価格よりも安ければ冷やす効果というのは出てくると思うし、もしそういう格好で放出すると、例えば転売しても利益が出てくるというような悪いやつが出てくれば、スポット価格よりも安い価格で仕入れて、スポット価格で売れば転売益が出てくるということもあるので、市場価格というのを、一体どこをもって市場価格と規定されているのか、それから放出時と平常時の場合の市場価格というのは全く同じなのかどうか、そこら辺はいかがなんでしょうか。
【野口課長】
この点が、放出に当たっては、実務的には実は一番悩みになっているところでございます。価格というのはお互いの交渉なので、コマーシャルベースで決まるしかないということでございますが、一方で、ユーザー側にとってみると、放出を柔軟に、あるいはできれば低い価格で放出してほしいという御要望はもちろんあると思いますけれども、国の予算を使ってやっている制度上、価格については透明性があるとか、公正でなければいけないということは当然あるわけでございます。
今のところ、定性的には、一言で言うと、適切・公正な市場価格で売却するということになっているわけですが、今、御発言がございましたように、この公正あるいは適切な市場価格というのは、どうやって取ったらいいんだと。ニッケルについては、LMEという先物市場がございまして、そこで毎日値段が出ているわけでございますが、そのほかのものについては、『メタルブリテン』ですとか、『メタルズウィーク』という専門雑誌がヒアリングをした結果が、週1回とか、2回出るということになっておりまして、この価格が、果たして実際の公正・適切な市場価格に当たるのかどうかという問題があるわけでございます。資源機構も、もちろんそういったいろいろなデータを加えて、さまざまな情報から価格情報を取ろうとしているわけでございます。
そういったことで、資源機構としては、この辺りが適切ではないかというふうに設定する値段があると。入札の方々が、別途、御商売されている価格から、うちだったら、このぐらいが今の市場価格だよと、そういうところで応札されるということになりますが、実際問題として、その認識に差があるというのは、一般論としては当然あり得ることだと思っています。ただ、ギャップがあまり大きいということでは、情報収集能力に問題があるんじゃないかということになりますので、こういったことは、かなり経験を積まないと、適正なレベルについて当事者が判断できていけないのではないかと思っております。
そういう意味で言うと、今年に入ってから、かなり売却をやってきておりまして、結局、途中で入札が不調に終わるというものもございましたが、最近では、モリブデンですとかマンガンといったものについては一応入札が成立して、入札自体が適切に行われているという結果がありますので、こういった経験を積みながら、認識のギャップというのをできるだけ狭めていくということになっていくのではないかと思っております。
【竹林委員】
ということは、その入札でもって双方合意した価格が、そのときの市場価格と考えればよろしいということなんですか。
【野口課長】
そういうことだと思います。
【深海部会長】
非常に難しい問題ですけれども、ほかに御意見はいかがでしょうか。
【北川委員】
さっき1回出されました議論に戻らせていただいて恐縮でございますけれども、平常時の放出の仕組みの問題でございます。これは、先ほど御議論がありましたように、前回の検討のときに、もともとの60日という備蓄目標については変えないけれども、当面の目標として30日だという状況判断で、30日と設定すると。これを上回るものについては、簿価を上回った場合には放出できるという制度だったと思います。
これは、報告書にはおそらく明確には書いていない部分だと思いますけれども、国としての備蓄制度の趣旨と財政状況と、両方をにらんだ上での当面の目標という新しいコンセプトを、その段階で導入されたと理解しております。したがって、30日ということになっているわけですけれども、あくまでも趣旨としては60日という国家備蓄の日数については、これが制度的には堅持されているという状況の中で議論が行われているという問題だと思います。
問題は、損失してでも売るかどうかという議論と、それから放出先の拡大という議論と2つあると思います。損出が生じてもいいかどうかという議論については、お考えとしては単年主義で、年度の中でチャラになっていればいいという前提のお考えが、今、提示されているということだろうと思います。したがって、必ず売却益が先に発生していて、その売却益の範囲の中で、その年度内でもう一回起こるときに、若干損をしてでもコンペンセートできる場合には構わないという御趣旨かなと理解しております。
もう一つの放出先の拡大についての問題ですけれども、放出の趣旨というふうに書かれておりますが、もともと国家備蓄の趣旨としては、備蓄するというのがもともとの趣旨であったわけで、当面の目標というコンセプトを導入したがゆえに、こういう平常時放出ということが生じているということだと思います。
したがって、30日を超える分については、財政上の状況を踏まえて、チャンスが来れば放出するということについて、制度的にはでき上がっているわけで、それが実行されると思いますけれども、ただ、国家備蓄制度の趣旨から言うと、放出先の選定に当たっては、もう少し慎重な考え方があっていいのかなと私自身は思っております。従来どおりの制度の枠組みの中での生産活動に携わっている人たちというか、制度的な枠組みの中での放出先を慎重に考えるということが、やはり一義的には必要なのかなと思っています。
それから、商社その他の流通にかかわるものに拡大してということでございますから、商社さん自身は、自分で生産・使用しないわけで、必ずどこかに転売するわけですね。その転売先というのも、どこになるかわからないということだと思います。それから「LME市場での取引を通じた売却」とありますけれども、これは、国外にも売るという物資をおっしゃっているとすると、国家備蓄してためたものを、海外にもLME市場で転売していくということになると、もう少し考え方として慎重な議論が要るのかなと私自身は考えております。
【深海部会長】
どうもありがとうございました。
ほかの方々はいかがでしょうか。
【増田委員】
緊急時放出の話なんですけれども、石油の場合は、在庫量とか生産量とか、もろもろの要素をもちろんウオッチしているわけですけれども、例えばIAにおいては、理事会を開いて、何か事柄が起こったときの予測をして、その予測に基づいて、その放出の意志決定をするということになっていますので、先ほど御説明があったように、在庫量に非常に重きを置いて、それが、ある水準にならないと発動しないということでは、少なくとも石油の場合は、無い。したがって、緊急時放出ですから、どういう事態が起こるか分からないわけで、もう少し発動基準というのをルーズに、緩目に取っておかないと、ほんとに役に立たないということになりかねませんので、在庫量も、単に一つの要素というぐらいのとらえ方をされたほうがいいのではないかと思います。
【深海部会長】
どうもありがとうございました。
ほかの委員の方々はいかがでしょうか。
部会長があまり発言してはいけないのですが、今の議論を聞いていて、実にいろいろというか、本当にこの備蓄放出の在り方、基準、それから具体的なやり方というものを考えてみたときに、この3つの備蓄放出のシステムがあるということであって、その相互間の議論、緊急時は別とすると、高騰時と平常時というのはどう区別するし、あるいはどうするのかという議論もあったわけですが、一つ、僕が新たに問題提起をしたいと思うのは、先ほどの平常時の議論では、平常時放出の場合には、特に4鉱種の場合、そういう委員会報告を作ったんですけれども、ニッケル、クロム、モリブデン、マンガンというのは安定度が高いから、これは平常時売却したら、その状況が変わらない限り、在庫は積み増ししないんですね。ところが、そうでないものに関して、高騰時と緊急時というのを考えますと、要するに安くなったら積み増すんですか。それがまず一つの問題だと。
もう一つは、また根本的な問題に入るわけですが、考えてみると何で60日なのかというもともとの目標設定の問題も、実はあるのではないかと思うんですね。今、実際には、国家は42日で、その5割までいいというのが今の基準ですね。だから、だんだんそうなってくると、じゃあ、緊急時がどういう事態で、これはどれだけの確率で、コストベネフィットはどうかとか、経済学者はすぐにそういうことをやるわけですが、そういう意味で考えてみると、緊急時放出というのは、本来的にはバッファーストックとは違って、本当の危機があったときに対応する。だから、こういう制度があり、その備蓄を持っていることはいいわけですが、ここに、その備蓄マニュアルだとか、そういうので放出を実際に考えなければならないということですけれども、本来望ましいのは、いわば備えとして持っているので、そういう面で言うと、使われないのがいいのかもしれないという感じもしないわけではないわけですね。だから、発動の条件やその他というのは大変重要で、それを明確にしておく必要性はあるんですけれども、これを何回も発動してということが、本当に基本認識の中にあるのかどうか。
これは変な話ですけれども、そんなことも感じられるわけで、積み増しの問題、緊急時と高騰時では、バッファーストックという意味から言うと、それを放出したものは、安くなったり、あるいは緊急時を脱出したら、また戻すんですよね。どうなんですか。そのことも一つの問題ではないかということで、いろいろ根本的な意味で問題があるんじゃないかという感じを持っていて、もしあれでしたら、今、私どもがやっているのではなくて、次に最終的に検討するというようなところだと、いろいろな問題を考える必要性があると。
もう一つは、きょうの高騰時と平常時の御説明を聞いていて、高騰時はかなり厳格にいろいろな条件がついていて、平常時は割合ルーズで、しかも、「考慮すべき事項と対応策」というところを見ますと、かなりフレキシブルに対応しようとしていると考えられるわけです。緊急時は別として、高騰時と平常時放出とが、やや非対照的というか、あるいは、片方は割合ルーズにやろう、片方は厳格な基準を維持しようというような意味で受け取れたんですけれども、高騰時と平常時のかかわり合いというか、その認識の問題で、国家目標その他はあるけれども、ある程度コストベネフィットみたいな形で、この安定化している4鉱種についてはやろうという姿勢でいいのかどうかというところを、すみません、部会長が言うべきことではないのですが、皆さんの議論に触発されて。
【沖嶌補佐】
平常時売却の4鉱種以外の3鉱種につきましては、平常時売却が無いわけで、高騰時売却で対応した場合、それにつきましては、基本的には積み戻す。いわゆる価格が安く安定した状況では積み増すという形になっております。基本的に、高騰時売却したものは、積み増すことを前提にしています。
【深海部会長】
4つと3つとの間には、基本的に差異が存在しているということですねという確認を申し上げたんです。
【野口課長】
それで、なぜその差異が生じているかということは、先ほども申し上げたことなんですが、当面の、今、設定されている実質的な備蓄目標というのは、高騰時については従来の60日であり、国家備蓄としては40日であるんですが、平常時については、その半分になっている。したがって、それを超えた分については、平常時に、そこまで下げるように柔軟な形ができるのではないかと。そこに基本があると私は理解しているわけです。
【深海部会長】
そういう報告をまとめた当事者でもあるので、すみません、ここで確認をしておこうという意味であります。ですから、対象鉱種についての基本的なとらえ方に、少なくとも前回報告の中には、そういうのが入っていたということで、ここでも議論していいのかどうかということで申し上げたんです。それは、そういう認識だということですね。分かりました。どうもありがとうございました。
ほかには、いかがでございましょうか。
【靍間代理】
最近の例で、先日お話がありました中で、コバルトについては、残念ながら不調だったと。ということは、簿価が高過ぎたということなんだろうと思うんですけれども、今の備蓄量との関連で、上限が決まっているというお話なんですが、結果的に、簿価を市価に近づけておくという施策が必要ではなかろうかと思うんですけれども、いかがなものでございましょうか。
【沖嶌補佐】
簿価がどうだというところはあれですが、基本的に売却を行おうとしているときには、その市況価格、市場価格が簿価を超えているときに発動しております。
【靍間代理】
こういうことです。現実には、その時点で簿価が幾らで、市況が幾らかというのは分かっているわけですね。ところが、時間の経過とともに、先ほど来の為替のお話との絡みで、為替の変化によって簿価がうんと上がってきてしまったという状況があって、今の状況になったのかなと思うんです。
したがって、いざ本当に高騰時の放出をしようと思ったら、できなかったということに、結果的にはなるわけですね。そうすると、形の上で簿価を市価に近づけて、要するに、例えば、安いときに60日を90日にしておけば全体は下がるわけですね。という算段をしておくということも検討の範囲に入れていただいてもいいのかなと。要するに、簿価を市価に近づけるということでございます。
【野口課長】
簿価を下げる努力というのは必要だと思っていまして、高騰時につきましては、高騰時に売却するわけですから、価格が低廉時にまた買い増しをするということで、平均の簿価は下がるという形で簿価は下げたいというのが今回の考え方です。
もう一つ、平常時につきましては、今の目標値で言うと、買い増しをするというわけではございませんので、簿価は必ずしも下がるわけではないんですが、その工夫として、ここに挙げたようなやり方があるのではないかということでございます。
【深海部会長】
ほかの方々は、よろしゅうございましょうか。
それでは、いろいろな問題を指摘していただきまして、これは中間報告であるわけですが、事務局その他がどう処理するかというのは、また御検討いただいて、ここでまた議論させていただきたいと思います。
何でも12時半まで議論しようというわけではないんですけれども、本日の議題は、これで終了したわけでございますが、これまで御検討いただいたことを含めて、レアメタル政策全般について、何か御意見、御質問等々がありましたら、残された15分間、それに投入しようというわけではなくて、何かございましたら、適宜御発言いただければと思ったんですが、もうよろしゅうございましょうか。そろそろ中間まとめに入るわけでございますので、何か全体的な検討で、この機会に何かおっしゃっていただけること、あるいは御要望があれば聞きたいと思ったんですが、よろしゅうございましょうか。
【山口委員】
先ほど若干話題にも出たリサイクルの問題については、完全にできている鉱種もあれば、まだ十分な技術的検討が必要な鉱種もあると思っているんですが、その辺についてのお考えは、今回の話とはまた別の議論になるのか、あるいはどういうふうにお考えなのか、もしわかっていればお聞かせ願いたいと思うんですけれども。
【沖嶌補佐】
備蓄と併せまして、レアメタル全体の場合、リサイクルというのは非常にキーになるポイントだと思っております。今、ミッシュメタルであるとか、一つは技術開発として、国も取り組んでいるところがあります。それはレアメタルを中心にやっているわけではなくて、ベースメタル・プラス・レアメタルという形の中で、技術開発としては取り組みを実施しております。
予算とか諸問題がありますけれども、一つは備蓄で短期的な安定を図るとともに、リサイクルを活用した長期的視点に立った安定供給というものを十分に考える必要があるわけで、それらについても、我々経産省としての施策の一つでもありますので、皆さんの御意見も承りながら、今後、展開していきたいと思っております。
【北川委員】
先ほど9鉱種といいますか、IT関連の鉱種のときに一言御質問させていただいた制度的な枠組みということで、国家備蓄あるいは財政的な裏付け、そういうものを18年度以降についてどう考えていくかという議論が行われるということだと理解しております。
併せて、従来の7鉱種につきまして、今回の議論は、おそらく国家備蓄が主体の議論でございますけれども、制度的な枠組みとしての国家備蓄あるいは民間備蓄としての在り方、それから財政的な裏付けといったところが、18年度以降問題として議論の対象になってくると理解いたしております。
具体的には、そのときの御議論にゆだねたいと思っておりますけれども、そういう問題意識を持っているというところを、一言申し上げたいと思います。
【深海部会長】
ほかにはよろしゅうございましょうか。野口課長あるいは塚本審議官、よろしいですか。
【野口課長】
本日は、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。それを反映した形で、次回は、その費用対効果というのが一つでございますが、もう一つ、中間見直しの報告書の骨子をお諮りしたいと思っております。この骨子には、本日の議論を踏まえた形でお示ししたいと思っております。本日はありがとうございました。
【塚本審議官】
私も特段ございませんけれども、きょうの議論を、前回の議論から聞かせていただいていまして、レアメタルの備蓄制度が発足して、それなりの時間が経つわけですけれども、現実的に我が国に置かれているいろいろな原材料の高騰問題とか、そういう中で、制度として大変重要な制度ではなかろうかと思っています。
今日は、皆様方の忌憚のないいろいろな御意見を踏まえて、問題点の整理を再度やって、特に資源機構におかれては、新しく資源機構として発足したわけでありますけれども、そういう一つのタイミングを含めて、より実効性のある、強靱で柔軟なといいますか、いろいろな意味で対応が求められるわけですけれども、そういうことが可能となるような、よりよい備蓄制度になることを事務局としても考えさせていただきたいし、先ほどの原材料のいろいろな問題点につきましても、より広い立場から、今、いろいろな議論をさせていただいていますので、そういう中にも、今回のレアメタル対策部会での議論を踏まえて、当省としてもいろいろ検討してまいりたいと思います。
きょうは大変貴重な御意見をありがとうございました。
【深海部会長】
それでは、本部会、本日は第2回でございますが、これをもちまして終了させていただきたいと思います。
次は5月28日でございまして、今、野口課長からもございましたように、レアメタル備蓄の費用対効果についてと、それから、今、私どもは中間見直しで、次の年度に抜本的な在り方の検討も予定されているようですが、その骨子案につきまして、御審議いただきたいと思っております。
本日は、お忙しい中御出席いただき、熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。これをもって終了させていただきます。

以上

▲ 審議会全体トップ
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.