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- 総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会(第29回)-議事録
総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会(第29回)-議事録
日時:平成21年3月9日(月)10:00~11:50
場所:経済産業省本館2階西8共用会議室
出席者
委員:
村上部会長、飯塚委員、大橋委員、長見委員、澤委員、首藤委員、関村委員、東嶋委員、成合委員、野村委員、正田委員、班目委員、松本委員、丸山委員、石島委員、武黒委員、平田委員
事務局:
薦田院長、深野次長、平岡審議官、佐藤審議官、稲垣審議官、福島首席統括安全審査官、加藤企画調整課長、大村原子力安全技術基盤課長、森山原子力発電安全審査課長、山本原子力発電検査課長、石井核燃料サイクル規制課長、長谷部企画調整課統括安全審査官、森田国際室長、白石火災対策室長
議題
- 最近の原子力安全・保安院を巡る動向について
- 新潟県中越沖地震を受けた柏崎刈羽原子力発電所に係る原子力安全・保安院の対応について(中間報告)
- 耐震バックチェックに係る検討状況について
- 新検査制度の運用開始について
- 「もんじゅ」に関する最近の状況について
- 「六ヶ所再処理施設」に関する最近の状況について
- 国際原子力安全ワーキンググループ報告書とりまとめについて
- 最近の国際動向について
- 原子力安全規制の課題の検討について
- その他
- 審議会の中立性確保について
- 原子炉安全小委員会における新たな検討課題について
- 敦賀発電所1号炉の長期保守管理方針の評価について
議事概要
- 村上部会長
それでは、定刻でございます。ただいまから第29回の「原子力安全・保安部会」を開催いたします。毎度のことでございますが、お忙しい中を御出席いただきました委員の皆様には、御礼申し上げます。議事に入ります前に、定足数の確認と今日の議題、配付資料の確認を加藤企画調整課長からお願いいたします。
- 加藤企画調整課長
おはようございます。企画調整課長をしております加藤でございます。まず定足数の確認をさせていただきたいと思います。本日は議決権を有しておられます23名の委員の先生方のうち、今、13名の方の御出席をいただいております。過半数を超えております。したがいまして、総合資源エネルギー調査会令第8条に基づきまして、本日の部会は成立ということになります。続きまして、本日の議題と配付資料の確認をさせていただきます。お手元に「総合エネルギー調査会原子力安全・保安部会(第29回)議事次第」と冒頭に書いてある資料がございます。そこに「3.議事」がございますけれども「(1)最近の原子力安全・保安院を巡る動向について」ということで、その下に細かく7つの議題がございます。「(2)原子力安全規制の課題の検討について」でございまして、これからの安全規制の進むべき方向について御議論いただきたいと思います。「(3)その他」でございますが、3点ございます。これに関連しまして「配付資料」として、その下に資料1から資料12まで記載をしてございます。資料1につきましては、補足資料1~3まで3点の補足資料がございます。15点の資料になりますが、お手元で御確認をいただきまして、不足がございましたら、お申し出いただければ配付をさせていただきたいと思います。よろしゅうございますでしょうか。また途中でも過不足がございましたら、お申し出いただければ、随時、対応させていただきたいと思います。なお、資料番号は付しておりませんけれども、先週の木曜日に柏崎刈羽原子力発電所1号機におきまして火災が発生いたしまして、その説明資料を配付させていただいてございます。これは別途机上に配付をさせていただいております。傍聴席の皆様に申し上げたいと思いますけれども、今、申し上げました柏崎刈羽の火災の関係の資料は、お配りした資料の中には含まれておりません。後ほど御用意をさせていただきまして、出口に置かせていただきますので、大変恐縮ではございますが、お帰りの際にお持ちいただきますようにお願い申し上げます。以上でございます。
- 村上部会長
それでは、今の御説明に従って今日の議事を進めていきたいと思います。最初に薦田原子力安全・保安院長からごあいさつをいただきます。
- 薦田院長
おはようございます。薦田でございます。本日は大変お忙しい中、御出席を賜りまして誠にありがとうございます。前回は昨年10月20日であったわけでございますけれども、それ以降、柏崎刈羽原子力発電所に関しまして大きな動きがございました。御存じのように、一番検討が進んでおりました7号機につきまして、去る2月13日に班目先生に委員長を務めていただいております中越沖地震における原子力施設に関する調査・対策委員会というところにおきまして、最終的な御確認をいただいたということから、保安院といたしましても、その起動につきまして、安全上問題がないものと判断したところでございます。当院の判断につきましては、その後、原子力安全委員会におきましても妥当である旨の見解をいただいたところでございます。これらを踏まえまして、東京電力では、既に地元自治体に対しまして運転再開の申し出を行ったところでございます。一方で、今、うちの加藤からございましたように、先週木曜日に1号機で火災が発生したところでございます。ちょうど柏崎の地震があって以来、8件目となる火災でございました。そういうことで、地元は相当不安に思っておられるところもございました。保安院といたしましても、極めて遺憾であると認識しているところでございまして、直ちに東京電力に対しまして、その原因及び再発防止策について速やかな報告を求めているところでございます。今回は、今、申し上げましたような最近の動向に関する説明に加えまして、委員の皆様方に御意見をいただきたい議題も幾つかございます。例えば安全審査等におけます審議会の中立性確保に対する御提案等でございます。今日はよろしくお願いいたします。今、申し上げましたように、前回の開催から少し時間が経っておりますので、多くの議題となっておりますけれども、申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。
- 村上部会長
薦田院長ありがとうございました。それでは、早速議事に入りたいと存じます。議事次第の「(1)最近の原子力安全・保安院を巡る動向について」ということで、7件の丸数字がございますが、例によって(1)に関して一応事務局からひと通りの御説明をいただいた上で、質疑、御議論をお願いしたいと思います。念のためでございますが、議題の数が多いので、御説明に関してはできるだけ簡潔に時間をお守りいただいて、質疑応答の時間をできるだけとらせていただくようにお願いいたします。(1)の(1)ですが、今の院長のお話にもありましたとおりでございまして「(1)新潟県中越沖地震を受けた柏崎刈羽原子力発電所に係る原子力安全・保安院の対応について(中間報告)」ということで、既に御承知のとおり、中越沖地震は平成19年7月16日に発生した地震によって、柏崎刈羽原子力発電所1号機から7号機まで全部停止しておりました。7号機に関して、今のごあいさつの中にもございましたとおり、保安部会の中の中越沖地震における原子力施設に関する調査・対策委員会、班目先生に責任をとっていただいておりますが、その委員会において、中越沖地震を受けても建屋や設備等の健全性が維持されていること、基準地震動に対して建屋や設備の安全機能は維持されているということを確認していただいております。その資料が資料1になっておりますので、事務局からの御説明はこの資料に関するものと思われますが、その他補足資料として、先ほどの御説明にありましたように1~3までも付いておりますので、適宜御参照いただきたいと思います。今の御説明にもありました、先日起こった火災についての御報告も併せてお願いしたいと思います。それでは、最初に大村原子力安全技術基盤課長から、資料1に基づいてお願いをいたします。
- 大村原子力安全技術基盤課長
資料1の中間報告は原子力安全・保安院がとりまとめたものでございますが、これに基づきまして御説明いたします。先ほど説明がございましたように、これは2月13日時点のものでとりまとめたということでございます。まず本中間報告の目的でございますけれども、4ページ目に「はじめに」とございますが、調査・対策委員会のほかにも耐震・構造設計小委員会、原子力防災小委員会といったところと連携をして検討を進めるということで、それぞれの小委員会等でかなりいろんな報告書等をとりまとめております。したがいまして、個々の報告書につきましては、全体像を示す形にはなっておらないということ、非常に専門的でもあるということで、この中間報告では、専門家でない方も含めまして、より多くの方に中越沖地震を通じた保安院の取組みを知っていただくということで、とりまとめたものでございます。時間の関係もございますので、ポイントだけをかいつまんで御説明いたします。6ページ目からでございますが、これは「第一章 検討の背景」ということで、皆様よく御存じでございますので割愛をいたしますが、ポイントは3つほどございました。6ページ目の(1)にありますように、設計時の想定を大きく超える揺れを発生したというところ。7ページ目の一番下にありますように、初動体制が必ずしもよくなかったということ。これに関しましては、8ページ目以降にありますように「(1)変圧器火災への対応の遅れ」でありますとか「(2)微量の放射性物質の漏えい」「(3)情報連絡・通報の不備」といった観点がございまして、こういうものにつきまして検討を進めてきたということでございます。18ページ目からは「第二章 地震前後の施設の運営管理の評価」ということで、地震発生時に最も重要だったのは、発電所を止める、冷やす、閉じ込めるといったことでございまして、こうした機能がどのような状態にあったのか。そのときに運転員がどのような対応をしたのかということを含めて確認を行ったということで「(1)『止める』安全機能」「(2)『冷やす』安全機能」「(3)『閉じこめる』安全機能」それぞれにつきまして、厳格に確認をしたところ、これは確保されていたということで評価をされているわけでございます。この辺りは20ページ、21ページ目に記載しております。22ページ以降ですが、今回の地震発生に伴いまして、不適合事象が幾つか発生をしておりますけれども、これにつきましても、それぞれの原因を究明をして、既に対策というものがとられているということで御報告をしております。28ページ以降は「第三章 事業者の自衛消防体制の強化」「第四章 情報連絡・提供の改善」ということで、これは自衛消防及び情報連絡・提供に関するワーキンググループの報告書が昨年の段階でまとまっておりまして、それをとりまとめたものでございます。この内容につきましては、既に本委員会においても昨年報告をしたところでございます。「第三章 事業者の自衛消防体制の強化」につきましては、29ページにございますように「i)初期消火体制の充実」「ii)消火設備の信頼性向上」等、幾つかのポイントで御指摘をいただいたということで、現在これについて対応を行っておるところでございます。32ページ以降は「第四章 情報連絡・提供の改善」ですが、ここにつきましては「(1)初動対応の問題点」「(2)対外発表の問題点」がわかりにくかった等、問題点が幾つかございました。あと、地元への情報提供が必ずしも迅速に行われなかった等、幾つかの問題点が指摘をされてございます。それに対応しまして、自衛消防ワーキンググループにおきまして、迅速な情報提供、わかりやすい情報提供等に努めるべきであるという御指摘をいただいておるところでございます。続きまして、38ページ以降に第五章がございます。これは発電所の健全性の評価ということで、今回、地震動が設計時に想定をしていた基準地震動を上回るものであったということで、発電所の健全性を評価する必要があるということで検討をしてきたものでございます。健全性の評価につきましては、39ページの真ん中ほどに(1)(2)(3)とありますように、まず機器単位で確認をする。それから、系統単位で確認をする。最後にプラント全体で評価を行う。こういう段階的な評価を行うということになってございます。47ページ以降に、一番点検が進んでおりました7号機につきまして、設備・機器・建物・構築物の健全性の評価というものがとりまとまっております。7号機につきましては、1,360の対象機器の目視点検、作動試験の対象となる約1,000の機器に対する各種の試験等が行われてございまして、保安院の方としましても、これを厳格に確認をしましたところ、47ページの下の方にありますように、機器単位での設備健全性は維持されているということで確認しております。48ページ目の真ん中辺りには、系統単位の設備につきましても、安全機能がすべて維持されているということで確認をしたわけでございます。こういった確認を経まして、プラントとして起動についての安全上の問題はないという判断に達したということでございます。48ページの下の方にございますように、こういう確認、判断につきましては、逐一、原子力安全委員会に報告をさせていただきまして、こちらの方でも確認をいただいたということでございます。51ページ目以降は「第六章 柏崎刈羽原子力発電所の耐震安全性評価等」ということで、今回、想定を超えた揺れがあったということですけれども、この揺れが発生した原因は一体何か。そういったことを踏まえて、今後、耐震性というものはどのように評価をしていくかといった検討を行ってまいりました。想定を超える大きな揺れが生じた要因につきましては、52ページ目の下以降に記載をいたしておりますけれども、震源の特性でありますとか、敷地周辺の地下の構造といった主な特徴に着目をして、揺れが大きかったという原因を究明いたしております。今後の耐震安全性ということで、57ページ目以降に活断層の評価、新たにいろいろな知見に基づきしまして、周辺の活断層につきまして各種の調査、検討というものが行われております。63ページ以降は、先ほど申しましたように、最も点検が進んでおりました7号機につきまして、耐震安全性の評価を行ったということでございます。一連の調査を通じまして、新しく設定をいたしました基準地震動に対して、安全機能が確保されるかどうかということで、7号機につきましては、厳格な検討を行った結果、評価の対象としました安全上重要な建屋・構築物・機器・配管は耐震安全性が確保されるということで判断をいたしたわけでございます。それから、耐震安全性につきましても、逐一、原子力安全委員会に御報告いたしまして、最終的には内容の御確認をいただいたということでございます。あと、今回の一連の調査、耐震安全性に関しまして、非常にいろんな知見が得られております。69ページ以降に「9.原子力発電所の耐震安全性に係る信頼性の一層の向上を図るための今後の取組みについて」というところがございます。70ページに「(1)新たな知見の反映の仕組みについて」とございますが、今回さまざまな知見が得られたわけでございますけれども、地震、耐震に関します知見の情報収集というものを今後とも継続的に行い、原子力発電所の耐震安全性評価に反映すべきものの選定等について、これは今後定期的に公開の場で検討していこうということにしてございます。特に「(2)確率論的安全評価について」は、新耐震指針においても超過確率の参照ということが求められておりまして、確率論的安全評価を検討していこうということです。71ページにございますように「(3)地震動の観測について」ということで、建物・構築物・機器・配管、地盤の地震観測というものを今後とも継続的にしっかりと行っていこう。「(4)調査・研究について」とございますけれども、これまでも各種の調査・研究を行っておりましたが、特に21年度からはいろんな耐震裕度を定量的に評価する調査・研究というものを一層拡充していこうということにいたしております。73ページ目以降は「第七章 地元への対応」ということで、地元の説明会、地元議会への説明、地域住民の会というものがございますけれども、そこに参加して地元への説明を鋭意行ってきたわけでございます。75ページ目以降「第八章 国際連携」ということで、IAEAの調査団は都合3回来日しておりまして、最新のものは昨年12月1日から5日ということで、第2次のフォローアップ調査というものが行われてございます。結論といたしましては、非常に良好な調査・対策というものが検討され、立案をされているということで、国際的にもそういった評価をいただいている状況にございます。以上、駆け足でございましたが、報告書の中身はざっとそんなところでございます。冒頭申し上げましたように、これは2月13日以前でとりまとめたということで、今後ほかの動きも含めまして、更に点検・検討は進みますので、こういった報告書につきましては、それぞれの節目で改めてとりまとめていく方針にいたしてございます。説明は以上でございます。
- 村上部会長
それでは、白石火災対策室長からお願いします。
- 白石原子力防災課火災対策室長
それでは、席上配付させていただきました資料に基づきまして、御説明させていただきたいと思います。保安院の火災対策室長の白石でございます。先週の木曜日に柏崎刈羽の第1号機におきまして火災が発生しました。それにつきまして、私どもの方で対応した概要につきまして、御説明をさせていただきたいと思います。「1.概要」でございますが、先週3月5日木曜日の午前8時57分に定期検査中の柏崎刈羽原子力発電所1号機において、原子炉建屋地下5階にあります原子炉隔離時冷却系のポンプ室内で火災が発生したものでございます。この火災は、午前9時27分、自衛消防隊により消火をされた。ポンプの分解・点検作業の準備を行っていたところ、火気作業を行っておらなかったんですけれども、作業に使用にする洗浄剤に引火したものと考えられております。初期消火を実施しました作業員が1名に病院に搬送され、左頬の軽度の火傷という診断を受けております。なお、負傷者に対する汚染等はございませんでした。また、本事象による外部への放射性物質の影響もございませんでした。保安院といたしましては、こういう火災が昨年11月から連続して発生しているということにかんがみまして、同日、東京電力に対して厳重注意を行うとともに、原因及び再発防止対策について速やかな報告を求めたところでございます。翌3月6日に保安院から、私を含め検査官を派遣し、地元の保安検査事務所の検査官とともに立入検査を実施してまいりました。「3.立入検査の結果(概要)」について、簡単ですけれども、御報告をさせていただきたいと思います。「火災の状況確認」ですけれども、現場の状況から判断しますと、原子炉隔離冷却系のポンプ室内にあります危険物保管庫内で洗浄剤の小分け作業中に可燃性蒸気が滞留し、何らかの原因で着火、火災につながった可能性が高いものと推定されます。1枚おめくりいただきますと、絵が描いてあります。左側にありますのは建物の概要でございますが、右側にあります赤い点線で囲ったところが原子炉隔離冷却系ポンプ室の危険物保管庫が置かれている場所でございます。ここにおいて火災が発生した。写真は暗くてわかりにくいところもあるんですが、右側の写真の上側、赤丸で囲っているところ、下の写真も同様に赤丸で囲ってあります。ここに保管庫があります。この中で火災が発生したということでございます。火災の状況ですけれども、原子炉隔離時冷却系のポンプ室の空調機が火災の影響を直接受けております。また、同室内には空調ダクトですとかケーブル、計装機器等が設置されておりますが、目視では影響は認められておりません。ただ、火災による熱ですとか煙、消火器を使っておりますので、そういう消火剤が飛散しておる関係もございまして、それらについての影響をこれから確認していく必要があると考えております。「協力会社の作業・管理状況」につきましては、作業員の認識を確認したところ、こういった危険物の小分け作業を保管庫内で行うことにより、可燃性蒸気がたまるということについての認識がなかった。したがいまして、こういう作業を行うことが常態化していたということがわかってまいりました。また、昨年の6、7号機の火災を踏まえた防火教育というものは、関連会社を含め計画的に実施しているところでございますけれども、やはり火気作業を行う従業員に対して優先的に講習を実施しているということがございました。今回、火気作業に従事しない作業員につきましては、関係した4名とも未受講の状況でございました。また、法令上求められているものではございませんけれども、危険物取扱者の資格というものを有していなかったという事実が判明しております。「東京電力(株)の管理状況」でございますが、危険物の管理や作業員の教員について、協力会社に任せているという状況が見られまして、東京電力の積極的な関与が不足しているという印象を受けたところでございます。それから、東京電力の方で火気専任監視員というものを元請会社等に置くことを義務づけておるところですけれども、こういった危険物取扱い作業につきましては、同様の体制にはなっていない部分がございまして、比較的、防火体制が弱いのではないかと考えられたところでございます。「自衛消防の活動、通報連絡等」につきましては、今回、自衛消防隊である当直員が、火災後、防火服と空気呼吸器を装着しまして、消火器による消火作業を行うなど迅速に対応ができていたということでございまして、これは柏崎刈羽の教訓を踏まえて、さまざまな自衛消防の強化を行っておりますけれども、その中での訓練等の成果が表れていると考えられる部分でございます。以上、簡単でございますけれども、先週の火災事例について御説明を申し上げました。
- 村上部会長
ありがとうございました。御質問その他あるかもしれませんが、先ほど申しましたとおり(1)の御説明がすべて終わった後で御質疑をお願いしたいと思いますので、続きまして、議題(1)の「(2)耐震バックチェックに係る検討状況について」ということで、森山原子力発電安全審査課長からお願いいたします。
- 森山原子力発電安全審査課長
それでは、資料2に沿いまして御説明いたします。A3横長の1枚紙、表裏の資料でございます。「1.耐震バックチェック作業の現状」でございますけれども、平成18年9月に改訂されました新耐震指針を踏まえまして、各事業者におきましては、地質調査をもう一度やり直して、それぞれの発電所において耐震安全性評価の前提となります基準地震動を策定しています。これに基づきまして、昨年3月末までに、少なくとも各サイトごと1プラント以上を選定して評価を行って、いずれも耐震安全性は確保されるといった報告がなされたところでございます。その他のプラントにつきましても、現在、事業者において鋭意評価作業が進められておりまして、3月以降、順次報告されるという状況にございます。「2.保安院における評価作業の状況」でございますが、この保安部会の下の耐震・構造設計小委員会の下にサブグループを設置いただきました。裏の方に体制図を書いてございますが、地震の関係で3つ、構造関係で3つ、計6つのサブグループを設置いただきまして、精力的に御審議をいただいているという状況にございます。現在の進捗状況でございますが、1ページ目の右側に表にしてございます。各事業者が策定いたしました基準地震動につきましては、いずれも従来の旧指針に基づくものに比べて引き上げられているということでございますが、保安院といたしましては、これまで2つのサイトについて評価を終えております。まず1つは志賀原子力発電所の2号機、それから、島根原子力発電所の1、2号機でございます。いずれも耐震安全性は確保されるという報告書をとりまとめて、原子力安全委員会にも報告いたしました。このうち志賀につきましては、原子力安全委員会におきましても耐震安全性は確保されるという見解をとりまとめていただいております。そのほかのサイトでございますが、現在、評価報告書の案の作成にとりかかっておりますのが、泊、伊方でございます。現在、案をサブグループにお示しして御審議をいただいているところでございます。また報告書の案までには至っておりませんけれども、敦賀、美浜、高浜、大飯、もんじゅにつきましては、この地域は活断層の数も多く、また隣接した活断層もあるということで、まずは活断層の特に連続性という観点から中間的な整理をして御審議をいただき、事業者において、昨年3月までに報告された基準地震動を見直して提出されています。これについて、現在、更に評価を実施しているという状況にございます。そのほかの発電所につきましても、順次報告書のとりまとめ、あるいは中間的な整理をやっていきたいと思っております。既に昨年3月から1年近く経っておりますので、若干、最終的なとりまとめには時間がかかる場合であっても、中間的にでもどこまで確認できたのかということをできるだけ早く整理をして公表していきたいと思っております。簡単でございますが、以上で御説明を終わらせていただきます。
- 村上部会長
ありがとうございました。(1)の3つ目でございます。「(3)新検査制度の運用開始について」は、山本原子力発電検査課長からお願いします。
- 山本原子力発電検査課長
それでは、お手元の資料3をごらんください。「新検査制度の運用開始について」というものでございます。新しい検査制度、いわゆる新検査制度につきましては、昨年8月に関係省令を公布いたしまして、本年1月1日から制度が施行になっているものでございます。新しい検査制度におきましては、原子力発電設備の多様な機器についての保全を的確にやっていくということで、保全計画書というものを作成いたしまして、定期検査の前に事前に国に届け出るという仕組みになっているものでございます。保全計画といいますのは、設備の重要度あるいはこれまでの運転経験、機器の劣化状況といったものを十分踏まえた上で、機器ごとの保全の方式・内容といったものを適切に設定するもの、あるいは状態監視のものを取り入れるようなもの、そういう保全計画書という形になっておるものがございます。2のところでございますが、今年、制度施行になって以降、1月9日に関西電力の美浜発電所2号機の保全計画書が提出されまして、それ以降、順次計画が出てきているところでございます。今回の保全計画書につきまして、これまで提出されている発電所はすべて13か月の運転間隔を前提としているものでございます。運転期間を延長するという計画のものはまだ出てきておりません。今後、運転期間を延長するという保全計画も当然出てくるかとは考えておりますけれども、いずれにしましても、私ども保安院といたしましては、こういう保全計画の内容をきちっと確認し、内容の妥当性を確認していきたいと考えているところでございます。2ページ目でございますが、新検査制度のもう一つの大きな特徴としまして、保全活動の総合評価というものを実施してまいりたいと思っております。これは発電所の安全実績、保全活動を総合的に評価するということで、定量的な指標でありますPI評価、あるいは私どもの保安検査、定期検査などで明らかになりました安全上重要な事項、SDP評価と呼んでおりますけれども、こういったものを組み合わせた総合評価を実施することにしてございます。本格運用は22年度から予定をしておりまして、21年度はまずこの試運用を開始していきたいと考えているところでございます。新検査制度につきましては、以上でございます。
- 村上部会長
ありがとうございました。議題(1)の4つ目「(4)『もんじゅ』に関する最近くの状況について」です。これは資料4ですが、同じく山本原子力発電検査課長お願いいたします。
- 山本原子力発電検査課長
今度は、資料4「『もんじゅ』に関する最近の動向」という資料をごらんいただければと思います。高速増殖原型炉もんじゅにつきましては、現在、長期停止をしている状況でございます。1に書いてございますように、昨年3月に発生をいたしました接触型ナトリウム漏えい検出器の誤警報を契機にいたしまして、原子力機構の通報連絡体制あるいは組織面でのいろいろな課題が明らかになったところでございます。そのため、原子力機構におきましては、昨年7月にこういった課題を改善するために行動計画を策定して取組み、対応を進めているところでございます。保安院におきましては、これを特別な保安検査ということで、四半期に一度ごとの頻度になりますけれども、内容、進捗状況について確認を行っているといったところでございます。また、その状況につきましても、保安部会の下に置かれておりますもんじゅの安全性確認検討会といったところでも御報告し、御審議いただいているところでございます。現在、長期に停止をしておりまして、各点検をしておるところでございます。特に設備の保全という観点からの対応を見てまいりますと、もんじゅの設備の一部であります屋外排気ダクトといったところにおきまして、穴があくというような損傷などが発見されたところでございます。そういった中で、もんじゅにおけます保全管理の体制について課題があるということで、現在もいろいろと対応を進めているといったところでございます。次のページでございますが、耐震バックチェックの関係です。これは先ほど全体のバックチェックの御説明の中でも触れていただきましたけれども、もんじゅにつきましても若狭地域に含められるということで、近傍の発電所と併せて地層、断層の評価、基準地震動の設定といったものを検討し、耐震安全性の評価を行い、国としてはバックチェックをきちっとやっているところでございます。排気ダクトの腐食孔は先ほど申しました点でございますけれども、これは腐食による大きな穴があいていたということで、今、保全活動の見直しなど対応を進めているところでございます。「5.安全管理体制の強化」と書いてございますが、先ほど組織面での課題がいろいろあるということが明らかになりましたので、特にプラントの保守管理を行う体制を強化いたしまして、機構内の優秀な人材も含めた形での体制の強化、人数の強化、指揮命令系統、マネージメントの改善といったところでの対応がなされておりまして、これを行う組織体制については保安規定として認可したところでございます。もんじゅに関しては、以上でございます。
- 村上部会長
ありがとうございました。次は資料5ですが「(5)『六ヶ所再処理施設』に関する最近の状況について」ということで、これは石井核燃料サイクル規制課長からお願いいたします。
- 石井核燃料サイクル規制課長
それでは、資料5に基づきまして、六ヶ所再処理施設の状況について御報告申し上げます。六ヶ所再処理施設は、使用前検査の最終段階、アクティブ試験を実施しているところでございます。一番下のところにございますが、3年前になります。18年3月からアクティブ試験を開始してございます。昨年2月から第5ステップに入っているところでございます。この中では、特に第4ステップで十分な結果が得られませんでした。高レベル廃液のガラス固化設備の溶融炉の安定運転の条件の確認が課題になってございました。しかしながら、昨年7月に流下トラブルがあって、試験運転が停止してございました。前回の保安部会の際には、これが再開をしたような段階で御報告をしたかと思います。これについて、10月27日に運転状況の報告というものが保安院にございました。これについては、11月4日に再処理ワーキンググループを開催しているところでございます。しかしながら、この報告の段階で既に白金属の指標が悪化しているという状況でございまして、2つ目の項目のところにございますが、ちょうど廃液の中に不溶解残渣と言われている高レベル廃液の一部が入った段階で溶融炉内の環境が悪化し、その後、洗浄運転または炉底撹拌という形で改善を図っていたところでございますが、11月24日、今度は撹拌棒が抜けなくなるという状況になりまして、試験運転は中断し、液位を下げて棒を調べましたところ、棒が約90度に曲がっていることが確認され、溶融炉内部にも損傷の可能性があることから、翌日、保安院に法令報告がなされたところでございます。19日には経過報告書が出されてございますが、その後、撹拌棒を撤去して炉内の観察、これはITVのカメラを入れて見ましたところ、耐火レンガが損傷している、レンガが1つ落ちた状態であることが確認されているところでございます。この辺りは、別紙1、別紙2に出てございます。こういった状況でございまして、今度は溶融炉内のドレーンアウト、中にあります廃液を押し出すという操作をするための準備作業を行っておりましたところ、この準備作業としてやりましたのは、溶融炉の下部のノズルの中の廃液をドリルで落として流下が確実にできる状況、特に中にレンガなどが詰まっていますと流下に支障を来すということで、そういった準備作業をしていました。その後の平成21年、今年に入りまして1月でございますが、今度は固化セル内で取り外しておりました機器の一部のところ、これは廃液が本来ないはずのところでございますが、閉止フランジから廃液が漏えいし、これを一度回収しました後、再度2月1日にわずかではございますが、高レベル廃液が再漏えいするという事象がございました。セルの中での廃液の漏えいというのは、セルの中、空調系は特別にフィルターなどで放射性物質を除去する仕組みになってございますので、直ちに安全上問題になるというものではございませんが、本来、系統内に閉じ込められておくべき高レベル廃液がセル内とはいえ漏えいしたということは、非常に大きな問題であるということから、保安院の方から口頭で報告を指示いたしました。これらについては、1月30日、2月10日に報告書が提出され、またその改正版が2月24日に提出されているところでございます。またこれらについての組織要因、根本原因分析をきちっとやって、その結果をきちっと反映させるということから、更にまだ検討が継続されているところでございます。保安院といたしましては、この報告書の内容または今後出される報告書について内容を精査していくところでございます。また溶融炉内の損傷のトラブルについても、引き続き原因究明、その対策の報告がなされる予定でございますので、これらについてきちっと精査をしていく予定でございます。続きまして、2ページ目でございます。「2.工事計画変更届出の受理」でございますが、昨年11月の段階で竣工時期を20年11月から21年2月に変更する届出がございました。更に本年1月でございますが、竣工時期を2月から本年8月に変更するという届出が出されているところでございます。「3.品質保証体制について」は、六ヶ所再処理施設総点検に関する検討会でございます。先ほどのトラブル等についての原因究明の状況でございますとか、不適合の対応、組織要因の検討などがきちっとできているかどうか、今後3月から4月に予定をしております次回の検討会で検討する予定にしているところでございます。続きまして、4の放射性物質の放出に関する評価でございます。これらについては、前回の保安部会におきまして、東嶋先生から保安院としてもきちっと対外的に説明していくべきであるということから御質問がございました。これらについて、後ろから4枚目でございますが、放出放射性物質の評価等についてという別紙4という資料がございます。前回、口頭で御説明したものを資料にまとめたものでございます。放射性物質の放出、更には環境中のモニタリングの状況についての事業者の取組みはホームページに出ているほか、2枚ほどめくりますと別添で付いてございます。これは縮小コピーしたものでございますが、新聞の折り込み広告による地元での説明の状況等の資料でございます。また地元自治体におきましても、県のモニタリングの評価会議の開催、新聞広告などもなされているところでございます。保安院においては、小委員会の中での評価、更には事業者からの報告書の報告などを安全委員会へ行っているところでございます。こういった形で、私どもとしても、できる限り状況について御報告また公開しているところでございますので、御理解いただきたいと思います。以上でございます。
- 村上部会長
ありがとうございました。それでは、6つ目の「(6)国際原子力安全ワーキンググループ報告書とりまとめについて」ということで、森田国際室長から御説明をお願いいたします。
- 森田国際室長
それでは、お手元の資料6に沿いまして、御説明させていただきます。昨年10月の本部会で国際原子力安全ワーキンググループの検討状況について御説明させていただきました。骨子案を使わせていただきました。その後、12月に第4回の国際原子力安全ワーキンググループを開催いたしまして、そこで案をとりまとめ、また上位にある基盤小委員会にもお諮り申しあげました。今年に入りまして、広くパブリック・コメントにおかけいたしまして、先月の2月に報告書はとりまとまってございますので、御報告いたします。主たるポイントだけかいつまみますと、4ページ目でございます。やはり国際的に原子力安全活動をするに当たって、我が国の特徴といいますか問題意識を書いてございます。「(1)我が国の優位性を発揮した国際原子力安全活動」は、前回の骨子案からつけ加わった点でございますので御説明させていただきますと、我が国は米仏と並んで3極の1つである。またスリーマイルアイランド、チェルノブイリがあって、欧米で原子力の建設・運転が停滞する中にあっても、我が国は継続的に建設・運転を行ってきた。ゆえに高経年化、長期運転に伴う施設設備のノウハウを持っているということでございます。また2001年には保安院、2003年にはJNESという組織ができて、組織的にも国民のエージェントとして透明性、説明責任を果たすために試行錯誤を重ねながらやってきたということを書いてございます。また、技術基準の性能規定化というものを行って、最新技術の迅速な取り込みをやっている。先ほどの柏崎刈羽の地震に関しましては、国際的には止める、冷やす、閉じ込めるという基本的な安全機能は確保されて、我が国の耐震技術・ノウハウの優位性が確認されているということでございます。こういった我が国の世界における立ち位置というものを確認しながら、この報告書をまとめました。ずっと飛んでいただきますと、結論は18ページになります。これが本報告書の結論でございますが、3つの基本的方針を掲げました。これは実は昨年御報告申し上げたものと考え方は変わってございません。1つ目は「(1)原子力安全の高度化に向けた原子力発電主要国との相補的な活動の展開」ということで、いわゆる欧米等の主要国との関係でございます。2つ目が「(2)国際機関における活動の強化と成果の活用」。これはIAEA等の国際機関を重視するということでございます。3つ目として「(3)原子力発電新興国等との連携・協力の強化」ということで、アジアを中心とした新たに原子力発電を導入する国への協力をうたってございます。一つひとつの説明は割愛いたしますが、項目名だけ見ていきます。1つ目の柱は、18ページの下の方で(1)人材交流・情報共有を今後ともやっていくということ。19ページにいきまして、安全研究協力についても推進していきます。我が国は高経年化、高燃焼度燃料の分野において強みを持っておりますので、安全研究も進めてまいります。また、こういった海外に発信するのみならず、それによって得られた知見というものを国内の安全規制の高度化にも資していくということで(3)を書いてございます。(4)として、TSO間、我が国でいいますとJNESが中心ではあるわけですが、こういったTSO間の協力を推進していこうということが書いてございます。2つ目の柱であります「(2)国際機関における活動の強化と成果の活用」につきましては、20ページ以降でございます。IAEAの安全基準策定活動、特に我が国は耐震の分野で強みがございますので、積極的に貢献していく。IAEAの中には、昨年、国際耐震安全センターというものが設立されておりますので、資金面・人材面を含め、より貢献していくということでございます。また、OECD/NEAにおける活動におきましても、特に新規設計炉に関する協力、MDEPと言われておりますが、こういった分野での協力を加速していく。その他運転経験フィードバックやIRSの活用、リスク情報を活用した規制の追求等にも取り組んでまいります。また、クリアリングハウスというものは我が国においても構築していくべきではないかということを提案してございます。3つ目の柱「(3)原子力発電新興国等との連携・協力の強化」は、21ページ以降でございます。(1)としまして、アジアの各国の発展段階に応じましてニーズもさまざまでございますので、そういったニーズを踏まえながら協力をしていく。特に(2)でございますが、我が国は長い経験に基づく安全審査、検査情報等を蓄積してございますので、そういったものを安全規制機関に提供していくということでございます。「(3)事故・トラブルに対する情報共有体制等の構築」でございますが、近隣諸国の場合、緊急事態に至らないような状況の情報であっても、断片的な情報によって国民に不安をもたらすことが考えられますので、そういったささいな情報につきましても、情報共有ネットワークの構築を主導して、アジア全体で安心できる体制を構築していきたいということでございます。22ページにいっていただきまして、(4)のアジアとの協力におきまして、我が国の国内の施設を活用していこうということが書いてございます。最後3でございますが、こういった具体的取組みを実施するに当たりまして、やはり体制の整備というものが欠かせません。これは安全規制機関だけでは十分ではなく、研究開発機関や学協会、産業界、地域など広範なステークホルダーとの連携・協力が不可欠であります。したがって、原子力安全・保安院がこの活動の具体的方向性を示しながら、JNESが中心となりまして、各ステークホルダーが当事者としての役割を果たすことができるように必要な情報の収集、連携を図っていきたいということでございます。今後この報告書に基づきまして、取組みを具体化していく予定でございます。以上でございます。
- 村上部会長
それでは、最後の話題です。同じく国際動向ですが「(7)最近の国際動向について」ということで、森田国際室長からお願いいたします。
- 森田国際室長
それでは、資料7に沿いまして、御説明させていただきます。「最近の原子力安全を巡る国際動向」でございます。この構成は、今、申し上げました報告書の構成に沿いまして、3本の基本的方針に沿ってございます。1つ目は「1.国際機関における活動の強化と成果の活用」を御説明させていただきます。廃棄物安全条約検討会合というものがございます。これは本年5月11日からウィーンにおいて開催されます。昨年、今回の検討会合を進めるための議長選挙というものがございまして、我が国から早田原子力安全委員が立候補しまして、議長に選出されております。我が国としては、主要な発電国の1つでありますので、早田議長のリードの下で行われるこの検討会合が成功するように取り組んでまいる所存でございます。次にIRRS、総合的規制評価サービスのフォローアップという作業がございます。IAEAは2006年以降、総合的規制評価サービスというものを実施しておりまして、IAEAは多くの国に次々と評価サービスを行っております。我が国も2007年に本調査を受け入れてございます。これは2年後にフォローアップを受けることになっておりまして、来年度中にも我が国としてフォローアップ調査を受け入れる予定でございます。3つ目、IAEA国際耐震安全センターについてでございます。先ほども少々申し上げましたが、昨年のIAEA総会期間中に国際耐震安全センターがIAEAに設立されてございます。我が国としましては、地震国である発電主要国でございますので、諸外国に比しても緻密でレベルの高い耐震評価を蓄積してございます。既に最大拠出国として資金的・人的貢献を行っておりますが、今後とも積極的な連携・協力を行っていきます。当該センターの活動を我が国で実施することも考えてございます。次は「2.原子力発電主要国との相補的な活動の展開」でございます。MDEPという多国間設計評価プログラムがございます。来週3月12日にアメリカのワシントンにおいて、第3回の政策グループが開催される予定でございまして、保安院からも積極的に参加する予定でございます。裏にいっていただきまして「2)航空機衝突」の話がございます。2001年9月11日の米国の同時多発テロ以降、米国NRCは航空機衝突に対する検討を進めてまいりました。本年2月、新規設計炉につきまして航空機衝突の影響評価を求める規則の改定案を承認してございます。米国では、今後、新規設計炉の申請者に対して4つの重要な安全機能、すなわち炉心冷却機能、格納容器健全性、使用済み燃料冷却機能、使用済み燃料貯蔵プール健全性に係る影響評価を求めることになっております。我が国としましては、今後の対応に備え、米国を始め国際的な動向の調査を進める予定でございます。3つ目は「(3)原子力発電新興国等との連携・協力の強化」でございます。ANSN、アジア原子力安全ネットワークというものがございます。本年4月にはソウルにおいて第2回の戦略対話が予定されております。我が国としても、より高いレベルの参加を通じまして、アジアの原子力の安全確保の取組みをリードしていく予定でございます。次に、日中韓上級規制者会合というものがございます。これは昨年9月に我が国が主催いたしまして、日中韓の規制当局のトップが初めて一堂に会しまして、会合を開催したわけです。本年5月を目途に、アルファベット順でJの次はKということで、今度は韓国の番になるわけですけれども、第2回の上級規制者会合を開催する予定でございます。以上でございます。
- 村上部会長
ありがとうございました。大変広範にわたるトピックスで、本当ならトピックスの1から順番に質疑を重ねた方がよろしいのかもしれませんが、時間の関係もございますので、とりたててトピックスを指定せずに、どこからでも委員の皆様の御発言をお願いしたいと存じます。例によりまして、御発言希望の方は名札をおたてくださいますようにお願いいたします。武黒委員、どうぞ。
- 武黒委員
東京電力の武黒でございます。先ほど御説明がありましたように、柏崎刈羽原子力発電所では耐震安全性に関する評価につきまして、保安院始め多くの専門の先生方に大変精力的に検討、御評価をいただき、特に7号機につきましては、起動に当たって安全上の問題はないという御判断をいただいて、またその判断の内容につきましては、保安院から今も地域の皆様には大変丁寧な説明等をしていただいているところでございますが、そのさなか1号機の原子炉建屋におきまして、火災を発生させてしまい、皆様に大変御迷惑と御心配をおかけしていることを、この場をかりて深くおわびを申し上げます。今回の原因につきましては、危険物の取扱いに不適切、不徹底があったと私どもも認識しておりまして、こうした事柄の再発防止を確実に果たすべく、従来の対策を上回る徹底した対策を講じるよう、今、検討中でございます。至近のうちにとりまとめまして、直ちに実施してまいります。なお、現在は危険物、火気作業はすべて停止をしているところでございます。今後、危険要因の排除、厳格な管理等につきまして、直ちに実施してまいりたいと考えております。また、加えまして、院長からも御指摘がございましたが、地震以降、火災が機器の取扱い不良も含めて発生いたしておりますので、こうした点の発生を防止して抜本的な対策を継続的に実施するという観点から、社外のいろいろな専門家の方にもお入りいただいて、より抜本的な対策を検討して実施してまいる所存でございますので、引き続き御指導のほどよろしくお願い申し上げます。
- 村上部会長
どうもありがとうございました。ほかに御発言の希望はございませんか。丸山委員、どうぞ。
- 丸山委員
少しお伺いしたいことがありまして、御質問させていただきます。技術的な問題は多分ある程度スケジュールがわかって、これとこれをやっていくと次はここができて、今までも既に安全性の確認がかなりされていますが、一般の人たちの理解の仕方というか理解を得るところの見通しみたいなものは、住民の説明会等をかなりやられているということを報告書で拝見しましたが、その辺の見通しとかめどというのは保安院はどういうふうに考えているんでしょうか。
- 山本原子力発電検査課長
柏崎刈羽の件でございますが、まず現時点では国の評価が終わっているという状況でございます。柏崎刈羽地域の皆様への御説明は、実は本日も実施しているところでございます。運転の再開に当たりましては、新潟県、柏崎市、刈羽村の3つの自治体と東京電力の間に安全協定がございまして、運転再開に当たっては地元の了解が必要であるということになってございます。既に東京電力では地元への申し入れを実施されているわけでございますが、それを受けて、今、地元自治体で御検討していただいているという状況になっております。一方、新潟県におかれましては、県の技術委員会という専門家の先生方からなる委員会が組織されておりまして、耐震安全性あるいは設備健全性、地盤・地震に関する御検討をいただいております。この委員会の議論が両論併記という形で意見が集約されて、御議論いただいているところでございます。またこれがどういうタイミングでまとまるかというのはまだ見えないところがございますけれども、まずこういった県の技術委員会の議論をとりまとめ、それを踏まえた上で地方自治体の首長さんの御判断がなされていくんだろうと考えております。柏崎市におきましては、現在、私ども保安院と柏崎市との共催で6回ぐらいの説明会を実施しているところでございますけれども、そういった形で理解活動を進めているところでございます。したがいまして、いつごろまでというスケジュールは難しいところでございますけれども、そういう課題を一つひとつ、あるいは理解活動を進めていくことによって、しかるべきタイミングで首長さんに御判断をしていただくということになるのではないかと考えております。
- 村上部会長
山本課長ありがとうございました。ほかにございますか。飯塚委員、お願いいたします。
- 飯塚委員
関連しているんですが、地元とか社会に対して説明する際の説明の仕方みたいなものをお伺いしたいと思います。専門家が集まってきて、かなりいろんなことをちゃんと考えて、これだけたくさんやっているから大丈夫だという感じの説明の仕方は勿論あると思いますし、一方では、こういう対象について評価しなければいけない、その根拠はここにある。それについてこういう側面に懸念があるから、こういう項目を選んでいて、こんな特性はいいと思っているんだ。それはこんな方法でやる必要がある。例えば、はかる場所であるとか誤差のことを考えたら、こういうふうにしなければいけないんだというような、何かを評価する際に考えなければいけないことについて十分にわかっていてやっているんだということを説明する。これは難しくなってしまうという欠点があるわけですけれども、地元で説明する際どちらのスタンスでやっていらっしゃるのか、ちょっと関心があります。これはうまく組み合わせないといけないところがあって、最初の方でやりますと、下手をすると、だますわけではないんだけれども、多少科学的でなくなるかもしれないんですが、後ろの方でいくと、非常に論理的かもしれないけれども、要はわかりにくいところが出てきてしまうわけです。どんなスタンスでやっていらっしゃるのか、お聞かせ願いませんでしょうか。
- 村上部会長
これも山本課長でよろしゅうございますか。
- 山本原子力発電検査課長
柏崎刈羽の評価は耐震の安全性、設備の健全性と2つの観点から検討してございます。いずれも技術的、専門的なところがございますが、先ほど御説明がありましたように、調査・対策検討委員会が昨年1月からスタートしておりまして、その下にそれぞれ専門のワーキンググループなどを設置してございます。まずこういうところの検討の過程につきましては、すべて公開で行っていく、透明性を確保するという形で実施してございます。どういうところに課題があるのか。そのためのデータがどういう状況になっているか。これを一つひとつ審議してまいるわけでございますが、そういう検討の過程を公開していくということが1つでございます。もう一つ、地元の説明に当たりましては、昨年2月からだと思いますけれども、まだ結論が出ていない途中段階ではございますが、ここまで検討が済んだといったことについて地元の説明会をほぼ毎月1回のペースで開催させていただいております。そういう意味で、地元の皆様に検討の過程をまず見ていただく、あるいは御理解いただくという形で進めてきたところでございます。今回の2月の段階で7号機についてまとめができましたので、それを御報告しているところでございます。最後の結論だけを一方的に説明するのではなく、過程を見せることによって御理解をしていただくということが大事と考えているところでございます。
- 森山原子力発電安全審査課長
補足させていただきますが、今、申し上げましたように、これまで地元説明会を10回以上進めてきております。その中でたくさん御疑問をいただいております。それから、地元の各団体からもいろんな申し入れや御疑問をいただいています。そういったことをワーキンググループの中でも御議論いただいて、できるだけそういった御疑問に答えるというスタイルで、これまでの説明会も積み重ねきております。また、県の技術委員会でいろんな論点が出されておりますが、その論点に対して保安院はどう考えているのかということで、どちらかというと飯塚委員がおっしゃいました後者に力点を置きながら、地元の疑問に答えるというスタイルでやっております。先週末からもそういった説明会をやっておりますが、そこに力点を置きながら説明をしてきているということでございます。
- 村上部会長
森山課長、ありがとうございました。私がこういうことを言えるのかどうかわかりませんが、今の問題というのは専門家と非専門家の間の知識をどういうふうにつないでいくかという大変深刻な問題であって、専門家が知識を持っている、非専門家は知識を持っていない。持っている者が持っていない方へ知識を流せば、アクセプタンスや理解が可能かどうかということに関しては、現在でもかなり多くの疑問が学問的にも出ているところでございまして、その辺もいずれ何かの形でフィードバックしながら進めていきたいと思っております。ありがとうございました。長見委員、どうぞ。
- 長見委員
ありがとうございます。今の非専門家の方に私は入るんですけれども、非専門家の人たち、特に地元の人たちは、技術的な御説明をされたら、ある程度専門家の方たちが言うんだからといって信じようと思っていらっしゃると思います。ただ、もんじゅや六ヶ所、特に最近の東電の火災の事故のような、比較的非専門家でも少しはわかる原因によるものですと、やはり不安になってしまいます。ですから、まずそういう細かい原則的なところのトラブルが起こってこないように、そういうことを防いでいくことが大きな信頼を生んでいくことでありまして、次々と細かい、かなり初歩的なトラブルが出てくることが一番の不安を呼ぶような感じがいたします。その辺のところは、保安院の方の立場、第三者の立場でどういうチェックをしていくかのというのはわかりませんけれども、その辺も十分注意していただきたいと思います。
- 村上部会長
ありがとうございました。今のことについて、何かお答えありますか。よろしいですか。御注意として、ある意味では初歩的な問題がときどき起こっているということを十分考えてほしいという御発言だったと思います。これは大変重要な指摘だと思いますので、私どもも拳々服膺してまいります。首藤委員、どうぞ。
- 首藤委員
大きな流れは同じことなんですが、ちょっと違う資料についての御質問です。資料3の「新検査制度の運用開始について」の2ページ目に「3.保安活動総合評価の試運用について」ということが記載されておりまして、これも恐らく各プラントの状態、保安活動の状態を一般の方にわかりやすく示そうという目的では、今まで御議論いただいていたことと非常に近いと思っております。お伺いしたい点は、21年度に試運用を行って、22年度から本格導入ということなのですが、21年度の試運用で、試みで運用するということは何らかの形で評価をしなければいけないということだと思うんですが、その評価の中に総合評価の情報の将来的な受け手である一般の方々とか、そういった方の御意見をどのように入れようとお考えなのか、そこを教えていただければと思います。
- 村上部会長
これは山本課長でございましょうか。
- 山本原子力発電検査課長
ありがとうございます。総合評価のねらいは、プラントの評価をできるだけ客観的に評価し、そのプラントの強み、弱みを評価していこうということです。もう一つ、評価した結果については、私ども国の規制当局が行います検査のやり方に反映する。そういうためにこれを実施していこうというものでございます。客観性ということも必要になってまいりますので、この大きな視点はPI評価、すなわち事故・トラブルの件数であるとか、あるいはLCOといいまして、制限上の逸脱をいたしました回数であるとか放射線レベルの程度とか、そういう定量的な評価をしていくのがまずPI評価でございます。SDP評価につきましては、私どもの保安検査、定期検査などによりまして、いろいろ課題を見つけることがございます。場合によっては、保安規定違反のような事案もございますが、そういった事案に対して一定の安全に対する影響評価をいたしまして、これも最終的に指標化してまいります。こういう形でプラントの評価をできるだけ客観的に評価し、どういったところに課題があるかということを見ていこうというものでございます。21年度は試運用という形で、全プラントについて逐次実施してまいります。それから、基となりますデータも蓄積いたしまして評価したものと、実際のものがどこまで的確に評価できているかというレビューをしながら試運用をしていきたいと考えてございます。この結果については、内容の精度にもよりますけれども、できるだけ公開できるような形にもっていきたいと考えているところでございます。勿論、住んでおられる地元の方々も場合によっては非常に関心を持っておられるケースもございますので、試運用の結果については、検査官事務所あるいは私どもから直接かもしれませんけれども、公開できるものについては、地元の方にも結果についてお知らせをしていくというようなことも当然のことながらやっていかなければならないと考えているところでございます。ただ、まだ試運用の段階でございますので、制度その他についてはいろいろ検討するところがございますから、そういったやり方についても引き続き検討していきたいと考えているところでございます。以上でございます。
- 村上部会長
ありがとうございました。飯塚委員、どうぞ。
- 飯塚委員
すみません。保安院がどういうふうにごらんになっているかお伺いしたいと思ったんですけれども、六ヶ所再処理施設の方なんですが、いろんなことが起きています。私はどういう状況が知らないんですが、もんじゅの方については委員だったりするのでわかっていて、やはりいろんな理由があります。しようがないものもあるんだけれども、組織要因的なこと、背景要因があるという感じはします。六ヶ所の再処理施設の方でいろんなことが起きているという状況に関して、どんなふうに認識、理解されているのか。ここで起きていることは、言ってみればたまたま起きたというか運が悪いという問題なのか、それともそこに組織上の問題というか、どのぐらい重要だと思っているかとか体質的な問題とかそういうことがあるのかどうか。どんなふうに認識されているのかお聞かせ願いないでしょうか。
- 村上部会長
それでは、石井核燃料サイクル規制課長からお願いします。
- 石井核燃料サイクル規制課長
六ヶ所再処理施設につきましては、もともとの経緯を言えばプールの漏えいです。プールの冷却水の漏えいのときに、やはり組織としてきちっとやらなければいけないということで、六ヶ所再処理施設総点検に関する検討会を設置いたしまして、今、定期的にその場で品質保証体制の向上について議論をしているところでございます。今日いろいろ御紹介したものについて、委員会の中でも意見が出たものもございますが、小さいトラブルについては、根本原因分析、いろいろな取組みをしていますという紹介はございました。しかしながら、例えば流下の不調とかそういったものがなぜ起きたのかというところについては、やはり根本原因分析といいますか、組織要因を指摘してきちっと見なければ、一つひとつの事象は別な出来事ではあるものの、共通的にそのようになっているものがあるのではないかという視点で見るべきだろうという御意見も出てございます。そういったことから、次回のこの検討会では廃液の漏えいの話、流下に当たっての不調といいますか、それに加えて撹拌棒が曲がったこと、更にはレンガが落ちたということ、これらがそれぞれ別な出来事であるものの、きちっと組織要因までさかのぼって問題点を見ていく予定でございます。特に共通的な問題をきちっと洗い出して、今後対応していくべきだと考えてございまして、恐らく3月末から4月に開催する会、またもう一回6月ごろの2回かけて、それを検討していく必要があると考えるところでございます。以上でございます。
- 村上部会長
ありがとうございました。ほかに特に御発言がなければ、議題を次に進めたいと思いますが、よろしゅうございますか。いただいた貴重な御意見は聞き置くのではなくて、これからどんなふうにそれを実現していくかということ、どういうふうに反映していくかということに関して、今後もこちらにフィードバックしながら進めてまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。それでは、議題(2)に移りたいと存じます。「(2)原子力安全規制の課題の検討について」ということでございまして、前回にも問題提起をいたしましたけれども、平成13年の報告書の提言に関する検証、言わば自己反省を行うとともに、今後の課題について整理をするということで、多少前回も御説明いたしましたし、御意見も賜りました。その結果として、現在、事務局において検討をしていただいておりますので、その体制や内容、スケジュールについて、大村原子力安全技術基盤課長から御説明をお願いしたいと思います。
- 大村原子力安全技術基盤課長
それでは、資料8に基づきまして御説明をいたします。「原子力安全規制の課題の検討について」ということで、今、紹介がございましたように、前回のこの部会におきましても、規制の課題の検討についてやっていきたいということでいろいろ御意見をいただいたところでございます。「1.原子力安全規制の課題に係る検討項目とその背景」ということで、まずどういった観点、どういったスコープで検討していくのかということで、幾つかの視点をもう一度整理しております。1つ目は「(1)これまでの安全規制施策を踏まえた今後の取組みについて」ということで、今、御紹介がございましたように、平成13年に本部会におきまして、安全基盤の確保についてという提言をいただいております。あと、過去数年間にわたりまして、種々の事故・トラブルへの経験がございまして、さまざまな施策に取り組んできたということで、前回、資料でも一覧表で主立った活動を御紹介いたしておりますけれども、例えば検査制度の高度化ということで、新しい監査型の検査への移行はずっと進めてきたということでございます。高経年化対策の充実強化、技術基準類につきましても、性能規定化等を鋭意行ってまいりました。防災関係では、JCOウラン加工施設の臨界事故もございまして、オフサイトセンターの整備に着手いたしまして、それを利用しまして防災訓練なども行ってきた。廃棄物につきましては、法令の改正などを行いまして、処分事業につきまして体制を整えた等、これまでいろんな課題につきまして鋭意取り組んできたということがございます。そういうものを踏まえまして、今後の規制課題を検討するに当たりましては、以下のような視点も念頭に置きつつということで(2)以降です。ただ、その前にこれまでの安全規制施策の実施状況、経験、教訓等を整理することから始めることが適当であるということで、現在、作業を実施しているところでございます。「(2)より高度・先進的な安全規制及び安全技術の導入について」ということで、前回の説明でも少し御紹介をいたしましたけれども、近年のエネルギー問題、地球環境問題等を背景に、国際的には原子力を一層高度に利用していこうという動きがかなり大きな動きなっていると認識しております。そういった意味では、原子力安全を取り巻く非常に大きな環境変化が生じているのではないかと感じております。それから、中越沖地震を始めとしまして、新たな知見が得られておりますし、国際的にも安全も含めて、最新の原子力技術の開発・実用化といったような技術面での大きな進歩もあると認識しております。ただ、一方、我が国の状況を見ますと、これはいろんな方々がおっしゃることなんですけれども、やはり伝統的といいますか、従前の安全規制制度は一貫性も非常に重視しているということもございまして、高度・先進的な安全規制の取組みというものがどうしても後追いになる傾向があるのではないかという見方もいろいろ聞くことがございます。それから、技術力を有するシニア層の退職時期等を迎えまして、大量にリタイアをしていくということで、このまま放置をしておりますと、技術力が低下をしていくおそれがございますが、一方で新しい検査制度の導入を始め高度化いたしていきますと、それに対応して規制当局をもそれなりの機能の維持・強化、高度化を図る必要がございますし、これは産業界においても同じ状況にあると認識をしております。したがいまして、このような国際的、技術的な種々の環境変化を踏まえますと、我が国におきましても、より高度・先進的な安全規制、安全技術の導入に関して課題を検討する必要があるのではないかという観点がございます。「(3)安全確保に係る国際動向への対応について」ということで、先ほど国際ワーキンググループの報告がございましたけれども、国際的な原子力利用のすそ野を拡大していく。そうしますと、原子力資機材の輸出入の活発化であるとか、我が国も原子力メーカーのグローバル化が進展するということで、国際原子力機関等が策定する安全基準、これは世界各国で用いられる等、規制の共通化というものがグローバルに展開、進展しつつあると認識しております。それから、安全保障に係る国際情勢の緊迫化というものも最近ございます。したがいまして、原子力利用のセキュリティーに関しまして、国際的にも非常に関心があるという状況にございます。こういった原子力利用の拡大、グローバル化の進展というものを踏まえますと、国内だけではなくて原子力利用国全体の安全の維持・向上というものが我が国の国益というものにも合致するのではないかと考えているところでございます。したがいまして、こういう原子力利用の拡大、国際社会の動きというものを踏まえますと、これに対して、我が国としてどういうふうに対応していくのかという課題が1つ大きな視点としてあるのではないか。「(4)原子力安全に係るステークホルダー間のコミュニケーションについて」ということで、安全規制行政を的確に実施する。それから、より高度・先進的な安全規制の推進を図ることになりますと、多様なステークホルダーの理解、認識の共有というものが不可欠ではないかと思っております。特に今後の検討におきまして、規制の課題を設定していくことになりますと、規制当局だけが考えるということではなくて、事業者、メーカー、産業界、一般の国民の方々も含め、それぞれの立場からこういう課題があるということで、それを提起していくことも重要ではないかと考えております。更に効果的な規制課題への取組み、規制の実施ということからしますと、特に安全に一義的な責任を有するのは事業者でございますけれども、規制当局との間で規制の施策の目的や効果につきまして、やはり共通の認識を持つ。特に現場におきまして、どのような状況になっているのかということで、相互の理解というものが必要であろうと考えております。安全規制に関する国民の信頼の確保という観点からしますと、規制当局は規制活動に関しての情報の公開というのが当然でございますけれども、ステークホルダーの求めに応じた説明責任を果たしていくということ。それから、寄せられた評価というものが、安全規制の充実に活用していくということが必要ではないかということでございます。それから、今回、中越沖地震等がございまして、関係のワーキンググルーグ等でいろいろと御指摘もいただいたわけでございますが、大規模災害時における情報提供については真摯に反省をいたしまして、ステークホルダーの原子力防災への関心に応えていく必要もあるのではないかということで、以上、ステークホルダー間のコミュニケーションという観点でさまざまな課題を検討していく必要があるのではないかと考えてございます。「2.検討体制」についてですけれども、上記の項目は全部横断的な非常に広範な課題でございまして、別紙のとおり、基本政策小委員会というものを活用して検討を行うことが適当ではないかということで、別紙を見ていただきたいと思います。3ページ目ですが、基本政策小委員会といいますものは、実は保安部会の下に平成13年に設置されております。何を検討するかということで、安全確保に関する横断的な事項について検討するとされておりまして、もう少し具体的にいいますと、安全確保の在り方、安全規制の在り方、国際協力ということになっていました。ただ、18年に基盤小委というものを設置いたしましたので、安全研究、その関連事項で国際なども含めましたものにつきましては、基盤小委で検討を行うということで、少し体制の変更が途中であったということでございます。今般、基本政策小委員会を活用して検討していこうということで、委員を改めて選任いたしまして、体制の整備を図っていこうということでございます。当面の検討項目につきましては、先ほどの背景とともに、こういった視点なり課題について検討していこうということで、幾つか項目を挙げてございます。同じでございますけれども「(1)これまでの安全規制施策を踏まえた今後の取組について」という、今までの施策の検証。「(2)より高度・先進的な安全規制及び安全技術の導入について」。「(3)安全確保に係る国際動向への対応について」。「(4)原子力安全に係るステークホルダー間のコミュニケーションについて」。「(5)その他安全規制に関する対応のあり方について」。検討の途中でさまざまな課題、視点が出るということも考えまして、その他につきましても含めていくということです。検討内容につきましては、基本政策小委員会で検討を開始して以降、詳細について検討したいと考えてございますが、以上のような視点で検討してはどうかと考えてございます。「4.当面のスケジュール」でございますけれども、平成20年度末ごろ、今月末か来月の最初を目途に検討を開始しようということで、その後、数回程度開催をいたしまして、できましたら、平成21年夏ぐらいに一旦中間的なとりまとめを行うと考えてございます。検討結果につきましては、適宜この部会に報告するということで考えてございます。一番最後の別添につきましては、基本政策小委員会の委員の名簿ということで、これは委員長に御相談の上、こういった形で検討体制を整備しようということで考えているところでございます。簡単でございますが、説明は以上でございます。
- 村上部会長
ありがとうございました。基本政策小委員会というのは、保安部会にかなり重なっていて、また御面倒をおかけすることになりますけれども、そういうことだそうでございます。何かここで承っておくことがございましたら、御意見、御質問でも結構ですが、今の話題についてよろしゅうございますか。よろしいですか。それでは、こういうことで、基本政策小委員会をこれから少し進めていくことにさせていただきたいと存じます。承っておくことはございませんか。よろしゅうございますね。ありがとうございました。それでは、議事次第でいきますと(3)に移ります。3件ございますけれども、まず1つ目の「(1)審議会の中立性確保について」は、加藤企画調整課長から御説明をお願いいたします。
- 加藤企画調整課長
それでは、資料9でございますけれども、審議会の中立性の確保につきましての御説明をさせていただきたいと思います。原子力の安全に関します審議会での議論といいますのは、非常に高い中立性と透明性というものが求められる、これは御案内のとおりではなかろうかと思っております。透明性に関しましては、昨年6月の27回の保安部会におきまして、原則公開をする、それから、できるだけ詳細な議事要旨を公開するといった方針を改めて確認させていただいたところでございますけれども、それと並びまして、やはりこういった規制的な議論をする場合の中立性の確保につきましても、きちんとした方向、対応を規制機関としてのコード・オブ・コンダクトとして、ある意味でしっかりと充実していくことが必要ではなかろうかということで、今回、資料9のように整理をさせていただいております。「1.基本的な考え方」でございますけれども、利害関係がある場合の審議会への参画の仕方は、間違っても利益相反にならないようにすることが必要になるわけでございまして、問題は利益相反の関係が成立するかどうかというものをどのような形で確認をしていったらいいだろうかということでございます。これをどういう形でやるかということでございます。確認する場合の対象でございますが、2の(1)にございますけれども、いわゆる委員あるいは臨時委員という形でございまして、これはきちんと出席をされて、議決をしていただく方を基本的に念頭に置くということでございます。備考に書いてございますが、専門委員の方につきましては、むしろ、利害関係を持っておられるという立場から御意見を聴取するということで委嘱をしてございますので、今回は対象外とすることが相当ではなかろうかと考えてございます。それでは、そういった委員または臨時委員の方々を対象に利益相反に該当しないか、するか、どのような形で判断をしたらよいかということでございます。(2)にございます。2ページですが、こういった視点からすると大丈夫だということをまず明確にしておいてはどうかと考えております。通常はセーフ・ハーバー・ルールと言っておりますけれども、こういったような事案に該当する場合には、利益相反に該当しないという整理であります。a、b、cと3つ書いてございますけれども、シンポジウム・講演会等への参加、あるいは原稿執筆等の活動でございます。bでございますけれども、これは委員会などに委員として御参加になっている場合でございます。当然この場合でも安全審査に直接関わるような事案に委員会として参加される場合には問題が生じると思いますけれども、一般的なテーマあるいは個別事業案件に直接関係しないようなテーマに関します調査研究などの場合には、この委員会へ参加していただけます。cにございますように、大学あるいは研究機関として受託、請負などをされておられる場合、組織の一員として御参加しておられるような場合は、利益相反に該当しないと考えられるのではなかろうかと思います。ただし、この辺りは社会通念との相対的な関係もございますので、その辺りは必ずしも機械的な判断だけに依拠することはできないだろうということでございます。したがいまして(3)にございますが、こういった委員会などに御参加をいただく場合、大変恐縮ではございますけれども、まず自己申告をしていただきまして、情報の提供を受けて御判断をするということを第一段階として考えてはどうかと思っております。今、言ったようなセーフ・ハーバー・ルール以外のことがあるかどうかということを、まず一般的な情報として把握させていただきます。その上で(2)でございますが、具体に委員または臨時委員として委嘱する場合には、更に詳細な情報を受けまして、実際にどのような活動をされておられるかということにつきまして、もう少し付加的な情報を得るということでございます。更に(3)でございますが、これは意見聴取会などのように、個別事業案件を審議する委員会に構成委員として御参加いただく場合でございますけれども、この場合にしっかりとした情報により利益相反関係が成立しないということを御確認させていただくというような、3段階での対応を考えてはどうかと思っております。利益相反に該当するかしないかということに関します調査の期間でございますけれども、当該審議会等の開催年度を含みます過去3年度を考えてはどうかと思っております。「3.実施時期」でございますけれども、平成21年4月1日からの施行ということで、こういったルールを入れてはどうかと思っております。更に(3)にございますものにつきましては、マニュアルの整備、フォーマットの整備をいたしまして、具体的にどのような情報をどの段階で御提示いただくようにお願いするかというのは、明らかにしてまいりたいと思ってございます。以上でございます。
- 村上部会長
ありがとうございました。御意見があると思いますが、その他を終えましてから質疑をさせていただきたいと思いますので、予定されているもう一つの「(2)原子炉安全小委員会における新たな検討課題について」ということで、これは資料10に基づいて、森山原子力発電安全審査課長からお願いいたします。
- 森山原子力発電安全審査課長
それでは、資料10に沿いまして、御説明申し上げます。原子炉安全小委員会の下に新しく3つのワーキンググループを設置いただきまして、新しいテーマについて検討を開始していただきました。まず最初の1点目が「1.長期サイクル炉心評価について」でございますが、これは新検査制度の実施に伴いまして、原子炉の運転期間を変更する場合、保安規定の変更認可というものを受けなければなりません。その際に、そもそも設置許可申請書に記載された方針なり基本的設計方針に即して適切な期間が設定されているかということを確認していく必要があるわけですが、どういった点を評価していくべきかといったことについて、あらかじめ代表プラントを選んで準備をしていこうということでございます。今後、そういった保安規定の変更、認可申請といったものがあった場合、あらかじめ保安院として評価のポイントを整理しておくことによって、しっかりとした審査をやっていきたいということでございます。1月に既にワーキンググループを設置しておりまして、既に第1回目を開催しております。今後、数回の会合を経た後、6月を目途にとりまとめていきたいと考えております。2点目ですが「2.トピカルレポート制度について」でございます。これは平成19年の原子力安全基盤小委員会でも提言がございましたが、トピカルレポートというのは安全審査の事項についての技術的文書ということで、ある特定の技術テーマについて文書としてまとまっているものでございます。これにつきまして、あらかじめ固定の分野について評価をしていくことによって、安全審査の実効性を上げていくということでございます。例えば新しい燃料設計というものを安全審査という場に最初から出していくことで、その中で議論していくこともあるわけでございますが、そういったものをあらかじめ技術評価をしておくことによって、審査の実効性の向上を図る。更には新しい技術を円滑に導入していくということにも資するのではないかと考えております。裏の2ページ目に書いてございますが、既に燃料メーカーからトピカルレポートの提出がございまして、現在、その評価をすべく準備を進めているということでございます。3点目でございますが「3.原子炉熱出力向上による影響評価について」でございます。これは平成17年の原子力政策大綱においても言及されておりますが、これは既設の原子力発電所を余り大きな改造はせずに出力を上げていくということでございますが、その出力増強につきましては、欧米の経験も踏まえて取り組むことを期待しているという御指摘がございました。特に欧米においてはこういった取組みが進められておりますし、また我が国におきましても、日本原子力発電株式会社におきまして、東海第二原子力発電所において5%程度の出力増加であれば、十分に可能であるといった計画も進められております。したがいまして、保安院といたしましては、こういった出力向上について、今後、申請があった場合にどういう点を評価していくべきなのかということをあらかじめ整理をしておきたいということで、これにつきましても既にワーキンググループを設置して御審議を始めていただいているという状況にございます。以上3つのテーマについて、新しく原子炉安全小委員会においてワーキンググループが設置されましたので、ごく簡単でございますが、御説明させていただきました。以上でございます。
- 村上部会長
ありがとうございました。その他としては「(3)敦賀発電所1号炉の長期保守管理方針の評価について」という資料11がございますが、これについては本日御説明を省略させていただきますので、お読みくださいまして、何か問題点、御質問がございましたら、事務局あてに御連絡を賜ればと存じます。「(1)審議会の中立性確保について」と、今、御説明いただいた「(2)原子炉安全小委員会における新たな検討課題について」というところで、少し質疑をお願いしたいと思います。特に中立性の問題というのは、本部会のみならず、今日では非常にいろいろな形でさまざまな現場で求められている問題点でもございますので、委員の方々から御意見があれば是非伺わせていただきたいと思います。勿論、最後の話題についても結構です。やや形式的なことをお願いすることになると思いますけれども、差し当たっては、自己申告ということが1つの手順として提案されておりますので、その辺のことも含めましてお願いいたします。飯塚委員、どうぞ。
- 飯塚委員
資料9ですが、事業者等という「等」の意味を教えてください。事業者以外で事業者等というのは、どんなことがあるのか。例えば学協会は事業者等ですか。民間の学協会でいろいろな規格や基準を考えるということで、ここでエンドースするという形のことがときどきあるわけですけれども、それは利益相反になる可能性があると考えていらっしゃるのかどうかということです。
- 村上部会長
加藤企画調整課長、どうぞ。
- 加藤企画調整課長
御指摘のように、可能性としては考えさせていただきます。ただ、この問題が簡単ではないのは、社会通念との相対的な問題もございますので、したがいまして、一応視野としてはカバーをさせていただいて、その上でこれは様式をお示しした方がいいと思いますけれども、お聞きするときに特定のプラントなどと関係があるかどうかということをお聞きしますので、そういった中でより具体の関係を理解できるようにしたいと思います。それは皆様に御負担をかけないように、様式の中にきちんとわかるようにして御提示をするよう、今、準備をさせていただこうと思っております。
- 村上部会長
ほかにいかがでしょうか。薦田院長、どうぞ。
- 薦田院長
先生方の中立性問題でございますけれども、まず先生方には基本的に私どもから委員になっていただきたいということでお願いをしているものでございます。しかも、極めて薄謝の中で、またお忙しい中で参加をしていだたいているということでございます。更に、先生方には既に大学法人等の利益相反等のルールができております。そういう中で、これまで適切になされて活動してきたということでございますので、改めてこのようにいろいろな情報あるいはルールを追加するということに対しては、大変心苦しく思っているところでございます。ただ、今、部会長からもございましたように、地元で私どもが説明をしておりますと、やはり私どもがいつもお世話になっている先生方の中立性はという意見が出ることが多々ございます。原子力をめぐる状況を考えますと、先生方には本当にお忙しい中、審議会に出ていただき、ひどいときは、耐震など見ておりますと毎週のように来ていただいている中で大変申し訳なく思っておりますけれども、今のような状況にございますので、御理解を賜ればと思っております。よろしくお願いいたします。
- 村上部会長
ありがとうございました。おっしゃるような事情を御理解いただければと思いますし、必ずしも研究者ばかりではないわけですが、研修者倫理という問題、一般論とも絡む問題でございますので、現在の社会状況の中でこういう手続が必要になってくるということを御理解賜れれば幸いでございます。ほかに承っておくことはございますか。よろしゅうございますか。最後の話題もよろしゅうございますか。もし特に御発言の御希望がなければ、これで議題(3)に関する質疑も終了させていただきたいと思います。やや時間前になりましたけれども、本日の議題はとりあえずすべて議論していただいたことになりますので、ありがとうございます。事務局から何かございますか。加藤企画調整課長、お願いいたします。
- 加藤企画調整課長
本日は大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。村上部会長からも御指摘いただきましたとおり、ちょうだいした御意見をきちんとしんしゃくいたしまして、また部会等に御報告するなど、適切にフィードバックをさせていただきたいと思っております。次回の開催予定日につきましては、後日、日程調整をさせていただいた上で、改めて御連絡をさせていただきたいと思います。本日の議事録につきましては、事務局側で案を作成いたします。後日、御確認をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。
- 村上部会長
ありがとうございました。それでは、これで本日の審議を終わらせていただきます。大変活発にいろいろと御議論賜りまして、ありがとうございました。以上をもちまして、第29回の「原子力安全・保安部会」を閉会いたします。ありがとうございました。
以上
最終更新日:2009年4月8日
