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1.日時:平成16年6月16日(水)10:00~12:30 2.会場:虎ノ門パストラル新館1階「鳳凰東」 3.出席委員 <会長> 茅 陽一 <部会長> 黒田 昌裕 <委員> 秋元 勇巳、安西 邦夫、伊藤 直彦、柏木 孝夫、 木元 教子、河野 光雄、笹岡 好和、佐々木 元、 佐藤 一子、杉山 和男、中上 英俊、橋本 昌、藤 洋作、 松田 英三、三村 明夫、三村 光代、吉岡 斉、吉田 清、 和気 洋子、渡 文明 <代理> 大野 栄嗣(小枝 至代理)、新田 充(内藤 正久代理)、 吉田 武(森 章代理) <欠席> 内山 洋司、金本 良嗣、小宮山 宏、田所 昌幸、田中 知、 増田 幸央 50音順(敬称略) 【茅会長】 それでは、時間が参りましたので、本日の会議を始めさせていただきます。本日の会議は、総合資源エネルギー調査会の第9回需給部会ということになります。 本日は、先週の前回に申し上げましたけれども、2030年のエネルギー需給展望、要するに、今回の需給見通し作業の中間とりまとめの案をご紹介したいと思います。これは、一応皆様方にいろいろご意見をいただいた上でパブリックコメントにかけるという作業になるかと思います。もちろん、パブリックコメントにかけた後では、さらにそれを含めて皆さんのご意見を伺うということになると思うんですが、いずれにしてもパブリックコメントにかけるということになりますので、皆様方からぜひいろいろな形でのご意見をいただければと思います。これも前回お願いしたことですが、12時までということになっていますけれども、まず12時半になるだろうと思いますので、その辺はよろしくお願いいたします。 それでは、最初に配付資料の確認をお願いします。 【深野課長】 それでは、お手元の配付資料を確認させていただきます。 お手元に配付資料一覧というのがございます。そこで、今回各委員からいただきましたご意見、資料1、それから、この需給展望の構成案、これは1枚紙でございますが、資料2、それから、資料3として、この本文の原案でございます。ご確認お願いします。 【茅会長】 よろしいでしょうか。 では、議事に入らせていただきますけれども、最初に中間とりまとめの構成案を説明してもらうつもりでおります。前回、時間がなくて、政策のところについては説明だけで、ご意見があれば書面で先週いっぱいに出していただきたいとお願いいたしましたが、大変たくさんの方から意見が寄せられまして、私もびっくりするやら感心するやらいたしました。どうもありがとうございました。それを取りまとめたものが資料の中に入っておりますので、それも紹介しながら原案の内容について説明をするという形にしたいと思います。 では、深野課長、お願いいたします。 【深野課長】 それでは、まずこの報告のとりまとめの案の構成についてご説明をしたいと思います。資料2の1枚紙をごらんいただきたいと思います。 今回のものは全体で200ページぐらいになりまして非常に大部でございますので、前回ご説明した部分がどこに入っているかということも含めて全体の形をまずご説明したいと思います。 まず第1部として、「2030年のエネルギー需給見通し」の部分がございます。ここで、まず定性的に今の世の中の情勢とか、そういうことを分析しておりまして、それがこの第1章の1節と2節でございます。1節が国際的な動きについてまとめた部分でございまして、第2節が日本の2030年における姿、それがどうエネルギー需給構造に影響してくるのか、そういったことについて分析をしております。これは前回お配りしてご説明しておりませんでした資料2-4というのがございますけれども、それに対応する部分でございます。次に、第3節でございますが、「2030年に向けた複数の将来像と道筋」についてということで、前回4つ想定される道筋についてご説明申し上げたわけです。これは前回ご説明した資料2-1に対応するものでございます。 それらを踏まえまして、今度は第2章でございますが、ここで「長期エネルギー需給見通し」ということで、今回の作業の中心になる部分でございますけれども、そのうちの第1節が2030年の需給見通しでございまして、これは前回もご説明した資料2-3でございますが、まずレファレンスケースを置いて、あと、いろんなケースの感応度分析をしたものでございます。これは定量的な分析でございます。それから、もう1つが、その通過点としての2010年のエネルギー需給見通しということで、これも前回追加対策ケースも含めてご説明しておりますが、資料1-4に対応するものでございます。 それから、今度は第2部でございまして、ここが今のこの需給見通しを踏まえた「中長期的なエネルギー戦略の在り方」ということでございまして、これについて、まず第1章、ここで2030年をにらんだエネルギー需給見通しを踏まえた4つの戦略ということでございます。それは、前回の資料2-2でございます。ただ、その中にはそういった中長期の戦略を考えるときの留意点というのも含まれております。 最後に、第3章で、これは「地球温暖化対策大綱の目標達成について」ということで、2010年見通しと、大綱の目標達成のためにどういうことをしたらいいのかという部分についての方向を書いたものでございまして、前回の資料1-1に相当する部分でございます。これにつきましては、前回お配りした目次では補論ということになっていたのですが、やはり2030年に向けての重要なステップでございますので、これは第3章ということでこの中に位置づけております。 全体の構成は、今申し上げたような形でございます。 それで、今度は資料3に沿って、前回ご説明した点をどういう形で、いただいたご意見も踏まえて修正をしたかということについてご説明を申し上げたいと思います。 最初に1ページの序章というところをごらんいただきたいと思います。全体のご説明に入ります前に、今回なぜ2030年に視点を据えて検討したのかということについて、その問題意識を書いた部分でございます。ここで、基本計画で書かれた3つのEということも紹介いたしまして、さらに基本計画の中でこういう作業をすることが必要であるという指摘もありましたので、そこにまず最初に触れておりまして、それが1ページの末尾から2ページの頭の部分でございます。さらに、今度は2030年という長い時間軸を取った背景ということをその次に書かせていただいておりますが、いろいろな技術の変化や社会構造の変化というものを見通していくのに長い期間が必要なのだということを書いてございます。あと、同じく、国際的な環境というのも少しマクロで見る必要があるというのが、その2ページの下から書いた部分でございます。それから、諸外国の動きとして、3ページの下に、今、諸外国もかなり長い視野でものを考えているということを書かせていただいています。それから、4ページに、今度は社会構造の変化とエネルギー需給構造の変化ということを書かせていただいております。それから、そういうことを踏まえて2030年ということを視野に置いて幅広い検討をするという趣旨を最後に取りまとめて書かせていただいています。 これらは全体の数値と問題意識を書いた部分でございます。それから、第1部で、これは前回あまりご説明をしなかった部分なのですが、「はじめに」のところは、この2030年のエネルギー需給見通しをつくるに当たってどういうことに留意しなければいけないかということを書かせていただいておりますが、ここで非常に不確実な将来を使うので、こういうシナリオを幾つか想定して考える必要があるとか、需給見通しについても、需給に大きな影響を与えるファクターというものを少し動かしてみて、どういう影響が出てくるかという感応度分析の必要があるということを紹介しております。 その次に、9ページの第1章の1節の部分でございますが、これは前回ご説明をしていなかった部分でございますけれども、ポイントとして、引き続き世界経済が大きく成長していく。そういった中で、世界のエネルギー需給は大きく伸びていく。それから、化石エネルギーが今後も相当中心的な役割を占めるのではないか。ただ、原子力というのも大きな役割を果たしていくだろう。それから、再生可能エネルギーは技術のブレークスルーというのがポイントであるということを書かせていただいております。最後には、二酸化炭素のことも触れております。こういうことを11ページ以下、ずっと書いております。 この国際的な動向についての関係では、26ページをごらんいただきたいと思います。この関係で、原子力を巡る最近の動向という点について幾つかご意見をいただいておりまして、ここで主要なご意見をいただいて修正をしたところはアンダーラインをつけておりますので、ちょっとごらんいただきたいと思います。「原子力を巡る最近の動向」という26ページの上のほうでございますけれども、田中委員から、最近、国際的にも原子力というのが注目をされてきていて相当な変化が生ずる可能性があるということではないかというご指摘がありましたので、そういう趣旨のことを入れさせていただいております。それから、26ページの下の注のところも田中委員からのご意見でございますけれども、アメリカの最近の動きで、ABWRの建設の可能性などが出ていることを少し触れさせていただいております。 それから、27ページでございますが、今度はウランの資源利用可能年数のところで、中ほどよりちょっと下のところですが、アジアの原子力建設の増加の中で、こういうウランの需要にも影響が出てくるのではないか、そういうことに注意が必要である、それも田中委員からのご意見で修正をした部分でございます。 それから、ずっと参りまして34ページでございますけれども、34ページの下のほうでございますが、原子力技術についての記述の部分で、高速増殖炉の開発とか、あるいはサイクルについて、海外の技術開発にいろいろな動きが出ておりますので、これも田中委員からのご指摘でございますが、書き加えさせていただいております。 それから、35ページでございますけれども、炭素隔離技術について、これの意味合いというのをもう少しはっきり書いたほうがいいのではないかということで、化石燃料が主要なエネルギー供給源である状況が続く中で、地球温暖化問題の究極的な解決に役に立つのではないかという趣旨のことをここに触れさせていただいております。 以上が第1節の国際的な動きの部分でございまして、その次に第2節でございますが、37ページでございます。ここでポイントだけ書かせていただいておりますが、これは、資料としては前回2-4でお配りしているものでございますけれども、中身は従来需給見通しの前提としていろいろとご説明をしてきた部分でございまして、人口の減少とか、そういった中でも経済成長の可能性があるということを前提に置いているというようなことをこの中で紹介させていただいております。 それで、41ページになりますが、41ページの下の部分でございますけれども、従前からもこの会でも何回かご指摘をいただきましたし、橋本委員からのご意見にもございましたけれども、労働力人口の問題について、例えば外国人労働者の受け入れ等々のことも、不確実な要素の一つとしてそういうこともあるのではないかというご意見がございました。そういうことを踏まえまして、いろいろなこういったことについて分析したものを調べましてここに書かせていただいておりますが、当初出しました「通商白書」などでも出ておりますけれど、やはり移民がそれこそ労働力人口の10%ぐらいにならないと、GDPを相当押し上げるということにはならないということで、かなりたくさんの受け入れをしないと経済成長率には影響してこないという分析がございましたので、そのあたりを少しここで触れさせていただいております。41ページの一番下の注にも、そういう趣旨のことを書かせていただいております。 以上が第1章の2節でございまして、あと、第1章の3節でございます。56ページからでございます。ここは、前回シナリオということで、4つのシナリオを書いてご説明をさせていただいたところでございます。これについて、63ページでございますけれども、藤委員から、こういう道筋というものはやはり絶えず検証をしていく必要があるという趣旨のご指摘を今回いただいております。常に現実と照らし合わせてリアリティ・チェックをしなければいけないという趣旨のことでございます。今回こういうことでシナリオを一応提示させていただいたわけでございますが、今後、やはり継続的に絶えず検証していかなければいけないという趣旨のことをここに入れさせていただいております。 それから、68ページでございますが、シナリオの中で、最初の自然体シナリオの中に書かれているところでございまして、高い経済成長を比較的長期に続ける可能性ということについて触れた部分でございますけれども、こういう国民の意識の高まり等を踏まえると、政策資金を再生可能エネルギーの導入などに振り向ける必要があるのではないかということを書いたわけでございますが、「政策資金の多くを」と書いていたのですが、ちょっと書き過ぎではないかというご意見もございましたので、「多くの政策的資金を」ということに書きかえております。 それから、69ページの下のほうでございますが、ここも先ほどのところと共通でございまして、炭素隔離技術について、この意義というのをここでもう少しはっきり書いたということでございまして、化石燃料の環境制約をある程度緩和する、それから、こういったことが仮に実用化されれば、実用化されない場合に比べて温暖化への対応というのは比較的円滑に行われるだろうという趣旨のことをここに書き加えております。 それから、72ページでございますが、資源の危機シナリオの部分でございます。これにつきましては、1つは、そういう国外のリスクだけではなくて、国内におけるテロなどのリスクについてもよく見ておく必要があるのではないかという田所委員からのご指摘がございましたので、そういう点についても留意することが必要だということを書かせていただいております。ただ、具体的にどういうテロリスクがあるかということまで書き込むのはなかなか性格上難しいので、この程度でとどめさせていただいたということでございます。 その次に、「変化を続けるリスクに関する認識」というところに、資源の種類ごとにどういうリスクがあるのかということを書かせていただいております。これは、初め、「いかなる地域の国際緊張が問題になるか」というふうに書いてあったのですが、むしろこちらのほうに持ってきたほうが据わりがいいのではないかということで、編集上の場所の移動でございます。 それから、74ページでございますが、中東におけるリスク要因ということで、これは田所委員からご専門の立場でいろいろご意見をいただきましたので、少し中東情勢中心に、例えば、中東でも、一方で経済開発プロジェクトが進んだり、あるいは、新興のビジネスマンの成長といったポジティブな動きもあるのだということを書かせていただいております。 あと、74ページの上のほうにマラッカ海峡のことを書いておりますけれども、実はその下の注で、アジアでそれに限らずいろいろな混乱が起こった場合には、やはりアジアの相互依存が高まっている中で波及があるのではないかということで、これもそういうご意見を踏まえて、74ページの下の注をつけさせていただいております。 それから、78ページでございますが、これは私ども中でいろいろ論議したときに出てきた部分でございますけれども、こういう危機が仮に出てくると、やはりバイオマス燃料等、既存のエネルギー源以外の代替エネルギーの模索というのもかなり進むのではないかということを書かせていただいております。 以上がシナリオ分析のところの修正点でございまして、その次に、2030年の需給見通しの関係でございます。 そこで、87ページでございますが、このマクロフレームの中で失業率はどうなっているのかというご質問があったので、失業率について、このマクロフレームから計算したものを出しておりますが、4%程度で推移するということを87ページの中ほどに書かせていただいております。 あと、88ページで、貿易についてはどうなっているのかというご意見を吉岡委員からいただいておりますけれども、これはもともと入っていたのですが、一応輸出入がそれぞれどういうふうに動くかというのは書かせていただいているところでございます。 それから、91ページでございます。91ページの下に、原子力の前提部分で、廃炉の問題、廃炉リプレースの問題ということについて橋本委員ほかから問題提起をいただいておりますので、ここでの考え方を書かせていただいておりますが、具体的にどのぐらい廃止になるかというのは、なかなか現段階で定量的に見通しをするというのは困難であるということでございます。ただ、いろいろとプラントの健全性の確保の方策とか、そういうものの検討もなされておりますので、一応ここではプラントが健全に維持されるという前提で、運転継続をするということで一応想定をしておりまして、廃炉というのは、敦賀1号以外は考慮していないというここでの考え方を書かせていただいておりますが、一方、今回こう書いたからといって、60年間運転できるんだということを前提としているものではないということを最後に1行書かせていただいているということでございます。 それから、少し先に参りまして、2010年の見通しのところは第2節、127ページ以下でございますが、ここについては特段ご意見をいただいていないという理解でございますので、ここは特に修正はしておりません。いろいろとご異論は別途いただいておりますので、それについては後で私どもの考え方をご説明させていただきたいと思いますが、修文をした箇所はないということでございます。 あと、160ページから、「2030年に向けた中長期的なエネルギー戦略の在り方」ということで、ここは大分ご意見をいただいておりますのでいろいろと修正を加えておりますが、まず、橋本委員から、160ページでございますけれども、やはりこういうエネルギー問題というのは省庁横断的に中長期的な戦略を持って総合的な議論をすべきだという趣旨のご指摘をいただいておりますので、ここにそういう趣旨のことを書き加えさせていただいております。 それから、藤委員から、エネルギー基本計画との関係というのをきちっと書くべきであるというご指摘をいただいております。それを一番下に書かせていただいておりますが、ここでは、まず、やはりエネルギー基本法と基本計画の考え方があり、さらに、今回定量的な需給見通しを行ったということでございますので、その基本計画を受けてこの定量的な見通しをした、そういうことから出てくる戦略というのを書かせていただいた、そういう趣旨のことをここにはっきり書かせていただいたということでございます。 それから、吉岡委員から、一体今回何が政策的に最も望ましい姿なのか、そういうことがはっきりしないではないかというご意見をいただいております。私どもとしては、第1章のはじめにの部分に書かせていただいているという認識でございまして、省エネルギーが進展して、この背景には技術とか国民の、あるいは企業の意識改革ということがあるわけですが、そういうことが進んで、いわば技術による対応によって環境と経済の両立を図れる可能性をシナリオと需給見通しで示していると。こういったことを実現するのであれば、各種の政策資源を総合的に投入する必要がある。そういうことで今回の戦略というのを書いてございますので、そういう姿が私どもとして望ましい姿であるということを、やや定性的ではありますけれども、ここに書かせていただいているという認識でございます。 それから、164ページでございますけれども、これは橋本委員からちょうだいした意見でございますが、原子力についての国際的な協力でございますけれども、安全面での協力ということしか前回書いていなかったわけでございますが、やはりアジアで今後かなりこういうことが進んでいくということも想定されますので、原子力利用についての積極的な支援ということで、もちろん各国の状況に応じてということにはなろうかと思いますけれども、ここに少し広げた形で書き直させていただいているということでございます。 その次に、国民や産業界の省エネ・環境対応努力の好循環、これはもとのタイトルが非常に長かったので、これもご指摘がありましたので、少し短いタイトルにここは直させていただいております。 それから、その次の165ページでございますが、技術革新とその成果の普及というところでございます。ここは、ヒートポンプをやはりきちっと位置づけるべきである、ここでもちゃんと書くべきだというご指摘を藤委員からいただいておりますので、それについてはここに書かせていただいております。それから、別途、燃料電池についても、今、開発中のものがございますので、それについてもここに書かせていただいております。 それから、167ページでございますが、省エネ教育について、これはやはり国民の省エネ意識を喚起していく、で、好循環を醸成していく上で非常に重要な要素でございますので、これも橋本委員からご指摘いただいておりますが、ここに書き加えさえていただいております。 それから、168ページでございますが、前回LPGについての記述がありませんでしたので、LPGについての記述を今回つけ加えております。その関係で、タイトルを「ガス体エネルギー開発・導入」ということに変えておりまして、169ページにLPGについて、特に今回コージェネとか燃料電池といったことも一つのテーマになっているわけでございますが、そういうコンテクストでLPGについても書かせていただいたということでございます。 それから、172ページでございますが、原子力の部分は大分修正を加えておりまして、最初に、原子力の意味合いというのをもう一度、これは今回の需給見通しからも、やはり環境とエネルギー安定供給が経済の両立ということで、非常に重要な役割を果たしているということが確認できておりますので、そういうことを書いております。 あと、化石燃料取引におけるバーゲニング・パワーとしての役割とか、あるいは、国際貢献といったことについてもご指摘をいただきましたので、ここに書き加えさえていただいております。 それから、原子力、基幹電源ということでございますけれども、これについても、今回、分析をした結果からもやはりそういうことが言えるということかと思いますので、基幹電源としての役割を果たし続けるというふうに私どもとしては評価しているのだということを、これは見通しからのコンテクストとしてその次に書かせていただいております。 それから、橋本委員からでございますが、原子力が今後そういう役割を果たしていく中で、地域との共生なり、やはり地域の振興ということについて非常に重要であるというご指摘をいただいておりまして、これは特会との関係でご指摘をいただいているんですが、むしろ原子力のここに入れたほうがいいだろうということで、ここに入れさせていただいております。 あと、運転管理の合理化ということで、これについても広く関係者の努力の積み重ねというのは大事だというご指摘で、これはそのとおりだと思いますので、今度は172ページにその点も書き加えさえていただいております。 それから、原子力からの水素の製造とか、そういう新しい可能性についても、橋本委員ほかからご指摘をいただきましたので、173ページの上でございますけれども、ここに書き加えさせていただいたところでございます。 それから、再生可能エネルギーでございますけれども、ここで、アンダーラインを引いておりませんが、普及についてさらに積極的にやるべきだというご指摘を橋本委員からちょうだいしたので、173ページの2つ目の(4)の最初のパラグラフの下のほうでございますが、積極的に推進ということにさせていただきまして、あと、水力、地熱といったことも非常に大事であるというご指摘を橋本委員からいただきましたので、これもこのページの一番下に入れさせていただいております。 それから、再生可能エネルギーというものを、やはりこれも目指すべき方向をちゃんと示すべきではないかというご指摘を吉岡委員ほかからいただいておりますので、そういうことも踏まえて、さらに少し書き加えたものでございます。 176ページでございますが、いわゆる分散型電源と大規模集中電源という関係で、少し分散型電源に重点を置き過ぎているのではないかという指摘を藤委員はじめ何人かの委員からちょうだいしております。まず引き続きやはり供給面では大規模集中型の供給システムが重要な役割を果たすということを書いた上で、分散型を適切に組み合わせることによってさらに効果があるのだということを、この全体の総論の部分で書かせていただきまして、さらに177ページでそういう趣旨のことを大分触れさせていただきましたが、まずタイトルも「分散型の推進」ということにたしか前回はなっていたと思いますけれども、これも「大規模集中型との適切な組合せ」ということにいたしまして、それから、②のところで、主力の大規模集中型の供給システムと適切に組み合わせることができれば、よりプラス・アルファのメリットというのが出るのだということを書かせていただいております。 あと、地震災害等のことについても、この分散型エネルギーについてということでご指摘いただきましたので、その点についてもちょっと触れさせていただいております。 それから、一方で、この分散型の光と影というご指摘がございました。それについては、今の②の最後のところに、やや影の部分についても、これはもとからでございますけれども、書かせていただいております。 それから、184ページから、地球温暖化対策の目標達成についてということでございます。これについて、まず187ページでございますが、こういったことについての省エネ対策等の対策の持ち方について、もともと「持続可能でない省エネ」という書き方をしていたのですが、持続可能でないというのはちょっとあいまいなのではないかというご指摘をいただきましたので、「急場凌ぎの時限的な省エネ」ということで、もう少しはっきり書く形に変えております。 それから、188ページでございますけれども、こういう目標が達成できるかどうかということは、国内外の経済の動向とか、あるいは、技術の動きとか、そういうことによってかなり変わってまいりますので、やはりそういうことを見ながら柔軟に対応を打っていく必要があるというご指摘をいただきましたので、そういう趣旨のことをここに入れさせていただいております。 それから、189ページの頭の部分は、活動指標の削減ということについて、前の書き方ではあまり言葉としてこなれていなかったので、少し言葉の修正でございます。 それから、189ページの下でございますけれども、やはりこういった産業界の領域を越えた取り組みとか、いろいろな取り組みにきちっとインセンティブを与えるということも考えていく必要があるのではないかというご指摘がございましたので、こういったことを支援するためのインセンティブ・メカニズムということをここに書いております。 それから、194ページでございますが、前回、いわゆる排出権の単純な売買について杉山委員からもご指摘をいただきましたので、この排出権の単純な取引の中で、どういう場合が地球全体の排出量の削減ということに寄与しないのか、あるいは、どういう場合には寄与する可能性があるのかということを注で解説をしてございます。194ページの下の注でございますけれども、要するに、もともとある国でだぶだぶに排出権が余っているものを単純に買ってくるということになると、あまり削減をしない、削減する効果がないわけでございますが、逆に、売るためにその国が努力をすれば削減効果はあるわけでございまして、そういうことを明確にさせていただいたということでございます。 大体修文をした箇所については、主な点は以上のようなことでございまして、あとは、前回私からの説明が若干不十分で、その点について渡委員から幾つかコメントをいただいておりますので、その点についてもご説明を申し上げたいと思います。まず、火力発電の電源構成について、これは一本化すべきではないかということをご意見としてちょうだいしております。前回、そういうご意見をこの席上でもいただいております。この点につきましては、ご指摘いただきましたように、やはり一義的には電気事業者の燃料選択ということだと思います。しかしながら、やはりこういう需給見通しの計算をする立場、試算をする立場から申し上げると、電力の分野に投入されるエネルギーというのは相当な量でございまして、電力化率というのは今足元でも2割に達しているわけでございますが、当然ロスがございますので、投入エネルギーということで見て、一次エネルギー供給の中で電力部門がどれぐらい食っているかということを見ますと、おそらく4割ぐらいに達するわけでございます。やはり日本の一次エネルギー供給の姿がどういう姿になるのかということは、それに応じたいろいろな対策を広く議論していただく上で非常に重要な材料ではないかと思っておりまして、やはりそういう材料として、一応試算ではございますけれども、そういう内訳というのを提示しておくことが、いわば検討の透明性の確保という点でも必要なのではないかというのが私どもの考え方でございます。前回非常に舌足らずなご説明で大変申しわけなかったと思っております。 ただ、言うまでもなく、一義的にどういうエネルギー供給構成をとるかというのは、それを利用する電気事業者の選択ということでございまして、当然ここで出てくる結果と違う結果に実際にふたをあけてみたらなるということはあり得るというふうに考えております。また、仮にそういうことがあった場合に、それが安定供給といった面で問題になるかどうかというのは、それによって直ちに安定供給という面で問題になるということではないというふうに考えております。 もう1点、エネルギー安全保障についてということでご意見をちょうだいしておりますけれども、むしろ需要が減るという姿を今回提示させていただいているわけでございますが、こういった姿を出すと、それは逆にエネルギー産出国との交渉力という面でマイナスの面もあるのではないかというご指摘かと思います。実はそういうご指摘はほかの委員からもこの場でもちょうだいしていたのではないかと思いますけれども、その点について、確かにいろいろな面があろうかと思います。特に資源の権益確保とか、そういう点を考えると、そういう面が全くないということは言えないのではないかという感じはいたしますが、一方で、これまでのエネルギー基本計画などの流れで整理をさせていただきますと、できるだけ自給率は高いほうがいいということが基本計画の基本的な考え方でもあったかと思います。そういった中で、例えば原子力の推進とか、あるいは省エネルギーということを基本計画でも非常に重視をしていたかと思いますけれども、そういうことで、基本的な考え方は、安定供給ということについて見ると、そういう省エネルギーなりエネルギー需要を抑える方向に行っているのではないかなという感じがいたします。 あと、アメリカなどの状況を見ても、最近中東など、アメリカの外に対するエネルギーあるいは資源の依存というのが高まってきておりまして、むしろそういうものをできるだけ安定供給という観点から減らしていこうということで、例えば原子力の見直しとか、あるいは国内の生産ベースの拡大といったことを出している。そういうこともございますので、そういうことが2つのこれまでの議論の基本的な流れではないかということでございます。 もう1点、エネルギーの最適な組み合わせということについて、その前提として、エネルギー間の公平性が確保されていないのではないかというご指摘でございます。これについても、何回かそういうご指摘を何人かの委員からもいただいているという認識でございますが、これまでのエネルギー政策、もちろんここにもお書きいただいているように、いろいろと評価をしなければいけないところはあるわけでございまして、基本計画や白書の中などでもそういう評価をやってきているのではないかと思っておりますが、それぞれのエネルギーの特性に応じて、やはり問題点をできるだけなくすための対策をとってきているということで、どうしてもそういうことで、多少政策の厚い薄いがあり、あるいは、多少負担に感じるようなことがあるのも事実ではないかと思いますけれども、そういうエネルギーの特性に応じていろいろな対策を打ってきているということではないかと考えております。 とりあえずこの本文の説明と、いただいたご意見、特に前回はちょっと私の説明が舌足らずでもございましたので、その点の補足も含めてご説明を以上で終わらせていただきます。 【茅会長】 ありがとうございました。 なお、この中間とりまとめの原案、これの中にはまだワープロミスであるとか、そういったものは幾つか残っておりまして、これは事務局のほうで、後でもう一度チェックをする予定でございますから、それについては以後ご指摘をいただかなくても結構でございます。全体的な内容、あるいは、個別のポイントについて、これから皆様方のご意見をいろいろ伺いたいと思います。例のごとく、また札を立てていただいて意見を言っていただき、あるいは質問をしていただくという形をとりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。なお、代理の方も同じように区別はいたしませんので、ご意見をいただいて結構でございます。それでは、よろしくお願いいたします。 それでは、まず笹岡委員、お願いできますか。 【笹岡委員】 ありがとうございます。笹岡でございます。 ただいまご説明いただきました2030年エネルギーの需給展望と、この中の172ページに原子力の推進という項で、位置づけが詳細に記載いただきまして、理解できるところであります。その立場に立ちまして、エネルギーの安全保障についてご意見を申し上げたいと思います。 先般、フィリピンのマニラで日下長官も出席されました第6回のAPECのエネルギー大臣会合におきます閣僚宣言を拝見いたしました。ここで重要課題でありますエネルギーの安全保障について申し上げたいと思います。 エネルギーは、国民生活にとって欠かすことのできないものでありまして、一たんその供給に支障が出れば大変なことになることは明白であります。その供給途絶の問題に関しまして、エネルギー消費が非常に多い一方でエネルギー資源をほとんど持ち合わせない日本にとりまして、APECの国々の中で最もそのリスクを認識して、準備を怠らず対応しなければいけないというふうに考えております。 その上で、まず第1点、原子力の果たしてきた役割について申し上げたいと思います。今から30年前、原子力は黎明期でありまして、その後、現在まで五十数基が運転を開始し、一次エネルギー供給の十数パーセント、電力需要の30%以上を担うまでに成長してまいりました。その成長を支えてきましたのは、我々現場の労働者であると自負しておりますと同時に、過日の報道でも明らかなように、6月14、15日にウィーンで開催されましたIAEAの定例理事会におきます冒頭のエル・バラダイ事務局長の演説の中で、日本の原子力活動は核兵器開発を意図していないということが認められたということは、私どもにとりまして非常にうれしいことであります。あわせて、IAEAの保障措置の軽減などが世界に認められたということも大変うれしく思っております。 このような成果によりまして、石油、石炭を中心に、9割を超えておりました30年前のエネルギー輸入依存度が、今ではようやく8割程度まで低下いたしました。一次エネルギー供給に占めます石油依存度も、原子力や天然ガスなどの石油代替施策によりまして3割ほど低下いたしましたが、一方で、石油の中東依存度は30年前よりもかえって悪化し、現在では8割を超えております。30年前は6.5割ぐらいだったと思います。 そういう立場で、目指すべきエネルギーの安全保障体制についてであります。このような観点から、エネルギー安全保障を考えた場合に、省エネルギーやリサイクルによります限りある資源を大切に、かつ有効に活用することが求められると同時に、多様性と自立性を持ったエネルギー政策が必要不可欠であります。多様性という点では、特定の国や特定の資源に偏ることなく調達し、エネルギーのベストミックスというものを進め、自給率を高めることによりまして自立性を発揮することは何よりも重要だというふうに考えております。それが供給途絶リスクを最小限に抑えることにつながると考えております。 最後に、本見通しでは、省エネルギーの結果として自給率が高まるというシナリオでありますけれども、結果論ではなくて、国として国民に対して、供給途絶リスクに対し、単にどのエネルギー源の利用を促進するかとか、諸外国のエネルギー事情を勘案した外交的な努力の必要性を訴えるだけではなくて、想定し得るリスクに対しましてどのように回避、また対応するかを明確にする対応策が必要だと思います。他国の事情に左右されない強靱なエネルギー供給構造をつくり上げ、確固たるエネルギー安全保障体制を確立すべきだというふうに考えております。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。 【茅会長】 ありがとうございました。 今、札が立っている方々には、これから申し上げる順番で発言をお願いしたいと思います。橋本、吉田、和気、渡、秋元、安西、柏木、藤、吉岡の各委員でございます。 それでは、橋本委員、お願いいたします。 【橋本委員】 ありがとうございます。 先ほど91ページで廃炉の問題について、敦賀1号のみということで、それに基づいて需給見通しを立てて、167ページのほうでは、「原子力を推進することにより、エネルギー自給率を改善することができることが示されており」と書いてあるわけでありますが、現実的に見ますと、2030年になりますと、20基がもう50年経過しているのですね。それで、17基が40年を経過しております。こうなりますと、一応60年まで延ばせるという前提を91ページでは書いている。どれを廃炉にするかとか、いろいろ難しい問題はありますから、前提はこれでもいいのですけれども、そして、注をつけておけばいいのですけれども、167ページのほうで、「原子力を推進することにより、エネルギー自給率を改善することができることが示されており」というところまで楽観的でいいのだろうかということでございまして、先ほど石油、日本は要らないのではないかとかいろいろな話が出てくるということがありましたですけれども、もうちょっと原子力の高経年化によって及ぼす影響ということについて切迫感というものを出す形で、需給見通しのほうはいいですけれども、最後のほうの戦略のあり方というところには、もうちょっと文章の中に入れておいたほうがいいような気がいたします。それが1つでございます。 あと、ほかについては、大体、いろいろ教育の問題とか、アジアの積極的な協力の問題とか入れていただいていますので、そこだけ特にお願いしたいと思います。 【茅会長】 ありがとうございました。 では、吉田委員。 【吉田委員】 ありがとうございます。日本LPガス協会の吉田でございます。 本日、お示しいただきました中間とりまとめ案は、2030年までを見通して、エネルギー需給の新しい姿をまとめられたものであり、この間の関係者の方々の多大なるご尽力に対しまして、敬意とまず感謝を申し上げたいと存じます。 そうした中で、本日は1点、LCAの視点についてコメントをさせていただきたいと思います。 CO2問題に関しましては、京都議定書では国別に消費段階での視点でとらえておりますが、長期的な視点に立った場合、今後国境を越えて、まさに地球レベルで問題意識を持たざるを得ないようになっていくのではないかと推察いたしております。したがいまして、将来需給見通しを見直しする際には、日本国内での消費段階の環境対策、CO2排出量問題のみにとらわれるのではなく、地球規模で見た生産、輸送等の段階から消費に至るまでのCO2排出量を考えたLCAの視点を取り入れることが必要ではないかと存じております。この問題では、世界各国での取り組みにあえて先鞭をつけるべく、今後の議論においては、ぜひLCAによる地球環境対策を展開いただきますようお願い申し上げます。 また、そのためには、すべての根拠となるエネルギーごとのCO2排出量原単位をしっかりと精査しておく必要がありますので、国による統一データの整備、あるいは、公表をお願い申し上げたいと思います。 以上であります。 【茅会長】 ありがとうございました。 それでは、和気委員。 【和気委員】 ありがとうございます。 この中間報告は、かなりの分析結果をベースとしながら、メッセージ性が高く、事務局の皆さんのご努力に感謝を申し上げるとともに、私自身もこれが将来に向けての大きな政策的な資産になればいいと思いながら、委員の一人として議論に参加させていただいております。非常に高いメッセージ性という観点から、1つだけコメントさせていただきたいと思います。 61ページの環境制約の顕在化というところについてです。特にエネルギー絡みの環境問題では、グローバルガバナンスをどうしていくかによって、費用対効果の関係が変わってまいります。それから、公平性等を含めた国際政治交渉の枠組みも変わってまいります。したがって、グローバルガバナンスをうまくやるためにも、先ほどの吉田委員のご意見にもありましたように、LCA的な発想も含めて、もう少しエネルギー問題、環境問題を国際的な枠組みで分析していく方向性が必要かと思いつつ読みましたところ、この環境制約の顕在化についての書きぶりが気になります。 と申しますのは、この環境制約が顕在化していくシナリオは大変よくないシナリオだというふうに読み取れますが、その中で、強制力を持った国際的枠組みが必ずしも国際環境政策としてよくないような読み方もできなくもありません。しかし、法的強制力があるかどうかは別として、少なくともグローバルガバナンスをしていく上では何らかの国際的な枠組みが必要になってくるということは、おおよその国際的合意があると思うのです。したがって、京都議定書についての公平性や費用対効果についてはいろんな議論がありますが、ここの部分は、ポスト京都に向けてどういう国際的枠組みを考えるかというある種のメッセージが意図されているとすれば、この書きぶりはちょっと違和感があります。特に個々の社会的メリット、経済的メリットに応じた自主的努力にゆだねるというようなニュアンスが非常に強く出ております。一方、強制力を持った国際的枠組みは非常に抜け穴もあって問題だというようなニュアンスも取れます。 特に62ページの脚注は気になります。これは貿易自由化と投資自由化に関する書き方ですが、いかなる国際的枠組みが構築されない中で自由な投資が促進されたという意味に取れますが、やはり貿易ルールに関する国際合意、ガットにせよ、WTOにせよ、あるいはFTAにせよ、何らかのマルチ・ガバナンスの国際仕組みがあって、その中で自由貿易が担保されているということであって、国際的な枠組みがないから内生的にそれぞれの国が自由化したという書きぶりはやはりおかしいのではないかと思います。 したがって、この部分は、自主的努力に任せることは大変重要だけれども、やはりどんな国際的枠組みをつくっていくかということも、国際政策の戦略オプションの一つなので、こういう抜け穴がないような政策、努力はするけれども万が一そういう場合にはこんなことが起こるというようなニュアンスで書いていただきたいと思います。日本も、アジアも、どの国も自主的努力で、国民の意識でもって何かこの地球環境問題が解決するがごとき印象を与えかねない。つまり、ポスト京都の枠組みに対するある種のメッセージとして誤解を与える、あるいはミスリードするようなメッセージが入ってしまうような気がいたしましたので、ぜひこの辺の書きぶりを変えていただきたいというふうに思いました。 【茅会長】 ありがとうございました。 では、次に渡委員。 【渡委員】 ありがとうございます。 私の意見書に対しまして、深野課長からいろいろとお考えをお聞かせいただきましてありがとうございました。私が申し上げたかったことは3点です。まず、エネルギー間の競争条件については、わが国は無資源国ですから、あらゆるエネルギーのなかで、3つのEの観点から、最適なエネルギーが使用されるべきであるというのが私の基本的な考え方で、そういった意味から、公平な競争条件、すなわちイコールフッティングというものをかねがね主張してまいったわけですが、これに対する一定の考え方も聞かせていただきました。 それから、電源構成における火力発電の一本化表示の問題につきましても、こうした観点から、決して石油火力をもっと増やすべきと申し上げているのではなくて、燃料消費者である電力会社さんの各火力の特性を活かした総合判断に委ねられることが第一義にあることと、その選択の先には当然、最終消費者のメリットがあることから、むしろ火力発電は一本化して、変化するときどきの情勢に応じて、燃料のベストミックスを追求することとしてはどうかという趣旨で申し上げたわけでありまして、この点もご理解をしていただいたのではないかと思っております。 また、エネルギーの安全保障問題は、お隣中国の膨大な需要の増大に対して、ただ指をくわえて見ているだけでなく、東アジア地域全体の需給環境を踏まえた広い視野から検討を行わなければ、将来に禍根を残すことになるという観点から申し上げてきたわけであります。 こうした問題意識を持っている部分がある一方で、今回の報告書をずっと読ませていただきますと、評価できる部分もいくつかあります。181~182ページの「エネルギーベストミックスにかかる今後の課題」というところで、あらゆるエネルギーを徹底的に有効利用し、利用の高度化を図っていくという観点から、石油代替政策のあり方について再検討の必要性が示されていることや、新エネルギーの定義につきましても、従来の石油代替エネルギーという範疇に限定せず、概念そのものを見直す必要性が唱えられていることは、これまで代エネ法とか新エネ法によって偏ったエネルギー政策が採られてきたことからすると、大きな転換につながるとともに、国益にも合致するものとして私は評価しております。 ここで改めてお願いしたいのは、例えば、石油に関して言えば、エネルギーの有効利用に資するものとして、石油残渣IGCCなどの利用形態があるわけですが、今後は代エネ法やその関連法にかわって、例えば、「エネルギー高度化利用促進法」のような法体系に移行することによって、石油はもとより、石炭やLNGなど全てのエネルギーを平等に取り扱い、国益に合致した利用法の開発を促す仕組みづくりが必要だと考えています。こうした新しい枠組みのなかで、改めて重点政策を検討し、さまざまなインセンティブを設けていくという手順をとるべきだと思うのです。つきましては、こうした一連の政策転換の方向性や趣旨を文面のどこかにお入れいただければ大変ありがたいと思います。 以上であります。 【茅会長】 ありがとうございました。 では、秋元委員。 【秋元委員】 原子力の基幹電源としてのあり方につきましていろいろ注文をつけさせていただいたんですけれども、大変きめ細かく書き込んでいただいていまして、そういう意味での重要性ということについてはかなり浮き彫りになってきたのではないかというふうに思いまして、この点はほんとうに厚く御礼申し上げたいと思います。 ただ、私、1つだけ残念だと思いますのは、原子力発電と車の両輪である燃料サイクルの問題についての記述が前回と全く変わらず、3行で済まされているということであります。きのう、実はいろいろ各委員のご意見などについても見せていただいたのでありますけれども、田中委員のご意見の中で私も感銘を受けましたのは、特に燃料政策の問題などについて、今間違った政策を行えば将来に大きな禍根を残すのではないかというようなコメントがございます。私は、サイクルについてまさにそういう時期なのではないかなと思っているわけであります。これは、修文をされなかった基本的なご理解として、需給とそのサイクルというのは直接関係ないのではないかというようなご認識があるのかもしれないと思うんですけれども、実は、今もしサイクルが始動しなかったら、2030年ごろには一体どういうことになるのかというようなことをもう一回考えていただかなければいけないのではないかというふうに思います。 1スルーというような非常に無責任な話があるわけでありますが、それについては全くリスクアセスメントなどもできていないわけでありますから、その時期までに社会的にそういうような問題が受け入れられているとは到底考えられないわけでありますし、そうなりますと、中間貯蔵も宙に浮くわけでありますし、結局、最終的には原子炉の各サイトに使用済み燃料がこれが廃棄物という形でたまりっぱなしになるという状況に陥らざるを得なくなるわけであります。そういうことは、結局、原子力発電そのものに影響をしてくるわけでありまして、この計画で立てられた原子力が占めるべき目標の達成というのは不可能になる可能性がある。基幹電源としての役割が果たせないということであります。結局、サイクルと発電が車の両輪というのは、こういう意味だということをもう一度ご理解をいただきたいというふうに思うわけであります。 実は、私どもが所属しております原子力産業会議で私は燃料サイクル委員会というのを主催させていただいているわけでありますが、そこでも報告書をこの間つくりまして、「プルトニウム利用はいかにあるべきか」というような提案書をつくりました。実は、昨日、原子力委員会に伺いましてこれの説明をさせていただいたところでございますけれども、このリポートをぜひこちらの会議にも何らかの形で提出させていただきたいというふうに思います。この中では、産業は何をするか、その上で国に一体何を求めるかというようなことについて具体的に記してございまして、特にプルトニウム・サーマルをどうするか、最終利用を安全に立ち上げるためにはどうするかということに対しての産業界の決意というようなものも、数値を挙げて説明してございます。それに対して国もこたえていただきたいわけであります。そういう意味で、繰り返しますけれども、やはり六ヶ所の再処理の安全、円滑な立ち上げと、ウラン試験に始まる一連の計画の推進、特にプルサーマルの実施・普及・拡大への積極性について、具体的な数値目標を含めて、この報告書に入れていただきたいというふうに思っております。 それから、もう1つ、これは水力あるいは地熱についてのお話を申し上げましたが、これを含めていただきまして、再生可能エネルギーの中で非常に開発導入を推進する項目に含めていただいたということも、これも大変ありがたく思っているわけでございますけれども、いわゆる新エネルギーというエネルギーのくくり方というのは、実は日本独自のくくり方でして、海外では、環境適合の立場から言いますと、新エネルギーも、それから、従来の例えば水力のようなエネルギーも含めまして、再生可能エネルギーとして広くくくっていくのが普通であります。したがって、例えば、RPSのような問題を議論するときにも、海外と日本では何かそこいらのところの土壌が違うというようなことにもなってくるわけでありますけれども、やはり環境適合をこれから考えていくということになりますと、広く再生可能エネルギー、新エネルギーに注力するのはもちろんでございますけれども、それを範囲を広くやっていくということがぜひとも必要なのではないかなという感じがいたします。 そういう意味で言いますと、現在のRPSは、例えば水力も入ってはいるんですけれども、例えば水路型でもって1,000キロワットという、これはもう中小企業対策向けではあるけれども環境向けとは言いがたいというような程度の規模にしかなっていないということでございます。ただ、これから水力のダムなどをつくるについては、いろいろと環境問題もあるというようなご意見は当然あると思いますけれども、日本には大小いろいろな既設のダムがあって、そこにも大小の発電所があります。こういう発電所をさらに効率化をしていくというようなことで、費用対効果はかなりよい状況でこの再生可能エネルギーを増やすということは十分可能だというふうに思いますし、地熱につきましても、火山国としての日本でもう少しいろいろと知恵を出してやってもいいのではないかというふうに思うわけで、こういうふうに取り上げていただいたのは大変ありがたいわけでありますけれども、ぜひともこれをさらに積極的に進めていただきたいというふうに思います。 以上でございます。 【茅会長】 ありがとうございました。 では、次に安西委員。 【安西委員】 本日お示しいただいた「2030年のエネルギー需給展望」は、今後の我が国のエネルギー政策の方向性を示す画期的なものと私どもは評価しております。茅会長、黒田部会長を中心に良くまとめていただきまして、心から感謝を申し上げますとともに、深甚なる敬意を表したいと思います。 先週末に提出させていただいた意見書でも述べておりますが、この需給見通しを着実に実現するために、今回の需給見通しの受けとめと要望を中心に、省エネルギーへの取り組みの考え方と合わせて、2点述べさせていただきます。 1点目は、環境性・供給安定性に優れた天然ガスは、世界的に需要が高まっており、シェルやエクソンモービルなどのメジャーズも新たな開発プロジェクトを進めております。また、ヨーロッパにおいては、分散型エネルギーが省エネルギーを進める重要な政策として推進されている状況にあります。 このような中で、我が国が、エネルギー需給構造の柔軟性や省エネルギーを実現するために、天然ガス利用の拡大と分散型エネルギーの活用を図ることは、まさに正しい選択であると考えます。 ただ、欧米の天然ガス導入の状況を見ても明らかなように、我が国においても、天然ガスは大きな導入ポテンシャルを有しており、エネルギー基本計画で掲げられた天然ガスシフトの加速化を推進するには、さらなる天然ガス利用の拡大が求められていると考えます。 我が国が、天然ガスと分散型エネルギーの活用をさらに加速するためには、関係者との協調による系統連系への対応と、エネルギーの面的融通の促進や再開発計画への分散型エネルギーシステムの導入を標準化するなど、ヨーロッパに見られるように技術的、制度的な取り組みを強力に進めることが課題となります。 今回の報告書の中では、このような課題の解決や目標達成の実現に向けた具体的な方向性は示されておりませんので、今後、さらに議論を進めて、分散型エネルギーのポテンシャルの拡大と導入の速度を上げることが必要であると考えます。 2点目ですが、省エネルギーは、高効率の機器システムの開発、普及や、お客様が省エネルギーを実感できる情報の提供など、エネルギーに関わる全ての者が各々の立場から色々な施策を持ち寄って、地道に積み上げていくことが重要であると考えております。私どもは「経済と環境の両立」を目指し、今後も他エネルギーとも切磋琢磨しながら、我が国の省エネルギー目標の達成に努めてまいりますので、これまで以上に制度、財政の両面にわたる積極的なご支援をお願いいたします。 なお、前回、前々回におきまして、分散型エネルギーの省エネルギー効果が少ないのではないかというご意見が出されております。その場では時間が無かったため、お答えする機会はありませんでしたが、本日の資料の中でも、省エネルギーの効果は、ヒートポンプの普及などの他の施策と比較しても、圧倒的に高いことが明確に示されておりますので、念のために申し添えさせていただきます。 【茅会長】 ありがとうございました。 それでは、柏木委員。 【柏木委員】 この報告書は中長期的な観点から、これからのエネルギー施策の方向性を示したというふうに思っていまして、極めて高く評価したいと思っています。そういう意味で、関連諸氏に敬意を表したいと思います。 ただ、例えば、過去30年のエネルギーの伸び、特に電力の伸び、これが年率3.8%で、ちょうど高度成長期の経済成長率とほぼ同じぐらいの割合だと思います。しかし、これからの30年が年率1%行かない可能性があると。最終エネルギー消費はピークを打つかもしれないというようなドラスティックなメッセージを出しているわけで、これ、経済成長率にして、1%行かないということになりますと、ちょうど「失われた10年」と同じような割合になります。これだけ見ると非常に暗さを感じるわけですよね。ほんとうにこういう低需要に対して経済成長が維持できるかということがあわせて重要になると思っています。そういう観点で、市場原理を入れろというのが基本政策の中に入っておりますので、エネルギー業界の自由化というキーワードによって、市場原理を導入するということが、ある意味ではこの需要の伸びを抑えつつ新たな設備導入が成され、環境と経済の二者択一に往々にして陥りがちな事象を解決するための主点が、ここら辺にあるのではないかと思っています。ここには明確には書いてありませんけれども、こういう報告書を提示した後に、この経済と環境との両立を図るためにはどういう政策を打つかということを十分に考えないといけないなというふうに思っていまして、その一つのキーワードが、資金を回せるような、例えば電力の取引所の合理的な運用であるとか、新しい制度によって経済成長を維持できるような、すなわち低成長期にあって逆説的に経済を成長させるような新しい資金の運用のシステム、こういうものをどうやってこれからつくっていくかというのが大切であり、我が国に合った制度やシステムを着実に導入していくことが非常に重要だろうと思います。 以上です。 【茅会長】 ありがとうございました。 それでは、藤委員。 【藤委員】 毎回発言するチャンスを与えていただき、大変ありがとうございます。 まず、茅会長、それに黒田部会長をはじめ、事務局の皆様方、本当に精力的に検討していただいて、まことにありがとうございました。敬意を表します。 活力ある経済社会像といいますか、そういうもののあり方等、さらに時間をかけて議論を尽くしていただきたかった面もありますが、我が国初の30年先をにらんだ需給見通しを策定するということで、色々ご苦労もおありになったのではないかと思います。 今回の需給見通しの特徴として、2030年をにらんで、省エネ型の社会、あるいは、水素社会の構築をはじめとして、新たな技術の可能性が提示されたという点があろうかと思います。もちろん、こういう技術の重要性を否定するものではありません。しかし、同時に、資源小国である日本としては、エネルギー基本計画をベースに、地に足のついた視点で、安定供給の確保と環境への適合を両立することが必要であり、そういったエネルギー政策を構築していくことが非常に大切であります。すなわち、今回の需給見通しが絵に描いた餅にならないように、「将来の可能性」ということと「現実的な対応」ということを、常に両にらみで考えていくべきであろうと思います。 とりわけ、エネルギー基本計画上、原子燃料サイクルを含め、基幹電源として推進すると明記されました原子力のエネルギー政策上の重要性、これは2030年をにらんでも何ら変わるものではありません。今回の需給見通しにおきましても、原子力は将来の電源構成上約4割を占める存在となり、化石燃料取引におけるバーゲニング・パワー、あるいは、技術面での国際貢献上の役割、そして、エネルギー全般における意義なども勘案して、今後とも我が国の基幹電源としての役割を果たし続けると記載していただきましたことは、将来にわたり、エネルギー基本計画をベースに、原子燃料サイクルを含む原子力を基軸としたエネルギーミックスの構築を図ることの重要性が改めて再確認されたものと私は受けとめております。 また、前回の部会で他の委員からご指摘、ご発言がありましたように、今後自由化が進む中では、お客さまが使われる製品の変化というのはマーケットが決めるということが重要であろうかと思います。特定の技術や、あるいは、製品に対して政策的に過度に肩入れすることなく、イコールフッティングをベースに、より広い視野で将来をとらえていくということが基本になるのだろうと思っています。 今回の需給見通しの策定に際し、我が国の省エネルギーや温暖化防止に大いに貢献するものとして、今後のエネルギー政策上、ヒートポンプをきちんと位置づけていただきましたことを私どもは高く評価いたしております。さらなる普及・拡大に向けまして、私どもも技術開発やPR活動等、色々な面で今後とも努力を重ねてまいりたいと思います。 重ねて申し上げますが、事務局の皆様方、そして、茅先生、黒田部会長様、大変ありがとうございました。 【茅会長】 ありがとうございました。 では、吉岡委員。 【吉岡委員】 ありがとうございます。 私の配付した意見メモがございまして、これを全部話すと時間が足りないので、適当に見繕って、追加のコメントも含めてお話ししたいと思います。きょう配られた資料の中では、11人の委員の意見が出ていますけれど、その9番目で、22ページ~26ページの5ページにわたって書いてあります。ここで重要な点のみを、かいつまんでお話ししたいと思います。 まず全般的なことを言いますと、委員長以外の委員が29名いるわけですけれども、私はその1名にすぎないわけですけれども、意見メモを出す回数ですとか、話す時間ですとかでいうと、委員の平均を大きく上回っております。上回ったその労働量に十分匹敵する意見の反映がなされておると思いますので、その点は一定満足しているのですけれども、それでも異論がやはり多い。今回は初めてページを通した中間とりまとめ案が出たということでありますので、これにページを合わせる形で改めて意見メモを出すということにしたいと思います。ただ、それは、パブリックコメントが始まってから出すというような形になるかもしれませんが、お許しください。 それで、本論に入りますと、まず24ページなのですけれども、私のメモの3ページ目で、これは前回配られたプリントの資料番号に合わせて書いたので順不同になってしまったということであり、順不同で話させていただきます。3ページ目の下半分ですけれども、目標ケースがないではないかということを私は主張しています。目標ケースはやはり今回の案には示されていないと思うのですけれども、ただ、深野課長が先刻説明されたように、自律的発展シナリオが、定性的ではあるけれども、目標ケースに対応するものだという、そういう意味の話だったようにうかがえます。それはそれでいいのですが、せっかくだから定量化できないのかというのが私の願望でありまして、時間がないからできないというのは、それはしょうがないですけれども、やはりそれがあったほうが、次回以降の新しい需給見通しの策定にとってはいいのではないかと、まだ未練があるわけであります。 というのは、自律的発展シナリオというのは非常に幅広く考えられていて、悪くないと思うのですけれども、それと、前回の感応度分析にあったエネルギー技術進展ケースとはかなり違うと思うのですね。かなり幅が広く設定されていると思いますので、そのエネルギー需給への効果というのは、やはり定量的に検討するに値すると思います。だから、自律的発展シナリオが目標ケースに相当すると言えば、ある程度はわからないわけではないのですけれども、より定量的にはできないものかという気がいたします。 それに関して関連して申しますと、前回、無理を言って、市民エネルギー調査会のプリントを配らせていただいたんですけれど、これは室田泰弘さんが中心になって進めているプロジェクトですけれども、この中にはBシナリオというのがございます。自律的発展シナリオは、それと似た面が多々あると思いますので、定量的にも比べるというのはいいのではないか。この市民エネルギー調査会は、前回プリントを配付しましたように、あしたの1時から衆議院第一議員会館でワークショップがあります。委員にも来てくれと呼びかけが出ていますので、ぜひご協力できる方はお願いいたしたいと思います。 それがまず第1点であり、その次は、私のプリントで2ページ目なのですけれども、23ページの後ろ半分ですけれども、これは、またしつこいなと言われるかもしれませんが、レファレンスケースと現行対策推進ケースで、同じ現行対策を前提としているのに6%違うというのは納得いかない気がいたします。ですから、それぞれの実現確率は何%なのかとか、例えば、そういう表現があるとよろしいのではないか。レファレンスケースは一番実現確率が高いものだと思うのですけれども、その辺についての記述があるといいなと思います。今回はそういう記述は出ておりませんけれども、何とかしてお願いできないか。それに相当する記述で構いません。 それから、移りまして、私のプリントの4ページ目ですけれども、資料「2030年」です。これについては、160ページ以下なのですけれども、エネルギー戦略なのですけど、これは前回の終わりごろ配られて、あまり議論にはなっていないのですけれども、何かやはり変だなというふうに思います。何が変なのかと言うと、2030年を展望した記述になっているのかと言えば、なっていないのではないかという気がします。つまり、これは2010年をターゲットにしたような記述の方法で、もっと2030年をターゲットにするなら、文明史的に気宇壮大に議論が展開されてよろしいと思うのです。第1項目に「アジアのエネルギー需要増加」から入るというのも、あまり気宇壮大ではないような気がします。この項目の順序と、あるいは記述のタイムスパンも含めて、見直す余地があるのではないかと思います。 とりあえず以上です。 【茅会長】 ありがとうございました。 それでは、佐々木委員。 【佐々木委員】 どうもありがとうございます。 私も意見は資料1のほうにお出ししてございますので、重複しないようにお話をさせていただきたいと思います。 まず、大変なご努力でこの中間まとめをまとめていただいたことに敬意を表する次第でございます。 その中で、160ページ目にございますように、中長期的なエネルギー戦略に関して、省庁横断的な取り組みが必要であるという記述をされたことは非常に意味があると思います。ぜひこれが実現できるようにご努力をいただければと思います。 それに加えて2点ほど要望を申し上げさせていただきたいのでございますが、179ページの1の「技術開発の効率化」に関連いたしまして、その文章の第3パラグラフの2行目に、「特に重要な技術については、国が戦略的に関与する」という記述がございますが、重要な技術につきましては、やはり国として政策的に取り組むことが重要かと思います。国の科学技術政策の重要項目としてそれを組み込むといいますか、ただいまの第2期の科学技術基本計画におきましては、重点4分野の中に環境があり、そして、その他の分野、それは茅会長が非常に意見を述べられているところではございます。そこにエネルギーがあるという形になっているわけでございますが、18年度以降の第3期の科学技術基本計画というのがどういう形になるのか、これから議論がされるのだろうと思いますけれども、そういう中に明確に位置づけられるようなことが重要ではないかと思う次第でございまして、そんなような表現を盛り込まれたらいかがかというのが第1点でございます。 第2点は、その下にございます2番目の「エネルギー関係特別会計の活用」ということで、まさにこういう方向でご議論をいただき、そして、実現に向けての検討を進めていただきたいということをお願いしておきます。 以上でございます。 【茅会長】 ありがとうございました。 それでは、佐藤委員。 【佐藤委員】 最初に、私は地域で日々活動しているNPOなのですが、こういうNPOがこういう場に入れさせていただいたということに非常に感謝をしたいと思います。と申しますのは、地域の中で、市民なので率直な意見を言ってしまいますが、環境省は環境を守ることに一生懸命で、経済産業省は環境なんか考えないで経済の発展、どちらかというと原子力を中心にしたそればかりを考えているのではないかというような意見も結構ございます。きのうもそういう議論をある委員会の人たちとしました。やっぱり出てみて、そうではないのだと。経済産業省も、環境と経済、今後の経済のことも考えてしっかり議論をしているのだし、委員の方たちもそういう議論をしているということをことあるごとに言える、地域、自治体等も通して伝えていけるというのが我々の役割だと思いますので、今後こういう場があったら、もう少しそういう役割を担える人をぜひ入れていただければ、もっとここの議論、それから、経済産業省が何を考えてやっているかということも理解が進むと思うので、ぜひご検討をお願いしたいと、ほんとうに感謝をいたしております。 それと、今回、経済が多様、大型と小型というか、地域活性化型ということで、分散型2つ位置づけられたというのは、非常にうれしいなと思っております。それで、ぜひ企業の方はこれをビジネスチャンスととらえて、これからも相当努力をして新しいビジネスチャンスにトライをしてほしいなというふうに思っております。 それと、省エネですけれども、今、温暖化といって市民の中に非常に関心があるんですけれども、取り組めることというと、なかなか市民個人ではないんですよね。それが、やはりこの省エネというのがこれだけ位置づきますと、ほんとうに個人一人一人が温暖化防止に取り組める、やっぱりやる気になって、一部自分たちが担っていくのだということができると思うので、これがこれだけ大きく入ったというのは、非常に私たち市民にとってもうれしいなと思っております。 それから、もう1つ、新エネについてですが、やはり法的な整備との関連というのを相当整備をしていただきたいなと。風車も木質もそうですが、そこの辺の整備をしていただかないとなかなか進まないものがございます。それと、例えば木質エネルギーですと、関係省庁、今もおっしゃっていましたが、他省庁との連携なくして、山から木々をどうおろしてくるのかとか、さまざま困難がありますので、ぜひそこを力を入れていただきたいなと思っております。 もう1つ、販売事業者の方たちの役割が位置づけられましたけど、実は新エネも省エネも、建設会社、建築設計者の方たち、あともう1つは、電気工事屋さんですか、ここの辺の意識が変わらないとなかなか進まないということがありますので、ここの辺に対しての役割というのも位置づけをぜひ考えていただきたいなと思っております。 最後に、社会的責任投資とか社会的責任というのが今非常にクローズアップされてきておりますけれども、私も今自治体にグリーン購入入札とか入札制度の見直しというのを提案しているんですけれども、やはりこういうものを位置づけた入札方法というのも考えていただきたいなというふうに思っています。 もう1個、原子力についてなんですが、賛否は横に置いておきまして、最終的に廃棄物の処理、24000年と言われておりますけれども、これの処理費用を国が持つのか事業者が持つのか、これから自分たちの子供や孫が生きていったときに、この日本の経済の中で子供たちがお金払えるのかなという心配が市民の中には、私も含めてありますので、どこが責任を持って処理費を出すのかというのも、書いてあるのかもしれませんが、私にはわからないので、ぜひその辺を市民にわかるようにしていただきたいなと思います。 以上です。 【茅会長】 ありがとうございました。 中上委員。 【中上委員】 ありがとうございます。 今まで何回か需給見通しの審議会に参加させていただきましたけれど、その中でもかなり私はよくまとまったレポートになったのではないかと思います。ただ、やはり時間が非常に短かったので、詰め切れなかったところがあるということはやっぱり否めないのではないかと思いますので、今後どういうふうにこれを実施していくのか、どういう方向でこれをさらに詰めていくのかということについて、できれば、もし、きょうそういうコメントがいただければありがたいと思います。 例えば、既存インフラの有効活用と、それから、新しいインフラとのうまいマッチングというようなことも非常に重要になってくると思いますし、そういう意味で分散電源がかなりクローズアップされていますけれども、分散電源の既存インフラとのマッチングであるとか、あるいは、付加的なものが必要なのではないかと思いますし、そういった検討、あるいは、HEMSにつきましても、多分ご検討されていると思いますけれども、新しくHEMSを家庭に入れようとしますと、おそらく数万円とか、かなりの投資が必要になりますけれども、これが情報家電等とうまくマッチングできれば、ほとんどコストをかけないで入る可能性もあるわけですので、言葉ではHEMSと書いてありますけれども、これをどういうふうに実際に配備していくのかという話。 同じようにBEMSもそうでございます。これは私、産構審でプレゼンテーションさせていただきましたけれども、現状のBEMS(ビルディング・エネルギー・マネージメント・システム)というのは、日本の技術者は非常にまじめでございますので、完璧を期して非常に高いものについてしまう。これを私、ポルシェと言ったわけでありますけれども、そうではなくてカローラで十分でありますから、あるいは、軽自動車でも結構でありますから、そういった普及がもっと幅広くできるような技術で対応な部分もありますので、必ずしも完璧を期することだけがいいわけではありませんので、そういったことをどういうふうに詰めていくのかということについても、ぜひ今後検討を引き続き進めていただきたい。かなりご担当の方、スタッフかわられるようでございますけれど、かわっても後の方に十分その辺、引き継ぎをしていただきたいと思います。 それから、私自身は前々から申し上げていたので今回非常に感銘して感激しておりますのは、182ページに書いてありますけれども、きょう深野さん、あえて強調なさいませんでしたけれども、「統計の整備」ということが大きく明記されたわけでありまして、これは画期的なことではないかと思います。これはあまり新聞紙面にも出てきませんので、私は不満なのでありますけれども、30年間、オイルショック以降初めて統計の整備ということが、民生、運輸にわたって明記されたわけであります。これはぜひ強調していただきたいと思います。 従来のものについては、どちらかというと、これ、書き込みが、若干私としては不満なところがあるのは、今までの統計というのは供給側のデータが中心になっているわけですが、需要側のデータを整備するということに非常に意味があるわけでありまして、ここで需要のサンプルが少ないとか書いてありますけど、これは実際サンプルが少ない程度の話ではありませんで、ほとんどのデータは供給側のデータだけで云々していたわけでありますから、そういった点も含めて、私自身は、今回の報告書、ここだけ見て万々歳だと思っております。ありがとうございました。 【茅会長】 ありがとうございました。 河野委員。 【河野委員】 前々回、前回、今回3回目、私、たまたま同じ席に座ったのですけど、比較が幾らでもできるのですよ。いろんな比較はできるけど、皆さん、ほとんど言及しなかったけれども、エネルギー戦略論ということについて、実におもしろいことが書いてあるわけだ、ここには。それは、中国の急速な驚異的な台頭と、そのことによって我々が受けるであろう……、中東の、特にイラクなんかどうせいずれどこかで固まると思うけど、サウジがどうなるかわからないということを含めて、皆さんはそこにポイントを置きながら、不安感がこれほど高まったことはないのですよ。前回はこんなことを論じたことは全くなかったと思うね。やっぱり時代の反映なのですね。たまたまこの話は首相官邸のほうに持ち上げておいて、そこで総理の下で真っ当な議論をやるような仕組みができつつあると聞いているので、このペーパーはいずれ役に立つだろうと思っている。 これには資源の争奪論から何から実にいろんな要素が入ってくる話なので、簡単な市場原理一辺倒だとか、規制緩和一辺倒だけで済む話じゃないのですよ。そういうことを全部含めたことがこの中には含まれていて、これはこれで意味のある文書だというふうに思う。 これは今の話に関連するのですけど、おそらく経産省は今回の人事異動だけじゃないけど、それを含めて、ものの考え方の大転換をするのではないかという予感が私にはする。どういうことかと言うと、今まで十数年間、僕も自由化の部分的なことを随分加えてきたし、政府全体の規制緩和の話も全部わきで見ていたけど、やっぱり新しい制度を外国から入れて、自由化のほうをどんどん広げて、しかも、競争をどんどん助長して、で、コスト、その他メリットは大体産業界、一般家庭にメリットを与えるのだというロジックできたでしょう。それはそれで大きな成功を実はおさめていたわけ。この路線は、基本的にそんなに大幅に変えることはあり得ない。しかし、これから先のことを考えたら、もう一つ別の柱を経産省は持つべきじゃないか。実はみんなわかっている。お役人は全部、大なり小なり。それをこの文書の中に書けなんてことを言っているのではないです。そこのところをはっきりしないと、いろんな個別の現象についてあれこれ言ったって始まらないから、僕は基本的なことを申し上げているわけでございます。 この自由化に関連して言えば、前回、前々回と、2010年対応の決定打は原子力だったのですよ。すごい数字が並んでいましたよ。「その実現のためにいかにあるべきか」ということを、実に苦しい表現で我々は書きつづけたのです。ほかに手がなかったと思っているから。今、今回はそれにかわって、ほがらかじゃないけども、かなり自身たっぷりにできたのは、省エネの努力、それから、分散型電源の2つ。これはやっぱり時代の産物だと思いますね。 特に燃料電池関係のことについて言えば、これから経産省はいろんな新産業政策論というのを打って出るつもりだと聞いているし、我々、部分的にはそれを仄聞しているけれども、その筆頭に上がっているのは燃料電池論なのですね。経産省も金出す、各業界も相当の金出す。単純なエネルギー政策論じゃないです。もっと広範の意義を持った話がちゃんと芽が出ているのです。しかし、それはこの枠の中におさまるような話では本来ないわけです。だから、いろいろ考えてみると、今回のまとめというのは、前の2回に比べれば、より現実的で、いろんな問題を、ここに出席しているメンバーを含めて、考え方に変化を与えていたのではないか、それが一番大きいと思いますね。 あと、2030年論というのがあって、これはいまだかつてやったことのない話ですよ。よくもこんなことを手がけたなと思って、担当課長にはほんとうに立派な仕事されたと思っているけど、それにしても、だれか発言があったかもしれないけど、この世界というのは、需要が停滞して、各業界必死に闘いを展開するということになると、考えようによっては、エネルギー業界の将来は限りない消耗戦の世界じゃないかという気がしないでもない。それに地球環境論がかぶさってくるわけだから。そこを、そうじゃないのだと、もっとフェアな明るい競争があってというふうにどうやって持っていくのか、これはまことに難しいと思うのですよ。ただ、よくも1年間の間にこれだけの大作業をやれたと思って、それはそれでほんとうに立派なものだと褒め上げておきます。 以上。 【茅会長】 ありがとうございました。 それでは、三村光代委員。 【三村(光)委員】 ありがとうございます。 前回、私は、国民といいますか、消費者に向かって省エネルギーをお仕着せするような厳しい文面だと思ったものですから、あんな意見を言いました。今回は、166ページを見ておりますと、とても私が思っていたよりも消費者のことをお考え下さり、ありがたいのですが、些か薄氷を踏むような文面で、ここまで消費者に遠慮する必要があるのかなという気持ちもしております。 また、消費者教育についても大変よく考えてくださっていて嬉しいのですが、この文章の中で一言だけ、167ページのエネルギー教育云々というところですが、タイトルは、「広報等を通じた普及・啓発」という文になっています。公民館などが行う社会教育は、確かに社会教育という名前を使っておりますが、実際は啓発活動ではないかと思います。この最後の文章ですが。「省エネルギー教育の充実を図る」というところの教育の後に、タイトルと合わせて、ナカポツ「啓発」というように啓発という文字を入れてはどうかと思います。 最後に、家庭の中で省エネルギーを推進していただくための支援として、エネルギーの動きがリアルタイムに見える機器について、「国が開発、普及等に努める」という文章を入れて頂けると、消費者が自主的な省エネ行動を取るための支援になるのではないかという気がします。 以上です。 【茅会長】 ありがとうございました。 それでは、大体ご意見もほぼ一回りしたと思いますので、今のご意見に対して、事務局側からの対応をお願いいたします。 【深野課長】 それでは、最初に、廃炉の関係のご指摘でございます。これにつきましては、確かにもう少し対応のところでも切迫感を持つ必要があるのではないかというふうに思いますので、どういう形で書けるか、よく考えさせていただきたいと思います。 それから、LCAのご指摘でございました。これにつきましては、非常に難しい問題でございまして、例えば、日本の国内で使っている資源でも、海外から持ってきているものについては、海外でつくるときに、例えば地球温暖化ガスを出していないかとか、そういうことも日本の地球温暖化ガスの排出としてカウントするべきなのかどうかというのは、おそらく次以降の大きなスコープの中で議論すべき点ではないかと思っておりまして、ここでそこまで踏み込めるかどうかというのは若干自信がない状況でございまして、検討課題とさせていただきたいと思います。 それから、例のシナリオの中で、環境制約顕在化シナリオについてのご意見でございますけれども、これにつきましては、私どもの意図するところは、要するに、油断をしていると、ある日突然非常に厳しいことをしなければならなくなって、非常に急激に調整コストがかかってしまうと。それよりは、むしろ国民も意識を持ち、産業界も意識を持ち、日ごろから取り組みをしておいたほうが、経済にもプラスになるし、対応も円滑にいくのではないか、そういう思いでございまして、いわゆるグローバルガバナンスといったことを別に否定しているつもりではございませんので、もしそういう誤解を招くようなところがあるとすれば、ちょっとその書き方は考えてみたいと思います。 それから、渡委員の、石油に限らずエネルギーを有効利用することが大事なんだということは、確かにご指摘のとおりだと思いますので、これもどういう形で取り入れられるか、よく考えさせていただきたいと思います。エネルギーの理想的効率利用というのは、今回の非常に重要なモチーフでもあると思いますので、そういうことで、どういう形で取り上げられるのか、ちょっと考えたいと思います。 それから、サイクルについてのご指摘でございますけれども、これについては、私どもとしては、基本計画で大分たくさん書いてあったんじゃないかという認識ではございますが、あと、今回のものについては、委員からもお話があったように、直ちに需給の数字そのものから出てくる話ではないということで、むしろエネルギー基本計画を引かせていただいて、ああいう書き方をしたものでございます。いずれにしても、その原産会議のやつなども参考にさせていただいて、どういう形で記述の充実が図れるか考えてみたいと思います。 それから、安西委員からの、天然ガスの利用について、あるいは、分散型電源の利用について、具体的な方向性がないというご指摘でございまして、これについては、私ども、まだ少し足りないところはあるかもしれませんけれども、今回の中でも最後の戦略論のところで、分散電源について一応2段階の取り組みということで、177ページでございますけれども、ちょっと書かせていただいておりますので、若干敷衍をさせていただきますと、やはり1つは、系統連系ガイドラインとか、そういう分散電源を系統に悪影響を与えることなく導入していくためにどうしたらいいのかというルールが今あるわけでございますけれども、これは十分なものではございませんので、こういうものをちゃんと整備していくということが必要なのではないかというのがまず第1段階でございまして、さらに、その中で特に安定供給とか環境対応にメリットがあるものについては、その普及を促進するための政策的措置を講ずるということで、一応ある程度方向性は書いているつもりでございますが、とりあえずそういうことで今これには取り組んでいきたいということでございます。 それから、吉岡委員のご指摘で、まず目標計数、自律的発展シナリオということが一つ念頭にあるというのは先ほどご説明をしたことなのでございますが、これを定量化するというのは実は非常に難しい作業だと思っておりまして、これは黒田部会長からもそういうご指摘をいただいておりますけれども、省エネ進展ケースという感応度分析をやったものでは、その結果として出てくるいろんな変化というのが読み取れないので、当然あれだけ省エネルギーが進むときにはほかの要素がいろいろ変わってくるので、おそらく一般均衡論的なアプローチが必要になるのではないかと思います。ただ、なかなかこれは大変な作業でございまして、そう簡単にはできないというのも正直に白状させていただきますけれども、そういうことでございます。 それから、レファレンスケースと現行対策ケースにつきまして、前回もご説明いたしましたように、やはり私どもなりに技術の導入の見通しなどについて、現行対策ケースでは、今必ずしも十分普及していないものについて、一定のモデルを使って将来の価格低下の見通しを踏まえた、あるいは、投資回収年数を踏まえた計算をしておりまして、それなりに根拠は私どもとしてはあるというふうに考えておりますけれども、ただ、一方で、これを何%ということで書くのは、どういうロジックでそのパーセントを出すかというのは非常に難しいと思っておりまして、なかなか困難ではないかなという感じがいたします。 それから、2030年の展望を踏まえた戦略ということで、必ずしもこれは長い目で見た気宇壮大な戦略になっていないんじゃないかというご指摘でございましたけれども、これにつきましては、私ども今回初めての取り組みということもあって、こういう気宇壮大なことを書くことになれておりませんので、少し控え目になっている面もあるかもしれませんけれども、その中で、やはりアジアのエネルギー需要の拡大ということ、あるいは、アジアのいろいろ大きな変化、あるいは、もっと大きな地政学的な変化というのは、これは非常に大きな時代の流れで、おそらく相当長くつながっていくことではないかと思っています。そういうことで、その後の日本のことを考えるときにもやっぱりこれが大前提だと思いますので、あえて最初に出して、しかも2030年を考えた戦略でむしろ一番大事なことだというふうに位置づけさせていただいたものでございまして、あと、先ほど渡委員からご指摘があった資源の確保ということについても、やはり非常に大事なことでございますので、ここで戦略の一番最初に入れさせていただいたということでございます。その点ご理解をいただければと思います。 それから、総合科学技術会議、あるいは技術開発の点については、これはどういう工夫ができるのか、私どもまた気持ちは一緒でございますので、これも少し考えさせていただきたいと思います。 それから、販売事業者の役割、あるいは、建設会社、設計者、こういう広範な人たちの役割が省エネなり新エネなりで非常に大事だということについてはご指摘のとおりだと思っておりまして、これもどこまで書き込めるか工夫はしてみたいと思います。 あと、原子力の処理費用の話というのは、これは別の場で今議論しておりますので、むしろその場に譲るべき問題ではないかと思っております。 それから、今後これをどういう方向で詰めていくのかということでございますが、とりあえず夏にかけてパブコメをいただいて、その結果も踏まえて、先ほど会長からもお話しされたようなことでございますけれども、一方、ことしの後半、地球温暖化対策大綱の見直しという、かなりこれも大きな作業がありまして、おそらくそれもにらみながら、いろいろとこの中の事柄を具体的に議論しなければいけない点が出てくるのではないかと思っておりまして、そういうことを見ながら、必要があればまた議論をお願いするということになるのではなかろうかと思っております。それぞれの対策については、これからいろんな要求ものがたくさんございますので、反映させるべきものはそういうところに反映させていくということになるかと思います。 それから、先ほどの社会教育だけではなくて啓発も非常に大事だというのは、これはご指摘のとおりだと思います。そういうことで入れさせていただきたいと思います。 それから、リアルタイムのエネルギーの消費が見えるものというのは、これもまさにおっしゃるとおりなのですが、実は消費者に対する情報提供ということで、一応その中で整理されているというふうに私ども考えておりまして、どこまで具体的にこの段階で書くかというのはまた考えさせていただければと思います。 私のほうからは以上でございます。 【藤田部長】 まず、秋元委員のご指摘の、新エネルギーという概念がわかりにくいという、これは前にもほかの委員からもご指摘をいただいておりますけれども、確かにおっしゃるとおりの面がございまして、特に日本の対応がおくれているというご批判をされる方々の中には、日本の数字は、RPS法の新エネの数字を取り上げて0.3%だとか1%と批判をされ、EUの数字は、水力とか地熱も全部入れたものを取り上げて、やれ10%だ20%だと、何と日本は劣っているのかというご批判もときどきあって私どももつらいわけですけれども、これは対外的な説明ぶりの問題かもしれませんけれども、したがって、今回の報告書の中でもあまり新エネルギーと言わずに、むしろ再生可能エネルギーというものを前面に出すようにしてございます。引き続きその定義の問題、位置づけの問題については検討させていただきたいと思います。 それから、中上委員のご指摘のHEMS、BEMSの普及を具体的にどう進めるのかが大事だというご意見も全くおっしゃるとおりでございまして、私ども新たにこの普及策を推進するために委員会を近々つくるなどして、具体策についてさらに検討していきたいと思います。 それから、三村委員からご指摘の家庭の中で見えるようなということでございますが、省エネナビというのはHEMSの極めて簡易なタイプだということかと思いますけれども、私どももいろいろ普及を図っているのですが、なかなか普及しないのが悩みでございまして、今後何か助成制度といいますか、設置の支援制度とか、そうしたものを、これは私どもが要求しても、深野課長のところが認めてくれないと財務省に出ていかないのですけれども、また検討させていただきたいと思っております。 【茅会長】 それでは、省エネ部会長の木元委員。 【木元委員】 恐れ入ります。たびたびありがとうございます。 今、省エネのことについてかなりいろいろご意見賜りまして、三村さんからまたいただきまして、ありがとうございます。 その前に、佐藤委員のほうからも、消費者自身が自覚しなければいけないということを明確におっしゃっていただきまして、大変うれしく思っているところで、一人一人がやる気になる、自分たちも担っていくという言葉はそのまま受けとめさせていただきたいのですが、三村委員にもいいことはたくさんおっしゃっていただいたのですが、今の啓発を入れろということに関しては、今の流れの中で私は異論があるのですね。 といいますのは、言葉としては、生涯教育というのが昔ありました。それは教育という言葉を使ってしまうと、国民一般のほうから、また何か教科書があってそれを上から教えるのだと。自分が何か情報を仕入れるなり、学んで、みずからが解を見出すという形にはならない。それで生涯学習という言葉に変わったわけです。ですから、ここの167ページの(3)のタイトルが「省エネルギー教育・省エネルギー広報等を通じた普及・啓発」、タイトルはそのままにしていただいてもいいのですけれども、①②と囲ってあるところの中に、例えば、②のところのアンダーラインを引いた2行目ですけれども、「省エネルギー広報を展開していくべきである」というのは、広報の前に、今、はやりになってしまったのですが、「広聴」ということ、聴くということを入れていただきたい。まず、あなたはどういうことを、例えば、省エネルギーについてあなたはどういうふうに考えていますかということを伺った後で、そして、実はこうなのですよということをお示ししたほうが受け入れやすいということがあるので、広聴・広報にしていただきたいということと、それから、その後3行目あたりに、「自らの問題として考えるよう」ということがあるので、「早い時期から情報を提供していくため」、先ほど三村さんからご提示がありましたけれども、「省エネルギー教育」、そしてポツでも何でもいい、「学習」という言葉をぜひ入れていただきたい。それで、啓発ということは、私どもは現在ではあまり使わないようにしております。どうしても「上から教えてやるよ、あんたはわかってないのだろう」というニュアンスがあるので、できれば私は忌避したいと、これは個人の意見ですけれども、考えておりますので、その辺よろしくお願い申し上げたいと思います。 佐藤委員がさっきおっしゃったこと、付記しますけれども、こういう方に入っていただいて、私はほんとうによかったと思っています。三村さんもそうですが、やはりいろんな意見の方が入ることによって、実はその方を通して国民が、委員会というのはこういうことをやっているのだ、部会というのはこういうことをやっているんだとわかりますから、これも一つの広報なのですね。そういう意味で、大変感動いたしました。ありがとうございました。 【茅会長】 ありがとうございました。 それでは、この中間とりまとめ案の扱いなのですが、今、皆様方からいろんなご意見をいただきましたので、それで改めて修文をしたいと思いますが、その後でこれをパブリックコメントにかけるということになります。そこでお願いですが、できれば、その修文に関しましては、私と事務局に一任をさせていただいて、そして、パブリックコメントにかけるということでよろしゅうございましょうか。 (「異議なし」の声あり) 【茅会長】 ありがとうございました。それでは、そうさせていただきたいと存じます。 そういたしますと、この後の手続としては、大体1カ月ぐらいパブリックコメントにはかかりますので、その場合、7月中はパブリックコメントにこれをかけて、その上で、秋までにこの部会を再開し、改めてでき上がった案を議論するという形にさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 それでは、今言ったようなことで、この作業は一応一段落という言葉がいいのかどうかわかりませんが、いたしますので、この段階でちょっと黒田部会長に一言お願いします。 【黒田部会長】 一言御礼とごあいさつを申し上げたいと思います。 今回、半年強の期間でございましたけれども、委員の先生方にはお忙しいところ精力的にこの議論の中に参加いただきまして、おかげさまで需給部会としては新しい需給見通しをつくることができたということで、厚く御礼を申し上げたいと思います。 今回の需給見通し、私もここにいらっしゃる何人かの委員の方々とご一緒に、既に3回目の需給見通しということになったわけですけれども、河野委員のおっしゃったように、ある意味でかなり画期的な需給見通しではなかろうかというふうに考えております。過去2回がいけなかったということではなくて、周りの状況が相当変わってまいっておりまして、いろんな意味で正直ベースでできることとできないことがきちっと言えるようになったという環境が整ってきたというのは、非常にいいことだろうというふうに考えておりました。 今回の需給見通しは、とりわけ2010年という比較的近未来に控えた状況の中で、京都議定書の国家のコミットメントをどう対策をとるかということが一つの焦点で、それに関しましては、現状認識がどうあるべきか、どうあったか、それから、現状のままでいけば果たしてどういう形になるんだろうかということに関してまず分析をして、それをレファレンスとして置いて、それについて大方の共有の知識が得られたというのは非常に貴重であった。その結果、必ずしも2010年のターゲットを守ることがそう簡単な目標にはない。したがって、追加目標対策を含めて、かなり努力をしコストをかけないとそれが実現できないということも、メッセージが送れたという意味では、2010年についての見通しに関して、従来の何となく目標を設定して、その目標に向かって邁進するということだけで事足りていた需給見通しからしますと、相当画期的な試みではなかったかというふうに思っております。 それとあわせて、今回、2030年というかなり中長期的な見通しをつくることになりましたが、これはいろんな不確定要素がありまして、一本の目標を設定するというわけにはなかなかいかない、現状ではそういう状況ではないかというふうに私自身考えておりまして、ただ、幾つかのシナリオを描くことからまずスタートをしてみると。で、これについて、このシナリオが実現可能性を持っているか、もしくは持つべき戦略をどうやればいいかということに対して新たな戦略論というのを展開していただいた。エネルギー需給見通しの中に、正面切って戦略という言葉を使って、長期的な施策を考えたというのは、私の知る限り初めてだろうと思っておりまして、過去にも戦略をどう考えるべきという議論はすべきだというご指摘はいただいておりましたけれども、なかなか戦略という言葉づかいで施策を論ずるという時点ではなかったように思っております。 ただ、1点だけ誤解のないように、これはシナリオをつくった立場からでございますが、柏木委員からのご指摘がありましたように、2030年の省エネルギーシナリオというのが、レファレンスに対抗して一つ感応度分析という形でなされておりますけれども、これはあくまで他の条件を一定にして省エネルギーをここまで進めたらこういう姿が描けるんだという姿でございまして、ある意味で、省エネルギーというのはいかに重要かということをメッセージとして送るためにつくったシナリオでございます。したがいまして、経済成長が2%ぐらいでエネルギー需給がうんと落ちるわけですから、エネルギー弾力性はマイナスになってしまう。そういう世界が果たして実現できるのかどうかということになりますと、それは多分そういう姿にはならないで、そこまで省エネルギーが進めば、国際的な競争力、産業の競争力ももっと高まりますし、エネルギーのいろんな施策に対するコストも安くなるわけですから、結果的に経済成長をさらに上げる可能性もあるということも片方で考えておかなければいけない。そういう意味で、一般均衡的というふうに深野課長はおっしゃいましたけれども、そういうことも考えていくのは、これを出発点にした今後の需給部会の仕事であろうというふうに考えております。 戦略に関しましては、今回、そういう意味で、省エネルギーということが一つの大きな柱になったんだろうと思いますが、その前提となっておりますのは、マーケットの活力をいかに生かすかということだと、私、考えておりまして、そのマーケットの活力を生かすために、いろんなイコールフッティングな市場の場をどう設定するかというのが一番重要なことで、その結果として省エネにそれが結びつくと考えています。省エネに結びつきますと、エネルギー資源を持たない日本のような国では、ある意味で国際的なポジションが最も高くなるわけでございますし、それこそ戦略的に国家が生きていくための一つの方向性を練られるわけですから、グローバルなガバナンス、それから環境問題に関する社会的責任を、もしくは世界的な責任を果たす最も的確な施策が得られるのであろうというふうに考えております。 そういう意味では、戦略としてはその戦略をどうこれから実現してインプリメントしていくのかというのが一番重要なことでございまして、その分についての議論は、残念ながら今回の中では徹底した議論がなされていない。そういう意味で、多くの委員がおっしゃいましたように、これを実現するための施策、インプリメンテーションの方法というものをこれから着実に実現していくというのが次のステップではなかろうかというふうに考えております。そういう意味で、私としては、過去2回よりも若干フラストレーションがたまらないで済んだような見通しになったというふうに感じておりますので、ご議論いただきましたことに、改めて御礼を申し上げたいと思います。 最後に、この見通し作成のためには、深野課長をはじめ、各事務局、相当に精力的にやっていただきまして、そのことについても厚く御礼を申し上げたいと思いますし、ここにも何人かご出席されておりますけれども、片方でシナリオを描くためのWGを数回にわたって開催しておりまして、そこに参加されたエネルギー経済研究所のスタッフの方々はじめ、委員の先生方にも、この場をかりて厚く御礼を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。 【茅会長】 それでは、日下長官にもごあいさつをお願いいたします。 【日下長官】 事務局を代表いたしまして、御礼を兼ねましてごあいさつ申し上げます。 昨年12月以来、大変長時間にわたり熱心にご審議いただきまして、まことにありがとうございました。先ほどからお話がありますように、2030年という、これまでで初めての長期を展望した大変困難な作業だったのだろうと思います。また、これはモデル、専門家による検討に加えて、まさにここにお集まりの委員の方々、エネルギーの供給あるいは需要の面で現場を担われている責任のある方々による検証をしていっていただくというプロセスだったのだと理解しております。おかげさまで、構造の変化を踏まえた現実的な需給見通しと、省エネの進展等による二酸化炭素排出量の大幅な削減の可能性が政策立案の基礎として示されたところであります。政府として、あるいは日本経済として、2030年に向けて、将来に向けてどのような備えをしなければならないかということが明確になってきたのだと思います。また、その通過地点としての2010年への対処の仕方についても、今回のこの報告は大変示唆に富むものにしていただいたと感謝をしているところであります。 これらを踏まえまして、国際的な需給両面の構造変化を踏まえた国際エネルギー戦略の確立、2つ目には、高い環境意識による好循環の実現、第3点としては、供給面での分散と多様化による環境変化への対応力の強化、第4点が、エネルギー業界の垣根を越えたダイナミックな企業活動、このような大きな4つの政策の方向性を打ち出していただき、また、ご指摘のありましたように、地味ではありますが、大変大切なエネルギーの使われ方についての統計の整備なども着実に盛り込んでいただいたところでございます。確かに、エネルギー業界にとって、市場の規模という点では明るさが足りないのではないかというご指摘もありましたが、私ども経済産業省としては、日本経済自体の拡大が当審議会での予想を超える形で経済が活性化し拡大することがあれば、そんなにうれしいことはないと考えているわけでありますし、また、少し周りを見渡してみますと、技術力と競争力をますます備えていかれる日本のエネルギー企業が急成長するアジアの市場の中で大活躍をされるというところも想像するのにかたくないところでございます。 また、これからの政策の具体化に向けて大変重要なポイントを本日この場でも追加をしてご指摘をいただいたところであります。茅会長に修正を加えていただいた原案については、先ほどお話がありましたように、パブリックコメントを通じて、広くご意見を国民各層からいただき、その結果を踏まえて、9月ごろをめどに需給部会を再開して、とりまとめに向けてご審議をいただければと考えているところでございます。引き続き委員の皆様のご協力を賜りますようよろしくお願いいたしまして、事務局として御礼のごあいさつとさせていただきます。大変ありがとうございました。 【茅会長】 ありがとうございました。 私のほうからも一言あいさつをさせていただきますが、今、日下長官のお話にもありましたように、約6カ月、大分長い会議ばかりやらせていただきましてありがとうございました。幸いきょうは予定と違ってと言ってはおかしいのですが、どうも12時半までかからないで終わりそうで、最後としては――最後ではないのですが――ほっとしているんですけれども、いずれにいたしましても、大変皆様方にはご苦労をおかけいたしました。また、随分無理な注文をして、例えば、先週のように、ご意見を先週いっぱいで出してほしいということを申し上げたりしたのですが、正直言って、私が想像したよりもはるかに多くのご意見が出てまいりまして、びっくりするやら大慌てするやらしたわけです。これも皆様方のご関心のたまものだと思います。 今回の見通しは、私、十数年間このエネルギー需給見通しというのを手伝ってきたんですけれども、ほとんど初めてやや長期の見通しをやったわけでして、今まではやはり2010年のしがらみといいますか、それを目標にして、そこに何かつじつまを合わせるシナリオをつくるということでやってきたような気がいたします。それはそれで一つの意味があるのですが、今回はしがらみをなしに、将来について自由に検討するということができまして、いわゆる見通しという作業がほんとうの意味でできたのかなという気がいたします。 ただ、一方において、2010年という問題はやはり今でもあるわけでして、それについて今回も現行対策推進ケースと追加対策ケースというのをお示ししたわけですが、これで一応つじつまが合うシナリオができたからといって、簡単にこれが実現できるというふうには思っておりません。むしろ非常に難しいと思っております。ですから、その難しさが、この秋に予定されている地球温暖化対策推進大綱の見直し、この作業の中にぜひ反映していきたいと。これは私自身が直接参加することは多分ないのだろうと思うのですけれども、そういう形でこの作業が反映されることを、私としては特に願っております。 なお、事務局の方々にも大変ご苦労をかけたんですが、このお礼につきましては黒田部会長がしていただきましたので、省略をさせていただきます。 この後の予定、今ちょっと日下長官がおっしゃいましたが、とりあえず7月5日前に予定しておりました予備日ですが、これは会議をやらないということでご理解いただきたいと思います。したがいまして、今後いつ部会を再開するかにつきましては、改めて事務局から後日連絡させていただきます。 それでは、本日はこれで閉会いたします。ありがとうございました。 ――了――
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