経済産業省
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審議会・研究会

独立行政法人評価委員会経済産業研究所分科会(第10回) 議事要旨

  1. 日時:平成16年7月1日(木)9:30~11:50

  2. 場所:経済産業省532共用会議室(別館5階532)

  3. 出席者:

    <分科会委員>
    宮内分科会長、小笠原委員、シェアード委員、西岡委員

    <独立行政法人経済産業研究所>
    岡松理事長、吉冨所長、田辺副所長、入江総務ディレクター、細谷研究調整ディレクター、浜辺総務副ディレクター

    <経済産業省企画室>
    佐味室長、小滝企画主任、足立企画主任

  4. 議題

    (1)独立行政法人経済産業研究所の平成15年度財務諸表について(審議)

    (2)独立行政法人経済産業研究所の平成15年度の業務の実績に関する評価について(審議)

    (3)中期目標期間の評価に向けた今後の対応について(報告)

  5. 議事概要

    <独立行政法人経済産業研究所の平成15年度財務諸表について>

    ○経済産業研究所・岡松理事長及び入江総務ディレクターより概要を説明した後、以下のとおり審議。

    ・成果進行基準が採用された理由は、運営費交付金の計画的かつ効率的な活用を図るためと理解。計画的効率的な活用を図るため導入し実施した結果、損益についてはこれまでとあまり変わらない結果となっている一方で、3億円以上の未執行が発生。原因につき追加説明を願う。
    →繰越がでたということは、事業が終了しなかったため継続して進めなければならないという判断をしたもの。今回計画したのは78プロジェクト。期初から成果進行基準を取り入れ、プロジェクト毎に予算配賦を決定してスタートした。しかし、アンケート調査やデータ収集等に時間がかかった、調査の個票利用に時間がかかった、アジア研究においてSARS発生によって予定していた現時調査等ができなかったことから33本が未完了。
     研究計画段階でプロジェクトごとに予算の貼り付けを行い、9月の時点で研究の進行状況と予算の支出状況をチェックし、予算を見直した。更に、1月に出された最終的な研究予定の報告書と3月末に出された成果を比較し、両者の開きに見合う予算を繰越した。
    →例えば、研究会を重ねてきてあとは論文のとりまとめが残っている、刊行物やDPなどの最後のまとめが16年度にずれこんでいるといったもの。これらは利益ではなく残ったものがあるという処理をしている。

    ・今年度はすでに始まっており、マネージメントの方で期末に生じた未執行分も加味してプロジェクトを予算化しているのか。
    →今年度のスタートは若干遅れている。新所長の下で各研究者が出してきたワークプログラムに基づきブレインストーミングをやり、各プロジェクト毎に研究計画を審査し、予算を与えるということを実施中。常勤のフェローについてはほぼ終了。非常勤のファカルティーフェローについては5月に入ってから審査を進めて、一部はスタートし、まだこれから審査に入る方もいる。

    ・例えば吉冨所長が在籍していた研究所で2割近い予算が残るような研究管理の事例はあるか。
    →あった。ADBの研究所に冒頭の4年間いたが、最初の2年間は8割ぐらい消化。ADB本部に対する私の説明は、立ち上がったばかりなので、クオリティーコントロールをきちんとすると予算を全額使い切れない場合があり得る、しかしパイプラインにこれだけ入っていれば、2年目の後半から3年目にはこれだけのものが出てくる、というもの。その結果、3年目と4年目には十分達成できた。(吉冨所長)

    ・プロジェクト毎の予算を足して、今年の3月末における調整を踏まえ、現段階で、来年の3月に余りそうな金額を集計できないか。
    →15年度は予算が17億円。一方で、財務省の了解も得て、それまでに残してきた9億円を15、16、17年度で3億ずつ使うことになっているため、全体で20億円でスタート。そのうち研究部門で使う予算分を研究部門に渡し、各プロジェクトに貼り付けた。人件費については期間進行基準に基づき推計。今年度も同様に研究部の予算を枠取りし、それが支出額となるようにスタートしている。

    ・昨年までに9億円残り、それを3億円と17億円の20億円でやったところをまた3億円繰越となった。この3億円が繰り越されて残りの交付金債務が9億円となった。今の段階で本採用してしまうと、新規の予算額が17億円と決まり残りの交付金が9億円となると、4月から6月に積み上げたプロジェクトの合計値から予め残る交付金債務額が出てくるのではないか。
    →これからもファカルティフェローやコンサルティングフェローなどから追加されるプロジェクトがあり、まだ予算額は流動的。この段階でいくら余るかは未確定。

    ・今の予算の回し方だと予算に対する設定の仕方が後追いになっており、本当は使えたのに使えなくて、時間切れになり、債務が残ってしまうのではないか。今のプロセスでこのまま行ってしまうと、あと2年なので、どうなってしまうか心配。
    →5年のタームが終わったところで残ったものは財務省に返上するというのが大原則。従って過去3年半の実績を基に来年度の事業規模を決め、繰越を加味すると来年度要求は本年度の予算額を若干下がった数字となろう。今年度と来年度は入口から計画的なスタートをきっているので、予算もきちっとし、前年度までとは違った形での研究活動が展開しつつある。
    →プロジェクトのサイクル、評価のサイクル、予算のサイクルと3つがあり、それぞれ周期が2~3ヶ月ずれている。マネージメントとして努力しなければならない点はあるが、制度としてそもそもずれがある。15年度の評価がでたときには次は17年度の予算要求をするというような状況となっており、15年度の状況が分かってから16年度の予算が決まる訳ではない。また、交付金についても最初は毎年20億円ということであったが、結局単年度主義的な運用が財政当局から見られており、独法制度全体としての課題である。

    ・色々意見が出たが、重要な指摘事項が入っていたため、コメントを付けることを前提に財務諸表が適当であると議決したい。
    ・また、今後の予算編成につき、単年度主義、時期的なずれ、予算作成の時期的ずれと、成果の進行の時期的なものと両方あり大変難しい問題だが、そういう面を踏まえて考えいただきたい。


    <独立行政法人経済産業研究所の平成15年度の業務の実績に関する評価について>

    ○資料2-1、2-2、参考資料(マネージメントのモニタリング)について、企画室・佐味室長から概要を説明。

    ○経済産業研究所・理事長から補足説明。
    ・マネージメントのモニタリングの結果につき、過去3年マネージメントに携わってきた最終責任者として若干補足説明をしたい。
    ・特に補足説明したいのは、研究の管理について。研究所の設立当初から研究と管理の分離という運営方針がとられてきた。すなわち、研究の方は研究に専念できるように、管理側からは研究サイドに余分な介入をしないように、研究サイドに任せて欲しい、自由度を保って欲しいということだった。研究と管理の分離というフィロソフィーは、研究部における自己管理が前提。実際には研究部の自己管理が十分でなかった事例が見られた。このようなことを回避するためには研究管理の実施が必要。そのような体制を今年度から執るということで新所長とも合意し、実施中。

    ○審議

    ・モニタリングの資料には、前所長の見解は反映されているか。管理と研究の分離について支障があった、問題があったという認識を前所長も持っているのか。
    →研究所に対してヒアリングをしたものなので、前所長本人には聞いていない。
    →成果進行基準では研究所長の研究者に対する指導が議論になってくるが、前所長本人も研究管理というものが必要だと認識していた。
    →総務によるマネージメントと研究そのもののマネージメントを区別して考えなければならず、いま問題になっているのは研究のマネージメントのあり方が総務のマネージメントを非常に難しくしていたということ。また、15年度になって総務の方から予算の使い方を一層適切に管理するプロセスが始まったと聞いた。
     研究のマネージメントで研究体制をきちんと創り上げていくために、研究計画段階からブレインストーミングワークショップに所長、副所長だけでなく総務も入り、他の研究員にも興味があれば入ってもらっている。これをこの3ヶ月で数十個こなしてきた。このような形を通じ、情報の共有が一層進んでマネージメントの質が向上するのではないかと期待している。

    ・プロジェクトを締めるにあたって、総務と研究の意思疎通の不足があり未執行が発生したり、テーマがそもそも終わっているのかどうかが確認できなかったということか。
    →そういう面があった。研究体制をきちんとしていけば予算の未消化はかなりなくなる可能性がある。

    ・当研究所は政策形成に資する研究成果をどれだけ上げるかというのが一番の目的。管理体制が完璧で整然と行われる官僚組織というのを創り上げるのが目的ではない。最終目的を達成するためにエラーも出ると、それをどの程度防いでいくかというのが管理体制というのであれば、若干強化していくということが必要なのかもしれない。正直なところ所長が途中で替わり、色々なニュースが入ってくること自身が大きな管理体制の問題点ではないか。野球チームでも名プレーヤーはよくエラーをする、ホームランバッターは三振するもの。そこのところを行政の中でどれだけの成果をあげていくかいうことで、管理というものの責任の立場は成果も責任もあるのだというのが一番の基本ではないか。

    ・研究と管理の分離については、軌道修正するのか、それとも方向転換するのか。私は軌道修正の方向付けでいくべきだと思う。また、研究所の目指す大きなビジョンは何なのかという文脈の中で検討すべき。当研究所の一番の意義は、今までなかったような官庁系の研究所を作るということ。当研究所は経済産業省系の研究所ではなく、経済産業省がスポンサーとなって立派な研究所を立ち上げている。研究所に求める点が2つある。1つは、縦割りではなく、風通しが良く、経済問題、政策問題の色々な問題を研究すること。経済産業省だから遠慮して他省庁の分野には口を出さないということであってはいけない。そういう意味から当初から研究者に自由度を与えたのではないか。諸問題を学習効果として消化しながら必要な管理体制の強化を図ることがいい。しかし管理体制が一人歩きしてしまってはいけない。もう1つは、国際的にも非常に高いレベルの研究をやっているという評判を作ること。必ずしも日本の官庁系の研究所は、例えば海外から見て「あそこに行きたい」というようなところはそれほどなかった。当研究所がこの3年間で創り上げた実績の中にはそういうものができつつあると感じる。大所高所からものを見て本末転倒にならないように研究体制の強化と管理体制の強化をやっていただきたい。

    ・成果進行基準というのは管理と研究自体が分離していたら成立しない基準。つまり、研究期間と資金とをうまく管理サイドに流して初めて計測ができる。

    →当方からの説明が管理だけを重視するようなイメージを与えたかもしれないが、いかに研究成果を上げていくかが真の狙い。軌道修正かというお話があったが、そういう方向で取り組んでいる。また、研究対象としてより広い政策提言をMETIに限らずという点は、従来から引き続き広い研究テーマ設定をしている。国際的なレベルという点は、もとよりそうやっていきたいと思っており、現に外からの研究者のオファーもきている。
    →宮内分科会長が仰られた研究成果を出していくというのは最も大事な点である。その過程でエラーがあるというのもまた当然。問題はそのエラーの性質。エラーをなくすために正常化するというのが管理体制をきちんとするという意味であり、官僚組織化するということとは全く無縁。また、横断的という点はその通りだが、他方、横断的であればいいのかという問題がある。私が評価委員中、78のプロジェクトはあまりにも多く、そのまとめ方につき議論をし、評価シートにも書き込んだ。宮内分科会長にもこれはミッション・インポッシブルだと申し上げたら、宮内分科会長もそうだと仰った。そこでクラスター分けを試みたが、スポンテイニアスに出発していた78プロジェクトを後からクラスターでまとめているためシンセサイズされ切れていない。横断的といっても全てを対象とすることは出来ないため、いま日本で直面している中長期的に重要な問題に絞り、各省庁、民間等の意見も聴き、研究計画を立てているところ。さらに、決して風通しも良くない。各人が蛸壺型の研究生活をしている。他の研究所ではもっと風通しが良かった。目下、オープンなワークショップを通じ風通しをよくしているところ。国際的視野も当然のこと。30名近くのファカルティーフェローが国際的な視野を持っている。また、常勤フェローの方はそういう人と共に国際的な水準まで上げていくという努力をするような人材を集めている。ただし、人材の採用についても満足するものではなかった。最後に、官僚組織に戻るということではなく、普通の正常化をやり世界の最先端の研究所を作って行きたいということに尽きる。私はそれを確信を持って申し上げたい。


    <研究所職員退席。以下、分科会委員による評価>

    ・私は45分までに退席する必要あり。(分科会長)
    ・6項目のうち初めの3つが最重要、特に一番初めのところが最重要。機械的に全員の評点を平均をしてみたところ、1番目のサービスの質は3.89で、「A-」。2番目の業務の効率化は3.53でAとBとの間。3番目の予算は3.57。6番目の主務省令事項はA。
    ・問題はウェイト付け。各項目のうちで特に重視すべきものがあればそれを勘案し総合評価をつけたい。

    ・1番目のサービスの質が第一。今回自己評価として外部レフェリーからの評価がかなり辛い。しかしながらアウトプットの数値は水準として高く、学術的水準も高い。

    ・過去3年間、数量、国際的な評判の立ち上がり、インパクトが顕著。Aをつけないとかわいそうかという感じ。

    ・結論は総合評価は「A」。1番のサービスも「A-」ではなくて「A」。剰余金は重要でない。重要なのは1番2番3番と総合評価だと思っている。問題はプロジェクトの管理がうまく行われていない結果お金を余らせたこと。他方、業績、出ている論文の質にウェイトをおこうかと考えた。

    ・私は「B」と書いたが、非常にネガティブな点を勘案しすぎた。成果は「A」ということで異存はないので、総合評価は「A」としたい。

    ・問題のところは注記かコメントにきっちり出るようにして欲しい。


    <分科会長御退席。残りの3委員のみで審議>

    ・総合評価「A」は、西岡委員が仰ったとおり1番目のところにマイナスが付いたままで、あとはAとBの間なので、これで総合評価「A」というのは違和感が出る。したがって、お三方の考えは1番目は「A」であったと報告したい。(事務局)
    ・2番目と3番目について。(事務局)

    ・昨年の2番目は「B+」。3番目も「B+」(事務局)

    ・3番目は「B+」か「B」ではないか。

    ・3億円の話が何度も出ているので、「A-」だと違和感がある。これは「B+」とすると報告したい。(事務局)
    ・2番の方はいかがか。(事務局)

    ・「A」。(各委員)

    ・分科会長は「A-」若しくは「B+」としたが、皆様からは「A」というお考え。分科会長が「A-」とすれば「A-」としたい。(事務局)


    <中期目標期間の評価に向けた今後の対応について>

    ○資料3について、企画室・佐味室長から概要を説明。


以上

 

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最終更新日:2004.10.04
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