経済産業省
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独立行政法人評価委員会日本貿易保険部会(第23回)-議事録

日時:平成20年7月10日(水)13:00~14:40
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

委員:
岩村部会長、阿部委員、清水委員、伴委員、横田委員

独立行政法人日本貿易保険:
今野理事長、大林理事、加藤理事、西川監事、後藤総務部長、和田債権業務部長、塩次営業第一部長、村崎営業第二部長、竹上審査部長

事務局:
岸本貿易保険課長、川上貿易保険課長補佐 他

議題

  1. 平成19年度決算について
  2. 平成19年度業務実績評価について
  3. 産業構造審議会貿易保険小委員会とりまとめ案について

議事概要

  • 岸本課長

    それでは、時間が少し早うございますが、皆様お揃いでございますので、これより「独立行政法人評価委員会第23回日本貿易保険部会」を開催させていただきたいと思います。

    本日は、委員の皆様にはお忙しいところご参集いただきまして、大変ありがとうございます。

    議事に入ります前に、貿易保険課で人事異動がございましたので、ご紹介させていただきます。この7月から、総括補佐として松浦の後任に川上が就任してございます。

  • 川上補佐

    川上でございます。よろしくお願いいたします。

  • 岸本課長

    本日の議題でございますが、3つございます。「平成19年度決算について」、「平成19年度業務実績評価について」、「産業構造審議会貿易保険小委員会とりまとめ案について」でございます。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。

    審議に先立ちまして、配付資料の確認をさせていただきます。

    お手元に、資料1-1、1-2、1-2の参考資料としてイラク債権についての補足資料、1-3、資料2-1、2-2、2-2の参考資料として委員別の評価、2-3、資料3-1、3-2、3-2の参考資料として「経済財政改革の基本方針2008」の抜粋を配付させていただいております。資料2-1、2-2、2-2の参考資料につきましては、委員の方のみの配付でございます。お手元に資料がございますことを確認いただければと思います。万一不足がございましたら、事務局までお知らせください。

    それでは、議事に入りたいと思いますが、ここからの議事進行につきましては、岩村部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

  • 岩村部会長

    では、議事を進めたいと思います。本日は岸本課長からも説明がありましたように、平成19年度の財務諸表等決算資料の承認、次に、平成19年度の業務実績に関する評価をご審議いただきます。最後に産業構造審議会貿易保険小委員会のとりまとめについてご報告いただきます。

    従前どおりでございますが、本日の会議は非公開、配付されております資料2-1、委員別の評価を記載した資料2-2及び2-2の参考資料は、個別のご意見でございますので非公開として、これら以外の配付資料及び議事録は公開させていただくことにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

    (「異議なし」の声あり)

    では、そうさせていただきます。

    次に、本日の議題1「平成19年度決算について」に入りたいと思います。

    ご存じのとおりでございますが、独立行政法人通則法第38条の規定によりまして、独立行政法人は、財務諸表を作成し、当該事業年度終了後3か月以内に主務大臣に提出して、その承認を受けなければならないことになっております。また、主務大臣は、その承認に当たり、あらかじめ、評価委員会の意見を聞かなければならないとされております。

    また前回の部会において、「独立行政法人日本貿易保険の業務の実績の評価基準」が改正されまして、監事による監査と連携した評価を実施するため、監事より監査結果を報告していただいた上で評価を行うことになっております。

    先般、NEXIから財務諸表の提出を受けましたので、本日の部会において、ご意見を賜りたくよろしくお願いいたします。ではNEXIから説明をお願いいたします。

  • 後藤総務部長

    それでは決算のご説明をさせていただきたいと思います。お手元に、資料1-1「財務諸表等」、監査法人より適切である旨の署名をいただき、また両監事から監査を受けたものとしての署名をいただいた資料と、決算及び事業報告書でございます。資料1-2は要約版になっておりますので、こちらでご説明させていただきたいと思います。

    あわせて、イラク債権の取り扱いについても、説明を若干加えさせていただければと思います。それでは1-2に基づきましてご説明させていただきます。1枚目、損益計算書でございます。

    経常損益の部の表をご覧いただきますと、前期54億円の経常益が当期12億円強となり、減益となってございます。これを経常収益と経常費用の部分で検証いたしますと、収益の部分は、前期125億円、今期127億円で、大体例年どおりの収益を上げたということでございます。一方、経常費用をご覧いただきますと、前期70億円が今期は114億円で、43億円ほど費用増加となってございます。経常収益の減少分は、この費用の増加によるものとご理解いただきたく思います。

    その中身を見てみますと、大きな項目として2つございまして、1つは為替差損でございます。保険代位債権に外貨建てのものが1.5億円前後ございます。また、資産の現預金の大宗を国債等で運用しておりますが、この他に1.4億ドルの外貨預金がございます。この2つの評価損を為替レートで申し上げますと、前期末118円/ドル程度が、今期末で100.8円/ドルということで、為替差損が23億円出ております。

    また、事業費・一般管理費で、前期64億円が今期79億円ということで、16億円弱の増加要因になっておりますが、このほとんどは、スピリットワン(注:第IV期貿易保険情報システム)の本格稼働に伴うシステム関連、情報化関連の原価償却費増等でございます。平成18年度に約4か月の試運転等で行ったものを通年稼働するということ、ウェブによる申請や保険料計算、様々なサービス向上と事務の効率化を実現したスピリットワンの本格稼働に伴う費用増加でございまして、あらかじめ想定された範囲内の増加と理解しております。

    以上が経常損益でございまして、その下の特別損益の欄をご覧いただきますと、前期189億円の特別益が出ていたものが今期849億円の特別損が出ております。この中身の大宗につきましては、特別損失の欄の貸倒引当金繰入、約840億円でございます。これにつきましては、後ほど改めて、イラクの貸倒引当金繰入ということで、別紙にて簡単にご説明させていただきたいと思います。以上がP/Lでございます。

    2枚目は、今申し上げたことが記載されておりますので、省略させていただき、3枚目のB/Sのご説明をさせていただきたいと思います。

    837億円の特別損失も含めた形での総損失が今期発生してまいりましたが、この当期未処理損失につきましては、独立行政法人通則法の第44条に基づいて、利益剰余金の積立金から処理するという基本原則で処理させていただいたところでございます。

    具体的には、バランスシートの下の欄にございます利益剰余金、前期1,050億円強たまっているものから、当期の欄の一番下にございます当期総損失の837億円を引きまして、当期利益剰余金は218億円となっております。

    バランスシート全体で申し上げますと、資産の上から4つ目に「保険代位債権等」がございます。3,561億円ありましたものが、イラクの保険代位債権分のうち、削減分を全額落としたことから資産がスリムになりまして、2,392億円という形になってございます。

    バランスシートの概要につきましては以上でございます。補足いたしまして、「資料1-2参考」という資料を1枚おめくりいただきたいと思いますが、イラクの保険代位債権、資産に計上しておりましたものの処理の方法につきまして、ポンチ絵で簡単にご説明したいと思います。

    2006年度末イラク債権は、バランスシート上、この表のように2,011億円の代位債権に対して債務削減が予定されております分、50%分が貸倒引当で積まれていたわけでございます。今期、昨年度の監査法人のアドバイス等も踏まえ、経済産業省と相談の上、経済産業省に貸倒引当金の計上方法について規定された省令に基づく大臣定めを改正いただきまして、それに基づいて処理したものでございます。

    具体的に申し上げると、債務削減が確実になりました部分につきましては、既に積んでおりました引当金で処理いたしましてオフバランスするとともに、一番上に乗っております白い部分につきまして、新たに市場の評価を導入して、その評価に見合う引当を積ませていただいたというものでございます。

    具体的には、複数の金融機関からインディケーションをいただきまして、一番保守的な比率、具体的に申し上げると、15%という数字を評価の額といたしまして、残りの85%分の約850億円について、新規に貸倒引当金に繰入れたわけでございます。この貸倒引当金を繰入れるための費用が、今期特別損失でございます。イラク関係の補足説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

  • 岩村部会長

    ありがとうございました。今日は監事にもおいでいただいておりますので、続いて監事からの監査結果報告にまいりたいと思います。西川監事、よろしくお願いいたします。

  • 西川監事

    監事の西川でございます。昨年から監事に就任いたしておりますので、2年目でございます。それ以前は、民間の損害保険会社に36年間勤めておりました。今井監事と連携しながら監事業務に当たらせていただいております。それでは、資料1-3に沿いまして、ご報告申し上げたいと思います。

    まず、「監査の基本的考え方」でございますが、独法に対する内部統制強化、ガバナンス強化の動きを受けまして、監事監査におきましては、組織、制度、事業、事務処理等が全体として効率的かつコンプライアンス上問題なく機能しているかどうか、また、巨大リスクを引き受けるという事業の性格上、保険引き受け等に当たっては、経営判断原則に即して検討されているかといった観点でチェックを行っております。問題点等があれば、執行部に対して、改善のための助言を行うというスタンスでございます。

    2番目の前年度の監査の状況でございますが、(2)の「実施状況」でございます。常勤監事といたしまして、原則、毎木曜日の役員会、月曜日の定例連絡会、月1回の営業推進会議、不定期ではございますが、コンプライアンス委員会などに出席いたしております。また、重要書類の回付も受けております。

    財務監査につきましては、あずさ監査法人と期中及び決算時に協議打ち合わせを実施いたしております。

    次に、重点事項に関する状況について、ご報告申し上げます。まず1点目、随契の適正化に関するものであります。独法の整理合理化計画による指摘を踏まえまして、可能なものから一般競争入札等により実施することにしております。

    昨年12月に、この取り組みを確実なものにするために、随契の見直し計画を策定いたしました。平成18年度の実績につきまして、うち25%は事業あるいは事務を廃止、11%は一般競争入札に移行、60%は1年間の移行期間の後、一般競争入札等に移行するとしております。これはシステムのコスト等でございまして、1年程度の移行の期間が必要ということでございます。

    平成19年度の契約の状況でございますが、18年度と比較いたしますと、件数、金額とも若干低下いたしております。随契の下限金額、公表基準につきましては、国と同一基準ということで、契約を随時、ホームページ上で開示いたしております。

    なお、かねてより指摘を受けておりました貿易保険機構への業務委託につきましては、内製化もしくは一般競争入札により実施することにいたしております。また、本年6月、総務部内に調達・管理グループを新設いたしまして、契約全般の大幅な見直しを実施しているという状況でございます。

    2点目の「給与水準」でございますが、役員につきましては、評価委員会の業績評価を反映する。職員につきましては、平成18年度から目標管理制度を実施いたしております。

    前年度の国家公務員との給与水準の比較でございますが、対国家公務員ラスパイレス指数は134.1、地域・学歴を考慮したものは114.2ということで、いずれも平成18年度に比べて低下いたしております。

    「国に比べて給与水準が高くなっている理由」ということで3点書いてございますが、1点目として、在職地域が、東京が9割、残り10%も大阪ということで、都市部であるということ、また、大卒者の構成比率が高いこと。

    2点目として、国際金融等の専門的人材ということで、マーケットの相場を検討する必要がある。3点目として、国からの出向者のうち、NEXIへの出向によって管理職手当が支給されるケースがある。こういったものが原因でございます。

    なお、役職員の報酬・給与、退職手当に関する規則、支給水準等はホームページ上で公表してございます。

    ご報告の3点目、「情報開示」でございますが、ホームページのトップに法人概要のタグを設けて、組織の概要等を公開してございます。さらに、本年4月から、新たに情報公開のタグを設けまして、各項目別に一覧性のある形でみていただけるような情報公開を行っております。なお、ホームページのリニューアルについては、現在検討中でございます。

    また、財務の透明性という点につきましては、今説明がございましたように、保険代位債権については、資産の時価評価という考え方で、企業会計基準と整合性を持たせているということでございます。

    情報開示状況については、上の表をご覧いただきたいと思います。

    ご報告の4点目、内部統制でございますが、昨年8月から保険引受案件の期中モニタリングという取り組みを展開いたしております。突発的な保険事故発生の回避、異常事態発生時における迅速かつ的確な対応に備えるという観点でございます。当然ながら、お客様サービスの向上にもつながっていく取り組みであると考えております。

    また、平成18年10月からスタートしておりますコンプライアンス委員会の取り組みでございますが、平成19年度は、機密情報管理規則、業務マニュアルの整備、内部通報規則の制定、内部監査について取り組んでおります。

    さらに、本年6月には、インサイダー取引の規則を定めまして、東証から講師を招きまして、全役職員がこの講習を受講したということでございます。

    また、統計の整備につきましては、本年4月に統計委員会を設置して、統計資料の整備の拡充を実施しているという状況でございます。以上、ご報告申し上げます。

  • 岩村部会長

    ありがとうございました。それでは、今までの説明につきまして、ご質問等ありましたらお願いいたします。

    今ご説明いただいた趣旨は、まず、基本的には、大臣に提出されております財務諸表について意見を述べなければいけませんので、この財務諸表の適正性についての意見という観点での議論がございます。今日、改めて説明いたしませんでしたが、資料1-1の後ろから2枚目に、「独立監査人の監査報告書」ということで、あずさ監査法人の監査報告書が添付されております。基本的には、その点と今の監事のご意見に基づいて、適正かどうかということを考えるわけでございまして、それが第1点でございますが、今NEXIからご説明がありました2007年度決算については、2007年度の業績評価にも関係する話ですので、特に区別なくご質問をいただいてよろしいかと思います。何かございましたら、どうぞお願いいたします。よろしいでしょうか。

    特に特別損失については、私の記憶に間違いないかと思いますが、当法人が設立されたときには、対イラク債権は全く計上されておりませんでした。イラク政府とリスケの交渉が始まって、一定のプロセスが進み始めましたので、これは、特に会計の専門家からはいろいろな意見が出るところなのですが、他に方法がなかったものですから、2005年度末の決算をもって、対イラク債権2,011億円を資本直入いたしました。利益を経由してということも考えられないではなかったのですが、包括利益という概念をすぐに採用する時間的なゆとりがなかったですし、考え方の整理も十分できなかったものですから、資本直入して、独立行政法人設立時にゼロとみなしていたものが2,011億円に変わったという経理をしたわけでございます。ただし、2,011億円全部について資産性を認めていいのかということについては、大いに問題があると理解しておりましたので、その半分については資産として計上するが、同時に貸倒引当金を計上するということで、実際には、資本勘定では約1,000億円のインパクトにとどめるようにしていたわけでございます。

    その後状況が変化して、対イラク債権については、債務・債権交渉も進みましたし、実際には資産性は少し増しているのではないかと理解できると思うのですが、よくわからないから半額という経理ではなくて、実際には、対イラク債権ということでインディケーションをとれるような状況にもなった。そもそも、よくわからないから半額という計上の仕方でいいのかどうかという意見は昨年からありましたので、その辺も踏まえてできる限り実態に近づけるべきであろうということで、2008年3月をもって改めてインディケーションをとり直してもらった結果、15%程度の資産性が認められるということで、850億円は貸倒引当金として追加計上する一方、2,011億円のうち半額を積み立てておいた貸倒引当金については、最初から充当してしまおうという意味では不透明性が減ってきたのに応じて処理しているわけでございますが、その一方で、やむを得ず資本直入しておいたものを利益剰余金から落としていくという経理になったわけです。そういう意味では、特にP/L上、そういう経理をすること自体については、「独立監査人の監査報告書」において記載されているとおりであります。

    財務諸表の75ページをご覧いただければ、「監査の結果、当監査法人の意見は次のとおりである。」として、(1)で財務諸表は適正に表示されている、(2)で法令適合性もある、また、事業報告書は業務運営の状況を示している、決算報告書は基準に従っているということが書かれており、次のページの「追記情報」では、会計方針の変更によるものが含まれているという書き方になっている。監査法人の報告の書き方としては、恐らくこれ以外にないのではないかと私は理解しております。

    なお、監査法人の交代についての記述が監査報告書の本文柱書きのところにございますが、ここに書いてある内容を簡単に申し上げますと、NEXIの監査法人は第5期までは中央青山監査法人、第6期はみすず、今期はあずさでございました。

    ちなみに、財務会計省令に基づく大臣定めを改正して実態に近づけた会計基準を採用すべきであるという意見はみすず監査法人からも出されていたもので、昨年度、経済産業省の理解を得て財務会計省令に基づく大臣定めを修正するに至りまして、この修正の結果を反映して、3月末の決算においてかかる処理を行いました。これで実際の会計決算と実際のNEXIの財務力との乖離はほとんどなくなったわけで、少し保守的な方向に変化しております。イラクの情勢がさらに好転すれば、今後はむしろ若干の特利が出る可能性があるかなという感じだと理解しております。

    なお他国の債権については、イラクのような特殊な問題を含んでおりませんので、現状オンバランス化されている代位債権については、大きな乖離があるものはないと伺っております。

    ご説明についての質問もあろうかという感じがしたので、私の理解を申し上げましたが、以上でよろしゅうございますか。

    では、NEXIの平成19年度財務諸表等、資料1-1の第7期財務諸表については、独立監査人の意見と監査役の意見を踏まえた上で、部会として問題はない、適切であるととりまとめさせていただいてよろしいでしょうか。

    (「異議なし」の声あり)

    では、ご異議はございませんようですので、部会としては意見なしということにさせていただきます。ありがとうございました。

    それでは、続きまして、NEXIの平成19年度実績評価の審議に入りたいと思います。

    NEXIさんには、法人評価にかかる審議でございますので、昨年度と同様に恐縮でございますが、一時ご中座をお願いいたします。

    (NEXI退席)

    ※審議については省略。

    (NEXI出席)

  • 岩村部会長

    評価結果を委員の皆さんの前で改めて説明いたします。まず、個別項目の積み上げでございますので、個別項目でお話をさせていただきます。

    「商品性の改善」については、AAからBまで多少の分散はあったのですが、基本的に中心評価としてAでしたし、意見としても、これは目標を上回っているという評価で揺るがないだろうということでAをつけております。「サービスの向上」についてもAをつけております。

    (3)の「利用者のニーズの把握・反映やリスク分析・評価の高度化」というところは何とも評価の難しいところで、現状の独立行政法人という枠内での作業でもありますので、そういうことの限界もある。独立行政法人という枠組みの中で動いているから、こうならざるを得ないというものは他にもいろいろあると思いますが、そうだとして、それで個別に議論し始めると切りがないので、わかりやすい評価に統一しようということで、この項目は、Aの評価もあったのですが、敢えてBにさせていただきます。

    「重点的政策分野への戦略化・重点化」は、高い評価もございましたが、大勢をとってAという評価にしております。

    「民間保険会社による参入の円滑化」という項目については、数字を見ると前年度比30%増だといえますが、では、それで民間保険会社がこの分野にどんどん入ってきて、マーケットが大きく変わったかというと、そうでもないだろうという意見があって、これは拮抗しておりました。

    意見が拮抗する項目がもう一つあります。今、重くなってしまった項目ですが、随契比率を含む「業務運営の効率化」という項目をどう考えるかということについて、委員の間で意見調整したのですが、今は独立行政法人という枠内での業務執行であることや、独立行政法人に対して、こういう観点で評価してくれと総務省から厳しくいわれていることを考えれば、独立行政法人という枠組みの中で形式評価しまして、Aになるものは素直にA、BやCになるものは素直にBやCの方がむしろいいだろう。独立行政法人という枠組みだから、こうなったのですと申し添えておいた方が、評価は評価として、議論は議論として記録するようにした方がいいだろうということで意見がまとまりましたので、この項目については、民間保険会社の参入比率が上がっていることを重視いたしまして、Aと評価しました。政策にも沿った動きをしているということになろうかと思います。

    A、A、B、A、Aでございますので、大項目全体としての評価はAということで、これは揺るがないと思います。

    2の「業務運営の効率化」の(1)の「業務運営の効率化」という部分については、民間保険会社の参入のところで申し上げました議論と裏の議論でございまして、ここの部分は、業務費や人員の問題、給与の問題、随契の問題を含むのでございますが、随契比率、あるいはラスパイレスについても世の中でこれだけいわれているときに、Bとするのは無理が多いだろう。一方で委員の中から、特に大きなシステムのメンテナンス契約については、システム運営に支障を来したら困りますから、民間会社でも当然随契とするだろう。そういうものをとらえて、随契比率が高いといって法人に低い評価をするのはいかがなものかという意見が出たところでございます。それに賛成する委員も多かったのですが、結論としては、独立行政法人という枠の中にいる間は、こういう項目はCにせざるを得ないのだということも含めまして、この項目はCの方がいいだろうという評価になりました。厳しい評価ですが、決して理解できなくてCをつけたわけではないということは記録しておきたいと思います。その意味でCでございます。

    「次期システムの効率的な開発及び円滑な運用」も、特に業務で使っているシステムですから、政策は毎年何か新しいものを打ち出してやっとプラスということで、そこは継続性をもって経営すべき株式会社とは違うところがありますので、これも枠内制約という意味でBという評価です。

    そうすると、2の「業務運営の効率化」項目はBとCが混じるわけですが、世上の注目度の高い項目でCが入っていますので、厳しくなりますがCと評価させていただこうと思います。

    3番目の「財務内容の改善」でございますが、「財務基盤の充実」という項目は、ご説明いただいた特別損失等の話に関係するところでございまして、委員の間でも、これはむしろきちんとやっているという意見でまとまりましたので、この項目はプラスでございます。

    「債権管理・回収の強化」は、だんだん種が尽きているわけですが、Bということはないだろうという意味でAになりましたので、「財務内容の改善」項目はAでございます。

    各項目、数字計算しなければいけないのですが、大体シミュレーションしておりまして、総合評価はBになると思います。

    なお、今年度の評価については、部会で評価後に7月16日の経済産業省の評価委員会の場で決定することになっておりまして、この部会評価をもって私が説明いたします。これは部会の意見の集約ですので、それを実現するようにしていきたいと考えております。よろしゅうございますでしょうか。

    (「はい」の声あり)

    では最後の議題、3番目の議題でございますが、「産業構造審議会貿易保険小委員会とりまとめ案について」の報告がございます。岸本課長、お願いします。

  • 岸本課長

    前回、審議の内容についてご説明させていただきましたが、去る6月20日に小委員会のとりまとめ案がまとまりましたので、それにつきましてご報告させていただきたいと思います。

    現在、パブリックコメントに付しているところでございまして、最終的に案がとれますのは7月の中下旬の予定でございます。

    資料3-1と3-2、3-1は報告書の案、3-2は要旨です。

    前回、議論をご説明させていただきましたので、簡潔にご説明したいと思います。

    3-2にございますように、とりまとめ案におきましては、特殊会社化が一つの大きな内容でございますが、行革に止まらず、貿易保険のあり方そのものについて審議するということで、貿易保険の制度の意義とは何か、環境変化を踏まえ、今後のあり方を整理するという形になってございます。

    「前提」にございますように、貿易保険制度の意義として、国としての貿易保険の必要性、政策ツールとしての重要性を強調するとともに、環境変化におきまして、資源や地球環境問題といった政策課題、金融技術やリスクといった金融環境の変化に対応するため、経営のスピード、柔軟性、民間的な対応が求められている。こうしたことを踏まえて見直しをすべきという整理になってございます。

    見直しの具体的な方向性につきましては、資料3-2の右上にございますように、まず、組織体制については、政策的効果の発揮に国の関与は必要であるという前提のもとで、独立行政法人ではなく会社法の法的枠組みを活用することでガバナンスの強化を図りつつ、経営のスピードや柔軟性を高めることができるのではないかということが1点。また、組織だけをいじるのではなくて、貿易保険の運用についても、国の政策ニーズや企業の取引形態の変化、民間参入といった諸般の状況を踏まえて、サービスの向上、政策性の発揮ということで制度の見直しを行っていくといった整理になってございます。

    具体的に何をするかという点でございますが、資料3-2の右下及び2ページ目にございますように、全額政府出資の特殊会社化につきましては、会社法に基づいてガバナンスを強化する、外部ガバナンス、リスク管理、情報開示を徹底するということです。また、経営の自由度を向上させるということで、民間の経営管理手法を導入する、商品設計において、経営者による機動的な意思決定を可能とする、説明責任を果たすことを前提として、能力に応じた相応の給与水準の設定を認める。貿易保険に対する国の関与につきましては、会社法に基づく意思決定で効率的、機動的な経営を行うことを基本としつつ、国は株主として、定款や会社の枠組みを決定するとともに、政策的効果を発揮する上で必要な関与を行うといった方向性で特殊会社化の制度構築をすべきという提言になってございます。

    貿易保険の運営のあり方につきましては、2ページ目の右のところにございますが、3本柱でございまして、まず1つ目は「国の政策ニーズへの機動的な対応」ということで、国の関与のもとで、貿易保険は政策的に必要な商品設計や引き受け等において機動的に対応するようにすべきである、特に重点分野としては、資源、地球環境、航空機や原子力といった産業の支援が挙げられるといった指摘をいただいております。2点目の「取引形態等の変化に応じた保険商品の見直し」につきましては、2つございまして、まず、個別具体的な要望について、諸外国との整合性、国益との関係などを勘案しながら検討すべきである、また、将来、新しいニーズが出てきたとき、柔軟・迅速な対応ができるように、可能な範囲で法令による規律の簡素化を検討すべきであるということでございます。3点目に、「民間参入促進に向けた制度環境の整備」でございますが、民間参入の状況については、まず、現時点では質的・量的にも限定的である、線引き論につきましては適切ではないというユーザーからのご意見もあり、結果といたしまして、今後の方向につきましては、協調保険・共同保険の実施、ユーザーのニーズを踏まえた保険商品の見直しを行っていくことが適当である、そうしたことを通じまして、官民全体によるユーザーに対するサービスの向上を目指すべきであるというご指摘を頂戴しているところでございます。

  • 岩村部会長

    ありがとうございました。ご質問やご意見あれば頂きたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

  • 清水委員

    1つ教えていただきたいのですが、全額政府出資の特殊会社の中では、経営の自由度の向上というところ、あるいはガバナンスの強化というところをみますと、極めて民間企業に近い形で、迅速に意思決定が行われるのではないだろうかという期待感が読み取れるような気がするのですが、一方で、政府の会社ということになりますと、意思決定のプロセスでいろいろな制約条件、あるいは透明性がより高く求められるということで、本来こうやりたいのだけれども、なかなかそうはいかないという部分が出てきはしないのかなと。そういう意味で、ここでいうガバナンスや経営の自由度はどのように理解したらいいのでしょうか。その辺についてご説明いただければと思います。

  • 岸本課長

    制度設計詳細についてはまだ勉強中でございますが、産構審の報告書を受けて、行革の行政減量・効率化有識者会議でもヒアリングがございまして、その場でも、法人の意思決定を迅速化する一方、法人の意思決定のプロセスを開示していくことが重要なのではないかというご指摘もございました。国の機関として実施する以上、完全な民間企業とは異なると思っております。いずれにしましても、詳細についてはこれから検討していきたいと思っております。

  • 岩村部会長

    会社法のガバナンスになるということで、独立行政法人とはっきり異なる点は、ボードの考え方と国の政策、あるいは行政の指針等が一致しなかったときには、クリティカルであれば、要求するべきものは行政命令として要求する。命令の定義にもよりますが、要求されたものに従わないかもしれないわけです。また、どうしても実現したいことがあれば、理由を明らかにした上で取締役の更迭を求めるというか、株主ですから更迭することができるわけです。ただ、どんな場合でも勝手次第に更迭できるものではないだろうと思います。特に監査役については、気に入らないからという理由ぐらいでは普通は更迭されないはずですので、現状とは随分変わってくるだろうと、私は個人的には理解しております。他にございますでしょうか。

    では、部会でも議論があったということで、今の清水委員のご意見は留意していただくようにお願いしたいと思います。

    最後に、議題ではありませんが、参考資料「経済財政改革の基本方針2008」のご説明をよろしくお願いします。

  • 岸本課長

    あくまでもご参考ということですが、経済財政改革の基本方針、いわゆる骨太の本年度のものにつきましては、独法の関係で2つ指摘がございまして、1つ目は、(2)の(1)というところでございます。今、独立行政法人通則法の改正案が国会に出ておりますが、それを改正することで内閣によるガバナンスの強化を図るということが書かれてございます。

    2つ目は、(3)の「ムダ・ゼロ政府」ということで、公益法人の見直しを進めるということで、日本貿易保険に関しましては、JTIO(貿易保険機構)との関係については実施済みということでございますが、そういった指摘がございます。

  • 岩村部会長

    ありがとうございました。これはご説明だけでございますが、特に質問があればお伺いしますが、よろしいですね。

    それでは本日の議題はすべて終了いたしましたので、事務局から連絡をお願いします。

  • 岸本課長

    本日はお忙しい中、ご審議いただき、誠にありがとうございました。今後の評価でございますが、7月16日に親評価委員会が開催されますので、岩村部会長にご出席を賜り、ご説明いただくこととしております。

    最終的な「評価資料の修正版」につきましては、後日ご送付させていただく予定にしております。次回の貿易保険部会の開催日につきましては、部会長とも相談の上、また調整させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

  • 岩村部会長

    ご議論、ありがとうございました。第23回の日本貿易保険部会を終了いたします。ありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2008年8月13日
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