経済産業省
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審議会・研究会

貿易保険分野における官民のあり方検討委員会
第3回  議事要旨

1.日時:
 平成16年11月9日(火) 15:00~16:20

2.場所:
 経済産業省国際会議室

3.出席者:
(委員)岩村充委員長、岩間委員、江川委員、数間委員、近藤委員、堀江委員、伊藤代理(中西委員)、河野代理(森中委員)、溝口代理(木本委員)
(独立行政法人日本貿易保険)北爪理事、板東総務部長
(経済産業省)中嶋貿易経済協力局長、桒山官房審議官、杉田通商金融・経済協力課長、市川貿易保険課長、舟木貿易保険課長補佐、中山貿易専門官

4.議事概要:

○ 舟木課長補佐より資料3「貿易保険利用企業からのヒアリング概要」について説明。

○ 市川貿易保険課長より資料4「とりまとめ(案)」について説明。

○ 討議の概要は、以下のとおり。
(以下、「・」は委員の発言。「→」は発言に対する事務局等からの回答。)

 【民間保険会社の見解等】

  • 「民で出来ることは民に」という考え方に前から賛成しており、保険会社としてベストを尽くさなければならないと認識。本とりまとめにおいて、貿易保険分野には法的規制はないが実質的な規制があったという位置づけを明確にし、その上で国が環境整備を図るとしていることは、今後民間保険会社が努力していく上でも良く整理されていると理解。重要な観点は、ユーザーにとって役に立つということであり、そのためにも中途半端ではなく、十分に準備していく必要がある。日本の民間保険会社は、経験が無く準備が遅れているとの声もあるかもしれないが、それを是正し、一刻も早く役に立てる方向に持って行くべきと考えている。その意味で環境整備のための期間や対象となる範囲の大枠といったものをしっかりと認識できるとさらに良い。また、NEXIは経済産業省が監督し、民間保険会社は金融庁が監督するということは、実質的に重複する分野について規制体制が分かれることを意味するので、それ自体悪いわけではないが、十分調整してイコールフッティングが機能するよう配慮が必要。いずれにせよ、貿易保険は日本の貿易政策の一環を支える重要なインフラであると認識しており、こういう方向性の中で今後努力していきたい。加えて、今後のフォローアップの検討にも主体的に参加できれば、より良い全体の制度設計に貢献できると考えており、その機会が得られるとありがたい。

  • 民間損保にとっては、ユーザーの利便性を考えれば、拙速に参入して結果的にユーザーから評価されないという事態を避けるべきで、そのための準備期間が必要。今後の進め方として、NEXIからのノウハウの移転、情報共有については、業務委託を通じてということであれば、案件数も限られており、なかなかノウハウ等の移転が実現しないので、どういうやり方が良いか一緒に考えていきたい。

  • 法律上、元々参入障壁がないという点が明確になったのは、一つのビジネスモデルが拡大できるということであり、今後、良い形でのビジネス展開を出来るように努力していく。また、良い形で民間のサービスを提供するために、NEXIとの関係は報告書のとおりで良いと思うが、これまで事実上規制されてきた経緯から、業務委託を通じて経験を積むということだけではなく、積極的に国から情報開示等を行って頂きたい。
    →民間保険会社から提起があった御意見は十分認識しながら進めていくつもりであり、今回「環境整備」という点をきちんと打ち出したのは、法律上の権限がないことを理由に経済産業省が何もしないというのではなく、組合包括保険制度の見直しや情報共有、国の再保険の見直しなど様々な意味で当省として今後とも取り組むべきことはあると認識しているからである。その上で、今後の状況のフォローアップは的確に行っていく必要がある。フォローアップに関して、ユーザーサイドからは「NEXIの代替機能として充分なものが出てくる前の撤退は困る」、保険会社からは「環境整備が必要」ということなので、こうしたことを踏まえ、例えば民間保険会社はどのような取り組みを今後行っていくのか、ユーザー企業はどのようにそれらを利用し、また具体的にどういうニーズがあるかといった点を、随時把握していき、より良い着地点を見いだしていく必要がある。その際、今回参加頂いたメンバーには議論に参加して頂きたい。

 【貿易保険ユーザー等の見解等】

  • とりまとめ案には網羅的に全ての視点から書かれており特に異論はないが、利用者にとっては、プラント、資本財の輸出の上で貿易保険は必要不可欠なもの。現在、組合包括保険制度を利用しているが、これは一つの非常に完成された制度であるので、この見直しの際には、民間参入の状況を注視しつつ、質・量ともに十分かどうかを見てから判断することになるのではないか。

  • ユーザーからすると、コスト、手続面で如何に魅力的かが最大のポイント。民間のフレキシビリティも大事だが、今のNEXIの引き受け基準のようなindicationがあったほうが、保険契約の際にその都度条件を詰める必要がないので、営業サイドからすれば不安がない。したがって、フレキシビリティと多少の大枠のバランスをとったような運用が重要。加えて、包括保険については、ユーザーはリスクがあるものだけをかけたいが、保険者はリスクのないものを受けたい。その中間にあるものとして組合包括制度はこれまで旨く制度をマネージ出来ていたという点も考える必要があり、見直しの際にはユーザーの意見も反映させて欲しい。また、貿易保険はある意味で双務有償契約であり、保険金を受け取ることが受益で保険料を支払うことが負担ということなので、とりまとめ(案)についても可能な限り誤解を与えないものとすべきと考えられる。

  • 業務委託の拡大について、委託先として損害保険会社しか想定されていないが、銀行も加えてほしい。銀行としても従来からファクタリングやフォーフェィティング、L/Cコンファメーションのような貿易保険と類似した商品を提供しており、顧客開拓という点から、十分な能力と顧客基盤を持っている。もちろん、窓口販売規制の問題はあるが、この貿易保険の受託販売も十分検討対象になるかと思う。
    →その点については、内容にもよるが、我々としてはユーザーのニーズにあった運営を行いたいと考えている。例えばカナダなどでは中小企業向けの保険を銀行とタイアップして販売している例もあり、勿論法律上の問題は勉強しなければならないが、精神としては是非協力していきたい。

○ 中嶋経済産業省貿易経済協力局長より以下のとおり挨拶。

  • 10月1日から短期間の間に3回開催し、ヒアリングも同時並行的に実施させて頂くなど、大変厳しいスケジューリングでご対応頂き、また当省としても改めて学ぶことが多く、厚く御礼申し上げる。

  • 民間参入の進展はユーザーにとってリスクヘッジ手段が拡大・多様化するという意味で大変期待される一方で、貿易保険制度は戦後のある時期から数十年間、通産省・NEXIにより長期間実施してきた制度であることから、現段階では保険会社や利用者からは期待と同時に懸念も多く指摘されていることを率直に受け止め、将来に向かって道筋をつけていく必要があると考えている。

  • したがって、当方としては、今後、種々の不安を払拭するよう、可能なところから着実に環境整備を進めていくことが重要であると認識しており、そのために当然ながらそれを継続的に行うためのフォローアップの仕組みが必要と考えている。また、その過程において、当省としては、金融庁とも十分相談又は意思疎通しつつ全体として円滑に進むよう努力して参りたい。

  • こうした観点から、本委員会は本日を持って終了ということではなく、むしろ今回の検討結果の大きな方向性に則り、これをスタートとして新しい時代に向かってさらに具体的な環境整備に努めていくものと認識している。具体的には、来年以降も随時こうした場も活用しながら、委員の方々をはじめ、今回の作業で各種ヒアリングを実施させて頂いた関係者の方も含めて、各々の取り組みの進展状況を随時ヒアリング等により把握しつつ、全体としてとりまとめの方向が着実に実現されるようなステップを踏んでいきたいと考えている。

○ 今後について

  • 本日の意見を事務局にてとりまとめ(案)に反映させ、委員会として決定した後、経済産業省のホームページ上にて2週間程度パブリックコメントに付し、最終的なとりまとめを策定。

  • 来年度以降も随時、こうした委員会の場等も活用しながら、今回の委員会関係者やヒアリング関係者を含めて、それぞれの取組の進展を随時ヒアリング等で把握しつつ、とりまとめの方向が着実に定着するようフォローアップを実施。

(以上)
 

 

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最終更新日:2004.12.01
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