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審議会・研究会

産業構造審議会流通部会・中小企業政策審議会商業部会合同会議(第4回) 議事録

平成16年11月1日(月)
於・経済産業省17階国際会議室
 


開会


○上原議長  本日は、ご多忙の中をご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 定刻になりましたので、ただいまから、産業構造審議会流通部会及び中小企業政策審議会中小企業経営支援分科会商業部会の第4回合同会議を開催いたします。
 早速でございますが、事務局から配付資料等の確認をお願いいたします。


配布資料等の確認


○河津流通産業課長  それでは、配付資料の確認をさせていただきます。
 お手元の「配付資料一覧」の下に、資料1~7までございます。そのほかに、委員の皆様には本日追加で、井原市のパンフレットをお配りさせていただいております。資料1は議事次第、資料2は委員名簿、資料3は秋田県、資料4は福島県のものでございます。資料5は金沢市で、ワープロ打ちのものが2種類とパンフレットが2種類、全部で4種類のものがございます。そのあとに、1枚紙で、資料6、資料7がございます。もし不足がございましたら、ご連絡をいただければ事務局から追加させていただきます。
 よろしゅうございますでしょうか。
 また、本日は、まちづくりに非常に熱心に取り組んでおられます福島県及び金沢市からそれぞれ、商業まちづくりグループ参事の楠田様、商業振興課長の坪内様にもおいでをいただいております。なお、兵庫県に関しましては、ゾーニング等の広域的な取組ということで検討中というご発表を県の方でされておられますが、まだ検討途中ということでございまして、本日の会でのご説明にまでは至っていないということでございます。したがいまして、後ほど簡単に事務局の方からご説明をさせていただきたいと思っております。
 事務局からは以上でございます。


地方自治体の取組について


○上原議長  それでは、本日の会議についてご説明申し上げます。
 本日は、地方自治体のまちづくりの取組について、まず、本会議に出席されている委員のお二方、寺田委員と谷本委員からご説明をよろしくお願いいたします。それから、福島県と金沢市の方から取組の状況についてご説明いただきます。さらに、兵庫県の状況を事務局の方からご説明させていただきます。その上で、皆様方とご討議をしていきたいと思っております。
 それでは、自治体の取組について、まず初めに寺田委員の代理で秋田県産業労働部長の加藤様、次に岡山県井原市長の谷本委員、そして福島県の楠田様、金沢市の坪内様の順番で、お一人大体15~20分以内でプレゼンテーションをお願いしたいと思います。なお、最後に兵庫県の取組について事務局からご説明させていただきたいと思います。
 それでは、寺田委員代理の加藤様から、よろしくお願いいたします。


-寺田委員(加藤代理)からのプレゼンテーション-


○寺田委員(加藤代理)  おはようございます。秋田県の産業経済労働部長を務めております加藤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 私からは、秋田県の実情を踏まえながら、地方の中小都市において均衡のとれたまちづくりと住民生活に必要な生活サービスを提供する小売業の健全な経営を維持するという、いわゆる地方の視点から発言をさせていただきたいと思います。資料3に基づいて説明をさせていただきます。
 秋田県内の小売店舗の現状でございます。大店立地法施行後、大型店の立地は一時的に減少しておりますが、その後は増加に転じておりまして、現在、県内では、売り場面積が1万平米を超える店舗は22店舗ございます。立地法の届け出によるものはこのうち5店舗となっております。
 これに対して、中小小売店舗の状況をごらんいただきますと、 1,000平米未満の店舗につきましては、店舗数、売上額とも、商業統計調査の調査年次ごとに減少しております。特に平成14年においては、店舗数が12%、売り上げが15%と、前回の11年から大幅に減少しておりまして、住民に身近な商店の閉鎖が相次いでいるという特徴があります。既存商店、商店街の体力の消耗が顕著でありまして、中小小売業施策がなかなか功を奏しない状況が続いております。
これは先に藻谷委員の資料から拝借させていただいたものですが、この中に、秋田市と横手市がごらんいただけるかと思います。秋田市は人口が31万 8,000人、横手市は4万 1,000人でありまして、いずれも売り場面積が多くなっており、これにあらわれているように、本県の大規模小売店舗の店舗面積は37.1%を占めておりまして、人口1人当たりの売り場面積でみましても全国平均の 1.103%を大きく上回り、 1.331%、秋田市でいいますと 1.412%、横手市では 2.732%で、そういう意味ではオーバーフロア状態にあるかと思います。
 特に秋田県内でみますと、1万平米を超える22店舗中、14店舗が特定の流通グループの店舗でありまして、県内の大規模小売店舗に占める同グループの店舗の割合が約3分の1を占めております。しかも、幹線道路に面してローコストの新店舗を今後展開するということで、県内9カ所で出店を検討しているという計画をおもちでありまして、こういう状況というのは、秋田県内でみますと、大型店同士の適正な競争状態にあるという判断よりも、むしろ1グループ企業による寡占状態が非常に厳しくなっていると考えられます。
 そういう傍ら、疲弊した商店街、そして大型店相互の競争状態にない出店構成ということで、市町村によっては非常に反対の運動が起きているという状況にございます。
 こういう状況を踏まえまして、基本的な大型店の立地を含むまちづくりのスタンスといたしましては、秋田県を例にとれば、人口が非常に減少傾向にあり、昭和57年から緩やかに減少しておりますし、また、老年人口の比率が平成12年で23.5%と、将来は日本一ということをいわれていること、あるいは、非常に広い県土と公共交通機関が不十分であるということ、それに、先ほど申しましたようにオーバーストア状態にありまして、郊外は一種の金太郎アメ的な店舗が展開する状況がございまして、いかにして住民に身近な場所で生活サービスを提供していくか、あるいは都市機能に欠かせない小売機能を含めて、地域文化の伝統、あるいは文化のアイデンティティの形成の場をどうやって形成していくかということが大変大きな問題であります。
 ご承知のとおり、秋田県におきましても市町村合併が進展しておりまして、17年中には69市町村が21市町村になる予定であります。地方分権がこのように進化していく状況、そして地域住民の民主的合意形成の訓練が非常に積まれてきた状況、そして財政的にも人的体制の強化によりまして、名実ともにまちづくりの主体として市町村が力をつけつつございますので、このようなことを考えますと、大型店の立地及びまちづくりに関するスタンスとしては、市町村が地域の実情に応じて主体的に対応していく体制をつくるべきであると考えております。
 同じく商業統計調査によりますと、大型店に対する地域住民の意識も多様でありまして、大型店をあえて歓迎するという意見が半数近くある反面、これを制限すべき、あるいは望まないという意見が3割、また、市町村によっては地域活性化の手段として誘致をするということもございますので、まさに地域住民にも市町村にもさまざまな考えがある中で、まちづくりは住民に最も身近な市町村が主体的に進めていくべきであろうと考えております。
 こういう基本的な考え方をもとにしまして、中心市街地活性化の取組について申し上げますと、秋田県としましても、国の施策、あるいは県の単独の施策を講じまして、さまざまに努力を積み重ねてまいりましたが、車社会への対応であるとか、都心部の多層型ショッピングセンターの撤退、あるいは空き店舗の発生によりまして、にぎわいが喪失しているという状況がございます。この悪循環からいかに脱するかというのは大変難しい状況にあるわけでありますが、この中でのTMOの状況を2~3ご説明させていただきたいと思います。
 県中央部の農村地帯にある美郷町という、つい最近発足した合併市町村ではありますが、この市町村の中には、協同組合方式による共同店舗がございましたけれど、その共同店舗設置後に新たに周辺に巨大な食品スーパーが進出したことによって倒産状態に追い込まれてはおりますが、TMOの活動によりまして、その拠点施設が町の顔として、結集の象徴として機能しております。また、周辺に散在する特色あるお菓子の店などの店舗が頑張っているという状況でございます。
 こういう形で、従前の共同店舗から、TMOがこういう町の核としての機能を果たしつつある1つの例としてご報告申し上げます。
 能代市という県の北部の日本海側の都市であります。人口5万 3,000人ほどでございまして、都市計画の街路事業と商店街整備をあわせて実施したところでありますが、空き店舗の発生がやはり激しいところで、その後も空き店舗の発生は生じておりまして、これを活用したチャレンジショップの運営をTMOが実施して、一定の効果を上げている例がございます。
 それから、湯沢市ですが、人口3万 5,000人ほどの都市でありまして、同じように都市計画の街路事業と商店街整備を実施したところであります。ここのTMOは、大型の空き店舗を借り受けてテナントミックス管理を行う事業を現在計画しております。
 このように、非常に厳しい中ではありますが、TMOが商店街の店舗の入れかえを適切にコントロールしている例と評価しているところであります。
 ただ、TMOの活動につきましては、このような一定の効果を上げているわけですが、どうしてもその行う事業は公共的色彩が非常に強いために、十分な事業収益を上げることが難しいということがございまして、その運営費の捻出が現在の大きな課題になっております。
 これからのにぎわいづくりに向けての方向として考えているのは、「意欲ある取り組みへの重点的支援」と書いておりますが、どちらかというと、面的な集団的な取組はやはり非常に難しい状況になっておりまして、特色ある店づくり、それに向けた創意工夫や意欲のある個別の商店を重点的に支援していく必要があると考えております。
 県では、県独自に、空き店舗を利活用するもの、あるいは店舗の継承をする方々に対して、賃借料であるとか改装費、リース料、あるいは広告費等を単独で補助をしているという事業を実施しております。
 それから、地域コミュニティの中心としての再生という側面につきましては、小売機能も含んだ都市機能を集中していくということはいうまでもなく大切なことでありまして、こういう店からみますと、商業者と市町村の連携・協働をもっと進められるような体制づくりはないかなと、今、検討を進めているところであります。先ほどご紹介した美郷町の例は、都市機能を集中しまして、地域住民統合のシンボルの場としてにぎわいをつくり出している1つの例として評価できると考えております。
 3点目で申し上げたいのは、これまで秋田県としては、県の旧中小企業事業団等の支援によりまして、都市計画事業と一体的に、集団としての商店街整備に力を入れてまいりました。ただ、商店によっては、大型店との小判鮫的な商法に活路を見い出す方もおりますし、廃業して不動産賃貸業をしたいという方もおります。一方では、他の業種に転換しようとする商店など、商店街の中の商店によっては、経営力、体力に大きな格差が生じてきております。集団としては全体的に弱まっている実情にございますので、規模の大きいハード事業を集団で実施するということは非常に難しい状況にございます。
 したがいまして、TMOあるいは商工会等の商工団体の活動により、店舗の交代を促す魅力的な個店をふやす仕組みづくりに取り組む必要があると考えております。特に、廃業・転換しようとする小売業者の決断を支援するという措置も必要であろうと考えておりますし、TMO等が空き店舗を取得したり、あるいはあっせんする仲介機能、一種の不動産的な機能になるわけですが、そして、新店舗の立ち上がりを支援する、そういう側面に力を入れる必要があるのではないかと考えております。
 そして、最後に提言ということで申し上げさせていただきますが、上から2つは、立地法の運用に関する問題でございます。これにつきましては、2つの点を新たに提案させていただきたいと思います。
 届け出を受けた市町村が届け出内容をまず公表をするということ。届出は市町村が受けるということでございまして、それを公表する。そして、市町村主導でいわゆる周辺環境の保持というもののほかに、まちづくりに対する影響につきまして住民説明会を実施する。これは複数回を想定しております。
 そして、住民からのパブリックコメントを求めて、その内容を公表した上で、出店者と市町村が調整をするという仕組みで、市町村に主体性をもたせる。そういう仕組みづくりができないかという点を提案させていただきたいと思います。
 既に土地利用などを含めて市町村が主体的に判断できる仕組みはある程度できておりまして、それと一体的に、さらに市町村が主体的に取り組むような仕組みを整理する方向で進めていただけないだろうか。そういう点を提案させていただきたいと思います。
 それから、まちづくり、あるいは中小小売業の支援につきましては、先ほど申し上げた方向でさらに施策を充実していただくようにお願い申し上げたいと思います。
 大規模小売店舗の設置者に対しましては、小売業というものが地域住民への生活サービスを提供するということを本旨とするわけでございますので、企業としては、企業の活動によって影響を受ける人すべてに対して責任が求められてしかるべきであると。最近いわれております企業の社会的責任が極めて強い職種でありますので、それに基づいた行動規範を期待し、そしてそれを制度化していくという方向で、市町村に主体性をもたせた仕組みづくりをつくっていただくという方向でお考えいただければ、大変ありがたいと思います。
 以上であります。
○上原議長  どうもありがとうございました。
 次に、谷本委員、お願いいたします。


-谷本委員からのプレゼンテーション-


○谷本委員  私は岡山県の井原市長ですが、いばらの道を一生懸命走っている関係で、「いばら」と申し上げておりますけれど、皆さん方は大抵、「いはら」とおっしゃると思いますが、全くそのとおりだと思います。あえて資料はございませんが、お手元に出しております「井原まるかじり」というリーフレットをごらんいただきながら、私の話を聞いていただければと思っております。
 岡山県の西南部に位置いたしまして、まさに広島県境に接しております。したがいまして、生活圏も商業圏も残念ながら福山市でございます。ということで、本当は合併も福山としたいのですが、それでは岡山県の方が許可をしてもらえません。若者はもう完全に福山合併です。
 井原市の状態でございますが、市内の随所に古墳がみられます。東西には旧山陽道が通じまして、宿場町として、あるいはまた綿の織物の町ということで非常に栄えてきたわけでございます。昭和28年に10カ町村が合併したわけでございますが、合併前から、家内工業等を含めますと、織物は 800ありました。まさにガチャマンといって、織物の音がしますと万の金が入るといったことで、大変な状況であったわけでございます。したがって、織物をしていない人からは騒音と振動の苦情を承るということでございますが、残念ながら、現在ではもう17社しかございません。これはいろいろと事情がございました。
また、ジーンズとアパレルにつきましても、昭和40年前半ぐらいは全国シェアの70%ぐらいを占めていたわけでございますが、連携をしてみんなで何とかやっていこうという意識がなかったということで、いうなれば個人主義ということで、いいところをとられたということで、現在ではもう20%を完全に割っている状況でございます。
 それから、井原市で1つ自慢できますのは、これは私学でございますが、寛永6年に開学いたしまして、昨年が開学 150周年という興譲館がございます。現在では女子が非常に頑張ってくれておりまして、全国の駅伝大会では、昨年はトップでスタートしたという状況でございます。今年はまた非常に期待もいたしているわけでございます。
 それから、文化勲章を受賞した平櫛田中翁の生誕の地ということで、今は彫刻の町となっておりますが、子供たちは「ちびっこ田中さん」ということで、現実に彫刻等もさせているわけでございます。この田中先生は、井原市でお生まれになりまして、6歳のときに広島県の福山市の今津というところへ養子に行かれまして、そこが平櫛家でございます。そして、井原は田中(たなか)姓でございます。それで、平櫛田中(でんちゅう)とされています。初めのころは平櫛田中(たなか)館といっておりましたが。
 そして、田中先生の作品はすべて木彫でございますが、東京の国立劇場の正面に鑑獅子が、六代目の尾上菊五郎をつくったものがございます。これは文化庁へ寄附しているわけでございますが、65歳にして、20年間かかってつくったと。それまでには、ミニの鏡獅子、あるいは裸体等々がございますが、それをつくるに当たりましては、国立劇場へ1カ月間ずっと行ってみたけれども、やはり人間は裸の上に着物を着るのだということで、これではだめだ、作品はできないということで、またお願いをして1カ月ほど裸を見せてもらって制作に当たったと、そんな話を聞いております。
 それから、地図の上では左端の県境ですが、「中国地方の子守唄」の発祥の地ということで、全国子守唄サミットもずっと続けております。中国から日本、あるいは世界の子守唄までいって、今、落ちついているという状況でございます。
 それから、東の方には高越城址がございまして、北条早雲の生誕の地ということで10年前にお認めをいただきました。したがいまして、神奈川県の小田原市、あるいは静岡県の沼津市、韮山町、箱根町の3市2町で観光推進協議会を設立いたしまして、目指すはNHKの大河ドラマと大きく出ていっているわけでございますが、NHKの方にも行きましたら、まだほかにももっておりますのでということでございましたけれど、海老沢会長は北条早雲に対しましては興味を示されましたし、またよくご存じでございました。
 それから、来年、四国の高松の義経が大河ドラマになりますが、そこで扇の的を射落としたということで、那須与一宗高公の終えんの地でございます。したがいまして、生誕の地が栃木県の大田原市でございますので、そういったことで都市縁組をいたしております。平成12年に天皇・皇后両陛下がお越しになったときにその話をしましたら、「初めて聞いた」とおっしゃっておられましたが。
 また、今、難儀をしておりますが、第三セクターでの井原鉄道でございますけれど、平成11年1月11日の11時11分11秒に開通したということで、あわせますとこれがまた11になるということですが、年間 110万ぐらいしか乗ってもらえません。駅につきましては、いろいろ公募いたしまして、最終的には弓と矢をモチーフとした外観で、与一ゆかりの地としての情報発信をしているということでございます。
 さて、今、織物の町と申し上げましたが、現在では業種転換をいたしまして、ITの関係が今は一番ウエイトを占めております。それから、合成樹脂関係が元気を出してくれておりまして、岡山県下でも毎年上位の所得番付に載っているところでございまして、大変ありがたいと思っております。そのほかは、自動車であるとか鉄鋼などでございます。
 残念ながら、織物の町であったということで、よそ者には来てもらっては困るということで、昭和50年の中ごろまでは、企業誘致の話をする市長は落選ということでございまして、地元の企業を大事にする者が市長になれるということがございました。そんなことでは将来生き延びていくことはできないというので、3代目の市長のときに、我々が、工業団地をつくって企業誘致をしなければだめですよということで、商工会議所等々には内密のうちに用地を買収いたしました。そして、最初は公害防止事業団へお願いをいたしまして、まず市街にあるそういった企業で、織物で騒音を発生している、そしてまたその周辺では住民が困っている、そういうものを上に上げてしまおうということでお願いをしまして、これが成功いたしました。
 それとあわせて企業誘致をしていこうということで、さらに用地を取得いたしまして、途中でばれましたけれど、ばれた時点ではもう既に遅しということで、企業の方も納得をしていただいたということで、その団地には東京から東洋インキさんにおいでいただいておりますし、そのほかに、広島県等々からもおいでいただいております。しかし、小さなこの井原の町でそういった企業誘致を1つすることができたということは、大変ありがたいなと思っております。
 さて、商店街の関係でございますけれど、商店街というのは大変難しいわけでございまして、私は平成2年に市長になったときに、この井原の中心の市街地を何とか生き延ばしていく方法はないものだろうかということで、職員を走らせました。ところが、返ってきた言葉で非常に残念だなと思ったのが、「市役所というのはそんなに暇なのか、金をもってこい」と、こういうことが圧倒的であったということで、もう時期遅しだと。それはもう高齢化がかなり進んでおりまして、若者は市街へ出ていって、後継者がいないと。そういうことから、そんな話しか出てこなかったわけでございますが。しかし、井原鉄道が11年に開通するのにあわせて商店街の再開発をやって、そして線で結んでいこうということで、これも商店街の人を集めまして話をさせてもらいました。
 「そうしないと、座ってじっとしていればお客さんが来るような商店街は、いずれは廃墟となりますよ」という非常に厳しいことをいって、おしかりも受けましたが、残念ながら、これも絵にかいたモチで、「すべて行政の方で対応してくれれば、入ってやってもいいよ」というのが中心の商店街でございましたから、行政主導で成功した例はございません。皆さん方が汗を出し、そして一部の負担もし、そうした中で本当の意味のまちづくり、商店街ができるのだと、こういうことを力説いたしましたが、残念ながら、ここは非常に難しいというのが実態でございます。
 そこで、この中心市街地はもうやめようと。その周辺から起こしていこうということで、まず、県境にあります高屋というところですが、ここは子守唄のサミットで、子守唄のまちづくり推進協議会というものを自治会、高齢者、婦人会、青壮年部を含めてつくったらどうかということで、呼びかけをいたしました。行政としてはお金は出しませんよということでやらせました。そうしましたら、まずは鉄道の橋架に、子守唄が聞けるように、ちょっと押さえれば熊本県の五木村の子守唄が聞けるとか、どこの子守唄も聞けるような、そういう形にするということで、地元で寄附を募って、 500万円ほど集めたわけでございます。そこまで元気を出すのならということで、行政としても少しお手伝いをいたしました。
 そこは、その駅の周辺の環境整備、花等々の整備も、高齢者と知的障害者の施設がございますので、その方たちも元気を出さそうということで、一緒になってその環境整備をしてくれております。知的障害者の方は、それだけではいけないからというので、高架の下にコーヒーの飲めるところを用意して、そこへ来ると健常者の方と交流ができるということで、そういうものをやったらどうかといいましたら、早速それをやってくれまして、それに対しましても若干経費を出しております。今は毎月1回、朝市のようなものでございますが、そこでジーンズを売ったり、野菜を売ったり、いろいろなものを売っておりますけれど、まだ1年でございますので、もう少し汗を出していただかないと行政は手が出せないということで、本当にこれが定着したということを見極めた場合には、皆さんのご要望を聞こうということにしているところでございます。
 そこで、高屋の駅が元気を出せば井原の駅の周辺部がじっとしておられないと、こういうことを私は期待しているわけでございますが、今、若者が「何とかしなきゃならない」ということで、何人か集まって計画もしてくれておりますので、そのうち元気が出るようなことになりはしないかなと思っております。
 それから、右上ですが、 300世帯くらいしかない、人口もわずかでございますが、青野というところですけれど、ここはブドウを主につくっておりまして、現在、60ヘクタールほどで、種類はジャイアントまで10種類くらいのブドウをつくっております。それに、あたご梨、あたご柿も多少つくっております。そこで道の駅的なものをやりたいという声が出てまいりまして、それでは、青野だけではいけないので、井原市内でそういった意気込みのあるところは申し出てくださいということで呼びかけをしましたら、3地区から出てまいりましたが、青野のブドウが一番元気がいい、ここなら結構成功するだろうということでございます。しかも、ここは有限会社を自主的に町内でつくってくれておりますし、また、その町以外からも有限会社の会員にもなってもらっておりますが、そこで、間接民営ではございませんけれど、建物は「葡萄浪漫館」として、国の補助ももらい、あるいはその周辺の整備もやりまして、非常に多くの方においでいただいておりまして、大変にぎわっております。
 そういう中で、せっかく60ヘクタールのブドウがあって、起伏はひどいのですが、青野へ行けばブドウの時期は何ともいえない味わいを感じることができるということで、「ブドウマラソンをやったらどうかな」といいましたら、早速、受け入れてくれまして、最初のころは地元が中心でございました。そして、隣の神辺町ぐらいから来ておりましたが、 200人ぐらいからスタートいたしまして、今年は 865人、西は九州、東は千葉県からおいでいただきました。広告は一切しておりませんで、口コミだけでございます。そして、おいでになった場合には、ブドウは食べ放題、土産は2キロのブドウ、そしてにぎり飯とかいろいろなものを出すわけでございますが、もうこれ以上はどうにもならないということでございますけれど、このブドウマラソンも普通ですと行政がタッチしたり警察署が交通整理などをするのですが、もう地元ですべてやるということで、このことについては非常に意気込みを地元自身が感じて、他の地区ではとてもまねのできないほど頑張ってくれております。
 したがって、今申し上げましたように、県境は子守唄、東の方はブドウ、そしてもう1つは、北条早雲生誕の地といいましたが、今そこは毎年4月には早雲祭りということで、小規模ではありますが、これも地元だけでやってくれております。小田原市さんの方は毎年5月3日に北条五代祭というのを大々的にやられるわけですが、私も行きまして、最右翼へ座らせていただいて、非常にありがたいと思っております。
 そして、今、新たなまちづくりに取り組んでおりまして、四季が丘の複合団地の整備をやっていこうということで、これは井原駅周辺の中心市街地と一体となった生活拠点ゾーンとして、この団地には住宅 202戸、そして企業用地と福祉施設用地、公園、農園などを整備しておりまして、来年の1月から予約を開始いたしますが、これは各世代が交流できるコミュニティの形成をしていこうと。それから、農業や自然とのふれあいなど、人間性の回復をしていこうと。それから、高齢者や障害者との交流、まさに地域福祉の充実をしていこうということで、既に民の方で保育園の設置が決まっておりますし、特別養護老人ホーム、あるいはグループホーム、あるいは元気老人のグループが来てくれることになっておりますので、そこを新しい人間都市として整備をしていこうと思っております。
 しかしながら、井原のような小さな町で、しかも福山へ隣接しているということでございますので、ここをトップ地域にいたしまして、本市独自の優遇措置を設けて、新聞で1回報道してくれましたが、それによって既に広島県の福山、あるいは尾道、三原といったところから、「我々が行っても優遇措置があるのか」ということでございますから、「全国どこからおいでくださっても優遇措置は同じです」と申し上げているわけでございます。
 それから、本市の場合には岡山県に山陽新聞社というのがございまして、山陽新聞社のこういった事業を取り組むところとタイアップしてやるということで、この間、説明会の呼びかけをしていただきましたところ、その住宅の関連業者の方が42社来てくださいました。銀行も3行来てくれまして、これから大々的にPRをしながらやっていこうということで、採算は10年でペイできるような形にしておりますが、坪当たりは約7万 5,000円から、最高は8万 5,000円ぐらいで対応していくということでございますので、今、井原市の平坦地で一番高いところでは20万円ぐらいになります。そして、12万~13万というところが一番安いところだと思いますが、本当に日当たりもよろしいし、とにかく山をつぶしてつくっておりますので、非常に環境がいいわけですので、そこに新しい町をつくって、そして駅の中心市街地と結びつけていこうということでございます。
 それから、1点忘れましたが、24時間のスーパーも今3店入ってきております。ただ、今、一番心配しておりますのが、夜10時までしております例のスーパーのダイエーがどうなるかということでして、この大きいスーパーにつきましてはいろいろありますが、ちょうど時間が来たようでございますので、以上で終わらさせていただきます。
○上原議長  どうもありがとうございました。
 次に、福島県の楠田様、お願いいたします。


-福島県からのプレゼンテーション-


○楠田参事  福島県商工労働部の楠田と申します。きょうは、福島の取組を紹介させていただく機会をいただきまして、ありがとうございます。
 早速ですが、「中心市街地活性化~福島の取組み~」ということでご紹介をさせていただきたいと思います。
 初めに、中心市街地空洞化の現状についてご説明したいと思います。この写真は県内のシャッター通りの1つでございまして、こういう街並みが県内の至るところで見られるわけでございます。シャッターがおりている店舗の前に、ポツンと立派な街路灯が立っておりまして、こういうまちづくりをしてはいけないという私どもの反省を込めた1枚でございます。
 まず、居住人口でございますが、県内10市の状況を申し上げますと、総人口は横ばいでございますが、中心市街地の人口は非常に大きく減ってきている状況にございます。ただ、例えば県庁所在地である福島市では、中心市街地の人口は若干戻りつつありまして、そういう形で底を打ちつつある市町村と一貫して減り続けている市町村の二極化の傾向が現れてきているということでございます。
 次に、歩行者数でございますが、これは県内の3市――福島市、郡山市、会津若松市の中心市街地の状況でございますが、若干持ち直しの傾向が現れてきております。ただ、これはあくまで3市の状況ということでございまして、県内全体でみると市レベルでも依然として非常に厳しい状況にございます。歩行者数についても、持ち直しつつある市町村とそうでない市町村の二極化が進んでいると考えているところでございます。
 最後に、商業機能でございますが、10市の状況が左下の図でございまして、従業員数や売り場面積が増えている一方で、商店数は一貫して減っており、販売額も低迷しております。また、10市の中心市街地の状況が右下の図でございますが、こちらの方はもっと厳しい状況でございまして、商店数、従業員数、販売額がいずれも右肩下がりになっております。商業機能については、全体として厳しく、出口が見えていないというのが現状であるということでございます。
 次に、中心市街地活性化に向けた県の取組について紹介させていただきたいと思います。この写真は、今年度、国の商店街リノベーション事業のご支援をいただいて福島市でテナントミックス事業として開業した農協系のスーパーさんでございますが、大変なにぎわいをみせておりまして、それを受けて周辺への投資も出始めるなど、地区全体の活性化に大いに寄与しているものでございます。
 県の中心市街地活性化の取組でございますが、平成13年度に開催したまちづくり懇談会が大きな転機となっております。これは、11年度に長崎屋、13年度に大黒屋という地元の老舗百貨店が倒産し、また、白河市のイトーヨーカ堂が撤退を表明するなど、それぞれの中心市街地の核になっていた大型商業施設の撤退・倒産が相次ぐ中で、これからのまちづくりをどうしていくべきかということで、県内各地でまちづくり懇談会を開催し、そこに知事をはじめとする県の幹部が出向いて、市町村長、商工団体、県民の方などと意見交換を行ったものでございます。そこでの議論を踏まえて、下線を引いている部分ですが、大規模開発を広域的に調整するシステムについて、県として検討を行うことになったということでございます。
 また、その下の部分でございますが、「集う」「商う」「住まう」という3つの視点から、県として中心市街地活性化に関する施策を総合的に進めていくということ、また、併せて、時間的なレベルでも、短期、中期、長期の3つに分けて取り組んでいくこととされたところでございます。さらに、そういう中で、一番下の行でございますが、県単独事業として街なか再生三事業を創設することとされたところでございます。
 今、県では「集う」「商う」「住まう」という3つの視点から施策を展開していると申し上げましたが、「集う」という視点からは、街なかに賑わいを創出して、人が集い、交わる場として再生することとしております。
 また、「商う」という視点からは、街なかに魅力ある商業機能の集積を図ることとしております。
 さらに、「住まう」という視点からは、街なかの住環境を整備し、多くの方に住んでいただけるよう取り組んでいるところでございまして、これは中心市街地活性化を図る施策としてはもっとも基本的なものであると考えているところでございます。
 次に、県の施策についてもう少し具体的にご紹介したいと思います。県の中心市街地活性化策の全体像は、フロー図のとおりでございまして、ハード事業として、国の商店街リノベーション事業のほか、県単独の事業も創設し、街路灯の整備等への支援を行っているところでございます。
 それから、ソフト事業としては、国のご協力をいただいて造成した基金により、活性化のためのイベントの実施等に対して支援を行っているところでございます。
さらに、まちづくり懇談会後は、先ほど申し上げた街なか再生三事業を創設して、活性化に力を入れているところでございます。
 街なか再生三事業の概要でございますが、1つは、街なか賑わい創造事業でございます。これは施設補助でございまして、中心市街地の商業地域に病院、大学等賑わいの創出に寄与する公共公益施設を立地させる場合に、県としてその建設費等に対して助成を行うものでございます。この関係で、例えば来年度については、福島市の中心市街地の大型空き店舗に地元の福島学院大学がサテライトキャンパスを開設するという話がございます。
 2つ目は、街なか再生促進事業でございます。これは税制に関わる事業でございまして、中心市街地の商業地域での店舗の新築等に対して、市町村の方で固定資産税を減免するという措置を講じる場合に、県の方で減収分の一部を補てんするとともに、あわせて、不動産取得税、これは県税でございますが、その減免を行うという事業でございます。これにつきましては、後ほど紹介させていただきますが、三春町で活用例がございます。
 最後に、街なか再生特別資金ということで、中心市街地の小売商業者に対する融資制度を設けておりまして、これら「施設補助、税制、融資」の3点セットで街なか再生三事業を構築しているところでございます。
 次に、福島県広域まちづくり施策でございますが、これにつきましては、現在各方面から多数問合せをいただいているものでございますので、内容について少し詳しく紹介させていただきたいと思います。
 まず、検討の経緯でございますが、先ほど少し申し上げましたように、13年度に開催したまちづくり懇談会の結果を受けて、県として、大規模集客施設の立地について市町村の枠を超えた調整方法を検討することとなりました。それを受けて、14年度、県庁の関係部局で議論をし、論点の整理を行ったのですが、なかなか難しい課題が多く、このままでは先に進まないということで、15年度、学識経験者、市長さん、町長さん、商工関係団体の方、一般公募の県民の方、NPOさんといった方々に集まっていただき、福島県広域まちづくり検討会というものを作りました。その検討会でいろいろ議論をしていただき、年度末に提言をとりまとめていただいたということでございます。
 提言の内容でございますが、大型店の立地の現状と問題点、講ずべき施策の方向性、そして、連携・協働による推進という形で整理されているところでございます。
 まず、大型店の立地の現状と問題点でございますが、大型店の立地について、福島県の場合は農地への立地も非常に多いわけですが、農振の除外も含めて土地利用規制が緩やかであるために、郊外に大型店が相次いで立地しているということでございます。
 それから、もう1つ検討会が注目したものとしては、大型店の中でも商圏が非常に広い超大型店とでも言うべき大型店が出てきていること、それから、大型店同士の競争が激しさを増している中で、スクラップ・アンド・ビルドが活発に行われ、それが地域のまちづくりに非常に大きな影響を与えているということでございます。
そういう中で、郊外部への大型店の相次ぐ立地によりまして、中心市街地の空洞化といったまちづくりへの影響が出ておりますし、今後、大型店が出店して地域の商店街が疲弊した後で大型店サイドの都合で撤退することになった場合に、まちはどうなるのか、住民の生活はどうなるのかといった問題がございまして、まちづくりの観点で必要な施策を講じる必要があるのではないかということになったわけでございます。
 また、この問題への対応としては、土地利用関係法令に基づいてゾーニングの手法で対処するのが基本ではございますが、現在の状況を見る限り、市町村がまちづくりを基本的に行うことは当然のことではありますが、市町村だけで対処するのが難しい部分もあるのではないか。特に規模の大きな大型店は商圏が非常に広域であるという問題もございますし、ゾーニングを行う場合は、1つの市町村で網をかけようと思っても、隣の市町村に立地されてしまっては意味がないので広域的な合意が形成されないと手が出せないですとか、いろいろな課題がございまして、県として広域的な視点から関わっていくべき部分があるのではないかということでございます。
 次に、講ずべき施策の方向性についてでございますが、まず、広域調整の必要性として3つの視点が挙げられているところでございます。
1点目は、大型店の立地はまちづくり全般に影響を与えるので、まちづくりの視点で広域的な調整を行う必要があるのではないかということでございます。
 2点目は、生活者のレベルの話ですが、大型店に対する生活者のニーズがあることは事実ですし、大型店の新規立地は短期的には選択肢の拡大という形で生活者の利益の増進につながる面もあると考えておりますが、郊外への大型店の立地や撤退が活発に行われ、そのたびに生活者の生活が大きな影響を受けることについて、県として何も施策を講じないということで良いのかどうか。中長期的なスパンで生活者の利益を増進するという視点から県としてやるべきことがあるのではないのかということでございます。
 3点目は、まちづくり三法がまさにこれに当たるものだと思いますが、施策の効果的な推進という視点でございます。中心市街地活性化のための施策としては、振興策と調整策の2つがあり、その両方を行わないと成果が十分に出てこないと考えておりますが、現状を見る限り、振興策を一生懸命やっているところは多いのですが、調整策の部分が少し弱いのではないか。中心市街地を活性化させる上では、調整策にもう少し力を入れる必要があり、現状の枠組みでそれが難しければ、県として新たな仕組みを考えなければいけないのではないかということでございます。
 次に、施策を構築するに当たって留意すべき事項ということで、2つのポイントが提起されているところでございます。
 1つは、調整の観点ということで、皆さんご存知のことと思いますが、大店立地法の規定との関係でございます。この規定自体は国際的な要請もあって作られたものだと理解しておりますが、地方公共団体が地域の需給状況を勘案して立地調整を行うことが禁止されておりますので、施策の観点の違いも含めて、その辺の整理をきちんと行う必要があるということでございます。
 もう1つは、市町村との役割分担の問題でございます。先ほども少し申し上げましたが、まちづくりは基本的には市町村が行うものだということは私どもも全く異議がないところでございまして、その上で、この問題について県は何をやるのか、市町村は何をやるのかという役割分担を考えますと、県は、立地による影響が市町村の枠を超えるような特に規模の大きな大型店について、関係する市町村とも連携を図りながら調整を行うこととするのが良いのではないかということでございます。
 なお、調整の対象とすべき大型店の規模については、現在県の方で詰めている最中でございますが、提言におきましては、1万 5,000㎡から2万㎡くらいの規模で考えてはどうかという趣旨の言及がなされているところでございます。
 これらの視点、ポイントを踏まえた上で、具体的に講ずべき施策として、提言では大きく2つの施策が提起されているところでございます。
 1つは、県が調整の対象とする大型店の立地についてビジョンを作ってはどうかということでございます。これは先ほども少し申し上げましたが、1つの市町村で大型店の立地を調整するためのゾーニングを設定しようと思っても、周辺の市町村も含めた広域的な合意が形成されていないとなかなか難しいという問題がございます。また、県としても、県民が快適に生活できる県づくりを行う上で、広域的なビジョンというものが必要なのではないかということで、県としてビジョンを作り、それを明らかにした上で、市町村間の広域的な合意形成を促し、ゾーニングの設定等について積極的に支援していくべきだということでございます。
 もう1つは、個別調整の仕組みの導入ということでございます。現行法において立地の問題はゾーニングの手法で対処するのが基本であるということは承知しておりますが、あらゆる開発の可能性を想定してすべてゾーニングで対応するというのも、現実問題としてはかなり難しいのではないかという認識の下で、個々の計画ごとに、事業者から県に届出をしていただいて、これに対して、立地市町村だけでなく、その周辺の市町村からも意見を伺った上で、県としての意見を表明するという仕組みを作る必要があるのではないかということでございます。
 また、個別調整に関連して、マニフェストという言葉が書いてあるかと思いますが、大型店に対する生活者のニーズも踏まえて、単に立地調整を行うだけではなく、大型店と地域の共存共栄を進めるという観点から、大型店の地域貢献を引き出す仕組み、具体的には、大型店の方でこんな地域貢献をしていきますよということがあれば、それを出していただき、県の方で公表するといった仕組みづくりも必要なのではないかという提案もいただいているところでございます。
 その上で、最後になりますが、連携・協働による推進ということで、県、市町村、県民の方、そしてもちろん大型店の方、いろいろな方々のご理解・ご協力をいただき、一緒になって進めていくのが望ましいとされているところでございます。
 この提言を受けて、県では、今年度、その内容を具体化しようということで、条例の制定も視野に入れて検討を進めているところでございます。例えば、この話は県民の日常生活に直結する問題であるということで県民の方との懇談会を開催したり、技術的な検討の一部をシンクタンクに委託したり、広域調整の先進地であるドイツの現地調査を行ったり、都市計画、法律等の専門家を構成員とするアドバイザー会議を設けたり、いろいろやっているところでございます。
 次に、若干お時間をいただいて、県内の具体的な取組事例ということで、県庁所在地であります福島市、県の経済の中心となっております郡山市、そして滝桜などで有名な三春町、この3つの自治体の取組状況について簡単にご紹介したいと思います。
 まず福島市でございますが、ここの取組みの特徴は、教育・文化関係の機能を再集積する動きが活発であり、それが再生に向けた動きを引っ張っているということでございます。例えば、市の子供の夢を育む施設、NHKの文化センター、福島大学のサテライトキャンパス、そして来年度からは福島学院大学の駅前キャンパス設置の動きも始まることになっております。また、国の都市再生の枠組みの中で、スチューデント・シティという施設を設け、大型空き店舗を子どもたちの総合学習の場として再生するという取組みも行われたところでございます。
 それから、もう1つ特徴を申し上げますと、市の方で借上市営住宅の整備に力を入れておりまして、それが、地価の下落に伴うマンション建設の活発化と相まって、居住人口の下げ止まりにつながっているということがございます。ただ、明るいニュースばかりではございませんで、地図の左上にさくら野という百貨店が書いてあるかと思いますが、先週、この店舗を閉店するという話が出まして、地元に衝撃が走ったということがございました。福島市においても、中心市街地を取り巻く状況はまだまだ厳しいということでございます。
 続きまして、郡山市でございます。郡山市は福島県の中でも経済の中心となっている市でございまして、駅前の再開発と歩行環境の整備に大変熱心に取り組んでおられます。図の中央部にうすいという老舗の百貨店が書いてあるかと思いますが、ここは第1弾の産業再生案件となった百貨店でございますが、現在着実に業績が回復してきていると伺っております。そのうすい百貨店が面しております通りをなかまち夢通りと言うのですが、ここは、道路事業とあわせて、国の商店街リノベーション事業の応援をいただいて商店街で通りの整備を行ったところでございまして、整備後は空き店舗が一掃されるなど、事業の効果が現れてきているという話を伺っているところでございます。
 なお、来年度は、なかまち夢通りの左側に書いております駅前大通りの整備が計画されております。これも街路事業と商店街のリノベーション事業を組み合わせた形で一体として整備していこうという事業でございまして、再開発が行われた駅前地区とうすい百貨店のあるなかまち夢通りを結ぶ重要な通りということで、中心部の回遊性を高めるという観点から戦略的に取り組まれてきている事業でございます。
 最後に、三春町の例をご紹介したいと思います。ここは、県の街なか再生促進事業を活用しておりまして、街路整備と併せて、新築等を行う店舗の固定資産税と不動産取得税を減免することによりまして、店舗の新築等を促し、街並みを生まれ変わらせたところでございます。
 この町は、もともと滝桜をはじめいろいろな観光名所があるところでございますが、そこに来られる観光客を中心市街地に誘導するための取組みを熱心に行っておりまして、それによって中心市街地の活性化を図っているところでございます。
 最後に、本日の発表のまとめとして、中心市街地活性化に向けた課題ということで、いろいろな課題があるわけですが、大きく4点ほどお話しさせていただきたいと思います。
 1つ目は、振興策と調整策の連携ということでございます。県内の市町村、商工団体、TMOなどのまちづくり関係者の取組みを見させていただきますと、いろいろな補助メニューを活用した中心市街地の振興策についてはかなり熱心に取り組まれているという印象を受けるのですが、その一方で、郊外での大規模開発を抑制するという調整策については十分とは言えない状況にあると感じております。県としては、その両方に力を入れていくことが重要だと考えておりまして、そういう取組みをきちんと行っているところを重点的に支援していくという仕組みも今後検討していく必要があるのではないかと考えているところでございます。
 2つ目は、TMO等のマネジメント能力の強化ということでございます。中心市街地活性化の取組主体としては、TMO、商工会議所、商工会などいろいろな組織があるわけでございますが、これらの主体が商店街を1つの固まりととらえて、テナントミックスをはじめとするまちづくりのマネジメントを行う上で、資金的な面、人的な面など、いろいろな面で、組織としてまだまだ不十分な部分があるのではないかということでございます。大型店さんの方で店舗内のテナントのマネジメントや指導をきめ細かく行っておられるという話を伺うたびに、中心市街地の商店街においても、マネジメント能力をもっと強化する必要があるのではないかと感じているところでございます。
 3つ目は、まちづくりの意識ということでございます。これは人のレベルの問題でございますが、中心市街地の活性化に向けた地権者の協力や、各個店の商店街活動への協力といった部分がまだまだ不十分なのではないかと考えております。また、都市計画法等に基づくゾーニングの適切な設定を行う上で、住民の方の理解がなかなか得られないという話もよく耳にいたします。そのほかに、まちづくりのリーダーの不在ということもよく言われますが、いろいろな意味で一人ひとりのまちづくりの意識を高めていくことが重要ではないかということでございます。
 最後に、まちなか居住ということですが、中心市街地を活性化していくためには、何よりもより多くの方にまちなかに住んでいただくのが基本であろうということで、中心市街地の住環境の整備等を進めていくことが重要であるということでございます。
 私からの発表は以上でございますが、最後に一言だけお話しさせていただきたいと思います。実は今日から野口英世の新札が出回り始めておりますが、野口英世は福島県の会津地方の出身でございまして、今会津ではいろいろなイベントが行われているところでございます。また、この建物の1階にも展示がございましたが、伝統工芸の全国大会が、今月の3日から福島県の会津若松市で開催されることになっております。その他にもいろいろな見所がございますので、ぜひ福島に足を運んでいただければということを付け加えさせていただいて、発表を終わらせていただきたいと思います。
○上原議長  どうもありがとうございました。
 それでは、金沢市の坪内様、お願いいたします。


-金沢市からのプレゼンテーション-


○坪内課長  ただいまご紹介いただきました金沢市の商業振興課担当課長をいたしております坪内です。私からは、金沢市の商業の活性化策についてご説明を申し上げたいと思います。
 私は、市役所に入りまして31年余りになりますが、うち18年は商業の振興を担当いたしております。近年は、平成8年から今日まで9年間、まさしく中心市街地活性化に取り組んでまいりました。この中で、金沢市のまちづくり会社、そしてリノベーション補助金を使いまして、「プレーゴ」という商業施設をみずから手がけてまいりました。そして、金沢市では大店法が大店立地法にかわりました。それにあわせるような形での商業環境形成指針という金沢市独自の商業店舗の配置の指針を定めまして、それを実行するためにまちづくりの条例も定めました。きょうは、この3点について私の方から説明を申し上げたいと思います。
 お手元の資料5―1の2ページをごらんいただきますと、まちづくり会社「㈱金沢商業活性化センター」、これは金沢市がつくりましたTMOです。平成8年と申しますのは、金沢の中心市街地の空洞化が一番厳しい時代であったと思います。金沢市の中心街の片町商店街の表通りに面しまして、 500坪の空き地、 400坪の空き地、そしてビルごと空洞化しているビルが幾つもありました。これは一番商店街でしたので、バブル時期に地上げにあったということであります。その後、バブルが崩壊しまして、一番商店街であったからこそ空洞化が大変顕著にあらわれました。金沢市としては、これが当時、一番の懸案でありました。
 そこで、私はこの空き地問題を解決するためにまちづくり会社をつくる必要があるだろうということで、平成9年、中小企業庁の方にお伺いをいたしまして、金沢市の中心街は片町・香林坊地区と武蔵地区に大きく2つに分かれますので、2カ所、まちづくり会社をつくることはできないだろうかということをご相談申し上げたのが、今から7年ほど前です。
 そのころ、国の方では中心市街地活性化法を検討されていまして、TMOというものを構想されていましたが、1つの地域には1つのTMOであると。それで、私どもは、この2つの地域をあわせて1つのTMOというものをつくったわけであります。今日、全国では非常にたくさんTMOをつくられていますが、金沢市は成功実例として挙げられています。私どもは、中心市街地の活性化のかなめは中心市街地活性化基本計画にあるように、1つにはまちづくり会社TMOに取り組んで、これに失敗すれば、中心市街地の活性化にさらなるマイナス要素になるということで、どうしても成功させる必要があったわけです。
 これに取り組むに当たっては、金沢市の場合はまちづくり会社は株式会社でありましたので、株式会社というものは当然収益事業、自分で稼ぐということが大前提にあります。そして、それを実行する人間が必要である。ここに書いておりますように、まず1番の留意点はこの2つであると。これを実現するためにはどうすればいいのかということでありました。
 人間の方は、私が自分でまちづくり会社に出向するような形で会社をつくると同時に行きました。そして、会社に行きまして私はまず考えたことは、どうやって収益事業を確立するか。もともとこの会社は金沢の中心街の空き地を解消するためにつくるわけですから、そのことが収益事業として結びつくことが一番いいわけです。それで「プレーゴ」という商業施設をつくるわけですが、お手元に設立時と現在のまちづくり会社の概要を書いてございます。
 設立時ですが、平成11年3月31日が第1期目です。このときに職員数が3名というのは、私と、株主になっていただいた町の金融機関の方から1名出向していただき、そしてもう1名は女性のプロパー職員を雇いました。この3名でスタートいたしました。
 収益事業は、設立時から何もないわけですから、販売管理費 1,290万円ということで経費だけかかりました。この中にTMO構想というものをつくりました。そして、プロパー職員の給与、事務所の経費、そういうものがTMOにはかかるわけです。これをどう賄ったか。
 TMO構想については国からの補助金と県市の補助金でつくりましたが、プロパー職員の人件費その他管理費についてはすべて金沢市からの補助金でありました。大変お金には苦労いたしました。私の人件費は金沢市から出ましたので、そちらの方で処理しましたが、当時、私どもがつくった会社というのは大変早かったものですから、たくさんの人が視察にみえられました。それで、その人たちに差し上げるコーヒー代もなかったものですから、苦肉の策といたしまして、視察代として1人 1,000円をとることを私はしました。それほど苦労したわけであります。
今現在も、金沢のTMOは視察者から 1,000円の資料代をいただいております。TMOというのはそういう収益事業を確立することが非常に厳しい状況でスタートを皆さんしていると思います。今日、それがどのように変わったか。
平成16年3月31日というのは、もう6期目を数えています。現在、7期目に入っています。6期目で売上高2億 6,000万円。その内訳は、まず1つには金沢の中心街にある駐車場に共通の駐車券をTMOが発行する。そして、これを商業者の人に買っていただく。この券を1枚売りますとTMOには13円の手数料が入る仕組みをつくりました。この販売の売上額が1億 4,000万円余りあります。そのほかに、先ほど申しましたリノベーション補助金を使っての「プレーゴ」という商業施設から入るテナント収入が 5,100万円あります。それでもろもろ2億 6,000万円余りの事業収益があります。
原価としましては、駐車場にお支払いする料金が1億 2,000万円余りありますので、総利益として1億 3,000円余りあります。販売管理費といたしまして、この時点では職員数5名になっていますが、すべてプロパー職員です。市からの出向は私が1~3期までいました。そして、4期目は市の職員をもう1名出しましたが、銀行からも2期までは出しました。それ以外は現在もすべてプロパー職員で、この収益で賄っております。そして、営業利益が 500万円、その他補助収入もありまして、経常利益として 1,500万円を出すまでになっています。これが金沢のTMOを成功させるために何を考えたかという一番の点であります。最初から収益事業というものに取り組んだということを理解していただきたいと思います。ここに書いてありますように、プロパー職員5名の人件費 2,500万円余りは、「プレーゴ」の収益事業と共通駐車サービス券の利益で賄っております。
成功した要因として、経費の負担については、資本金は、現在、金沢市は2分の1を出していますが、その他残りは商店街の人たちや中心街にかかわる人たちです。私は会社をつくるに当たっては、自分がそこに行って経営をしなければいけないわけですから、なるべく経営しやすいように、借り主数も限定をいたしました。運営費については、先ほど申し上げたようなことをしたわけですが、商業者からは運営費については今日まで一銭の支援もありません。自分で稼ぐ必要がどうしてもあったわけであります。
 人的負担については私がやりましたので、それでよろしいわけですが、ここに課題と書いてあります。金沢市のTMOは安定した収益事業の成立により財政的には自立をいたしました。しかし、私みずからが、3人からスタートした小さな会社ですから、これは本当にベンチャー企業の最たるものだと思います。ベンチャーが成功するためには、どうしてもそれを引っ張っていく人材にそれなりのスキルがないと無理だと思います。そういう意味では、現在、プロパー職員にゆだねてありますが、果たしてうまくいくものかどうかというのは非常に懸念をいたしております。かなり困難だと思います。
 私は、その3年間の中で自律的に回っていく仕組みはつくりました。プロパー職員は大変若い職員が今入っておりますので、彼らが育ってくれば、まちづくり会社として将来的に機能していくであろうと思っております。
 私の経験から申し上げますと、まちづくり会社TMOを設立いたしまして、最初に一番困るのはやはり運営費でありました。これについては、金沢市の場合は全面的に運営資金はもとより、私の人件費を含めまして、「プレーゴ」という収益事業が確立する3年間の間に数千万円のお金を使っております。このお金を使わないことには、まちづくり会社はまがりなりにも自立することはかなり難しいと思います。株式会社ですから、自分で稼いでいかなければいけない。かといって、補助金を市からもいつまでもいただくわけにいかない。私どもは3~5年が限度であろうと。ですから、3~5年でまちづくり会社が自立できなければ、損害が大きくならないうちに撤退しようという覚悟で乗り出したわけであります。
 3ページです。では、なぜそのまちづくり会社を支える「プレーゴ」という商業施設ができたかであります。先ほど申し上げましたように、金沢の中心街に 500坪という土地をおもちの方がいらして、簿価で 100億近い土地でありました。これは昭和の終わりにホテル建設を目的に買われました。それまでは第一種大型店でありまして、ファッションビルでありました。それを取り壊してホテルを建てようとしたところでバブルが崩壊しました。地主さんは一流企業の方でしたが、それをもってしても、その上に新たな投資をかけて商業施設を開発するということは無理な時代になりました。しかし、金沢市にとりましては、昭和の終わりから平成10~11年にかけて中心街のど真ん中に 500坪の空き地が存在するというのは非常に耐えがたいことでありましたので、私どもは何度も地主さんにお願いしましたが、お話を聞けば聞くほど無理だということがわかりました。それでは、どうするかと。
 そのころにできた中心市街地活性化法では、そういう商業施設を建設するについての助成制度があると。これを使わない手はないだろうと。そのためのまちづくり会社をつくり、リノベーション補助金を使いました。それで、私は会社をつくりましてから真っ先に地主さんと10数回交渉するわけですが、土地の所有者は名古屋にいらっしゃいましたので、名古屋に何回も通ってお話をさせていただきました。この交渉過程は、まちづくり会社であったからできたのかなと思います。
 これを行政でやりますと、地代がどうであるとか、権利関係についてどうであるかということで、一々役所の上と相談しながら決めていくことでは、とても決まらないような状況であったと思います。ほとんど向こうの担当者と私の2人の中で、向こうの上層部を説き伏せる資料として、金沢にまちづくり会社をつくって、責任をもってその土地を事業用定期借地権で借り受けすると。そして、その土地の上に金沢市は公的資金を投入して商業施設をつけますと。これは相手も信用できたわけであります。
 そして、私どもはまちづくり会社をつくり、商業施設をつくるという過程は逐次マスコミ等にどんどん流しました。一番大事なところは、金沢の中心市街地はもはや投資に値しないということで、平成8~9年当時はお店がどんどん出ていくわけです。何とか中心市街地がもう1度投資に値するところという認識をもっていただくことが、このまちづくり会社をつくって商業施設を開発した一番の目的であります。それにはどうしてもこの手法しかなかったと今でも思っております。
 皆様のお手元に、「プレーゴ」というパンフレットがあるかと思います。この 500坪の土地は非常に変形な土地ですが、金沢市ではバブル前は坪 2,000万円ほどしていた土地でありますので、ピーク時はこの土地で地主さんから、固定資産税だけで年間 3,000万円近いお金を金沢市はいただいていたわけですが、地主さんとしても大変困っていたわけです。一等地ですから駐車場にも使えない。車の出入りができないわけです。それで、金沢市がTMOとして安い地代でお借りをして、この上に商業施設をつくる。そして、その商業施設の資金というのは約4億 3,000万円かかりましたが、国のリノベーション補助金が半分ですから2億円余り、1億円余りが県、そして金沢市から残りの1億円余り。
 TMOという会社は借り入れができないわけです。第三セクターですから、社長以下、借り入れをしてもだれも連帯責任としての保証ができないわけです。ですから、全部のお金を補助金で賄ったということで、私はこの補助金は大変ありがたかったです。これで商業施設ができました。もちろん、この「プレーゴ」をつくるに当たって一番大事なのは、空き地問題がそのまま商業施設をつくって空き店舗に切りかわる可能性があるわけです。ですから、どうしても商業施設は成功させる必要があったわけです。そして、成功することはできるわけです。中心市街地の一等地なんですから。
 それから、次に大事だったのは、どういうテナントミックスをして、だれをもってくるか、テナントリーシングをするかということでした。これも全部自分で手がけました。その結果、東京、名古屋、地元の一番いいお店を選んでいただいて中に入っていただきました。飲食店が3店、物販店が3店です。3年半たちましたが、おかげさまで今日まで非常に好調に推移しております。ただ、こういう商業施設ですから、簿価は 100億円ですが、今は金沢市の中心街は当時の5分の1以下になっていますので、20億円もあるかどうかですが、それをもってしても、普通で考えればペイするのはやはり10階建ての商業施設を埋める必要があるのですが、それをしたのでは、中心市街地にいっぱい空きビルがあるわけですから、きりがないわけです。これはあくまでも中心市街地のにぎわいを取り戻すためと、中心市街地が投資に値するということを皆さんに知っていただくためのモデル事業でした。店舗は1階だけです。形状は外からは2階のようにみえます。それは商店街のファサードの屋根の線、スカイラインという線を2階にそろえたために、吹き抜けになっています。
 これについては、「プレーゴ誕生」という、でき上がったときに私がまとめたものがありますので、これを後ほどお読みいただければ、この中にそのことが書いてあります。この「プレーゴ」によって、テナント収入が 5,100万円余り入ってきます。そして、地代を 1,000数百万円払いまして、管理運営費も支払いをしますと、残りの 2,000数百万円がTMOの純益として手元に残ります。補助金でつくっていますから減価償却の必要もない。返済する必要もない。ですから、中心市街地活性化基本法の中の制度というのは、使い方によっては非常にすばらしいものであったと思いますし、私どもはこの法律ができる前からこのまちづくり会社をつくって、これを活用する1点に絞って中心市街地事業にしようと。これが成功したことによって、片町商店街の周辺の空き地問題と空きビル問題はすべて解消いたしました。金沢の片町・香林坊地区という中心街の一角については、現在その問題はないと思っております。
 次に、第3点目の金沢市独自の商業の視点についてお話を申し上げたいと思います。お手元に「金沢商業環境形成指針とまちづくり条例」というパンフレットがございますが、平成12年に大店法が廃止になって大店立地法に切りかわりました。では、商業の店舗の配置についてはどうするのか、野放しでいいのかという話になるわけです。金沢市には、その当時でも2万㎡~3万㎡の郊外型ショッピングセンターが周辺を取り囲むようにメジロ押しにありました。そのころ心配されたのは、5万㎡を超える超大型ショッピングセンターが次々と郊外に計画をされるような時代でありました。そのまま行きますと、中心市街地どころか、既存のショッピングセンターを廃止して、そこに真空地帯が生じるわけですが、そうなりますとその周辺の人たちの生活はどうなるのかということで、金沢市では独自に商業の配置をするための指針というものを定めるために、平成12年9月から検討に入りました。
 そして、平成14年4月に商業環境形成指針というものを施行したわけであります。これを実行するためには、商業環境形成指針のまちづくり条例というもので担保しております。この指針ではどういうことをいっているかといいますと、何枚かめくっていただきますと、金沢市の都市計画区域の中を7つのゾーンに分けました。そして、それぞれのゾーンの中で商業の役割分担を決めまして、それぞれ店舗面積を、中心市街地は上限なしから、2万㎡、1万㎡、 5,000㎡、 3,000㎡、 1,000㎡と分けました。金沢市としてはその地域にあってはそういう店舗づくりをしていただきたいという方針であります。
 そして、これをまちづくり条例で金沢市内の中で集客施設――店舗だけではなく、映画館とかボーリング場などの施設の建築面積が 1,000㎡を超える建物については事前に金沢市に届け出をしてください、ということを条例にうたっております。その中で出てきたものについて、今いいます商業環境形成指針であるとか、中心市街地活性化の基本計画であるとか、いわゆる金沢市のまちづくりの基本計画に沿ったものの計画と調和を図るということで、助言・指導を行っております。
 そして、平成14年4月に施行いたしまして、2年半余りたちますが、現在、16件のこれに該当する届け出がありましたけれど、すべて基準内となっております。我々が予測していた以上に、その後、ショッピングセンターさんの情勢をみますと、なかなか大きくならないところもあって助かったのかなという思いはありますが、現在、課題としましては、広域での取り組みが重要になるのではないか。
 金沢市はこれでいいわけで、これは最初から予測されていましたが、現在、平成18~19年度にかけまして、金沢市の周辺の市町村ないしは金沢市を商圏としている超大型のショッピングセンター5万~7万㎡の売り場面積をもつショッピングセンターが3店舗、計画されています。これが出てきた場合はどうするのかという問題がありますので、私どもとすれば、広域での調整が必要になってくるのか、広域での指針のような考え方が必要ではないのかなという感じがいたします。
 もう1つは、土地の所有者にとっては権利の制限ですので、この点については今後の経済の状況をみまして、ある期間でこの指針というものを見直す必要があるのかなということも思っております。
 この2点が、私どもの思いであります。
 以上であります。
○上原議長  どうもありがとうございました。
 それでは、事務局から兵庫県についてお願いいたします。


-兵庫県の取組の紹介-


○河津流通産業課長  それでは、簡単に資料6をご説明させていただきます。
 本日は、この紙以上の内容をご説明するところまでは至っていないということで、残念ながら兵庫県の方のご出席はございませんが、兵庫県の方で発表された資料でございます。
 「広域土地利用プログラムの策定」ということで、目的のところに書いてございますとおり、「広域的な観点から広域土地利用ゾーニング案及びその担保方策を盛り込んだ「広域土地利用プログラム」を県が策定する」ということを目的として、その下に書いてございます、①広域土地利用ゾーニング案の調査・検討、あるいは、②新たな担保方策の検討というものを、事業期間として16~17年度にかけていわば勉強しようということが発表されております。
 この具体的な内容は、先ほど申し上げましたようにまだ検討中ということで、さらに、都道府県と市町村の関係が必ずしもどちらが上ということではないものですから、その間で率直な意見交換をしている段階ということで、先ほど申し上げましたように、本日はこれ以上のご説明は困難ということでございますが、こういう検討も兵庫県の方で進んでいるというご紹介まででございます。
 以上です。


質疑及び討議


○上原議長  どうもありがとうございました。
 それでは、今まで地方自治体の取組についてご説明等がありましたが、ご質問等がございましたらご自由にお願いしたいと思います。
○矢作委員  大阪市大の矢作といいます。秋田県の方で特定企業のドミナント化が進んでいるというお話がありましたが、県内ないし秋田市、あるいはほかの県との価格の比較調査などはされたことはございますか。特定企業の地域独占が進んでいるということで、小売価格の調査をされたことはありますかということですが。
○寺田委員(加藤代理)  価格の調査はしたことはございません。
○宮下委員  今、3つの市と1つの県のご報告を伺いまして、それぞれの市県で大変なご努力をされて、町の活性化あるいは県の活性化にいろいろなアイデアや知恵を積み上げていらっしゃり、これ自体大変参考になりました。ともすればこういう場での議論の中で、地方の都市が大変だからという地方都市のケースも非常に勉強になりますが、東京周辺の都市、東京都何々市とつくような場でも、実はもっと深刻な商業問題が発生しているわけです。
 私はたまたま東京経済大学という大学に勤めておりまして、これは国分寺にございます。中央線の沿線上に大都市がたくさんございまして、新宿区から国分寺へは約20分弱の距離ですが、その間に吉祥寺という大きな都市があって、そして国分寺の先に立川、八王子という立地環境にございまして、こういうところの商業は、先ほどお話を伺った都市とまた異質な非常に厳しい状況下に置かれておりまして、2~3年前から国分寺市が国分寺の商業をどうしたらいいかということで委員会をつくりまして、たまたまその座長みたいなものをさせられて、いろいろ検討したのですが、商業問題だけでは解決できないわけです。つまり、都市間競争という非常に厳しい問題があるわけです。それは中心市街地とか郊外といったレベルで推しはかることはできないんです。
 それで、私は、市当局あるいは地元商工会等々に提言いたしまして、国分寺の町をどうするか。つまり、今の町ではなくて、あすの町をどうするか。そこから検討しましょうと。その検討会のためには、TMOという発想がございますが、市長と、商工会というのは経済を代表するわけですが、その会長と、私どもの大学の学長と、3人が中心となって、国分寺地域連携推進協議会をつくりまして、そこでまちおこしをまず考える。そのために、私どもの大学に、国分寺地域産業研究所というのをつくりました。これは長期的視点から国分寺の経済・産業、今日の問題点、あすの新たな産業・経済の活性化のための研究ですね。
 先ほども、大学を近くに呼んで大学といろいろ連携するといわれましたが、それは大賛成でございまして、TMOでもそういう学識経験者をどんどんお使いでしょうけれど、いずれのまちにも大学はございますので、そこに真っ正面からこの問題を取り組んでいただいて、そのまちおこし、商業おこしのようなことをお考えになった方がいいなと思います。
 若者がいなくなったまちは消費者の立場からも深刻ですし、あるいはまちの活性化からも深刻です。私どもの大学にも 8,000人近い学生がおります。そのうちの3割は女子学生です。この 8,000人近い学生をまちに送り出すプランをいろいろ考えています。つまり、そこに住んでいる若者がいなくなるということと、まちに来ている若者がいなくなるというのは別問題であって、先ほど井原市長さんからいろいろなアイデアが出ましたが、そういう意味で大学等々をうまく利用する。そして、大学の専門の人材を活用して、長期的視点に立った本当の意味のまちおこしをやる。
それから、我々はそれをやるときに、市民にも参加してもらって、市民と一緒になって、その中でどういう提言をするか。私は、新宿、立川、八王子に挟まれたまちは徹底的に差別化、個性ですね。そして、国分寺という名前からもわかりますように、歴史的・文化的遺産がある。そういう意味で、先ほど井原市長さんがいわれたように、大いにそれを活用するという方向で、埋もれた文化的・歴史的資産をどうやって掘り起こすかということが大事でしょうし、ITとか情報産業といったものを新しく開発する。
 我々のこの委員会、合同部会の大事なことは、いろいろなケースを、いろいろな新しい環境の変化を踏まえて、いろいろな知恵を積み上げて判断することが大事でしょうけれど、同時に大事なのは、7年前に、大店法という商業需給調整というものから大きく脱却して、経済的規制の緩和、環境的規制の強化という2つの大きな目標があったわけですね。そういう我々がここで検討する原点というものを踏まえた上でこの議論をしていかないと大変だと。広域調整というのは非常に大事になっていますが、過度な商業調整にもしいったとすれば、逆戻りになってしまうという感じがします。もちろん、ある程度の適正な調整は新たに必要になっているのでしょうけれど。そんな感じがいたしました。
○藻谷委員  以前に時間をたくさんいただいていたので遠慮しようかと思ったのですが、ご発表者への質問ということでよろしいでしょうか。
○上原議長  はい、どうぞ。
○藻谷委員  私がお話しした内容を受けて、むしろこちらが勉強して、そこから逆にこうじゃないかというお話もあって、まさにそうではないかと思いますが、逆に私がお話ししたこととは少し違う観点のお話もたくさん出たと思います。今のご意見とは違って、皆さんばらばらのことをおっしゃっていると思いました。
 そこで、1つずつご質問ですが、秋田県は、そうはいっても、市町村に任せておくと県全体としてオーバーストアだと思うのです。お使いいただいた私のグラフにはそういう結果が出ていたと思うのですが。つまり、人口当たりの小売面積がどんどん大きくなっていって、その結果、つぶれなくていい店までつぶれるという状態まで進んでいると思うのですが、それについて県としては問題をお感じにならないのか。市町村の調整に任せるのか。
 井原に関しては、商店街のことをおっしゃいましたけれど、井原の場合は中心市街地というと、駅前区画整理地区の方が市街地かと私は思っていたんです。商店街問題だということであれば、おっしゃるとおり、旧街道筋の非常に老朽化した商店街の話になるわけですが、井原の場合は駅前区画整理をすぐ近くにやった時点で、商店街と市街地まで切り離したと思うのです。その区画整理をされた地区、埋まっていないですよね。店はスーパーがありますけれど、あいている区画が結構多いと思うので、その中心市街地問題については商店街と切り離してどうお考えなのかなということをちらっと思ったわけです。
 それから、福島に関しては、全くすばらしいことだと思うのですが、課題のところで、私は最大の課題は、1つはオーバーストアであり、もう1つは地権者問題で、その両輪が解決しないと、仮にオーバーストアだけが解決されても、地権者の方の問題が解決されなければ、木更津や富士のような問題は解決しないと申し上げたのですが、上げられた課題には地権者の話はなかったんです。
 特に全国の中でも福島市というのは最も地権者の問題が深刻なところで、逆にいうと、金沢市のお話をお伺いしても、大手の方とまさにあうんの呼吸で土地を確保されたことが、その後のすべての展開につながる。そのために死に物狂いで努力されたというお話だったと思うのですが、地権者についてどうお考えか。
 金沢に対してはご質問はございません。本当にすばらしい事例であると、いつも勉強させていただいております。
 ありがとうございます。
○上原議長  それでは、秋田県からよろしくお願いいたします。
○寺田委員(加藤代理)  これからの問題として申し上げますと、今までの大店立地法の関係で市町村が主に意見を述べることが今のオーバーストア状態を招いているという事態ではないと認識しております。先ほど申し上げましたように、1,000㎡を超える店舗がこの後、今年も既に9件ですか、さらに3件ほどあるという話ですので、今のスキームの中で市町村に任せるというお話ではなくて、周辺環境の整備だけではなく、これが町全体の商業の小売商店の配置にどういう影響を与えるとか、交通がどのようになるとか、そういうすべての情報を市民に開示して、そして市民の意見を聴取する、そういう方向にスキームを改めることが大切だということを申し上げたかったわけでございます。ですから、その結果、オーバーストア状態が解消されるかどうかという問題については、今、私はわかりません。
 もう1点ですが、最近の出店の状況が、ある一定のグループ内の店舗展開政策によって、旧来の店舗をリストラして新しい店舗を別の場所に立地する、私どもはそういう見方をしているわけですが、これは先ほど来金沢市の方が話されましたように、周辺に与える影響、それに関して、従前投資した内容が今度は無になる、二重投資になっていくという、非常に大きな問題が生ずるわけでありまして、それが一番最後に申し上げましたように、小売商業というものが地域住民の購買によって初めて成り立つ事業活動ではないかという点からいえば、まちづくり全体の中で位置づけた企業活動というものについて、まちづくりと調和していくという協力を求められる――非常に抽象的な話で恐縮ですけれど、そういう形のスキームをつくり出していくために、市町村主導のスキームということで土地利用規制から大店立地法のさまざまな規制をまとめ上げていく方法で検討していただけないだろうかと、こういうことを申し上げたかったわけです。
○上原議長  どうもありがとうございました。
 それでは、谷本委員、お願いいたします。
○谷本委員  今、中心市街地のことで悩んでいますが、本市の場合は、区画整理を駅中心に51ヘクタールをやりまして、あと 117ヘクタールという膨大な区画整理をやりました。これは県境を中心にやったわけでございますが、それで区画整理そのものは成功したわけでございます。そういう中で、駅と既存の商店街との関係が何とか元気を出してもらえないかなということで、先ほど申し上げましたように、なかなかこたえてもらえないという状態でございます。
 したがいまして、春は産業祭り、秋は農林業祭り――こればどちらかというと行政主導でございますが、そういうときには全国の地場産業等へも呼びかけをいたしまして、駅前通りでやるわけでございますけれど、そのときには、既存の商店街からも、少し元気な人は出てきてやってくれるわけです。これは理想とすれば、毎週土曜日とはいえませんが、高屋でやっているように、月に1回でもいい、それが何とか定着してくると、駅と既存の商店街との連携が出てくれば、恐らくまた元気が出てくるだろうと期待をしているわけです。
 その上で、今、商工会議所の方へお願いしておりますのが、商店街の方でも商品券等をやっておりますけれど、今はほとんど動いていない状況でございますので、商工会議所の方でリーダーシップをとっていただいて、その商品券はスナックへ行っても油屋さんへ行っても、全部とにかくきくというものを何とかやってもらえませんかということで、今そういう検討もしているところでございます。そういう中で、今、死にかけた商店街に何とか元気を出してもらおうと。何かいい方法がありましたら、ご示唆をいただければ大変ありがたいと思っております。
○上原議長  どうもありがとうございました。
 それでは、福島県から、地権者問題についてコメントをお願いしたいと思います。
○楠田参事  ご紹介させていただいた広域調整の話につきましては、このままにしておくと10年後、20年後に大変な問題になるという危機感の下で、県として不退転の決意で具体化に向けた検討を進めているところでございます。その上で、ご質問のあった地権者の問題につきましては、私からの発表の最後の方の、まちづくりの意識を高める必要があるという話のところで少し申し上げさせていただきましたが、私どもとしても大変重要な問題であると考えております。
 例えば、福島県の会津若松市に七日町というところがあるのですが、藻谷先生もご存知かと思いますが、街の歴史的な修景を整えるという取組みを行ったことで、今大変多くの観光客を集めている地区でございます。先日、そこのまちづくりのリーダーの方にお話を伺う機会があったのですが、何より難しかったのは地権者の説得であったということでございました。先ほど金沢市さんのご発表の中でもお話が出ておりましたが、七日町でも、地権者の説得を粘り強く行うのと平行して、できるところから歴史的修景の復元を進め、それで人を呼び込むことができるという事実を実際に見てもらうことで、地権者の理解を広げていったようでございまして、県としても、そのような取組みが重要であると考えているところでございます。
○上原議長  どうもありがとうございました。
○谷本委員  済みません、1点ですが、今、男女共同参画でございますが、昨日、女性議会をやりまして、これからは我々のようなところですと女性が元気を出してもらわなければいけないということで、かなりハッパをかけてやっておりますので、そういう点も期待をしているところでございます。
○川島委員  この三法の問題の当事者の1人としてご質問をさせていただきたいと思います。
 今、秋田県の寺田知事さん始め皆さん方から大変有意義なお話を伺いましたが、特に気になるのは、いろいろな成功事例をお話しになって、これは大変立派なことだと思いますけれど、その中でも、まちづくり、あるいは大型店の問題については当事者として非常に限界を感ずるという、その限界をこの立地法の指針の見直しの中で条例という形で調整をしたい部分というものが感じられるのですが、その調整ということがなぜこの段階で限界になってしまうのかということを、本当の意味でのまちづくりということが都市計画の中で議論をされて、その限界をブレークスルーするくらいの感じの議論というのが、その段階ではなされなかったのでしょうか。
 例えば、環境問題ですとか、農地をどうするかですとか、白地の問題ですとか、広域にかかわる問題ですとか、これはすべて大型店のあるべき姿というものを適正にコントロールするという今年かも消費者の利便を支えながらこれを行うことができるという意味で、非常に大事だと思うのですが、この辺の議論というのは、例えば秋田県の条例の場合でも、あるいは福島県では調整を準備されているというお話の中でも、出てこなかったのでしょうか。ご意見を伺いたいと思います。
○上原議長  今のご質問に、私の方からの関連質問をさせていただきます。
 中心市街地の活性化については、これは私の主観かもわかりませんけれど、あまりうまくいっていないところが多いのではないか。それから、都市計画法が改正されて、大型店については立地を規制することができるようになりました。ところが、これがどうもあまりうまく使われていないと思われます。この理由と川島委員の質問と合わせてお答え願いたいと思います。まさに今のご質問はこのような問題と深く関連していますので。
 まず、秋田県から簡単にお願いいたします。
○寺田委員(加藤代理)  実際、なかなかうまくいっておりません。例えば、農振法という法律ですが、秋田県の場合はこれが一番多いわけですけれど、非常に広大な田んぼをつぶして店舗にすると。あるいは、都市計画区域の調整区域の調整等の問題があります。最近はその調整区域の利用規制の見直しについて、大型店については非常に厳しい傾向が市町村では出てきているようですけれど、従前は、市町村が誘導的に働く場合はその規制がうまく働かないんです。客観的にみた場合、そういうことがございます。
 したがって、私どもで提案申し上げたのは、むしろ市町村が市民にそういうトータルの情報を開示していき、その出店に対するものをみる場合に、周辺の例えば騒音であるとか渋滞であるとかという問題ではなく、市にとってどういう意味合いがあるのかということをもっと広く議論するような仕組みにできないだろうか、ということを申し上げたわけでございます。
○上原議長  わかりました。福島県、この問題について回答をお願いしたいと思います。
○楠田参事  都市計画の手法で対応できることもたくさんあると考えておりますが、特に規模の大きな大型店の立地のような問題につきましては、1つの市町村だけで現行の都市計画法の手法を活用して対処するというのはなかなか難しい面もあるのではないかと考えております。特別用途地区ですとか、特定用途制限地域ですとか、いろいろな法制度が用意されておりますが、1つの市町村だけで頑張ろうと思っても、特に規模の大きな大型店の立地による影響は非常に広範囲に及びますので、その辺のところをどのように考えていくのかという中で、広域的な調整や合意形成といった取組みが必要なのではないかと考えているところでございます。
 なお、現在福島県で検討している施策につきましては、商業調整をやろうとしているわけではございませんで、まちづくりの観点から見て今県内で最も深刻なのは大型店の立地の問題であるという認識の下で、都市計画的なスキームとの関連を意識しながら、大型店の適正配置のあり方について検討しているということでございます。
○上原議長  どうもありがとうございました。
○篠原委員  時間が限られているようなので、ポイントを一つだけ申し上げます。秋田県さんから能代市・湯沢市のTMOの状況をご説明いただきまして、ありがとうございました。実はこの能代・湯沢とも郊外に農地を転用して大規模店舗が出る計画があり、地元の努力が無にされるということで非常に悩んでおります。特に農地の大規模転用については、県としても慎重にお願いしたいと思っております。
○上原議長  秋田県から、今の点について一言どうぞ。
○寺田委員(加藤代理)  何よりも市町村が意識を1つにすることが大切だと思いまして、県はその市町村の考え方を尊重して対応したいと思っております。私の考え方は、今のご発言のとおりでございます。
○上原議長  どうもありがとうございました。
○石原委員  もう時間がないようですので、簡単に申し上げたいと思います。先ほど来、皆さん、広域調整の問題が非常に大事だとおっしゃっていると思います。私もそう思っていまして、都市計画法のスキームで市町村をベースにしてというのは、考え方としてはそうなのですが、都市間競争の引っ張り合いをとめる手だては今のところないんですね。そのために、広域ビジョンをつくってということで、福島県さんなどが先進的な取組をしておられるということですが、現実問題として、そこを一歩どう踏み出そうとしておられるかというところをお伺いしたいと思います。
 市町村レベルで、「うちはどうしても誘致したいのだ」という非常に強い希望を現場で出されたときに、都道府県はそれをどう調整できるのかというのは、今のところ解がない世界ではないかと思います。その意味で、調整権限といいますか、都市計画的な意味での広域調整をする場合の権限の問題というのをどこかで整理しないといけないと思うのです。その点について、今、何か方向を見出しておられるのか、あるいは悩んでおられるところを少しお話しいただけたらと思います。
○上原議長  では、まず福島県から簡単にお願いしたいと思います。
○楠田参事  今決めたものがあるのか、悩んでいるのかというご質問につきましては、どちらかと言えば悩んでいるというのが実情に近いのではないかと思います。ただ、県の方でも、この問題の検討を始めたときから、大型店が立地する市町村とその周辺の市町村で意見が分かれるケースを想定し、その場合に県としてどのような調整をするのかというのが非常に重要なポイントだと考えておりまして、その辺の判断基準を明確にする必要があると考えてきたところでございます。その際に、個別の出店の計画が持ち上がった段階でいきなりバタバタとやるということでは対応できませんので、あらかじめ、県としての大型店の立地に関する方針というものを作り、それについて市町村とできる限り合意が得られるよう努力することが大事であろうと考えておりまして、現在その方針の内容についても検討を進めているところでございます。
○上原議長  秋田県、今の問題についていかがでしょうか。もしヒントとなることがありましたら、一言お願いしたいと思います。
○寺田委員(加藤代理)  大変申しわけありませんが、悩みが多いところでございまして。ただ、今日申し上げた点からいいますと、私は、市町村の判断に重きを置くということになろうかと思います。
○上原議長  どうもありがとうございました。
○永井委員  東京ですけれども、地方の方々が非常にうらやましがるようなすばらしい若者が集うまちがあるのですが、洗練された道路によってそのまちが壊されようとする事実が実際に23区内であるんです。まちづくりと道路とか、そういうものを総合的に調整する機能というものがどうしても欲しいと思います。


その他


○上原議長  重要なご意見でして、承っておきたいと思います。
 時間も5分過ぎておりますので、本日の議論はこの辺で閉じたいと思います。
 事務局の方から、今後の予定についてお願いいたします。
○河津流通産業課長  今後の予定でございますが、資料7でございます。次回は、11月4日、今週の木曜日でございます。「商業者の取組等について」ということで、多くの方々のプレゼンテーションを予定しております。9時半から予定をしてございますので、よろしくお願いいたします。
 その後のスケジュールにつきましても、ご確認いただければと思います。
○上原議長  どうもありがとうございました。ただいまお話がありましたとおり、次回は11月4日の9時半からでございます。そして、資料7にいろいろ予定が出ておりますけれど、かなりハードなスケジュールも含まれておりますが、今後ともよろしくご協力をお願いしたいと思います。
 それでは、第4回の合同会議をこれで閉会したいと思います。皆さん、どうもありがとうございました。


閉会
 

 

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最終更新日:2004.12.13
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