経済産業省
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産業構造審議会 流通部会 流通・物流システム小委員会(第3回)議事録

○浜辺流通・物流政策室長

それでは、定刻になりましたので、ただいまから産業構造審議会流通部会流通・物流システム小委員会の第3回を開催させていただきます。

流通・物流政策室長の浜辺でございます。よろしくお願いいたします。

まず、事務局より資料確認をさせていただきます。お手元の資料一式の上に「配付資料一覧」がございまして、その下に資料が1から5までございます。資料1が前回の議事録、資料2が「検討課題」、資料3が石井委員からプレゼンテーションしていただく資料、資料4が中田委員からプレゼンテーションしていただく資料、資料5が、今国会に提出します新しい法律案についての資料でございます。もし不足がございましたら、お手を挙げていただければ事務局の者がまいりますので、お申しつけください。よろしくお願いします。

○宮下議長

それでは、早速審議に入りたいと思いますが、きょうの議題は、お手元の議事次第にありますように、最初に、「国際競争力のある物流システムの構築」につきまして、石井委員からご説明いただいて、問題提起をしていただきます。その後、「荷主企業と物流事業者の連携」につきまして、中田委員からご報告いただいて、問題提起をしていただきます。その後、事務局から「流通・物流効率化法について」のご説明がございます。よろしくお願いいたします。

それでは、早速、資料3に従いまして、石井委員よりご説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○石井委員

野村総合研究所の石井でございます。

それでは、お時間を少しいただきまして、「グローバルロジスティクスの推進課題と解決方策」ということで問題提起をさせていただければと思います。

「グローバルロジスティクス」と申し上げておりますが、主に、まず、国際物流そのものについての話、次に、その標準化の議論とあわせて、国際物流をめぐるITの問題、そして、国際物流の基盤となる空港・港湾のインフラコストの話をさせていただければと思います。

最近、同業のいろいろな方とお話しすることがあったのですが、日本の運輸業界は、国際展開という意味では、全体の売り上げに占めるシェアはまだ小さいわけでございます。また、IT投資というところをみますと、例えば、後述しますフェデラルエクスプレスやUPSといった米系のキャリアを主体としたインテグレーターは大体 5,000人規模のIT子会社を抱えていて、年間投資で申し上げますと、全売り上げは2兆とか3兆ありますけれども、そのうちの5%から8%はIT投資に向けているということでございます。こういうのをよくみてきている米系のコンサルタントの話を聞きますと、IT投資は半端ではないと。なぜそこまでやるかというと、荷主が極めて厳しい要求条件を突きつけてくるからだと。要するに、貨物は絶対おくれてはいけない。しかも安く運ばなければいけない。したがって、貨物の可視化を進めると同時に、キャリアとして、オペレーションの効率化を追求しなければならない。これを支えるのがITで、日進月歩で変化しているITに対して、大きな投資をしなければついていけない。2兆、3兆の売り上げの5%、8%になりますと、IT投資の規模も 1,000億とか 2,000億になるわけでございますが、そういった規模で投資している。うちの野村総合研究所も一応IT会社を標榜しておりますが、従業員 5,000人までまいりません。そういう意味でいいますと、UPSや FedExのIT会社のほうがよほど大きいIT会社になってしまっているというのが実態でございます。

こういうこともあって、日本のキャリアももっと大きくなれよという意味でこういう話をもちかけたら、大手のキャリアさんから、日本は事情が違うのだよと。物がいつ盗まれるかわからないようなアメリカだから、それだけきちんと貨物を管理するシステムが必要なのだよと。例えば長距離でも、東京から北海道へ行こうが、九州へ行こうが、 1,000キロ以内におさまって、高速道路がこれだけ発達していれば翌日には貨物が着く。なくなることはほぼ考えられない。だからそこまで必要ない。しかも現場が非常に優秀で、あうんの呼吸でこたえてやってくれる。あえてシステムを標準化してやっても、どこまで投資対効果があるかわからない。そんな話があって、ここから先は進まないというところがあるわけです。思い当たる節がある方もいらっしゃるかもしれません。

どうしてこういうことが起こってきたのかなと。ただ、よくよくみると、日本の荷主企業、メーカーでも小売業でもそうですが、今、グローバル化を急速に進めております。特にメーカーのグローバルは、70年代、80年代、90年代を通して大きく進んできております。その中で、日本の企業を支えてきたインフラとしての運輸業はこれでいいのかという話もあるわけです。

ただ、グローバルに展開するといろいろな問題があって、それをサポートするロジスティクスとしては、輸出入の取引なり国際物流の手続をきちんとサポートしなければいけない。国境を越えると所管庁が違いますし、国の中での法律も違う。国際決済銀行を通して船荷証券を発行したり、保険を掛けなければいけない。関係者が多く、非常に複雑になってくる。制度がばらばらである。また、国際標準といわれる手続の標準化と、「データエレメント」と呼んでいますが、ふだん取引でやりとりする情報、メッセージの標準化をやろうと関係者の方が努力されていますが、きょう、あした何かしなければいけないという民間のビジネスの世界で、国際標準の確立をなかなか待っていられない。そうすると、力のある企業を中心に、グループでの国際標準というか、標準システムができ上がってしまう。そういう特徴になってしまっているだろうということです。

日本企業と、アメリカのこういったインテグレーターに支えられている企業との違いをみる一つの端的な例がこれにあらわれていると思うのですが、単純にいうと、在庫が少ないというだけの話なのです。縦軸に在庫回転率、横軸に企業の粗利率をもってきますと、デルコンピュータは、粗利率でいうと20%弱ですが、分子が小さい分、在庫回転率が高い。モデルが違うのですね。製品力で勝負しているというよりも、在庫をもたないことで利益を稼ぐ仕組みとして、ビジネスモデルとして定着している。これは、ある意味でいうと、製品力がなくても、ロジスティクスがしっかりしていれば世界制覇ができる企業ができるという一つの傍証なのかもしれませんが、極端な例だと思っています。

かつては、インターネットで注文を受けて、部品工場からパーツを取り寄せ、組み立て、マレーシアでつくって、一晩のうちにもってくる。荷主に届くのは1週間といわれましたが、今、その拠点をアモイにもっていきまして、中国のアモイ市政府とあうんの呼吸で、通関などもうまくやるような仕組みをつくりまして、最短、インターネットで申し込んでから4日で納品可能になった。そのときに、今、関西空港が使われているようですけれども、そういったオペレーションをするようになってきているということです。まだまだいろいろ進化させようとしている動きがあります。

貨物の可視化の議論になると、一部できるよといわれるのがあるのですが、確かに、例えばフォワーダーが、特定の品目については、発荷主から受荷主に至るまで、今、貨物がどうなっているかというのをとらえることはできます。ただ、これは、特定品目の部分的なソリューションで適用可能と理解した方がよい。ただ、これがわかると、どれだけのものがいつ手元に来て、お客様のもとへいつ届けることができるかということがわかるので、物流を、流通在庫も含めて可視化できるということで、在庫を極限どこまでもったらいいかということを考えた上で、減らすことができるなということはわかるかなと。そのための一つの大きな情報になっているのかと思います。

もう一度戻りますが、「グローバルロジスティクスの課題」といわれると、とにかく関係者が多く、一回貨物を渡してしまうと、それが次にフォワーダーに移り、フォワーダーから指令を受けて陸送業者がもち、陸送業者がまた指令を受けてコンテナターミナルに入り、そして船積みされていくということで、伝言ゲームのように、情報を追いかけられないまま、貨物がどんどん、どんどん渡っていく。貨物を請け負ったフォワーダーにしてみれば、今ここにあるはずだというのはわかる状況になっているというのが実態かと思いますし、手続面でいうと、各国それぞれ違った手続をとりますので、それぞれの国でかなりなれた人たちが手続を一手に引き受けるようなことをやっている。新しい取引先が出てきたりしますと、そういった人たちはこういったブラックボックスがよくわからないので、そういったなれた方々に任せてしまう。これがまたブラックボックスを生む。こういう関係になっているのではないかなと思います。

ただ、こういったブラックボックスを解決していくための課題はすごくベーシックなところにあるなと。国境をまたごうがまたぐまいが、まず、IDなり何なりつけて、流れているものを特定化する。それが部品であれ、完成品であれ、特定化して、それがどこにあるかということをとらえる。特定化して、世の中で唯一無二のID番号でやりとりできれば一番いいのですが、もしID番号が標準化できていれば、当然それを使って、関係者の間でやりとりすればいいということになるわけです。そうすると、データの再入力による入力ミスや、伝票類や送り状など、複数バーコードが添付されて、イレギュラーな処理になって、そこで間違いが起こることも防げるわけです。極めてスムーズに流れているロジスティクスは問題が何もみえないのですが、一度どこかでデータの再入力で間違いが起こると、それはどこで間違って、今どうなってしまったのか、リカバリーするためのコストは、通常、一つのものを流す場合の数十倍かかるともいわれております。このイレギュラーを1つなくすだけで改善がかなり進むといわれているのがこの業界で、これによって、貨物を運んでいる側の輸送業も、低積載率を解消したり、高頻度輸送ができるといったことにもつながっていくと思います。まず、貨物を特定化するIDを標準化し、共通に使えるデータフォーマットをつくるのが大きな課題です。

そのほかに、ロジスティクスをコントロールする側に立てば、情報が非常に不足している。というのは、10年前の95年の大震災のとき、神戸が使えなくなってしまって、釜山ルールを使ってみたら何ら問題ないし、しかもコストが安いことに初めて気づいた荷主さんが多かったということです。こういう情報はなかなか行き渡らないところがあるわけです。例えば、今、ちょっと値が上がっていますからあれですが、アジアから直行で運ぶと、コンテナ1本 300ドルから 400ドルといわれています。これを釜山、台湾の高雄、香港でトランシップ、積みかえてもってくると、日数は、アジアから来るよりも倍ぐらいかかるそうですが、コストは大体 150ドルから 200ドルぐらいということで、いろいろなルートができる。その辺の情報は、いろいろなルートを知っているフォワーダーがもっておりますが、みえづらくなってきている。

特に日中輸送をみると、海上輸送は大体1日から3日ぐらいしかかからない。でも、今、日中貿易一つみても、リードタイムは2週間以上とられています。それはなぜか。結局、ブラックボックスになっていて、いつ着くかわからないから、いつまでに届けてほしいという要請に対して、最悪かかって迷惑がかからない日程を想定するのが慣習になっているということだと思います。

これに関しては、官民手続の標準化というところで、FAL条約の批准を進めようとしておりますが、これだけでは不十分で、シングルウィンドウ化を本格化していくのとデータを蓄積していく。入出港を簡略化するには、一度入ってきた船はデータベースに入れて、次に入ってくるとき、船の番号だけわかれば船の基本情報はすべてとれるぐらいのことはやっていかなければいけないのだろうなと思います。

また、日本発着を中心とした国際物流についていうと、ここにあえて「荷主小国」と書いておりますが、デンマークのマースク、オランダのネドロイド、シンガポールのネプチューンといった船会社は、自国に荷主がいないので、何をやっているかというと、UN/EDIFACTやebXMLといったものをベースとしたプラットフォームをつくって、これに乗っかってくださいという営業をしているわけです。そういう意味でうまいやり方かなと。国際標準にのっとったやり方だといわれれば、そうかなという感じもするわけです。

シングルウィンドウのコンセプトは、このようになっております。

これに加えて、近年、セキュリティー問題がクローズアップされてきておりますので、荷主としては、トレーサビリティの議論とあわせて、貨物が一体どういうルートを経由して、だれが運んできたかというのをもつ必要がある。

このセキュリティー強化の動きについては、アメリカのCSI(コンテナ・セキュリティー・イニシアチブ)や、こういったところで動き出した関係で、UN、IMO、ISOの中でもいろいろな議論が起こり出しているという状況です。

こうしてみると、まず1つは、グローバルな標準化をどうつくるかというのが非常に重要で、一番上位のレベルでいうと、ビジネスプロセスを標準化して、データ交換が同じメッセージでできるといいよねというのがありましたが、これは、業界ごとに取り組んで、なかなかうまくいかない。きちんとできたものがないという状況です。

また、実際にコンピューターに入れるミドルウエアといいますか、ソフトウエアになりますけれども、実態は、デファクトでとられてしまうことになっている。

電子的なデータ交換ルールについては、メッセージといわれるもので、日本でいうとJTRN、海外でいうとEDIFACT、アメリカでいうとANSIX12で、ebXMLもその仲間ですけれども、こういった交換ルールがありまして、ビジネスコミュニティーとしてある運輸業界、税関業界、大陸で北米、ヨーロッパ、日本、アジア、それぞれ違ったものが用いられている。

また、ハードウエアの規格がある。ハードウエアの規格については、ISOがかなり頑張ってやっていますので、それはそれでいいのですが、ビジネスに直結した電子交換ルールの中でも、貨物のアイテムをどう特定しますかといったときのID番号などはデータエレメントといわれるところに所属するわけで、こういったものを共通化していくことは物流の効率化にかなり役立つと考えております。

私、ISOのITSの貨物輸送のワーキングメンバーも務めているのですが、ITSから複合一貫輸送をやろうとしたら、リエゾンを組まなければいけないところが出てくるわ、出てくるわで、UNとか同じISOの中だけではなくて、IMOが出てきたりで、標準をつくるには10年以上かかるのではないかなという感じです。できるところからやっていこうという議論をしておりますが、国際物流複合一貫輸送は非常に大変な世界だなというのがよくわかってきたところです。

少し先に飛んでいただきまして、そして何よりも問題意識としてもっているのは、きょう、あすの戦いをしのぐビジネスの現場では、国際標準の完成をなかなか待っていられないなと。その一方で、グローバルな取引、商品や製品の細分化、マーケットの細分化がどんどん進んでいく。となると、シームレスなグローバルロジスティクスは夢のまた夢で、トレーサビリティなんてとてもできやしないというのが現実ではないかなと。そうはいっても、何らかの手を打たなければひどくなるだけなので、国際標準の標準そのものをつくるというよりも、考え方、いわゆるオブジェクト指向でビジネスプロセスを定義し、それを構造化し、さらに、やりとりするデータ、一番最小単位のデータエレメントぐらいは共通化しましょうというところをやっていったらいいのかなと。こういったITロジスティクスの人材の育成が1つ、大きな課題として出てくるのではないかと感じているところです。

少しまとめさせていただきますと、標準化・単純化は時間がかかるので、足場固めということで、メッセージやデータエメレントの標準化、製品・商品や部材番号の統一から始めていく。ビジネスプロセスは、標準化というよりも、単純化できるような方向で、いろいろな形で支援していくのがいいかなと。

業界プラットフォームは、荷姿、頻度など物流特性ごとに、多分業界ごとに違うので、業界ごとにつくっていくのがいいのではないかなと。

いわゆるメガ流通ビジネスでよく出てくるのは、北米のWal-Martは売り上げが二十数兆あって、例えば食品メーカー1つとっても、その取引額は1兆円あって、売り上げが25兆もある会社がこれをやれといえば、それがデファクトになって、国際標準になっていくのではないかという考え方で、日本の中だけはその影響を受けないかもしれませんが、既にアジア市場に欧米のそういった大手の小売が進出しております。気がつくと、彼らが自分たちの標準を押しつけて、日本を除く地域ではこういった欧米標準が使われているということが起こりかねないかなと。これをどうするかというのは大きな課題だと思います。

また、UPSは、今、売り上げはたしか3兆円ぐらいになりますが、時価総額でいうと8兆円ぐらいあって、キャリアーにしてはとても考えられないような会社になっているわけです。これに対して、日本の運輸業界で一番大きな日本通運で1兆 5,000億円、時価総額はたしか 6,000億円とか 7,000億円。この差は一体何から来るのかということですが、運輸は、基本的に規模の経済で、ある程度独占すると、その強みを発揮できる業界で、ほうっておくと、これも米国勢にやられてしまうのかなという心配があります。

日本の企業の中のロジスティクスは、生産系、調達系、販売系と幾つかに分かれるかと思うのですが、売れ筋がピークを過ぎたのがわかっているのであれば、それは調達しない、つくらないということに責任をもつ。在庫に責任をもつ。すなわち、B/Sの一部に責任をもてるようなチーフ・ロジスティクス・オフィサーの位置づけの明確化と育成もあわせて、これから必要になってくるのではないかなと思っています。

傍証データで、第1回の委員会で出された資料ですが、数字だけを追っていきたいと思います。資料3―2でございます。

80年代、90年代、日本はそこそこ物流の中心地であったのが、その地位も低下した。この地位の低下は、輸出するものが少なくなって、人口の減少時代に入って、しようがないのですが、問題なのは、世界のGDPの約15%を占めている日本の国力以上に低下し過ぎていないかということです。貨物の量の少なさは、例えば港から出る船の頻度の少なさ。頻度が少なくなれば到着時間は当然遅くなるわけで、そういった意味でサービスの低下につながらないか。また、物量が少ないと、物流はどうしても高コストになりがちで、そういった意味でも本当に大丈夫なのか。そういった観点でみていく必要があるのかなと思っております。

発着貨物をほとんどもたないシンガポールは、手続費用も非常に安価で、時間的にも速い。タイやマレーシアやインドネシアの貨物を集めて、それを単に積みかえて、くるくる回しているだけだから時間が速いというのもあるのですが、船のバランス一つとっても、大型の船が着く時間を決めて、その前後に小さな船をつけて、そこに載っかっているコンテナ一つ一つに番号をつけて、どれはどの船に積みかえるから、ここに置いておこうということを全部コンピューターで管理する力はやはり見習うべきではないかなと思います。

イラク、サウジ以降、航空は非常に大きな話題になっておりますが、例えば、2001年から2004年までに、全世界の航空業界は約3兆 4,000億円の利益を逸失しているというのが実態で、大変な状況です。これに対して、全世界の空港のオペレーター及び航空管制については、大体4兆円の収入があるといわれております。今、航空業界は、リストラを物すごく進めて、競争力を回復しようとしておりますが、インフラを含めた一体的な改革も当然必要になってくるのかなと思っています。

先ほど冒頭で、日中輸送で、空間的に近いのに、なぜ2週間もリードタイムをみなければいけないのかといいましたが、やはり海外の方が時間がかかっているかなとみると、確かに中国側でも時間がかかっていますが、国内での手続は意外に時間がかかっているという実態がよくわかります。

日本の物流業の世界的な位置づけですが、今、世界で一番大きくなってしまったのが、買収に買収を重ねて大きくなったドイッチェポストグループで、DHLなどを傘下におさめて、スイスのダンザスやヨーロッパ系のフォワーダーもおさめて、今、世界最大の企業。また、UPSや FedExといったところが挙げられています。

小売業は、皆さんご存じのとおり、規模の点ではWal-Mart、 Carrefourが断トツで、こういったところが主導してデファクトを決めていくということがあると、これから我々は本当に何をしていったらいいのかというのを考えなければいけない。どうしていくのかということが1つ、大きな課題として残っている。私自身も答えがわかっているわけではありません。アジアにこういった企業が進出して、彼らの標準を押しつけて、アジアと取引をするとき、日本もそっちの標準に合わせてくれよと。もしアジアのマーケットが大きくなって、消費者サイドというか、物を買うサイドで彼らの国名が大きくなっていったときに、彼らの標準システムを採用していかなければならないことも起こり得るのかなと感じております。

何をどうしたらいいというところまではお話しできていませんが、問題提起ということで、グローバルロジスティクスのお話をさせていただきました。

○宮下議長

ありがとうございました。

ただいま石井委員から、国際物流における日本の課題のようなことをご提起いただいたのですが、何かご質問なりご意見なりご提案なりございますでしょうか。どうぞご自由に挙手してお願いいたします。いかがでしょうか。

キヤノンさんの小竹さん、何かございますでしょうか。

○小竹委員

4ページの資料では、キヤノンの在庫日数が一番多くなっているのですね。粗利率は一番高い数字になっていますけど。当社はここ数年、在庫レベルは下がってきています。この数字は多分連結の在庫だと思うのです。当社でつくっているものは、半導体製造装置や液晶の露光装置など、リードタイムの長いものがありますので、そういうものが影響しているのかなと思っていますけれども、在庫はかなり落ちてきているという評価をしています。ですから単純な比較は難しいのかもしれません。

10ページ目に「ロジスティクスをコントロールするにも課題が…」のところですが参考までに当社の場合の事例をいっておきます。

ここの?番目に「釜山経由ルート」とありますけれども、当社の場合、このルートを使っております。考え方としては、輸出が多いものですから、できるだけ生産拠点に近い港を使いたいと思っています。

大分の例ですが、ひとつの工場は、デジカメをつくっているのですけれども、もうひとつ大分にカートリッジの大きな工場がありまして、出荷量が非常に多いということで、大分県の大在という港から釜山経由USA、高雄経由ヨーロッパへ出荷しています。一部、神戸経由のものもUSA向けに使っております。

何をいいたいかというと、結局、企業としては、安いルートを模索していく。一番近いところを使えば CO2の排出も少ないし、コストも安いということで、効率と環境ということでそんな使い方をしています。

もう一つ、地方のルートでいえば、仙台港を使っています。弘前に工場がありまして、以前は東京までもってきて出荷したのですけれども、これは距離が長いということで、仙台の方が近いため仙台港を使う。ただ、仙台に母船が来ないと使いづらいのですが、郵船の北米向けサービスがあるので、USA向けはそれを使う。ヨーロッパとアジア向けは、今でも東京までもってくるといった使い方をしています。

できるだけ近い港を使うという考え方があるということと、「スーパー中枢港湾」というのがあって、大きな港、阪神、京浜、名古屋ですか、それを育成していくのは国土交通省でやっていますけれども、それと地方港の利用とのバランスをどうするのかなというところにちょっと興味があります。

このページでいいますと、?番目の「デンマーク、オランダ、シンガポール」の船社についてですが、マースクやP&Oネドロイドはヨーロッパ船社としての数少ない勝ち残り組です。日本もかなり残っています。ご存知のように、郵船、Kライン、商船三井と、この小さい国で大手3社が残っていて、ある意味で注目すべきと私は思っています。自動車産業があるから残っているのではないかなと思いますけれども、いずれにしても、日本の船会社も頑張っているというのをちょっと補足させていただきます。

○宮下議長

ありがとうございました。

石井委員、今のキヤノンさんの話について、何かコメントございますか。

○石井委員

具体的な事例を語っていただいて、ありがとうございました。

ロジスティクスパフォーマンスの件は、公開資料から「えいや」でつくっているので、多少の誤差はあると思いますが、お許し願えればと思います。

○宮下議長

ほかに何かございますでしょうか。

NECの眞鍋さん、今の話の中国との関係でどうですか。

○眞鍋委員

NECの場合は、どちらかというとキヤノンさんと逆で、中国からパソコンを輸入しているという形なのですけれども、10ページの?番のところの2週間は、発送してから2週間ということでお書きになっているかと思うのです。前は1週間ぐらいと聞いていたのですけれども、この話があったので、ちょっと調べなければということで調べると、日本に着いてから、コンテナごとまとめた形で納めるところだったら、3日でお客さんのところに届くということなので、多分、海上輸送と合わせて1週間ということになるのでしょうね。ただ、混載になっていて、コンテナを分けなければいけない場合はプラス2、3日かかるということなので、その場合は、着いてから1週間ということになるのだけれども、2週間もかかるというのは長いのかなという感じですね。これはきょう、大井の船をやっているところに確かめたので、一番最新のデータだと思います。

○宮下議長

ありがとうございました。

お隣の日立物流さん、国際的な3PLをおやりになったそうですが、いかがでしょうか。

○長谷川委員

いや、別に国際的なものはやっていないのですけれども、これには余り興味がないといったら変ですが、怒らないでください。 100%輸入貨物で商売を国内でやっている会社の仕事を私どもが3PLでとったとしますね。例えば、それでうちの売り上げが月 1,000万あったとしますと、その調達系のコスト、経費は2割もないのですね。海外で集めて、船便を用意していって2割しかないのですよ。もっと低いかもしれないです。現実にはほとんど国内のコストなのですね。ということは、私どもがどれだけ合理化して国際物流をやってもインパクトがないのです。これは輸入の方ですよ。国内の比重の方が圧倒的に高い。船運賃はトラック運賃より安いのですから。コンテナ1本比較しても、東京―九州間の方が高いのですから。ですから余り興味がないといったら失礼ですが。これは大変な問題だとは思いますけれども、国内物流で私どもが抱えているのは国内のコスト高だと思っています。

輸出の方に関していえば、現地に渡して、正直申し上げて、こっちはもうわかりません。現地の物流は現地なのですね。そこには一気通貫も何もないです。現地には現地の物流があります。それは、私たちが手を出すものではないのですね。さすがのUPSもDHLも日本国内の物流には手を出せないですから、物流というのは非常にドメスチックなのですね。したがって、そのドメスチックとドメスチックをつなぎ合わせるところに、先ほど石井さんがおっしゃったように、標準化やシームレス化は非常に難しい。これは間違いないです。私たちは、そこにトレーサビリティ、私たちなりの仕組みを入れることによって差別化しているというのが実態ですが、むだが出れば出るほど私たちの商売になる。非常に相反することをいって申しわけありません。

つまらない意見で申しわけないです。

○宮下議長

石井委員、今のご発言に対して、何かコメントございますか。

○石井委員

国内の運輸業界の問題について、私もいろいろ思うところはあるのですけれども、本当に産業としてとらえていいのか、政府コントロールをどこまですべきなのかというところが難しい業界で、例えば災害が起こったときの緊急輸送で、ある程度しっかりした基盤がないままでいいのかといったのが出てくると、完全に 100%競争して、コストダウンだけを追求する業界にしていってもいいのかという議論もあって、すこぐ難しい問題だと思います。実は私も、その部分はあえて全部外しております。

○宮下議長

ありがとうございました。

苦瀬委員、今の国内・国際というテーマでどうでしょうか。

○苦瀬委員

では、私の考えを2つだけ申し上げます。

1つは、コストが高いか安いかという議論は、学問的にもいろいろ話題になっているところですけれども、輸送コストと物流コストは分けて考えた方がいいと思うのですね。また、海上運賃の話と陸上運賃の話を比較すれば、どの国へ行っても陸上運賃が高いのは当たり前で、片一方で海を比較し、片一方で陸を比較すれば、どの国でも陸の方が高いと私は思います。例えば日本の陸上とアメリカの陸上を比べると、長距離はアメリカが安くて、日本は短距離が安目になっているとか、今度は日本のような先進国とアジアの発展途上国を比べたら、向こうの方が安いのは当たり前とか、その辺は、一つのケースをみて、いや、高いからこっちだというだけの議論だと、ちょっと客観性を欠くのではないかなというのが私の意見であります。そういう意味では、物流コストと輸送コストと流通コストをきちっと分けて議論していった方がいいかなと。輸送コストもそれぞれ高いと思うのですけれども、いろいろな業者さんを経ていく間に荷物がとまっているかもしれない。東京湾あたりでちょろちょろしていていて、そこでコストがぐっと上がっているという問題の方がむしろ大きな問題ではないかという感じを私はもっています。

2つ目は、標準化についてなのですが、JILSで議論したときも、果たしてビジネスモデルがどうだといった議論まで本当にいくのだろうかということで我々も悩んでいたのですね。これは石井さんに聞いた方がいいのかもしれません。我々は、経営の情報と管理の情報と作業の情報と3つに分けようかと。経営の情報はお互いに隣の人に教えるわけない。我々、これを売ったら幾らもうかるよといったことはいわない。しかし、今、何個送ったよといった作業の情報はお互いに知っていなければいけないということで、作業の情報を標準化することと、管理や経営のレベルで標準化することとは違うのではないかということで、作業だけをやっていったらどうかという議論を随分したことがあります。

と同時に、もう一つ、標準化で考えなければいけないのは、作業の標準化は情報化では絶対に必要だと思うのですけれども、一方で、輸送具、パレットやコンテナなどはどうするかというのがいつも議論になっていて、日本のT11型パレットは、今、韓国でも標準に採用していますし、中国でどうするかともめているようですが、それが日本にとって、アジアにとって向いているのか、それとも世界標準のパレットにした方がいいのかというのはこれまた次の問題かなと思っています。

○宮下議長

ありがとうございました。

ほかに何かございますでしょうか。

○中田委員

現在、コンテナのドレージ、陸上輸送、工場の庭先から港までの輸送の部分の効率化をどうやったらよいかといったことを、トラックの事業者さんと一緒に調べたりしているのですけれども、例えば大井のコンテナターミナルのゲートの前に長蛇の列ができていまして、それは一体だれがいけないのでしょうというところですね。トラックのドレージをなさる陸送のコンテナ輸送屋さんは別に並びたくて並んでいるわけではないのですが、あそこに長蛇の列ができると、それこそ排ガスもたくさん出てきます。トラック業者さんは、並ぶことによってもうかるわけでも何でもない。でも、並んでいる。あれをみて、早い者勝ちだということで並んでいるのではないかといわれることもあるのですが、では、そのもともとの原因はどこにあるのでしょうかといったときに、1つは、荷主さんに、集荷、あるいは出荷はこの時間にやってくださいといわれたらば、輸送業者の人としては、それに合わせなければいけないというところがありますし、もう1つは、コンテナヤードそのものの処理能力はある程度一定ですので、ピークの時間が来れば、どうしても並ばざるを得ないというところがあります。

では、どうしたら並ばなくて済むような仕組みができるでしょうかというところなのですけれども、トラックの事業者さんだけだとなかなかうまくいかないのですね。石井様の資料の8ページのところに「とにかく多い関係者」とありますが、本当に関係者が多くて、みんなが協調しないと効率化が進まないと思うのですね。

1つは、例えばゲートの時間は朝8時30分から4時半ということで看板をかけられてしまう。ターミナルの会社の稼働率のことを考えると、ずっとあけていることがすべていいわけでもないだろうし、また、ターミナルを運営している人のお客様はだれかというと、船会社さんがお客様だから、船会社さんがあけなさいといったらあけてくれるでしょうけれども、トラック会社さんがあけてくださいといってもなかなかあけてくれないだろうなというところがあります。

もう一つは、集荷や配達の時間を同じような時間帯に集中させないでくださいといっても、トラックの事業者さん、特に港湾物流の場合、一般港湾運送事業の方がサードパーティー的にすべてを取り仕切ってやっているのですけれども、その方を通して、やっと荷主さんのところに行くということで、トラック会社にとっては荷主さんがちょっと遠いところにいる。

本当に関係者、プレーヤーがいっぱいいる中では、ある特定の企業や業界が1人でもがいていても、そこは解決できないというところがあると思います。そうしたときに、プレーヤーの方たち、関係者の方たちが集まって、何かしら調整するような方向が今後できたらよいかなと考えます。

○宮下議長

ありがとうございました。

ほかにございますでしょうか。

○縣委員

イオンは小売業、特に量販店ということで、実をいいますと、従来、海外物流は余り気にしていなかったのですね。海外物流ということでいきますと、小売業の立場からですと、商社さんにお任せといったケースが多くて、石井さんからもご指摘のように、一体日本ではだれが全体のプロセスをみているのかなということが1つありましたね。

そういった意味で、最近経験したことを申し上げますと、日本は、日立さんなどにご協力いただきながら、物流の仕組みを自前でつくっているわけですけれども、中国からの商品が非常にふえてきた関係がありまして、日本の1ヵ所に海外の輸入商品を全部集めて、そこから各地の中型の在庫型のセンターに送り込んで、そこから店に運ぼうという絵をまずかいたわけですが、先ほどお話があったとおり、国内輸送費の方が高いものですから、ちょっと待てよと。中国を出るところで、地域別のディストリビューションセンター向けにコンテナを仕立てた方が圧倒的にコストが安くなるということで、今、上海、シンセンにつくって、今度チンタオにつくるのですけれども、その3ヵ所で集荷して、各拠点にコンテナを繰り出す。我々の今の商品物量レベルでも、年間5億円ぐらい物流コストが下がるという試算があるのですね。そういった意味で、我々もようやく、もちろん商社さんも入ってはいるのですけれども、我々自身のコストとしてみていくことによって、どういうことをやらないといけないのかと。今まで丸投げしていましたから、そういうことはみえなかったのですね。逆に、自前でそういうのを用意することでコストが下がるでしょうという動きができるというのが1つ。

もう一つ、そういうことをやっていきますと、中国の工場をいつ出て、中国の集荷地点に何個入って、それがいつ船に乗って、いつごろ日本に届きそうかといったことをトレースしたくなるわけですね。そうすると何をやったかといいますと、WWREというエクスチェンジに入っていますので、そこのメンバーに聞きますと、そういうのはASPサービスがあるよと。こういうのは FedExさんが既に使っているものだと思うのですけれども、それを紹介してもらうわけですね。そうすると、インターネット上に向けて我々の出港拠点なり中国の在庫センターが入力すれば、日本にいながらにして在庫の状況がみえるというサービスが受けられるのだというのがわかってきたわけです。今それをやろうとしているのですけれども、そのときのデータのやりとりはXMLなのですね。そうすると、日本のうちが頼んでいるところはXMLが扱えないので、先にイオンさんで受け取ってから加工して返してくれと。そういったことを考えますと、ご指摘があったように、標準化とはいわないまでも、非常に速いスピードでそのデファクト化がどんどん進んでいっているのだろうなと。日本の小売業なり、今までそれをなかなか築けない環境があったのですが、そういったものに突っ込んでいかないと変わっていけないのかな、日本が取り残されていくという状況はあり得るなというのを実感したことがありましたので、ちょっとお話しさせていただきました。

○宮下議長

ありがとうございました。

重要なご指摘、ありがとうございました。まとめの段階で、また皆さん方からいろいろなご意見をいただきたいと思います。

では、石井さん、どうもありがとうございました。

では、引き続き、中田委員、お願いいたします。

○中田委員

UFJ総合研究所の中田です。どうぞよろしくお願いいたします。

きょう、2つ目のタイトルということで、「荷主企業と物流業の連携のあり方」というお題をいただいた中でプレゼンテーションをご用意させていただきました。「物流の高度化・効率化と物流共同化・連携について」というタイトルにしております。基本的には、企業の物流を軸とした連携にはどういうものがあるのかなというところ、全般を俯瞰した中で、荷主さんと物流業の中でどういう連携の方法ができるのかというところをちょっと概観してみたいと思います。

まず、「物流業務における企業間連携の状況と類型」というところでまとめております。連携といってもちょっと難しいので、一般的には、物流だと「共同化」という言葉が使われることが多いかと思うのですけれども、その効果、いいことはいっぱいいわれるのですね。コスト削減、排ガス削減、荷受けの効率化、平準化、サービスレベルの向上とかいろいろいわれる。では、企業さんはどういう認識をもっていたかというと、3年ほど前に中部地域の経済局で実態調査をしたのですが、物流の共同化に取り組んでいますかというのを聞いたところ、実際は1割ぐらいの人しか取り組んでいらっしゃらない。「具体的に検討中」とか「興味はある」というのを入れれば3割ぐらいにはなるのかもしれませんが、取り組んでいる方は本当に少数派です。

では、その少数派の方々はどういう分野で取り組んでいるのかなということで、これもアンケートで聞いたのですけれども、近距離だったり長距離だったりというのはあるのですが、輸配送の部分については取り組みが多いですよと。でも、施設だったり標準化だったりすると、それより水準がちょっと落ちてしまう。これで棒が2本あるのは、濃い方は「既に実施」、薄い方は「今後実施予定」というところになっているのですけれども、情報システムの構築を共同でというのは、今後の部分が特に高くなっているなという特徴的なところがございました。

「共同化」と一言でいってしまうとちょっとわかりにくいので、次では組み合わせの仕方を類型でみてみたいと思います。

1つは、横の「水平的連携」というところで、例えばメーカーさん同士、卸売業さん同士、小売同士という形での同業者の中での連携というパターンがありますし、また、縦の「垂直的連携」というところで、サプライチェーン・マネジメントはまさにそうだと思うのですけれども、取引のある会社同士での協調・連携があります。もう一つ、パターンとしてみれば、そういう縦だ、横だというのではなくて、ネットワーク全体のメリットを追求して、得意分野を強化したり、足りないところを補完するという形で連携する部分があります。

余談なのですけれども、私、会社にヒアリングするとき、自分の頭を整理する上で、パターンにあだ名をつけています。横型の水平的に連携するのは相互扶助型、でも、呉越同舟型。縦型はサプライチェーン・マネジメント型なのですけれども、基本的には亭主関白型。だれかリーダーとなる人がいるとうまくいくなと。ネットワークメリット型は、足りないところを補完し合うというところで自由恋愛型。こういう3分類という形で、自分自身の頭を整理する上でこのような形にしております。

ただ、企業の事例としては、縦、横、ネットワークのどれか1つに当てはまるというのではなくて、複数の要素が集まった中でやっているということです。

では続いて「水平的な連携」について、どういう具体的な事例があるのかというのをみて参ります。

1つは、これは有名なので、アルファベットで書いているけれども、食品メーカーでの共同配送です。この3社さんは全国のいろいろな地域で共同化をやっているのですが、ここの事例で示しているのは中国地域での取り組みです。これは5年ぐらい前になるのでしょうか。3社とも岡山や広島に自分の拠点をもって、ばらばらに輸送していたのですが、それだと交錯輸送が発生する。届け先が重複していて荷扱い等に共通性があるということで、積合わせをしましょうと。

この3社さんはすごいなと思ったのは、自分の自家拠点をすべて廃して、在庫のない形での積み合わせの拠点を共同利用して、そこから卸さん向けに配送をするということをやっているところだと思います。

もう一つおもしろかったのは、この3メーカーの積み合わせの拠点は、物流事業者さんの拠点なのですが、1社の持ち物ではなくて、地場(中国地域)に強みをもつ物流業4社が連携して、高速道路の結節点(米子、浜田、岡山、広島、小郡)の拠点を提供しているというところです。そういう意味では、メーカーさん同士の連携であり、また、物流業者さん同士も連携しているという事例だと思います。

続いて水平的な連携のその(2)は卸売業同士の連携です。「H卸組合」と書いてあるのですが、物流効率化法も使っているところです。どの部分が共同化かというと、卸さん同士の組合なのですけれども、その組合員が電算センター、倉庫を共同で使いましょうということで、組合の中にそれをつくったところです。この会社が成功したのは、倉庫や電算センターが子会社になっていて、親である組合員の貨物だけに頼らずに、市中の物流業者さんのサービスやコストに負けないぐらい頑張りましょうということで自立化していた。また、組合員も、この事業を軌道に乗せるために、自家配送をやっているところをすべてこの共同物流にもっていった。そういう意味で、今でも成功してやっているという事例でございます。

水平的な連携その(3)は小売業同士の連携で、これも物効法を使っているのですが、これは埼玉県の協同組合さんの事例です。ある共同仕入れ機構から調達していたのですが、昭和50年代後半でしょうか、その共同仕入れ機構が物流のサービスエリアを絞ってしまって、各店舗向けまでは配送できませんよということになったときに、では、どうしましょうかということで、埼玉県の5、6社、店舗を全部合わせても30店ぐらいの小規模の小売業の方が集まって、こういう共同で荷受けできるものを組合の中でつくった。ドライ・冷凍のところは物効法で自分たちで整備し、チルド品となると難しかったので、地元のチルド品のハンドリングにたけている物流業者さんを使ってやっている。点々の中が協同組合の事業で、ここで貨物をすべて集めて、店舗に一括納入するという形で、もちろん、メーカーさんやベンダーさんから直接行っているものもあるのですが、7割ぐらいは仕入れ集中度を保っているというお話でございました。

さて、今までのところは水平でしたが、今度は「垂直的な連携」です。これは日本酒のメーカーさんと卸さんのをイメージして図をつくっているのですが、ビールなどと違って、日本酒は銘柄が多くて、小口で、小ロットになりやすい。そういうのを卸さんの支店に納入するときに、メーカーさんはたくさんありますので、各支店ごとに納入してもらっていると支店の前に長い行列ができてしまう。それに対して、どういう解決方法をとったかというと、卸さんが自分で管理する施設の中で、メーカーさんに在庫を寄託してもらう。必要に応じて在庫をチェックして、ピッキング・仕分けをして、支店別に組み合わせる形で納入する。

ここもすごいなと思ったのは、卸さんが、自分1社のためだけではなくて、同業の酒の卸さんを合わせて、そういう意味では水平的な連携をしつつ、この場合、卸さんが音頭をとったということだと思うのですけれども、メーカーさんと卸さんの間で垂直的に連携しているというところです。ここは、たまたま卸さんが倉庫をつくっているのですが、業界によっては、メーカーさんがここの部分を管理するというのもあるかもしれません。

垂直的な連携その(2)は、もう少し川下で、卸と小売のパターンです。ここではボランタリーチェーンをイメージして図をかいているのですけれども、チェーンの本部が、中小の小売店の売り上げ増につながるようなリテールサポートを提供しましょうと。その1つとして一括物流ということで、まさにフルライン供給の中心になるかと思うのですが、それ以外にも、人材の育成、共同広告、会計システムの提供など、フルサービスのリテールサポートを提供する。それに対して、小売店はリテールサポートシステムの対価を払うという形での連携でございます。これについては、後ほど委員の皆様に、臨場感あるお話で、こういう連携の成功要因、あるいは難しい要因等お話しいただければと思います。

ここまでメーカー・卸、卸・小売ときたのですが、同業種同士、たとえばメーカーさん同士でも垂直的なものがございます。次に示したのは自動車メーカーの業界で、組み立てのメーカーさんと、そこに対して商品を供給するサプライヤーさんとの間の連携です。これも垂直の連携です。

図で示しているのは、静岡のある計器部品の協同組合さんの事例で、ここに「Yグループ」と書いてあるのですが、これは自動車部品のグループで、この工場と道一つ隔てたところにこの協同組合の倉庫がございます。組合員は、全部で 120社ぐらいの方たちなのですけれども、このグループの組み立て工場から発注があるわけです。自動車関連の部品ですから、1日4回、24回ということで、これは1時間ごとですよね。なぜ自転車がかいてあるかというと、隣の敷地なので、自転車でとりにいくというのですね。ちょっと遠いところだと集配便等でとりにいったりする。そして、組合では、工場から集荷したかんばんを仕分けして、短いリードタイムで納入しなければいけないので、協同組合の倉庫の中に各社の製品を保管し、在庫管理をする。そして、必要なものを、かんばんに従って配送先別に仕分けて、それを一括して納入する。これは、このグループ、組み立て工場、このメーカーさんの競争力が高まってくれることが自分たち組合員の生き残り策だという中で協調してやっている。リーダーシップのある会社が責任をとってくれるからなのでしょうけれども、それにより垂直的な連携を成功させています。

今までは水平、垂直ということでご説明してきたのですが、それだけではとらえられないものもあるかと思います。1つは、アウトソーシングのようなサービスですね。事例として挙げているのは、物流業などによるサードパーティー的なサービスで、小売店、スーパーマーケットやホームセンターといったところに共同配送するものです。ベンダーさんからは、いつでも一括荷受け。仕分けラインの利用や検品業務は、店によってピークの時間が違うので、午前中はA社さんの分、午後はB社さんの分と時間を区切って、センター業務の作業のピークを分散させています。発荷主さん(ベンダーさん)、着荷主さんである小売業、倉庫の運営を行う者、輸配送を行うトラック業者、こういうそれぞれの機能を果たす人たちを束ねるような形でサードパーティーロジスティクスが機能しているかと思うのです。

実際には、サードパーティーといわなくても、共同化のサービスはたくさんございます。小口混載、積み合わせ配送、百貨店の納品代行など、荷主さん自身は共同化だと思っていなくても行っているものがたくさんあると思います。

次ではアウトソーシングの類型を幾つかまとめてみました。荷主さんが主導しているものもあるし、物流業が主導してやるものもあるだろうということです。

荷主企業が主導してやるというところ、例えば荷主が共同して、共通の運送会社さんにアウトソーシングというのも共同化ですし、協同組合を立ち上げて、その協同組合事業にアウトソーシングするというのもございます。また、在庫管理等、発荷主と着荷主が相互間の中間流通機能を分担するというのもあるでしょう。

荷主さんが連携した共同物流のほかに、物流業主導ということで、1つは、荷主さんが自分の物流子会社をもっていて、そこの外販比率を高めてもらう。そうすると、もともとの親会社の貨物とそれ以外の貨物が積み合わさる。これは共同化のサービスになります。また、一般の物流業の方が小口混載、納品代行……。宅配のような路線便だって、いろいろな荷主さんの貨物が載っているわけですね。これも共同化サービスの利用という形でやっているものだと思います。

また、次のグラフは物流問題を解決するときの方策についてアンケートで聞いたものなのですが、荷主さん同士が連携することも重要ですし、アウトソーシングによって問題を解決することも必要です。自力型、自分の組織体制を変革することによって解決していくといったパターンもございます。

次もアンケートなので、さらっとやります。「物流共同化を推進する上での問題点」としては、例えば商慣行の問題、情報やノウハウの問題。商慣行でいいましたらば、従来の取引慣行を崩せない、あるいは集約できないということですね。情報・ノウハウとしては、意見交換等を行う組織や機会がない。パートナーに相応しいところがない。そういうことが挙げられております。

では、共同化を推進するためにはどういう条件が求められるのかというところですと、断トツで多いのは、コストダウンができること。68%ですね。あとは、納品先の企業、お客様の協力、物流業者さんの協力やサービス提供といったところですね。

以上、アンケートをみてきましたが、一言でいってしまうと語弊があるので、余りまとめ過ぎてはいけないのですが、次のシートで「企業にとって物流共同化とは」ということをまとめてみました。1つは、旗振り役や推進組織がなければ進まないなと。皆さん、総論では賛成するのですけれども、各論になってしまうとなかなか進まない。

先ほどのアンケートで、68%ぐらいの方たちはコストダウンができることを重視しているというので、これは多いのですが、これを多いとみるのか、いや、本当はもっと多いはずなのに、こんなに低いのかとみるべきかというところがあると思うのです。3人に1人ぐらいの回答者は、「コストダウンができる」というところにマルをつけていない。つまり、コストダウンしなくてもやらなければいけないというところに問題意識をもっているということだと思うのですね。それはどういうことなのか。そういうところをみると、例えば、それをやらないとお客様から選んでもらえません、つき合ってもらえませんよと。囲い込みの中の1つですね。それから、自分の中ですべてできませんということで経営資源の選択と集中、という判断の中で行われている。そのほか最近ですと、環境保全対応のために、共同物流をやってくださいといわれることが多いかと思います。

2点目としては、従来の取引慣行を見直さないと進まない。納品条件、お互いの在庫の持ち方、水準、機能の分担などを見直すことが必要です。

3つ目、発荷主、つまりコスト負担をする人ということなのですけれども、その人たちは、やらなくていいのだったらやりたくないと。特に、自分がどれだけ売っているかといった営業情報が、共同化することによって漏れてしまうのではないかという懸念や、ベンダーだけがコスト負担をしなければいけないのかどうかというところ。もしそれができないのだったらば仕組みをわざわざ変えたくない、ということを伺うことが多かったです。

次はアンケートの結果なのですが、「望ましい共同物流の推進主体」についてです。一番高かったのは親会社やグループ企業で、これは意思疎通ができそうなので、これが一番高いのは何となくわかる気がしました。2番目に来ているのが物流業者主導で、これはアウトソーサーへの期待度が大変高いなと、このアンケートをとったときに思いました。また、納品先、お客様、荷主企業さんに協力してもらいたいなというところが高かったです。

文字が小さくて恐縮なのですけれども、次に、参考として、「物流共同化の成功要因と失敗要因」ということでまとめさせていただきました。

成功要因としては、「リーダーがいた」「物流の情報を共有化できた」「有能な物流事業者さんと連携した」「荷主さん同士のいいパートナーがみつかった」「投資をそんなにいっぱいしなくても済んだ」「有能なコンサルタントがいた」「物流条件を調整できた」「コストはそれほど低下しなかったけれども、例えば環境負荷低減のためにそれをやるのだという形でイメージ戦略、物流のコストダウン以外のプラスアルファの戦略を重要視した」「情報化推進によってデータ交換等がスムーズにいったから共同化できた」「協同組合をやったら員外貨物も取り込むことができたから、コスト的なメリットを得ることができた」「行政の支援が得られたからできた」とかいろいろな成功要因があります。

成功を促進する方策は様々あるのですけれども、基本的に図の中で矢印がいっぱい出ているところをみると、1つは、荷主さん自身の企業体質的なところ、「コスト削減+αの戦略の明確化」というのがあるのですが、「+α」に何を求めているのかというところが重要だと思います。そういうのが明確になっていること。それから、「責任の所在」「商物分離」。これも基本的なところですね。今、コストが幾らかかっているのかというのがわからなければ、共同化しても、それが高くなっているのか安くなっているのかというところの判断はつかないかと思います。「経営の近代化」という言葉がいいのかどうかわかりませんが、まず、そういう基本的なところを進めること。それから、「物流事業者のサービス提供」「アウトソーシングを活用」。そこからいろいろな促進策が出てきそうかなというところがあります。

失敗要因としては、企業のエゴですね。また、共同化してもコストは低下しない。これは、コストを把握していなかったり、アウトソーシングや共同化しても、今までの社内物流スタッフの配置転換等が進まなかったり、アウトソーシングによって必要でなくなった物流拠点を他用途に活用できなかったなどの要因が考えられます。基本的には、コストをちゃんと把握・管理して、共同システムへの変更に伴う非効率の改善を併せて行う、そういうところから失敗抑制ができるかなと。

ここの部分は文字が多いので、すべて説明し切れないのですけれども、ポイントとしてはそんなところがあるかと思います。

最後でございます。行政支援策等についての認知度ですね。荷主さんが基本的に使える行政支援策について、「予算等の支援措置」と「法律上の支援措置」というところでまとめております。

「予算等の支援措置」がポツで6つぐらい書いてあります。経済産業省がやっているもの、国土交通省がやっているもの、いろいろございますけれども、基本的には、企業が共同・連携して効率化・高度化を進めるときの指導、調査研究、システム設計、実証実験などに係るコストの部分を補助してくれるものであります。

「法律上の支援措置」としては、これは中小企業対策なのですけれども、中小の組合に対しては、「中小企業流通業務効率化促進法」ということで、無利子融資や低利融資などがなされているところでございます。

こっち(法律上の支援措置)は中小企業のものなのですけれども、予算上の支援措置は大企業も使えるのですね。ちなみに、この中で、予算上の支援措置をご利用になられた企業の方はいらっしゃいますでしょうか。例えば物流効率化推進事業や環境負荷の小さい物流体系の構築に向けた実証実験などを使われた方はいらっしゃいませんでしょうか。次のページのところは使った方でないとなかなかあれなのですけれども・・・。次の図は、実際に支援策を使ったことがある方に、その支援策の使い勝手を聞いてまとめたものです。

国のお金、税金を使ってやっているのですから、何が文句があるといわれたら困ってしまうのですけれども、使い勝手に関する意見ということで、ちょっと厳し目のものばかり集めてしまいました。

これも文字が多くて恐縮なのでございますが、問題としては、まず、制度そのものを知らない。そんなものがあるのですかということ。それから、中小企業対策でも組合という受け皿でなければならない、任意団体とかだったら使えない。今は2点セットということで緩和されていますけれども、共同施設事業の条件(3点セット)があったときに、余り必要のないものまで買ってしまった。什器・備品・車両は補助の対象にならないのですけれども、そういうものも対象にしてくれたらな、とか。8割無利子融資や税制優遇は、皆さん、よかったとおっしゃっていますね。

物流効率化推進事業は、予算的な措置の方なのですけれども、毎年4月か8月ぐらいに公募がなされていると思うのですが、それを実際に使った方でも、読んでも内容がよくわからないと。確かに細かくて難しいのですね。また公募は年2回ということで、年1回ではないという意味では多いのですけれども、公募時期が限られていて、企業の計画のタイミングと合わないという意見が多かった。申請の受け付け期間が1ヵ月しかなくて、準備ができない。それから申請後、採択決定まで時間がかかり過ぎる。事業の実施期間が短い。採択されて、絶対3月までに終わらせなければいけないのですけれども、そうすると、初めに描いていた計画どおり回らない。ついついフライングして、採用前に費用を発生させてしまった。そうすると、その費用は補助対象として認められなかった、とか。また、精算業務が難しい。アフターケアがなかった。せっかく調査したけれども、稼働に至らなかった。補助率が低い。審査基準がわからなくて、どうして自分のところが採択されなかったのだろう、「どうして?」という声もございました。

利用したことがある方でも、なかなか声を出してはおっしゃらないかと思うのですけれども、私はたまたま第三者的に聞いたので、利用者の方の心の声という形で、ちょっとまとめさせていただきました。無体無理なニーズもあるのかもしれませんが、こんなところだと思います。

以上、つたない説明で、時間も長くなってしまって恐縮なのでございますが、委員の方で、実際に共同化、あるいは連携等にお取り組みの方がいらっしゃるかと思いますので、そういう臨場感のあるご意見、こんなことが問題点である、こういうことが推進のためのキーポイントになったとかというお話を伺えれば幸いだと思います。

どうもご清聴、ありがとうございました。

○宮下議長

ありがとうございました。

中田委員に伺いますけれども、UFJ総合研究所の運輸・物流研究室はどういうことをおやりになっているのですか。コンサルティングですか。

○中田委員

企業のコンサルティングも行いますが、主に行政の調査研究をやっております。

○宮下議長

物流に関連する政府系の調査?

○中田委員

はい。

○宮下議長

ありがとうございました。

いかがでしょうか。

○玉生委員

共同物流というと、やはりコスト削減効果が一番期待されるわけですね。ところが、物流荷受会社は創業以来、必ずやっているのですね。例えば、メーカーさんが会社を始めたときからのあれで、何とかという物流会社ともう 100年つき合っているとかね。そういったところをキャンセルして共同物流に乗りかえるのは非常に厳しいですよね。最初の事例で、3つの食品メーカーさんが共同輸送で、センターが幾つかあるという話がありましたけれども、これは多分、既存の業者さんとの関係を断ち切れずに、そのようにつき合ってらっしゃるのではないかなと思います。本当は1つの方がいいわけですね。

それから、共同物流の要件は、結果が一定に決まっていること。つまり、サービスレベルが一定という世界で初めて成り立つのですね。もう一ついうと、サービスレベルは、力のある着荷主によって定められている。かんばんなんかはまさにそうですね。物流サービスレベルを達成するために共同物流。そのサービスレベルが流動的であると共同物流には決してならないわけです。物流というサービス自身が競争ですから、例えばアスクルとカウネットとタノメール、3つのサービスが共同物流なんてあり得ないわけですね。そういった意味では、成熟した産業の中で行われるということかなと思います。ですから、日用品雑貨みたいな世界では、そういう話が結構あります。物流サービスで競争しないという点では、制度品・化粧品などでもそういう事例があるのですね。ただ、余りうまくいっていないように聞いています。もう一つは、相手が一緒、届ける場所が一緒ということで、制度品・化粧品などは、最近はまさにそのようになってきているわけで、そういった事例としてはいろいろなものがあるわけです。

先ほど懐かしいH卸組合の事例が出てきましたけれども、実はこれは異業種なのですね。最初は大変うまくいって、成功事例と盛んにいわれましたけれども、最近、うわさは全く聞いていませんね。この環境の中で難しさがあります。

もう一つは、結果が一定という点では小売店さん主導型のものがあるわけですね。小売店さんの主導のもとに、カテゴリー別一括納品してくださいとか、売り場別一括納品してくださいというものですね。そういうものは、卸店さん連合による共同物流や、小売店さんのセンターを使った運営といった形が出てくるかなと思います。

先ほどのお話のとおり、かなりのリーダーシップが要るのですね。その辺、難しさがあります。

物流というと、冒頭に申し上げましたように、長い歴史がありまして、長い取引関係がある中で大義名分をいかにみつけるか。それに対して、経営者の判断で意思決定をしなければいけない。担当者レベルでは結論はまず出ないですね。そういった点では、 CO2の問題や社会的意義ということを少し大きく掲げた方がまとめやすいかなと最近は思っています。

とりあえず、以上で私からの意見とさせていただきます。

○宮下議長

ありがとうございました。

齋藤委員、ボランタリーチェーンのケースが出てきましたが、いかがでしょうか。

○齋藤委員

私どものところから提供して、7ページのこの会社をつくられたようです。そのようなことで、私、相談にも多少乗ったのですが、9ページの図が、今、私どもが実際やっている図でございます。

物流共同化というのですか、私の知っている範囲内でいうと、アメリカやヨーロッパの小売業で、店舗の大小にかかわらず、小売店舗に雑貨問屋さんが行ったり、お酒の問屋さんが行ったりして、いろいろなものをばらばらに納めて、小売業を営んでいるというケースは余りないのではないでしょうかね。卸の方もいらっしゃるからあれなのですけれども、それは、そのお店に必要なものを一括で卸す卸先があって、いろいろな問屋さんがごちゃごちゃ卸すのではなくて、一括で卸すという形がアメリカでもヨーロッパでもベースになっているのではないでしょうかね。そのロットに達しないところ、町の小さな小売業は、そういうことをやっている卸の方がキャッシュ・アンド・キャリーみたいな事業を卸センターの横で展開していて、小さなトラックをもって、そこへ買いにいく。今、そのような会社が日本へ進出してやっているのもあるようですけれども、そういう事業なのではないか。日本は独特。アメリカでも、例えばパン屋さんなどは、自分たちの独自の物流でするようです。パンなどはそうなのですが、それ以外のものは一括してやっているという流れになっているのではないのかなと。私の知っている範囲内では、そういうところがほとんどだったような気がしますね。

日本の場合、いろいろな問屋さんがいろいろ納めるという独特の構造が一般の小売業にあって、一般の小売業のその構造では、チェーンオペレーションとして使うオペレーションはとてもできないということで、チェーンストアは配送センターをどこかにつくられて、そこで集約して物流を……。だから、問屋さんが直接お店へもっていくのではなくて、配送センターへもっていって、そこで店単位に全部まとめて、一括して店へもっていくという形になっているのだろうなと思います。これはフルライン供給とか一括物流といったことなのですが、やはりこれしかないのではないかなと。

私どもでは、東北の北3県を盛岡のセンターでやっているのですが、対象となる店舗は 100店舗ぐらいしかなくて、盛岡のセンターを中心に、青森、秋田、岩手の小さな 100店舗に入れているのです。物流会社は、私ども、別会社をもっていて、それでやっているのですが、この物流コストと、東京・関東エリア、1都6県に約 1,000店舗あったとしても、その物流コストと変わらないのですよね。月によっては盛岡の物流費の方が安く上がるという状況がありますね。そういう意味では、一括物流は非常に効率的なのではないかと思います。

私ども、今、センターを二十五、六もっているのですけれども、物流事業は、いっときはいろいろなところに外部委託したのですね。過去十数年ぐらい、物流業者の方、商社の方、卸の方に外部委託していたのですけれども、今、配送以外は全部自社で、うちの会社が直接パートタイマーさんを雇って、物流を全部するという形に切りかえております。この辺のところは、外部に委託するといってもなかなか難しいところだなということですね。原因は、ここでいうのははばかるようなことが多いのですが、随分冷や冷やしながら全部こうしていったという経緯があります。

○宮下議長

ありがとうございました。

川さん、イトーヨーカ堂さんはこの問題をどのように受けとめていますか。

○川委員

遅れて来ましてすみません。ただ、今の中田委員のお話は、事前にレポートをいただいておりましたので、見させていただいて、大変細かくまとめられているなと思って、私自身、大変勉強になりました。

私ども、この共同化はずっと進めておりまして、現在、私ども、79のセンターがございますが、その8割は共同化という名前のセンターであります。今もお話があったように、共同化は、話だけすると大変いいことなのですが、どこに着目して、というベースの部分をきちんと決めておかないとなかなかうまく進まないし、進化もしない。そういった意味で、私どもは、小売主導の共同化を進めさせていただいております。

私ども、共同化で3つぐらいあるのですけれども、1つは、私どものお取引先、納入業者の共同化で、ただいまあったようにカテゴリー納品などをする。例えば衣料品の納品であれば、いかにローコストの物流をやるかということで、こん包形態もまちまちですし、ばらばらになっているのを、共同化のセンターでカテゴリーごとに、店ごとにこん包して、売り場にすぐ連動したような納品体制ができる。こういうのが1つあります。

ただいまお話があったパンの共配も、私ども、一昨年から首都圏でスタートして、今、北海道を除く全地域でパンの共配。もちろん、地元のパン屋さんは別でありますけれども、大手のパンメーカーさんと組んで、パン共配もスタートしております。私ども、1店舗、平均3社から5社、パンメーカーさんに納品していただいているわけですけれども、パン共配をすることによって、1台で1日2便とか3便といった形で、タイムリーな納品をするようになった。

最初は、これは相当難しいだろうなと思ったのです。というのは、今お話があったように、パンメーカーさんは、パンをつくることと配送することは表裏一体の仕事になっているわけですね。そこの物流の部分だけ、しかもイトーヨーカ堂の部分だけをとると、メーカーさんの物流の効率は落ちてしまうわけですね。そういった意味で大変危惧して、いろいろ仕掛けをしたわけですけれども、思った以上に対応していただきました。それは、イトーヨーカ堂がいうからということもあるかもしれませんが、一方で、パンのメーカーさんも、自社の物流で全部対応するのは相当きつくなってきている。かつてのドライバーは営業もやったわけですね。小売店へ行って注文をとってきたわけですね。ところが、今、量販店の売り上げが6割から7割を占めているわけですから、ただ物を運ぶだけということからすると、本当に今までのメーカー物流でいいのかという課題もあって、比較的すんなりできた。

パン共配は、今、サンロジスティックスさんという会社にお願いしているわけですけれども、パン共配の効率をよくするために、イトーヨーカ堂だけではなくて、首都圏では、例えば、私どものライバル会社であるマルエツさんなど、幾つかのスーパーさんと一緒に運んでいただいているという形で、これは、私ども、内部的にいろいろあったわけですが、私どもが商売するのは売り上げであって、別に物流のところで差別化してどうのこうのということではないのだから、そこはコスト優先でいこうという形で、小売業が幾つか集まって、トータル、効率を上げるという共同化。

3つ目は、これはまだそんなに多くないわけですけれども、私どもの多くのセンターは、いわゆるトランスファースルー型のセンターであります。したがって、センターがトランスファーだけで稼働しているのは、1日24時間のうち、多くても12時間です。では、そこのインフラを別の物流に使おうと。これは特に花王さんのところでのケースが多いわけですけれども、私どもは24時間のうちの10時間だけ使うよ、そのほかは使っていただいて結構ですよという形で、そのかわり、うちのインフラコストは24分の10だねという形で、ある程度割り切って共同化することによって、コスト削減の一つのメリットを追求しているということです。

今申し上げたのは、イトーヨーカ堂で勝手にやっていることですから、それが全部普遍化の共同化ということではないにしても、1つは、小売という視点で、少し強い力をもって、同業の中でも構わずに共同化する。そうすることによって、共同化の成果はもっともっと上がってきます。

実は、今、パン共配などでもやろうとしているのは、パンの板重を何とか一つのものにできないかなと。私ども、共配センターでは、生鮮も衣料も什器もほとんど全部、通い箱で統一したものでやっております。これをパンなどでもすることによって、そういった物流機器の共同化につながらないかなと考えております。

そういう趣旨になったどうかわかりませんが、そういう状況であります。

○宮下議長

ありがとうございました。

湯浅委員、この問題について、専門的な立場でまとめていただけませんか。

○湯浅委員

いや、まとめはちょっとできませんけれども、今の3人の委員の方の話は全くそのとおりで、重複しないところ、ちょっと感ずるところだけいいますと、共同化の歴史は古いですよね。言葉は悪いかしれないけれども、今さらの共同化で、恐らく、やれるところ、できるところはみんなやってきているはずです。残っているのはできないところ。では、できないところを共同化させる理由は何なのか。やりたくないというところもあるし、できないのだというところもある。それををどうするのかというのが大きな課題のはずですね。

最近の一つの切り口でいうと、環境対策は大きな要因になると思うのですね。都市内を低積載のトラックが走り回っている。これを一緒にやったらいいではないか。でも、走らせている荷主も走っているトラック業者も共同化はできない。では、だれがやるのかということが大きなポイントになると思う。

そのときに、報告の中で出ていましたけれども、サードパーティーロジスティクスをどう定義するか別として、そういう専門的な事業者がプラットフォームなりシステムを提案して、共同化を意識しないで、そこに自然に乗せていくような方向性が必要なのかもしれない。

ただ、さっき玉生さんからお話がありましたけれども、中小で物流をやっているとなると、自分でトラックをもっているとか、従業員やドライバーがいる。では、これをどうするのかというのは大きな課題なのですね。先ほど3社の成功例がありましたけれども、物流センターを廃止しました。これをやらない限り、共同化のメリットは絶対出ないのですね。自社のアセットを残したまま、新たに共同化ということになりますとコストがアップするだけ。では、そのアセットをどうしてやるのかというところは結構現実的な課題ではあると思うのですね。

それと、物流サービスで競争するのは日本独特のものだと思うのですけれども、原因ははっきりしていて、価格に物流費が含まれている。つまり、出荷価格と物流のコストを切り離して、物流のコストは買う側の負担だよという形の商慣行であったならば、恐らく共同化はとっくに進んでいるだろうし、買う側がコストを意識して、どんな仕組みをつくったらいいかとなると、当然一緒にもってこさせるとかいろいろな工夫をしますよね。その意味で物流サービスについて考えなかった。全部とはいいません。考えないところが多かったというところが大きな原因としてあるのではないかなと。今、特に環境という点は非常に重要なテーマですから、その視点で切り込んでいく。これまでできなかったところにどう切り込んでいくのか。方法論について、さっき中田さんからいろいろあった。ああいう具体的なやり方も出ているわけですから、課題はそういうところにあるのではないかなと思います。

○宮下議長

ありがとうございました。

○齋藤委員

共同化の光と影みたいな部分が1つある。スーパーマーケットがいろいろなことを共同化して、自社センターを集約化しながらセンターをつくる。かつては卸やメーカーの人が直接スーパーに納めていたのを、集約化していくプロセスの中で……。先ほど話が出たので思い出したのですが、例えばお豆腐屋さんがそういうものの中に入ってしまうと、お豆腐を配っていたルートの中から大きなスーパーがぽっと抜けてしまうので、物流ルートが成立しなくなるのですね。物流ルートが成立しなくなった結果、そのお豆腐屋さんが行かなくなってしまって、お豆腐を仕入れられない小さなお店もたくさん出てくるという問題が1つ。

もう一つは、センターが集約化されることによって、極端なことをいうと、零細なメーカーさんが生きにくくなる。今までは、零細がゆえに、つくりたてをすぐ隣のスーパーに納めて売っていた小さなお豆腐屋さんが、センターへ一括納入ということによって、何時までもってこい、どうだということの中で、次々と生きにくい状況になってくるということで、共同化による物流の効率化という光の部分と零細な事業者の影の部分がある。特に日配品は、スーパーの共同化によって、地方の小さなお店は単独で仕入れられない状況が日本じゅうで発生していますよね。ですから、その辺の光と影はちゃんとみておく必要があると思います。

○宮下議長

ありがとうございました。

この問題について、まだいろいろご意見があると思いますが、後ほど一括していただきたいと思います。

きょうの最後の審議事項ですが、「流通・物流効率化法(仮称)について」、事務局からご説明いただいて、また皆さん方からご意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○浜辺流通・物流政策室長

それでは、資料5をごらんいただけますでしょうか。現在、今国会に提出する方向で、国土交通省、農林水産省とともに作業を進めております「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律案」について、簡単にご説明させていただきます。

「本法制定の背景」としましては、先ほどから環境問題という視点が取り上げられていますが、今年の2月に京都議定書が発効するということで、特に運輸部門でCO2 の削減を強力に進めていく必要があるということで、それが進んでいないことが問題になっているわけです。運輸部門で輸配送を共同化するとか、ITを活用した形で物流を効率化するといったことは産業の競争力にもつながりますし、環境負荷の軽減にもつながるということで、そういった取り組みを法律で支援しようということでございます。

2.に「スキーム」とございますけれども、法律の形としては、空港・港湾、インターチェンジ等の社会資本の結節点に流通業務施設をつくりまして、あるいは既にあるものを利用しまして、環境負荷を減らすような事業を応援しますよという基本指針を設けます。その基本指針の中に、その流通業務施設の要件、あるいは中小企業への配慮といった事項を盛り込んだ上で、その指針に合う事業者からの計画を認定いたします。認定を受けた事業に対しては、次のページに並んでいるような支援措置が講じられるということであります。

2ページ目をみていただきますと、1つは、物流関連規制についての特例ということで、物流事業をやる上で、倉庫業法、貨物利用運送事業法、貨物自動車運送事業法に基づく登録や許可の手続が必要なのですが、この法律の計画を一度出していただければ、一々個別に登録や許可を受けなくていい。そういったものを受けたものとみなすということで、いわゆるサードパーティーロジスティクス的な総合的な物流事業ができるようにしようということでございます。

(2)番目に、中小企業への支援措置ということで、先ほど中田委員からご紹介のあった中小企業信用保険法の特例、あるいは投資育成株式会社法に基づく出資の要件の緩和といったものがございます。

(3)番目に、物流センターをつくる場合の立地規制についての配慮ということで、例えば、都市計画法で、市街化調整区域には物流センターをつくれなくなっているわけですが、この法律の認定を受けたものについては原則許可するように国土交通省に配慮してもらう。また、港湾の跡地にこういった施設をつくる場合には、これもつくりやすくしようといった立地規制の配慮というか、緩和も検討しております。

その他、この法律に関連して税制上の特例ということで、物流センターを建てたときに、割り増し償却といいますか、償却率が通常10%のところを12%ぐらいにするとか、課税標準の固定資産税を半減するといった措置もついてきます。

また、財政投融資、日本政策投資銀行、中小企業金融公庫の低利融資を用いることができます。

1つ飛ばして?ですけれども、中小企業基盤整備機構を通じた高度化無利子融資、施設・設備の整備についての無利子融資を受けられるということでございます。

戻って?ですけれども、グリーン物流パートナーシップのモデル事業に対する補助金を新規でとっておりまして、経産省と国交省を合わせて約8億円。また、従来あった中小企業の物流効率化関連予算もございます。これをあわせて活用していくということでございます。

最後に、これは食品流通事業者も大きなウエートを占めていますので、農林水産省の関係機関で債務保証ができるようになっているということでございます。

次のページをごらんいただきますと、この法律は、先ほど中田委員が触れておられました中小物流効率化法と非常に似た面がございます。今まで中小企業事業者の基盤強化という面が前面にあったわけですけれども、仕組みも支援策も非常に似ているわけで、今回、中小物流効率化法を発展的に統合しまして、一つの大きな流通・物流効率化法にまとめ上げるということになっております。今までも、中小企業の協同組合にある物流の共同化は、環境負荷の軽減という意味でも非常に効果があった。実際、10%以上、場合によっては20%ぐらい、環境負荷の軽減が図られているようですので、そういったものを一本化しても法律の趣旨には反しないのではないかという議論をしておりまして、この新法の中で、協同組合であるものも、協同組合ではない任意団体、任意グループによるものも、あるいは大企業によるものも含めて支援するということであります。

その支援のメルクマールというか、基準としては、環境負荷の軽減にどの程度効果をもっておるかとか、先ほど来出ておりますような標準化や共同化にどの程度取り組んでいるかといったところをみていくことにしております。

今、これの事務的な作業をしていまして、3月の上旬には閣議決定して、国会で審議していただいて、できれば秋ごろから施行したいと考えております。

実際施行する場合に、基本指針の中にどういったことを盛り込んでいくかというのは魂を入れるような作業なのですけれども、この小委員会でいただいた意見とか、いろいろ関係方面にヒアリングさせていただいて、使える支援策にしていきたいと考えております。

○宮下議長

ありがとうございました。

時間がなくなってきましたけれども、まだご発言いただいていない佐竹委員、アパレル業界の共同物流問題、今の新法の問題でも結構ですので、何かご発言いただければと思います。

○佐竹委員

先ほどからいろいろ出ておりますけれども、我々の主たる得意先と申すのは百貨店なのですね。百貨店は、物流体制が3段階に分かれているというより、変遷がありまして、第1段階は、先ほど皆さんがいっていたように直接納品していただく。第2段階に入りますと、百貨店そのものが物流センターをつくって、そこから店舗まで運ぶ。今は指定納品代行という形で、物流会社の納品センター、物流センターに、アパレルならアパレルが物を納めて、共同配送で店舗までもっていくという流れになっています。

当社の場合につきましては、グループ内で物流子会社をもっておりますので、関係会社同士の共同配送は数年前から行っております。現状としては、各社の物流経費というか、運送費という部分については、低減されているという実態がございます。そういう意味では、先ほどの中田委員からの説明の部分については、グループ内では基本的にはできているなと。

ただし、アパレル同士の部分につきましては、数年前に話を持ち出して勧めたのですけれども、ファッション産業は情報がポイントでございまして、ここにも書いてありますけが、情報の漏えいといった問題がありまして、なかなかうまくいかなかったということがございます。ただ、将来的にみて、環境問題を考えますと、だれかが音頭をとって、アパレル同士の共同配送をやらざるを得ないのかなという考え方をもっています。

○宮下議長

ありがとうございました。

國領先生、どうですか。全般にわたってでも結構ですし、今の新法の問題でも結構ですので、ご発言ください。

○國領委員

素人なので、ずれていたら恐縮なのですが、お話をお伺いしていて、産地と配送センターの間の話と、配送センターと店舗の間の話に分かれていて、配送センターと店舗のところについては、かなり強いインセンティブを感じているプレーヤーがいて、かなり強力に推進しているけれども、産地と配送センターのところは、強力に推進したいと思うインセンティブが余り存在していないのではないかなと。それは、取引慣行やコスト負担のあたりに何かつぼがありそうで、この法案に何を盛り込むかというのはよくわかっていないのですけれども、この辺のことについて、少し踏み込んだレベルで、だれが旗振り役になるか、その旗振り役がインセンティブを感じる構造はどうなのかと。さっきからお伺いしていると、百何十年の物流業者などがいて、配送センターをもっているので、新規の投資の話よりも、そこの集約化に対する支援策など、実態に合わせたものにすることが重要なのではないかと感じました。

○宮下議長

ありがとうございました。

木下委員、どうですか。

○木下委員

私も素人なのですが、私が思ったことは、湯浅委員と玉生委員にほとんどお話ししていただきましたので、1点だけいうならば、ITの問題もそうなのですけれども、競争と協調のときに、インフラの協調の部分だと、皆さんが納得できれば、インセンティブはそういう方向に進むと思うのです。しかし、競争要因だと思うと、なかなかそうはいかないのですね。ITですら、なかなかそこの像が合っていないときに、物流はなかなか難しいだろうなというのが、話を聞いていて思ったことです。無責任かもしれないですが。

もう一点は、これは、私は全く素人なので、わかっていないだけなのですけれども、グローバルな話と国内の話、両方出たと思うのですが、そこでそういう活動をやっている主体が既にあるのか、ないのが問題なのか、その辺がちょっとよくわからなかったので、その辺、また教えていただければと思っています。

○宮下議長

ありがとうございました。

○苦瀬委員

2つほど考えを述べたいと思います。

1つは、先ほどの共同化ということで、私は交通や都市などからみているので、そちらからお話しさせていただきますけれども、流通チャネルの絵をかくと、数多い線が少なくなって、うまくっているという絵になるのですが、これを空間的におろしたときに、本当にそうかという議論をやらなければいけないと思うのですね。

例えば都心に共同配送しましょうといったら、自分がもっているトラックターミナルと、都心を越えて反対側に共同配送センターがあるから、絶対行かないという例があるわけですね。つまり、理念的にチャネルでかくとうまくいくのだけれども、空間的には、都心を越えて向こうまで行って、また戻って共同配送するのかという議論があるわけであります。そういうお話が先ほどもあったと思うのです。要するに、もし地域全体で環境問題という議論をするならば、地域全体で台キロを減らしていくという議論をするのか、それとも部分的・局地的に、全体はふえても仕方がないが、このエリアだけは減らすのだという議論をするのか、それとも、センターの運営を効率化するために、そこでコストダウンができるが、そこにもっていくトラックの台キロがふえるのを覚悟するのか、そういうトレードオフがあるのだろうと思うのですね。1つは、その辺を議論した方がいいのかなと思いました。

もう一つは、この法律に関してなのですが、私の過去の反省を考えますと、物流施設が市街化調整区域に結構自由に建つようになってしまった。もしくは沿道を接道していれば、まあまあ、うまく建つ。こういう過去があります。これは、規制緩和が追い風となって、そういうことになっていると思うのですね。その結果、どのようになっていったかというと、郊外部のいろいろなところに物流施設がばら建ちしている。結局、どういうことが起こるかというと、ばらばらに建っているところで共同配送しろといったってうまくいかないのではないか。さっきの中田さんのお話ではないですけれども、自転車でちょこちょこ行けるような距離にあればいいのではないかという議論が多分あるのだろうと思うのですね。そうするということは、市街化調整区域のどこに建ててもいいよという議論とは逆の話だろうと思うのです。ある程度追い込むか閉じ込めるか、場所を決めていかないといけないと思うのですね。ただ、近年の都市計画の流れとしては、規制緩和と称して、それを結構緩やかにしてきた。ただし、もし環境問題というならば、規制とはいいませんが、あるルールを確立して、このようにしていかないと、台キロがふえたり、むだなトリップがふえて、結果として環境問題に悪いのだよという見方もあるのだろうと思うのです。そういう意味で、市街化調整区域に特定流通業務施設を建設する場合、その条件の設定が結構問題になるのではないかと思いました。

○宮下議長

ありがとうございました。

浜辺さん、この流通業務の効率化・総合化というのはどういう意味を含めているのですか。それと、今の苦瀬委員の発言で、何かご説明いただければと思います。

○浜辺流通・物流政策室長

この総合化という意味は、物流事業はいろいろな形態があるわけですけれども、それを総合化したサードパーティーロジスティクスが、今、新しい形態として伸びつつある。これを流通業務の効率化に活用していこうということで、その部分にかなり焦点を当てているというのがございます。

今の苦瀬委員のご指摘の点ですけれども、市街化調整区域ならどこでもいいとはさすがに考えておりません。立地条件として、「社会資本の近傍に」ということがございまして、高速道路のインターチェンジ、空港・港湾、貨物鉄道、工業団地や流通業務団地などの近くに置くことは物流の効率化にも結びつくのだということで、何でもかんでもいいとはさすがに考えておりません。そういったところについてのみ、市街化調整区域の規制を若干緩めようということで、指針の中でも、そういった点は十分配慮していきたいと考えております。

○苦瀬委員

もちろん、幹線道路ならどこでもいいということにはならないと思うので、そのように期待しておりますが、逆に、そこに追い込むからこそ周りに建てられないのだという規制、ルールづくりがあってもいいと思うのですね。今までの類似法で一番弱かったのは、そのエリアを国が整備したときに、その周辺もついつい許可してしまうものですから、中の整備した土地よりも外側の方が安いものですから、中に入らないということがあったと思うのですね。その辺もうまく検討していただくとありがたい。よろしくお願いします。

○宮下議長

ほかに何かご意見ございますでしょうか。

では、スケジュールをごらんください。資料6をご説明いただけますか。

○浜辺流通・物流政策室長

資料6でございます。本日は第3回目ということで、次回は、法律の作業があるということもあり、3月にさせていただいておりますけれども、第4回を開催いたしまして、前半で、「流通・物流システムの将来像」と書いてありますが、ICタグ、ICカード、携帯端末など、いろいろな情報技術の進展に伴って、新しいシステムの展開があり得るのではないかということで、事務局で、國領先生からプレゼンテーションというか、具体像を示していただければと考えておりまして、お願いできますでしょうか。その上で、後半では、まだ骨子といいますか、項目レベルにしかならないと思いますけれども、今回の小委員会のまとめの案を事務局から示させていただきまして、今の時代や環境変化をみたときに、どの点を強調していくべきかということについて、いろいろご意見をいただければと考えております。その後、また4月に議論できればと思っております。

具体的な日程については、今、事務方から連絡させていただいておりますので、調整の上、ご連絡させていただきます。

○宮下議長

何かご質問なりございますでしょうか。

○玉生委員

XMLやEDIFACTといった話が最初にありましたけれども、実は、イオンさんと野村総研さんとプラネットで、国際的な商品マスターのデータ通信をebXMLで試したことがあります。プラネットではいろいろなことができるのですが、私どものユーザーの実態をみると、そういう通信ができる会社はほとんどないのですね。また、その国際的な標準は、先ほどの野村総研さんのお話の中にあったように、いろいろな仕様が山ほどあるわけです。それはすべてオープン系の新しい仕様のものでありまして、日本の流通業の受発注、物流管理、請求関係のEDI関連のシステムは、オープン系に対応できないものがほとんどなのですね。そういった実態の中で、共同物流にしても何にしても、基盤となる企業間通信は、世界標準に対応できる装置をもっていない。この委員会ですべてを解決しようというのは無理かもしれませんけれども、日本のユーザーの実態はそういう状況にあることを念頭に置いた方がよろしいかなと思います。

では、国際標準が全部いいか、ebXMLがすべていいかというと、必ずしもそうではなくて、私どもの経験では、プラネット仕様のデータ通信に対してebXMLで通信しますと、ビット数で25倍ぐらいになってしまうのですね。電気信号数にしてもすごい数になるわけです。というのは、インターネットの回線の中を通るわけですから、その中で悪いやつがいるかもしれませんし、トラブルがあるかもしれません。そういうことを全部カバーするために、データにタグを山ほどつけるわけですね。例えば日付というデータにタグがバーッといっぱいつくわけです。20も30もつくわけですから、ビット数がどっとふえるわけです。そのような余分なことをいっぱいしながら結果を出すというすごい仕様になっていまして、先ほどのお話で、世界的にはいろいろな仕様が屋上屋を架してあるわけですから、それをどのように選ぶかということですね。日本は逆に、後発の優位性を発揮するような選び方ができると一番いいかなと思います。

ということで、この委員会とは少し違う分野の部分もあるかもしれませんけれども、ちょっとつけ加えさせていただきました。

○宮下議長

ありがとうございました。

まだいろいろご意見があろうかと思いますけれども、時間がまいりましたので、きょうはこれで終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。

○浜辺流通・物流政策室長

どうもありがとうございました。

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