経済産業省
文字サイズ変更
アクセシビリティ閲覧支援ツール

独立行政法人評価委員会産業技術総合研究所部会(第4回) 議事録

日時:平成16年3月5日(金)9:30~11:30
場所:経済産業省 別館10階 第1014会議室

出席者

(部会長)木村 孟 大学評価・学位授与機構長
岡田 恭彦 富士通株式会社経営執行役常務
黒川 清 東海大学総合医学研究所長
塩田  進 静岡理工科大学学長
高橋真理子 朝日新聞論説委員
橋本 安雄 関西電力株式会社顧問
藤嶋  昭 財団法人神奈川科学技術アカデミー理事長
松重 和美 京都大学国際融合創造センター長
山野井昭雄 味の素株式会社技術特別顧問
浅井彰二郎 株式会社日立メディコ専務(欠席)
安西祐一郎 慶応義塾塾長(欠席)

産総研 吉川理事長、小玉副理事長、吉海理事、小林(憲)理事、
小林(直)理事

経産省 小川局長、塩沢審議官、豊國技術振興課長、倉田産総研チーム長

議題

(1)平成15年度評価の進め方について
(2)産業技術総合研究所に対するアウトカム評価のあり方について
(3)非公務員型への移行について(報告)
(4)役員退職手当規程の改正について(報告)
(5)その他

議事

議題(1)平成15年度評価の進め方について

木村部会長:議事に先立ち、産業技術環境局の小川局長からご挨拶をお願いします。

小川局長:挨拶

倉田産総研チーム長:資料確認

木村部会長:最初の議題「平成15年度評価の進め方について」、資料1により事務局から説明をお願いします。

倉田産総研チーム長:資料1、「平成15年度評価の進め方について」に沿って説明。

年度評価は、これまで13年度、14年度と2回にわたって行っていただき、今回は3回目になるわけです。まず、基本的な考え方として、これまで2回にわたって実施してきた年度評価の経験を踏まえ、特に評価の中心となる研究成果に対する評価に関して、「必要かつ十分な範囲での適切な評価の実施を目指す」と書いてありますが、若干経緯を振り返りますと、初年度は、なかなか研究成果といっても初年度ということで明確に出ることは難しいだろうし、評価することも難しいということで、むしろマネジメントを中心に評価をいただいたところであります。

ただ一方で、独立行政法人産業技術総合研究所が、研究所としての本来の評価をする上では、研究成果に対する評価は避けて通れないということで、14年度以降は、研究成果を中心に評価をすべきではないかというご指摘も踏まえ、14年度に関しては13年度とやり方を改め、研究の5分野ごとにヒアリングという機会を設けて、それぞれチームを組んで、つくばに出かけいただき、1日、人によっては2回のヒアリングを実施いただいたわけです。

このヒアリングを5回実施し、その折、何人かの委員の皆様方から、さすがにこれは、いろいろな意味で過重なのではないかとの意見があり、むしろ、そのようなヒアリングを分野ごとであれば、例えば1中期目標期間で各分野ごとに1回とか、その程度がいいのではないかというようなことも、ご意見としてはいただいたところです。

そういうことも含め、今回ご提案させていただくような、特に研究成果に対する評価に関してやり方を考えたところであります。

それともう一点は、基本的考え方の二つ目ですが、15年度評価というのは、当然、年度が終わった翌年度、16年度に行われることになります。16年度というのは、実態的に見れば第1期中期目標期間の最後であり、第1期中期目標期間の中でアクションとして行われる評価としては今回が最後になるわけです。そうした意味もあり、これまで管理関連部門に関しても、もちろんこれまで報告はさせていただいているところですが、今回、それも一つの主要な評価対象として取り上げ評価をしていただき、その評価結果を次期の中期目標期間における組織運営にぜひ活かしていきたいということで、今回、一つの主要な課題として、管理関連部門に関しても評価対象として明確に取り上げてみたところであります。これが基本的な考え方です。

そうした考え方に沿って、?.の評価の進め方でありますが、まず平成15年度の産総研の活動全般に関して、産総研から総括的な説明を受けたいと思っています。これは、13、14年度と全く同様のイメージであります。

その上で、昨年は5回に分けて、それぞれ委員の方々に分担していただいて行ったヒアリングを今回は1回で、全員参加していただくことを前提に、行っていただければと思っています。もちろん、対象研究分野としては昨年と同様に、ライフサイエンス、情報・通信、ナノテク・材料・製造、環境・エネルギー、そして社会基盤の5分野を予定していて、こうした分野に関して、産総研の中のそれぞれの分野を総括的に見る立場の方から、実績、成果等々について説明をいただき、質疑応答をし、必要に応じて委員の方々からツケ出しをしていただく、こういうようなイメージを一つ考えております。これが、ヒアリングのその1であります。

それから、その2として、管理関連部門の実績に対するヒアリング。これは、管理関連部門においてのこれまでの活動実績を産総研からまず説明していただく。その際に対象とする管理関連部門のイメージは、これは非研究ということで広く、例えば業務の効率化の状況とか、産学官の連携の状況、主に営繕などの研究環境整備の状況、それから、安全管理、広報、国際、人事制度等、管理関連部門の広範にわたる活動分野をそれぞれ対象としていただければと思っています。

これに関しての説明をいただいた後、質疑応答をし必要に応じてツケ出しというようなことを考えております。

この2つのヒアリングを実施した後に、13,14年度と同様に各委員に評価シートをお渡しし、各委員それぞれ持ち帰っていただいて、評価結果を記載していただく。それを事務局に返送いただき、事務局で取りまとめたいと考えております。また、その過程で、個別にここが書き足りなかったということがあればリクエストをいただいて、適宜、それに対応させていただきたいと思っております。

そうして取りまとめさせていただいた評価結果を、再度部会を開催し、皆様方にご議論をいただき、産総研部会としての評価を審議の上決定していただくということになります。

また、評価の一環として、ぜひ産総研の研究現場の視察も企画をしたいと考えております。

それから、今言ったような内容を仮に前提とすれば、その具体的な実施の手順として、案1と案2と2つスケジューリングを考えてみたところであります。

一つが、16年度の第1回目の部会。先ほど説明した2つのヒアリングを同日で同時に実施するとした場合であります。そうすると、この第1回目の部会において、同日に2つのヒアリングを実施し、第2回目の部会において、事前に提出いただいた評価シートによって部会としての評価を決定していただくということであります。

これだと、16年度に入って、こうした評価のための部会は2回程度開催するということになります。ただし、第1回目の部会は2つのヒアリングを同時に実施することになり、大変恐縮ですが、午前・午後を通した1日コースになるかなと考えております。それから、第2回目の部会は、これまでの経験だと3時間程度かかるものと考えております。

また、研究現場の視察を企画する場合には、恐らく、この部会の開催日とは独立に設定をすることになると思っています。それで、これまでこの委員会としてご視察をいただいていない、臨海副都心センターを視察の現場としては想定をしております。これが案の1であります。

それから案の2は、2つのヒアリングをそれぞれ分けて実施するというもの。第1回目、第2回目の部会において、それぞれのヒアリングを実施する。3回目の部会において、この部会としての評価を審議していただいて決定をしていただく。よって、評価に要する部会の開催は計3回ということになります。そうすると、第1回目と第2回目の部会の開催というのは、午前もしくは午後の半日コースになると考えております。第3回目は、案の1と同様に、これまでの経験だと3時間程度ではなかろうかと考えております。

これだと、研究現場の視察というのは、1回目もしくは2回目の部会の開催日とあわせて、それぞれの午前か午後というようなイメージを考えたいと思っております。そのときには、臨海副都心センターをご視察いただくとするのであれば、この部会自体も臨海副都心センターの会議室で開催をしてはどうかということで考えております。

それから、全体のスケジュールですが、これは親委員会の開催のスケジュールとも連動しますが、16年度のキックオフ、第1回目の部会を、これまでの例を考えると5月の中旬ぐらいまでには開催、それから、何回か評価の部会を開くわけでありますが、その結果としての最終的な産総研部会としての評価の決定は、7月の上旬までには決定をする必要があると考えております。

木村部会長:平成15年度評価の進め方について提案して貰いました。研究成果に関しては、説明にありましたように、昨年のような時間がかかるようなことはやめたらどうかということ、ワンサイクルについての全体評価に備えるため、管理関連部門の実績に対する評価を実施してはどうかということ、それとスケジュールの提案として、案1、案2と出してありますので、これについて議論をいただければと思っています。

中期目標期間の終了時の評価を考えると、今年管理関連部門の実績評価をやっておくと、少し楽になるのではないかと思われるますが、いかがでしょうか。

山野井委員:昨年の経験からいって、このヒアリングというのは非常に大事だと思っています。確かに時間との関係で悩ましい点はありますが、1日という長時間よりも、半日を2回に分けて集中できるようなやり方、私は第2案をとりたいと思っています。

木村部会長:私も全く山野井委員と同じ意見で、とても第1案は無理だと思っているのですが、いかがでしょうか。

第2案でよろしいでしょうか。

(異議なし)

それでは、第2案ということでお願いしたいと思います。その際、臨海副都心センターをご視察いただきたいと考えておりますので、その辺をうまく事務局の方でスケジュールに組み込んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。

全体のスケジュールについては、第1回目の部会が5月中旬、産総研部会としての最終的な評価は第3回目として7月上旬、この間に、ただ今お決めいただきました第2回目の部会と研究現場の視察を入れるということにさせていただきたいと思います。

橋本委員:第2案で結構ですが、資料のつくり方で、今度が3回目になるので、年度最初の計画と結果がどうなったかということがよくわかるような資料、前も作成いただいていると思いますが、今度は3回目にもなり、そういった点で、我々が見やすいような資料を工夫していただきたいと思っています。

黒川委員:ポイントとして、最初の中期目標とか全体の目標に対する進捗状況を、これは50%の進捗状況とか簡単なハイライトを一覧表にしておく工夫も考慮してほしい。

これは、点が悪いからだめだという話じゃなく、むしろ、どこが問題かということをお互いの共通認識とすることがいいのではないかと思うので、よろしくお願いします。

木村部会長:それでは、そういうことで進めさせていただくことといたします。

議題(2)産業技術総合研究所に対するアウトカム評価のあり方について

木村部会長:次に2番目の議題ですが、これは非常に重い議題であり、いろいろ意見をいただきたい件でございます。「産業技術総合研究所に対するアウトカム評価のあり方について」ということで、相当、内部的に議論を詰めていただいておりまして、資料2にまとめてありますので、これについて事務局から説明をいただいた後でご議論いただきたいと思います。それでは事務局から説明をお願いします。

倉田産総研チーム長:資料2の説明の前に、なぜこのような検討をすることになっているかという説明のために、参考資料1-1、1-2を見ていただきたいと思います。

参考資料1-1の3ページ目に「中期目標期間終了前後のスケジュール(イメージ)」という図があり、これをご覧いただきながら、ここで若干、独法制度ができたときの議論とか、その後の経緯を振り返りますと、独法制度ができたときに、独法制度の一つの特徴として「中期目標期間」という概念が導入されました。これは、大体3年から5年と指定されておりまして、平成13年4月に全部で57独法が誕生したわけですが、その中で、中期目標期間を3年としたのは1つだけで、それは教員研修センターという独法であります。それは、まさにこの3月末をもって第1期が終わり、4月から第2期に入るわけであります。

それから、中期目標期間を4年とした独法が3つありまして、一つが、この産総研、それから、もう一つが日本貿易保険、最後が国立公文書館であります。この3独法に関しては、17年3月をもって中期目標期間が終わるわけです。それ以外は5年でありますから、18年3月で第1期が終わることになるわけです。

それで、独法制度の特徴として、その中期目標期間という概念で中期目標を主務大臣が提示をし、それに応じて独法が中期計画をつくり業務を実施する。ただし、毎年度評価は当然行うわけで、むしろ中期目標期間を通して一体どうだったかという評価を行い、これは独法通則法に基づくわけですが、その中期目標期間が終わったときには、主務大臣は中期目標期間を振り返って必要な検討、業務の見直しをするということが、独法制度の中にビルトインされているわけです。

もともとの議論では、そのときには業務の必要性であるとか、組織の必要性、改廃も含めて見直しを図るというのが、かなり行政改革会議の中で議論されたことでありました。それを受けて、独法制度を規定する独法通則法の中で、そういう規定が法律上盛り込まれているわけであります。

ただ、恐らく、その法律をつくるときにここまで考えなかったと思うのですが、中期目標期間が終わってから検討すると、その検討しているときには、既に第2期中期目標期間に入っているわけで、そもそも次の期からの見直しに間に合わないということになります。それで独法制度全体をつかさどる総務省としては、法律には終了後と書いてあるわけですが、実態的にそれでは間に合わないので、総務省評価委員会が、そういう各独法に対して、事前に勧告の方向性などを指摘するということを閣議決定しているものであります。

ここでお示ししているスケジュール表の中に「総務省評価委員会」、「行革推進本部」とありますが、その欄で、産総研であれば最後の年のX年というのが最終年度になるわけで、そのX年の秋に総務省評価委員会が勧告の方向性等の指摘をするということになっております。

その指摘を受けて主務大臣として、どのような目標見直しをするのかということを行革推進本部に説明することになるわけです。その結果を受けて総務省の評価委員会は、4月頃正式の勧告をするという形で運用がなされることになっております。

そうすると、主務大臣も、本来であれば、中期目標期間が終了した段階で、このような評価部会で評価をし、その結果を踏まえて見直しをするということになるわけですが、見直しをするときには既に第2期が始まっていること、それに応じて予算もすべて決まっていることなどがあって、中期目標期間評価の前に「予備的中期目標期間評価」をしないと全体の動きに対応できないだろうということになるわけであります。

以上が予備的中期目標期間評価の必要性についての状況説明であります。

これを踏まえて、参考資料1-2の説明に移りますが、各事業年度ごとの評価、中期目標期間終了時の評価については、それぞれ独法通則法で規定されておりますが、具体的にどこまで、何を、どう評価するか、ということが詳細に法律段階で決められているわけではありません。ただ、総務省との議論、それから、経済産業省の中での全体の議論も含め、各事業年度の評価と中期目標期間全体を通した評価をどう切り分けるのかが検討されているところです。

逆に言えば、同じことを評価していただいても、これは屋上屋を重ねるようなことで効率的ではないだろうということでありますが、現段階での大きな理解として、アウトプットという概念と、アウトカムという概念があります。アウトプットというのは、法人から直接的に出てきたような成果、研究機関で言えば、例えば論文の数が何本出たか、特許を何件取得したかということが、恐らくこれに該当するのではないかと考えます。

それに対してアウトカムというのは何かというと、そうした技術がつくられ、結果として、それが社会に普及し、世の中に対してどの程度役立ったのかという事がアウトカム評価という概念かなと考えております。私自身のイメージで、これをなぞらえると、恐らく経済産業省としては、産総研に対して、例えば論文を1000本書いてくれ、2000本書いてくれということを期待するのではなく、もちろん、それも期待をしているわけですが、むしろその結果として、例えば日本の産業競争力、ひいては日本の経済、国民の生活向上、そういったことに対して役立ってほしいという期待があるわけでして、それに対応するのがアウトカムということなのではないかと私自身は理解をしているところです。

そうすると、予備的中期目標期間評価としながらも、事実上の中期目標期間評価を1年前倒し的に実施する必要が出てくるわけでありまして、そのときの眼目はアウトカム評価ということになると考えております。

ただし、このアウトカム評価をどうやったらいいのかということが問題で、これに関しては世の中に決め事はないわけです。これは経済産業省としても、まじめに議論をしていかなければいけない課題ととらえていて、親委員会の制度ワーキングでアウトカム評価というのをどういうふうに考えるべきかということに関して、ここずっと議論をいただいているところであります。そうした議論には、当然、私どもと、産総研にも参加をいただいているところであります。

そこでの個々具体的な結論が明確に出るわけではありませんが、少なくともアウトカム評価というのは、法人の行っている業務の形態に応じて全く異なるものでありますから、例えば4年が中期目標期間の独法である産総研と日本貿易保険を、今2つ俎上にのせてみたとしても、かたや保険業務を実施するという法人、かたや研究を業務として実施する法人、これを一律に論ずることは全くできないということと、それから、確立した方針があるわけではないので、ある種、方向性を示して、その中で若干、トライ&エラーみたいな形でやっていくしかないのではないか、というようなことで議論をさせていただいているわけであります。

そうした前段の状況認識を前提にして、資料2は制度ワーキングの中で議論をさせていただいてきている内容で、研究機関としての産総研に対するアウトカム評価をどうするかということに関して、とりあえず方向を決めてやっていくしかないわけでありますから、事務局として、例えばこんなふうに考えてみたらどうかということで検討したものであります。

しかし、これは事務局だけで検討できるものでもなく、産総研ともかなり密接にディスカッションをさせていただき、その結果として、取りまとめてたもので、これをご説明させていただくことといたします。

(以下、資料2に基づき説明)

木村部会長:このアウトカム評価は、私ども大学評価をやっている機関としても、非常に重い課題として受けとめておりますが、ただいまお聞きのように、分析的な議論に基づいた報告をしていただいたところであります。これについては、いろいろな考え方がありますが、私はかなりよく整理されているという印象を持ちました。

この件についてご議論をいただきたいと思います。

岡田委員:ただ今の説明で、アウトカム評価と、中期目標期間評価との関係はどうなっているのでしょうか。

倉田産総研チーム長:簡潔に言いますと、従来、各事業年度評価、これは独法の本来の目的が効率性の追求という観点で議論になっていますが、ダイレクトに効率性を図るのであればアウトプットで、従来いくら投入していて、研究機関の場合であれば、論文がこれくらい出ていたとか、事業経費がこれくらいだったのがこれだけ削減できたという、ある種効率性の議論。それに対して、中期目標期間評価であれば、効率性はもちろんでありますが、それに加えて有効性の観点から、行った事業が社会にとっていかに有効だったかという観点からの評価が必要になるだろうと考えております。

事業年度評価では、ある種、アウトプット評価的な視点に分けていかざるを得ないのではないか。それに対して、本来的に見れば効率性だけではなく、行われている事業の有効性、また有効性の視点を踏まえての組織・業務全般の見直しということが、通則法においても中期目標期間終了時点で実施することとされているわけです。この組織・業務全般の必要性を判断するのであれば、行っている事業の効率性だけではなくて、むしろ社会にとっての有効性というものは必ず判断しなければいけないのではないか。その有効性を判断する上においては、それはアウトプット的な評価ではなくて、アウトカム的な評価をし、その結果に基づいて有効性を判断し、有効性のあるなしをもって業務の必要性というものを判断するということではないかと考えています。

そのためには、少なくとも中期目標期間終了時においての有効性を判断する指標がアウトカム的な評価ではないかと位置づけたいと考えているところです。

岡田委員:アウトプットに対してはインプットという言葉があります。企業活動から言うと、いろいろインプットして、それを生産という形でアウトプットする。実際、それが1年間の企業活動を通じて、インカムというかレベニューになって、それでオペレーティング・プロフィットということになります。その次元と、ここでいうアウトカムとの間には、ちょっと差があるように思うのですがどうでしょうか。

それで、吉川理事長がおっしゃった第2種基礎研究の悪夢の長い時代、当社でもPDPというのは20~30年やっていましたが、悪夢の時代が20~30年あったということであります。この時代をどう評価するかということが重要と思いますがいかがでしょうか。

倉田産総研チーム長:それは、まさしくおっしゃるとおりだと思っています。

今の悪夢の時代というものを念頭に置いてアウトカムとは何かと考えると、恐らく悪夢の時代を過ぎて実際に事業として花開く。事業として花開くのは産総研自らがやる必要はなく、また、そのような機関ではないので、むしろきちっと民間に橋渡しをしていければいいのかと思っています。

ただ、悪夢の時代が悪夢の時代で終わって、もし仮にそのままでいるとするのであれば、もちろん、そこで派生的に出てきた技術が、将来全く依存しなかった別の何かに使われて、結果としてアウトカムとして花開くということは、もちろんあると思いますが、もともと、当初想定していた中での花は開かなくなってしまうわけであります。

だから、まさに産総研になって、悪夢の時代にも光を当てて、少なくとも企業に橋渡しをするまでフルに一貫して研究しようじゃないかということになれば、それが、この中期目標期間の4年間で花開くのはなかなか難しいと思いますが、その取組みが、将来において花を開かせる確率を上げるのではないかということであれば、結果として、その取組みがアウトカム評価の結果としていいのではないかと、例えばそういう評価も可能、そんな関係にあるのではないかと思っているところです。

それからもう一つ、独法制度というのは、もともと議論をされたときに、いわゆる事業を行っているような組織を念頭に置いて制度設計がなされていて、例えば企業会計原則も当然その一環だと思いますが、私は、効果を金銭的な尺度でカウントできるような事業を想定して制度設計がなされていると思っております。

特に産総研のような研究機関、それも事業を自ら行わず、成果を企業に対して橋渡しをするところまでを担うような研究機関であると、その成果を金銭尺度でカウントするということは、実はなかなか非現実的なことではないかなと思っております。そのような意味で、どうしてもアウトカムに関しては、シナリオドリブン的な、定性的なことしか言いづらいのではないかと思っているところです。

岡田委員:一点申し上げると、私の企業活動とのアナロジーから言うと、Aというのは実現されたアウトカムの評価といいますが、もう少し企業の長期的な事業ビジョンみたいなものに関係していて、Bというのが、先ほど、悪夢の時代をどう評価して、企業としての研究活動というものをどういう方向づけにしていくか。Cが、どちらかというと、先ほど申し上げたインカムというか、ゲインというか、レバニューとオペレーティング・プロフィットの世界、Dは、そういったことに向けてのマネジメントの評価、これは、またちょっと別の視点という印象がありますが、こういう見方で正しいのかどうか。

倉田産総研チーム長:いい見方ではないかと思います。ただ、私は企業の中にいたことはありませんが、ニュアンスとしては、組織体としての運営という意味で考えれば同じようなことではないかと思っています。

山野井委員:アウトカムというのは、定義の問題もあると思いますが、産総研のミッションとして、このアウトカムを評価するというのは正しいと思います。大学等とはやはり違う点があるわけです。ただ、先ほど話があったように、非常に難しい評価になるわけで、例えば、アウトプットとアウトカムの間の時間差がある。どのくらいかは、はっきり言えないぐらいの不確定要素がある。あるいは、ある産業技術ができたときに、100%産総研のコントリビューションなのかどうかもわからない。幾つかの組み合わせの中のある部分において、産総研の成果が生かされているというケースもあるだろう。あるいは、アウトプットの利用者に対する依存度、ニーズというか、こういう問題も当然ある。

確かにアウトカムを評価することは正しいと思っていますが、最後のアウトカムだけを考えると、途中の経過は一体どうなるんだということが大変難しいことになるので、私の解釈でありますが、アウトプットとアウトカムの時間差というものを埋めるのが、先ほど出てきたアウトプットの定量的指標であるとか、マネジメントであるとか、あるいは学会活動とか国際活動等を含めて、すべて、それがアウトカムに向かって動いているのかどうかということだと思います。全然アウトカムとはずれているのがあるかもしれませんが、あくまでもアウトカムというものを想定したときに、全体がそれに向かって動いているのかどうかという判断なんだと思っています。

しかし、経年的な評価をしなければいけないから、私のイメージから言うと、例えばマネジメントにしても、ロードマップにしても、これはアウトカムになる可能性が高いとか、あるいは全くないんじゃないかとか、相当難しいんじゃないかという判断が大事になるのではないか。それがプロセスの判断であると思います。だから、例えばマネジメントならマネジメントを取り上げると、このマネジメントなり、これに基づくこの体制で動いている場合にはアウトカムになる。それはいつとは言えないが、大きなアウトカムが生まれてくる可能性が高いと判断できるかどうかという、ここが評価のポイントではないかと私は思います。

したがって、全体としてこれは非常に難しいし、確かに、アウトカムにどういうようにコントリビュートしたかということを考えると、相当高い専門性をもった方が技術の中身を深く解析した中で、この産総研のアウトプットの成果がどう生かされたかということを判断することになると思います。ただし、あえて難しいアウトカムを最終的に評価の対象とするというのは、難しいだけに、それに向かっている動きをすべて含めて、産総研の実力は非常に伸びるのではないか。評価の対象が難しいだけに伸びるんじゃないかという期待感も含めて、私は全体に対しては賛成の意見であります。

黒川委員:これは、確かに難しいが、よく考えてみると、産総研の役割は何かということだと思う。それで、第2種基礎研究とか、いろいろなことがあるけれども、確かに、今までそれはどこがやっていたかというと、一部は大学であり、国研だったのかもしれないが、今までは右肩上がりで産業界が自分で持っていたのかもしれない。

その途中のプロセスは、研究者が開発までのデシジョンをして、製品まで持っていくというところのデシジョンは経営者としては大事で、それは、マーケットによって評価されているわけで、最終的な到達は何かというと、なるべく早く、「死の谷」とは言うけれども、それは、ある程度のリスクはあるから、それをどこで産業界はデシジョンするかということ。これまでは、マネジメントのデシジョンの責任を、うまくいかなくなったときにとらなかっただけの話で、だからこそ、うまくいったときには横並びで、みんな同じところに行って右肩上がりだったからうまくいった。日本の国内の競争が輸出をすることによって、その品質とマーケットをとることによって、薄いけれども利益をとってきたというのが、マイケルポーターが言っているように、そういうのが日本の企業だった。オンリーワンにならなかったわけであるから。

それで、産総研の役割は何かということを考えてみれば、やはり基礎研究はしているのかもしれないけれども、これは国費を使っているわけで、国費を使って、独法になり特許を取得することはいいけれども、それにいくら支出しているかということ。それはマイナスになるに決まっていると思っているが、会社は全体のストラテジーがあるから、捨てる特許、維持する特許と決めている。それが、全体の戦略で、自分でマーケットからお金を稼がなくちゃならないからそういうことをやっているけれども、それは差し当たり、経済産業省にお金が入るかなという評価をしているだけだから、その辺のあり方は、国の税金を使ったらあなたたちは何をするのかというミッションは、明らかにコーポレートとは全然違う。だから、コーポレートのシーズをある程度つくっているのであれば、アウトカムにするためには、これはどこまでオープンなのかということが問題。

それで、ある程度評価できる企業がやればいいが、これには結構目利きが必要。第2種基礎研究にしても、これをアウトカムにするためには、企業サイドが相当目利きして、自分たちでコミットして頑張らなければ、国民の税金がうまく使われないということになりかねない。外国の企業にオープンにするという話でも、もちろん構わない。産総研としては、いい値をつけてくれたからあげましょうと言っても構わないけれども、そうすると、ロイヤリティ市場として、産総研はいいが、国全体の政策はどうなのかという話を最終的には考えないと、これは結局、パブリックマネーだからという話の議論がないと、評価をしていても何のためにしているのか、企業は何しているのかという話になるんじゃないかと思う。だから、評価の視点というのは企業の基礎研究とは違うと思う。

だけど、そういうリソースをつくるというのは、国のコミットメントとしては大事だと思っているわけだから、今までの理工系だってほとんど大学のシーズが産業のもとになっているのが多いわけだけれども、それは人材を供給することによって企業がもらっちゃうところもあるので、それをどういうふうに新しいパラダイムにしていくかというところじゃないかなと思う。

倉田産総研チーム長:黒川委員おっしゃったように、やはり産総研というのは事業会社で

はなく、税金を使って、ある種、公的な役割を負うということであり、だから、独法という位置づけにあると思っています。金銭尺度での評価になじまないと言ったのもその部分があるわけでして、まさに公的な機関をどう評価するか。よくパブリックマネジメントという言葉が使われていますが、そうした中で、当然行っていることの有効性をきちっと見ていかなければいけないという、ある種の原理・原則があるのだろうと思ています。

ですから、アウトカム評価をした方がいい、するべきだというのは、まさに公的な機関が税金を使って事業をする上で、いかに社会に対して自らの成果を還元できるかという視点ははずしてはいけないと思っています。

ただ、それは抽象的な概念、考え方なので、そこまでは述べられるわけですが、それを実際に評価するために何をしたらいいかというところが問題で、そもそも、そのような概念すら、最近の日本でやっと出てきていることですから、特に研究機関ということでそれをやるということになると、産総研は本邦初演になるのではないかと思っています。だから、日本では何もない、とにかくやってみようということしか言いようがないなというのが正直なところであります。

ただ、基本は税金を使う組織として公益的な仕事をする。そこで、極力有効な成果を社会に還元するという視点から、産総研はどうであったのかということを見ていくということなのかなと思っています。

そこには当然、効率性の視点も入るから、組織体としてのマネジメントで見れば、費用と類似の部分もあるとは思っています。

岡田委員:私の発言が、若干誤解を招いている可能性があるので、ちょっと訂正させていただきたいのですが、さきほどオペレーティング・プロフィットという言葉を使ったので誤解を招いたのかもしれませんが、そういう金銭的利益のことを言ったのではなくて、測定しているタイムスケールの長さの差を申し上げたものでありまして、Aが非常に長期的なもの、Bが中長期的なもの、それに比べてCは、要するに、経営の実際のアクティビィティとしての、インカム、レバニューがいくらあり、オペレーティング・プロフィットがどのくらいあるかという、通常は単年度でありますが、2~3年、そういうタイムスケール的に3つの違いのあるものが入っているということを申し上げたものです。ただ3つの違いがあるということは非常に難しいなと思っております。これは黒川委員がおっしゃる、最後のマネジメントの評価ということかと思います。マネジメントの評価をするときに大変難しい判断になってくるかなということを申し上げたかったわけです。

黒川委員:誤解しているつもりはなくて、パブリックマネーでやっている研究はどこまでなのかという話と、日本の場合は、マーケットでドライブされているコーポレートだと言っても、1940年以来、これは銀行の系列に入っているわけで、本当にマーケットにオープンな直接金融でやった会社は少ない。それが今、困った、困ったと言っても、やはり市場でやるんだったら、困ったら早く出ていってくれという話が本当は出なくてはいけないわけで、そういうことをあまりしないできていたから、今こうなっていると思っている。

新しい21世紀の日本を持つためには、パブリックファンドの基礎リサーチはどこまでサポートして、コーポレートは、どこまでグローバルのマーケットに責任持ってやってくれるのという話を問われているだけの話。今まで日本は、新しい車を作っても、ずっとセカンドギアで高速道路を走っていたんだけれども、いよいよおかしくなってきたという話。オーバーヒートしているから、やはり高速道路で走るためには、実はトップギアにして走らなくちゃいけないというのが、直接金融でグローバルマーケットでどうするか、となってきただけの話。そういう意味では、パブリックファンドをどういうふうに、数年の間には、次にブーストしてシフトするために入れておくか、という政略的なところがあると思っている。

山野井委員:黒川委員のおっしゃることはよくわかります。私は、言葉が足らなかったと思うのですが、これは当然のことですが、産総研が産業まで起こすことを言っているわけではなくて、先ほど、アウトプットの利用者に依存するという言い方をしましたが、このアウトプットの利用者の最大の者は企業だと考えています。したがって、企業の責任というのは当然あって、その全体の中での産総研の位置付けを含めてのアウトカムという発想での研究、このような意味で、これはよろしいと申し上げたので、最後まで全部やるべきだというと、それは全然違うと思っています。

松重委員:今のご議論をお聞きして、私としては、評価のあり方としてこういうふうなとらえ方というのは、大学にはできないし、やはり国と密接に関係する独立行政法人の評価としては非常に重要だと思っています。そして、これは難しいと思いますが、やはりチャレンジすること自体が独法の中の一つのあり方としていいと思っております。

結局、評価はミッションが何であるかということに基づいてされるべきだと思います。第2種基礎研究ということ、それからもう一つは、経産省に直結したような研究所であれば、やはり産業競争力というものなどにつながるという視点。それで、今までの議論の中で、いわゆるデスバレーというか、ちょうどそこが弱いというのが前から言われているわけで、これは企業でもやられていないし、大学でもやられていない、まさに産総研でやれるものだと思っています。

デスバレーというのは、幾つかの基礎研究があるけれども、その方向性を幾つかトライアルできる。企業では、リスクがかなり伴うから、それはやらないわけですが、やはり国費を使うとすれば、それはできるものだと思います。だから、そういった面では、一つの大学、企業にはないマネジメント、それから、新しいR&Dの政策として、そういう位置付けであれば、これは、私としては非常に価値あるものだと思っています。

ただ、先ほどの議論のように、非常な側面があるので、これは、かなり柔軟に対応することが必要で、研究者にとっては、これが第一義的な評価になると、非常に反発も出てくるだろうと思うので、そのあたりのバランスをぜひ考えてもらえればと思っています。

橋本委員:アウトカムについては、過去のものについては当然評価はできると思いますが、未来のもの、これからのものについては、企業あるいは国がどういうビジョンを持っているかということがはっきりしないと、これは評価できないのではないか。結果としての評価ができる、ということになると思います。

しかし、そう言ってると何もできないので、最初の原点に返って、いわゆる第2種基礎研究に合致したものかどうか、そういったことをよく考えて評価するというのが妥当ではないかと思います。このような観点でのアウトプットの評価はできると思っています。アウトカムの評価というのは、結果であるから、企業がどれだけ使ったのか、どのように利用したのか、あるいは国がどのように利用したかであるから、今の段階での最初の評価は少し難しいのではないか。したがって、原点に返って評価すべきではないか、こういうふうな感じをもっています。

藤嶋委員:アウトカムというのは、研究者一人一人にとっても、そういう将来の長期的なインパクトファクターがどのくらいあるかというのを考える点でも非常にいいなと思いますが、それをどう評価するかというのは非常に難しい。私は多分、今、裁判制度で一般の国民が裁判員になるというのとよく似たような、一般の国民の評価というのが一番大事だと思います。ただそれをだれにお願いするかがわからないが、多分、報道機関の高橋委員のような科学部の記者の方にいろいろ評価していただくというような、一般的なことというので評価してもらうことが、アウトカムの評価としては一番いいんじゃないかなと思います。

その尺度をどうするかということで、この間、JSTの北澤宏一さんと話していて聞いたのですが、尺度として、例えばアウトカム1とか2とか、マイナス5とかにすると、彼が言ったのは、広島というファクターがあるということ。1ボルト、2ボルトのボルトと同じように、1広島、2広島、マイナス5広島というのがあると考えているとのことでした。その広島というのは何かというと、アメリカはマイナス5広島じゃないかということであって、つまり、平和にどれだけ貢献しているかという平和への貢献度という点で、一つのファクターを広島というファクターにしようということを言っておりました。

だから、アウトカムが大ざっぱな漠然としたものであるから、なかなか難しいのですけれども、いろいろな分野があるから長期的なことを考えなければいけないと思います。長期的な視野の社会一般へのインパクトというのも何かの尺度にする。そして、それを何かの指標にする。例えば、吉川1という理事長の名前でもいいし、そういうようなことをして、それを一般のだれかに評価してもらう。漠然としてはいるが、例えばマイナス5広島というものだって、多分、みんなの印象で決めていくことだろうから、そういうような評価をしていく。ただし、非常に重要な、長期的なことを考えると大事なものと思いました。

高橋委員:感想ですが、このアウトカムの評価というものは、本当に人と時間をかけてきちんとやったらおもしろいと思いますが、これだけで多分、研究チームができるんじゃないかと思うくらいですが、これをやはり産総研だけから見てやっても、多分意味がなくて、日本全体の中でどうだったのかということでやらないといけないと思っています。そうすると、それはものすごい手間がかかることであると思いますが、ただ、だれかがやったらおもしろいなというふうに思います。

逆に、産総研から見ると、この触媒CVD法というのが出発点になって、こういう結果になっているという評価になるんだろうけれども、むしろ、今、世の中で活躍している技術たち、薄型テレビはその筆頭だと思いますが、薄型テレビのルーツを探るみたいな形で研究していって、その中で、産総研というのはどれだけのコントリビューションがあったのかということが数字で出てきたら大変おもしろい。今の三種の神器というような、今華やいでいる技術について一つ一つ調べるというのはやったらいいと思います。

B、C、Dというのは、全体が茫漠としている中で、無理にきちんと分けているなという感じがして、もともとが茫漠としているのだったら、もう茫漠したままでやった方がいいんじゃないかというのが私の感想です。

木村部会長:大学評価においても、大学の特性もあるかとは思いますが、アウトプット評価しかできていないという状況です。そういうことからいうと、私は、ここまでよく分析されたなという印象を持ちました。

ただ、Aについては高橋委員のような意見があろうかと思いますが、我々がコミットしているのは産総研の評価であり、資料をつくるのも産総研でありますから、やはり産総研中心にやらざるを得ない、これはしようがないことだと思います。

B、C、Dについては、私は、このようなやり方も第1段目としてはいいのではないかと思いますが、これは後世に非常に厳しい負荷をかける可能性もあるのではないかと思っています。今までこういうことはやってこなかったですね。私は企業のことはよくわかりませんが、黒川委員の言葉をお借りすれば2番煎じであるし、フロックが非常に多かったことは確かだと思っています。しかし、こういうことをやり出すと、フロックが予言できなかったではないかということで、厳しい批判にさらされることにもなり、そういう意味では、余り分析的にやるのもどうかなという気もしないでもありません。

いずれにしても、ほかの独立行政法人の評価委員会に比べると、この議論は非常に先見性があるものであり、もし御異論がなければ、次の親委員会にこれを諮って、やり方として提示をしたいと思いますが、よろしいでしょうか。これで決まりということではないので、また内部で、あるいは委員皆さまからご意見をいただき、方向を変える、修正するということは可能であると思いますので、これでご了解いただければと思いますがよろしいでしょうか。(異議なし)

議題(3)非公務員型への移行について(報告)

木村部会長:3番目の議題です。これは報告になりますが、先ほど、局長からもお話がありました、非公務員型への移行の問題です。資料3-1と3-2で、倉田チーム長から報告をお願いします。

倉田産総研チーム長:昨年の12月に、この部会でも御審議いただいた独立行政法人産業技術総合研究所法を改正をすることにより、産総研を17年4月の次期中期目標期間から非公務員型に移行するということ。資料3-2に法律の改正案の要綱、新旧対照表をつけてありますが、3月2日に閣議決定を行い、正式に参議院に送られることとなりました。

改正案の内容は、独立行政法人産業技術総合研究所法の第4条で、「産総研を特定独立行政法人とする」と規定しており、この特定独立行政法人というのは公務員型を指す文言でありますが、この部分を削除することによって特定独立行政法人でない法人、すなわち非公務員型の独立行政法人に移行することになります。移行の期日は17年4月1日ということになります。

ただし、非公務員型への移行はするが、依然として産総研は公的な性格を持った研究所であり、秘密保持義務というのは法定で同様に規定されるということ、それから、見なし公務員規程を置いて刑法その他、例えば収賄罪の適用を可能にするというようなことも同時に行うこととなっています。

それから、現在勤務している公務員型の産総研の職員の方は、法律によってすべて新しい産総研の職員に移行することになりますが、その際に、当然、退職金に関しては、絶対額ではありませんが、これまで勤務した期間は、新しい法人においても退職金の算定においては期間通算するという項目も置いております。

ただし、これによって、これまで国家公務員法、それから、国家公務員退職手当法等々の各種現行国家公務員法制の適用を受けていたわけでありますが、こうしたものの適用は受けなくなり、特に人事面での産総研の自由度は、今以上に拡大するということが期待をされるわけであります。

木村部会長:この部会でもいろいろご議論していただき方向性を出していただきましたが、本件に関して何かご意見等があれば伺いたいと思います。

橋本委員:これは、ただ今の説明のような方向で決まっていくものと思っていますが、ただ、今話題になっている研究者の報奨の問題を今後どういうふうにされるのか。非公務員になった場合、今、会社でも非常に悩んでいるところでもあり、一つの指標になるのではないかと思いますので、今後もよろしくお願いをしたいと思います。

倉田産総研チーム長:これは今後産総研自身で決めていただくことではありますが、現在、産総研は職務発明規程を整備をしておりまして、産総研の場合には、職員が職務で発明したものについては、すべて機関帰属、つまり産総研の帰属になります。

その上で、産総研の職務発明規程では、原則として、それによって産総研の特許となったもので、その特許の実施を、例えば民間企業に設定するなどしてロイヤリティが上がった場合には、その収入の4分の1が報奨金として発明された方に支払われることになっております。その4分の1というのは上限がなく、例えば中村修二さんのようなケースで、あの場合、裁判所は1200億円の利益があるというふうに想定をしたわけですが、もしそうだとすれば、現行の産総研の規定では、約300億円が発明者に対して報奨金として支払われるということになります。

これ自身は、非公務員型、公務員型ということの影響は受けないので、今後産総研でそれを自立的に決めていただくことになると思っています。

黒川委員:それは、パブリックマネーを出しているところで、それでもいいのかという話になる。例えば非公務員型だからといって、アメリカのように競争型資金を自分で取ってきて、自分の給料も大学経由で、まさに自分の給料は自分で取っているんだというのならまだいいが、非公務員型といっても税金が流れてきてやっている人が、そんなことをやっていいのかと。これはかなりのリーガルイッシューになってくるので、それを簡単にそんなこと言っていいのかということ。つまり、研究費で自分のポジションを確保して大学に場所をかりているというのがアメリカの大学の普通のチョイスである。

だから、それはうまくいかないかもしれないから、よく考えて制度を作るべきということ。ただやっておりますじゃ済まないよということであると思う。

木村部会長:企業と違いますから、どのくらいのプロフィットが出たかということの判断そのものは非常に難しい。しかし、パブリックマネーを使っているというのは厳然たる事実なので、その辺のところは大きな議論になるところだと思います。

吉川理事長:我々の(ロイヤリティ収入に対する報奨金)25%というのは、ただやっていますというのではなく、一つの哲学を持ってやっています。少し誤解があるようですが、産総研は儲けるということはしませんから、1200億円の300億円というのも、それはライセンスマネーが1200億円入れば300億円となりますが、そんなことは世の中にあり得ないわけで、ライセンスマネーというのははるかに小さなものですから、実態はそんなに大きくはなりません。

25%という意味は、それは国の金を使って給料も払われていますが、発明は金によって行われたものではなく、一人一人、個人の能力によって行われたものだ、それが4分の1だということなのです。もちろん、これはオープンに議論すべきことだと我々は考えています。

議題(4)役員退職手当規程の改正について(報告)

木村部会長:それでは、4番目の議題の「役員退職手当規程の改正」であります。これは、昨年の12月19日の閣議決定を受けて、独立行政法人の役員退職金の算定に際して、支給率の引き下げ及び業績勘案率の導入などの方針が全府省ベースで決定され、経産省関係の独立行政法人についても、すべての法人の規程が改正されたものであり、この件は親委員会で書面審議をお願いしたところであります。

きょうは報告という形で、産総研に関する部分について事務局から説明をお願いします。

倉田産総研チーム長:木村部会長からお話があったとおり平成15年12月19日付けで閣議決定がなされ、独立行政法人の役員の退職金に関して、その支給率を一律に引き下げるとされたものであります。ベースラインを在職期間の1カ月について報酬月額の100分の12.5とし、従来は100分の28であったものを100分の12.5に引き下げるということであります。ただし、この12.5という数字に関しては、その在職期間のときの評価の結果に応じて、中庸の評価であれば12.5のままでありますが、例えばAなりAAを取れば、それが1.5倍なり2倍なり、そういう形でスライドをするという形の体系に切りかわる。これは、産総研だけではなくて、すべての独法に関して、ことしの平成16年1月1日から施行されているものであります。

議題(5)その他

木村部会長:その他として2件ありまして、事務局から説明をお願いします。

まず、平成16年度予算額について、倉田チーム長から参考資料4の説明をいただきたいと思います。

倉田産総研チーム長:参考資料4に基づき説明。(質疑応答なし)

木村部会長:その他の2番目、第2期の中期目標期間に向けた取り組みについて、これは参考資料5により吉川理事長、吉海理事からお願いします。

吉川理事長、吉海理事:参考資料5に基づき説明。(質疑応答なし)

木村部会長:議題については以上で終了ですが、事務局で連絡事項等あればお願いします。

倉田産総研チーム長:議事要旨に関して、従来同様、部会長に御一任をいただき、議事録は案を取りまとめ次第、皆様方に確認をしていただいた上で公開したいと考えております。

経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.