経済産業省
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審議会・研究会

産業構造審議会流通部会流通・物流システム小委員会(第4回) 議事要旨

日時:平成17年3月14日(月) 15:00~17:00

場所:経済産業省本館17階 第2~第3共用会議室

出席者:
宮崎代理(縣委員)、井口委員、石井委員、鎌田委員、川委員、木下委員、國領委員、小竹委員、齋藤委員、佐竹委員、玉生委員、眞鍋委員、宮下委員長、村尾委員、湯浅委員、渡辺委員

検討内容:
1流通・物流システムの将来像
2中間取りまとめ(案)提示

配布資料:
議事次第
資料1 第3回流通・物流システム小委員会 議事要旨
資料2 ID技術によるサプライチェーンの可視化とその意味
資料3 中間取りまとめ(案)
資料4 今後の議論の進め方

議事概要:

(1) 國領委員から、ID技術によるサプライチェーンの可視化とその意味について資料2に基づきプレゼンテーションがあった。それに対して、委員より以下の質疑と意見があった。
※ ●はプレゼンターからの回答

○ 物流、商流、決済が一元化出来る形が重要との指摘は良く分かった。今現在の、データベースの状況はどうなっているのか。結合可能な形になっているのかどうか教えて頂きたい。特に国際物流では、インシュアランスの問題も絡むため、現状での一元化は非常に大変なことが分かってきた。ボトルネックはどこにあるのか、そもそもデータベースが出来ていないのか。
● 一般的な消費財の関係で考えると、中小零細企業では情報化が出来ていない面もある一方で、大手による既に構築されたレガシーシステムもあり、そこには膨大な量のデータベースがある。新しく構築することと、既存のものを転換させていくことを一度にやるので、難しいが、未来の姿をきちんと描き、まだ情報がつながっていないところに「ここにつなげるような形を目指してくれ」と伝えることと、既存のものを徐々に転換してもらう際のあるべき姿を、どれだけ提示し、巻き込んでいけるかということだと思う。何よりも現世利益が推進力となる。売上増やコスト減を示すことが実現のスピードを加速させると思う。

○ 最近の電子タグに係る動きや進捗状況はどうなっているか
● オートIDセンターは、バーコードに代わる次世代研究のために立ち上げられた。一昨年10月に実務推進グループと研究グループに分かれた。実務推進グループはEAN/UCCとともにEPCグローバルとして活動し、研究グループは、次世代の技術やモデルについての研究を進めている。

○ アパレル業界での電子タグ実証実験は3回目であり、効果は相当あるということが分かってきた。しかし投資額が半端ではない。これが、実稼働にまで踏み込めない要因である。百貨店で売上が10%以上増加したのはすばらしいが、百貨店業界そのもののIT化がこれまで進んでいなかったからではないか。私としては、マーケティングで投資に見合う効果を得た方が電子タグ実用化まで早いと考えている。
● 指摘の通り。電子タグ利用を考えたとき、バックエンドとフロントエンドでどちらがより効果が上がるかというところで日米に格差があるのは学者としては面白いところである。米国の視点はバックヤードの効率化だが、日本では携帯電話と利用をつなげる等、フロントエンドでの新しい試みに利用するアイデアが多い。このあたりで日本はイニシアチブを取れる可能性があるのではないか。

○ 日本での電子タグの利用は米国よりも小さな形で行われると思われる。実用化については、何年後という言及は難しい。

○ オープンにする部分と、クローズにする部分をきちんと誰かが決める必要がある。小売業としては、ウォルマートのような盗難防止の利用法よりも、顧客への安全性、生産管理明示に電子タグを活用できないかとまず考える。温度管理やトレーサビリティーに結びつくものであれば、チップのコストが、という議論よりも実用化にて向けレベルが上がった話になるはずだと思う。

○ 全ての個品に着けるのがいつになるかは分からないが、ある程度以上の価格の商品は物流を中心に活用を考えられるところである。ユビキタス社会といわれるが、コード体系やプロトコル等、様々な問題がある。縦横一気にやらなければならないものもあり、既存のレガシーシステムを各社がそれぞれ持っている現状がある中で、どうやって実現していくことになると考えているか。
● 4月1日に個人情報保護法が施行される。セキュリティ、プライバシーが大きな課題となっていく。可視性が高まるということは、運用をきちんと出来る使われ方が必要になるということ。
 バックヤードでどう使えるかということについては、現状、利用される技術もQRコード、バーコード、商材も牛肉や青果など、様々な場所で様々な動きがある。それを無視して、全て電子タグだ、と主張しても現実的ではない。求めることによってQRコードのほうがコストパフォーマンスが良ければそちらを選択するのも当然、という形で、混在するのが現実である。継続性を持たせなければいけないのはデータベースの方。大切なのは、バーコードから電子タグに乗り換えるときに再構築が必要となる形にしないことである。そこで利用するものは、電子タグで運用可能にしないといけない。EPCのコード体系は、かなり柔軟性を持っており、既存の商品コードを載せることが可能である。技術的には、冗長で重くなってしまうため、許容度を上げるには限界があるが、その兼ね合いをにらみつつうまいものを作り、やる気にさえなれば、実用が出来るかなという物が出来た。ここで実用に向かうのは、実は最後は川下の会社、リテール企業が動いたときに動くのではないか。しかし、リテール企業においても、どれがデファクトになるか分からない状態で電子タグを使おうということにはならないだろう。いかに電子タグを使える環境を整えておけるか。コストが下がり、使える状況が用意出来た際に、実現するのではないかと思う。政策の中にも、方向感覚を入れてほしい。

○ 決済一体化について、売掛債権がキャッシュフローにつながるので、企業にとって非常にインセンティブが湧く話だと思う。決済に結びつけるのに難しい点は何か。またうまくいきそうな業界やうまくいっている例があれば教えて頂きたい。商務流通Gの所管にクレジットカード業界があるが、うまく結びつけられないか。
● ある会社は、卸倉庫の納品時にゲートを通過した瞬間に売掛債権が立つ仕組みを構築し、それによってバランスシートから10億円が取れる効果が出た。クレジットカードを考えると、宅配便のクレジット決済と同じである。物流業者が介在し、ファイナンスもクレジットカードなりICカードなりで可能ということ。しかし、大規模な受発注が発生する商流EDIと、現在銀行に任せている金流を全て併せるということになると、かなり困難である。セキュリティレベルの差ひとつとっても、難しさはいくらでも挙げられる。ただ、そこにビジネスモデルがあり、チャンスだという目で捉えるようになれば、変化は起こるのではないか。萌芽的にみれば、あちこちで色々試行されている。

○ 現状で、上手く組み込んだビジネスモデルは存在するのか。
● 請求書の発行が早くなったという規模の話はある程度ある。今年くらいから、おさいふケータイなどのスケールの小さい話が始まってくるのではないか。規模の大きな話にどれだけ結びつけられるかは分からないが、経済産業省でやっている電子債権事業等はまさにそういった話だと思う。ただ、動産なので、セキュリティと管理、トレースが重要なポイントとなってくる。

○ BtoB決済をオンラインでやった例という質問趣旨であれば、当社で試みたことがある。しかし、あまり効果がなかった。月に2回の決済を、共同決済口座でやってもあまり意味がない。間違いが多ければ有意義だが日本の金融は優秀で、任せられる。また、卸からメーカーへ支払う決済が通常だが、時々販促費用をメーカーから卸へ支払う逆の決済が発生する。これがなかなかシステムに乗らず、結局止めてしまった。


(2) 浜辺流通・物流政策室長から、産業構造審議会流通部会流通・物流システム小委員会中間取りまとめ(案)について資料3に基づき説明があった。それに対して委員から次のような意見があった。

○ 商流の問題について経済産業省でもう一つ重要な審議会がある。産業構造審議会流通部会・中小企業政策審議会合同委員会である。こちらは小売業と街づくりの接点が焦点だが、流通・物流システム小委員会は、よりビジョン的といえる。気になるのは、流通・物流システム小委員会のビジョンが、商流、物流、情報流の3つを押さえつつ、提言は物流と情報流に集中している。あまり政策にはなじまないかもしれないが、小売の構造業態問題にも触れておいた方がいいのではないか。
(事務局より)
流通業界で様々な問題があることは承知しているが、政策としてどうスタンスをとるべきかは非常に奥が深い問題である。もう少し時間をかけた議論が必要であり、合同委員会でも議論されているであろうところだと考える。

○ まとめ方の軸の問題にひっかかりがある。p28で、「次世代の情報共有基盤」とあるが、情報基盤の構築という趣旨ではなく、これらを利用して商流のシステムを変えていく、という趣向ではないか。焦点は情報技術にあるのではなく、商流のシステムの問題であるということが分かるよう、書きぶりを商流に寄せる必要があると思う。業態問題等もたしかに重要だが、この場であまり議論できていないし、今後議論が必要だということではないか。また、今回の肝である商流・情報流について、「あるべき姿」だけでなく、具体論、組織論をかなり書き込んでいく姿勢が望ましい。こういった報告はこれまで「既存の組織や手法を活用していく」といった踏み込み方で終わっている例が多かった。特に、p14については、ユーザー主導でやっている部分と官の役割部分はどこになるのか。切り分けを明確にする必要がある。

○ 改めて整理すると、いかに克服すべき課題が多岐にわたっているか分かった。その上で、主語を明確にすべき。誰が、何をすべきかというところの役割分担をはっきりさせる必要がある。個々の企業がやるべきこと、国としてやること等の指摘・記述があってもいいのではないか。物流に関しては、3PLをどのように育成していくのかもっと切り込んでもいいのではないか。メーカーや問屋といった荷主企業の物流で、自社物流から先に進まないものが沢山ある。外出しすれば効率化が進む体制を作り、荷主企業にアピールする必要がある。商慣行とコスト可視化について。物流コストが商品価格に含まれて見えない状態では、どう分ければ公平か分からないのが現状である。コストの可視化は大変重要。実際に存在するサプライチェーンで、コストを可視化する試みも必要になってくるのではないか。

○ 情報共有の問題については方向性は中間取りまとめ(案)の通り。問題点もカバーされている。次回が4月中旬予定とのことだが、時間に余裕はあるのか。次回、いかに具体化させられるか。実現可能性ある具体策を如何に提示できるかが問題である。

○ 環境問題について、p12のグラフでも分かるとおり運輸部門は前年比でみれば1.9%減少している。運輸部門は自家用車等もあり指導等が困難な面もある分野。ここだけを問題と取り上げた書き方では、反発も出る恐れがあるので、もう一言あったほうがよいのではないか。コストの可視化については、共同物流を実施している際の割り振りの問題もあり、大変重大だと思う。親会社、子会社の関係では、コストを明らかにすると必ず値引きに話がつながるので、つらいところもあるというのが正直な感想である。

○ 日本の小売業界は、比較的うまくいっていると思う。欧米に比べて新規参入も容易。しかし物流は、問題点が多い。共同物流が進めば、グリーン物流にもつながるので、改善の余地があるのではないか。コストの可視化については、難しい問題だが業界垂直水平に共有できれば、大変な流通改革になると思う。レガシー問題に関しては、殆どの企業が抱えている問題。

○ 使われている言葉をより簡単に、明確にして頂ければ理解しやすくなると思う。実現に関しては、縦割り行政の中で本当に出来るのかは不安を感じる。

○ コストの可視化について、ビール値上げに関するせめぎ合いが業界で議論を呼んでいる。原価に利益を乗せたいという話がとおらない。それをみていると、コストの可視化は困難な問題である気がする。流通業界の末端に、根本的な認識が出来ていないという現実がある。

○ 流通外資についての問題は、現在大変動きが激しいところなので、書き方に注意して欲しい。

○ 環境について、改正省エネ法に触れることはできないか。海外でも、物流に関するCO2排出を運送業界がもつか荷主を含むか明確になっていないが、日本は荷主が入る方向となっている。
(事務局より)
改正省エネ法の施行は、来年の4月以降となる予定である。CO2排出量の算定基準は、環境調和型ロジスティクスマニュアルを参考にしながら国土交通省と摺り合わせていくこととなる。報告書で触れることに関しては、関係部局と調整すれば可能と考える。

○ 業界の縦割りよりも役所の縦割りの方が、弊害である。情報に関しては、内容の監査の話も何らかの形で入れた方がいい。生産履歴、管理履歴が焦点となると、情報の正確性は必ず問題となる。

○ よくまとまっていると思う。これだけの課題を一発解決するのは不可能ではないか。製配販で、認識共有をするための議論の場と、それを実務の下のレベルに落とす仕組みを構築する必要がある。それを考えるとやはり主語が重要で、どういうロードマップで、何年後に何をするかを共有する必要がある。電子タグについて、日本はウォルマートのようなパレット単位でなく、バラピッキングした折りコンでの活用余地が大きい。折りコン、事前出荷通知を電子タグで解決すると、非常に効率的だと思う。

○ 流通近代化の大前提は、コストの可視化である。今まで出来てこなかったが、コストの可視化はサプライチェーンマネジメント、センターフィー問題等の、全ての前提となる。より力を入れた表現にして頂きたい。

○ 色々な部門に突っ込んだ報告書となっており、これほど役所でまとめたというのは大変なことだと思う。方向性を見いだした中で、システムの改築・改装が必要だが、ロードマップがないと、各企業でまた独自にやってしまうので、リーディングが必要である。また、欧米でもそうだが、たいてい大手がデファクトで引っ張る形がとられる。中小企業をどうすべきかも、問題としてある。

○ 許容範囲を含ませた方がいいのではないか。標準というのは、これにのっかってくれと提示するのはいいが、既存システムが現にあり、かつ、いつデファクトが台頭するか不透明な状態では、なかなかプレーヤーはのってこない。UN/EDIFACTやebXMLに限定せず、許容範囲を含ませたほうがいいと思う。

○ 商流について、最近卸のビジネスに外食・中食産業が入ってきた。環境変化の中に、そういった変化も含め、視野に入れて欲しい。


(3) 浜辺流通・物流政策室長より、今後の議論の進め方について、提示した中間取りまとめ案については3月28日まで委員からの意見を募り、意見をふまえ修正したドラフト案を4月上旬に提示し、4月中旬には中間取りまとめについて再度審議する旨説明があった。



【問い合わせ先】
 商務情報政策局流通政策課 鎌形
 TEL:03-3501-0092
 FAX:03-3501-7108
 

 


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最終更新日:2005.03.24
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