経済産業省
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産業構造審議会流通部会流通・物流システム小委員会(第4回)議事録

○浜辺流通・物流政策室長:それでは、定刻になりましたので、ただいまから産業構造審議会流通部会流通・物流システム小委員会を開催いたします。

流通・物流政策室長の浜辺でございます。よろしくお願いいたします。

年度末のお忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。本日は、商務流通審議官の迎が愛知博覧会の開催を前にしておりまして、総理官邸の方に説明に出向いておりまして、欠席とさせていただきますので、その旨ご了承いただきたいと思います。

事務局より、資料の確認をさせていただきます。お手元の資料一式の上に配付資料の一覧がございます。資料1番から4番までそろっておりますでしょうか。もし不足がございましたら、お手を挙げていただければ、事務局の者が参りますのでお申しつけください。よろしくお願いいたします。

○宮下議長:それでは、本日の議題に入らせていただきます。

お手元に「議事次第」がございまして、本日は2つの主なテーマ。1つは委員報告と、もう1つは事務局からの「中間取りまとめ(案)」についてご説明いただいて、皆さん方からいろんなご意見を頂戴したいと思います。

それでは、早速、本日の最初の議事でございます「ID技術によるサプライチェーンの可視化とその意味」につきまして、慶応義塾大学教授の國領委員より、資料2に基づいてプレゼンテーションをお願いいたします。

よろしくお願いいたします。

(パワーポイント1)

○國領委員:ご紹介いただきました慶応大学の國領でございます。15分ぐらいお時間いただいてきましたので、私どもが取り組んでおります、世の中で、いわゆる「電子タグ」と呼ばれる場合が多いんですけれども、IDといいますと、そこだけに限らずに、例えばQRコードとか少し抽象化したところで研究させていただいておりまして、それがサプライチェーンにどういう意味を持っているのかということについて、主として、私どもは情報システム側の人間でございますので、私どもからの投げかけというようなことで、ぜひフィードバックいただければと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(パワーポイント2)

まず、電子タグのことにつきましては、改めてご説明するまでもなく、最近物すごい騒ぎになっておりまして、ただ技術的に考えてそんなに大変なことかというと、世の中にいろいろある技術革新の中で、技術的に見てそんなに物すごいものかというと、そうではないんじゃないかという感じがいたします。ただ、世の中でIDが振られて、それがネットワークの上で読み取れるということの持っている意味は非常に大きいんだろうと思っております。

3つぐらいにブレークダウンできるわけでございまして、1つは個体識別であります。今まで、例えばこういうようなJANコードだったらJANコードで、ある商品カテゴリーのものは識別できたけれども、現実にいうと、こういう商品の中には、生産された日とか生産ラインとか、こういうようなものが印字されるという形で記されていまして、実をいうと、必要な要素はこの上に積まれているんですけれども、もちろんバーコードのけた数なんかの制約があったりしまして、現実には、本当にばらばらにあるやつを目で読み取って、読まないと、例えばトレーサビリティーとかという機能が実現できない、そういう状況だろうと思います。

また、個体といったときの個の概念というのは、業界によってさまざまでございまして、例えばこういうような製品になりますと、1本1本個別に認識するということにどれぐらい価値があるか。実をいうと、本当にマーケティングに使われたりし出すと、1本1本にあるといいなという感じがするんですけれども、コストパフォーマンス的に、品質をきちんと管理するという意味からいきますと、例えば同じ日に同じ生産ラインで、同じ原料を使ったものというものが個として識別されていればいいというような話になってきますし、少し大きな単位でロットが個になってまいりますし、薬の業界なんかになってまいりますと、それでは全然済まされなくなってまいりまして、ドースですね。1回処方する最低単位当たりを単位に管理をしていかないとニーズにこたえられないという話になってきまして、箱の中に何十錠か入っていたら、その中の1錠1錠にIDを振っていくという話になったりしますということが個体識別。

それが無線で読み取れることが非常に大きくて、昨年、経済産業省さんが今年度の実証実験をたくさんやられましたけれども、いろいろな実験に取り組まれた方のお話を伺っても、検品のところの効率化、生産性の向上なんていうのは予想以上にということだと思うので、そういう意味で、無線で読み取れて、それがネットワーク化されるということの意味は非常に大きい。

かつ、3つ目が標準化ということでありまして、企業の中などで管理のため、例えばカードキーなんかを使っているときには、既にRFID、電子タグを使っているわけでございますので、そういう意味では、クローズドな世界の中での運用というのはずっと昔からある。これが組織をまたがった形で運用できるようになってくるということで、これを情報システムの側からいきますとどういうふうに見えるかというと、この10年ぐらいで、情報については、下手すると、自分自身のコンピューターのハードディスクの中にある情報よりもGoogleかなんかで検索すると、地球の裏側にある情報の方を早く検索してきてしまったりするというぐらいのことでございまして、情報については本当に一体化ができたのに、物になりますと、隣の部屋にあっても、あるかないかよくわからない。

例えば、これも実証実験の中の三越さんなんかが電子タグを使って、店頭でサイズ違いの商品を探しているお客さんに対して、在庫確認のスピードを大幅に上げることによって、売り損じを減らすことで、2けた台の売り上げ増を実現されているという報告が出てきているわけであります。

とにかく見えるということの持っている価値は非常に大きいということで、今までリアルとバーチャルが切れていたのが、リアルの世界でも、どこにいても、何がどこにあるか、百貨店の店頭でサイズ違いがあるかないか、バックヤードにあるかないかというのが見えるようになってすごくいいとなった瞬間に、今度は、例えば卸さんのところにあるかないかを確認したいという話になってくるわけでございます。そういうようなバーチャルの世界で実現したような利便性をリアルの世界で実現できるということなわけです。

(パワーポイント3)

それを支えるものとしては、実をいいますとタグというのは単なるインターフェースでありまして、もっとずっと大事なのが、後ろ側にあるデータベースのネットワーク、これをどう設計するかというあたりが決定的に重要なポイントになるんだろうと思います。

報告書の中にもGLNの話、GTINの話なんていうのが盛り込まれているようでございますけれども、それに加えてXMLとか商品マスタのGDS、ちょっと3文字用語がいっぱい並んで申しわけないんですけれども、要は後ろ側でだれがどういうようなデータベースを持って、それを有機的に連携できるようなネットワークをどう構築できるかというあたりが非常に大きなポイントになります。

ここのところで難しいのが、プライバシーとか企業秘密というものを片側で守りつつ、もう片側で利便性の非常に高いデータベースのネットワークをどうやって構築し、運用できるかというような話になっていきます。

(パワーポイント4)

実現すると、「可視性」という言葉で集約できるのかなという気がしていまして、つまり、IDの技術というのは可視化の技術であるといっていいんじゃないかと思っております。今まで、バックヤードにどういう靴が在庫しているかが見えなかったものを見えるようにする技術でありまして、可視性というものが説明可能性とか管理可能性とか、最後に、効率化とか安全性とかさまざまなベネフィットにそれが結びついていくというような話になっていきます。こういうふうに考えることによって、場当たり的にいろんなものが、こんなメリットがある、こんないいことがあると、夢物語みたいなことばかりいっぱい並んでくるやつを、本質はどこにあって、もっと大事なことは、どのあたりに現実の利益があるのかということを考えたいところなわけです。

例えば「アカウンタビリティー」という言葉で理解すれば、なるほど、この技術というのは、会計ですね。私が最初に電子タグを見て、この技術は注目しないとだめだと思ったのが、ある金型工場の中で、非常に高い金型を、それも非常に高い工作機械と、ドリル1本でも大変な金額のものを組み合わせて製造されている。試作金型なので、1品1品違うものをおつくりになったわけです。そういうような工場では何が大変な課題になるかといいますと、原価の配分ですね。どの金型にどれぐらいの機械を何分ぐらい使ったかというのが正確に把握できないと、売り上げ的にはすごく上がっているのに全然儲からない工場というのができてしまう。

(パワーポイント3)

1枚戻って恐縮ですけれども、これがリアルタイムに、現場でひもづけられているところが非常に重要だと思っておりまして、これも情報システム的にいうと、根っこから考え方が変わるわけでありまして、今までの情報システムというのは、物流の流れなら物流の流れを追いかける。商流ですね。所有権の移転は所有権で別の伝票で追いかける、決済の方はまた別ので追いかける。別々に管理しているものを元帳のところまで持ってきて、根っこのところで照合させて、象徴的なやつが消し込み作業というやつでありまして、日本じゅうで消し込みのために何万人雇用されているのか知りませんけれども、膨大な手作業をやっている。かつ、そこでタイムラグを発生させているわけですね。

消し込んで請求書を発行するまで、それが売掛金に立たないという話になってくるわけで、これが、実をいいますと、物が流れるのと同じときに、ゲートをくぐった瞬間に、物流と商流と決済の処理を一括してそこで立ち上げることができる。これの大前提が、いわゆるユビキタスなネットワークというやつでございまして、どこでもセンサーがあり、どこでもネットワークがあるという状態をつくることが可能になりますと、そういった可視性がないことに伴う不効率、それからタイムラグが発生していることによる不効率というものを、この辺になると、だんだんホラになってくるんですけれども、一気に解決することを可能にすることなんじゃないかなと思っております。

ただ、この辺がいかに難しいかというのは、私も博士論文がEDIだったので、随分昔に物流と商流の統合みたいな話、あと決済のEDIという話もあったんですけれども、そのころにはまだ生まれていなかった子供が随分大きくなったぐらいの年数がたっていますので、この話は、技術的につながるという話と実際につながるという話はかなり距離があるということを理解した上で、それが実現していなかったことによって、今まで抱えていた問題の大きさというのも痛感するわけでありまして、これがちょっと発想の違うところで、現場でつながっちゃうとかというところで解決できる可能性を今提起してくれているものじゃないかなと思います。

(パワーポイント5)

こういうようなことを具体的にいろんな業界で取り組みをされているわけでございまして、例えばトレーサビリティー、これも可視化、見える化できることによって、追跡したり遡及したりすることができて、それの応用というものが、こういうような業界でこれだけいろいろなことがありますということですし……。

(パワーポイント6)

単なる便利を超えて、もっと、すごく根源的にいうと、この辺がリアルとバーチャルの結合のゆえんなんですけれども、インターネットが一体何をしてくれたかというと、いろんなことをしてくれたわけなんですが、最大のポイントは、場面から発信される情報をつかまえてつなぐことのコストを物すごく下げたわけです。

放送という技術が出てきたときに、中央に集まっている情報をバーッとばらまくコストはすごく下がったんですけれども、一たん場面に散らばっちゃうと、それを吸い上げて再結合するコストは物すごく高かったわけです。電話とか電信とかは多少下げたわけですけれども、放送が下げたのよりは、うんとバランスが悪い状態である。

こうなると、だんだん学者のトークになってくるんですけれども、近代というやつは、集中生産したやつを放送電波のコマーシャルに乗っけてバンとばらまくわけなんですけれども、一たんばらまいちゃったらどこ行ったか知らないよ、そういう経済モデルだったわけです。つまり、集まっているものを散らばすコストはすごく安かったんだけど、散らばっちゃっているものを再集約するコストは物すごく高かった。これが、実をいいますと、電子タグのようなものが、センサーがネットワークとつながっていますと、このコストを劇的に下げることができる。つまりインターネットが、検索エンジンを使うと世界のどこからともなく情報を引っ張ってくるのと同じような感覚コストで、そういったリサイクルしなければいけない散らばってしまったものを、少なくとも情報的にキャプチャーする、コストを大幅に下げるということであります。なので、静脈物流とかいうあたりに持っている意味は非常に大きいんだろうと思ってやっております。

(パワーポイント7)

あと、最後にちょっと、2~3分超過させていただきますと、こういうような非常に大きな可能性があるものなんですけれども、ぜひ避けたいのが、囲い込みとか分断化のようなものが起こるということで、これは余りいい過ぎない方がいいのかなという気もしまして、こういうような局面のときには、どこかリーダーシップ、旗をとる会社がいて、それにぐいぐい引っ張っていただく方がいいというのも、片側で事実ですので。

標準化、標準化といい過ぎて何も起こらないんだとよくないですし、先導してやられたところが、先行者の利益を得ていただくのもいいと思っておりますので、言い過ぎは気をつけなければいけないんですけれども、それを申し上げた上で、先ほど申し上げましたような、リサイクルが可能な社会システムみたいなものをこれで立ち上げていきたいということ。

(パワーポイント8)

それから、グローバルに広がっているもの、製品リコールなんかを仮にしなければいけないような局面のときに、世界じゅうどこでも追跡できるという方がはるかにいいわけでございますので、ぜひ非常にオープンなプラットフォーム。これも物理的なプラットフォームというよりは、コード体系が標準化されているとか、データベースのつくり方のアクセスの方法、プロトコルが標準化されているというような意味でありまして、必ずしもどこかに第三セクターの会社があってそこが運営しているというイメージではなくて、どちらかというと、もっと分散したネットワークの環境の中で、通信方式とか表記の意味、我々の業界で「セマンティックス」というんですけれども、そういうようなものをきちんと標準化しておくことで、相互に運用可能な仕組みというものをつくっていかないといけないということであります。

(パワーポイント9)

次のやつはちょっと、これだけですごい長い時間がかかって、きょうの本題ではないと思うんですけれども、こういうようなことをやっていこうとすると、もちろんこういうプライバシーに代表されるような社会的な需要性の話というものもしっかり対応していかないといけないということはもとよりでございます。

(パワーポイント10)

そういうようないろいろな要素をひっくるめて、とにかく高まる可視性のメリットというものをもちろん技術で担保していき、その上でビジネスモデル、これは共通基盤をつくったときに、だれがコストをどう負担するんだという課題があったりしますので、その上でのビジネスモデルをきちんとつくっていき、その上でまた制度をしっかりつくって運用していくというような話になるのかなと思っております。

このお話がどれくらい今回の報告……、次の報告には必ずすごくつながると思いつつ、でも、こういうような方向感覚を持っていただきながら、当面の業界の課題のようなことについてお考えいただいて、ひとつ参考にしていただけたら幸せでございます。

以上でございます。

○宮下議長:ありがとうございました。

ただいま國領委員から、これからの情報化問題について基本的なところを押さえていただいたわけですが、何かただいまのご説明へのご質問なり、あるいは内容を超えて、電子タグ問題あるいはこれからのネットワーク問題、それらでも結構ですので、ご意見なりご質問をいただければありがたいと思います。どうぞ、どなたでも。いかがでしょうか。あるいは、今のようなお話を伺って、政府は何をすべきか。将来の流通モデルのために、そんなご提案でもご意見でも結構です。いかがでしょうか。

○石井委員:どうもありがとうございました。1つ重要なお話をされていたなと思ったことは、データベースをネットワーク化するというお話で、物流と商流と決済とかそういうものが結合化できるような環境に整いつつある。データベースそのものが今世の中にいろんな形で、企業さんがクローズドで持っているものから、オープンで使えるもの、いろいろあると思うんですけれども、どういう段階にあるのかなと。要するに、結合する以前の、まだそれぞれを整えていかなきゃいけない段階なのか。それとも、こういう技術が出てくれば、ある程度それは技術的に解決してつないでいくことができるのか。

私も、昔からEDIとかいろいろやりながら、何で物流、商流がうまくくっつかないか。あと、特に国際物流になると、インシュアランスの問題とかそういうものもあって、これが一遍に解決できるようになればすごくいいのになとか思いながら、でもボトルネックは本当にどこにあるのか。そもそもそういったデータベースがきちんとできていないんじゃないかと最近ちょっと思い出しているもので、もしお気づきの点があれば、ご意見いただけたらなと。

○國領委員:業界によってさまざまなところがあるとは思うんですけれども、一般的な消費財のことを考えたときに、まだまだ零細な企業のところで、その辺の情報化がきちんとできていないという面が片側である。もう片側で、表現を間違えると怒られるので気をつけますけれども、あえて単純化して申し上げると、既にかなり大きな投資をされてつくられてしまっている、いわゆるレガシーというシステムがありまして、そこに膨大なデータ量がたまっていたりします。これに手をつけなければいけないという、既にないものをどうやってつくるかという話と、既に非常に大規模にあるものをどうやって転換するかというこの問題を一遍に解かなければいけないというところが、この話の難しいところだと思うんです。

ただ、そういうことをいっていたら何も起こらないので、やっぱり未来の姿というものをきちんと描き、今はまだつながっていない方々に、これをめがけてつないでくださいとお願いをし、もう既にレガシーをお持ちの方に対しては、こういうような手段で徐々に移行させ、一遍にかえていただけるのはうれしくはあるんですけれども、多分そうはならないので、巻き取るシナリオみたいなものをどれぐらい用意できるかというような話じゃないかと思っております。

何よりも現世ご利益があって、確かにそれを使ってみたら、これぐらい劇的にコストが下がったり、案外売り上げが上がるというところが大発見だったわけなんですけれども、その辺のご利益が見えてくるとスピードが加速するんじゃないかという気がいたしております。

○宮下議長:よろしいですか。ほかにどうぞ。木下委員、何かございますか。

○木下委員:いや、別にありません。

○宮下議長:いいですか。ほかにいかがですか。

○玉生委員:國領先生のところでオートIDセンターをなさっていますけれども、具体的にどんなことをされているか、最近の進捗とか、もしよかったら聞かせていただきたいと思うんですけれども。

○國領委員:きょうはちょっと、その宣伝活動はあえてやらなかったんですけれども、研究グループ的にいいますと、1999年にオートIDセンターというものがMITで立ち上がりました。これは学術の研究として、バーコードの次というのをねらって立ち上げたグループでございます。それがかなり実用化に迫ってまいりまして、ウォルマートさんがことしから実用化されていますけれども、大規模に採用されるということになったときに、いわゆるEAN/UCCも今はGS1という名前に変わっていますけれども、そこで実務的に推進するグループと研究グループというのが割れたのがおととしの10月になっていまして、ということで、今EAN/UCCで推進されているグループと、研究者グループの方は、世界で6カ国。アメリカMIT、ケンブリッジ大学、セントガレン大学、もちろん慶応大学、アデレード大学、中国の復旦大学、この6大学の国際的な研究者ネットワークで、それぞれの研究者の志向によって、例えば、オーストラリアのグループはほとんど電波のところで特化して研究していますし、復旦の人たちはどちらかというと半導体の製造、チップそのものを研究していますし、慶応大学はもともとインターネットを推進していたグループなので、データベースのネットワークのアーキテクチャーですね、どういうようなネットワークを後ろ側で支えればいいのかということしか、私がたまたまいるので、お金の回収の仕方、ビジネスモデルをどうすればいいのか、このあたりについて研究を進めさせていただいております。半年に1遍ぐらいみんなで集まって、来月オーストラリアでやるんですけれども、一たん実用化できそうなものを世の中に送り出したので、次のジェネレーションはどういうことかということを研究グループとしてはやらせていただいております。

○宮下議長:ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。

佐竹委員、アパレル業界でこの実験をされていますよね。その辺のことについてご説明なりあるいはご質問ございますか。

○佐竹委員:質問そのものはないので、先生のおっしゃるとおりの部分だと思うんですけれども、1つは、今回我々は実験をして、これも3回目になるんですけれども、やはり効果というのは相当あるな。ただし、それに対する投資額というのは半端な額じゃないぐらい現段階ではあるということで、やはりその辺の部分が相当、各企業にとって実用化の足かせになっているんだろうなと。これは実験する前から大体読めていた内容なんですけれども。

我々は、今回、百貨店さんの方で、靴の業界でああいう売り上げ増という形で、10%強の売り上げ増が見込めるようになった、これは非常に大きいことだと思うんです。ただ、これは裏を返せば、別に百貨店さんを批判しているわけじゃなくて、あの業界そのものがなかなかIT化が進んでいなかった。それによる効果が相当大きかったのではないか。逆にいうと、さっき先生もいわれたように、レガシーを中心としたシステムが大体構築されているところについては、それほど大きな効果そのものはなかなか見出せないのではないかということで、冒頭に申し上げたかどうかわからないんですけれども、私自身としたら、いわゆるマーケティングの方で投資に見合うような効果を見出す方が早いのかなというふうには考えております。

ただ、総体的に、方向性としてはこの方向性だろうし、効果も大体見えてきたということで、あとは投資対効果のバランスをどう見出していくかということだと思います。

○宮下議長:先生、ございますか。今のお話で。

○國領委員:全くご指摘のとおりだと思います。バックエンドの方が効果があるかフロントエンドの方が効果があるかというのが日米で見方が全然違うところが、今、学者的にはすごくおもしろくて、アメリカの方はどちらかというとバックエンドオペレーションの方に関心が集中しておりまして、日本の方がどちらかというと店頭を含め、携帯電話なんかと連動させて非常におもしろい仕組みがつくれるというアイデアがどんどん出てきておりまして、そのあたりで日本が世界をリードすることはあり得るのかもしれないと思っております。

○宮下議長:この間、私あるところでしゃべっていたら、ICタグというのは日本でいつごろ、どのぐらい普及するんですか、こういう難しい質問をいただいたんですけれども、佐竹さん、アパレル業界は大体どの辺を、今いろんな問題があるということ、百貨店の靴をいいましたけれども、もっと業界全体的にはどうなんですか。

○佐竹委員:非常に難しいお話でして、現段階では、私は靴は相当進むと思います。靴アイテム以外の部分について、果たして、いわゆる個品での対応をどう考えていくかということになると、答えるのが非常に難しいような状況で、問題はパッケージラベルみたいな、平たくいったら、SCOラベル的な部分での実用化の方が早いのかなと。

これは当然ウォルマートだとか、特にアメリカ系で使われようとしている、まさに流通でのロスを少なくするという方向がアメリカの考え方だとすると、日本の場合は、もうちょっと規模の小さな形での流通間の省力化というのですか、それを目指すことになるのかなというレベルでして、何年後に実用化というのはちょっとお答えしかねますね。

○宮下議長:そういう無茶な質問をしちゃいかんですね。

川委員、どうですか。食品あるいはスーパー業界において。今、百貨店はお話ありましたけれども。

○川委員:まず、その前に今の國領先生のお話で、可視性が高まる、特に現場レベルからのということですけれども、お話の中にもありましたけれども、可視性が高まるということは、一方で今度は、いわゆる人ということからすればプライバシーの問題だとか、あるいは企業からすると、そういったもろもろの企業施策が、それは差別化という形での企業戦略に結びつくのがどうなのかという、そういうのがどんどん発展すれば、そういう問題がどんどん総体的に多くなると思うわけです。

それがこの場の議論の中心あるいは次の中心になるか知らないですけれども、共通の目的のためにオープンにする部分とクローズドにする部分、そういうのをだれかがどこかできちっと決めなければいけないな、そういう時期にもう来ているんじゃないのかなと思います。

それから、今ご指摘のあったICの活用ですけれども、私どもも食品のレベルで本当に一部ちょこっとやっているくらいですけれども、私どもは小売の段階でこれを考えると、やはりウォルマートのようにバックルームの管理、盗難防止だとか何とかということよりも、もちろんそれも大きな問題ですが、やはりお客様にその商品の安全性だとか正しい商品の生産から店頭に至るまでの管理、こういうことに私どもはこういったシステムを活用できないのか。

先般も申し上げました、例えば産地から決められたトレーで運んでくると、トレーそのものにきちっとつけることによって、産地から店頭に至るまでの商品管理。それから、当然それには安全性だけの問題じゃなくて、温度だとか途中の管理でのそういった管理形態ですね。そういったものをきちっとやってお客様にその商品のそれが付加価値として提案できるようなもの、こういうのに結びつけば、もちろん安いのに越したことはないんですけれども、個体でのチップのコストでどうのこうの議論しているレベルからは脱却できるのではないかと考えております。

○宮下議長:ありがとうございました。

同じように、イオンさんどうですか。宮崎さん、どうぞ。

○縣委員(宮崎代理):私どもも、先ほど佐竹委員がおっしゃったように、個品でというのはちょっとまだ、いつになるかわからない。ただ百貨店さんに比べまして単価が安いものですから、個体になったとしても、私どもで扱う中でもある程度の額のものにまずは絞られるだろうと思っています。そういう形で、今は物流中心に考えているところです。

それと、先ほど國領先生のお話の中で、ちょっと質問といいましょうか、話なんですけれども、ユビキタスになってきて、先生の図でいいますと、必要に応じて管理できるというようなページがございましたけれども、確かにおっしゃるとおりで、多次元というんですか、そういう世界になってくると思うんです。いろんなところでいわれるコードの問題とかあるいはプロトコルとかインフラとか、こういったもの、かなり解決せないけないものが、現にいろんなところで動いていますけれども、いっぱいありますでしょう。

そういうような話がある上に、縦横とも、ある範囲で一気にやらないとできないような世界もありますし、各業界どこもジレンマやと思うんです。先ほどおっしゃったように、ガチガチのレガシーをどこも抱えておりますし、このあたり、何か突破口というんでしょうか、皆さん思われていることやと思うんですけれども、何かご指導ございましたら。

○國領委員:ちょっとまとめて答えさせていただきますと、プライバシーももちろん4月1日から個人情報保護法が施行されるので、この話だけではなく、やっぱり情報ネットワークのセキュリティー、プライバシーをどう守るか、このあたりというのはより大きな観点から非常に大きな課題で、こういった可視性が高まるという話、これも実をいうと、電子タグは正直申しまして、全体の中では割とかわいい方でありまして、例えば、今、銀行カードのセキュリティーを守るために静脈で生態認証するとかという話になっていますけれども、今のところ銀行カードを守ることで頭がいっぱいで余りいいませんけれども、生態認証のシステムが世の中にいっぱい広がるというのは結構すごいことですよね。この辺がきちんと運用できるノウハウを持っている会社と持っていない会社というのが、これから非常に大きな分かれ目になってくるんじゃないかと思います。

それから、現実にコストが高くて、バックエンドのところでどう適応できるかという話のところで1点、冒頭で申し上げて、でもやっぱり電子タグの話になっちゃったんですけれども、冒頭で申し上げたとおりで、電子タグだけではなく、やはりQRコードとか一次元バーコードであるとか、牛肉なんかで去年から動き始めた仕組みであるとか青果さんの仕組みであるとか、いろんな仕組みが動いているわけであります。

その辺の話を無視して電子タグの話だけで、これが未来だから、全部これだ、今年からそれで全部やれというのは、経済産業省の政策はそうじゃなかったりしたらごめんなさいなんですけれども、余り現実的じゃないかなと思っております。現実的にはそういうものが混在している、コストパフォーマンス的にはQRコードの方がいいというところではQRコードで構築しつつ、そこで大事なのが、むしろ継続性を持たせなきゃいけないのがデータベースの方でありまして、それが最後のご質問のところに結びついてくるわけなんです。一次元バーコードで動かし始めたシステムを二次元バーコードに変えるときに、データベースとネットワークを作り替えて、QRコードから電子タグに乗りかえるときにまた作り替え、かつ取引先はそのバーコードでやっていて、うちは電子タグだからデータベースの互換性がなくて、請求発行もできないというのだとお話にならないので、いかにデータベースの方は先を見越して、今すぐつくる仕組みは、ひょっとしたら伝票だけでやっていたり、一次元バーコードでやっていたりするのかもしれないけれども、そこでつくるデータベースというものは、ゆくゆくこれで電子タグで運用可能なものぐらいのことをイメージして作り込んで移行させていくというところかと思います。

そのコード体系にしましても、ちょっと宣伝させていただきますと、オートIDセンターが分裂するときに、片側、つまりEPCグローバルというものになったわけですけれども、EPCのコード体系というのはかなり柔軟につくってありまして、既存のコード体系なんかをかなり載せていただけるような仕組みになっています。ここもちょっと技術的には悩ましいところで、そういう許容度をどんどん高めようとすると、どんどん冗長性が高くなって、技術としては重たく、値段が高くなっていくので限界があるんですけれども、ただそこの限界とにらみ合いをしながらも、かなり許容度の高い仕組みとしてEPCというものができていますので、いろいろなコード体系というのを徐々にEPCのスキームの中にまとめていきながら、家電業界さんが、これとはちょっと別にISOの標準体系というのがありまして、これとの摺り合わせはほぼできるかなという感じになってきていますので、仲間内的にいうと、みんながやる気になりさえすれば目処は立ってきたかなというようなところであります。

それをちょっとみんなで意識を合わせながら、そっちの方向へ徐々に吸い取っていく。あとは、実をいうと最後は川下の会社が動いたときに、皆さんが一気に動くと思っておりますので、ただ川下の会社さんも、つまりリテーラーさんですけれども、自分たちだけで突出しても、そんなの嫌だよと多分おっしゃると思うので、やっていただきやすい環境を周りでどれぐらいつくっていきながら踏み切っていただけるようなところへ持っていけるか、それも現実味のある形でやっていただけるか。そのときは電子タグではなくてID技術という意味で、いろんなものも含んだ形でどうできるかというシナリオをやっていただいて、その中でコストがもうちょっと下がって、基盤的なインフラが――基盤インフラは、我々インターネットがこれだけある中で、10年前よりははるかにいい環境だと思っているんですけれども、それにしても、足りないものが幾つかあるので、そういうものを用意させていただいてコストが下がったあかつきには、電子タグが持っている利便性というのは非常に高いものがあるので、行き着く先はそっちだとやっぱり思ってはいるんですが、そんな感じでございまして、ぜひ政策の中にもそういう方向感覚を盛り込んでいただけたらよろしいんじゃないかと思っております。

○宮下議長:ありがとうございました。

最後に質問、今、政策とおっしゃいましたが、木村流通政策課長がご質問したいそうですので、どうぞ。

○木村流通政策課長:先生の方から、商流、物流、決済の一体化という話がございましたけれども、これは考えてみると、決済まで一体化すると、売掛債権に効いてきてキャッシュフローに効いてくるので、企業の競争力の観点から見ると、それを導入するインセンティブがわくと思うんです。そういう意味でサプライチェーンマネジメントというのが、結局、どう表現するかわかりませんが、マネーチェーンのマネジメントみたいになってくるんだろうと思うんです。

そういう中で、決済のところというのでしょうか、何が難しいのかというのが1つと、それからもう1つ、何かどこかの業種なり、業種でなくてもいいんですけれども、そういう決済まで入れたモデルでうまくいきそうなところというか、そういうのを導入しておられるような例があるのかというところ。それから、もう1つ、決済のところでいうと、商流グループの中に、クレジットカードが所管になっているんですけれども、そういうカードというのは、多分マネジメントみたいなところの中で非常に大きな役割を果たし得る可能性があるのではないかと思うんですが、ちょっとそのあたり、済みません、そもそも頭の中がぼやっとしているんですけれども、そういうようなことについて、ちょっと教えていただければと思うんですが。

○國領委員:なぜ簡単かという話から始めて、なぜ難しいかの話にしますけれども、簡単な話をし出しますと、ちょっときょうは許可をいただいていないので、具体的な社名を出すのはやめておきますけれども、ある会社が、卸さんの倉庫がすぐ目と鼻の先にありまして、それを納品するときに、ゲートを通過した瞬間に買掛が立って、向こうにとっては売掛が立つというような仕組みをおつくりになって、バランスシートから10億円外せたとおっしゃっていました。ただ、これは目と鼻の先に倉庫があれば、伝票でもそれはできるでしょうというような話なので、この話をもうちょっと距離を長くして考えれば、明らかにそこに目がありますよね。

それから、クレジットカードとおっしゃったので、原理的にいうと同じことですと申し上げると、今、宅配便をクレジットカードで払うと現金代引きに近いような、ロッカーみたいなのがありますよね。あれも基本的には同じことでありまして、物流業者が間に介在すれば間の物流も金融(ファイナンス)し、受け取りのときにいきなり決済しないと、しかも携帯電話でやったり、クレジットカードのICカードでやったりするというのも、原理的にいうと同じ延長線上にあるのだろうと思います。

こういうようなシナリオを描いた上で、いわゆる本丸だと思われる大規模に発注する受発注の商流のEDIと決済機能、今、銀行に頼っている決済の仕組みというものを合流させるというのは、金融決済系のインフラに求められるセキュリティーのレベルと商流系でやっているもののセキュリティーのレベルは随分違いますねとか、そういう意味では、決済系の方のやつは非常にかたいレガシーの仕組みでつくってあるので、商流系の仕組みが機動的にどんどん発していくのと合わせるのはそんなに簡単じゃないとか、いいわけをいい出すといっぱいあるような気がします。

ただ、この辺も、すべてはそこにビジネスモデルがあって、それをやらないと儲からないとか、商売がたきが物流している間のファイナンスなんかのビジネスにどんどん入って、バランスシートを軽くするビジネスは非常に大きいはずですので、そういうところがビジネスチャンスだというふうになって走っていくと、そっちの方向へ行くんじゃないかとは思っております。

そういう目で見ると、萌芽的に、あんなことが起こっている、こんなことが起こっているというのは、もう既に結構起こっているような気がします。

○宮下議長:よろしいでしょうか。

○木村流通政策課長:実際にうまくそういう決済まで取り込んだビジネスモデルというのはもうあるんでしょうね。ないんですか。

○國領委員:さっきのバランスシートから10億円とれたという話は、請求書が発行できるのが早くなりました、このレベルのものはそこそこあります。コインロッカーみたいな話は結構いっぱいあります。多分ことしぐらいに、かわいい仕組みは、例えばお財布携帯なんていうのがかなり広がってくるところで、いろんなビジネスモデルを、ちょっとスケールの小さいところで始める人たちがたくさんいるんじゃないかと思っております。

それに押されて大きいものがどれぐらい動くかというのは、例えば今、経済産業省さんの政策の1つに電子債券の話がおありになって推進されていらっしゃいますけれども、こういうものが本当にテイクオフしてきて、例えば公共発注の発注書を担保にしてお金が借りられたり、物流している最中の大きなものが、本当にそれが担保でお金が借りられたりするようになってくれば、これは非常に大きな話になってきますし、それをやり出した瞬間に、動産なので管理がすごく気になるし、どこかに持っていかれちゃうと本当になくなっちゃうので、トラッキングとかトレーシングというのが、それを実現するツールの一部分として非常に重要なテクノロジーだという位置づけで動いてきて、必ずしも電子タグビジネスという名前がつかないかもしれないけれども、そういう形でそういうものを下支えする技術としてトレーサビリティーの技術というのは非常に重要なものになってくるだろうと思っております。

○玉生委員:ご質問の趣旨はBtoBのEDIの結果の代金決済をオンラインでやるというところかなと思いますけれども、実は私どもで一時やっていたんです。共同決済口座というのをやっていました。ところが、余り意味がないというのがわかりまして、まず1つは、省力化効果はあるのかというと、月1回か2回なんです。データとしては、請求明細データあるいは支払い明細データというものが伝送されて、つけ合わせて照合する。それは既にやっています。先月100万円の取引があったから100万円払います、あるいは払いなさい、そういうことの結果は、共同決済口座でやっても余り意味がないんです。

もし事故が多いということであれば意味はあるでしょうけれども、日本の場合はほとんど事故がありません。日本のファンドバンキングはよくできていますので、最終的な送金をそちらに回してしまえばほとんど問題ないということでやめたんです。

もう一方で、プラネットはメーカーさんと卸店さんとの間ですから、卸店さんが代金を払うという部分が大きいんですが、その逆がありまして、メーカーさんが販売促進費用を払う、これは結構面倒くさいんですけどね。それを共同決済口座でやろうということで大分チャレンジしたんですけれども、これは非常に不統一で、そのためのデータ自身がうまくできていませんので、結局それも乗せることはやめたんです。

そういう経緯がありまして、私自身の個人的見解では、日本のBtoBのEDIの結果の代金決済というのは余りその上に乗るということはないような気がします。参考になったかどうかわかりませんけれども、一応。

○宮下議長:ありがとうございました。

ほかの委員の方で、何か事例をご存じの方いらっしゃいますか。

それでは、また何かそういう情報がありましたら、経済産業省さんの方にお寄せいただきたいと思います。

國領委員、どうもありがとうございました。

それでは、引き続き、第2の本日の議題でございます我々のこの小委員会の「中間取りまとめ(案)」がまとまりつつございますので、これについて、浜辺室長の方からご説明いただきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

○浜辺流通・物流政策室長:お手元にお配りしてある資料は、事務局で作成しました本当のたたき台というか、たたかれ台というものでございます。文書化したものは委員限りということで配らせていただいております。

(パワーポイント1)

本日はパワーポイントの資料、資料3を用いて骨格をご説明させていただきまして、ご議論いただきたく存じます。

そして、文書化したたたき台につきましては、まだごらんいただいてから日がたっておりませんので、3月28日、2週間後までに、できましたら文章などの形で意見をご提出いただければ、それをもとに詳細、抜本的に書き直していきたいと思っております。

きょうは議論の粗ごなしということで、資料3に基づいてご説明させていただきます。

まず「はじめに」というところで、この「中間取りまとめ」をまとめる問題意識というか、背景について簡単にまとめてございます。

(パワーポイント2)

1つは、ウォルマートやデル、これまで委員会でも紹介がございましたけれども、サプライチェーンマネジメントというものを競争優位として持つ企業が出てきておりまして、これまでどちらかというと、日本の産業は製品開発あるいは製造技術で世界をリードしてきたわけですけれども、これから製造拠点や販売拠点がグローバル化していく中で、こういうサプライチェーンマネジメントの効率化というのは非常に重要ではないかというのが1点ございます。

また、背景としまして、先ほど國領先生からご紹介のございました電子タグの登場あるいはEDIの浸透ということで、この流通システムの効率化を通じて消費者利益の増大を図るあるいは新しいタイプの店舗サービスで付加価値を創造する可能性が広がっているのではないか。

他方、昨今、地球環境問題で二酸化炭素の削減ということがいわれているわけですけれども、これを共同物流やサードパーティロジスティクスの活用によって一層進めていく必要があるというのが背景としてございます。

(パワーポイント3)

こういう効率化、適正化を図る上で、各企業の取り組みということで、ばらばらにシステムを構築してしまいますと、かえって全体が非効率を招くということも考えられまして、商品コードとかデータ項目あるいは通信プロトコルといった技術規格については標準化を図っていく必要があろうということでございます。

また、こういったものの全体最適化を進めていく上で、やはりメーカー、卸、小売、製配販の協調あるいは荷主と物流事業者の間の連携ということで、情報共有やコラボレーションということが、今後取引環境を築いていく上で重要ではないかということでございます。

こういう問題意識のもとに、この「中間取りまとめ」では、足元の時点から3年後、5年後の将来を見通して流通・物流システムの効率化、最適化を図る上で必要な政策面の課題あるいは企業経営面の課題を洗い出して、行政と産業界がとるべき対応の方向性を示すことを目的として考えております。

(パワーポイント4)

2番目に、まず「流通・物流システムを巡る環境変化」として何を考えるのかということでございます。ここに6つ挙げております。

(パワーポイント5)

まず(1)番目に、「需要構造の変化」ということで、1つには、「消費者ニーズの多様化・高度化」への対応ということで、全般には低価格商品が支持されているのでありますけれども、高品質の食材やファッション性の高いブランド品にも人気が高まっておりまして、またインターネットで商品情報が入手しやすくなっておりますので、消費者の品質や価格に対する要求も高度化しているというのが1つございます。

?番目には、「人口のピークアウト・少子高齢化」ということで、量的なものは限界に近づいている。我が国の総人口は2006年をピークに減少に転じますし、それから少子高齢化も進んでいく。そうした中で、消費者に新しい価値のある商品サービスを提供することが必要になっているということでございます。

(パワーポイント6)

(2)番目に、「流通構造の変化」ということで、これは競争が厳しくなっているということですけれども、具体的には、これはグラフで「小売業の商店数の推移」ということですけれども、伝統的な中小小売店は継続的に減少していますし、大手小売業もM&A等が進みまして、大規模な再編が進行しているということでございます。

百貨店、GMSなど伝統的な形態の売り上げが停滞する一方で、ドラッグストア、ホームセンター、コンビニエンスストア等、新しい業態の売り上げが伸びてきているというのがございます。

(パワーポイント7)

それから、卸売業界におきましても、やはり小売業の集約化とかあるいは物流サービスのニーズの高度化によって、上位の企業に売り上げが集中する傾向が強まってきている。これは「食品卸売業上位15社のシェアの推移」ということですけれども、じりじり高まってきているということでございます。

新しい業態ということで、アウトソーシングという意味で、サードパーティロジスティクスということで、物流をアウトソースする動きもございますし、あるいはサードパーティマーチャンダイジングということで、商品陳列とか棚割り、そういった店頭業務を支援するあるいはアウトソーシングする業務機能もあらわれてきているということでございます。

キャッシュ・アンド・キャリーというのは、よくいわれるホール・セール・クラブのように、配送機能を持たない小売ということですけれども、卸売のところにじかに事業者や消費者の方が物を取りに来る、買いに来るといった形態もあらわれているということでございます。こういった多様性を確保しながら、効率性を向上させることが重要。

(パワーポイント8)

さらに、流通構造の変化としては、?番目に、アジアとの流通・物流が増大している。そして、海外から外資系の流通業が日本に入ってくるだけではなく、日本からもアジアに流通業が進出しているという状況があろうかと思います。

(パワーポイント9)

それから、公的制度の方も近年変化しておりまして、大店立地法が施行されてから、大型店、ショッピングセンターの出店数がふえてきている、あるいは1店当たりの売り場面積も大きくなってきているというのはございます。

また、「物流規制、販売規制の緩和」ということでいきますと、トラック輸送の規制緩和あるいは医薬品の取り扱い商品についても販売規制が緩和されて、従来の薬局以外でも取り扱えるようになってきているということでございます。

?番目に「トレーサビリティの義務付け」ということで、狂牛病問題ということで、牛肉の生産流通について履歴情報の把握が法律で義務づけられるようになっておりますし、また薬の面でも輸血製剤とか、こういう生物由来の製剤については販売記録、投薬記録を製品ロットごとに保管しなさいという義務づけが薬事法の改正でなされております。

こうしたこともあり、さまざまな商品についてトレーサビリティーへの問題意識が消費者の間で高まっている。

(パワーポイント10)

それから、(4)番目には「ITを用いた管理技術の高度化」ということで、1つは、インターネット等の情報通信技術の進化。?番目にICタグが登場して、リアルタイムの物流を一括把握する、あるいは消費者への情報提供が容易になっているというのがございます。?番目に、なかなか進んでいないというご指摘もございましたけれども、オープンシステム化ができるようになってきておりまして、特定メーカーの製品だけで構築される従来の機関システムではなくて、さまざまなメーカーのソフトウエアやハードウエアを組み合わせて構築するオープンシステムが登場してきている。こうしたものを導入することによって、かなりのコストダウン、相互接続性が増すのではないかということでございます。

(パワーポイント11)

(5)番目には、これは国内ではまだ余り知られていないのかもしれませんけれども、海外でITの活用についての標準化、普及活動が進んできているということでございます。

1つは、今年の1月からですけれども、消費財流通で、これまでEANコードあるいはUCCコードを用いてきました欧州のEAN協会と米国のUCCというのが一本化されまして、グローバル・スタンダード・ワンというのが新しく登場しております。

これに対して、業界からの要望を伝えるための団体ということで、GCI(グローバル・コマース・イニシアチブ)という国際的な業界団体ができておりまして、これらがGS1の方に標準化の提案を進めてきている。このパワーポイントでは、はしょって書いていないですけれども、文書化した案の方では、その中で商品コードや事業者コードの統一化あるいは業界の声をこういう標準化機関に反映するための枠組みが設けられております。また、ICタグについてはEPCグローバルといった標準化機関も設けられたところであります。

(パワーポイント12)

(6)番目の背景として、最後に「地球環境問題への対応の要請」ということで、運輸部門は我が国全体で見渡しますと、二酸化炭素排出量の2割を占めている。その目標値を京都議定書が発効したわけですけれども、2010年度までに90年度比15.1%増、95年度並みの水準にするということを打ち出しているわけですけれども、既にそれを上回っているので、これを減らすための追加的な削減対策が必要だということでございます。

(パワーポイント13)

いろんな背景があるわけですけれども、こういうのを踏まえて、今後どのような流通・物流システムを目指していけばよいのかということなんですけれども……。

(パワーポイント14)

1つに、大きな方向として「サプライチェーンの全体最適化」ということで、部分最適化から全体最適化ということが書いてございます。これは生産から消費に至る一連の活動、サプライチェーンをIT活用を通じて徹底的に効率化する。そして、消費者にとって無意味な活動を排除して、むしろマーチャンダイジングに特化していくという考え方でございます。

その際に、?で「競争分野と協調分野の明確化」ということが書いてございますけれども、基本的には企業間の自由競争ということでございますが、その中でシステムを構築していく上で情報共有という場面が出てきますので、ここはやはり協調するという分野も意識していかなくてはいけないという考え方でございます。

(2)の方で、全体最適化あるいは消費者利益の最大化に向けたIT活用ということを示していきたいと考えておりまして、1つは、繰り返しですけれども、情報共有に基づく効率的な商品供給システムということで、売り場あるいは物流の現場で生じている情報を個々の事業者間で共有していくということでございます。先ほどからお話がありますように、中間流通段階でICタグとネットワークを駆使して、在庫管理とか検品、こういったものを大幅に革新していく中間流通のシステムが設けられるのではないかということであります。

?番目に「未来型小売店舗システムの実現」ということで、これも小売の段階では個々の単品ごとにということになってきますけれども、個々の単品にICタグを張りつけることによって、販売促進、商品補充、代金決済、こういったものを大幅に革新していく店舗システムの開発も可能ではないかということでございます。

それから、?番目には、お客様に安心、安全を提供していくということで、トレーサビリティシステムというのも、これは時間がかかると思いますけれども、生産・流通履歴のデータベース整備から含めて考えていく必要があろうということでございます。

(パワーポイント15)

そういったことを進める上で、(3)番目に「情報共有基盤の標準化」ということで、コード体系あるいはメッセージ、通信プロトコル、商品マスタの標準化ということが必要だろうと考えております。このコード体系については、世界的にはことしから、商品コードについてはグローバル・トレード・アイテム・ナンバーあるいは事業者コードについてはグローバル・ロケーション・ナンバーというものが導入されることがもう既に決まっております。

これを日本でどういうふうに展開していくのかということについて、流通システム開発センターの方で担当というか責任を負っているわけですけれども、これについても今後数年のうちに、日本の市場で進めていく必要がある。

2番目に、「商品情報共有化のための標準化」というのがございますけれども、これは先ほど、「商品マスタ」という言葉でいわれていますが、メーカー、卸、小売の各段階で、新しい商品についての情報を即時に共有化するために、そのデータベースというものを標準化する必要があるのではないかということでございます。

それから、3番目として、「基幹システムのオープン化」ということで、これは各社がそれぞれ「レガシー」といわれる仕組みを持っているわけなんですけれども、これもサプライチェーンマネジメントという観点から、徐々にオープンシステムに転換していくことが望ましいということでございます。

最後に、「業務プロセスの標準化」ということがございまして、インターネットベースのEDIを円滑に実施していく上で、コードやメッセージあるいはプロトコルだけじゃなくて、業務プロセスについてもある程度標準化する必要があるのではないかということでございます。

そうした各社の取り組みについて、ベストプラクティスといいますか、各社どのような取り組みをしているかということも情報共有していく必要がある。これを進めるために、ECRスコアカードというものがございまして、業界においてどの程度情報共有が進んでいるか、協調的取引が進んでいるかというのをベンチマークしていく仕組みもあるということでございます。

(パワーポイント16)

(4)番目に「国際流通・物流との継ぎ目のない連結」ということも必要だろうということで、?は「港湾・空港における物流の連結」。特に海外とのつなぎ目におきまして、空港、港湾での通関手続とか輸出入、そういう手続に要する時間の短縮、費用の削減を図っていくべきであろうということでございます。

?番目には「国際的な情報流の連結」ということで、これは国内だけでも難しいので、さらに厄介になってくるんですけれども、荷主、船主あるいは通関事業者、これら関係者の間で情報をつないでいく必要がある。したがって、これも商品コードとかメッセージ、こういったものの標準化が必要である。それによって、グローバルレベルで商品の移動情報を正確に把握し、あるいは情報を共有した上で輸配送のスケジュールを調整できる、こういう仕組みが必要ではないかということでございます。

(パワーポイント17)

最後に、「外部環境との調和、環境負荷の低減」ということで、環境調和型の流通・物流システムの効率化を実現する必要がある。これは前回ご紹介しました流通業務総合効率化法というのは1つの処方箋ではあるんですけれども、それ以外にも排出ガスの低減あるいは物流から生じる包装材や容器などの廃棄物の抑制、リサイクルを推進する。あるいは物流センターの立地によりまして、道路混雑とか大気汚染というのも発生し得るわけですので、こういった都市環境との調和についても配慮していく必要があろうということでございます。

(パワーポイント18)

これは大きな課題といいますか、今後目指していくべきあり方ということなんですけれども、それに具体的にキャッチアップしていくために何をする必要があるのかということで、6つほど課題あるいは政策ということで整理しております。

(パワーポイント19)

1つは、情報流といいますか商流の関係でいくと、ITの標準化と普及に向けた組織体制の整備、それによって次世代の情報共有基盤を導入していくという2つ。

それから、物流については、国際物流のインターフェースを効率化、円滑化していく。そして、環境調和とのロジスティクスを確立していく、大きくこのように考えているわけです。

(パワーポイント20)

(1)「標準システムの普及促進」ということなんですけれども、いろいろとヒアリングといいますかご意見を伺っておりますと、これまで業種や業界を超えて流通・物流にかかわる課題を共有したり議論していく場が欠如していた。それぞれメーカーや小売、労使の立場で考え方が異なっているわけですけれども、それぞれがこうした方が改善できるんじゃないかということを正面切って議論するテーブルがなかったということであります。

したがって、今後、標準化を進めていく上で、ユーザー企業主導型で議論していく場を設けていく必要があるだろうということであります。

これは第2回のときに、木下委員の方からGCI研究会といったご紹介がございましたけれども、まだGCI研究会の方でも小売の参加は少ないということでございますので、こういった議論は小売や製造、それぞれの業界団体でも展開していく必要があるのではないかということでございます。

さらに、国際的な交流の強化ということで、海外では既にこういった業界間の議論というのは活発に行われておりますので、そういったところとの国際的な交流も強めていく必要があるのではないかということでございます。

(パワーポイント21)

そうした基盤ができた上でということになりますけれども、(2)番目に「次世代の情報共有基盤の導入」ということで、全体最適を実現するような先進的なIT、これをスムーズに入れていくためにまず何が必要かということなんですが、1つには「商品マスタの同期化」ということで、これは世界的に今動こうとしておりまして、「GlobalDataSynchronization」といわれております。これを早期に導入できるように取り組んでいく必要があるのではないか。

?番目にインターネットEDIの標準化。これは経済産業省の方で事業として取り組んでおるわけですけれども、この1つの成果を幅広い業界に広めていくための活動をこの17年以降進めていく必要があるということでございます。

?番目に「ICタグの国際標準化と実用化」。これはEPCグローバルというところから、今ISOに提案されております。これもUHF単位のパッシブタグということで、これだけですべて完了するわけではございませんので、今後ともビジネスモデルを含め、継続的にアプローチしていく必要があろうと考えております。

(パワーポイント22)

そういった国際標準への積極的な提案をしていかなくてはいけないということなんですが、今まで国内的にはそういったグローバルスタンダードについて、流通・物流システムにおいては関心が低かった。

といいますのは、やはり日本独自の商慣行といいますか、独特の事情があって、そのまま持ち込めないということで、余り関心が払われなかったわけですが、このままですと、例えばICタグの国際標準のように、海外で決められて、それに日本も適応せざるを得なくなるということが考えられますので、単に海外で決まったものを日本で受け入れるということだけじゃなくて、日本国内の先進事例あるいは卸を含めたそういったビジネスモデルを持って、海外の標準づくりに積極的に提案していくということも必要であろうということでございます。

(パワーポイント23)

(4)番目に「流通・物流コストの可視化・透明化」ということを書いてございます。これは一度委員会の中で議論になりかけましたけれども、商慣行とサプライチェーンマネジメントの効率化をどう考えるかということが一時議論になりかけたかと思います。リベート、返品制度あるいは物流センターフィーの支払い、多頻度配送、こういったものについて、これがサプライチェーンマネジメントの効率化を阻害しているかしていないかということについては、メーカー、卸、小売、それぞれの立場で随分と評価が異なっている。

概して、小売の方は特に問題になっていないよということなんですけれども、メーカー、卸の側からごらんになると、これは非常に流通・物流の効率化を害しているというご意見もありまして、それは立場によってさまざまだろうということです。

(パワーポイント24)

商慣行自身が、そもそも商取引を円滑化するために歴史的につくられてきたものということなので、それ自体が何か悪だとか非効率だということはないだろうと考えておりますけれども、どちらがリスクを負うのか、どちらがコストを負担するのかといった取引条件や算定基準というのが不明確になってきますと、それぞれ不満が高まってくるのではないか。

(パワーポイント25)

そういった意味で、流通や物流にかかわるコストを可視化する。商品の価格を原価と物流サービスにかかわる費用ということで分離すれば、それはすっきりするわけですけれども、たとえ分離しない場合でも、そういった物流費や取引サービスにかかわる費用というのを明示していく必要があるのではないかということでございます。

それから、コスト負担についても、センターフィーとかあるいはEDIの利用料について、卸の方が川上の方から小売にセンターフィーを支払ったりする場合もあるわけなんですけれども、ここら辺についても算定基準というのを明確化、適正化すべきでないかというアンケート結果が出たりもしているということでございます。

(パワーポイント26)

(5)番目に「国際物流インターフェースの効率化」ということで、前回、石井委員の方からもご提案いただきましたけれども、物流ソフトインフラについての国際標準化、国連の方でUN/EDIFACTといったもので、国際標準の1つの標準を示しているわけですけれども、こういったものを日本の方でも採用して普及していく必要があるのではないか。

?番目に「輸出入手続の簡素化」ということで、こういう電子化やシングルウインドウ化あるいはワンストップサービス化を進めていく必要があるのではないかということでございます。

それから、「アジアとの連携強化」ということで、これは行政のレベルでも物流・流通システムについての対話を深めていく必要がある。これは少しずつ起こってきているんですけれども、日中韓とかそういったレベルで共同で白書をつくりましょうとか、あるいは情報交換しようという動きは少しずつ起こってきているんですけれども、こういう情報交換も密にしていく必要があるだろうということでございます。

(パワーポイント27)

(6)番目に「環境調和型ロジスティクスの推進」ということで、共同物流や3PL(サードパーティロジスティクス)を活用して、物流コストの削減と環境負荷の低減を進めよう。1つの手法としては、先ほど来申し上げています流通業務総合効率化法を活用していただくということと、あともう1つは、環境マネジメント手法ということで、環境調和型ロジスティクスの推進マニュアルなどを整備しておりますので、こういったものをグリーン物流パートナーシップ会議などの場を通じて普及していくという、法律だけじゃなくて、それを実効あらしめるための舞台装置というのも現在設けて動きつつあるということであります。

(パワーポイント28)

こういうたくさんの課題があるんですけれども、最後に、この報告書の方では、それぞれ大きな項目があるわけなんですが、今後3年間なり5年間、どういうふうに進めていくのか。スケジュールといいますか、例えばGTIN、GLNの導入とかあるいはインターネットEDIの普及とか、さらにグリーン物流パートナーシップ会議の活用あるいは通関手続の電子化、シングルウインドウ化、こういったことをスケジュールを明確にしまして、今後2~3年の間にこういう形で進めていくというのを、この「中間取りまとめ」の方で示すことができればと考えております。

以上でございますけれども、論点が非常に多岐に分かれておりまして、いきなり全部本日で議論を集約することはできないと思いますけれども、これに基づいてご議論いただければと思います。どういった点に重点を置いていくのか、あるいは項目の順番などについても、骨格も含めてご議論いただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○宮下議長:ありがとうございました。

この我々の委員会、後ほど、今後のスケジュールのご紹介がございますが、4月中旬に、資料4に書いてございますが、もう1回小委員会がございます。そこである程度最終的な取りまとめになるんですが、きょうはその前の原案をお示しして、委員の皆様方から、この場でご質問なり意見を徴し、またお持ち帰りいただいてから資料を見て、いろんな意見を寄せていただいてもいいんですが、ちょっと私の立場でいうのはおかしいんですけれども、我々のこの委員会というのは、産業構造審議会流通・物流システム小委員会と銘打っております。

そして、きょうは木村課長がいらっしゃいますけれども、もう1つ、今同じような形でビジョン的な委員会が進んでおります。それはまちづくり三法と大店立地法の基準を見直す委員会。どちらかというと、これは小売の面的なところをまとめている一種の今後の方向づけをやっているわけでありまして、それとある意味ではこちらの方と2つ、比較的同じような段階で発表されていく。そちらの方の委員会に私は委員で入っているんですけれども、しばしばこれからの流通ビジョンを踏まえて、まちづくりをどうしたらいいかあるいは立地法をどうしたらいいか、そんなような意見もございます。

いずれにいたしましても、この2つはある意味では久しぶりに経済産業省が発表する流通ビジョン的なものであろうかと思うわけです。そうすると、片方があくまで消費者と小売の接点をなす面的なビジョン的な問題があって、これはメイク、生産から、消費者に至るまでの縦のビジョン的なものを取りまとめているところでありますね。そういう意味では、2つはうまく整合しているような気がいたします。

そういうことを考えて、1つだけちょっと気になるんですが、こちらの方に限りますと、どちらかというとこのビジョンは、もし流通に、商流、物流、情報とあるとしますと、環境的には3つを押さえているんです。小売構造、消費構造、卸構造と押さえながら、政策的な提言の方向のところでは物流と情報にちょっと限定していると申しますか、そこにあくまで集中しているわけです。

その面で考えると、これからの小売構造とか小売の状態は今、小売店さんの方がいらっしゃって大変いいづらいんですけれども、状態問題が非常に大きな課題、話題、問題提起されている。こういうのは政策にはなかなかなじめないんですけれども、ビジョンというのは、国がこういうことをやりますということを提案するのがビジョンで、こういう政策指針と同時に、政策にかかわらずとも産業界等々に提言するというのも、しばしばこういう国の出すものに重要性があると思うんです。

この中に、すべて政策だけに徹底している。そうすると、日本は今、こういうような問題あるいは卸構造が大きな激動期に来ているんです。卸機構の中で縦横の大きな構造変革をしていまして、卸経営もかなり大きな課題に直面して、卸の方もいらっしゃいますけれども。こういう1つの、いわゆる卸売経営、小売経営、広い意味での商流という分野について、何かここで提言しておかなくていいのかどうか、ちょっとそれが気になるところなんです。

例えば、この中で最後の方、19ページに、これがまとめの総括なんですけれども、情報流と物流というのがあって、今私がちょっと問題提起したのは、一種の商流という話かもしれないです。そうすると、その問題について若干、触れ方は難しいですけれども、何か触れた方がいいんじゃなかろうかという感じがちょっとします。それによって、いわば流れで見た一種の流通ビジョンのようなものがまとまるのではなかろうかと思うわけです。

その辺、どう思いますか。

○浜辺流通・物流政策室長:商流の問題ですと、いろいろ新しい取引制度が出てきているというか、問題もいろいろ業界で話題になっていると思います。その取引制度について、どのようなスタンスをとって、政策当局として考えていくかということについては、非常に奥が深くて、まだなかなか準備というか、突っ込み切れていないところがございます。したがって、今は情報と物流というのは直面している課題がかなりはっきりしてきていますので、処方箋は書けたんですけれども、商流のところは、まちづくり三法の話も含めていろいろ課題がございまして、もう少し時間をかける必要が……。

○宮下議長:卸売構造とか小売の業態とか、その辺をどういうふうに考えたらいいのかね。何かそんな問題を含めてご意見があったら。

じゃ、渡辺委員、どうぞ。そういう問題も含めてどうでしょうか。この我々の委員会で、最終的にまとめるのに。

○渡辺委員:今の問題に絡めて申し上げますと、最後のまとめ方の字句の問題で若干そういう引っかかりが出てきちゃうのかなと思うんですけれども、最後、ロードマップを示している3項目の1点目、次世代の情報共有基盤の標準化ですか。この問題というのは、ここに挙げられているのは情報系の話ばかりですけれども、あくまでも情報流そのものをどうこうしようということではなくて、これを通じて商流を変えていこう。流通システム全体を大きく変えていこうという問題だと思うんです。

ですから、そういう意味からすると、座長がおっしゃったご指摘も確かにもっともではあるわけでありますので、この書き方をもうちょっと商流寄りに変えることによって、システムを変えていくんだ、そのための政策としてこういうことを打っていくんだ、そういう書きっぷりにすれば、座長のおっしゃったようなことの一部は取り上げられるのではないかなと思います。

業態の問題であるとか、卸の機能の問題とかいろいろ、確かに議論しなければいけない問題はあるとは思うんですけれども、まだこの場でそういった問題が議論されておりませんし、日本を代表する小売業さん、卸売業さんが来られている中で、もちろん日本のこれからの業態のあり方とか機能のあり方というのは継続して議論していくことなのかなという気がしております。

以上が今の座長の問いかけに関する私なりの考えです。

それから、もう1点は、今回の報告の中で肝に当たるような部分というのが、商流、情報流関連でいえば、従来こういったビジョンではこういったことを実現すべきだ、そのためにはこういう政策、制度を行っていく必要がある、そういうところに重点が置かれていて、どうしていくのかという組織問題を中心にした具体論の踏み込みが、ともすると既存の組織を活用しながら云々という話で終わってしまうことが多かったと思うんですけれども、今回はとりわけ組織、どういう場で何をどうやっていくのかというところをかなり書き込むような姿勢を、今の段階でまだ具体的に書き込まれていないですけれども、そういうところに重点を置く。とりわけ、4「これからの流通・物流システムの課題と政策」、18ページです。この中で(1)番の「標準システムの普及促進」、(2)番の「次世代の情報共有基盤の導入」、ここらあたりで、何をどこで、どう具体的にやるのか。とりわけ官の役割と民の役割を明確にして、ユーザー主導でやっていくんだ。その中で官の役割はこれこれこういうことがあるよ。官の役割の中で、こういう組織でこういうことをやっていく。そこを書き込んでいくことが、非常に肝になっていくのかなという気がいたしております。

ここも先ほどの座長の問いかけとの関連でいえば、(1)番、(2)番というのは情報の問題のように見えるけれども、そうではなくて流通システムの問題なんだということをもうちょっと前面に出したような書きっぷりにしていった方がいいのかなという感想を持ちました。

以上です。

○宮下議長:ありがとうございました。

お隣の湯浅委員、よろしくお願いします。全体的な問題に関して。

○湯浅委員:全体の方向性としては全く異論はないんですが、改めてこのように整理されると、これは大変だな、実現するに当たっての課題がいかに大きいものかというのが改めてわかった。わかっただけじゃしようがないんですけれども、要するに、今、渡辺先生がおっしゃいましたけれども、主語ですね。だれがどのように進めるのか、それぞれの課題について、そこのところをはっきりさせていくことが重要じゃないか。そうじゃないと動こうにも動けないということになるかもしれません。

と同時に、個々の企業が何かできることはないのか。つまり、個々の企業はまずこういうことを進める。それらをベースにして次の展開に行くとか、そういうような指摘あるいは記述があってもいいのかなと思います。

物流という点からしますと、まだ実体はありませんけれども、このサードパーティロジスティクスというのをどういうふうに位置づけていくのか、どういうふうに育成していくのかというところももうちょっと切り込んでもいいような気もします。というのは、これは私の見る範囲だけかもしれませんけれども、荷主企業と呼ばれているメーカーさん、問屋さん、もちろん進んでいる会社はいっぱいありますけれども、現実的には物流がまだまだおくれている会社があって、恐らくこういう企業では、自社でそれをさらに進めていくのはもう難しいという状況ですよね。ファーストパーティロジスティクスで先に進まない。その意味では、それらを一括して受託して、そこに任せれば効率的な物流ができるんだという、その体制というのか受け皿、これをどうつくっていくのかということが非常に大きな課題になってくるし、重要じゃないかなと。これは環境ロジスティクスもあわせて、担うのはそこが恐らく担っていくんだと思っていますので、その指摘も重要じゃないかと思っています。

それから、先ほども商慣行じゃありませんけれども、例えば、物流コストの可視化という点からいいますと、商品価格の中に物流コストが入ってしまっているけれども、それが見えない。それをどういうふうに公平に負担していくのが一番いいのかというのがわからないというのが現実ですよね。しかし、これが見えない限り、商慣行の論議は幾らやったって進まないんじゃないか。

その意味では、もちろんCIFがいいのかFOBがいいのかわかりませんけれども、今のところは届けて幾らという価格になっていますが、切り込めるかどうかわからないけれども、その前提として、やっぱり物流コストいうのを可視化してみる。実際にあるサプライチェーンでもいいですから、そこを取り上げて実際にコストを浮き彫りにするという作業も、議論のためには必要になるんじゃないかなと思っています。

ちょっと風邪を引いていて、頭がぼーっとしていてちゃんといえたかどうかわかりませんけれども、以上です。

○宮下議長:今、湯浅委員から、どこまで、だれが、どういう形でやるかという方法論まで、この我々のビジョンの中でどこまで細かく踏み込むかどうか、その辺がちょっと今後の大きな課題ですね。方向は出たけれども、これをどうやって実現していくのか。それはまた今後検討してみたいと思います。

きょうはこういう重要な会議ですので、一通りちょっとご意見を伺いたいと思いますので、順番に行きますけれども、村尾委員、よろしくお願いします。

○村尾委員:私どもの会社が関与しているのは、きょうご発表いただいたうちのごく一部ですけれども、特に情報共有の部分ですね。きょうは中間まとめの一歩手前のまとめということだと思うんですけれども、関与している部分について申し上げれば、方向性は大体書かれたとおりだと思いますし、問題点も大体カバーしているんじゃないかと思います。

ただ、今、渡辺先生もいわれたとおり、次が4月の中旬にまとめということで、時間が果たしてたっぷりあるのかなというのはよくわからないんですけれども、きょうのこのまとめの表現を次の段階でいかに具体化していくか。実現の可能性のあるような具体化がどれだけできるか、活用視点でどれだけ具体化できるかというところを、これから残された時間の中で、精いっぱい我々も協力しながらやっていければ、非常に実りあるものができるんじゃないかと思います。

○宮下議長:ありがとうございました。

眞鍋委員、どうでしょうか。

○眞鍋委員:前もってこの資料を見て、すごいな、大変だなと思いました。この中で私がかかわっている話というか、プレゼンさせてもらった話も関係するんですけれども、1つ、12ページの環境問題のところで、実はここのところの運輸部門、その下のところを見ていだたくとよくおわかりのように、運輸部門のところは、実は2000年、1999年あたりから、1%だけなんですけれども下がっているんです。その下の2つがふえているということがあって、ここのふえていることを何かしないといけないんじゃないかと思います。

ただ、政府としてもなかなかやりにくいから手が出せない。個人の自動車とか旅客の関係がすごく増えているわけですけれども、そこら辺のことは何もなくて、全部物流の方にだけ話をここで持っていくとすると、中には「そんなこといったって」という人が出てくるんじゃなかろうかという気がします。物流として、努力しないわけにはいかないんですけれども、ここのところに、コメントが何かあるといいかなという気がします。それから、先ほど流通費と取引、要するに物の値段と物流の値段という話は、実はこれLEMSの委員会でもあるし、JILSの環境会議の中でも問題になっていますけれども、割り掛けの問題が大変です。共同物流なんかをしたときのCO2をどう分けるかということはすごく難しいところです。

可視化するのは、物流費としてポンと出せるのはいいんだけど、恐らくその次は割り掛け、要するに、共同物流したときにA社とB社とどう割り掛けるか、CO2に限らず、金額としての問題と絡んできます。

それから、物流の値段を明らかに出してしまうと、今度は、特に我々のところの親会社と子会社の問題があるんですけれども、値引きの話に必ず結びついてしまうというちょっとつらいところがあります。そういう関係の会社は結構たくさんあるから、そういう意味ではちょっとつらいところもあるかな、という気もします。

○宮下議長:ありがとうございました。

玉生委員、何かございますか。特に、まとめ方の問題。

○玉生委員:先ほどからいろんなことをいって申しわけないんですけれども、基本的には日本の流通機構全体はうまくいっていると思っています。例えば、小売店事業に新規参入しようとすると、これはできないことではないわけです。ところが、ヨーロッパあたりだと、小売業に新規参入しようというのは非常に難しい環境にあるかなと思いますので、そういう意味で、全体的にはうまくいっていると思っているわけですが、ただ、物流についてはやはりいろいろ不自由な点がありまして、荷主側としてやりたいことができないようなことがやっぱりあるわけです。共同物流なんかをもっと進めると、グリーン物流に大きな効果があるということで、その辺はもうちょっと知恵を出せば改善余地は大きいと思うんですけれども。

あとは可視化ですね。きょう随分議論されていますけれども、やっぱりこれは一定のルールを持って、業界横断的あるいは垂直、水平とも、共有化していくことができれば、大変いい流通改革になるかなと思います。そういった点では、標準ということだと思います。せっかく標準化するんだったら、グローバルに合った標準を選択するのは当然だと思いますけれども、ただ残念ながら、日本の流通業に限らないんですが、日本企業全体が大きなレガシー問題を抱えていますので、そういった過渡期の中でどういうふうに選んでいくかというのは非常に難しい課題だと思っています。

○宮下議長:ありがとうございました。

佐竹委員、ございますか。時間も押し迫っていますから、簡潔にお願いいたします。

○佐竹委員:やはりヘッダーの部分で、先ほど渡辺委員なんかも出ましたけれども、いわゆる言葉の問題がより明快になれば非常にわかりやすいかなと思っております。

それと、もう1つ、これはここでいうべきことじゃないのかもしれないけれども、特に環境問題等を含めまして、一国民として発言をさせてもらうと、いわゆる縦割り行政の中でこれを具現化するというのは非常に難しいのかなと個人的には思っているんですけれども、この辺はこれから先の話なので、ちょっと心配しているところだというところです。

○宮下議長:ありがとうございました。

齋藤委員、どうでしょうか。

○齋藤委員:業界が少し違うかもしれませんが、今ビールの値上げが新聞紙上で話されているんですけれども、コストをある程度、きちんと乗せて売りたいという話に対して、いやだめだというせめぎ合いが行われております。6%プラス1%の利益ということで、原価に7%乗せたいんだ、こういう話がなかなかうまく通らないんですけれども、こういう現実というのを見ていると、可視化といっても、物流コストという問題に対しても、まず根本的な認識がお互いにないんじゃないのかと、それがよしんば計算されてもだれも信用しない。だから、これはまだまだそういう点では難しい内情が実際の流通業の末端にはあるんじゃないのかなという感じがします。

それから、ちょっとつまらない話なんですけれども、8ページで、ここにご存じのように、カルフールさん、確かに2000年に出てきたんですけれども、何かいらっしゃらなくなっちゃったようなので、ここには書かない方がいいのかなというふうに思う。いらっしゃらなくなっちゃったんですよね。まだいらっしゃるんですか。

○宮下議長:まだいるんだけど、これからいなくなる(笑声)。

○齋藤委員:そうですか。それから、あと1999年の「コストコ」なんですけれども、これ、「コストコ」というと、アメリカに行くと笑われると思うんです。日本のはみんな「コストコ」といっているんですけれども、向こうでは「コスコ」。Tは発音しないんですよね。ただ、日本では日経新聞が「コストコ」と書いていますから、あそこのレベルがそうなんでしょうからそうなんでしょうけれども、「コスコ」が正解だと思います。よろしく。

○宮下議長:ありがとうございます。

この流通革新の問題は今いろいろな議論を呼んでいますので、上手な書き方をしておかないと誤解を生むのでね。恐縮です。

小竹委員、ございますか。

○小竹委員:一番最後のロードマップはわかりやすいのですけれども、1つだけ環境のところをちょっとお聞きしたいと思います。どちらかというと経済産業省絡みだと思うのですけれども、今度省エネ法が改正され、輸送の分野においてもCO2の削減の義務が、荷主と輸送事業者にもかかってくるという説明を受けています。これは海外のヨーロッパ等の京都議定書を批准している国も、輸送事業者がその責任を持つのか荷主なのかというのがまだはっきりしていないところにおいて、日本の場合、荷主も責任があるというようなことに決まると思うのですけれども、その改正省エネ法の項目をこのページに入れると問題があるのでしょうかというのをお聞きしたいと思います。

○浜辺流通・物流政策室長:省エネ法でどのように二酸化炭素の排出量あるいは燃料使用量を計算するかという問題ですね。これは実際、実務で使えないといけないわけですので、施行については、この流通業務総合効率化法より遅くて、来年の4月ぐらいを念頭に置いているわけです。その際、用いられる算定基準としましては、ここに挙がっておりますLEMS(環境調和型ロジスティクスシステムマニュアル)なども参考にしながら経産省と国土交通省ですり合わせをしていくということになっております。ですから、こういうのを前提にした上で、こういう法施行が行われていくということですので、そういった意味で、ここに載せる分には、担当部局とも調整しますけれども、特に問題はないかなと考えております。

○小竹委員:そうですか。我々、荷主とすれば、省エネ法の影響が非常に大きいと感じております。荷主も色々な義務を負うことになりますので。新聞とかで見ますと、上場企業等1,000社ぐらい対象になると予想されていますので、少し気になります。

○宮下議長:ありがとうございました。

國領委員、いかがでしょうか。何か全体的に。

○國領委員:手短に2点だけ申し上げますと、1点目は先ほど佐竹委員がおっしゃったことの繰り返しになるんですけれども、20ページあたりに、業界が共通になっていないといっているんですが、私の感覚では、役所の縦割りの方が弊害としては大きいので、役所の総合調整というのをぜひ入れていただきたいというのが1点目。

2点目が、基盤的な話として、監査の話が、どんなにすごいいい情報システムをつくっても、中を流れるデータの正確性というのが非常に大きな課題になってきまして、これからトレーサビリティーなんて話になっていくときに、監査というのがすごく重要な点になると思います。何らかの形で入れるといいんじゃないかと思います。

○宮下議長:ありがとうございました。

木下委員、どうですか。

○木下委員:私の方も手短に、これだけ多くの課題を一発で解決するマジックはないと思うんです。やはり今大事なことは、渡辺委員もおっしゃられたように、こういうふうな課題を製販配できちんと議論していく場の設営と、それをどうやって現場に落としていくのかという仕組みの構築だと思うんです。

そのためには、やはり主語としてのユーザー、我々自身が何をやるのか、官は何をサポートしてくれるのか、それをどういう場でやっていくのか。先ほどのICタグの話もそうですけれども、何のためにやるのかというところが業界全体で共有ができているのかどうなのか。また、それをどういうロードマップで、例えば2007年、2010年にはどういう状態に持っていくのかというロードマップ、ビジョンの共有化ですよね。

ここがなければ、多分1つ1つの課題をモグラたたきしていっても、それこそ全体最適にはならないと思いますので、1つだけ自分の最近思っていることをいえば、ICタグの話も多分、欧米ですとシュリンケージで、パレット単位での話になると思うんですけれども、日本でしたら物流で、特に我々の日雑業界なんていうのは、特徴とすると、ばらのオリコンですよね。ばらのオリコンの非常に煩雑な検品だとか短いリードタイム、ASNとかをICタグで解決するというところが共有化できるとするならば、それは非常にすばらしいことですけれども、欧米の、日本で起きてもいないパレット単位のシュリンケージに対してICタグという話をしても、それはそもそもナンセンスなんじゃないかな。そういうことを議論していく場が必要なんじゃないかなと思っております。

以上です。

○宮下議長:このビジョンは、まとめの最後に「おわりに」になっていますけれども、「おわりに」じゃなくて、これからの実行に当たっての課題なんでしょうね。あるいは進め方とか、そこを書いておけばいいわけですね。ありがとうございました。

川委員、どうぞ。

○川委員:私は物流の近代化の大前提は、今も各委員の方からお話があったように、やはりコストの可視化だと思うんです。今までそれがなかなか、グレーになってきたあるいはできなかったという部分もあるんですが、このサプライチェーンマネジメント1つとっても、あるいは全く逆のところから、多頻度少量納品が問題だとかあるいはセンターフィーが問題だとか、そのすべての前提は物流コストの可視化だと思いますので、ここをぜひもう少し、全体に広がる根っこの部分じゃないのかなと思いますので、ぜひこの辺を具体的な形で力を入れていただきたい、あるいはそういった表現にしていただきたいと思います。

○宮下議長:ありがとうございました。

鎌田委員、どうぞ。

○鎌田委員:物流、情報、営業企画、いろんな部門から必ず標準化システムでJILSさんの標準化推進会議とか流開さんの推進会議というところで私も顔を突っ込んでいるわけですけれども、ここまでお役所の中で課題をしっかりととらえて、今からのロードマップというふうにまとめ上げたということは大変なことじゃないかなと。我々としても、プレーヤーとしてこういうスキームの中で、ある方向性を見出した中で、それぞれの企業においては瞬時瞬時でシステムの改築、改装、こういうことですけれども、あるロードマップがない中でやり始めると、特にまたこだわりができますので、できるだけ早く標準化のロードマップを世間に公知する中から、みんなが同じ目標に向かってゴールに行くというのが一番肝要なんじゃないかと思います。

そういう意味では、特に海外もそうですけれども、大手の製販配がリーディングカンパニーにならなきゃいけないわけですけれども、実業の中で見ると製販配、それぞれ日本の特徴としては小さい、情報化システムにまだ乗りおくれているメーカー、卸、小売、この辺のサポートをどう考えるかというのがないと、何となく大手主導で全部、そこが再編の加速のアクセルかということに対して、中小対策というのをどう考えるかというのもぜひ入れていっていただければと思います。

○宮下議長:ありがとうございました。

石井委員、どうぞ。

○石井委員:大変よくまとまっていると思っております。その中で、少しアローアンスを入れておいた方がいいかなと思うのは、標準的なものというのは、ある意味でいうと、計画的にこれに乗っかってくれとやるのはすごくいいんです。ところが、プレーヤーの皆さんというのは資本主義の中で競争している。となると、どれがいい標準になってくるかというのが、場合によってはデジュールで、皆さん話し合ってつくっていくというのは非常にいいことなんですが、ある場合、デファクトが急に来たりもあるので、この中でいろいろと取り上げていただいている言葉の中でもそうですが、例えば、UN/EDIFACTというのも、ある特定の分野ではよく使われていますけれども、それ以外では使われていないとか、XMLというのもebXMLが出てきたけれども、それもまだ完全ではないですとか、それにかわる業界の中での取り決めの標準も出てくる可能性もあるわけで、とりあえず、「等」などを入れて、少しアローアンスを出しておいて、状況を見ながら最終的に固めていってはどうかなと思っております。

○宮下議長:ありがとうございました。

井口委員、どうぞ。

○井口委員:全体最適に向けての標準化あるいは各層のコラボレーションの強化という方向性については、本当にこのとおりだと思っております。先ほど、宮下先生の方から商流の話がありました。商流の話、欧州の取引制度の話でありますとか、いろいろあるんですが、やはり流通をめぐる環境変化の1項目として、流通と外食あるいは中食、この辺のマーケットが非常に融合してきておりまして、私どものビジネスの範囲ではなかった業界が範囲になってきておりますので、対象としてはそこまで含んだ形でこういう標準化を進めていくというスタンスあるいはそういう問題意識、認識だけは前提としておいた方がいいのではないかと、先ほどの話を聞いて思いました。

以上です。

○宮下議長:ありがとうございます。

縣委員はきょうご欠席で、宮崎さん、どうぞ。

○縣委員(宮崎代理):今、皆さんおっしゃったのと同じなんですけれども、やはり縦割りをなくしていただきたいのと、場の設定ですね。こういうことに関する流通システム開発センターさんもそうですけれども、いろんな会議体があります。ですから、スケジュール感なり、対応規模感なりを含めて同じベクトルで進んでいくような形に、我々もそうでしょうけれども、リードいただきたいなと思います。

○宮下議長:大事なご指摘ですね。

それでは、皆さん方から一通り伺いましたので、これから皆さん方のご意見を受けとめて、最終的なまとめに入るんですが、まとめに当たって、次回のスケジュールを含めてちょっと浜辺さんの方から。

○浜辺流通・物流政策室長:ご意見どうもありがとうございました。これから、皆様からご意見を28日までにいただければ、それも追加していきたいと思いますが、同時並行で、主語を明らかにする、あるいは実現するための組織体を明らかにする等、事務局の方でも作業がございますので、同時並行で進めさせていただきます。それで、皆様の意見を加えた上で、できれば4月上旬、早い段階でドラフトをもう一度送らせていただいて、ごらんいただきたいと思います。

したがいまして、次回の委員会は4月中旬、ひょっとしたら下旬ぐらいになるかもしれませんけれども、またスケジュールを調整させていただきまして、4月中には必ず開くようにしたいと思います。

以上でございます。

○宮下議長:よろしいですか。何かご質問ございますでしょうか。時間がちょうど来ましたけれども。

それでは、きょうの委員会はこれで終わりにいたします。どうもありがとうございました。

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