経済産業省
文字サイズ変更
アクセシビリティ閲覧支援ツール

独立行政法人評価委員会 産業技術総合研究所部会(第6回) 議事要旨

日時:平成16年6月3日(水)12:00~17:00
場所:産業技術総合研究所臨海副都心センター4階第1~3会議室

出席者

木村部会長、浅井委員、安西委員、岡田委員、黒川委員、塩田委員、橋本委員、松重委員、山野井委員
[欠席]高橋委員、藤嶋委員

議題

(1)平成15年度評価及び予備的中期目標期間評価について
(2)その他

議事概要(委員からの主な意見等)

議題(1)平成15年度評価及び予備的中期目標期間評価について

【産総研の平成15年度評価結果(自己評価)概要について】

産総研からの資料に基づく説明のあと質疑応答があり、主な意見等は以下のとおり。

・評価の視点として特に質的なところを重視するとあるが、第1種基礎研究と第2種基礎研究における「質的」ということはどのような意味なのか。

→ここでいう質的観点とは、研究目標の設定とその進捗に対して、そのアプローチやリソースの配分といったところに至るプロセスも評価していくということで、評点だけではなくコメントをできるだけ分析し、研究ユニットにフィードバックするということを重視したということである。

・第2種基礎研究の場合は、思いがけないところからのブレークスルーがあり、直近の評価はなかなか難しい。レトロスペクティブに、あれがよかった、これがよかったということがあり得るわけで、第2種基礎研究の場合の評価をどのようにすればいいと考えているのか。

→第2種基礎研究ではどのような研究分野を統合すれば、それが世界の中の製品として意味をもつようになるかということはわからない。したがって、ユニット評価のレベルでは、そういったことが可能になるようなマネジメントが行われているかどうかを見ている。そういう意味で、どのような人を結集できるようなマネジメントをしているか、ユニットの中で第1種と第2種の人の交流はどうなっているか、他分野の人とのコンタクトはどうなっているかなど、研究の抽象的な組織がうまく自由にできるかどうかということは大きなことである。

・評価において一番重要なことは課題設定ではないかと思う。テーマによってどのような理由から課題を設定し、どう目標設定しているか、そしてその目標レベルが高いかどうかで評価しているが、高いかどうかは外部との比較になる。外部との比較ということよりは、むしろ外部にないようなテーマを設定するといいと思う。その善し悪しは、時間がたつにつれてわかってくるようなところがあると思っている。このテーマこそ、実は世界の潮流の中で中心的な研究テーマだったなどということがわかってくるようなテーマが一番すばらしいと思う。もちろん外部との比較も可能なことが多いわけだが、そういう場合でも、更にこういうところが大事なのだということを言いつつ、しっかりとやっていくことが重要なので、課題設定が評価の最大眼目ではないかと思う。

・「研究目標レベルの妥当性」ということで、「国際的な研究レベル」と書いてあるが、もう既にあるものにキャッチアップしたのか、それとも本当にフロントランナーになったのかなど、この評価にもいろいろな意味があると思う。

また、研究のレベルとして、アカデミックなものと、例えば次世代の産業の芽になるという視点で世界にないものをつくるということもあり、評価のマネジメントとしては大分進化していると実感している。

マネジメントとともに、ガバナンスというような一つの仕組みをつくって、国の大きな研究費、大きなエネルギーを使い、次にどうして行くのかという指向性も含め導いていく。評価のあり方には二面性があり、ガバナンスという面においても一つの指針になる。国立大学も法人化されたということで、この評価は非常に大きな先例であり注目されるということがあるので、その二面性についてもぜひ考慮をお願いしたいと思っている。

・研究テーマが一番大切で、それは研究の目的・目標につながってくると思うが、このような評価を行うと、目標に対する評価は非常に詳しくやられ、これをずっとやっていくと、そのうちに目的が忘れさられていく恐れがあると思っている。この点は、何年かたつとその危険性が出てきて、この研究は一体何のためにやっているのだということになる。したがって、目標点に対して、今のところは低くても、将来必ず役に立つというものは、内部評価者、あるいは外部評価者からのコメントを大切にしていただきたいと思っている。

【平成15年度における各研究分野の取り組みと主な成果】

産総研からの資料に基づく説明のあと質疑応答があり、主な意見等は以下のとおり。

・研究の成果については非常に実績を挙げているが、それをもとにした組織再編の考え方は、各分野ごとにかなり細かく分かれていたものを大括りしていくということ。この大部屋制のような考え方は、産総研のこれから進むべき方向を1つ示した考え方ではないかなと思っているが、そういう理解でいいのかどうか。

→本格研究はある種の社会のビジョンを大きなベースにしながら、研究のゴール設定をもちつつ、多様性を維持していくということであるが、これは非常に難しい両立性であり、それを解決する考え方として、プラットホームという表現で今回そのような視点での括り方をやってみたということである。

・分野での組織再編を行うにあたって、つくばセンターと、中国センターなど場所が違った場合、具体的に人が動くのか、それともバーチャルに組織をつくってやるということか。

→両方あり、今回は実際に動いたケースの方が多い結果になった。ユニットによっては、人としては地域にそのまま残るがユニットとしては一体として運営されるということになる。

・平成15年度の主な成果は大変すばらしいと思う。これまでにも産総研の成果には大変感銘を受けているが、その多くは、今まで要素技術といわれてきたものの成果。これももちろん非常に重要であると思うが、一方で、平成16年度に向けての組織改編は、主としてシステムを目標にしていて、その間にギャップがあるような気がする。これからの日本、特に産総研のようなところはシステムとしての技術的な成果を上げていくべきだと思っているが、その辺のところの見解を伺いたい。

→産総研の持ち味は組織研究で、従前の工技院の研究所では、組織としての研究所は15あったが、組織研究という認識はほとんどなかったような印象がある。それは、要素技術として、個人が技術を成長させて、そこから可能性が広がるというプロセスの展開だったのではないかと思う。それを、明確に研究ユニットという位置づけで、組織研究という展開方法は何かということを産総研の大きなミッションとして考えてきたところであり、組織研究の展開として、ゴールという明確な設定があって初めて組織研究の意味が成り立つ中で、要素研究はずっと継続して必要な部分だと思う。システムとして原理や理論などを全部統合していく中で、何が必要な要素研究なのか、そういう連動する構造をつくるということが今回の再編成の大きな視点である。

・環境やエネルギーは戦略的であり、そのシステムとしてはものすごく大きいシステムであろうと思う。エネルギーであれば、クリーンエネルギーと分散型エネルギーについて、要素を束ねて分類したという先まで行っているのか、システムとして、戦略とどのように結びついて、要素のところへ行っているのかというあたりはものすごく難しいところ。かなり膨大な費用が要るところで、どこまで追いかけるのだろうということが必ずしも明確に見えないところがあるがいかがか。

また、いわゆる基盤の技術、例えば超電導の技術はなかなか実用化しないわけだが、超電導は技術として必要。そういう観点もあり、延々と続けることはすごく重要と思うが、予算を食ってしまうという部門も出てきて、エネルギー固有の問題は非常に難しいがいかがか。

→大変重要なご指摘。エネルギー問題は現在、サプライ側からデザインされていて、エネルギーの要素研究もみんなサプライ側から出てきている。しかし我々はそうではないと思っていて、エネルギーは、本当は使う側から見ないといけない。そうすると、全く違う図式が見えてくる。世界的にみると、エネルギーはまだ空間が非常に多くて、使うという立場からみると、これから人類にとって本当に必要なエネルギー技術は一体何なのだろうかと思うわけである。ベストミックスという考えはサプライヤーの論理だが、そうではなく、使う側からみれば、そこにある太陽エネルギーをどうやってエネルギーサービスに転換するかという問題で全てを見るわけである。そうしたときに要素技術のマップにかけるわけだが、それは現在の要素技術の研究リストと違うわけで、我々はそういったところまで全部視野に入れてネットワークとしてやろうということである。

このように考えた場合のエネルギー変換技術は日本は非常に進んでいる。我々が高度成長を遂げた製造業の技術の大半は、エネルギー変換機器の製造に非常に優位な生産性をもって携わることができるというポリシーを背後にもっていた。そのポリシーは、産業政策ではなく技術政策であるが、そういう一種のシナリオを選びながら、エネルギーの要素技術をずっとリストアップしているわけである。情報通信もバイオもみな同じやり方をしているが、使うという立場から物を見たとき、一体どういう要素技術が必要なのかということを見ると、エネルギー研究は非常によく見えるということなのだと思う。

【各研究ユニット長からの報告】

産総研からの資料に基づく説明のあと質疑応答があり、主な意見等は以下のとおり。

・アモルファスの太陽電池の研究は、多分1970年代から、もともと電総研で始めたかと記憶しているが、延々とここまでやってきて成果も上がってきたことにまず敬意を表したいと思う。この先、2030年まで延々とあるということであるが、どうか頑張ってほしいというコメントをさせていただく。

・産総研としてのこれからの研究戦略と平成15年度の成果がどのように結びついていくかということについて、特に基礎研究に近いテーマでやっているグループは、産総研の研究戦略として、他の基礎研究を行っている国研、大学、企業の研究所等とどのように違ったオリジナリティーを出していくのかということを今後考えてもらいたい。

経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.