経済産業省
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産業構造審議会流通部会流通・物流システム小委員会(第5回)議事録

○浜辺流通・物流政策室長:それでは定刻になりましたので、ただいまから産業構造審議会流通部会、流通・物流システム小委員会を開催いたします。

流通・物流政策室の浜辺でございます。よろしくお願いいたします。

まず事務局より資料確認をさせていただきますけれども、お手元の資料一式の上に配付資料の一覧がございますけれども、その下に資料が1番から3番までございます。それからその後ろに「報告書(概要)」と書いた一枚紙、それから席上配付資料が2種類ございます。1つは「小委員会」と書いてあるもの、1つは「日本GCI推進協議会について」という参考資料でございます。その次に資料3がございまして、一番最後に前回の委員会で出た意見をまとめた資料がございます。

もし不足がございましたら、おっしゃっていただければ事務局の者が参りますので、お申しつけください。

○宮下座長:それでは早速本日の審議に入りたいと思います。きょうは第5回ですが、最終回でございます。今まで皆様方に議論していただいたものを踏まえて事務局で最終的にまとめましたので、原案についてご説明をいただいて、皆様方からたっぷりとご質問、ご意見等を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。

○浜辺流通・物流政策室長:ではよろしくお願いします。

報告書の構成などにつきましては、前回の委員会の場でパワーポイントを用いて説明させていただきました。その際に多くの意見が出されたわけですけれども、その意見のポイントについては、配付資料の一番後ろの方に「中間とりまとめ(案)0314に対する意見」という2枚紙がございます。これを踏まえまして、その報告書の追加、あるいは修正を行いまして、お手元にお配りしてある資料2という形になっております。

まずタイトルですけれども、前回はタイトルをつけておりませんでしたけれども、まず「流通・物流システムの革新を目指して」という仮のタイトルにさせていただいております。これがいいのかどうかについても、またこの後、ご議論いただければと考えております。

それから4ページでございますけれども、「はじめに―検討の背景―」ということで、これは既に前回ご説明した内容と変わりはないのですけれども、一番最後のところに、この報告書で扱っている内容として、主として消費財流通にかかわる部門を検討の対象としている。生産財、資本財については、また異なった局面がございますので、それについては必要に応じて言及するにとどめるということで、若干限定をさせていただいております。

5ページ以降は、「第1章

流通・物流システムを巡る環境変化」でございます。

1つが需要構造の変化、消費者ニーズの多様化・高度化。それから人口のピークアウト、少子高齢化の影響について書かせていただいております。

?の少子高齢化の影響の中で、単に需要が縮むというだけではなくて、一方で少ない子どもに対して購買力が集中するといった現象、「シックスポケット」と書いてありますけれども、こういったことを追加して書かせていただいております。

それから次、5ページの下から次のページにかけては、流通構造の変化ということで、業態の多様化、あるいは店舗数の減少といったことを書かせていただいております。これは前回ご説明したところから大きく内容は変化しておりません。

それから8ページで、「外資系小売業の算入の活発化」というところに触れておりますけれども、これは前回、一部には撤退していった外資系企業もあるということでしたので、一番下の方で、「日本市場の難しさ」ということも少し注意書きとして加えさせていただいております。

それから9ページ、「アジアの流通と物流の増大」、これについても背景を書かせていただいております。

9ページ後半では、「公的制度の変化」ということで、大店立地法の施行と、それから指針の改訂が行われているということを触れさせていただいております。

10ページでは、「物流規制、販売規制の緩和」ということで、この点については、医薬品など売場が限定されていた商品が多様な業態、スーパーやコンビニエンスストアなどでも扱われるようになってきた。医薬品や酒類の販売先の拡大ということを書かせていただいております。

それから物流分野では、いわゆる物流二法といいますか、規制法が緩和されていることによって、物流事業者の競争が激しくなっているということ。それからトレーサビリティの義務づけ等を書かせていただいております。

11ページでは、「ITを用いた管理技術の高度化」ということで、インターネット等の情報通信技術の進化。それから電子タグによる自動認識技術の革新、3番目にオープンシステム化の進展ということを背景として書かせていただいております。

12ページ以降は、海外で情報標準化にかかわる活動が活発化しているということを述べておりますが、かなり横文字が多くなっているということがございまして、この点については、横長の席上配付資料、小委員会参考資料というのがございますけれども、1枚めくっていただきますと、海外では各国のコード機関、左側にありますEAN、UCCといったコード機関だけではなくて、それを横断する組織としてGlobalCommerceInitiativeというものが真ん中に位置しております。それぞれ小売、製造業にかかわる業界組織というのも右側にあるわけですけれども、それらを横断する形の組織ができて、それが標準化団体にいろいろな要望を出していると。こういう図式をこれからは挿入していきたいと思います。

ここに書いてありますのは、要は商品コードですとか、流通システムの標準化に向けた活動というのが海外で今急速に活発化しているということでございます。

それから13ページですけれども、特に電子タグの国際標準化について、EPCglobalという機関が設けられたということを前半で示しております。

これにつきましては、参考資料の2ページをごらんいただきたいと思いますけれども、2005年からバーコードの管理機関として、欧州を中心とした国際EAN協会、それから米国のコードセンターがございますけれども、これが統一されてGS1という団体になりました。そのもとにEPCglobalということで、バーコードに次ぐ次世代のデータキャリアということで電子タグを位置づけまして、これの標準化を進める国際機関ができてきたという図式でございます。

さらにそれの日本支部というのに流通システム開発センターが位置づけられておりまして、このEPCglobalにおいて電子タグの国際標準化が進められ、またそれがさらにはISO(国際標準化機構)に提示されて、より高いレベル、普遍的なレベルでの標準化ということが進められております。現にICタグの1つの標準が、現在ISOで審議されておりまして、こういった動きが周波数帯ですとか、いろいろなタイプの電子タグについて、今後活発化してくるだろうということを書かせていただいております。

13ページの(6)では、「地球問題への対応の要請」ということで、環境問題への関心が高まっているということを指摘しております。特に産業界でもCSRということで、企業の社会的責任ということが意識されておりまして、環境報告書、CSRの報告書といったところで、こういった取り組みが述べられております。

14ページにまいりますと、「京都議定書の発効」ということついて触れております。これは運輸部門の二酸化炭素量がなかなか減っていないということですが、前回の委員会で、実はトラック部門、貨物自動車の分野はむしろ減っている、乗用車、公共交通機関の排出量がふえている。しかしながらCSRの観点から物流事業者について、二酸化炭素排出量削減への期待が非常に高まっているということを、後ろの方で指摘させていただいております。

以上が環境変化ということでまとめたものですけれども、それについて15ページ以降、第2章では、これからの流通・物流システムのあり方としてどういったことを考えるべきかということを述べさせていただいております。

まず最初に「サプライチェーンの全体最適化」ということで、部分最適から全体最適が必要になったということでございます。消費需要が成熟化してくる中で、個別企業はみずからの利害のみを考えて行動しますと、ゼロサム的な状況がもたらされ、社会全体の効率性の向上や利益の向上にはつながりにくい。こうした中でサプライチェーンの全体最適を図るような行動の変化が求められているということでございます。

具体的には、生産から消費に至るサプライチェーンにおいて、IT活用を通じて徹底的な効率化を図って、消費者にとって価値を生まない無意味な活動を排除するということが必要ではないか。そこで浮いた労力をマーチャンダイジングとか消費者価値の開発・創造を進める方向に活用していくことが必要であるということを述べております。

16ページでございますけれども、そういった全体最適化を念頭に置いた上で、競争分野だけではなくて協調分野もあるだろうということで、これまでも全体最適ということが、それぞれのグループやコミュニティにおいて検討されてきたわけですけれども、より幅広いレベルでの標準化、全体最適化を考える必要があるだろう。その上で、もちろん競争すべき分野もあるんですけれども、協調すべき分野があることを明確に認識する必要があるということでございます。

16ページの下の方では、そういった全体最適化に向けたIT活用ということで述べておりますけれども、これまで日本の流通・物流システムは非常に優秀であると、つまり現場主義に基づいて非常にきめ細かい、質の高いサービスが提供されてきたという認識に基づいているのですけれども、ただ、その場その場ごとの個別性、特殊性が高くて、なかなか知識としての一般化・形式化が難しかった面があるのではないか。このことが小売の段階で複数のシステムが乱立するような状況を生じせしめ、メーカー、卸との間で複数の標準ができてしまうということになった。

今後は、労働力人口の減少化が確実になってくる中で、こういう現場主義的な能力だけに依存することでは限界がございますので、ITの活用を積極的に図り、在庫情報・出荷情報をリアルタイムで共有して、効率的な商品供給を行うシステムが必要であるということで、やや詳しめに書かせていただいております。

17ページで、そうしたIT活用を図るもう1つの形として、「未来型小売店舗システムの実現」ということで、小売の段階でも電子タグ等を利用するメリットが出てくるのではないかということでございます。これは流通段階での物流の効率化、流通の効率化というところから一歩踏み出しまして、手にとった商品情報を表示するスマートカートですとか、レジ待ち行列をつくらずに代金支払いができるエキスプレスレジですとか、あるいは関連商品のコーディネートを表示する試着室の活用といった形で、消費者の満足度を高めるシステムの開発・実現も可能であろうと。

さらには、電子タグと携帯電話、電子マネー等の技術を融合しまして、消費者が商品の生産・流通履歴を確認する、あるいはみずからの購買履歴に連動したサービスを受けるといった未来型の小売店舗も可能となってくるのではないかということを指摘させていただいております。

その次、「トレーサビリティ・システムの実現」というところでは、前回、國領委員からの報告にもございましたように、電子タグで生産・流通履歴を管理していくためには、それなりのデータベースが必要になってくるということで、これは個々に孤立しているのではなくて有機的につながるようなネットワークの整備が必要になるということを指摘しております。

(3)で、「情報共有基盤の標準化」ということですけれども、2つの要素に分けておりまして、コード・メッセージ・通信プロトコル・商品マスターの標準化ということを述べております。現在、国際標準化団体のGS1の方で、商品コードの標準化、あるいは事業所コードの標準化ということを推奨しておりまして、これは我が国でも早期に普及を図っていくことが必要だろうと考えられますし、EDIのメッセージや通信プロトコルにつきましても、従来のJ手順にかわるような意味合いの標準化が必要であるということでございます。

18ページになりますけれども、こういうインターネットベースの企業間の情報交換に対応するために、企業内の基幹システムをオープンシステムに転換していくことが望ましい。これはいってみれば、特定のベンダーに依存しない形で標準パッケージを使いまして、これを組み合わせた形でいろいろなシステムを組み立てていくということでユーザーの選択肢をふやし、コストダウンを図ることが必要であるということでございます。

それから「業務プロセスの標準化」も必要になってくるということを書かせていただいておりまして、企業間の情報を共有しようとしますと、各企業の業務プロセスも、ある程度共通の方向を見出していく必要があるであろうと。そういった業務プロセスを業界内で共有することが必要になってきまして、どの程度各企業で効率化が進んでいるかということをチェックするためにECRスコアカードのような診断ツールの利用が有効ではないかということでございます。

4番目に「国際流通・物流との継ぎ目のない連結」ということで、これは企業活動がグローバル化して、特にアジアとの貿易量が増大するに伴って、国内と国外の物流を別物としては扱えなくなってきたということで、1つに港湾・空港における物流の連結ということ。それから20ページに飛びまして、その上で「国際的な情報の流れの連結」を図っていくことが必要であるということです。

それから20ページ、「外部環境との調和、環境負荷の低減」ということで、物流システムを考えていく上で、二酸化炭素の排出量の低減、あるいは包装容器から出てくる廃棄物の抑制、リサイクルの推進、それから3番目には都市環境との調和といったことを配慮する必要があるということを、方向性として示しております。

21ページ、第3章では、「これからの流通・物流システムの課題と政策」ということで、より具体化した形で課題に落としていくわけですけれども、まず一番最初に標準システムをどのように普及促進していくかということで課題を掲げております。

これまでは業種・業界を超えた課題共有をする場ですとか議論をする場が足りなかったのではないかと。消費財流通について考えてみれば、製造・卸・小売がそれぞれにみずからの利害を追求してきたということがございまして、下に典型的には、各社が独自の発注部門等を設けているということを例として挙げているわけですけれども、コードやメッセージの標準化がいまだに十分進んでいないということで、まず課題を共有して議論していく場が必要ではないかということを書かせていただいております。

そのために、次の22ページで、「ユーザー企業主導型の推進体制の整備」が必要であると。こういう標準システムの普及促進には、個別企業の取り組みだけでは限界がありまして、関連業界のまとまった取り組みが必要であると。欧米では、先ほどご紹介しましたように普及促進の役割を担う業界組織、あるいは業界横断的な組織ができ上がっているということでして、これから日本でもこういった製造・卸・小売をまたがった標準化の推進体制が必要となろうと。1つの例として、日本GCI推進協議会(GCIジャパン)といわれる組織が今活動しておられるわけですけれども、これはメーカー・卸・小売の70社近くが集まって自発的に情報共有基盤の構築に向けて活動されておられるわけです。

これも、この組織で活動しているだけでは不十分でして、大企業のみならず中小企業の意見を反映していくことも必要ですし、例えばチェーンストア協会ですとか日本百貨店協会ですとか、こういった既存の業界団体間の働きかけ、連携も必要となってくるのではないかと考えられます。

3番目に「国際的な交流の強化」ということですけれども、こうした標準化の取り組みも国内だけにとどまっていては意味がないということで、これはやはり国際的な標準化の中で、ある程度整合性をもって進めていく必要があろうということで、ここにはECRヨーロッパ、アジア等、海外の取り組みを国内に紹介する、あるいは日本での取り組みを海外に情報発信するといったことが必要ではないかということでございます。

こうした業界横断的な組織というものを念頭に置いた上で、23ページ以降、「次世代の情報共有基盤の導入」ということで、具体的に3つ挙げております。1つは「商品マスターデータの同期化」、2つ目に「インターネットEDI」、3つ目に「電子タグの国際標準化と実用化」ということでございます。

商品マスターデータについての考え方というのは、横長の参考資料の4ページをごらんいただきたいと思いますが、下の真ん中の方に「マスターデータの同期化システム」というのがございますけれども、メーカーの段階で新しい商品の情報が入るたびに、卸・小売各段階で、紙のカタログ媒体を介して、それぞれの卸業者、小売業者が各社のデータベースに手作業で入力するという現状がございまして、それぞれ大変な費用負担が業界全体で発生しています。「情報共有基盤」というからには、メーカーで新製品の情報を更新したときに、卸・小売各段階で、そういった商品情報を共有できるようにしようという即時共有の仕組みを今後整備していく必要があるのではないかということでございます。これにつきましては、既に日用雑貨品の業界、あるいは加工食品の業界で、先行するデータベースも構築されているわけですけれども、さらにもう少し幅広い分野において、また各業界で構築されているデータベースを接続していく、こういう仕組みが必要ではないかということでございます。

こうしたマスターデータの同期化システムができた上に、その下にインターネットEDIというものがつながることによりまして、商品のデータを共通のフォーマットでメーカー・卸・小売の間でやり取りをする。このような仕掛けが必要ではないかと考えております。

これは現在、流通システム開発センターを通じての委託事業で、具体的なモデル事業というのを展開しておりまして、そのスケジュールについては後ほどご説明したいと思います。

こうしたシステムができた上に、24ページですけれども、電子タグの実用化も進められていくということでございます。24ページの真ん中の方に少し書いておりますけれども、?の次の段落ですが、前回、國領委員から、行政ごとに、所管する業界ごとにばらばらのシステムを組まれては困るというご指摘がございました。

以上述べたように次世代情報共有基盤の導入を進めるには、その標準化は不可欠である。このため政府内で各府省が所管する物資や業界ごとに接続性のないシステムの標準化を進めることは厳に戒めるべきである。ユーザー業界主導による国際標準化の動向を踏まえて流通・物流システムに関する政府内の取り組みについて整合化を図ることが極めて重要であるということで、抽象的な表現ですけれども、具体的には生鮮食品についてのコードですとか、加工食品、日用雑貨品におけるコードやシステムが食い違ってくると、これは小売の段階で非常な非効率が生じるということですので、その点について省庁間の整合性を図るように取り組んでいくことが必要であるということを指摘しています。

それから(3)のところで、「国際標準への積極的な提案」ということで、これまで国際標準の普及ということでJANコードにつきましては、一定の成果があったわけですけれども、どちらかというと国際標準への関心がこれまで低かったと。それから日本の流通の状況に国際標準が必ずしもマッチしていないという問題がありまして、国際標準への関与といいますか、提案というのがこれまで鈍かったということが書かれております。

今後は積極的にかかわっていく必要があるということですけれども、25ページで具体的に書いておりますのは、やはり電子タグ、インターネットEDI、GDS、こういった国際標準化の動きが現在進んでおります。幸いにして海外の動きも完全にフィックスされたということではございませんので、日本の方で新しいシステム、卸売りの存在、小さな小売の存在ということを前提にして、日本の方で先んじてこういうGDSや電子タグの標準をつくって、それを国際標準団体に働きかけていくことが必要だと考えております。

したがいまして、流通システム開発センターを中心にして、このGCI推進協議会ですとか、そのほかにも電子商取引推進協議会、それからJAISAといった情報機器系の業界団体もございますので、こういったところと連携しながら国際標準を日本から提案していく力が必要であると考えております。

それからテーマが変わりまして、「流通・物流コストの可視化・透明化」という問題でございます。これは非常に難しい問題だと思いますけれども、1つには「商慣行とサプライチェーンマネジメントの効率化」について関係を述べさせていただいております。ここでは、リベートとか返品制度とかさまざまな商慣行がございますけれども、これは一概にサプライチェーンマネジメントを阻害するものではないということで、もともと商取引を円滑化するために導入された慣行ですけれども、それぞれリスクやコストの負担についてメーカー・卸・小売で考え方が異なってくるがために、その存在についての評価も異なっているということを指摘しております。問題なのは、リスクやコストに関する取引条件や算定基準が不明確であったり、優越的地位を濫用して行われている場合には、問題が生じる可能性があるということでございます。

その上で26ページで提言しておりますのは、今後、流通・物流コストを可視化していく、目にみえる形にしていくということが必要ではないかということで、26ページの中段に書いてありますのは、これまで消費財の取り引きが建値制度ということで、商品を買い手の方で着地受け渡しの条件で価格が設定されている。いわばメーカーから卸に納入されるときに、その間は物流の費用が込みの形になって仕入価格、取引価格が設定されていた。このため、コストが流通・物流にどれぐらいかかったのかというのは明示されていません。1つの考え方として、その取引価格を設定するに当たって、商品の原価と物流サービスにかかる費用を分離しまして、コストの透明性を高めることが必要ではないかと。物流費用込みの価格制度をとった場合でも、その物流の状況を明確化してサービスに応じたコストというものを設定していくべきではないかということでございます。

次のページに簡単な参考式を書かせていただいておりますけれども、工場出荷価格に物流費、販売管理費、それから卸・小売における利益を乗せたのが小売の販売価格になるであろうと。これはどのような形で明示していくかということについては、これから業界関係者の間で協議していくことが必要ですけれども、1つの物流コストを把握する手法としてABC(活動基準:ActivityBasedCosting)、ABM、そういった標準的な算定手法を活用して把握していくことが重要であるということでございます。

それから27ページでは、特にEDIの利用手数料ですとか、物流センターの利用料、あるいは返品の費用など、コスト負担やリスク分担において必ずしも当事者間で納得が得られていない場合が存在します。こういった場合には、取引条件の見直しやコスト負担の適正化が必要ではないかということでございます。

5番目に「国際物流インターフェースの効率化」ということで、3つの課題を挙げております。

1つは「物流ソフトインフラ国際標準化」ということでして、ここに挙げておりますのは、EDIの標準化、あるいはパレットやコンテナといったものの規格の標準化を進める必要があるということを示しております。

その次に「輸出入手続きの簡素化」ということで、手続きの電子化あるいはシングルウィンドウ化ということを進めていく必要があるということです。

3番目に「アジアとの連携強化」ということを掲げておりますけれども、現在、中国や韓国の物流担当の政府セクションから、基本的な物流にかかわる統計データの交換ですとか、あるいは政策についての情報交換の交流の機会をふやしていきたいという呼びかけが非常に多くございまして、これもまずは情報交換というところからですけれども、連携強化を図っていく必要があると考えております。

6番目に「環境調和型ロジスティクスの推進」ということで、まず?で、「環境負荷の軽減に向けた規制の導入」ということで、今回、エネルギー使用の合理化に関する法律が改正されまして、新たに物流分野が規制対象となる予定です。この改正法案では、大口の荷主企業及び大手の物流事業者がそれぞれ省エネルギーについての責任を負い、計画を策定し、その実施状況を行政に報告するということが義務づけられることになります。こうした例は、国際的にみても通例というわけではないようですけれども、荷主企業も意識を高める、物流事業者だけではなくて荷主企業にもその責任があるということで、意識を高めることにかなり寄与するのではないかと考えております。

次に「共同物流/3PL(サードパーティ・ロジスティクス)活用による効率化」ということで、これは前回ご紹介しました流通業務総合効率化法といったものを活用していただきまして、住みにくかった共同物流やサードパーティ・ロジスティクスを推進していくということを呼びかけさせていただいております。

29ページですけれども、3PL、あるいは共同物流についても、共同化を進めるに当たってサードパーティ・ロジスティクスの活用が非常に有効と考えられるわけですけれども、荷主企業にとっていろいろな選択肢を選べるようにすることが必要ではないかなということで、そういう荷主企業と物流事業者の間で業務プロセスを標準化していくとか、こういったことも今後必要ではないかということを書かせていただいております。

29ページの後段で、「環境マネジメント手法の高度化」ということで、環境負荷削減のために、法律だけではなくて「グリーン物流パートナーシップ会議」を設けまして、荷主、物流事業者の二酸化炭素削減への取り組みを共同して進める枠組みを設けているということでございます。こうしたことを通じて環境調和型の推進マニュアルなどの手法を広めていきたいということを書かせていただいております。

最後に、こうした政策をどのように進めていくのかということで、もう少しスケジュールを明示したのが第4章でございます。

1つは、「次世代の情報共有基盤の標準化」というところで、まず第1に、先ほど掲げました日本GCI推進協議会の取り組みについて触れさせていただいておりまして、そもそも2002年度に設立されたわけですけれども、今年度から調査研究を進める機関から、実際の流通システムの情報化、標準化を推進する組織として活動を強化するということになっておりまして、今後各国でいわれるところのECR組織、あるいはEPCglobalなどの国際団体との交流を深めていくということでして、これは特定の企業ということではなくて業界団体に波及する活動ということですので、行政としても適切な連携を図っていきたいと考えております。

2番目に「商品コード、事業所コード」ですけれども、これは流通システム開発センターで普及を図っていくことになっておりますが、基本的には2007年度までに各企業のシステムをこれに対応させていただくということになっております。この2007年というのはいろいろな形で出てきておりまして、これから2年をかけて導入するということですけれども、この間に流通システムをどう標準化させていくかということが課題になろうと思います。

次に「インターネットEDI」ですけれども、今から20年前に策定されたJ手順というものがかなり古くなってきている。またシステムとしてのメンテナンスも困難な状況になってきているということでして、これを早急に入れかえを検討する必要がございます。このため2003年度~2004年度にかけて経済産業省から流通システム管理センターに委託しまして、インターネットEDIシステムの標準化を進めてまいりました。今年度以降、これをチェーンストア協会など業界団体を核に普及推進を進めることにしまして、2007年度からメーカー・卸・小売の流通業界全体で本格導入を実現していきたいと考えております。

それから「商品マスターの同期化」につきましても、これは昨年度基本設計というのを策定しまして、今年度実証実験を行う予定です。その後流通システム開発センター及び日本GCI推進協議会などとの協働の体制によって、2007年度からの本格普及を目指したいと考えております。

「電子タグ」につきましては、先ほどご説明しましたように、UHF帯の電子タグについてEPCglobalとISOでの国際標準化が進められておりまして、ことし中に標準規格は承認される見通しでございます。一方、経済産業省の推進している「響プロジェクト」では、国際標準に準拠しながら1枚5円の電子タグを技術開発しようということで、ことし中に試作品があらわれ、来年中には完成品が市場に供給される見通しになっております。

一方、EPCglobalにおきましても、利用分野ごとにビジネスアクショングループが設けられておりまして、消費財流通、医薬品、さらには物流、今後は自動車や航空宇宙も入ってくるということですけれども、それぞれの利用分野ごとに標準化を進めるという動きが昨年来活発化しております。また欧米の流通業やアメリカの国防総省でも、2005年から上位100の納入業者にケース単位での電子タグの張りつけを要求しておりまして、2007年からは全面的に導入するという計画を立てております。したがいまして、日本企業もEPCglobalに積極的に参加していく、その過程で国内でも標準化の議論にかかわっていくことが重要となってまいります。

それから、電子タグを活用した実証実験につきましては、昨年来百貨店協会を初め7つの業界で進められてきたわけですけれども、今後は小売分野において、百貨店以外の業態においても電子タグの普及を進めるために、今後「未来型店舗サービス」についての実験を2005年度~2006年度に実施していきたいと考えております。そして「響プロジェクト」の成果が2007年度に市場に供給されますので、それを目途にビジネス展開を進めたいということでございます。

32ページ、「環境負荷軽減への取り組み」ですけれども、1つは「流通業務総合効率化法の制定・施行」ということで、これは現在審議中です。このまま順調に進めばことし10月から施行されますので、京都議定書が目標年次とする2010年に向けて数多くの計画認定を行い、類型で相当程度インパクトのある二酸化炭素量の削減を目指したいということでございます。

それから次に「グリーン物流パートナーシップ会議」というのが、先ほどもご説明しましたけれども、これは横長の参考資料の7ページ以降に出ておりますけれども、昨年12月に経団連、物流団体連合会など関係団体が主になってつくった会議の枠組みです。現在登録されている企業数が2,100社を超えておりまして、この会議に参加することによって二酸化炭素排出量を測定し、あるいは具体的なパートナーシップ事業について補助をしていくということでございます。8ページに具体的な会議の枠組みですとか、9ページには今後のスケジュールといったものが出されております。これを母体に法律の運用や取り組みを推進していくということになっております。

それから「環境調和型ロジスティクス推進マニュアル」につきましては、これは今回改正された省エネ法の基準に採用するべく、中身の詳細な検討が一層進められるということでございます。

3番目に「物流インフラの国際化」ということですけれども、1つはパレットの標準化ということで、日本の標準規格でありますT11型というのがあるんですけれども、これは1.1m四方のサイズでございます。これは日本で既にISO規格として採用されておりまして、さらにこれを日本、中国、韓国3ヵ国の共通規格として採用しようということで検討が進められております。

それから電子タグにつきましても、特に物流については、国際物流ではアクティブタグ、みずから電波を発するタイプのタグの標準化が今後進められていく見通しでございます。これに対応しまして、昨年来日本ロジスティクスシステム協会で貨物の移動状況の追跡を可能とするようなインターネットEDIの検討、実証実験が進められております。今年度は具体的に電子タグと標準化されたパレット・ケースを組み合わせた実験を進めて、このような標準化プロセスへの提案を目指していきたいと考えております。

さらに国土交通省では、港湾物流情報プラットホームということで、荷主企業、船主、港湾の運営主体ということで、それぞれ電子データを交換する土台がばらばらになっていたわけですけれども、これの整合化を図るためのプラットホームの構築ということが2005年度、進められる予定でございまして、荷主の事業者には積極的な加入を促していきたいと考えております。

港湾手続きの電子化・シングルウィンドウ化につきましても、現在関係省庁の連携のもとに進められております。この手続きを国際化するFAL条約が正式に締結されまして、これの発効に向けての関係法案の改正作業が現在進められているところでございます。

説明が長くなってしまいましたけれども、要するに2005年~2007年にかけまして、いろいろな形で標準化ですとか、あるいは新しい情報化のツールが、流通・物流システムに導入されていくということでございまして、この報告書で、もう少し工夫が必要かと思いますけれども、こういった形で今後関係業界に普及を図っていきたいと考えております。

以上でございます。

○宮下座長:ありがとうございました。

浜辺室長に、今まで議論したものを大変上手におまとめいただきました。全体が4章になっているわけですが、最初が環境のとらえ方、その次に、そういう環境の中でこれからの流通・物流システムはどうあるべきかということを押さえて、その、どうあるべきかを踏まえて政策の方向を3章で整理して、そしてその政策をどういうロードマップで進めていくかという形で整理しているわけございます。

皆様方から、どうぞご自由にどこでも結構ですので、ご発言、ご異議等がございましたらお願いいたします。いかがですか。このあたりの表現は少しいき過ぎではないかとか、足りないのではないかとか、そういう表現上のことでも結構ですので、どうぞお願いします。長谷川委員どうぞ。

○長谷川委員:すごくよくまとまっていまして勉強になりました。ありがとうございました。

その中で第2章というのがその方向性、進路を表現して、第3章でそれを実現するための政策ということで、その中で、非常に重要な問題ですけれども、「コストの可視化」というのが突然出てくるものですから、第3章で。第2章で、大体そこに含みがあって、そしてそれに対して第3章でこういう問題があるというのが、ほかのやつは大体そうなっているんですけれども、ここだけがちょっと突拍子もなく出てくるので、少し第2章で何か表現を入れた方がいいのではないかなと思います。

○宮下座長:私もちょっとそれは感じておりました。第3章のところ、政策の方向ですね。ここはどちらかというと実態的な問題提起をしていて、政策につながった提言をちょっとやるとか、取引慣行等のところ、ここをどうもっていくか、私もちょっと気になりました。

○浜辺流通・物流政策室長:そこは事務局の力不足のところでして、IT化とか標準化が進んでくると、今まで通用してきた商慣行が変更を迫られる場面がきっと出てくるのではないかと。それは、どの事業者にどういった形でしわが寄っているかということが明らかにならないと、その変更の仕方もわからないわけですけれども、そういった意味でどの事業者が過大なコストを負っているのかということを、今後明らかにしていく必要があるだろうと。ただそれは、IT化とか標準化が進んでいく過程で自然にあぶり出されてくるのかもしれないんですけれども、そういう意図が事務局の中の議論でも出たんですけれども、少しそういったところをうまく導入できるようにしたいと考えています。ありがとうございました。

○川委員:関連でよろしいですか。

○宮下座長:どうぞ川委員。

○川委員:イトーヨーカ堂の川でございます。先々回の会議でしたか、私もコストの可視化ということについては非常に重要なテーマだという意見をさせていただいたと思うんですけれども、私が申し上げたコストの可視化の趣旨というのは、従来のいわゆる物のコストだとか物流のコストだとか、そういう単純-単純というか、特に私ども小売の立場で申し上げますと、商品に対する付加価値、いろいろな付加価値のつけ方でコストも変わってくる。例えばビールだって常温で運ぶ物流コストとチルドで運ぶ物流コストは、当然違ってきます。あるいは生鮮でも、チルドで一貫するのと市場を通したものでは変わってくる。そのように新しい商売というか、商品の価値づけの中で、従来のコストというものがどんどん変わってきているわけですね。したがって、やはり1つの基準というものをつくらなければいけない。

それが、例えば27ページの一番上、これは非常にシンプルにまとめられたと思うんですけれども、参考で事例が出されているような、こういう形で表現されますと、ちょっと違うのではないかと思います。

私は、あえていえば、こういう前段があった上で、商品の売買契約の中で、そういったコストというものはきちんと明記するとか、そのように着地した方が、それぞれの固定の標準のコストは幾らだというのは、余りばらつき過ぎて標準になり得ないのではないのかなと感じました。

以上でございます。

○宮下座長:ありがとうございました。

この辺の問題は、政策になるとすぐ独禁法が出てきて、最近ではお互いの取り引きマナーとか、そういう話になってしまって、なかなか政策論というのは難しいんですよね。そこをどう整理するか、第2章の方で少し触れておいて、先ほど長谷川委員がおっしゃったように、2章でもこの問題を少し表現上、押さえておいて、そして何か政策的につなげるものをちょっと追加したらいいのではないかと思いますね。

どうぞほかに。

○眞鍋委員:すごくよくまとまっていると感じましたが、ちょっと気がついたのが3ヵ所ありました。

ページの初めから順番にいくと、13ページのところで、CSRとなっているのですが、最近はCがとれてSRということの方が多いような気がするのですけれども、どうでしょうかというのが1つ。

もう一つは20ページのところで、(5)の?、2行目から3行目にかけて、「モーダルシフトの推進や効率的な配車の実現といったソフト面ないしシステム面の両面」ということで書かれているのですが、「モーダルシフトの推進」よりも「効率的な配車の実現」が先ではないでしょうか。というのは、国土交通省さんはモーダルシフトで温暖化防止とおっしゃっているようですけれども、実際はそれではいかないのではないかということがあって、「モーダルシフト」と「効率的な配車」、ソフト面が先ということから見ても、これは順番が逆ではないかという気がします。

それから最後の一つは、29ページで、環境マネジメント手法の高度化ということで、「マネジメント手法」と書かれているのですが、実はここに書かれているのは、パフォーマンスの算出手法しか書かれていません。パフォーマンスとしては、これは絶対にこういうやり方をしてもらわないといけないと思うのですが、実際にそれを実現していく上では、ISOとは言わなくても、そういう仕組みの部分、即ち、そのマネジメントという意味の部分が大事なところです。そのマネジメントの部分がここには全然入っていません。

ISO14001というのは仕組みだけでパフォーマンスは問わないというのが規格の中に書かれていることからかもしれませんが、どうもパフォーマンスはほったらかしにして形だけという会社も多いことはISOの審査でも承知しています。実際には目標を立てて考えて進めていく上で、そんなにうまくいくことばかりではないから、そういう点でもマネジメント手法というのは、PDCAを回すという意味で大変大事だと思います。ISOの考え方そのものについては、マネジメントとしては非常に良い考え方だと思っています。

そういうことで、ここは「マネジメント手法」と書かれているので、その辺のことを出されたらいかがかと思います。

○浜辺流通・物流政策室長:最後のご指摘の点は、確かにこれは二酸化炭素量の共通の測定手法としか書いてなくて、マネジメントの手法というのがあった上で、それによってどの程度のパフォーマンスを示せるのかというきちんとしたマニュアルの考え方が確かに不十分かなとも思われますので、この部分については手直しをさせていただきと思っております。

あと20ページのモーダルシフトと効率的な配車という点については、モーダルシフトについても、国土交通省さんも別に旗をおろしているわけではないので、引き続き両方進めていくことだろうと思いますけれども、そういう足りない部分は確かに効率的な配車で補っていくんだという、そういう関係を少し明確にしたいと思っております。両方よく調べて検討いたします。

○宮下座長:ほかにいかがでしょうか。どうぞ、湯浅委員。:

○湯浅委員:私も、全体的によくまとまっていて、特に異論はないんですけれども、表現の話になりますけれども、25ページの商慣行のところですが、ここは表現が非常に難しいと思いますが、2行目のところに、「メーカー・卸・小売の立場によって評価が分かれている」と書いてあって、その後に「歴史的に形成されてきたのであるから阻害するものと決めつけることはできない」とありますが、評価が分かれていることをそのままにして先に行っていいのかどうか。つまり評価が分かれている、それぞれの立場というのは利害になるかもしれないですが、これをそのまま放置したら先に進まないのではないかと。サプライチェーンマネジメントとは何かという、それにもよるんでしょうけれども、このあたりなぜ評価が分かれてしまうのか、これを共通の土俵に乗っていただいて、先に進ませるにはどうしたらいいのかという、ここをきっちり押さえておかないと、何か逃げているような文章に感じてしまうという、これは私の印象ですけれども、そんな感じがします。

それから流通・物流コストの可視化というのは、恐らくタイトルとしては、27ページのコスト負担の適正化という、この中に本来は入ってくるのかと思います。先ほどお話があったような、要求されるサービスは異なります。それについては作業のコスト、付加価値が伴いますと。そこを明示して、なおかつ重要なのが、そのコスト負担をどうするのかというのは、先ほど川さんからお話があった契約の内容だとか、そういう中で明確に決めていくべきことだろうと。

ちょっと言葉に語弊があったら申しわけないんですけれども、かつての力関係のようなものを反映した取り引きではなくて、数字に基づいたビジネスライクな関係というのが非常に重要だと思いますので、その辺を位置づけた方がよろしいのではないかというような気がします。

もう一ヵ所だけ、ちょっと気になるのが16ページのところですけれども、上の方で現場の能力がすぐれている。多分これは暗黙知として位置づけられているんだというところで、一般化・形式化が難しい。「このため」といって、「小売段階で複数のシステムが乱立」とありますけれども、ここは何かつながらないような感じがしておりまして、現場の能力がすぐれていて、暗黙知で、一般化・形式化が難しい。だから小売段階で複数のシステムが乱立してしまうのかなというのが1つ。

それからその下のところで、未熟練労働者の活用が必要だと。そのとおりだと思います。「そのためには」という中で、効率化から一気にITの活用を図って「サプライチェーン上の在庫情報・出荷情報をリアルタイムで共有し」云々というところも、ちょっとつながりが悪いかなという気がします。ここに書いてある在庫情報・出荷情報の共有というのは非常に重要なことで、これに対しては一切異論はないわけですけれども、つながりという点でもう少し直した方がいいのかなと。私の勝手な感想でございます。

以上です。

○宮下座長:ありがとうございました。

どうでしょうか。お1人ずつどうぞ。縣委員どうぞ。

○縣委員:非常に今までの成果がよくまとめられていると思っておりますが、私の感想も、川さん、湯浅さんから出た話と重なるのかなと思うんですが、先ほどの商慣習の部分ですとかコストの可視化の部分、ここは1つの重要な領域であるという認識は皆さんもお感じだと思いますけれども、この報告書全体の構成をみたときに、例えば第3章に突然出てくる。これは第2章でカバーしましょうと。ここまではいいんですけれども、私が気になっているのは、第4章のところにいったときに、そのあたりが実は核心をついたアクションにちょっとなっていないのかなと。実際に情報のプラットホームであったり、環境負荷の問題であったり、海外とのインターフェースをよくしましょうというところになりますので、非常に難しいことだとは思うんですが、この第4章のところに、そこのあたりが一緒に課題を共有化するような、何かそのようなスタートが来年、再来年あたりにあって、ここで今挙げられている4章が有効に機能していくのではないのかなと。その辺が、ここまで来ているものですから、実際にワークするためにもぜひもうワンプッシュしていただけるとありがたいなと思います。

○浜辺流通・物流政策室長:実は、4章でそこまで書いてしまっていいものかどうかというのは議論としてあったわけで、その4章で、一番最初に業界横断的な協調体制の推進というのを書かせていただいておりまして、ここで意識しているのが情報化・標準化についての取り組みということですが、さらにそれを進めていく過程で、こういうコストの問題とか、そういった点についても触れていただけるのであれば、それは思い切って書いてしまいたいとも思いますし、またそれを後ろで支えるようなソフトなツールというか、そういったものも整備する必要が出てくるのだろうと思いますけれども、ちょっと事務局としてそこを、コストの可視化について具体的なアクションというのを今の段階で明示できるかどうか、やや迷っているところはございました。

しかし、今こういったご意見をいただいたので、そこはちょっとまたご相談させていただきながら盛り込み方を検討したいと思います。やはりそれぞれの立場や利害を超えた協調というか、検討というのが一番の解決策だろうと考えております。そういった中で、具体的なアジェンダとして挙げていただけるのかどうかということになってくるのかなと思っております。

○宮下座長:ご説明していただいておりませんけれども、もう一枚「おわりに」というのがございまして、ここで、我々のこの委員会での議論、今までやったものを整理すると以上のようなことですけれども、今までの議論では、必ずしも十分満たされていないような、今後への課題のような形も、この言外に入っているのではなかろうかと思います。今回の提案、報告書の内容すべて完璧ではないんだと、今後この問題はいろいろな形で研究、検討していかなければならないというようなニュアンスがここに入っておりまして、しかし、今いろいろご指摘されたような課題的なものはできるだけ入れておいて、具体性のあるものとないものと両方あって、具体性のないものは今後の検討課題にしていく、このようなとらえ方をしていただければいいのではないかなと思っております。

井口委員、何か。

○井口委員:全体として特にこうだという意見はないんですけれども、やはり私も、川さんとかほかの方と同じで、コストの可視化のところがとっても気になっていたわけですが、今いろいろご説明いただきましたので、特にここで改めて私の意見をお話しするつもりはないんですけれども、やはりコストの可視化をするだけでは意味がないので、可視化をした上で、それに基づく適正な取り引きが機能する環境というのを、長期的に日本のマーケットでもつくっていかないと、なかなかこの辺は、先ほどお話があったように力関係が優先してしまうという状況になることもあるのではないかというようなことも感じておりました。特にそれ以外にはございません。

○宮下座長:ありがとうございました。

石井委員どうぞ。

○石井委員:1点ですが、物流セキュリティに絡む問題をどうしていくかという議論を少しでも入れておいた方がいいと思います。と申し上げるのは、今アメリカからいろいろかなり突きつけられているのがある。それに対して、この中でいわれているのは、国際標準的なものを導入していくことでおのずとカイ?はみえてくるんだというのも、それも1つのカイ?だはと思うんですけれども、逆に物流を可視化していくということはセキュリティそのものの対策にもなっていくわけですので、これは新たに作業するということではなくて、そういう点を1つ書き加えてはどうかなということでございます。

○宮下座長:ありがとうございました。

川委員どうぞ。

○川委員:表題の「システムの革新を目指して」ということを踏まえれば、例えば1ページの「はじめに」というところを読むだけでも、グローバル化とか、あるいは全体最適化だとか、製配販の協調だとか、荷主と物流事業者の連携によるとか、もはや今ある課題を従来の一企業だとか業界だとか、そういうところでは対応できない。全く新しい、今までの仕組みを変えて新しい仕組みというかメンバーが集まって対応をしなければできないんだと。この文章の中にそういう趣旨というのは随所に盛り込まれているわけですけれども、もう少しその辺をもっと思いっ切りいってもいいのではないのかなと。というのが感想でありますけれども、私の意見であります。

○宮下座長:ありがとうございました。

今、川委員からタイトルもご指摘がございましたが、これも浜辺室長の苦心の作でございまして、最初は「小委員会の報告書」か何かになったんですけれども、それだけではちょっと弱いので、思い切って何か格調の高いタイトルをつけましょうということで、こういうタイトルになっております。

それでは木下委員どうぞ。

○木下委員:私も、今の川委員の意見に大賛成ですけれども、全体的によくまとまっているんですけれども、それはともすると総花的になってしまうおそれがすごくありますし、1つ1つの問題だけでもかなり大きな問題が幾つも入っていますので、それをきちんと議論する場とロードマップ、それから現場に落としていく仕組み、この辺が本当は一番重要なところではないだろうかという話を触れていただいて、第3章の1番のところと第4章の1番のところをさらに強調していただいたのと、ちょうど3月の末にGCIジャパンが誕生したというのが重なりまして、そういう意味では、私としては前回よりも非常に納得できるいい内容になったのではないかなと思っております。個人的にはGCIジャパンよりもECRジャパンの方がいいのではないかなと思いますけれども、でも名前は何より、こういう場ができ上がって、それを追風で本物にしていかないといけないなと思っております。

最後に、先ほどのコストの可視化の話ですけれども、これだけでも非常に重たい問題ですので、やはりそういう場の中で議論しながら、先ほど湯浅委員がいわれたようなお互いの立場を理解した上でやらないと、なかなかそう簡単には解決しないですし、現実に今やっているところがどれだけあるのかというと、外資系メーカーを除いてはほとんどないという状況ですし、そんなに簡単な問題ではないのではないかなと思っております。

以上です。

○宮下座長:このパンフレットは木下委員から皆様方にサービスですが、せっかくですからご説明していただけますか。

○木下委員:実は先般、GCIジャパン誕生と、それと我々アジアにも展開しておりますので、ECRアジアの分科会にも参加しておりまして、初めて日本で一緒にジョイントでGDSのワーキングをやったんですが、そのときにECRアジアのメンバーにも来ていただいたECRアジア大会、次回は第8回香港大会です。我々としては、ぜひGCIジャパンも、できるだけ日本も参加しようという形で動いていますので、少しでもアピールできればなと思いましておもちしました。

実は、今報告の案件を募っているのですが、中国が多いんですよ。中国が今断トツに多くて、そういう意味では、今回できればSCM事業のことを発表しようとは思っているんですけれども、ぜひ日本もGCIジャパンができたことですし、積極的に参加できればいいのかなと思っております。

以上です。

○宮下座長:ありがとうございました。

では苦瀬委員、お願いいたします。

○苦瀬委員:私も非常によくまとまっていると思うんですが、2つほど意見を申し上げたいと思います。

1つは20ページの下の方の「都市環境との調和」についてですけれども、こういう書き方でいいと思うんですけれども、もうちょっと書いていただくとありがたいなと思っております。つまり都市の環境を保全するために全体最適を目指すときに、例えば誘導策を検討するみたいな、何かあり得るのではないだろうかと。その理由は、室長にもお送りさせていただきましたけれども、インターチェンジから5?の円をかきますと、東京都市圏はほとんど全部埋まってしまうというぐらいで、そういう生々しい現実がございます。もちろんそういう規制緩和は必要ですが、そういう規制緩和をしながら、実は全体の最適というのが単に荷主さんや物流事業者さんだけではなくて、そこに住んでいる人たちも含めるとすると、そういう誘導策というのはやはり要るのではないか。何も規制とはいいませんから、何かそういう表現があると非常にうれしいなというのが1つ目でございます。

もう1つは、もうちょっと大きな話になるのかもしれませんけれども、このレポートが消費財を対象になって書かれているわけですけれども、消費者はどう動くのかというのがよくわからない。つまり全体最適でいろいろな荷主さんや物流事業者さんはこうやろう、流通はこうやろうと。それで物流の可視化だといっていても、消費者は可視化できるのかという議論があるだろうと思います。

例えば生産のことでいうと、自動車には排気ガスの星がありますよね。名刺には「再生紙を利用しました」というのが書いてありますよね。そういうようなことが書いてあると、消費者はそういうのを選択するかどうかはわかりませんけれども、選択しやすいと思うわけです。一方で物流の可視化、これを運んでいるのにどれぐらいCO2を出していたかということまで書かなくてもいいんですが、例えばこういう努力をして、共同配送をやって運ばれてきたんですよというような、消費者の消費財の中で消費者がみえるというのが可視化の中にあるのではないかと。

この全体のトーンとしては、生産者から卸・小売とずうっとそちら側の話なっていて、結果として消費者は選ぶときに何をもって選べばいいのかと、こういうことが心配になるわけです。たまたま私もお手伝いしているんですが、鉄道局でエコレールマークというのをつくろうということで、500?以上を鉄道で運んでいるのは何%だったらペットボトルにマークをつけていいよというような運動をしようとしているわけですけれども、例えばそういう効率化度が高いように商品を運んでいるから環境報告書に書いてもいいよとか、商品にこういうものをつけてもいいよと。それが結果として消費者のそれぞれの目に触れることによって、29ページぐらいになるのかもしれませんけれども、環境マネジメントの手法の中に、環境にやさしい物流を消費者が認識できるような、意識できるような、そういう取り組みというのも考えたいというようなことを書いていただくと、次の世代につながるのかなと思っております。

以上でございます。

○宮下座長:いいご指摘ですよね。いかがですか。

○浜辺流通・物流政策室長:エコレールの取り組み、我々も伺っておりまして、確かに消費者の選択ということでいきますと、インターネット通販とか、これは消費者の満足度という意味では新しい動きですけれども、一方で個々に個別の配送をふやして、小売で物を買うよりも、そういう個別のインターネットの通販の配送がふえることによってCO2がふえるのではないかといったご指摘もあるわけでして、そこは我々の立場では、消費者利益の増大ということで、いわゆる消費者の志向にまで立ち入ったことはこの報告書には書いてはいないわけです。

ただ、環境負荷の軽減ということで議論する場合には、やはりそういった点も指摘といいますか、触れておく必要があるかと思いますので、ちょっとその点、工夫させていただければと考えております。

それから誘導策の方も、たしか前回も指摘がありましたが、新法ではインターチェンジの出口から半径5?以内であれば規制緩和の対象になるということですけれども、それはかなり広い範囲ではないかというご指摘をいただいておりまして、その点についても検討していきたいと思っております。

○宮下座長:ありがとうございました。

小竹委員どうぞ。

○小竹委員:皆さんおっしゃったように、全体的にはいろいろな角度から施策が出ていて大変いいと思っております。

気がついたことをちょっと申し上げますと、第3章は(5)が国際物流で先に来ていて、(6)で環境ロジスティクスの推進となっていますが、第4章では(2)で環境負荷低減への取組、(3)で物流インフラの国際化となっているので、並び順を合わせる意味では、4章の方を合わせた方が良い気がします。

国際物流のところですが、経済産業省と関係のあるEDI関係、港湾物流情報プラットホーム、シングルウィンドウ化等については述べられています。「アジアとの連携の強化」とあるのですが、分析のところでは中国とかアセアン等のつながりというのが非常に深くなってきたという事実が述べられていました。ここでは、港湾そのものについて触れていませんので、国交省絡みではありますが、スーパー中枢港湾やそれと連携する地方港とのネットワーク及び今後のアジアのゲートポート等について触れた方が、レポートとして厚みが出るのでは、と感じます。

○宮下座長:ありがとうございました。

齋藤委員、いかがでしょうか。

○斎藤委員:中身の問題についてというより、今回参加させていただいて、日本にたくさんある中小零細の製造業、卸売業、運送業、小売業、この辺と、今回のこういう話とがどうつながっていくのかなということは非常に感じます。ここでこういうことをいうと皆さんに失礼ですけれども、全体最適化という話が出ているときに、いつもイメージの中にあるのは、大メーカーと大卸と大運送業者と大小売業が、そのお互いが全体最適化している。そのイメージの中に、本当にたくさんある零細な運送業者とか、零細な小売業とか、そういうものも含めて「革新」というのなら、それが本当の革新だろうと。物流的にいえば50%、頭数でいえば数%の部分でしか革新ではないということがありはしないかなと思いながらみせていただきました。大変いい勉強に出させていただきました。

ちょっと批判的なことをいってごめんなさい。

それからもう1つは、可視化の話がいろいろ出ていたんですけれども、これもいろいろな制度も必要だし、システム化も必要でしょうけれども、これはやはり法的に整備しないと可視化の問題というのは乗り切れないのではないのかと。これは井口先生などがご専門でよくお聞きすればですね、法的な整備がない、いわゆるジャングル的競争が一番いい競争なんだというルールが実際に運用されているというような、ないことはないんですが、独禁法という法律はきちんとあるんですけれども、大変失礼ですが、それが軽視されて、実際にはそれが運用されていないというところがですね。

やはり欧米は、その辺のところの整備の上に取り引きがメニュー化されていますよね。卸とメーカーの関係とか、卸と大手チェーンストアの関係というのがメニュー化されていますね。それから卸と小売の関係もすべてメニュー化されてオープン化されていますよね。ですから、特別におたくだけこんな安い値段だとか、特別におたくだけ、という話は全くないんですよね。だから公正な競争が行われているということですね。日本は全くありませんから、すべて秘密主義で、例えば先ほどセイハン価格といいましたけれども、セイハン価格は、基本的には小売業者に知らされていません。全く秘密主義ですね。だから、そういう意味では非常に閉鎖的な、ある意味でいうと、まだそういうマーケットになっているように私は思います。

そういうことで、ぜひ法律的な整備、今回の委員会とは関係ないにしても、法律的な整備というところに着目していただく必要があるのではないかなと思います。でも一番いいたいのは、中小零細というものが、この視点の中に欠けていないといいがなと、そのことだけお願いします。

○宮下座長:大事なご指摘ですね。革新的なシステムや方向を提案するのは、それは大手企業間で可能であってというようなお話でございましたが、決して大手企業のための提案ではないということをどこかで触れておく必要があるかもしれないですね。

○齋藤委員:結局インターネット技術の中に、前に進んでいくという議論ですから、それはやっぱり大手独占的な情報系のシステムから、いわゆるいろんな人が行くという方向には、大きな方向性はあるんですね。そこで強調していかないと中小は取り残されるぞという報告書になってしまうように思うんですね。インターネット系の技術というのが、非常に前に出てくるんだと。だからそこに中小が情報系に参加できる可能性が大きく出てくるということについて、方向としてはいいと思うんですけれどもね。

○宮下座長:「はじめに」とか、あるいは審議官のお名前で出てくる最後のところとかに、何か少しそのようなことを触れられたらいいかもしれないですね。よろしくお願いいたします。

玉生委員どうぞ。

○玉生委員:皆さんのおっしゃったとおりで、非常にうまくまとまっているだろうと思います。これで、これからどのようになるのかということが、ある程度みえればと思います。世界標準のGTIN、あるいはこれからインターネットEDIについて展開するということについては、そういうことになるのはもちろんですから、これから業界団体等によく説明して対応してもらいたいと思っております。

あと、もう1つ、私、いつも申し上げますようにユーザーの開発力の問題があります。仮に取引先同士がそのやり方で、インターネットでやろうとしても対応できないところがどうしても残ると思います。中小企業の問題とも似通ったところがあるかと思いますけれども、そういったところについては、うまくフォローアップしながら新しいものに心がけていただきたいと思っております。

それから別な話ですけれども、17ページに「未来型小売店舗システムの実現」というタイトルで、こういうのができますよということが非常に簡潔に書いてあります。ではこういうことを何らかの施策でやるのかなと思うと、そこがちょっと見えません。電子タグのところが、それを受けているのかなと思うのですけれども、実は十数年前にアメリカのシカゴで「スマートストア」という常設のデモルームがあったのです。ただし2年ぐらいで閉鎖してしまいまして、当時はITが日進月歩だったものですから、数年にして陳腐化してしまったのだと思いますけれども、こういうものもいろいろITのベンダーが提案をしてくれることになれば、活性化につながるのではないかなと思います。

従来から、私どもは、マスターデータは業界財産、トランザクションデータはそれぞれの企業の機密データと考えています。マスターデータというのは商品マスターとか共有化して意味があるのに対して、日々の発注データとか請求データとか、そういうものがトランザクションデータということで、これは当然お互いに秘密ですけれども、どうも従来はその辺が一緒くたになっているんですね。したがって、マスターデータというものがデータベース化されるということに、余り熱心ではなかったのが、ここではっきり、30ページにありますようにGTINという世界標準というものがみえてきましたので、これでデータコードをつくっていくという枠組みが見えてきました。ぜひ期待をしたいと思います。

○宮下座長:ありがとうございました。

中田委員お願いします。

○中田委員:大変幅広い分野の、流通もあり物流もあり、そして国内の話もあれば国際的な話もあるという、大変幅広い分野のものを短い期間でおまとめになるのは本当に事務局におかれましても大変でいらっしゃったと思います。報告書を、大変すっきりと読ませていただきました。

そうした中で、こういう大変幅広い分野であったので、まとめられるのはすごく大変だったと思うんですが、これは読む方、読み手のことについてもちょっと考えたいと思っていました。ご報告の中にもございましたが、各業界の中で広めていかれるということで、民間の企業の方がこれを基本的には読んでいただいて、そして自分の会社はこうするべきなのであるというところが分かった方が良いかと思うんですね。

そうしたときに、これはとても幅広い分野ですので、例えば、前回の委員会でのご指摘の中にもあったんですが、だれがやるべきことというところ、主語の部分、例えば国がやるべきこと、民間がやるべきことということが明示されることは重要だと思います。もう1つは、例えば製造、川上の方がやるべきこと、川中の方がやるべきこと、そして小売である川下の方がやるべきこと、あるいは物流業の方がやるべきことという、その主語の部分がわかると、読む方がそれぞれ自分の業種にあわせて、自分はこれをやらなければいけないのかな、というのがわかるかと思います。

それから、さきほどから複数の委員がご指摘になられたコストの可視化に関する問題はやはり大変重要であると思います。物流の業務は、とても粘着性のあるということを報告書の中でも書いておられましたけれども、発生する物流の活動別にそれぞれの物流の条件が正確に定義されることがスタートになると思います。例えば齋藤委員がおっしゃっておられたメニュー化されているという言葉、それは定義がはっきりしているということなのではないかなと思ったんですけれども、やはりその部分をはっきりさせること、そしてそれが幾らのコストであるのかというところがわかると、それがつまりメニュー化なのかなと思いました。

そういうのがはっきりした後で、買う方、小売業の方がそのサービスをチョイスできればよいかと思います。違う立場の人同士が接点を持つときには軋轢が発生するのは仕方がないことで、それを各人が納得するような仕組みが必要です。システムとして機能する環境というのをつくっていくというご意見が出ていましたけれども、物流活動が定義され、それに係るコストが明確になれば、それをやるのが、例えば従来の川中の卸売業の方なのか、あるいは物流業の方が提供するのか、だれがやるべきなのかというところが、あらためてはっきりしてくるかと思います。

○宮下座長:ありがとうございました。3章が主として政府の政策、政府がやるべきことなんでしょうけれども、特にご指摘の2章あたりの、これからの流通システム、物流システムのあり方のところで、少し主語的なものが入るとわかりやすかもしれませんね。ありがとうございました。

では村尾委員、よろしくどうぞ。

○村尾委員:皆様がお話しなさったのと大体一緒ですけれども、全体的には非常によくまとまっていると思います。

4章のところで、何人かの方から、表現の問題も含めて、少し突っ込みが足りないのではないかというお話がありましたけれども、限られた時間、回数の中で、回数を考えますと、この表現でいいのかなという気もいたします。逆にこれ以上にかなり具体的な表現であるとか、時期的なものも、やや強制力をもったような表現、強い表現をすると、かえって、先ほどお話がちょっとありましたけれども、実際に実施していけるのはかなり少ないメーカーなりに限定されてしまう、中小の問題をどうするのかというのが残ると思いますし、限られた議論の中で、余り具体的かつ強い表現をとりますと、実現とのギャップというのはかなり出てくる危険性もあるのではないかと思いますので、第4章についても、大体こんなところでいいのではないかなと、私は思います。

○宮下座長:ありがとうございました。

では渡辺委員、最後の総締めのコメントをしてください。よろしくお願いします。

○渡辺委員:全体として非常によくまとまっているという皆さんのご意見だったかと思いますが、私も非常にそれは感じます。

ただ、全体としてまとまっているということは、総花的になるということとの背中合わせ、裏腹の関係で、そういう危険性もある。そういう点を考慮して、2章で全体の進むべき方向を書いて、3章でやるべきことを、総花的というとちょっと失礼ですけれども、課題を列挙して、4章で、では具体的にどうするんだというロードマップを示されたということで、総花的になるところをなるべく避けようとされている、どこに力点があるのかということを非常に意識されたまとめ方だなということを感じました。

ただ、やはり2章、3章、4章と読む中で、この因果関係といいますか、何が目的で何を手段としているのか、何が手段で何が目的なのかというところがなかなかわかりづらくなりかねない感じがします。例えば先ほどの物流コストの可視化のところも典型だと思うんですけれども、可視化することが別に目的なわけではなくて、可視化をすることを通じてコスト負担を適正化しましょうと。そういう中で情報化を進めていきましょうというところを、非常に単純な言い方をしていますけれども、そういうところのためのワンステップというか、実現すべき目的に向けての1つの手段としての位置づけだと思うんですけれども、そこが3章のところでポッと出てくると、これは2章とどういう関係にあるのか、4章とどういう関係にあるのかということになってしまいますから、2章、3章、4章で挙げられているそれぞれの項目についての因果関係を紙1枚は苦しいかもしれないですけれども、この概要でまとめられていますが、これをもうちょっと詳しく落とした、項目ごとに、これを実現するためにこれとこれをやりますと。そのための具体的なアクションプランとしては、あるいはロードマップとしてはこういうことがあります。さらには先ほど中田委員もおっしゃっていましたけれども、これはどういう業界のだれが関連しているのでご検討願いますとか、そのようなものをつけた方がわかりやすくなるのではないかなという印象を受けました。それが1点です。

もう1点は、行政の縦割りのところで、前回、国領先生もご指摘になられたと思いますけれども、今回ちょっとその辺、行政サイドの縦割りの弊害云々というところで加筆されていますが、心配なのは、例えば4章のロードマップの中の電子タグのところですが、31ページに電子タグ導入のこと、EPCglobalの問題を中心に書かれていますが、チェーンストアの立場で考えると、経産省と農水省が別々の標準でシステムを組んでくれという話になってしまうと困るのではないかなと思うんですね。例えばの話ですけれども。そこについては、少なくとも電子タグについては、そういう縦割りの弊害は起きないから安心してくださいという安心感を与えるような、何か記述ができないのかなというところは気になりました。それ以外にもあるのかもしれないのですが、読んでいて、そこの縦割りの問題で直接関連してくるのはそこなのかなという感じがしました。

最後にもう1点ですが、中小の話が出てきました。先ほど齋藤委員がおっしゃいましたけれども、もちろん齋藤委員がおっしゃった意味での中小というのも非常に重要な問題だと思いますけれども、実はそれ以前に、例えばチェーンストア協会加盟社九十何社あると思うのですが、九十何社のうちの8割ぐらいがいわゆる食品スーパーの方々で、いわゆる総合スーパーといわれる大手の世界と、また別の世界がある。あるいは業態がいろいろ広がってきて多様な業態が展開されてきている中で、ドラッグストアとの関係をどうするかとか、ホームセンターとの関係をどうするかとか、それ以外にもいろいろな新しい業態が出てきていて、チェーンストア内の中小というのか、そういう大手企業の中でも、この問題に対する、ここに参加されている企業、先進的な取り組みをされている企業の方々は、もちろんこういう問題については非常に積極的だという意見を聞かせていただきましたけれども、それ以外の非常に多様に存在している小売業の方々をどう巻き込んで普及し啓発していくのか、そういう人たちにも取り組みやすい環境をどう提供していくのか、さらには、もっともっとすそ野の広い中小にもどう広げていくのかという視点が何段階かにわたって必要なのかなという印象を受けました。

済みません、まとまりがなくて。

○宮下座長:ありがとうございました。縣委員、今、渡辺委員が指摘した農水の電子タグ行政と経済産業省の電子タグ行政とが、少しギャップがあったら困るではないかと。実際問題としてどうですか。

○縣委員:ギャップがあったら困るといえば困るんですけれども、多分いろいろなのが出てきますよね。ですから、それをどのようにそのときそのときで組み合わせながら対応していくのかというのが我々の仕事かとは思っているんですが、ただ、先ほどもご指摘があったとおり、スーパーマーケットですとか、あるいは中小の小売業にとって、そうした複数の標準が出ることが、利用するための高いショウヒ?になるという部分は、やはり中小の関係各位の方もご理解いただく必要があるのかなと思います。

ただ、渡辺委員からもご指摘があったとおり、小売側についてはやはりまだまだいろいろな立場なり置かれている状況の違いというのがありますので、我々自身が、小売同士がまずどうやって会話をしようかと。小売同士がまた違うことを言い出しますから、業界がかわるごとに違うことをお願いしだしますので、そのあたりをどうまとめていこうかという、両方の動き方が必要だろうなと思っています。

○宮下座長:ありがとうございました。

まだいろいろご意見、あろうかと思いますが、時間も迫っておりますので、今後どのような進め方をするのか、このあたりを室長から資料3でご説明いただけますか。

○浜辺流通・物流政策室長:本日は非常にたくさんの意見をいただきましてありがとうございました。

資料3の一枚紙で、「今後の進め方」ですけれども、本日いただいたご意見に基づきまして追加や修正を行いたいと思います。単に追加ということではなくて構造ですとか因果関係ですとか主語ですとか主体、こういったものを明らかにしますので、かなり全面的な作業になるかなと思いますが、できればこれを5月の上旬、連休明けごろには報告書の暫定版という形で、こういったものをオープンにする際にはパブリックコメントということで、一般国民から幅広く意見を受けつけるというプロセスを経ることになっております。

これを行いまして、5月いっぱいをかけてパブリックコメントを集めたいと思います。その間に関係業界への周知といいますか、説明会なども開いて、その間も若干動けるわけですから、ご指摘のあった中小の団体ですとか、あるいは小売のさまざまな業界団体にも議論を投げかけたいと思っております。そうしたプロセスを経て、6月の上旬にこの報告書の完成版という形で公表ということになろうかと思います。

したがいまして、きょうご意見をいただいたのを踏まえて、さらにまとめの作業に入っていくということでございます。

それから2.にございます小委員会の今後の予定ということですけれども、6月以降につきましては、ロードマップの進捗状況をフォローするとともに、最近では電子債権の制度化の動きというものが出ておりまして、実際そういう電子債権の報告書の中でも3PLですとか、あるいはEDIによる取り引きといったことが電子債権の活用事例ということで挙げられたりしています。

したがいまして、今回の報告書では取り上げきれなかった新たな政策課題がございますので、その課題に応じて、今後もまたこの委員会での検討を進めたいと思っております。

以上でございます。

○宮下座長:ありがとうございました。

今ご説明いただきましたように、これを最終的にまとめ上げるのは6月以降だそうですので、パブコメまでまだ時間的には1ヵ月強ありますので、その間に、委員の皆様方もいろいろご意見がありましたらどんどんお寄せいただければと思います。

何か今後の進め方について、ご質問やご意見、ございませんでしょうか。――よろしいでしょうか。

委員会としては一応きょうが1つの締めでございますけれども、今後さらにこの小委員会、いろいろな形で経済産業省としては推進するお考えでございます。皆様のご意見がありましたら、また直接経済産業省さんの方にお寄せいただきたいと思います。

では、きょうはこのあたりで締めたいと思いますが、大変難しい問題を、中身の濃いいろいろなご意見をいただきまして、結果としまして簡潔に内容の濃い報告書ができ上がったと、私、座長といたしましても御礼申し上げたいと思います。

浜辺さん、よろしいでしょうか。これ以上は、私は結構でございますが、よろしくお願いいたします。

○浜辺流通・物流政策室長:それでは最後に、事務局を代表しまして迎商務流通審議官から、今回の報告書に関しまして一言ごあいさつをさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○迎商務流通審議官:それでは一言ごあいさつを申し上げます。

きょうもいろいろご意見をいただきまして、またなお修正をさせていただくということではございますけれども、一応こういう形でこの報告書を議論させていただくのはきょうが最後ということで、これまでの活発なご議論をいただきましたこと、それからそれを宮下座長に、難しい議論をうまくまとめていただいたことにお礼を申し上げたいと思います。

きょうの議論を伺っていても、私、大変感じたのですけれども、今現実に流通・物流システム自体が、現にいろいろなところで動いている、現実に環境等の問題であれば、こういう議論をしながらも一方で推進するための法律を審議しているわけでございますし、それからITを用いた関連技術等を高度化していかなければいけないという一方で、国際的な標準の動きというのはどんどん進んでいくし、それに対応していかなければならないと。

こういう中で、いろいろ実際に進めながら一方でその方向を議論をしていたということがあって、逆にいえば今後やることについて起承転結みたいなきれいな報告書にはならないのは、ある程度やむを得ないのかなと。逆にいえばこの報告書も、私どももつくって、これは1つのまとめとしてこれを使って普及・啓発というのはやっていかなければいけないわけですけれども、一方でまた日々、次々物流の世界では総合物流政策大綱みたいなものもできてくるわけですし、それからICタグの実用化ですとか、そういったことも日々進めていかなければいけない。それと同時に、先ほど申し上げましたように、ここで十分取り上げきれなかった決済の問題との一体化みたいなことについても、次々取り組んでいかなければならないということであろうと思います。

したがいまして、ある意味、大変短期間にいいご議論を賜ったわけでございますけれども、これで一息というよりはまさに中間のまとめということで次のステップにどんどん進んでいかなければいけないということであろうかと思っております。

そういう点で、今後ともいろいろ皆様方のご協力をお願いする機会も多いと思いますので、また引き続きよろしくお願いをしたいというお願いを申し上げると同時にお礼を申し上げましてごあいさつをさせていただきます。

いろいろありがとうございました。

○浜辺流通・物流政策室長:それでは、これで第5回の委員会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

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