経済産業省
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審議会・研究会

独立行政法人評価委員会経済産業研究所分科会(第13回) 議事録

1.日 時:平成17年6月1日(水)14:00~16:20

2.場 所:経済産業省第4特別会議室(別館3階346)

3.出席者:

<分科会委員>
小野分科会長、シェアード委員、西岡委員、速水委員、藤垣委員
<独立行政法人経済産業研究所>
岡松理事長、吉冨所長、田辺副所長、入江総務ディレクター、細谷研究調整ディレクター、米村総務副ディレクター
<経済産業省企画室>
佐味室長、足立企画主任



4.議題

(1)経済産業省独立行政法人評価委員会運営規定の改正について(報告)
(2)独立行政法人経済産業研究所の平成16年度の業務実績について(報告)
(3)独立行政法人経済産業研究所の予備的中期目標期間評価にかかる業務実績につい   て(報告)
(4)独立行政法人経済産業研究所の中期目標期間終了時における組織・業務の見直し   の論点について(審議)
(5)今後のスケジュールについて(報告)



5.議事内容 

○足立企画主任  それでは早速ですが、始めさせて頂きたいと思います。
 まず冒頭に、このたび新しい分科会長として日新製鋼の小野社長様にご就任を頂きましたので、皆様にご紹介をさせて頂きたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
 それでは、議事に入りたいと思います。
○小野分科会長  ただいまご紹介頂きました日新製鋼の小野でございます。今まで宮内委員長が務めておられたのですけれども、ご事情がございまして私が新しく委員ということになりまして、今回議事の進行役を仰せつかりました。よろしくお願い申し上げます。
 それでは、今日は13回目の独立行政法人評価委員会経済産業研究所分科会を開催いたします。本日はご多忙の所おいで頂きまして、ありがとうございます。
 議事次第、お手元にペーパーを用意させて頂いておりますけれども、本日の議題、5つございます。
 1番目の「経済産業省の独立行政法人評価委員会運営規程の改正について」という報告を事務局からして頂きます。
 2番目の「独立行政法人経済産業研究所の平成16年度の業務実績について」、これも事務局からご報告を頂いて、岡松理事長からのご挨拶を頂いてご紹介をしたいということでございます。
 3番目は「独立行政法人経済産業研究所の予備的中期目標期間評価にかかる業務実績について」ということで、これもご報告でございます。
 4番目が「独立行政法人経済産業研究所の中期目標期間終了時における組織・業務の見直しの論点について」ということで、これはご審議を頂こうということであります。
 5番目に「今後のスケジュール」、こういう議題を用意してございます。
 本日は小笠原委員がご欠席でございますけれども、順次進めてまいりたいと思います。
 それでは配布資料、随分たくさんございますけれども、事務局から順次説明をお願いいたします。では足立さんお願いします。
○足立企画主任  配布資料につきましては、お手元に配布資料の一覧を配布させて頂いておりますので、今後ご説明に応じてご参照頂き、不足がありましたら随時お知らせを頂ければと思っております。
 議題はただいまご紹介があったとおりでして、全ての議題につきまして事務局の方からご説明するとともに、議題2と3につきましては経済産業研究所から業務実績についてご報告をさせて頂きます。議題4の見直しにつきましては当方からご説明の後、ご意見を賜れればと思っております。この議論の最中は、経済産業研究所には中座をして頂くことにしております。最後に今後のスケジュールについて事務局から説明をさせて頂きます。本日は説明すべき内容が非常に多くなっておりますけれども、説明者側は時間厳守ということでよろしくお願いいたします。
 それから、配布資料、議事録、議事要旨につきましては、独立行政法人評価委員会運営規程の定めに基づきまして公開することとなっておりますので、ご承知おきください。
 事務局からは以上です。
○小野分科会長  ありがとうございました。ただいま事務局からご説明頂きました方向で進めさせて頂きたいと思いますけれども、よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、そのように進めさせて頂きます。
 それでは、まず初めに「経済産業省独立行政法人評価委員会運営規程の改正について」、事務局の方から報告をお願いいたします。
○足立企画主任  資料1-1でご説明申し上げたいと思います。
 左側をご覧頂きますと本委員会、我々は親委員会と呼んでいますけれども、これまでそちらの業務と大変お世話になっておりますこの分科会の業務が重複する部分がございました。この重複を排除しようという目的が1つ。もう1つは、見直し法人が昨年度、今年度と順次現れてきているわけでして、その見直しについて集中的に議論する場を設けた方がいいのではないかというこの2つの理由によりまして、重複を排除するとともに新たに総合評価小委員会というものを設けさせて頂くことになりました。今年の4月からです。こちらの方に小野会長、西岡委員、小笠原委員にご出席を頂いておりまして、既に4月からご活躍頂いております。
 以上です。
○小野分科会長  ありがとうございました。ただいま1-1の資料の報告がありましたけれども、ご質問、ご意見がございましたら、どうぞご遠慮なくお願いいたします。新しい総合評価の小委員会を作りましたということで、資料1-2-1に小委員会の設置について、資料1-2-2に委員会委員の一覧がついております。1-3は役割分担についてということでございます。
 よろしければ次の議題に移らせて頂いてよろしゅうございますでしょうか。
 それでは本題、一つ目の議題にございます16年度の業務実績について、事務局の方から、次いで経済産業研究所の方からご報告をお願い申し上げます。
 なお、資料2-2の中に財務諸表の資料がございますけれども、これは次回の分科会で審議するために、今回は参考配布とさせて頂いております。
 それでは、よろしくお願いいたします。
○足立企画主任  資料2-1をご覧頂きたいと思います。昨年度同様に評価の方をよろしくお願いしたいと思っておりまして、これからRIETIの方から詳細に説明させて頂きますけれども、採点の作業をして頂いている途中でご不明な点などありましたら、ご遠慮なく事務局までご連絡頂ければと思っております。ご参考のための資料として昨年ご提出頂いたコメントをこちらでまとめたものもお付けしておりますので、ご参照頂ければと思います。
 誠に申しわけございませんけれども、6月22日までに郵送、ファクスまたはEメールでご提出頂ければと思っております。お手元にフロッピーディスクをお配りしておりますけれども、そちらの方にフォーマットが入っておりますので、電子媒体の方がよろしければそれをご活用頂きましてメールでお送り頂ければと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、RIETIの方からよろしくお願いいたします。
○岡松理事長  どうも本日はお忙しい中お集まり頂きましてありがとうございます。まず最初に16年度の事業の内容についてご説明申し上げまして、ご議論頂いた後、引き続き16年度までの4年間の私どもの業務成果についてご説明申し上げるというのが本日の段取りでございます。
 既にご承知のとおり、2001年にこの研究所がスタートいたしまして、これが独法の第1期生であったわけでございますが、私どもといたしましては、中期目標に掲げられているミッション、すなわち当面の課題を見据えながら中長期の経済システムの改革に関する調査研究を行い、理論的・分析的基礎に立脚した研究成果や提言内容を提示するということで経済産業省の政策形成能力の抜本的な強化につなげていく、さらに我が国の政策論争の活性化と政策形成の質の向上に資するということが私どものミッションと心得て4年間を進めてまいりました。
 ご存じのとおり、最初の3年間は青木所長がリードし、昨年度から吉富所長のもとで進めてきているわけでございます。政策当局との距離感というのが私どもにとって非常に大きな課題でございます。これにつきましては、過去3年の経験を踏まえまして、昨年度からはさらに具体的な接点をとるということで、経済産業省の各局幹部と私どもとの意見交換の場を設けるということに加えまして、これはいわば政策ニーズを把握するとともに私どもの研究の中身、当該局に関係のあることをご説明申し上げるという機会にいたしてまいりましたが、さらに研究プロジェクトを立ち上げました後でも政策当局の関係者に入り口のところからブレインストーミングワークショップを開きまして、そこに参加してもらう、あるいは中間報告の段階、さらにディスカッションペーパーの検討会という仕上げの段階にも参加してもらう、あるいはシンポジウムに政策当局からも参加してもらうということで、接点を重層的にとってきたというのが昨年度からの私どもの大きな変革であると思っております。
 そういうことに加えて、どのように私どもの研究成果を普及させていくかというのが次の課題であるわけでございますが、これにつきましてはウェブサイトをもって外に普及させていくんだというのが基本的なメソッドでありますけれども、それに加えましてこの1月から「RIETI Highlight」という冊子をつくりました。これは1月のときに第1号をお配り申し上げましたが、その後、2月、4月とバイマンスリーで出していく計画になっております。3冊出ておりますので、本日お手元にお渡ししてございます。
 それに加えまして本日また配らせて頂いておりますが、「RIETI Policy Analysis Paper」というものを作っております。現在まで4冊まとまっておりますが、これはディスカッションペーパーという形でまとめたものをさらに、一本一本ではありませんが、テーマによって大きく括りまして、いわばエグゼクティブサマリーふうなものをまとめ、それを読みやすい形で提示をするということでやってまいっております。これは17年度の取り組みでございますので今回の評価とは直接つながりませんが、そういう新しい取り組みをして私どもの研究成果を普及するということに努めつつあるということをご紹介申し上げております。もちろん、それらの研究に当たりましていかにクオリティーが高いものにするかというのが私どもの課題であるわけでございまして、それは世の中に成果を示すことによって評価をして頂こうということであろうと思っております。
 いささか前置きが長くなりましたが、以下、総務担当の入江からご説明をさせて頂きます。ただ、何分大部なものでございますし時間が限られておりますので、本日ご説明申し上げた上で、さらにご評価の段階でご質問がございましたら個別にお問い合わせを頂くなり、お呼び出し頂きましたら追加の補足説明をさせて頂くということにさせて頂きたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
○入江総務ディレクター  それでは、お手元の資料に即しまして16年度の業務実績についてご説明させて頂きます。資料の2のシリーズの中から3点でご説明しようと思っていまして、1つは資料2-2-1という少し厚手のA3のものでございます。その後、資料の2-2-2というA3の一枚紙、その後で資料2-3というA4の数枚の紙の3点でご説明させて頂ければと思います。
 まず資料2-2-1でございますけれども、これはご評定頂くときのフォーマットと同じ形になっておりますので、まずこの形で全体の構成をご説明いたしますと、大きな評価項目でいきますと3部構成になっておりまして、このA3の紙の1ページから15ページぐらいまでが私どものサービスの質についての記述でございます。その後、15ページから17ページにかけて業務の効率化の諸指標について述べてございます。その後ろが予算とその他の項目で最後の34ページまで書いてある形になっています。
 まず、サービスの質のうち、ここで研究内容の概観がわかるように編さんをしておりますので、1ページから7ページぐらいまで使いまして平成16年度に取り組んだ研究テーマでどのようなものがあるかというのを簡単にご紹介させて頂ければと思っております。
 まず1ページ目でございます。最初の項目は研究テーマの設定がニーズに合致しているかということで、まずクラスターという研究領域を定めておりますけれども、これがどうであったかという点でございます。この点については昨年と同じように9つのクラスターを設定して、その中で一つ一つのテーマを立てて研究用プロジェクトを組んでいくという形で研究を進めておりました。
 プロジェクト自体でございますけれども、1ページ目の下から3分の1ぐらいのところからでございますが、全体で49プロジェクトに取り組んでございます。15年度が78でございましたので、かなり絞り込んだ形にしてプロジェクトを立てていった形になってございます。
 1ページ目の下から3分の1ぐらいのところの最初の産業組織等のクラスターにつきましては、例示でございますけれども、例えばコーポレートガバナンスの研究、これは継続的に取り組んでおりますが、これも引き続き行いました。2ページ目に移って頂きまして製品・工程アーキテクチャの産業論、いわゆるモジュール化とかインテグラル化といった議論を展開していますけれども、これの研究も理論・実証両面で進めてございます。
 2番目の規制・競争政策等のクラスターにつきましては、例えば電力改革のプロジェクトを引き続き実施をいたしましたし、新たなプロジェクトとして小売業についての分析に取り組みました。
 3番目の雇用等のクラスターにおきましては、これも設立当初から続けてきました労働移動研究のとりまとめのプロジェクトを実施し、3ページ目に移って頂きますと男女共同参画社会における女性の活躍のあり方についての研究も進めました。
 4番目のイノベーションに関連するクラスターにつきましては、例えばS-T-Iネット、これは科学と技術と産業の頭文字をとっていますけれども、その3つの領域の相互連関についての研究に引き続き取り組みました。
 それから、地域における産業のクラスター、地域クラスターについての研究も、関東地方のTAMA地域をモデルにした研究に引き続き取り組んでおります。
 新しい取り組みとしては、例えば東アジア経済の統合と日本の都市集積の関係といったプロジェクトも立ち上げました。また、マルチサイド市場という最近起きつつある複雑な形の市場についての理論的な研究も始めたところでございます。
 4ページ目に移って頂きまして、イノベーションの関連でいいますと、イノベーションと組織、人材との関係、比較的経営学的な研究も新たに始めたところでございます。
 5番目に、国際経済関係におきましては、これも数年来続けておりますけれども、WTOについての制度分析を引き続き行いまして、昨年度は紛争解決手続に焦点を当てた取り組みを行いました。
 日本企業の国際化についての分析も引き続き実施をしております。
 貿易と農業の関係も昨年度取り組んで成果を上げたものの一つでございます。
 その4ページの一番下のアジア経済の関係でいいますと、5ページ目に移って頂きまして、新しい研究プロジェクトとしてアジアにおける為替レートの仕組み、レジームについての研究を始めてございます。これも新しい取り組みとして中国の金融サービス貿易についての分析も始めております。
 7番目の政治経済問題全般につきましては、引き続きASEANのテクノクラシーの分析を続けましたし、競争政策における実験経済学的アプローチにも引き続き取り組んだところでございます。
 6ページ目に移って頂いて、マクロ・金融等につきましては、これも継続でございますけれども、銀行のガバナンス問題に取り組みましたのと、公的債務・物資水準・為替等についてのマクロ的な問題についてのモデル的な分析も引き続き行ったところでございます。また、中小企業を中心とした企業金融研究も引き続き実施いたしました。
 9番目の最後の計量分析・データベースの研究領域につきましては、RIETIのマニフャクチャリングについてのデータベースの作成を始めたところでございます。
 昨年度に引き続いてマイクロデータの開発研究であるとか、7ページ目に移りまして総合エネルギー統計の精度の向上といった地道な部分についても取り組んだところでございます。
 こういった研究活動の量的な側面につきましてはこの後ろに書いてございますけれども、ページが多くなりますので、資料の2-2-2というA3の一枚紙にまとめてございます。これで今いったような研究プロジェクトの量的な側面について概観をさせて頂きますと、まず上の方から研究自体の中身でございますけれども、出版物につきましては、本年度の目標が右から3番目にありますが、7冊の目標に対して昨年度は8冊出しております。これは15年度4冊で目標を達しておりませんでしたので、そのときの仕掛かり品も含めてペースを上げまして目標を達成することができました。
 次に、学術誌等で発表された論文は、目標の20件に対して56件と大幅に上回った数字を出しております。
 国際シンポジウム等での発表論文も、50件の目標に対して116 件と倍以上達成することができました。
 また、研究プロジェクトの一番コアになるディスカッションペーパーという形でとりまとめたペーパーは、70件の目標に対して72件でほぼ満足をした形になってございます。
その下の商業誌等の論文で、やや広報的な要素のあるものでございますけれども、これは目標の330 件に対して294 件でございますので、9割方の達成になっております。
 その下が人事的な側面でございまして、当方にいた研究者が転籍をした後処遇が向上して大学等の常勤職になったかどうかという点をフォローしておりますけれども、昨年度は8人中3人が大学等に進みまして38%という比率でございます。ただ、転籍後ではなくて任期を満了しないで任期中に大学に引き抜かれた研究者もおりまして、それを入れると9人中4人ですので、目標のほぼ半分には達しているかと思っております。
 任期付等の流動的雇用形態も目標の50%に引き続き86%と大幅に上回った形になってございます。
 転籍後の博士号の取得、これは昨年度1名おりましたので、実績を確保いたしました。
 その後が対外関係でございます。ホームページからダウンロードされた論文件数、これはディスカッションペーパー1本当たり 1,500件というのが目標でございますけれども、昨年度 3,900件を超えまして、論文によって人気の高い低いはございますが、非常に人気の高い論文がございまして、平均値をかなり上げた形でございます。
 それから政策部局等からいろいろな調査研究の依頼がございまして、200件ぐらいを受けるというのが目標でございますけれども、昨年度、総計では208 件で目標をちょうど達成した形になってございます。
 研究・提言内容に対するユーザー満足度、これもアンケートをとった中では不満という答えはなくて、100%の満足度をとらせて頂いております。
 コンファレンス等で毎回参加者に満足度を個別にアンケートをとっていまして、3分の2以上満足をして頂こうというのが昨年度は85%でございまして、これも目標達成をしています。
 コンファレンス自体は8件以上の目標に対して去年は9件実施して、これも目標達成をしています。
 その次の外部との共同研究、これは研究会への参加であるとかシンポジウム、セミナーへの参加等でございます。これも 200件という目標でございましたけれども、昨年のを総計しますと144 件で7割方の達成になっていまして、これは今後5年目に向けて少し努力すべき点かと思っております。
 ニュースレターにつきましては、これはホームページ上のニューズレターでございますけれども、月3回の目標に対して昨年度は5.8 回と倍近い頻度で発信することができました。
 ホームページ自体のヒット件数も、目標の30万件に対して59万件とほぼ倍近い数字を確保した形になっております。
 最後に、経済産業本省との間で共同で政策プラットフォームという議論、討論の場をつくっておりますけれども、今22個ございまして、これもホームページ等を活用して、アクセス件数でいいますと12万 5,000件という数で活発な活動が続けられているという形でございます。
 以上が量的な側面でございまして、平成16年度は内部での研究のプロジェクト数を少し絞って、そのかわりクオリティーコントロールを高くするという所長の方針のもとに成果物は大分出せたと思っておりますが、その分、普及的な対外発信で少し足りない部分もありますので、これは5年度目に向けての課題かと認識している次第でございます。
 今申しましたのは研究内容、普及内容の量的側面でございますけれども、質につきましては、資料の2-3というA4の数枚の紙でどのように私どもが評価しているかというのをご報告させて頂ければと思っております。平成15年度から始めたわけでございますが、平成16年度についても外部のレビューアーの意見等を聞いた自己評価を実施いたしております。
 自己評価の結果でございますけれども、1枚めくって頂いて2ページ目の下の方からでございます。まず学術的な水準につきましては、外部の大学の先生方に外部レビューアーを成果物ごとにお願いしまして、本年は80名の先生にお受け頂くことができました。この先生方に論文等読んで頂きまして、書面で審査をして頂きました。
 その結果が3ページ目にございます。AAからDまでの5段階評価をつけて頂きましたところ、一番上のAA評価(国際的に見ても最高水準にある)というものと次のA評価(高い水準にある)を合わせて 100を超える採点数を頂きまして、全体の3分の2を占めております。平均点でまいりますと3.79という数字になりますので、5段階評価をすると上から2つ目のA評価をしてもよろしいのかと私どもでは考えております。ちなみに、これは昨年は3.43でございましたので、0.3 ポイント以上上がった形でございます。
 2番目に政策形成へのインパクトにつきまして、1つは経済産業省の各部局にプロジェクトごとに評価をしてもらい、また並行して他の省庁や地方公共団体、大学等に 1,000通を超えるアンケートを出しておりまして、このアンケートを回収してどういう評価をしているかという二面で政策形成のインパクトを図ってございます。
 その結果が4ページ目にございまして、同じくAAからDまでの5段階評価に直しましたところ、一番多いのはA評価でございまして、平均点でいきますと3.52でございますので、5段階評価でいうと上から2つ目に当たるのかなと思っております。
 ちなみに、これも平成15年度が3.20で0.3 ポイントぐらい向上した形になってございます。ただ、これは学術の質に比べると少し低いものでございますから、先ほど理事長からご説明申し上げましたように、平成17年度からはリサーチ・アナリシス・ペーパーという形で、より政策当局等への発信が強化できるように努力を始めたところでございます。
 3番目、最後に、より幅広い国民層への成果普及はどうであったかという点を、先ほど申しましたアンケート調査ではかっております。その結果が5ページ目にございまして、一番多いのはやはりA評価を頂いております。平均点でとりますとB評価もやや多うございまして、3.35点という点になりましてBの上の方かなと思っている次第でございます。
 これも昨年度は3.12点でございましたので、0.2 ポイントぐらい評価が上がっているかなと思っております。ただ、学術の質ないし政策当局へのインパクトに比べますとまだ努力の余地が大きいのかなと考えている次第でございます。この点につきましても、冒頭岡松理事長から申し上げましたように、ホームページだけではなかなかリーチできない層もあるのかと思いまして、先ほどお手元に配らせて頂きましたけれども、「RIETI Highlight」というプリントでの隔月刊ニューズレターを新たに発刊をしたところでございます。
 以上、平成16年度の業務実績について概略をご説明申し上げました。
○足立企画主任  引き続きまして、資料2-6をご説明させて頂きます。RIETIとは別途、企画室の方でも省内の23の局、ユニットを対象に昨年度のRIETIの業績がどうであったかというヒアリング調査をしております。昨年度と異なりまして、今回は実際に歩きまして詳細なインタビューをしてまいりました。それをとりまとめたものになっております。局によってRIETIとより結びつきの深い局、そうではない局があるのですけれども、単純に1局1票としまして単純集計したものが1ページ目にあらわしてあります。
 質問を3つしておりまして、1つ目は「RIETIでは、取り組むべき研究領域を研究クラスターとして設定しています。その設定の仕方が平成16年度は適当だったでしょうか」という質問です。回答は「設定が十分によかった」というものが5件、「十分であったものもあればそうでないものもある」というのが10件、「設定が全く意図に合っていない」というものが4件です。ただし、下線を引いてあります4つの部局につきましては、そもそも研究テーマになるようなニーズがないということになっております。
 どのようなコメントがあったのか、具体的にご紹介したいと思います。3ページ目の一番上をごらん頂きますと、「研究や知見の集積には時間がかかることを考えれば、毎年変わる本省の細かいニーズよりも中長期的な戦略でクラスターを編成する方がいいのではないか」とか、3つ目のポツですけれども、「クラスター内部では緩やかな連携が行われているが、大学に対する比較優位を出す観点から、多数研究者が参加する、より組織だったプロジェクトが必要ではないか」と。
 次の経済産業政策局という当省の中で最もRIETIと関係が深い部局ですけれども、こちらは「マクロを担当している課室からの評価は非常に高かった。他方、制度もの、例えばM&A法制だとか倒産法だとか商法だとか知財だとか、そういうところを担当している制度ものの課室からの評価は低かった」。
 それから、今ご紹介がありましたけれども、ブレインストーミングワークショップという一つ一つの研究テーマについて本省の担当者も参加をしてやるワークショップですが、「そもそもブレインストーミングワークショップ以前に十分な連携がとられていなかった。事前の連携をとるだけで、評価が低かった課室からの評価も大分違ってきたのではないだろうか。テーマ設定の前の段階から担当課を立ち会わせて意見交換をすることが必要です」というご指摘がありました。
 5ページ目をごらん頂きたいのですが、そのようにRIETIの努力を評価するものしないものに加えて、5ページ目の真ん中の環境ユニットの2つ目のポツです。これは「16年度は当方(環境ユニット)が忙し過ぎて、またその環境ユニットの陣容からして、自分たち自身が研究に人材を割くことができなかったという事情があった」ということで、「RIETIの責任にするのみならず、自分たちの努力を反省している」という声も聞かれました。
 2つ目の質問にまいります。6ページですが、2つ目の質問は「RIETIでは、出版物やシンポジウムなどを通じて政策提言の普及を行っています。具体的に政策形成にインパクトを与えたと思いますか」という質問です。これは「具体的にインパクトを与えた事例がある」が9件、「事例がない」が9件です。
 コメントの中身をみてみますと、例えば6ページ目の一番上、大臣官房総務課、「植杉研究員は、政策の間で落ちているところをやってくれている」というものが1つ。
 7ページ目にまいりますと、7ページ目の真ん中、地域経済グループ、ここは「戒能研究員には、研究会において協力してもらっている」と。
 その下の産業技術環境局、「後藤FFには審議会の委員になってもらっている。玉田研究員の論文を報告書に引用した」と。
 最後の情報政策ユニット、「e-LifeブログをRIETIと共同で開き、多くの意見を集めることができた」と。
 このように具体的に役に立っているという意見もありましたし、同じく7ページ目の経済産業政策局の中の薄い字の1つ目のところですけれども、「財政の出版物は当課の座右の書となっている」とか、2つ目のポツのように「小林研究員の寄稿論文は大変参考になった」といったように、具体的な政策への反映ではないですけれども、日々の業務のベースになっているというような声も寄せられております。
 8ページ目ですが、3つ目の質問です。「RIETIの活動について評価すべき点、改善すべき点がございましたらご記入ください」と。これは、今年が見直しの年ということもありまして、我々としましてもこれまでどうだったかということよりも、むしろ今後どうあるべきかということを重点に聞いておりまして、議題の4にかかわってくるところでございます。
 ご紹介をさせて頂きますと、まずBBLについてということで、これは評価が非常に高くなっております。皆様方のところにもご案内が行っているかと思いますが、週に2~3本BBLを開催しておりまして、ここには多数の我々の同僚が参加をしております。
 9ページ目ですが、「その他(RIETIの機能、体制、研究テーマ等について)」ということで、大臣官房会計課の2つ目のポツを読ませて頂きますと、「例えば、ミッションオリエンテッドな研究を実施するとして、優秀な研究者を任期付の条件で獲得するためには、研究所としてのレピュテーションが不可欠です。そのためには本省の政策ニーズから多少外れる研究であっても、非常にレベルが高ければ、そういった人たちを確保していく必要もあるだろう」。
 その次ですが、「1名から数名での研究テーマが大半だが、大学との差異を出す意味では、関連する研究者の数がもっと多い研究部隊を設けて、大規模な研究をスピーディーに実施することも一案ではないか」といっております。
 9ページの下から3つ目のポツ、色の薄いところですけれども、「近年では、従来以上に経済理論や内外の先行研究に基づく政策の企画立案が求められていることにかんがみれば、さらにRIETIの高度な知見を活用させて頂く余地は大きいのではないか」と。
 一番下のポツですが、「RIETIから経済産業政策局への働きかけ等の政策ニーズの発掘努力に関しては、以前に比して大幅に改善されています。RIETIの所長と経済産業省の局長、審議官との会談だとか課長レベルでの交流、共同プロジェクトの省内公募、個別プロジェクトに関しての事前相談等の取り組みについては大いに評価できる」と。
 10ページ目の上から3つ目、色の薄いところですが、「ともすれば短期的視点で身近な成果を求めがちな経済産業省の施策について、より中長期的な視点に基づく政策提言を図り、さらに知見をストックする重要な場として評価されるべきです。今後は一層当局を中心とする各局と連携を強め、新政策や新たな審議会の立ち上げ等への知見の提供と研究成果の発表等を進めるべきではないか」と。
 あと2つほどご紹介いたしますと、10ページの真ん中、地域経済グループですが、「役に立つかどうかは、テーマ設定によるところが大きい。テーマ設定をどのようにやるかが重要なのではないか。テーマを設定したらむしろ中立的な立場からよく検証してもらったものを提言してもらった方がいいと思われる」。
 同じくその下の通商政策局、専門人材の養成について。通商機構部というWTOなどを担当している部局は専門的人材のニーズが高く、任期付任用という制度を活用して専門の人を雇っているのですが、「通商機構部が欲するような専門的知識をもった人材がそもそも少ないという問題を抱えている」。川瀬ファカルティーフェローといいまして、現在大阪大学の教授ですけれども、この方はもともとうちの役所の通商機構部の任期付職員ということで1~2年働かれたのですが、その後RIETIの研究員になられまして、昨年度中に大阪大学に移られたという方です。この方は成功例ですと。「通商法の専門家を日本で育てて活躍してもらう。そういう人材をプールする機能をRIETIに発揮してほしい」ということが寄せられております。
 以上、簡単ですが、ご報告です。
○小野分科会長  ありがとうございました。ただいまご報告がございましたけれども、少し質疑応答をしたいと思います。予定時間15分ぐらい頂いておりますので、どうぞご質問もご意見もございましたらよろしくお願いします。
 余り議論にならないと困りますので、ちょっと私の方からご質問させて頂きます。最後のアンケートにかなり本音の議論が書かれているのだろうと思うのですけれども、最後の方に47プロジェクトのうちにどの局が何件ぐらいかかわっていたかという表がございまして、例えば16ページには通商政策局が47のうちの15というような数字が出ておりますし、その前の15ページには経済産業政策局が47のうちの16かかわっている、こういうデータがついています。先ほどずっと目を通しておりますと、経済産業政策局の方からは結構長いご意見が出ているのですけれども、通商政策局の方のコメントが少し軽いコメントになっているのかなというような印象を受けるのです。これはいかがですか。
○足立企画主任  技術的なご説明を申し上げますと、経済産業政策局というところは各課すべての意見をインタビューした人が個別にとりまとめてくれましたので、ボリューム的には多くなっております。ただ、伝わってきている内容の濃度は同じものかなと思っております。まず1つは、2つの局において私どもがインタビューをしたとりまとめ課があるのですが、局のとりまとめ課を飛び越えて個々の課が直接RIETIとリンクをしていて、思った以上の貢献をRIETIからもらっているということをそれぞれの各局の総務課がいっておりました。多々益々弁ずですので、より情報交流を各研究の段階においてやっていきたいというのが共通したコメントです。
 それから、いずれの局も当省にとって非常に重要な部局になっております。ドメスティックと海外担当の中心の部局になっておりまして、それぞれにおいて日本においてそもそも研究者が少ない領域があるので、そこのところでのRIETIでの研究者の育成をぜひお願いしたいということが共通して語られています。
○小野分科会長  今の質問に関してですけれども、例えば2ページ目に情報政策ユニットのコメントには「必ずしも役所に合わせて柱をつくる必要はない」とか、商務流通グループは「そもそも当局の政策分野ではアカデミックな研究になじまない」とか、通商政策というのはロジカルにRIETIの貢献を得にくい要素を多少もってるのかなと思ったのですけれども、そういうことはないんですね。
○足立企画主任  情報政策ユニットも商務流通グループも相当ドメスティックな部署になっておりまして、国際的な部署は通商政策局になります。通商政策局からは評価は高くて、FTAの締結、交渉に当たって、どのようなFTAによる経済効果があるかといったような試算についての貢献もRIETIからありますし、WTOの制度については非常に専門的な知識を要するところでして、そこからの貢献も非常に多かったとコメントが寄せられております。
 他方で商務流通グループ、これはその名前のとおり流通だとか製品安全だとか、そういうことをやっているところですけれども、研究ニーズがない部局もございます。例えばこのほかにも貿易管理をやっているところだとか原子力の安全管理をやっているとか、そういう管理部局も研究要素は特にないというようなこともありまして、そういう部局もございます。
○小野分科会長  ありがとうございました。どうぞ委員の皆さん、どんなご質問でも結構でございますので。シェアードさん、いかがですか。
○シェアード委員  ただいま詳細に経済産業省省内からの評価について報告頂いたのですが、2の他省庁からの評価についてご報告して頂ければ幸いですが。どのようなフィードバックが得られたのでしょうか。
○小野分科会長  他の省庁からの評価ですね。
○シェアード委員  ええ。「政策形成へのインパクト」ということで「評価の方法」として①と②というのがあるんですよね。プロジェクトごとに経済産業省の関係の深いところとヒアリングをやったりアンケートを出したりするわけですね。2つ目はほかの省庁、地方公共団体とか、もっと幅広くRIETIのユーザーからのフィードバックはどのように具体的になっているのでしょうか。
○入江総務ディレクター  そのアンケートは私ども経済産業研究所の方でやったアンケートでございますので、資料2-4-Ⅲというピンク色の関連資料の57ページを見て頂くと、私どもが他省庁等にとりましたアンケートの結果の概要をまとめてございます。これは今足立補佐からご説明した経済産業省へのアンケートと違ってマーキングをしてもらう形のものでございますので、個別具体的なコメントではございませんけれども、シェアード委員のご質問に沿う形でいいますと、例えば61ページの質問番号7番の「経済産業研究所のどの研究プロジェクトが参考になりましたか」ということで回答5件以上、複数回答があったものを挙げていきますと、コーポレート・ガバナンスであるとか中小企業、中国経済問題、製品・工程アーキテクチャ等、こういったものが参考になったものとして比較的高い点をとったものでございます。
 63ページに移って頂きますと、(10)という項目で「政策形成にインパクトを与えた具体的事例を挙げてください」とお願いしたところ、挙がってきたものとして今申しましたコーポレート・ガバナンス、製品・工程アーキテクチャ、男女共同参画社会における女性活用、日本企業の国際化、アジア諸国における生産性の国際比較、企業の価値創造力、こういったプロジェクトが具体的な事例として参考になったという回答を頂いているところでございます。
 以上でございます。
○小野分科会長  ありがとうございました。
○西岡委員  今のとちょっと関係しますけれども、資料2-3の一番後ろのページに表にした「自己評価結果一覧」というのがありますよね。これで例えば「マクロ・金融・財政クラスター」というところ、これは学術的あるいは政策的なアウトカムみたいなものも含めると高いのに対して、普及というのが極端に低く落差がありますよね。産業組織とか規制、あるいは雇用でも、上の方をみますと全般的に学術レベル、政策レベルのアウトカムみたいなものに対して普及というのは低いんだけれども、マクロというのが極端に低いのはどのように解釈できるのですか。
○入江総務ディレクター  ここは例えば経済モデルを使った研究みたいなものが昨年度多く出ていまして、こういったものは例えば英文でまとめたりする形になっているのですが、非常に学術的で、政策インプリケーションを酌み取るのも難しいですし、多分幅広くて、一般的にはなかなかポピュラリティーはないんだろうと思います。
○小野分科会長  どうぞ、藤垣さんお願いします。
○藤垣委員  資料2-6は去年までのアンケートに比べまして非常に内容の濃いものになっておりまして、大変参考になりました。これは多分、平成16年度業務実績評価のために使うだけではなくて、恐らくは今後の中長期計画に反映させていくものだと思うのです。特にユニットごとにいろいろ反応の差がございまして、例えば5ページに、今のところはニーズがクラスター及び研究プロジェクトの設定に反映されていないというふうな回答を出していながら、例えば環境ユニットの人はテーマとして考えられるものとしてこういうものがあるという積極的な意見が出ていますし、原子力安全の方にも規制機関としての機能の仕方を評価する手法の開発なんかはおもしろい題材になり得るという提案が出ておりますが、そういうものを今後のクラスター形成に生かすとか、そういうことも何かお考えになっていらっしゃるのか。今聞くべきことかどうかよくわかりませんが、ちょっとご意見をお願いします。
○佐味企画室長  中長期的な話になりますと後の議論になりますが、確かにまず中期期間につきまして経済産業大臣が中期目標を示して、それに対応した計画をつくるということになるわけでございます。後でもご説明しますけれども、現在の中期目標というのは分野について大臣からの目標への言及はされていなくて、クラスターを研究所の方で計画の中に表現をするというスタイルになっておりますが、一言で申せば、次の中期目標をつくるときには、ある種領域の例示というようなことも役所のサイドからの考えも踏まえて提示し、それをさらにまた膨らませて研究所に計画をつくって頂くということを想定しております。
○小野分科会長  これはご指摘のように、1ページ前の4ページにも製造産業局やサービスユニットの方からもこうやってもらえるとありがたいなと。例えば製造産業局のサプライチェーン、部材、製造局の新政策としてやっている分野についても使えればありがたい、そういう次のテーマの芽みたいなのが出てきているようにも思いますので、それぞれどこまでの陣容でどう対応できるかあるかと思いますけれども、課題の一つだと思います。
 ご意見がなければ、16年度こういうことで一応自己評価のアンケートもして頂いていますので、次の議題に入っていきたいと思います。
 次の議題は3番目の議題で「予備的中期目標期間評価にかかる業務実績について」ということでございます。これも事務局及び経済産業研究所の方からのご報告をお願いいたします。
○佐味企画室長  それではご説明させて頂きます。
 その前に、大変遅刻をいたしまして申しわけございませんでした。
 中期目標期間の予備的な評価でございますけれども、これは検討の段取り、作業といたしまして、各年度これまでしてきて頂きました作業、すなわち先ほどご説明させて頂いた16年度の作業と同じような作業になります。具体的には3-5という横長の資料がございますけれども、こちらの方に中期計画期間中の評価を書き込んで頂く、それを次回の分科会において突き合わせをして評価を決めていくというプロセスになります。
 なお、この資料のつくり方でございますが、中期計画という研究所の方でつくった計画に即して項目が並んでおるところでございます。各中身についてはご説明を省かせて頂きますけれども、中期計画の中では、まず1番目のページから「中長期的な経済システム改革ニーズと研究クラスターの設定」というのがございまして、それぞれ左側の欄にそれに対応する目標が書いてございますが、評価の対象となる項目とか実績ということが真ん中にありまして、具体的には一番右側のところに先ほどの年度評価と同様、ご記入をお願いしていくということになるわけでございます。
 以下、引き続きまして研究所の方から資料3-2、3-4について説明をして頂こうと思います。
○小野分科会長  では入江さん、お願いします。
○入江総務ディレクター  それではご説明申し上げます。
 平成13年度から17年度までの5年間が私どもの第1期の中期目標期間でございますけれども、今4年目を終わったところでの予備的なご評価を頂くために、資料3-3という形で業務実績報告書をまとめてございます。A3の少し厚手のものでございます。これは、今佐味室長からご説明がありました資料3-5と同じ形のものでございまして、資料3-3と同じ形の3-5の方にいろいろコメント、評定を頂くという形になってございます。
 3-3の構成でございますけれども、これも佐味室長から触れましたように、大臣が決めた中期目標、それに対応した研究所の立てた中期計画の順にどのような実績が上がったかというのをその順番に整理をしてございます。この順番が非常にわかりにくくなりますのと全体が大部になりますので、ポイントを資料3-4という形でA4の横長のパワーポイントにまとめてございます。今申しました資料3-3と、この中に入り込んでいますアウトカム指標についての説明の資料3-2のエッセンスをとりまとめて3-4という形にしてございますので、これでご説明をさせて頂きます。
 表紙をめくって頂きまして、最初にアウトカムの評価について前回ご議論頂いて資料3-2にまとまったものを最終的にとりまとめた結果を簡単に書いてございますけれども、今回の中期目標期間評価におきましては、さまざまな私どもの成果物であるアウトプットの評価に加えまして、これが世の中にどのような影響を与えたかというアウトカムについてもご評価を頂くということになっております。
 アウトカムをどのようにしてはかるかでございますけれども、私どもとしては3つのポイントを考えてお認め頂いております。
 1つは、まず直接的なアウトカムとしては、政策当局等の私どもにとってのユーザー、顧客の満足度が1つのアウトカムであろうと。
 2番目に、これも1つの直接的なアウトカムとしてどのような研究が行われて、どのような発信が行われたかというのの性格について定性的な評価を頂けるのではないかと思っております。
 3番目に、これを補完するものとしてさまざまなアウトプットの指標の中で幾つかのものをアウトカムに関連した指標としてとらえることができるのではないかと思っておりまして、例えばホームページからの論文のダウンロード数であるとか、ホームページ自体のヒット数といった5つの指標を考えてございます。これはいずれもアウトプット指標の中から、私どもが一方的に発信するというよりは外部が求めてくるものという意味で、外部のニーズを直接的に反映するアウトカムに近いものではないかと思っている次第でございます。
 アウトカムについての評価を中心に過去の4年間を振り返ってみますと、2枚目に「政策研究・提言活動の質的な充実」とございますけれども、ここでは先ほど申しましたアウトカムの2番目の定性的な指標としておよそ5点挙げてございます。
 1つは、最初のポツのところにあります斬新な政策研究・提言を中長期的な経済システム改革の視点をもって行うことができたか。政策当局と補完性が確保できたかという点。
 2番目に、これらの斬新な政策研究・提言によって、政策の改廃に対する理論的・分析的な基礎を提供できたか。
 3番目に、そこまでいかないとしても有識者間での政策論争に十分関与できたか。
 4番目に、研究成果のユーザーとしてどういう人や組織を引き寄せられたか。
 5番目に、これはネガチェックでございますけれども、研究自体が自己目的化していないかという5点でみていく必要があるかと思っております。
 私どもとして、こういった点を踏まえながらこれまで4年間研究に取り組んできたつもりでございまして、さまざまなプロジェクト、16年度も立てたプロジェクトについては先ほどご説明したとおりでございますけれども、例えば4ページ目のところでいいますと一番上のS-T-Iネットワーク、科学と技術と産業の間のネットワークについては、いわゆる重点4分野別にきめ細かい技術政策の必要があるのではないかというような提言を行っておりますし、また地域クラスター研究におきましても地道な研究を行うことによって経済産業省自体でも研究成果を活用して頂いております。
 1枚めくって頂きまして5ページ目には、これは一昨年度の大きなプロジェクトでございましたけれども、財政改革に関する研究を去年出版いたしまして、こういったものは書評等でも非常に大きく取り上げられて高い評価を頂けたと思っております。
 また、その下の「WTOと農業政策」につきましては、WTO・FTA交渉で農業が1つの論点になっているわけでございますけれども、土地の使い方や農業保護のあり方について具体的な提言を行いまして、政党等からもレクチャーの要求が非常に多うございますし、政府での計画検討にも関与し得たのではないかと思っております。
 6ページ目、WTO・FTAに関する研究で、これはむしろ制度面の研究でございますけれども、これは先ほどの足立補佐の説明の中で経済産業省で実践をしてきた研究者の方に私どもに移って頂いて、WTOの制度分析、セーフガードについて昨年度はまとめて頂きまして、これは政策当局でそのまま使って頂けるものになれたと思っております。
 7ページ目に移って頂きまして、政策提言や普及活動におきまして、これはいろいろなアウトプット類が出ておりますけれども、研究論文の関係でいいますと、学術誌等での論文発表数は既に4年間で188 件で、5年間目標の 100件を超えております。同じく国際シンポジウム等での論文数も430 件に達しておりまして、5年間目標の250 件をオーバーしております。内部レビューを経たディスカッションペーパーは昨年度末で209 件まで来ておりまして、今年度66件出すと目標を達成できる見込みになっております。
 1枚めくって8ページ目をみて頂きますと、商業誌等での発表論文数も 1,439件まで来ておりまして、残り 200件ほどで5年間の目標を達成する見込みでございます。
 ホームページからのディスカッションペーパーのダウンロード数でございますけれども、これは外から求めてくるものでございますのでアウトカム関連指標として位置づけておりますが、目標 1,500件に対してこれまでの平均値が 2,500件を超えておりますので、5年度目も同じような高い水準を維持できれば目標を達成できるのだろうと思っております。
 次の政策部局等からの協力依頼件数、これも同じような外部からの求めに応ずるという意味でアウトカムの指標だと思っておりますが、目標 1,000件に対して998 件とほぼ達成をした形になっております。
 その下のさまざまな外部との共同研究におきましても、 1,000件に対して831 件と既に8割方達成した形になってございます。
 次の9ページに、出版の関係でいいますと、一昨年度は少し足りなくてご評価頂いた点でございますけれども、16年度8冊も出したこともありまして、今5年間目標の30冊に対して24冊と、これも8割を達成したところで残り6冊となっておりますが、既に6冊以上の企画が立っておりまして、順調に進めば達成できるのではないかと思っておる次第でございます。
 その後はどのような本を出してきたかというのを3ページほど列挙していますが、これは飛ばさせて頂きまして12ページにシンポジウムとの関係が書いてございます。大型のシンポジウムを5年間で40件開催する予定でございますけれども、既に4年間で37件開催しておりまして、今年も昨年同様に8~9件は今企画をしております。既に今月23日に38回目、7月22日に39回目を予定しておりまして、年度前半で恐らく目標を達成するのではないかと思っております。
 今までこのコンファレンス等に参加して頂いた方のアンケート結果によりますと、満足度の平均が80%を超えておりまして、これも目標値を超えた形になってございます。
 次の13、14、15、16と、これまでどんなシンポジウムをやってきたかを列挙してございます。
 17ページに私どもの情報発信機能の中心に置いておりますホームページ等につきましてこれまでの成果でございますけれども、ホームページのヒット数、これも外部の求めに応ずるアウトカムに関連した指標だと認識しておりますけれども、5年間の目標30万件を毎年超そうというのに対して、これまで年平均で44万件でございまして、およそ1.5 倍ぐらいの達成度になってございます。
それから、ホームページ上のニューズレターも、月3回目標に対して今まで4.3 回と上回った形で発信をしてきております。
 最後に、経済産業省と共同で行っています政策形成プラットフォームにつきましても、今までの平均で17.5個、毎年開催をし、累計で34万件のアクセスを得ているという形で、今のところ目標は達成した形になってございます。
 18ページから、そういったアウトプットの質的な側面につきまして16年度どういう評価を頂いたかというものの紹介でございますけれども、これは先ほど16年度の説明の中で申しましたことの再掲でございます。学術水準、政策インパクトは高い評価を頂くに至っており、国民各層の評価も中よりは上のところまで頂いているということで、質についてもレベルは維持できているのではないかと思っている次第でございます。
 最後に21ページに業務の効率化の側面でございますけれども、研究者、スタッフは原則として任期付の採用をしておりまして、即戦力のある人員を機動的に確保するという方針をずっと4年間維持をしてきております。スタッフはできるだけスペシャリストを採用するということにしてございます。それから、研究者につきましても、常勤のほかに大学の研究者の方にファカルティーフェローという形で16年度37名ご委嘱をしましたし、実務家の中では経済産業省初め各省庁の現職の職員であるとか民間の研究者の方、合わせて30名のコンサルティングフォローをお願いしておる次第でございます。
 それから、先ほど16年度の説明の中では省略してしまいましたけれども、このような機能もあるという点で、例えば各研究者の研究助手という形でリサーチアシスタントを頼んでおりまして、昨年度末で90名ございます。これは私どもの研究に対する支援であると同時に、大体が大学院生でございますので、研究に関与するという形で若手の育成にも間接的に寄与しているのではないかと思っている次第でございます。
 最後の22ページでございますけれども、事業規模は今まで中期目標にありますおおむね20億弱のところで推移をしてきておりまして、16年度は18億 2,000万円の事業をすることができております。
 なお、これも16年度のご説明の中でちょっと省略をしてしまいましたが、15年度の大きな問題点といたしまして研究が少しおくれぎみで繰り越しが多かったという点をご指摘を頂いた点で、15年度は3億ほどの繰り越しがございまして、16年度はこれをできるだけ減らそうということで計画的な業務遂行に心がけましたが、やはり研究自体のもっている不確実性もあるものですから、1億ほど繰り越しが生じております。3分の1までは縮減しましたけれども、まだ1億ほど繰り越しがございますので、17年度はさらに一層緻密な予算管理、支出管理をしていきたいと考えている次第でございます。
 以上でございます。
○小野分科会長  ありがとうございました。それでは、ただいまのご報告にご質問、ご意見を賜りたいと思います。主として資料の3-4をみて頂きながらの議論かと思います。
 財務のデータが一番最後の22ページにありましたけれども、これを補完する資料は何か配られていますか。
○入江総務ディレクター  資料の3-3というA3の横長の方の18ページ以降が財務面での説明になってございます。やや細かいデータといたしましては、19ページの方に過去4年間の事業計画と決算の対比といった形で、どういう形で事業をしてきたかの概観ができる形にしてございます。
○小野分科会長  この4年間で剰余金が残った形になっているわけですか。今多く残っておられるというような話をされましたね。
○入江総務ディレクター  最初のころ、立ち上がり間もないころは繰り越した部分も多うございましたので、それを逐次どんどんどんどん減らしてきた形になってきております。
○佐味企画室長  今の点ちょっと補足いたします。分科会長が今ご指摘になられた、例えば13年度に翌年度への繰り越しがどの程度発生したかというのはこの表からは直接読み取れない形になっております。ただ、あらあら申しますと、もともとの計画では5年間で 100億円の資金計画になっておりまして、おおむね1年ごとに20億ずつぐらいということを計画してスタートしたわけですけれども、初年度に7億ぐらい消化し切れない分が残りました。これ自体は、国の予算と違って単年度主義ではないので、そういう意味では、問題でないとはいえませんけれども、翌年に繰り越してその分を使うことにしたわけです。したがって、事業規模自体は毎年予算でもほぼ20億近くの規模を想定しておりますが、新規に役所の方から支出する交付金はその繰り越した分だけ少ない金額で済んできたということでございます。その繰り越してきた幅がだんだんだんだん縮小してきて、今年度、4年目が終わった段階で1億ぐらいに縮小した形になっていますということでございます。
○小野分科会長  そうすると5年間で 100億といっていた部分が、この17年度が終わると何億残りますか。
○佐味企画室長  今時点ではまだ最終年度がスタートしたばかりでございますけれども、結局5年間で85億円ぐらいの資金規模で足りたという形になるわけでございます。
○小野分科会長  わかりました。どうぞシェアードさん、お願いします。
○シェアード委員  膨大な資料ですので、一遍に消化するのがなかなか難しいのですが、ちょっと確認です。3-4の資料の中では19ページ目にパイチャートがありますね。政策インパクトのアウトカムの指標。それから、先ほど足立さんから紹介頂いた資料2-3の4ページに評価結果が出ておりますが、この2つの評価結果は同じものでしょうか。
○入江総務ディレクター  同じものでございます。
○シェアード委員  そうですか。ちょっと定義づけが違うような気がして質問させて頂いたのですが。3-4の資料によりますと「経済産業省の関係者にアンケートしたところ次の結果が出た」となっているのですが、2-3の資料によりますと、3ページ目の下の方には「政策当局及び外部有識者に評価を求めたところ、次のような結果となった」と。どうも対象となっている層がこの2つの資料の中でみると違うような記述になっているようですね。その辺の確認をして頂ければ。
○小野分科会長  入江さん、お願いします。
○入江総務ディレクター  資料2-3は足立ではなくて私の方から説明したものですが、資料2-3の方が正確でございまして、資料3-4は本来「関係課と外部有識者」と書くべきところを書き落としていますので、申しわけございません。資料2-3の方が正確な形で、3-4に編集するときに、そこはちょっと舌足らずになっております。
○シェアード委員  そうですか。わかりました。
 もう1つ確認なのですが、では2-3の資料の文脈でいいますと、3ページには「政策当局及び外部有識者」となっているのですが、その1つ上の方、「評価の方法」①と②、つまり経済産業省のいろいろな部局に問い合わせするのと外部に向けて調査するのと2つが出ているのですが、そこに書いてある①と②の関連はどのようになっているのでしょうか。
○入江総務ディレクター  どちらがメーンかと申しますと①でございまして、「政策形成へのインパクト」については経済産業省の政策当局からもらったコメントが主たるソースでございます。アンケートの中にそれに類似したアンケート項目がありまして、その点を加味しているという形でございます。
○シェアード委員  ここでいう政策当局というのは主に本省の方というふうに連想すればよろしいですか。
○入江総務ディレクター  それで結構でございます。
○シェアード委員  そうですか。ちょっと視野が狭過ぎるかなというような気がいたしますが。
 ちょっとみたところ、私の先ほどの質問の基本認識につながりますが、もう1つの中央省庁、地方公共団体とかに対するアンケートがありますよね。ピンクの色の資料をみますと、一番最後のところには、この分布図をみると中央省庁の全体のアンケート回答者の3%にすぎないということであって、経済産業省のいろいろな部局に対して物すごく濃度の高いヒアリングをやっているわけで、これは非常に評価に値すると思います。でも、取り組んでいるトピックあるいはミッションからいいますと、例えば財務省の方の部局とか法務省の方の部局とか、金融政策となると日銀の方の意見とか、大体同じようなウエートで評価のプロセスの中に取り入れた方がいい評価結果が出るのではないかとみております。
○小野分科会長  ご意見ありますか。
○入江総務ディレクター  確かに私ども経済産業研究所は経済産業省と、さらにそれを越えて一般のパブリック、その一般のパブリックの中には他省庁も入ってくると思いますけれども、その両者をみております。確かに16年度につきまして――15年度もそうでございますけれども、経済産業省の評価を集中的に聞いたというのは確かにそのような選択にはなってございます。
○小野分科会長  速水委員どうぞ。
○速水委員  ちょっと感想的な話ですけれども、私は頂いた本でちゃんと読んだのはほんの2~3冊であって、あとは大体ぱらぱらとめくるぐらいの程度しか拝見してないんです。しかし、全般的に私の印象は、お世辞ではないけれども、クオリティーがかなり高いものが多いという印象であるし、数からいっても非常に結構なボリュームが出ている。だから私個人的としては高い評価をもっているのです。今ままで気がつかなくて今気がついたのですが、最大のターゲットは経産省であり、またその他の国内省庁であるわけですが、海外発信というのはそもそも最初の段階で考えたのでしょうか。考えてみると平凡なパブリケーションはないわけで、これだけのものがあってそれが全然ないというのは何となくディスプロポーショナルな感じがしないではない。この中で伊藤さんの「金融ビッグバン」は英文になったのですか。それから青木さんたちのは出るのですか。まだ計画としてはないのですか。
○岡松理事長  お答え申し上げます。今の出版物につきましては、ここにございますようにすべて日本語でございます。ただ、その背景にありますディスカッションペーパーとかシンポジウムで出された英文のもの、それはそのまま英文のサイトに載せてございます。したがって、そのところに関しては外国からのアクセスも可能ということでございますが、本についてそれを英訳するという形はとっておりません。
○田辺副所長  ちょっと補足してよろしいですか。英語の出版物ですが、今のところそういうものとしては出てないのですが、実は今仕込みのものがございまして、1つは宮島ファカルティーフェローを中心としているコーポレート・ガバナンスの研究については、オックスフォード・ユニバーシティー・プレスからの出版を今予定をしております。もう1つは宗像という上席研究員がおりまして、これは経済産業省からの出向者ですが、ブルッキングスに派遣されて研究をしていた東アジアの統合に関する研究成果がブルッキングスから出版される予定になっております。ご承知のとおり、外国の出版の場合には相当プロセスで時間がかかりますので、仕込んでいたのが今ちょうどマチュアな段階になっているというところでございます。
○速水委員  この期間についてはそれでよろしいでしょうけれども、次の計画期間には少しそれも考えた方がいいのかもしれませんね。
○岡松理事長  16年度までは出ないわけでございますが、17年度、先ほど触れました「Policy Analysis Paper 」というのを既に4冊まとめております。これについては英訳をして配布をするということで、今翻訳プロセスに入っております。今日現在まだできておりません。そういうことで、これは先ほどご説明申し上げましたように、ディスカッションペーパーの中の幾つか関連するものをまとめてエグゼクティブサマリーにまとめるということで、これは所長の責任編集ということでやっております。これは英訳を考えております。
○小野分科会長  よろしゅうございますか。ほかにご意見、ご質問ありますか。
 それでは、ありがとうございました。議題の3についてのご意見、これで終わらせて頂きます。
 先ほど事務局からもありましたように、各委員におかれましては6月22日までにこの大部のペーパーのコメント、評価を事務局の方までご送付頂きたいと思います。
 それでは、次の議題ですが、第4議題の「独立行政法人経済産業研究所の中期目標期間終了時における組織・業務の見直しの論点について」ということでございます。
 経済産業研究所の方々には審議中は中座して頂くことになっております。それでは、事務局の方からご説明をお願いいたします。
     (経済産業研究所退席)
○佐味企画室長  それでは、極力簡単にポイントをかいつまんでご説明をさせて頂きたいと存じます。冒頭にご説明をさせて頂きましたように、中期期間の見直しをやっていくわけでございますが、見直しについての議論は、既にご説明のありました小委員会という舞台が中心になって行われていくということになっております。したがって、その見直しに対する材料として今回お願いしている予備的な中期目標期間の評価もまた材料になっていく、こういう仕組みになっております。
 今年4月26日に小委員会の1回目が開かれまして、こちらでは私ども経済産業研究所と特許庁の工業所有権情報研修館という2つの独立行政法人が来年の春の見直しということで現状をまず説明せよということになったわけでございます。当日は、ご案内のとおり、小野分科会長と当分科会から西岡委員と小笠原委員にも小委員会に加わって頂きましてご出席を頂いたわけでございますが、その場でこれまでのパフォーマンスについて、そしてまた現状認識と見直しの方向性について説明したときに用いた資料が4-1-1という縦長の資料でございます。これはこれまでの分科会などで頂いた議論を踏まえながら、ある種非常に基本的な事項について整理をしてきたものが中心でございます。ご説明は本日は割愛させて頂きます。
 そういった説明に対しまして、小委員会の方で甲論乙駁いろいろな議論が出たわけでございますが、その指摘事項の主なものを拾ったのが資料4-1-2でございます。つい今し方のシェアードさんのご質問にも関係してくるのですけれども、この研究機関のユーザーというか、アウトカムの裨益をどういう形で果たさせていくことを前提にしているのか、それは経済産業省の独立行政法人としてやっていることの意味とどのようにつながるのかという点を中心に、ここに書いたようないろいろな議論が出たわけでございます。
 どれも重要な議論でございますけれども、端的にいうと、その機能として、これは社会科学系の研究所と自然科学系の研究所との違いということを例を引いて出た話が、マルが幾つか並んでいるうちの5つ目に書いてございます。産業技術総合研究所という技術系の総合研究機関を独立行政法人として抱えておるわけでございますが、そこの委員の方によると、自然科学の場合ですと、ある種の目的を念頭に置いた基礎研究を第2種の基礎研究というカテゴリーで考えながら、それが継続的にこれまでの研究資産を使いながらやっていくという意義がわかりやすいんだけれども、社会科学系で同じようなことが何かあるのかというようなこと、そういった意味でこれまでの4年間のパフォーマンスを評価して、そのあり方、機能の果たさせ方ということについて、これは研究所がどうしたいということもさりながら、その前提としてどういうことを期待するのかという経済産業省側の位置づけをしっかり基本に立ち返って考えてみる必要があるのではないかというのが議論の1つの大きなポイントだったように理解しております。ご説明を余り長くしていると時間がなくなってしまいますので……。
 そういった議論も踏まえまして、また、実をいいますと、昨日、今日と省内の補佐クラスの会議、あるいは管理職の定例の会議があるわけですけれども、そういった場でもRIETIにどういったことを期待して、これまで果たした機能について、既にアンケート結果、ヒアリング結果でごらん頂いたように比較的若手の声はよく拾っているのですが、組織としてどう考えるかというあたりについてもいろいろな意見をもらってまいりました。今後見直しをつくっていく際には、その意味で経済産業省側が独立行政法人のこの研究所に何をさせたい、何を期待したいのか。しかしながら、これは内部組織ではありませんし、当初からのある種の自由な雰囲気と、そのことによって内外のアカデミーの方が自由闊達に議論をする、あるいは言葉はちょっと不適切かもしれませんが、たむろするというか、接点を持続的にもつという機能によってしか生まれないものをどうやって生んでいくかといったあたりのバランスのところがこれまでも議論になってきたポイントではないかなと理解しております。
 4-2「見直し案について」という資料がございます。ちょっと厚めの10ページ近くの資料でございますが、これはこういう骨格で見直しの案をつくるという性格のものというよりは、ある種の論点を今日の議論のために整理をさせて頂いたものでございます。
 ずっと読んでいくと時間がなくなりますのでポイントだけ申してまいりますが、まず一義的に役所側からみた場合の使命というのは何だろうかということです。これは当初設立したときからの議論でございますけれども、役所の知見を超えた研究成果をもって政策提言をしていくことで経済産業省の死角を突いていく。そのことが政策形成をよりクオリティーの高いものにするだろうと。そういう提言機能、研究機能をまず期待したいと。その裏腹で、これはこれまでの分科会でも何度か出ている議論ですが、研究のわかる行政官、あるいは政策のわかる研究者の割合を高めていくことで、よりいい方向にアカデミーも行政も進んでいく糧となるということが出てくるかと思います。
 その際大事なのが、2点目に書いてありますけれども、当省との距離感という議論でございます。これはご説明でも小野分科会長にも申しましたけれども、宮内前分科会長の時代から距離感ということについての議論はこの分科会でも何度も出てきたかと思います。ある意味連携をよくしながら、しかしながら立場として自由、つまりまさに役所の知見を超えたものを出せるような最適な距離感を模索していくということが非常に大きなポイントになってくるだろうということでございます。
 これが各論でどうなっていくかというのが2ページ目以降でございます。2ページ目から業務内容、ご案内のとおり、調査・研究と提言とデータ・統計という3本の柱があるわけでございますが、先ほど来出ておりますアウトカムということを意識しながら業務を進めていく流れ、特に調査・研究に関しては、先ほどの距離感と表裏一体の問題として研究領域設定の自由度というものが2ページの下に書いてあるようにいろいろな幅が考えられる。
 今度の中期計画で考えておりますのは、先ほどクラスターの見直しにつながるんでしょうかという藤垣委員からのお話がありまして、ちょっと私が申しましたように、3ページ目の上の方にありますように、これは継続的に中期期間中フォローしてもらいたいという役所側からみた場合の「必須政策研究領域」のようなものを設定し、それと役所から出てこないような発想でRIETIが必要だと考える「自由政策研究領域」というような大学の必須単位と選択単位みたいなところがございますけれども、そういった両方を自覚的に設定するということ、特に前者については中期目標という大臣が示す側にも例示を挙げていくというような形で距離感の担保をとっていくということにしてはどうだろうかという案でございます。
 次のポイントは、政策にまつわる研究機関というのは、政策研究大学院大学とか東大の公共政策大学院初め、今教育機関に絡めて出てきているものや民間のシンクタンク、いろいろありますけれども、ではRIETIというものがなければいけない、何がコンピタンスかというのを幾つか考えていくべきじゃないかというのが3ページ目に書いてある5点ほどになるわけでございます。
 この中には今申しました研究領域の話もございますし、特に重要な1つのポイントは「三つ目」と書いてあるところ、「大型研究プロジェクト」と太字になっておりますけれども、従前RIETIというのは個人研究を個人の文責で発表していくということがすべてだったわけでございますが、それに加えて、ある種継続的に1つのテーマに異なるディシプリンの研究者が集って研究を進め、ちょっと大げさにいえばある種の論陣を研究所として主張していくというような、まさにアメリカのシンクタンクも少し頭に置いたような試みもあってもいいんじゃないだろうかというのが3ページに書いてある点でございます。
 4ページの上にある「当省との納得のプロセス」というのはまさにテーマを決めていくプロセスで、テーマが決まってからブレインストーミングを初めとする活動に参加してくださいという形だけでなくて、どういうテーマをどういう掘り方で掘っていくかということ自体を一緒に議論するというプロセスも大事じゃないかと。これはヒアリングの中でも出ていた声にも反応するものでございます。
 以上が研究調査業務でございまして、政策提言とか普及業務というのが4ページの後半にありますが、この点とか5ページ目の上にあります3本目の柱「資料の収集整理」といったあたりについては、時間の都合上お読み頂くという前提で先にまいります。
 そういったことをした上で、これまたシェアードさんのさっきのご質問に返るのですけれども、一義的なユーザーとして、まずスポンサーでもあり中期目標を与える主体でもある経済産業省の政策研究能力とか立案能力にどのように貢献するのかというのを自覚的に考えてみるべきというのが5ページ目の4に書いてある話でございます。
 従前研究活動の一環として行っておりましたBBLをよりポジティブに役所側としても、暇があったら行くというようなものではなくて積極的に参加していくものにして使っていったらどうかということが(1) 。
 (2) にはコンサルティング・フェローというのがありますが、これは実態として自薦で私はこのコンサルティング・フェローでやりたいという人を中心に運営されてきた部分があったのですけれども、6ページ目の上にありますように、設定している各研究領域との関係を意識しながら、まさに研究を進めると同時に研究のテクニックとか知見を常勤のプロの研究者とかファカルティーフェローから盗む、あるいは教わっていくというようなことも考えていってはどうだろうかということが書いてございます。
 以上が仕事の中身でございまして、これに対応する組織形態の話が6ページから書いてあります。ここでのポイントは、分科会の議論よりもさらにまた小委員会の議論を抜けて秋以降、政府全体の評価プロセスに入っていく中でも特に重要になってくる部分でございますけれども、なぜ内部組織じゃなくて独法がいいんだということでありますとか、それは幅広く幅広くということをやっていくのだったら本当に経済産業省に預けて独法として運営してもらうのがいいのだろうかというような議論とか、特によく宮内前分科会長がおっしゃっていました、独法というのはいずれうまくいってパフォーマンスがよければ民営化されていくものなんだろうというタイプの議論、その中にはRIETI自身の民営化という切り口もあるし、また宮内会長が取り組んでおられる市場化テスト論といったものもありますが、この辺とどのように整合性をとって説明をしていくのかというのが大きなポイントになっていくというのが6ページから7ページに書いてある話でございます。
 8ページから9ページにかけて書いてありますことは、これまでご説明した中に入っております研究員のそれぞれカテゴリーごとの特色なり登用の仕方の問題が8ページ、アウトカム志向の徹底というのが9ページ、これは今日も既にかなり議論が出ている部分でございます。
 そして、最後の10ページには財政基盤ということで、1つは予算規模は適正だろうか。これはもちろん組織体制や活動の状況との見合いで決まってくるものですから、その問題が1つ。それから、分科会でも何度かこれまで議論になっております委託費をどの程度、あるいは受託事業を試みるのか、あるいは競争的資金にどういう形でチャレンジをしていくのか、それはある種競争的資金の獲得能力自体が研究のクオリティーとか研究機関の能力を示すものだという議論もあったわけですけれども、そのあたりをどうするかといったようなことについての頭の整理をしてございます。
 非常に端折った説明でございますけれども、忌憚のない、むしろこれまでの評価を踏まえて意見を頂戴できればと思います。
○小野分科会長  ありがとうございました。多少微妙なニュアンスのテーマでありますけれども、なるべく生の声をたくさん出して頂いた方が将来のためには役に立つということでございますので、少しご自由に、あちらこちらに飛んで頂いても結構でございますので、ご質問、ご意見をどうぞ。
○速水委員  資料の4-1-2のマルの下から4の「産総研は企業や大学がやらない第2種の基礎研究」、この「第2種の基礎研究」というのはどういうことですか。
○佐味企画室長  正確な説明能力は私もないのでございますけれども、自然科学の分野の基礎研究というのは専ら大学の研究室で行われているような、これが最終的に何らかの形で社会の民生あるいは産業なり何なりの分野に実装されていくという道筋が必ずしもみえてないものも含まれるようなタイプの基礎研究に対して、産総研、これは従前つくばにあった一連の研究所群が産業技術総合研究所になったわけですが、ここで行うものは大学の研究室では行われないし、また最終的な製品化に向けた技術開発に専ら注力している産業でも行われない、しかしながらもうちょっと社会への実装の目的意識を鮮明にしたタイプの基礎研究は、まさに独立行政法人であるところの産総研のようなところでやらねばどこでも行われない、もともと国が関与する形で行われるべきタイプの研究ではないかという整理がされているようでございます。
○速水委員  ちょっとイグザンプルはないでしょうか。
○佐味企画室長  申しわけありません。不正確な憶測では申せません。
○小野分科会長  どんなことでも結構ですけれども、西岡委員、小委員会当日もご出席して頂いておりましたので、コメントがございましたらお願いします。
○シェアード委員  まだ詳細に読んでないのですが、簡単に目を通したところ、一番大きな印象は、結論からいうとかなり危惧しております。というのは、RIETIというのは設立当初から非常に新しい1つの実験みたいなものだったんですよね。一応経済産業省がスポンサーとなって、簡単にいうとお金を出しているのですが、スポンサーとなって、日本には従来全くないような国際的な水準まで達することが十分見込めるような研究機関を立ち上げたわけですよね。それが独立行政法人の1つの大きな意図でもあったと思います。
 それから、研究テーマ、研究内容、あるいは政策提言の内容からいいましても、とらえ方は狭いとらえ方ではなくて非常に幅の広いとらえ方と。これは、前所長の青木教授の青木色という部分も多少入っていたと思いますが。そうすると、経済産業政策とかそういう伝統的なものだけではなくて、教育なり財政政策なり医療関係なり、金融政策なり不良債権問題なり、つまり官庁の研究所として普通の横並び的な世界から頭と肩を出して遠慮なく横断的にいろいろな政策研究テーマに携わってきて、それからネットワーク型、非常に風通しのいい研究機関、ほかの省庁から人材を遠慮なく引っ張ってくるというようなことだったんですね。
 恐らく設立した当時のイメージとしては、霞が関がスポンサーとなって物すごく立派な政策提言を中心とする研究機関を立ち上げる。当初の5年間はその線に沿ってかなり成功していると思います。そうすると、それを踏み台にして次の5年はどうするのか。恐らくそういう夢、理想像に近づけるような形でいろいろなことが考えられると思いますが、どうもこのペーパーを読みますとかなり逆戻り、つまり経済産業省ががっちり管理して伝統的な官庁系の研究機関に戻すという色彩のものがどうも多いような気がするのです。
 それは具体的にいうと、1ページ目の下の方にRIETIの使命は当省、つまり経済産業省の政策立案の強化に貢献することであると明示されています。それは私の理解では今まではそうでもなかった。政策当局、もっと幅広いことだったと思います。
 それから、3ページ目には必須政策研究領域を設定して予算の縛りをつけるとか、6ページ目の2番目のところに余りほかの省庁の領域に口出ししないような、そういう解釈もできなくもないような記述もあります。
 ですから、細かい議論はいろいろできると思いますが、私の印象としてはどうも当初の理想像からちょっと逆戻りして、もっとMETIの管轄下に置くという方向に進んでいるかなと。それはRIETIにとっては金は出すけど口は出さないというのは非常につらい立場だろうと思いますが、長期的にみればRIETIをもっと創造性がきくような、国際水準で活躍できるような、あるいはそういう人材がRIETIに来たくなるような研究機関にした方が長期的にみれば日本の国益にかなうのではないか、外から見てそういう感じを持ちます。忌憚のない意見を述べさせて頂きました。
○小野分科会長  ありがとうございます。非常にいい意見だと思います。経済産業省としては産みの親ですから、5歳になって幼稚園に入るに当たって、よそからちゃんと評価されてやっていけるかということでいろいろな批判を受けて、その批判にこたえようとすればするほど手を出さないと、ちゃんとお弁当を持っていったりおやつ持っていったりしてあげないと、よその子と比べて見栄えがしないというようなことをご心配されて少しサポート体制みたいなものをつくっていこうというようなことが資料4-2で書かれているのだと思うのですけれども、どういうステップでそういう創造性、国際性の高い研究機関が立ち上がっていくのかということだと思います。
○シェアード委員  ちょっと1点追加的にいいますと、先ほどの佐味さんのご説明の中では、本省との距離が1つの座標軸、片方は自由になるという話があったのですが、恐らくそう簡単なものではないと思います。つまり、1つはRIETIのガバナンスの問題にかかってくるわけですね。つまり本省から独立させても、あるいは距離を置かせても果たしてそこで自由横断になるかといいますと、ちゃんとした使命とガバナンス、我々の独立行政法人の小委員会も含めて体制がきっちりできていれば自由の度合い、あるいは内容が違ってくる。つまり自由イコール勝手なことをやるという図式にはならないような気がします。
○佐味企画室長  ほかの委員のお考えになる間、今のご指摘についてでございますが、資料の与える印象というのは大きいなと思いつつ、意のあるところがうまく書けてない部分があったのだと思って補足をさせて頂きます。
 要するに日本の政策研究機関といわれるものがしっかりしたものがなくて、日本にないようなものをつくっていこうと。それは意味合いとしては特に今までの政府、各役所、経済産業省もそうでしたが、中に抱えている研究所では果たし得ていない機能を果たさせようという野心があって始まった実験だったわけですね。そのことの意味合いというのは、非常に単純化していうと、役所の中では主流になり得ない、あるいは選択肢になり得ないような議論、あるいはそれぞれの役所がとっているような政策に対して外部から加えられるような批判、外部で行われるような議論をちゃんと中でもできるようにする仕組み、ある種広い意味での霞が関の中で、そういうものをほかの役所も含めて利用できるような形で提供していこうということであったわけですけれども、そのこと自体の意思は何ら捨ててしまおうということは意図していないわけでございます。
 他方、そのこととの関連でよく、また今の話にも出てきました、例えばアメリカのワシントンに林立するような政策シンクタンクというようなものの機能を最終的には目指していくのではないかということに関しては、これまた非常に単純化して申しますと、前提としては日本とアメリカの行政組織、あるいはそれに対する政策提言機関の関係の違いを前提にしながら日本らしくどうするかということを考えなければいけないと思うのです。
 アメリカに関していうと、私の理解では、少なくとも各役所の幹部の多くはポリティカルアポインティーによって決まっている。したがって、充電期間をそういった外の研究機関でもつということで、また充電して戻ってきて仕事をするということがありますね。ところが、これに対して日本の場合はかなり変わってきているし、任期付採用とか中途採用とか、いろいろな取り組みを始めていますけれども、基本的にはいわゆるキャリアシステムと呼ばれる入省して人事交流を繰り返しながら上がっていくという人たちがそれぞれ課長になり何なりという形で政策を担当していく仕組みになっている。したがって、この人たちがアカデミーの議論、あるいはまさに例えばアメリカの同じクラスの役人と議論するときに、そういう充電をたっぷりしながら仕事をしている人とアカデミックなクオリティーにおいても同レベルの議論ができるかということに関しては、今までの考え方というのは、その時間を与えるために若いうちだったら留学に出す余裕もあるけれども、どんどん忙しくなって責任が重くなってくると、それはむしろ中にある研究所なり研修のシステムを活用しながらやっていくということしかできなかった。そこにどうこたえるか、まず人事システムの違いが1つあるように思います。
 それから、もちろん本質的な話ではありませんけれども否定できない話として、政策シンクタンクというようなものに対して、いわゆる民間資金が寄附の形で集まる。そのことがちゃんと内国歳入法によって税制面でサポートされているというようなアメリカのシステムと、日本の寄附金税制なり研究にお金をファンドしていくという仕組みの制度とカルチャーの大きな違いが2つ目の大きな違いだと思います。
 3つ目は、1つ目の話と関連しますけれども、アメリカの場合、2大政党でありダイナミックな政権交代が政策のオーバーホールをするような仕組みになっていることの中で、ある種そういう必然もあってワシントンにいろいろなシンクタンクが育つ、そこにまたいい研究者、政策のわかった研究者が出入りをするという仕組みになっている。知らないので、あれば教えて頂ければと思いますが、アメリカでは役所に研究所がついているというのは、逆にいうと余りないですよね。そこはそういう政府の組織と政策を研究する機関のあり方の前提となる仕組みが違うところに応じて、しかしそれでありながら自民党を軸に長期政権が続いているにしても、そこでのオーソドックスな延長線上に来るような政策の選択肢と違う外部的な議論を内部化する装置として独立行政法人という人格を最大限に活用していこうというところは当初から意図は変わってないし、それは今後とも生かしていきたいという話がまず基本にあります。
 1個だけつけ加えさせて頂きますと、ではそのことと管理強化とか経済産業政策に特化するという話はどうつり合いがとれるのかということに関していえば、今例に出されましたような教育問題とか財政問題とか医療、福祉、金融問題、これは分野として捨てるつもりは全然ございません。ただ、それはあくまでも経済産業政策がそれを他の役所の話として考えていてはいけないんだよということを、まさにそれは経済産業政策の中でいわゆる経済産業省の設置法に書いてあるような所管の事務とオーバーラップする、しかし切っても切れない連関する施策群としてあるものは当然やるべきなんだよというアウトカムをむしろ経済産業省にぶつけていく。その意味で経済産業政策に貢献することであるけれども、取り上げる題材としては、それはすべて今おっしゃったようなものは当然入ってき得ることだと考えております。
○小野分科会長  ほかにありますか。どうぞ、西岡さん。
○西岡委員  これは私の印象なんだけれども、総括してしまうと、大きな印象は今シェアードさんがいわれたような印象をもちかねないと思うのです。それは、こういう組織は5年ぐらいたって進化(エボリューション)していっているかというと、僕は純化はしていっていると思うのです。ピューリファイの方になっていっているのではないか。それはどういうことかというと、経済産業省との距離とか、何を研究するかというようなクラスターのとり方とかね。僕が個人的に思っていることかもしれないけれども、最初、多少梁山泊的な行動が許される組織であるんだというような形からスタートしたかにみえたのが、先ほどの予算の使い残しとかがありましたし、管理上の不手際みたいなことも多少あったり、そのあたりから流れとしては目的とか、誰に奉仕しているとか、誰に何とかというのはきっちり、乱暴なくくり方から多少純粋化するような格好の方向に行ったと。それはこの組織の目的や政策形成に対して貢献する、そっちの方にどんどんウエートを置いていっていわゆるアウトカムみたいなものを前面に出してきたことになると、ある意味では必然的な方向かなと。
 だけれども、大きくいって、この間の小委員会での印象なのですが、組織というのは仮に進化していっているのであれば、宮内さんがよくおっしゃったような独立した完全な民営化みたいなものが究極点にあり得ると思うんだけれども、あそこの委員会では結局、それでは民営化とかそういうことにもう一段進んだ場合、そうしてはだめだという積極的なディフェンスができますかというのが一番の議論だったように思うんだけれども、そのディフェンスの議論がここに書いてあるので 100%イエスといえるかというと、ちょっとまだ何か残るところがあるんですね。残るというか、これだけでディフェンスとして十分だろうかという気がしています。
 だから、アウトカムというのを出すのはいいのだけれども、経済産業省の距離感というのは難しい。これの2ページ目に自由度の表がありますけれども、1つは明文化してこういうものを書くのかどうかという問題と含意としてはこうですよと。例えば自由度、ベクトルがこうあったら、この辺が含意ですよというのか、この辺ですよというのか、これを書くのか書かないのかという加減が非常に微妙だなという気がします。
○佐味企画室長  とりあえず説明を補足いたしますと、まずぐるっと純化していったじゃないかという最初の点に関していうと、去年来の議論で意識してきたことは振り子ですよね。むしろ純化する方向にずっと行くプロセスに入ってしまったということではなくて、多分これは将来にわたっても最後におっしゃったような意味でのぴしゃっとここが最終目標だというところが唯一無二に決まってくるものではないというふうにある種割り切って、何れかの方向へ行き過ぎることがないように、常に意識するということをやっていくプロセスだと思っています。
 そのことに関連して2点目、これはご披露なのですが、省内で議論していても、シェアードさんが危惧なさるように、もっと下請機関的に使い勝手のいいものにするために管理強化すべきであるという人ばかりかというと全然そんなことはなくて、これは別に当初からこのRIETIにかかわってきた人に限らず、むしろ本当に欧米の高名な学者なり何なりが外部議論を持ち込んでくる魅力がなくなってしまったらこの研究所のもつ意味は大きく減るじゃないかということを考えている人の声も負けないぐらいありまして、その意味では役所だからきっとこうだろうとシェアードさんが思われるような状況にはないということは申し上げることはできると思います。
 それと純化していく、じゃこれで守れるのというところが弱いんじゃないのという今の西岡委員のご指摘に関していうと、これはもともとねらっている本当にいい機能を発揮していくということとの兼ね合いで、主張の仕方、議論の組み立て方を、この間の小委員会でもまさに筋肉質の議論をしっかり、できれば定量的にといわれて、ここがまだできていない部分で、容易でない作業でありますけれども、余り言葉でごまかさずに本質的な話をしていくべきではないかなと。
 その意味で、例えば中期目標に研究の自由度みたいなことを書くのかという2点目のご指摘がありましたけれども、この辺のファジーなことをそのまま目標に書くものとしては認識しておりません。ただ、それを体現する含意としては、線がどこに来るのかということは別にして必須研究と自由研究というのは考え方としてあるんですよと、これは最低限はっきりする、その最適バランスを常に追求していくんですということは何らかの形で表現していくのだろうと想像しております。
○小野分科会長  ありがとうございました。どうぞ、藤垣委員。
○藤垣委員  今の議論に関係してなのですが、皆さんが自由と表現しているところは、外国のブルッキングスとかそういうところと打々発止できるようなアカデミックレベルの高い国際的な研究ネットワークの中の1つのノード(結節点)になれるようなことだと思うのです。そういうことがやはり評価指標の中にも生かされた方がいいのであって、シェアード委員が何度も指摘なさっているように、ほかの省庁からの評価以外に、例えばブルッキングスのような国際的な研究機関からみてRIETIはどうみえるのかみたいなものも、宗像所員が行ってらっしゃるということですから、簡単なアンケートなりをまいて、この5年間で研究ノードとして機能しているのかどうかということも聞いて頂いて評価に生かしていけば、経済産業省からの見え方はこうだけれども、国際ノードとしてはこういう見え方をしていると、ちょっと多層的な見方ができるようになるのではないかなと思います。それは速水委員が先ほどアウトカム指標に外国への発信という書籍をみてるんですかというようなこととも関係してくるかと思います。
○小野分科会長  どうぞ速水委員、お願いします。
○速水委員  先ほどあった必須研究と自由研究ですか、そういうものはあるといえばあるかもしれないけれども、あるんでしょうか。そこのところなのですが、資料4-1-2の下から3番目のところ、これは非常にいいポイントで、「経産研は問題解決型の研究機関。政策当局が気づいていない潜在的であるけれども中長期的には重要であるという問題点を自ら先見的に見つけて、それに取り組む」と。まさにこれが大事だと思うのです。問題はどういう組織にしてどのような運営をすればこれができるかという問題なのではないかと思うのですが、こういうことが幾つかできれば経産省の政策をコンプリヘンシブにカバーする必要はない。というか、そんなことをやったらこういうのは出てこないんじゃないかなという気はしないでもないんですね。ですから、経産省の実務を担当している人たちに、こういう問題が我々は重要でこういうものをやってほしいという要求が出るのは当然であるし、それは非常に大事なことで、それとここのスタッフが従前に議論してテーマを設定するというのは大事なんだけれども、では経産省の要求するものを全部必須だとして満遍なくやったとしたら、このようなタイプの発見はできないような気がするのですけれども、どうなんでしょう。
○佐味企画室長  必須科目を満遍なく設定、例示するという意思は、少なくとも念頭にはございません。したがって、今ご指摘の先見的に課題を設定するというようなものも当然期待しますが、言い方を変えると、例えばの話ですけれども、WTOとかFTAといったいろいろな国際問題、物によっては国際経済がどのように相互の連携と活力を深めていくかというようなテーマが必須だと追求すれば、必須ということは最低5年間なら5年間積み重ねて、その中のいろいろな問題を探っていく、むしろ必須研究領域の中から3点目のような問題の設定というのは出てくることだってあると思います。それには必須研究領域はコンプリヘンシブではありませんと。それから、必須というのは継続して5年間やっていく、そのことによって現状認識も政策の効果も継続的に強化していこうという話ですけれども、今おっしゃったこういう問題を先見的にみつけるのは自由研究領域からだけ出てくるものではなくて、それは違う軸の切り方の話かなと思っております。したがって、必須研究領域からも先見的な課題設定は出てくるだろうし、自由研究領域からも出てくるだろうと。ただ、自由研究領域というのは毎年必ずしもやるとは限らない、あるいは今年やらなければいけないというものもあるかもしれない。切り口の違う整理かなと考えております。
○速水委員  ですから、必須と自由というのは誰が、どういうプロセスで決めるかという問題があるんですね。
○小野分科会長  シェアードさん。
○シェアード委員  私はかなりこの項目はひっかかるんです。ちょっと言葉が悪いかもしれませんけれども、非常に官僚志向的なことだと思います。つまりRIETIはもう既に4年間の立派な成績が実績としてあるわけですよね。経済産業省の方で何となくこれが必須だと決めて、それをある意味では押しつける。そもそもそういうことが必要であれば、いってみればRIETIが研究機関として失格だと思います。つまり自由度を与えれば、それなりのガバナンス機能があれば、それだけの人材を集めれば、当然ながら研究所自身で自己管理ができるはずです。ですから、発想としては上の方でこれが大事だと決めて押しつける、そういう必要性があること自体がちょっといかがかなという感じもします。いってみればこれは逆効果になりかねないと思います。
 つまり逆にいうと、今の実績をみて、例えば経済産業省が現時点において考えている必須政策研究領域があるとすると、この割合が実際問題として何割になるかなと思うのです。恐らく5割をはるかに超えているはずだと思います。つまり必須科目はこれだとリストアップして、実際RIETIがここ4年間やってきた研究内容と照らし合わせると何%になるかなと。つまり今まではそういう縛りがなかったにもかかわらず、恐らく5割は超えているはずだと感触的に思うのです。ですから、簡単にいうとこんなことを心配しなくてもちゃんとやってくれるんですよということですね。
○速水委員  ただ、その場合の研究テーマのチョイスというのはあくまでも研究所スタッフの自由意思でなされるべきではあるけれども、同時にアドミニストレーションのサイドからいろいろな注文をつけ討議するということは絶対必要だと思います。それがなくてはいけない。ですから、そこのところのダイアログは十分やらないといけない。
○佐味企画室長  一言だけ。管理強化的な印象を与えるようなことになってはいけないと思います。もう一言だけいうと、私はRIETIの問題を役所の中で議論する時と分科会で議論する時と外で議論をする時に言い方を変えるということをしないで一筆書きで説明できないといけないと思っています。そういう意味でここに書いてあることのインプリケーションは、RIETIを非常に経済産業政策に寄らせようとみえるかもしれませんけれども、私の書いた意識としては、むしろ役所の側にも、せっかくあるいい装置が出してくる成果を本当にアクティブに政策形成に生かせているかという投げかけもしているつもりでございます。
○速水委員  もうちょっとシニカルな言い方をしますと、私の感じとしては、役所の上の方というのは大体において、じゃどういうことを研究してほしいというのは実は余りわかってないというのが現実であって、いろいろと仕事が忙しい、だから研究者の方がどういうことが大事でしょうといっても、それをシステマティックにいってくれる人は非常に少ないですよ。そういう意味でも研究者とアドミニストレーターがダイアログをやって、どんどん研究者の方からアドミニストレーターに対して「あなたはそういうけど、実はどういうことをやってほしいのか」ということをもっとはっきりさせるというような努力は必要だと思うのです。
 アドミニストレーターの人はわかってないから適当にやってくれという形でやって、後で実はこれは我々の仕事に役に立たない、本当はもっとほかのことをしてほしいんだという言い方をすることが多いんですよ。ということは、実は自分たちが何を望んでいるかというのをはっきりイクスプレスできない。だから、それを研究の計画段階でしっかり研究所側がリザーブする必要があると思うんです。
○小野分科会長  大変貴重な意見をたくさん頂きました。この頂いた意見を踏まえて、また次回以降、分科会で見直しの議論をしていきますので、少し今の議論を整理してもらって、また次に議論を深めていければいいなと思います。そういう意味では続編を次回に期待をして頂きたいなと思います。
○シェアード委員  ちょっと1点だけ確認なのですが、5ページ目にBBLに関する記述があります。私はBBLはRIETIの1つの宝物だと評価しておりますが、「『経済産業省の政策研究能力・政策立案能力の向上への支援』業務の一つとして位置付ける」となっておりますけれども、そういう業務というのはそのように位置づけることによってどのように変わってくるのでしょうか。
○佐味企画室長  これはまさにさっき私が申し上げたことのいい例なのですけれども、これはもちろんいい人が来られるようにしてくれとかいいテーマでやってくれということはあるのですが、暇なリピーターが聞きに行くなどということではなくて、もっとまじめにみんな出ろと役所側に対して言っているというインプリケーションの方がむしろ強いと考えて頂いて結構です。
○小野分科会長  それでは、第4の議題は今日はこの辺にさせて頂いて、最後に今後のスケジュールについて資料5というのが出ておりますので、事務局の方からお願いいたします。
○佐味企画室長  「今後のスケジュール」、資料5というのがございます。今日が6月1日でございますが、この後、今日お願いいたしました16年度フォーマットと予備的中期期間フォーマットを3週間の間にご記入頂いて頂戴いたしましたものを表にまとめまして、昨年の例もごらん頂いたと思いますが、それを踏まえてそれぞれ総合評定を決めていくプロセスの次の分科会をまた開く。6月22日に頂戴してからできるだけ早く作業をさせて頂いて、できれば7月の早い段階で分科会を開いてそれぞれ審議して決定します。それとあわせて、今日お配りした財務諸表についてもこういうことですねということを同時に評価として決定するということになります。
 次の分科会ではこれをやると同時に、まさに今日の続編と分科会長がおっしゃられた見直しに向けての考え方、今日頂いたものを踏まえてもうちょっと深めたものをお示しして、その成果を今度、4月に続いて開かれる第2回の小委員会という中期見直しの体制の方に、いうなれば分科会長から分科会の議論の報告というような形で持ち込んで頂くというプロセスが7月中に来ると。それを踏まえて必要に応じ、Pと書いてありますけれども、ひょっとすると小委員会で出た議論を踏まえてまた分科会で議論をするということが出てくるかなというような流れになる。したがって、年度評価と予備的期間評価は次回の分科会でフルストップになりますけれども、その後、小委員会との掛け合いの中で中期見直しを中心とした議論が進んでいく。
 最終的にタイムフレームがどうなっているかといいますと、独法の制度上は主務大臣、つまり経済産業大臣側が見直し案を年内に最終的に決める。それに対して小委員会といわゆる親委員会で合同協議を12月にやって、ここで目標とそれに対応する計画が正式に策定に向かっていくということになります。
 したがって、夏以降のプロセスでは、このように目標をつくっていこうという議論を事実上RIETIにも要素として注射しながら計画づくりの頭を使ってもらうというプロセスを進めていくということになります。この間、ここには出てきませんけれども、その見直しの考え方について、9月以降になりますと総務省の方で所管しております政府全体の政策評価・独立行政法人評価委員会というプロセスでまた私どもがヒアリングを受けながら見直しの考え方の方向性を説明していくというふうにちょっとフィールドも変わっていくということでございます。
○小野分科会長  ありがとうございました。今後のスケジュールはそういうことで、6月から7月にかけて作業をお願いしたり、また議論をお願いしたりすることがありますので、よろしくお願いいたします。
 随分時間を超過しましたけれども、これをもちまして第13回の独立行政法人評価委員会経済産業研究所分科会を終了させて頂きます。
 本日はご多忙のところ、どうも本当にありがとうございました。

――了――


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最終更新日:2005.06.22
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