経済産業省
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審議会・研究会

独立行政法人評価委員会通商・貿易分科会日本貿易保険部会(第6回) 議事録

1.日時  平成16年11月29日(月) 10:00~13:00
2.場所  経済産業省本館17階 西1 第3特別会議室
3.出席者
委員:岩村部会長、岡本委員、木村委員、佐野委員、伴委員
独立行政法人日本貿易保険:今野理事長、波多野理事、北爪理事、三宅監事、板東総務部長、大野債権業務部長、近藤営業第1部長、船矢営業第2部長、南雲審査部長
事務局:市川貿易保険課長他

4.議題     
(1)平成15年度評価及び予備的中期目標期間業績評価(平成13~15年度)の経済産業省評価委員会評価結果等について
(2)平成16年度上期運営状況等について
 ・平成16年度上期の運営状況
 ・平成16年度の年度計画進捗状況
(3)独立行政法人日本貿易保険の組織及び業務全般の見直しについて
(4)その他

○市川貿易保険課長  おはようございます。それでは、定刻より若干前ですが、皆さんおそろいでございますので、これより独立行政法人評価委員会日本貿易保険部会を開催させていただきます。
 本日は、委員の皆様におかれましては、お忙しいところご参集いただきましてありがとうございます。
 資料一覧にございますように、資料1―1から資料3、そして参考資料がお手元にございますことをご確認いただければと存じます。不足がございましたらお知らせいただければと思います。
 それでは、よろしければ議事に入りたいと存じますが、ここからの議事進行につきましては岩村部会長にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○岩村部会長  では、議事を進めたいと思います。
 本日の議題は3つでございます。経済産業省評価委員会の評価結果の報告というのが1番目、2番目が平成16年度上半期の運営状況、3番目がNEXIの組織及び業務全般の見直しについて、この3つでございます。きょうは3番目の議題が割合重い議題でございますので、特に念入りに議論していただければと思います。
 では、議題1の平成15年度業績評価及び予備的中期目標期間業績評価(平成13年度~平成15年度)の経済産業省評価委員会評価結果について、事務局よりご報告申し上げます。
○市川貿易保険課長  それでは、私の方からご報告申し上げます。
 もうだいぶ前になってしまいましたが、去る7月30日に経済産業省の評価委員会が開催されまして、ここでの評価結果等についてお話をさせていただきます。
 NEXIの評価結果につきましては、平成15年度評価、3年間の予備的中期目標期間評価共にこちらの部会でご審議いただいた評価結果どおりになりましたことをご報告させていただきます。資料として資料1―1、資料1―2をそれぞれつけてございますが、こういったものでご説明してそういう結果になったということでございます。
 なお、若干ご議論いただいた点をご紹介させていただこうと思います。評価委員の先生の中では、お名前は特に挙げさせていただきませんが、NEXIのこれまでの事業につきまして、企業のサイドからこれまでの成果、努力に対して非常に感謝しているというようなご意見を賜りました。産業界として国内市場が低迷している中で海外に貿易投資をどんどんふやしていかざるを得ない状況に来ておりまして、いろいろな意味で貿易保険の重要性は高まっているというご意見でございます。
 また、今後の取り組みという観点から、中小企業のような方に対して、今までそもそも貿易保険の存在を余りご存じなかったと思われる方に対する広報活動が大切だというようなご議論もいただいております。
 それから、後ほどの業務見直しとの関係でもご議論になりますが、民間の損害保険会社さんで行えるような商品をなぜNEXIでやっているのかというようなご意見もいただきまして、民間でとれないリスクに集中すべきというご意見をいただいてございます。大体そのようなご議論をいただいて、評価は先ほど申し上げたようなことになった次第でございます。
 以上、簡単ですが。
○岩村部会長  以上でございます。だいぶ前ですけれども、7月に行われた評価委員会でございますが、特に問題にされることもなく、全体には大変高い評価をいただいておりますということでございます。特にご質問等ございませんでしょうか。
 では、よろしければ議題2に移りたいと思います。
 議題2は今年度の上半期の運営状況等でございまして、これはNEXIさんにご報告をお願いいたします。
○板東総務部長  総務部長の板東でございます。それではご説明申し上げます。2つ資料がございますけれども、主として「2004年度上半期の運営状況」という色刷りの資料でご説明申し上げたいと思います。
 1枚繰っていただきまして「2004年上半期の業務運営状況」でございますが、保険料収入、保険金支払い、保険金回収の3つについて順番にご説明申し上げます。
 もう一枚繰っていただいて2ページでございます。保険料収入の状況でありますが、一番左側のグラフが2004年度の上半期、右側が前年度同期比、その前が目標では基準になっております2000年度の上半期の実績でございます。この説明にございますとおり、160 億 7,000万ということでございまして、実は昨年度同期と比べると44億円の減少でございます。これはご説明したことがあるかと思いますが、2003年度は大型案件が好調だったということで相対的には2000年度よりは上回っているのでありますが、2004年度はそこまでは到達していないというのが現状でございます。
 3ページ目でございます。上半期どういう引き受け案件があるかということでございますが、国の方をみていただきますと、イラクとかタイ、ロシア、イラン、アルジェリア、フィリピン、ブラジル等々並んでおりまして、いずれも買い取りリスクの高い国でございます。最後のタイでございますが、「いすゞ現地通貨建債権」と書いてございます。これはいわゆるアジアボンドと申しまして、経済産業省の政策の重点課題の一つでありまして、現地通貨建てのマーケットを拡大するということと日本の日系企業の支援をするという2つの目的で実施してきたものでございます。
 次に4ページでございます。保険料に対して保険金支払いの状況でございますが、これも一番左側のグラフをみていただけばおわかりのとおりでありまして、これまで109 億 7,000万の支払いを行っております。特に特徴といたしましては、この赤い色の非常事故と水色の信用事故の比較をみていただければおわかりのとおりでありまして、もともと信用事故がだんだん増えてはきていたわけでありますが、今期は特に大型の信用事故の発生による支払いがふえているのが特徴でございます。
 なお、この上の方に書いてございますように、信用事故の査定期間自体が現在、107 日でございまして、それでも中期目標を大幅に上回っているペースでございます。
 次に5ページにまいります。保険金支払いに対して回収がどうであったかという資料でございます。2004年度上半期は498 億 6,000万の回収がございました。特徴は、これもみておわかりのとおり、やはり徐々に信用リスクの回収が増えてきております。信用事故が増えているから回収がふえているという面もあるわけですが、回収実績率、現在16%で推移しておりまして、年度計画は上回ってございます。
 なお、この赤い色の方の非常事故でございますが、いわゆるパリクラブのリスケ債権でございます。金額は少し下がっておりますけれども、もともとパリクラブリスケに従いまして、つまり各国とのリスク、パリクラブにおけるマルチの合意と、それに基づくバイの各国との協定に基づいて計画的に返ってきているものでございますので、これ自体、減ったとか増えたというのは特に単年度では大きな問題ではございませんが、現状このような形で推移してございます。
 以上が私どもの財務状況の根幹をなしているところの保険料の収入、保険金支払い、回収でございます。
 次に6ページの方にまいりますが、幾つかトピックがございまして、体制その他、ここに書いてあります4点について簡単にご説明申し上げます。
 7ページをごらんください。7ページは「体制の変更」と書いてございますが、非常に大きなのは、1つは上のコラム、「債権業務部の新設」でございます。債権回収が極めて大きな課題になっているということと、まさに事故が起こる前に損害を防止し、そして査定し、回収に当たる。一気通貫でやった方がいいということもございまして、回収強化という観点から債権業務部を新設いたしました。
 営業一部につきましても、お客様のより利用しやすい、ご利用いただけるような形にということで再編をしております。ここに「市場開拓グループ」というのをご紹介申しておりますが、これは全国61社から我々の保険をご利用いただいていない会社をピックアップしまして、お電話、あるいは直接職員を派遣いたしまして保険のご説明や現在の保険の商品についてのご説明を申し上げているわけです。これは現実的にはこういう形をとりまして、保険をご利用いただいていないお客様へのご説明と同時に、我々は今度、組合包括制度の見直しも念頭に置いて、新しい商品を考えるに当たってお客様から幅広くご意見を伺うということを目的として活動いたしておりますが、実績では既に50社以上、日本国中でありますが、お邪魔いたしましていろいろなご意見を伺っております。
 次に、8ページは海外の同様機関でありますECAとの関係でございますが、1つはワンストップショップ協定。これはここでも何度かご説明しましたとおりでありますが、直近の動きとしては、この黄色いコラムの中の下の方にあります。8月にアメリカの輸出入銀行と新たに再保険協定を締結いたしまして、現在、実際の具体的な案件の発掘に取り組んでおります。
 それから、下の方でありますが、アジア再保険ネットワークの構築。これは黄色の枠の中に書いてございますとおり、政府の構想として「日ASEAN経済連携行動計画」というのが2003年につくられておりまして、それに基づきまして、とりあえずシンガポールのECICS、これも現地のECAでございますが、ここと協定を結びまして、図に書いてございますように、シンガポールに進出した日系企業が現地からの輸出として現地のECAを使う場合に我々が再保険を一部受ける、こういう形で現地の輸出競争力もあわせてサポートする、このような枠組みでございます。
 次に9ページにまいります。9ページは次期システムの開発の動向でございますが、大ざっぱな現状はブルーのコラムに入ってございます。3月の末にソフトウエアについての入札を終えまして、その結果ベンダー3社を決めましたが、それで2004年から本格的な開発をスタートしております。
 方法としては、この黄色のコラムにいろいろ書いてございますが、定期的にトップマネジメントが集まりまして、1カ月ないし2カ月ごとに開催して進捗管理をやるという手法を採用しております。現状、ソフトウエアにつきましては基本設計も最終段階でございまして、速やかに12月中に詳細設計に移行する予定でございます。現在のところ、この「システム開発の本格開始」の黄色いコラムの3つ目のポツにございますが、2005年9月の運用開始、2006年1月のソフトウエア稼働開始をターゲットといたしまして、現在鋭意作業を進めております。中期目標上は2006年3月なのですが、2カ月のアヘッドで現在は進めているわけでございます。
 ハードウエアにつきましても、一般競争入札を実施いたしまして、この黄色のコラムの下の方にございますが、8月、落札額10億ということで、5年間の保守費用も込みにして落札しております。そういうことで、システム開発については現状までのところ比較的順調に進めております。
 10ページにまいります。10ページは制度改善でございますが、ご案内のとおり、私ども、年に2回、4月1日、10月1日を節目にいたしまして、お客様から広くご要望を承った上で制度改正をやっているわけでございます。この黄色のコラムの中に幾つか具体的な内容が書いてございますが、簡単にご説明しますと、一番上が海外投資保険ということでございまして、今まで6カ月以上事業を休止しないと払わなかったのを3カ月に短縮するとか、4つ目にございますが、フランスの輸出信用機関Cofaceのデータベースを受け入れまして、少しでもお客様が迅速に保険引き受けが決定できるように、そういった内容をとってございます。
 以上5つ制度改正、10月1日現在では実施しております。
 以上、大変簡単でございますが、上期の運営状況でございます。
○岩村部会長  ありがとうございました。
 では、ただいまの説明につきましてのご質問、ご意見をお伺いしたいと思います。いかがでございましょうか。
○岡本委員  ご説明いただきまして、1つ、債権業務部を総務部から独立させたという話で、新しく重要な業務を一貫性をもつ組織にしたということで非常によくわかるのですが、スタートしてみてどんな感じか、つまり何が一番変わったのかというのを具体的に何かあったら教えていただきたいのですが。まだ半年しかたっていませんので、そんなに大きく変わってないのかもしれませんが、組織というのはできたときが一番よくて、あとはだめになる一方だという話もあるので、何かありましたら、あるいは逆に既に何か問題点があったらちょっと教えていただければと思います。
○大野債権業務部長  債権業務部の部長の大野でございます。今のご質問についてですが、特に創設のきっかけになった案件がそうだったのですが、韓国の携帯電話メーカーで保険を引き受けた後に、中国マーケットが冷えたということがきっかけで売り上げが低迷して金繰りがおかしくなったという話で、従来であれば実際は不渡りを出し、45日とか60日たってから保険請求が出てくる、それで査定を終わって保険金を支払いしてからよっこらしょと回収に入るといったことだったのですが、不渡りではなくて会社の金繰りが少しおかしいという情報を被保険者さん――我々にとって契約者――から情報を得た段階から、私なり担当グループ長が一緒になって韓国へ行ってリスケの交渉を始めた。最終的には倒産してしまったのですけれども、その前に早目に回収できた、債権保全策を何らかとれた、保証をとるなり担保強化をするというような手が打てたということが従来にない点かなと。
 そういう意味では、従来であれば倒産して半年、1年してから回収に入るわけですが、佐野委員なんかもよくご存じだと思いますが、倒産してしばらくしてから行ったところで、既にいろいろな債権者さんが世界じゅうからいろいろな手を既に打っておるわけですから、回収率を上げるためには危ないと思ったその瞬間に動くことが大切かなと。そういう意味で査定の一番入り口の担当者と回収の最後をやる人を1つにすることで情報共有ができる、動きが早くなるということがよかった点かなと考えております。
○今野理事長  ただいま大野債権業務部長からお話がありましたけれども、彼は当事者でございますのでいいにくいこともあろうかと思いますので補足させていただきます。一言でいいますと、受け身の回収から打って出る回収になったと。例を挙げましたのは韓国の例でございましたけれども、結局、査定と回収を一緒にしたというのがこの債権業務部の基本でございますが、非常に早い段階から変だという情報を手に入れて積極的に自分で動くというふうになったところが大きな違いでございます。その結果、まだ半年ちょっとでございますけれども、非常に大きな成果が上がっております。
 幾つか申し上げますと、ただいま申し上げました韓国以外では、アジア通貨危機以来最大の懸案といいますか、長くかかっておりました信用事故案件が2件ございまして、1つはSSMというタイの製鉄会社の事故、もう1つはAPMPというインドネシアのパルプ財閥の事故でございますが、このSSMについては最終決着をいたしました。先ほどみていただきました数字の支払いがふえておりますのは、実は最終決着したために先々の分も含めて全部保険金をお支払いをしている。かつ、その債券は市場で売却しまして、最大限の回収をいたしました。APMPにつきましても、今最終段階に入ったところでございます。そのほか、長い間かかっておりましたベトナムのベトコンバンクという銀行の回収の話、ミャンマーの話、ロシアの話、いろいろなところで小骨のようにひっかかっていた話も随分整理がついて、実際にベトナムはもうあれが入り始めております。ミャンマーも大分払いがよくなってきているというようなことで、債権業務部をつくったことは大変成功だったと考えております。
○岡本委員  ありがとうございます。我々評価委員といっても現場を全くみないで評価しているわけで、そういうエピソードは大変貴重な情報だと思っています。ありがとうございました。
○岩村部会長  ほかにございますでしょうか。
○佐野委員  海外事務所が3カ所、7名になりますが、それぞれの人員の内訳と主たる業務はどういう業務をやっているか。それから、地域別でもいいし既存の事務所でもいいのですが、今後さらに強化すべき課題があるかどうかということについての説明をお願いします。
○板東委員  3つ順番に申しますと、パリが3名、ニューヨークが2名、シンガポールが2名でございます。トータル7名。
 パリの現在の業務、1つは、ロシアもそうですが、パリクラブ債権に関しまして、これは国がもちろん交渉するのですが、我々も実際実務上は債権をもっておりますので、もっておるのは我々でございますから、いろいろな形で支援をやっていく。つまりパリがまさに交渉の場だものですから、その支援をやったり、あるいはOECDその他でもいろいろな輸出支援についての議論も行われますので、そういう国際会議の支援でありますとか、パリの担当はアフリカ、中東地域もございますので、その国々へのカントリーリスクの評価でありますとか、こういったことがパリ事務所の1つの仕事でございます。
 ニューヨークは2人おります。これはパリにも関連するのですが、パリの場合は、例えばECAでいいますとパリにCofaceがあり、ドイツにヘルメスという同業他社があるわけですが、そことの意見交換とか情報交換をやっております。ニューヨークでは、例えば8月にアメリカの輸銀と再保険協定を結んだというお話をいたしましたが、イラクのときもそうでありますけれども、実際の細かなアメリカの連銀との交渉、そういったものをニューヨーク事務所が基本的に窓口となってやっているわけでございます。
 そのほか、ニューヨークはマーケットといたしましてはラテンアメリカが担当でございますので、ラテンアメリカあるいは中米の債権問題の処理でありますとか新しいマーケットの開拓、その国々のリスクの評価、そういったものが彼らのニューヨークの仕事でございます。
 シンガポールは、さきにご紹介いたしましたECICSとの協定でございます。それに基づきまして具体的に日系企業さんにこういう枠組みができたということをいろいろな形でご説明申し上げたり、あるいはこれはアジア地域全体の問題でございますので、シンガポールはとりあえず1つできましたが、今後タイを含め、いろいろな国にこの枠組みを広げていく。そのための交渉の窓口になるのがシンガポール事務所でございます。
 パリもニューヨークもシンガポールもたかだかトータル7名ということでございますので、実は何か1件やればそれでパンパンになるというような非常に小さな事務所でございますけれども、今後我々もその業務のニーズに応じましてできるだけフレキシブルに人を使っていきたいと考えております。
 以上です。
○岩村部会長  木村委員。
○木村委員  昨年度来いろいろ新しいサービスといいますか、ファシリティーをつくっていらっしゃいます。さっきちょっと話が出てきましたが、去年のアニュアルレポートの3ページのところに知的財産権とライセンス保険、アジアボンドの引き受け、ECAとはほかのところともやっていますけれども、再保険協定、こういったものはどのくらい使われているのか、あるいは今後どのくらいこういうファシリティーを使う需要が出てくるのかということを伺いたいのです。
○北爪理事  まず再保険の方でございますが、今8件ほど海外のECAと再保険を結んでおります。現実に商売ができておりますのは、先ほど板東部長から説明しました8ページに機関名が載っておりますが、まず1番のイタリアにつきましては、既にイラン向けの案件で2件ほど契約ができております。それからAtradius、これはトルコ向けの建設機械で契約ができております。それからドイツ、Eulerhermes とはロシア向けの契約ができております。それからExim―Bank 、これは12月に多分CIS向けの契約ができる予定でございます。そういう意味では8件ほどやりましたけれども、とりあえずこの4つの機関で既に契約が調印できる、または契約が直近に控えているという状況でございます。
 それから、アジアの再保険につきましては、既にECICSにつきましては10億円程度の契約が2件ほどできております。さらに、今新しい商売として3件ほど、現在最終的な審査状況に入っております。
 それから、先ほど板東部長から説明がありましたように、今、タイの輸出信用機関でありますタイ輸銀との関係で交渉が最終段階に来ておりまして、協定が来年早々には開けますと、タイの日本企業で日本の会社なり海外の子会社を通しませんでアジア地域、ヨーロッパ地域に輸出をしようとする企業が結構多いものですから、そういったところのニーズをこの保険で引き受けてくるという形になってくると思います。
 知財の関係につきましては、時々新聞などに載っておりますけれども、カテゴリーとしましては、1つは国際電話会社の関係で、国際電話会社が海外の小さな国の電話会社と協定を結びまして国際電話のサービスをするわけですが、そのときに差額の調整のときに向こう側の信用リスクというのが出ます。そういったものについてみるものであるとか、最近出ましたけれども、タイでしょうか、アニメの使用許諾。日本のアニメのテレビとかフィルムは東南アジアでは非常に評判がいいわけでございますが、従来はそういったものが無許可で使われているといったものもありましたけれども、日本側としてはかなり契約をしっかりさせなければいけないということがありますので、ライセンス契約をちゃんとしまして、うちの保険で向こうの支払いリスクといいますか、そういったものをみた案件もあります。
 それから、特許であるとか、そういったものについても、今直近でお話が来ているものもございます。
 それから、メーカー保険につきましては、かなり今実績が出てきております。特に東京、大阪につきましては、組合包括みたいにその会社のやつを全部かけるとか、そのような会社ではなくて、特定のユーザーについて新規の商売なり継続的な商売をバックアップするためにこの保険を使うという案件がことしに入ってからもう6件新規のお客が出るとか、そういう意味ではかなり使われてきております。今後ともぜひこういう新しい保険の使い方を皆様方にPRいたしまして、さらに使っていただけるように努力をしたいと考えています。
○板東総務部長  補足しますと、知的財産の関係では、昨年10月1日に導入いたしまして件数で18件の引き受けをやっております。今、理事からご説明しましたとおり、案件はそういう内容でございますが、現在もアニメ関連を含めて相談中の案件がございます。
○木村委員  ありがとうございます。そうすると知的財産権とライセンス保険とかアジアボンドのやつというのは、今のところ規模的には割と小さいけれども、きめ細かく出てきている、そういう感じですか。
○北爪理事  はい。
○木村委員  ECAの方は結構大きいのも入っているという理解でいいですか。
○北爪理事  ECAのやつは基本的にはほとんどプラント材でございますので、かなりのでかい金額を日本のポーションが入っている部分を日本が引き受けるという感じになります。数十億単位とか、そのような議論になります。
 それから、ライセンス保険の場合には、使われている企業さんも、国際電話とかそういったところを除きますとそれほど大きなわけではございませんので、割合と小さなところが中心となりますけれども、保険料でいえば一番大きいところで数千万単位ぐらい、小さいところだと数十万といったようなところもございます。
○岩村部会長  よろしゅうございますか。では伴さん。
○伴委員  すみません、1点。今までの話は上期の運営状況というところだったのですが、今のお話を伺いました10月からの保険料改定とか上期の制度改善に伴って、例えば保険料収入とか保険金の支払いに対する件数面での影響は何かご試算をされていたり、あるいは定性的なご評価でも見通しとしてどういう影響がというのをもしおもちでいらっしゃったらば簡単にご説明いただければと思うのです。
○板東総務部長  端的に申しまして、今回の制度改正、10ページにございますが、これについては必ずしも定量的な見通しはもってございません。定性的には、例えば4番目の外部格付の理由によりまして、今までよりはたくさんのお客様、あるいはたくさんのバイヤーに対しての引き受けが可能になるとは思いますが、もともとこれについては1件当たりそれほど多額のものを予定しておりませんので、我々の保険料収入に対しては影響は微々たるものであろうと考えてございます。
 一番上の海外投資保険については、こういう形で商品性をよくしましたのでぜひ頑張りたいと思っているのですが、まだまだ苦戦中でございまして、これによってどれぐらい効果が出るか。むしろこれだけではなくて、もっといろいろな包括的な投資保険用の商品の改善をさらに進めていかなければいけないと思っております。
○岩村部会長  ありがとうございます。質問いただけることはたくさんあると思うのですが、時間もありますので、次の議題に移りたいと思います。よろしいでしょうか。
 では、ご質問等ございましたら、また別途事務局なり法人なりに寄せていただくことにいたしまして、引き続きまして議題3、「独立行政法人日本貿易保険の組織及び業務全般の見直し」に移らせていただきます。
 これまで貿易保険の業務を公共部門でなければできないことに限定して集中すべきであるという議論に関連いたしまして、貿易保険分野における官民のあり方検討委員会をやってまいりました。その結果も踏まえまして、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会の動き、そういうこともさらに加えまして市川課長からご説明お願いします。
○市川貿易保険課長  それでは、私の方からご説明させていただきます。
 お手元の資料の3が「組織・業務全般の見直しについて(案)」というものでございまして、これは夏の時点で当初案をお示ししたものをさらに改定をした案でございます。それをポンチ絵風にまとめました参考資料④、2枚紙をお配りしておりますが、どちらかというとこのポンチ絵の方を中心に資料3も参照しながらご説明させていただきたいと思います。
 ただいま、部会長からもお話がございましたが、まず最初に若干その背景、夏以降の動きをご説明させていただきます。
 まず、私どもの方で夏の時点でこの組織業務見直しの当初案をお示しした後の動きでございますが、内閣の規制改革・民間解放推進会議というものがございまして、8月3日、ここの中間とりまとめが提言として出されてございます。
 この中でいろいろなことの一つとして貿易保険につきましても言及をされておりまして、市場により提供される可能性のある部分については積極的に民間解放を推進すべきであるというようなことが盛り込まれたところでございます。
 それから、9月以降でございますが、総務省が事務局になっております政策評価・独立行政法人評価委員会の議論が開始されたところでございます。ここにおきましては、私どもの方から夏段階におきます例の組織・業務全般の見直しの当初案についてご説明をしたところでございます。
 それに対しまして、その場の議論といたしまして委員の方から、信用危険の分野につきまして非常危険に比べてリスクも小さいことなどから民間参入を認めるべきではないかということ、関連しますが、政府の再保険の範囲を非常危険分野に限定すべきではないか、そのようなことがご意見としてあったところでございます。
 それ以降、総務省の方でいろいろと今後の事務事業の改廃に関する勧告ということを検討中でございまして、今現在、勧告そのものはまだ出てございませんが、基本的に勧告の方向性ということでこういう形のものが出てくるであろうというのが内々伝わってきてございます。近々それが勧告となって出るだろうという形でございます。口頭で恐縮ですけれども、今どんなことが総務省の方で考えられているかということをご紹介させていただきます。
 1つには、これもいつもの議論でございますが、企業の経済活動の国際展開の複雑化、個々の利用者のニーズの多様化、こういうことに対応して、より一層質の高いサービスの提供を図るということが必要だろうということ。それから、先ほどの議論でございますけれども、民間でできることは民間にゆだねるという観点。そういうことを踏まえて独立行政法人として真に担うべき事務事業に特化、重点化するということといたしまして、2つのことがさらに検討を深めるということで考えられているところでございます。
 第1点は貿易保険業務への民間参入の円滑化ということでございまして、利用者ニーズを踏まえて保険商品の多様化、質の向上を進める。つまり貿易保険商品の見直しを行うということでございますが、例えばということで先進国向け短期などのリスクの小さい分野については民間保険会社の参入の円滑化を図るということとして、次のような措置を講じたらどうかということでございます。
 1つは、民間保険会社に対しますいろいろなノウハウの提供ということでございます。もう1つは、日本貿易保険が提供する事業の一部を民間にゆだねるということ。ただし、これは民間保険会社の参入によって特定分野において民間保険会社によるサービスが十分かつ安定的に提供される見通しが明確になった段階でということでございますが、そういうことがいわれるだろうということでございます。
 それから、組合包括保険制度、海外投資保険などの商品性の改善ということが1つでございます。
 大きな2つ目といたしましては、業務運営の一層の効率化ということでございます。つまり貿易保険事業の一部を民間保険会社が仮に担うことになったとしても、引き続き日本貿易保険がサービスを提供し続ける部分はあるわけでございますが、その部分につきまして一層の効率化が重要なことだということでございます。専門性の向上とかサービスの質の維持向上にも配慮しながら効率化を図るということで、ここでは具体的に2つのことが挙げられておりまして、人件費、業務費の抑制、それから次期情報システム、先ほども話がありましたが、これの稼働に向けました効率的な開発、円滑な導入、このようなことが総務省の方の勧告として出てくる方向にあるという状況でございます。
 若干話の順番が前後いたしましたけれども、こういう動きもございまして、先ほど部会長からもご紹介いただきましたが、私どもの方で秋口に貿易保険分野における官民のあり方検討委員会を設けまして、委員の方にご参集いただいて、1カ月強の議論でございますが、ご議論いただいたところでございます。
 これは参考資料の⑤につけておりますので、詳しくは後ほどごらんいただければと存じます。ごく簡単にご紹介いたしますと、この検討委員会は実は岩村部会長に委員長をやっていただきまして、その上で損害保険会社さん、保険を利用するユーザー企業さん、この中には中小企業の代表も含まれておりますが、それから学識経験者の方、合計10名の方に委員になっていただいて10月1日に第1回を行いまして、11月9日まで3回ご議論いただいたところでございます。
 第1回目には、最近の貿易保険の現状、諸外国において類似のこういう保険制度がどのようになっているかということをご紹介した上でご議論いただいて、第2回目は民間保険会社さんからヒアリングを実施して、あるいは事務局でヒアリングしたものをご紹介したところでございます。あわせて貿易保険を利用しているユーザー企業の方からのヒアリングということもご紹介いたしまして、最終的にはこの参考資料⑤にございますようなとりまとめという形でまとめさせていただいたところでございます。
 これは現実には先週末まで2週間ほどパブリックコメントにかけておりますので、それを踏まえて固めるということでございますが、基本的にはこの方向で固まることになると思います。
 ちょっと前置きが長くなりましたが、こういう動きを踏まえまして、私どもの方で夏の組織業務見直し当初案をこの研究会のご議論も加えさせていただいて修正したものが今お手元にお配りしている資料3で、それをまとめたものが参考資料の④ということでございます。
 参考資料④をごらんいただきますと、「最近の状況に関する基本認識」ということでございます。これはいつもの繰り返しの面が多いわけでございますけれども、まずNEXIの設立目的から説き起こしまして、やや法律の文言なども引いておりますが、対外取引において通常の保険では救済することができない危険を保検する事業を効率的かつ効果的に行うことを目的として設立されたということをまず述べております。
 その上で、国の再保険制度によりまして信用力の補完、通商政策の反映を実現しているということでございまして、この国の方の制度と独立行政法人NEXIが一体となりまして事業の実施を確実にしているという位置づけでございます。
 その上で、右の方に矢印で引っ張っているところで「第一期中期目標と業績評価」ということで、夏の時点でA評価をいただいたわけでございますが、第一期中期目標期間におきましては、独立行政法人化によるメリットを最大限活用いたしまして、高度かつ専門的な考察、質の高いサービスの迅速な提供、こういうことを効率的・効果的にできる組織にした、その目的の達成に努めたということでございます。
 これまでの業務実績につきまして、当評価委員会からも一定の高い評価が得られているという位置づけでございます。
 それから、左の方で「最近の状況」ということで①、②と2つ述べておりますが、1つは「我が国企業ニーズの一層の多様化・複雑化」ということでございます。これも今さら申し上げるまでもございませんが、企業活動のボーダレス化の一層の進展の中で対外取引に伴う各種リスクが内在している。特にテロとか自然災害というようなリスクも最近顕在化している。こういうことの位置づけのもとで企業の貿易保険に対しますニーズが多様化し、保険がてん補すべきリスクの性質が一層多様・複雑なものとなっているということでございます。
 その上で貿易保険の位置づけですが、こういった企業の厳しい国際競争に直面している中で不可欠な事業基盤として引き続き重要であるということでございまして、特に後で出てまいりますけれども、国が対外経済政策上の観点から重点的に取り組む分野につきましては、NEXIにおきまして一層戦略的・重点的に対応していくべきと位置づけてございます。
 それから、「最近の状況」の2番目ですが、これはどちらかといいますと夏以来の議論の流れですけれども、「民間参入を通じたサービス拡大・多様化への期待」ということでございまして、昨今、金融技術の進展とかリスクヘッジ手法の多様化によりまして、必ずしも今まで貿易保険事業が対象としてきたリスク、このすべてを民間の会社によって引き受けられないとは言い切れない状況になっているのではないか。それから、欧米諸国をみましても一部を民間保険会社が担っている例もあるということでございまして、こういうことを踏まえまして民間でできることは民間でという原則にのっとりまして官民のあり方について検討いたしました。
 民間参入によりまして、こういう保険商品・サービスの多様化が図られて我が国企業に便益がもたらされることが期待されるということでございまして、この円滑化のために、国においても所要の環境整備を行う必要がある、そういう位置づけでございます。
 こういう最近の状況を踏まえて、右下の方、「日本貿易保険に期待される役割」ということでございますけれども、対外経済政策上の重要なツールである貿易保険の的確な業務運営という目的を達成する。これは当然のことですが、さらに民間参入の円滑化を図るための環境整備として期待される役割を果たすことを求められているということでございます。
 同時に、引き続き効果的・効率的な業務・組織運営に取り組むことが重要と位置づけてございます。
 1枚めくっていただきましてポンチ絵の2枚目でございますが、以上のような基本認識のもとで「日本貿易保険の業務内容の充実・改善」、これが大きな2番目の章です。3番目の章として「効果的・効率的な業務・組織運営」ということについて述べてございます。
 まずNEXIの業務内容の充実・改善ということでございますが、ここの絵にありますように、「民間でできることは民間に」というのが左側にあって、右の方に「『民間ではできない分野』は、引き続き、国が貿易保険事業として実施」、そういう位置づけでございます。
 この右の方の国が貿易保険事業として実施するという中身ですが、まず大きな1つ目といたしまして、「利用者のニーズの変化に対応した質の高いサービスの提供」ということでございます。この中身としてさらに3つブレークダウンしておりまして、「商品性の改善」「サービスの向上」「体制整備」ということでございます。「商品性の改善」につきましては、ここの場でもご議論いただいたような組合包括保険制度の抜本的見直し、海外投資保険の商品性の改善といったこと。「サービスの向上」につきましては、諸手続の合理化といったようなこと、処理の迅速化といったようなこと。さらに「体制整備」につきましては、ニーズの的確な把握・反映、リスク分析体制の高度化、このようなことが必要であると位置づけてございます。
 さらに2点目ですが、右の方に6つの丸で示しております。「重点的な政策分野への戦略化・重点化」ということでございまして、1つはカントリーリスクの高い国への対外取引の円滑化。先ほどもご議論いただきましたが、アジアなどのグローバルな経済活動への対応。昨今、資源・エネルギーの安定供給確保というのが非常にいわれておりますが、こういった面への取り組み強化。さらには、中堅・中小企業の国際展開への支援とか環境社会への配慮、さらに物のみならずサービス分野、先ほども出ておりましたが、そういったその他の分野への戦略化、このようなことを第2点目として挙げているところでございます。
 さらに左の方をごらんいただきますと、「民間保険会社による輸出取引信用保険分野への参入」と書いてございます。さっき口頭で申し上げましたが、将来的に特定の分野で民間によりまして質・量両面でサービスが十分かつ安定的に提供される見通しが明確になれば、それを民間にゆだねて、NEXIが実施する国の貿易保険事業は民間が提供できない分野へと特化する、そういう位置づけでございます。これはさっきの研究会でも申し上げましたように、民間のユーザー企業の方からもいろいろなご意見を賜ったわけですが、やはり民間参入とはいっても、将来民間によって本当にサービスが十分に安定的に提供されるのだろうかという不安を述べられる声も結構聞かれたところでございます。そういうことを踏まえましてこのような表現にしてございます。
 そのために、NEXIの業務というふうに考えたときには、3点目の整理ですが、「民間参入の円滑化のための環境整備」ということでございまして、NEXIの商品の柔軟性向上ということ、NEXIの情報・ノウハウの民間保険会社への提供・共有、こういったことを挙げさせていただいております。
 組合包括保険制度についてこちらの場でもご議論いただきましたのでご紹介しておきます。ちょっと戻ってしまって恐縮ですが、資料3の3ページのところに「利用者ニーズの変化に対応した質の高いサービス提供」の中で、まず組合包括保険制度を(1)として取り上げております。ここに5行ほど書いてございますけれども、その3行目あたりから「可能な限り早期に検討を進め、遅くとも次期中期目標開始から2年以内に組合員企業の付保選択制の導入や保険料体系の全般的な変更も含め、その抜本的な見直しを行う」ということで利用者ニーズに対応しようということを書かせていただいているとともに、ちょっと順番が逆になって恐縮ですが、今の民間参入のためという観点からも、6ページのところに(1)といたしまして「組合包括保険制度の見直しなどNEXIの商品の柔軟性向上」ということで、「可能な限り早期に見直しについての検討を進める」という形で特記をさせていただいております。
 あわせて「NEXIの情報・ノウハウの提供・共有」ということでは、今の6ページの(2)のところで、これは実は先ほどの研究会の方で民間の保険会社さんからも要望があった点でございますが、今後民間参入をしていこうという流れの中で、従来から実施しております民間保険会社への業務委託などを通じまして情報・ノウハウの提供・共有が円滑に行われるよう努める、そのように位置づけさせていただいているところでございます。
 以上が「日本貿易保険の業務内容の充実・改善」という大きなⅡ章でございます。
 それからⅢ章、6ページの後段からのところで、ポンチ絵の方では一番下の方にございますが、「効果的・効率的な業務・組織運営」ということでございます。
 これは中身が3つの項目から成っておりまして、1つは「業務運営の効率化」ということでございます。先ほどの総務省の勧告の方向性でもこういうことがいわれるだろうということを受けたものですけれども、1つは「民間への業務委託を通じた業務運営効率化」、それから「次期情報システムの効率的な開発及び円滑な運用」ということを書かせていただいております。
 また、2点目としては「財務基盤の維持・充実」ということでございまして、財務基盤の維持というのはある意味当然のところですけれども、とりわけ民間参入が将来進展してくることになりますと、従来と同水準の保険料収入の維持が必ずしもできるだろうか、困難となるおそれが高いと位置づけておりまして、1つには的確なリスクマネジメントによりまして支出を抑制するとか、保険事故債権の適切な管理、回収強化、先ほども債権業務の関係のお話もございましたが、こういったことによりまして収入確保に取り組む、そのようなことを位置づけてございます。
 さらに最後の点、3点目は「非公務員型独立行政法人としての柔軟かつ機動的な組織運営」ということでございます。これは、独立行政法人の中にはNEXIのように非公務員型ではなくて引き続き公務員型ということでやってきておったところもありまして、そういう意味ではNEXIは先行的に非公務員型としてやっているわけでございます。先ほどのご説明にもありましたように、このことによりまして専門的知見などを生かすということが行われているわけでございますが、ここに書きましたように、リスク分析、貿易実務、国際金融、企業財務などの職員の専門的知見を一層涵養すべきということでございます。目標管理制度ということ、既に導入されておりますけれども、業績評価をより一層導入することによって、魅力ある就業環境を形成して専門性の高い職員の定着に対するインセンティブの付与をする。そのようなことも書かせていただいております。
 以上、雑駁でございますが、組織・業務見直しの案ということで、夏段階のものに秋口の議論を若干追加させていただいたものを今ある案としてお手元にお配りしているというところでございます。
○岩村部会長  ありがとうございました。いきなり資料を出してしまったので多少混乱されたかもしれないのですが、もう一度整理いたしますと、資料3は、平成17年3月に中期目標が切り直しになります。現在の中期目標の期間が終了いたしますので、中期目標の期間の切りかえのときに業務全般について所轄大臣、つまり貿易保険の場合は経済産業大臣ですが、経済産業大臣が業務全般の見直しを行うということになっております。そのときに独立行政法人評価委員会の意見を聴するということになっております。しかし、経済産業省の独立行政法人評価委員会は非常にたくさんの法人がついておりますので、実質的には評価委員会の中の取り扱いとして部会の意見をほぼそのまま尊重するということになっておりますし、また当貿易保険部会は評価委員会からの信任も私の認識では厚いと思いますので、まずこの組織・業務全般の見直しについてご審議いただき、できれば了解いただきたいということでございます。
 ただ、これをつくっていく最中にまさにこうして起こってきた話でございますが、私どもの部会の中での議論といたしましても、組合包括保険制度については次の中期目標期間においては大きな考え方の変更、制度の見直しをする必要があるだろうということについては大方のコンセンサスはでき上がっていたように私も認識しております。委員の皆様も同じだと思います。この辺非常に大きな経営上の決断になるとは思いますけれども、やはりしなければいけないことだろうと考えていたわけでございます。
 ただ、その過程で並行してというべきなのかもしれませんが、民間にできることは民間にという声が規制緩和という文脈から起こってまいりまして、これについての議論の整理もする必要がございました。そのために貿易保険分野における官民のあり方検討委員会というのを実施したわけでございますが、これは実は貿易保険の評価ということとは別のミッションでございまして、貿易経済協力局長の諮問会議として実施したわけでございます。
 しかしながら、出てきた議論の中では、私の認識では、まず民間保険会社さんの方からはもろ手を挙げて歓迎という声が出るかなと思っていたら、必ずしもそうではなかった。多分こんなことだろうと思います。貿易保険業務の場合は、昭和25年に経済産業省の業務として貿易保険の引き受けが開始されたわけでありますが、以来、貿易についての取引保険というのは経済産業省の貿易保険で保護してもらうというのが当然のように考えられていて、実は貿易保険法をみても保険業法をみても貿易保険を民間の保険会社がとってはいけないということはどこにも書いていないので、今さら解放というものなのかどうか、これは法律の建前論としては疑念が残るところであります。ただ、実質的な問題として、経済産業省、旧通商産業省における貿易保険というのは非常に広く普及しておりましたので、独占事業であると理解されていたと思います。そういう意味では法的な独占事業というわけではないのですが、実質的なものであったと思います。
 したがいまして、今この瞬間から、かつては大蔵省、今は金融庁の保険審査の方に民間の保険会社さんが貿易保険をやりますといってもっていって、保険の業務方法書が妥当なものであれば、それは審査としてはその日からでも業務が開始できるはずでございますが、話を聞いてみますと貿易保険あるいは海外投資保険というのは非常に特殊な分野、リスクも大きい。経験がない、情報の蓄積がないところでそんな簡単にできるものではないのではないか。しかし、一方ではそういうものもこれから使っていくというのが世界の流れであるし、海外では既にそのようにされているところもあるということで、ではできるものはやれるような条件を整えようというのが官民のあり方検討委員会の基本的な認識であったと思います。
 その過程で議論をしていきますと包括保険制度に行き当たったわけでありまして、包括保険制度のもとで貿易保険をどうぞ民間にといっても、それはなかなかうまくいくものではないだろう。そうすると包括保険制度の見直しということも同時に実行する必要が出てくるのはないか、このような認識になったように私は理解しております。
 そのためというべきかもしれませんが、官民のあり方検討委員会の中の具体的な文言として、次の中期目標期間の開始から2年以内、ということは平成19年には包括保険の見直しもするということで――まだこの部会ではいただいておりませんが、方向観がほぼできつつあると認識をしております。
 貿易保険の現状から考えますと、民間解放ということ、また包括保険制度の改善ということが非常に大きな転換である。貿易保険は最初の中期目標期間は役所の事業から独立行政法人になるという意味で非常に大きな作業をしていただき、ほぼそれについては満足のいく水準になって中期目標を終えることができそうな予想でございますけれども、次の中期目標はまたまたもしかするとそれ以上に大きな宿題が出てきそうな予感がいたしますが、これをまたやっていっていただかなければいけないと私も認識しております。そういう全体観の中で資料3をご審議いただきたいと思います。
 早速でございますが、ご意見、ご質問、どのような順番でも結構でございます。時間が許す限り受けたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。佐野委員。
○佐野委員  今までのお話を聞いたり送られてきたメモをみて感じたことなのですが、民間でやれる業務は民間ということをどこが最初に主張されたか。この検討委員会のメンバーをみましても、こういっては失礼ですけれども、こういった分野でできる会社は限られております。私どもも長年、海外のいろいろな業務を通じて海外のリスク等のことで検討したことも踏まえて、あるいは例えば日本での株主代表訴訟が非常に盛んになるという前兆のときにこういう新しい保険導入の相談をした経緯も踏まえて、海外のことには非常に疎いというのがこの業界の実態だと私は強くそのころ感じまして、海外とのいろいろな勉強を重ねたり、独自のルートで調査し、新しい仕組みをつくってきたということもありますので……。
 もう1つわからないのは、普通は民間解放という場合には、郵政の事業をみましても、民間のノウハウがあるがゆえに、それを導入して新しい分野で競争していこうということが普通だと思うのに、この貿易保険に関してはノウハウを提供してやっていこうというのはどうもぴんとこないですね。ノウハウの提供は経営指導ですよね。経営指導をするなら経営指導料をとるべきだし、そういう契約も結ぶべきだというのが第2点。
 第3点は、民間の皆さんからも意見が出たと思いますけれども、業務としてやる以上は利益を重要視しますから、通常の投資ですと3年でリターンがないと中止になるというのが普通の考え方だと思います。したがいまして、貿易保険につきましてもそういう目安がないと参入しても無意味だと思うのです。あえて参入するという場合はそういったリスクも負うわけですから、相当な覚悟をしてもらう必要があると。質の低下は当然ですけれども、継続性とかよりよい国際的な視野でみたサービスの向上という点に含めてトップの決意を表明させて参入してもらうというぐらいのことがないと、おつき合いをした民間が非常に大きなダメージを受けかねないと思います。
 ご案内のとおり、特に中国とか韓国、インド、いろいろなところで貿易のみならず合弁事業等の投資リスクを含めてリスクはいろいろな面で複雑化しているのは事実でして、しかも先方は大変したたかで、我々民間ではとてもつかめない情報が後でいろいろ出てくると、それが後々の交渉に非常にマイナスになるということもありますので、その点も踏まえて民間解放はやっていただきたいという感じがしております。
 以上です。
○岩村部会長  どこから出てきたのかということについてはお答えしていいですか。
○市川貿易保険課長  いろいろとご意見いただいてありがとうございます。
 まず、どこからというところは、先ほど申し上げたような規制改革的な観点というのはもちろんあるわけですが、他方では具体的にありましたのはドイツの方から、あそこはヘルメスという信用保険会社がいろいろやっております。まさに海外でやっているノウハウを踏まえて日本でもそういうことをやっていきたいというようなご意見があったところでございます。この春ぐらいの時点でございます。
 ちょっと私の方からご説明を省略してしまいましたのでもう少し詳しく申し上げますと、先ほどの参考資料の⑤で官民あり方検討委員会のとりまとめの案というのをつけさせていただいております。まさに海外の貿易保険制度というようなことで、この資料の5ページ目以降に「海外諸国における民間保険会社の動向」というようなことを載せさせていただいております。一言でいいますと、必ずしもすべて決まった分野があるわけではございませんけれども、5ページの(2)「海外諸国における民間保険会社の動向」というところに書きましたように、「短期の一部などを中心として、国内取引信用保険と同様に、民間再保険会社を活用しつつ、自らリスクを取って保険事業を実施している」、こういう保険会社があるわけでございます。6ページの方に若干その数字も載せてございますが、実態的には海外ではこういう動きがあるというのが1つでございます。
 他方、その6ページのⅢ「民間保険会社の動向・役割」というところで、先ほどヒアリングあるいはご意見をいろいろお聞きしたと申し上げたところですけれども、「民間保険会社の参入意向」というのが書いてございまして、これは大きく分けますと3つに大別されてございます。
 6ページの下から4行目から第1の類型でございますけれども、海外諸国で既に輸出取引信用保険を実施しております外資系民間保険会社のケースでございますが、この場合にはバイヤーのデータベースとか判断能力、経験などのインフラについて各国共通の基盤がございますので、こういう実績を諸外国でもっているということで、そういう分野を中心として国においても同様に即時に参入できる、このような意向が示されたところでございます。
 第2類型、7ページの上から4行目に「第二に」と書いてあるところですけれども、国内損害保険会社さんの一部につきましては、現在こういう対外の取引信用保険の販売に係りますフィージビリティ・スタディを実施中ですということで、もう少し参入には時間が必要、そういう方々もいたというところでございます。
 それから、7ページの中ほど、「また」というところに書いてありますが、その他の国内損害保険会社はインフラ面、具体的には海外リスク情報とか回収機能などの整備が今のところ困難ですので、現時点では物理的に参入が困難、そういう方もいた。
 そういう形で、まさに佐野委員もおっしゃったようにいろいろな方がいるわけですけれども、とらえ方としては仮に民間でやれるような方がいらっしゃるのであれば民間でやっていただくという考え方があるのではないかということでございます。
 したがって、最後に利益の点なども委員の方からご指摘がございましたが、これも私が先ほど少し触れた点ですけれども、確かにユーザー企業からいたしますと、民間の保険会社さんが入ってきて、すぐにそれでさっと短期的な利益だけをねらってまた抜けてしまう、つまり安定的に商品が提供されないということは非常に困るというような意見も先ほどの研究会でもいただいたところでございまして、そういうところはもちろん我々はユーザー企業さんの意見を踏まえてきちんとやっていかないといけない、そういうことで今回のとりまとめをさせていただいた、そういう考えでございます。
○岩村部会長  市川課長からはちょっといいにくいかもしれないという気がしますので、これは委員としての感想を述べさせていただくとすれば、民間でできることは民間にという議論は内閣府の規制改革会議から出てきたものです。
 委員としての意見をいえば、私もその話を聞いたときは佐野委員と全く同じ印象をもちました。一体どのように考えてるんだろうということで、正直いってかなり不思議な感じがいたしました。もちろん海外の、特に欧州では日本の貿易保険に相当する事業を民間の会社がやっていて、大きなリスクについては国の業務代理としてやっているというようないろいろな形がありますので、いろいろな形があることは承知をしておるのですが、事業の実質的なイニシアチブが民間でできるものなのかどうかというのは、私自身も不思議には思うわけであります。
 不思議には思うわけでありますが、ただ貿易保険の全体をみますと、それはどのようにみても通常の保険のカバーできる範囲に入るまいと思うような非常に大きなリスクとか長期の信用とか、そういったものもある一方では非常に短期的な貿易の支払いというようなものも貿易保険の中には含まれているわけなので、そういういろいろなものがありますよ、だから全部国がやるんですという論理は確かに通らないところもあるだろうと。そういうことであれば規制緩和という文脈の中で出てきた議論で実のある、意味のあるものは受け入れて、そして前向きに検討はした方がいいだろうと私も思うようになりました。
 思うようになりましたというだけでございまして、これから本当にこれでうまくいくのかどうかというのはなかなかまだ即断ができるものではないと思います。ただ、進めるというのが大きな政策の方針であるのであれば、それについてできるだけのことはしていった方がいいだろうと。ただし、ユーザー企業の皆様が困るというのは、やはりそれは貿易保険という制度の趣旨からみても困りますし、また国民経済としても問題があろうと思いますので、そういうことがないように、そこは整理しながらやっていくのがいいだろうと私も考えるようになりました。
 したがって、貿易保険の官民のあり方の検討というのも、参考資料⑤にはそれなりに素っ気なく書いてあるところもありますけれども、要するにどういう保険を民間にもやっていただけるような体制をつくるように努力するかということがまず1つ考えなければいけないことです。それから、どういうスケジュールでやらなければいけないかということが考えることでございます。
 実際に民間の保険会社が貿易保険という業務をやるようになるといったときに、それは業務として、保険業ですから金融庁の保険審査の方にかけていくということになろうと思います。合理的でない保険の申請をすれば、それは金融庁もそれなりの対応をするだろうと私は思ってはおります。例えば欧米の会社も貿易保険については経験があるといっているのですけれども、例えばアジアのマーケットでどのような経験があるのか。例えば1997年から98年にかけてのアジア通貨危機のときに実際にそれが十分予見できるほどの経験を積んでいたのかどうか。これも一委員としてですが、官民あり方検討委員会で欧州の半官半民のような保険会社さんのお話を聞いたときにも、必ずしも全部が納得できるものではなかったように思います。そういったところもこれから考える。
 ただ、日本の保険会社に体制がないから解放はできないんだという理屈はとても通りにくいところがございますので、ユーザー企業に問題がないように、日本の貿易や海外投資に問題がないように整理をしながらやっていくということで、そのためにも多少の時間は必要であろうと考えております。いかがでございましょうか。
 ほかにございますでしょうか。木村委員。
○木村委員  3つぐらいあるのですけれども、1つは、民間でできることは民間にというのは本来はかなり雑な言い方で、例えばいろいろな公共財とか外部性を生むような、いろいろな市場の失敗を生むようなものの場合には、民間が供給することはもちろん可能ではあるけれども、何らかの形で市場のゆがみが出てしまうケースがあるということですから、ただ民間ができるから、じゃ自動的に民間だねというのは本当は雑な議論で、どのようなサービスがどういうコストでどのように提供できるのか、それに対してそのシステムはどのくらい安定度があるのかということは当然考慮した上で民間はできることを提供しなければいけないということであると思うので、そこはもう少しロジックとして使う余地はあるかなというのが1点目です。
 2点目は、本音は一種の産業政策をやる余地があるし、それが大事なんだなというところがあって、書き方が難しいとは思うのですけれども……。でも、この官民のあり方研究会はある意味で随分踏み込んでいて、ポンチ絵の2ページ目に「重点的政策分野への戦略化・重点化」と書いてありますけれども、この辺は本当はかなり大事で、国際間の横並びで正当化できる部分についてはこういうところはやりたいということは当然あるでしょうし、先ほど佐野委員の話の中でも、ざっくり私の解釈をしてみると、ドイツの会社に任せるよりMETIがやっていた方が何となくいい面があるよというお話だったのかなと思いました。それはある意味で民間で必ずしも負い切れない部分を政府が負っているということを意味していて、だからこれは単に恐らくバックアップしているファンドのプールの問題だけではないのかなという感じもするので、本当はここでまともに正当化すればいいのだけれども、それだとなかなかロジックが通らないからどうしましょうということになっているのかなというのが私の解釈です。
 3点目は、そういう意味で考えると、さっきの参考資料⑤の5ページをみますと、民間保険会社への業務委託方式をやっているのはドイツ、フランス、オランダですか。ほかの国は何らかの形で政府が直接やっている。そうすると、こういうところでどういう正当化を彼らがやっているのかというのはすごく重要で、本音はまだ政府がやっていてかなりいいところもあるよと皆さん思っているけれども、どうやって正当化するかという問題だとすれば、彼らのロジックから学べるものもあるかなと思いました。
○岩村部会長  ありがとうございました。全体に佐野委員からも木村委員からも、多分貿易保険さんは力づけられたという印象を受けるのではないかと思います。
 まず第1点で木村委員がご指摘なさった点は、官民あり方検討委員会というのは理論を議論する場ではなかったので、市場の失敗という議論からの議論は実はまだいたしておりませんでした。ただ、当然のことながら、保険というのはもともと市場の失敗とか情報の非対称性とか時間的不整合というのが最初にむしろ指摘された分野でありますので、特に期間の長いものについては、例えば1年間で決算をしている保険会社で本当にカバーし切れるものなのか、もともと非常に問題があると思います。
 もちろんそこの部分を補完するものとして再保険とかいろいろな仕組みはあるようですけれども、それが本当に日本の貿易実態に合って使えるものなのかどうかということについては検証が要ると理解しております。そのことも含めてこれからの期間の中で整理をしていっていただくということであろうと思います。
 それから、産業政策あるいは政府との関係も同じ問題があろうかと思いますので、それもまだこれから考えることだろうと思います。
 海外の保険会社で実際はどうなのかということについては北爪さんからお話をしていただいた方がいいと思いますので、お願いします。
○北爪理事  今、木村委員からご質問がありました件についてお答えさせていただきます。
 海外の場合には、大局的にいいますと、1つは消費財か資本財かという議論、それから先進国向けかそうではないかという2つの切り方があります。
 基本的には、資本財の場合には政府が全部関与しています。これは短期であろうが中長期であろうが、ある意味では我々公的なECAというのはその国の経済発展であるとか輸出の振興であるとか、そういう産業政策的な観点がかなり強く反映される部分でございますので、これにつきましては、先ほどCofaceであるとかヘルメスであるとか、民間会社に業務委託をする場合であってもすべて政府勘定になっておりまして、政府が全部決定をし、その結果も全部とっている。そういう意味からいいますと、我々は資本財のところにつきましては、やはり相手国政府なりがバックアップするその国の企業と我が国企業との国際的な競争の維持といいますか、競争力の維持をどうしても考えざるを得ないということだろうと思います。
 消費財につきましては、まず発展途上国向けのところはどうしても民間の保険会社だけでやりますと、例えば先ほど岩村部会長からありましたように、アジア危機後に公的支援も結構引いてしまったところもあるのですけれども、民間は特に、アジアについてはインドネシアとか韓国ですらファクターも含めて全部引いてしまった。そういったところについて我々として公的ECAとして参加をするという意味から、ここはヨーロッパもすべて政府勘定で処理をしているところがほとんどでございます。
 それから、先進国向けのところの消費財につきましては2つの議論がございまして、基本的には民間、特にヨーロッパの場合には民間がやっているところが多いわけでございますが、さっきの市場の失敗という議論がございますように、例えば中小企業向けにつきましては民間からしますと非常にコストがかかる世界で、中小企業向けが売る先というのは相手も中小企業ですから非常にリスクが高いものですから、そこの部分について十分面倒をみてくれないじゃないかということから、ここは国が絶対的に関与すべきじゃないかという議論が結構強い分野でございます。
 ですから、ヨーロッパ的にEUの指令とかそういったもので仮にそこは公的信用機関が関与しないという場合には公的信用機関の子会社が実質的に関与しているとか、そのようなやり方で、やはり市場の失敗的な分野につきましては実際的には国の支援を受けた制度が前へ出てくるというところが結構多いようでございます。
 我々も今後ともそういったいろいろな諸外国の例であるとか、先ほど佐野委員がおっしゃいましたように、日本の企業、日本の経済、日本の海外での活動、そういったものを支援するのが我々の役割だと思っておりますので、その辺を踏まえながら制度の設計を今後とも経済省にご相談をさせていただければと思います。
○岩村部会長  ありがとうございました。
 岡本委員、きょうは少し早目にご退席と伺っているのですが、今申し上げたように割合大きな舵を切る、見直しということになろうかと思いますので、一言だけでもご意見なりご感想なり、あったら伺っておきたいのですが。
○岡本委員  特につけ加えることはないのですけれども、今お話を伺っていていろいろな内圧、外圧があって民間参入という問題はよくわかったのですが、一番大きなことは法律的に今参入できないことになっているわけではないわけで、特にそこは余り問題にしなくてもいいかなという気はします。今、現状として参入できるところが日本には余りない、すぐには参入できないということを考えると、こちら側としてはできることをやっていくしかないのではないか。私はそのくらいです。
○岩村部会長  ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。伴さん。
○伴委員  意見というよりも感想に近い部分もあるのかもしれないですが、2点ございます。
 1点目は民間にできることは民間にというところでの話なのですが、民間企業、民間損保からしますと当然収益性が前提になってきますので、例えば業務で民間にできる部分を民間にということになりますと、1つのサービスの対価、民間ができる部分でサービスの提供を受ける企業さんはそれなりの安い保険料でそのサービスが使えるということですが、それがある程度採算性がとれる部分がNEXIさんからなくなってしまうと、NEXIさんを通してサービスを受ける方のコストは上がってしまう。保険の考え方は従来そういった広いリスクプールの中で負担をというところで、そういう意味では市場の失敗の言葉をかえてのお話というところでもあるのですけれども、産業振興等で考えたときにその部分のゆがみが出てしまうということかなと。
 その部分を考えますと、資料にもありましたし、先ほど岩村先生のお話もありましたが、やはり再保険スキームということを方法論という中では考えていく必要があるのかなと。再保険スキームによって、例えばノウハウの移転に時間がかかるようでしたら再保険スキームを徐々に変えていくことでノウハウの移転までの負担を民間保険会社に軽くしてあげるというようなこともできるでしょうし、最終的にコストの平準化というのでしょうか、コストの不要な上昇を防ぐといった効果もあるのかなと感じます。それが1点目です。
 2点目はちょっと観点が変わってしまうのですけれども、これは今回の資料の中にもあったのですが、貿易保険なり中長期での収支相償という考え方がこの中で示されていたかと思うのです。一方で今回の評価もそうなのですが、独立行政法人として企業会計原則にのっとって期間損益で評価をしましょうという一方で中長期での収支相償という考え方が出てくると、企業会計原則にのっとった情報開示あるいは説明責任というところと独法との存在意義の説明というのは補足説明が必要な部分が出てくるのだろう。それは評価委員としての評価のためだけではなくて、国民に対しての存在意義なり説明という意味で情報開示の点であり方を考えていく必要があるのではないか。
 その2点がちょっと感じたところです。
○岩村部会長  ありがとうございます。官民のあり方と民間にできることは民間に、私の印象でもそういう要求が出てきた文脈が率直にいって割合素朴で、考えようによっては粗雑な部分があったような印象はもっております。そこの部分については本日の部会においても委員の皆様方から、これはひとしくといっていいと思いますが、懸念が表明されたということ、これは重要なことでございますので、記録としてとどめて、それから今後の施策に反映させていただく必要があるだろうと思います。
 とりわけ市場の失敗であるとか民間保険会社のクリームスキミング、あるいはうまくいっているときには、例えば短期の貿易保険でも保護してくれるのですが、一たん市場がカタストロフィーに陥ったときに一斉に逃げてしまう。そのときにだけ貿易保険が出動するということであれば、まさにこれはクリームスキミングということで、不良品だけを貿易保険が引き受けるということになりかねませんので、そういったことがいいのかどうか。いいのかどうかというのは、これは貿易保険が純粋に民間企業であれば決してよくないわけでありますけれども、それが貿易保険という制度のあり方としてそこまで覚悟してやるものなのか、それともユーザー業界の負担の中で収支相償がなされるべきなのかということ、これは施策の問題でもあろうかと思いますので、経済産業省貿易経済協力局とも相談しながら、ここの部会での意見を集約していく必要があろうかと思います。
 いずれにしても大きな懸念が示されたことは間違いございませんので、そこの部分はもう既に認識ということで議論としてまとめさせていただいて、今伴委員から出てきた話は2番目の話ですね。
 2番目の話は、特にこういう包括保険制度の見直し、そして民間への解放もしていくということだとすると、ますます貿易保険に残るのは、短期的にはいわば始末をつけにくいリスクを引き受けていくことになる。そのような中長期のリスクを引き受ける貿易保険として、リスク開示のあり方や業務の評価の仕方として単年度決算だけでいいのかどうか。単年度決算をきちんとやらなければいけないことは、多分これは国の予算制度のもとでも運営されているわけでありますし、民間企業とも相当の均質性は要求されるでしょうからこれは必要だと思いますが、それだけでいいのかどうかということについては今問題提起がなされたということで、これは今すぐ何かお答えになることございますか。なければ引き取らせていただいて、これは大事な宿題である。次の中期目標を考えるに当たっても重要な宿題であろうということで、これは事務局とNEXI、私の方で引き取らせていただきたいと思います。
 官民のあり方の話が非常に強いインパクトをもった玉だったものですから、それだけに議論が集中してしまった気がいたします。残り時間が余り多くはないのですけれども、ほかの部分、一方では次の中期目標期間を考えますと状況についての基本認識はこれでよろしいかということ、それから利用者のニーズに対応した質の高いサービス、重点政策の選び方、考え方ということについてこれでいいかということも委員の皆様方のご意見を賜っておきたいと思います。何かございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。私の理解では、民間参入円滑化のための環境整備ということ、それから本日参考資料の⑤でお渡しした話は非常に大きな玉だったと思いますが、ほかの部分については、これは3年半の業務をみていただいておりますので、ほぼ認識は一致していると。これでよろしかろうということであればその認識としてちょうだいいたしますが、よろしゅうございますか。
     (「はい」の声あり)
○岩村部会長  それでは、本日は少し予定より早く終わりましたけれども、本日の議論はここまでということにいたしまして、これは皆さんから了解をちょうだいしなければいけません。「独立行政法人日本貿易保険の組織及び業務全般の見直し」については、当部会として原則――原則というのはただいま指摘された点についてこれから考えさせていただいて、皆様方のご意見を反映できるものは反映をしてということでございますが、原則本案でご了解をいただいたということでよろしいでしょうか。
     (「異議なし」の声あり)
○岩村部会長  ありがとうございます。それでは、ご異議ございませんようですので、今後の手続については、まず経済産業省の評価委員会の場で意見を述べるということになっております。これについては私にご一任いただければと思います。よろしゅうございますか。
     (「はい」の声あり)
○岩村部会長  それでは、12月3日の経済産業省の評価委員会では、本日のご心配という形で提起いただきました点も踏まえまして的確に対応させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、まだ少し余裕がございますけれども、そのために長く座っていただく必要もないと思いますので、これで部会を終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、最後に事務局よりご連絡等お願いします。
○市川貿易保険課長  本日ご審議いただきましたNEXIの組織業務全般の見直しに対します意見のとりまとめに当たりましては、委員の皆様方にご意見を賜りまして大変ありがとうございました。事務局といたしましては、今ほどお話がございましたように、部会長とご相談させていただき、12月3日の経済産業省の評価委員会では的確に対応させていただきたく存じます。
 それから、次期中期目標、中期計画の策定等に関して、委員の皆様にはお忙しいところお手数をおかけすることになると思いますが、今後とも引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 次回のこの部会でございますが、年が明けまして1月の下旬または2月及び3月ということで、次期中期目標、中期計画について部会を開催させていただくということを考えております。また事務局の方から調整させていただきますので、その節はよろしくお願い申し上げます。
○岩村部会長  ありがとうございました。それでは、本日の部会は終了させていただきます。活発なご審議をありがとうございました。


以上
 


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最終更新日:2005.06.24
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