経済産業省
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独立行政法人評価委員会中小企業基盤整備機構分科会(第18回)-議事録

日時:平成20年12月17日(水)10:00~11:25
場所:経済産業省別館5階 513共用会議室

出席者

委員:

伊丹分科会長、荒牧委員、加護野委員、佐藤委員、杉浦委員、渡邉委員

経済産業省:

高原中小企業庁次長、横田長官官房参事官、最上中小機構業務調整室長、 餅田企画課長、岸本経営支援課長、野口産業施設課長、奈須野経営安定対策室長 

中小機構:

前田理事長、村田理事、山田理事、和田理事、占部業務統括役

議題

  1. 次期中期目標の骨子案について
  2. 次期中期計画の骨子案について
  3. 中小企業基盤整備機構の役員退職に係る平成19年度の業績勘案率について

議事概要

    横田参事官
    定刻になりましたので、これから「独立行政法人評価委員会第18回中小企業基盤整備機構分科会」を開催させていただきます。
    お手元に配付しております資料ですけれども、もし資料に不足がございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。よろしいでしょうか。
    それでは、議事進行を伊丹分科会長にお願いいたします。
    伊丹分科会長
    本日の議題は3つでございます。最初の議題、中期目標の骨子案は前回からの議論の継続、中期計画の骨子案、2番目の議題でございますが、これは今回初めて出るものでございます。いずれの案につきましても、今日は骨子案についての議論をいただき、2月の上旬に開かれます次の分科会の会合で最終案を取りまとめるという、そういう日程を想定しての議事でございます。
    それでは、まず最初に、次期の中期目標の骨子案についての事務局からの御説明をお願いいたします。
    (議題1について、事務局より説明)
    伊丹分科会長
    ありがとうございました。この中期目標の骨子案は、これから次に御説明をいただきます中期計画の骨子案とある意味でワンセットにならざるを得ない話でございますので、この段階で中期目標、今、横田参事官から御説明いただいた件についてどうしてもという質問があればお受けいたしますが、もしよろしければ、この後で機構の占部業務統括役から中期計画の骨子案の御説明をいただいた後で、一括して議論をしたいと思いますが、それでよろしゅうございましょうか。
    それでは、中小機構占部業務統括役、お願いいたします。
    (議題2について、中小機構より説明)
    伊丹分科会長
    先ほど申しましたように、中期目標と中期計画は連動しておりまして、主に中期計画の中では、中期目標で掲げた目標を具体的に達成できたかどうかの実績数値、数値目標の設定ということが非常に大きな課題になりまして、次の分科会が評価をなさる際の1つのメルクマールになりますので、目指すべき成果のところを中心的に御説明いただいたわけであります。したがいまして、こういう成果指標でいいかということが本日の議論の中心にはなりますが、それにだけに限りませんで、計画の内容等に含めましても、あるいは取り組みの内容につきましても御意見をいただければと思います、どうぞ。
    加護野委員
    実は、今日お話を聞いていて、極めて悠長な話だなという感じがしていて、これはやはり平時の計画なんですよね。 しかし、今起こっているのは極めて危機的な戦時、そういうのに対する対応策がほとんどこの中にないんですよね。5年先からでも予見できるような話ばかりなんです。しかし、中小企業が本当に必要にしているのは緊急事態のときに、さっとヘルプしてほしいということじゃないかと思うのですが、それに対する準備がこれにはほとんどないんですよね。それをもう少し考える必要があるんじゃないかという感じが素朴にします。
    伊丹分科会長
    その点についてはいかがですか。
    山田理事
    私どもも、まさに緊急時の対応は必要だと思っております。ただ、緊急時に対応するときに、やはりそれぞれの持ち場、得意技というのがあるのかなと思います。だから、中小企業政策全体というふうに考えますと、これは国の方で御説明のある話だと思いますが、今まさに金融をはじめとする対策をきっちりやっていくということが大切だと思っています。
    一方、私どもは、大変得意な分野は何か。これは、金融の資金を提供することではなくて、今後どう販路を開拓していくのか、どう商品を提供していくのか。それに当たってどのような事業計画をつくってやっていったらいいのか。こういったものをきめ細かく対応していくというのが私どもの得意な分野であり、ここの分野については、 ほかの誰よりもがんばらなくてはいけないだろうということで、問題意識は共通としながらも、私どもがやれる、そして私どもがやるべきことをこういうふうな形にしていくということが大切だということで、こういうような目標をお定めいただき、そして私どももやっていきたい、こんなふうに思っております。問題意識は一緒になっております。
    渡邉委員
    2点ですけれども、まず最初に百年に一度か二百年に一度か知らないけれども大変な金融危機であることは確かですし、これからあと年末まで2~3週間ですけれども、そのときに大変な貸し渋りがあると思うんです。それにどうやって対応するかということが1つと、それから、やはり中小企業として、ある程度の倒産危機というふうになった場合、提携とか、そういうのではなくて、そういう場合、どこか買収なり何でもいいから、身売りをしてでも救ってくれるようなところというのを探していると思うんです。そうすると、この骨子案にもありましたけれども、マッチングとか、そういう悠長なものじゃなくて、もうちょっと、どこか買ってくれるところはありませんかというようなマーケットといいますか、ビジネスマッチングというか、そういうようなサービスができればいいのではないかということが1つ。
    それからもう1つは、財務内容の改善、これは大変に結構なことですけれども、こういう厳しいときですと、不良債権額の半減などというと、逆にまた貸し渋りをしてしまうような感じになってしまうので、こういう危機のときに、その辺のところの努力目標というのはいいのかどうか。その辺のところの質問をさせていただきたいと思います。
    高原次長
    渡邉委員からの最初の御質問のところ、いわゆる金融の貸し渋りの件ですけれども、私どもの施策の中心は、緊急保証制度という制度を10月31日からスタートして、昨日の午後3時までで2兆 2,000億円の保証が出ております。そういう意味では、今、6兆円の枠というのでとりあえず第1次補正で用意していますけれども、相当なペースで、一日 1,700億とか 1,600億ぐらいの保証が出ております。ただ、貸し渋りの問題もそうですし、冒頭の加護野先生の御質問にも関わるんですけれども、これはあくまでも金融制度なので、本当の需要対策ではないのですね。実需が落ちていることに対する政策ではない。つまり、外需が落ちたり、内需が落ちたりしている。ここのところは、確かにマクロ経済政策として国がどうするかという議論で、我々も非常に大きな関心を持っていますけれども、そこが一番問題で、倒産の問題もそうですけれども、倒産だけ止める、あるいは雇用だけ維持するようにいくだけでは、たぶん矛盾を別のところに回しているだけで、そういう意味での景気、特に需要の減少ということについてどう対応していくかということについて、これを機構にさせるというのは少し無理があるし、必ずしも効率的ではないというふうに思っているということだと思います。
    伊丹分科会長
    今のお2人の委員のお話は、中小企業に対する対策全体の話に係るお話だったわけですけれども、ここで議論しておりますのは、そこの基盤整備をするための機構の、しかも向こう5年間の中期計画の話ですので、齟齬が出てくるのは仕方がないんですが、そこのところをちょっと頭の中を整理していただいた上で、その上でもなおかつこれぐらいの緊急事態なら基盤整備が目的である機構もこれぐらいやるべきだという議論はあり得ると思いますが。
    横田参事官
    高原の説明にちょっと補足しますが、渡邉先生から、売却相手先探しみたいなサポートの話がありましたけれども、これも私ども中小企業庁が、いろいろな機関がある中で、どういうところにそういう役割をお願いするかという問題なのかもしれませんけれども、今年度からスタートしています地域力連携拠点というのが全国 316カ所あるのですが、そのうち約 100カ所を事業承継センターということで、経営者がもしいない場合には、場合によってはM&Aも含めて、マッチングなり、いろいろなアドバイスをするというようなことをやっておりまして、そういうことで、今、伊丹分科会長の方からありましたように、機構の方には基盤となるようなところをお願いしつつ、金融なり、あるいはマッチングみたいなところについては、中小企業施策としては手を尽くしていきたいというふうに考えております。財務については、占部業務統括役からお願いします。
    占部業務統括役
    不良債権のところでございますけれども、実際、貸し渋りみたいなことはないように、まさに我々の使命というのは中小企業を育てるということでございますから、そこはないようにしたい。ただ、やはり全体の財務としては、健全に保つために、いつでもどれだけの準備金を積んでおくかとか、そういう意識を持っているかとか、そういうことについて努めていきたいということでございます。
    前田理事長
    私からもちょっとつけ加えさせていただきますと、先ほど渡邉委員からございました不良債権の半減につきましては、これを決めたとき、17年度末での 1,765億ぐらいだったんです。したがいまして、半減というと 800億ぐらいまで減らさなければいけないわけです。これは簡単なようで難しいのは、私どもは引当金を積むのは十分力があるからやっているのですけれども、処理するときには、高度化資金などは県と一緒にやっていますから、そこは呼吸を合わせて同じ意見を統一するのもあるのですが、同時に、その引当処理を私どもは積んでいるから無理しないでやったとしても、担保とか保証人をどうするかということで、時間がずいぶんかかるんです。
    それから、今また、当時決めた22年度の約1,700億のほかに、これだけ状況が悪くなってまいりますと、新たに不良債権が発生する場合もございますが、高度化資金を貸したりするときに、私どもは上手にお使いいただくのを使命としておるものですから、貸し渋りとか、そういうことには一切ならないように、これはこれで過去のそういうものを一旦整理する方向で、じっくりと腰を落ち着けてやっている、こういうことでございます。
    それからもう1つ、M&Aという話でございまして、これは実は一部、最近出てきた現象かと私は思うんですけれども、一例を申し上げますと、山口県の辺りの練り製品、かまぼことか、大変歴史のある 100年ぐらいの練り製品業者がたくさんいると。数は正確には覚えませんけれども、例えば 1,000社あったら、それは 1,000社は生き残れないから 500社になるだろうと。例えば、その人がそう思って、そのときに、歴史があっていい会社だけれども、将来、この業界としては数が減るだろうと思うときに、元気なうちにお互いに買い取った方がいいんじゃないかと。お互いに話をして、どっちが行くのか来るのかということで。ところが、そのときに、デューデリジェンスみたいなものが必要になりまして、売るも、買うも、くっつくも、値段は幾らだとなるわけです。そうすると、山口県なら山口県の地元にはそういう弁護士さんが余りいない。メガバンクはあるけれども、メガバンクに行ったら、小さいところは手数料の関係で相談しても難しい。それで、今度は新規申請に行くと、私どもはちょっとその能力はないと。だから、機構さんに、大阪でもいいし、東京でもいいから、どこかそういう人を紹介してくれませんかと。私どもは全国組織ですからそういうチャネルはあるものですから、私どももそういうふうな感覚でやって、人がいないというときには、それを連れてきて紹介して、そういうふうなことも道開けるように。ところが、どちらかといいますと、再生とか、そういうのは傾いてからなので、おっしゃるように元気なうちから何かやるというところまではなかなか手が回りかねていたりするところもあるのですが、私どもも心がけて議論をしておりまして、いろいろなネットワークがありますので、実際的には考えていきたい。政策的な制度としてやるのは、再生とか、そういうところで力を入れてまいりますけれども、おっしゃるように、もう少し元気なうちからそういうこともできないかということだとすると、一部にそういうニーズがありまして、事実上、努力をしてまいりたいと思います。
    横田参事官
    これは予算措置で対応しておりまして、今年度で言いますと約50億円ぐらいの予算措置で、商工会あるいは県の産業振興センターと、中小企業支援をやっているところに委託を、1カ所 1,500万とか 2,000万でお願いしまして、そこで専門人材を置いていただいたり、セミナーをやっていただいたりということで、私どもの行なうべき業務の一部を付加的にやっていただいているという事業を地域力連携センター事業というふうに称していまして、その中で特に事業承継については全国 100カ所、先ほどのマッチングみたいなことも含めた業務をお願いしているということでございます。
    佐藤委員
    細かい話ですけれども、中期目標のところですけれども、今回、例えばマッチング率は3割から5割に上がる。事業化率を新たに設定ということですけれども、これは、例えばマッチング率が3割から5割に上げたように、事業化率は将来7割にするのかということ。つまり目標が、ずっと上げていくべき目標と、適正というと変ですが、我々が取り組むのにリスクは当然あるわけですから、5割ぐらいが適正で、逆に言えば量を拡大する方が望ましいとかということがあると思うんです。特にそれを間違えると、マッチング率も次は7割などとすると、これは認定したもののマッチング率ですよね。そうすると、認定のところでマッチングしやすいものをやるとか、事業化率も同じようなことが起きかねないので、つまり機構として、ある程度事業化も易しいものばかりやるのではと。ではどの辺を考えるかで、認定の方と関わると思うのですが、マッチング率の3割から5割というのは、もしかしたら3割で正直難しいのをやるんだというのもあり得ると思うんですよね。ですから、その辺はどう考えられて、例えば事業化率5割とか、マッチング率を3割から5割に上げたんですけれども、その辺はどう考えられたのかということです。特に、分母は認定のところをどうするかにも関わってくるので、マッチング率3割から5割、 認定の方が緩んでしまうと余り意味がないし、その辺をちょっと教えていただければと思います。
    占部業務統括役
    先ほど、全体として一定の事業規模を確保するというのは書かせていただいたのですけれども、実はそこだけでは必ずしも今のお答えになっていなくて、実際に3割で維持した場合は、逆に3割アンド件数何件と書くという2つの締め方があるのですけれども、そうすると、実は具体的にやっていくときに、数字ばかり追いかけてしまうようなことになるのではないか。数字ばかり気にして、数だけはこっちで稼いで、事業化率はこっちで稼いでとか、そういう方に走るんじゃないかということで、やはり基本的にはシンプルに一本の指標の方がいいんじゃないかというふうに考えました。その次に、では実際に、これは物によって、これは新連携のものなどで認定ものですけれども、そういうものについては、やはりちゃんと育ってもらわなくては困るという方が多いだろうということで、それで、ここは50%なら50%という事業化率の方をとっていったというような考え方でございます。
    伊丹分科会長
    この辺はいろいろ難しいところで、目標管理をやると必ず出てくる問題で、別に機構に限らず、どんな企業の人事考課でもそうで、達成しやすい目標をつくってしまうということがないように。しかし、一方で、きつ過ぎて変な歪んだ行動が起きないようにということだと思いますが。
    山田理事
    新連携の事業化の場合は、第1期途中から始まって、最初のときはある程度数をという面があった。 これが巡航速度に入ってきますと、それをしっかり、きっちり見ていこうということになり、1期のときよりは事業化率は上げても、そこは同じきっちりきっちりでやれるというところがあってこういう形にしたので、私どももそこは気をつけてやっていきたいというふうに思っています。
    伊丹分科会長
    第1期は30%だったものが今度は50になっているとか、80%だったものが90になっているとか、どんどん上がっていく指標が多いと。
    佐藤委員
    ですから、もともと上げていくものじゃないものもあるということはどこかで言わなければいけないんじゃないかと。
    杉浦委員
    それに絡むのですけれども、売上高平均伸び率25%増と、ファンド出資して30%増と書いてありますけれども、ちょっと大き過ぎるんじゃないかと思うんです。大き過ぎるのは別にいいんですけれども、その目標に対して評価ということになりますので、本当にこれは現実的かなと思うのですけれども。それと、出資するファンドの方は大丈夫なんでしょうか。
    占部業務統括役
    先ほど申し上げましたように、25%というようなところは具体的にこれまでの実績等を考えてそれは大丈夫だろうと思っておりますが、ファンドの方の30%というところは、申し上げましたように、結局、ファンドのところは指標をつくるのが非常に難しくて、だけど、やはりいいGPさんを選んで、そこに金を投入するのだったら、いいGPさんはちゃんと育ってくれるだろうという中で、かつ必要があれば我々も出資先の企業までファンドの支援をするとか何とかして育てていきたいと思っています。そういう意味では、金も出して口も出すというところがあるのであれば、やはり普通の支援よりは一ランク上げてみたいということで、30%という形で設定をさせていただいたということでございます。
    荒牧委員
    今の同じ売上のところですけれども、先ほどからの議論で、マクロで相当厳しい中で、機構さんとしては、着実な経営基盤の強化とか、そういった方に力を入れていくということで、その意味での目標として、事業化率であるとか、ファンド開拓率とか、マッチングというのはなじむんですね。一方で、売上は確かに中小企業などは伸びる余地があるといえばあるのですけれども、私などがいろいろ見ているクライアントなどでも、今はどんなにやっても売上というのは伸びない状況なんです。それで、何をやっているかというと、結局、専門家などの知識を使って、効率化とか、そっちの方に向かっているんですね。だから、幾ら中小企業なので改善の余地がある、伸びる余地があるとはいっても、若干売上の方にフォーカスし過ぎるというのは、今の全体としての環境から言うと、ちょっとなじまないのかなという部分が1つ。
    先ほどの話にも関連するんですけれども、だめになってからM&Aしてほしいという話とは別に、大企業も売上を伸ばすためには、今やっていないM&Aしかないんですね。売上はそれでしか増やせない状況なので、中小企業として買い手となって増やそうと。そういうのも含めてでないと売上というのは単純には伸びない状況じゃないかという気がしております。ここの目標だけは、ほかの着実な基盤強化していこうというのと若干アグレッシブな感じなんですが。
    伊丹分科会長
    そこのところはいろいろ考え方がございまして、これは5年間の目標ですので。
    荒牧委員
    そうなんですよね。5年後の状況がわからないので。
    伊丹分科会長
    今、突然に我々の目の前に広がっている風景だけで判断してはたぶんいけないし、実は目前に広がっている風景からすると、一旦落ち込む企業が多いわけですから、そこから回復することもあって、実は伸び率のこの数字というのは達成が困難なものではないのかと。 今の数字から考えると大変ですよ。一旦落ちた数字から伸び率を計算しますので、何とか達成できるのではと思います。この伸び率目標については、5年間のことを考えますとね。
    荒牧委員
    この始点はいつなんですか。
    伊丹分科会長
    支援開始後2年。だから、年間ですると12.5%。落ちたところで支援することになれば、前回と同じぐらいで構わないんじゃないかというのが私がお聞きしたときの感想でした。むしろ、低くしてしまうと楽になり過ぎるんじゃないかという懸念を私は持ちましたが。
    占部業務統括役
    やはり成長のためには最終的に企業は売上を伸ばしていただきたいというのがあって、当然、コストを削減するための支援などがあるんですけれども、コストを下げるということはその分価格が下がって、競争力が伸びて、結果として売上になるということで、やはり企業の目標としては、いろいろと考えたら結局は売上なのかなということで、あとは、その数字が今の議論の中で同じような数字で置かせていただいたということです。
    山田理事
    こういう議論があるので私どもからのお願いは、不況がずっと続いて、5年後もこういうような状況であったときに、この25%を達成していないじゃないかという話になったときに、今のような議論があったんだけれども、では機構自身の努力はどうだったのかという緻密な御評価をいただけたらありがたいかなと、こんなふうには思っております。
    ただ、計画として掲げるのは、やはりこれが一番いいかなというのがいろいろ考えた末のここでの御提案になります。
    前田理事長
    また第三の立場みたいな意見を言うとあれですけれども、私は日立製作所に11年ほどいたのですが、その感じから言いますと、私もこれを見たとき、そういう世界に慣れていたものですから、ずいぶん高いなと思ったんです。それが素直な感じです。だけど、計画としてここまでがんばるという人に、目標を下げろとは、あとは、専門家派遣というときは、やはりニーズがあって、やる気があるような企業なものですから、全平均で言いますと、日本の中小企業が25%全部売上を伸ばしたら、これはすばらしいことなんですけれども、そういう状況を見て、ちょっとがんばってみるかというような、手が届くかどうかわからないけれども、本当に飛び上がったら届くかもしれないぐらいの感じです。
    加護野委員
    ただ、1つやはり気になるのは、この辺でもう一回、機構のドメインをもう少しきっちりと今回見直した方がいいんじゃないかという感じがするんです。なぜかといいますと、普通の企業でいうと、事業構造の変換とか、新規事業づくりのサポートはかなりあるのですが、ところが、本業そのもののリストラクチャリングのサポートというのは非常に乏しい感じがするんです。逆に言うと、そこは自分でやれ、お金の面倒だけみてやるというので本当にいいのだろうかという感じがするのですが、今回の危機は災害みたいなもので、ここで本当に必要なのは本業のきっちりとしたリストラクチャリング、それも投資をしてのリストラクチャリングじゃなくて、知恵を使って徹底的に今の事業を組み立てていくというような、コストダウンを含めた、そういうようなことをきっちりとサポートしてあげるという、この辺が非常に重要じゃないかと思うのですが、はっきり言うと、この辺の目標が余りないんですよね。
    伊丹分科会長
    中小企業の基礎体力をきっちりと回復させるための支援、そういうようなイメージですか。
    加護野委員
    そうです。新規事業づくりは余裕があるときは確かにやった方がいいけれども、それも大事だけど、 そうでない企業もずいぶんいろいろな業種にあるんじゃないか。基本的な今の事業をきっちりと立て直さなければならないというような企業の支援というのも、やはり中小企業政策としてはかなり重要な位置を占めるんじゃないか。その中で機構としても、基盤整備としてそこをやる必要があるんじゃないか。もう少し大きな柱にドメインとして持っていってもいいんじゃないかなと。
    村田理事
    その点につきましては、旧事業団時代から中小企業大学校を置いて人材育成をするとか、あるいは専門家派遣をするとか、ある意味でコア業務となって根雪の部分になってしまっているものですから、あえてここに余り書いていないのかもしれませんけれども、まさしくその部分については、基本的な我々の業務としてしっかりと認識をしているつもりでございます。
    占部業務統括役
    まさに2.の「経営基盤の強化」というところが、高度化等も入ってございますけれども、いろいろなノウハウの提供とか、例えばIT化とか、人材とか、いろいろなもの、これは外部人材の方も使わせていただきながらやっていることで、そこはまさにドメインとしてしっかりやっていきたいと思います。
    伊丹分科会長
    もう少し踏み込んだ話を加護野さんは言っておられるように思いますが、これは機構のドメイン議論で、機構が決められることか、中小企業庁の方が考えることかという話なので、むしろこちら側に御意見をいただいた方がいいように思いますが。
    高原次長
    大変重要な御指摘だと思います。どちらかというと、中小企業庁の施策は、さっき言った供給と需要の方で言うと、供給改革というか、企業の新しいところへのチャレンジというところに重点を置いて、今、加護野先生が言われたような基盤的な基礎体力をつけるような施策というのは、機構の仕事としてもあるでしょうし、それ以外に中小企業庁が税制とか労働法制とか、 そういう環境整備でちゃんとやっていかなくてはいけない。ピックアップした方をお助けするというのはどちらかというと機構の業務ですけれども、中小企業行政はもっと広く、いわゆる制度論などの改革を含めて、ちゃんと中小企業のあり様というものを変えていく施策をやっていかなくてはいけない。中小企業庁の中での資源配分というのがあって、どちらかというと、供給サイドのいろいろな新しいビジネスモデルを進めるような施策にシフトしているというか、それに相当な人間も割いている。ただ、それ以外に、もう少し基盤整備に係るような、たぶん税制とか、そういうことが関わるんじゃないかと思うのですけれども、あるいは金融制度もそうですが、そういうことをもう少しやっていくということをしなくてはいけないんじゃないかというのは、私どもも今迷っていて、どちらかに決め切れないで、そこは宿題としていただいておきたいと思います。ただ、分科会長が整理していただいたとおり、これは確かに機構の機能としてどちらかということだと、やはりピックアップ型で、相談に応じるという、もちろん基盤を強くするというのはあるのですけれども、機構という独法のファンクションとしてはそれが中心になるのですが、 それ以外に、たぶん今の御質問は、中小企業施策がもっと中小企業全般の、全国にわたる中小企業の隅々まで、これは恐らく制度的なものが政策手段になると思うのですけれども、もっとやるべきではないかという非常に本質的な、しかし、中小企業庁でまだ余りうまく答えられていないのではないかというふうに思います。
    加護野委員
    確かに難しい問題ですが、しかし、今かなり急いでそういうことをきっちりしなければならないような状況に多くの企業が追い込まれている。しかも、深刻なのは、今までと比べて変化のスピードが速いんです。実際の変化というのは10月からですよ。10月になってから急激に受注が減ってきたんです。それから、減ったのも強いところから減っている。弱いところと取り引きしているところは、これは危ないなということで手を打っていたんだけれども、強いところは、大丈夫だと思っていたところがすごいスピードで変化が起こっているというようなことがあるので、かなりそこを強化してやらないと、本当に力を持った中小企業が今回で淘汰されてしまう危険がものすごくあるんじゃないか。
    伊丹分科会長
    でも、それは基本的に金融の機能ですよね。金融は別個に対策をとっておられるわけで、この機構にまでそういう任務を与え始めると、実は世の中はうれしがる人はたくさんいるんですが、それは国全体の政策として余り望ましくないんじゃないかと私などは思いますけどね。金融は緊急に必要ですが。
    横田参事官
    加護野先生がおっしゃった本業のリストラ支援ということからしますと、再生支援協議会というのがあって、 350名ぐらいの専門家がいてやっているのですが、やはり地域に行くとどうしても専門家が不足しているということで、機構の方に再生支援協議会の全国本部というのをつくって、まだ20名弱ぐらいの体制ですけれども、具体的な再生案件について、機構の本部から専門家を各地域に派遣してお手伝いするということで、5年間で 2,000件弱ぐらいの再生計画みたいなものをつくってきているのですけれども、病院に入院するもう少し前の段階で少し手当てをするような措置をみるべきじゃないかとか、 そこは今いろいろな議論がありまして、今日はいい宿題をいただいたと思いますので検討したいと思います。
    岸本経営支援課長
    昨年来の中小機構の行革の整理の中で、法律に基づいて全国的観点からやるものに特化すると。特に個別企業支援についてはそうするということが決まっていますので、再生に関しては来年の国会に法案をお諮りして、再生の機能の強化を図る。それから、機構の再生支援に対する強化をするということはしておりますけれども、それ以前の、経済状況は戦時ですけれども、企業の再生支援が必要な手前のところはむしろ民間でやっていただく、あるいは地方の中小企業支援でやっていただくというのが今の整理かと思います。
    伊丹分科会長
    ある意味では、この分科会もなかなか難しい課題を持っているわけで、戦時において平時のことばかり議論していていいかと。しかし、戦時においていろいろなことをやると、後でしまったということにもなりかねない。そういう難しい判断ですね。
    渡邉委員
    ただ、私が思うのは、今、名古屋のトヨタが風邪をひき始めましたよね。私などが聞いていると、電装とか、そういうのはいいですけど、その更に下のところの孫請、ひ孫請のところはやはり大変みたいですね。ですから、そういう中小企業というのは優良な中小企業だと思うけれども、それでも仕事が全くなくなってしまう。あるいは板金の、あるいは私どもだと電気関係の箱をつくっている会社とか、そういうのも2割、3割急に減ってしまったというような状況ですから、本当にこれは戦時ですよね。今までにないと言っていますね。そういう経験もしたことがないようなことが起こっているので、機構だけでなくて、とにかく中小企業庁として、そういう大変な未曽有の、オイルショックのときよりひどいと言っていますから、そういう面で中小企業の支援というのをぜひお願いしたいというふうに思っています。
    伊丹分科会長
    さて、我々は5年間の目標を今日は議論しなければいけない状況ですので、できれば機構としての5年間の中期計画の数値目標等が皆さんがお考えになる現在の状況から、その先5年の世の中の推移の想像と比して、これでいいかどうかということをぜひ御議論ください。
    加護野委員
    今の点に関わって、私は、やはりこの目標の中にX目標というのを置くべきじゃないかと思うんです。つまり今の段階で予見できないけど、中小企業の施策として極めて緊急度の高いものに関しては、法律とか政策が決める前に基盤機構が走っているという、そういう目標が1つか2つあって、基盤はただ単に役所で決まったものを実行するだけではだめなんだよというようなものを置く必要があるんじゃないかという感じがします。こういうのを政策的に置けるのかどうか難しいですけど。
    伊丹分科会長
    これは、「機動的に対応」というのが中期目標に入っておりましたが、機動的に対応するのも中小企業庁より前に動けと。
    加護野委員
    本当に中小企業政策の理想の状態を、機構がまず動いて、それから法律とか制度ができていくというのが一番理想だと思うんです。お役所が制度をつくってから動いていたのでは、大体遅いんですよ。どんどん変化のスピードが速くなっていっているし。大企業だったら待つ時間がありますけど、中小企業は待つ体力がないんですよね。だから、早く動かないと、せっかくいい施策をしてもほとんど効果がないということになっていきますから、やはりX目標方式みたいたなものが要るんじゃないかと私は思いますが。今回、そういうのをやってみたらどうですか。
    占部業務統括役
    目標の方には、そういう意味で、今、赤字で以下の1から4の課題を中心としつつ、中期目標に明記されていない新たな政策課題に対しても機動的に対応というふうに書いてございます。これを受けて計画にどう書こうかと思ったんですけれども、まさにXなものですから、プロジェクトXと書けないものですから、それはそのときで機動的に走るということで、概念としては入っています。ただ、計画の方には、やるときにはこれをやるというふうに言うべきだということで書いていないというような状況でございます。
    加護野委員
    そうですね。神戸の震災のときに聞いたのですが、アメリカにFIMAという組織があって、これは災害が起こったときに緊急に出て行くのですが、彼らがそこでやるのは、お金をばらまくんです。そうすると、必要のない者がとりあえずはたくさん出てくるんです。しかし、それよりも必要な者へ届ける方が大事だという優先順位を明確にして、必要のない人が取ってもしようがない。そのためのコストだというぐらいの認識がある。それから、倒産共済などに関しても、プロシーディアで必要のない者が取るという、これよりも後でそういうのを取り返す。取り返せないと思うのですが、後で取り返すという論理を初めからつくっておいて、早く出せるというようなシステムをつくっていくとか、何かやらないと、恐らく今のプロシーディアをちょっとずつなくしていかないと、なかなかこのスピードにはならないと思うので、ぜひ考えていただきたいと思います。
    伊丹分科会長
    加護野さんのおっしゃる趣旨は私も大変賛成するけれども、それを大きな組織として制度化していくプロセスでは、少しずつ遅くなるのが普通なんでしょうね。いい加減なことをやったら、結局、どこかで迷惑をかけているわけですよ。
    加護野委員
    アメリカの保険会社は、平時の状態から、常にこの人はすぐ払っていい人、この人は気をつけて払った方がいいとか、そういうノウハウがあるんじゃないかなと思うんです。
    占部業務統括役
    我々も、現状では慎重審査派と通常審査派とをもってやることはやっております。あと、虚偽申請したときは、入れている掛金を全部没収するとか、そういういろいろなメカニズムをやっているのですが、他方、やはり健全性を保つというところのバランスでやっているところで、そこはちょっと苦労しているところです。
    和田理事
    簡単に言いますと、制度的にすべて健全性も保ちながらすぐ貸そうと思うと、より大きな、今、10分の1しか取っていませんけど、取るというふうにしないとバランスがとれないと思います。だから、速さを追求するあまりでは回収率が下がっていいと言われれば、それはちょっと制度として成り立たなくなりますので、トヨタの改善じゃないですけど、少しでも改善できるところで、なるべく早く貸すというところはおっしゃるとおりだと思います。つまり連鎖倒産しかかっているわけですから、一日後の 1,000万円は今の 100万円よりも価値がないということはよくわかるので、そこは必死の努力はしたいと思いますが、何分にもコストをかけないと短縮できないということもあるので、コストというのは人という意味ですけれども、その辺も含めて、機構全体の人のバランスも含めて検討しなければと。
    荒牧委員
    細かい話で、今の共済の貸し付け審査の話ですけれども、資料がそろわないと云々という、もちろんそれはわかるんですけど、実際に資料が全部そろってから仮に審査を正式に受け付けたとすると、実際は何日ぐらいでできるものなんですか。
    占部業務統括役
    ちゃんとしたものであれば、それは1週間以内、たぶん5営業日ぐらいで出ると思います。具体的な数字は持っていませんけれども、通常審査については恐らくその辺で大丈夫だと思います。ただ、目標値、そういう数字を書くという議論もあるかと言ったんですけれども、それは、その数字だけがひとり歩きして誤解を招くということで、やはりトータルで、最初言ってからどれだけ出るかというのはお客さんとの関係だろうと思うので、全体で縮めるということでトライをした方がいいんじゃないかということで、期間は縮めるけれども、その辺は、自分の手元にあるのは5日間だけとか、そういう書き方はやはりやめた方がいいだろうということで、こういう書き方にさせていただいております。
    荒牧委員
    そうすると、申請者の質に大幅に左右されているわけですよね。準備しない人たちが多ければブレてしまうという感じですよね。
    和田理事
    基本的に連鎖で急にきますから、本当にパニック状態なので、急に資料をそろえるというところが、本当に第三者の金融機関とか商工会議所などがちゃんとやれるようにしてあげないとしんどいところがあるんですけど、本当に根本的な資料が欠けていると受理できませんが、戸籍係みたいに一字でも欠けているとだめみたいなことはしていないので、 一応受け付けて、これを出してくださいというと、持ち時間がどっちになるかという話なんですけど、そこも機構側の持ち時間にしましょうと。もちろん決定的なものがないとだめですけれども、そういうことで、受け付けてからというふうに、一個でも欠けていたら不受理にしたらすごく短い期間になるので、そういうことはしていないです。
    伊丹分科会長
    以上、今日は大変活発な御議論をいただきましたけれども、大まかにまとめれば、前回の第1期の中期計画の数値目標よりはなるべく高い水準を目指そうとする姿勢の中期計画の骨子案に対して、先ほどからさまざまに出ております議論をどれぐらい入れていただけるかということは中小企業庁とも御相談をしていただいて、特にプロジェクトX、X目標については、何か具体的な埋め込みの仕方があるのかどうか。あれば、いい知恵だと思いますが、ない可能性もございます。こういうふうに文章で書くぐらいしかできないのかもしれませんが文章で書いたことすら、ある意味で前進といえば前進なんでしょう。そういうことで、今日の中期計画に関する議論は終了させていただくということで、 今日出た議論を踏まえた上で、次回までに最終案をおまとめいただくというふうに機構と中小企業庁にお願いするということでよろしいでしょうか。
    ありがとうございます。
    それでは、最後の議題にまいりたいと思います。「役員の退職に係る業績勘案率について」でございます。では、事務局からお願います。
    (議題3について、事務局より説明)
    伊丹分科会長
    それでは、理事の方については、これは決算の遅延は期間外、鈴木理事長については既に自主返納等を実施されておられますし、再発防止に向けて適正な措置を講じ、その後、遅延もなく適正に処置されているということで、特に異論ないというのでよろしゅうございましょうか。
    (「結構です」と声あり)
    伊丹分科会長
    鈴木理事長は、在職期間中においては非常に御活躍、御尽力なされたので、むしろプラスをしてあげるべき側面もあるかとも思いますが、私もこの 1.0でよろしいかというふうに思います。
    それでは、この議題につきましては、事務局案のとおりにさせていただくということにいたします。
    以上で本日の審議予定の議題はすべて終了でございます。前田理事長から一言御挨拶をお願いします。
    前田理事長
    御審議、どうもありがとうございました。本日いただきました貴重な御意見は、これから私どもが中小企業庁ともよく相談をして、次回、文案にして、またこの委員会にお諮りすることになりますので、それまでに十分検討させていただきたいと思います。できるだけ反映に努力します。
    それから、今日はまたそれ以外にもいろいろな御意見をいただきまして、私どもも参考になることが大変多うございました。どうもありがとうございました。
    また、特にこの時期、先ほどらい、戦時だというお話が出ておりましたが、私もそのような気持ちでおりまして、どちらかというと、私どもは構造的なものに対応する方が多いんですけれども、気持ちはいつも何かお役に立てることがあればと戦時のつもりで常時事業を運営してまいりたいと思いますので、今日はどうもありがとうございました。
    伊丹分科会長
    それでは、事務局から連絡事項がございましたら。
    横田参事官
    スケジュールでございますけれども、今、前田理事長からもございましたように、来年の1月の下旬に機構の方で次期中期計画の原案をつくっていただきまして、中期目標と合わせて本分科会として取りまとめをさせていただきたいと考えております。その上で、経済産業省の独立行政法人評価委員会、これは2月中旬に開催が予定されておりますので、そこにお諮りするというようなスケジュールで進めさせていただきたいというふうに考えておりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
    以上でございます。
    伊丹分科会長
    それでは、以上をもちまして、第18回中小機構の分科会を終了させていただきます。ありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2009年7月17日
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