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本日の議題は、「京都メカニズムの本格活用に関する基本的考え方」についてであったところ、主な委員の発言は以下の通り。 【今回の中間とりまとめ案について】 ○京都メカニズム活用に際しては、長期的に地球規模での温室効果ガス排出量を削減することが理念として重要であり、明確にしっかり書くべき。欧州各国の京都メカニズム活用の理念は整理されている。 ←(事務局)6%の達成と長期的な温室効果ガス削減をどう位置づけるかは、根本的な問題。京都目標達成計画についても国内対策との差分についてどうするかというのが、根本的な問題意識としてある。今後、整理していきたい。 ○長期的な排出削減という理念から考えると、P8の取得の考え方にある「まずは」という言葉を取るべきではないか。 ○論点は網羅されていると認識。しかし、この中間取りまとめ案を「基本的考え方」とすると、中長期的な政府の方針を縛ることにならないかを懸念。依然として議論のある点は多いのだから、「当面の考え方」としておく必要があるのではないか。 【省エネプロジェクトの推進】 ○省エネプロジェクトを重視することは必要な視点。長期的な地球規模での温室効果ガスの削減という理念を打ち出すべきであり、その考え方からすると例えば、政府がクレジット買取を行う場合にも、省エネプロジェクトからは少々高くても買うことを打ち出すなどとしてはどうか。 ○P5に「優れた省エネ技術」とあるが、2012年でも優れた技術と言えればよいが、何を持って我が国の技術が優れているのか、例証できるように示してほしい。 ←(事務局)優れた省エネ技術についてリスト化することができないか検討したい。 【ODAの活用】 ○ODAについては、マラケシュ合意にある流用禁止規定を見直すべきではないか。そういった途上国のニーズもあると聞いている。グローバルな目的のためにODAの活用を視野に入れるべき。 ○ODA部分の文章について。P6の「追加性の立証」と「ODAの活用」についての関係が不明確。商業性の高い案件が追加性の立証が難しい。また、途上国全体としてODAの流用に反対ではないか。ODAをCDMに使うことのメッセージは、途上国にマイナスになる可能性がある。 ←(事務局)具体的事例としてエジプト・ザファラーナ風力発電所案件の動向を見ながら、更なる検討を進めていきたい。 【原子力CDM】 ○原子力CDMも認められるべき。日本の環境派が、温暖化対策のために原子力の必要性を主張するようになった。原子力が排除されている現在の制度について、日本も考えるべき。 【クレジットの価格変動】 ○市場の価格と連動して政府の買取価格が変動するのでは民間の価格変動リスクを政府に転嫁できないであろう。できれば政府の買取価格は固定価格になることが望ましい。民間の価格変動リスクを回避することを検討すべきではないか。また、プロジェクトのCDM理事会への登録リスク、2013年以降のクレジット取扱に係る不確定リスクを踏まえると、これらのリスクがプロジェクトの価値を下げるという分析ができる。2013年以降のクレジットの取扱が見えないと産業界が、事業への取組を控える結果になるのではないか。政府として何らかの形でクレジットを継続して価値あるものとして取り扱うことを記述してはどうか。 ←(事務局)政府が価格変動をどう考えたらよいのか、今後検討したい。 ←政府が価格形成についてどのように関与するのか、議論が十分ではない。価格安定化に資する制度設計は今後の課題。(黒田委員長) 【クレジット価格情報の開示】 ○政府がクレジットをどれだけ獲得したかという数量の情報とその価格情報は、基本的情報として、国民に知らせることが望ましいのではないか。 ←(事務局)数量情報、価格情報は情報開示が基本だと考えるが、企業側から価格を開示することに抵抗が出る可能性があるため、検討課題としたい。 【JIのルール】 ○JIのルールについて、既にあるCDMルールに留意しながら、JIの効率的な姿を示すべきではないか。 【クレジット取得のシナリオ】 ○市場からのクレジット調達が増えていく可能性、国内対策との関係において取得すべきクレジットの量的リスクを考慮して、それらに対応した政府のクレジット取得シナリオ及び戦略的な視点を導入すべき。 ←(事務局)シナリオの検討は行政として行うべきものと認識。本委員会の中間取りまとめに書くかは別途検討する。 【2013年以降の枠組み】 ○CDMのリスクには、2012年以降にCDMがどうなるかというリスクもある。これを何とかすることが必要。 ○将来枠組みにおけるCDMの役割をポジティブに書くべき。 ○政府の宣言により、2012年以降のCDMの価値を担保すべき。 ←(事務局) 2012年以降のCDMも含め将来枠組みのあり方については、別途の専門委員会で昨年12月に中間とりまとめが行われている。その中では、長期にわたる世界規模の削減が最も重要との認識の下、技術移転を促進する制度として、CDMを位置付け、これを発展させた新たな制度が必要との結論となっている。CDMのクレジットの需要については、この中間とりまとめでは、数値目標を補完的なコミットメントとして続けることを提案しており、また、将来枠組みの制度如何にかかわらず、EUはEU-ETSを続けることを明確にしていることから、一定の需要があると想定している。 【グリーン投資スキーム(GIS)】 ○P8に「プロジェクトベース等の意義の高いGISを進める」とあるが、本来JIでカバーできるプロジェクトはより簡素な手続きで実施できるようにすることを検討すべき。こうした意味において、GISは、プロジェクトベース以外の分野を各国と協議していくべきではないか。 ○GISについては、どこからプロジェクトを発掘すればよいか民間はわからないことが多い。早急に政府のメッセージを示す必要がある。 ○CDMが期待を負っているが、実際のクレジット供給量はそれほど多くない。そういった背景の下、GISを制度設計する場合、あまりに政府の願望を入れると、制度が縛られて使いにくくなる。政府の制度は、①予算を組んで調達する、②相手国政府と制度インフラを構築する、③民間事業者の取組支援の3点がある。GISの制度設計自体をどうするか。私見だが、日本は目標達成が難しいと考えている。そうした観点からGISをプロジェクトベースに限定する必要はないのではないか。 ○GISについては、民間事業者の期待も高い。JIと同じようなものだと、ホスト国が受け入れたがらない。ひとつGISが制度設計できれば、流れができる。そのため、まずは制度を作り上げることが重要ではないか。 ←(事務局)議定書遵守の観点からは、どのクレジットも同じ意味を持つ。しかし、CDM、JI、GIS、ホットエアでは地球規模の温暖化防止効果が異なる。本審議会では、CDM/JI/GIS/ホットエアのクレジットの扱いが同じにならないとのコンセンサスがあるもの認識している。 ←(事務局)将来EUに加盟する国では、トラック1になるプロジェクトであればEU―ETSと競合する。そのため、柔軟な設計が可能なGISを検討していきたい。GISにおいて、プロジェクトベースの長期的な削減効果を見込んで、省エネが含まれるような制度設計を考えていきたい。中間とりまとめ案では、まだ、GISについて制度が立ち上がっていないため、「まずは」プロジェクトベースで制度を作りあげるという意味での記述としている。 【購入方法】 ○P5では先払いを示していながら、P9では後払いが主流とされている。前払いと後払いをどう活用するのか書かれていない。前払いのリスクを回避しながら、クレジットを取得することが重要。その際に相手国の信用力だけではなく、保険など制度的な手法を活用しながら、前払いを活用するべきではないか。前払いのニーズは民間にもあるため、民間にも利用できる制度が望ましい。 【CDM運用改善】 ○CDMを活用する立場から述べると、省エネ活用やCDM手続きの簡素化をしていただきたい。民間事業者に対する政府の支援を打ち出すことが重要。また、民間事業者のクレジット取得量が余剰になった場合の売却可能性を示してもらいたい。そこが安定しないと、民間事業者はCDM活用に躊躇してしまう。価格安定化のための施策を期待。 【各国政府のクレジット買取制度】 ○オランダ政府のクレジット買取制度であるCERUPTでは、省エネを高く買うという指針がある。 ○オランダ、スペインの京都メカニズム活用の現状をしっかり書いてほしい。 【政府の買取制度における対象クレジット】 ○政府がクレジットを買うという点については、世界のどこからでもよいという点を確認したい。理念に関わるが、地球規模での長期的な温室効果ガス削減が一番重要であり、その観点からはクレジットをどこから買うのかを限らないことが重要。 ○政府の買取制度については、環境問題に資することが重要というメッセージが含まれる一方で、効率的及び戦略的であることが重要。日本の民間事業者との関係で、政府がどういう対応を取るかということを示す必要がある。 |