経済産業省
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計量行政審議会計量制度検討小委員会第3WG(平成17年度第10回) 議事録

平成19年2月7日(水)

吉田知的基盤課長

本日は、ご多忙のところ、ご出席いただきまして、ありがとうございます。知的基盤課長の吉田でございます。

ただいまから、計量行政審議会計量制度検討小委員会第3ワーキンググループ第10回会合を開会させていただきます。

審議に入ります前に、委員の交代及び新任の報告をさせていただきます。

まず、委員の交代でございますが、山領委員のご後任として、社団法人日本計量振興協会認定事業者部会幹事の渡部新一委員でございます。渡部委員、ごあいさつをお願いいたします。

渡部委員

日本計量振興協会認定事業者部会幹事の渡部でございます。今回から第3ワーキンググループに参加させていただきます。どうぞよろしくお願いします。

簡単に経歴を申し上げますと、質量計のビジネスに携わりまして、約40年を超えております。直近は営業活動を担当しておりますけれども、40年間、技術サービス関係を担当して参りました。この間、10年ほど前に、分銅のJCSS認定に経営者兼品質管理者として挑戦して、おかげさまで認定を取得しております。また、おかげさまでIAJapanの審査員にも加えていただきまして、現在は、質量計をご使用中のお客様に質量関係のセミナーを行いまして、JCSS制度の普及に及ばずながら努めております。

昨年末に、第3ワーキンググループのこれまでのご活動の経緯を説明いただきまして、早速、1月11日には、認定事業者部会の幹事会を開催しまして、幹事会の意見をまとめまして今回の会に臨んでおります。

未熟ではございますけれども、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

吉田知的基盤課長

続きまして、2名の新任の委員を紹介いたします。

まず、大阪府計量検定所所長藤本克己委員でございます。藤本様、ごあいさつをお願いいたします。

藤本委員

大阪府計量検定所所長の藤本でございます。浅学非才ではございますが、計量行政と計量制度に多少なりとも貢献したいと頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。

吉田知的基盤課長

続きまして、日本計量証明事業協会連合会会長宮下良雄委員でございます。

宮下委員

ただいまご紹介いただきました日本計量証明事業協会連合会会長の宮下でございます。

私どもの業界の態様を若干ご説明させていただきますと、27の都道府県にそれぞれ計量証明事業協会がございます。それらが会員となっていまして、そのもとに1,664社、実際に実業をやられている会社が構成会員として参加されています。業態としましては、非常に小さい業態から大規模な業態までいろいろございます。

今回初めて、第10回のワーキングから参画ということで、私どもの計量証明事業に関係するものがメーンのテーマになってきたということでお呼び出しがかかったのかなと思っております。

浅学ではございますけれども、業界とこちらの審議会等のパイプ役を果たさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

吉田知的基盤課長

また、本日は、中野委員、本多委員からご欠席の連絡を賜っております。なお、中野委員の代理として小島科長がご出席でございます。

それでは、以降の議事進行は、今井座長にお願いいたします。

今井座長

座長を承っております今井でございます。間が大分あきましたけれども、本日、第10回目ということで、よろしくお願いいたします。

まず、本日、オブザーバーとしてご参画いただく方をご紹介させていただきます。環境省総合環境政策局総務課環境研究技術室の室石室長様でいらっしゃいます。室石様、よろしくお願いいたします。ごあいさついただければと思います。

室石環境省環境研究技術室長

環境省環境研究技術室長の室石でございます。環境分野は計量関係と関係が深いということで、きょう、オブザーバーとしてお招きいただきまして、大変ありがとうございます。環境モニタリング、大防法なり水濁法の排出規制にしても計量とかかわることが多いものですから、きょうはよろしくお願いいたします。

今井座長

どうぞよろしくお願いいたします。特に環境証明事業の信頼性等に関しまして議論が大分出ておりますので、議論の中にご参画いただければと思います。

それでは、議題に入らせていただきます。

本日は、これまでの進捗状況を報告いただいたり、ご存じのようにパブリックコメントをいただいたりしておりますので、その辺について、大きく3点に分けてご説明とご審議いただきたいと思います。

第1点目といたしましては、先日来行っていただきましたパブリックコメントと地方説明会で承った意見の紹介でございます。

第2点は、これらの意見を踏まえた中で新しい課題が出てまいりましたので、それに対して事務局より問題提起をさせていただき、ご審議いただきたいと存じます。

第3点は、昨年5月までに報告書をまとめていただいたわけでございますけれども、その中の提言について、その後の進捗状況を事務局より報告していただきたいと思います。

なお、最初に申し上げておきますが、この会合及び議事録につきましては、今までと同様、公開とさせていただきますので、ご承知おきいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

本日、経済産業省の松本審議官にご出席いただいておりますので、ごあいさつをお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

松本審議官

ただいまご紹介いただきました松本でございます。

先ほど座長からもお話がありましたように、昨年、第3ワーキンググループでご審議いただいた事項については、その後、小委員会で、他のワーキンググループのものと一緒になって、報告書としてまとめられたところでございます。

その後、パブリックコメント、また、計量制度は我が国社会等の基礎になり、影響が非常に大きいということで、8月から11月にかけて地方説明会をやらせていただきました。そこでいろいろなご意見をいただきましたが、その中に、報告書と別途、新たな課題としてご審議いただいた方がよかろうというものが幾つかございまして、そういったことから、私ども、今開かれている国会に計量法の改正を出そうと思っていたのですが、いたさないことにいたしたわけでございます。

そういうことで、きょうは、先ほど座長からもお話がありましたように、地方説明会等で出ました新たな課題等について、こちらからご説明し、ご審議いただくととともに、昨年来の進捗状況について、当方からご説明させていただきたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

今井座長

それでは、議事次第に従いまして議題に入らせていただきます。

議題として1、2、3、4とありまして、4は「その他」でございますけれども、まず初めに、第1の議題の「パブリックコメント・地方説明会における意見の紹介」と、第2の議題のうち、「計量証明事業の信頼性の担保」を事務局から続けて説明された後、これに関して、杉山委員からご意見をいただいておりますので、ご発表いただき、その後、質疑の時間をとりたいと思います。

それでは、事務局の西本課長補佐からお願いいたします。

西本知的基盤課長補佐

それでは、まず、資料1から説明させていただきます。資料1は、昨年の5月から6月にかけてパブリックコメント、また、8月から11月にかけて、各経済産業局ブロックで開催された地方説明会、その他の関係機関との質疑で出ました質問・意見等をまとめたものでございます。詳細については割愛させていただきますけれども、詳細なものとして、先ほどご紹介しました参考資料1から4を添付しております。それらをまとめたものが資料1でございますので、それを紹介させていただきます。

まず、「計量標準関係」につきましては、国家計量標準の整備は、鉄鋼連盟による計量標準整備など、民間の努力に悪影響が及ばないように運用されるべきという意見がございました。

2番として「計量トレーサビリティ(JCSS)制度関係」につきましては、制度の普及を促進すべき。この中には、メニューを豊富にする、料金を安くする、使いやすいサービスということがございました。また、JCSSが求める校正・不確かさを用いた計量と、基準器検査など法定計量制度が求める検査・検定との関係について明確にすべきということで、これらの点につきましては、本日の議題として検討していただくものでございます。

「計量証明事業」につきましてのご意見としましては、計量証明の信頼性を担保すべき。また、クロスチェック等々の利用が考えられないかという点がございまして、本日の議題として検討していただくものでございます。また、行政処分や罰則を強化すべきではなかろうか、その手数料を見直すべきではなかろうかといった点がございました。

「全体」としましては、広報に力を入れたらどうか。国際基準、ISO/IEC17025を使うのであれば、ほかのものも一括してとれるようにすべきではなかろうか。特定計量証明としては、各省庁が決めた基準があるので、それらを統一すべきではなかろうかといった意見がございました。

これらの意見を踏まえて、本日の議題の1つでございますけれども、資料2の説明を引き続きさせていただきます。これは「計量証明事業の信頼性の担保」でございます。

先ほどご紹介しましたけれども、「パブリックコメント・地方説明会での意見」としましては、地方公共団体の入札による計量の外注先で、モラル低下によるずさんな計量が散見されるという問題提起がございました。みずから外注先の計量をチェックするか、チェックできないのであれば、外部機関にチェックさせることが必要ではなかろうか。ただ、外部機関に依頼する場合も、入札で選定するといった問題があるので、もう少し追加したISO/IEC17025、国際基準のようなものを求めてはどうかという意見がございました。

このWGで検討していただきたい点としましては、入札による計量の外注先でモラル低下が散見されるのはなぜかということ。その点について、だれが責任を負うべきか。計量制度で貢献できることはあるのだろうかということ。また、計量制度の中に特定計量証明事業(MLAP)がありますが、その拡張は、これにこたえる改善の道具となるのだろうかといったところをご検討いただきたいと思います。

「検討の意義・必要性」でございますけれども、(2)の方からでございます。環境部門の濃度の計量に係る委託に関して、計量証明事業者のモラルや、品質・能力についての懸念が表明されている。また、資源ごみ買い取り部門に係る質量の計量に関して、不正により刑事訴追された事例があるということで、別添の資料といたしまして、「広報文」と書かれた資料がございます。これは、資源ごみの回収のときの不正のもの。その次の栃木県計量検定所さんからいただいた情報を紹介させていただきますが、このような事例がございます。

このような問題を解決する一つの方法ということでご提案があったものでございますけれども、地方公共団体から計量証明事業者に委託した計量の一部について、無作為に別の事業者に二重に計量させて、結果を比較するといったサンプリングによるクロスチェックが考えられるのではなかろうかということ。この場合、信頼性の高い事業者から選ぶという話がございますが、特定計量証明事業者の範囲を、極微量の濃度の分析から拡張して行ってはどうかということで、その次の資料として図をつけております。2段になっている資料で、上の方の図1で示しております。

現在の制度では、特定計量証明事業は、計量証明事業のうちのダイオキシンと、DDTと書かれているところの範囲だけやっておりますが、その他の方、長さ等、一般の計量証明の分野まで拡張することが考えられないか。拡張して、それを利用することが考えられないかということでございます。クロスチェックとか、立入検査のとき、補助的な形で技術的なチェックをさせることができないかということでございます。

ただ、現在でも可能な話としまして、3ページの4番から、実は現行制度でもできることがあるという紹介をしております。これは、先ほどの図の下の方で出てきておりますので、図だけでご説明したいと思います。

既存の制度として、民間で任意でやっているもので、ISO9001を使った品質マネジメントシステムや、試験所認定の制度であるISO/IEC17025といった制度があるので、現在とれる手段として、これを利用して、立入検査、クロスチェックに使うという方法もあるということです。

それらはどういう関係があるかということで、「クロスチェックを行う者が持つべき資格」という比較表をつけております。クロスチェックをやろうとしたときには、先ほど紹介した3つぐらいのものがあるのではなかろうかと考えられますが、それぞれを比較すると、業務遂行のマネジメントの確認はすべて行っているのではなかろうかということです。技術力に注目すると、試験所認定を確認しているISO/IEC17025の認定または拡張された、先ほど図1でみていただいたものが妥当ということですが、これは認定区分の分類と必ずしも一致しない部分を考えれば、区分に対応するには拡張されたものが必要ということになります。ただ、「利用容易性」を表の一番下の欄に設けておりますが、利用という点では9001に軍配が上がるかなと考えております。

以上のような形で、いろいろな手段があるのだろうけれどもということで、先ほどの1ページのような形での論点についてご検討いただければと思います。

今井座長

ありがとうございました。

ただいま、パブリックコメント等のまとめと新たな問題点ということでご説明いただきましたが、関連して、杉山委員から、ご提出いただいた資料2-2に基づいて、ご説明をお願いいたします。

杉山委員

私から、資料2-2の「『計量証明事業の信頼性の担保』に関する意見」ということで述べさせていただきます。

この意見につきましては、私どもの計量証明を行っている部署の者から意見として上がりまして、それをまとめたものです。

1番目の「環境計量全般について」ですけれども、環境部門の濃度に係る計量の外注先でモラルの低下が散見される点については、価格の低下による採算割れでも落札せざるを得ない状況があり、精度管理等に十分に対応していられない事態が起こっているのではないかということです。価格の低下が起きた結果、良識ある業者も、入札参加のための受注実績をつくるためには、採算割れでも受注・落札せざるを得ない状況になっているということを聞いております。これを防止するには、発注者側も適切な金額を把握した上での契約、例えば、できるかどうかわかりませんけれども、入札金額に足切りを導入するなどの方法が必要ではないかということです。それと同時に、以下に示します、登録(または認定)制度の運用等の充実が必要かと思います。

2番目の「資料2.1.(3)について」ですけれども、(1)として、サンプリングによるクロスチェックによって計量の品質を確認する方法も一つの手段ですが、この場合、どこまで許容差をもたせるか、クロスチェックの試料の均質性はどうするか、比較試験機関を計量証明事業者だけの基準で選ぶのがよいかとかいろいろな問題がありますので、これらを検討する場が必要ではないかということです。

(2)として、地方公共団体の立入検査は重要だと思います。ただ、専門家をどうするかについては、例えば、きょう、環境省の方がいらっしゃっていますけれども、環境Gメンのような制度をつくって対応している事例があります。このような専門家を登録して活用できるように考えてはどうかということです。環境省の活用例としては、例えば悪臭トラブル等の仲介役や環境報告書の説明者など、専門家が活躍しているといったお話を伺っております。

(3)として、「委託先である計量証明事業者に信頼に足る計量を行わせることは、基本的には発注者の責務であり、」とありますけれども、特定計量証明事業者も含めた計量証明事業者の登録(または認定)制度があります。その登録業者から発注先を選ぶ場合に、発注者に責任があるということですが、その制度が完全であれば、レベルやモラルの低下は許されないのではないかということです。制度が完全に運用されていないということも原因の1つかもしれないということです。

3番目の「資料2.3.(3)」ですけれども、技能試験については、3.(3)の後段の括弧内に記述されているような問題点があるということで、責任を重くするとチャンピオンだけの提出になってしまうといった問題がありますので、即処罰ではなく、教育指導的な手段の後、再発がみられる場合には処罰するといった段階を踏んでみてはどうかということです。これは、MLAPでは、教育訓練を行う制度になっておりますけれども、機能していないと思います。この制度は、技能試験で不適合になった事業者に対する教育訓練のことをいっております。

以上ですけれども、結論的にお話ししますと、専門家のデータ検証と立ち入りの強化が必要ではないか。また、受け取ったデータの評価ができる体制を整備しなければいけない。これは発注者側の問題になると思いますけれども、その体制が必要ではないかなということです。また、発注者側は、MLAPの認定をとっているから間違いないと信じておりますので、この辺のものをきちんと整備する上でも、審査をどれだけ厳格にするかというあたりの検討がさらに必要ではないかということです。

今井座長

杉山委員、どうもありがとうございました。

議題1の「パブリックコメント・地方説明会について」の意見の聴取概要、それに対する問題提起、一部でございますけれども、解決策の提示、議題2の「新規課題の問題提起について」の中で出てまいりました一つの課題として、「計量証明事業の信頼性の担保」。それについて、ただいま杉山委員から資料2-2についてご説明いただいたわけでございます。

パブリックコメントと地方説明会、特に地方説明会は、資料1の2ページ目にございますように、全部で8ブロック、延べ2,000人近くお集まりいただいて、説明していただいている。大変なご尽力だったと思います。

その中で、資料1の全体のまとめといった中で示されておりますけれども、計量証明事業の問題点と、技術的な点をどうチェックするかということ、また、この場だけではなくて、計量制度検討小委員会、親委員会等でも再三出されておりますが、まだまだ広報が足りないということがご意見として上がっているようでございます。関係の方々、どういうところでどういうことが議論されていて、どういう課題が提起され、どういう部分が解決されているかといったこともぜひ広報していただきたいと思います。

それでは、問題がかなり多岐にわたっておりますけれども、ただいまの資料1、2及び附属の図と資料2-2に関連してご審議いただきたいと思います。どうぞご意見等お願いいたします。

宮下委員

日計証連の宮下です。資料1の「3.計量証明事業」の1行目から2行目にかけて、「特に、地方公共団体が発注し、入札で計量証明事業者が受注している計量について、」というくだりがございますけれども、特定計量、あるいは一般計量証明事業者として登録されている事業者がこういったことを行っていたのか、登録されていない事業者もあったのかということを確認させていただきたいと思います。

吉田知的基盤課長

環境計量につきましては、計量証明事業者でない者に発注するのは違反ですので、ごく例外的な違反事例を除きましては、計量証明事業、あるいはダイオキシンなどMLAPが必要なものについては、特定計量証明事業をもっている方への発注だと思われます。

資源ごみの重さをはかるものにつきましては、都道府県が資源ごみを買い取るとか奨励金を出す契約のやり方によりまして、計量証明事業の方に質量の計量をお願いしなければ計量法の違反になるケースと、必ずしもそうとはいえないケースがあるようでございます。そういう意味で、資源ごみの買い取りなり奨励金については、すべてが計量証明事業者の計量というわけではないと思います。

また、資料2の参考資料でつけております「広報文」は、港北警察署からいただいているものでございますけれども、これの2枚目の下線が引いてあるところをみますと、計量証明事業者がやったというよりも、その他の方が架空の計量証明書を作成したと書いてございます。

したがいまして、ご質問に回答しますと、計量証明事業者、あるいは特定計量証明事業者がやっているケースもあれば、そうでないケースもある。また、法律上、計量証明事業者または特定計量証明事業者でないとやってはいけないというケースもあれば、そうでない資源ごみ関係の契約の形態もある。そういうのが実態でございます。

今井座長

実態としては、幾つかの形態があるということのようですが、よろしいですか。

宮下委員

ありがとうございました。わかりました。

今井座長

ほかにご質問・ご意見等ございましたらどうぞお願いいたします。

久保田委員

環境計量証明について、2点ほどお話しさせていただきます。

まず1点は、クロスチェックの導入ということですが、これは、計量の品質を確認する方法として、確かにいい方法だと思います。ただ、先ほどのご意見にもありましたように、許容差をどこまでもたせるかというのは一つの議論を要するところではないかと思います。

それと絡めて、従来、環境分析、環境計測の分野では、サンプルの量が限られている、あるいは測定に非常に手数がかかるという実態からして、不確かさが導入されておりません。ですから、急に導入することは難しいと思いますけれども、少なくともクロスチェック等においては、国際的な動向に合わせて、不確かさを導入することを検討してみたらいかがかと思います。それによって、不確かさの範囲内で一致するかどうかということを一つの判定の基準にできるのではないかと思いますので、ご検討をお願いしたいと思います。

2点目は、従来のMLAP絡みの任意の部分を、新たに環境計量証明事業等に範囲を広げることは、ISO/IEC17025を基礎にするという意味でも非常によい方向であると思います。また、それを任意に設けるという点で、まさにISO/IEC17025の精神に合致しているものと思います。

ただし、これを導入するに当たり、従来どおり、計量士の設置を求めていますので、試験所側からみた場合に、過度の負担にならないような配慮が必要ではないかということと、従来から、試験所側にとってはISO/IEC17025取得のメリットが余りみえないという点がございますので、発注者に対する行政指導等、モラルの低下を防ぐという意味も含めて、適切な運用のあり方を検討することによって、この制度が普及するように考えていただければと思います。

今井座長

貴重なご意見、ありがとうございます。

吉田知的基盤課長

ご指摘の点は、一つ一つそのとおりだと思います。また、仮にこの議論が一定の方向をもって進むことになった場合に、詳細な実務的な検討がそれぞれに必要になってくるという点につきましてもご指摘のとおりだと思いますので、このワーキンググループでの方向性を確認しながら、実務的な検討もあわせてやっていきたいと考えております。

宮下委員

1つご提案をさせていただきたいと思うのです。資料2の「第3WGの論点」というところで4項目ほどございます。ここでいろいろご提案されていますけれども、先ほど伺っていまして、地方自治体等が未登録の事業者に仕事を発注して、問題が発生したケースもあったということから、地方自治体、公的機関が計量証明事業者に仕事を発注していくということによって初めて、計量証明事業者に対して、いろいろ縛りを入れることが有効性をもってくる。未登録の業者に発注ということをそのまま置いておきますと、計量証明事業者に対する縛りといいますか、規制をいろいろかけていってもしり抜けになってしまうということから、大前提として、登録証明事業者に仕事の発注をしていくことによって、そういった制度の確立を図っていくということをまず提案させていただきたいと思います。

クロスチェックの問題ですけれども、一般計量証明の業界では、トラックスケールという大型はかりをもって運用しているのが圧倒的多数です。そういった中で、40トン、50トンというはかりの精度検査、今は証明検査ということでやられているわけですけれども、JCSSの校正分銅を使って校正をかけるといった運用をしたときに、果たして経済的に成り立つのかどうかというところは、これからその仕組みを考えるときに、ひとつ配慮といいますか、検討の対象にしていただきたいという要望です。

ちなみに、今現在は、基準器で証明検査をやる場合には、秤量の大体5分の3、50トンでしたら30トンの分銅、1トン分銅を30個もっていってやるということになりますけれども、JCSSとなりますと、50トンをもっていってやらなければいけなくなってくるということから、では、どういう形で経済的に、なおかつ信頼性を確保するかというところをこれから十分議論していただいて、我々証明事業者が、よし、それだったらこの認定を受けてやっていこうという方向に進むような仕組みづくりをぜひお願いしたいと思います。

今井座長

具体的なご意見、ありがとうございます。

吉田知的基盤課長

宮下委員が指摘された最初の点は、ケースによっては計量法違反であるということでもありますので、そういったことがないように運用していくことは当然の責務だと考えております。それにつきましては、今後とも、既存の組織などがございますので、そこで徹底させていきたいと考えております。

クロスチェックにつきましては、濃度の方では一定のやり方があるようですけれども、質量の方では難しいのではないかということで、それぞれの具体的な分野において、実務的に運用をどうしていくかということについて、もしこのワーキンググループなり小委員会で一定の方向が出ましたら、検討を進めていきたいと思っております。また、業界団体や事業者の方とよく相談して進めてまいりたいと考えております。

今井座長

宮下委員、そういうことでよろしいでしょうか。

宮下委員

はい、結構です。ありがとうございました。

芝田委員

クロスチェックの導入の検討は大変結構だと思うのですが、実際にどういう方法でやるのかということで幾つか提案がありまして、特定計量証明事業を拡張するというのと、現行法の中で対応するというのが表で示されています。「利用容易性」のところは〇と△になっておりまして、ここのところの差はどのように判断したらいいのかなと。この△は、実際にやろうとしたらかなり難しい△なのか、それとも努力次第、知恵次第で何とかなるものなのかというのをお聞きしたいのです。

吉田知的基盤課長

まず、「利用容易性」の◎、〇、△のところを申し上げますと、ISO9001ですと、とっている方が非常にたくさんいらっしゃいますので、例えば自治体から発注する場合に、入札の候補者が非常にふえるというのがメリットでございまして、それが◎という意味です。ISO9001ほどではありませんが、ISO/IEC17025も民間でたくさんとっておられる方がいらっしゃいますので、そういう点ではよろしいのですが、先ほどの図1、2というところをみていただきますと、計量証明事業につきましては、長さ、質量、面積、音圧レベル、濃度といった区分がございまして、これは法律・政令・省令といった体系の中で決まっているものでありますけれども、一般の民間のISO/IEC17025の場合には、このような区分でとっているのではなくて、技術や計測法といったところでとっていらっしゃる方が多いのではないかと思います。そういう意味で、自治体から発注するときに、濃度についての計量証明事業の資格をとっているということであれば、それはそれで安心なのですが、ISO/IEC17025をとっているとおっしゃっても、何をとっているかを確認しなければといけないということがあるのだろうと思います。その点については、詳しい方に補足していただければと思います。

真ん中の欄の「技術力の確認」については、特定計量証明事業を拡張した制度でありましたら、自治体の発注者の方は非常に単純に確認できるけれども、ISO/IEC17025の場合には、一つ一つ聞いて、何についてとっているのかということを確認しなければいけないのではないか。そういう意味で〇にしております。

もし補足がございましたらお願いいたします。

今井座長

ありがとうございました。どなたか加えていただけますか。

瀬田委員

これは認定制度のいいところの宣伝になるのですけれども、認定機関の義務として、認定した相手のスコープについて、どこで書くかということがございまして、現在、試験所関係ですと国内に4つの認定機関がございまして、いずれもそのウェブ上で、だれを何で認定しているということをみることができます。そういう意味でいいますと、だれが認定したかだけわかれば、そこのウェブで確認はできる。ただ、そうは申しましても、海外の認定機関にお世話になっている日本の試験所がございまして、この場合は、英語のウェブとかをのぞかないとわからないといった問題がございます。

今井座長

ありがとうございました。

状況をご存じの方、さらにつけ加えてご説明いただければと思います。

芝田委員、今のようなことでよろしいですか。

芝田委員

吉田さんにお伺いしたいのですが、特定計量証明事業の拡張ということの実現は実際に容易なのかどうか。実際に、では、こうしましょうとやった場合、障害があるのかどうかというのをお伺いしたいのです。

吉田知的基盤課長

その場合、法律の改正が必要になると思います。といいますのは、極めて微量の量をはかることは難しいので、計量証明事業のほかに、特定計量証明事業があると法律に書いてありますが、今回のクロスチェックのような場合ですと、必ずしも極めて微量の量ということではなくて、質量なども含めるということになります。そうしますと計量法の改正が必要になります。法律改正が必要ということで、その場合には、閣議決定して、政府の案として国会に提出して、国会でご審議することが必要になってまいります。そういう意味で、「利用容易性」のところは△にしまして、法律の改正が必要としてございます。

芝田委員

今、ある面で、法改正を前提とした審議をやっているということですね。

吉田知的基盤課長

そうです。

芝田委員

わかりました。

今井座長

今、全体で議論した中で、法改正に向けて、具体的にどのような問題点を挙げていくかという中に、さらにこれが加わるのだと思うのですね。

ほかにいかがでしょうか。はい、どうぞ忌憚のないご意見をお願いいたします。

室石環境省環境研究技術室長

ありがとうございます。では、ご発言の機会をいただけたということで、幾つか説明いたしたいと思います。

私ども環境研究技術室は、実をいうと、地方の環境研究所の窓口もやっておりまして、都道府県や大きな市町村で環境研究所を設置している場合、そういうところの協議会とおつき合いがございます。

環境計量といっても非常にたくさん種類があるということを専門家の前で申し上げるのは恐縮なのですが、地方公共団体が、企業などが排出するものをはかるのを外注する場合、地方公共団体自身が環境モニタリングとしてはかる場合、立入検査をしたときに、業者の工場からの排水などをはかる場合とかいろいろな種類がありますので、それぞれによって地方公共団体の立場やスタンスも変わってくると思うのです。

そういう前提を申し上げた上で、協議会から私どもがふだん伺っている感じでは、研究所は、精度管理などは割ときちんとやってきていると。では、どうして事件が起きているのですかという話なのですが、例えば、今回の参考資料1の15ページに(1)と(2)とあります。この意見はどなたから出てきたか、私、わからないのですけれども、15ページの(1)は、計量法のもとで能力・品質が審査されていて、登録制度は信頼されていると。(2)は、発注者責務について、もしそのようなことであれば、明確に広報する必要があるのではないかと。これは、裏を返せば、計量法できちっとやっていただいているわけだから、計量証明事業者の数値は当然信頼すべきものだと通常思われているということだと思いますので、結果的にどうなっているかというと、地方公共団体の財務部門や総務部門では、もう人は要らないだろう、中央環境研究所などで精度管理をしていく必要性もないのではないか、その測定に関しても外任せにしていく方が、人減らしにもなるし、いいのではないかという認識につながって、あるいは地方公共団体ご自身の認識が間違って、そういう事件が起きているのかなとも思えるわけでして、自前で精度管理を実施することがまず原則なのではないかなと思えるわけです。ですから、申し上げたいのは、実態がこうだからといって、対処療法的な案をいきなり出されてしまうと世間に誤解が生じてしまうのではないかと。

というのは、この資料にも、発注者責任はどこにあるかというのを常にただし書きでいろいろ書かれてらっしゃいますね。例えば直罰規程が水濁法なり大防法にあるわけでして、実際、地方公共団体が罰則をかける測定をだれがするのかということがあるわけですね。例えば、それを外部にゆだねてしまって、その機関が間違った値を出してしまった。それが証明事業者だったとして、直罰を受けそうになった企業が慌てて、自分でもう一回はかり直してみた。そしたらまた違う値が出てしまった。裁判で争いになったときに、都道府県側としては、ちゃんとした証明事業者に頼んでいるのだから、この判断に間違いはないと主張されると思うのですが、発注者責務のただし書きをみておりますと、例えば賠償みたいな話になったときに、計量証明機関の方にそれを受けてもらえるとはとても思えなくて、計量証明機関の方は、あくまで直罰を下した地方公共団体の責任だとおっしゃられるだろうし、計量法を所管されている経済産業省さんも多分そうおっしゃられるだろう。という関係にあるとすると、直罰規程を適用するような部分について、地方公共団体が最終責任を負わなければいけないという認識のもとで、最後の守るべきところ、つまり、自治体として、計量部門に対する自分自身の能力をどこまで保っていくかという判断があるのだと思うのですね。

そのときに、誤解を恐れずにあえてわかりやすくいえば、アビリティーは保たなければいけないけれども、公務員をどんどん削っていく中で、キャパシティーが不足しているという状態はどんどん出てくるでしょうから、キャパシティーを補うという意味で、例えば精度管理を支援する仕組みをつくっていくといった話はあるのでしょうが、そもそも地方公共団体にアビリティーがないことを前提に、あるいは、なくていいのだから、そこを補っていきましょうというのは議論が早過ぎるのではないかというか、後先が違うのではないかという気がいたします。

これが正しいかどうかはありますが、もうちょっとわかりやすくいうと、「発注者責任」という言葉は、非常に一般用語で、誤解を生じやすい言葉だと思うのですね。例えば、この間、マンションの偽装事件がありましたけれども、あれも、販売建設会社の方は、建築士に任せているということで、自分たちは専門家でないのだから、建築士の方に責任があると主張していて、結果的に、今行われている裁判だと、どうも建築士さんの責任になりそうだと思うのですが、そういう場合の発注者責任、つまり、単なる委託関係の発注者責任と、大防法なり水濁法を背負っている機関が、地方公共団体が発注する場合の発注者責任をどこまで読んでいっているのか。慎重に言葉の意味を考えてやっていかなければいけない部分があるのかなと思います。

ただ、こういう事件・事故が起きているのは間違いない事実でして、計量の分野から支援していただけるというのは非常にありがたい話だと思っておりますので、ぜひご審議を続けていただければと思います。

今井座長

ご意見、どうもありがとうございます。具体的に発生していることは事実でして、ただいまご指摘いただいたような組織の問題、技術の問題、もう一つ、モラルの問題があると思います。その辺の絡みで、非常に難しい点ではありますけれども、具体的に解決していかなければならない課題ですので、引き続き検討を進めていく必要があると思います。

指名して恐縮ですけれども、この周辺のことを全体的にご存じの田畑委員、何かご意見がございましたらお願いいたします。

田畑委員

私も、クロスチェックの問題については非常に悩ましいところなのですけれども、幅広く捉えたいと考えております。最終データは、組織というよりも、個人の能力差によるところが大きいのではないかと思います。

クロスチェックをやる場合に、では測定分析値や測定全体の履歴をどの程度のクロスチェックをやればいいのかといったことがございます。日環協では技術者の能力を上げることに重点的に取り組んでおりまして、個人の能力の資格制度を取り入れるといった取り組みをしています。

ここにはございませんけれども、クロスチェックを行う場合、どこにどのような料金でどこが負担するのかという問題もございますので、それもあわせて考えておかなければいけないかなと思います。

今井座長

ありがとうございました。教育の問題も含めて、個人の問題、組織の問題、いろいろあると思います。これもお金、時間、人の手当て、いろいろあると思いますけれども、これまでに議論した課題の中に入っていたと思います。

話題が環境計量の技術的なことにも入ってきておりますので、ご専門が近いという意味で、指名して恐縮ですけれども、松本委員、感想でも結構ですから、どうぞ。

松本委員

私どもの組織の中では、一部、環境計量証明事業と、MLAPを受けてダイオキシン等の測定もやっております。

今ご意見がございましたように、個人の教育が重要だと思いますけれども、今、MLAPは、認定の基準としてISO/IEC17025を採用していると思います。ただ、一般の環境計量証明事業者は、ISO/IEC17025はまだ適用されていないと思いますけれども、教育というと、例えばISO/IEC17025でありますと教育訓練規程をつくるようになっておりまして、1年生からその仕事をやれるわけではなくて、内部で資格を認定された者がやるとなっております。そういう意味で、一般環境計量であれば、そういったところも早急にISO/IEC17025を認定の基準として採用するのがよろしいかと思います。

今井座長

ありがとうございました。

伊藤委員

ダイオキシンの分析のときに、モラルの低下、あるいはデータの整合性が非常に悪いということで、MLAPという法律をつくったわけですけれども、MLAPを制定した後、ダイオキシンの分析で、きちっとしたいいデータが得られたかどうかということを質問したいと思っています。

もう一つは、私も昔はやっていたのですけれども、杉山委員の資料2-2の1番の「環境計量全般について」に書いてあるように、機械を遊ばせておくわけにいかないから、採算割れでも受注するといったバックグラウンドがあるのではないかということで、こういうものをきちっと守っていくためには、どういう法律がいいか、私はちょっとわかりませんが、法律を少し厳しくするといったことも必要ではないかと、私自身、感じる次第でございます。

今井座長

ありがとうございました。

吉田知的基盤課長

まず、ダイオキシンのデータにつきまして、MLAPの導入の後、よくなっているかというご質問ですけれども、データをとる能力のよしあしと、MLAPやISO/IEC17025などはかなり重複するところがあるのでしょうが、技能という点では、全部をISOのマネジメント規格でみられるわけではないという点はご指摘のとおりだと思います。

ただ、MLAPなりISO/IEC17025のようにマネジメントの規格がしっかりしておりますと、例えばどこで不正が起こったのかとか、だれがやったのかとか、不正が起こったときに、どの手順で違反しているのを見逃したから、不正が見逃されてしまったのかとか、悪いところを後でみつけやすいということはいえると思います。

そういったことはありますけれども、では、それをもっていないところは腕が悪いのかというと、そんなことはありませんし、とったところは腕がいいのかというと、それも必ずしも真ではありません。そういう点があるということはご指摘のとおりだと思いますけれども、長い間、大量のデータをとっていく中で、きちんと管理していくという点では必要なものであるなと考えております。

今井座長

それでは、大体予定の時間がまいりましたので、議題1の「パブリックコメント・地方説明会について」と議題2の中の(1)の「計量証明事業の信頼性の担保」について、以上で締めくくらせていただきます。いずれまた、ご意見等はメール等でもいただけると思います。

それでは、議題2の後半になります。「新規課題の問題提起について」の中の(2)の「JCSS登録事業者の拡充方策」と(3)の「基準器制度とJCSS」ということで、まず、事務局からこの関連でご説明いただきたいと思います。西本課長補佐、お願いします。

西本知的基盤課長補佐

それでは、資料3からご説明いたします。資料3は、「JCSSの普及促進」として「~JCSS登録事業者の拡充方策~」でございます。

この件につきましては、パブリックコメント等において、JCSSを広めるために、メニューの拡大や料金低額化が必要という意見があったということで、このワーキングで検討していただきたいことは、JCSSのメニュー拡大と料金低額化の要望に対して、指定計量標準制度以外に、制度面での促進策はないだろうかということで、一つの考え方として、校正事業者の登録業務を民間機関にも開放してはどうかということでございます。

「基本的考え方」といたしましては、計量法第143条に基づく校正事業者の登録は、現在、経済産業大臣が行うことになっておりますが、仮称でございますけれども、指定登録事業者登録機関制度を新設して、大臣の指定を受けた民間機関も校正事業者の登録を行えるようにしてはどうかということでございます。

「理由」としましては2点ございますが、1つは、「ユーザーの視点」ということでございます。ユーザーからは、校正を受けられるメニューの拡大や料金低額化が求められているということでございます。JCSSの階層が重層的になって、高コストだが精度の高い計量から、精度は低いが低コストの計量まで選択できるようになることが求められているということで、これに伴い、幅広い分野や精度をカバーするJCSS登録事業者を登録させ、更新させていくことが必要となるということでございます。

現在、経済産業大臣、実際には製品評価技術基盤機構(NITE)が登録するという制度になっておりますけれども、ユーザーの需要に対応した幅広い分野や精度をカバーするような形での登録・更新はなかなか困難ということがございます。

ISO/IEC17025は、登録事業者の要件ですけれども、同一の認定機関で審査の重複を排除して、簡略に行われることをユーザーは希望しているということで、こういう複数の認定についての一括の件につきましても、指定登録事業者登録機関制度が新設されれば、同一の認定機関がMLAPの指定機関であったりということが可能になるということで、1つの認定機関から、JCSS登録、MLAP認定、ISO/IEC17025認定を、重複を排除して簡略に受けられる可能性があるということでございます。

もう一つは、「行政改革の視点」でございますが、国の制度は、「規制改革・民間開放推進3か年計画」ということで、昨年の3月31日の閣議決定がございますけれども、これに基づいて、「官から民へ」、「民間でできることは民間で」という考え方のもとに見直しを行うべきということがございまして、計量法における国が独占している事業への民間参入という考え方からして、民間参入に向けた検討を行ってはどうかということでございます。

そのことを進めまして、「NITEが担うべき役割の視点」としましては、実際にはNITEが大臣の事務代行をしているということですが、これを開放して、JCSSに係る各種技術基準の作成などJCSS制度の基盤となる業務や、民間に知見がない業務を中心に行うという考えにする方がいいのではなかろうかということでございます。

もう一つの検討の件は、資料4の「基準器制度とJCSS」でございます。この資料は、非常に分厚いのですけれども、かなり技術的な内容がございますので、ポイントを絞ってご説明したいと思います。

「パブリックコメント・地方説明会での意見」としましては、いろいろ出ておりますけれども、3番目のところに「JCSSと基準器の関係を明らかにして欲しい。(本来JCSSが使われるべき用途について、基準器が使われているためにJCSSが普及しないのではないか。)」というものがございます。また、「JCSSの不確かさと基準器検査の器差の違いについて教えて欲しい。」というご意見がございました。

ここのWGで検討していただきたい点でございますが、JCSSの視点から考えて、我が国の基準器制度を現行のままとすることが妥当かどうかということでございます。実は、基準規制度につきましては、このWGではなくて、第1WGの検討の対象という形になっておりまして、その中で、基準器制度は現状維持の方向でとりまとめが済んでいるということでございます。

このWGで明らかにすることが求められている点でございますけれども、1つは、JCSSと基準器の技術的な違いは何か。また、ISO9000シリーズなどのマネジメントシステム規格が求める計量トレーサビリティのルールと基準器の関係はどうかといった点をご検討いただきたいということでございます。

1つは、「基準器検査の国際比較と得失」ということでございますけれども、欧米を初め、世界で法的計量精度は存在しており、OIMLのもとに情報交換を行いながらもやっているということでございまして、基準器、特定計量器に相当する計量器制度もございます。

「基準器による」というあたりでございますが、これらの基準器検査は、一定の幅に計測値が入っているかどうかのみの判断、testingと略させていただきますが、そのような形で判断するといった形で行われております。これは後ほど図で説明させていただきます。

こういった制度があって、日米欧ともほぼ同様の法的計量制度をもっているということですが、日本は、測定の不確かさを判断の基準としていない制度と、先ほどの欧米風の計量トレーサビリティによる基準器検査の2通りがあるということです。これは図をごらんいただいた方がいいので、図でご説明したいと思います。

日本の場合、2通りの方法を有しております。計量法の第103条第3項が通常使われているもので、右側のただし書きの方は、こういった方法も使えるという形できちんと規定されているもので、2つのルートがございます。

違いは、基準器の確認の仕方として、不確かさ不要ということで、先ほどの許容差に入っているか入っていないかという形で確認したもので適合判定をするようなものをつないで、実際に皆さんのところで使えるのは特定計量器でございまして、これを確認していくということでございます。

これに対して右側の方は、基準器を校正して、不確かさをきちんと確認するという方法でつないでいるものでございます。

先ほどのところに返っていただきまして、このような違いがあるものですけれども、それぞれの仕組みの中で、2ページの上ですが、基準器検査の器差基準の適合性評価について、日本は、不確かさを判断基準としていない方法と計量トレーサビリティによる方法、2通りの方法があるということです。

欧米は、トレーサビリティがとれた方法でやっているということですが、この適合(testing)による方法は、コストが安くできる、スペックが合っていればそれでいいという方法でございまして、メリットが非常に大きいものでございます。

デメリットとしては、不確かさを判断の基準としていないことから、計量トレーサビリティのように不確かさの表示を求める制度に適合しているとは認められないということでございます。

2番の「今後の方針」でございますけれども、「我が国の基準器制度」としましては、先ほどご説明したように2つの方法が許されており、それぞれメリットがあるということから、現行制度を維持することが適当と考えられる。

一方、「特定計量器と試験所/マネジメントシステムに係る国際規格との関係」を考えると、試験所に係る国際規格では試験業務に使用する計量器に、マネジメントシステムに係る国際規格では、測定値の正当性が保証されなければならない測定に使用する計量器に国際計量基本用語集の計量トレーサビリティの定義を満たすことを求めているのですが、計量トレーサビリティのとれた計量器が入手できない場合があって、このようになっているという事情もあるということで、近年、国家計量標準の整備が進んで、計量トレーサビリティ制度が普及してきている。また、2007年中にこの用語集の改訂が行われるという予定ということで、そういう状況にかんがみまして、これを機に注意喚起を行って、これら国際規格の要求事項を満たすには、計量トレーサビリティに係る要求事項の遵守が必要であることを周知して、これを段階的に徹底させていく必要があると考えております。国家計量標準から法定計量器までのトレーサビリティ体系図という形で使われているものについては、この用語集の計量トレーサビリティの定義を満たしているものではないことに留意してやる必要があるということでございます。

技術的なものが長くなってしまいましたが、以上でございます。

今井座長

ありがとうございました。技術的に細かい内容と時間的な経緯で、計量の世界のある意味での進化だと思うのですけれども、要求事項が厳しくなってきた。これには、日本の計量法が改正された平成5年(1993年)当時の状況と、1999年にCIPM/MRAがスタートしたということで時間的なずれがあって、そういうギャップが生じていると思いますけれども、現実をみるならば、国際整合性をとる上でのあり方、トレーサビリティのあり方という意味で、基準器の位置づけとJCSS制度の相入れる点、相入れない点ということのご指摘だと思います。

ご質問・ご意見等ございましたらお願いいたします。

渡部委員

日本計量振興協会認定事業者部会幹事の渡部でございます。幹事会での意見をとりまとめてまいりましたので、ここでご報告させていただきます。

まず、「JCSSの普及促進」の面からは、「JCSSユーザーの視点」というところに関しまして、JCSSの普及活動及び対象量の拡大は必要であると認識しております。

一方、料金の低額化ということが出てきておりますけれども、計量法上のJCSS校正の必要性やISO/IEC17025要求にのっとった運営では、低精度といえども低コストとはなり得ないことをご理解いただきたい。価格は、信頼性や品質に裏打ちされたものでありますので、その辺のところをご理解いただきたい。

一方、階層化で、地方自治体の認定機関が行っている低コストの校正料金の適用は、民間企業では、設備・備品及び人員配置ということからなかなか実現が難しい面がございます。

分銅の場合、標準を法定計量の基準分銅に求めているケースが多いのですが、これを断ち切って、JCSSに求めるようにしなければと。取引証明のための特定計量器を基本とする検定制度、基準器制度との違いを明確にして、計量のトレーサビリティ達成のためにはJCSS以外にあり得ないことを宣伝していただければと考えております。

「行政改革の視点」に関しましては、得意とする分野のみを認定する認定機関が出てくる可能性もあって、すそ野が広がると考えます。民間機関に開放しても、ILAC/MRAに署名できる品質レベルの機関とそうでない機関が存在することになって、国内のみならず、国際的にも混乱が生じることが予想されますので、これをどのように防いでいけるか。一方、MLAPの例が示したように、認定機関の間に、品質・能力及び所属審査員の質に格差は存在しないか、確認するシステムが必要であると考えています。

「NITEが担うべき役割の視点」からは、ILACやMRAの品質確保・維持の役割を担うべきではないか。認定機関間の品質及び所属審査員の質に格差は存在しないかを確認することを行って、認定機関によって異ならないように認定基準、指針などを明確にしていく作業も必要と考えております。

もう一つ追加しておきます。民間開放も必要であるが、供給不足の分野、対象となる分野に限って実施することも検討していただいてはいかがか。

「基準値制度とJCSS」に関しましては、取引証明のための特定計量器を基本とする検定制度、基準器制度の違いを明確にして、計量のトレーサビリティを確立するためにはJCSS以外ないということを宣伝していただきたい。

料金が(省略)、という面に関しては、先ほどのとおりでございます。

指定製造事業者であって、JCSS認定事業者である事業者が全く同じ計量器を、基準器と特定二次標準器として2台もたなければならないということは改めていただければと考えます。

基準器ではないものの、検定・検査で、分銅やはかりがISO9000のトレーサビリティの証明として認められている現状があり、トレーサビリティのあり方の啓蒙啓発を徹底的に実施していくようにしていただければと考えています。

次に、「基準器検査の国際比較と得失」という点では、いただいております資料のことに関しましては全く同意するわけでございますが、トレーサビリティの確立には、不確かさがついた校正証明書が必要であることを前提にして、JCSSの普及を強力に推進していくことが必要と考えております。そして、基準器は、法定計量の検査に用いる分銅であり、一般ユーザーの求める校正には使えないことを明確にしていただきたいと考えております。

以上でございます。ありがとうございました。

今井座長

ご意見、どうもありがとうございます。

事務局、何かあればお願いします。

吉田知的基盤課長

それぞれの点につきまして、業界としてのご意見をまとめていただきまして、大変ありがとうございます。一つ一つ受けとめまして検討してまいります。

2つだけお答えいたしますと、まず、基準器とJCSSの分銅と2台もたなければいけないという問題につきましては、法律的には2通りの解決法がございまして、1つは、JCSSの分銅を基準器検査で扱うという第103条第3項ただし書きを使う方法です。これは法律としてはできるのですが、コスト的に合わないということで、余り使われていないということは承知しております。

もう一つの方法としまして、一部の自治体は、基準器検査をするときに、JCSSの校正もあわせてするというサービスをされていることは承知しておりますけれども、そちらの方がコスト的には合うようでございまして、自治体でそういうサービスを広げていただければと考えています。

もう一つ、ISO9000などのトレーサビリティの証明として、その基準器などが認められているという現状につきましては、資料4の2ページの2の(2)のところで整理させていただきましたけれども、ISO9000の中でも、マネジメントシステムに係る国際規格で、測定値の正当性が保証されなければならない測定に使用する計量器に計量トレーサビリティが必要だということで、必ずしもISO9000のすべてが必要でないということでありますが、必要なものについてもご指摘のようなところがこれまであったとしますと、それにつきましては、過去の経緯としまして、日本は国家計量標準が存在しないなど、JCSS、計量トレーサビリティの普及がつい最近までなかったというのが一つの原因かもしれないと認識しております。近年、国家計量標準の整備も進んできておりますし、計量トレーサビリティ制度、JCSSもかなり有名になってきております。また、ことしじゅうにも国際計量基本用語集の改訂が行われまして、厳密な計量トレーサビリティが世界的に求められる方向だと伺っておりますので、私どもも、これを機会に、パブリックコメントや地方説明会でもご指摘がありました広報に力を入れまして、ご指摘のように、計量トレーサビリティをやるためにはJCSSしかないという当たり前のことについて広報・普及していきたいと考えております。

今井座長

ありがとうございました。

ちょっと専門的になり過ぎますけれども、先ほど申し上げましたCIPM/MRA、ほかの試験所認定関係、法定計量でもそうだと思いますが、不確かさを要求していることは国際的にはもう一般的です。

今、国際計量基本用語集が改訂中で、先週、その会議があって、私も出てまいりました。最終的にまで至らなくて、印刷の段階にいっていないのですけれども、月末にもう一回集まって、ファイナルな結論が出ると思います。恐らく大幅には変わらないと思っています。しかしながら、国際計量基本用語集の第3版が出るまでもなく、資料4の8ページの真ん中に表がありますけれども、現行の1993年に発行された第2版においても不確かさの記述はもう既に要求されておりますので、それがCLPM/MRAに反映されて、不整合のないようにということになっていると思いますので、必ずしもことし新たに改正されているという点ではない。

これは非常に細かいことになりますけれども、8ページの表の下から3番目に「比較の連鎖」があります。現行のVIMでは、比較の連鎖、つながり方がcomparisonという形になっていたのですけれども、第3版、現在審議しているものではcalibrationにつながるということで、「校正」という明確な言葉が出てきております。「国家標準」とあらわにいっていませんけれども、referenceの中に国家標準が入ってまいりますので、きちっとしたreferenceにつながって、しかもcalibrationを経由して、不確かさを記述しなさいということで、かなり完璧になりつつありますので、そういう点では明確になるいい機会ではないかと思っています。

これらに関しまして、実際に検査なり校正なりに当たっていらっしゃる、あるいは認定の立場で経験なさって、いろいろな実情をご存じのお二方にお伺いしていきたいと思いますけれども、まず、代理ご出席の小島科長、現在の状況、また、ご意見等ございましたらお願いいたします。続いて瀬田さんにお願いします。

小島代理

きょう、代理で出席させていただいています、産総研で法定計量を担当しております小島と申します。

私どもが所属しているところは、まさに基準器検査を担当させていただいておりますが、基準器検査につきましては、第1WGの方で制度の検討がされておりますので、私どもとしましては、JCSSを活用した基準器検査のあり方を精力的に検討しておりまして、JCSS校正がされたものを、当方で実施しています基準器検査の中で広く活用できないかということで検討を進めております。

ただ、冒頭のコメントにもありますように、今現在、JCSS校正の費用が非常に高いこともありまして、基準器検査への活用というところでは実績が余り多く出ておりません。

また、基準器検査の場合は、本質的な話からちょっとずれるかもしれませんが、例えば有効期間があって、基準器としてもたなければいけない資質について、別な視点でみなければいけないポイントもございます。JCSS校正は、校正時の校正値と不確かさということに限定されておりますので、これを検定の現場でお使いいただく上で、どの程度の期間使っていただいていいといった判断をしなければいけなくて、今現在の法律の枠組みだけでは、実際に基準器検査の中にJCSS校正をそのまま入れるわけにはまいりませんで、一部、研究所として、技術的に裏づけをとりながら活用しているというのが現状でございますが、JCSS校正を基準器検査の中に幅広く取り込んでいくという作業はこれからもしてまいりたいと思っております。

今井座長

ありがとうございました。

続いて、瀬田委員、お願いいたします。

瀬田委員

認定機関ということでは、ここに出てきた問題の相当多くの部分に絡んでくるのですけれども、1つ目の問題は、9000の審査におけるトレーサビリティの扱いの問題で、実は私は、93年、JCSSを立ち上げた当時の事情にもちょっとかかわっていたものですから、内心、かなり忸怩たる思いがあります。あの当時、正直なところ、計量標準が余りに足りないということで、しようがないので、代替処置として、トレーサビリティチャートを使って説明し、何とか切り抜けるといったことを、9000をとりたい方々に普及してしまった側なのです。ところが、一たん動き出しますとひとり歩きしてしまいまして、その後、計量標準もできて、JCSSの校正もできて、きちんとした第三者証明ができるのに、かなり怪しげなものが先回りしてしまって、ひどい審査員になりますと、トレーサビリティチャートは認めるが、JCSSの校正証明書は認めないなどというとんでもない誤解もあったようです。これに対して、我々自身も、ISO9000の認証機関の方を集めて、セミナーを2回ほどやったり、認定機関仲間のJABさんにお願いして、認証機関の審査員のそういう部分の教育をお願いします、といった申し入れなどをやってはいるのですけれども、何せISO9000のシステムは全部で何万社というところに行っておりまして、余りにも大きいということもございまして、ちょっと知識の普及が遅れているため、このあたりは今後も力を入れていきたいと思っております。

もう一つ、きょう再三出てくる、認定を受けてやるとコストが高いとか、よく聞くのは、ISO/IEC17025の敷居が高過ぎるといった話なのですけれども、この辺は、我々、とりやすいガイドラインの整備というところでの問題として感じております。特に基準器とトレーサビリティの不確かさが合わないという話です。私、昨年、ある認定事業者さんからの申請書で、目からうろこというのがあったのです。そこは、不確かさの最終的なものは大きいのだけれども、それは自分が判断する適合性の範囲であるのだから、これでいいのだということで、ことごとく自分のところの管理幅のルート3分の1で不確かさを計算してくる。非常にシンプルなことをやっている方がいらっしゃいまして、確かにそういう手を使えば、別に不確かさが多少大きくても構わんという分野だったら、不確かさの推定などは割と簡単にできる話でもあるのですね。こういった知識の普及啓発がおくれているという点は認定機関の責任もかなりあるなということで、このあたりは今後改善していきたいと考えております。

今井座長

ありがとうございました。古くからいわれていることで、必要なところに必要な、「精度」という言葉は余り使いたくないのですが、必要な程度で、という意味で「不確かさ」という言葉を置きかえてもいいのですけれども、必要以上の要求をしてはいけない。要するに、レベルとしてはいろいろあると思いますので、今、瀬田委員がおっしゃったように、不確かさがこれぐらい大きくてもいいのだというところもあるわけですから、要求、ニーズに応じて使い分ける。そういう意味での説明もまだまだ必要かと思います。その辺の啓発等もよろしくお願いしたいと思います。

それでは、大体ご意見を伺えたと思いますので、次の議題に移りたいと思います。

議題3でございます。「第3WG提言の進捗状況報告について」、本件につきましては、以前から当WGで議論していて、既に報告書に盛り込まれた内容について、その後どのように進展したかということをご紹介いただいて、また議論していただく場はあると思うので、最小限のコメントをいただきたいと思います。まず、説明していただいて、それに対してご意見等ございましたら、事務局にご意見をお寄せいただきたいと思います。時間的に許せば、議論していただきたいと思います。

それでは、事務局から、説明をお願いします。

西本知的基盤課長補佐

それでは、進捗状況のご説明をいたします。資料5と6と7で、7が全体をまとめたものですが、個別で2件だけ先にご報告させていただきたいと思います。

まず、資料5は、「指定計量標準(仮称)等制度について」ということで、指定計量標準の趣旨を実現する方法をいろいろと検討してまいったのでございますけれども、指定計量標準(仮称)制度の創設に加えて、国家計量標準の範囲を拡大する方法も選択肢に加える方が、実現可能性が高まるのではないかと考えておりまして、報告書の案につきまして、次のように修正してはどうかと考えた次第でございます。

内容としましては、表の中にございますけれども、「『指定計量標準(仮称)制度』を創設する」の後ろに「か、又は国家計量標準として指定する範囲を拡大する。」と書いて、「指定計量標準(仮称)又は範囲が拡大された国家計量標準(以下、『指定計量標準(仮称)等制度』という。)」という形で続けさせていただいてはどうかと考えます。

以下のところにも若干ございます。当初、「指定計量標準(仮称)制度は、計量法の規定によって経済産業大臣が指定する」という形で、(計量法により、この大臣の事務はNMIJが行うことを規定することも検討する。)」云々というのがございましたけれども、これを、「等制度」ということで少し広くさせていただくこともありまして、「JCSSにおいて、計量法に基づく計量標準として扱う」という形でさらりと書いたらどうかということでございます。

指定計量標準制度は、もともとSIトレーサブルでないものが含まれるという概念で考えておりますので、「SIトレーサブルかそれと同等である」という表現をつけさせていただければということでございます。

図をつけておりますけれども、4ページの方は、範囲の拡大をしてはどうかということでございまして、「国家計量標準」という枠の中で、国家計量標準の特定標準器、特定標準物質の拡大部分も読んだらどうかという形での絵でございます。

それを説明したのが次の表で、「検討案」ということでございますけれども、物象の状態の量を「現示」するという形での今の定義につきまして、一番右の「『現示』の解釈の拡大又は新定義」という形で検討してはどうかと考えております。これが1点でございます。

もう一つ、個別の検討の状況です。資料6をごらんいただきたいと思います。これは「計量証明事業の登録取消しの基準等」ということで、報告書におきまして、計量証明事業者における不正に対する制裁手段ということで、行政処分の強化云々とありますけれども、加えて、この登録の取り消し及び事業の停止について、適用がされにくいという声に対して、計量証明事業の登録した事項に変更があったときの変更・廃止など登録の管理を徹底すべきではないかという指摘があったということでございます。

この登録の取り消し等に係る問題点につきまして、都道府県からヒアリング等をしたところ、登録の取り消し等について問題となったことがある事例は以下の5点あったということで、まず、この5点についての取り扱いを検討しております。

1つは、特定計量証明事業の認定取り消しを受けているのだけれども、事業者が事業廃止届を提出しないという状況がある。それから、認定が更新されないということで失効したにもかかわらず、廃止届が出ていない。または事業者が報告書を提出しない。猶予をもって警告して、督促して、という形でも報告しない。計量士も登録要件になっていますけれども、計量士または知識経験を有する者が置かれておらず、置く意思もない。それから、虚偽の計量証明等を行った。こういった場合にどうしたらいいかという話でございます。

この対応といたしましては、手続を要する取り消し等ではなく、登録を失効させることができないかという意見が多かったのでございますけれども、このような法制度とすることが可能かどうかを検討しております。また、(5)番、不正の場合、罰則を科すことができないかということを事務的に検討しております。

法改正が必要ということもございまして、当面の措置といたしましては、計量法の規定に基づいて、次のように対応してはどうかということでございます。

1つは、法律の条文が書いてありますが、6ページに具体的な条文をつけておりますので、ご参照ください。こういう条文に相当する形で適用してはどうかということです。第113条第3号は、登録の基準に適合しなくなったと認めるという意味でございますけれども、(1)は登録の取り消し、(2)から(4)については、前歴がない者については、一定の期間を決めた停止等を考えたらどうかと考えております。(5)不正の行為をしたときは、取り消しということでいかがでしょうかということでございます。

4ページをごらんいただきたいと思いますが、失効の考え方としては、今、運用している事業者が事業廃止届を提出したときに加えて、調査をして、廃業していると確認されたときということで、こういう場合に失効を使ってはどうかということでございます。

資料7は、全体をまとめたものでございますが、計量制度の見直し案を事務的に検討というもの、今後検討というものは割愛させていただきまして、幾つか動きがあるところだけ簡単にご紹介します。

1つは、CIPM/MRAの枠組みと整合ということでございますが、これはDesignated NMIという形で進捗している。日電検のもので、進捗しているものがあるということです。

次のページの2段目の計量標準の要望窓口を設置してはどうかという話は、具体的にこういうところに窓口を設置しております。既に設置されたということで、なくしたいと思います。

計量標準の優先順位づけ等につきましては、臨床検査分野につきまして、国際計量研究連絡委員会でそういう場を立ち上げて、メタボリック症候群に係る検討をしているということです。

立入検査につきましては、全国計量行政会議作成のガイドライン集において、立入検査の実施要領を定めているということと、講師につきましては、要望に応じて派遣するなどの支援をしているということでございます。

以下は、その検討をして、基本的な案は作成したということでございます。

今井座長

ありがとうございました。まず、仮称ですけれども、指定計量標準制度について、報告書にあった案を含めて、さらに方策として、こういうことも考えられるのでないかということで追加していただいたということでございます。それから、「計量証明事業の登録取消しの基準等」について、その後の考え方の整理、資料7では、提言から10ヵ月程度たっておりますので、その間、幾つかの進捗状況がみられた。特にホームページ上にアクセスできるようにしていただいたことも含めて、最近の進捗状況をご説明いただきました。

きょうは時間が余りございませんけれども、特段のご意見・ご質問があればお願いいたします。

非常によく整理していただいて、わかりやすいと思います。これについて、どう具体的に解決の方策があるかということが今後の問題だと思いますけれども、十分精査していただいて、方策等も幾つか考えていただいているようですし、いろいろな研究上、あるいは検討課題の進捗状況もみられるようです。

ご意見をお願いいたします。

桑委員

医療関係を例に、ちょっと意見を述べさせてもらいますと、資料5の1枚目の後ろから2枚目につながるところは、国民の安全・安心にかかわるところの例として挙げてありまして、2枚目の左側の上の方のa)に「NIST等、海外のNMIが供給し、」云々とございますが、実際は、NMIという機関が医療に関する標準物質を供給しているのはごくわずかしかございません。ましてや、MRAの組織で比較試験をやっているというのはほとんどございません。したがいまして、現在はどうしているかというと、WHO(世界保健機関)が中心になって、医療のために必要な標準物質を合意で設定している部門につきましては、関連する技術の専門学会の国際学会と協力して、BIPMのもとでJCTLMという新しい組織をつくっているわけです。JCTLMは医療関係ですが、食品関係も同様な組織ができていると思います。直接NMIではなくて、NMIが絡んだBIPMの下の国際的な合同の委員会で認められているといいますか、確認された標準物質もここに加えた方が、一般ユーザーにとってはとても望ましいことだと思われます。

b)に関係して、原則、SIトレーサブルなものを扱うということに別に異論はないのですけれども、事、医療関係は、必ずしもSIトレーサブルでないものもたくさんございます。例えばホルモンの量をみるとか、酵素の量をみるとか、ワクチンの効きぐあいをみるといったものは、先ほど紹介しましたJCTLMでも、非SI系として、ちゃんとした形で認めようではないかと。要するに、SIという形はトップには来ないけれども、その下に位置づけられる標準物質をJCTLMできちっと認めれば、それを頂点とした形の体系もあってしかるべきだろうということで作業が行われておりますので、ここも、領域によっては必ずしもSIに設定できないものも考慮した形の中身があっていいのではないかと思っております。

今井座長

ご意見、ありがとうございます。今の点は、資料5、6、7の中に大体盛り込まれていると思います。例えば、資料5の国家計量標準(現状)と検討案の中で、「SIトレーサブルかそれと同等でないが、最高位の」という書き方をしている。要するに、1人で勝手に宣言しても認められないでしょうけれども、key comparisonのような比較、共同実験の結果──JCTLMはそういう形をとっていると思いますが、そういう形で、ただし、それがその時点でのトップレベルであることをどこかで認証しないといけないわけですから、その辺も含めて書き込まれているように思います。それから、あらわに出ておりませんけれども、指定計量標準ができれば、医療関係の分野のかなりの部分がその中に盛り込まれると思いますし、資料7に書かれておりますように、メタボリックシンドローム関係のことも進展しているようですので、一応盛り込んでいただいているように思います。

事務局、何かございますか。

吉田知的基盤課長

まず、資料の中でも報告させていただいておりますけれども、メタボリック症候群の検査のための標準物質につきましては、厚生労働省から協力の依頼がございまして、現在、両省及び産総研を初めとする関係の機関で、厚労省の法律を施行するための準備をやっておりまして、その一環として、標準物質の整備をやっております。これにつきましては、昨年つくっていただきました報告書の中で、関係省庁、関係の機関、関係の業界が連携して、という指摘を受けまして、非常に必要な事例であるということで取り組んでおります。その中で、桑先生からもご指摘がありましたような現実とのすり合わせなど、非常に難しいものもございます。また、化学物質の濃度ということでは、物理標準のようにきれいにはいかないといったことがさらに一層ある分野でございますので、どうやって現実と折り合いをつけていくかということについて、新しい知見を得ていると考えております。

ご指摘をいただいたSIでないものというところにつきましては、2つジャンルがあると思っておりまして、まず、SIでないのだけれども、最終的な目的である非SI系である。つまり、SIトレーサブルでないのだけれども、最終の目的となり得る最高位のものだというものについては、将来的に目指していくゴールとして設定しております。

SIでないもので、かつ将来は恐らくもっといいものができるのだろうけれども、今、現実にそれしかないというものについては、現状の計量標準としてみんなで認め合って、それをもとにしてトレーサビリティをとっていこうということで、現実として受け入れるわけです。私ども、知的基盤計画などを扱いまして、現実、ここまでしか仕方ないのだけれども、本当はもっといいものがあるというものについては、さらに高みに上がるような開発は続けていきたいと考えております。

田畑委員

幅広くご質問してよろしいでしょうか。

今井座長

どうぞ。全体のまとめてのご質問に入っていただいて結構です。

田畑委員

もともと、計量証明事業の信頼性の確保はどうあるべきかということで進んできたと思うのですが、きょう、最初にご報告いただいたのは、クロスチェックをやるということでございまして、このことについては異論はございません。また、クロスチェックにおける外部分析機関については、ISO/IEC17025の機関を使うことは大変いいことだと思っております。しかし、最近でもデータの不祥事が絶えないわけでございまして、そういう状況の中で、我々の環境測定分析という面からいうと、POPsとか、RoHSとか、来年6月から実施されるREACHとか、時代がどんどん変化しているわけでございまして、今までのやり方ではさらにまたデータの問題が出てくるのではないかなということで危惧しているわけでございます。今までの議論の中でも、先ほどもちょっと申し上げましたように、分析する技術者の能力の審査という問題があったと思うのですが、今回、そういうことについては議論されておりません。

また、計量証明事業所登録の更新制度とか、計量士を更新制度にするとかの議論があったと思うのですが、その辺は今後さらにまた議論されるのか、それともその議論は消えたのかということ。

もう一つ、将来的にはワンストップテスティングをしていかないといけないという問題も指摘されたと思うのですけれども、そういう問題についてはどうなっているのかをお伺いしたいと思います。

なお、これはここで議論する話ではないかもしれませんけれども、我々日環協におきましては、分析試験所の倫理の問題も議論しておりまして、行動規範をつくって、コンプライアンスを守る等の議論をしております。技術力が低くて間違ったデータを出す場合もありますし、これはあっては困るわけですけれども、故意にやるといった倫理の問題もあるわけです。

倫理の話は別にしましても、今申し上げた3点について、何かご検討していただいているならばお聞かせいただきたいと思います。

今井座長

それでは、事務局、お願いいたします。

吉田知的基盤課長

まず、議論につきましては、今のご発言で当然問題提起されておりますし、また、後日、メールなどでご意見をいただきましたら、それは継続的に検討してまいります。

その中で1つだけお答えしますと、計量証明事業の更新制度につきましては、昨年の5月、6月の報告書案にございましたので、その後、都道府県にアンケートをしたり、ヒアリングをして検討いたしました。かつては計量証明事業者の更新制度があったわけですけれども、前の制度改正で更新制がなくなっていることについて、どう考えるかということで都道府県のご意向を伺いましたところ、更新制を置いた方がいいという方もいらっしゃいましたけれども、新しく入ると困るという方もたくさんいらっしゃいましたので、大方の考え方としては、更新制度の復活は望んでおられないと私どもは受けとめております。

ただし、更新制がなくなったために古い届け出が放置されているという問題は、どの都道府県さんも問題だと感じておられます。アンケートやヒアリングの結果、それについては非常に多数でありましたので、それについて、何とか対応を打たなければいけないという認識はございます。その一環として、失効について、これまで非常に厳格に運用していたものについて、廃業していたら廃業だと素直に認めてもいいのではないかというご意見を反映いたしまして、きょう、ご提案させていただいたということでございます。

いずれにしましても、問題提起をいただければやっていくということで対応いたしますので、よろしくお願いいたします。

田畑委員

環境計量士の話はどうなっているのでしょうか。

藪内計量行政室長

計量士につきましては、更新制、研修とかいろいろ報告書の中に書いてございますけれども、更新制については、法律を改正しないとできないのかなと思っておりますし、さらに、改正する際に、法制的にどういった改正をすればいいのか。更新制を入れればできるという簡単なものではないので、今、法制的にどういった改正をすればいいのか、できるのかとか、中で検討している最中でございます。環境計量のみならず、計量士一般の話です。

田畑委員

ありがとうございました。

今井座長

まだ検討中とご理解いただきたいと思います。

議題3については、資料5、6、7で進捗状況を報告していただきましたけれども、十分議論する時間がございませんでしたので、後日、メールでご意見をいただきたいと思います。次回のこともご説明いただきますけれども、今後も継続して議論していただければと思います。きょうの議題3については、とりあえずメール等でご意見をいただければと思います。そのほかの議題についてもご意見があれば、あわせてお願いしたいと思います。

本日の議事録については、メール等で案をご提示して、ご意見をいただきたいと思いますけれども、最終的には公開ということになります。それにつきましての最終的な判断は座長にご一任いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「はい」の声あり)

ありがとうございます。

それでは、今後の進め方について、事務局からご説明いただきたいと思います。

吉田知的基盤課長

それでは、今後の進め方でございますけれども、きょうのご議論、特に後半の議題につきましては、この場でご意見を十分いただく時間がございませんでしたので、事務局あてに2月16日までに、電子メールなどで結構でございますので、ご連絡いただければありがたいと存じます。

次回の第3ワーキンググループでございますけれども、きょうの議題につきまして、都道府県などの関係者の方のご意見を聞く必要がございますので、それらの意見集約を図った上で、後日、開催日程をご連絡させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

今井座長

きょうは、限られた時間でしたけれども、貴重なご意見を、特に新しい委員の方々、また、オブザーバーとしてご出席いただきました室石室長様にもいただきました。まだまだ言い足りないことが多いと思いますので、メール等で追加のご意見をいただきたいと思います。

本日は、これをもって終了させていただきます。どうもありがとうございました。

以上

 
 

最終更新日:2008年2月26日
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