経済産業省
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審議会・研究会

産業構造審議会環境部会地球環境小委員会市場メカニズム専門委員会(第8回)  議事録



日時:7月19日
場所:三田共用会議所1階講堂

開     会

議   事
 京都メカニズムの動向について
  ①クレジット取引と民間の取組みの現状
  ②クレジット取引市場の制度概要

○山田委員  ナットソース・ジャパンの春田さんにお聞きしたいんですけれども、我々このクレジットの売買につきましては、クレジットを買いませんかみたいな話はいろんなところから来るんですけれども、そもそもプロジェクトの発掘について、日本の産業が本当の意味でどういうふうに参画しているのかということについて若干疑問があります。と申しますのも、我々鉄鋼業なり電力なり、日本の中では排出量が非常に多い、なおかつ発展途上国と比べても相当なエネルギー格差があるなと思っているんですけれども、そういった我々のメリットをうまく生かしていくというか、そういった場面が弱いような気がしていまして、そういったファンドのマネジメントをされている皆さんの発掘のための日本の産業力の活用といいますか、そういった面はどういうことを考えておられるのかお聞かせ願いたいと思います。
○春田氏 こういったGG-CAPの方でプロジェクトの発掘をやる場合は、やはり現地のコンサルタントというのをかなり大幅に起用しておりまして、その中で出会うプロジェクトディベロッパー、開発する方を見ておりますと、やはり日本企業の方のプロジェクト開発されたものというのはかなり数が少のうございまして、多いのは、やはり欧米系のプロジェクト開発者に当たるケースがほとんどです。なぜ原因があるのかというのは、私の方でコメントするのは適当ではないかと思いますけれど、事実上は、携わっておりますとそういう傾向があるというのは感じるところではあります。
 お答えになったかどうかわかりませんが。
○山田委員 それがなぜそうなのかということと、どういう条件が変われば、より日本企業の参画というか、プロジェクト発掘という意味でできるとお考えでしょうか。
○春田氏 事第1約束期間に限って申し上げると、既に時間が遅い、今から何か対策をするというのは余り適当でないのではなかろうと。と申しますのも、プロジェクトのリードタイムを考えると、第1約束期間でクレジットを出せるプロジェクトというのはもう数が限られてきていて、既にそこには多数の競争者がいて、既に現地に入ってやっているというところを考えると、今から対策というのは、第2約束期間ということを考えると有用かもしれませんが、第1約束期間に限れば、ちょっと遅いのではなかろうかという気がいたします。
○黒田委員長 よろしいでしょうか。
 では、椋田委員どうぞ。
○椋田委員 まず、春田さんにお伺いいたしたいんですけれども、3ページのところで、先ほど、不遵守企業はペナルティー支払いと不足アローワンスの手当て両方が必要だという話があったんですけれども、多分ほとんどの企業はアローワンスを先に手当てをしてしまうと思うので、実質的にはペナルティーは支払わなくてよい状況になると思うんです。それは確認のところです。
 あと、7ページのところでクレジットの取引価格の動向が出ていまして、先ほど別途、今ヨーロッパの方で大体1トン当たり25ユーロ前後という話があったんですけど、この2つの価格の差が、要するにこれはまだPDD段階案件ということですので、リスク分を市場評価するとこれぐらいの価格差になるというような考え方でよいのかどうかという点。
 もう1個、濱田専務理事にお伺いしたいのは、先ほど、ヨーロッパの現物市場で買い手として発電所が入ってきているという話がありまして、これは原油価格の高騰で石炭火力への転換の結果、買わざるを得なくなっているという話だと思うんですけれども、どういったところが売り手として今来ているのか。もしかすると、これは初期割り当てがかなりゆがんでいて、かなりホットエアが出た結果、まだ制度が始まって半年でここまで売り手が出ているのかなとも思われるんですが、ちょっとその辺を教えていただければと思いますので、よろしくお願いします。
○黒田委員長 では、よろしくお願いします。
○春田氏 まず、ペナルティーの件ですが、これは理論的に40とか100というペナルティー価格が取引価格の上限ではないということをお伝えしただけで、おっしゃるように、ほとんどの企業というのはあらかじめ多い目にアローワンスを調達するというのは、傾向として見られるところです。
 もう1点、CERとEUアローワンスの価格差なんですが、これはやはりプロジェクトリスクとか実際に現物がまだないというところが大きな違いかと思います。そのために、プロジェクトから出てくるものですから、プロジェクトがだめになる可能性や途上国のカントリーリスクなどもございます。そういったものが価格差に反映されていると。ただ、気をつけなければいけないのは、これが実際にCERとして現物が出てきた場合には、個人的な意見ですが、EUアローワンスの価格より高くなってもしかるべきだと思います。
○黒田委員長 それでは、濱田委員いかがでしょうか。
○濱田委員 売り手側のニーズは必ずしも、発電事業者自身が原油価格と石炭の価格差で裁定しているという説もありますけど、それだけかどうかわかりませんね。基本的には各国の割り当て自身が相当、EU全体では収支相償するというか、あの中でアローワンスでやろうとしているわけですから、合うという前提で議論しているんでしょうけど、各国の割り当てがどういう形で決まってくるかというのは、結構いきなり決まった分があったりして変化していますので、各国政府はそれぞれ事業者に対してもっとさらに厳しく当てたりとかという、最初のキャップのところのゆがみというのが相当ある可能性ありますので、そこで需要家サイドでは強含みの要因が出てきているんじゃないかというふうに言われます。
 売り手サイドは、これは基本的に、最初の御質問のあれですけど、EUの方はこういうことを前提にしてずっといろいろやってきたわけですから、プロジェクトが立ち上がってはいるわけですよね。カーボンファンドなんかオランダ政府もずっとやってきているわけですから、それは相当出てきているということだというふうに思いますし、割り当てのゆがみで非常にフリーなものがいっぱい余っていて、そこから出てきているということではないんじゃないかというふうに思っていますけど、その辺はちょっとこれから勉強、課題だというふうに思います。
○黒田委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、明日香委員お願いします。
○明日香委員 私も供給及び価格の見通しについてお2人の御意見をお伺いしたいんですけど、まず最初、2013年以降のクレジットの扱いが、今取引の間においてはどういうふうに一般的になっているか。よく言われるのが、やはりリードタイムが先ほどおっしゃったようにあるので、2006年、2007年ぐらいからはCDMの案件が非常に少なくなるという話があるんですが、そういう感覚を現時点でもお持ちになっているか、またはそういう予想を持っていらっしゃるかということです。
 2番目は、この前話に出たロシアのAAUが、GISでもGIS以外でもいいんですけれど、市場に対してどのような影響を与えるのか、全然与えないのか、GGベースなので別なものになるのか、それともお互いある程度連携するのか。ロシアの適格性なり戦略があるかどうかにもよると思うんですけど、ある程度戦略があると仮定しまして、どのように見ていらっしゃるか教えていただければと思います。
○黒田委員長 では、よろしくお願いします。
○春田氏 2013年以降のクレジットなんですが、今のところ第2約束期間がいつからというのもまだ決まっておりませんし、どこの国が果たしてそういった目標値を持つのかというのも決まっておりませんと私は理解しておりますけれど、その中で、事実上13年以降のクレジットを引き取るという企業、買い主もいらっしゃいますし、カーボンファンドではそういったやり方を一般的にやっておりますので、全く価値がないとは思いませんけれど、特に民間企業、特に日本企業においては価値を見きわめられないのではないかと。買い主から価格をつけることはなかなか難しかろうと。それを含めることによって、その12年以前のクレジットを購入できるのであれば、その部分を引き取るということもやる方はいらっしゃいますけれど、市場の参加者から見ると、それはただ単に12年以前のクレジットを高い値段で買っているということになるのではなかろうかと思います。
 もう1点のロシアのAAUの影響は、今のところ市場では全く見られないですね。というのは、どういった形でAAUが出てくるか、果たして出るかどうかというのも市場参加者から見ると全く不透明なので、そこの影響はほとんどないと言えると思います。
○明日香委員 2006年以降、CDMの案件形成の数が少なくなる可能性についてはどうでしょうか。
○春田氏 これは世界銀行のケン・ニューコムさんなんかがおっしゃるのは、ドアはもう閉まりかけているというふうにおっしゃっています。これは、2013年以降の枠組みが決まらないとCDM自体の制度というのは、プロジェクト自体がこれから少なくなるだろうという意味で使われていると理解しております。私も同じように感じます。
○濱田委員 きょう、ちょっと西條先生がお休みなのであれなんですけど、私どもの実験で予算をいただいてやったものでは、完全に第1約束期間で、あと第2約束期間以降はこの制度はなくなる、要するに価値がゼロになるということを想定しますと、実験をやってみると、参加者はみんな非常に価格を高くつけてバブル現象が発生しまして、最後、終わればゼロになるわけですから、そういう形で参加するかどうかになるわけですね。サプライサイドの方も、物すごくプロジェクトリスクが大きくなるわけですから絞ってくるという、サプライリダクションも起こるという意味で、実験をやれば必ず――後ろが何もなければ、サドンデスしてしまう仕組みをつくっておけば、必ず価格を落としてバブってくるというのは新澤先生、西條先生の実験でも出ていましたので、普通にはそういうことじゃないかなという気がしております。
 それから、懐妊期間が全体として長いですから、第1約束期間はほとんど勝負が終わっていると思うと、なかなか出てこないというのもおっしゃるとおりじゃないかなという気がしています。そういう意味では、第2約束期間の制度設計いかんで、全然この価格の動向は違ってくるだろうというのは間違いないと思います。
○工藤委員 前回の委員会でも当業者の方々からコメントいただいたのは、やはりEUの市場によって、CERのいろんな意味での価格影響みたいなことが徐々に出始めている。その今の価格に対する気にされ方みたいなところがあって、今も先々のプロジェクトが出る、出ないという広がり等も兼ね備えて、いろいろ皆さん頭の中で思いをめぐらせている状況なのかなと。逆に言うと、今の例えばEUの取引市場が価格形成をしているその価格の評価のところなんですけれども、従来始まる前からは、あくまでも07年までは試行期間的な部分があって、そういうようなことも踏まえた上でアロケーションそのものも比較的大き目に出されている中で、今マーケットそのものがパフォーマンスしているというイメージでいたものが、その価格そのものに対して相当数みんなが注目しているというこの状況をどういうふうに評価したらいいんだろうということが正直よくわからなくて、例えば第1期間の今のマーケットの価格形成というのは、先ほど濱田さんも御指摘されていたんですけれども、そういった制度的な状況を踏まえて、もういたし方なくこういうふうになるんだというようなものなのか、あくまでもこの期間は特殊であって、第2期間のアロケーションが出てこないと、将来的な国際的クレジット価格も評価できないんだというふうに見るものなのか、この辺が、非常に漠とした質問なんですけれども、もし何か思いを馳せているものがあったら。
 もう1点は、今の価格形成の中でちょっと気になるのは、要するに、それぞれの事業者があくまでもマーケットでの取引を介してのみやっているのか。例えば第1期間といえども、設備なり何なりということをいろいろいじって、その上で自分たちのマーケットに対するアクセスをしているのか、その辺、もし何か、まだ短い期間で大変恐縮なんですけれども、情報等があったらお教え願いたいと思います。
○春田氏 大変難しい御質問だと思います。EU価格の確かに評価というのは、2008年以降のアロケーションが決まらないと、いわゆる京都の第1約束期間に相当する価格というのはなかなか予想するのは難しいと思います。ただ、恐らくアロケーションはもっと厳しくなるであろうとみんなが思っていて、今のEU価格、第1期間の価格より高くなるであろうと思っているのは、市場参加者は間違いないところですので、そういった意味から、今後2005年から07年にかけて、多分今5年物、6年物、7年物というのがほとんど取引の対象ですけれど、徐々に8年物以降の取引価格というのが形成されていくであろうと私は予測しておりますので、今のEU価格の第1期間の価格というのがそれを参考にされるのは間違いなかろうかと思います。
 もう1つの、EU事業者がどういった参加のされ方をしているかと。もちろんアローワンスをもらう、配分される前にかなり交渉したというふうに聞いておりまして、事業者によっては、自分たちが前もって削減したんだから、アローワンスはたくさん欲しいというような交渉もしておったというふうに聞いておりますので、一概に――事業者によってこれは千差万別ではなかろうかと思いますが、随分と事前に対策を立ててきている事業者というのも相当数あるであろうと私は思います。
○濱田委員  基本的にはこの価格形成というのは、さっきも言いましたように、わかっているのは、原油なんかでも、要するにどこがデファクトをつかむかということの議論ですよね。もちろん一番最初にやっていて一定の流動性があるから、EUのマーケットというのはやっぱり引っ張っていく力は物すごくあると思うんですね。OTCは必ず採用されていきますので、普通に考えると。今完全に制度は切れているから、まだそういうことは余り起こっていませんけど、本当に第1約束期間の2008年ぐらいまでになってくれば、そういうマージは起こるでしょうし、そこで採用される可能性は十分あるというふうには思いますけど、それは例えばナイメックス、WTIがグローバルなマーカーになったのだって、せいぜいここ15年ぐらいの話でございまして、結局それも、圧倒的な流動性で市場参加者がふえることでそういうことが起こってきましたので、さっき御紹介したように、取引所もヨーロッパでめちゃくちゃできていて、多過ぎるという議論、統合の議論が出てきておりますので、まずそこで、EUの中でも競争が始まっていて、どこがデファクトのマーカーをつくっていくかというのはこれからの課題だと思いますけど、その動向が全然我々の排出権取得に影響を与えないということは間違いない。これはキャリングコストもメンテナンスも保守も何も要らない、要するに無体物の証書で取引できるものですから、最も通貨に近い、要するにアービトレートされやすい商品だということであれば、そこが成立していれば、日本が無関係ということはないんじゃないかという意味でも、ここから目は離せないだろうというふうに私は思います。
○佐藤委員 私の場合は、質問というよりも意見という形でお願いしたいと思いますが、取引市場についてなんですが、事業者にキャップをかぶせるということを前提とした取引市場については、問題ありというところだと思うんですが、海外で獲得したクレジットを転売する二次市場としては意味があるというふうに私自身考えております。当然価格は、先ほどの御説明にもありましたようにオープンになって、透明性が上がるということになりますし、我々購入者にとっては、やはり選択肢がふえるというメリットは十分にあると考えております。ただ、制度設計にもよると思いますが、需給バランスによらない投機の対象となって、誤った価格シグナルがどんどん発信されてしまうという懸念も当然あるわけでございまして、それが相対取引での価格のベンチマークとなって、相対的に価格が上がっていってしまうということにもなるケースも十分考えられると思いますので、もし設立する場合には、十分そういった配慮も必要になってくるのではないかなというふうに考えております。
○杉山委員 私も2つ、どちらかと言うとコメントです。1つ目が、先ほどからお話が挙がっている、CDMのドアが閉じようとしているとか、2013年以降の枠組みが決まらないとCDMが進まないという、そういう話なんですが、私、この話はどうも疑問を持っておりまして、というのは、もしEUが本気でEUの排出権取引市場を今後も続けるつもりであれば、それだけで十分大きいと。将来枠組みといっても、すぐに排出枠をかぶる可能性があるとしても、せいぜい日本、カナダぐらい。それも京都議定書のときのようにいびつな枠というのは多分かぶらないでしょうから、日本、カナダが入ろうが入るまいが、EUでほとんどマーケットは規定されると。そうすると、2013年以降EUがどうするかというのがCDMの死命を制するのであって、将来枠組みがどうという議論ではなかろうかというふうに考えています。
 それが1つと、あともう1つは、濱田専務の資料の10ページにあります、「長期的には需要の価格の弾力性は弾力的」なのじゃないかという、需要が排出権価格に応じて変わるのではないかということですけれども、これが実は非常に重要な問いで、というのは、排出量を減らすことがこれの目的であって、別に市場をつくることが目的ではないと私は考えるからですけれども、ここの振る舞いというのは、石油や電力とは全く違うと。というのは、対象とするものというのがなくて、これは全く政治的に決まった排出枠の取引であるという点で、「弾力性」とここで書いてありますけれども、別にこれで価格が高いと石油が採掘されて変わると、そういうのではなくて、むしろ価格が高くなるとEUの国々が音を上げて、排出枠が広くなっていって、それで排出枠がふえて、それで価格が下がると、そういったような政治的な意味での、制度的な意味での弾力性という方がむしろ大きいのじゃないか。
 そういう際に何が起きるかというと、国際競争上の懸念というのはEUでも既に言われていますし、カナダでもそれは非常に気にしていると。あと、排出枠を割り当てるに当たっては、グランドファザリングが大体使われるんですけれども、ここに繰り返しゲーム的な要素があると。生態的に考えると、確かにコストが安ければ排出削減して排出権を売った方が得なんですけれども、実際には、それをやると次の割り当てが減ってしまうという側面がありますので、実はなかなか排出削減が進まない可能性がある。そういう情報を、断片的にですけれども、アメリカのSOx排出権市場で起きているという話も聞いたことがあります。
 ということで、大事なことは、今、市場がヨーロッパで立ち上がりつつありますと。本当にそれでCO2が減るかどうかという、その環境側面での実効性というのは、これから実地でテストされて初めてわかるものであって、その点については何らまだ実証されてないと。うまくいけばいいけれども、そうじゃないかもしれないという了解が必要かと思います。
○黒田委員長  今の点も非常に重要な点だと思います。資料5、6を事務局の方から御説明いただいた上で、今の佐藤委員と杉山委員の問題も含めて少し議論をさせていただければと思いますが、よろしいでしょうか。

     ③クレジット取引に関する国際的な動向
     ④クレジットの各類型と政府のクレジット取得のあり方について

○黒田委員長  ただいまの山形さんからの御説明、資料5、6で、まず、何か質問がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
○明日香委員 細かいところで恐縮なんですが、一応省エネの方法論で追加性のことをちょっとお触れになったと思うんですけど、多分同じ方法論でも、それがアプリカブルなそれぞれの案件でも、追加性がある、ないによってそれぞれ違ってきますので、方法論自体が追加性云々で通りにくいというのは、書き方が非常に難しくて、ツールができるまでどうやって書けばよかったかわかりませんし、実際、今でもツールに従うと書いてしまうとだめらしいんですけれど、ツールのどういう要素を入れて追加性を調べるというふうに書けば、方法論の追加性のところはクリアするのかなと私は思っていまして、やはり問題は、個別の案件自体が方法論に対してアプリカブルであって、かつ案件自体に追加性があるかどうかというところが、最終的にCDM、クレジットが発生するかに関係するのかなと思います。
○山形大臣官房参事官 先生のおっしゃるように追加性については2つの局面がございまして、考え方自体が確立するということと、個別プロジェクトがフロン、N2Oに比べると費用効果的には相当低いという、省エネプロジェクトが進むかどうかという2つの局面があることは、先生のおっしゃるとおりだと思います。我々としましては、また省エネプロジェクトについてはさらに難しい問題、例えば省エネによってコストが下がった分のリバウンド効果はどうするかとか、プロジェクトの範囲設定をどうするかとか、非常にテクニカルな問題が残っていることも確かでございますので、そういう問題をできるだけ専門家の方の意見をいただきながら1つ1つ解決していくことも、省エネプロジェクトの推進につながるのではないかというふうに考えております。
○椋田委員 資料6の18ページ、新聞にも報道されましたデンマークとロシアの温室効果ガスの排出枠の売却協定ですが、これはトラック1ですか、トラック2か、もしわかれば教えていただきたいというのと、21ページの中東諸国のGISの余剰枠が出ているんですけど、これは年間の余剰枠ということで、5年間の合計ではなくて年間ということでよろしいんでしょうか。
○山形大臣官房参事官 まず1点目ですけれども、ロシアとデンマークのトラック1かトラック2かということについては、済みません、今ちょっと確認できませんので、後ほど調べた上で御報告いたしますが、たまたま先週、ロシアを訪問してきたわけですけれども、ロシアの政府としては、エリジビリティーの問題、参加資格の問題がありますので、当初はやはりセカンドトラックで考えて、うまくいけばファーストトラックに移行していこうというような、政府としてはそういう考えをお持ちのようでした。
 それと、AAUの余剰枠の数字でございますけど、これも後ほど確認しますけれども、数字は年だったと思います。
○工藤委員 最後のページの表の整理の仕方なんですけれども、CDM、JIと来てGISを下に並列で書かれているんですが、ここの解釈は、GISはエミッション・トレーディングの中身のやり方の問題として分類されるから、左の列はあくまでも京都メカニズムとして整理されるんだったら、エミッション・トレーディングの中のオプションとしてGISが入る、そういう解釈。なぜかと言うと、これだと新しいGISというメカニズムをつくり出すようなイメージがあるので、誤解を生まないためにはその方がよろしいんじゃないかと思います。
○新澤委員 CDM理事会効率化という14ページなんですけれども、方法論の統合化で幾つか提案なさろうとしているということでしたけれども、現在、理事会でも統合化というのは行っていると思うんですけれども、それとどう違うのかという点をちょっと御説明いただきたいということ。
 それから、16ページにJIに関する国際ルールというのがあって、トラック1、2というのがありますけれども、トラック1というのは、それほど敷居が高くないというふうに私は考えていたのですけれども、どうもトラック1も敷居が高いからGISという御説明に聞こえたのですけれども、私の誤解かもしれませんけれども、トラック1は難しい、活用しにくいと考えておられるのでしたら、その理由の説明をお願いします。
○花形大臣官房参事官 まず、1点目の統合化でございますけれども、理事会自体でも方法論の統合化というのは進んでおりまして、これは既に認められた方法論を統合化していくという作業が進められております。我々が考えておりますのは、例えば細かい適用範囲しかない方法論を5つ集めてきて広いものをするというものではなくて、初めから統合化された幅広い適用範囲を持った方法論をまず開発すべきではないかということを考えております。
 それと、JIのトラック1の参加資格でございますけれども、これは国によっては厳しいことになる可能性はございます。それは何かと言いますと、インベントリーと言われるものですが、どこからどれだけの温室効果ガスが出ているかを把握しなければならないというのがございまして、国によって、そういうものが非常に高いハードルになる可能性がございます。また、JIのトラック1とETの変形であるGISというものの参加資格は同じであります。我々は、トラック1が難しいからGISということではなく、トラック1もGISも参加資格としては同じなんですけれども、GISの方がよりフレキシブルに物事を決められるということで、そういうものも活用していくべきではないかということでございます。
○藤富委員  ことしの2月からCDMの理事会に出ておりまして、きょうお話を聞いていて、扉が既に閉まり始めているとか、遅いんじゃないかという話があったですね。私もCDM理事会に出るときに、外側から言われている、どうしてこんなに審議が遅いのだろうというのが、中に入ってみて、何でだろうかというふうに思ったんですけど、過去3回出てみて、これは言いわけになるかもしれないんですけど、ことしの1月現在、登録されていたプロジェクトというのは1個なんです。きょう現在、今13あります。実はついきのうクリアしたやつがあって、13になっています。
 何で外側から見て遅いのかというのは、私はこういうふうに考えていますが、1つはボトムアップアプローチといって、今まで方法論を15の分野について、1つ1つのケースについて、ベースラインがどうかとか、アディショナリティーがどうかという議論をボトムアップで1個ずつしています。メソドロジーパネルというところが15人でやっていたんですが、つい最近、15人にふやしてスピードアップをしようとしています。しかしながら、やっぱりボトムアップアプローチをやっていて、それで、今小さいものも含めて40メソドロジーが通っているんですが、同じような案件が出てきたときに、やっぱり統合化しようという議論があって、統合化をしつつあります。でも、これもボトムアップでやっている。また、ラーニング・バイ・ドゥーイングといって、やりながら勉強していくというやり方で、ちょっと時間がかかるところはあります。
 これがボトムアップなんですが、あとは一番大きいのはダイバーシファイ・インタレストというか、大体20人の人が国連のそれぞれの地域割り、または先進国、または発展途上国グループで出ておりますけれども、それぞれの人がそれぞれの国を代表しているわけではないんですけれども、一応それぞれの国のプロジェクトを想定しながらいろんなことを言っていて、なかなか皆さん口頭で言っていることと、やっぱり利害があるのかなという気がちょっと、これは邪推ですが、あります。
 一番大きいのは、国連はコンセンサスアプローチをやっておりますので、とことん議論を尽くすまで尽くすというようなことがあって、それでもやっぱり時間が足りなかったら、もう1遍議論を尽くすから次回に送ろうという議論になってしまうんですね。実際はボーティングもできるんですけど、投票もできるんですが、投票するときは絶対多数といって、8割以上の賛成がないと通らないんですね。一部今の議長が着任した最初のときに、じゃ余り議論しても決着つかないからボーティングしようかと言って、ボーティングしたら、まだボーティングするには早いんじゃないかということを投票した後に言われちゃったりして、結構議事運営って難しいんですね。
 というのが、BCBでボトムアップでやっていることと、コンセンサスでやっていることと、ダイバーシファイと、この3つなんですが、今理事会で非常に気にしているのは、そうは言っても、このままたらたらやっていると、CDM制度自身が死んでしまうんではないかということをみんな非常に危機感を持っておりまして、今度11月の末に第1回目のCOP11/MOP1という、京都のプロトコルができてからの最初のがありますが、そういうところでも加速する議論をすると思います。だから、ぜひ日本国政府におかれても、いろんな状況を踏まえて、COP/MOPの場でCDMの審議をどういうふうに加速したらいいのかというような、きょうの御提案があったようなことをやっていただけると、私どもとしてはありがたいと。ちょっと参考までに。
○黒田委員長  CDMの承認・認定のところ自身で賛否両論があるんですか。それは、事実がどうであるかということで決まっちゃうんじゃないか。
○藤富委員 実は登録するかしないかという最後の段階のところは、自由な議論をするためにテレビ放送を切ってやっているんですけれども、非常に細かい議論、テクニカルな話とポリティカルな議論と両方されています。本当にかなり細かい技術的な、モニターをどういうふうにするのかとか、フロンメーターをどういうふうにつけるか、そういうような議論までもしていまして、だから、そこで1点ちょっと何か問題が起こるとストップになってしまう。でも、さはさりながら私の見ているところ、どこかにやっぱりこれぐらいならいいかなというアクセプタブルレベルみたいのがあって、それがどこかなというのを今見きわめようとしているんですけれども、余り細かいことは言ってもしようがないなというムードもあるんです。
 したがって、きょう現在13出ているというのは、こういうのは判例が積み重なっていくと、「前のときにいいと言ったよね」という議論というのは必ず出てきて、そうすると、だんだん話が早くなってくるので、これはちょっと楽観的ではありますけれども、これからは審議のスピードが速くなるし、そういうふうにしないとこの制度は死んでしまうという危機感は持ってやっています。
○杉山委員 資料6の方の22ページで、「日本としての提案が考えられるGIS制度」としてプロジェクト型GIS制度を挙げておられて、御説明のときには、「まずは」というふうに一言入れておられて、この紙には、その「まずは」ってないので、その辺の位置づけをもう1度確認させていただきたいんですけれども。GISというのを言うに当たって、JIからそう遠く離れたものは、初めは言いにくいし、初めはこういったプロジェクトベースのものから始めようと、このお考えには全く同感です。ただ、これによって、場合によってはクレジットの調達量を自分で縛ってしまうようなことにならないかという危惧も一方では抱いております。
 このスキームを拝見しますと、ホスト国政府も日本国政府も排出削減量について承認するというふうになっていて、事実上は両国間で合意するようなことになるんじゃないか。そうすると、ある施策をめぐっての排出削減量について合意するというプロセスが1つ1つ入ってきて、そこで個別に議論すると時間がかかりますし、じゃほかに参照するものはというとCDMしかないというような状況でそれをやると、こちらも供給量が縛られちゃうんじゃないか。あるいはそれ専用のルールをつくるにしても、2国ベースでそのルールをまずつくるというところから始めると、結構な手間暇と時間がかかるかしらと思います。
 ということで、私の個人的な考えとしては、まずは、こういった制度を1つスコープに含めます。ただ、将来的なGISの制度としては、もっと大きい広がりを考えていて、その中には、例えばお金が環境目的に使われていればそれでもってよろしいです、それでAAUの移転に正当性を与えますというようなやり方もあるのではないかと。そういった含みを残せるような形でまとめていただければと思います。
○山形大臣官房参事官 ありがとうございます。おっしゃるとおりでありまして、何もこれで将来的なものを縛ろうというものではございませんでして、将来的には、当然さまざまなものを必要があれば検討していくべきではないかというように考えております。しかし、今GISで国際的に言われていますのは、何がグリーンなんだというところの定義問題というのがありまして、冗談で、ブラックグリーンだとかブラウングリーンだとか、本当のグリーンは何だということになると思いますが、我々として、まず、このGIS制度というものがきちっと国際的に認知されるためには、比較的厳し目の本当にグリーンなものをまず提案していくべきではないかというふうに考えております。
○松橋委員 質問というよりちょっとコメントに近いところなんですが、最後の政府の計画で、CDM等のクレジット取得についてということで、2006年度から措置する必要性があるということで準備をされているということで、私、基本的には、こういう制度を考えておられるということで賛成でございます。ぜひ頑張っていただきたいと。いろいろ、もう遅いのではないかとか、あるいは政府の遵守に役立てるぐらい集まるかどうか、もちろんわからないところもありますが、それでも、今からでも始めていただくということに大変期待をしております。
 ただ、民間のいろんなファンドというのが既に立ち上がっておりまして、きょうお話しいただいたナットソース・ジャパンなんかもそうなんですが、特にJBICとか政策投資銀行が中心になってされているJGRFのようなもの、あそことのそごがないようにできればしていただきたいなと思います。もちろんJGRFにしてもその他にしても、民間による民間のためのファンドであると思っておりますので、あそこに資本を出されている企業というのは、それぞれ自社にとって必要性があるという範囲でされているんだと思います。ただ、そうはいっても、全部が全部、民間で必要とされているものだけが集まるということではなくて、ひょっとするとそれ以上に集まってくる場合もあるのかと思います。そうした場合に、これから政府が考えておられる、基本的には政府の日本としての議定書数値目標遵守のためのファンド――ファンドといいますか、予算というものとうまくそごがないように連携することで、より相互の役に立つといいますか、そういう部分が出てくるかと思いますので、その辺をお考えいただけると大変ありがたいかなと思います。
○山形大臣官房参事官 既に民間の方でさまざまな活動、ファンド等もございますので、そういうところといかに協力関係、協調関係、また不整合が生じないようにしていくのかということについては、十分留意しながら進めていきたいと思っております。
○黒田委員長 どうもありがとうございました。
 ほかに何かございますか。
 その少し根本的な話で御意見をお伺いしたいんですが、政府がクレジット取引のマーケットの設計に関してどういうふうに関与するかということだと思いますが、きょう山形さんの方で御整理いただいたのは、むしろ政府がマーケットにおけるクレジット供給量をふやすためにどういう形で関与すべきかということが枠組みの1つだと思うんですが、今度、取引市場そのものをどういうふうに設計するか、その設計段階で政府がどういうふうに関与すると、先ほど佐藤委員だとか杉山委員が提案されたような民間と政府のかかわり合いの問題とか、本当に環境に資する設計になるのかどうかといった問題がいろいろ出てくるんだろうと思うんですが、最初の濱田委員の御提案の中に、政府が価格安定のために何らかの形で取引に関与するという御提案があったと思うんですが、その観点はもうちょっと補足していただくとありがたいんですが、いかがでしょうか。
○濱田委員 私どもが新澤先生や西條先生と一緒に勉強してきた考え方というのは、EUがアローワンスを発行しているように、日本もジャパンアローワンスを発行して、これは有償で売り出すということがいいんじゃないかということだと思っています。これはマージナルな、どれだけを京都メカニズムに依存するかという量は制度設計によってさまざまだと思いますけれど、明確に遵守をしようと思えば、90年度レベルで10%以上のCO2を取ってこなければならないということになると、それだけで世界に大変大きな買い手として登場してしまう。それに我が国のエネルギー特会を投入して、それだけの大量の買い手として登場するというのは非常に大きなインパクトを与えるだろうというふうに思うわけで、日本の事業者、これはある程度義務づけが前提になりますけれども、経団連の自主行動計画も同じことだとは思いますけれど、その人たちが取得してくるインセンティブの中に、海外からとにかく必死で取ってこなければならない、しかもそれが日本にとっての相当量だということになれば、非常な問題が生じると思いますので、例えばジャパンアローワンスとして我が国に与えられております-6%、94%相当は政府が売りに出すということで、しかも有償で出すと。そうすると、トータルでは大変大きな負担になるわけですけど、これはもともとグランドファザリングされたものですから、クレジットを取得した社には均等に還元するという仕組みをあわせて設ければ、実質的な負担は下がるだろうというようなことを検討した制度設計を考えたわけですね。
 そうすれば、日本自身の排出権取引市場における供給量というのは格段に上がるわけで、その中で、94というのはあらかじめの第1約束期間における一定の目安ですから、例えば2008年当初に94いきなりいくわけじゃないので、第1約束期間5年間で平均して94であればいいと思えば、最初のときは100でもいいわけですから、そういう意味で我が国が必要とするエネルギーの状況は、景気がよくなればエネルギー需要は非常に強くなって、炭化水素のようなものはふえるわけですから、そういったときには弾力的にジャパンアローワンスをふやしてサプライするということも可能なわけで、これはカナダが提案しているようにセーフティーバルブというコンセプトと似てきて、我が国のエネルギーの義務者になっているというふうに想定していますけど、この人たちが炭化水素の輸入で必要とするクレジットがふえていけば、それに合わせてジャパンアローワンスもふやしていくという仕組みを講ずれば、世界に対するインパクトは余り大きくならないんじゃないかということを想定した制度設定を提案しているわけでございます。
 こうしてダブルオークションの形で――もちろん、時には需要者として政府も登場してもいいと思いますし、サプライについても、別に何%というのはコミットする必要がありませんので、こういう行動を政府がやるのはどんなのに似ているかというと、通貨の供給とほぼ同じ仕組みですね。日銀なり大蔵省が外国為替市場に介入していく方法と一緒でございまして、目標数値等も別に明示する必要はないので、最後、計算してジャパンアローワンスが過剰に発行されていたとすれば、それは第2約束期間の制度設計いかんによりますけれど、我が国がバイオレートした分だというふうにカウントすればいいわけですから、そういう意味で、全体にCO2クレジットは相当虚構の世界なわけですから、制度設計上は相当日本政府がこういうものに本格的に参入して、我が国の大きなエネルギー需要が世界のCO2を取得、本格化するというときには、用心深い制度を用意した上で市場設計をした方がいいんじゃないかというのが私の最も言いたかった趣旨でございまして、そんなようなことを想定した方がいいのではないかということを申し上げたいと思います。
○明日香委員 今と間接的には関連すると思いまして。先ほどから議論になっていますCDMをどう延命するかなり、市場メカニズムがいいかどうかということも含めて、ちょっと議論のためにお話しさせていただければと思います。
 私は、CDM制度を延命させる唯一の効果的な方法というのは、2012年以降のクレジットもある程度経済的な価値を持たせることだと思うんですね。2015年までか2020年までか、そこら辺は議論になりますし、どうディスカウントするかとかそういうのはあると思うんですけど、何らかの経済的な価値を持つという保証を制度的につくらなきゃいけない。それはCOP/MOPの場になるかもしれませんし、EU-ETSの場になるかもしれない。例えば具体的に言えば、2015年までのクレジットも2012年までの第1約束期間の遵守のために使えるようにするとか、いわゆるボローイングみたいになりますので、輸入システムのもとでやるとCOP/MOPの話になりますが、例えば先ほど杉山さんがちょっとおっしゃったように、EU-ETSが将来も続くというふうに宣言して、将来的にもある程度の価値を持たせると。ある程度先物として流通するようにすれば、CDMはこれからも案件が出るでしょうし、その先物を日本がある程度買うことによって、それをAAUとかえることによって、何とか日本も遵守のためのクレジットをかき集められる可能性はあるんじゃないかなと思います。もちろん正式な需要性とかいろいろテクニカルなところはあるんですけど、少なくも今のままで何もしなければCDMの扉が閉まってしまって、クレジットがなくなってしまって日本は不遵守になると思うので、EU-ETSが宣言すればいいというふうなあれなんですけど、今のままでは宣言しないので、そこら辺は日本とEUがある程度協力して、少なくともEU-ETSが2012年以降もある程度続くと、そのときのクレジットが価値を持つというような仕組みを日本とEUがつくらないと、日本の遵守は難しいかなと思っています。
 あと、市場メカニズム自体に関してなんですけれども、EUの中でもオークションなり、インテンシティーなベンチマークでアロケートする方がいいという議論はありますので、杉山さんがおっしゃるように、グランドファザリングはよくないからもうちょっとほかの方法を入れろという動きはあると思いますし、多分EUの中の第2約束期間の割り当てはもうちょっとベンチマーク的な話になるかなと思っています。
 あと、市場メカニズムでCO2が減るかどうか、多分杉山君は御存じだと思いますけど、市場メカニズムは費用効果的に減らすための話であって、減るかどうかというのはまたちょっと違う話かなと思います。
 いずれにしろ、私は延命させるためには、2012年以降の価値を持たせるしかないのかなと。それが直接的に日本の遵守につながるのではないかなと思っています。
○黒田委員長  まだよくわからないところがあって、いずれにしろ、価値を持たせるにしろクレジットマーケットをつくるにしろ、先ほどの濱田さんの御提案もあるように、国レベルにしろ、ある種のキャップはかけなきゃいけない。それをさらに国内マーケットで生かそうとすると、何らかのキャップを国内の中でかけなきゃいけないというわけですよね。それがなくて多分延命はできないし、かつ費用効果だけじゃなくて環境効果も上げられない。そうすると、佐藤委員がおっしゃったキャップの問題というのは非常に重要になってくると思うんですが、業界の方とほかの委員の方とそこの辺の認識に対して相当ギャップがあるように思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○佐藤委員 基本的には、産業界は今自主的取り組みということで動いていまして、その中でやはり自主的にクレジットを購入してくるという、こういうスタンスはやはり崩したくない枠組みであるというふうに考えています。基本的には相対取引で賄えるというふうに今考えておるわけですが、やはりキャップをかぶるということ自体が、本当に適正に各業界にキャップをかけられるのかという問題も、これは共通の問題だと思いますが、そういった複雑な問題、日本の経済を考えた場合の問題とか、そういった諸問題まで影響してくる話ですので、基本的には今の枠組みというのは崩したくないというのが産業界の考え方だと思っています。
○濱田委員 ちょっと、さっきキャップのことを言わなかったのであれですけど、私たちの研究している提案は、ジャパンアローワンスを出すのは、94というのは日本政府が当然グランドファザリングをされている-6%から出てきている数字で、我が国自体が遵守しなきゃいけないもので、それ以上のものについては民間が自主的にクレジットを海外から取得すればいいという意味で、炭化水素の輸入のところにかけようと思っていますけど、それについては、量的にはキャップはかからないという考え方です。幾らでも取ってきていいわけですけど、その炭化水素の当該年度の必要量が非常に多くなれば、クレジット取得は非常に多くなってきますから、そういう意味でマーケットインパクトがあるだろうという意味で、94のアローワンス自身もフレキシブルに――セーフティーバルブの観点ですよ、我が国国民経済に影響を与えるほどにクレジット価格が上昇すれば、ジャパンアローワンスもふやしてしまうということでフレキシブルな制度にしたらいいんじゃないか。
 さっきから言っているように、相当クレジット取引というのは虚構の世界なわけですから、これを通じて我が国経済が死んでも世界の環境を守るとか、そういうことは考える必要はないわけで、皆さんが遵守する目安として、しかも国際価格に連動する価格でクレジットを取得するためには、我が国にも大量にクレジットが流通していて、エネルギー事業者の人もそこから取得ができるという仕組みをつくっておいたらどうかということで、キャップをかける必要は全くないのが私どもの提案です。それを各事業者ごとにかけるなんていうのは、さっき私が、EUはうまくいってないよと言ったそのものですから、そんなことは、またイノベーションとか各社の取り組みで毎年変わっていくわけで、個別社ごとにキャップをかけるなんていう考え方はあり得ないわけですね。それは我々の実験経済でもずっとレポートも出しておりまして、そんなことは全く必要ないので、日本が与えられた-6%を達成するためには、ジャパンアローワンスを出し、それ以上のものについて必要なものはクレジットで取得してくるという仕組みさえつくれば、価格メカニズムで必要なものは取得できるんじゃないか。そうすることで遵守の蓋然性は上がるだろうという提案でございまして、そこはもちろん経団連自主行動計画のままでもできますし、義務化するというのも両方あり得ると思いますけど、オールジャパンでそういう制度設計をみんながコンセプトを持ってつくらないと、不用意にクレジットをマージナルなところで、自主行動計画でも何でもいいですけど、相当大量に政府の後押しも得て国際市場に出ていったら、非常に高いものになって対抗措置がなくなるんじゃないかというのを申し上げたかったということでございます。
○椋田委員 キャップ・アンド・トレードの話につきましては、先ほど佐藤委員が話されたのと全く同じで、そもそもグランドファザリング自体が非常に難しいと。初期割り当てが公平に果たしてできるんだろうかということと、政府が各企業あるいは業界のエネルギーを決めるということは、ある意味で究極の規制であって、こういう形でキャップをはめてしまうと産業構造の転換自体を阻害するのではないかと。いろんな形で日本は産業構造を変えながら中国やアメリカと闘っていかなきゃいけない中で、ある年次のエネルギー利用量をそのまま固定してしまう、あとは成長したい産業は買ってこいということは当然高コストになるわけですので、そういったことについては産業界としては強く反対をしているということです。
 それから、今のジャパンアローワンスの話は、正直言ってまだ十分理解できてないところはあるんですが、多分-6を超えてくるところは民間が買ってくるということになると、国内でのエネルギー価格が高くなってくるということかなと思っています。それで、多分エネルギー多消費産業にいろんな影響を与えてくるということなんですが、日本のエネルギー多消費産業というのは、ある意味世界で最も効率的な産業であって、仮に日本だけの、国内だけのエネルギー価格が高騰することによって、こういった多消費産業が外に出ていくという形になってきますと、結果的に地球全体のCO2の量がふえてしまうということにもつながりかねないので、その辺の制度設計をどうしていくかということについては慎重に議論しなきゃいけないなというふうに思っています。
○杉山委員 国のキャップを遵守するために企業別あるいは工場別のキャップが要るという理屈が私はよくわからなくて、政府がクレジットを調達するようなシステムというので十分目的は果たせるはずですし、そのときは、当然価格には上限を設けて調達する。どこの調達システムもそういうふうになっていると思います。オランダも、調達するときには何ユーロという目標価格がありますし、カナダで議論されている制度というのも、上限はカナダドルで15ドルというふうに明確に議論されている。そういう上限を設けて、それで調達し切れなくて不遵守になったらどうするか。それは不遵守で仕方がないと。国の経済とか国際競争力を徹底的に犠牲にしてまで遵守するという性格のものではないと。そのときには、正確に言えばまだ不遵守ではなくて、こういった行動を起こしました、その結果、数値目標に至りませんでしたということを京都議定書の遵守委員会に持っていって審議してもらう。そこできちんと、前向きに努力しなかったかどうかということを議論する。そういうプロセスがあるというふうに私は理解しています。
 仮に大規模な政府調達の制度を設けて、それに上限価格がある程度あって、国内の政策措置もきちんと打って、それで数値目標に未達という場合には、それはそれで、それほど激しいペナルティーというものにはならないのではないか、それが国際環境法の相場でもあるのじゃないのかというふうに考えます。ですから、数値目標だけにべったり張りついていくと、ほかの優先順位というものが一切無視される。これはおかしな話になりますから、やはり相対化して、遵守ということ自体相対化して考えてやらなければいけないということが1つです。
 あともう1つは、排出権取引というものについてかなり過大な期待があるということです。政策措置として見ますと、これは民生部門、運輸部門には全くききませんし、産業部門の、しかも大排出源にしかきかないと。実はここというのは、どういった制度を使っても一番コントロールが比較的しやすいところで、我が国は省エネルギー法もありますし自主行動計画もありますと。ヨーロッパでも排出権取引制度が入っていますけれども、どの制度を使ってもそれほど排出は伸びていないし、それなりの成果が期待できると。仮に排出権取引で20ドル程度の値段が継続したとしても、それによっていかほどの排出削減が本当に期待できるかというと、実は余りないのではないか。というのは、そのぐらいでできる省エネルギーや排出削減というのは、我が国ではもう相当に進んでいる。ヨーロッパでは自主的取り組みもきちんとやってなかったですし、省エネルギー法の整備も進んでいませんでしたので、排出権取引制度を入れたという事実をもってかなり経営者の注目が向いて、排出削減が進むという傾向があるかもしれませんけれども、それはちょっと日本では余り期待できないのではないかというふうに思います。そういった温暖化防止の実効性の観点というものをもっと冷静に見てやる必要があると。単にヨーロッパではやっている制度だから日本で入れると、こういう発想では失敗すると思います。
○山田委員 供給量の拡大について一言申し上げたいんですけれども、今回、政府の方から省エネ分野だとか2国間政府での枠組みだとか、こういったことが具体的に進むことが個別の企業の省エネプロジェクト等の推進を後押ししてくれるというふうに思っていますので、ぜひともよろしくお願いしたいというふうに思います。
 この点について、もう少し具体的に我々の悩みを申し上げますと、今回、日本と中国で鉄鋼の省エネセミナーみたいなものをやったわけですけれども、そのときにわかりました事実というか、本来どんな技術が省エネに極めて有効であるとか、そういったことというのはかなり一般化されています。これは一部ビジネスとしてもやっていますから、かなり一般化されているわけですけれども、大手の一部が入れられることであっても中小以下のところは、特に環境投資の場合には、省エネの場合には将来的な回収は必ずできるものがあるわけですけれども、設備資金が非常に大きいものですから、そういったリスクを負ってまでなかなかできない。結果、個別企業で特に政府のコントロールがきかないところ、あるいは中国の場合には、地方の行政がコントロールしているところもありますから、そういった地域においては、地域の雇用でありますとか税収の問題とかいろいろありまして、企業の存続自身を大事に考えて、環境負荷の方が後ろになりがちな要素もあります。そういった意味で、やっぱり中小に対して、追加性の問題と関連するわけですけれども、中小以下のところに対していかに普及させていくかというための資金支援でありますとか、そういったことが必要だなということが1つ。
 あと、我々の立場で見ましても、環境投資自身がビジネスとして安定的にもうかるものではございませんから、みずからやるという場合と、今後何年かにわたって資金回収が十分かどうかわからないところに対してやるためには、内部で人材でありますとか設備、技術、そういったものをキープしないとできないんですね。だから、トータルとしてそういったことを、日本なのか個別企業なのか、安定的に供給できる体制もつくらないと進んでいかないということについても御理解いただいて、多分これは個別企業ではそこまでの体制はつくれませんから、やっぱり国対国、そういったところに対してまた資金援助的なスキーム。
 それともう1つは、CDMは手続が余りにも複雑なので、年間数万トンの削減のプロジェクトを10個、20個もさすがにつくっていけないんですね。トータルとして、きょうもありましたけれども、簡素化した手続を国同士あるいは国連ベースでのCDM理事会に通しやすいような仕組みをつくっていかないと、我々個別企業がせっかく持てる技術があっても参画できにくいということについて御理解いただければというふうに思います。
○明日香委員 まず、私も、退却戦略というんでしょうかね、本当にだめになったらどうしようかと、そのときにどのようにほかの各国に、日本は頑張ったけれどというふうに言うか考えなきゃいけないとは思っているんですが、それも結局は相手がいることですので、自分が頑張ったというよりも、相手がどう評価するかというのを、まずもうちょっと考えなきゃいけないのかなというふうに思います。
 あと、私も、実は民間というよりもGGベースである程度買う、買わないの話をする時期なのかなと思って、具体的に中国政府と何万トンぐらい、幾らという話にこれからなっていくのかなと思います。その場合は、民間はある程度飛ばしちゃっていく話かなと思っています。そうは言いつつも、私、民間で、前線でいろいろ買いあさっている方に話を聞くと、50セントの値段で勝ったり負けたり、取れたり取れなかったりする世界らしいんですね。そういう意味では、政府が幾らで買うかということをどういう形でアナウンスするかというのは非常に彼らの商売に影響しまして、余り政府が高く言い過ぎると困ってしまいますし、余り低過ぎるとまた困ってしまうと。具体的に6.5まで出せるけど、7まで出せないよと。7まで出せるよというふうにデンマークなりオランダが言ってしまって、取られていってしまうということが今起きているみたいですので、そこら辺の価格に関しては、まさに政府がどう動くか、政府と民間がどういうふうにある程度、「調整」というのは余りいい言葉じゃないかもしれませんけれど、そういうのも実際には必要なのかなと思います。
○黒田委員長  次回は、8月2日午前10時から、この同じ場所でやらせていただくことになります。次回は具体的な市場の設計の話になると思いますので、またきょうに引き続き活発な御議論をいただけたらというふうに思います。
 本日は、どうもありがとうございました。

 閉会
 

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最終更新日:2005.08.31
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