経済産業省
文字サイズ変更

審議会・研究会

独立行政法人評価委員会経済産業研究所分科会(第14回)  議事録


1.日時:平成17年7月8日(金)14:00~17:00
2.場所:経済産業省14東8共用会議室(本館14階東8)
3.出席者:
<分科会委員>
  小野分科会長、小笠原委員、シェアード委員、西岡委員、速水委員
<独立行政法人経済産業研究所>
  岡松理事長、吉冨所長、田辺副所長、入江総務ディレクター、細谷研究調整ディレクター、米村総務副ディレクター
<経済産業省企画室>
  佐味室長、足立企画主任
4.議題
(1)独立行政法人経済産業研究所の平成16年度財務諸表について(審議)
(2)独立行政法人経済産業研究所の平成16年度の業務の実績に関する評価について(審議)
(3)独立行政法人経済産業研究所の予備的中期目標期間に係る業務実績に関する評価について(審議)
(4)独立行政法人経済産業研究所の中期目標期間終了時における組織・業務の見直 しの論点について(審議)

5.議事内容
○小野分科会長 それでは、第14回独立行政法人評価委員会経済産業研究所分科会を始めたいと思います。速水委員がまだ来られておりませんけれども、そろそろおいでになると思います。今日は藤垣委員がご欠席ということであります。
 お手元に「議事次第」をお配りしてありますけれども、今日の議題は、1つが、16年度の財務諸表について、2つ目が、16年度の業務の実績評価、3つ目が、16年度までの4年間の実績評価について、4番目に、組織・業務の見直しの論点について、以上4つのテーマで今日は審議をしたいと思います。
 それでは最初に資料の確認を、お手元に全部参っているかどうかも含めて事務局からお願いいたします。では、よろしくお願いいたします。
○佐味室長 それでは配布資料の確認でございます。かなり資料が多くなっておりますけれども、お手元に「配布資料」という一覧表がございまして、議題に沿って資料が1―1~4―2までございます。資料2―2と3―2は少し大きめの資料になっております。ご確認いただきまして、今でも途中でも、もしご不足や乱丁などがございましたら事務局にお申しつけいただきたいと思います。
 続きまして、今日の進め方について簡単にご説明したいと思います。
 最初に、財務諸表の案につきまして経済産業研究所から説明をしてもらいまして、ご審議の上、議決をしていただくというのが1つ目でございます。その次に、経済産業研究所の16年度と4年間の予備的中期目標期間に係る評価につきまして、これは事務局から、各委員の先生方から頂戴したコメントを踏まえて作成した評価表の理由・背景(案)についてご説明をいたしますとともに、経済産業研究所から補足すべき点等について適宜説明、発言を頂戴し、その後、ご審議の上、議決をしていただくということでございます。
 なお、16年度の業務実績に関する評価の結果につきましては、規程により常勤役員の業績給の支給に勘案される形になっております。
 そして最後の議題でございますけれども、独立行政法人経済産業研究所の中期目標期間終了時に係る組織・業務の見直しということで、この最初の中期目標期間が終わる時点でどういう形で見直していくべきかという論点についての議論、これを事務局からのご説明の後、審議をしていただくことになっております。
 なお、2つの業績評価、それから見直しの論点の審議中は、経済産業研究所からの出席者の方には中座をしていただくことにしておりまして、業績評価につきましては決議が終わった後、一旦お戻りいただきまして決議結果をお伝えするという流れでございます。
 なお財務諸表、それから年度評価、中期目標期間の評価につきましては、評価委員会の運営規程の7条によりまして分科会での議決事項になっておりますので、この分科会における議決が評価委員会としての議決になるわけてでございます。
 そして、いつものことでございますけれども、配布資料、議事録、議事要旨につきましては、同じく運営規程の定めに基づきまして公開することとなっておりますので、あらかじめご承知おきいただきたいと思います。
 事務局からは以上でございます。
○小野分科会長 ありがとうございました。
 それでは、今、事務局からご説明いただきました方向で進めさせていただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますか。
     (「はい」の声あり)
 それでは、そのように進めさせていただこうと思います。
 最初に財務諸表でございますけれども、独立行政法人通則法第38条では、「主務大臣が財務諸表の承認をしようとするときは、あらかじめ評価委員会の意見を聞くべき」ということになっております。それでは早速、経済産業研究所からご説明をいただきます。よろしくお願いします。
○岡松理事長 それではご説明をさせていただきますが、まず、当研究所の活動に大変ご協力をいただきましてありがとうございます。特に今回は評価のプロセスで多くの時間をお割きいただいたものと感謝いたしております。
 17年度に入りまして、私ども最後の年ということで、一層気を引き締めて取り組んでいるわけでございますが、研究活動も順調にスタートしておりますし、先月6月に中小企業関係のシンポジウムを1回開きました。それから再来週になりますけれども、WTOの進め方についていかに打開していくかというシンポジウムを開く予定でございます。8月はございませんが、9月以降もシンポジウムという形で研究成果の発表に取り組んでいく段取りで進んでおります。
 ということで、非常に順調にスタートしているということを申し上げまして、ここで総務ディレクターの入江から財務諸表について簡単にご説明をさせていただき、ご意見を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。
○入江総務ディレクター 総務ディレクターの入江でございます。主に資料1―1と1―2、その後ろに1枚参考資料をつけてございますけれども、財務諸表そのものは資料1―1でございますが、資料1―2という説明用の資料を作ってございますので、薄手の1―2の方で説明をさせていただきます。
 まず2ページから先に見ていただければと思いますが、損益計算書でございます。平成16年度1年間の費用と収益の合計を記載してございます。
 まず費用の方でございますけれども、経常費用の総額は18億500万円ほどになってございます。このうち大体4分の3が研究業務に使った費用でございまして、研究業務費のうち業務委託費5億2,000万ほど、人件費(研究部門の人件費)が3億6,700万円ほど、その他旅費等を含めまして研究業務に13億7,400万円、全体の大体4分の3を使ってございます。それから一般管理費が残りでございまして、管理部門の人件費として1億3,800万円ほど、それに賃借料等を加えまして一般管理費が4億3,100万円、経常費用全体として合計18億500万円という形になってございます。
 これに対します収益、利益でございますけれども、収益は、運営費交付金の収益がほとんどでございまして、これが18億900万円ほどになります。若干著書の監修料であるとか書籍の販売収入であるとか、あるいは受託収入等を含めまして、下から4行目になりますが、18億1,500万円ほどが経常収益の合計でございます。
 この経常収益の合計から、先ほど申しました経常費用の合計を差し引きましたのが経常利益、当期純利益、当期総利益、これは全て同額でございまして、 1,006万8,188円、およそ 1,000万円が利益という形で挙がってございます。
 1ページに戻っていただきまして、この1年間の収支の結果といたしまして、平成16年度末の貸借対照表の姿でございますけれども、まず資産の部の方は、大部分が流動資産でございまして、ほとんどが現・預金でございます。現・預金が10億5,600万円ほど、その他若干を含めまして10億6,000万円ほどの流動資産がございます。それからあと備品等の固定資産が若干ございまして、それからソフトウェアといった無形の固定資産もありまして、この固定資産の合計が3,200万円。先ほどの流動資産を含めまして資産の方は合計で10億9,200万円ということになってございます。
 これに対応します負債と資本でございますけれども、まず負債の方は、これの大宗は流動負債でございまして、運営費交付金債務が7億600万円ほどございます。ややわかりにくい概念でございますけれども、独立行政法人の会計基準に基づきまして運営費の交付金を受領した段階で一旦債務に充当いたしまして、それから業務の進行に応じて一部取り崩すというか収益化していく、比喩的にいうと凍結した資産を解凍していくような形になってございまして、この解凍した残りの部分が7億560万円ほどございます。これは期首の数字が8億9,300万円ほどございましたので、それから2億円近い額、債務は減った形になっております。あと未払い金等もございまして、流動負債としては10億3,900万円ほどが立っております。
 それから固定負債は、先ほどの固定資産に見合う形でございますけれども、3,200万円ありまして、負債の合計としては10億7,000万円となっております。
 これを補充する資本でございますけれども、利益剰余金のうち、前期までの利益が積み上がった積立金が1,150万円ほどございます。それから当期の利益としては、先ほどいいました1,006万円何がしがございますので、利益剰余金として合計で2,155万円、これが資本合計にもなります。この資本と、先ほどの負債と合わせて10億9,200万円で資産とバランスをした形になってございます。
 これが貸借対照表と損益計算書の概要でございますけれども、これでは実績は出てますけれども、計画の方の数字が出てませんので、それを1枚紙の参考資料で補足をさせていただければと思います。
 今言いました支出実績が貸借対照表なり損益計算書に反映されるわけでございますけれども、その前に私どもとして立てていた支出計画とどのぐらいの差があったかという点でございます。
 平成16年度の支出計画でございますけれども、業務経費として16億3,000万円ほど、一般管理費として2億8,900万円、合計で19億2,100万円というのが計画額、予算額でございました。これに対して実際に使いました実績決算でございますけれども、業務経費が15億1,000万円、一般管理費は2億8,900万円、合計で18億100万円ほどになってございます。計画と実績の差額が、右側の欄の1億2,000万円ほどになってございます。このうちの一部は利益とみなされる部分でございますけれども、その他は繰越をしておりまして、右から2つ目の欄で繰越が1億100万円ほどになってございます。昨年度との比較で申しますと、繰越額が昨年度は3億1,800万円ございまして、この場のご審議でもやや支出計画の実行に甘い点があったのではないかというご指摘を頂いたわけで、本年度はできるだけ緻密な予算管理を試みたわけでございますけれども、研究というのはどうしても進捗状況に不確定な要素もございまして、最終的に1億円ほどということで、昨年度の3分の1でございますけれども、翌年度に繰り越すものが出てまいりましたので、今年度これを着実に実行していくのが重要であるという認識をしている次第でございます。
 簡単でございますが、以上でございます。
○小野分科会長 どうもありがとうございました。
 それでは、どういうところからでもご質問、ご意見をいただければありがたいと思います。
○小笠原委員 今ご説明をいただきました今期の決算の中で、これは内容自体の正確性とかそういうことではなくて、ちょっと参考にお伺いしたい点ですけれども、最後の方でご説明のあった貸借対照表の資本の部の中で、今期、前期と前々期の分を累計して 2,000万ということで、前期の処理と同様に利益処分をされていますので、これは一般的な目的性のない積立金という格好で処理されていると思いますけれども、仮に、これは特定目的として積立金を考えましょうといったときには、現段階ではどういう用途にお使いになる予定であるのか、この辺のリアリティのところを参考までにお聞きしたいと思いましてご質問しました。
○入江総務ディレクター 申し訳ございません。特定目的という形で考えておりませんでしたので、内部的に十分議論した結果ではございませんけれども、私が案をつくって上申するとすれば、やはり研究費用に充てるという形で考えると思います。
○小笠原委員 研究費用に充てるというときに、民間ベースですと、実際に具体的に配り方があると思うんですね。どういうテーマをどういうプロセスで決めて、そこにどういう形で、何か研究員の方にインセンティブになるような格好で配られるのか、どういう格好になるのかというのを教えていただければと思いますが。
○岡松理事長 これにつきましては、まず処理の仕方として特定目的としていなかったということを前提にお話しを申し上げますと、いわゆる普通の研究活動の費用につきましては大体ありますので、むしろ使うとすると、この研究所のあり方を考えるといったのが、今までの普通の研究活動の中にない1つの支出項目かなと考えるわけでございますが、そこまでこれを立てて要求するとなりますと、財務省との協議に入っていくわけでございますけれども、今回はそういう形での利益計上はしなかったとご理解いただきたいと思います。
○小笠原委員 あくまでも今後の参考でございます。ありがとうございます。
○小野分科会長 もう1つお伺いしていいですか。この剰余金みたいなものを、例えば1億出てきたというのか、あるいは残そうとするのか、当初のプランニングだとみんな使ってしまおうということですけれども、進行していきますと、四半期単位、あるいは月単位にみていったりしますと、ちょっと余りそうだとか、そういう感覚がわかりますよね。そのときは、なるべく残そうとされてこういう結果になっていますか。
○岡松理事長 年度当初に予算を立てて研究活動を進めてまいりますけれども、その進行状況を秋口、10月ぐらいにかけてチェックをいたしまして、そこで再調整するということで進めてまいりますが、実際には進めていきますと不確定要素もあって、具体的には研究プロジェクト関係で約4,000万ほど繰越が出る、使い残しといいますか、研究が遅れたからその分が金も残っているということでございますし、シンポジウムの開催なども考えていたものがありましたけれども、これも実際にはそこまで至らないで年度をまたいでしまったというようなことから、ここもやはり 2,000万ほどの繰越が出たといったような形で次年度繰越の費用が立ってきているわけでございます。
○速水委員 貸借対照表の固定資産の部門に、例えば建物などというのがございますけれども、これはこの研究所の建物ですか。
○入江総務ディレクター 研究所のオフィスの中で内装で建物と一体になっているような部分だけでございまして、建物自体を持っているわけではございませんけれども、建物と一体的になった調度的なものは備品にならない部分があるということで、そこを仕訳をして備品にするものと建物に含めている部分とに分けたということでございます。
○速水委員 そういうことですか。
○西岡委員 去年も話題になった支出の計画と実行のギャップ、キャリーオーバーの額、これは今回1億2,000万ぐらい、去年は3億、その前、スタートのときは8億か7億か、とにかくばかでかいのがありましたね。これは、どんどん縮めていって当初計画したあたりまで実行できるようになるのは、もちろん望ましいんでしょうけれども、どんぴしゃり合わせてしまうと、無駄な会議をするとか、無駄なコンファレンスをやるとか、有名な外国のエコノミストを呼んでくるとかいろいろやると思うんですよね。
 私はよく知りませんけれども、適切なパーセンテージというのは一般的にあるんでしょうか。グッドマネジメントといわれるような落ち着き所というのは、例えば吉富さんが以前おられた研究所とか何かあるんですかね。あれば教えて頂きたいと思います。
○吉富所長 パーセンテージとしての適正比率というようなものは考えていません。やはり研究のテーマが立っていて、それをこなす時にどこまで実装が具体的にできるかという話になります。従って、たまたまですけれども、ADB(アジア開発銀行)の研究所も始まって間近いものですから、私が就任した時に立ち上げた研究の科目があって、それをみて実行していきますとペーパーができるのがどうしても1年の終わりになるものですから、最初の1年目というのは、そういう比率が大変低くなります。ここと同じようにボードミーティングで、それは非常に問題になりました。パイプラインに詰まっているという説明を今度はするわけですけれども、パイプラインの中身を知っているのはこちらだけで、なかなか外に見えないものですから、それほど強い説得力があったわけではありませんでした。しかし、2年目の後半ぐらいになると、そういうものが実現してきましたので、ずっと評価が高くなったわけです。
 ここの場合もかなり似たようなことがあったのではないかなと、初期のころはやはり稼働率が相当低かったものですから。今は研究の項目がピラーで5つも6つも立っておって、その範囲内でこなしていった方がいいという了解ですから、100%を目指して使いたいというのが私の、研究の方からみた希望であります。
○岡松理事長 他にどのような例があるかということを少し調べてみたわけでございますが、公表データとしては似たような、自然科学系ではなくて事務科学系の研究センターでは、独立行政法人統計センターというのがございますが、ここですと、94億の支出に対して翌年度の繰越が11億、これは15年度の実績で公表されているものから引っ張ってまいりましたが、12%弱の繰越が出ているということでございます。
 私どもの18億の事業で1億、 5.6%ぐらいになりますから、1つの比較としてはそのようなものがございますけれども、先ほどの無駄な使い方をする云々というのは、これは国の予算制度でよくある弊害といわれたものですが、独法の場合には、ご承知のように中期目標期間中は自動的に繰り越せるということで、今までも使い残しは事業とともにお金も繰越してまいりました。
 ただ、今日ご審議いただいている16年度分はそれでいいんですけれども、17年度は、いわば中期目標期間の終了年度なものですから、ここから先には跨げないことになっておりますので、今年度は事業もきちっと年度内に終わらなければいけないし、それに伴って支出もしかるべく支出が行われるということで、その意味での管理、管理というと適当ではないかもしれませんけれども、研究プロセスを一層きちんとやっていかなければいけない年度に当たっていると考えております。
○小野分科会長 シェアードさん、お願いします。
○シェアード委員 大変初歩的な質問あるいはコメントで恐縮ですが、説明をいただきまして改めて考えさせられたのですが、この貸借対照表とか損益計算書、一応利益追求型の組織に見合ったような仕組み、普通の民間企業が出すようなP/LとかB/Sにはなっているんですが、ただ、項目をみてみると非常に変な項目、例えば返済しなくてもいい債務とか、あるいは交付金から回ってくる収益というものがあるんですよね。そうすると、ふだん着目するところ、例えばROEとか収益率とか、あるいは自己資本比率とか、余り意味がないのではないのかなというような感じを受けるわけですが、そこでちょっと質問をしたいのは、こういう独立行政法人を我々が審議をするときに、何のためにこういうB/SとかP/Lがあるのか、単なるそういう規定があって、一応証明しないといけないという規定があるからやっているのか、それともそれなりの見る角度があって、あるいは見る価値があると。その場合はどの辺に着目すれば一番情報が伝わってくるのだろうかということですね。
○岡松理事長 大変難しい質問でございますが、まずシェアード委員も触れられましたように、まず、独法のための会計原則が決められておりまして、それに従って処理をしているものであるということはご承知のとおりでございます。それが目的的に適当であるかどうかというところは、ここからはやや個人的な意見になりますけれども、私どもスタートしました時には、期間進行基準で1年間やりました。その結果大きな繰越が出たものですから、成果進行基準に見直せないかということで、これはかなり中で議論をして組みかえてやってみたわけですが、そうしたことによって研究と研究費用との関係がより鮮明になってきて、期間進行基準の時は、出ただけ払うみたいな形でやったわけですが、そこはかなりきちんとしてきたと思います。その結果、こういう決算になったわけでございます。
 しかし、通常の企業のような貸借対照表とか損益計算書という形が適当なのかどうかというところは、ちょっと私はコメントしにくいところですので、ご専門の小笠原委員に教えて頂ければと思っております。
○小笠原委員 結構厳しいご質問だと、私自身もお聞きしていて思ったんですけれども、ただ、会計基準で予定しているものの中で、やはり通常の形で売上計上ができないもの、公共サービスを表現するときに、擬似的にでもそのあたりを国民にどうやってわかりやすく説明するか、これがあって初めて会計基準の中に、単なる費用が挙がったと同時にそれと同額を挙げるという基準以外に、期間でもって収益をしたりとか、あるいはその成果でもって収益を上げるという基準を別に設けていると思います。
 今回のケースも前回のケースもそうですけれども、全体の額からしますと、その益化したネットの利益というのは、これは非常に僅少であるとは思いますけれども、本来であればそれが非常にパフォーマンスが高ければ、それだけの一定の財源、一定の資源を使った結果としてそれだけのパフォーマンスを生み出したと。そこがこの会計基準の中で一番テーマになっている収益計上基準の論点だと思います。
 あとの点というのは、確かに民間企業のように収益であるとか資本を使ったときの効率性であるとか、これを分析するのは非常に難しいものでして、あとは実際には各年度ごとに民間企業と同じようにブックキーピングをした結果、どういう形の予算をどういう形に支出をしたかということの内訳をやはり示して、前期と比べてどうかとか、予算と比べてどうかと、これを、割と平板ですけれども、明らかにしていくということになるのではないかと思います。でも非常に難しいと思います。
○小野分科会長 ありがとうございました。
 損益計算書、第1のテーマですけれども、分科会としてまとめていかなければいけないんですけれども、分科会としては、この財務諸表が適当であるという議決をしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
     (「はい」の声あり)
 それではそういう結論にさせていただいて、「適当である」という議決をさせていただきます。
 今後、体裁の問題とか所要の修正がありましたら、私に判断をご一任させていただいて処理を適切にしたいと思います。よろしくお願いします。どうもありがとうございました。
 それでは第2議題、第3議題併せて評価の審議に入りたいと思います。
 最初に16年度の業務実績について始めたいと思います。事務局から評価表の理由と背景案をご説明して下さい。皆さんのご意見を上手に集約をしていただいたと思いますが、個々の文言その他について各委員からご意見がありましたら、てにをはを含めて遠慮なく直していただくようにお願いをいたします。
 それでは事務局からご説明をお願いします。
○佐味室長 それではまず「平成16年度の業績評価」についてでございますが、資料2―1と2―2をごらんいただきたいと思います。資料2―2をまずご覧いただきたいのですが、こちらは前回6月1日の分科会でお願いをいたしました評価表につきまして、委員の皆様方に大変なご努力とお時間を割いていただきまして頂戴しました評価とコメントを一番右側の欄にそのまま各項目ごとに並べさせて頂いたものでございます。
 こちらに全部頂戴した上で、先生方のコメントを幾つかの項目ごとに、私ども事務局の分析に合体をさせていただきまして、整理をしたものが資料2―1でございます。きょうは、各大項目ごとに評価を決めていただくことになるわけでございますが、2―1について簡単にまとめた方の資料でご報告をしたいと思います。
 まず1ページにあります「国民に対して提供するサービスその他業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置」でございますが、理由・背景のところは、幾つかのアイテムごとに整理をしております。
  (1)は、研究テーマの設定についての問題でございます。クラスター編成への配慮、それから特にブレインストーミングという16年度から始めた部分が記されております。
 次に (2)の研究活動そのものでございますけれども、これはディスカッション・ペーパー等の発表数などに着目をしていただいております。外部との共同研究はちょっと減っているけれども、そのことの評価は微妙だというようなことが書いてございます。
  (3)が、研究成果・政策提言内容の学術的水準でございまして、ご案内の外部レビューアの評価に基づいた自己評価をベースにした部分でございます。
  (4)は、政策形成に対するインパクトについてでございます。
 総じて高い評価、数値的なものからみても中身的にもいえるのではないかということでございます。
 2ページにわたりまして (5) (6)がございますが、特にBBLの取り組みにつきましては、皆様方から高い評価を頂戴できていると承知しております。
 以上が1つ目の項目でありまして、次に2つ目の大項目は、3ページの「業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置」でございます。ここは設定の仕方として、情報システムの活用の程度の話と人的体制の話がございます。人的体制のところは、後ほど若干ご議論もあろうかと思いますけれども、全般的にはパフォーマンス等々評価していただいておりますけれども、任期満了後の転籍による処遇向上とか、あるいは博士号の取得といったところについての見方の難しさというのを何人かの先生からご指摘をいただいております。
 続きまして3番目の大項目、4ページでございますが、「予算(人件費の見積もりを含む)、収支計画及び資金計画」でございます。今もお話があったのと若干関係ありますけれども、予算と決算の齟齬の話、それから収入機会というような議論がございますが、特に (3)、項目は挙がっておりますけれども、なかなか評価は難しいというご指摘があったのが類似機関との費用対効果の比較でございまして、これはそもそも物差しをどう置くのかというところがないとなかなか難しいというご指摘を頂戴しております。
 それから次の5ページの「短期借入金の限度額」と、6ページの「剰余金の使途」でございます。いずれも無かったわけでございますが、これは作業をお願いするときにご説明が足りなかったかもしれないので、何人かの先生方に記入もしていただいたんですけれども、この借入金とか剰余金については、実績がなければ実績なしということでもいいということが評価の決まりということもあって、「実績なし」ということで整理をしております。
 それから7ページ、各項目の最後6番目にあります「その他主務省令で定める業務運営に関する事項」でございますが、ここでは特に人材の配置の問題、また非常に流動的な雇用形態が高い比率を占めているということをめぐっての問題でございます。
 そして最後8ページが「総合評価」でございますが、こちらはアウトプット指標を初め研究成果は高い業績を上げている、あるいは質・成果、その成果の活用について高い評価を受けているので、いうなれば使命を効率的・精力的に果たしていると評価できるのではないか。政策プラットホームとしての機能はもっと評価されてもいいのではないかということをいっていただける一方で、国際水準と比較したときにどうなのだろうと。先ほどの話にもちょっと関係しますけれども、どういった特色ある研究所を目指していくのかというのが大事ではないかというコメントも併せて頂戴しております。
 以上が平成16年度に関する資料のご説明でございます。
○小野分科会長 ありがとうございました。もう1つの資料の3―1、3―2の方もお願いします。
○佐味室長 それでは引き続きまして「予備的中期目標期間に係る評価」でございます。こちらも同じように3―1と3―2になっておりまして、3―2の方に先生方から頂戴いたしました評価とコメントをそのまま並べさせていただいておりまして、これを取りまとめたものが3―1でございます。
 3―1の資料に即してご説明をさせていただきますが、まず1番目は、「国民に対して提供するサービスその他業務の質の向上に関する事項」でございます。
 前回ご説明をいたしましたいわゆる「アウトカム指標」に関連する部分が1ページに並んでございます。具体的に申しますと、いろいろなご指摘がございますけれども、特に具体的な成果として、例えば右側の「理由・背景」のところに書いてありますように、モジュール化とかクラスター研究、あるいは財政の研究など具体的に政策論争の喚起に寄与しているようなものも確かに出ているねという話とか、下から2つ目の固まりにありますように、ブレインストーミングワークショップ等において、かなり緊張した状態で成果を出しているように見受けられるというようなところをコメントとして頂戴しております。
 同じ項目の中の、今度は「アウトカム関連指標」ということで前回もご説明した部分でございますが2ページで、こちらはホームページからのダウンロード等々数値的なものでの達成状況をみていただいたものでございます。
 それから「その他の指標類」として経済政策分析シリーズとか経済政策レビューの出版数など、いわゆる論文の形で出たもの、あるいはコンファレンス、セミナー、そしてまたニュースレター、こういったものについてのコメントを頂戴しております。
 以上が1つ目の柱でございます。
 次に4ページ「業務運営の効率化に関する事項」でございます。
 こちらは「指標類」としては、先ほど申しました転籍による処遇向上あるいは政策提言・普及業務における情報システムの活用等々いろいろな項目が入ってございます。この中では特に右の「理由・背景」欄の上から2つ目の固まりで、研究支援部門で民間のスペシャリストの活用が多様に今行われているのではないかということを取り上げていただいたり、あるいは流動的な雇用形態につきましても、下の方の固まりにありますが、9割近い比率で維持するのは大変だ。しかしながら「知」の流出といった負の側面にも配慮すべきだという点のご指摘も頂戴をしております。
 それから3つ目の固まりは、6ページ「財務内容の改善に関する事項」であります。こちらは資金の使途とか借り入れとか、あるいは中期計画の達成状況ということがございます。借り入れは、先ほど申し上げたように行っていないわけでございますが、資金の使途の透明性とか有効性につきましては、特に昨年のこの分科会で若干議論がございましたが、総じて妥当に遂行しているという両面の評価を頂戴していると考えております。
 「諸収入」のところは、これは評価は難しいと思いますが、一番下にありますけれども、収入を伸ばす努力をすべきではないかという指摘も頂戴をしております。
 次に7ページ「その他業務運営に関する重要事項」でございます。こちらは、先ほども申しました雇用形態の流動性の問題、それから特に管理部門の比率についてのご指摘を頂戴をしておりまして、どういう形でこの数値上の変化を見るべきかという点についてのご指摘をいただいております。
 以上取りまとめて8ページに「総合評価」でございますけれども、いずれにしましても4年間の実績としては、最初の立ち上がり期として順調に立ち上がってきているのではないか、次の5年の成長の土台が築けたのではないか、これまでに築かれた体制とか組織的DNA、実績を踏み台に、というようなご指摘をいただいております。他方、2つ目の固まりにありますように、定量指標の中で結果的に過小であるものも含まれているのではないかというご指摘もいただきながら、高い評価を質・量ともに受けているといっていいのではないか。特に3つ目、4つ目にございますけれども、対外的に評価される、あるいは認識されるというところが大事ですねと。外国の研究機関との対比でもトップグループに入れるような機関となるべきだというところまで強い期待と励ましを、ある種いただいたような形になっております。
 資料の説明は以上でございます。
○小野分科会長 ありがとうございました。
 まず最初に事実関係の確認と、その疑問の点についてありましたらご質問して下さい。経済研究所の方には、評価の審議中は退席をしていただくことになっておりますので、その前に何かこれは聞いておこうということがありましたら、最初にそういう事実関係のところだけご質問ください。シェアードさん、よろしいですか。
○シェアード委員 採点の基準に関する質問ですが、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。16年度の実績の方は、AAの定義は、大体トップクラス、「極めて」というのが入っていたんですね。私は、採点に当たってAAを出すのを渋りましたけれども、よほどのいい成績でない限り付けなかったんですが、予備的中期目標の方は、最後に判定基準が出ているんですが、AAは「確実かつ十分に達成されている」、Aはそっけない、地味な「達成されている」ということで、私は後者の方に当たったとき、かなりAAをつけさせていただきました。どうもその辺の基準の定義のズレがあったかなと。それは意図的にあったかどうか、あるいは私の理解が誤解に基づいているかどうかについて説明していただければ幸いです。
○佐味室長 これは、必ずしもつまびらかではないんですが、意図的に何か評価の物差しをずらしたというような意識で書き上げたつもりはございません。「非常にうまくいっている」と、「うまくいっている」という、その意味では単年度の評価も中期目標期間の評価も、いわゆる5段階評価という通常の意味でして、意識的にずれをつくったという趣旨はございません。ちょっとその意味では誤解を招いたかもしれないことは謝ります。
○小野分科会長 高い評価を長続きするというのは非常に難しいですから、そういう意味では4年間高い評価が続いていればそれはAAだという評価をしていただくのは妥当だと思いますけれども。
 それでは、特段なければ実質審議に入りたいと思いますので、よろしゅうございますか。済みません。

     (経済産業研究所関係者退席)

○小野分科会長 それでは審議に入りたいと思いますけれども、先ほどの資料の2―2と3―2の、皆様からA、B、AAと書いていただいたものをじっと眺めていても、余り比較もしにくいので、ちょっと数値化をするようにお願いをしました。今、皆さんに各項目ごとの平均点を一番右端に書いていただいた資料をお配りしたんですけれども、少し議論をしていただくときに参考になればと思いましたので、こういう表を作ってもらいました。
○佐味室長 AAが5点、Aが4点、Bが3点、Cが2点、Dが1点ということでございます。
○小野分科会長 それでは資料2―1の「16年度の業務の実績評価」からご議論をいただこうと思います。最初の評価の1ページの「国民に対して提供するサービスその他業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置」からでございますが、今お配りしたお手元の資料ですと、 (1)の研究テーマの設定云々のところは、平均が3.83と4.00と3.66ということになっています。
 それと (2)の研究活動が活発に行われているかということも3.62と4.17と2.67ということになっています。 (3)の研究成果・政策提言の内容がどうかということは、これは割に高い点数になっていまして、4.55、4.22になっています。それから (4)研究成果・政策提言の普及活動が十分行われているか。これは随分たくさん項目がありまして、4.00、3.22、3.86、3.67、4.50、4.33、4.83、4.17、次のページにいって4.22となっています。 (5)資料収集管理・統計加工というところは4.38で、まとめてサービスの質というところで、これを総合計して判断をしていただくということになります。
 それでは皆様から、できればお一方ずつご意見を頂戴できればありがたいと思います。それでは西岡委員、いかがですか。
○西岡委員 これは、恐らく評価平均をとっても意味ないですよね。私の全く個人的な印象論にしかすぎませんけれども、結論としては僕はAでいいと思っています。期待されているサービスの質を提供し、かつ維持されていると、結論をいってしまうとそういうことになります。
 私自身が個別に評価をしていてよく分からなかったかったのが、5番目の「資料」のところで、これは皆さん高い数値をつけておられて平均4.38、まあ高めだと思いますけれども、中身がよく分からないということですね。だけれども、簡単に僕が考えたのは、比較的いいアウトプットは出ているんだろうから、それを支えている作業もいいんだろうなという、極めて乱暴な推論ですけれども、結論はそういうことです。
○小野分科会長 それでは小笠原委員どうぞ。
○小笠原委員 私は、限りなくAAに近いというか、むしろ総合評価でもAAということにさせていただいています。このサービスの提供に対しての受け手側の評価、これが外部の専門機関もそうですし、直接的なユーザーの本省でも、それと一般のいろいろなコンファレンスに参加されている方の満足度、特に前期の私の評価はAだったんですが、あえてAAにしたかったのは2つのポイントがあって、ユーザー側からの、特に本省からの評価が非常に上がった、飛躍的に上がっているということが1つと、もう1つは社内体制の中で、その費用対効果をかなり意識したマネジメントの体系ができ上がり、5月中旬ぐらいまでには、その1つ1つのテーマについてご担当ごとの成果を非常にきっちりと認識されている。そうしますと、かなり大きな改善が前期に比べてあって、そのままということもちょっとどうかなということで、まあ上がったからといって上がり放しということはないわけですし、今回は非常にいい評価をつけてもいいのではないかなと個人的には思います。
○小野分科会長 ありがとうございました。ではシェアード委員、お願いします。
○シェアード委員 今は全体の話ですか。
○小野分科会長 1番目だけです。
○シェアード委員 サービスの質のところですよね。私はAが妥当だと思っておりますが、今年は今までの3年間と余り差を感じなかった。青木所長から吉富さんにかわったわけですが、その移行がかなり順調にいったという感じですね。ちょっとAAをつけるのに、もうちょっと上を目指せるところを残したいという気持ちであえてAAではなくてAとさせていただきました。全体的にいえば、特に研究所が出している量、あるいは活動の幅、いろいろな会議だったりセミナーだったりディスカッション・ペーパーだったり、あるいはBBLだったり多方面にわたっていろいろな活動をしている形跡がありまして、そしてこの4年間、あるいは3年間続いてきたレピュテーションみたいなものを維持していることもありましてAとさせていただきました。
○小野分科会長 ありがとうございます。それでは速水先生、お願いします。
○速水委員 私もAです。
○小野分科会長 何かコメントがございましたら。
○速水委員 確かに改善もあるけれども、革新性という点において多少落ちているかなという気がします。ですから、プラスマイナスあわせてAということです。
○小野分科会長 ありがとうございます。
 私自身もこのテーマについては、お客様を一生懸命意識しようとする姿勢がみられましてAでいいのではないかと思っています。ただ、言われたようにAAかどうかというのは、もうちょっと上があるのではないかという気もしまして、その点はシェアード委員と一緒ですけれども、そういう意味でAということです。
 今までの5人の意見、小笠原さんがAAに近いということですけれども、皆さんAということですので、トータルはAということで次に移らせていただきます。
 それでは3ページ、「業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置」ついてどうであろうかということです。お手元資料の、先ほどの次のページに「業務効率化」というところがありまして、これはいろいろばらついていますが、高いところで4.26から、低いところで2.50という評価になっています。両方合わせてみていきますかということですけれども、コメントがありましたら一つご発言をいただきたいと思いますので、今と同じように西岡委員から口火を切っていただけますか。
○西岡委員 数字で機械的にやってしまいますと確かにばらつきがありますね。その機械的にやるのが実態をあらわしているのかというのは、ちょっと疑問なところもあるんですね。結論からいうとAとBの中間、これはどうい言えばいいんでしょうか。
○小野分科会長 A- 、B+ ですか。
○西岡委員 決めかねるといいますか、A- でもB+ でもという感じです。
○小野分科会長 どうぞ小笠原委員。
○小笠原委員 1の部分と、決して完全に分けられるようなものではなくて、やはりその成果を出すために、ある種当然効率性というのも相乗的に必要になってくるようなところがあります。確かに手元の単純な平均評価ということになりますと、特に並列化されている (2)の人的体制についてのパフォーマンスということを同一視してしまうと、少しB寄りかなと思いますけれども、実際にそういうサービスの質と不可分である、そのために業務の効率化というものははかられていると考えると、やはりAに近いのではないかなと思います。ただ、難しいのは、ナレッジマネジメントに関する指摘がありまして、これは組織の中での労働の流動化というか、流動性の問題とちょっと関係するようなところがありまして、その辺がモデルケースになり得るかというと、外部にいる私の立場からすると、なかなか評価しにくい点は当然含まれているなと。ただトータルしていけばAに近いのではないかなと思っております。
○小野分科会長 シェアードさん、コメントありますか。
○シェアード委員 一歩下がって大局的にみれば、ちょっとその角度が変わってくるのですが、 (1)の情報システムの活用は十分なされているか、これはAAぐらいかなと思いますね。特に外からみたら、ウェブサイトが非常に充実している、早い段階から充実している。それからヒット数、これは膨大なものになっている。それだけではなくていろいろな試みもなされているようで、情報システムの活用という点でいえば非常に高い評価をつけてもいいのではないかと思います。
 それから (2)の人的体制についてのパフォーマンスに応じた適切な取り組みがなされているかどうかということについて、外からみたら、ちょっとはかりづらい部分がありますよね。ですから、ちょっと評価しづらいところですね。私がつけた評価をみると、個別のものをみるとCだったりBだったりとなっているんですが、確信をもって、自信をもって高い評価をつけるだけの情報がないのかなという感じでBあたりになってしまいそうな感じがします。
○速水委員 私も、成果品のうちの最終製品段階になっている本であるとか、そういうものはAAをつけたんですけれども、半製品といいますか、この年に出てきたディスカッション・ペーパーとか、そういうものが数量的にも質的にも、前の2年に比べてちょっと落ちているのではないかなという気がするんですね。
 だから、そういう意味でちょっとAAはきついかなという感じはします。それをどう解釈するかというのは難しい。結局は最終製品なのだから、それで判断するということであれば私は十分Aを出しますが、研究のパフォーマンス、その評価年度における活動というものとしてみると、ちょっとそこにはいかないのではないかというのが私の印象ですけれどもね。
○佐味室長 先ほど、特にシェアードさんがおっしゃった評価しづらい、見えにくいとお感じになったことについて、1点だけ補足をさせていただきたいと思います。資料2―2の16ページにあります、いわゆる任期満了後の転籍のところ、点数表の平均点でいうと2.50という飛び抜けて低い点数がついているところですけれども、16年度の実績のところが、8人分の3人ということで率が5割を下回っているところがかなりきいている面もあるかと思いますが、余り各論を申し上げるのはこの際適当ではないと思いますが、ご参考までに申しますと、実は辞めた研究員の中に、いわゆるプロの研究者が実質4人いるんですけれども、残り4人は役所から出向して研究員になった者が、また役所に戻った。そうすると処遇が上がりようがないという人が4人の役人のうち3人います。この役所に戻った人たちが3人いるほかに5人、1人は役所から出てアカデミーに出た人がまじっているのでそういう計算になるんですけれども、役所に戻らずに外に出た人5人のうちでいうと、3人の方が実は処遇が上がっているんですね。だったら最初からそのように設定すればいいのではないかというご指摘になると思いますので、余り意味のあるご説明ではないんですが、その意味でいうと、役所から出向した常勤の研究員が戻るというのが入ってしまった、たまたまこの8人の中に3人も入ってしまったというところが、ちょっと数字をみかけ上、低くしてしまった面は各論としてはございます。
 それからその次の博士号のところは、これはシェアードさんにも、まさにコメントを頂戴したところでもありますが、博士号の取得というのは、当初研究所をスタートするとき、気宇広大にここを出て博士号を取っていくんだという目標設定をしたのが、確かにいうほど容易ではないんだろうなという面はあろうかと思いまして、むしろ最初の5年だけではなく次の5年とか過ぎていく中で、また成果を出していければいいなと期待をしているところであります。
○小野分科会長 ありがとうございました。
 多少そういう意味では数値に引っ張られているところがあるかもしれないということですが、この効率性のところの私の意見は、情報システムはAで、人的パフォーマンスはBだと思って、AとBの間かなと思います。今皆さんの意見をお伺いすると、評価としてはA- にするかB+ にするかという感じでご議論いただければと思いますが、皆さんのご意見を賜ったところではA- なのかなと受けとめましたけれども、いかがでしょうか。
○シェアード委員 -をつけられるんですか。
○小野分科会長 ちょっとやはり足らないところがあるのではないかということです。
○西岡委員 博士号とか、この尺度で示されている基準を全面的に無視するわけにはいかないでしょうから、その分ディスカウントという格好にならざるを得ないと思うんですね。
○小野分科会長 ちょっと何かそんな感じがしますね。よろしいですか。
     (「はい」の声あり)
 それでは第2項はA- ということで進みましょう。
 それでは第3項ですけれども、4ページ「予算」の評価であります。別紙で評点をいただいているところですと、適切に予算管理が行われているかというところ、ここは多少意見がばらけていますが、4.00~2.40までばらついています。収入の機会は3.20ということです。類似機関と比べても3.20だと。運営費交付金の収益化状況は適切か、これは3.40。このようになっています。
 先ほどの財務諸表のところでのご質問もありましたように、多少評価は難しいところがあるかもしれませんが、これも一言ずつ賜りたいと思います。それでは、最初に西岡委員からお願いします。
○西岡委員 私自身の評価をみても、個別項目ごとにA~Cまでばらついておりまして、これも正直にいって余りよく分からない。私、評価不能ではないかという感じがするんですが、ただ、まだ頑張れる余地はあるのではないかというのが私の印象ですね。だから、5段階でどこだといわれればBぐらいという感じでおります。
○小野分科会長 どうぞ小笠原さん。
○小笠原委員 予算管理は適切に行われているかということと、大きな齟齬が発生していないかと、これに関しましては、シンポジウムとか研究成果を出してから翌年度に繰り越さざるを得ないような部分で、多少繰越という要素はありますけれども、ほぼ齟齬なくやっていらっしゃると思います。ですから、「予算」という個別項目で、この中をすべて平均化すればちょっと辛い格好にはなると思いますが、当初国民が期待しているような予算管理ということでいうと、おおむね達成していると思います。
 ただ、西岡委員からもありましたように、さらなる期待に対して、では4年たってどこまでこたえられているのかということに関していうと、特に本来得られる収入機会とか費用対効果についての類似機関との比較とか、このあたりになると、昨年と余り変わっていないということで、この辺は少しディスカウントされるのかなという印象をもっております。
○小野分科会長 B+ ぐらいの感じですか。
○小笠原委員 B+ かA- かですね。
○小野分科会長 シェアードさん、どうぞ。
○シェアード委員 別にそう強い意見をもっているわけでもなくて、ご専門家にお任せしたいところです。
○小野分科会長 はい、わかりました。
○速水委員 私はこういう分野は全く無能力者なので、ここにも書いたように判断不能ということで、判断をすることを避けさせていただきと思います。
○小野分科会長 はい、わかりました。
 予算、お金の問題は、我々経営の立場からみると、なるべく辛めにしておいた方が刺激になるということもありますので、これはまだいろいろな意味で、これでもう終わりということはありませんので、永続的に改善をしてよりよい効率を求めていくということだろうと思いますので、そういう意味では私はBでもいいのではないかと思っていたのですが、小笠原委員がA- でもいいのかなというお話もありましたので、全体としてはB+ ぐらいでいかがでしょうか。よろしければご賛同いただいてB+ という評価にしたいと思います。
     (「はい」の声あり)
 それでは4番と5番は実績がありませんので飛ばしまして、6番の人事に関する計画が適切であったかということです。これも研究部門は4.50と高いんですけれども、管理部門が2.50となっています。この辺をどうみていきましょうかということですが、西岡委員、一言ありますか。
○西岡委員 おっしゃるように、これは管理部門のところがガクンと評価が辛くなるんですけれども、私は、この主たる業務というのは、いいアウトプットを出すためにどういう配置をするか、バックオフィスの充実も大事でしょうけれども、やはりフロントの方がより大事だろうと思います。そこの目的に照らして、例えば流動的な人の問題であるとか、いってみれば適材をスカウトしてきてちゃんと引き込んでいるかということの方に個人的にウエートを置きたいので、私はAでいいのではないかと思っています。
○小野分科会長 はい、わかりました。
○小笠原委員 私も概ね同じでして、やはり質のいいサービスを提供するにはそれなりの人材配置、最適な配分は当然あってしかるべきですし、この管理部門についてという点は、こういう個別にそこの部分だけの評価はありますけれども、全体とすれば、いいパフォーマンスを上げるためにフロントとバックが相互にそれぞれの役割を分担してやっていらっしゃるのではないかなと思いますので、おおむねAぐらいではないかなと思っております。
○小野分科会長 ありがとうございます。シェアードさん、いかがですか。
○シェアード委員 管理部門の方は、2番目にCが多発しているんですが、それは恐らく機械的に数字から出てきたわけで、全体の中で果たしてそれほどの重みを置いておくべきかちょっと疑問ですね。
 それから3番目のところは、私、見逃していたかもしれませんけれども、流動的な雇用形態の割合ですけれども、高い実績率があるんですが、目標をどこにも掲げていないような……
○佐味室長 済みません、これは書き落としでございまして、もともとの中期計画の中では、流動的な人材は5割以上ということでございます。
○シェアード委員 そうすると私はAAを恐らくつけたんだろうと思います。ですから、1つ目はAあるいはAAが多発している。それから3番目も同じようなことでAとAAぐらいの間に、そうするとA+ かなという感じがします。
○小野分科会長 A+ 、はい。
○速水委員 私もほとんど同意見です。
○小野分科会長 A+ でよろしいですか。
○速水委員 A+ ぐらいでしょうね。
○小野分科会長 私は、人の問題は、数値をみていますと、管理部門の人の絶対数は落ちていないんですね。20、21、22、23と上がってくるわけですね。これは非常に合理化しにくい部門なんですね。雇用形態上は、職員の方はプロジェクトに応じて動き得る仕組みになっているんだけれども、管理部門が動くような仕組みになっていないのは本当はおかしいと思うんですよ。だから、プロジェクトが動くんですから管理部門も動いてこないといけないので、そういう意味では仕組みとして何かもうちょっと工夫をしてもらった方が本当はいいのかなと思います。
 ただ、管理部門の人は、一旦受け入れてしまうとなかなか落としにくいということで、我々企業がやっているのは、派遣社員に来てもらって、その人は期間が来たら「ごめんなさい」という仕組みにしているんですけれども、この研究所の場合にそういうことまでできるかどうかわからないので、そういう意味ではちょっと辛い評価にはしたんですけれども、職員、研究員の方々がこれだけ流動性を保つということは、逆に物すごく難しいことで、定年が来ない限りは普通は辞めさせられないわけですから、それをこういう形でやっておられるのは、ある意味では非常に不安定な状態でしっかり働いてくれといっているわけで、研究の方々は大変なのではないかと思います。
 そういう意味では、全体として私はAでいいのかなと思っています。今のご意見ではA+ の方がお二方おられましたので、そういう難しさを控えてはいますけれども、5人の意見という意味ではA+ ということで、期待を込めて評価をさせていただいたらどうかと思いますけれども、いかがでしょうか。よろしければ……
○シェアード委員 今の説明はかなり説得力があって、それを聞いた上でAでもいいのかなという感じがしないわけでもないんですが。
○速水委員 私もそういう気になってきましたね。
○小野分科会長 はい、それではAということで修正させていただきましょう。
 それでは16年度最後ですけれども、「総合評価」です。これは既に皆さんからご意見をいただいていまして、小笠原委員がAA、以外の方は皆さんAということですので、平均をしますとAでいいのかなと思いますが、よろしゅうございますか。
     (「はい」の声あり)
 それでは全体をAということでおさめさせていただきたいと思います。
 それでは続きまして3―1、3―2の資料へ入りたいと思います。まず3―1の資料で、アウトカム指標・関連指標・その他指標類とありますが、これも今と同じようにお手元に集計をした点数がありますので、これを見ていただきながら一言ずつコメントをいただければありがたいと思います。
 それでは小笠原委員からよろしゅうございますか。
○小笠原委員 手元の平均評価での確認ですけれども、これはかなりA評価以上という感じが全体的にありまして、外部との共同研究実施件数だけが少しA- という状況ですね。こちらの評価のポイントとしては、アウトプットと、今まで広義に捉えていたものをアウトカム、狭義のアウトプットということで、アウトカム指標を基本的にデータとして定量化したものについて評価をしていくというスタンスだとすれば、そういう数値で示している部分は、ここにあるようなホームページからのダウンロードの件数であるとか、政策部局からの協力依頼件数であるとか、ヒット数とか、これは私もコメントとして、発足当時の目標数値が想定数としてどれくらい正しかったのかというのは確かにあるんですけれども、一般的にいっても相当な数に達していると思いますから、A以上A+ とかという格好で普通に考えるべきではないかなと思います。
○小野分科会長 ではA+ ということですね。
○小笠原委員 はい。
○小野分科会長 はい、わかりました。ではシェアードさん、お願いできますか。
○シェアード委員 先ほど冒頭で言いましたように、私はかなりAAをつけたんですが、それは「極めて」という言葉が入っていなかったことを反映したものですね。ですから、ちょっと修正すると、大体Aぐらいになると思いますね。
 それで4年の評価にわたったとき、毎回毎回やっていることの1つの足し合わせ、あるいは全体像がどのようになっているのかということですが、私はここ4年間をみて、立ち上げ当初一気にたくさんの成果が上がったわけで、これをかなり安定的に維持しているということであって、4年間の評価と、それから今年の評価、あるいは去年の評価との間に余りブレがない、あるいは乖離がないというのが、私の全体の印象でした。ですから、大体AあるいはA+αぐらいかなという感じです。
○小野分科会長 はい、ありがとうございます。それでは西岡委員、お願いします。
○西岡委員 私も、4年間を眺めていて、毎年自分がつけたやつを思い返しながら考えるんですが、結論はAだと思っています。それで、集計してもらった平均点のやつをみて、これが仮にA+ とか、あるいはAAとかになった場合に、過去の4年間の単年度のものよりも集合したものが高いところにいってしまうのではないかという気がするんですね。仮にそのようになったとすれば違和感を覚えるということですね。
○小野分科会長 私の意見は、今回初めて16年度を見させて頂いて、なおかつまた過去も振り返ってということですけれども、確かにずっと続けてパーをとっていくのはなかなか難しくて、バーディとボギーということの方がまだブレがあっておもしろいのかもしれませんけれども、なかなか高い水準を維持するのは難しいんですね。それは経済全体が変動していくわけですし、政治もそうなのかもしれませんが、いろいろな変化にどこまでついていけるかというのが、同じペースで維持できるはずはない。それをあるレベル、高い水準で維持するというのは、恐らく相当な環境変化に適応するだけの努力がないと高い水準は維持できないのではないかと思うんですね。そういう意味では、高い評価を続けるということは、確かに単年度の価値よりも価値があるように思います。
 そういう意味では、多少単年度より高くなってもいいのかなと思うんですが、西岡委員がいわれたように集計すると増えるというのはいかがなものかという議論もありますが、私はまだまだこの研究所の将来、高い所に目標を置いているつもりなものですから、立ち上がりからここまでの分を読ませていただく限りではAでいいのではないかと思いました。
 そういう意味でお二方がA+ というご意見ですので、ここは分かれますけれどもA+ で、4年分よくやったという意味でつけさせて頂いたらどうかと思いますけれども、よろしゅうございますか。
     (「はい」の声あり)
 それではA+ ということで第1テーマはいきましょう。
○シェアード委員 その+の部分が、ずっとパーを保つことができたということに対する一つの評価でもあるわけですね。
○小野分科会長 そうです。いい成績を長く続けるということに対して、よくやっていただきましたという評価をしたらどうでしょうかということです。
 それでは、中期計画の2番目、4ページ、「業務運営の効率化に関する事項」ですが、こちらでは4.00、4.00、4.20、2.86、4.20、3.40という割に高い点数がついています。これも一言いただきたいと思います。それでは小笠原委員からお願いします。
○小笠原委員 先ほどの単年度評価の次に、項目がアウトカムになって、その整合性をとるのはなかなか難しいんですけれども、ただ、先ほど会長からお話があった、いわゆる流動性がこんなに高いのにもかかわらず、それをかなり高いミッションとか、それに対する行動指針をうまく指示して成果に結びつけているという点は、非常に評価すべきだと思います。
 その一方で、いろいろお話をお聞きしていますと、そうはいってもまだまだ高い、より多くの成果を出すために改善しなければいけない情報に関する集積度を高めたりとか、もうちょっと横断的に、縦割りではなくて取り組むような仕掛けをするとか、そういう余地は、この業務運営の効率化というのにはかなり含められているのではないかなと思いますので、そういうことからすると、前者はかなりAですが、そういう部分をちょっとディスカウントするとA- とかになるのかなと思います。
○小野分科会長 はい、ありがとうございます。それではシェアードさん、お願いします。
○シェアード委員 今までのお話と大分ダブりますので繰り返しませんが、その他には、特に低い評価がついたのは、先ほどのようにちょっと機械的に出てきたものですよね。ですから、博士号を取った人が1人であるとか、それをどこまで最終的な評価の中に組み入れるべきか、ちょっと疑問ですね。
 それからもう1つ、私はほとんどAだったのですが、AAをつけたBBLに関する私の評価は非常に高いんですよね。BBLというのは、例えば本を出すとか、あるいは国際会議を開くとか、そういう非常に高い次元の話ではないんですが、かといってその価値が低いかというとそうでもないんですよね。ですから日本の霞が関、あるいは日本にはないようないろいろ違う分野の人を機動的に引っ張ってくる、そして非常に開けた雰囲気でそれをやるというのは、この研究所の非常に重要な貢献の1つだとみているわけで、特に運営の効率化という点からの評価も強調しておきたいところですね。
 そうすると、全体としてA、それが上の方にブレる、それが下の方にブレる、それを相殺して大体Aぐらいだと思いますね。ただ、内容としてはBBLの価値を強調しておきたいと思います。
○小野分科会長 はい、ありがとうございます。では西岡委員、お願いします。
○西岡委員 私もほぼ同じです。結論はAでもA- でもどちらでも結構だと思います。
 指標にのっとらないでいえば、今シェアードさんからBBLのお話がありましたけれども、BBLも含めて割と新しい基軸を試みたのではないかという気がするんですね。従来の何とか総合研究所とか何とか研究所という我々が知っているところと比べると、人の使い方、リクルートの仕方、会議、コンファレンス、いろいろな意味で新しい試みがあったのは評価していいのではないかという気がします。
○小野分科会長 はい、ありがとうございます。
 私の意見もここはAということで評価させていただきます。BBLというのは、私は出席したことがないんですけれども、お昼休みに御飯を食べに行きたいと思っています。会社の若い人に行かせますと、かなりおもしろいと言うんですね。今までお役所でこんなことをやったことがなかったので、そういう意味でのオープンな議論ができているのかなと思います。私も近々ぜひ参加したいと思っておりまして、そういう意味では累積ということも含めて全体Aでよろしいでしょうか。
     (「はい」の声あり)
 それでは、第2項はAということで進めさせていただきます。
 第3項ですけれども、「財務内容の改善に関する事項」です。
 これも先ほど単年度ではB+ ぐらいにといっていたところですけれども、4年分をみていかがでしょうか。これも小笠原先生のご専門の立場でひとつよろしくお願いします。
○小笠原委員 これは4年間ということでいいますと、私は2年目から担当させていただいていますが、やはり初年度がかなり大きな乖離があり、それを結局は交付金債務のところではずっと引きずられて、中期目標期間の中では、多分非常に苦慮された点だと思います。あと実際に、途中で成果進行基準の方に変えられて、これはトップを含めた独法の基本姿勢としては非常に評価できる点でプラス要素ですけれども、多少私自身の個別の不満があるのは、前期にも 1,000万そういう形で益化し、今期も益化している。先ほども参考までにというお話をさせていただいたわけですけれども、実際にそれを、本当に特定の財源のためにお使いになるということがあれば、多少過去の財務上の軋轢があったとしても、特定の目的の剰余金として、それで実際にそういうものに、研究のあり方に充てるべきだと思いますので、そういう運営体制を考えますと、やはりちょっとBではないかなと。私自身の全体の中での傾斜配点という点では、この部分は最初の1番目のサービスに比べれば劣後しているんですけれども、この個別項目に関してはBではないかなと思います。
○小野分科会長 はい、わかりました。ではシェアードさん、お願いします。
○シェアード委員 別に追加することはほとんどないんですが、1つ、専門外のところですが、いつも思っているのは、もうちょっと交付金に頼らないような経営、将来の目標としてそういう方向に少しは前進できるのではないのかなという感じですね。
 ですから全体の評価、平均をとると四捨五入してBあるいはB- ぐらいになると思いますが、Bぐらいだと、特に専門家がおっしゃるなら、私も同感したいところですね。異論はありません。
○小野分科会長 はい、わかりました。では西岡委員、何かございましたら。
○西岡委員  私も結論はBでいいと思います。初年度とか2年目あたりのことを考えるとB- でもいいんでしょうけれども、4年間、改善されてきている流れがありますから、総括すればBでいいと思います。
○小野分科会長 はい。私もBということで、これは4人ともBということですのでBでいきましょう。
 それでは4番目「その他の業務運営に関する重要事項」で、これは最後のページの3番目の「中期計画に関する事項」で、平均的には流動的な雇用形態で4.26、中期の達成状態で4.00、人事に関する達成状況で3.06となっていますが、これも小笠原委員、お願いします。
○小笠原委員 これにつきましては、単年度と同様の状況にあるのではないかなと思いまして、多分これまでコメントしたこととの重複になりますから、評価だけでいいますとAではないかなと思います。
○小野分科会長 Aでいいですか。はい。
○シェアード委員 同じです。
○小野分科会長 はい。
○西岡委員 私もそれで結構です。
○小野分科会長 それでは私もAでいいと思いますので、4項目についてはAということでお願いしましょう。
 それでは最後に「総合評価」です。
 これも小笠原委員、一言ありますか。
○小笠原委員 先ほど、この4項目すべて並列ではなくて1番目の「国民に対する提供、サービス」の部分に重きを置けば、Aか、あるいはAに少し上乗せをしてαというか+ではないかなと思います。前回の評価ではAAとさせていただきましたけれども、それはかなり傾斜を強めてのことでしたけれども、いろいろなバランスを考えますと、確かにAAというのはかなり際立った評価になりますので、A+ というふうに思います。
○小野分科会長 わかりました。A゜という感じですか。A+ までは行かないんだけれども、ちょっとマルがついているというところだと思います。
 シェアードさん、お願いします。
○シェアード委員 また繰り返しになりますけれども、標準的な基軸で判断すると、私はAAではなくてAですね。ただ、「総合評価」の評価に当たって、全体の項目の平均をとるよりも、その使命を大局的に果たしているかどうか、4年間を含めての長期的な評価だと思いますので、1番目のところ、ちょっと+をつけたという議論がありましたが、整合的な形でA+αにしても、もしそういう結論なら私は異論はありません。
○小野分科会長 はい。西岡委員、いかがですか。
○西岡委員 私はAでいいと思います。とにかくこういうものができるんだという一つのモデルをつくったということを評価したいと思います。
○小野分科会長 はい。私も全体としてはAでいいと思います。長くAを続けることはプラスで本当にいいと思いますけれども、総合ですから-とか+とかつけないでAということでいきたいと思いますけれども、よろしいですか。
     (「はい」の声あり)

     (経済産業研究所関係者入室)

○小野分科会長 ちょっと長々と議論をさせていただいて恐縮でございました。もうちょっと効率を上げなければいけないところですけれども、結論だけ申させていただきます。 まず、「16年度の評価」でありますが、1番目の「国民に対するサービスの質」というところはAということです。それから2番目の「効率化」については、A- です。3番目の「予算」につきましてはB+ です。4と5はありませんので、6番ですけれども、「人事に関すること」はAということで、「総合評価」はAということでお願いをします。
 それから「予備的中期目標期間の評価」ですけれども、「国民に対するサービス」のところは、最初のところですけれども、A+ です。4年間Aを続けることはなかなか難しいことであるということも含めてA+ ということです。それから2番目の「業務効率」がAです。それから3番目の「財務」はBです。4番目の「その他業務運営」はAで、「総合評価」はAです。Aよりも少し高いという皆さんの感じはありましたけれども、ここはAということでまとめさせていただきました。
 以上の評価をさせていただいたということです。過去の評価では、年度別にみますと、「総合評価」は、13年、14年、15年もAということになっており、引き続き高い成果を上げていただいた。4ホール連続してパーを取るのはなかなか難しいというようなコメントをさせていただきましたが、本当によくやっていただいたと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、評価はそういうことで、本当はもう少し意見交換をしなければいけないのですけれども、もう1つテーマが残っておりますので、そちらの方の審議に入らせていただきたいと思います。
○岡松理事長 どうもありがとうございました。ご期待に沿えるように今年度もやってまいりますので、また引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

     (経済産業研究所関係者退席)

○小野分科会長 それではお手元の資料4の項目に移りたいと思います。
 「見直しの論点」という資料がございます。事務局から説明をした上で議論をしたいと思います。よろしくお願いします。
○佐味室長 それでは時間も押しておりますので、説明は極力かいつまんでさせていただきます。資料4―1と4―2がございます。資料4―1は6月1日に分科会で一回議論をしていただきました時の皆様のご発言を、事務局の分析で大まかにまとめさせていただいたものです。今回ご説明する審議の対象資料は4―2でございます。これは前回4月の親委員会で、分科会長あるいは西岡さんもご参加いただいたときの議論、あるいは省内でもんだときに出た議論などを反映させて見直しの論点について整理したものでございます。
 説明は端折ってまいりますけれども、まず大前提として1番のところに「現状に関する基本認識」というのがございます。どの場で議論しても、アメリカ、特にワシントンにある政策シンクタンクとの比較論のような議論がどうしても出てまいります。そのあたりを整理した部分が1ページの下の方から2ページにかけて書いてございます。ポイントは、アメリカの場合には、いわゆる2大政党制による政権交代と、それから寄附の制度や文化というものが日本と違う前提でありますが、日本においてもアメリカにおいても同じように政策担当者がアカデミックな場に身をさらして、できうる限り交流をしながら政策立案、政策形成を斬新でより高度なものにしていかなければいけないというところは全く変わりはないという認識でございます。
 そうした中で、特に国際的な政策の協調というところも出てくるとすれば、日本の役人も欧米を初めとする各国の担当者との議論の中で、学問的なバックグラウンドもきちっともちながら議論をしていく、役人だけでは思いつかないような点をきちっと補強していくことが大事であるということで、ポイントとしては2ページの上半分の途中に「以上から……」と書いてございますけれども、我が国にふさわしい公共政策研究機関のあり方として、政府資金の提供あるいは人事交流、また役所の中で出にくい外部議論の内部化、そしてまた政府の意向から中立的な研究と政策提言、そしてそうした提言がちゃんとまた政策に反映されていく適切な距離感というようなことを実現するとすれば、むしろこういう政策分野における研究機関は独立行政法人というのが非常になじむものではないかということを冒頭に整理しているわけでございます。
 その基本認識を前提に「業務全般についての見直し」というところに入っていくわけでございますが、これは親委員会の方でよく出る議論ですが、次の中期計画期間に向けて存続を必要とすると考えるのであれば、役所の側がこういう機能を果たして欲しいと、それは別に下請として使うという意味ではなくて、独法として経済産業研究所に何を期待するのか、何を期待して交付金を出していくのかというところを明確に示してくれという議論があります。そこは当然のことでございます。
 ここのポイントは、実は5年前にこの研究所をつくったときと基本的に変わっていない部分というのが、まずこの政策の研究提言機能でありまして、2ページの下の方に若干太字になっておりますけれども、まさに経済産業政策の死角を埋めていく、そしてクォリティを高めていく。そのために当省の知見を超えた研究成果をもって提言を行うというところは、まさに当初の議論がそのまま生きていると理解をしております。したがって3ページの頭にありますように、行政官のみならず研究者、産業界、あるいはNPO、NGOといった各分野にわたる知見や意見を結集させるということがポイントになると思います。
 他方、2点目として、当初の中期計画の中で、若干その研究と管理というところで混線した部分がございましたけれども、やはり政策研究機関としてやっていく中では、ある種の交流というものを密接にやっていく必要があるのではないかと。独自の観察眼を持つべきことは当然一番大事なことでありますけれども、それであれば、経済産業省がどういった視点で課題設定をし、回答を出していくかということについても知悉している必要があるということがポイントでございます。したがって、この交流をしっかりやっていくということを2点目として書いてございます。
 それから3つ目は、アウトカムが最終的に大事なんだと。このことを意識しながら業務を遂行していく必要があるんだという認識でございます。
 そういった使命に関する基本認識にのっとって、いわゆる経済産業研究所の業務の柱ごとにポイントを見直しの論点として整理していったのが4ページ以降の部分でございます。
 まず1つ目としては「調査・研究業務」という柱があるわけでございますが、ここでのポイントは、研究領域の重点化ということでございます。これは自由度をどの程度みるかによって、当然その研究領域の見方が変わってくるわけでございますが、この中ほどの表にございますように、ある種自由度の高い知見を超えた部分をアカデミックに深く掘っていく、時間もかけてしっかり掘っていくというものと、それから適時性を達成しながら政策形成に対するインパクトを与えていくという部分、この両方が要るのではないかと。従って、一定の距離感、最適な距離感を模索することが必要で、その距離感をもちながら重点化していくというのがポイントになろうと考えております。
 前回の説明の中で、シェアードさん、あるいは西岡さんから非常に厳しくご指摘を受けたところでございますけれども、必須という形で研究活動全体を規則していくようなイメージを与えた点が、言葉が足りなかった、あるいは考えが足りなかった部分でございます。これについては、一番下にありますように、実はあの議論の後、分科会長からもじきじきに、そのところをよく考えて概念設定をした方がいいというご指摘もありまして、中期目標の中では、前のときには「必須」という捉え方をしておりましたけれども、「基盤政策研究領域」、これは5年間なら5年間ずっと継続的に取り組むべきテーマ、分野、こういったものを設定し、その一方で当然研究所としてのまさに「自由な」政策研究領域を設定するという形で、学生さんの必須科目と選択科目というようなことではなくて、基盤的な研究領域と自由な研究領域というふうに考え方を整理し、それぞれを重点化をしていくことが必要ではなかろうかということです。
 この点は、前回の議論の中で速水委員からも、役所の幹部は、何をやってほしいかがはっきりわかっていないまま、できた時に文句をいうというところもあるので、何が本当に基盤的に、継続的に取り組むべきものかということについては役所の側もきちんと考えなければいけないという意味で、役所側に出す宿題といった意味合いも領域設定のところはあるという認識でございます。
 それから、その重点化の次、5ページに「コア・コンピテンスの設定」、これは特に公共政策研究機関として何を強みにするのかというところをきちんと整理した方がよかろうということでございます。ここを全部申していきますと時間がかかりますので、ポンポンと飛んでまいりますけれども、①に書いてあることは、研究成果の蓄積、特に親委員会の方で何度か同じ指摘を受けておりますが、自分のところでの知見を留めていくだけではなくて、外で出される研究成果をちゃんとレビューする機能が必要だという議論がございまして、それを表現してございます。
 ②は、当然のことながら政策提言を積極的にやる。そしてまた③にありますように、複数の研究領域や専門分野にまたがるようなある種の大型プロジェクト、そしてプロジェクトとしての論陣を張っていくということも取り組んでみたらどうかというようなことを強みとして設定しております。
 そしてまた④にありますように、経済産業政策の周辺の政策領域において、必ずしも研究者が存在していない領域というのはどうしても出てきますので、そういったところは、むしろこのRIETIで内製化していく機能も置くべきではなかろうか。そしてまた当省の情報へのアクセスというようなことを、他の政策研究機関との違う強みとして設定をしております。
 次に2つ目の業務の柱「政策提言・普及業務」についてであります。
  ここはかねてから議論しているポイントとさほど大きく変わっておりません。双方向での広報・広聴活動をしっかり徹底していく。6ページの真ん中あたりにありますけれども、その際に、幹部あるいは研究部門の管理職が窓口となって、定期・不定期の交流をさらに深めていくというインタフェースの強化がポイントであります。
 それから3番目の業務の柱として、「資料収集管理、統計加工及び管理業務」というのがございます。
 ここは従前からのところと特に大きくは変わりませんが、いわゆる既存の統計を組み合わせて分析をしてデータセットをつくって、それを蓄積していくということに加えて、経済産業研究所独自の統計といったものにも本格的に取り組んでいくべきだということを盛り込んでございます。
 以上がこれまでの3つの柱であったわけですが、特に親委員会で出た議論、あるいは省内で出た議論を念頭に置きながら、なぜこれが本当に経済産業省の独法としてなければいけないのかというところの議論の補強ということを考えて、今まではある種の機能としては果たしていたのだけれども、明示的に位置づけていなかった部分を明確に表現することで、4番目の柱として「経済産業省の政策研究能力及び立案能力の向上への支援」という、業務として果たしていたものを明定するという意識で書きました。
 政策プラットホームへの当省職員の積極的な参加をもっと確保していくということ。それから特に7ページに書いてありますが、従前からある制度でございますけれども、コンサルティング・フェロー、あるいは行政官が常勤フェローとして参画するような部分について、これは、先ほど申しました政策のわかる研究員を内製していくということと同じぐらい大事なこととして、研究あるいはアカデミックなロジックなりコンテキストのわかる行政官をしっかり育てていくという部分を、CFとか常勤フェローというものの仕組みの中で実現していくことに自覚的に取り組むということを書いてございます。
 以上を前提にして、「組織形態」の議論でございます。
 ここはどちらかというと親委員会、もしくは親委員会を出た後の総務省の評価委員会等との間でも議論になってくる部分でございますけれども、よく出る論点として、なぜ内部組織ではなく外に置くのかということ、それからなぜ経済産業省がこの研究機関をもっていなければいけないのか、内閣府などほかの研究機関との統合ではなぜいけないのかというようなポイント、そしてある意味一番厳しい論点として8ページの3番にありますけれども、いわゆる民営化論、あるいは市場化テスト論ではなぜうまくいかないのかといったところを、独法の仕組み、あるいは経済産業政策分野の政策研究の深まりといった機能のところから、地道に説明をした部分が7ページから9ページに書いてございます。
 9ページが「財政基盤」の問題でございますが、これは、これまでの評価作業の中でも議論が出ております人員体制、あるいは支出実績といったものをよく踏まえて事業規模についても適正なものをよく見極めて考えていくべきであるということを設定してあります。
 なお、財政基盤の最後のところに、受託事業の話と、10ページに競争的資金のところがございます。これは毎年の評価の中でも非常に考えが難しいといわれ続けてきた部分でございまして、多ければ多いほどいいというふうに設定するのがいいのかどうかについては、今回も十分議論をしてみたんですが、なかなか割り切った答えにはなってきておりません。受託事業につきましても、競争的資金につきましても、研究活動の中身が歪むようなものでなければ、そしてまた公共政策研究機関としての水準の高さや競争力を示す指標になるということも念頭に置けば、それをとりにいける時にはしっかりとりにいっていい仕事をするというようなことを、この視点の中では整理をさせていただいておるところでございます。
 非常に駆け足になりましたけれども、ご説明は以上でございます。
○小野分科会長 ありがとうございました。
 よくまとめていただいているように思いますけれども、まず最初にご質問やご意見も含めて賜ればありがたいと思います。速水委員から一言お願いできますでしょうか。
○速水委員 私は、4―1にも書きましたし、また資料2―2のところにも書いたんですが、私の好みでもあるんですけれども、テーマにしてもクラスターにしても、網羅的にこれも大事だ、これも大事だと、確かに大事だろうけれども、余り網羅的に書き挙げるというのは、プロダクティブな研究マネジメントではないように思うんですね。確かにディマンドサイドからいえば幾らでも、これもある、これもあるということですけれども、同時にサプライサイドといいますか、ここがもっている強みというものがどこにあって、その強みというのは組織上の強みもあるけれども、ある一時点をとってみれば、やはりそのときにいるフェローの質と興味に依存するわけですね。もちろんいろいろなディマンドに応じて人員をそろえてくるということはあるにしても、やはりワンポイントをとれば、研究テーマの設定というのはフェローの能力と興味に制約されるわけです。そちらの方からと、ディマンドサイドの観点からみて、一番効率的になるようにテーマをある程度絞る努力が必要ではないかと思います。それが、研究のマネジメントの恐らく一番難しいところだと思うんです。
 では、この研究所の、他の研究所に比べての組織的にみた優位な点というのは、もちろん政策担当者に近いところにいる。だから政策担当者はニーズは感じているけれども、それが一体本当にニーズなのかというのが、実はよくわからないけれども、ディスカッションしているうちに研究者が把握して、こうではないかねといえば、ああこれが大事なんだというふうなレスポンスが出てくる。そういうところから本当のニーズを掘り起こすことができる立場にある。それは非常に大きなことだと思います。
 と同時に、やはり経済産業省という企業の監督官庁ですから、やはりデータのアクセスとか、そういうものは非常にいいだろうと思うんですね。だから、やはりそこをうまく利用して、マクロであるよりはむしろ企業レベル、あるいは産業レベルでの本音をつかまえていくところが、この研究所のアドバンテージではないかと思います。
 それからもう1つアドバンテージがあるとすれば、経済産業省は、エンジニアリングの研究所をもっているわけですね。これとうまくタイアップして、例えば日本のイノベーションの特質だとかの研究をやるときは、もちろんエンジニアリングの人だけではわからないところがあるけれども、同時にエンジニアリングの人に聞かないと本当のところはわからないというのはたくさんあるわけで、そういうところと連携して、技術的なものが非常に強い上に、経済社会分析に乗っかるというような形にするのも、恐らくはここの研究所の強みになるのではないかと思います。
 ですから、先ほどは、短期というとおかしいですけれども、既存のリソースのもとでもってどういう研究テーマを設定するかという短期のディシジョン・メーキングの話をしましたけれども、今申しましたのは、体制的なものとしての強みといいますか、そういうものも考えて、何でもかんでもというのではなくて、こここそ我々の強みだというのを打ち出して選択的におやりになることが大事ではないかなと思います。
○小野分科会長 ありがとうございました。
 それでは西岡委員からコメントをいただけますか。
○西岡委員 この組織形態のところで、要するに従来から、これは発足のとき及びその後もあったかもしれませんが、そこで、大きく3つ書いてありますけれども、4番はいいとして、「組織形態」の1、2、3で、従来より補強されたのはどういうことなのか、あるいは新しい視点を加えた、あるいは考え方を加えたとすればどういうところでしょうか。
○佐味室長 そのご質問に対するきちんとしたお答えになるかわかりませんけれども、1点目は、ある種従来の延長線で、そもそもつくったときの意図があります。2点目の他省庁、例えば内閣府の研究機関と同じではないかということについて、経済社会総合研究所というのがありますけれども、今の速水先生のご指摘にもちょっと関係してくるんですが、何でもかんでもやろうとしている、よその役所の政策に注文をつけていくというのが経産省なのかというような議論は、ある種浅い理解というか我々の説明不足によって生じているわけですが、ここでいっているのは、あくまでも政策分野としてオーバーラップするようなところについて、経済産業省に対する政策提言、経済産業政策というもの自体が非常に広い、当然税制でも社会保障でも、それは財務省だけの政策でもなければ厚生労働省だけの政策でもないという意識は我々強くもっているわけですけれども、それを産業とか経済を持続的に発展させるという観点からみて、政策当局としてどう考えるのか、こう考えるべきではないかというところをやっているんですと。その内閣府経済社会総合研究所が、例えば政府全体のマクロの問題とかいろいろな分野にまたがる問題を発信するのと、ある種評論家的にというと怒られますけれども、発信するのとは、そもそもその狙いが違うんだというのを、ニュアンスの問題かもしれませんけれども、はっきり書いたというのが1つですね。
 それから、なぜ民営化とか市場化テスト論になじまないのかというところは、実は一番最初の基本認識に書いたところと非常に理論的にはつながっていると思っておりまして、政策研究機関というのだったら、いわゆる政策研究に対するお金、浄財というのを募って運営して、それによって自由度を出していけばいいではないかという議論があるわけですけれども、それはやはり経済産業政策というものに対して責任のある外部議論の内部化を行い、それを強く発信していくということから考えると、そういった使命をやはり政策責任者である経済産業大臣が目標として設定をし、その中で、端的にいえば役所にとって耳の痛いことも含めて、耳の痛いロジックや角度のものも含めてやっていくということ。そしてまた、そういった機能を別の法人格の独立した意思をもってきちんとリードしていけるだけの法人の長を大臣が責任をもって任命できるということ。そしてまたそれを着実に執行させるために交付金を与えるということが、まさにこの独立行政法人制度というものの仕組みによって初めて実現できるのではないかと。それは、それぞれ得意分野をもっている民間の研究機関に分けてコンペをやらせたらどうかという話とは全く相入れない話ですよということを、整理をして今回初めて書き下してみた部分でございます。
○小野分科会長 どうぞ小笠原委員、コメントしてください。
○小笠原委員 僕は前回欠席したんですけれども、通常、僕は民間企業と接することが多いんですが、要は経済産業省という会社から分社化して子会社をつくりました。その子会社は、あくまでも親会社のミッションに基づいて子会社として効率経営をやっていきますという前提だとした場合に、確かに内閣府とか農水とか、例えば自動車をつくっている会社が研究機関を分社化したときに、急に医療関係の子会社と合併しなければいけないとか、内閣府という、ある種アドミニストレイティブなすごい特化したようなところと早急に分社化しなければいけないとか、そういうことは実際にないとは思うんですが、やはり実際に分社化したときに一番大事なのは、その親会社に対して、つまりそのミッションに対してどういうパフォーマンスを出したかというのが一番問われる、子会社の存在意義としてはまず第1に問われるべきではないかなと思います。
 そういう点からすると、やはりアウトカムであるとか、あとこれは多少思いつきですけれども、先ほどシェアード委員からもいみじくもあったように、財務諸表の中でそういうようなパフォーマンスをどういうふうに表現していったらいいのかというのは、私もそちらの方に多少軸足を置いているせいもありますけれども、やはり成果をどうやって出していくかということは、そういう構図からすると非常に大事な視点ではないかなと思います。
 さらに、例えば外部環境が変わって民営化をするという場合は、むしろその親子関係は切り離されて完全に市場の中に身を置くということですから、それはある種、これまでのような親会社のミッションと不可分だった関係を断ち切って、あるいはそれを1ユーザーという格好に下げて外部受諾を増やしていくということですから、これはかなりそういう意味では存在意義が変わることなのではないかなと思います。
 ですから、究極的にはそういうところに、例えばアメリカナイズされていくと、そういう民間の機関と肩を並べてやっていくということもあり得るのかもしれませんが、今、4年経っている現状では、やっと親会社から分社化して子会社として、まず親会社に対して子会社としてのパフォーマンスを出して、それで親会社はそこに継続的に出資をしているんだと。ただ、そのミッションが果たせないと、やはり出資するのはちょっと難しいですねというような話というのは出てくるので、ちょっと民間的な話をしてしまいましたが、ある種この独法というのはそういう要素を取り入れるということであれば、原則論からすると、そういうようなパフォーマンスをどのようにするかというところに、少し力点を置くべきかなと思いました。
○小野分科会長 ありがとうございます。ではシェアードさん、お願いします。
○シェアード委員 この前の研究会の印象の続きだと思いますが、4年が終わって5年目に入るということで、1つの大きな区切りですよね。では次のステップ、組織あるいはその業務全般の見直しについて考えるときは、いってみればかなりフリーハンドで考えて、少し動態的な観点、あるいはちょっと野心的な考え方、創造的な考え方も取り入れて、夢みたいなものも含めてやるべきかなという感じですね。
 ちょっと私が危惧しているのは、設立した当初の恐らく暗黙の夢、目的があったわけですよね。今までないような研究機関、政策提言あるいは政策研究の研究機関、日本の場合は各省庁が自分の下請機関、あるいは内部機関として研究所をもっているわけですが、でも余り国際的にそれほど評価されているようなことをやっていない、今までやっていなかったわけですね。ですから、そういう意味からこの独立行政法人をつくって、今までなかったような広い使命、例えば非常に狭く経済産業省絡みのものだけではなくて、その使命の中には縦割りみたいな発想をかなり排除して幅広い観点から研究活動をやって政策提言を、いってみればやってくださいよというような使命だったんですよね。
 次の5年間にわたったときに、大きくみますと、逆戻りしてしまうのか、次なるステップを、今の例えでいうと、親会社からもっと独立してひとり歩きして違う人と手を組むというようなことを目指すのか。ですから、いってみれば一つの重要な分岐点にきているんですよね。この前のペーパーを読んだら、その発想が、経済産業省の下請機関とまではいかなくても、親が一旦手離した子どもの管理をまたちょっと強化している、あるいは官業的な思考が入ってきているということを、何となく危惧するんですよね。
 例えば経済産業省がお金を出しているからいいではないかということにもなりかねないと思いますが、経済産業省がオーナーになるのかスポンサーになるのかということが問われていると思いますね。オーナーの気持ちで運営すると、いつの間にかまたがっちり自分の下請機関のようにしてしまう危険性があるんですよね。そうではなくて、経済産業省そのものがほかの官庁に今までなかったような国際的な非常に高い志を持って、また、我々がスポンサーとなって今までないようにな立派な研究機関をつくり上げるんだと。そしてそういうことが成功すればするほど親から離れて行き、そこで高い誇りというか達成感を本省においても手に入れるということ、そういうことも可能かなと考えるんですよね。
 もう1つの切り口は、そのオーナーが、今度スポンサーになったつもりで、どのようなガバナンス体制を築き上げるのかという観点が大事だと思いますね。ですから、我々独立行政法人の評価委員も、そのガバナンス体制の一画にはなっているんですが、時間がたつにつれてガバナンス体制が変わっていけるはずですね。ですから、マーケットの規律みたいなものも入ってくると思いますね。レピュテーションであったり、例えば理事長と所長に全面的に任せて自由度を与えて、そしてアカウンタビリティを追求する。ここ4年間こういうプロセスに携わっているんですけれども、雰囲気としてはきめ細かくいろいろな規則を重ねたり、自由度が定まるような方向に向いているのかということを、本音ベースでいいますと危惧しております。
 ですから、例えば日銀法みたいに使命を明確にして、そしてある程度の独立性を与えて、そしてアカウンタビリティを求めて透明性を高める。そして当然ながら中央銀行みたいに自分のクレジビリティとレピュテーションが、それをどう維持するのかという動機づけが組織内部において強烈に働き出すようになるわけですよね。そういう意味では、最後の「組織形態」のところに、いろいろなQ&Aがあったんですが、パッとみたところ静態的過ぎるのかなと。なぜこういうふうになっていないのか、つまりこれからこういうふうに少しずつなっていくためにどんなことをすればいいのか。例えば将来ほかの官庁の研究所とある程度手を組んでもいいと思いますよ。ただ、今は時期的に早過ぎる。でも将来の一つの姿としてはそういう提携なり、あるいは究極的な統合なり、そこでもっと立派な、もっといい研究所がそこでできるならそれにこしたことはないと思います。
 ですから、そういうことを頭から排除するのではなくて、今はちょっと早い、あるいはやるべきではないけれども、将来の可能性としては5年後、10年後、そういうものがあり得るかもしれないという雰囲気もちょっと取り入れてやってみたらどうかなと思いますね。それはいろいろな法律的な規定があるわけですから勝手なことはできないかもしれませんけれども、そういう設立当初の志をこれからどのように発展、進化させていくのかというのが一つの大事な観点かなと思います。
○小野分科会長 ありがとうございました。佐味さん、何かありますか。
○佐味室長 いずれも非常に鋭いご指摘をいただいたというふうに感じます。
 組織論のところが、それぞれちょっと違うニュアンスで、また違う角度からご指摘を幾つかいただいたんですが、これは、本当に物の言い方は難しいんですけれども、中期見直しのときに、現実のポリティックスの中でさらされる状況で、実は、例えば経済産業省はオーナーだという認識の強い人とスポンサーだという認識の強い人というのは当然省内でもいます。それから、研究領域をどのように設定するかということについて、みんな重点化が必要だというところは強く意識をしています。総花的にやったら生産的ではないよという速水先生のご指摘は、すみません、そうみえているとすると、ちょっとまだ「重点化」と書きながら、そのエッジが十分立っていないのではないかと思うんですけれども、ただ、今、中期見直しというものを制度上求められている中で、将来はいろいろなことがあり得るねというところ、それこそ小笠原先生のおっしゃるように、向こう5年ぐらいまで見渡したときに、本当にそこまである種のガバナンスや能力というものが成熟しているのかというところをみると、次の中期計画期間に向けて一歩進めるというようなことを見通した議論ができる段階にはまだ至っていないというのが、今時点の認識です。
私ども自身は、未来永劫これが今の形式以外ではあり得ないと、論理的にこれがベストで最終形であるというふうに考えているつもりはなくて、もちろんいろいろな環境、例えば寄附の制度も最近また税調の方で、公益法人に対する寄附の制度は大きく見直していくべきではないかというような議論が出ておりますが、それがまた本当に制度としても文化としても定着をして、そういう政策論に対してファンドしていくということが現実問題として、それこそRIETIのような成功例が違う形で幾つか出てきて、それはむしろそういうものとして、税金を払って国を経由して政策研究を成熟させるのではなくて、そこの研究機関に直にファンドすることで政策研究、政策論争を成熟させるというふうにしてもいいではないかということになってくれば、それはまさにワンオブザスポンサーズになってしまって、期待していくということも、それはないとはいえないと私どもは認識しております。
 ただ、今の制度と予見の中で見直しを考えていくときに、それを排除しないという思考はあっても、それを次の5年の期間の中にもう一歩進んでいくということが書ける状況にあるかというと、そういう認識にはない。
 したがって最低限申し上げたいのは、シェアードさんがおっしゃる何となくじわじわと役人が本性をむき出しにして引き延ばしにかかっているという意識はないということだけは断言したいと思います。
○小野分科会長 もう少しご発言があれば、どうぞ速水さん。
○速水委員 シェアードさんがおっしゃった懸念というのは、もうちょっときつい言葉でいえば、日本の組織というのは、日本だけではないんですけれども、特に日本の場合強いと思いますが、官庁だけでなくてすべて組織を維持する、組織の利益を最大化するという意向が物すごく強いのが特質であって、そういう組織におんぶした研究所であるとすれば、本当にイノベイティブに、その組織にとっても、あるいは国益にとっても両方にいい、つまりその組織が国に本当に貢献するような、サポートするような研究ができれば、その組織だってよくなるわけだから、そういう高い次元で考えれば、高い次元を目指して研究所が運営されるならば、それは全く省益と国益は乖離しないんだけれども、多くの場合、既得権、いわゆる狭い意味での省益といわれる既得権維持の政策をジャスティフィケーションするような理論構成といいますか、そういうのを求める力が強い可能性がある。それが何となく臭うというのがシェアードさんのご懸念であって、それは誰しもそういうことはちょっと考えないわけではない。
 私はよく知らないんですけれども、この研究所は5年前に発足した段階において、青木さんというトップの学者を連れてきて、組織的にも非常にイノベイティブな形に組みかえて、運営も非常にイノベイティブになさって立派な仕事をされたわけだけれども、そのときのそれをサポートされた経済産業省のトップの方々というのは、私の想像ですけれども、通産省というのはかつては規制官庁でしたですね。規制がどんどん取り外されるうちに、省の力を維持する手腕をどんどんもぎ取られていくような格好になったのではないかと思うんですね。そういう状況において、本当に省益を守るとすれば、その省益と国益が一致するような政策に持っていかなければいけない。そのためには、本当に高いレベルでの研究、それに基づく知見というようなものを出していって、それによってさすが経済産業省のいうことはすばらしいというか、これは我々は気がつかなかったけれども、こうやれば国はよくなるというようなものを出すことをしないと経済産業省がだんだんしりつぼみになるというような危機感みたいなものがあるから、あれだけのことをおやりになったのではないかと、僕は想像していたんですよ。
 それが、そういうことでサポートがあるならば私は心配しないし、シェアードさんも心配しないんだけれども、もしかしたら揺れ戻しがあって、前の狭い意味での省益といいますか、それのジャスティフィケーションみたいなものを求めるような力が強くなっているのではないかというおそれというものを感じられるわけでしょう。きつくいえばそういうことですよね。だから、そこのところは、結局我々がコメントしてもしょうがないんだけれども、やはり本当の省益を守るためには、それは省の活動が国益に直結するような政策プラン、デザインをサポートするような研究でなければならないんだよという、それが5年前の発想であるとすれば、それをぜひトップの方に改めて原点に戻ってお考えいただきたいということではないですかね。
○小野分科会長 どうでしょうか。
○シェアード委員 よく代弁をしていただきました。
○小野分科会長 どうぞ。
○西岡委員 1つ疑問というか質問ですが、中期的な評価をしておいてこういうことをいうのはなんですが、例えば形でみせてほしい。こういう研究ができたから、こういうプロダクトがあったから独立行政法人でないといけない、民間には任せられない、経産省直属でもだめであると、そういうものが4年経過して、これがエグザンプルであるというようなものを、要するにスタイルが違うとか、斬新なものを導入した云々かんぬん、それはわかりますけれども、政策的な貢献も含めて、これがその証拠ですといえるものが何かあったんでしょうか。
○佐味室長 途中で出ましたモジュール化の問題であり、イノベーション経済学の問題であり、財政の問題でありというところで、それはまさにそういった研究成果を座右に置いて政策をやるときに非常に役立っております。
○西岡委員 それは、例えば藤本隆宏さんが東大にいたらできなかったのか。
○佐味室長 やはりここで得られたまさにミクロの情報と、そのミクロの情報を扱いなれた行政官が一緒に研究することによって生み出されたものがあると思います。
○西岡委員 そうすると、この研究所の存在意義として、今後この形態をとりますというときに、それこそショーミーといわれれば、こういうものがありますという1つにそれがなると、代表的なものだといえるんですか。この組織があればこそこれができたという、政策的な貢献も含めて、要するに説明するときにわかりやすいように……。
○速水委員 やはりそれは、藤本さんが東大にいたら同じことをやられたんだろうけれども、ここでやった方が、例えばここに集まったいろいろなファカルティフェローだとか、あるいは経産から来た人だとか、そういうところとの密接な交流の機会があった方が、例えば彼だったら東大にいたって、工場だとか企業だとかそういうところに足を運んでやっただろうけれども、それ以上にやはりここでそういう機会が多くなり、さまざまなファカルティフェローを呼んで意見交換の機会が多くなれば、やはりそれはかなりプラスだったのではないかと思いますけれどもね。
 そういう意味では、この数年間においてファカルティフェロー制度とか、そういうのはうまく機能してきたと思いますよ。
○小笠原委員 その問題は、割と砕けた話をすれば、格闘家が、K―1のリングにいた人が普通の柔道の試合をしたりする場合には、異なった環境のもとで違う持ち味を出せるという部分で、今までにない形でそういう場があったということではすごく価値があっていいと思うんですが、私自身、この議論の中でちょっと気にしたのは、先ほどのように、分かれました、分かれて自立性をもたせました、独立性がありますと、独立性があるということは、勝手にはみ出してやる可能性があるのでガバナンスをきかせなければいけない。と同時に内部管理もマネジメントの要素も取り入れた上で、その成果を外に出さなければいけないとか、全部仕掛けは民間流にあると思いますけれども、私自身一番危惧したのは、独立性の問題です。独立性の部分で、例えばこういう場でガバナンスをきかせて評価をして、そういう成果だという評価をしたのに、過去、私が携わった初年度に、評価はAだったのに、その成果をトップの方のインセンティブとしてそれを辞退されたとかという話があったりとか、そうすると、本当に本省との間で独立性があるのかなという点もあります。
 それと、また戻りますけれども、例えば剰余金などの問題についても、本来もっと独立性があって、自分の商品とかサービスについて自信があれば、その成果に対して、これは将来にそれ以上の質の高いものを出そうと思ったら、ある程度内部留保をしながら、そういうものにかけるべき投資資金というのは確保しなければいけないわけですから、それもやはり独立していれば、そういうことは当然考えなければいけないんだけれども、何か半独立で、そういうことが達成できない部分は後でまた予算請求すればいいというようなことであれば、資金的に独立していなければ、本当に独立性は確保されていない。つまりかなり独立されていないことを前提に、その後のガバナンスであるとかアカウンタビリティというものが先行しているとすると、そういうハンディを背負った上で、例えばそれだったらまたもとに戻せばいいじゃないかとかという話が、結局制度がありながら、不本意ながら独立性を維持できなかったがために元どおりになるという危険性は、もしかしたらあるかなと、ちょっと懸念しました。
○速水委員 ガバナンスの問題で、根本的な問題というのが、私はわからなかったんですけれども、これが一種の取締役会みたいな役割を演ずるものだといわれて、えーそうかなと思って、それではとてもだめだから辞退させていただくわけですけれども、そういった取締役会みたいなものがしっかりしていれば、ファンドを出す大株主が、ある程度プライベートインタレストをチェックするような力をもち得ると思うんですよ。ところが企業の外部重役を担うとすれば、現在、私が、評価委員会の前に2日か3日で大急ぎでみて、論文も数点しか読まないで、それでこうだこうだというのは、ちょっと恐ろしくて、このクラスターはよくないとか、あるいはこういうやり方はどうだというようなことはとてもいえない。それでは本当のガバナンスにならないのではないかと思うんですよ。
 ですから、いわせていただくとすれば、やはり一流の学者とか一流の経営者とか一流のメディアの方、そうたくさんいなくてもいいけれども、そういう方たちがかなりの時間を使えるようなアレンジメントをつくらなければいけないのではないかなと思います。その人たちのタイムコストというのは大変に高いものであるから、それなりの報酬を払って、そのかわりにちゃんと時間を使って、普段から出てきた論文だとか、そういうものもある程度読むということを義務づけた上で、そういった知識に基づいて議論をし、そしてそれに基づいてかなり自信をもったリコメンデーションをやるというようなシステムをつくらないと、やはりこれはシェアードさんが心配されるような狭い省益からの大株主の横やりみたいなものを抑えるというようなことはできないと思いますよ。
 ですから、会社の社外重役をどのように待遇しているのか知りませんけれども、そこのところは十分考えないと、形としてはこうあっても本当のガバナンスらしさにならないのではないかと思いますね。
○小野分科会長 速水委員は、きょうを最後ということでしたので、そういう意味では言い残していただくことなくたくさんおっしゃっていただきたいと思いますけれども、このテーマ、私も意見がありまして、きょうはもう時間がなくなってきていますので余りご紹介もしませんけれども、やはり通常の会社ですと、お金を株主から集めてきて、それをどう使って、どういうアウトプットがあってそれが回転していくかというテーマですけれども、この場合はお国が寄附者で、お国から寄附をいただていそれを回していこうというわけですが、お国がこの研究所をどう評価してくれるのか、お国のかわりに評価委員会をつくってやろうということだろうと思いますけれども、普通の会社ですと、どこに向かって行くのか、ターゲットがあって、例えばベンチマークみたいなものがあって、どこどこの会社みたいになりたいとか、どこどこの研究所みたいになりたいとか、そういうイメージを将来像に置いて、そこに行くにはどういう課題があって、その課題をこういうステップで解決していこうと。その解決していくのにはこれだけお金がかかる。よってそのお金がうまく回っていくかどうか、少ないお金であればここまでしかできない、多いお金ならここまでできるという、そういう仕組みをつくっていきますよね。
 それと同じように、この研究分野も、そのまま民営化して自由にやっていこうと、その民営化のよさと、お金を心配しなくていいというよさとを、うまく組み合わせていくことが大事なのではないかと思います。日本の制度が全部変わっていって、寄附金の控除も高まっていって全部寄附した方がいいということになれば、贈与税を半分にしてとか何かできるのかもしれないんですけれども、やはりどこから財源を獲得するのかというのはやらなくても済んでいるというところが、皆様の議論の中に影響を及ぼしているようにも思うんですね。
○速水委員 ですから、お金は国から出てきているのは明らかなんですよ。プライベートな株主から出ているわけではなくて国から出ているんですね。国が出しているけれども、現実に出しているのは経済産業省であり、それを決定するのは経済産業省の幹部の方だろうと思うんですね。
 ですから問題は、その決め方が、本当の国益になるように出され、そしてその出す人たちの研究に対する要求とかいうものが、本当の国益になるように出され、要求があれば問題ないんです。問題は、それを担保するシステムがなくてはいけないので、そのためにこういうようなものがあってそれをチェックしているのではないでしょうかね。それがちゃんと働くようにするためには、もちろん一流の人を呼んでくると同時に、その一流の人がちゃんと対応できるだけの時間、ハーフタイムとはいわないけれども、ワンクォータータイムぐらいの事業負担なり何なりをこちらで払えるようなシステムみたいなものをつくって、それでちゃんとディスカッション・ペーパーなり研究リポートなりを読んでいて、それに基づいて出てきてもらって。これは外部評価委員だけで議論していいのですかね。それも取締役会であるならば、当然所長とか理事長もこの議論に入ってもいいだろうし、あるいは官房長とか入られてもいいのかもしれないし、ともかくそういうところで議論して、ちゃんと準備したものに基づき、これがいいという外部エキスパートの意見というものも経済産業省から出てくる人にインプットされて、それで次の研究費の配分とかその他が決まるというふうにならないといけないのではないでしょうか。そのシステムをつくらないと、本当の意味での独立行政法人が有効に国益にサーブするようなシステムとして動かないのではないかという気がします。
○小野分科会長 やはり共通の尺度みたいなのがあって、例えば社外取締役の人たちは、毎月1回外から来てもらって、その時間だけ議論をして帰ってもらう。その時間だけで議論してもらっていいんです、実は。中の執行の個別具体的なことについては一切問われなくていいんです。ただ財務諸表を社外重役の人はもっているわけですね、自分の会社の財務諸表をもっている。この会社に来たときに、財務というコントロールができるということでやってもらっていると思うんですね。
 そういう意味では、ここの研究所の財務評価というものが、普遍的にいろいろな研究機関の財務諸表はこうなっているので、ここはこうですよということがいえるといいんですよ。そうすれば短時間でも議論はできると思うんですけれども。
○速水委員 その場合の財務諸表に当たるものは、先ほどから議論が出ているように、何か財務諸表で、私企業の場合は、例えばネットプロフィットとか、そういうものではかれるんだけれども、ここではそれはなかなか、これを最大化するような指標というのは見当たらないというところがつらいところで、それがあれば比較的簡単で、その場とはいわないけれども、1週間ぐらい前に連絡があればできるかもしれない。だけれども、そうでないわけだから、やはりその場に来てやるというのではとてもだめだと思いますよ。やはりある程度の時間をとって、それでアウトプットを読んで自分なりに、それがネットのコンペティションがどれだけあるのかということを判断できる準備がなければ、とてもできないと思います。
○小野分科会長 その点は速水さんのおっしゃるとおりです。それは評価をする立場は、実情を極力わかろうとする姿勢がないととんちんかんになってしまいますからね。それはそのとおりだと思うんですけれども、研究所の評価ということの難しさみたいなことがあるんだと思うんですね。例えば世界平和研究所というのを中曽根さんがおつくりになって、もう20年ぐらい活動していると思いますけれども、その設立当初と今はどうなっていますか、あるいは中曽根さんが亡くなったらどうなっていきますかみたいな、やはり組織の変遷みたいなのがありますよね。そのときに、日本の組織というのは、国際競争力がある組織というのは、個人にノウハウが残っていかないで全部会社組織に残っていくような仕組みになっているんだと思うんですね。欧米の場合や中国の場合はみんな個人に成果が残っていっている。したがってその個人が移動していくことによってその成果が移っていくというようなところがあると思うんですけれども、日本の場合は職人気質といいますか、職人文化ですから、なかなか1人だけの人間に帰属するということが乏しいんだと思うんです。
 そういう意味で、どこに評価する視点をもつかによって揺れ動くんだと思うんですが、キーワードとしては、「自由度を高める」というキーワードは大事なキーワードだと思うんですけれども、一方、無茶なことをしてはいけないという節度も必要なわけですね。そういう意味でのバランスというのはあるんだと思いますけれども。
○速水委員 まさにそのとおりです。自由にしたからいいというわけでもないし、コントロールした方がいいかではなくて、本当にイノベイティブな政策知識の状況につながるような自由な研究というのはプロモートしなければならないし、同時にめちゃくちゃな自由というのは、それは明らかにだめです。ところが、研究の難しいところは、まさにそれをはかる共通の尺度がないというところにあるんですよ。
 ですから、これは何人かの本当のトップの人が入って、学者も入るし、それからメディアの人も入るし、その人がちゃんと準備して、そしてそれは私の尺度とシェアードさんの尺度は違うかもしれないし、皆さんの尺度は違うかもしれないけれども、それぞれの尺度を突き合わせて議論して、それでこういう方向でやるべきだ、ここのところは自由にやらせた方がいいだろうし、といって何もかもやるのではなくて、ここのところは絞って、ここのところは切っていった方がいいということももちろんあるだろうと思います。そしてそれを外部評価委員が従前に準備して、それに対してコメントをし議論をして、それで最終的なプランになるということでなければいけないと思うんですね。
 これは、予算のこともあるだろうし、いろいろあるわけでしょうから、そう簡単にできることではないかもしれないけれども、やはりその方向に行かないと、本当の意味での国益に資する独立行政法人にはならないのではないかと思います。
○小野分科会長 どうもありがとうございました。
 予定した時間を相当オーバーしてしまっているんですけれども、もうそろそろ5時になりますので、この辺で未解決のままに議論を終えたいと思いますが、今日ご議論いただきました評価は、今月25日に評価委員会がありますので、そこにご報告をして最終審議ということになると思います。そういう意味では、最後の4項目はもう少し論点が残っているんだと思いますし、佐味室長に、また引き続きおっしゃりたいこともあると思いますので、メモでもメールでも送っていただければありがたいと思います。
 今日の第14回の分科会はこれで終了にしたいと思います。何かもっとたくさん言いたいことがあると思いますけれども、今日は時間に免じてお許しをいただいて、この分科会、ここで終了とさせていただきます。どうも長い時間ありがとうございました。
 またシェアードさんは昨日2時ぐらいまでおかかりになったということで、大変なご苦労をおかけしました。速水さんも、本当にお務めご苦労さまでございました。ありがとうございました。

                                        以上
 

▲ 審議会全体トップ

 

最終更新日:2005.09.22
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.