経済産業省
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産業構造審議会環境部会産業と環境小委員会(第2回)‐議事要旨

日時:平成14年11月26日(火曜日)14時00分~16時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

議題

  1. 委員からの意見陳述
    • 長島德明 帝人株式会社代表取締役専務取締役
    • 杉山峯夫 日本電気株式会社代表取締役副社長
    • 西寺雅也 多治見市長
    • 辰巳菊子 社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会理事
  2. 意見交換
  3. その他

議事概要

1.委員からの意見陳述及び意見交換

(1)長島委員

長島委員から、資料2に基づき、帝人グループの環境への取組みについて説明がなされ、 以下のとおり質疑応答があった。

  • リサイクルを進める上での問題点や障害となっている事例についての問いに対し、以下のとおり回答があった。
    • 容器包装リサイクル法の入札において廃PETが予定数量より集まらない。
    • 廃棄物が「くず」であるという考え方から、「原料」であるという考え方への変更が必要。
    • 廃棄物処理法上、一般家庭から排出された廃PETは一般廃棄物で、産業界から排出された廃PETは産業廃棄物として扱われることから、リサイクルを進める上での障害となりかねない。
  • 帝人が開発したリサイクル技術は世界に広めるべきと考えるがどうかとの問いに対して、以下のとおり回答があった。
    • 混入した異物を分解して、DMTだけを取り出す技術開発に十数年かかった。PETボトルをDMTに戻す技術は、基本的に一社が独占する技術ではないため、今後評価してくれる組織があれば積極的に技術を提供していきたい。
  • 市民への啓発活動として何を実施しているかとの問いに対し、以下のとおり回答があった。
    • 徳山工場には毎日見学者が訪れ、取組開始以降、見学者は延べ1,000人以上となった。見学者はPETボトルのリサイクル技術を学習している。
    • 環境グッズの展示会などでPETボトルのリサイクル技術を紹介。ペットボトル2本でネクタイ1本ができるといったことを通じて、一般の消費者や学生への啓発を図っている。
  • 新原料リサイクル技術の採算性やリサイクル製品であるがゆえの消費者の反応はどうかとの問いに対し、以下のとおり回答があった。
    • 採算はとれていない。廃PETボトルが集まらないとすぐに赤字になる。
    • このリサイクルは、石油からできたDMTと同じ、純度99.99%のDMTに戻すので、それからできた製品は消費者にとっても、バージン材からできた製品と変わらない。

(2)杉山委員

杉山委員から、資料3に基づき、日本電気(株)の環境経営について説明がなされ、以下のとおり意見及び質疑応答があった。

  • 企業の環境度評価を行っているが、通常、企業の環境担当者は意識が高くても、役員の意識が低いという傾向がある。日本電気のように幹部の意識が高いのは評価すべきことである。これらは、環境報告書等でアピールし、英語で世界に発信したらよいとの意見があった。
  • 表彰制度の基準及や方法についての問いに対し、以下のとおり回答があった。
    • 表彰制度は、環境経営の推進に対してどのような意識をもっているのかという定性的な項目と、負荷の低減効果、先進性・独自性があるか、経済的効果、イメージ効果、意識の向上にどのような効果があったかといった定量的な項目を、リストにして、部署ごとに点数をつけて評価している。非常に小さな部門でも、優れた取組を行っている所には、特別賞を設けており、インセンティブを与えている。
  • 環境会計の計算方法についての問いに対し、以下のとおり回答があった。
    • 環境会計は、定量的評価をどうするかというところで、手前味噌でやるか、客観的にやるかによって数値が動く。客観的に見ると、環境対応でコストは高くなっているので、環境経営はマイナスになっている。しかし、出荷した商品を顧客が使用する段階で、顧客が得る省エネ効果等も加算すると結果としてプラスになる。今後、このような評価手法を検討していくつもりである。
  • 環境会計について、環境会計では何を持ってプラス、マイナスとするかは企業の裁量に任されているので、意味がないという意見もある。しかし、手前味噌な方法ではプラス、客観的にはマイナスになるからといっても、企業の姿勢により差別化は可能である。業界横断的な基準がなくても意味がないというわけではなく、企業には積極的に環境会計に取り組んで頂きたいとの意見があった。
  • 京都会議でのCO2排出量削減6%について、企業として、現実にクリアーできると思うかとの問いに対して、以下のとおり回答があった。
    • 日本の2000年のCO2排出総量が13億トンと言われており、産業界が全体の40%、IT産業がそのうちの2%程度、さらに日本電気はその10分の1程度であり、全体の0.1%くらいは日本電気の責任であると思っている。1990年の社内の排出量を積み上げ計算すると101万トンである。これを社内の目標として頑張っているが、昨年は123万トンで、増加してしまった。CO2の排出量削減は、個別企業の努力と大きな枠組での努力といった両輪で取り組む必要がある。  
  • 環境配慮型でないと売れなくなった、環境配慮型であるから売れるという感触はあるか。一般消費者の方は遅れており、産業界は進んでいるという感触はあるがどうかとの問いに対し、以下のとおり回答があった。
    • B to B(Business to Business) で環境というキーワードをプロポーザルの中に入れていくことは、一つの競争力になる。B to C(Business to Consumer)では、マークをつけることで、廃棄する際に安心できるといったことがある。B to C(Business toConsumer)も環境配慮型であるから売れるという方向に動いていると思われる。

(3)西寺委員

西寺委員から、資料4に基づき、多治見市の取組について説明がなされ、以下のとおり質疑応答があった。

  • 市は企業の環境対策に対してどのようなことを望んでいるのかとの問いに対し、以下のとおり回答があった。
    • 多治見市には陶磁器産業の小さな企業が多く、企業の取組みはなかなか進まなかったが、陶磁器のリサイクル等の動きが出てきている。このような新しいビジネスを生み出すような方向で、企業も市も考えられるようになればよい。
  • 多治見市では23種類にごみを分類しているが、ごみの分別ができない、時間がないといった人はどのようにしているのかとの問いに対し、以下のとおり回答があった。
    • 多治見市のごみの分別は基本的にはうまくいっている。高齢者や勤務時間の関係で収集時間が限定的過ぎるとの意見はあるが、自治組織の努力により問題なく実行できている。
  • 予算編成段階で環境セクションが参画しているが、具体的に一定程度の数値目標を設定しながら予算を編成しているのかとの問いに対し、以下のとおり回答があった。
    • ISOで定めた数値目標をチェックするという形はある。
  • 重点項目のうち、温暖化防止で民生部門の取組みを強化しているのはなぜか。民生部門に関しては、多治見市はどのようなことをやろうとしているのかとの問いに対し、以下のとおり回答があった。
    • 産業部門のCO2排出量はかなり減ってきているが、運輸と民生部門は取組が弱い。市民に訴えていく必要がある。

(4)辰巳委員

辰巳委員から、資料5に基づき、消費者の視点からの企業への要望等について説明がなされ、以下のとおり意見があった。

  • 環境ラベルは、ISOの標準化が進んでおり、第三者認証のマークや定量的環境情報データ等が整備されているとの意見があった。
  • 日本における企業の環境広告は十分ではない。もっと環境広告を増やすことが重要であり、この委員会の最終報告にも盛り込んで頂きたいとの意見があった。

(5)全体を通して

企業間連携について
  • 中部地域の環境パートナーシップ・CLUB(EPOC)のような、個々の企業における環境活動の枠を越え、企業間、企業と地域住民との連携による環境改善活動を行っている事例もある。
  • 山口エコタウン事業などのようなエコタウンを構築することで、他の企業から出る廃棄物についてもリサイクルが可能になるのではないか。
  • 企業間連携については、経団連では、廃棄物の企業間連携を進めている。
  • 現状、企業との連携は難しく、取組が遅れている。廃棄物の問題、リサイクルの問題を含めて、トータルで考えていきたい。
消費者と企業との関係についての意見
  • 消費者とは誰か。それを深く議論したい。生活する人はすべて消費者であり、企業に勤めている者も消費者である。企業対消費者という文脈での議論は適切ではない。

2.その他

事務局から、資料6から資料8に基づき、「コーポレート・ガバナンスと環境経営」、「国際的な 市場のグリーン化の動向と生産拠点の海外シフトに伴う影響」、「ISO/TC207(環境マネ ジメント)の進捗状況」を説明。また、資料9に基づき、「産業と環境小委員会の公開について(案)」 について説明し、了承を得た。さらに、資料10に基づき、「今後の検討スケジュール」について説明。

[文責]経済産業省 産業技術環境局 リサイクル推進課 高橋

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