経済産業省
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産業構造審議会環境部会産業と環境小委員会(第3回)‐議事要旨

日時:平成14年12月20日(金曜日)14時00分~16時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

議題

  1. 産業構造審議会環境部会産業と環境小委員会 これまでの議論のまとめ 「環境経営と環境ビジネスのあり方」についての方向性
  2. 委員からの意見陳述
    • 影近 博 日本鋼管株式会社鉄鋼事業部鉄鋼技術センター常務
    • 江村祐輔 キヤノン株式会社常務取締役
    • 増田寛也 岩手県知事
    • 萩原なつ子 社団法人環境生活文化機構理事
  3. 意見交換
  4. その他

議事概要

1.委員からの意見陳述及び意見交換

(1)影近委員

影近委員から、資料2に基づき、日本鉄鋼株式会社の環境経営と環境ビジネスの取組みについて説明がなされ、以下のとおり質疑応答があった。

  • 今後更に産業間連携を進めていくポイントは何かとの問いに対して、以下のとおり回答があった。
    • 現在、エコ・コンビナート構想に基づき、川崎市を中心に近隣の産業が協力して新しいシステムづくりを進めている。ただし、対象物を広域から収集することになると、川崎市だけとの交渉では不十分になる。量を処理しようとすると、広域、複雑になり、これがネックとなる。
    • 連携している企業がどのようにメリットを分かち合うか議論されていない。一方はメリットがあっても、もう一方が仕方なく取り組んでいるのでは産業間連携は発展しない。
    • 地域内で連携できる企業には限界がある。地域内の企業連携だけで全ての循環システムが完結するわけではない。
  • 広域から再生資源(プラスチック)を収集する場合、自治体間で収集する再生資源の品質間にばらつきがでるという問題があり、その対策はないかとの問いに対し、以下のとおり回答があった。
    • 循環システムを考える際は、廃棄物の資源化がポイントになる。再生資源の品質保証は、再生資源のマーケットがあれば、そのマーケットの圧力によって自然に向上するが、現在、廃プラスチックのマーケットが存在していない。目下のところは自社内で品質管理等の資源化までやっている。
  • 循環資源マーケットについては、鉄・アルミスクラップは存在し、古紙も形成されている。廃プラスチックマーケットを構築する上での課題は何かとの問いに対し、以下のとおり回答があった。
    • 現状、廃プラスチックは逆有償で取引されている。容器包装リサイクル法との関連で、マテリアルリサイクルの逆有償が大きい。廃プラスチックの資源化後の価格について、社会的なコンセンサスを作る必要があり、それに基づき廃プラスチックが取引されるようになることが望ましい。
  • 生産量当たりのエネルギー消費量は1985年以降ほとんど進歩がないが、なぜかとの問いに対し、以下のとおり回答があった。
    • 製鉄業の生産量当たりエネルギー消費量の改善にはプロセス上の技術イノベーションが必要である。小手先の技術では変わらない。このため、エネルギー消費量の改善は、設備の更新のタイミングに依存する。1985年から1995年の間は、鉄鋼の消費量が伸びず、老朽設備を利用し続けていた。1995年以降はプロセスが改善されて原単位は向上している。

(2)江村委員

江村委員から、資料3に基づき、キヤノン株式会社の環境経営による産業の活性化について説明がなされ、以下のとおり質疑応答があった。

  • 所有からリースへの利用形態の転換は3Rの促進に役立ち、新しいデザインを作る際にもリース部品を再利用するということで環境にも優しい。その点で、事務機は成功しているが、他の製品に関してリースを展開する際の鍵は何かとの問いに対し、以下のとおり回答があった。
    • 設備や備品の標準化が鍵である。例えば事務機の場合は、重量比で6~7割は次期製品に使えるよう意識的に設計している。リース品は5年程で返ってくるが、旧製品を再生する際も、新しい付加価値をつけられるように設計している。
  • 国への要望として「3Rに優れた製品のグリーン購入法への組み込み」とあるが、現状、3Rに優れた製品はグリーン購入法にあまり位置付けられていないという認識なのかとの問いに対し、以下のようなやりとりがあった。
    • 3R配慮製品も、かなり配慮はされているとは思うが、グリーン購入法の対象は省エネ製品が中心である。リデュース・リユース・リサイクルはあまり重視されていない。
    •  平成13年からグリーン購入法が施行されているが、グリーン購入法で判断基準が設定されている。リユース関係の商品数があまり多くないが、省エネ基準については、省エネ法がある関係もあって業界の省エネの取組みの歴史が古く、判断基準に占める省エネの要素が多いのが現実である。(事務局回答)
    • リサイクル製品については、現在は企業間のギャップが大きいが、競争が強くなれば、当然リサイクル製品もより配慮するようになると思われる。
  • 燃料電池等は触媒の貴金属を減らす取組が行われているが、貴金属が減少するとリサイクルの価値が減少する。また、プラスチックを軽量化するのに色々なプラスチックを混ぜたりすることで、リサイクルコストが高くなるといったことがある。取組間のバランスの最適点を考えながら製品製造をしているのかとの問いに対し、以下のとおり回答があった。
    • 最適点が見出せず苦労している。業界を挙げて、協同で廃プラスチックを集めているが、バージン材よりもコストが下がるということはない。せいぜい同じくらい。部材を作る際に古い材料を入れるなどの研究開発をしているが、現状、特効薬は存在していない。  

(3)増田委員

増田委員から、資料4に基づき、岩手県の環境政策に関する取組について説明がなされ、以下のとおり質疑応答があった。

  • 再生資源利用製品の開発促進について、産業化、企業化のポイントや障害にはどのようなものがあるか。県独自で進めるつもりかとの問いに対し、以下のとおり回答があった。
    • 特徴的な地場の既存企業をどれだけ結びつけるかがポイントである。研究開発ということで、人的資源や組織をいかにスキルアップしていくか課題である。
    • 現状、試験研究機関は、これからのリサイクル産業を開発するという意味では、体制が非常に弱い。本当は東北6県でやっていきたいが、北東北3県で研究開発を機能分担して、県益として研究開発のスキルアップを重点的にやっていくつもりである。
  • 不法投棄イコール産廃税の導入ということだが、業界としても原状回復のための基金に拠出している。地方自治体が、もっと強力に不法投棄を取り締まって欲しい。そうすれば産業界としても産廃税の導入を理解できるようになるとの意見に対し、以下のとおり回答があった。
    • 産業界でもしっかりした企業は基金を出しているので、そのことは評価されるべきものと考えている。重要なのは地方自治体、運搬業者、処理業者、排出事業者がそれぞれ役割分担を果たすことである。
    • 産廃税は、産業界が排出量を減らすためのインセンティブと考えている。
    • 真剣になって優良廃棄物処理業者を育てていかないと社会的コストがかかる。岩手県だけでは優良廃棄物処理事業者の育成はできないので、北東北3県、東北全体といったある程度のブロック単位での流動性は認めていきたい。
    • 北東北3県では、県外からの廃棄物の搬入課徴金を導入しており、廃棄物の広域移動を妨げるということで批判を受けるが、都市再生等の政策により首都圏で建設廃材が大量に発生した時のために、自衛策として必要なものである。首都圏の環境行政に携わっている方にも、臨海部に処理施設の建設を進める努力をしていただきたい。

(4)萩原委員

萩原委員から、資料5に基づき、NPOと企業の新しい関係について説明がなされ、以下のとおり質疑応答があった。

  • NPOが企業と連携する際の企業選定が難しいと思うが、選定基準はあるのかとの問いに対し、 以下のとおり回答があった。
    • 明確な基準、マニュアルは存在しない。企業に提案をする中で、企業が思い描いているものと一致したときに企業との連携が成立する。
  • 行政がどのようにNPOと連携したらよいのかとの問いに対し、以下のとおり回答があった。
    • 法人格を有しているNPOとしか連携できないわけではなく、地域の中で活動している法人格を持っていないNPGと呼ばれるグループともネットワークは可能である。
  • 企業がNPOと連携するのはいいが、一般市民とはどうつながるのかとの問いに対し、以下のとおり回答があった。
    • 「一の蔵」の広告の中になぜ環境保全米ネットワーク(NPO)とつながっているかが書いてある。環境ラベルには、地元の米を使っているということも書いてある。一般市民が商品を選定するときの基準となっているのではないか。
  • NPOと企業との連携で、今まで成果があったものはあるのかとの問いに対し、以下のとおり回答があった。
    • 家電メーカーが介護が必要な家庭にインターネットテレビを配布していた。そのインターネットテレビを通じて、介護施設が家庭をチェックしていた。経費は、研究開発費ということで企業が拠出していた。
    • 企業の中にも企業の殻を破りたいという人はいる。横の活動を縦の組織が認めてやるという考え方も必要である。

2. その他

事務局から資料6から資料8までに基づき、「産業構造審議会環境部会産業と環境小委員会これまでの議論のまとめ「環境経営と環境ビジネスのあり方」についての方向性」、「環境経営・ビジネス具体事例(その2)」、「今後の検討スケジュール」を説明。

また、次回は、事務局でこれまでの議論の論点を整理するとともに、「企業における環境経営と環境ビジネスのあり方」について、更に議論を深めることとなった。

[文責]経済産業省 産業技術環境局 リサイクル推進課 高橋

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